【実施例】
【0093】
以下の実施例は、本発明の1つまたは複数の実施形態を例証するために提供されるものであり、本発明を限定すると解釈されるべきではない。
【0094】
以下の実施例における不織布は、Reifenhaeuser Reicofil−3ラインまたはReicofil−4ラインによって調製した。実施例のそれぞれは、特に断りのない限り、実施例1に記載した設定を使用して調製した。さらに、特に断りのない限り、すべての百分率は、重量百分率である。実施例で使用した材料は、以下に特定する。
【0095】
試験方法
タイター(titer)は、独国テキスタイル法C−1570によって繊維の直径の顕微鏡測定値および公知のポリマー密度から計算した。
【0096】
坪量は、一般に10×10cm平方に切断した布の10層の重量から独国テキスタイル法CM−130に従って決定した。
【0097】
引張りは、5cm幅の試料、100mmゲージ長さ、および200mm/分のクロスヘッド速度を使用して方法10DIN−53857に従って決定した。
【0098】
伸びは、5cm幅の試料、100mmゲージ長さ、および200mm/分のクロスヘッド速度を使用して方法10DIN−53857に従って決定した。
【0099】
布収縮率は、29.7cmのMDおよび21.0cmのCDの公称寸法のウェブ幅にわたって取った3つの試料を切断し;シートにおける3つの位置で実際のMDおよびCD幅を測定し;60℃に加熱された水中に試料を1分入れ;前述の3つの位置でMDおよびCD寸法を再測定することによって決定した。元の測定値で除した曝露後の平均幅測定値×100%は、収縮率%をもたらす。低い収縮率%値は、PLAを含む連続繊維が、結合後に高い強度安定布をもたらすのに十分な速度で紡糸および延伸されていることを示唆する。
【0100】
[実施例1]
実施例1は、レイダウンおよびR−3プレスロールからの圧縮後、ウェブが収集表面上のいくらかの距離をトラバースし、カレンダーの平滑で、エンボス加工ロールを備える結合ステーションに移動する前にR−4プレスロールの下を行くように、Reicofil−3ビームならびにR−3およびR−4の両方のプレスロールを使用して作製されるPP/PLA二成分不織ウェブの製造に関していた。ウェブは、LyondellBasell Z/N HP561R PPであるシースおよびNatureWorksからの6202D PLAであるコアを有する、50/50二成分不織ウェブであった。ウェブは、押出機で235℃およびダイで240℃のスピンビーム温度、2700m/分の繊維延伸速度、ならびに149m/分のライン速度を使用して製造した。カレンダーは、パターンロールの表面積の25%に及ぶひし形結合パターン、パターンロールおよびアンビルロールのそれぞれについて、150℃のカレンダー温度、ならびに70N/mmのカレンダー圧力を有した。受動的静電バーは、カレンダーの下流およそ8〜12インチに位置させた。
【0101】
実施例1の不織布は、収集表面の上に、収集表面にわたって横方向に延在して位置させ、ならびに収集表面の上およそ1〜3インチおよびR−3プレスロールから下流およそ2〜3インチに置かれた1つのIonis Elektrostatik放電電極E3412(すなわち、イオン化バー)によって製造した。第2のIonis Elektrostatik放電電極E3412(すなわち、イオン化バー)は、R3−およびR−4の両方のプレスロールの下流の収集表面の上に正確に同じ対応する位置に置いた。両イオン化バーに通電して、PLA繊維を含むウェブがR−3プレスロールまたはR−4プレスロールのいずれにも巻き付かないように保証した。第3のIonis Elektrostatik放電電極E3412(すなわち、イオン化バー)は、カレンダーとワインダーとの間に置いて、ワインダー作業者を、トライアル中に生じる切屑(すなわち、スリットロール)を取り扱う際に、電気ショックから保護した。実施例1の特性は、以下の表1および表2に要約する。
【0102】
[実施例2および実施例3]
実施例2および実施例3は、Reicofil−3ビームを使用しての布表面にPLAを有するスパンボンド布の製造に関していた。ウェブは、イオン化バーを使用して製造された逆二成分シース/コア40/60PLA/PP NatureWorks Grade 6752/LyondellBasell HP561R PPであった。実施例2および実施例3のウェブは、押出機で235℃およびダイで240℃のスピンビーム温度、ならびに149m/分のライン速度を使用して製造した。実施例2は、2900m/分の繊維延伸速度で形成した。実施例2についてのカレンダーは、パターンロールの表面積の25%に及ぶひし形結合パターン、パターンロールについて160℃、およびアンビルロールについて125℃のカレンダー温度、ならびに50N/mのカレンダー圧力を有した。
