(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
走行機体に、エンジンと、運転座席を有する運転部と、前記運転座席の下方に位置して前記エンジンの排ガスを浄化処理する排ガス処理装置と、前記排ガス処理装置にて処理された排ガスを外方に放出する排気管とが備えられ、
前記運転部が機体左右方向一方側に偏倚する状態で設けられ、
前記運転部に前記運転座席の上方空間を覆うキャビンが備えられ、
前記キャビンの機体左右方向他方側の後部の角部に、平面視で前記キャビンの内側に向けて入り込む状態で凹入部が形成され、
前記排気管が、前記運転座席よりも後側において前記凹入部により形成された空間を通して上向きに延びており、かつ、前記キャビンの後部に支持されている収穫機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来構成では、エンジンからの排ガスが機体下方の狭い空間に排出されるので、排ガスが機体外方の大気中に拡散され難く、高温の排ガスが機体下方の空間に籠るおそれがある。その結果、圃場で走行する走行機体に隣接している未刈り領域の作物に高温の排ガスが悪影響を与える等の不利な面がある。また、排気管に、圃場の泥土がかかったりして、排気管の劣化が促進されるおそれもあった。
【0005】
そこで、排気管の耐久性を向上させつつ、エンジンからの排ガスを迅速に大気中に拡散させ易くすることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る収穫機の特徴構成は、走行機体に、エンジンと、運転座席を有する運転部と、前記運転座席の下方に位置して前記エンジンの排ガスを浄化処理する排ガス処理装置と、前記排ガス処理装置にて処理された排ガスを外方に放出する排気管とが備えられ、
前記運転部が機体左右方向一方側に偏倚する状態で設けられ、前記運転部に前記運転座席の上方空間を覆うキャビンが備えられ、前記キャビンの機体左右方向他方側の後部の角部に、平面視で前記キャビンの内側に向けて入り込む状態で凹入部が形成され、前記排気管が、前記運転座席よりも後側において
前記凹入部により形成された空間を通して上向きに延びてお
り、かつ、前記キャビンの後部に支持されている点にある。
【0007】
本発明によれば、排気管が上向きに延びているので、エンジンからの排気が上方側に導かれて、走行機体の高い位置から外方に放出されることになる。このように高い位置で放出されることにより、大気中に迅速に拡散させることができる。そして、排気管は運転座席よりも後側において上向きに延びるので、運転座席に着座している運転者の視界が上向きに延びる排気管によって遮られて運転操作に悪影響を与えるおそれが少ない。しかも、排気管に、圃場の泥土がかかったりして排気管の劣化が促進される等のおそれもない。
【0008】
従って、運転操作に悪影響を与えることなく、排気管の耐久性を向上させつつ、エンジンからの排ガスを大気中に拡散させ易くすることが可能となった。
また、本発明によれば、キャビンは、運転座席の上方空間を覆うために大型で且つ強固に設けられる。本構成によれば、排気管がこのようなキャビンに支持されるので、排気管を安定した状態で支持し易い。又、上向きに延びて片持ち状になっている排気管の上部がキャビンの後部に支持されるので、排気管をガタツキのない安定した状態で支持することができる。
本発明においては、前記排気管の下部側箇所は、前記凹入部により形成された空間を通して上向きに延びており、前記下部側箇所に屈曲部を介して連なる前記排気管の上部側箇所は、前記凹入部から出ていくように後上方に向けて延びており、前記下部側箇所及び前記上部側箇所の夫々が前記キャビンの後部に支持されていると好適である。
【0009】
本発明においては、前記走行機体に、収穫した作物を脱穀処理する脱穀装置と、穀粒を貯留する穀粒タンクとが、左右方向に並ぶ状態で備えられ、 前記排気管が、前記運転部の後部箇所と、前記脱穀装置の前部における左右方向中央側箇所と、前記穀粒タンクの前部における左右方向中央側箇所とによって囲まれる空間を上向きに延び、且つ、前記運転部の後部に支持されていると好適である。
【0010】
本構成によれば、運転部、脱穀装置、及び、穀粒タンクによって囲まれる空間を有効に利用して、他の装置の邪魔になることのない状態で、排気管を配備することができる。排気管の周囲が、脱穀装置、穀粒タンク、運転部という大型の装置によって囲まれているので、機体外方側から作業者が誤って排気管に触るおそれがない。
【0011】
そして、排気管が運転部の後部に支持されるので、機体の振動によって支持状態が不安定になるおそれが少ない。このような構成に代えて、例えば、排気管を脱穀装置に支持する構成が考えられる。しかし、脱穀装置は扱胴の回転に伴って振動が発生するが、脱穀装置とエンジンに連係される排気管とは振動の周期に違いがある。その結果、排気管を脱穀装置に支持する構成では、振動周期の違いに起因して、長期の使用に伴って排気管を支持する箇所が破損する等、排気管の支持状態が不安定になるおそれがある。これに対して、排気管が運転部の後部に支持される構成では、運転部には特別な振動源はなく、エンジンの振動と略同じ周期の振動となるので、上記したような不利がなく良好な支持状態を維持し易い。
【0012】
【0013】
【0014】
本発明においては、前記排気管は、下部側箇所及び上部側箇所の夫々に屈曲部が形成され、且つ、前記下部側箇所及び前記上部側箇所の夫々が前記キャビンの後部に支持されていると好適である。
【0015】
排気管における屈曲部が形成される箇所は、直線状に長く延びる直管部分に比べて強度が高めに設定されることが多い。そこで、本構成によれば、上下両側に位置する強度の高い箇所をキャビンに支持するので、安定した状態で排気管を支持することができる。
【0016】
本発明においては、
走行機体に、エンジンと、運転座席を有する運転部と、前記運転座席の下方に位置して前記エンジンの排ガスを浄化処理する排ガス処理装置と、前記排ガス処理装置にて処理された排ガスを外方に放出する排気管とが備えられ、前記排気管が、前記運転座席よりも後側において上向きに延びており、前記排気管の下側部分を覆う下部カバーが備えられ、前記下部カバーは、前記排気管の周囲を囲う縦壁部と、前記縦壁部の上部と前記排気管の外周との隙間を塞ぐ上側覆い部とを備えていると好適である。
