特許第6785718号(P6785718)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6785718雌コネクタおよび雌コネクタと雄コネクタの接続構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6785718
(24)【登録日】2020年10月29日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】雌コネクタおよび雌コネクタと雄コネクタの接続構造
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20201109BHJP
【FI】
   H01R13/639 Z
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-98871(P2017-98871)
(22)【出願日】2017年5月18日
(65)【公開番号】特開2018-195476(P2018-195476A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2019年12月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104569
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正夫
(72)【発明者】
【氏名】岩本 侑大
【審査官】 片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−131112(JP,A)
【文献】 特開2017−027732(JP,A)
【文献】 特開2018−156853(JP,A)
【文献】 特開2015−195126(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/639
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインボディ、基部およびロックアームを有するボディを備えており、
前記メインボディは、雄コネクタが挿脱可能な接続穴と、前記雄コネクタの挿入方向に延びており且つ前記接続穴に連通したスリットとを有しており、
前記基部は、前記メインボディの前記スリットに対して前記雄コネクタの脱方向側の部分に設けられており、前記脱方向は前記挿入方向の反対方向であり、
前記ロックアームは、第1アームと、中間部と、第2アームと、ロック凸部とを有しており、
前記第1アームは、前記接続穴に隣接するように前記基部から前記スリット内を前記挿入方向に延びており且つ第1自由端部を有しており、
前記ロック凸部は、前記第1アームの前記第1自由端部から前記接続穴側へ延びており且つ前記雄コネクタのロック穴に嵌合可能または前記雄コネクタの被ロック凸部に前記脱方向側から当接可能となるように前記接続穴内に位置しており、
前記中間部は、前記第1アームの前記第1自由端部から前記接続穴から離反するように延びており、
前記第2アームは、前記中間部から前記脱方向に延び且つ前記第1アームに対して間隔があいており、
前記ロック凸部が前記雄コネクタの前記ロック穴の前記挿入方向側の縁部または前記雄コネクタの前記被ロック凸部から前記脱方向に荷重を受けたときに、少なくとも前記第1アーム、前記中間部および前記第2アームが、前記基部と前記雄コネクタの前記縁部または前記被ロック凸部との間で圧縮される雌コネクタ。
【請求項2】
請求項1記載の雌コネクタにおいて、
前記ロックアームは、少なくとも前記ロック凸部に設けられた前記挿入方向側の先端面をさらに有しており、
前記先端面は、前記ロック凸部の前記挿入方向側の端面と前記ロック凸部の前記接続穴側の端面とによって構成されたエッジである先端と、前記先端よりも前記接続穴から遠くに位置する遠端と、前記遠端から前記先端まで前記挿入方向に下り傾斜した傾斜面とを有しており、
前記ロック凸部の前記傾斜面が前記雄コネクタの前記ロック穴の前記縁部または前記雄コネクタの前記被ロック凸部から前記脱方向に荷重を受けたときに、前記傾斜面が前記脱方向に変位するように、少なくとも前記第1アーム、前記中間部および前記第2アームが、前記基部と前記雄コネクタの前記縁部または前記被ロック凸部との間で圧縮される雌コネクタ。
【請求項3】
請求項2記載の雌コネクタにおいて、
前記先端面は、前記ロック凸部および前記第1自由端部、または前記ロック凸部、前記第1自由端部および前記中間部に設けられており、
前記先端面の前記遠端は、前記第1自由端部または前記中間部に設けられており、
前記先端面の前記傾斜面は、前記ロック凸部の前記挿入方向側の端面である接触部を有しており、
前記ロック凸部の前記接触部が前記雄コネクタの前記ロック穴の前記縁部または前記雄コネクタの前記被ロック凸部から前記脱方向に荷重を受けたときに、前記傾斜面が前記脱方向に変位するように、少なくとも前記第1アーム、前記中間部および前記第2アームが、前記基部と前記雄コネクタの前記縁部または前記被ロック凸部との間で圧縮される雌コネクタ。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の雌コネクタにおいて、
前記第2アームは第2自由端部を有しており、前記第2自由端部は前記第1アーム
または前記基部に間隙を有して対向しており、
前記第2自由端部が前記接続穴側に押下されることにより、前記第2アームは、前記第2自由端部が前記第1アームおよび前記基部の少なくとも一方に当接するまで弾性変形すると共に、前記第1アームは、前記基部を支点として前記第1自由端部および前記ロック凸部が前記接続穴から離反するように弾性変形する雌コネクタ。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の雌コネクタと、
雄コネクタとを備えており、
前記雄コネクタは、ロック穴または被ロック凸部を有しており、
前記雄コネクタが前記雌コネクタの前記接続穴内に挿入された状態で、前記雌コネクタの前記ロック凸部が前記雄コネクタの前記ロック穴に嵌合する、または前記雌コネクタの前記ロック凸部が前記雄コネクタの前記被ロック凸部に前記脱方向側から当接しており、