【0103】
しかしながら、実施例3は、3300m/分の繊維延伸速度で形成し、実施例3についてのカレンダーは、パターンロールについて145℃、およびアンビルロールについて125℃のカレンダー温度、ならびに50N/mのカレンダー圧力を有した。実施例2および実施例3の特性は、以下の表1および表2に要約する。
【0104】
[実施例4および実施例5]
実施例4および実施例5は、Reicofil−3ビームを使用して100%二成分PLAから作製されたスパンボンド布の製造に関していた。ウェブは、イオン化バーおよびスチームを使用しての二成分シース/コア40/60 NatureWorks Grade 6752/NatureWorks Grade 6202 100%PLAであった。実施例4および実施例5のウェブは、押出機で235℃およびダイで240℃のスピンビーム温度、ならびに119m/分のライン速度を使用して製造した。実施例4は、3300m/分の繊維延伸速度で形成した。実施例4についてのカレンダーは、パターンロールの表面積の25%に及ぶひし形結合パターン、パターンロールについて135℃、およびアンビルロールについて125℃のカレンダー温度、ならびに70N/mのカレンダー圧力を有した。
【0105】
しかしながら、実施例5は、3500m/分の繊維延伸速度で形成し、実施例5についてのカレンダーは、パターンロールについて140℃、およびアンビルロールについて125℃のカレンダー温度、ならびに70N/mのカレンダー圧力を有した。実施例4および実施例5の特性は、以下の表1および表2に要約する。
【0106】
[実施例6および実施例7]
実施例6および実施例7は、イオン化バーまたは受動的静電バーを使用することなく、しかしむしろ、静電気を最小限にするために水分を最適化するようにクエンチ空気に加えられたスチームを使用して作製された二成分100%PLA布に関していた。布は、Reicofil−4ビームを使用しての100%二成分50/50シース/コア NatureWorks Grade 6752/NatureWorks Grade 6202であった。実施例6のウェブは、押出機およびダイの両方について230℃のスピンビーム温度、3600m/分の繊維延伸速度、ならびに150m/分のライン速度を使用して製造した。実施例6についてのカレンダーは、パターンロールについて139℃、およびアンビルロールについて134℃のカレンダー温度、ならびに80N/mのカレンダー圧力を有した。
【0107】
しかしながら、実施例7のウェブは、押出機およびダイの両方について235℃のスピンビーム温度、4100m/分の繊維延伸速度、ならびに170m/分のライン速度を使用して製造した。実施例7についてのカレンダーは、パターンロールについて139℃、およびアンビルロールについて134℃のカレンダー温度、ならびに45N/mのカレンダー圧力を有した。実施例6および実施例7の特性は、以下の表1および表2に要約する。
【0108】
[実施例8および実施例9]
実施例8および実施例9は、Reicofil−4ビームで作製された100%PLA二成分布に関していた。設定は、1つのIonis Elektrostatik放電電極E3412(すなわち、イオン化バー)が、収集表面の上に、収集表面にわたって横方向に延在して位置させ、ならびに収集表面の上およそ1〜3インチおよびR−4プレスロールの下流におよそ2〜3インチに置かれた点で実施例1と異なっていた。R−4スピンビームがR−3スピンビームの下流にあったので、R−3プレスロールに巻き付くことについて懸念はなかった。したがって、R−3ビームからのイオン化バーは、実施例8および実施例9の製造中に非通電状態にされた。
【0109】
布は、静電気を最小限にするために上で検討されたとおりにイオン化バーで作製した二成分30/70NatureWorks Grade 6752/NatureWorks Grade 6202/シース/コアであった。実施例8および実施例9のウェブは、押出機において235℃のスピンビーム温度およびダイにおいて240℃で製造した。実施例8のウェブは、3600m/分の繊維延伸速度および145m/分のライン速度で製造した。実施例8についてのカレンダーは、パターンロールについて160℃のカレンダー温度、アンビルロールについて147℃のカレンダー温度、および40N/mmのカレンダー圧を有した。
【0110】
しかしながら実施例9のウェブは、3800m/分の繊維延伸速度および90m/分のライン速度を用いて製造した。実施例9についてのカレンダーは、パターンロールについて160℃のカレンダー温度、アンビルロールについて147℃のカレンダー温度、および40N/mmのカレンダー圧を有した。実施例8および実施例9の特性は、以下の表1および表2に要約する。