【0017】
本構成によれば、
排気管が上向きに延びているので、エンジンからの排気が上方側に導かれて、走行機体の高い位置から外方に放出されることになる。このように高い位置で放出されることにより、大気中に迅速に拡散させることができる。そして、排気管は運転座席よりも後側において上向きに延びるので、運転座席に着座している運転者の視界が上向きに延びる排気管によって遮られて運転操作に悪影響を与えるおそれが少ない。しかも、排気管に、圃場の泥土がかかったりして排気管の劣化が促進される等のおそれもない。従って、運転操作に悪影響を与えることなく、排気管の耐久性を向上させつつ、エンジンからの排ガスを大気中に拡散させ易くすることが可能となった。
また、下部カバーにおける縦壁部によって排気管の下部の周囲を覆うだけでなく、上側覆い部によって、縦壁部の上部と排気管の外周との隙間を塞ぐようにしたから、排気管の周囲の空間を通して、下方に位置する高温の排ガス浄化装置に向けて、排ワラ屑や作業に伴う塵埃等が降りかかることを防止できる。
【0018】
本発明においては、前記排気管のうち前記下部カバーにて覆われた部分よりも上側の部分を覆う上部カバーが備えられていると好適である。
【0019】
本構成によれば、排気管が上部カバー及び下部カバーにより上下方向の略全領域にわたって覆われるので、排気管に対する排ワラ屑等の降りかかりを防止できるとともに、作業者が誤って排気管に接触することを防止できる。
【0020】
本発明においては、前記排気管の下部側箇所に屈曲部が形成され、
前記排気管における前記屈曲部よりも下側の部分が前記下部カバーにより覆われ、
前記排気管における前記屈曲部よりも上側の部分が前記上部カバーにより覆われていると好適である。
【0021】
本構成によれば、下部カバーと上部カバーとが屈曲部に対応する箇所で分かれているので、下部カバー及び上部カバーは夫々、この屈曲部に対応する領域では、複雑な形状にする必要がなく、形状の簡素化を図ることができる。
【0022】
本発明においては、
走行機体に、エンジンと、運転座席を有する運転部と、前記運転座席の下方に位置して前記エンジンの排ガスを浄化処理する排ガス処理装置と、前記排ガス処理装置にて処理された排ガスを外方に放出する排気管とが備えられ、前記排気管が、前記運転座席よりも後側において上向きに延びており、前記走行機体に、収穫した作物を脱穀処理する脱穀装置と、穀粒を貯留する穀粒タンクとが、左右方向に並ぶ状態で備えられ、前記穀粒タンクの前側部分における前記脱穀装置側の横側箇所に、前記脱穀装置から排出された穀粒を前記穀粒タンクに搬送する揚穀装置が備えられ、前記排気管は、前記揚穀装置の前上方を通って前記揚穀装置よりも上側まで延設され、前記排気管の上端部に排気口が形成され、前記排気口は、前記揚穀装置の上方において前記脱穀装置側に向けて開口していると好適である。
【0023】
本構成によれば、
排気管が上向きに延びているので、エンジンからの排気が上方側に導かれて、走行機体の高い位置から外方に放出されることになる。このように高い位置で放出されることにより、大気中に迅速に拡散させることができる。そして、排気管は運転座席よりも後側において上向きに延びるので、運転座席に着座している運転者の視界が上向きに延びる排気管によって遮られて運転操作に悪影響を与えるおそれが少ない。しかも、排気管に、圃場の泥土がかかったりして排気管の劣化が促進される等のおそれもない。従って、運転操作に悪影響を与えることなく、排気管の耐久性を向上させつつ、エンジンからの排ガスを大気中に拡散させ易くすることが可能となった。
また、排気管は、揚穀装置の上方まで延設され、しかも、上端部の排気口は脱穀装置側に向けて開口しているので、排気口から排出される排ガスが、内部に穀粒が存在している穀粒タンクや揚穀装置に降りかかることがなく、穀粒への悪影響を与えるおそれが少ない。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る収穫機の一例であるコンバインの実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態で、機体の前後方向を定義するときは、作業状態における機体進行方向に沿って定義し、機体の左右方向を定義するときは、機体進行方向視で見た状態で左右を定義する。すなわち、
図1,2,3に符号(F)で示す方向が機体前側、
図1,2,3に符号(B)で示す方向が機体後側である。
図2に符号(L)で示す方向が機体左側、
図2に符号(R)で示す方向が機体右側である。
【0026】
〔全体構成〕
図1,2,3に、本発明に係る収穫機としての普通型コンバインを示している。このコンバインは、稲、麦、そば、大豆、トウモロコシ等の作物を収穫することができる。
【0027】
このコンバインは、走行機体1と、走行機体1の前方側に位置して、走行に伴って作物を収穫する収穫部としての刈取部2とを備えている。走行機体1は、左右一対のクローラ式の走行装置3と、走行装置3で支持される機体フレーム4とを備えている。機体フレーム4の前部に刈取部2が昇降可能に連結されている。走行機体1の前部右側には運転部6が備えられ、運転部6の下方には原動部7が備えられている。走行機体1の後部には、刈取作物を脱穀する脱穀装置8及び脱穀処理にて得られた穀粒を貯留する穀粒タンク9が機体左右方向に並ぶ状態で備えられている。
【0028】
図1,2に示すように、運転部6の後部と脱穀装置8の前部とが機体側面視で重複する状態で、運転部6が走行機体1の左右方向一方側としての機体右側に設けられるとともに、脱穀装置8が走行機体1の左右方向他方側としての機体左側に設けられている。
【0029】
