特許第6785944号(P6785944)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6785944ポリ乳酸不織布を調製するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6785944
(24)【登録日】2020年10月29日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】ポリ乳酸不織布を調製するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   D04H 3/16 20060101AFI20201109BHJP
   D04H 3/011 20120101ALI20201109BHJP
   D01D 5/098 20060101ALI20201109BHJP
   D01D 5/34 20060101ALI20201109BHJP
   D01F 8/14 20060101ALI20201109BHJP
   D06M 10/02 20060101ALI20201109BHJP
【FI】
   D04H3/16ZBP
   D04H3/011
   D01D5/098
   D01D5/34
   D01F8/14
   D06M10/02 B
【請求項の数】23
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2019-505149(P2019-505149)
(86)(22)【出願日】2017年8月2日
(65)【公表番号】特表2019-528383(P2019-528383A)
(43)【公表日】2019年10月10日
(86)【国際出願番号】IB2017054741
(87)【国際公開番号】WO2018025209
(87)【国際公開日】20180208
【審査請求日】2019年4月1日
(31)【優先権主張番号】62/370,087
(32)【優先日】2016年8月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597018945
【氏名又は名称】フィテサ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(73)【特許権者】
【識別番号】516221432
【氏名又は名称】フィテサ シンプソンヴィル、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】FITESA SIMPSONVILLE, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ドリュース,ゲイリー
(72)【発明者】
【氏名】ノヴァリーノ,エレーナ
(72)【発明者】
【氏名】ハミルトン,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】イッツォ,アルフレド
(72)【発明者】
【氏名】ニューカーク,デイヴィッド・ダドリー
【審査官】 相田 元
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0087288(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0134478(US,A1)
【文献】 特開2008−019524(JP,A)
【文献】 特開2006−118100(JP,A)
【文献】 特開2006−118065(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04H 1/00−18/04
D01F 8/00− 8/18
D01D 5/098
D01D 5/34
D06M 10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ乳酸(PLA)スパンボンド不織布を調製するための装置であって、
溶融または半溶融PLA樹脂のストリームを生じるように構成された第1のPLA供給源と、
複数のPLA連続フィラメントを押し出しおよび延伸するように構成された、前記第1のPLA供給源と流体連結しているスピンビームと、
前記PLA連続フィラメントがその上に堆積されて、前記PLAスパンボンド不織布を形成する、前記スピンビームの出口の下に配置された収集表面と、
前記PLA連続フィラメントをイオンに曝露するように位置付けおよび配置され、前記PLAスパンボンド不織布中の静電荷を中和する第1のイオン化源と、
前記第1のイオン化源の下流に位置するカレンダーと
を備え、前記第1のイオン化源および任意の追加のイオン化源が、前記収集表面の上に位置するとともに、前記PLA連続フィラメントが前記収集表面上に堆積されるポイントの下流に位置しており、前記第1のイオン化源が、最初のロールの手前に位置す装置
【請求項2】
前記イオン化源が、前記収集表面の上で、かつ前記PLA連続フィラメントが前記収集表面の上に堆積されるポイントの下流に、または前記スピンビームの出口と前記収集表面の間に位置する請求項1に記載の装置
【請求項3】
前記第1のイオン化源と前記収集表面が、1インチ〜24インチ(25.4mm〜609.6mm)の距離で離れている請求項1または2に記載の装置
【請求項4】
前記カレンダーに近接した前記PLAスパンボンド不織布から静電気を消散させるように位置付けおよび配置された静電制御ユニットをさらに備え、前記静電制御ユニットが、受動的静電バー、または第2のイオン化源を備える請求項1から3のいずれか1項に記載の装置
【請求項5】
前記スピンビームの出口から下流に位置するプレスロールをさらに備える請求項1から4のいずれか1項に記載の装置
【請求項6】
前記収集表面の下に配置された真空源、
前記カレンダーの下流に位置するワインダー、または
前記PLAスパンボンド不織布を前記ワインダーに近接したイオンに曝露するように位置付けおよび配置された第3のイオン化源
の1つまたは複数をさらに備える請求項1から5のいずれか1項に記載の装置
【請求項7】
前記第1のイオン化源、前記静電制御源、前記第3のイオン化源の少なくとも1つが、前記複数のPLA連続フィラメントまたは前記PLAスパンボンド不織布の少なくとも一方にわたって横方向に延在するイオン化バーを備える請求項6に記載の装置
【請求項8】
前記第1のイオン化源、前記静電制御源、および前記第3のイオン化源が、前記PLAスパンボンド不織布の調製中に生じた静電荷を能動的に消散させるように構成される請求項6または7に記載の装置
【請求項9】
前記第1のイオン化源が、プレスロールから下流に、または前記スピンビームと前記プレスロールの間に位置する請求項1から8のいずれか1項に記載の装置
【請求項10】
静電制御ユニットが、前記カレンダーから上流に且つそれに隣接して、および/または前記カレンダーから下流に且つそれに隣接して位置する請求項1から9のいずれか1項に記載の装置
【請求項11】
前記カレンダーが、パターン化ロールを含む一対の協働ロールを備え、前記パターン化ロールが、ひし形パターン、六角形ドットパターン、オーバル−楕円形パターン、ロード形状パターン、またはそれらの任意の組み合わせの1つからなる群から選択される3次元幾何形状結合パターンを備える請求項1から10のいずれか1項に記載の装置
【請求項12】
2500m/分より大きい繊維延伸速度で前記PLAスパンボンド不織布を調製するように構成される請求項1から11のいずれか1項に記載の装置
【請求項13】
ポリ乳酸(PLA)スパンボンド不織布の調製するための方法であって、
溶融または半溶融PLA樹脂のストリームを生じるステップと、
複数のPLA連続フィラメントを形成するステップであって、PLAが前記フィラメントの表面に存在するステップと、
前記複数のPLA連続フィラメントを収集表面上に堆積させるステップと、
第1のイオン化源によって、前記複数のPLA連続フィラメントをイオンに曝露するステップと、
前記複数のPLA連続フィラメントを結合して、前記PLAスパンボンド不織布を形成するステップと
を含み、
前記第1のイオン化源および任意の追加のイオン化源が、前記収集表面の上に位置するとともに、前記PLA連続フィラメントが前記収集表面上に堆積されるポイントの下流に位置している、方法。
【請求項14】
前記複数のPLA連続フィラメントを形成するステップが、
前記複数のPLA連続フィラメントを紡糸するステップと、
前記複数のPLA連続フィラメントを延伸するステップと、
前記複数のPLA連続フィラメントをランダム化するステップと
を含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数のPLA連続フィラメントを形成するステップが、二成分繊維を形成するステップを含み、かつ前記二成分は、並列二成分繊維、またはシースおよびコアを有する繊維を含む請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記シースがPLAを含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記コアが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、PLA、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1種を含む請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記二成分繊維は、前記シースが第1のPLAグレードを含み、前記コアが第2のPLAグレードを含み、かつ前記第1のPLAグレードおよび前記第2のPLAグレードは異なるPLAを含む請求項15から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
2500m/分より大きい繊維延伸速度行われる請求項13から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記シースがPLAを含み、前記コアがポリプロピレン、ポリエチレン、またはポリエチレンテレフタレートの少なくとも1種を含み、かつ前記方法は、3000m/分〜4000m/分の繊維延伸速度で行われる請求項15から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
静電制御ユニットによって前記カレンダーに近接した前記PLAスパンボンド不織布から静電荷を消散させるステップをさらに含む請求項13から20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記静電制御ユニットが第2のイオン化ユニットを備える請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第2のイオン化ユニットが、前記複数のPLA連続フィラメントまたは前記PLAスパンボンド不織布の少なくとも一方にわたって横方向に延在するイオン化バーを備える請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示発明は、一般に、不織布を調製するためのシステムおよび方法、より詳細にはポリ乳酸(PLA)スパンボンド不織布を調製するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不織布は、様々な用途、例えば、とりわけ、衣服、使い捨て医療製品、おむつ、個人用衛生製品で使用されている。これらの用途のために開発されている新たな製品は、快適さ、身体への心地よさ、身体の動きの自由、良好な柔らかさおよびドレープ、適当な引張り強度および耐久性、ならびに表面摩擦、ピリングまたは毛羽立ちに対する耐性を含めて、厳しい性能要件を有する。したがって、これらの種類の製品で使用される不織布は、これらの性能要件を満たすように工学的に作製されなければならない。
【0003】
伝統的に、このような不織布は、熱可塑性ポリマー、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレン、およびポリプロピレンから調製される。これらのポリマーは、一般に非常に安定であり、環境に長期間残存することができる。しかしながら、最近、環境的に優しく、かつ持続可能と考えられる物品および製品を開発する傾向がある。この傾向の一部として、石油系材料の内容物を減少させるべく増加した持続可能な内容物から構成される生態学的に優しい製品を製造する要望がある。
【0004】
ポリ乳酸またはポリ乳酸系ポリマー(PLA)は、消費者製品に容易に変換され得る、内容物が持続可能なスパンポンド不織布への費用効果的な経路を提供する。PLA系消費者製品の費用効果的な利益を十分に獲得するために、PLAは、最小限の廃棄物とともに非常に高速で不織布に、次いで、最終消費者製品に変換可能でなければならない。しかしながら、所望の布特性を有するスパンポンドPLAの経済的に魅力的な製造に必要とされる非常に高速で紡糸、ウェブ形成、および結合の工程を組み合わせることは困難である。
【0005】
この必要性に対処するために、不織布は、PLAがコアに存在し、合成ポリマー、例えば、ポリプロピレンがシース中に存在するシース/コア二成分構造を有して開発されてきた。このような不織布は、米国特許第6,506,873号明細書に記載されている。シースにおける合成ポリマーの存在は、高速でのPLAを含む不織布の商業的製造に必要な特性を与える。