前記雌コネクタの前記ロック凸部が前記雄コネクタの前記ロック穴の前記挿入方向側の縁部または前記雄コネクタの前記被ロック凸部から前記脱方向に荷重を受けたときに、前記雌コネクタの前記ロックアームの少なくとも前記第1アーム、前記中間部および前記第2アームが、前記基部と前記雄コネクタの前記縁部または前記被ロック凸部との間で圧縮されるコネクタの接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雌コネクタおよび雌コネクタと雄コネクタの接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、従来の雌コネクタと雄コネクタの接続構造が記載されている。雌コネクタは、接続穴が設けられた筒状の雌ボディと、この雌ボディの上側の壁部の外面に設けられた凸部とを有している。雄コネクタは、雌コネクタの接続穴内に挿脱される雄ボディと、この雄ボディに設けられたロックアームとを有している。なお、雄コネクタが雌コネクタの接続穴に挿入される方向を挿入方向と称し、雄コネクタが雌コネクタの接続穴から脱する方向(挿入方向の反対方向)を脱方向と称する。
【0003】
ロックアームは、基部と、板バネと、操作レバーとを有している。基部は、雄ボディの脱方向の端部から立ち上がっている。板バネは基部から挿入方向に延びており且つ雄ボディと間隙を有して対向配置されている。板バネの自由端部にロック穴が設けられている。雄コネクタが雌コネクタの接続穴に挿入された状態で、雌コネクタの接続穴の上側の壁部および凸部が板バネと雄ボディとの間の間隙に挿入され且つ凸部が板バネのロック穴に嵌合する。操作レバーは、平面視略U字状であって、その二つの先端部が板バネの自由端部の幅方向の両端に固定されている。操作レバーは、板バネの自由端部から斜め上に傾斜しつつ脱方向に延びている。操作レバーの頂部が下方向に押下されると、基部を支点に板バネの自由端部が上方に変位するように、ロックアームが弾性変形し、係合された雌コネクタの凸部と板バネのロック穴との嵌合が解除されるようになっている。操作レバーの頂部が開放されると、ロックアームが復元し、板バネの自由端部が下方に変位する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−195126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
雄コネクタのロックアームの板バネが挿入方向に延びており、ロック穴が上下に変位可能な板バネの自由端部に設けられている。このため、コネクタが脱方向に引っ張られると、雌コネクタの凸部が雄コネクタの板バネのロック穴の挿入方向側の縁部を押圧することによって、板バネの自由端部が上方に押し上げられ易く、雌コネクタの凸部と雄コネクタのロック穴との嵌合が不用意に解除される恐れがある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、ロックが不用意に解除される可能性を低減することができる雌コネクタおよび雌コネクタと雄コネクタの接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様の雌コネクタは、ボディを備えている。ボディは、メインボディ、基部およびロックアームを有している。メインボディは、雄コネクタが挿脱可能な接続穴、およびスリットを有している。スリットは、雄コネクタの挿入方向に延びており且つ接続穴に連通している。基部は、メインボディのスリットに対して雄コネクタの脱方向側の部分に設けられている。脱方向は挿入方向の反対方向である。ロックアームは、第1アームと、中間部と、第2アームと、ロック凸部とを有している。第1アームは、接続穴に隣接するように基部からスリット内を挿入方向に延びており且つ第1自由端部を有している。ロック凸部は、第1アームの第1自由端部から接続穴側へ延びており且つ雄コネクタのロック穴に嵌合可能または雄コネクタの被ロック凸部に脱方向側から当接可能となるように接続穴内に位置している。中間部は、第1アームの第1自由端部から接続穴から離反するように延びている。第2アームは、中間部から脱方向に延び且つ第1アームに対して間隔があいている。ロック凸部が雄コネクタのロック穴の挿入方向側の縁部または雄コネクタの被ロック凸部から脱方向に荷重を受けたときに、少なくとも第1アーム、中間部および第2アームが、基部と雄コネクタの縁部または被ロック凸部との間で圧縮されるようになっている。
【0008】
このような態様の雌コネクタによる場合、ロックアームの第1アームが基部から挿入方向に延び、中間部が第1アームの第1自由端部から接続穴から離反するように延び、第2アームが中間部から脱方向に延びているため、第1アーム、中間部および第2アームは全体として略横向きU字状となっている。以下、このロックアームの略横向きU字状の部分をロックアーム本体と称する。ロック凸部が脱方向に荷重を受けたときに、ロックアームの少なくともロックアーム本体が、基部と雄コネクタの縁部または被ロック凸部との間で圧縮されることによって、当該荷重が吸収される。そのため、前記荷重によって、ロックアームのロック凸部が接続穴から離反するように変位し難くなり、その結果として、ロックアームのロック凸部のロック穴に対する嵌合(ロック)または被ロック凸部に対する当接(ロック)が不用意に解除され難くなる。
【0009】
ロックアームは、少なくともロック凸部に設けられた挿入方向側の先端面をさらに有する構成とすることが可能である。先端面は、先端、遠端および傾斜面を有する構成とすることが可能である。先端は、ロック凸部の挿入方向側の端面とロック凸部の接続穴側の端面とによって構成されたエッジとすることが可能である。遠端は先端よりも接続穴から遠くに位置する構成とすることが可能である。傾斜面は、遠端から先端まで挿入方向に下り傾斜した構成とすることが可能である。ロック凸部の傾斜面が雄コネクタのロック穴の縁部または雄コネクタの被ロック凸部から脱方向に荷重を受けたときに、傾斜面が脱方向に変位するように、少なくとも第1アーム、中間部および第2アームが、基部と雄コネクタの縁部または被ロック凸部との間で圧縮される構成とすることが可能である。
【0010】
このような態様の雌コネクタによる場合、ロック状態におけるロックアームのロック凸部のロック穴に対する嵌合(ロック)または被ロック凸部に対する当接(ロック)がさらに不用意に解除され難くなる。ロック凸部の傾斜面が脱方向に荷重を受けたときに、傾斜面が脱方向に変位するように、ロックアームの少なくともロックアーム本体が、基部と雄コネクタの縁部または被ロック凸部との間で圧縮されるからである。