運転部6には、運転座席10、メータパネル11、サイドパネル12、操向レバー13等が備え付けられている。運転部6に、運転座席10の上方空間を覆うキャビン5が備えられている。キャビン5の右側面には、搭乗者が出入りする乗降口14が備えられている。サイドパネル12は、乗降口14とは反対側の運転座席10の左横側に備えられている。サイドパネル12には、主変速レバー15の他、作業用クラッチレバー16等も備えられている。
【0030】
刈取部2には、植立作物を刈取対象と非刈取対象に分ける左右一対のデバイダ17と、植立作物を掻き込む掻込リール18と、植立作物を切断するバリカン型の刈取装置19と、刈取作物を刈幅方向中央側に寄せ集めるオーガ20と、刈取作物を脱穀装置8に搬送するフィーダ21とが備えられている。
【0031】
刈取部2では、左右一対のデバイダ17により分けられた刈取対象の植立作物が掻込リール18によって掻き込まれる。そして、掻込リール18で掻き込まれた植立作物が刈取装置19によって株元が切断される。刈り取られた刈取作物の全部がオーガ20にて左右方向中央側に寄せ集められ、フィーダ21によって脱穀装置8の扱室に搬送される。
【0032】
脱穀装置8は、扱室内に備えられた扱胴22と、その下方側に備えられた受網(図示せず)とにより、搬送された刈取作物の脱穀処理を実行する。扱室の下方に備えられた選別部23にて、受網を漏下した脱穀処理物を穀粒と排ワラ屑等に選別する。脱穀装置8の機体後部には、排ワラ屑を細断処理して下方外方に排出する排ワラ細断装置24が備えられている。
【0033】
図示はしていないが、排ワラ細断装置24は、横軸芯周りで回転する回転刃と位置固定の固定刃とを備え、脱穀装置8の後部から排出される排ワラ屑を細断して外方に排出する。そして、細断した処理物を下方外方に排出させる案内カバー24aを備えている。
図2に示すように、案内カバー24aは、左側面は前後方向に沿う状態で設けられ、右側面は機体後方側ほど右側に位置する斜め姿勢で設けられている。このように構成することで、細断した処理物を機体横方向中央側へ案内するようにしている。
【0034】
図1,2に示すように、穀粒タンク9の機体前部側で且つ脱穀装置8側の右横側箇所に、脱穀装置8の下部で回収された穀粒を穀粒タンク9の上部に搬送するバケットコンベア式の揚穀装置25が備えられている。選別部23による選別処理にて得られた穀粒は、一番物搬送スクリュー27にて脱穀装置8の右横側外方に搬送されたのち、揚穀装置25にて上方に搬送されて穀粒タンク9に供給される。
【0035】
図1,6に示すように、脱穀装置8の下部で回収された枝付き籾等の二番物を脱穀装置8の前部に還元する二番物還元装置26が備えられている。この二番物還元装置26は、脱穀装置8と穀粒タンク9との間に位置して、脱穀装置8の右横側箇所に揚穀装置25と左右方向に並ぶ状態で備えられている。選別部23にて発生した枝付き籾等の二番物は、二番物搬送スクリュー28にて脱穀装置8の右横側外方に搬送されたのち、二番物還元装置26により選別部23の上部に還元される。
【0036】
穀粒タンク9の後部には、その内部に貯留されている穀粒を外部に排出する穀粒排出装置29が備えられている。穀粒排出装置29は、穀粒を上方に搬送する縦スクリューコンベア29Aと、この縦スクリューコンベア29Aの上端部から穀粒を横方向に搬送して先端の排出口から排出する横スクリューコンベア29Bとを備えている。
【0037】
図4に示すように、穀粒タンク9の下部には機体前後方向視で下窄まり状の傾斜面30が備えられている。穀粒タンク9内部における傾斜面30の下端部には、貯留している穀粒を、穀粒排出装置29における縦スクリューコンベア29Aの搬送始端部まで前後方向に沿って搬送する底スクリュー32が備えられている(
図3参照)。そして、
図4に示すように、底スクリュー32と縦スクリューコンベア29Aの図示しない搬送スクリューとがベルト伝動機構31を介して連動連結され、且つ、角部ケース33内の穀粒通路を通して、穀粒タンク9から縦スクリューコンベア29Aに穀粒を移送することができる。
【0038】
縦スクリューコンベア29Aは、横スクリューコンベア29Bと共に、縦軸芯Y(縦スクリューコンベア29Aの回転軸芯)周りで回動自在に機体フレーム4に支持されている。
図4に示すように、縦スクリューコンベア29Aの左横側に、角筒材からなる後部側縦フレーム79が設けられている。後部側縦フレーム79は下端が機体フレーム4に固定されている。縦スクリューコンベア29Aは、下端部が角部ケース33に縦軸芯Y周りで回動自在に支持され、上下中間部が角筒状の後部側縦フレーム79の上部に支持ブラケット35を介して回動自在に支持されている。縦スクリューコンベア29Aの下端部は、角部ケース33及び回動ボス部36を介して機体フレーム4により荷重が受止め支持されている。
【0039】
穀粒タンク9は、縦軸芯Y(縦スクリューコンベア29Aの回転軸芯)周りで回動自在に機体フレーム4に支持されている。穀粒タンク9の後下部は、角部ケース33を介して回動ボス部36に対して縦軸芯Y周りで回動自在に支持されている。穀粒タンク9の後上部は、支持ブラケット37を介して縦軸芯Y周りで回動自在に縦スクリューコンベア29Aに支持されている。
【0040】
図4,10に示すように、角部ケース33の外周部に、穀粒排出装置29を縦軸芯Y周りで回動させる駆動機構38が備えられている。駆動機構38は、電動モータ39にて駆動される小径ギア(図示せず)を縦スクリューコンベア29Aの外周部に設けられた大径ギア40を噛み合い連動させて穀粒排出装置29を縦軸芯Y周りで回動させる。
【0041】
後部側縦フレーム79は、穀粒タンク9を回動自在に支持するために大きな負荷が掛かる。そこで、後部側縦フレーム79を脱穀装置8の側壁8aから横向きに延びる補強フレーム41によって支持している。
図10に示すように、補強フレーム41は、角筒材を平面視で略L字形に折り曲げて構成されている。補強フレーム41の前後向き部分41Aは、図示はしていないが、脱穀装置8の側壁8aに連結され、補強フレーム41の横向き部分41Bが後部側縦フレーム79に連結されている。補強フレーム41は、前後向き部分41Aと横向き部分41Bとにわたり広幅の板状のリブ41Cを連結して補強を図っている。
【0042】