【発明の概要】
【0006】
したがって、PLAの加工中の静電気保護のためのシステムおよび方法に対する必要性が依然として存在する。
【0007】
本発明の1つまたは複数の実施形態は、前述の問題の1つまたは複数に対処し得る。本発明によるある特定の実施形態は、高速でポリ乳酸(PLA)スパンボンド不織布を調製するためのシステムおよび方法を提供する。特に、本発明の実施形態は、イオン化バーを含めて、静電気を制御するための手段を用いて、PLAスパンボンド不織布を調製するためのシステムおよび方法に関する。これに関して、PLA加工は、最小限の廃棄物で高速で行われ、それによってスパンボンドPLA製造を経済的に魅力あるものにし得る。
【0008】
ある特定の実施形態によれば、システムは、溶融または半溶融PLA樹脂のストリームを生じるように構成された第1のPLA供給源、第1のPLA供給源と流体連結しているスピンビーム、PLA連続フィラメントがその上に堆積されてPLAスパンボンド不織布を形成する、スピンビームの出口の下に配置された収集表面、PLA連続フィラメントをイオンに曝露するように位置付けおよび配置された第1のイオン化源、ならびに第1のイオン化源の下流に位置するカレンダーを含む。スピンビームは、ある特定の実施形態によれば、複数のPLA連続フィラメントを押し出しおよび延伸するように構成される。
【0009】
別の態様では、本発明によるある特定の実施形態は、ポリ乳酸(PLA)スパンボンド不織布を調製する方法を提供する。ある特定の実施形態によれば、方法は、溶融または半溶融PLA樹脂のストリームを生じるステップと、複数の延伸PLA連続フィラメントを形成するステップと、複数のPLA連続フィラメントを収集表面上に堆積させるステップと、複数のPLA連続フィラメントをイオンに曝露するステップと、複数のPLA連続フィラメントを結合して、前記PLAスパンボンド不織布を形成するステップとを含む。
【0010】
このように本発明を一般論として説明してきたが、これから添付の図面に言及する。これらの図面は、必ずしも縮尺通りとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明のある特定の実施形態に従うPLAスパンボンド不織布調製システムの概略図である。
図2図2A図2Cは、本発明のある特定の実施形態に従う、第1のイオン化源の位置付け(positioning)を図示する概略図である。
図3図3A図3Cは、本発明のある特定の実施形態によるPLAスパンボンド不織布調製システムによって形成された繊維を示す図である。
図4A】本発明のある特定の実施形態によるPLAスパンボンド不織布調製システムによって使用される結合パターンを示す図である。
図4B】本発明のある特定の実施形態によるPLAスパンボンド不織布調製システムによって使用される結合パターンを示す図である。
図4C】本発明のある特定の実施形態によるPLAスパンボンド不織布調製システムによって使用される結合パターンを示す図である。
図4D】本発明のある特定の実施形態によるPLAスパンボンド不織布調製システムによって使用される結合パターンを示す図である。
図5】本発明のある特定の実施形態による、PLAスパンボンド不織布を調製するための方法のブロック図である。
図6図5のブロック図で図示された方法による、PLA連続フィラメントを形成するための方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、これから添付の図面を参照して以下により十分に説明され、ここでは、本発明の実施形態のすべてではないが、一部が示される。実際、本発明は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に示される実施形態に限定されると解釈されるべきでなく;むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。同様の数は、全体を通して同様の要素を指す。本明細書で使用される場合、および添付の特許請求の範囲において、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」は、文脈が別に明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【0013】
本発明は、ある特定の実施形態によれば、高速でポリ乳酸(PLA)スパンボンド不織布を調製するためのシステムおよび方法を含む。特に、本発明の実施形態は、イオン化源を含めて、静電気を制御するための手段を用いて、PLAスパンボンド不織布を調製するためのシステムおよび方法に関する。これに関して、PLA加工は、最小限の廃棄物で高速で行われ、それによってスパンボンドPLA製造を経済的に魅力あるものにし得る。
【0014】
本発明の実施形態によるシステムおよび方法によって作製されたPLAスパンボンド不織布は、おむつ、女性ケア用製品、失禁製品、農業用製品(例えば、根巻、種子袋、作物覆いなど)、産業用製品(例えば、作業着カバーオール、航空機用ピロー、自動車トランクライナー、防音物品)、および家庭用品、例えば、家具スクラッチパッド、マットレスコイルカバーなど)を含めて、多種多様な用途に使用されてもよい。
【0015】
I.定義
本出願において、以下の用語は、以下の意味を有するものとする。
【0016】
用語「繊維」は、有限長さの繊維または無限長さのフィラメントを指し得る。
【0017】
本明細書で使用される場合、用語「一成分」は、1種のポリマーから形成された、またはポリマーの単一ブレンドから形成された繊維を指す。当然、これは、添加剤が、色、静電防止特性、潤滑、親水性、撥液性、などのために添加されている繊維を排除しない。
【0018】
本明細書で使用される場合、用語「多成分」は、別個の押出機から押し出される少なくとも2種のポリマー(例えば、二成分繊維)から形成された繊維を指す。少なくとも2種のポリマーは、それぞれ独立して、互いに同じもしくは異なり得、またはポリマーのブレンドであり得る。ポリマーは、繊維の断面にわたって実質的に一定に位置する明確に異なるゾーンで配置される。成分は、任意の所望の立体配置、例えば、シース−コア、並列、パイ、海島(island−in−the−sea)、などで配置されてもよい。多成分繊維を形成するための様々な方法は、Taniguchiらに付与された米国特許第4,789,592号およびStrackらに付与された米国特許第5,336,552号、Kanekoらに付与された同第5,108,820号、Kruegeらに付与された同第4,795,668号、Pikeらに付与された同第5,382,400号、Stackらに付与された同第5,336,552号、ならびにMarmonらに付与された同第6,200,669号に記載されており、これらは、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、Hogleらに付与された米国特許第5,277,976号、Hillsに付与された同第5,162,074号、Hillsらに付与された同第5,466,410号、Largmanらに付与された同第5,069,970号、およびLargmanらに付与された同第5,057,368号に記載されたような、様々な不規則形状を有する多成分繊維がまた、形成されてもよい。
【0019】
本明細書で使用される場合、用語「不織の」、「不織ウェブ」および「不織布」は、特定可能な繰り返す仕方ではないが、互いに絡み合った個別の繊維または糸の構造を作製するための織りまたは編みプロセスの使用なしに形成されている材料の構造またはウェブを指す。不織ウェブは、過去には、様々な従来のプロセス、例えば、メルトブローンプロセス、スパンボンドプロセス、およびステープル繊維カーディングプロセスなどによって形成されていた。
【0020】
本明細書で使用される場合、用語「メルトブローン」は、繊維が、溶融熱可塑性材料を複数の微細な、通常は円形の、ダイキャピラリを通して、溶融熱可塑性材料を細くし、マイクロファイバ直径まであり得る繊維を形成する高速ガス(例えば、空気)流中に押し出すことによって形成される、プロセスを指す。その後、メルトブローン繊維は、ガス流により運ばれ、収集表面上に堆積されて、ランダムメルトブローン繊維のウェブを形成する。このようなプロセスは、例えば、Buntinらに付与された米国特許第3,849,241号に開示されている。
【0021】
本明細書で使用される場合、用語「機械方向」または「MD」は、製造中の不織ウェブの進行の方向を指す。
【0022】
本明細書で使用される場合、用語「横方向」または「CD」は、機械方向に直交し、かつ不織ウェブの幅にわたって側面に沿って延びる方向を指す。
【0023】
本明細書で使用される場合、用語「スパンボンド」は、溶融熱可塑性材料を、紡糸口金の複数の微細な、通常は円形の、キャピラリからフィラメントとして押し出し、フィラメントは、次いで、細くされ、機械的または空気力学的に延伸されることを伴う、プロセスを指す。フィラメントは、収集表面上に堆積されて、ランダムに配置された、実質的に連続のフィラメントのウェブを形成し、これは、その後、一緒に結合されて、凝集性不織布を形成し得る。スパンボンド不織ウェブの製造は、例えば、米国特許第3,338,992号;同第3,692,613号;同第3,802,817号;同第4,405,297号および同第5,665,300号などの特許に例証されている。一般に、これらのスパンボンドプロセスは、フィラメントを紡糸口金から押し出すステップと、フィラメントを空気の流れでクエンチして溶融フィラメントの固化を急ぐステップと、フィラメントを空気ストリームに空気圧で同伴することによってか、またはそれらを機械的延伸ロールの周りに巻き付けることによって機械的に、延伸張力を適用することによってフィラメントを細くするステップと、延伸されたフィラメントを小孔のある収集表面上に堆積させて、ウェブを形成するステップと、緩いフィラメントのウェブを不織布に結合するステップとを含む。結合は、任意の熱的または化学的結合処理であり得、熱点接着が典型的である。
【0024】
本明細書で使用される場合、用語「熱点接着」は、結合される繊維の1つまたは複数のウェブなどの材料を加熱カレンダーロールとアンビルロールの間に通すステップを伴う。カレンダーロールは、布が、その全体表面にわたって結合されるよりもむしろ離散点接着部位で結合されるように典型的にはパターン化される。
【0025】
本明細書で使用される場合、用語「ポリマー」には一般に、限定されないが、ホモポリマー、コポリマー、例えば、ブロック、グラフト、ランダムおよび交互コポリマー、ターポリマーなど、ならびにそれらのブレンドおよび改質が含まれる。さらに、別に具体的に限定されない限り、用語「ポリマー」は、アイソタクチック、シンジオタクチックおよびランダム対称性を含めて、材料のすべての可能な幾何学的立体配置を含むものとする。
【0026】
II.PLAスパンボンド不織布を調製するためのシステム
本発明によるある特定の実施形態は、ポリ乳酸(PLA)スパンボンド不織布を調製するためのシステムを提供する。ある特定の実施形態によれば、システムは、溶融または半溶融PLA樹脂のストリームを生じるように構成された第1のPLA供給源、第1のPLA供給源と流体連結しているスピンビーム、PLA連続フィラメントがその上に堆積されてPLAスパンボンド不織布を形成する、スピンビームの出口の下に配置された収集表面、PLA連続フィラメントをイオンに曝露するように位置付けおよび配置された第1のイオン化源、および第1のイオン化源の下流に位置するカレンダーを含む。スピンビームは、ある特定の実施形態によれば、複数のPLA連続フィラメントを押し出しおよび延伸するように構成される。
【0027】
これに関して、スパンボンド不織ウェブは、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、Geusらに付与された米国特許第5,814,349号に記載されているように、従来のスパンボンドプロセスによって、例えば、スパンボンド機械装置、例えば、ReifenhauserからのReicofil−3ラインまたはReicofil−4ラインなどで作製されてもよく、ここで、溶融ポリマーは、連続フィラメントに押し出され、これはその後、クエンチされ、高速流体により空気圧で細くされ、および収集表面上でランダム配置に収集される。一部の実施形態では、連続フィラメントは、収集表面の下に位置する真空源の補助によって収集される。フィラメント収集後、任意の熱的、化学的または機械的結合処理が、凝集性ウェブ構造が生じるように結合ウェブを形成するために使用されてもよい。当業者にはわかるように、熱的結合の例としては、高温空気がウェブに押し込まれて、ウェブ中のある特定の繊維の外側上のポリマーを軟化させるスルーエア結合、続いて、ウェブの少なくとも限定的な圧縮、またはウェブが、2本のロール間で圧縮され、それらの少なくとも1本は加熱されており、典型的には1本はエンボス加工ロールであるカレンダー結合を挙げることができる。
【0028】
一部の実施形態では、例えば、収集表面は、導電性繊維を含んでもよい。導電性繊維は、ポリアミドで調整されたポリエーテルスルホンから作られたモノフィラメントワイヤを含んでもよい(例えば、Huycon−LX135)。機械方向において、繊維は、ポリアミド調整ポリエーテルスルホンを含む。機械の横方向において、繊維は、追加のポリエーテルスルホンと組み合わせてポリアミド調整ポリエーテルスルホンを含む。