【0111】
【表1】
【0112】
【表2】
【0113】
非限定的な例示的実施形態
本明細書で本発明の様々な態様および実施形態を記載してきたが、本発明のさらなる具体的実施形態は、以下の項に示されるものを含む。
【0114】
本発明によるある特定の実施形態は、ポリ乳酸(PLA)スパンボンド不織布を調製するためのシステムを提供する。ある特定の実施形態によれば、システムは、溶融または半溶融PLA樹脂のストリームを生じるように構成された第1のPLA供給源;第1のPLA供給源と流体連結しているスピンビーム;PLA連続フィラメントがその上に堆積されて、PLAスパンボンド不織布を形成する、スピンビームの出口の下に配置された収集表面;PLA連続フィラメントをイオンに曝露するように位置付けおよび配置された第1のイオン化源;ならびに第1のイオン化源の下流に位置するカレンダーを含む。スピンビームは、ある特定の実施形態によれば、複数のPLA連続フィラメントを押し出しおよび延伸するように構成される。さらに、一部の実施形態では、収集表面は、導電性繊維を含む。
【0115】
ある特定の実施形態によれば、第1のイオン化源は、収集表面の上で、かつPLA連続フィラメントが収集表面の上に堆積されるポイントの下流に位置する。しかしながら、他の実施形態では、第1のイオン化源は、スピンビームの出口と収集表面の間に位置する。ある特定の実施形態では、システムは、スピンビームの出口から下流に位置するプレスロールをさらに含む。一部の実施形態では、第1のイオン化源は、プレスロールの下流に位置する。他の実施形態では、第1のイオン化源は、スピンビームとプレスロールの間に位置する。しかしながら、他の実施形態では、システムは、収集表面(すなわち、プレスロールの代わりに)の下に配置された真空源をさらに含む。
【0116】
ある特定の実施形態によれば、第1のイオン化源および収集表面は、約1インチ〜約24インチの距離で分離される。他の実施形態では、第1のイオン化源および収集表面は、約1インチ〜約12インチの距離で分離される。さらなる実施形態では、第1のイオン化源および収集表面は、約1インチ〜約5インチの距離で分離される。
【0117】
ある特定の実施形態によれば、システムは、カレンダーに近接したPLAスパンボンド不織布から静電気を消散させるように位置付けおよび配置された静電制御ユニットをさらに含む。一部の実施形態では、静電制御ユニットは、カレンダーから上流に、およびそれに隣接して位置する。他の実施形態では、しかしながら、静電制御ユニットは、カレンダーから下流に、およびそれに隣接して位置する。一部の実施形態では、静電制御ユニットは、受動的静電バーを含む。他の実施形態では、しかしながら、静電制御ユニットは、第2のイオン化源を含む。
【0118】
ある特定の実施形態によれば、システムは、カレンダーから下流に位置するワインダー、ならびにワインダーに近接したイオンにPLAスパンボンド不織布を曝露するように位置付けおよび配置された第3のイオン化源をさらに含む。一部の実施形態では、第1のイオン化源、静電制御源(例えば、第2のイオン化源)、および第3のイオン化源の少なくとも1つは、複数のPLA連続フィラメントまたはPLAスパンボンド不織布の少なくとも一方にわたって横方向に延在するイオン化バーを含む。これに関して、第1のイオン化源、静電制御源、および第3のイオン化源は、PLAスパンボンド不織布の調製中に生じた静電荷を能動的に消散させるように構成される。
【0119】
ある特定の実施形態によれば、システムは、スピンビーム内に、またはそれから下流に位置する湿分ユニットをさらに含む。このような実施形態では、湿分ユニットは、スチームユニット、フォギングユニット、ミスティングユニット、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを含む。
【0120】
ある特定の実施形態によれば、例えば、システムは、約2500m/分よりも大きい繊維延伸速度でPLA連続繊維を調製するように構成されてもよい。他の実施形態では、例えば、システムは、約3000m/分〜約5500m/分の繊維延伸速度でPLA連続繊維を調製するように構成されてもよい。さらなる実施形態では、例えば、システムは、約3000m/分〜約4000m/分の繊維延伸速度でPLA連続繊維を調製するように構成されてもよい。
【0121】