図6,7に示すように、原動部7には、エンジンボンネット42により区画形成される状態でエンジンルーム43が形成されている。エンジンボンネット42は、上部面42aと前部縦壁部42bとを備え、このエンジンボンネット42により、エンジンルーム43と運転用空間とが仕切られている。エンジンボンネット42の上部面42aの上方に運転座席10が支持されている。
図7に示すように、エンジンボンネット42における上部側部分のうち運転座席10の左横側に位置する箇所に上方に突出する突出部42tは、サイドパネル12の下側に位置し、サイドパネル12のフレームを構成している。
【0043】
〔排ガス浄化装置〕
図7に示すように、エンジンルーム43内に、ディーゼルエンジン44(以下、エンジンと略称する)と、エンジン冷却用のラジエータ45と、ラジエータ45に供給する冷却風を生起するラジエータ冷却ファン46と、エンジン44の排気ガスに含まれる粒子状物質(PM)(Particulate Matter)を減少させる別の排ガス浄化装置としての第一排ガス浄化装置47と、エンジン44の排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を減少させる排ガス浄化装置としての第二排ガス浄化装置48とを備えている。エンジン44は、エンジンボンネット42の前部縦壁部33bの後方側に位置する状態で備えられる。第二排ガス浄化装置48は、エンジンルーム43のうちエンジンボンネット42の突出部42tに対応する突出部形成領域に配置されている。
【0044】
第一排ガス浄化装置47は、排ガスに含まれるディーゼル微粒子を捕集する公知技術であるディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)(Diesel Particulate Filter)(図示せず)を備え、このディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)を排ガスが通過することによって粒子状物質(PM)を減少させる。
【0045】
第二排ガス浄化装置48は、SCR(Selective Cataltic Reduction)(選択的触媒還元)を用いて排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を減少させる。説明を加えると、還元剤の一例である尿素水を排ガス中に噴射して加水分解させてアンモニアを生成し、そのアンモニア(NH
3)と排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)とを化学反応させて、窒素(N
2)と水(H
2O)とに還元させることで排ガス中に含まれる窒素酸化物を減少させる。
【0046】
図8に示すように、第一排ガス浄化装置(DPF)47と第二排ガス浄化装置(SCR)48とは、エンジン44と一体的に固定される状態でエンジン44の上部に支持されている。
【0047】
図7に示すように、第一排ガス浄化装置47は、エンジン44におけるラジエータ冷却ファン46が存在する側とは反対側すなわち機体左側の側方のうちエンジン44の上部に対応する位置に備えられている。
【0048】
図8に示すように、第二排ガス浄化装置48は、前後方向に延びる大径円筒状の装置本体48Aと、装置本体48Aと並ぶ状態で前後方向に延びる小径円筒状の排気中継部48Bとを備えている。装置本体48Aは、エンジン44の上側であって且つ第一排ガス浄化装置47側すなわち機体左側に位置する状態で備えられている。つまり、第二排ガス浄化装置48の装置本体48Aは、第一排ガス浄化装置47に対して機体右側の斜め上方側に位置しており、エンジンルーム43内のうちサイドパネル12の下方側箇所に、長手方向が機体前後方向に沿う状態で備えられている。第二排ガス浄化装置48の排気中継部48Bは、装置本体48Aの機体左側であって、且つ、第一排ガス浄化装置47の上方側に位置している。
【0049】
図3,8に示すように、機体側面視において、第二排ガス浄化装置48の前端部の機体前後方向での位置が、エンジン44の前端部の機体前後方向での位置と、同一又は略同一である。第一排ガス浄化装置47についても、第二排ガス浄化装置48と同様に、機体側面視において、第一排ガス浄化装置47の前端部の機体前後方向での位置が、エンジン44の前端部の機体前後方向での位置と同一又は略同一に設けられている。尚、第一排ガス浄化装置47及び第二排ガス浄化装置48は、共に、機体前後方向に沿う前後幅がエンジン44の前後幅と略同一である。
【0050】
図8に示すように、第一排ガス浄化装置47には、前部側にエンジン44からの排気を受け入れる排気入口部49が備えられるとともに、後部側に浄化処理後の排ガスを排出する排気出口部50が備えられている。第一排ガス浄化装置47は、エンジン44の機体前部上部側に設けられた排気部から排出された排ガスを前部側の排気入口部49から受け入れて、機体後方側に流動させながら粒子状物質の低減処理を実行したのちに後部側から排出させるように、装置内部に排気流動経路が形成されている。
【0051】
第二排ガス浄化装置48の装置本体48Aには、前部側に排ガスを受け入れる排気入口部51が備えられるとともに、後部側に浄化処理後の排ガスを排出する排気出口部52が備えられている。
【0052】
第二排ガス浄化装置48の排気中継部48Bは、一端部が第一排ガス浄化装置47の排気出口部50に連通接続され、他端部が装置本体48Aの排気入口部51に連通接続されている。そして、排気中継部48Bの後部に、排気中継部48Bの内部に尿素水を噴出するための噴射ノズル53が設けられている。
【0053】
第二排ガス浄化装置48は、第一排ガス浄化装置47から排出された排ガスを、排気中継部48Bを通して尿素水と混合させながら機体前方側に流動させたのち装置本体48Aに供給し、装置本体48A内を機体後方側に流動させたのち排気出口部52から排出させるように排気流動経路が形成されている。
【0054】