【0029】
図1を参照すると、例えば、本発明のある特定の実施形態によるPLAスパンボンド不織布調製システムの概略図が図示されている。図1に示されるとおり、PLA供給源(すなわち、ホッパー)42は、押出機43を介してスピンビーム19と流体連結している。図1は、2つのPLA供給源42および2つの押出機43を有する実施形態を図示しているが、システムは、当業者により理解されるとおりに特定の用途で指示されるとおりに任意の数のポリマー供給源(例えば、PLAの他、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成ポリマー)と、押出機とを備えてもよい。押出しに続いて、押し出されたポリマーは、次いで、フィラメントに紡糸するための複数の紡糸口金(図示省略)に入ってもよい。紡糸に続いて、紡糸されたフィラメントは、次いで、延伸ユニット(図示省略)を介して延伸(すなわち、細く)され、ディフューザ(図2A図2C中の46)でランダム化されてもよい。スピンビーム19は、フィラメントのカーテン(図2A図2C中の47)を生じさせ、これは、ポイント45で収集表面10上に堆積される。
【0030】
一実施形態では、次いで、このように堆積されたフィラメントは、結合されて、凝集性ウェブを形成してもよい。一部の実施形態では、一対の協働ロール12(「プレスロール」とも本明細書で称される)は、結合のためのカレンダー28への送達前に前記ウェブを圧縮することによってPLA連続フィラメントのウェブを安定化させる。一部の実施形態では、例えば、プレスロールは、その表面上に堆積されるセラミックコーティングを含んでもよい。ある特定の実施形態では、例えば、一対の協働ロール12の一方のロールは、収集表面10の上に位置し、一対の協働ロール12の第2のロールは、収集表面10の下に位置してもよい。最終的に、結合PLAスパンボンド不織布は、ワインダー29に移動し、ここで、不織布は、ロールに巻き付けられる。
【0031】
それらの研究の間に、本発明者らは、PLAが繊維表面で曝露される場合、繊維紡糸およびウェブ加工中の静電気発生が、スパンボンド機械のプレスロールおよびカレンダーでウェブが巻き付くのを促進することを発見した。このウェブ巻き付きは、望ましくなく、一般に100%PLAを含む布、またはPLAが繊維の表面に曝露される布の高速生産を妨げた。ウェブ巻き付きに対処する1つの方法は、例えば、紡糸されたばかりの繊維をクエンチするために使用されるエアストリーム中にスチームを射出することによって、または紡糸された繊維が非結合ウェブ中に最初に形成されるプレスロールの周りに水分の微細ミストまたは霧を与えることによって、スパンボンドプロセスの湿分を増加させることによる。余分な湿分は、ウェブ巻き付きからのいくらかの保護を与えるけれども、ある期間にわたっての高い水分の付加は、スパンボンド機械の腐食ならびに衛生および医療操作における不織布使用に有害なカビまたは微生物の増殖を促進し得る。
【0032】
不織布における静電荷蓄積を減少させる別の方法は、PLAが繊維の表面に曝露されているウェブを、ウェブを接地するのに役立つ導電性静電バーと接触させ、それにより、電荷蓄積を消散させることである。しかしながら、このアプローチは、不織ウェブと導電性基体との間の直接の接触を必要とし、このような接触点で、空間を通しての静電気の直接放電の可能性が残り、操作者への起こり得る害、装置に対する損傷、および火災のリスクが結果として生じる。
【0033】
有利には、本発明者らは、100%PLAを含む不織布が、1つまたは複数のイオン化源をこの不織布に近接して位置させることによって、商業的に実行可能な加工速度で調製され得ることを発見した。例えば、一実施形態では、イオン化源26を、不織布と接触することなしに静電荷を能動的に消散させ/中和するためにスピンビーム19およびワインダー29の近くに位置させてもよい。以下に説明されるとおり、イオン化源は、不織布をイオンのストリームに曝露させ、これは、不織布中の静電荷を中和するように作用する。イオンのストリームは、正イオン、負イオン、およびそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0034】
一部の実施形態では、静電制御ユニット27をカレンダー28の近くに位置させることも望ましくあり得る。静電制御ユニット27は、不織布との接触を必要とする受動的静電バー、または不織布との接触を必要としない能動的イオン化バーであってもよい。最終的には、任意選択の湿分ユニット44がスピンビーム19および/またはプレスロール12と併せて使用されて、加えた水分によって静電気を減少させてもよい。
【0035】
ある特定の実施形態によれば、例えば、第1のイオン化源は、収集表面の上であって、PLA連続フィラメントが収集表面上に堆積されるポイントの下流に、位置させてもよい。しかしながら、他の実施形態では、例えば、第1のイオン化源は、スピンビームの出口と収集表面との間に位置させてもよい。
【0036】
前に検討されたとおり、システムは、スピンビームの出口の下流に位置するプレスロールをさらに含んでもよい。これに関して、プレスロールは、PLA連続フィラメントのウェブをスピンビームの出口からカレンダーの方向にPLA連続繊維を送達する前に前記ウェブを圧縮することによって安定化するように構成されてもよい。プレスロールを含む実施形態では、例えば、第1のイオン化源は、プレスロールから下流に位置してもよい。他の実施形態では、例えば、第1のイオン化源は、スピンビームとプレスロールの間に位置してもよい。
【0037】
一部の実施形態では、および図1に示されるとおりに、システムは、カレンダーへの送達前にスピンビームの出口から収集表面上に複数のPLA連続フィラメントを引くために収集表面の下に配置された真空源14を含んでもよい。
【0038】
図2A図2Cは、例えば、本発明のある特定の実施形態による第1のイオン化源の位置付けを図示する概略図である。図2Aに示されるとおりに、第1のイオン化源26は、プレスロール12の上流を除いてスピンビーム19の出口(すなわち、ディフューザ)46の下流に位置する。図2Bでは、しかしながら、第1のイオン化源26は、プレスロール12の下流に位置する。図2Cでは、第1のイオン化源は、フィラメント47のカーテンが、収集表面上に、しかしまた出口46の範囲内に堆積されるポイント45の下流に位置する。
【0039】
好ましくは、イオン化源は、電極、イオン化エアノズル、イオン化エアブロワなどを使ってイオンを能動的に放電することができるデバイスを含む。一実施形態では、イオン化源は、不織布の方向にイオンを能動的に放電する能動的放電イオン化バーを含む。適当なイオン化バーの例には、Iontisから入手可能である、Elektrostatik Discharging Electrode E3412が含まれてもよい。
【0040】
一実施形態では、イオン化バーは、ウェブにわたって横方向に延在していてもよい。好ましくは、イオン化バーは、不織布の全幅にわたって横方向に延在している。さらなる実施形態では、イオン化バーは、ウェブおよび収集表面の下で横方向に延在していてもよい。しかしながら、収集表面下へのイオン化バーの位置付けは、ウェブにわたり横方向へのイオン化バーの位置付けよりも有効でないことがあり得る。
【0041】
ある特定の実施形態によれば、例えば、第1のイオン化源と収集表面は、約1インチ〜約24インチの距離で離れていてもよい。他の実施形態では、例えば、第1のイオン化源および収集表面は、約1インチ〜約12インチの距離で離れていてもよい。さらなる実施形態では、例えば、第1のイオン化源および収集表面は、約1インチ〜約5インチの距離で離れていてもよい。したがって、ある特定の実施形態では、第1のイオン化源および収集表面は、少なくとも約1、1.25、1.5、1.75、および2インチからならびに/または最大で約24、20、16、12、10、9、8、7、6、および5インチ(例えば、約1.5〜10インチ、約2〜8インチなど)のいずれかまでの距離で離れていてもよい。
【0042】
ある特定の実施形態によれば、例えば、システムは、カレンダーに近接したPLAスパンボンド不織布から静電気を消散させるように位置付けおよび配置された静電制御ユニットをさらに含んでもよい。一部の実施形態では、例えば、静電制御ユニットは、カレンダーから上流に、およびそれに隣接して位置してもよい。他の実施形態では、しかしながら、静電制御ユニットは、カレンダーから下流に、およびそれに隣接して位置してもよい。
【0043】
一部の実施形態では、例えば、静電制御ユニットは、受動的静電バーを含んでもよい。このような実施形態では、静電制御ユニットは、静電荷を消散させるためにPLAスパンボンド不織布と接触してもよい。他の実施形態では、しかしながら、静電制御ユニットは、第2のイオン化源を含んでもよい。したがって、第2のイオン化源は、PLAスパンボンド不織布から静電荷を能動的に消散させてもよく、その結果、第2のイオン化源とPLAスパンボンド不織布との接触は、静電荷を消散させるためには必要とされない。
【0044】
ある特定の実施形態によれば、例えば、システムは、カレンダーから下流に位置するワインダーをさらに含んでもよい。このような実施形態では、例えば、システムはまた、ワインダーに近接してPLAスパンボンド不織布をイオンに曝露するように位置付けおよび配置された第3のイオン化源を含んでもよい。一部の実施形態では、例えば、第1のイオン化源、静電制御源(例えば、第2のイオン化源)、および第3のイオン化源の少なくとも1つが、イオン化バーを含んでもよい。これに関して、例えば、第1のイオン化源、静電制御源、および第3のイオン化源は、PLAスパンボンド不織布の調製中に生じた静電荷を能動的に消散させるように構成されてもよい。
【0045】
ある特定の実施形態によれば、例えば、システムは、スピンビーム内に、またはそれから下流に位置する湿分ユニットをさらに含んでもよい。このような実施形態では、例えば、湿分ユニットは、スチームユニット、フォギングユニット、ミスティングユニット、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを含んでもよい。これに関して、例えば、湿分は、複数のPLA連続フィラメントの形成中にスピンビームで、および/またはPLAスパンボンド不織布の製造中に発生する静電荷の追加的な管理を与えるためにプレスロール(それらの実施形態では、少なくとも1つのプレスロールを用いる)の近くで加えられてもよい。
【0046】
ある特定の実施形態によれば、例えば、システムは、約2500m/分より大きい繊維延伸速度でPLA連続繊維を調製するように構成されてもよい。他の実施形態では、例えば、システムは、約3000m/分〜約4000m/分の繊維延伸速度でPLA連続繊維を調製するように構成されてもよい。さらなる実施形態では、例えば、システムは、3000m/分〜約5500m/分の繊維延伸速度でPLA連続繊維を調製するように構成されてもよい。したがって、ある特定の実施形態では、システムは、少なくとも約2501、2550、2600、2650、2700、2750、2800、2850,2900、2950、および3000m/分のいずれかから、ならびに/または最大で約5500、4000、3950、3900、3850、3800、3750、3700、3650、3600、3550、および3500m/分(例えば、約2700〜3800m/分、約3000〜3700m/分など)までの繊維延伸速度でPLA連続繊維を調製するように構成されてもよい。このような速度は、システムが同様に2500m/分より遅い繊維延伸速度で実行されてもよいので、単に例示的である。しかしながら、有意に2500m/分よりも下の繊維延伸速度の使用は、強度および耐収縮性などの布特性を損ない始め得る。
【0047】
ある特定の実施形態によれば、約8g/m〜約70g/mの坪量を有するスパンボンド布の製造を伴う実施形態の場合、システムは、およそ50〜450m/分の線形速度で作動する収集装置と協働して1つのスピンビームから、またはおよそ100〜900m/分の線形速度で作動する収集装置と協働して2つのスピンビームから、またはおよそ150〜1200m/分の線形速度で作動する収集装置と協働して3つのスピンビームから、PLA連続繊維を含む結合不織ウェブを調製するように構成されてもよい。これに関して、当業者は、紡糸口金を通してのポリマースループットは、一般に収集装置速度と協調して、所望のスパンボンド坪量を達成すべきであることを理解する。
【0048】
ある特定の実施形態によれば、例えば、カレンダーは、パターン化ロールを含む、一対の協働ロールを含んでもよい。このような実施形態では、例えば、パターン化ロールは、3次元幾何形状結合パターンを含んでもよい。例えば、結合パターンは、ひし形パターン、六角形ドットパターン、オーバル−楕円形パターン、ロード形状パターン、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを含んでもよい。しかしながら、当技術分野で公知のいずれのパターンも、連続または不連続パターンを用いる典型的な実施形態と共に使用されてもよい。一部の実施形態では、カレンダーの両ロールがパターン化されていても、または代わりに、ロールの一方がパターンを含んでもよく、一方で、他のロールはアンビルロールを含む。