ある特定の実施形態によれば、カレンダーは、パターン化ロールを含む一対の協働ロールを含む。このような実施形態では、パターン化ロールは、3次元幾何形状結合パターンを含む。一部の実施形態では、結合パターンは、ひし形パターン、六角形ドットパターン、オーバル−楕円形パターン、ロード形状パターン、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを含む。ある特定の実施形態では、結合パターンは、パターン化ロールの表面積の約5%〜約30%に及ぶ。他の実施形態では、結合パターンは、パターン化ロールの表面積の約10%〜約25%に及ぶ。一部の実施形態では、結合パターンは、ひし形パターンを含み、結合パターンは、パターン化ロールの表面積の約25%に及ぶ。さらなる実施形態では、結合パターンは、オーバル−楕円形パターンを含み、結合パターンは、パターン化ロールの表面積の約18%に及ぶ。一部の実施形態では、カレンダーは、剥離コーティングを含む。
【0122】
ある特定の実施形態によれば、不織布は、二成分繊維を含む。一部の実施形態では、二成分繊維は、並列配置を含む。しかしながら、他の実施形態では、二成分繊維は、シースおよびコアを含む。このような実施形態では、シースは、PLAを含む。さらなる実施形態では、コアは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、PLA、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1種を含む。ある特定の実施形態では、二成分繊維は、シースが第1のPLAグレードを含み、コアが第2のPLAグレードを含み、かつ第1のPLAグレードおよび第2のPLAグレードは異なるようなPLAを含む。さらなる実施形態では、シースはPLAを含み、コアは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートのうちの少なくとも1種を含み、かつシステムは、約3000m/分〜約4000m/分の繊維延伸速度でPLA連続繊維を調製するように構成される。さらなる実施形態では、シースおよびコアのそれぞれは、PLAを含み、かつシステムは、約3000m/分〜約5500m/分の繊維延伸速度でPLAスパンボンド不織布を調製するように構成される。しかしながら、他の実施形態では、不織布は、PLA一成分繊維を含む。ある特定の実施形態によれば、PLAスパンボンド不織布は、スパンボンド布またはスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)布を含み、スパンボンドウェブおよびメルトブローンウェブのそれぞれは、繊維表面に、PLAを有する繊維を含む。
【0123】
別の態様では、本発明によるある特定の実施形態は、PLAスパンボンド不織布の調製するための方法を提供する。ある特定の実施形態によれば、方法は、溶融または半溶融PLA樹脂のストリームを生じるステップと、複数のPLA連続フィラメントを形成するステップと、複数のPLA連続フィラメントを収集表面上に堆積させるステップと、複数のPLA連続フィラメントをイオンに曝露するステップと、複数のPLA連続フィラメントを結合して、前記PLAスパンボンド不織布を形成するステップとを含む。ある特定の実施形態によれば、複数のPLA連続フィラメントを形成するステップは、複数のPLA連続フィラメントを紡糸するステップと、複数のPLA連続フィラメントを延伸するステップと、複数のPLA連続フィラメントをランダム化するステップとを含む。
【0124】
ある特定の実施形態によれば、方法は、約2500m/分より大きい繊維延伸速度で行われる。一部の実施形態では、方法は、約3000m/分〜約5500m/分の繊維延伸速度で行われる。さらなる実施形態では、方法は、約3000m/分〜約4000m/分の繊維延伸速度で行われる。
【0125】
ある特定の実施形態によれば、複数のPLA連続フィラメントを形成するステップは、二成分繊維を形成するステップを含む。一部の実施形態では、二成分繊維を形成するステップは、並列二成分繊維を形成するステップを含む。他の実施形態では、しかしながら、二成分繊維を形成するステップは、シースおよびコアを有する二成分繊維を形成するステップを含む。このような実施形態では、シースは、PLAを含む。さらなる実施形態では、コアは、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはポリエチレンテレフタレートのうちの少なくとも1種を含む。ある特定の実施形態では、二成分繊維は、シースが第1のPLAグレードを含み、コアが第2のPLAグレードを含み、かつ第1のPLAグレードおよび第2のPLAグレードは異なるようなPLAを含む。さらなる実施形態では、シースは、PLAを含み、コアは、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはポリエチレンテレフタレートのうちの少なくとも1種を含み、かつ方法は、約3000m/分〜約4000m/分の繊維延伸速度で行われる。一部の実施形態では、シースおよびコアのそれぞれは、PLAから本質的になり、かつ方法は、約3000m/分〜5500m/分の繊維延伸速度行われる。しかしながら、他の実施形態では、不織布は、PLA一成分繊維を含む。ある特定の実施形態によれば、PLAスパンボンド不織布は、スパンボンド布またはスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)布を含み、スパンボンドウェブおよびメルトブローンウェブのそれぞれは、繊維表面に、PLAを有する繊維を含む。