図7に示すように、第一排ガス浄化装置47は、排気中継部48Bの下方に備えられている。第一排ガス浄化装置47の左右方向でラジエータ冷却ファン46とは反対側の端部が、エンジンルーム43の左右方向でラジエータ冷却ファン46とは反対側の端部Eからエンジンルーム43の外側に突出している。又、排気中継部48Bの左右方向でラジエータ冷却ファン46とは反対側の端部が、エンジンルーム43の左右方向でラジエータ冷却ファン46とは反対側の端部Eからエンジンルーム43の外側に突出している。
【0055】
〔排ガス浄化装置のカバー〕
図7,11に示すように、第一排ガス浄化装置47のうちエンジンルーム43から外側に突出している浄化装置突出部分47t、及び、排気中継部48Bのうちエンジンルーム43から外側に突出している中継部突出部分48Btの上方、前方、及び、横側方を覆う外方突出部分カバー54(以下、突出部カバーという)が備えられている。
【0056】
突出部カバー54は、中継部突出部分48Btの上方、前方、及び、横側方を覆う第一カバー部55と、浄化装置突出部分47tの上方、前方、及び、横側方を覆う第二カバー部56とを備えている。浄化装置突出部分47tが中継部突出部分48Btよりも外側に突出している。第二カバー部56が第一カバー部55よりも外側に突出して左右方向に段差を形成する状態で、第一カバー部55と第二カバー部56とが上下に並ぶ状態で備えられている。第一カバー部55と第二カバー部56とは別体で構成されている。
【0057】
図11に示すように、第一カバー部55は、中継部突出部分48Btの上方を覆う板状の上側部分55aと、中継部突出部分48Btの前方を覆う板状の前側部分55bと、中継部突出部分48Btの横側方を覆う横側カバー部分としての横側部分55cとを備えている。上側部分55aと、前側部分55bと、横側部分55cとが一体的に連結されている。横側部分55cは、多孔部材としてのパンチングメタル57にて構成されている。
【0058】
第二カバー部56は、第一カバー部55との間の左右方向の段差部58を覆うとともに、浄化装置突出部分47tの上方を覆う板状の上側部分56aと、浄化装置突出部分47tの前方を覆う板状の前側部分56bと、浄化装置突出部分47tの横側方を覆う横側カバー部分としての横側部分56cとを備えている。上側部分56aと、前側部分56bと、横側部分56cとが一体的に連結されている。横側部分56cは、多孔部材としてのパンチングメタル57にて構成されている。
【0059】
突出部カバー54は、機体フレーム4に固定されたキャビン支持フレーム59により支持されている。
図11,12に示すように、キャビン5の左側面の前後中央部を下側から支持する上下方向に長いキャビン支持フレーム59が備えられ、キャビン支持フレーム59の下端部が機体フレーム4に連結されて支持されている。キャビン支持フレーム59に、図示しない支持ブラケットを介して、第一カバー部55及び第二カバー部56夫々の前側部分55b,56bがボルト連結されている。第二カバー部56における上側部分56aと第一カバー部55の横側部分55cの下部とが複数箇所においてボルト連結され、第一カバー部55と第二カバー部56とが一体的に連結されている。
【0060】
浄化装置突出部分47t及び中継部突出部分
48Bt夫々の後方側は開放されている。
このように構成することで、第二排ガス浄化装置48の排気中継部48B及び第一排ガス浄化装置47の周囲の高温の空気は、横側部分55c,56cに多数形成された孔や後部側の開放箇所から外方に排出させることができる。
【0061】
上記したように排気中継部48Bの後部すなわち排ガス流動始端側箇所に噴射ノズル53が備えられている。この噴射ノズル53から排ガスが流動している排気中継部48Bの内部に向けて尿素水が噴射される。尿素水が排ガスに噴射されると、尿素水が加水分解してアンモニアを生成する。装置本体48A内において、そのアンモニア(NH
3)と排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)とが化学反応して、窒素(N
2)と水(H
2O)とに還元される。このことにより排ガス中の窒素酸化物(NOx)が減少する。第二排ガス浄化装置48に供給される尿素水は尿素水タンク60に貯留されている。この尿素水タンク60については後述する。
【0062】
〔排気管〕
図6,7に示すように、第二排ガス浄化装置48の機体後部側箇所に、浄化処理された排ガスを外方に放出する排気管61が接続されている。
図13に示すように、排気管61は、運転座席10よりも後側において、運転部6の後部箇所と、脱穀装置8の前部における左右方向中央側箇所と、穀粒タンク9の前部における左右方向中央側箇所とによって囲まれる空間を上向きに延びている。
【0063】
図6,7,12に示すように、排気管61は、第二排ガス浄化装置48における装置本体48Aの機体後部の上部側に接続された基端側管部61Aと、基端側管部61Aとの間に外気取り入れ口61Bが形成される状態で接続される上部側管部61Cとからなる。
【0064】
図7に示すように、排気管61は、揚穀装置25の前上方を通って揚穀装置25よりも上側まで延設され、上端部に排気口62が形成されている。排気口62は、揚穀装置25の上方において脱穀装置8側に向けて開口している。排気管61は、キャビン5の天井部を避けるように略S字状に湾曲形成され、第二排ガス浄化装置48の装置本体48Aに接続される箇から後方上方に向けて延設されている。具体的には、
図7に示すように、排気管61は、下部側箇所において、機体横側方に向けて折れ曲がっている。又、
図6に示すように、排気口62に近い上部側箇所において機体後方側に向けて折れ曲がっている。つまり、排気管61は、下部側箇所及び上部側箇所の夫々に屈曲部kが形成されている。
【0065】
図13に示すように、キャビン5の左後部側箇所には、平面視で段差状に入り込むように、前後向き面63と横向き面64とにより形成された角形の凹入部65が形成されている。キャビン5の凹入部65の上部側には、前後向き面63と横向き面64とわたって斜め方向に延びる補強部材66が設けられている。エンジンボンネット42は、平面視で凹入部65に対応する箇所が上下方向に開放されており、このエンジンボンネット42の開放された箇所及び凹入部65により形成された空間を通して排気管61が上方に向けて延びる状態で備えられている。