【0049】
図4A図4Dは、例えば、本発明のある特定の実施形態によるPLAスパンボンド不織布調製システムで使用される結合パターンを図示する。図4Aは、六角形ドットパターン60aを図示し、図4Bは、オーバル−楕円形パターン60bを図示し、図4Cは、ロード形状パターン60cを図示し、および図4Dは、ひし形パターン60dを図示する。
【0050】
ある特定の実施形態では、例えば、結合パターンは、パターン化ロールの表面積の約5%〜約30%に及んでもよい。他の実施形態では、例えば、結合パターンは、パターン化ロールの表面積の約10%〜約25%に及んでもよい。したがって、ある特定の実施形態では、結合パターンは、少なくとも約5、6、7、8、9、および10%のいずれかから、ならびに/または最大で約30、29、28、27、26、および25%(例えば、約8〜27%)、約10〜30%など)までに及んでもよい。一部の実施形態では、例えば、結合パターンは、ひし形パターンを含んでもよく、結合パターンは、パターン化ロールの表面積の約25%に及ぶ。さらなる実施形態では、例えば、結合パターンは、オーバル−楕円形パターンを含んでもよく、結合パターンは、パターン化ロールの表面積の約18%に及ぶ。
【0051】
一部の実施形態では、カレンダーは、ロールの1つまたは複数の表面上の溶融または半溶融ポリマーの堆積を最小限にするために剥離コーティングを含んでもよい。一例として、このような剥離コーティングは、欧州特許出願第1,432,860号に記載されており、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。これに関して、剥離コーティングは、溶融ポリマー滴下がスピンビーム内の紡糸欠点によって剥離される場合、不織布のカレンダーロールへの粘着を防止および減少させるのに助けとなり得る。
【0052】
ある特定の実施形態によれば、PLAスパンボンド不織布は、合成ポリマー成分、例えば、石油系材料およびポリマーを実質的に含まない。例えば、PLAスパンボンド不織布は、繊維の100%がPLAである一成分構造を有してもよいか、または両方の成分がPLAベースであって、したがって、100%PLAである繊維をもたらす二成分構造を有してもよい。
【0053】
本明細書で使用される場合、「100%PLA」はまた、単に一例として、色、柔らかさ、滑り、帯電防止保護、潤滑性、親水性、撥液性、酸化防止保護などを与える添加剤および/または添加剤のマスターバッチを含めて、5%までの添加剤を含んでもよい。これに関して、不織布は、95〜100%PLA、例えば、96〜100%PLA、97〜100%PLA、98〜100%PLA、99〜100%PLAなどを含んでもよい。例えば、このような添加剤がマスターバッチとして添加される場合、マスターバッチ担体は、加工を容易にし、および処方物内の持続可能な内容物を最大化するために、PLAを主として含んでもよい。
【0054】
一般に、ポリ乳酸系ポリマーは、トウモロコシに由来する、糖の供給源である、デキストロースから調製される。北米では、トウモロコシは、糖への最終的な変換のための植物デンプンの最も経済的な供給源であるので、使用されている。しかしながら、デキストロースは、トウモロコシ以外の供給源に由来し得ることが認識されるべきである。糖は、微生物の使用による発酵を介して乳酸または乳酸誘導体に変換される。次いで、乳酸は、重合されてPLAを形成してもよい。このような高性能PLA樹脂の例には、すべてArkelsedijk 46、4206A C Gorinchem、オランダ国のCorbionからの、Ll05、L130、L175、およびLX175が含まれる。したがって、トウモロコシに加えて、コメ、テンサイ、サトウキビ、コムギ、セルロース系材料、例えば、木材パルプ化から回収されるキシロース、などを含めて、他の農業系糖供給源が使用され得る。
【0055】
一部の実施形態では、不織布は、生分解性であってもよい。「生分解性」は、微生物の作用を含む環境条件下で劣化または分解する材料または生成物を指す。したがって、材料は、規定された時間規定された生物学的環境への曝露後の材料の引張り強度および/もしくはピーク伸び、他の決定的な物理的もしくは機械的特性の特定の低下が観察される場合、生分解性と見なされる。規定された生物学的条件に応じて、PLAを含む布は、生分解性と見なされてもよく、または見なされなくてもよい。
【0056】
バイオベース材料で作られた生分解性製品の特別のクラスは、それが構成環境で劣化され得る場合、堆肥可能と見なされてもよい。欧州標準EN13432、「プラスチック製品の堆肥可能性の証明」が、持続可能な内容物を含む布またはフィルムが堆肥可能と分類され得るかどうか決定するために使用されてもよい。
【0057】
一部の実施形態では、生分解性製品の持続可能なポリマー成分は、1個のカルボン酸基(またはそのポリエステル形成性誘導体、例えば、エステル基)および1個のヒドロキシル基(またはそのポリエステル形成性誘導体、例えば、エーテル基)を有する脂肪族成分に由来してもよいか、または2個のカルボン酸基(またはそのポリエステル形成性誘導体、例えば、エステル基)を有する脂肪族成分と2個のヒドロキシル基(またはそのポリエステル形成性誘導体、例えば、エーテル基)を有する脂肪族成分との組み合わせに由来してもよい。
【0058】
用語「脂肪族ポリエステル」は、ポリエステルがかなりの持続可能な内容物を有する限り、−脂肪族および/または脂環式成分から作られるポリエステルの外に、また脂肪族および/または脂環式単位の外に芳香族単位を有するポリエステルに排他的に及ぶ。上で注記されるとおり、持続可能な内容物は、典型的には、少なくとも25重量%、より好ましくは75重量%、さらにより好ましくは少なくとも90重量%である。
【0059】
1個のカルボン酸基および1個のヒドロキシル基を有する脂肪族成分に由来するポリマーは、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)と代わりに呼ばれる。それらの例は、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ−(ヒドロキシブチレート−co−ヒドロキシバレテレート)(PHBV)、ポリ−(ヒドロキシブチレート−co−ポリヒドロキシヘキサノエート)(PHBH)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ−(イプシロン−カプロラクチオン)(PCL)、および好ましくはポリ乳酸(PLA)である。
【0060】
2個のカルボン酸基を有する脂肪族成分と2個のヒドロキシル基を有する脂肪族成分との組み合わせに由来するポリマーの例は、脂肪族ジオールおよび脂肪族ジカルボン酸に由来するポリエステル、例えば、ポリブチレンスクシネート(PBSU)、ポリエチレンスクシネート(PESU)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリテトラメチレンアジペート/テレフタレート(PTMAT)である。
【0061】
ある特定の実施形態によれば、例えば、不織布は、二成分繊維を含んでもよい。一部の実施形態では、例えば、二成分繊維は、並列配置を含んでもよい。しかしながら、他の実施形態では、例えば、二成分繊維は、シースおよびコアを含んでもよい。一部の実施形態では、二成分繊維は、コアがPLAを含み、およびシースが、限定されないが、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などを含むポリマーを含む、シース/コア二成分繊維を使用して作製され得る。しかしながら、他の実施形態では、不織布は、コアが、限定されないが、PP、PE、PETなどを含むポリマーを含み、およびシースがPLAを含む、逆二成分繊維を含んでもよい。
【0062】
このような実施形態では、例えば、シースは、PLAを含んでもよい。さらなる実施形態では、例えば、コアは、少なくとも1種の合成ポリマー成分を含んでもよい。例えば、PLA連続フィラメントは、PLAシース、および合成ポリマー、例えば、PP、PE、PET,またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。他の実施形態では、コアは、PLAがシースのPLAよりもより高いか、またはより低い融点を有してもよいPLAを含んでもよい。これに関して、二成分繊維は、PLA/PP逆二成分繊維、PLA/PE逆二成分繊維、PLA/PET逆二成分繊維、またはPLA/PLA逆二成分繊維を含んでもよい。
【0063】
ある特定の実施形態では、例えば、二成分繊維は、シースが第1のPLAグレードを含み、コアが第2のPLAグレードを含み、第1のPLAグレードおよび第2のPLAグレードが異なる(例えば、第1のPLAグレードが第2のPLAグレードよりも高い融点を有する)ように、PLA/PLA逆二成分繊維を含んでもよい。例えば、一実施形態では、コアは、シースで使用されるPLAポリマーD異性体%のものよりも低いポリ乳酸D異性体%を有するPLAを含んでもよい。より低いD異性体%を有するPLAポリマーは、紡糸中に応力誘導結晶化のより高い度合いを示す一方で、より高いD異性体%を有するPLAポリマーは、紡糸中により非晶質の状態を保持する。より非晶質のシースは結合を促進する一方で、より高い結晶化度を示すコアは、繊維、したがって、最終結合ウェブに強度を与える。1つの特定の実施形態では、4%のD異性体を有するNatureWorks Grade PLA 6752は、シースとして使用され得る一方で、2%のD異性体を有するNatureWorks Grade 6202は、コアとして使用され得る。
【0064】
単に一例として、シースは、PLAを含んでもよく;コアは、少なくとも1種の合成ポリマー成分を含んでもよい。出発材料のPLAグレードは、スパンボンドプロセスで紡糸されるための適切な分子特性を有すべきである。適当なPLAグレードの例には、一般に、Gruberらに両方とも付与された米国特許第5,525,706号および同第6,807,973号の教示のとおりに製造されると考えられる、Minnetonka、MN55345のNatureWorks LLCから供給されるPLAグレード、例えば、グレード6752D、6100D、および6202Dが含まれる。
【0065】
合成ポリマー成分の例には、ポリオレフィン、例えば、PPおよびPE、ポリオレフィンのブレンド、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2014/0276517号でChesterらにより教示されたもの、ポリエステル、例えば、PET、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、およびポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリスチレンなどが含まれる。
【0066】
ポリプロピレンホモポリマーおよびポリプロピレンコポリマーの両方を含めて、多種多様なポリプロピレンポリマーが、出発材料に使用されてもよい。一実施形態では、出発材料のポリプロピレンは、メタロセンまたはチーグラーナッタ触媒プロピレンポリマーを含んでもよい。
【0067】
本発明の実施形態で使用されてもよいチーグラーナッタポリプロピレンには、Houston、TXのTotal Petrochemicals USA,INCからのTOTAL(登録商標)3866ポリプロピレン;Philadelphia PAのBraskem AmericaからのBraskem CP 360Hポリプロピレン;Houston、TXのExxonMobilからのExxonMobil PD 3445;Sittard、オランダ国のSabicからのSabic 511A;およびWilmington、DEのBasell PolyolefinsからのPro−fax PH 835が含まれる。適当なメタロセンポリプロピレンの例には、Houston、TXのTotal Petrochemicals USA,INCからのTOTAL(登録商標)M3766ポリプロピレン;Courbevoie、仏国のTotal S.A.からのTOTAL(登録商標)MR2001ポリプロピレン;Houston、TXのExxonMobilからのACHIEVE(登録商標)3754ポリプロピレン;およびHouston、TXのExxonMobilからのACHIEVE(登録商標)3825ポリプロピレンが含まれてもよい。
【0068】
例えば、一実施形態では、システムは、PLAシースおよびポリオレフィンコアを含む不織布を製造するように構成されてもよい。
【0069】
一部の実施形態では、システムは、約3000m/分〜約5500m/分の繊維延伸速度でPLAスパンボンド不織布を調製するように構成されてもよい。他の実施形態では、例えば、シースおよびコアのそれぞれが、PLAを含んでもよく、システムは、約3000m/分〜約4000m/分の繊維延伸速度でPLAスパンボンド不織布を調製するように構成されてもよい。
【0070】
しかしながら、他の実施形態では、例えば、不織布は、PLA一成分繊維を含んでもよい。これに関して、不織布は、100%PLAであってもよい。
【0071】
