(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明にかかる受注作成装置、受注作成方法および受注作成プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0015】
[1.概要]
従来の小売業界などでは、定期的に展示会や催事などのイベントを開催することで、新商品の紹介や販売促進を行っている。このようなイベントにおける取引先からの受注は、一時期に集中することから受注量が多くなり、また、取引先から注文を受ける受注形態がバラバラであるため、受注入力に多くの時間を費やす必要があった。このため、受注後に発注検討するような展示会の場合は、発注時期が遅れてしまう原因となっていた。
【0016】
そこで、本実施形態に係る受注作成装置は、予め品番にイベントコード(CD)を設定しておき、そのイベントコードを指定して実行すると、これと紐付く品番の一覧をマトリックス表形式(例えば、Excel(登録商標))に変換して、出力する仕組みを構築したものである。例えば、アパレル関係の展示会コードを設定した品番を、縦軸:カラー、横軸:サイズのマトリックス表として商品単位で出力してもよい。そして、このマトリックス表に対して、取引先が注文したい商品の該当するカラーやサイズの欄に注文数量を記入して、そのままシステムに取り込むことができる仕組みを構築することにより、マトリックス表からの受注作成が可能になった。これにより、取引先とのイベントでの取引形態を統一化できるようになり、入力業務の軽減を実現することにより、イベント業務の効率化が図れるようになった。
【0017】
[2.構成]
本実施形態に係る受注作成装置の構成の一例について、
図1から
図11を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る受注作成装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2は、本実施形態に係る受注作成装置の記憶部を構成する商品に関するマスタの概要を説明する図である。
図3は、商品体系の一例を示す図である。
図4は、品番マスタメンテナンス画面の一例を示す図である。
図5は、商品コード生成の一例を示す図である。
図6は、本実施形態に係る受注作成装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図7は、マトリックス出力画面の一例を示す図である。
図8は、発注表の一例を示す図である。
図9は、品種分類がトップスの場合の発注表の一例を示す図である。
図10は、品種分類がシューズの場合の発注表の一例を示す図である。
図11は、品種分類が指輪の場合の発注表の一例を示す図である。
【0018】
受注作成装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、受注作成装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0019】
受注作成装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。受注作成装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0020】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、受注作成装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、受注作成装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0021】
[記憶部106]
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。ここで、記憶部106は、品種分類マスタ106a、品種マスタ106b、特性マスタ106c、特性値マスタ106d、品種分類別特性定義マスタ106e、品番マスタ106f、および商品マスタ106g等を備えている。以下、各マスタに格納される情報の具体例について、
図2および
図3を用いて詳細に説明する。
【0022】
[品種分類マスタ106a]
品種分類マスタ106aは、商品の大分類を示す品種分類を設定するためのマスタである。品種分類というカテゴリで、商品コード(SKU(Stock Keeping Unit):商品識別の最小単位)の構成内容が決定される。品種分類マスタ106aは、例えば、商品の品種分類として、
図2に示すように、“家具”および“雑貨”が定義され、それぞれの品種分類に対する品種分類コードとして“N01”および“N02”が定義されたことを保持するためのマスタである。また、商品体系図における品種分類では、
図3に示すように、“トップス”、“バッグ”および“シューズ”が定義され、それぞれの品種分類に対する品種分類コードとして“01”、“02”、および“03”が定義されている。
