特許第6785965号(P6785965)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6785965オキサジアゾリン化合物および有害生物防除剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6785965
(24)【登録日】2020年10月29日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】オキサジアゾリン化合物および有害生物防除剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 271/12 20060101AFI20201109BHJP
   C07D 498/10 20060101ALI20201109BHJP
   A61K 31/4245 20060101ALI20201109BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20201109BHJP
   A61K 31/435 20060101ALI20201109BHJP
   A61P 33/14 20060101ALI20201109BHJP
   A01N 43/836 20060101ALI20201109BHJP
   A01N 43/90 20060101ALI20201109BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20201109BHJP
【FI】
   C07D271/12CSP
   C07D498/10 Z
   A61K31/4245
   A61K31/55
   A61K31/435
   A61P33/14
   A01N43/836
   A01N43/90 103
   A01N43/90 104
   A01P7/04
【請求項の数】7
【全頁数】76
(21)【出願番号】特願2019-525452(P2019-525452)
(86)(22)【出願日】2018年6月12日
(86)【国際出願番号】JP2018022389
(87)【国際公開番号】WO2018230555
(87)【国際公開日】20181220
【審査請求日】2019年9月24日
(31)【優先権主張番号】特願2017-116852(P2017-116852)
(32)【優先日】2017年6月14日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2017-125842(P2017-125842)
(32)【優先日】2017年6月28日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2017-134971(P2017-134971)
(32)【優先日】2017年7月10日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2017-149700(P2017-149700)
(32)【優先日】2017年8月2日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2017-183870(P2017-183870)
(32)【優先日】2017年9月25日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2017-200523(P2017-200523)
(32)【優先日】2017年10月16日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004307
【氏名又は名称】日本曹達株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100194250
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 直志
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 龍
(72)【発明者】
【氏名】柴山 耕太郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 寛人
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 孝男
(72)【発明者】
【氏名】平田 晃一
(72)【発明者】
【氏名】清田 隆太郎
【審査官】 早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2017/93409(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/105179(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/21680(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 271/12
C07D 498/10
A61K 31/4245
A61K 31/435
A61K 31/55
A61P 33/14
A01N 43/836
A01N 43/90
A01P 7/04
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物またはその塩。
【化1】
〔式(I)中、
1は、水素原子、置換もしくは無置換のC1〜6アルキル基、置換もしくは無置換のC2〜6アルケニル基、置換もしくは無置換のC6〜10アリールC1〜6アルキル基、または置換もしくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基を示し、
2は、置換もしくは無置換のC1〜8アルキル基、置換もしくは無置換のC3〜10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC6〜10アリール基、置換もしくは無置換のC6〜10アリールC1〜6アルキル基、または置換もしくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基を示し、
3は、水素原子、置換もしくは無置換のC1〜6アルキル基、置換もしくは無置換のC2〜6アルケニル基、置換もしくは無置換のC2〜6アルキニル基、置換もしくは無置換のC6〜10アリールC1〜6アルキル基、置換もしくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基、または置換もしくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基を示し、
2とR3は、一緒になって置換もしくは無置換のC3〜5アルキレン基であってもよく、
Aは、置換もしくは無置換のo−フェニレン基、置換もしくは無置換の5〜6員ヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換のベンジレン基、置換もしくは無置換のジメチレン基、または1,2−シクロプロピレン基を示し、
Bは、単結合、オキシ基、置換もしくは無置換のオキシメチレン基、置換もしくは無置換のメチレンオキシ基、置換もしくは無置換のチオメチレン基、置換もしくは無置換のメチレンチオ基、置換もしくは無置換のメチレン基、置換もしくは無置換のジメチレン基、置換もしくは無置換のビニレン基、チオ基、置換もしくは無置換のスルホニルメチレン基、置換もしくは無置換のメチレンスルホニル基、置換もしくは無置換のトリメチレン基、置換もしくは無置換のオキシエチレン基、置換もしくは無置換のエチレンオキシ基、置換もしくは無置換のプロペニレン基、置換もしくは無置換のオキシメチレンオキシ基、式:−NRa−で表される基、式:−CH2−NRa−で表される基、または式:−NRa−CH2−で表される基を示し、
aは、水素原子、または置換もしくは無置換のC1〜6アルキル基を示し、且つ
Qは、置換もしくは無置換のo−フェニレン基を示す。〕
【請求項2】
Aが、置換もしくは無置換のo−フェニレン基であり、
Bが、置換もしくは無置換のオキシメチレン基、置換もしくは無置換のメチレンオキシ基、置換もしくは無置換のジメチレン基、または置換もしくは無置換のビニレン基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Aが、置換もしくは無置換のo−フェニレン基であり、
Bが、置換もしくは無置換のオキシメチレン基、または置換もしくは無置換のメチレンオキシ基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の化合物およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する有害生物防除剤。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の化合物およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する殺虫もしくは殺ダニ剤。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載の化合物およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する外部寄生虫防除剤。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれかに記載の化合物およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有するアザミウマ目害虫防除剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオキサジアゾリン化合物および有害生物防除剤に関する。より詳細に、本発明は、優れた殺虫活性および/または殺ダニ活性を有し、安全性に優れ、かつ工業的に有利に合成できるオキサジアゾリン化合物ならびにこれを有効成分として含有する有害生物防除剤、殺虫もしくは殺ダニ剤、外部寄生虫防除剤またはアザミウマ目害虫防除剤に関する。
【背景技術】
【0002】
殺虫・殺ダニ活性を有する化合物が種々提案されている。そのような化合物を農薬として実用するためには、効力が十分に高いだけでなく、薬剤抵抗性が生じ難いこと、植物に対する薬害や土壌汚染を生じさせないこと、家畜や魚類などに対する毒性が低いことなどが要求される。
【0003】
ところで、特許文献1には、式(O)で表される化合物などが開示されている。
【0004】
【化1】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO 2017/093409 A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、有害生物防除活性、その中でも特に殺虫活性および/または殺ダニ活性に優れ、安全性に優れ、かつ工業的に有利に合成できるオキサジアゾリン化合物を提供することである。本発明の別の課題は、オキサジアゾリン化合物を有効成分として含有する有害生物防除剤、殺虫もしくは殺ダニ剤、外部寄生虫防除剤またはアザミウマ目害虫防除剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく検討した結果、以下の形態を包含する本発明を完成するに至った。
〔1〕 式(I)で表される化合物またはその塩。
【0008】
【化2】
〔式(I)中、
1は、水素原子、置換もしくは無置換のC1〜6アルキル基、置換もしくは無置換のC2〜6アルケニル基、置換もしくは無置換のC6〜10アリールC1〜6アルキル基、または置換もしくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基を示し、
2は、置換もしくは無置換のC1〜8アルキル基、置換もしくは無置換のC3〜10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC6〜10アリール基、置換もしくは無置換のC6〜10アリールC1〜6アルキル基、または置換もしくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基を示し、
3は、水素原子、置換もしくは無置換のC1〜6アルキル基、置換もしくは無置換のC2〜6アルケニル基、置換もしくは無置換のC2〜6アルキニル基、置換もしくは無置換のC6〜10アリールC1〜6アルキル基、置換もしくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基、または置換もしくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基を示し、
2とR3は、一緒になって置換もしくは無置換のC3〜5アルキレン基であってもよく、
Aは、置換もしくは無置換のo−フェニレン基、置換もしくは無置換の5〜6員ヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換のベンジレン基、置換もしくは無置換のジメチレン基、または1,2−シクロプロピレン基を示し、
