(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。以下で説明する形状、数量、材質などは、説明のための例示であって、吊り上げ移動装置の仕様により適宜変更が可能である。以下ではすべての図面において同等の要素には同一の符号を付して説明する。また、本文中の説明においては、必要に応じてそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0011】
図1は、実施形態の吊り上げ移動装置10により重量物である圧縮機100を吊り上げる直前の状態を示す断面図である。
図2は、吊り上げ移動装置10の斜視図である。
図3は、
図2のA−A断面図であり、
図4は、
図2のB−B断面図であり、
図5は、
図2のC−C断面図である。
【0012】
空調装置の空調ケース110は、建物の屋上120に配置される。空調ケース110は、出入口111に取り付けられた扉(図示せず)を有するもので、扉を開けて内側に、空調装置を構成する圧縮機100が配置される。吊り上げ移動装置10は、空調ケース110の内部で圧縮機100を吊り上げて、空調ケース110の外側または出入口111付近に圧縮機100を移動させるために用いられる。
【0013】
吊り上げ移動装置10は、4本の脚部12a、12b、12c、12d、枠部20、レール40、移動部材50、巻き上げ機60、及びストッパ部材70を備える。4本の脚部12a、12b、12c、12dは、直立して長手方向に伸縮可能である。具体的には、各脚部12a、12b、12c、12dは、下側の外筒13と上側の内筒15とを含む。外筒13及び内筒15は、鉄等の金属により断面矩形の筒状に形成され、外筒13の上端部の内側に内筒15の下端部が嵌合されることで、長手方向に相対移動可能である。また、外筒13の下端部は幅広の断面T字形に形成されることにより設置の際の安定度を高くしている。
図1から
図5では、水平方向において、圧縮機100が配置される空調ケース110の奥行方向に直交する幅方向をX、奥行方向をYとし、上下方向をZとして示している。以下では、脚部12a、12b、12c、12dは、総称して脚部12と記載する場合がある。
【0014】
各脚部12の外筒13において、幅方向X両端の板部の長手方向複数位置には幅方向に対向する外貫通孔14が形成される。そして各脚部12の内筒15において、幅方向X両端の板部には幅方向に対向する内貫通孔(図示せず)が形成される。そして、幅方向X両端のそれぞれでいずれかの外貫通孔14と内貫通孔とを一致させて棒状のロックピン(図示せず)が挿入されることにより、外筒13と内筒15との相対位置が固定される。これにより、各脚部12は、長さを調節可能に形成される。
【0015】
枠部20は、4本の脚部12の上端部に固定される。具体的には、枠部20は、それぞれ直線状である第1辺部21、第2辺部22、第3辺部25、及び第4辺部26を、連結部材30を介して、矩形状に連結することにより形成される。第1辺部21は、枠部20の奥行方向Yの一端(
図1の左端)に配置され、幅方向Xに伸びる。第2辺部22は、第1辺部21と反対側端である、枠部20の奥行方向Yの他端(
図1の右端)に配置され、幅方向Xに伸びる。第3辺部25は、枠部20の幅方向Xの一端(
図2の左端)に配置され、奥行方向Yに伸びる。第4辺部26は、枠部20の幅方向Xの他端(
図2の右端)に配置され、奥行方向Yに伸びる。各辺部21,22,25,26は鉄等の金属製である。
【0016】
各連結部材30は、鉄等の金属製であり、U字形で幅方向X外端が外側板部31で塞がれる。各脚部12を構成する内筒15の上端部と連結部材30の下端部とは、奥行方向Yに伸びる軸部32で揺動可能に支持される。これにより、後述の
図10に示すように、各脚部12は、枠部20に近づくように(
図2の矢印A1方向に)折り曲げ可能である。
【0017】
また、第1辺部21、第2辺部22、第3辺部25、及び第4辺部26のそれぞれは、長手方向に伸縮可能であり、かつ長さを調節可能に形成される。具体的には、第1辺部21及び第2辺部22は、それぞれ幅方向X中間部の内筒23と、内筒23の幅方向X両端部の外側に嵌合された2つの外筒24とを含む。外筒24及び内筒23は、断面矩形の筒状であり、長手方向に相対移動可能である。
【0018】