【0023】
[品種マスタ106b]
品種マスタ106bは、商品の中分類を示す品種を設定するためのマスタである。品種は、品種分類をさらに細分化したものである。在庫表や売上実績などで、品種別の売上実績を取得することが可能である。品種マスタ106bは、例えば、
図2に示すように、品種分類「家具」の品種として“キッチン”、“リビング”、“ベッド”および“学習机”が定義され、品種分類「雑貨」の品種として“キッチン用品”および“文具”などが定義され、それぞれの品種に対する品種コードとして“01”、“02”、“03”、“04”、“10”、“11”が定義されたことを保持するためのマスタである。また、商品体系図における品種では、
図3に示すように、“Tシャツ”、“シャツ”および“カーディガン”が定義され、それぞれの品種に対する品種コードとして“0101”、“0102”、および“0103”が定義されている。
【0024】
[特性マスタ106c]
特性マスタ106cは、品番または商品の構成要素となる特性を定義するためのマスタである。それぞれの特性は、品番の構成要素となるもの、商品の構成要素となるもの、などに分けられる。
【0025】
特性マスタ106cは、
図2に示すように、品番の構成に使われる特性として“アイテム”、“メーカー”が定義され、その特性に対する特性値コードのタイプとして“コード値”が定義され、商品の構成に使われる特性として“カラー”および“サイズ”が定義され、それらの特性に対する特性値コードのタイプとして“コード値”が定義されたことを保持するためのマスタである。例えば、本実施形態に係る特性マスタ106cには、
図3に示すように、品番特性として、“イベントCD(コード)”が定義され、その品番特性に対する特性コードとして“01”が定義されている。また、商品特性として、“色(カラー)”および“サイズ”が定義され、その特性に対する特性コードとして“001”と“002”が定義されている。
【0026】
[特性値マスタ106d]
特性値マスタ106dは、特性マスタ106cに設定された構成要素となる特性の値(数値またはコード値)およびその名称を設定するためのマスタである。特性値コードのタイプには、“コード値”および“数値”の2つがある。特性値コードのタイプが“コード値”である場合には、特性値マスタ106dにそのコード値を登録する必要がある。特性値コードのタイプが“数値”である場合には、特性値マスタ106dにその数値を登録する必要はなく、その数値はユーザ入力で自由に設定することが可能である。
【0027】
特性値マスタ106dは、
図2に示すように、特性「アイテム」の特性値として“ダイニングテーブル”、“食器棚”および“リビングボード”が定義され、それらの特性値コードとして“00”、“01”および“02”が定義され、特性「カラー」の特性値として“白”、“黒”および“青”が定義され、それらの特性値コードとして“00”、“01”および“02”が定義されたことを保持するためのマスタである。
【0028】
また、特性値マスタ106dは、
図3に示すように、品番特性「イベントCD」の特性値1として“2014SS”、“2014FW”および“2015SS”が定義され、それらの特性値1コードとして“14SS”、“14FW”および“15SS”が定義されたことを保持するためのマスタである。さらに、商品特性「色(カラー)」の特性値1として“Wite”、“Black”および“Red”が定義されたことや、それらの特性値コードとして“001”、“002”および“003”が定義され、商品特性「サイズ」の特性値2として“One Size”、“XXS”および“XS”が定義され、それらの特性値2コードとして“00”、“01”および“02”が定義されたことを保持するためのマスタである。
【0029】
[品種分類別特性定義マスタ106e]
品種分類別特性定義マスタ106eは、品種分類別にカテゴリに含まれる商品コードの構成を設定するマスタである。特性は無限に設定することできる。なお、特性をどのカテゴリ(商品、品番または品種分類)に当てはめるかは、ユーザ側で自由に設定可能である。
【0030】
品種分類別特性定義マスタ106eは、例えば、品種分類「家具」において、品種分類の構成に使われる特性(品種分類固定特性:品種分類において固定の特性)としてメーカーが定義され、品番の構成に使われる特性(品番固定特性:品番において固定の特性)としてアイテムが定義され、商品の構成に使われる特性(商品変動特性:商品において変動する特性)としてカラーが定義されたことや、品種分類「雑貨」において、品種分類の構成に使われる特性(品番固定特性:品番において固定の特性)としてメーカーが定義されたこと、などを保持するためのマスタである。なお、品番の構成に使われる特性として連番を設定することにより、メーカーおよびアイテム別、またはメーカー、年度およびシーズン別に、品番コードを自動採番することが可能である。
【0031】
[品番マスタ106f]