【0011】
先端面は、ロック凸部および第1自由端部に設けられていても良いし、ロック凸部、第1自由端部および中間部に設けられていても良い。前者の場合、先端面の遠端は第1自由端部に、後者の場合、先端面の遠端は中間部に設けられた構成とすることが可能である。何れの場合も、先端面の傾斜面は、ロック凸部の挿入方向側の端面である接触部を有する構成とすることが可能である。ロック凸部の接触部が雄コネクタのロック穴の縁部または雄コネクタの被ロック凸部から脱方向に荷重を受けたときに、傾斜面が脱方向に変位するように、少なくとも第1アーム、中間部および第2アームが、基部と雄コネクタの縁部または被ロック凸部との間で圧縮される構成とすることが可能である。
【0012】
このような態様の雌コネクタによる場合、ロック状態におけるロックアームのロック凸部のロック穴に対する嵌合(ロック)または被ロック凸部に対する当接(ロック)がさらに不用意に解除され難くなる。傾斜面が、ロック凸部および第1自由端部、またはロック凸部、第1自由端部および中間部に設けられている。このため、ロック凸部の傾斜面の接触部が脱方向に荷重を受けたときに、ロックアームの少なくともロックアーム本体が、基部と雄コネクタの縁部または被ロック凸部との間で圧縮され易くなる。
【0013】
第2アームは第2自由端部を有し、第2自由端部は第1アームまたは基部に間隙を有して対向した構成とすることが可能である。この場合、第2自由端部が接続穴側に押下されることにより、第2アームは、第2自由端部が第1アームおよび基部の少なくとも一方に当接するまで弾性変形すると共に、第1アームは、基部を支点として第1自由端部およびロック凸部が接続穴から離反するように弾性変形する構成とすることが可能である。
【0014】
このような態様の雌コネクタによる場合、第2自由端部が第1アームおよび基部の少なくとも一方に当接するので、それ以上第2アームが第1アームおよび基部の少なくとも一方側に弾性変形するのを防止することができる。
【0015】
本発明の一態様の雌コネクタと雄コネクタの接続構造は、上記した何れかの態様の雌コネクタと、雄コネクタとを備えた構成とすることが可能である。雄コネクタは、ロック穴または被ロック凸部を有する構成とすることが可能である。雄コネクタが雌コネクタの接続穴内に挿入された状態で、雌コネクタのロック凸部が雄コネクタのロック穴に嵌合する、または雌コネクタのロック凸部が雄コネクタの被ロック凸部に脱方向側から当接する構成とすることが可能である。雌コネクタのロック凸部が雄コネクタのロック穴の挿入方向側の縁部または雄コネクタの被ロック凸部から脱方向に荷重を受けたときに、雌コネクタのロックアームの少なくとも第1アーム、中間部および第2アームが、ロックアームの基部と雄コネクタの縁部または被ロック凸部との間で圧縮される構成とすることが可能である。
【0016】
雌コネクタのロックアームの第2アームの第2自由端部が接続穴側に押下されることにより、ロックアームの第1アームの第1自由端部およびロック凸部が接続穴から離反するようにロックアームが基部を支点として回動し、これにより雌コネクタのロック凸部と雄コネクタのロック穴との嵌合または雌コネクタのロック凸部と雄コネクタの被ロック凸部との当接が解除される構成とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例1に係る雌コネクタの正面、平面および右側面から表した斜視図である。
図2A】前記雌コネクタの図1中の2A−2A断面図である。
図2B】前記雌コネクタの図1中の2B−2B断面図である。
図2C】前記雌コネクタの図1中の2C−2C断面図である。
図2D】前記雌コネクタの図1中の2D−2D断面図である。
図2E】前記雌コネクタの図1中の2E−2E断面図である。
図3】前記雌コネクタの第1ボディの正面、平面および左側面から表した斜視図である。
図4A】前記雌コネクタの第2ボディの正面、平面および右側面から表した斜視図である。
図4B】前記雌コネクタの第2ボディの背面、平面および左側面から表した斜視図である。
図5】本発明の実施例1に係る雌コネクタと雄コネクタとの接続状態を示す図2Dに対応する断面図である。
図6】本発明の実施例2に係る雌コネクタと雄コネクタとの接続状態を示す図5に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例1および2について説明する。
【実施例1】
【0019】
以下、本発明の実施例1を含む複数の実施例に係る雌コネクタC1について図1図5を参照しつつ説明すると共に、本発明の実施例1を含む複数の実施例に係る雌コネクタC1と雄コネクタC2の接続構造について図5を参照しつつ説明する。図1図5には、実施例1に係る雌コネクタC1が示されており、図5には実施例1に係る雌コネクタC1と雄コネクタC2の接続構造が示されている。なお、図1図2Dおよび図5に示すY−Y’方向は、雄コネクタC2の雌コネクタC1の接続穴101に対する挿脱方向である。Y−Y’方向のうちのY方向は、雄コネクタC2の雌コネクタC1の接続穴101に対する挿入方向であり、Y’方向は雄コネクタC2の雌コネクタC1の接続穴101に対する脱方向である。図1図2A図2D図2Eおよび図5に示すZ−Z’方向は、Y−Y’方向に直交する方向である。図1図2B図2Cおよび図2Eに示すX−X’方向は、Y−Y’方向およびZ−Z’方向に直交する方向である。
【0020】
雌コネクタC1はボディ100を備えている。ボディ100は、雄コネクタC2がY−Y’方向において挿脱可能な接続穴101を有している。また、ボディ100は、絶縁樹脂で構成された第1ボディ100aおよび第2ボディ100bを有している。
【0021】
第1ボディ100aは、第1収容部110aと、第1当接部120aと、第2当接部130aとを有している。第1収容部110aは、第1当接部120aおよび第2当接部130aによって区画されている。例えば、第1収容部110aは、図1図3に示されるようにZ−Z’方向に延び且つ少なくともZ方向に開放された有底穴とすることが可能である。または、第1収容部110aは、第1ボディ100aをZ−Z’方向に貫通する貫通孔とすることも可能である。何れの場合も、第1収容部110a内に第2ボディ100bがZ方向側から挿入され、第1ボディ100aによってY−Y’方向において位置固定されている。第2ボディ100bは第1収容部110aに対して挿脱可能とすることが可能であるが、第1収容部110aに一度固定すると取り外せない構成とすることも可能である。