また、第1辺部21及び第2辺部22の各外筒24において、奥行方向Y両端の板部の長手方向複数位置には奥行方向に対向する外貫通孔24aが形成される。そして第1辺部21及び第2辺部22の各内筒23の奥行方向Y両端の板部には奥行方向に対向する内貫通孔(図示せず)が形成される。そして、奥行方向Y両端のそれぞれでいずれかの外貫通孔24aと内貫通孔とを一致させてロックピン(図示せず)が挿入されることにより、外筒24と内筒23との相対位置が固定される。これにより、第1辺部21及び第2辺部22は、それぞれ長さを調節可能に形成される。
【0019】
また、第3辺部25及び第4辺部26は、それぞれ奥行方向Y一方側(
図2の紙面の表側)の外筒27と、奥行方向Y他方側(
図2の紙面の裏側)の内筒28とを含む。外筒27の内側に内筒28が嵌合される。外筒27及び内筒28は、断面矩形の筒状であり、長手方向に相対移動可能である。
【0020】
また、第3辺部25及び第4辺部26の各外筒27において、幅方向X両端の板部の長手方向複数位置には幅方向に対向する外貫通孔27aが形成される。そして第3辺部25及び第4辺部26の各内筒28の幅方向X両端の板部には幅方向に対向する内貫通孔(図示せず)が形成される。そして、幅方向X両端のそれぞれでいずれかの外貫通孔27aと内貫通孔とを一致させてロックピン(図示せず)が挿入されることにより、外筒27と内筒28との相対位置が固定される。これにより、第3辺部25及び第4辺部26は、それぞれ長さを調節可能に形成される。
【0021】
レール40は、枠部20の中間部において、枠部20を形成する第1辺部21、及び第1辺部21と反対側端の第2辺部22に掛け渡すように固定される。具体的には、レール40の長手方向両端は、第1辺部21及び第2辺部22の内筒23の奥行方向Y内側面に固定される。レール40は、鉄等の金属製であり、レール外筒41とレール内筒42とが長手方向に連結されることにより形成される。
【0022】
図3に示すように、レール内筒42は、2つの平行な側壁部43と、各側壁部43の下端を結合する底板部44とを有する断面U字形に形成される。レール外筒41もレール内筒42と同様に形成される。そして、レール外筒41の端部の内側にレール内筒42の端部が嵌合され、レール40の長さが伸縮可能である。また、レール外筒41の各側壁部の上端縁には、レール内筒42が上側に外れることを阻止するための係止爪(図示せず)が形成される。また、第3辺部25及び第4辺部26と同様に、レール外筒41において、幅方向X両端の側壁部の長手方向複数位置には幅方向に対向する外貫通孔41a(
図2)が形成される。そしてレール内筒42の幅方向X両端の板部には幅方向に対向する内貫通孔42aが形成される。そして、幅方向X両端のそれぞれでいずれかの外貫通孔41aと内貫通孔42aとを一致させて、幅方向両側で大径の頭部付きのボルト(図示せず)のねじ軸がそれぞれ挿入され、それぞれのねじ軸にナット(図示せず)が結合される。これにより、レール外筒41とレール内筒42との相対位置が固定される。このため、レール40は、長さを調節可能に形成される。
【0023】
このため、圧縮機100(
図1)が配置される空調ケース110の内部寸法、及び、空調ケース110の出入口111の大きさ等に応じて、各辺部21,22,25,26及びレール40の長さを調節でき、かつ、長さを短縮できる。これにより吊り上げ移動装置10を持ち運ぶ際の搬送性を向上できる。
【0024】
移動部材50は、鉄等の金属製であり、断面が下側に開口するU字形のブロック状である支持部51と、
図3に示す左ローラ52、右ローラ53、及び中間ローラ54とを含む。支持部51は、上側のブロック状部51aの下端の幅方向X両端位置から2つの側壁部51bが下方に伸びて形成される。
図3、
図5に示すように、ブロック状部51aの幅方向X両端部には、2つの回転軸55が軸受(図示せず)により回転可能に支持され、その下端部がブロック状部51aから下側に突出する。そして各回転軸55の下端部には、左ローラ52及び右ローラ53がそれぞれ固定され、レール40において、左右の側壁部43の外側面に長手方向(
図3の紙面の表裏方向)に転動可能に押し付けられる。また、
図3、
図4に示すように、ブロック状部51aの幅方向X中間部で奥行方向Y中間部の下側面には、奥行方向Yに伸びる凹部51cが形成され、その凹部51cの幅方向両側面に支持壁部51dが固定される。そして各支持壁部51dの下端部には掛け渡すように、回転軸51eが軸受(図示せず)により回転可能に支持される。回転軸51eの中間部には中間ローラ54が固定され、中間ローラ54がレール40の底板部44上を長手方向(
図3の紙面の表裏方向、
図4の左右方向)に転動するように配置される。これにより、移動部材50は、レール40に対し長手方向に移動可能に支持される。