Bは、単結合、オキシ基、置換もしくは無置換のオキシメチレン基、置換もしくは無置換のメチレンオキシ基、置換もしくは無置換のチオメチレン基、置換もしくは無置換のメチレンチオ基、置換もしくは無置換のメチレン基、置換もしくは無置換のジメチレン基、または置換もしくは無置換のビニレン基、チオ基、置換もしくは無置換のスルホニルメチレン基、置換もしくは無置換のメチレンスルホニル基、置換もしくは無置換のトリメチレン基、置換もしくは無置換のオキシエチレン基、置換もしくは無置換のエチレンオキシ基、置換もしくは無置換のプロペニレン基、置換もしくは無置換のオキシメチレンオキシ基、式:−NRa−で表される基、式:−CH2−NRa−で表される基、または式:−NRa−CH2−で表される基を示し、
aは、水素原子または置換もしくは無置換のC1〜6アルキル基を示し、且つ
Qは、置換もしくは無置換のo−フェニレン基を示す。〕
【0009】
〔2〕Aが、置換もしくは無置換のo−フェニレン基であり、
Bが、置換もしくは無置換のオキシメチレン基、置換もしくは無置換のメチレンオキシ基、置換もしくは無置換のジメチレン基、または置換もしくは無置換のビニレン基である、前記〔1〕に記載の化合物。
〔3〕Aが、置換もしくは無置換のo−フェニレン基であり、
Bが、置換もしくは無置換のオキシメチレン基、または置換もしくは無置換のメチレンオキシ基である、前記〔1〕に記載の化合物。
【0010】
〔4〕 前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の化合物およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する有害生物防除剤。
【0011】
〔5〕 前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の化合物およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する殺虫もしくは殺ダニ剤。
【0012】
〔6〕 前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の化合物およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する外部寄生虫防除剤。
〔7〕 前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の化合物およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有するアザミウマ目害虫防除剤。
【発明の効果】
【0013】
本発明のオキサジアゾリン化合物は、農作物や衛生面で問題となる有害生物を防除することができる。本発明のオキサジアゾリン化合物は、農業害虫およびダニ類をより低濃度で効果的に防除することができる。本発明のオキサジアゾリン化合物は、人畜を害する外部寄生虫を効果的に防除することができる。本発明のオキサジアゾリン化合物は、アザミウマ目害虫を効果的に防除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔オキサジアゾリン化合物〕
本発明のオキサジアゾリン化合物は、式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)ということがある。)または化合物(I)の塩である。
オキサジアゾリン環を構築する炭素原子の内、3位の炭素原子は不斉炭素である。この不斉炭素に由来する光学異性体は、単一の異性体であっても、複数の異性体の混合物であっても、本発明の化合物(I)に該当する。
【0015】
本発明において、「無置換(unsubstituted)」の用語は、母核となる基のみであることを意味する。「置換」との記載がなく母核となる基の名称のみで記載しているときは、別段の断りがない限り「無置換」の意味である。
一方、「置換(substituted)」の用語は、母核となる基のいずれかの水素原子が、母核と同一または異なる構造の基(置換基)で置換されていることを意味する。従って、「置換基」は、母核となる基に結合した他の基である。置換基は1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。2つ以上の置換基は同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
「C1〜6」などの用語は、母核となる基の炭素原子数が1〜6個などであることを表している。この炭素原子数には、置換基の中に在る炭素原子の数を含まない。例えば、置換基としてエトキシ基を有するブチル基は、C2アルコキシC4アルキル基に分類する。
【0016】
「置換基」は化学的に許容され、本発明の効果を有する限りにおいて特に制限されない。以下に「置換基」となり得る基を例示する。
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などのC1〜6アルキル基;
ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基(アリル基)、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基などのC2〜6アルケニル基;
エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基などのC2〜6アルキニル基;
【0017】
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、キュバニル基などのC3〜8シクロアルキル基;
フェニル基、ナフチル基などのC6〜10アリール基;
ベンジル基、フェネチル基などのC6〜10アリールC1〜6アルキル基;
3〜6員ヘテロシクリル基;
3〜6員へテロシクリルC1〜6アルキル基;
【0018】
水酸基;
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基;
ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基などのC2〜6アルケニルオキシ基;
エチニルオキシ基、プロパルギルオキシ基などのC2〜6アルキニルオキシ基;
フェノキシ基、ナフトキシ基などのC6〜10アリールオキシ基;
ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのC6〜10アリールC1〜6アルコキシ基;
チアゾリルオキシ基、ピリジルオキシ基などの5〜6員ヘテロアリールオキシ基;
チアゾリルメチルオキシ基、ピリジルメチルオキシ基などの5〜6員ヘテロアリールC1〜6アルキルオキシ基;
【0019】
ホルミル基;
アセチル基、プロピオニル基などのC1〜6アルキルカルボニル基;
ホルミルオキシ基;
アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基などのC1〜6アルキルカルボニルオキシ基;
ベンゾイル基などのC6〜10アリールカルボニル基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などのC1〜6アルコキシカルボニル基;
メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基などのC1〜6アルコキシカルボニルオキシ基;
カルボキシル基;
【0020】
フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基;
クロロメチル基、クロロエチル基、トリフルオロメチル基、1,2−ジクロロ−n−プロピル基、1−フルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基などのC1〜6ハロアルキル基;
2−クロロ−1−プロペニル基、2−フルオロ−1−ブテニル基などのC2〜6ハロアルケニル基;
4,4−ジクロロ−1−ブチニル基、4−フルオロ−1−ペンチニル基、5−ブロモ−2−ペンチニル基などのC2〜6ハロアルキニル基;
トリフルオロメトキシ基、2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基などのC1〜6ハロアルコキシ基;
2−クロロプロペニルオキシ基、3−ブロモブテニルオキシ基などのC2〜6ハロアルケニルオキシ基;
クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基などのC1〜6ハロアルキルカルボニル基;
【0021】
アミノ基;
メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのC1〜6アルキル置換アミノ基;
アニリノ基、ナフチルアミノ基などのC6〜10アリールアミノ基;
ベンジルアミノ基、フェネチルアミノ基などのC6〜10アリールC1〜6アルキルアミノ基;
ホルミルアミノ基;
アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、ブチリルアミノ基、i−プロピルカルボニルアミノ基などのC1〜6アルキルカルボニルアミノ基;
メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、i−プロポキシカルボニルアミノ基などのC1〜6アルコキシカルボニルアミノ基;
アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、N−フェニル−N−メチルアミノカルボニル基などの無置換もしくは置換基を有するアミノカルボニル基;
イミノメチル基、(1−イミノ)エチル基、(1−イミノ)−n−プロピル基などのイミノC1〜6アルキル基;
N−ヒドロキシ−イミノメチル基、(1−(N−ヒドロキシ)−イミノ)エチル基、(1−(N−ヒドロキシ)−イミノ)プロピル基、N−メトキシ−イミノメチル基、(1−(N−メトキシ)−イミノ)エチル基などの置換もしくは無置換のN−ヒドロキシイミノC1〜6アルキル基;
アミノカルボニルオキシ基;
エチルアミノカルボニルオキシ基、ジメチルアミノカルボニルオキシ基などのC1〜6アルキル置換アミノカルボニルオキシ基;
【0022】
メルカプト基;
メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基などのC1〜6アルキルチオ基;
トリフルオロメチルチオ基、2,2,2−トリフルオロエチルチオ基などのC1〜6ハロアルキルチオ基;
フェニルチオ基、ナフチルチオ基などのC6〜10アリールチオ基;
チアゾリルチオ基、ピリジルチオ基などの5〜6員ヘテロアリールチオ基;
【0023】
メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、t−ブチルスルフィニル基などのC1〜6アルキルスルフィニル基;
トリフルオロメチルスルフィニル基、2,2,2−トリフルオロエチルスルフィニル基などのC1〜6ハロアルキルスルフィニル基;
フェニルスルフィニル基などのC6〜10アリールスルフィニル基;
チアゾリルスルフィニル基、ピリジルスルフィニル基などの5〜6員ヘテロアリールスルフィニル基;
【0024】
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基などのC1〜6アルキルスルホニル基;
トリフルオロメチルスルホニル基、2,2,2−トリフルオロエチルスルホニル基などのC1〜6ハロアルキルスルホニル基;
フェニルスルホニル基などのC6〜10アリールスルホニル基;
チアゾリルスルホニル基、ピリジルスルホニル基などの5〜6員ヘテロアリールスルホニル基;
メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、t−ブチルスルホニルオキシ基などのC1〜6アルキルスルホニルオキシ基;
トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、2,2,2−トリフルオロエチルスルホニルオキシ基などのC1〜6ハロアルキルスルホニルオキシ基;
【0025】
トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などのトリC1〜6アルキル置換シリル基;
トリフェニルシリル基などのトリC6〜10アリール置換シリル基;
シアノ基;ニトロ基;
【0026】
また、これらの「置換基」は、当該置換基中のいずれかの水素原子が、異なる構造の基で置換されていてもよい。その場合の「置換基」としては、C1〜6アルキル基、C1〜6ハロアルキル基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6ハロアルコキシ基、ハロゲノ基、シアノ基、ニトロ基などを挙げることができる。
【0027】
また、上記の「3〜6員ヘテロシクリル基」とは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を環の構成原子として含むものである。ヘテロシクリル基は、単環および多環のいずれであってもよい。多環ヘテロシクリル基は、少なくとも一つの環がヘテロ環であれば、残りの環が飽和脂環、不飽和脂環または芳香環のいずれであってもよい。「3〜6員ヘテロシクリル基」としては、3〜6員飽和ヘテロシクリル基、5〜6員ヘテロアリール基、5〜6員部分不飽和ヘテロシクリル基などを挙げることができる。
【0028】
3〜6員飽和ヘテロシクリル基としては、アジリジニル基、エポキシ基、ピロリジニル基、テトラヒドロフラニル基、チアゾリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基などを挙げることができる。