【0022】
第1当接部120aは、第1収容部110aよりもY’方向側に位置しており且つ第1収容部110aに収容された第2ボディ100bにY’方向側から当接している。この第1当接部120aにより、第2ボディ100bはY’方向への移動が規制されている。第2当接部130aは、第1収容部110aよりもY方向側に位置しており且つ第1収容部110aに収容された第2ボディ100bにY方向側から当接している。この第2当接部130aにより、第2ボディ100bはY方向への移動が規制されている。第1当接部120aおよび第2当接部130aは、前述のとおり第2ボディ100bに当接するものであれば良く、例えば、それぞれが壁(図1A図3参照)、凸部または爪等とすることができる。
【0023】
第2ボディ100bはメインボディ110bを有している。メインボディ110bは、接続穴本体111bを有している。接続穴本体111bは、接続穴101の少なくとも一部を構成する孔であって、メインボディ110bをY−Y’方向に貫通している。第1当接部120aが壁である場合、第1当接部120aに開口121aが設けられていても良い。この開口121aは、第1当接部120aをY−Y’方向に貫通しており且つ第2ボディ100bの接続穴本体111bのY’方向側で接続穴本体111bに連通している。なお、開口121aが省略される場合、第1当接部120aは、凸部や爪など(壁以外)とすると良い。第2当接部130aが壁である場合、第2当接部130aにY’方向に開放された第1穴部131aが設けられていても良い。第1穴部131aは第2ボディ100bの接続穴本体111bのY方向側で接続穴本体111bに連通している。この第2当接部130aには、第2穴部132aがさらに設けられていても良い。第2穴部132aは、第1穴部131aのY方向側で第1穴部131aに連通する穴である。
【0024】
接続穴101は、例えば、下記A)〜F)の何れかとすることが可能である。
A)接続穴101は接続穴本体111bのみで構成されている。この場合、開口121a、第1穴部131aおよび第2穴部132aは省略される。
B)接続穴101は接続穴本体111bおよび開口121aで構成されている。この場合、第1穴部131aおよび第2穴部132aは省略される。
C)接続穴101は接続穴本体111bおよび第1穴部131aで構成されている。この場合、開口121aおよび第2穴部132aは省略される。
D)接続穴101は接続穴本体111b、開口121aおよび第1穴部131aで構成されている。この場合、第2穴部132aは省略される。
E)接続穴101は接続穴本体111b、第1穴部131aおよび第2穴部132aで構成されている。この場合、開口121aは省略される。
F)接続穴101は接続穴本体111b、開口121a、第1穴部131aおよび第2穴部132aで構成されている(図1図5参照)。
【0025】
接続穴101の内形は雄コネクタC2が接続穴101内にY−Y’方向に挿脱できるものであれば良い。接続穴101のY−Y’方向における少なくとも一部の内形寸法は、雄コネクタC2のY−Y’方向における少なくとも一部の外形寸法に対応しており、雄コネクタC2のY−Y’方向における少なくとも一部が接続穴101内で保持される構成とすることが可能である。例えば、接続穴本体111bの内形寸法が雄コネクタC2の外形寸法に対応しており、雄コネクタC2が接続穴本体111b内で保持される構成とすることが可能である。第2当接部130aに第2穴部132aが設けられている場合、第2穴部132aの内形寸法が雄コネクタC2の先端部C21の外形寸法に対応しており、雄コネクタC2の先端部C21が第2穴部132a内で保持される構成とすることが可能である。第1当接部120aに開口121aが設けられている場合、開口121aの内形寸法が雄コネクタC2の遠部C22の外形寸法に対応しており、雄コネクタC2の遠部C22が開口121a内で保持される構成とすることが可能である。なお、遠部C22は、雄コネクタC2の先端部C21からY’方向に遠い部分である。
【0026】
メインボディ110bはスリット112bをさらに有している。スリット112bは、メインボディ110bの接続穴本体111bの周壁に設けられており且つY方向に延びている。スリット112bは接続穴本体111bに連通している。
【0027】
第2ボディ100bは基部120bをさらに有している。基部120bは、メインボディ110bのスリット112bに対してY’方向側の部分に設けられている。より具体的には、基部120bは、メインボディ110bの接続穴本体111bの周壁のスリット112bに対してY’方向側に位置する部分である。
【0028】
第2ボディ100bはロックアーム130bをさらに有している。ロックアーム130bは、ロックアーム本体を有し、ロックアーム本体が、第1アーム131bと、中間部132bと、第2アーム133bとを有している。ロックアーム130bのロックアーム本体は絶縁樹脂または一枚の金属板で構成されていても良い。または、ロックアーム130bの第1アーム131b、中間部132bおよび第2アーム133bのうちの少なくとも一つが絶縁樹脂で構成され、残りが金属で構成されていても良い。いずれの場合も、ロックアーム130bのロックアーム本体は、全体としてY’方向に開放されたZ−Z’方向の断面視横向きU字状である。なお、本発明において、断面視横向きU字状は、断面視横向きV字状および断面視横向き凹字状を含むものとする。
【0029】
第1アーム131bは、接続穴本体111bに隣接するように基部120bからスリット112b内をY方向に延びている。第1アーム131bは、メインボディ110bのスリット112bのX方向の縁およびX’方向の縁の間に間隙を有している。第1アーム131bは、第1固定端部131b1と、第1自由端部131b2を有している。第1固定端部131b1は基部120bに一体的に連接または固定されている。第1アーム131bは、第1自由端部131b2が接続穴本体111bから離れるように(Z方向に変位するように)基部120bを支点として弾性変形可能である。
【0030】