図3A図3Cは、例えば、本発明のある特定の実施形態によるPLAスパンボンド不織布調製システムによって形成された繊維を図示する。図3Aに示されるとおり、繊維は、上でより十分に記載されたとおりに、シース53およびコア54を有するシース/コア二成分繊維52であってもよい。図3Bは、第1の連続ポリマー56および第2の連続ポリマー57を有する並列二成分繊維55を図示する。最後に、図3Cは、一成分繊維58を図示する。
【0072】
ある特定の実施形態によれば、PLAスパンボンド不織布は、スパンボンド布またはスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)布を含む。PLAスパンボンド不織布がSMS布を含む、ある特定の実施形態では、スパンボンド不織層は、PLAシースおよびPLAコアを有する二成分繊維を含んでもよく、メルトブローン層は、PLA繊維を含む。このような実施形態では、スパンボンド層およびメルトブローン層のそれぞれは、繊維の表面にPLAを含んでもよい。シースとして使用のための適当なPLA材料の一例は、4%のD異性体を有するPLAグレード6752であり、コアとして使用のための適当なPLA材料の一例は、2%のD異性体を有するPLAグレード6202であり、これらの両方ともは、NatureWorksから入手可能である。PLAメルトブローン繊維のための適当な材料は、PLAグレード6252であり、これもNatureWorksから入手可能である。
【0073】
III.PLAスパンボンド不織布の調製するための方法
別の態様では、本発明によるある特定の実施形態は、PLAスパンボンド不織布を調製するための方法を提供する。ある特定の実施形態によれば、方法は、溶融または半溶融PLA樹脂のストリームを生じるステップと、複数の延伸PLA連続フィラメントを形成するステップと、複数のPLA連続フィラメントを収集表面上に堆積させるステップと、複数のPLA連続フィラメントをイオンに曝露するステップと、複数のPLA連続フィラメントを結合して、PLAスパンボンド不織布を形成するステップとを含む。
【0074】
図5は、例えば、本発明のある特定の実施形態によるPLAスパンボンド不織布を調製するための方法のブロック図である。図5に示されるとおり、方法70は、操作71で溶融または半溶融PLA樹脂のストリームを生じるステップと、操作72で複数の延伸PLA連続フィラメントを形成するステップと、操作79で、形成するステップ中に湿分を増加させる任意選択のステップと、操作73で複数のPLA連続フィラメントを収集表面上に堆積させるステップであって、前記堆積させるステップ73は、前記収集表面下の真空ボックスによりしばしば補助される、ステップと、操作74で複数のPLA連続フィラメントをイオンに曝露するステップと、操作75で複数のPLA連続フィラメントを結合して、PLAスパンボンド不織布を形成するステップと、操作80で結合ステップの前後にPLAスパンボンド不織布から静電荷を消散させる任意選択のステップとを含む。加えて、方法70は、操作76でPLAスパンボンド不織布を切断して、切断PLAスパンボンド不織布を形成する任意選択のステップと、操作77で切断PLAスパンボンド不織布から静電荷を能動的に消散させるステップと、操作78で切断PLAスパンボンド不織布をロールに巻き付けるステップとを含む。
【0075】
ある特定の実施形態によれば、例えば、複数の細くされた、または延伸されたPLA連続フィラメントを形成するステップは、複数のPLA連続フィラメントを紡糸するステップ、複数のPLA連続フィラメントを延伸するステップ、および複数のPLA連続フィラメントをランダム化するステップを含んでもよい。図6は、例えば、図5のブロック図で図示された方法によって延伸PLA連続フィラメントを形成するための方法のブロック図である。図6に示されるとおり、形成するステップ71は、操作81で複数のPLA連続フィラメントを紡糸するステップと、操作82で複数のPLA連続フィラメントを延伸するステップと、操作83で複数のPLA連続フィラメントをランダム化するステップとを含む。
【0076】
これに関して、スパンボンド不織ウェブは、例えば、溶融ポリマーが連続フィラメントに押し出され、これはその後、クエンチされ、細くされ、または延伸ロールで、もしくは高速流体により空気圧で機械的に延伸され、および収集表面上にランダム配置で収集される、従来のスパンボンドプロセスによって、作製されてもよい。フィラメント収集後、任意の熱的、化学的または機械的結合処理が、凝集性ウェブ構造が結果として生じるように結合ウェブを形成するために使用されてもよい。
【0077】
ある特定の実施形態によれば、例えば、システムは、約2500m/分より大きい繊維延伸速度でPLA連続繊維を調製するように構成されてもよい。他の実施形態では、例えば、システムは、約3000m/分〜約4000m/分の繊維延伸速度でPLA連続繊維を調製するように構成されてもよい。さらなる実施形態では、例えば、システムは、約3000m/分〜約5500m/分の繊維延伸速度でPLA連続繊維を調製するように構成されてもよい。したがって、ある特定の実施形態では、システムは、少なくとも約2501、2550、2600、2650、2700、2750、2800、2850、2900、2950、および3000m/分のいずれかから、ならびに/または最大で約5500、4000、3950、3900、3850、3800、3750、3700、3650、3600、3550、および3500m/分(例えば、約2700〜3800m/分、約3000〜3700m/分など)までの繊維延伸速度でPLA連続繊維を調製するように構成されてもよい。このような速度は、単に例示的であり、その理由は、システムは、2500m/分より遅い繊維延伸速度で同様に実行されてもよいからである。しかしながら、2500m/分より有意に下の繊維延伸速度の使用は、強度および耐収縮性などの布特性を損ない始め得る。
【0078】
ある特定の実施形態、例えば、約8g/m〜約70g/mの坪量を有するスパンボンド布の製造を伴う実施形態によれば、システムは、およそ50〜450m/分の線形速度で作動する収集装置と協働して1つのスピンビームから、またはおよそ100〜900m/分の線形速度で作動する収集装置と協働して2つのスピンビームから、またはおよそ150〜1200m/分の線形速度で作動する収集装置と協働して3つのスピンビームから、PLA連続繊維を含む結合不織ウェブを調製するように構成されてもよい。これに関して、当業者は、紡糸口金を通してのポリマースループットが、一般に収集装置速度と協調して、所望のスパンボンド坪量を達成すべきであることを理解する。
【0079】
ある特定の実施形態によれば、例えば、複数のPLA連続フィラメントを形成するステップは、二成分繊維を形成するステップを含んでもよい。一部の実施形態では、例えば、二成分繊維を形成するステップは、並列二成分繊維を形成するステップを含んでもよい。他の実施形態では、しかしながら、二成分繊維を形成するステップは、シースおよびコアを有する二成分繊維を形成するステップを含んでもよい。このような実施形態では、シースは、PLAを含んでもよい。さらなる実施形態では、例えば、コアは、少なくとも1種の異なるポリマー成分、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、PLAなど、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。ある特定の実施形態では、例えば、二成分繊維は、シースが第1のPLAグレードを含んでもよく、コアが第2のPLAグレードを含んでもよく、かつ第1のPLAグレードおよび第2のPLAグレードは異なっていてもよいようなPLAを含んでもよい。さらなる実施形態では、例えば、シースは、PLAを含んでもよく、コアは、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはポリエチレンテレフタレートの少なくとも1種を含んでもよく、方法は、約3000m/分の繊維延伸速度で行われてもよい。他の実施形態では、例えば、シースおよびコアのそれぞれが、PLAを含んでもよく、方法は、約3500m/分の繊維延伸速度、または約4000m/分の繊維延伸速度、またはさらにはほぼ5500m/分の繊維延伸速度で行われてもよい。
【0080】
しかしながら、他の実施形態では、例えば、不織布は、PLA一成分繊維を含んでもよい。ある特定の実施形態によれば、例えば、PLAスパンボンド不織布は、スパンボンド布またはスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)布を含んでもよい。PLAスパンボンド不織布がSMS布を含む実施形態では、スパンボンド層およびメルトブローン層のそれぞれが、それらのそれぞれの繊維の表面にPLAを含んでもよい。
【0081】
ある特定の実施形態によれば、例えば、PLAスパンボンド不織布を形成するためにウェブを結合するステップは、パターン化ロールを含む一対の協働ロールを有するカレンダーを介して熱および圧力でウェブを熱点接着する(thermal point bond)ステップを含んでもよい。このような実施形態では、例えば、ウェブを熱点接着するステップは、PLAスパンボンド不織布上に3次元幾何形状結合パターンを付与するステップを含んでもよい。一部の実施形態では、例えば、PLAスパンボンド不織布の上に結合パターンを付与するステップは、ひし形パターン、六角形ドットパターン、オーバル−楕円形パターン、ロード形状パターン、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを付与するステップを含んでもよい。
【0082】
ある特定の実施形態では、例えば、結合パターンは、パターン化ロールの表面積の約5%〜約30%に及んでもよい。他の実施形態では、例えば、結合パターンは、パターン化ロールの表面積の約10%〜約25%に及んでもよい。したがって、ある特定の実施形態では、結合パターンは、少なくとも約5、6、7、8、9、および10%のいずれかからおよび/または最大で約30、29、28、27、26、および25%(例えば、約8〜27%、約10〜30%など)までに及んでもよい。単に一例として、結合パターンは、ひし形パターンを含んでもよく、結合パターンは、パターン化ロールの表面積の約25%に及んでもよい。さらなる実施形態では、例えば、結合パターンは、オーバル−楕円形パターンを含んでもよく、結合パターンは、パターン化ロールの表面積の約18%に及んでもよい。一部の実施形態では、例えば、カレンダーは、剥離コーティングを含んでもよい。当業者により理解されるとおりに、カレンダー結合から得られる不織布強度は、結合によって被覆される面積%と、カレンダーロールの温度と、PLAを含む連続繊維のウェブに対するロールの圧縮圧力とカレンダーを通過するウェブの速度との複合関数である。
【0083】
ある特定の実施形態によれば、例えば、プロセスは、静電制御ユニットを介してカレンダーに近接したPLAスパンボンド不織布から静電荷を消散させるステップをさらに含んでもよい。一部の実施形態では、例えば、静電制御ユニットは、第2のイオン化源を含んでもよい。さらなる実施形態では、例えば、第2のイオン化ユニットは、イオン化バーを含んでもよい。しかしながら、他の実施形態では、例えば、PLAスパンボンド不織布から静電荷を消散させるステップは、PLAスパンボンド不織布を静電バーと接触させるステップを含んでもよい。
【0084】
ある特定の実施形態によれば、例えば、プロセスは、PLAスパンボンド不織布を切断して、切断PLAスパンボンド不織布を形成するステップ、切断PLAスパンボンド不織布を第3のイオン化源を介してイオンに曝露するステップ、および切断PLAスパンボンド不織布をロールに巻き付けるステップをさらに含んでもよい。このような実施形態では、例えば、第3のイオン化ユニットは、イオン化バーを含んでもよい。
【0085】
ある特定の実施形態によれば、例えば、プロセスは、湿分を増加させる一方で、複数のPLA連続フィラメントを形成するステップをさらに含んでもよい。このような実施形態では、例えば、湿分を増加させるステップは、スチーム、霧、ミスト、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを複数のPLA連続フィラメントに適用するステップを含んでもよい。
【0086】
本発明の実施形態により調製された布は、所望の用途に応じて多種多様な坪量範囲を有してもよい。例えば、本明細書で検討されるスパンボンドウェブを組み込む布および積層物は、約7〜150gsm、特に、約8〜70gsmの範囲の坪量を有してもよい。一部の実施形態では、スパンボンドウェブは、約10〜50gsm、例えば、約11〜30gsmの範囲の坪量を有してもよい。
【0087】
さらに、本発明の実施形態によって調製される布は、5%未満の面積収縮率によって特徴付けされてもよい。さらなる実施形態では、例えば、布は、2%未満の面積収縮率によって特徴付けされてもよい。本発明の実施形態によれば、イオン化源は、より速い繊維延伸速度を許容してもよく、これは、より低い収縮をもたらし得る。
【0088】
本発明の実施形態により調製された布は、おむつ、女性用ケア製品、失禁用製品、農業用製品(例えば、根巻、種子袋、穀物覆いなど)、産業用製品(例えば、作業着カバーオール、航空機用ピロー、自動車トランクライナー、防音物品)、および家庭用品(例えば、家具スクラッチパッド、マットレスコイルカバーなど)を含めて、多種多様な用途で使用されてもよい。これらの用途では、布は、多層構造に組み込まれてもよい。