【0029】
5員ヘテロアリール基としては、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基などを挙げることができる。
6員ヘテロアリール基としては、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基などを挙げることができる。
【0030】
〔R1
式(I)中のR1は、水素原子、置換もしくは無置換のC1〜6アルキル基、置換もしくは無置換のC2〜6アルケニル基、置換もしくは無置換のC6〜10アリールC1〜6アルキル基、または置換もしくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基を示す。
【0031】
1における「C1〜6アルキル基」としては、直鎖であってもよいし、炭素数が3以上であれば分岐鎖であってもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−プロピル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、i−ヘキシル基などを挙げることができる。
【0032】
「置換基を有するC1〜6アルキル基」の具体例としては、
フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、1−クロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、ペンタフルオロエチル基、4−フルオロブチル基、4−クロロブチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル基、パーフルオロプロパン−2−イル基、パーフルオロヘキシル基、パークロロヘキシル基、2,4,6−トリクロロヘキシル基などのC1〜6ハロアルキル基;
【0033】
ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基などのヒドロキシC1〜6アルキル基;
メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシ−n−プロピル基、n−プロポキシメチル基、i−プロポキシエチル基、s−ブトキシメチル基、t−ブトキシエチル基などのC1〜6アルコキシC1〜6アルキル基;
シクロプロピルメチル基、2−シクロプロピルエチル基、シクロペンチルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロオクチルエチル基などのC3〜8シクロアルキルC1〜6アルキル基;メチルチオメチル基、エチルチオエチル基などのC1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基;メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基などのC1〜6アルコキシカルボニルC1〜6アルキル基;トリメチルシリルオキシメチル、t−ブチルジメチルシリルオキシメチル基、t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル基などの置換シリルオキシC1〜6アルキル基;などを挙げることができる。
【0034】
1における「C1〜6アルキル基」上の置換基としては、好ましくはフルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基; 2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基などのC1〜6ハロアルコキシ基; シアノ基; メチルチオ基、エチルチオ基などのC1〜6アルキルチオ基;を挙げることができる。
【0035】
1における「C2〜6アルケニル基」としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基などを挙げることができる。
1における「C2〜6アルケニル基」上の置換基としては、好ましくはフルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基; 2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基などのC1〜6ハロアルコキシ基; シアノ基;を挙げることができる。
【0036】
1における「C6〜10アリールC1〜6アルキル基」としては、ベンジル基、フェネチル基などを挙げることができる。
1における「C6〜10アリールC1〜6アルキル基」上の置換基としては、好ましくはフルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基などのC1〜6アルキル基; 2−クロロ−n−プロピル基、2,3−ジクロロブチル基、トリフルオロメチル基などのC1〜6ハロアルキル基; メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基; 2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基などのC1〜6ハロアルコキシ基; シアノ基; ニトロ基; を挙げることができる。
【0037】
1における「C1〜6アルキルカルボニル基」としては、アセチル基、プロピオニル基などを挙げることができる。
1における「C1〜6アルキルカルボニル基」上の置換基としては、好ましくはフルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基; 2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基などのC1〜6ハロアルコキシ基; シアノ基;を挙げることができる。
【0038】
〔R2
式(I)中のR2は、置換もしくは無置換のC1〜8アルキル基、置換もしくは無置換のC3〜10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC6〜10アリール基、置換もしくは無置換のC6〜10アリールC1〜6アルキル基、または置換もしくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基を示す
2における、「置換もしくは無置換のC6〜10アリールC1〜6アルキル基」としては、R1において具体的に例示したそれらと同じものを挙げることができる。
【0039】
2における、「置換もしくは無置換のC1〜8アルキル基」としては、直鎖であってもよいし、炭素数が3以上であれば分岐鎖であってもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−プロピル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、2−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、i−ヘキシル基、2−メチルペンタン−2−イル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル基などを挙げることができる。
【0040】
「置換基を有するC1〜8アルキル基」の具体例としては、
フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、1−クロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、ペンタフルオロエチル基、4−フルオロブチル基、4−クロロブチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル基、パーフルオロプロパン−2−イル基、パーフルオロヘキシル基、パークロロヘキシル基、2,4,6−トリクロロヘキシル基などのC1〜8ハロアルキル基;
【0041】
ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基などのヒドロキシC1〜8アルキル基;
メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシ−n−プロピル基、n−プロポキシメチル基、i−プロポキシエチル基、s−ブトキシメチル基、t−ブトキシエチル基などのC1〜6アルコキシC1〜8アルキル基;
シクロプロピルメチル基、2−シクロプロピルエチル基、シクロペンチルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロオクチルエチル基などのC3〜8シクロアルキルC1〜8アルキル基;メチルチオメチル基、エチルチオエチル基などのC1〜6アルキルチオC1〜8アルキル基;メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基などのC1〜6アルコキシカルボニルC1〜8アルキル基;トリメチルシリルオキシメチル、t−ブチルジメチルシリルオキシメチル基、t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル基などの置換シリルオキシC1〜8アルキル基;などを挙げることができる。
【0042】
における「C1〜8アルキル基」上の置換基としては、好ましくはフルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基; 2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基などのC1〜6ハロアルコキシ基; シアノ基; メチルチオ基、エチルチオ基などのC1〜6アルキルチオ基;を挙げることができる。
【0043】
における「C3〜10シクロアルキル基」としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、キュバニル基などの単環のシクロアルキル基;ビシクロオクタニル基などのビシクロアルキル基; アダマンタン−1−イル基などのトリシクロアルキル基;などを挙げることができる。
【0044】
における「C6〜10アリール基」としては、フェニル基、ナフチル基などを挙げることができる。
【0045】
における「C3〜10シクロアルキル基」または「C6〜10アリール基」上の置換基としては、好ましくはフルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基などのC1〜6アルキル基; 2−クロロ−n−プロピル基、2,3−ジクロロブチル基、トリフルオロメチル基などのC1〜6ハロアルキル基; メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基; 2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基などのC1〜6ハロアルコキシ基; シアノ基; ニトロ基; を挙げることができる。
【0046】
2における「C1〜6アルコキシカルボニル基」としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などを挙げることができる。
2における「C1〜6アルコキシカルボニル基」上の置換基としては、好ましくはフルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基; 2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基などのC1〜6ハロアルコキシ基; シアノ基;を挙げることができる。
【0047】
〔R3
式(I)中のR3は、水素原子、置換もしくは無置換のC1〜6アルキル基、置換もしくは無置換のC2〜6アルケニル基、置換もしくは無置換のC2〜6アルキニル基、置換もしくは無置換のC6〜10アリールC1〜6アルキル基、置換もしくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基、または置換もしくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基を示す。
【0048】
3における、「置換もしくは無置換のC1〜6アルキル基」、「置換もしくは無置換のC2〜6アルケニル基」、「置換もしくは無置換のC6〜10アリールC1〜6アルキル基」、または「置換もしくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基」としては、R1において具体的に例示したそれらと同じものを挙げることができる。
3における、「置換もしくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基」としては、R2において具体的に例示したそれと同じものを挙げることができる。
【0049】
における「C2〜6アルキニル基」としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基などを挙げることができる。
における「C2〜6アルキニル基」上の置換基としては、好ましくはフルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基; 2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基などのC1〜6ハロアルコキシ基; シアノ基;を挙げることができる。
【0050】
2とR3は、一緒になって置換もしくは無置換のC3〜5アルキレン基であってもよい。