中間部132bは、第1アーム131bの第1自由端部131b2から接続穴本体111bから離反するように(Z方向側に)延びている。なお、中間部132bが、金属板で構成されている場合、中間部132bは、Z方向およびY’方向側に折り返されていると良い。
【0031】
第2アーム133bは、中間部132bからY’方向に延びており且つ第1アーム131bに対してZ−Z’方向に間隔があいている。第2アーム133bは、第2固定端部133b1と、第2自由端部133b2を有している。第2固定端部133b1は、中間部132bに一体的に連接または固定されている。第2自由端部133b2(力点)が接続穴101側(Z’方向側)に押下されることによって、ロックアーム130bは基部120bを支点としてZ−Z’方向に回動可能である。
【0032】
第2自由端部133b2は、第1アーム131bおよび/または基部120bに対してZ−Z’方向に間隙を有して対向配置されていると良い。この場合、第2アーム133bは、第2自由端部133b2が第1アーム131bおよび/または基部120bに近づくように(Z’方向に変位するように)弾性変形可能な構成とすることが可能である。第2アーム133bは、第2自由端部133b2が第1アーム131bおよび/または基部120bに当接するまで弾性変形可能な構成とすることが可能であるが、これに限定されるものではない。すなわち、第2アーム133bが最大まで弾性変形したとき、第2自由端部133b2が第1アーム131bおよび/または基部120bに対してZ−Z’方向において間隙を有する構成とすることが可能である。
【0033】
または、第2アーム133bのY−Y’方向の寸法を第1アーム131bおよび基部120bのY−Y’方向の寸法の和よりも大きくし、第2自由端部133b2が第1アーム131bまたは基部120bに対してZ−Z’方向において対向しない構成としても良い。この場合も、第2アーム133bは、第2自由端部133b2がZ’方向に変位するように弾性変形可能な構成となっている。なお、第2アーム133bは弾性変形不能な構成とすることも可能である。
【0034】
ロックアーム130bはロック凸部134bをさらに有している。ロック凸部134bは、第1アーム131bの第1自由端部131b2から接続穴本体111b側(Z’方向側)へ延びている。すなわち、ロック凸部134bは、断面視横向きU字状のロックアーム本体の頂部から接続穴本体111b側(Z’方向側)へ延びている。ロック凸部134bは、ロック位置に位置している。ロック位置は、ロック凸部134bが、雌コネクタC1の接続穴101内に挿入された雄コネクタC2のロック穴C23に嵌合可能となる接続穴本体111b内の位置である。ロック凸部134bは、第1アーム131bの第1自由端部131b2のZ方向への変位に伴って、ロック位置から変位位置にかけてZ方向に変位する。変位位置は、ロック位置よりもZ方向側に位置し且つロック凸部134bと雄コネクタC2のロック穴C23との嵌合が解除される位置である。
【0035】
ロック凸部134bは、絶縁樹脂または金属等で構成された多角柱(図2A図2Eおよび図4A図4Bでは四角柱)、円柱、板状、Z−Z’方向における断面視略半円形または半球状等の凸部である。ロック凸部134bは、例えば、以下の1)〜4)の何れかの構成とすることが可能である。
1)第1アーム131bが絶縁樹脂で構成されている場合、ロック凸部134bは、第1アーム131bの第1自由端部131b2に一体的に連接された絶縁樹脂で構成されている。
2)第1アーム131bが絶縁樹脂で構成されている場合、ロック凸部134bは、第1アーム131bの第1自由端部131b2に固定された金属で構成されている。
3)第1アーム131bが金属板で構成されている場合、ロック凸部134bは、第1アーム131bの第1自由端部131b2の一部をカットし、Z’方向側に折り曲げた金属板で構成されている。
4)第1アーム131bが金属板で構成されている場合、ロック凸部134bは、第1アーム131bの第1自由端部131b2に固定された絶縁樹脂で構成されている。
【0036】
ロック凸部134bは傾斜面134b1を有していても良い。傾斜面134b1は、ロック凸部134bのY’方向側の端面であって、当該端面のZ方向の端からZ’方向の端へY方向に下り傾斜している。雄コネクタC2が雌コネクタC1の接続穴101内に挿入されるとき、雄コネクタC2のロック穴C23のY方向側の縁部が傾斜面134b1を押圧することによって、ロックアーム130bを基部120bを支点として回動させ易くなっている。なお、傾斜面134b1は省略可能である。
【0037】
ロックアーム130bはY方向側の先端面135bをさらに有している。先端面135bは、先端135b1と、遠端135b2と、傾斜面135b3を有する構成とすることが可能である。先端135b1は、ロック凸部134bのY方向側の端面とロック凸部134bの接続穴本体111b側(Z’方向側)の端面とによって構成されたエッジである。遠端135b2は、先端面135bにおいて先端135b1よりも接続穴本体111bから遠く(Z方向側)に位置している。傾斜面135b3は、遠端135b2から先端135b1までY方向に下り傾斜している。
【0038】
先端面135bはさらに以下の1)〜3)の何れかの構成とすることが可能である。
1)先端面135bはロック凸部134bのみに設けられている。すなわち、先端面135bはロック凸部134bのY方向側の端面である。この場合、遠端135b2は、先端面135bにおけるロック凸部134bと第1アーム131bの第1自由端部131b2との境界とすることが可能であるが、この境界よりもZ’方向側に位置していても良い。傾斜面135b3は雄コネクタC2のロック穴C23のY方向側の縁部に食い込むように当接可能である。
2)先端面135bはロック凸部134bおよび第1アーム131bの第1自由端部131b2に設けられている。すなわち、先端面135bはロック凸部134bおよび第1自由端部131b2のY方向側の端面である。この場合、ロック凸部134bのY方向側の端面および第1自由端部131b2のY方向側の端面は面一である。遠端135b2は、先端面135bにおける第1アーム131bの第1自由端部131b2と中間部132bの境界とすることが可能であるが、この境界よりもZ’方向側に位置していても良い。傾斜面135b3は、ロック凸部134bのY方向側の端面である接触部135b31を有し、接触部135b31が雄コネクタC2のロック穴C23のY方向側の縁部に食い込むように当接可能である。
