(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6785576
(24)【登録日】2020年10月29日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】吊り足場の構築方法
(51)【国際特許分類】
E04G 1/14 20060101AFI20201109BHJP
E04G 3/00 20060101ALI20201109BHJP
E04G 7/32 20060101ALI20201109BHJP
【FI】
E04G1/14 A
E04G1/14 303A
E04G3/00 Z
E04G7/32 A
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-99219(P2016-99219)
(22)【出願日】2016年5月18日
(65)【公開番号】特開2017-206859(P2017-206859A)
(43)【公開日】2017年11月24日
【審査請求日】2019年5月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000167233
【氏名又は名称】光洋機械産業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】上田 実
【審査官】
兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−138747(JP,A)
【文献】
特開2004−263460(JP,A)
【文献】
特開昭62−078353(JP,A)
【文献】
実開平06−020747(JP,U)
【文献】
米国特許第04253548(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 1/00−7/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状の円筒状本体部を有し、
前記本体部の上端部には、断面略コの字状に形成されたコ字状部が設けられ、
前記本体部の下端部は、他の支柱のコ字状部によって挟持される被挟持部とされており、
前記コ字状部において対向する一対の側壁面部と、前記被挟持部の周壁面部とには、それらを貫通する貫通孔がそれぞれ形成されている複数の支柱が、水平方向に並んで吊下げられ、前記支柱同士の間に複数の足場部材が連結されて一体的に設けられ、前記支柱が下方向に順次接続される吊り足場の構築方法であって、
前記吊下げられる支柱を、その下端と地面との距離が前記支柱の長さより短い第1高さになるよう保持する第1ステップと、
前記支柱と異なる他の支柱を、その下端が地面についたままの状態の斜め状態に支持しつつ、前記他の支柱の上端部であるコ字状部を前記吊下げられる支柱の下端部である被挟持部に挟持させ、前記一対の側壁面部及び前記周壁面部に形成された前記貫通孔に軸部材をそれぞれ嵌挿することにより、前記他の支柱を前記吊下げられる支柱に回転自在に接続する第2ステップと、
前記両支柱を上方に吊上げて、前記他の支柱の上端と地面との距離が前記他の支柱の長さより長い第2高さになるよう前記他の支柱を保持する第3ステップと、
水平方向に並ぶ前記他の支柱の間に、複数の足場部材を連結する第4ステップと、
を含むことを特徴とする、吊り足場の構築方法。
【請求項2】
前記本体部に所定の間隔を隔てて複数のフランジが設けられ、
前記フランジには、複数の足場部材を連結するための係合孔が形成されており、
前記第4ステップでは、
前記フランジの係合孔を用いて水平方向に並ぶ前記他の支柱の間に、水平材を取り付け、
前記水平材を用いて足場部材を取り付ける、請求項1に記載の吊り足場の構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築工事現場等で使用される仮設足場において、上方から吊下げられて用いられる吊り足場の構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、仮設足場は、建築工事現場において例えばビル等の建築物に沿うようにして設けられ、現場作業者が建築物の補修や塗装等の工事を行うために用いられる。近年では、例えば高速道路や橋梁等において、上方から吊下げられた、いわゆる吊り足場が採用されている(例えば「特許文献1」参照)。