一緒になったR3とR2における、「C3〜5アルキレン基」としては、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基を挙げることができる。
「C3〜5アルキレン基」上の置換基としては、好ましくはフルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基などのC1〜6アルキル基; 2−クロロ−n−プロピル基、2,3−ジクロロブチル基、トリフルオロメチル基などのC1〜6ハロアルキル基; を挙げることができる。
【0051】
〔Q〕
式(I)中のQは、置換もしくは無置換のo−フェニレン基を示す。
「置換o−フェニレン基」におけるo−フェニレン基上の置換基としては、好ましくはフルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基などのC1〜6アルキル基; ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基(アリル基)、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基などのC2〜6アルケニル基; 2−クロロ−n−プロピル基、2,3−ジクロロブチル基、トリフルオロメチル基などのC1〜6ハロアルキル基; メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基; 2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、4,4,4−トリフルオロブトキシ基などのC1〜6ハロアルコキシ基; ベンジルオキシ基; シアノ基; ニトロ基; フェニル基などのC6〜10アリール基; シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などのC3〜6シクロアルキル基; メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、i−プロピルチオ基などをのC1〜6アルキルチオ基; メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、t−ブチルスルフィニル基などのC1〜6アルキルスルフィニル基; メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などのC1〜6アルコキシカルボニル基; メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基などのC1〜6アルコキシカルボニルC1〜6アルキル基; などを挙げることができる。
【0052】
〔A〕
式(I)中のAは、置換もしくは無置換のo−フェニレン基、置換もしくは無置換の5〜6員ヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換のベンジレン基、置換もしくは無置換のジメチレン基、または1,2−シクロプロピレン基を示す。
【0053】
Aにおける、「置換o−フェニレン基」中のo−フェニレン基上の置換基としては、上記の「Q」において、o−フェニレン基上の置換基として具体的に例示したそれらと同じものを挙げることができる。
「5〜6員ヘテロアリーレン基」は、ヘテロアリール化合物中の水素原子2個が外れてなる2価の基である。ヘテロアリール化合物は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を環の構成原子として含む芳香族化合物である。
5〜6員ヘテロアリーレン基としては、チオフェンジイル基(具体的には、2,3−チオフェンジイル基、3,4−チオフェンジイル基を挙げることができる。)、フランジイル基、ピロールジイル基などの5員ヘテロアリーレン基;ピリジレン基、ピラジレン基、ピリミジレン基、ピリダジレン基などの6員ヘテロアリーレン基; を挙げることができる。
「置換5〜6員ヘテロアリーレン基」における5〜6員ヘテロアリーレン基上の置換基としては、上記のo−フェニレン基において具体的に例示したそれらと同じものを挙げることができる。
【0054】
「ベンジレン基」は、式(II)で表される基である。
【0055】
【化3】
【0056】
式(II)中の、*を付した炭素原子は、オキサジアゾリン環中のスピロ炭素に結合する炭素原子を示し、且つ**を付した炭素原子は、式(I)中の「B」に結合する炭素原子を示す。
「置換ベンジレン基」におけるベンジレン基上の置換基としては、上記のo−フェニレン基において具体的に例示したそれらと同じものを挙げることができる。
【0057】
「置換ジメチレン基」におけるジメチレン基上の置換基としては、上記のo−フェニレン基において具体的に例示したそれらと同じものを挙げることができる。
置換基が同一炭素上に複数ある場合、それらが一緒になって2価の置換基を形成してもよい。形成する2価の置換基としては、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等のC2〜5アルキレン基を挙げることができる。
【0058】
〔B〕
式(I)中のBは、単結合、オキシ基、置換もしくは無置換のオキシメチレン基、置換もしくは無置換のメチレンオキシ基、置換もしくは無置換のチオメチレン基、置換もしくは無置換のメチレンチオ基、置換もしくは無置換のメチレン基、置換もしくは無置換のジメチレン基、または置換もしくは無置換のビニレン基、チオ基、置換もしくは無置換のスルホニルメチレン基、置換もしくは無置換のメチレンスルホニル基、置換もしくは無置換のトリメチレン基、置換もしくは無置換のオキシエチレン基、置換もしくは無置換のエチレンオキシ基、置換もしくは無置換のプロペニレン基、置換もしくは無置換のオキシメチレンオキシ基、式:−NRa−で表される基、式:−CH2−NRa−で表される基、または式:−NRa−CH2−で表される基を示す。
【0059】
「無置換のオキシメチレン基」は、具体的には、式:*O−CH2**で表される基である。
「無置換のメチレンオキシ基」は、式:*CH2−O**で表される基である。
「無置換のチオメチレン基」は、具体的には、式:*S−CH2**で表される基である。
「無置換のメチレンチオ基」は、式:*CH2−S**で表される基である。
「無置換のスルホニルメチレン基」は、具体的には、式:*SO2−CH2**で表される基である。
「無置換のメチレンスルホニル基」は、式:*CH2−SO2**で表される基である。
「無置換のオキシエチレン基」は、具体的には、式:*O−CHCH2**で表される基である。
「無置換のエチレンオキシ基」は、式:*CHCH2−O**で表される基である。
「無置換のオキシメチレンオキシ基」は、式:*O−CH−O**で表される基である。
いずれも式中の、*を付した原子は、式(I)中の「A」に結合する原子を示す。**を付した原子は、式(I)中の「Q」に結合する原子を示す。
【0060】
aは、水素原子、または置換もしくは無置換のC1〜6アルキル基を示す。
aにおける「C1〜6アルキル基」としては、上記のR1において具体的に例示したそれらと同じものを挙げることができる。
【0061】
「置換オキシメチレン基」、「置換メチレンオキシ基」、「置換チオメチレン基」、「置換メチレンチオ基」、「置換メチレン基」、「置換ジメチレン基」、「置換ビニレン基」、「置換トリメチレン基」、「置換オキシエチレン基」、「置換エチレンオキシ基」、「置換プロペニレン基」、または「置換オキシメチレンオキシ基」における各基上の置換基としては、上記のo−フェニレン基において具体的に例示したそれらと同じものを挙げることができる。置換基が同一炭素上に複数ある場合、それらが一緒になって2価の置換基を形成してもよい。形成する2価の置換基としては、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等のC2〜5アルキレン基を挙げることができる。
【0062】
各基上の好ましい置換基の具体例としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基などのC1〜6アルキル基; シアノ基; などを挙げることができる。
【0063】
本発明のオキサジアゾリン化合物のうち、式(I)において、QおよびAがいずれもo−フェニレン基であり、且つBが無置換のオキシメチレン基、無置換のメチレンオキシ基、置換もしくは無置換のジメチレン基、または置換もしくは無置換のビニレン基である化合物(式(I-2)で表される化合物)が好ましい。
【0064】
【化4】
【0065】
なお、式(I-2)中、R1〜R3は、式(I)中のそれらと同じ意味を示し、
qは、o−フェニレン基上の置換基を示し、
mは、置換基の数を表し、0〜4のいずれかの整数を示し、
aは、o−フェニレン基上の置換基を示し、
nは、置換基の数を表し、0〜4のいずれかの整数を示し、且つ
は、置換もしくは無置換のオキシメチレン基、置換もしくは無置換のメチレンオキシ基、置換もしくは無置換のジメチレン基、または置換もしくは無置換のビニレン基を示す。
置換基Xq、Xaの具体例としては、上記の〔Q〕でo−フェニレン基上の置換基として具体的に例示したそれらと同じものを挙げることができる。
【0066】
本発明のオキサジアゾリン化合物のうち、式(I)において、QおよびAがいずれもo−フェニレン基であり、且つBが無置換のオキシメチレン基または無置換のメチレンオキシ基である化合物(式(I-1)で表される化合物)が好ましい。
【0067】
【化5】
【0068】
なお、式(I-1)中、R1〜R3は、式(I)中のそれらと同じ意味を示し、
qは、o−フェニレン基上の置換基を示し、
mは、置換基の数を表し、0〜4のいずれかの整数を示し、
aは、o−フェニレン基上の置換基を示し、且つ
nは、置換基の数を表し、0〜4のいずれかの整数を示す。
置換基Xq、Xaの具体例としては、上記の〔Q〕でo−フェニレン基上の置換基として具体的に例示したそれらと同じものを挙げることができる。
【0069】
化合物(I)の塩は、農園芸学的に許容される塩であれば、特に制限されない。化合物(I)の塩としては、例えば、塩酸、硫酸などの無機酸の塩; 酢酸、乳酸などの有機酸の塩; リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の塩; カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩;鉄、銅などの遷移金属の塩; アンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ヒドラジンなどの有機塩基の塩などを挙げることができる。
【0070】
化合物(I)または化合物(I)の塩は、その製造方法によって特に限定されない。例えば、本発明の化合物(I)または化合物(I)の塩は、実施例等に記載した公知の製造方法によって得ることができる。また、化合物(I)の塩は、化合物(I)から公知の手法によって得ることができる。
【0071】
本発明のオキサジアゾリン化合物は、植物の生育に影響する各種の農業害虫およびダニ類などの有害生物の防除効果に優れている。
また、本発明のオキサジアゾリン化合物は、作物に対する薬害が少なく、魚類や温血動物への毒性が低いため、安全性の高い物質である。そのため、殺虫剤または殺ダニ剤の有効成分として有用である。
さらに、近年、コナガ、ウンカ、ヨコバイ、アブラムシなど多くの害虫において各種既存薬剤に対する抵抗性が発達し、それら薬剤の効力不足問題を生じており、抵抗性系統の害虫にも有効な薬剤が望まれている。本発明のオキサジアゾリン化合物は、感受性系統のみならず、各種抵抗性系統の害虫や、さらに殺ダニ剤抵抗性系統のダニ類にも優れた防除効果を示す。本発明のオキサジアゾリン化合物は、アザミウマ目害虫に対して優れた防除効果を示す。
【0072】
本発明のオキサジアゾリン化合物は、人獣に害を及ぼす外部寄生虫の防除効果に優れている。また、魚類や温血動物への毒性が低いため、安全性の高い物質である。そのため、外部寄生虫の防除剤の有効成分として有用である。
【0073】
また、本発明のオキサジアゾリン化合物は、防除の対象となる生物のすべての発育ステージにおいて効力を示し、例えば、ダニ、昆虫などの卵、若虫、幼虫、蛹、成虫に対して優れた防除効果を示す。
【0074】
〔有害生物防除剤、殺虫剤、殺ダニ剤、アザミウマ目害虫防除剤〕
本発明の有害生物防除剤、または殺虫剤、殺ダニ剤もしくはアザミウマ目害虫防除剤は、本発明のオキサジアゾリン化合物から選ばれる少なくともひとつを有効成分として含有するものである。本発明の有害生物防除剤、または殺虫もしくは殺ダニ剤に含まれるオキサジアゾリン化合物の量は有害生物、農業害虫もしくはダニ類の防除効果を示す限りにおいて特に制限されない。
【0075】
本発明の有害生物防除剤、または殺虫剤、殺ダニ剤もしくはアザミウマ目害虫防除剤は、穀物類;野菜類;根菜類;イモ類;花卉類;果樹類;観葉植物、茶、コーヒー、カカオなどの樹木類;牧草類;芝類;ワタなどの植物に対して用いることが好ましい。
植物への施用において、本発明の有害生物防除剤、または殺虫剤、殺ダニ剤もしくはアザミウマ目害虫防除剤は、葉、茎、柄、花、蕾、果実、種子、スプラウト、根、塊茎、塊根、苗条、挿し木などのいずれの部位に用いてもよい。
また、本発明の有害生物防除剤、または殺虫剤、殺ダニ剤もしくはアザミウマ目害虫防除剤は、施用される植物の種によって特に制限されない。植物の種としては、例えば、原種、変種、改良品種、栽培品種、突然変異体、ハイブリッド体、遺伝子組み換え体(GMO)などを挙げることができる。