【0089】
さらに、本発明の実施形態により調製されるスパンボンドウェブは、メルトブローン/スパンボンド(MS)積層物、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド(SMS)積層物、およびスパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド(SMMS)積層物を含めて様々な多層構造の製造で使用されてもよい。これらの多層構造では、坪量は、約7g/m〜約150g/mまで程度に低い範囲であってもよい。このような多層化積層物では、メルトブローンとスパンボンドとの両繊維が、最適結合を確実にするために表面上にPLAポリマーを有し得る。
【0090】
スパンボンド層が多層構造(例えば、MS、SMS、およびSMMS)の部分である一部の実施形態では、構造中のスパンボンドの量は、全体として構造の百分率として構造の約5〜30%、特に約10〜25%の範囲であってもよい。
【0091】
さらに、本発明の実施形態によるスパンボンドウェブはまた、フィルター、清浄製品、漏油を吸収するか、または(界面活性剤で処理されている場合)水から汚染材料を吸収するための「ピグ(pig)」、などを含めて、産業用途で使用されてもよい。これらの用途では、スパンボンドウェブは、約20〜80g/mの範囲であり得るより高い坪量範囲を有してもよい。
【0092】
実施形態による多層構造は、それぞれの層が同じラインで連続順に、または前に形成されたスパンボンド層の上にメルトブローン層を堆積させて調製される連続インラインプロセスを含めて、様々な仕方で調製され得る。多層構造の層は、一緒に結合されて、熱結合、機械的結合、接着結合、水流交絡、またはこれらの組み合わせを使用して多層複合シート材料を形成することができる。ある特定の実施形態では、層は、多層構造を一対のカレンダーロールに通過させることによって、互いに熱点接着される。
【実施例】
【0093】
以下の実施例は、本発明の1つまたは複数の実施形態を例証するために提供されるものであり、本発明を限定すると解釈されるべきではない。
【0094】
以下の実施例における不織布は、Reifenhaeuser Reicofil−3ラインまたはReicofil−4ラインによって調製した。実施例のそれぞれは、特に断りのない限り、実施例1に記載した設定を使用して調製した。さらに、特に断りのない限り、すべての百分率は、重量百分率である。実施例で使用した材料は、以下に特定する。
【0095】
試験方法
タイター(titer)は、独国テキスタイル法C−1570によって繊維の直径の顕微鏡測定値および公知のポリマー密度から計算した。
【0096】
坪量は、一般に10×10cm平方に切断した布の10層の重量から独国テキスタイル法CM−130に従って決定した。
【0097】
引張りは、5cm幅の試料、100mmゲージ長さ、および200mm/分のクロスヘッド速度を使用して方法10DIN−53857に従って決定した。
【0098】
伸びは、5cm幅の試料、100mmゲージ長さ、および200mm/分のクロスヘッド速度を使用して方法10DIN−53857に従って決定した。
【0099】
布収縮率は、29.7cmのMDおよび21.0cmのCDの公称寸法のウェブ幅にわたって取った3つの試料を切断し;シートにおける3つの位置で実際のMDおよびCD幅を測定し;60℃に加熱された水中に試料を1分入れ;前述の3つの位置でMDおよびCD寸法を再測定することによって決定した。元の測定値で除した曝露後の平均幅測定値×100%は、収縮率%をもたらす。低い収縮率%値は、PLAを含む連続繊維が、結合後に高い強度安定布をもたらすのに十分な速度で紡糸および延伸されていることを示唆する。
【0100】
[実施例1]
実施例1は、レイダウンおよびR−3プレスロールからの圧縮後、ウェブが収集表面上のいくらかの距離をトラバースし、カレンダーの平滑で、エンボス加工ロールを備える結合ステーションに移動する前にR−4プレスロールの下を行くように、Reicofil−3ビームならびにR−3およびR−4の両方のプレスロールを使用して作製されるPP/PLA二成分不織ウェブの製造に関していた。ウェブは、LyondellBasell Z/N HP561R PPであるシースおよびNatureWorksからの6202D PLAであるコアを有する、50/50二成分不織ウェブであった。ウェブは、押出機で235℃およびダイで240℃のスピンビーム温度、2700m/分の繊維延伸速度、ならびに149m/分のライン速度を使用して製造した。カレンダーは、パターンロールの表面積の25%に及ぶひし形結合パターン、パターンロールおよびアンビルロールのそれぞれについて、150℃のカレンダー温度、ならびに70N/mmのカレンダー圧力を有した。受動的静電バーは、カレンダーの下流およそ8〜12インチに位置させた。
【0101】
実施例1の不織布は、収集表面の上に、収集表面にわたって横方向に延在して位置させ、ならびに収集表面の上およそ1〜3インチおよびR−3プレスロールから下流およそ2〜3インチに置かれた1つのIonis Elektrostatik放電電極E3412(すなわち、イオン化バー)によって製造した。第2のIonis Elektrostatik放電電極E3412(すなわち、イオン化バー)は、R3−およびR−4の両方のプレスロールの下流の収集表面の上に正確に同じ対応する位置に置いた。両イオン化バーに通電して、PLA繊維を含むウェブがR−3プレスロールまたはR−4プレスロールのいずれにも巻き付かないように保証した。第3のIonis Elektrostatik放電電極E3412(すなわち、イオン化バー)は、カレンダーとワインダーとの間に置いて、ワインダー作業者を、トライアル中に生じる切屑(すなわち、スリットロール)を取り扱う際に、電気ショックから保護した。実施例1の特性は、以下の表1および表2に要約する。
【0102】
[実施例2および実施例3]
実施例2および実施例3は、Reicofil−3ビームを使用しての布表面にPLAを有するスパンボンド布の製造に関していた。ウェブは、イオン化バーを使用して製造された逆二成分シース/コア40/60PLA/PP NatureWorks Grade 6752/LyondellBasell HP561R PPであった。実施例2および実施例3のウェブは、押出機で235℃およびダイで240℃のスピンビーム温度、ならびに149m/分のライン速度を使用して製造した。実施例2は、2900m/分の繊維延伸速度で形成した。実施例2についてのカレンダーは、パターンロールの表面積の25%に及ぶひし形結合パターン、パターンロールについて160℃、およびアンビルロールについて125℃のカレンダー温度、ならびに50N/mのカレンダー圧力を有した。
【0103】
しかしながら、実施例3は、3300m/分の繊維延伸速度で形成し、実施例3についてのカレンダーは、パターンロールについて145℃、およびアンビルロールについて125℃のカレンダー温度、ならびに50N/mのカレンダー圧力を有した。実施例2および実施例3の特性は、以下の表1および表2に要約する。
【0104】
[実施例4および実施例5]
実施例4および実施例5は、Reicofil−3ビームを使用して100%二成分PLAから作製されたスパンボンド布の製造に関していた。ウェブは、イオン化バーおよびスチームを使用しての二成分シース/コア40/60 NatureWorks Grade 6752/NatureWorks Grade 6202 100%PLAであった。実施例4および実施例5のウェブは、押出機で235℃およびダイで240℃のスピンビーム温度、ならびに119m/分のライン速度を使用して製造した。実施例4は、3300m/分の繊維延伸速度で形成した。実施例4についてのカレンダーは、パターンロールの表面積の25%に及ぶひし形結合パターン、パターンロールについて135℃、およびアンビルロールについて125℃のカレンダー温度、ならびに70N/mのカレンダー圧力を有した。
【0105】
しかしながら、実施例5は、3500m/分の繊維延伸速度で形成し、実施例5についてのカレンダーは、パターンロールについて140℃、およびアンビルロールについて125℃のカレンダー温度、ならびに70N/mのカレンダー圧力を有した。実施例4および実施例5の特性は、以下の表1および表2に要約する。
【0106】
[実施例6および実施例7]
実施例6および実施例7は、イオン化バーまたは受動的静電バーを使用することなく、しかしむしろ、静電気を最小限にするために水分を最適化するようにクエンチ空気に加えられたスチームを使用して作製された二成分100%PLA布に関していた。布は、Reicofil−4ビームを使用しての100%二成分50/50シース/コア NatureWorks Grade 6752/NatureWorks Grade 6202であった。実施例6のウェブは、押出機およびダイの両方について230℃のスピンビーム温度、3600m/分の繊維延伸速度、ならびに150m/分のライン速度を使用して製造した。実施例6についてのカレンダーは、パターンロールについて139℃、およびアンビルロールについて134℃のカレンダー温度、ならびに80N/mのカレンダー圧力を有した。
【0107】
しかしながら、実施例7のウェブは、押出機およびダイの両方について235℃のスピンビーム温度、4100m/分の繊維延伸速度、ならびに170m/分のライン速度を使用して製造した。実施例7についてのカレンダーは、パターンロールについて139℃、およびアンビルロールについて134℃のカレンダー温度、ならびに45N/mのカレンダー圧力を有した。実施例6および実施例7の特性は、以下の表1および表2に要約する。
【0108】
[実施例8および実施例9]
実施例8および実施例9は、Reicofil−4ビームで作製された100%PLA二成分布に関していた。設定は、1つのIonis Elektrostatik放電電極E3412(すなわち、イオン化バー)が、収集表面の上に、収集表面にわたって横方向に延在して位置させ、ならびに収集表面の上およそ1〜3インチおよびR−4プレスロールの下流におよそ2〜3インチに置かれた点で実施例1と異なっていた。R−4スピンビームがR−3スピンビームの下流にあったので、R−3プレスロールに巻き付くことについて懸念はなかった。したがって、R−3ビームからのイオン化バーは、実施例8および実施例9の製造中に非通電状態にされた。
【0109】
布は、静電気を最小限にするために上で検討されたとおりにイオン化バーで作製した二成分30/70NatureWorks Grade 6752/NatureWorks Grade 6202/シース/コアであった。実施例8および実施例9のウェブは、押出機において235℃のスピンビーム温度およびダイにおいて240℃で製造した。実施例8のウェブは、3600m/分の繊維延伸速度および145m/分のライン速度で製造した。実施例8についてのカレンダーは、パターンロールについて160℃のカレンダー温度、アンビルロールについて147℃のカレンダー温度、および40N/mmのカレンダー圧を有した。
【0110】
しかしながら実施例9のウェブは、3800m/分の繊維延伸速度および90m/分のライン速度を用いて製造した。実施例9についてのカレンダーは、パターンロールについて160℃のカレンダー温度、アンビルロールについて147℃のカレンダー温度、および40N/mmのカレンダー圧を有した。実施例8および実施例9の特性は、以下の表1および表2に要約する。
【0111】
【表1】
【0112】
【表2】
【0113】
非限定的な例示的実施形態
本明細書で本発明の様々な態様および実施形態を記載してきたが、本発明のさらなる具体的実施形態は、以下の項に示されるものを含む。
【0114】
本発明によるある特定の実施形態は、ポリ乳酸(PLA)スパンボンド不織布を調製するためのシステムを提供する。ある特定の実施形態によれば、システムは、溶融または半溶融PLA樹脂のストリームを生じるように構成された第1のPLA供給源;第1のPLA供給源と流体連結しているスピンビーム;PLA連続フィラメントがその上に堆積されて、PLAスパンボンド不織布を形成する、スピンビームの出口の下に配置された収集表面;PLA連続フィラメントをイオンに曝露するように位置付けおよび配置された第1のイオン化源;ならびに第1のイオン化源の下流に位置するカレンダーを含む。スピンビームは、ある特定の実施形態によれば、複数のPLA連続フィラメントを押し出しおよび延伸するように構成される。さらに、一部の実施形態では、収集表面は、導電性繊維を含む。
【0115】
ある特定の実施形態によれば、第1のイオン化源は、収集表面の上で、かつPLA連続フィラメントが収集表面の上に堆積されるポイントの下流に位置する。しかしながら、他の実施形態では、第1のイオン化源は、スピンビームの出口と収集表面の間に位置する。ある特定の実施形態では、システムは、スピンビームの出口から下流に位置するプレスロールをさらに含む。一部の実施形態では、第1のイオン化源は、プレスロールの下流に位置する。他の実施形態では、第1のイオン化源は、スピンビームとプレスロールの間に位置する。しかしながら、他の実施形態では、システムは、収集表面(すなわち、プレスロールの代わりに)の下に配置された真空源をさらに含む。