【0003】
図12は、従来の吊り足場の一例を示す図である。吊り足場は、図略のクレーン等により例えば枠状の支持部材31が吊下げられ、この支持部材31の下方に支柱32、足場板33、及び手摺材34等の各足場部材が連結される。この場合、支柱32は上下方向に連結され、すなわち上側の支柱32aを吊下げた状態で下側の支柱32bが下方から連結される。
【0004】
図13は、支柱32a,32b同士の接続方法を示す図である。同図に示すように、上側の支柱32aは下端部が中空になっており、この中空部分に下側の支柱32bの上端部に形成されたほぞ35が下方から差込まれる。そして、上側の支柱32aに形成された貫通孔37と、ほぞ35に形成された貫通孔38とに取付けピン36をそれぞれ嵌挿させることにより、両支柱32a,32bが連結される。
【0005】
この場合、現場作業者は、下側の支柱32bを片手で持ち上げながら、そのほぞ35を上側の支柱32aの下端部に下方から差込み、それぞれの貫通孔37,38が同軸上になるようにそれらの位置を合わせなければならない。さらに、現場作業者は、もう一方の手で上方に位置する貫通孔37,38に取付けピン36を嵌挿させる必要がある。
【0006】
しかしながら、支柱32は例えば約1800mmの長さがあるため、現場作業者はそれを片手で持ち上げて支持した上で上側の支柱32aに下側の支柱32bのほぞ35を差込まなければならず、支柱32の取扱いが容易ではないといった問題点がある。さらに、支柱
32bを片手で支持しながら、もう一方の手を上方に伸ばして両支柱32a,32bの貫通孔37,38に取付けピン36を差し込まなければならない。したがって、現場作業者にとっては窮屈な姿勢での負担のかかる作業となり、必ずしも作業性に優れているとは言い難かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−185198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、現場作業者による作業の負担を軽減し作業性を向上させることのできる吊り足場の構築方
法を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発
明によって提供される吊り足場の構築方法は、
長尺状の円筒状本体部を有し、前記本体部の上端部には、断面略コの字状に形成されたコ字状部が設けられ、前記本体部の下端部は、他の支柱のコ字状部によって挟持される被挟持部とされており、前記コ字状部において対向する一対の側壁面部と、前記被挟持部の周壁面部とには、それらを貫通する貫通孔がそれぞれ形成されている複数の支柱が、水平方向に並んで吊下げられ、前記支柱同士の間に複数の足場部材が連結されて一体的に設けられ、前記支柱が下方向に順次接続される吊り足場の構築方法であって
、前記吊下げられる支柱を、
その下端と地面との距離が前記支柱の長さより短い第1高さになるよう保持する第1ステップと、前記支柱と異なる他の支柱を、
その下端が地面についたままの状態の斜め状態に支持しつつ、前記他の支柱の上端部
であるコ字状部を前記
吊下げられる支柱の下端部
である被挟持部に挟持させ、前記一対の側壁面部及び前記周壁面部に形成された前記貫通孔に軸部材をそれぞれ嵌挿することにより、前記他の支柱を前記吊下げられる支柱に
回転自在に接続する第2ステップと
、前記両支柱を上方に吊上げて、前記他の支柱の上端と地面との距離が前記他の支柱の長さより長い第2高さになるよう前記他の支柱を保持する第3ステップと、水平方向に並ぶ前記他の支柱の間に、複数の足場部材を連結する第4ステップと、を含むことを特徴としている。
【0013】
本発明の
吊り足場の構築方法において、前記本体部に所定の間隔を隔てて複数のフランジが設けられ、前記フランジには、複数の足場部材を連結するための係合孔が形成されて