【0025】
さらに、巻き上げ機60は、例えば電動チェーンブロックであり、巻き上げケース61と、電動機62(
図1)と、連結部材63とを含む。巻き上げケース61は、移動部材50の各側壁部51bの下端に幅方向Xに掛け渡すように固定される。電動機62は、巻き上げケース61の内部に配置されて固定される。
【0026】
図3に示すように、連結部材63は、チェーン64と、チェーン64の一端に結合されたフック部65とを含み、巻き上げケース61の下側から導出される。連結部材63は、電動機62の回転によって巻き上げケース61からの導出量が調節可能である。そして、連結部材63の下端部であるフック部65に重量物としての圧縮機100が吊り下げ可能である。巻き上げ機60の巻き上げケース61には、巻き上げケース61に対する連結部材63の巻き出し及び巻き取りを指示するための操作部(図示せず)が設けられる。
【0027】
図6は、
図1から圧縮機100を取り出して示す図である。
図7は、
図6の上方から見た図である。圧縮機100は、円筒状の外形を有し、上端部が天板部101で塞がれる。天板部101の中心部には、上側に突出する係止突部102が形成され、係止突部102に形成された孔103に巻き上げ機60のフック部65を係止させることが可能である。圧縮機100の下端部には、周方向複数位置において径方向外側に突出するように取付突部104が形成される。各取付突部104には、上下方向に貫通する取付孔105(
図7)が形成される。このような圧縮機100は、
図1に示すように空調ケース110の内側で、空調ケース110を構成する底板部112上に配置される。
【0028】
図8は、空調機の空調ケース110の底板部112において、上方に突出する取付ボルト115を示す斜視図である。底板部112には、圧縮機100の取付孔105の位置に応じて、複数の取付ボルト115が上側に突出するように固定される。取付ボルト115は、底板部112の下側にねじ軸より大径の頭部が配置される構成としてもよいが、大径の頭部がないスタッドボルトとしてもよい。そして、圧縮機100の各取付孔105に取付ボルト115が貫通され、取付ボルト115の上端部にナット116(
図1)が結合されることにより、圧縮機100が空調ケース110に固定される。
【0029】
図9は、吊り上げ移動装置10のレール40に取り付けられたストッパ部材70において、レール40の一部を断面にして示す斜視図である。ストッパ部材70は、平行な上側板部71及び下側板部72と、2つの板部71,72を結合する2つのボルト73とを含む。上側板部71及び下側板部72は、レール40を上下方向両側から挟み、レール40から幅方向(
図9の左右方向)両側にはみ出した部分に孔75が形成される。そして、2つのボルト73が2つの板部71,72の孔75を上下方向に貫通し、下側板部72の下側に各ボルト73の頭部(図示せず)を突き当てる。各ボルト73のねじ軸において上側板部71の上側に突出する部分にはナット74が結合され、ボルト73の頭部とナット74とで、各板部71,72及びレール40が挟まれる。これにより、ストッパ部材70がレール40に取り外し可能に固定される。ストッパ部材70の各板部71,72の長手方向(
図9の左右方向)両端部には、移動部材50の支持部51の幅方向X両端部において、奥行方向Y他端(
図1の右端、
図2の紙面の裏側端)が突き当て可能である。
【0030】
移動部材50は、ストッパ部材70の各板部71,72の端縁に突き当てられてることにより、レール40の長手方向に沿う移動が規制される。
【0031】
図10は、吊り上げ移動装置10の脚部を折り曲げた状態を示す斜視図である。吊り上げ移動装置10の各脚部12は、第1辺部21側及び第2辺部22側のそれぞれ2つの脚部12で枠部20に近づく方向に折り曲げることが可能である。このとき、枠部20の各角部に固定された連結部材30に第1辺部または第2辺部に沿う方向に突出する係止板部が形成され、折り曲げられた脚部と係止板部とが、ロックピン、または凹部及び凸部の係合構造で係合されるように構成してもよい。これにより、各脚部12を枠部20側に曲げられた状態で維持しやすい。このため、吊り上げ移動装置10を持ち運ぶ際の作業性の向上を図れる。
【0032】
上記の吊り上げ移動装置10によって、巻き上げ機を交換する作業は次のようにして行う。まず、吊り上げ移動装置10により既存の圧縮機100を吊り上げて、空調ケース110の内側から外側に移動させた後、搬出する。この場合には、まず、作業者が、