【0076】
本発明の有害生物防除剤は、各種の農業害虫およびダニ類を防除するために、種子処理、茎葉散布、土壌施用、水面施用などに使用することができる。
【0077】
本発明の有害生物防除剤によって防除可能な各種の農業害虫およびダニ類の具体例を以下に示す。
【0078】
(1)鱗翅目(Lepidoptera)のチョウまたは蛾
(a)ヒトリガ科(Arctiidae)のガ、例えば、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)、クワゴマダラヒトリ(Lemyra imparilis);
(b)チビガ科(Bucculatricidae)のガ、例えば、ナシチビガ(Bucculatrix pyrivorella);
(c)シンクイガ科(Carposinidae)、例えば、モモシンクイガ(Carposina sasakii);
(d)ツトガ科(Crambidae)のガ、例えば、ジアファニア属種(Diaphania spp.)の、ワタヘリクロノメイガ(Diaphania indica)、アメリカウリノメイガ (Diaphania nitidalis);例えば、オストリニア属種(Ostrinia spp.)の、アワノメイガ(Ostrinia furnacalis)、ヨーロピアンコーンボーラー(Ostrinia nubilalis)、アズキノメイガ(Ostrinia scapulalis);その他、ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、モモノゴマダラノメイガ(Conogethes punctiferalis)、サウスウエスタンコーンボーラー(Diatraea grandiosella)、クワノメイガ(Glyphodes pyloalis)、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)、シバツトガ(Parapediasia teterrella);
(e)キバガ科(Gelechiidae)のガ、例えば、イモキバガ(Helcystogramma triannulella)、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)、ジャガイモキバガ(Phthorimaea operculella)、バクガ(Sitotroga cerealella);
(f)シャクガ科(Geometridae)のガ、例えば、ヨモギエダシャク(Ascotis selenaria);
(g)ホソガ科(Gracillariidae)のガ、例えば、チャノホソガ(Caloptilia theivora)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoniella);
(h)セセリチョウ科(Hesperiidae)のチョウ、例えば、イチモンジセセリ(Parnara guttata);
(i)カレハガ科(Lasiocampidae)のガ、例えば、オビカレハ(Malacosoma neustria);
(j)ドクガ科(Lymantriidae)のガ、例えば、リマントリア属種(Lymantria spp.)の、マイマイガ(Lymantria dispar)、ノンネマイマイ(Lymantria monacha);その他の、チャドクガ(Euproctis pseudoconspersa)、ヒメシロモンドクガ(Orgyia thyellina);
【0079】
(k)モグリガ科(Lyonetiidae )のガ、例えば、リオネチア属種(Lyonetia spp.)の、モモハモグリガ(Lyonetia clerkella)、ギンモンハモグリガ(Lyonetia prunifoliella malinella);
(l)ヤガ科(Noctuidae)のガ、例えば、スポドプテラ属種(Spodoptera spp.)の、スジキリヨトウ(Spodoptera depravata)、サザンアーミーワーム(Spodoptera eridania)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、ツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)、アフリカヨトウ(Spodoptera littoralis)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura);例えば、オートグラファ属種(Autographa spp.)の、ガマキンウワバ (Autographa gamma)、タマナギンウワバ(Autographa nigrisigna);例えば、アグロチス属種(Agrotis spp.)の、タマナヤガ(Agrotis ipsilon)、カブラヤガ(Agrotis segetum);例えば、ヘリコベルパ属種(Helicoverpa spp.)の、オオタバコガ(Helicoverpa armigera)、タバコガ(Helicoverpa assulta)、コットンボールワーム(Helicoverpa zea);例えば、ヘリオチス属種(Heliothis spp.)の、ワタキバガ (Heliothis armigera)、ニセアメリカタバコガ(Heliothis virescens);その他の、ナカジロシタバ(Aedia leucomelas)、ミツモンキンウワバ(Ctenoplusia agnata)、アケビコノハ(Eudocima tyrannus)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、アワヨトウ(Mythimna separata)、フタオビコヤガ(Naranga aenescens)、マツキリガ(Panolis japonica)、ニセタマナヤガ(Peridroma saucia)、ソイビーンルーパー(Pseudoplusia includens)、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni);
(m)コブガ科(Nolidae) のガ、例えば、ミスジアオリンガ (Earias insulana);
(n)シロチョウ科(Pieridae)のチョウ、例えば、モンシロチョウ属種(Pieris spp.)のオオモンシロチョウ(Pieris brassicae)、モンシロチョウ(Pieris rapae crucivora);
(o)コナガ科(Plutellidae)のガ、例えば、アクロレピオプシス属種(Acrolepiopsis spp.)の、ネギコガ(Acrolepiopsis sapporensis)、ヤマノイモコガ(Acrolepiopsis suzukiella);その他、コナガ(Plutella xylostella);
(p)メイガ科(Pyralidae)のガ、例えば、スジマダラメイガ(Cadra cautella)、モロコシマダラメイガ(Elasmopalpus lignosellus)、シロイチモジマダラメイガ(Etiella zinckenella)、ハチノスツヅリガ (Galleria mellonella);
(q)スズメガ科(Sphingidae)のガ、例えば、マンジュカ属種(Manduca spp.)の、トマトホーンワーム(Manduca quinquemaculata)、タバコホーンワーム(Manduca sexta);
【0080】
(r)ニセマイコガ科(Stathmopodidae)のガ、例えば、カキノヘタムシガ(Stathmopoda masinissa);
(s)ヒロズコガ科(Tineidae)のガ、例えば、イガ(Tinea translucens);
(t)ハマキガ科(Tortricidae)のガ、例えば、アドキソフィエス属種(Adoxophyes spp.)の、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana);例えば、アルチプス属種(Archips spp.)の、リンゴモンハマキ(Archips breviplicanus)、ミダレカクモンハマキ(Archips fuscocupreanus);その他の、トウヒノシントメハマキ (Choristoneura fumiferana)、コドリンガ(Cydia pomonella)、ブドウホソハマキ (Eupoecilia ambiguella)、ナシヒメシンクイ(Grapholitha molesta)、チャハマキ(Homona magnanima)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella)、ホソバヒメハマキ(Lobesia botrana)、マメヒメサヤムシガ(Matsumuraeses phaseoli)、トビハマキ(Pandemis heparana)、テングハマキ(Sparganothis pilleriana);
(u)スガ科(Yponomeutidae)のガ、例えば、リンゴヒメシンクイ(Argyresthia conjugella)。
【0081】
(2)アザミウマ目(Thysanoptera)害虫
(a)クダアザミウマ科(Phlaeothripidae)の、例えば、カキクダアザミウマ(Ponticulothripsdiospyrosi);
(b)アザミウマ科(Thripidae)の、例えば、フランクリニェラ属種(Frankliniella spp.)の、ヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis);例えば、トリプス属種(Thrips spp.)の、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci);その他の、クロトンアザミウマ(Heliothrips haemorrhoidalis)、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)。
【0082】
(3)カメムシ目(Hemiptera)の害虫
(A)頸吻亜目(Archaeorrhyncha)
(a)ウンカ科(Delphacidae)の、例えば、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatella)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、クロフツノウンカ(Perkinsiella saccharicida)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)。
【0083】
(B)頸吻亜目(Clypeorrhyncha)
(a)ヨコバイ科(Cicadellidae)の、例えば、エンポアスカ属種(Empoasca spp.)の、ジャガイモヒメヨコバイ(Empoasca fabae)、カキノヒメヨコバイ(Empoasca nipponica)、チャノミドリヒメヨコバイ(Empoasca onukii)、マメノミドリヒメヨコバイ(Empoasca sakaii)、;その他の、フタテンヒメヨコバイ(Arboridia apicalis)、ミドリナガヨコバイ(Balclutha saltuella)、フタテンオオヨコバイ(Epiacanthus stramineus)、ヒメフタテンヨコバイ(Macrosteles striifrons)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cinctinceps)。
【0084】
(C)カメムシ亜目(Heteroptera)
(a)ホソヘリカメムシ科(Alydidae)の、例えば、ホソヘリカメムシ(Riptortus clavatus);
(b)ヘリカメムシ科(Coreidae)の、例えば、ホソハリカメムシ(Cletus punctiger)、クモヘリカメムシ(Leptocorisa chinensis);
(c)ナガカメムシ科(Lygaeidae)の、例えば、アメリカコバネナガカメムシ (Blissus
leucopterus)、カンシャコバネナガカメムシ(Cavelerius saccharivorus)、コバネヒョウタンナガカメムシ(Togo hemipterus);
(d)カスミカメムシ科(Miridae)の、例えば、クロトビカスミカメ(Halticus insularis)、サビイロカスミカメ (Lygus lineolaris)、コットンフリーホッパー(Psuedatomoscelisseriatus)、ナガムギカスミカメ(Stenodema sibiricum)、アカスジカスミカメ(Stenotus rubrovittatus)、イネホソミドリカスミカメ(Trigonotylus caelestialium);
【0085】
(e)カメムシ科(Pentatomidae)の、例えば、ネザラ属種(Nezara spp.)の、アオクサカメムシ(Nezara antennata)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula);例えば、シラホシカメムシ属種(Eysarcoris spp.)の、トゲシラホシカメムシ(Eysarcoris aeneus)、オオトゲシラホシカメムシ(Eysarcoris lewisi)、シラホシカメムシ(Eysarcoris ventralis)、その他の、ブチヒゲカメムシ(Dolycoris baccarum)、ナガメ(Eurydema rugosum)、ツヤアオカメムシ(Glaucias subpunctatus)、サギカメムシ(Halyomorpha halys)、クイチモンジカメムシ(Piezodorus hybneri)、チャバネアオカメムシ(Plautia crossota)、イネクロカメムシ(Scotinophora lurida);