品番マスタ106fは、品番を設定するためのマスタである。品番マスタ106fに格納される情報は、上記した品種分類マスタ106aまたは品種マスタ106bから自動的に作成されてもよい。例えば、品番コードは、品種分類コードまたは品種コードと特性値コードとの組み合わせで採番されてもよい。また、品番マスタ106fは、例えば、
図2に示すように、品種分類「家具」の品番として、“ダイニングテーブル(白、黒あり)”が登録され、その品番に対する品番コード(00102001)は、メーカーコード(001)+アイテムコード(02)+連番(001)の組み合わせで採番されてもよい。さらに、白と黒の“ダイニングテーブル”の商品コード(0010200100、00110200101)は、品番コード(00102001)+カラーコード(00:白、01:黒)の組み合わせで採番されてもよい。また、品番マスタ106fは、例えば、
図2に示すように、品種分類「雑貨」の品番として、品番コードを手入力(商品コードは同値が割り当てられる)してもよい。
【0032】
品番マスタ106fの項目としては、例えば、「品番コード」、「品番名」、「品番カナ名」、「品種分類コード」、「品種分類名」、「特性コード」、「特性名」、「特性値」、「特性値名」および「付属情報」が含まれており、各々の項目ごとにデータ格納欄が設けられている。
【0033】
項目「品番コード」のデータ格納欄には、品番として定義された文字列(例えば、品種分類「家具」の品番として定義されたダイニングテーブルなど、品種分類「トップス」の品番として定義されたTシャツなど)に割り当てられたコード値が格納される。項目「品番名」のデータ格納欄には、品番として定義された文字列が格納される。項目「品番カナ名」のデータ格納欄には、品番として定義された文字列の片仮名(例えば、品番「Tシャツ」の片仮名であるティーシャツなど)が格納される。
【0034】
項目「品種分類コード」のデータ格納欄には、品種分類として定義された文字列に割り当てられたコード値が格納される。項目「品種分類名」のデータ格納欄には、品種分類として定義された文字列が格納される。
【0035】
項目「特性コード」のデータ格納欄には、特性として定義された文字列(例えば、メーカー、アイテム、連番、年度、シーズン、カラーまたはサイズなど)に割り当てられたコード値が格納される。項目「特性名」のデータ格納欄には、特性として定義された文字列が格納される。
【0036】
項目「特性値」のデータ格納欄には、特性値として定義された文字列に割り当てられた数値またはコード値が格納される。項目「特性値名」のデータ格納欄には、特性値として定義された文字列が格納される。ここで、特性値として定義された文字列とは、例えば、特性「メーカー」の特性値として定義された○○社および××社、特性「アイテム」の特性値として定義されたダイニングテーブル、食器棚およびリビングボード、特性「カラー」の特性値として定義された白、黒および青、特性「サイズ」の特性値として定義されたS、MおよびL、特性「イベントCD」の特性値として定義された“2014SS”、“2014FW”および“2015SS”などである。また、特性値として定義された文字列に割り当てられた数値またはコード値とは、例えば、特性値「○○社」に割り当てられた01、特性値「××社」に割り当てられた02、特性値「ダイニングテーブル」に割り当てられた00、特性値「食器棚」に割り当てられた01、特性値「リビングボード」に割り当てられた02、特性値「白」に割り当てられた00またはWH、特性値「黒」に割り当てられた01またはBL、特性値「青」に割り当てられた02、特性値「S」に割り当てられた00、特性値「M」に割り当てられた01および特性値「L」に割り当てられた02、特性値「2014SS」に割り当てられた14SS、特性値「2014FW」に割り当てられた14FW、特性値「2015SS」に割り当てられた15SS、などである。
【0037】
項目「付属情報」のデータ格納欄には、品番毎に設定している付属情報の“発売時期”が格納され、また、品番毎に設定している付属情報の“発注単位”が格納されている。
【0038】
このように、品番マスタ106fには、上記マスタの設定に合わせてそれぞれの特性値を設定し、品番コード、商品コードが登録される。特に、本実施形態では、この品番マスタ106fに対して、
図3に示すように、品番単位で特性値である展示会CDや催事CDといったイベントCDを事前に設定しておく点に特徴がある。これにより、イベントCDを指定するだけで、当該イベントに出品する商品データの一覧を容易に呼び出すことが可能となる。
【0039】
[商品マスタ106g]
商品マスタ106gは、商品の商品コード(SKU)を設定するためのマスタである。上記の品種分類マスタ106aにおいて、商品コードを特定する単位が“商品”と指定された場合は、品番コード+特性値(複数)の組み合わせで自動生成(商品展開画面より)され、商品コードを特定する単位が“品番”と指定された場合は、品番コード=商品コードとして自動生成される。このように、商品コードは、