【0066】
図12に示すように、排気管61は、下部側箇所及び上部側箇所の夫々において、連結ブラケット67を介して、運転部6の後部としてのキャビン5の後側面68に支持されている。連結ブラケット67は、帯板状の鋼材を略U字形に曲げて形成され、折れ曲がり部が排気管61の外周面に沿うように円弧状に形成され、外方に延びる延設箇所の両側端部に取付部69が形成されている。連結ブラケット67は、円弧状部分を排気管61の外周面に沿わせた状態で、排気管61に一体的に連結されるとともに、取付部69がキャビン5の後側面68にボルト連結されている。
【0067】
下部側箇所に位置する連結ブラケット67は、キャビン5の後側面68のうち凹入部65の前後向き面63にボルト連結されている。上部側箇所に位置する連結ブラケット67は、斜め姿勢の補強部材66から延設された支持部材70にボルト連結されている。
【0068】
排気管61の上端部61C1は六角筒状に形成されるとともに、その上端部61C1が開口している先端部に六角筒を二分割した半割状の案内部61C2が設けられている。この案内部61C2は脱穀装置8側に開口するように向きが設定されている。
【0069】
〔排気管カバー〕
排気管61の下部から上部にわたって排気管61の外方側を覆う排気管カバー71が設けられている。
図7,12に示すように、排気管カバー71は、排気管61の下部の外方側を覆う下部カバー72と、排気管61の上部の外方側を覆う上部カバー73とを備えている。
図6では、排気管61の構成を理解し易くするために下部カバー72は省略している。
【0070】
図14に示すように、下部カバー72は、排気管61の周囲を囲う縦壁部として、排気管61の左側部を覆う左側縦壁部72aと、排気管61の後側部を覆う後側縦壁部72bとを備え、且つ、縦壁部72a,72bの上部と排気管61の外周との隙間を塞ぐ上側覆い部として、排気管61の周囲から塵埃が下方のエンジンルーム43に入り込むのを防止する傾斜状覆い部72cを備えている。排気管61の右側部はキャビン5の横向き面64によって覆われており、排気管61の前側部はキャビン5の前後向き面63によって覆われている。つまり、横向き面64と前後向き面63とが、排気管61の周囲のうちの下部カバー72によって覆われていない右側部及び前側部を囲う壁部を形成している。
【0071】
左側縦壁部72aの下端部の取付部72a1が突出部カバー54における第一カバー部55の上面にボルト連結されている。後側縦壁部72bの右側端部の取付部72b1が、キャビン5の後側面68のうち凹入部65の横向き面64にボルト連結されている。傾斜状覆い部72cの右側端部が横向き面64にボルト連結され、傾斜状覆い部72cの左右中間部が連結ブラケット67にボルト連結されている。傾斜状覆い部72cは、排気管61の左右両側から容易に装着することができるように、排気管61の左側を覆う左側部分72c1と、排気管61の右側を覆う右側部分72c2とに分割されている。左側部分72c1と右側部分72c2とは右側端部でボルト連結されている。
【0072】
図11,12,13に示すように、上部カバー73は、排気管61の上部における左側部、後側部、右側部を覆うように断面が略U字状の板材にて構成されている。上部カバー73は、排気管61の機体後方側への折れ曲がり形状に沿うように側面視で略L字形に折れ曲がる形状となっている。上部カバー73は排気管61に支持される構成となっている。すなわち、上部カバー73の上下中間箇所が排気管61の外周部に設けられた被取付部74にボルト連結され、上部カバー73の上部側箇所が上側に位置する連結ブラケット67にボルト連結されている。
【0073】
〔タンク支持構造〕
図4,6,9に示すように、走行機体1の後端部において、脱穀装置8と穀粒タンク9との間に燃料タンク75が備えられている。つまり、脱穀装置8と穀粒タンク9との間において、穀粒タンク9の左側の傾斜面30の左外方側に形成された空間に燃料タンク75が備えられている。燃料タンク75の上部右側は、穀粒タンク9の傾斜面30に沿うように傾斜姿勢に設けられ、脱穀装置8と穀粒タンク9との間の狭い空間を上下方向に幅広く利用している。さらに、燃料タンク75は、二番物還元装置26にできるだけ近づける位置まで前後方向に長く延びており、容量の増大化を図っている。
【0074】
燃料タンク75は、その下端部が機体フレーム4の上面4aよりも下方側に入り込む状態で機体フレーム4に支持されている。
図9,15に示すように、機体フレーム4は、複数の前後向きフレーム体4Aと複数の横向きフレーム体4Bとを格子状に連結して構成されている。機体フレーム4の後端部の左右方向中央部には、前後両側の横向きフレーム体4Bに連結された角形受皿状、言い換えると、上部が開放された箱状の板状フレーム体76が備えられている。板状フレーム体76の底部76aは、機体フレーム4の上面4aよりも下方に向けて落とし込む状態で設けられている。そして、燃料タンク75は、下端部が機体フレーム4の上面4aよりも下方に入り込む状態で板状フレーム体76に支持されている。燃料タンク75は、板状フレーム体76に支持されている状態でバンド77により上方側から押えて、浮き上がりを阻止している。ところで、板状フレーム体76の底部76aは、機体フレーム4の上面4aよりも下方に位置しているが、湿田圃場であっても地面に接触しない程度の地上高は確保している。
【0075】
図4,6,9に示すように、燃料タンク75に対して上下に隣り合う状態で尿素水タンク60が備えられている。従って、尿素水タンク60は、脱穀装置8の右側(左右方向一方側の一例)の側方に備えられている。そして、燃料タンク75の側方を通過する状態で上方に向けて延びる支持フレーム78が設けられている。この支持フレーム78は、後部側縦フレーム79と、燃料タンク75の前側及び後側の夫々において上下方向に延びる前後の支柱80と、それらにわたる載置台81とを備えている。すなわち、燃料タンク75の側方とは、燃料タンク75の前側方及び後側方に対応する。尿素水タンク60は燃料タンク75の上方に位置する状態で支持フレーム78に支持されている。