(f)ホシカメムシ科(Pyrrhocoridae)の、例えば、アカホシカメムシ(Dysdercus cingulatus);
(g)ヒメヘリカメムシ科(Rhopalidae)の、例えば、アカヒメヘリカメムシ(Rhopalus msculatus);
(h)キンカメムシ科(Scutelleridae)の、例えば、ムギチャイロカメムシ(Eurygaster
integriceps);
(i)グンバイムシ科(Tingidae)の、例えば、ナシグンバイ(Stephanitis nashi)。
【0086】
(D)腹吻亜目(Sternorrhyncha)
(a)カサアブラムシ科(Adelgidae)の、例えば、カラマツカサアブラムシ(Adelges laricis);
(b)コナジラミ科(Aleyrodidae)例えば、ベミシア属種(Bemisia spp.)の、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolii)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci);その他の、ミカントゲコナジラミ(Aleurocanthus spiniferus)、ミカンコナジラミ(Dialeurodes citri)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum);
(c)アブラムシ科(Aphididae)、例えば、アフィス属種(Aphis spp.)の、マメアブラムシ(Aphis craccivora)、マメクロアブラムシ(Aphis fabae)、イチゴネアブラムシ(Aphis forbesi)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、ヨーロッパリンゴアブラムシ(Aphis pomi)、ニワトコアブラムシ(Aphis sambuci)、ユキヤナギアブラムシ(Aphis spiraecola);例えば、ロパロシフム属種(Rhopalosiphum spp.)の、トウモロコシアブラムシ(Rhopalosiphum maidis)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi);例えば、ジサフィス属種(Dysaphis spp.)の、オオバコアブラムシ(Dysaphis plantaginea)、ギシギシネアブラムシ(Dysaphis radicola);例えば、マクロシフム属種(Macrosiphum spp.)の、ムギヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum avenae)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae);例えば、ミズス属種(Myzus spp.)の、ニワウメクロコブアブラムシ (Myzus cerasi)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、カワリコブアブラムシ(Myzus varians);その他の、エンドウヒゲナガアブラムシ(Acyrthosiphon pisum)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、ムギワラギクオマルアブラムシ(Brachycaudus helichrysi)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、イチゴケナガアブラムシ(Chaetosiphon fragaefolii)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus pruni)、チシャミドリアブラムシ(Hyperomyzus lactucae)、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis erysimi)、ソラマメヒゲナガアブラムシ(Megoura viciae)、ムギウスイロアブラムシ(Metopolophium dirhodum)、レタスアブラムシ(Nasonovia ribis-nigri)、ホップイボアブラムシ(Phorodon humuli)、ムギミドリアブラムシ(Schizaphis graminum)、ムギヒゲナガアブラムシ(Sitobion avenae)、コミカンアブラムシ(Toxoptera aurantii);
【0087】
(d)カタカイガラムシ科(Coccidae)の、例えば、セロプラスター属種(Ceroplastes spp.)の、ツノロウムシ(Ceroplastes ceriferus)、ルビーロウムシ(Ceroplastes rubens);
(e)マルカイガラムシ科(Diaspididae)の、シューダウラカスピス属種(Pseudaulacaspisspp.)の、クワシロカイガラムシ(Pseudaulacaspispentagona)、ウメシロカイガラムシ(Pseudaulacaspisprunicola);例えば、ウナスピス属種(Unaspis spp.)の、マサキナガカイガラムシ(Unaspis euonymi)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis);その他の、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)、ナシマルカイガラムシ(Comstockaspis perniciosa)、チャコノハカイガラムシ(Fiorinia theae)、チャノマルカイガラムシ(Pseudaonidia paeoniae);
(f)ワタフキカイガラムシ科(Margarodidae)の、例えば、オオワラジカイガラムシ(Drosicha corpulenta)、イセリアカイガラムシ(Icerya purchasi);
(g)ネアブラムシ科(Phylloxeridae)の、例えば、ブドウネアブラムシ(Viteus vitifolii);
(h)コナカイガラムシ科(Pseudococcidae )の、例えば、プラノコッカス属種(Planococcus spp.)の、ミカンコナカイガラムシ(Planococcus citri)、フジコナカイガラムシ(Planococcus kuraunhiae);その他の、ナスコナカイガラムシ(Phenacoccus solani)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus comstocki);
(i)キジラミ科(Psyllidae)の、例えば、プスルラ属種(Psylla spp.)の、リンゴキジラミ(Psylla mali)、ナシキジラミ(Psylla pyrisuga);その他の、ミカンキジラミ(Diaphorina citri)。
【0088】
(4)カブトムシ亜目(Polyphaga)の害虫
(a)シバンムシ科(Anobiidae)の、例えば、タバコシバンムシ(Lasioderma serricorne);
(b)オトシブミ科(Attelabidae)の、例えば、ドロハマキチョッキリ(Byctiscus betulae)、モモチョッキリゾウムシ(Rhynchites heros);
(c)ナガシンクイムシ科(Bostrichidae)の、例えば、ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus);
(d)ミツギリゾウムシ科(Brentidae)の、例えば、アリモドキゾウムシ(Cylas formicarius);
(e)タマムシ科(Buprestidae )の、例えば、アカバナガタマムシ (Agrilus sinuatus);
(f)カミキリムシ科(Cerambycidae)の、例えば、ゴマダラカミキリ(Anoplophora malasiaca)、マツノマダラカミキリ(Monochamus alternatus)、キボシカミキリ(Psacothea hilaris)、ブドウトラカミキリ(Xylotrechus pyrrhoderus);
(g)ハムシ科(Chrysomelidae)の、例えば、ブルクス属種(Bruchus spp.)の、エンドウマメゾウムシ (Bruchus pisorum)、ソラマメゾウムシ (Bruchus rufimanus);例えば、ジアブロチカ属種(Diabrotica spp.)の、ノーザンコーンルートワーム(Diabrotica barberi)、サザンコーンルートワーム(Diabrotica undecimpunctata)、ウエスタンコーンルートワーム(Diabrotica virgifera);例えば、フィロトレタ属種(Phyllotreta spp.)の、ノミトビヨロイムシ(Phyllotreta nemorum)、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata);その他の、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)、カメノコハムシ(Cassida nebulosa)、テンサイトビハムシ(Chaetocnema concinna)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、イネクビホソハムシ(Oulema oryzae)、ナスナガスネトビハムシ(Psylliodes angusticollis);
【0089】
(h)テントウムシ科(Coccinellidae)の、例えば、エピラクナ属種(Epilachna spp.)の、インゲンテントウ(Epilachna varivestis)、ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata);
(i)ゾウムシ科(Curculionidae)の、例えば、アントノムス属種(Anthonomus spp.)の、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis)、ナシハナゾウムシ (Anthonomus pomorum);例えば、シトフィルスコクゾウムシ属種(Sitophilus spp.)の、グラナリーウィービル(Sitophilus granarius)、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais);その他の、イネゾウムシ(Echinocnemus squameus)、イモゾウムシ(Euscepes postfasciatus)、マツアナアキゾウムシ(Hylobius abietis)、アルファルファタコゾウムシ(Hypera postica)、イネミズゾウムシ(Lissohoptrus oryzophilus)、キンケクチブトゾウムシ(Otiorhynchus sulcatus)、アカアシチビコフキゾウムシ (Sitona lineatus)、シバオサゾウムシ(Sphenophorus venatus);
(j)コメツキムシ科(Elateridae)の、例えば、メラノツス属種(Melanotus spp.)の、マルクビクシコメツキ(Melanotus fortnumi)、カンシャクシコメツキ(Melanotus tamsuyensis);
(k)ケシキスイ科(Nitidulidae)の、例えば、ヒメヒラタケシキスイ(Epuraea domina);
(l)コガネムシ科(Scarabaeidae)の、例えば、アノマラ属種(Anomala spp.)の、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea);その他の、キンイロハナムグリ(Cetonia aurata)、コアオハナムグリ(Gametis jucunda)、ナガチャコガネ(Heptophylla picea)、ヨーロッパコフキコガネ (Melolontha melolontha)、マメコガネ(Popillia japonica);
(m)キクイムシ科(Scolytidae)の、例えば、ヤツバキクイ (Ips typographus);
(n)ハネカクシ科(Staphylinidae)の、例えば、アオバアリガタハネカクシ(Paederus fuscipes);
(o)ゴミムシダマシ科(Tenebrionidae)の、例えば、チャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum);
(p)コクヌスト科(Trogossitidae)の、例えば、コクヌスト(Tenebroides mauritanicus)。
【0090】
(5)ハエ目(Diptera)の害虫
(A)ハエ亜目(Brachycera)
(a)ハモグリバエ科(Agromyzidae)の、例えば、リリオマイザ属種(Liriomyza spp.)の、ナスハモグリバエ(Liriomyza bryoniae)、ネギハモグリバエ(Liriomyza chinensis)、トマトハモグリバエ(Liriomyza sativae)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii);その他の、ナモグリバエ(Chromatomyia horticola)、イネハモグリバエ(Agromyza oryzae);