【0116】
ある特定の実施形態によれば、第1のイオン化源および収集表面は、約1インチ〜約24インチの距離で分離される。他の実施形態では、第1のイオン化源および収集表面は、約1インチ〜約12インチの距離で分離される。さらなる実施形態では、第1のイオン化源および収集表面は、約1インチ〜約5インチの距離で分離される。
【0117】
ある特定の実施形態によれば、システムは、カレンダーに近接したPLAスパンボンド不織布から静電気を消散させるように位置付けおよび配置された静電制御ユニットをさらに含む。一部の実施形態では、静電制御ユニットは、カレンダーから上流に、およびそれに隣接して位置する。他の実施形態では、しかしながら、静電制御ユニットは、カレンダーから下流に、およびそれに隣接して位置する。一部の実施形態では、静電制御ユニットは、受動的静電バーを含む。他の実施形態では、しかしながら、静電制御ユニットは、第2のイオン化源を含む。
【0118】
ある特定の実施形態によれば、システムは、カレンダーから下流に位置するワインダー、ならびにワインダーに近接したイオンにPLAスパンボンド不織布を曝露するように位置付けおよび配置された第3のイオン化源をさらに含む。一部の実施形態では、第1のイオン化源、静電制御源(例えば、第2のイオン化源)、および第3のイオン化源の少なくとも1つは、複数のPLA連続フィラメントまたはPLAスパンボンド不織布の少なくとも一方にわたって横方向に延在するイオン化バーを含む。これに関して、第1のイオン化源、静電制御源、および第3のイオン化源は、PLAスパンボンド不織布の調製中に生じた静電荷を能動的に消散させるように構成される。
【0119】
ある特定の実施形態によれば、システムは、スピンビーム内に、またはそれから下流に位置する湿分ユニットをさらに含む。このような実施形態では、湿分ユニットは、スチームユニット、フォギングユニット、ミスティングユニット、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを含む。
【0120】
ある特定の実施形態によれば、例えば、システムは、約2500m/分よりも大きい繊維延伸速度でPLA連続繊維を調製するように構成されてもよい。他の実施形態では、例えば、システムは、約3000m/分〜約5500m/分の繊維延伸速度でPLA連続繊維を調製するように構成されてもよい。さらなる実施形態では、例えば、システムは、約3000m/分〜約4000m/分の繊維延伸速度でPLA連続繊維を調製するように構成されてもよい。
【0121】
ある特定の実施形態によれば、カレンダーは、パターン化ロールを含む一対の協働ロールを含む。このような実施形態では、パターン化ロールは、3次元幾何形状結合パターンを含む。一部の実施形態では、結合パターンは、ひし形パターン、六角形ドットパターン、オーバル−楕円形パターン、ロード形状パターン、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを含む。ある特定の実施形態では、結合パターンは、パターン化ロールの表面積の約5%〜約30%に及ぶ。他の実施形態では、結合パターンは、パターン化ロールの表面積の約10%〜約25%に及ぶ。一部の実施形態では、結合パターンは、ひし形パターンを含み、結合パターンは、パターン化ロールの表面積の約25%に及ぶ。さらなる実施形態では、結合パターンは、オーバル−楕円形パターンを含み、結合パターンは、パターン化ロールの表面積の約18%に及ぶ。一部の実施形態では、カレンダーは、剥離コーティングを含む。
【0122】
ある特定の実施形態によれば、不織布は、二成分繊維を含む。一部の実施形態では、二成分繊維は、並列配置を含む。しかしながら、他の実施形態では、二成分繊維は、シースおよびコアを含む。このような実施形態では、シースは、PLAを含む。さらなる実施形態では、コアは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、PLA、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1種を含む。ある特定の実施形態では、二成分繊維は、シースが第1のPLAグレードを含み、コアが第2のPLAグレードを含み、かつ第1のPLAグレードおよび第2のPLAグレードは異なるようなPLAを含む。さらなる実施形態では、シースはPLAを含み、コアは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートのうちの少なくとも1種を含み、かつシステムは、約3000m/分〜約4000m/分の繊維延伸速度でPLA連続繊維を調製するように構成される。さらなる実施形態では、シースおよびコアのそれぞれは、PLAを含み、かつシステムは、約3000m/分〜約5500m/分の繊維延伸速度でPLAスパンボンド不織布を調製するように構成される。しかしながら、他の実施形態では、不織布は、PLA一成分繊維を含む。ある特定の実施形態によれば、PLAスパンボンド不織布は、スパンボンド布またはスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)布を含み、スパンボンドウェブおよびメルトブローンウェブのそれぞれは、繊維表面に、PLAを有する繊維を含む。
【0123】
別の態様では、本発明によるある特定の実施形態は、PLAスパンボンド不織布の調製するための方法を提供する。ある特定の実施形態によれば、方法は、溶融または半溶融PLA樹脂のストリームを生じるステップと、複数のPLA連続フィラメントを形成するステップと、複数のPLA連続フィラメントを収集表面上に堆積させるステップと、複数のPLA連続フィラメントをイオンに曝露するステップと、複数のPLA連続フィラメントを結合して、前記PLAスパンボンド不織布を形成するステップとを含む。ある特定の実施形態によれば、複数のPLA連続フィラメントを形成するステップは、複数のPLA連続フィラメントを紡糸するステップと、複数のPLA連続フィラメントを延伸するステップと、複数のPLA連続フィラメントをランダム化するステップとを含む。
【0124】
ある特定の実施形態によれば、方法は、約2500m/分より大きい繊維延伸速度で行われる。一部の実施形態では、方法は、約3000m/分〜約5500m/分の繊維延伸速度で行われる。さらなる実施形態では、方法は、約3000m/分〜約4000m/分の繊維延伸速度で行われる。
【0125】
ある特定の実施形態によれば、複数のPLA連続フィラメントを形成するステップは、二成分繊維を形成するステップを含む。一部の実施形態では、二成分繊維を形成するステップは、並列二成分繊維を形成するステップを含む。他の実施形態では、しかしながら、二成分繊維を形成するステップは、シースおよびコアを有する二成分繊維を形成するステップを含む。このような実施形態では、シースは、PLAを含む。さらなる実施形態では、コアは、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはポリエチレンテレフタレートのうちの少なくとも1種を含む。ある特定の実施形態では、二成分繊維は、シースが第1のPLAグレードを含み、コアが第2のPLAグレードを含み、かつ第1のPLAグレードおよび第2のPLAグレードは異なるようなPLAを含む。さらなる実施形態では、シースは、PLAを含み、コアは、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはポリエチレンテレフタレートのうちの少なくとも1種を含み、かつ方法は、約3000m/分〜約4000m/分の繊維延伸速度で行われる。一部の実施形態では、シースおよびコアのそれぞれは、PLAから本質的になり、かつ方法は、約3000m/分〜5500m/分の繊維延伸速度行われる。しかしながら、他の実施形態では、不織布は、PLA一成分繊維を含む。ある特定の実施形態によれば、PLAスパンボンド不織布は、スパンボンド布またはスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)布を含み、スパンボンドウェブおよびメルトブローンウェブのそれぞれは、繊維表面に、PLAを有する繊維を含む。
【0126】
ある特定の実施形態によれば、ウェブを結合してPLAスパンボンド不織布を形成するステップは、パターン化ロールを含む一対の協働ロールを有するカレンダーを介して熱および圧力でウェブを熱点接着するステップを含む。このような実施形態では、ウェブを熱点接着するステップは、PLAスパンボンド不織布上に3次元幾何形状結合パターンを付与するステップを含む。一部の実施形態では、PLAスパンボンド不織布上に結合パターンを付与するステップは、ひし形パターン、六角形ドットパターン、オーバル−楕円形パターン、ロード形状パターン、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを付与するステップを含む。ある特定の実施形態では、結合パターンは、パターン化ロールの表面積の約5%〜約30%に及ぶ。他の実施形態では、結合パターンは、パターン化ロールの表面積の約10%〜約25%に及ぶ。一部の実施形態では、結合パターンは、ひし形パターンを含み、結合バターンは、パターン化ロールの表面積の約25%に及ぶ。さらなる実施形態では、結合パターンは、オーバル−楕円形パターンを含み、結合バターンは、パターン化ロールの表面積の約18%に及ぶ。一部の実施形態では、カレンダーは、剥離コーティングを含む。
【0127】
ある特定の実施形態によれば、方法は、静電制御ユニットによってカレンダーに近接したPLAスパンボンド不織布から静電荷を消散させるステップをさらに含む。一部の実施形態では、静電制御ユニットは、第2のイオン化源を含む。さらなる実施形態では、第2のイオン化ユニットは、複数のPLA連続フィラメントまたはPLAスパンボンド不織布の少なくとも一方にわたって横方向に延在するイオン化バーを含む。しかしながら、他の実施形態では、PLAスパンボンド不織布から静電荷を消散させるステップは、PLAスパンボンド不織布を静電バーに接触させるステップを含む。
【0128】
ある特定の実施形態によれば、方法は、PLAスパンボンド不織布を切断して、切断PLAスパンボンド不織布を形成するステップと、切断PLAスパンボンド不織布を第3のイオン化源によってイオンに曝露するステップと、切断PLAスパンボンド不織布をロールに巻き付けるステップとをさらに含む。このような実施形態では、第3のイオン化ユニットは、複数のPLA連続フィラメントまたはPLAスパンボンド不織布の少なくとも一方にわたって横方向に延在するイオン化バーを含む。
【0129】
ある特定の実施形態によれば、方法は、複数のPLA連続フィラメントを形成しながら、湿分を増加させるステップをさらに含む。このような実施形態では、湿分を増加させるステップは、スチーム、霧、ミスト、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを複数のPLA連続フィラメントに適用するステップを含む。
【0130】
本明細書で示される本発明の部分的変更は、前述の説明および関連図面で提示される教示の利益を有して本発明に属する当業者に想起される。したがって、本発明は開示された具体的実施形態に限定されるべきでないこと、ならびに部分的変更および他の実施形態は、添付された特許請求の範囲内に含まれることが意図されることが理解されるべきである。具体的用語が本明細書で用いられるが、それらは、総称的および記述的意味のみで、ならびに限定の目的でなく使用される。
【0131】
特許請求の範囲の概要
1.ポリ乳酸(PLA)スパンボンド不織布を調製するためのシステムであって、溶融または半溶融PLA樹脂のストリームを生じるように構成された第1のPLA供給源;複数のPLA連続フィラメントを押し出しおよび延伸するように構成された、第1のPLA供給源と流体連結しているスピンビーム;PLA連続フィラメントがその上に堆積されて、PLAスパンボンド不織布を形成する、スピンビームの出口の下に配置された収集表面;PLA連続フィラメントをイオンに曝露するように位置付けおよび配置された第1のイオン化源;ならびに第1のイオン化源の下流に位置するカレンダーを含む、システム。
【0132】
2.第1のイオン化源が、収集表面の上で、かつPLA連続フィラメントが収集表面の上に堆積されるポイントの下流に位置する、請求項1に記載のシステム。
【0133】
3.第1のイオン化源が、スピンビームの出口と収集表面の間に位置する、請求項1に記載のシステム。
【0134】
4.第1のイオン化源および収集表面が、約1インチ〜約24インチの距離で分離される、請求項1から3のいずれか1項に記載のシステム。
【0135】
5.第1のイオン化源および収集表面が、約1インチ〜約12インチの距離で分離される、請求項1から4のいずれか1項に記載のシステム。
【0136】
6.第1のイオン化源および収集表面が、約1インチ〜約5インチの距離で分離される、請求項1から5のいずれか1項に記載のシステム。
【0137】
7.カレンダーに近接したPLAスパンボンド不織布から静電気を消散させるように位置付けおよび配置された静電制御ユニットをさらに含む、請求項1から6のいずれか1項に記載のシステム。
【0138】
8.静電制御ユニットが、受動的静電バーを含む、請求項7に記載のシステム。
【0139】
9.静電制御ユニットが、第2のイオン化源を含む、請求項7に記載のシステム。