【0126】
ある特定の実施形態によれば、ウェブを結合してPLAスパンボンド不織布を形成するステップは、パターン化ロールを含む一対の協働ロールを有するカレンダーを介して熱および圧力でウェブを熱点接着するステップを含む。このような実施形態では、ウェブを熱点接着するステップは、PLAスパンボンド不織布上に3次元幾何形状結合パターンを付与するステップを含む。一部の実施形態では、PLAスパンボンド不織布上に結合パターンを付与するステップは、ひし形パターン、六角形ドットパターン、オーバル−楕円形パターン、ロード形状パターン、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを付与するステップを含む。ある特定の実施形態では、結合パターンは、パターン化ロールの表面積の約5%〜約30%に及ぶ。他の実施形態では、結合パターンは、パターン化ロールの表面積の約10%〜約25%に及ぶ。一部の実施形態では、結合パターンは、ひし形パターンを含み、結合バターンは、パターン化ロールの表面積の約25%に及ぶ。さらなる実施形態では、結合パターンは、オーバル−楕円形パターンを含み、結合バターンは、パターン化ロールの表面積の約18%に及ぶ。一部の実施形態では、カレンダーは、剥離コーティングを含む。
【0127】
ある特定の実施形態によれば、方法は、静電制御ユニットによってカレンダーに近接したPLAスパンボンド不織布から静電荷を消散させるステップをさらに含む。一部の実施形態では、静電制御ユニットは、第2のイオン化源を含む。さらなる実施形態では、第2のイオン化ユニットは、複数のPLA連続フィラメントまたはPLAスパンボンド不織布の少なくとも一方にわたって横方向に延在するイオン化バーを含む。しかしながら、他の実施形態では、PLAスパンボンド不織布から静電荷を消散させるステップは、PLAスパンボンド不織布を静電バーに接触させるステップを含む。
【0128】
ある特定の実施形態によれば、方法は、PLAスパンボンド不織布を切断して、切断PLAスパンボンド不織布を形成するステップと、切断PLAスパンボンド不織布を第3のイオン化源によってイオンに曝露するステップと、切断PLAスパンボンド不織布をロールに巻き付けるステップとをさらに含む。このような実施形態では、第3のイオン化ユニットは、複数のPLA連続フィラメントまたはPLAスパンボンド不織布の少なくとも一方にわたって横方向に延在するイオン化バーを含む。
【0129】
ある特定の実施形態によれば、方法は、複数のPLA連続フィラメントを形成しながら、湿分を増加させるステップをさらに含む。このような実施形態では、湿分を増加させるステップは、スチーム、霧、ミスト、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを複数のPLA連続フィラメントに適用するステップを含む。
【0130】
本明細書で示される本発明の部分的変更は、前述の説明および関連図面で提示される教示の利益を有して本発明に属する当業者に想起される。したがって、本発明は開示された具体的実施形態に限定されるべきでないこと、ならびに部分的変更および他の実施形態は、添付された特許請求の範囲内に含まれることが意図されることが理解されるべきである。具体的用語が本明細書で用いられるが、それらは、総称的および記述的意味のみで、ならびに限定の目的でなく使用される。
【0131】
特許請求の範囲の概要
1.ポリ乳酸(PLA)スパンボンド不織布を調製するためのシステムであって、溶融または半溶融PLA樹脂のストリームを生じるように構成された第1のPLA供給源;複数のPLA連続フィラメントを押し出しおよび延伸するように構成された、第1のPLA供給源と流体連結しているスピンビーム;PLA連続フィラメントがその上に堆積されて、PLAスパンボンド不織布を形成する、スピンビームの出口の下に配置された収集表面;PLA連続フィラメントをイオンに曝露するように位置付けおよび配置された第1のイオン化源;ならびに第1のイオン化源の下流に位置するカレンダーを含む、システム。
【0132】
2.第1のイオン化源が、収集表面の上で、かつPLA連続フィラメントが収集表面の上に堆積されるポイントの下流に位置する、請求項1に記載のシステム。
【0133】