(b)ハナバエ科(Anthomyiidae)の、例えば、デリア属種(Delia spp.)の、タネバエ(Delia platura)、キャベツハナバエ (Delia radicum);その他の、テンサイモグリハナバエ(Pegomya cunicularia);
(c)ショウジョウバエ科(Drosophilidae)の、例えば、ショウジョウバエ属種(Drosophila spp.)の、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)、オウトウショウジョウバエ(Drosophila suzukii);
(d)ミギワバエ科(Ephydridae)の、例えば、イネヒメハモグリバエ(Hydrellia griseola);
(e)ハネオレバエ科(Psilidae)の、例えば、ニンジンサビバエ (Psila rosae);
(f)ミバエ科(Tephritidae)の、例えば、バクトロセラ属種(Bactrocera spp.)の、ウリミバエ(Bactrocera cucurbitae)、ミカンコミバエ(Bactrocera dorsalis);例えば、ラゴレチス属種(Rhagoletis spp.)の、ヨーロッパオウトウミバエ (Rhagoletis cerasi)、リンゴミバエ (Rhagoletis pomonella);その他の、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)、オリーブミバエ(Dacus oleae)。
【0091】
(B)カ亜目(Nematocera)
(a)タマバエ科(Cecidomyiidae)の、例えば、ダイズサヤタマバエ(Asphondylia yushimai)、ソルガムタマバエ(Contarinia sorghicola)、ヘシアンバエ(Mayetiola destructor)、ムギアカタマバエ(Sitodiplosis mosellana)。
【0092】
(6)バッタ目(Orthoptera)の害虫
(a)バッタ科(Acrididae)の、例えば、スキストセルカ属種(Schistocerca spp.)の、アメリカイナゴ (Schistocerca americana)、サバクトビバッタ (Schistocerca gregaria);その他の、オーストラリアトビバッタ(Chortoicetes terminifera)、モロッコイナゴ (Dociostaurus maroccanus)、トノサマバッタ(Locusta migratoria)、ブラウンイナゴ(Locustana pardalina)、アカトビバッタ (Nomadacris septemfasciata)、コバネイナゴ(Oxya yezoensis);
(b)コオロギ科(Gryllidae)の、例えば、ヨーロッパイエコオロギ (Acheta domestica)、エンマコオロギ(Teleogryllus emma);
(c)ケラ科(Gryllotalpidae)の、例えば、ケラ(Gryllotalpa orientalis);
(d)キリギリス科(Tettigoniidae)の、例えば、クラズミウマ (Tachycines asynamorus)。
【0093】
(7)ダニ類(Acari)
(A)無気門目(Astigmata)のコナダニ類(Acaridida)
(a)コナダニ科(Acaridae)のダニ、例えば、リゾギルホス属種(Rhizoglyphus spp.)の、ネダニ(Rhizoglyphus echinopus)、ロビンネダニ(Rhizoglyphus robini);例えば、ケナガコナダニ属種(Tyrophagus spp.)の、オンシツケナガコナダニ(Tyrophagus neiswanderi)、オオケナガコナダニ(Tyrophagus perniciosus)、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)、ホウレンソウケナガコナダニ(Tyrophagus similis);その他、アシブトコナダニ(Acarus siro)、ムギコナダニ(Aleuroglyphus ovatus)、ニセケナガコナダニ(Mycetoglyphus fungivorus);
【0094】
(B)前気門目(Prostigmata)のケダニ類(Actinedida)
(a)ハダニ科(Tetranychidae)のダニ、例えば、ブリオビア属種(Bryobia spp.)の、クローバーハダニ(Bryobia praetiosa)、ニセクローバーハダニ(Bryobia rubrioculus);例えば、エオテトラニクス属種(Eotetranychus spp.)の、コウノシロハダニ(Eotetranychus asiaticus)、アンズハダニ(Eotetranychus boreus)、エノキハダニ(Eotetranychus celtis)、ミチノクハダニ(Eotetranychus geniculatus)、ミヤケハダニ(Eotetranychus kankitus)、クリハダニ(Eotetranychus pruni)、シイノキハダニ(Eotetranychus shii)、スミスハダニ(Eotetranychus smithi)、スギナミハダニ(Eotetranychus suginamensis)、クルミハダニ(Eotetranychus uncatus);例えば、オリゴニクス属種(Oligonychus spp.)の、スギノハダニ(Oligonychus hondoensis)、チビコブハダニ(Oligonychus ilicis)、カラマツハダニ(Oligonychus karamatus)、マンゴーハダニ(Oligonychus mangiferus)、サトウキビハダニ(Oligonychus orthius)、アボガドハダニ(Oligonychus perseae)、エゾスギハダニ(Oligonychus pustulosus)、イネハダニ(Oligonychus shinkajii)、トドマツハダニ(Oligonychus ununguis);例えば、パノニクス属種(Panonychus spp.)の、ミカンハダニ(Panonychus citri)、クワオオハダニ(Panonychus mori)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi);例えば、テトラニクス属種(Tetranychus spp.)の、ニセナミハダニ(Tetranychus cinnabarinus)、ミツユビナミハダニ(Tetranychus evansi)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、アシノワハダニ(Tetranychus ludeni)、ミズナラハダニ(Tetranychus quercivorus)、サガミハダニ(Tetranychus phaselus)、ナミハダニ(Tetranychus urticae)、オウトウハダニ(Tetranychus viennensis);例えば、アポニクス属(Aponychus spp.)の、イトマキハダニ(Aponychus corpuzae)、タイリクハダニ(Aponychus firmianae);例えば、ミドリハダニ属(Sasanychus spp.)の、ミドリハダニ(Sasanychus akitanus)、ヒメミドリハダニ(Sasanychus pusillus);例えば、シゾテトラニクス属(Shizotetranychusspp.)の、タケスゴモリハダニ(Shizotetranychuscelarius)、ケナガスゴモリハダニ(Shizotetranychuslongus)、ススキスゴモリハダニ(Shizotetranychusmiscanthi)、ヒメササハダニ(Shizotetranychusrecki)、ヤナギハダニ(Shizotetranychusschizopus);その他、カタバミハダニ(Tetranychina harti)、ナミケナガハダニ(Tuckerella pavoniformis)、ケウスハダニ(Yezonychus sapporensis);
【0095】
(b)ヒメハダニ科(Tenuipalpidae)のダニ、例えば、ブレビパルプス属種(Brevipalpus spp.)の、ブドウヒメハダニ(Brevipalpus lewisi)、チャノヒメハダニ(Brevipalpus obovatus)、ミナミヒメハダニ(Brevipalpus phoenicis)、サボテンヒメハダニ(Brevipalpus russulus)、オンシツヒメハダニ(brevipalpus californicus);例えば、テニパルプス属種(Tenuipalpus spp.)の、ランヒメハダニ(Tenuipalpus pacificus)、カキヒメハダニ(Tenuipalpus zhizhilashviliae);その他、パイナップルヒメハダニ(Dolichotetranychus floridanus);
(c)フシダニ科(Eriophyidae)のダニ、例えば、アセリア属種(Aceria spp.)の、カキサビダニ(Aceria diospyri)、イチジクモンサビダニ(Aceria ficus)、クリフシダニ(Aceria japonica)、クコフシダニ(Aceria kuko)、カーネーションサビダニ(Aceria paradianthi)、クコハモグリダニ(Aceria tiyingi)、チューリップサビダニ(Aceria tulipae)、シバハマキフシダニ(Aceria zoysiea);例えば、エリオフィエス属種(Eriophyes spp.)の、ニセナシサビダニ(Eriophyes chibaensis)、ウメフシダニ(Eriophyes emarginatae);例えばアクロプス属種(Aculops spp.)の、トマトサビダニ(Aculops lycopersici)、ミカンサビダニ(Aculops pelekassi);例えば、アクルス属種(Aculus spp.)の、モモサビダニ(Aculus fockeui)、リンゴサビダニ(Aculus schlechtendali);その他、チャノナガサビダニ(Acaphylla theavagrans)、チャノサビダニ(Calacarus carinatus)、ブドウハモグリダニ(Colomerus vitis)、ブドウサビダニ(Calepitrimerus vitis)、ナシサビダニ(Epitrimerus pyri)、キンモクサビダニ(Paraphytoptus kikus)、マキサビダニ(Paracalacarus podocarpi)、リュウキュウミカンサビダニ(Phyllocotruta citri);
(d)ホコリダニ科(Transonemidae)のダニ、例えば、タルソネムス属種(Tarsonemus spp.)の、スジブトホコリダニ(Tarsonemus bilobatus)、アシボソホコリダニ(Tarsonemus waitei);その他、シクラメンホコリダニ(Phytonemus pallidus)、チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus);
(e)ハシリダニ科(Penthaleidae)のダニ、例えば、ペンタレウス属種(Penthaleus spp.)の、ハクサイダニ(Penthaleus erythrocephalus)、ムギダニ(Penthaleus major)。
【0096】
本発明の有害生物防除剤は、殺菌剤、殺虫・殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤などの他の有効成分; 植物調節剤、除草剤、共力剤、肥料、土壌改良剤、動物用飼料などと混用または併用してもよい。
本発明のオキサジアゾリン化合物と他の有効成分との組合せは、殺虫・殺ダニ・殺線虫活性に関して相乗効果が期待できる。相乗効果は、定法に従ってコルビーの式(Colby.S.R. ; Calculating Synergistic and Antagonistic Responses of Herbicide Combinations ; Weeds 15, 20-22頁, 1967)により確認することができる。
【0097】
本発明の有害生物防除剤と混用または併用することができる、殺虫・殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤、駆虫剤などの具体例を以下に示す。
【0098】
(1)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤:
(a)カーバメート系: アラニカルブ、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メチオカルブ、メソミル、オキサミル、ピリミカルブ、プロポキサル、チオジカルブ、チオファノックス、トリアザメート、トリメタカルブ、XMC、キシリルカルブ;フェノチオカルブ、MIPC、MPMC、MTMC、アルドキシカルブ、アリキシカルブ、アミノカルブ、ブフェンカルブ、クロエトカルブ、メタム・ナトリウム、プロメカルブ;
【0099】