図4に示す品番マスタメンテナンス画面から自動的に作成され、
図5に示すように、品番コード+特性値(カラーやサイズ)の組み合わせで採番される。
【0040】
商品マスタ106gは、項目として、「商品コード」、「商品特性」、「特性値1:色(カラー)」、「特性値2:サイズ」、および「商品単価」が含まれており、各々の項目ごとにデータ格納欄が設けられているマスタである。
【0041】
項目「商品コード」のデータ格納欄には、商品として定義された文字列(例えば、品番コードと特性値との組み合わせ(
図5の行1に示す、品種コード“H011301001”+特性値コード1“カラー:BL”+特性値コード2“サイズ:L”=商品コード“H011301001BLL”)など)のように作成されたコード値が格納される。項目「商品特性」のデータ格納欄には、商品の特性(001:色(カラー)、002:サイズ)として定義された文字列が格納される。項目「特性値1」のデータ格納欄には、商品の構成に使われる特性「色(カラー)」(商品変動特性として設定されたもの)の特性値(001:White、002:Black、003:Red)が格納される。項目「特性値2」のデータ格納欄には、商品の構成に使われる特性「サイズ」(商品変動特性として設定されたもの)の特性値(00:One Size、01:XXS、02:XS)が格納される。項目「商品単価」のデータ格納欄には、例えば商品毎に設定している上代単価の最初に取得できる単価が格納される。なお、商品は違っても色・サイズごとに単価は変わらない。
【0042】
入出力インターフェース部108は、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0043】
[制御部102]
制御部102は、受注作成装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0044】
制御部102は、商品(マスタ管理可能な在庫管理の最小単位)に関する特性である商品特性および当該商品特性の値である商品特性値を取得し、取得された商品特性を、商品の構成に使われる特性であって商品において変動する特性である商品変動特性(カラーやサイズなど)として記憶部106に設定すると共に、取得された商品特性値を当該取得された商品特性と関連付けて記憶部106に設定する。
【0045】
なお、制御部102は、商品を同じ形・同じデザインなど所定のルールに従ってグループ分けして得られたグループを示す品番に関する特性である品番特性および当該品番特性の値である品番特性値を取得し、取得された品番特性を、品番の構成に使われる特性であって品番において固定の特性である品番固定特性として記憶部106に設定すると共に、取得された品番特性値を当該取得された品番特性と関連付けて記憶部106に設定してもよい。
【0046】
また、制御部102は、商品の大分類を示す品種分類に関する特性である品種分類特性および当該品種分類特性の値である品種分類特性値を取得し、取得された品種分類特性を、品種分類の構成に使われる特性であって品種分類において固定の特性である品種分類固定特性として記憶部106に設定すると共に、取得された品種分類特性値を当該取得された品種分類特性と関連付けて記憶部106に設定してもよい。
【0047】
また、制御部102は、記憶部106に関連付けて設定されている商品特性および/または商品特性値に基づいて、商品に関する情報(例えば商品コード(SKU(Stock Keeping Unit):商品識別の最小単位)および商品名など)を作成してもよい。また、制御部102は、記憶部106に関連付けて設定されている品番および/または当該品番の値である品番値と記憶部106に関連付けて設定されている商品特性および/または商品特性値とに基づいて、商品に関する情報を作成してもよい。
【0048】
制御部102は、機能概念的に、設定手段としての設定部102a、マトリックス出力手段としてのマトリックス出力部102b、マトリックス取込手段としてのマトリックス取込部102c等を備えている。以下、制御部102の各処理部で行われる処理の具体例について、詳細に説明する。
【0049】
[設定部102a]
設定部102aは、イベントに出品する商品について品番マスタ106fに対し品番単位でイベントCDを紐付けるように設定する。また、設定部102aは、品番単位で商品の上代、発売時期、発注単位などを設定してもよい。これにより、イベントCDを指定するだけで、当該イベントに出品される全商品の品番コードと、それに付随する特性(カラー、サイズなど)や特性値データ(白、黒、青やS、M、Lなど)を抽出することができる。特性値データの設定は、