3.第1のイオン化源が、スピンビームの出口と収集表面の間に位置する、請求項1に記載のシステム。
【0134】
4.第1のイオン化源および収集表面が、約1インチ〜約24インチの距離で分離される、請求項1から3のいずれか1項に記載のシステム。
【0135】
5.第1のイオン化源および収集表面が、約1インチ〜約12インチの距離で分離される、請求項1から4のいずれか1項に記載のシステム。
【0136】
6.第1のイオン化源および収集表面が、約1インチ〜約5インチの距離で分離される、請求項1から5のいずれか1項に記載のシステム。
【0137】
7.カレンダーに近接したPLAスパンボンド不織布から静電気を消散させるように位置付けおよび配置された静電制御ユニットをさらに含む、請求項1から6のいずれか1項に記載のシステム。
【0138】
8.静電制御ユニットが、受動的静電バーを含む、請求項7に記載のシステム。
【0139】
9.静電制御ユニットが、第2のイオン化源を含む、請求項7に記載のシステム。
【0140】
10.スピンビームの出口から下流に位置するプレスロールをさらに含む、請求項1から9のいずれか1項に記載のシステム。
【0141】
11.収集表面の下に配置された真空源をさらに含む、請求項1から10のいずれか1項に記載のシステム。
【0142】
12.カレンダーから下流に位置するワインダー、ならびに
PLAスパンボンド不織布をワインダーに近接したイオンに曝露するように位置付けおよび配置された第3のイオン化源
をさらに含む、請求項1から11のいずれか1項に記載のシステム。
【0143】
13.第1のイオン化源、静電制御源、および第3のイオン化源の少なくとも1つが、複数のPLA連続フィラメントまたはPLAスパンボンド不織布の少なくとも一方にわたって横方向に延在するイオン化バーを含む、請求項12に記載のシステム。
【0144】
14.第1のイオン化源、静電制御源、および第3のイオン化源が、PLAスパンボンド不織布の調製中に生じた静電荷を能動的に消散するように構成される、請求項12または13に記載のシステム。
【0145】
15.第1のイオン化源が、プレスロールから下流に位置する、請求項10から14のいずれか1項に記載のシステム。
【0146】
16.第1のイオン化源が、スピンビームとプレスロールの間に位置する、請求項10から14のいずれか1項に記載のシステム。
【0147】
17.静電制御ユニットが、カレンダーの上流に、かつそれに隣接して位置する、請求項1から16のいずれか1項に記載のシステム。
【0148】
18.静電制御ユニットが、カレンダーの下流に、かつそれに隣接して位置する、請求項1から16のいずれか1項に記載のシステム。
【0149】
19.カレンダーが、パターン化ロールを含む一対の協働ロールを含み、パターン化ロールが、3次元幾何形状結合パターンを含む、請求項1から18のいずれか1項に記載のシステム。
【0150】
20.結合パターンが、ひし形パターン、六角形ドットパターン、オーバル−楕円形パターン、ロード形状パターン、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項19に記載のシステム。
【0151】
21.結合パターンが、パターン化ロールの表面積の約5%〜約30%に及ぶ、請求項19または20に記載のシステム。
【0152】
22.結合パターンが、パターン化ロールの表面積の約10%〜約25%に及ぶ、請求項19または20に記載のシステム。
【0153】
23.結合パターンが、ひし形パターンを含み、結合パターンが、パターン化ロールの表面積の約25%に及ぶ、請求項20から22のいずれか1項に記載のシステム。
【0154】
24.結合パターンが、オーバル−楕円形パターンを含み、結合パターンが、パターン化ロールの表面積の約18%に及ぶ、請求項20から22のいずれか1項に記載のシステム。
【0155】
25.カレンダーが、剥離コーティングを含む、請求項1から24のいずれか1項に記載のシステム。
【0156】
26.収集表面が、導電性繊維を含む、請求項1から25のいずれか1項に記載のシステム。
【0157】
27.スピンビーム内か、またはその下流に位置する湿分ユニットをさらに含む、請求項1から26のいずれか1項に記載のシステム。
【0158】
28.湿分ユニットが、スチームユニット、フォギングユニット、ミスティングユニット、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項27に記載のシステム。
【0159】
29.不織布が、二成分繊維を含む、請求項1から28のいずれか1項に記載のシステム。
【0160】
30.二成分繊維が、並列配置を含む、請求項29に記載のシステム。
【0161】