おり、前記第4ステップでは、前記フランジの係合孔を用いて水平方向に並ぶ前記他の支柱の間に、水平材を取り付け、前記水平材を用いて足場部材を取り付けるとよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の吊り足場の構築方法によれば、吊下げられる支柱を、支柱の下端と地面との距離が支柱の長さより短い第1高さになるよう保持する第1ステップと、他の支柱を斜め状態に支持しつつ、他の支柱の上端部を支柱の下端部に接続する第2ステップとを含むので、他の支柱を斜め状態にする際、その下端を地面につけたままで、吊下げられた支柱の下端に接続することができる。そのため、現場作業者は、他の支柱を片手で支持した上で、自身の腰の当りで支柱同士の接続作業を行うことができ、容易にかつ確実に支柱同士が接続される。よって、現場作業者の負担を軽減して吊り足場の構築時の作業性を向上させることができる。また、吊り足場の組み上げ作業は、地上で行い得るので高所作業が不要となり、例えば工具を落下させたり現場作業者が墜落したりすることなく安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係る吊り足場を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【
図2】吊枠部材の取付片と高さ調整支柱を示す部分斜視図である。
【
図4】高さ調整支柱と支柱の接続方法を説明するための図である。
【
図5】吊り足場の構築方法を説明するための図である。
【
図6】吊り足場の構築方法を説明するための図である。
【
図7】吊り足場の構築方法を説明するための図である。
【
図8】吊り足場の構築方法を説明するための図である。
【
図9】吊り足場の構築方法を説明するための図である。
【
図10】吊り足場の構築方法を説明するための図である。
【
図11】吊り足場の構築方法を説明するための図である。
【
図13】従来の支柱同士の接続方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る吊り足場を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。吊り足場1は、例えば建設工事現場等に用いられ、複数の仮設部材が一体的に連結されて吊下げられるものである。
【0018】
吊り足場1は、図略のクレーン等で上方からワイヤーロープ2を介して吊下げられる支持部材としての吊枠部材3を有している。吊枠部材3は、その下方に構築される仮設足場の占有面積を略設定するものであり、例えば鋼製の枠状部材によって形成されている。吊枠部材3は、その本体が水平方向に広がるようにして吊下げられている。なお、吊枠部材3は、枠状に形成されることに限らず、例えば平板状であってもよい。
【0019】
吊枠部材3の周側面には、
図1及び
図2に示すように、高さ調整支柱4(後述)を吊下げ支持するための複数の取付片5が設けられている。取付片5は、平面視で略コの字状に形成された前面側部材5aと後面側部材5bとからなる。前面側部材5aは、その上部部分が吊枠部材3に例えば溶接されて取付けられ、後面側部材5bは、その上端部が吊枠部材3の底面に取付けられている。
【0020】
前面側部材5aの下部部分と後面側部材5bとの間には、高さ調整支柱4が挟持されるようにして設けられている。図示しないが、前面側部材5a及び後面側部材5b並びに高さ調整支柱4には、貫通孔がそれぞれ形成され、それらの貫通孔には、取付ピン6(
図2参照)が嵌挿される。
【0021】
高さ調整支柱4は、円筒状に形成され、後述するように、吊枠部材3のすぐ下層における現場作業者の作業高さを確保するために用いられる。高さ調整支柱4は、その長手方向の途中位置にフランジ7が形成されている。フランジ7には、例えば吊り足場1に用いられる各足場部材を四方に向けて連結可能にするための4つの係合孔7aがそれぞれ形成されている。
【0022】
高さ調整支柱4のフランジ7には、
図2に示すように、水平材8が連結されている。水平材8は、必要に応じて複数設けられ、本実施形態では吊枠部材3の周面方向に沿って設けられているとともに、図示しないが吊枠部材3の中央付近の短手方向にも設けられている。水平材8は、その連結部材9がフランジ7を挟持し、クサビ10がフランジ7の係合孔7aに上下方向に嵌入されることによりフランジ7に保持される。
【0023】
高さ調整支柱4の下端部には、支柱11が連結されている。支柱11は、後述する手摺材20や足場板23等の足場部材を連結支持するためのものであり、高さ調整支柱4より長い長尺状に形成されている(例えば約1800mm)。支柱11は、