3)先端面135bは、図1図5に示すように、ロック凸部134b、第1自由端部131b2および中間部132bに設けられている。すなわち、先端面135bはロック凸部134b、第1自由端部131b2および中間部132bのY方向側の端面である。この場合、ロック凸部134bのY方向側の端面と、第1自由端部131b2のY方向側の端面と、中間部132bのY方向側の端面は面一である。遠端135b2は、先端面135bにおける中間部132bのZ方向の端とすることが可能であるが、この端よりもZ’方向側に位置していても良い。傾斜面135b3は前記接触部135b31を有する。なお、傾斜面135b3の長さ寸法は、1)が最も小さく、3)が最も大きく、2)が1)および3)の間となる。
【0039】
傾斜面135b3の傾斜角は、ロック凸部134bのZ’方向側の面を基準として80〜90°とすることが可能であるが、これに限定されるものではない。なお、先端面135bが傾斜面135b3を有している必要はない。例えば、先端面135bはZ−Z’方向に平行な垂直面やY’方向に凹んだ円弧面とすることが可能である。
【0040】
雄コネクタC2が雌コネクタC1の接続穴101内に挿入された状態で、雄コネクタC2がY’方向(脱方向)へ引っ張られると、雄コネクタC2のロック穴C23のY方向側の縁部がロックアーム130bのロック凸部134bをY’方向に押圧し、これによりロックアーム130bのロック凸部134bに対してY’方向の荷重がかかる。ロックアーム130bの先端面135bが傾斜面135b3を有していない場合、ロック凸部134bに対して前記荷重がかかるときに、ロックアーム130bの少なくともロックアーム本体が雌コネクタC1の基部120bと雄コネクタC2のY方向側の縁部との間で圧縮され、弾性変形する。ロックアーム130bの先端面135bが傾斜面135b3を有する場合、ロック凸部134bに対して前記荷重がかかるときに、ロックアーム130bの少なくともロックアーム本体が、傾斜面135b3がY’方向に変位するように、雌コネクタC1の基部120bと雄コネクタC2のY方向側の縁部との間で圧縮され、弾性変形する。何れの場合も、少なくともロックアーム本体の弾性変形によって、前記荷重が吸収される。すなわち、前記荷重が、ロックアーム130bの第1アーム131bの第1自由端部131b2をZ方向に変位させ、これにより第1アーム131bを基部120bを支点として弾性変形させるように作用し難くなるので、ロックアーム130bのロック凸部134bと雄コネクタC2のロック穴C23との嵌合が維持され易くなる。なお、前記荷重によりロックアーム130b全体が弾性変形する構成としても構わない。
【0041】
第1ボディ100aの第2当接部130aが第1穴部131aを有している場合、雌コネクタC1はシール200をさらに備えた構成とすることが可能である。シール200は、シリコンゴム等の弾性体で構成されており且つ接続穴101内に挿入された雄コネクタC2の先端部C21にY−Y’方向に直交する方向から密着するように第1穴部131a内に収容されている。シール200は、円環状(図2A図2E参照)または多角環状とすることが可能である。この場合、シール200の外形寸法は、第1穴部131aの外形寸法と略同じまたは若干大きい。これにより、シール200の外周面が第1穴部131aの周壁面に密着している。シール200の内形寸法は、雄コネクタC2の先端部C21の外形寸法と略同じまたは若干小さい。このため、図5に示されるようにシール200内に雄コネクタC2の先端部C21が挿入可能であり、且つシール200の内周面が挿入された雄コネクタC2の先端部C21の外周面に密着可能になっている。なお、第1穴部131aは、シール200を収容するのではなく、雄コネクタC2の先端部C21を保持する構成とすることが可能である。この場合、第1穴部131aの内形寸法は、雄コネクタC2の先端部C21の外形寸法に対応していると良い。
【0042】
雌コネクタC1がシール200を備えている場合、第2ボディ100bのメインボディ110bは、少なくとも一つの当て止め部140bをさらに有する構成とすることが可能である。少なくとも一つの当て止め部140bは、接続穴本体111bの周壁に設けられた突起、突脈または周壁のY方向の端部(換言すると、接続穴本体111bのY方向の縁部)であって、シール200に対してY’方向側に位置し、当該シール200にY’方向側から間隙を有して対向または当接している。この当て止め部140bによって、シール200のY’方向側への移動が規制される。なお、図2A図2Eおよび図4A図4Bでは、当て止め部140bは、接続穴本体111bの周壁のY方向の端部から当該周壁の内側に延びたZ−Z’方向において断面視略U字状の突脈である。なお、シール200および当て止め部140bは省略可能である。
【0043】
雌コネクタC1は少なくとも一つの端子300をさらに備えている。少なくとも一つの端子300は、当該端子300の接触部310が接続穴101内に挿入された雄コネクタC2の端子C24に接触可能となるようにボディ100の接続穴101内に収容されていれば良い。なお、図1図5では、雌コネクタC1は、絶縁樹脂製のホルダ400と、金属製のシェル500とをさらに備えている。端子300は複数であって、ホルダ400に保持され、このホルダ400および端子300が、シェル500内に収容保持されている。このシェル500は、その一部が第2ボディ100bの接続穴本体111b内に位置し且つシール200内に挿通されるように、第1ボディ100aの第2穴部132aに連通する筒部内に収容保持されている。なお、少なくとも一つの端子300は、第2ボディ100bの接続穴本体111b内に位置するように、第1ボディ100aに直接保持されていても良い。この場合、ホルダ400およびシェル500は省略される。
【0044】
雌コネクタC1は、端子300の数に応じた数のケーブル600をさらに備えていても良い。端子300が一つである場合、ケーブル600は端子300の接続部320に接続されている。端子300が複数である場合、ケーブル600は、端子300の数と同じ数であって、端子300の接続部320に各々接続されている。少なくとも一つのケーブル600は、第1ボディ100aの前記筒部を通じて第1ボディ100a外に導出している。ケーブル600は図1図2Eに示されるように束ねられ、複合ケーブルとすることが可能である。この場合、ケーブル600は、筒状のシールド導体に覆われ、このシールド導体が筒状の外側絶縁に覆われている。なお、ケーブル600は省略可能であり、この場合、少なくとも一つの端子300の接続部320はボディ100外に配置され、図示しない基板の電極に接続可能な構成とすることも可能である。