【0076】
説明を加えると、載置台81は前後方向に幅広で且つ左右方向に幅狭の長方形状の板体にて構成されている。そして、燃料タンク75の前側における載置台81の左右方向中央部に位置する箇所に、機体フレーム4から前部側の支柱80が設けられている。前部側の支柱80の上端部は載置台81にボルト連結されている。
【0077】
燃料タンク75の後側における載置台81の左側に、機体フレーム4から後側の支柱80が立設されている。又、燃料タンク75の後側における載置台81の右側方には、後部側縦フレーム79が位置している。後側の支柱80と後部側縦フレーム79とは、燃料タンク75の給油口82を避けるように左右両側に振り分ける状態で設けられている。後側の支柱80は載置台81の左側下方に位置しており、上端部が載置台81の下面にボルト連結されている。後部側縦フレーム79は、載置台81の右横側箇所を通過して上下方向に長く延びる状態で設けられている。そして、載置台81が支柱80の前後両側に取り付けたブラケット83にボルト連結されている。
【0078】
載置台81の上側に尿素水タンク60を載置して締結具84で押えて外れ止めしている。このように、尿素水タンク60を載置支持する載置台81は後部側縦フレーム79と2本の支柱80により安定的に機体フレーム4に支持されている。
【0079】
尿素水タンク60に貯留される尿素水を消費箇所まで送る電動式の尿素水ポンプ85が備えられている。尿素水ポンプ85は、尿素水タンク60内の尿素水を第二排ガス浄化装置48の排気中継部48Bに備えられた噴射ノズル53まで送る。
【0080】
支持フレーム78の後部側に尿素水タンク60が支持され、支持フレーム78の前部側に尿素水ポンプ85が支持されている。具体的には、
図6に示すように、載置台81の前部側に縦向き姿勢の支持板86が固定状態で設けられ、この支持板86に尿素水ポンプ85が取り付けられている。載置台81の後部側に尿素水タンク60が載置支持されている。
【0081】
図6に示すように、脱穀装置8の右側の側壁8Aに沿って通過する状態で、尿素水タンク60と第二排ガス浄化装置48とを接続する配管87が備えられている。配管87は、尿素水タンク60から尿素水ポンプ85を経由して噴射ノズル53にまで送る送り管88と、尿素水ポンプ85にて送られた尿素水のうち噴射ノズル53で消費されずに余った尿素水を尿素水タンク60に戻す戻し管89とを備える。配管87としては、送り管88と戻し管89の他にも、別の種類の管路、例えば、尿素水の凍結を防止するための凍結防止剤を供給するための管路等を備えるようにしてもよい。
【0082】
図6に示すように、脱穀装置8の右側の側壁8Aに配管87を支持するための支持部材90が備えられている。配管87は、脱穀装置8の右側の側壁8Aの上部に沿って通過する状態で備えられ、支持部材90によって支持されている。配管87は、二番物還元装置26の上方を通過するように高い位置を通過する状態で配備されている。
【0083】
図16に示すように、支持部材90は、前後方向に長い取付板91と、前後に設けられた配管支持部92とを備えている。取付板91は、前後に間隔をあけた複数箇所に連結部93を備えている。支持部材90は、脱穀装置8の右側の側壁8Aに、複数の連結部93をボルト連結して固定されている。取付板91の前端部は、機体フレーム4から立設された前部側縦フレーム94に固定されている。
【0084】
機体前後方向に延びる配管87は、適宜間隔をあけて設けられた複数の締め付け具95によって配管支持部材としての配管支持部92に支持される。
図16に示すように、配管支持部92は、前後二箇所に設けられ、前後方向視で略三角形状に形成された複数の保持具96と、上下に並ぶ複数の保持具96を支持する支持具97とを備えている。そして、後部側の配管支持部92における支持具97は、上方に延設され、水平姿勢の載置部98が形成されている。
【0085】
穀粒タンク9は上述したように後部の縦軸芯Y周りで揺動自在に設けられる。穀粒タンク9には、機体内方に引退した通常作業位置(
図2で示す位置)にて前部側を位置保持するためにフック係合式のロック機構(図示せず)が備えられている。
図6,16に示すように、前部側縦フレーム94の上部には、ロック機構が係合する固定側係合部99が設けられている。図示はしていないが、ロック機構は、穀粒タンク9が通常作業位置にあるときに固定側係合部99に係合して、穀粒タンク9を位置保持することができる。そして、ロック機構は、横側外方からロック解除できるように構成されている。前部側縦フレーム94は、穀粒タンク9を通常作業位置にて保持するために大きな支持強度を有している。
【0086】
図6に示すように、尿素水ポンプ85が設けられる位置と、第二排ガス浄化装置48が設けられる位置とは、上下方向の高さが略同じ高さになるように設定されている。配管87は前後方向に沿って略直線状に延びる状態で備えられている。配管87の前部側箇所は、前部側縦フレーム94と脱穀装置8との連結箇所の上方側を通るように設けられている。このように構成することで、長期の機体の振動に起因して、締め付け具95が外れるようなことがあっても、配管87が下方に垂れ下がり二番物還元装置26に接触する等の不利が生じないようにしている。
【0087】
燃料タンク75の給油口82が燃料タンク75の後部側に備えられ、尿素水タンク60の給水口100が尿素水タンク60の後部側に備えられている。すなわち、
図6に示すように、燃料タンク75の給油口82は、燃料タンク75の後壁部75aの上部から機体後方上方に向けて斜め方向に突出している。尿素水タンク60の後壁部60aの上部には、後部側ほど下方に位置するように傾斜姿勢に設けられた後下がり姿勢の傾斜面60bが形成されている。そして、給水口100は傾斜面60bに対して直交する方向、すなわち、後上方に向けて突出している。給油口82及び給水口100は夫々、手動操作にて開閉自在な蓋体101,102にて閉塞されている。
【0088】