図3に示すように、円筒状の本体部12と、その一端に設けられた略コの字状のコ字状部13とを有する。本体部12には、高さ調整支柱4と同様にフランジ7が形成されている。支柱11のフランジ7は、長手方向に所定の間隔を隔てて複数(本実施形態では4個、
図1参照)形成されている。
【0024】
コ字状部13は、対向する一対の側壁面部14を有し、各側壁面部14には、その厚み方向に貫通する貫通孔15がそれぞれ形成されている。これらの貫通孔15は、コ字状部13を高さ調整支柱4や他の支柱11に連結させるためのものである。すなわち、
図4に示すように、高さ調整支柱4の下端部には、図示しない貫通孔が形成されており、コ字状部13の貫通孔15とともに取付けピン16が嵌挿される。これにより、支柱11は高さ調整支柱4との連結時に回動自在とされる。なお、取付けピン16には、チェーン16a及び抜け止め用の松葉ピン16bが接続されている。
【0025】
支柱11は、その下端近傍に直径方向に貫通する貫通孔17が形成されている。この貫通孔17は、下方に他の支柱11を連結するためのものである。すなわち、支柱11同士が連結される場合、
図4に示した高さ調整支柱4を支柱11に代えて、支柱11の下端部と他の支柱11のコ字状部13とが取付けピン16によって連結される。これにより、他の支柱11は支柱11との連結時に回動自在とされ、以下、吊り足場1の下方に向かう方向に同様の支柱11が連結される。この場合、支柱11の下端部は、他の支柱11のコ字状部13によって挟持される被挟持部として機能する。
【0026】
なお、
図2中の符号18は、コ字状部13を抜脱可能にするためのボルトを示す。すなわち、コ字状部13は、円筒状の部材19と接続されており、図示しないが、円筒状部材19は本体部12の内部空間に沿って延びている。この円筒状部材19は、ボルト18によって本体部12に着脱可能とされている。そのため、支柱11は、ボルト18を取り外すことでコ字状部13が抜脱され、通常のパイプ状の支柱として用いることができる。
【0027】
吊り足場1では、水平方向に隣り合う支柱11同士の間に、現場作業者の転落防止用の手摺材20が敷設される(
図1参照)。手摺材20は、手摺として機能する水平材21と、交差する2本の斜材22とからなる。斜材22の両端は、支柱11のフランジ7にそれぞれ係合される。前後方向に隣り合う支柱11の間には、複数の水平材8が敷設され、水平材8を用いて足場板23が設けられる。また、足場板23に沿って幅木24が設けられる。
【0028】
なお、支柱11は、それが高さ調整支柱4等に連結される際には回動自在であるが、水平材8、手摺材20及び足場板23等の足場部材が取付けられると、これらによって固定された状態となるので回動自在の状態ではなくなる。
【0029】
また、
図1に示した吊り足場1では、高さ調整支柱4は吊枠部材3の下方に連結されていたが、これに代えて、吊枠部材3には、支柱11が直接的に連結されていてもよい。
図1に示す吊り足場1では、高さ調整支柱4は、吊枠部材3のすぐ下の層における現場作業者の作業高さを確保するために用いられている。通常、支柱11の最下段のフランジ7に足場板23が敷設されるため、吊枠部材3に直接的に支柱11が連結されると、層の高さが約1800mmより低くなる。そのため、高さ調整支柱4を用いて吊枠部材3のすぐ下の層の高さを約1800mmになるようにされている。
【0030】
次に、上記吊り足場1の構築方法について説明する。
【0031】
本実施形態における吊り足場1では、基本的に現場作業者が地上において足場を組み上げ、組み上げられた足場がクレーン等で吊上げられていくといった作業が行われる。
【0032】
まず、
図5に示すように、地面に載置された吊枠部材3に、図略のクレーン等に懸装されたワイヤーロープ2が取付けられる。次いで、クレーン等により吊枠部材3が吊上げられ、
図6に示すように、所定の高さ位置(例えば現場作業者の頭のあたり)に一旦保持される。この高さ位置に保持された状態で、現場作業者によって吊枠部材3の各取付片5に、高さ調整支柱4がそれぞれ吊下げられた状態で連結される。
【0033】
次に、