図4に示す品番マスタメンテナンス画面を用いて、特定の品番コードに対して在庫のあるカラーにチェックを入れ、選択したGO:GPゴールドに対しては、サイズL、M、Sのいずれかをチェック、あるいは、全てのサイズを選択したい場合は、一括選択ボタンを押下して全てにチェックを入れることで、特定の品番コードに対する特性値を設定することができる。また、カラーの種類が多い場合は、絞込ボタンを使って絞り込みをかけ、チェックマークを一旦解除して個別にチェックを入れる場合は、一括解除ボタンを使うことができる。さらに、品番単位で商品の上代、発売時期、発注単位を設定した場合は、これらのデータも紐付けられているため、イベントCDを指定することにより、これらのデータも一緒に抽出することができる(
図8参照)。
【0050】
[マトリックス出力部102b]
マトリックス出力部102bは、設定部102aで設定されたイベントCDのうち、開催するイベントCDを指定すると、品番マスタ106fから該当する品番コードとそれに付随するデータを抽出し、例えばExcel(登録商標)などのマトリックス表形式に変換して出力する出力部である。これにより、マトリックス出力部102bは、同じ品番コードの商品の中でカラー違いとサイズ違いがあっても、同じ品番でカラー毎にサイズの違う商品を個別に数量指定できる発注表(オーダーシート)を作成することができる。出力されたマトリックス表の一例としては、
図8に示すような発注表がある。
図8に示すマトリックス表は、行毎にカラーの違いを表記し、列毎にサイズの違いを表記したため、サイズの単位が異なる品種分類別にExcel(登録商標)シートを分けて出力する必要がある。例えば、品種分類が“トップス”の場合は、
図9に示すような発注表となり、品種分類が“シューズ”の場合は、
図10に示すような発注表となり、品種分類が“指輪”の場合は、
図11に示すような発注表となる。なお、本実施形態では、
図8〜
図11に示すように、各カラーで在庫の有るサイズの「セル」は、数量入力が可能な空欄とし、在庫の無いサイズの「セル」は、数量入力が不可能なマスクをかける。これにより、商品のサイズ違いの在庫の有無を一覧表示することができると共に、注文の誤入力を未然に防止することができる。
【0051】
[マトリックス取込部102c]
マトリックス取込部102cは、マトリックス出力部102bで出力されたマストリックス表形式の発注表に対して、取引先が発注する発注数量が入力された発注表データを取り込む取込部である。これにより、マトリックス取込部102cは、発注表に入力された発注数量データを品番コード、カラー、サイズ別に集計して取り込みを行い、これを受注データとして計上する。上記マトリックス出力部102bから出力されるマストリックス表は、紙出力したものに取引先が発注数量を記入し、これをスキャナーで読み込むことでデータを取り込むようにしてもよい。また、本実施形態では、マトリックス出力部102bから出力されたマストリックス表を電子データ化し、通信インターフェース部104を介してネットワーク300経由で各取引先端末400−1〜400−nへ送信し、各取引先端末400−1〜400−nで発注数量が入力された発注表データをネットワーク300経由で返送し、このデータを取り込むようにしてもよい。なお、マストリックス表形式の発注表は、
図8〜
図11に図示していないが、取引先を識別するための取引先CDが入力されるようになっている。このように、本実施形態に係る受注作成装置100は、共通のフォーマットによって発注表(あるいは、受注表にもなる)を作成し、出力するため、取引形態が統一化されてイベント業務の効率化を図ることができる。
【0052】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図6〜
図11を参照し、本実施形態に係る受注作成装置の処理の一例について説明する。
【0053】
以下、受注作成装置100の処理の流れについて
図6のフローチャートを用いて説明し、さらに、
図7〜
図11を用いて具体的に説明する。
【0054】
[受注作成装置の処理について]
本実施形態に係る受注作成装置100の設定部102aは、
図6に示すように、品番マスタ106fに対して品番単位で展示会CDや催事CDで総称されるイベントCDを設定する(ステップSA1)。これにより、各品番コードとイベントCDとを紐付けることができる。
【0055】
続いて、マトリックス出力部102bは、
図7に示すマトリックス出力画面を用いてオペレータがイベント欄にイベントCDを直接入力して指定するか、イベント名等のキーワードを入力し、F4:検索キーを押下すると、別画面で関連するイベントCD一覧が表示され、この中から該当するイベントCDを選択することで指定してもよい。また、「品種分類」、「品種」、「品番」の各項目については、オペレータが抽出データの範囲を指定するものである。ここで、マトリックス出力部102bは、マトリックス出力画面のF9:出力キーが押下されると、抽出されたイベントCDと紐付く品番関連データを用いて、
図8に示すようなマトリックス表形式の発注表(オーダーシート)をExcel(登録商標)で作成する(ステップSA2)。作成されるマトリックス表は、品種分類単位でサイズ単位が異なる場合は、品種分類別にシートを分けて作成するようにする。具体的には、品種分類が“トップス”の場合は、