【0045】
以下、雌コネクタC1の組み立て手順について詳しく説明する。上記したように少なくとも一つの端子300を保持した第1ボディ100aを用意し、且つ第2ボディ100bを用意する。この第2ボディ100bを第1ボディ100aの第1収容部110a内にZ方向側から挿入し、収容させる(以下、収容時)。すると、第1ボディ100aの第1当接部120a、第2当接部130aが第2ボディ100bにY’方向側、Y方向側から各々当接する。このようにして第2ボディ100bが第1ボディ100aにY−Y’方向において位置規制される。第1当接部120aが開口121aを有する場合、前記収容時に第2ボディ100bの接続穴本体111bが開口121aに連通する。第2当接部130aが第1穴部131aを有する場合、前記収容時に第2ボディ100bの接続穴本体111bが第1穴部131aに連通する。雌コネクタC1がシール200を備えている場合、第2ボディ100bを第1ボディ100aの第1収容部110a内に収容させる前に、第1ボディ100aの第1穴部131a内にY’方向側からシール200を挿入する。そして、前記収容時において、第2ボディ100bの少なくとも一つの当て止め部140bがシール200のY’方向側に位置し、第2ボディ100bの接続穴本体111bが第1穴部131aに連通する。以上のとおりに雌コネクタC1が組み立てられる。
【0046】
以下、雌コネクタC1を雄コネクタC2に接続する手順について詳しく説明する。雌コネクタC1の接続穴101内に雄コネクタC2を挿入する。このとき、雄コネクタC2のロック穴C23のY方向側の縁部が雌コネクタC1のロックアーム130bのロック凸部134bにY’方向側から押圧し、ロックアーム130bをZ方向に押し上げる。これにより、ロックアーム130bが基部120bを支点にZ方向に弾性変形する。ロックアーム130bのロック凸部134bが雄コネクタC2のY方向側の縁部を乗り越え、ロック穴C23に嵌合する(ロックする)。雄コネクタC2が接続穴101内に挿入された状態で、雌コネクタC1の少なくとも一つの端子300が雄コネクタC2の端子C24に接触し、接続される。このようにして雌コネクタC1が雄コネクタC2に接続され、雌コネクタC1と雄コネクタC2との接続構造が構成される。なお、雄コネクタC2が接続穴101内に挿入された状態で、上記のとおり、挿入された雄コネクタC2のY−Y’方向における少なくとも一部が接続穴101内で保持されると良いが、これに限定されるものではない。
【0047】
以下、雌コネクタC1と雄コネクタC2との接続を解除する手順について詳しく説明する。ロックアーム130bの第2アーム133bの第2自由端部133b2(力点)を接続穴101側(Z’方向側)に押下する。これにより、ロックアーム130bが基部120bを支点としてZ方向に回動する。より具体的には、前記押下により、ロックアーム130bの少なくとも第1アーム131bが基部120bを支点として弾性変形し、第1アーム131bの第1自由端部131b2およびロック凸部134b(作用点)がZ方向に変位する。第2アーム133bが弾性変形可能である場合、第1アーム131bの弾性変形と共に、第2アーム133bは、第2アーム133bの第2自由端部133b2がZ’方向に変位するように弾性変形する。ロック凸部134bがZ方向に変位すると、ロックアーム130bのロック凸部134bと雄コネクタC2のロック穴C23との嵌合が解除される。この状態で、雄コネクタC2をY’方向(脱方向)へ引き抜く。これにより、雌コネクタC1と雄コネクタC2との接続が解除される。
【0048】
以上のような雌コネクタC1および接続構造は、以下の技術的特徴および効果を奏する。1)雌コネクタC1と雄コネクタC2との接続状態で、雄コネクタC2がY’方向に引っ張られたとしても、ロックアーム130bのロック凸部134bと雄コネクタC2のロック穴C23との嵌合(ロック)が不用意に解除され難い。その理由は次のとおりである。雄コネクタC2がY’方向に引っ張られるときに、ロックアーム130bのロック凸部134bにかかるY’方向の荷重が、ロックアーム130bの少なくともロックアーム本体が雌コネクタC1の基部120bと雄コネクタC2のY方向側の縁部との間で圧縮されることによって吸収される。換言すると、前記荷重が、ロックアーム130bの第1アーム131bの第1自由端部131b2がZ方向に変位させるように作用し難くなる。
【0049】
2)雌コネクタC1は、Y’方向の引っ張り強度が向上している。その理由は以下のとおりである。第2ボディ100bは第1ボディ100aの第1、第2当接部120a、130aによってY−Y’方向において位置固定されているため、前記接続状態で、雄コネクタC2がY’方向に引っ張られ、ロックアーム130bのロック凸部134bにY’方向の荷重がかかったとしても、第2ボディ100bが第1ボディ100aからY’方向に脱落する可能性が低減される。また、雌コネクタC1が、シール200を備えている場合、前記接続状態でシール200が雄コネクタC2の先端部C21の外周面に密着する。雄コネクタC2がY’方向に引っ張られるとき、シール200にもY’方向の荷重がかかるが、この荷重はシール200を介して第2ボディ100bの少なくとも一つの当て止め部140bにもかかる。第2ボディ100bは、第1ボディ100aの第1収容部110a内にZ方向側から挿入され、第1ボディ100aの第1、第2当接部120a、130aによってY−Y’方向において位置固定されている。そのため、第2ボディ100bがY’方向の荷重によって第1ボディ100aからY’方向側に脱落する可能性が低減される。
【0050】
3)ロックアーム130bのY−Y’方向の寸法を低減することができ、その結果、雌コネクタC1のY−Y’方向の寸法を低減することができる。ロックアーム130bのロックアーム本体が断面視略横向きU字状であるためである。
【実施例2】
【0051】