図7に示すように、隣り合う高さ調整支柱4の左右方向及び前後方向に水平材8が連結される。これにより、高さ調整支柱4は、吊下げられた状態での左右方向または前後方向の搖動が抑制される。
【0034】
その後、さらに吊枠部材3が上方に吊上げられ、
図8に示すように、高さ調整支柱4の下端が所定の高さ位置(例えば現場作業者の腰のあたり)になるように一旦保持される。すなわち、高さ調整支柱4の下端と地面との距離が支柱11の長さより短い高さH1になるように、吊枠部材3が保持される。
【0035】
そして、現場作業者によって支柱11が高さ調整支柱4の下端部に連結される。この場合、支柱11の上端にはコ字状部13が設けられているので、コ字状部13によって高さ調整支柱4の下端部が挟持される。そのため、支柱11を斜めにした状態で、それを高さ調整支柱4に連結することができる。すなわち、支柱11を高さ調整支柱4に連結する際、従来の方法のように(
図12参照)、支柱32の長さ以上の高さを確保する必要がない。
【0036】
また、支柱11を斜めにした状態で高さ調整支柱4に連結できるので、現場作業者は、支柱11の下端を地面につけたままの状態で、支柱11を片手で支持することができる。支柱11の下端が地面についているので、現場作業者にかかる支柱11の重量を約1/2に低減させることができ、現場作業者は片手でも支柱11を十分に支持することができる。
【0037】
さらに、現場作業者は、自身の腰のあたりで、高さ調整支柱4の貫通孔(図略)とコ字状部13の貫通孔15との位置を合わせ、取付けピン16をそれらに嵌挿する作業を行うことができる。そのため、従来、支柱32aを上下方向に立てて他の支柱32bと連結させる方法に比べ、負担が軽減されて容易にかつ確実に支柱11を連結させることができ、作業性を向上させることができる。また、吊り足場1の組み上げ作業は、地上で行い得るので高所作業が不要となり、例えば工具を落下させたり現場作業者が墜落したりすることなく安全に行うことができる。
【0038】
各高さ調整支柱4に支柱11がそれぞれ取付けられると、
図9に示すように、吊枠部材3を上方に吊上げ、支柱11の下端と地面との間に少し隙間ができるように、すなわち支柱11の上端と地面との距離が支柱11の長さより長い高さH2になるように一旦保持される。
【0039】
その後、水平方向に隣り合う支柱11間に、
図10に示すように、手摺材20が取付けられる。次いで、前後方向に隣り合う支柱11の間に図略の水平材が取付けられ、この水平材に足場板23が掛止され、足場板23に沿って幅木24が設けられる。これにより、一層分の仮設足場が構築されることになる。
【0040】
次いで、
図11に示すように、支柱11の下端部が現場作業者の腰のあたりになるように吊枠部材3がさらに吊上げられ、支柱11の下端部に他の支柱11が連結される。この場合も、
図8に示したのと同様に、他の支柱11は、下端が地面についた状態で支持され、上側の支柱11に連結される。
【0041】
そして、他の支柱11が全て連結されると、
図9に示したように、他の支柱11の下端と地面との間に少し隙間ができるように、吊枠部材3が上方にさらに吊上げられ、隣り合う他の支柱11間に、手摺材20や足場板23が掛止される。以下、同様にして吊枠部材3が間欠的に吊り上げられ、下側方向に所定数の支柱11、手摺材20及び足場板23等の足場部材が連結される(
図1参照)。
【0042】
なお、本発明の範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。例えば、上記実施形態における吊枠部材3、高さ調整支柱4、支柱11、手摺材20、筋交い21、足場板23等の形状、大きさ、数量等は、上記実施形態に限るものではなく、適宜設計変更可能である。例えば、上記実施形態において、支柱11はパイプ状とされたが、これに限らず、例えば角柱状であってもよい。また、支柱11の上端部が他の支柱11の下端部に回動自在となる構成は、上記実施形態のようにコ字状部13が用いられることに限るものではない。
【符号の説明】
【0043】
1 吊り足場
3 吊枠部材
4 高さ調整支柱
7 フランジ
8 水平材
11 支柱
12 本体部
13 コ字状部材
14 側壁面部
15,17 貫通孔
16 取付けピン
20 手摺材
23 足場板
24 幅木