燃料タンク75と尿素水タンク60のうち少なくともいずれか一方に、両者を識別するための識別標識が備えられている。具体的には、給油口82の蓋体101が黒色の部材で構成され、給水口100の蓋体102が青色の部材で構成され、且つ、供給すべき対象(燃料、尿素水)を蓋体101,102の表面に直接的に表す文字情報として、エンボス加工を施すことによって表示している。このようにして、給油口82と給水口100とを識別できるようにしている。つまり、蓋体101,102の色を異ならせること、及び、文字情報を表すことが夫々、識別標識に対応する。
【0089】
図2,5,10に示すように、穀粒タンク9、燃料タンク75及び尿素水タンク60夫々を後側から覆う後部外装カバー103が備えられている。後部外装カバー103は、機体右側に位置する右側カバー部103Aと、機体左側に位置する左側カバー部103Bとを備えている。右側カバー部103Aは、平面視で略L字形に形成され、穀粒タンク9の右側後方空間における後方及び横側方を覆う状態で、且つ、位置固定状態で備えられている。
【0090】
左側カバー部103Bは、右側端部が右側カバー部103Aに対してヒンジ104を介して上下軸芯周りで揺動開閉自在に支持されている。左側カバー部103Bの左側(揺動端側)箇所に、閉状態で位置保持可能であるとともに、手動での開操作により保持解除可能な位置保持機構105が上下一対備えられている。
【0091】
位置保持機構105は、図示はしないが、係止部材が弾性力により固定側の被係合部材106に係合して位置保持するとともに、手動にて係止部材を弾性力に抗して係合を解除して位置保持状態を解除することが可能な、周知構造の弾性係合式のロック機構である。
図10に示すように、位置保持機構105が係合する固定側の被係合部材106は、後部側縦フレーム79に備えられている。
尚、
図4,6では、内部の構成を理解し易くするために後部外装カバー103の記載は省略している。
【0092】
第二排ガス浄化装置48の排気中継部48Bに備えられた噴射ノズル53は、図示しない制御装置によって尿素水の噴射量を変更調整するように制御される。すなわち、排ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)の濃度を計測するNOx計測装置107(排ガス浄化装置の補機の一例)が備えられ、制御装置は、NOx計測装置107の計測情報に基づいて、尿素水の噴出量が適正な噴出量となるように噴射ノズル53を制御する。
【0093】
図7に示すように、NOx計測装置107は、排ガスの流動経路内に位置して、窒素酸化物(NOx)の濃度に相当する検出情報を出力する検知部107aと、検知部107aからの情報に基づいて窒素酸化物(NOx)の濃度を算出する制御回路部107bとからなる。検知部107aは、排気中継部48Bにおける排気流動経路に臨むように配備される。制御回路部107bは、詳述はしないが、配線基板に種々の電子部品が装着されており、強い振動が継続的に加えられると不具合を起し易い。そこで、制御回路部107bは、振動の少ない箇所に設けられている。
【0094】
すなわち、エンジン44の機体後方側に位置して、機体フレーム4から立設されるとともに、運転部6の後部側を支持する縦フレーム108が備えられている。そして、この縦フレーム108の上下途中部に支持ブラケット109が固定され、この支持ブラケット109に制御回路部107bが取り付けられている。
尚、支持ブラケット109に、NOx計測装置107とは異なる第二排ガス浄化装置48の補機を支持させるようにしてもよい。
【0095】
図4,6,10,16に示すように、脱穀装置8と穀粒タンク9との間における配管87の上方箇所に、作業台110が設けられている。作業台110は、左側の端部が脱穀装置8の側壁8aに固定の支持部材111に載置支持され、右側の端部が、後部側の配管支持部92における載置部98に載置支持されるとともにボルト連結されている。この作業台110は、例えば脱穀装置8内部の清掃等のメンテナンス作業の際に、作業者が上に乗って作業を行うためのものである。
【0096】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、排気管61には下部側箇所及び上部側箇所の夫々に屈曲部kが形成される構成としたが、この構成に代えて、排気管61を全範囲にわたり直線状に延びる構成としてもよい。
【0097】
(2)上記実施形態では、運転部6に、運転座席10の上方空間を覆うキャビン5が備えられ、排気管61がキャビン5の後部に支持される構成としたが、この構成に代えて、運転部6にキャビンを備えずに、運転部6における、例えば運転座席10を支持するための支持部材等に排気管61を支持するようにしてもよい。
【0098】
(3)上記実施形態では、排気管61の下部を覆う下部カバー72が、排気管61の周囲を囲う縦壁部として、排気管61の左側部を覆う左側縦壁部72aと、排気管61の後側部を覆う後側縦壁部72bとを備える構成としたが、下部カバー72が、排気管61の前側部、後側部、右側部、左側部の夫々を覆う、すなわち、排気管61の外周全域を覆う縦壁部を備える構成としてもよい。
【0099】
(4)上記実施形態では、排気管61の下部から上部にわたって排気管61の外方側を覆う排気管カバー71として、下部カバー72と上部カバー73とを備える構成としたが、この構成に代えて、排気管カバー71として、下部カバー72と上部カバー73のうちのいずれか1つだけを備えるものでもよく、又、排気管カバー71の形状は上記実施形態で開示した形状に代えて種々変更して実施することが可能であり、このような排気管カバー71を備えない構成としてもよい。
【0100】
(5)上記実施形態では、排気管61が揚穀装置25の前部側において揚穀装置25の上方まで延設され、上端部の排気口62が揚穀装置25の上方において脱穀装置8側に向けて開口する構成としたが、この構成に代えて、排気口62が後方に向けて開口したり、前方に向けて開口する等、排気口62の向きは変更してもよい。又、排気管61が、走行機体1の下方側を機体後方に延びる構成や、脱穀装置8と穀粒タンク9との間の高い位置に沿って後方に延びる構成等であってもよい。