31.二成分繊維が、シースおよびコアを含む、請求項30に記載のシステム。
【0162】
32.シースが、PLAを含む、請求項31に記載のシステム。
【0163】
33.コアが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、PLA、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1種を含む、請求項31または32に記載のシステム。
【0164】
34.二成分繊維が、シースが第1のPLAグレードを含み、コアが第2のPLAグレードを含み、第1のPLAグレードおよび第2のPLAグレードが異なるようなPLAを含む、請求項31から33のいずれか1項に記載のシステム。
【0165】
35.約2500m/分よりも大きい繊維延伸速度でPLAスパンボンド不織布を調製するように構成される、請求項1から34のいずれか1項に記載のシステム。
【0166】
36.約3000m/分〜約5500m/分の繊維延伸速度でPLAスパンボンド不織布を調製するように構成される、請求項1から35のいずれか1項に記載のシステム。
【0167】
37.約3000m/分〜約4000m/分の繊維延伸速度でPLAスパンボンド不織布を調製するように構成される、請求項1から36のいずれか1項に記載のシステム。
【0168】
38.シースがPLAを含み、コアが、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはポリエチレンテレフタレートの少なくとも1種を含み、システムが、約3000m/分〜約4000m/分の繊維延伸速度でPLAスパンボンド不織布を調製するように構成される、請求項31から37のいずれか1項に記載のシステム。
【0169】
39.シースおよびコアのそれぞれが、PLAを含み、システムが、約3000m/分〜約5500m/分の繊維延伸速度でPLAスパンボンド不織布を調製するように構成される、請求項31から37のいずれか1項に記載のシステム。
【0170】
40.不織布が一成分繊維を含み、一成分繊維が、PLAを含む、請求項1から28のいずれか1項に記載のシステム。
【0171】
41.PLAスパンボンド不織布が、スパンボンド布またはスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)布を含み、スパンボンドウェブおよびメルトブローンウェブのそれぞれが、繊維表面に、PLAを有する繊維を含む、請求項1から40のいずれか1項に記載のシステム。
【0172】
42.ポリ乳酸(PLA)スパンボンド不織布の調製するための方法であって、
溶融または半溶融PLA樹脂のストリームを生じるステップと、
PLAがフィラメントの表面に存在している、複数のPLA連続フィラメントを形成するステップと、
複数のPLA連続フィラメントを収集表面上に堆積させるステップと、
複数のPLA連続フィラメントをイオンに曝露するステップと、
複数のPLA連続フィラメントを結合して、PLAスパンボンド不織布を形成するステップと
を含む、方法。
【0173】
43.複数のPLA連続フィラメントを形成するステップが、
複数のPLA連続フィラメントを紡糸するステップと、
複数のPLA連続フィラメントを延伸するステップと、
複数のPLA連続フィラメントをランダム化するステップと、
含む、請求項42に記載の方法。
【0174】
44.複数のPLA連続フィラメントを形成するステップが、二成分繊維を形成するステップを含む、請求項42または43に記載の方法。
【0175】
45.二成分繊維を形成するステップが、並列二成分繊維を形成するステップを含む、請求項44に記載の方法。
【0176】
46.二成分繊維を形成するステップが、シースおよびコアを有する二成分繊維を形成するステップを含む、請求項44に記載の方法。
【0177】
47.シースがPLAを含む、請求項46に記載の方法。
【0178】
48.コアが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、PLA、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1種を含む、請求項46または47に記載の方法。
【0179】
49.二成分繊維が、シースが第1のPLAグレードを含み、コアが第2のPLAグレードを含み、第1のPLAグレードおよび第2のPLAグレードが異なるようなPLAを含む、請求項46から48のいずれか1項に記載の方法。
【0180】
50.約2500m/分より大きい繊維延伸速度で行われる、請求項42から49のいずれか1項に記載の方法。
【0181】
51.約3000m/分〜約5500m/分の繊維延伸速度で行われる、請求項42から49のいずれか1項に記載の方法。