【0140】
10.スピンビームの出口から下流に位置するプレスロールをさらに含む、請求項1から9のいずれか1項に記載のシステム。
【0141】
11.収集表面の下に配置された真空源をさらに含む、請求項1から10のいずれか1項に記載のシステム。
【0142】
12.カレンダーから下流に位置するワインダー、ならびに
PLAスパンボンド不織布をワインダーに近接したイオンに曝露するように位置付けおよび配置された第3のイオン化源
をさらに含む、請求項1から11のいずれか1項に記載のシステム。
【0143】
13.第1のイオン化源、静電制御源、および第3のイオン化源の少なくとも1つが、複数のPLA連続フィラメントまたはPLAスパンボンド不織布の少なくとも一方にわたって横方向に延在するイオン化バーを含む、請求項12に記載のシステム。
【0144】
14.第1のイオン化源、静電制御源、および第3のイオン化源が、PLAスパンボンド不織布の調製中に生じた静電荷を能動的に消散するように構成される、請求項12または13に記載のシステム。
【0145】
15.第1のイオン化源が、プレスロールから下流に位置する、請求項10から14のいずれか1項に記載のシステム。
【0146】
16.第1のイオン化源が、スピンビームとプレスロールの間に位置する、請求項10から14のいずれか1項に記載のシステム。
【0147】
17.静電制御ユニットが、カレンダーの上流に、かつそれに隣接して位置する、請求項1から16のいずれか1項に記載のシステム。
【0148】
18.静電制御ユニットが、カレンダーの下流に、かつそれに隣接して位置する、請求項1から16のいずれか1項に記載のシステム。
【0149】
19.カレンダーが、パターン化ロールを含む一対の協働ロールを含み、パターン化ロールが、3次元幾何形状結合パターンを含む、請求項1から18のいずれか1項に記載のシステム。
【0150】
20.結合パターンが、ひし形パターン、六角形ドットパターン、オーバル−楕円形パターン、ロード形状パターン、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項19に記載のシステム。
【0151】
21.結合パターンが、パターン化ロールの表面積の約5%〜約30%に及ぶ、請求項19または20に記載のシステム。
【0152】
22.結合パターンが、パターン化ロールの表面積の約10%〜約25%に及ぶ、請求項19または20に記載のシステム。
【0153】
23.結合パターンが、ひし形パターンを含み、結合パターンが、パターン化ロールの表面積の約25%に及ぶ、請求項20から22のいずれか1項に記載のシステム。
【0154】
24.結合パターンが、オーバル−楕円形パターンを含み、結合パターンが、パターン化ロールの表面積の約18%に及ぶ、請求項20から22のいずれか1項に記載のシステム。
【0155】
25.カレンダーが、剥離コーティングを含む、請求項1から24のいずれか1項に記載のシステム。
【0156】
26.収集表面が、導電性繊維を含む、請求項1から25のいずれか1項に記載のシステム。
【0157】
27.スピンビーム内か、またはその下流に位置する湿分ユニットをさらに含む、請求項1から26のいずれか1項に記載のシステム。
【0158】
28.湿分ユニットが、スチームユニット、フォギングユニット、ミスティングユニット、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項27に記載のシステム。
【0159】
29.不織布が、二成分繊維を含む、請求項1から28のいずれか1項に記載のシステム。
【0160】
30.二成分繊維が、並列配置を含む、請求項29に記載のシステム。
【0161】
31.二成分繊維が、シースおよびコアを含む、請求項30に記載のシステム。
【0162】
32.シースが、PLAを含む、請求項31に記載のシステム。
【0163】
33.コアが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、PLA、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1種を含む、請求項31または32に記載のシステム。
【0164】
34.二成分繊維が、シースが第1のPLAグレードを含み、コアが第2のPLAグレードを含み、第1のPLAグレードおよび第2のPLAグレードが異なるようなPLAを含む、請求項31から33のいずれか1項に記載のシステム。
【0165】
35.約2500m/分よりも大きい繊維延伸速度でPLAスパンボンド不織布を調製するように構成される、請求項1から34のいずれか1項に記載のシステム。
【0166】
36.約3000m/分〜約5500m/分の繊維延伸速度でPLAスパンボンド不織布を調製するように構成される、請求項1から35のいずれか1項に記載のシステム。
【0167】
37.約3000m/分〜約4000m/分の繊維延伸速度でPLAスパンボンド不織布を調製するように構成される、請求項1から36のいずれか1項に記載のシステム。
【0168】
38.シースがPLAを含み、コアが、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはポリエチレンテレフタレートの少なくとも1種を含み、システムが、約3000m/分〜約4000m/分の繊維延伸速度でPLAスパンボンド不織布を調製するように構成される、請求項31から37のいずれか1項に記載のシステム。
【0169】
39.シースおよびコアのそれぞれが、PLAを含み、システムが、約3000m/分〜約5500m/分の繊維延伸速度でPLAスパンボンド不織布を調製するように構成される、請求項31から37のいずれか1項に記載のシステム。
【0170】
40.不織布が一成分繊維を含み、一成分繊維が、PLAを含む、請求項1から28のいずれか1項に記載のシステム。
【0171】
41.PLAスパンボンド不織布が、スパンボンド布またはスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)布を含み、スパンボンドウェブおよびメルトブローンウェブのそれぞれが、繊維表面に、PLAを有する繊維を含む、請求項1から40のいずれか1項に記載のシステム。
【0172】
42.ポリ乳酸(PLA)スパンボンド不織布の調製するための方法であって、
溶融または半溶融PLA樹脂のストリームを生じるステップと、
PLAがフィラメントの表面に存在している、複数のPLA連続フィラメントを形成するステップと、
複数のPLA連続フィラメントを収集表面上に堆積させるステップと、
複数のPLA連続フィラメントをイオンに曝露するステップと、
複数のPLA連続フィラメントを結合して、PLAスパンボンド不織布を形成するステップと
を含む、方法。
【0173】
43.複数のPLA連続フィラメントを形成するステップが、
複数のPLA連続フィラメントを紡糸するステップと、
複数のPLA連続フィラメントを延伸するステップと、
複数のPLA連続フィラメントをランダム化するステップと、
含む、請求項42に記載の方法。
【0174】
44.複数のPLA連続フィラメントを形成するステップが、二成分繊維を形成するステップを含む、請求項42または43に記載の方法。
【0175】
45.二成分繊維を形成するステップが、並列二成分繊維を形成するステップを含む、請求項44に記載の方法。
【0176】
46.二成分繊維を形成するステップが、シースおよびコアを有する二成分繊維を形成するステップを含む、請求項44に記載の方法。
【0177】
47.シースがPLAを含む、請求項46に記載の方法。
【0178】
48.コアが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、PLA、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1種を含む、請求項46または47に記載の方法。
【0179】
49.二成分繊維が、シースが第1のPLAグレードを含み、コアが第2のPLAグレードを含み、第1のPLAグレードおよび第2のPLAグレードが異なるようなPLAを含む、請求項46から48のいずれか1項に記載の方法。
【0180】
50.約2500m/分より大きい繊維延伸速度で行われる、請求項42から49のいずれか1項に記載の方法。
【0181】
51.約3000m/分〜約5500m/分の繊維延伸速度で行われる、請求項42から49のいずれか1項に記載の方法。
【0182】
52.約3000m/分〜約4000m/分の繊維延伸速度で行われる、請求項42から49のいずれか1項に記載の方法。
【0183】
53.シースがPLAを含み、コアが、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはポリエチレンテレフタレートの少なくとも1種を含み、方法が、約3000m/分〜約4000m/分の繊維延伸速度で行われる、請求項44から52のいずれか1項に記載の方法。
【0184】
54.シースおよびコアのそれぞれが、PLAから本質的になり、方法が、約3000m/分〜5500m/分の繊維延伸速度で行われる、請求項44から52のいずれか1項に記載の方法。
【0185】
55.PLAスパンボンド不織布が、PLA一成分繊維を含む、請求項42または43に記載の方法。
【0186】
56.ウェブを結合してPLAスパンボンド不織布を形成するステップが、パターン化ロールを含む一対の協働ロールを有するカレンダーを介して熱および圧力でウェブを熱点接着するステップを含む、請求項42から55のいずれか1項に記載の方法。
【0187】
57.ウェブを熱点接着するステップが、PLAスパンボンド不織布上に3次元幾何形状結合パターンを付与するステップを含む、請求項56に記載の方法。
【0188】
58.PLAスパンボンド不織布上に結合パターンを付与するステップが、PLAスパンボンド不織布上にひし形パターン、六角形ドットパターン、オーバル−楕円形パターン、ロード形状パターン、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを付与するステップを含む、請求項57に記載の方法。
【0189】
59.結合パターンが、パターン化ロールの表面積の約5%〜約30%に及ぶ、請求項57または58に記載の方法。
【0190】
60.結合パターンが、パターン化ロールの表面積の約10%〜約25%に及ぶ、請求項57または58に記載の方法。
【0191】
61.結合パターンが、ひし形パターンを含み、結合パターンが、パターン化ロールの表面積の約25%に及ぶ、請求項58から60のいずれか1項に記載の方法。
【0192】
62.結合パターンが、オーバル−楕円形パターンを含み、結合パターンが、パターン化ロールの表面積の約18%に及ぶ、請求項58から60のいずれか1項に記載の方法。
【0193】
63.カレンダーが、剥離コーティングを含む、請求項58から62のいずれか1項に記載の方法。
【0194】
64.静電制御ユニットによってカレンダーに近接したPLAスパンボンド不織布から静電荷を消散させるステップをさらに含む、請求項42から63のいずれか1項に記載の方法。
【0195】
65.静電制御ユニットが、第2のイオン化ユニットを含む、請求項64に記載の方法。
【0196】
66.第2のイオン化ユニットが、複数のPLA連続フィラメントまたはPLAスパンボンド不織布の少なくとも一方にわたって横方向に延在するイオン化バーを含む、請求項65に記載の方法。
【0197】
67.PLAスパンボンド不織布から静電荷を消散させるステップが、PLAスパンボンド不織布を静電バーに接触させるステップを含む、請求項64に記載の方法。
【0198】
68.
PLAスパンボンド不織布を切断して、切断PLAスパンボンド不織布を形成するステップと、
切断PLAスパンボンド不織布を第3のイオン化源によってイオンに曝露するステップと、
切断PLAスパンボンド不織布をロールに巻き付けるステップと
をさらに含む、請求項42から67のいずれか1項に記載の方法。
【0199】
69.第3のイオン化ユニットが、複数のPLA連続フィラメントまたはPLAスパンボンド不織布の少なくとも一方にわたって横方向に延在するイオン化バーを含む、請求項68に記載の方法。
【0200】
70.複数のPLA連続フィラメントを形成しながら、湿分を増加させるステップをさらに含む、請求項42から69のいずれか1項に記載の方法。
【0201】
71.湿分を増加させるステップが、スチーム、霧、ミスト、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを複数のPLA連続フィラメントに適用するステップを含む、請求項70に記載の方法。
【0202】
72.PLAスパンボンド不織布が、スパンボンド布またはスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)布を含み、スパンボンドウェブおよびメルトブローンウェブのそれぞれが、繊維表面に、PLAを有する繊維を含む、請求項42から71のいずれか1項に記載の方法。
【0203】
73.不織布の調製のための、請求項1から41のいずれか1項に記載のシステムの使用。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6