以下、本発明の実施例2を含む複数の実施例に係る雌コネクタC1と雄コネクタC2’の接続構造について図6を参照しつつ説明する。図6には実施例2に係る雌コネクタC1と雄コネクタC2’の接続構造が示されている。この接続構造では、雌コネクタC1は、上記した何れかの態様の雌コネクタC1と同じ構成であるが、雄コネクタC2’の構成が上記した雄コネクタC2の構成と相違している。以下、その相違点についてのみ詳しく説明し、雌コネクタC1と雄コネクタC2’の接続構造の説明のうち、雌コネクタC1と雄コネクタC2の接続構造と重複する説明については省略する。図6には、図5と同様にY−Y’方向およびZ−Z’方向が示されている。
【0052】
雄コネクタC2’は、ロック穴C23に代えて、被ロック凸部C23’を備えている点で、雄コネクタC2と相違している。
【0053】
雌コネクタC1のロックアーム130bのロック凸部134bのロック位置は、ロック凸部134bが、雌コネクタC1の接続穴101内に挿入された雄コネクタC2の被ロック凸部C23’にY’方向側から当接可能となる接続穴本体111b内の位置である。ロック凸部134bの変位位置は、ロック位置よりもZ方向側に位置し且つロック凸部134bと雄コネクタC2の被ロック凸部C23’との当接が解除される位置である。
【0054】
ロックアーム130bの先端面135bが上記1)の構成である場合、先端面135bの傾斜面135b3は雄コネクタC2の被ロック凸部C23’にY’方向側から当接可能である。一方、ロックアーム130bの先端面135bが上記2)または3)の構成である場合、先端面135bの傾斜面135b3の接触部135b31が雄コネクタC2の被ロック凸部C23’にY’方向側から当接可能である。
【0055】
雄コネクタC2が雌コネクタC1の接続穴101内に挿入された状態で、雄コネクタC2がY’方向(脱方向)へ引っ張られると、雄コネクタC2の被ロック凸部C23’がロックアーム130bのロック凸部134bをY’方向に押圧し、これによりロックアーム130bのロック凸部134bに対してY’方向の荷重がかかる。ロックアーム130bの先端面135bが傾斜面135b3を有していない場合、ロック凸部134bに対して前記荷重がかかるときに、ロックアーム130bの少なくともロックアーム本体が雌コネクタC1の基部120bと雄コネクタC2の被ロック凸部C23’との間で圧縮され、弾性変形する。ロックアーム130bの先端面135bが傾斜面135b3を有する場合、ロック凸部134bに対して前記荷重がかかるときに、ロックアーム130bの少なくともロックアーム本体が、傾斜面135b3がY’方向に変位するように、雌コネクタC1の基部120bと雄コネクタC2の被ロック凸部C23’との間で圧縮され、弾性変形する。何れの場合も、少なくともロックアーム本体の弾性変形によって、前記荷重が吸収される。すなわち、前記荷重が、ロックアーム130bの第1アーム131bの第1自由端部131b2をZ方向に変位させ、これにより第1アーム131bを基部120bを支点として弾性変形させるように作用し難くなるので、ロックアーム130bのロック凸部134bと雄コネクタC2の被ロック凸部C23’との当接が維持され易くなる。なお、前記荷重によりロックアーム130b全体が弾性変形する構成としても構わない。

【0056】
雌コネクタC1は、雄コネクタC2’に対して雄コネクタC2と同じように接続することができ、且つその接続を解除することができる。
【0057】
以上のような雌コネクタC1と雄コネクタC2’の接続構造は、雌コネクタC1と雄コネクタC2の接続構造と同様の技術的特徴および効果を奏する。
【0058】
なお、上記した雌コネクタおよび雄コネクタは、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0059】
本発明の雌コネクタのボディは、第1、第2ボディを備えている必要はなく、上記した何れかの態様の第1、第2ボディは一体的に構成されていても良い。
【0060】
本発明の雌コネクタのロックアームは、第1アームの第1自由端部に、ロック凸部に代えて、ロック穴を設けることが可能である。この場合、本発明の雄コネクタは、雌コネクタの接続穴に挿入された状態で、雌コネクタのロックアームのロック穴に嵌合可能なロック凸部を上記ロック穴または被ロック凸部に代えて備えていると良い。本発明の第1アームおよび/または第2アームは、Z−Z’方向において傾斜していても良い。
【0061】
なお、上記実施例の各態様および設計変形例における雌コネクタおよび雄コネクタの各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数および配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。上記した実施例の各態様および設計変更例は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能である。なお、本発明のY−Y’方向は、本発明の雄コネクタの雌コネクタの接続穴に対する挿脱方向である限り任意に設定可能である。本発明のZ−Z’方向は、Y−Y’方向に交差する限り任意に設定可能である。本発明のX−X’方向は、Y−Y’方向およびZ−Z’方向に交差しており且つY−Y’方向およびZ−Z’方向が位置する平面上に位置しない限り任意に設定することができる。
【符号の説明】
【0062】
C1:雌コネクタ
100:ボディ
101:接続穴
100a:第1ボディ
110a:第1収容部
120a:第1当接部
121a:開口
130a:第2当接部
131a:第1穴部
132a:第2穴部
100b:第2ボディ
110b:メインボディ
111b:接続穴本体
112b:スリット
120b:基部
130b:ロックアーム
131b:第1アーム
131b1:第1固定端部
131b2:第1自由端部
132b:中間部
133b:第2アーム
133b1:第2固定端部
133b2:第2自由端部
134b:ロック凸部
135b:先端面
135b1:先端
135b2:遠端
135b3:傾斜面
135b31:接触部
140b:当て止め部
200:シール
300:端子
310:接触部
320:接続部
400:ホルダ
500:シェル
600:ケーブル
C2、C2’:雄コネクタ
C21:先端部
C22:遠部
C23:ロック穴
C23’:被ロック凸部
C24:端子
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4A
図4B
図5
図6