図1に示すように、空調ケース110の外側に奥行方向Y一端の2つの脚部12a、12bを配置し、空調ケース110の内側に奥行方向Y他端の2つの脚部12c、12dを配置するように、吊り上げ移動装置10を設置する。このとき、空調ケース110の底板部112があるので、奥行方向他端の脚部12c、12dの接地位置は、底板部112の厚み分だけ、奥行方向一端の脚部12a、12bの接地位置より高い。このため、奥行方向他端の脚部12c、12dを、奥行方向一端の脚部12a、12bより短くなるように脚部12の長さを調節する。これにより、レール40を水平方向に沿うように調節する。このとき、枠部20またはレール40において、水平度を確認するための水平器が固定されてもよい。
【0033】
そして、この状態で、レール40に沿って移動部材50を圧縮機100の真上付近に移動させる。このとき、ストッパ部材70により、移動部材50の移動が規制されるので、巻き上げ機60が圧縮機100の真上付近から大きく外れた位置に移動することを防止できる。
図1では、ストッパ部材70は、移動部材50から離れているが、ストッパ部材70を移動部材50に突き当ててもよい。
【0034】
また、圧縮機100の下端部の取付孔105(
図7)に挿入された取付ボルト115の上部からナット116(
図1)を取り外す。そして、巻き上げ機60の連結部材63のフック部65を、圧縮機100の係止突部102の孔103(
図6)に係止し、その状態で作業者が巻き上げ機60の操作部を操作して、連結部材63を巻き上げケース61側に巻き取ることで、圧縮機100を吊り上げる。この状態で移動部材50にはかなりの重量が加わるので、移動部材50が奥行方向Y他側(
図1の右側)に大きく移動してしまうと、作業者が移動部材50を一方側に戻す際の負担がかなり大きい。実施形態では、ストッパ部材70がレール40に固定され、移動部材50の他方向への移動が規制されるので、このような不都合を防止できる。
【0035】
次いで、巻き上げ機60により圧縮機100が吊り上げられた状態で、作業者が移動部材50を奥行方向Y一方側に移動させて空調ケース110の外側または出入口111の近くに圧縮機100を移動させる。そして、フック部65から圧縮機100を取り外して、所望の場所に圧縮機100を移動させる。このとき、圧縮機100は空調ケース110の外側で台車に載せられて移動されてもよい。空調ケース110の外側は広い空間であり、作業者が圧縮機100を移動させる作業は比較的容易である。
【0036】
一方、空調ケース110の外側から交換用の新品の圧縮機100を空調ケース110の内側に移動させる場合も、上記の吊り上げ移動装置10が用いられる。このとき、空調ケース110の外側または出入口111付近で巻き上げ機60のフック部65を、圧縮機100の係止突部102の孔103に係止する。この状態で巻き上げ機60の操作により圧縮機100を吊り上げ、その後、移動部材50を奥行方向Y他方側(
図1の右側)に移動させる。また、空調ケース110の内部において、複数の取付ボルト115の上側で巻き上げ機60を操作して圧縮機100を下ろす。そして、圧縮機100の取付突部104の取付孔105に取付ボルト115(
図8)を挿入した後、取付ボルト115の上部にナット116を結合することにより、空調ケース110内に圧縮機100を設置する。これにより圧縮機100の交換作業が終了する。
【0037】
上記の吊り上げ移動装置10によれば、圧縮機100の交換の際に、作業時の負荷の軽減により作業者の体にかかる負担を軽減できる。また、吊り上げ移動装置10は、枠部20と、枠部20の下側に固定され直立する4本の脚部12と、枠部20に固定されたレール40とを含み、レール40に対し長手方向に移動する巻き上げ機60とを含み、圧縮機100が吊り上げられる。これにより、圧縮機100を安定して移動させることができる。さらに、各脚部12の長さが調節可能であるので、一部の脚部12の接地位置の高さが残りの脚部12の接地位置の高さと不均一の場合でも、安定して圧縮機100を移動させることができる。
【0038】
なお、レール40は、出入口111側で空調ケース110の奥側より低くなるように、奥行方向Yに対し、わずかに傾斜されてもよい。圧縮機100の取り外し作業時には、圧縮機100が巻き上げ機60に吊り上げられた状態で、作業者が空調ケース110の出入口111側に移動部材50を移動させる。レール40の傾きにより移動部材50、巻き上げ機60、及び圧縮機100は自重で出入口111側に移動しやすい。これにより、作業者が移動部材50を移動させるために要する力が小さくなる。
【0039】