【0182】
52.約3000m/分〜約4000m/分の繊維延伸速度で行われる、請求項42から49のいずれか1項に記載の方法。
【0183】
53.シースがPLAを含み、コアが、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはポリエチレンテレフタレートの少なくとも1種を含み、方法が、約3000m/分〜約4000m/分の繊維延伸速度で行われる、請求項44から52のいずれか1項に記載の方法。
【0184】
54.シースおよびコアのそれぞれが、PLAから本質的になり、方法が、約3000m/分〜5500m/分の繊維延伸速度で行われる、請求項44から52のいずれか1項に記載の方法。
【0185】
55.PLAスパンボンド不織布が、PLA一成分繊維を含む、請求項42または43に記載の方法。
【0186】
56.ウェブを結合してPLAスパンボンド不織布を形成するステップが、パターン化ロールを含む一対の協働ロールを有するカレンダーを介して熱および圧力でウェブを熱点接着するステップを含む、請求項42から55のいずれか1項に記載の方法。
【0187】
57.ウェブを熱点接着するステップが、PLAスパンボンド不織布上に3次元幾何形状結合パターンを付与するステップを含む、請求項56に記載の方法。
【0188】
58.PLAスパンボンド不織布上に結合パターンを付与するステップが、PLAスパンボンド不織布上にひし形パターン、六角形ドットパターン、オーバル−楕円形パターン、ロード形状パターン、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを付与するステップを含む、請求項57に記載の方法。
【0189】
59.結合パターンが、パターン化ロールの表面積の約5%〜約30%に及ぶ、請求項57または58に記載の方法。
【0190】
60.結合パターンが、パターン化ロールの表面積の約10%〜約25%に及ぶ、請求項57または58に記載の方法。
【0191】
61.結合パターンが、ひし形パターンを含み、結合パターンが、パターン化ロールの表面積の約25%に及ぶ、請求項58から60のいずれか1項に記載の方法。
【0192】
62.結合パターンが、オーバル−楕円形パターンを含み、結合パターンが、パターン化ロールの表面積の約18%に及ぶ、請求項58から60のいずれか1項に記載の方法。
【0193】
63.カレンダーが、剥離コーティングを含む、請求項58から62のいずれか1項に記載の方法。
【0194】
64.静電制御ユニットによってカレンダーに近接したPLAスパンボンド不織布から静電荷を消散させるステップをさらに含む、請求項42から63のいずれか1項に記載の方法。
【0195】
65.静電制御ユニットが、第2のイオン化ユニットを含む、請求項64に記載の方法。
【0196】
66.第2のイオン化ユニットが、複数のPLA連続フィラメントまたはPLAスパンボンド不織布の少なくとも一方にわたって横方向に延在するイオン化バーを含む、請求項65に記載の方法。
【0197】
67.PLAスパンボンド不織布から静電荷を消散させるステップが、PLAスパンボンド不織布を静電バーに接触させるステップを含む、請求項64に記載の方法。
【0198】
68.
PLAスパンボンド不織布を切断して、切断PLAスパンボンド不織布を形成するステップと、
切断PLAスパンボンド不織布を第3のイオン化源によってイオンに曝露するステップと、
切断PLAスパンボンド不織布をロールに巻き付けるステップと
をさらに含む、請求項42から67のいずれか1項に記載の方法。
【0199】
69.第3のイオン化ユニットが、複数のPLA連続フィラメントまたはPLAスパンボンド不織布の少なくとも一方にわたって横方向に延在するイオン化バーを含む、請求項68に記載の方法。
【0200】
70.複数のPLA連続フィラメントを形成しながら、湿分を増加させるステップをさらに含む、請求項42から69のいずれか1項に記載の方法。
【0201】
71.湿分を増加させるステップが、スチーム、霧、ミスト、またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを複数のPLA連続フィラメントに適用するステップを含む、請求項70に記載の方法。
【0202】
72.PLAスパンボンド不織布が、スパンボンド布またはスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)布を含み、スパンボンドウェブおよびメルトブローンウェブのそれぞれが、繊維表面に、PLAを有する繊維を含む、請求項42から71のいずれか1項に記載の方法。
【0203】
73.不織布の調製のための、請求項1から41のいずれか1項に記載のシステムの使用。