図9に示すようにサイズの単位がS、M、Lとなり、品種分類が“シューズ”の場合は、
図10に示すようにサイズの単位が24.5〜28となり、品種分類が“指輪”の場合は、
図11に示すようにサイズの単位が5〜14までとなる。
【0056】
出力されたマトリックス表は、
図8に示すように、指定されたイベントに展示される品番コードに関連した特性値としての商品の色(カラー)やサイズ、上代などの商品単価、付属情報としての発売時期や発注単位などを表形式に変換して、一覧表示形式にできる。
図8に示すマトリックス表は、行毎にカラーの違いを表記し、列毎にサイズの違いを表記しているため、各カラーに対してそれぞれのサイズがオーダーできるようになっている。また、
図8に示すように、各カラーで在庫の有るサイズの「セル」については、数量入力が可能な空欄とし、製造していないか在庫の無いサイズの「セル」については、数量入力が不可能なマスクをかけることにより、品番毎にサイズの有無が分かり、在庫の無い商品を注文するといった誤入力が防止可能になった。
【0057】
マトリックス出力部102bから出力されたマトリックス表は、通信インターフェース部104を介し、ネットワーク300を経由して取引先端末400−1の取引先へ送信されると、取引先の発注担当者がイベントに展示される全商品の中から、注文したい品番の色とサイズを選んで該当する欄に発注数量を入力する。発注数量が入力されたマトリックス表の発注表データは、ネットワーク300経由で受注作成装置100に返送され、マトリックス取込部102cで発注データが取り込まれる。取引先端末400−1から返送された発注データは、受注作成装置100に取り込むことにより、受注データとして計上する(ステップSA3)。
【0058】
このように、本実施形態に係る受注作成装置100によれば、品番マスタ106fを用いてイベントに展示する商品の品番にイベントCDを事前に設定しておき、イベント開催時にイベントCDを指定するだけで、展示する商品の品番データを抽出して、マトリックス表形式の発注表に変換することができる。このため、イベントに展示される商品の発注表の作成業務を大幅に軽減できると共に、マトリックス表形式に自動変換するため、迅速な発注依頼をかけることができる。
【0059】
また、マトリックス出力部102bから出力する発注表は、表示項目の共通化やレイアウトなど共通のフォーマットで作成されるため、取引形態が統一化され、イベント業務の効率化を図ることができる。
【0060】
さらに、取引先で発注数量が入力された発注表データを取り込むマトリックス取込部102cは、発注表のフォーマットが統一化されているため、発注データの取り込みを正確かつ迅速に行うことができ、取り込まれた発注データを受注データとしてそのまま計上することができる。このように、本実施形態に係る受注作成装置100は、イベント開催時に取引先からのまとまった大量注文を処理する場合であっても、入力業務の軽減化を図り、発注依頼から受注計上までを迅速に処理することができる。
【0061】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0062】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0063】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0064】
また、受注作成装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0065】
例えば、受注作成装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて受注作成装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部106などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
【0066】
また、このコンピュータプログラムは、受注作成装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0067】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0068】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0069】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0070】
また、受注作成装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、受注作成装置100は、当該情報処理装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0071】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。