図11は、実施形態の吊り上げ移動装置10の別例において、作業者121が移動部材50を移動させる状態を示す斜視図である。
図11の別例の構成では、
図1から
図10の構成において、第3辺部25、第4辺部26、及びレール40がそれぞれ断面矩形の単一の筒部材により形成され、それぞれの長さが調節不能な構成である。なお、第3辺部25、第4辺部26、及びレール40は、
図1から
図10の構成と同様に形成されてもよい。また、第1辺部21及び第2辺部22も、それぞれ単一の筒部材により形成され、それぞれの長さが調節不能な構成としてもよい。
【0040】
また、4本の脚部12のうち、奥行方向Y他端の2つの脚部12c、12dの中間部に幅方向Xに掛け渡すように板状の支持部材80が固定される。この支持部材80の上側には第1下側確認ミラー81が固定される。また、枠部20の第2辺部22においても、上側にアーム部82を介して第2下側確認ミラー83が固定される。第1下側確認ミラー81及び第2下側確認ミラー83は、それぞれ上端が下端よりも奥行方向Y一方側(
図11の紙面の表側)に位置するように傾斜する。
【0041】
また、支持部材80の下側には下側照射ライト84が固定される。下側照射ライト84は、吊り上げ移動装置10の下側であって、底板部112から上側に突出する取付ボルト115の付近を照射可能である。
【0042】
上記の構成によれば、圧縮機100(
図1参照)が巻き上げ機60により吊り上げられた状態で、作業者121が移動部材50を移動させる際に圧縮機100の取付突部104及び取付ボルト115の位置を各下側確認ミラー81,83で確認しやすい。これにより、圧縮機を空調ケース110に設置する際において、取付突部104の取付孔105(
図7)に取付ボルト115を挿入しやすい位置に作業者121が確認しながら圧縮機100を移動しやすい。しかも、下側照射ライト84により、取付ボルト115の付近が照射されるので、作業者121が圧縮機100の取付突部104及び取付ボルト115の位置を各下側確認ミラー81,83でより容易に確認しやすい。なお、第1下側確認ミラー81及び第2下側確認ミラー83のうち、一方は省略されてもよい。
【0043】
4本の脚部12のうち、幅方向X一端または他端の2本の脚部12に、奥行方向Yに掛け渡すように支持部材を固定し、この支持部材に第1下側確認ミラー81が固定されてもよい。
【0044】
第2下側確認ミラーは、枠部20のうち、第3辺部25または第4辺部26に固定されてもよい。その他の構成及び作用は、
図1から
図11の構成と同様である。
【0045】
図12は、実施形態の吊り上げ移動装置10の別例において、脚部12cの下部に取り付けられた下側照射ライト84で取付ボルト115を照射する状態を示す図である。
図12に示す構成では、4本の脚部12のうち、奥行方向他端の1本の脚部12cの下端部に下側照射ライト84が固定される。下側照射ライト84は、例えば1本の脚部12cに固定されたリング部85と、リング部85の周方向一部に径方向外側に突出するように固定されたライト本体86とを含む。ライト本体86は、取付ボルト115の付近である下側を照射可能である。下側照射ライト84は、4本の脚部12のうち、脚部12c以外の1本の脚部12のみに固定されてもよい。その他の構成及び作用は、
図1から
図11の構成、または
図12の構成と同様である。
【0046】
なお、上記の各例の構成において、移動部材は、レール40を上下方向両側から挟んでレール40上を転動する上側ローラ及び下側ローラを備える構成としてもよい。また、ストッパ部材は、クリップ状に形成され、レール40の側壁部の上端部を挟んで固定される構成としてもよい。
【0047】
また、上記の各例の構成において、各脚部12のうち、空調ケース110の内側に配置される2本の脚部12c、12dの下端部に磁石が取り付けられてもよい。そして、これら2本の脚部12c、12dの外側の操作部を操作することにより、磁石が脚部12c、12dの下端から遠ざかるように、磁石移動手段が設けられてもよい。これにより、磁石が脚部12c、12dの下端に近づいた状態で、空調ケース110を形成する鉄等の金属製の底板部112に脚部12c、12dの磁石の吸引力を作用させてもよい。これにより、脚部12c、12dが底板部112に磁力で固定されるので、空調ケース110に脚部12をより安定して設置することができる。このため、より安定して圧縮機100を所望位置まで移動させることができる。また、吊り上げ移動装置10により移動させる重量物は、圧縮機100以外としてもよい。また、重量物は建物の屋内に配置されてもよい。