(b)有機リン系: アセフェート、アザメチホス、アジンホス-エチル、アジンホス-メチル、カズサホス、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クマホス、シアノホス、デメトン-S-メチル、ダイアジノン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、ファムフール、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンチオン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、イミシアホス、イソフェンホス、イソカルボホス、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシジメトン-メチル、パラチオン、パラチオン-メチル、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、プロペタムホス、プロチオホス、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、キナルホス、スルホテップ、テブピリンホス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホン、バミドチオン;ブロモホス・エチル、BRP、カルボフェノチオン、シアノフェンホス、デメトン-S-メチルスルホン、ジアリホス、ジクロフェンチオン、ジオキサベンゾホス、エトリムホス、フェンスルホチオン、フルピラゾホス、ホノホス、ホルモチオン、ホスメチラン、イサゾホス、ヨードフェンホス、メタクリホス、ピリミホス−エチル、ホスホカルブ、プロパホス、プロトエート、スルプロホス。
【0100】
(2)GABA-作動性塩素イオンチャネルアンタゴニスト: アセトプロール、クロルデン、エンドスルファン、エチプロール、フィプロニル、ピラフルプロール、ピリプロール;カンフェクロル、ヘプタクロル、ジエノクロル。
(3)ナトリウムチャンネルモジュレーター: アクリナトリン、d-シス-トランス アレスリン、d-トランスアレスリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオアレスリンS-シクロペンチル異性体、ビオレスメトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ベータ-シペルメトリン、シータ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シフェノトリン[(1R)-トランス異性体]、デルタメトリン、エンペントリン[(EZ)-(1R)-異性体]、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリン、タウ-フルバリネート、ハルフェンプロックス、イミプロトリン、カデスリン、ペルメトリン、フェノトリン[(1R)-トランス異性体]、プラレトリン、ピレスラム、レスメトリン、シラフルオフェン、テフルトリン、テトラメトリン[(1R)-異性体]、トラロメトリン、トランスフルトリン;アレスリン、ピレトリン、ピレトリンI、ピレトリンII、プロフルトリン、ジメフルトリン、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、トランスペルメトリン、フェンフルトリン、フェンピリトリン、フルブロシトリネート、フルフェンプロックス、メトフルトリン、プロトリフェンブト、ピレスメトリン、テラレトリン。
【0101】
(4)ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニスト: アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、ニチアジン、チアクロプリド、チアメトキサム、スルフォキサフロール、ニコチン、フルピラジフロン。
(5)ニコチン性アセチルコリン受容体アロステリックモジュレーター: スピネトラム、スピノサド。
(6)クロライドチャンネル活性化剤: アバメクチン、エマメクチン安息香酸塩、レピメクチン、ミルベメクチン;イベルメクチン、セラメクチン、ドラメクチン、エプリノメクチン、モキシデクチン、ミルベマイシン、ミルベマイシンオキシム、ネマデクチン。
(7)幼若ホルモン様物質: ヒドロプレン、キノプレン、メトプレン、フェノキシカルブ、ピリプロキシフェン;ジオフェノラン、エポフェノナン、トリプレン。
(8)その他非特異的阻害剤: 臭化メチル、クロルピクリン、フッ化スルフリル、ホウ砂、吐酒石。
(9)同翅目選択的摂食阻害剤: フロニカミド、ピメトロジン、ピリフルキナゾン。
【0102】
(10)ダニ類生育阻害剤: クロフェンテジン、ジフロビダジン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール。
(11)微生物由来昆虫中腸内膜破壊剤: バチルス・チューリンゲンシス亜種イスラエレンシ、バチルス・スファエリクス、バチルス・チューリンゲンシス亜種アイザワイ、バチルス・チューリンゲンシス亜種クルスタキ、バチルス・チューリンゲンシス亜種テネブリオニス、Bt作物タンパク質:Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1Fa、Cry1A.105、Cry2Ab、Vip3A、mCry3A、Cry3Ab、Cry3Bb、Cry34Ab1/Cry35Ab1。
(12)ミトコンドリアATP生合成酵素阻害剤: ジアフェンチウロン、アゾシクロチン、シヘキサチン、酸化フェンブタスズ、プロパルギット、テトラジホン。
(13)酸化的リン酸化脱共役剤: クロルフェナピル、スルフルミド、DNOC;ビナパクリル、ジノブトン、ジノカップ。
(14)ニコチン性アセチルコリン受容体チャンネルブロッカー: ベンスルタップ、カルタップ塩酸塩;ネライストキシン;チオスルタップ一ナトリウム塩、チオシクラム。
(15)キチン合成阻害剤: ビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、ブプロフェジン、フルアズロン。
(16)双翅目脱皮かく乱剤: シロマジン。
(17)脱皮ホルモン受容体アゴニスト: クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド。
(18)オクトパミン受容体アゴニスト: アミトラズ、デミジトラズ、クロルジメホルム。
(19)ミトコンドリア電子伝達系複合体III阻害剤: アセキノシル、フルアクリピリム、ヒドラメチルノン、ビフェナゼート。
(20)ミトコンドリア電子伝達系複合体I阻害剤: フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、ロテノン。
【0103】
(21)電位依存性ナトリウムチャネルブロッカー: インドキサカルブ、メタフルミゾン。
(22)アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤: スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スピロピジオン。
(23)ミトコンドリア電子伝達系複合体IV阻害剤: リン化アルミニウム、リン化カルシウム、ホスフィン、リン化亜鉛、シアニド。
(24)ミトコンドリア電子伝達系複合体II阻害剤: シエノピラフェン、シフルメトフェン、ピフルブミド。
(25)リアノジン受容体モジュレーター: クロラントラニリプロール、シアントラニリプロール、フルベンジアミド、シクラニリプロール、テトラニリプロール。
(26)混合機能オキシダーゼ阻害剤化合物: ピペロニルブトキシド。
(27)ラトロフィリン受容体作用薬: デプシペプチド、環状デプシペプチド、24員環状デプシペプチド、エモデプシド。
(28)その他の剤(作用機構が未知): アザジラクチン、ベンゾキシメート、ブロモプロピレート、クリオライト、ジコホル、ピリダリル、;ベンクロチアズ、硫黄、アミドフルメット、1,3−ジクロロプロペン、DCIP、フェニソブロモレート、ベンゾメート、メタアルデヒド、クロルベンジレート、クロチアゾベン、ジシクラニル、フェノキサクリム、フェントリファニル、フルベンジミン、フルフェナジン、ゴシップルア、ジャポニルア、メトキサジアゾン、石油、オレイン酸ナトリウム、テトラスル、トリアラセン;アフィドピロペン(afidopyropen)、フロメトキン、フルフィプロル(flufiprole)、フルエンスルフォン、メペルフルスリン、テトラメチルフルスリン、トラロピリル、ジメフルスリン、メチルネオデカンアミド;フルララネル、アフォキソラネル、フルキサメタミド、5−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ベンゾニトリル(CAS:943137-49-3)、ブロフラニリド、トリフルメゾピリム、ジクロロメゾチアズ、オキサゾスルフィル、その他のメタジアミド類。
【0104】
(29)駆虫剤:
(a)ベンズイミダゾール系: フェンベンダゾール、アルベンダゾール、トリクラベンダゾール、オキシベンダゾール、メベンダゾール、オクスフェンダゾール、パーベンダゾール、フルベンダゾール;フェバンテル、ネトビミン、チオファネート;チアベンダゾール、カンベンダゾール;
(b)サリチルアニリド系: クロサンテル、オキシクロザニド、ラフォキサニド、ニクロサミド;
(c)置換フェノール系: ニトロキシニル、ニトロスカネイト;
(d)ピリミジン系: ピランテル、モランテル;
(e)イミダゾチアゾール系: レバミソール、テトラミソール;
(f)テトラヒドロピリミジン系: プラジカンテル、エプシプランテル;
(g)その他の駆虫薬: シクロジエン、リアニア、クロルスロン、メトロニダゾール、デミジトラズ;ピペラジン、ジエチルカルバマジン、ジクロロフェン、モネパンテル、トリベンジミジン、アミダンテル;チアセタルサミド、メロルサミン、アルセナマイド。
【0105】
本発明の有害生物防除剤と混用または併用することができる、殺菌剤の具体例を以下に示す。
(1)核酸生合成阻害剤:
(a)RNAポリメラーゼI阻害剤: ベナラキシル、ベナラキシル-M、フララキシル、メタラキシル、メタラキシル-M;オキサジキシル;クロジラコン、オフレース;
(b)アデノシンデアミナーゼ阻害剤: ブピリメート、ジメチリモール、エチリモール;
(c)DNA/RNA合成阻害剤: ヒメキサゾール、オクチリノン;
(d)DNAトポイソメラーゼII阻害剤: オキソリン酸。
【0106】
(2)有糸核分裂阻害剤および細胞分裂阻害剤:
(a)β−チューブリン重合阻害剤: ベノミル、カルベンダジム、クロルフェナゾール、フベリダゾール、チアベンダゾール;チオファネート、チオファネートメチル;ジエトフェンカルブ;ゾキサミド;エタボキサム;
(b)細胞分裂阻害剤: ペンシクロン;
(c)スペクトリン様タンパク質の非局在化阻害剤: フルオピコリド。
【0107】
(3)呼吸阻害剤:
(a)複合体I NADH酸化還元酵素阻害剤: ジフルメトリム;トルフェンピラド;
(b)複合体IIコハク酸脱水素酵素阻害剤: ベノダニル、フルトラニル、メプロニル;イソフェタミド;フルオピラム;フェンフラム、フルメシクロックス;カルボキシン、オキシカルボキシン;チフルザミド;ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルキサピロキサド、フラメトピル、イソピラザム、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン;ボスカリド、ピラジフルミド;
(c)複合体IIIユビキノールオキシダーゼQo阻害剤: アゾキシストロビン、クモキシストロビン、クメトキシストロビン、エノキサストロビン、フルフェノキシストロビン、ピクオキシストロビン、ピラオキシストロビン;ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、トリクロピリカルブ;クレソキシム-メチル、トリフロキシストロビン;ジモキシストロビン、フェナミンストロビン、メトミノストロビン、オリサストロビン;ファモキサドン;フルオキサストロビン;フェンアミドン;ピリベンカルブ、マンデストロビン;
(d)複合体IIIユビキノール還元酵素Qi阻害剤: シアゾファミド;アミスルブロム;
(e)酸化的リン酸化の脱共役剤: ビナパクリル、メプチルジノカップ、ジノカップ;フルアジナム;フェリムゾン;
(f)酸化的リン酸化阻害剤(ATP 合成酵素の阻害剤): フェンチンアセテート、塩化フェンチン、水酸化フェンチン;
(g)ATP生産阻害剤: シルチオファム;
(h)複合体III:チロクローム bc1(ユビキノン還元酵素)のQx(未知)阻害剤: アメトクトラジン。
【0108】
(4)アミノ酸およびタンパク質合成阻害剤
(a)メチオニン生合成阻害剤: アンドプリム、シプロジニル、メパニピリム、ピリメタニル;
(b)タンパク質合成阻害剤: ブラストサイジン-S;カスガマイシン、カスガマイシン塩酸塩;ストレプトマイシン;オキシテトラサイクリン。
【0109】
(5)シグナル伝達阻害剤:
(a)シグナル伝達阻害剤: キノキシフェン、プロキナジド;
(b)浸透圧シグナル伝達におけるMAP・ヒスチジンキナーゼ阻害剤: フェンピクロニル、フルジオキソニル;クロゾリメート、イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリン。
【0110】
(6)脂質および細胞膜合成阻害剤:
(a)りん脂質生合成、メチルトランスフェラーゼ阻害剤: エジフェンホス、イプロベンホス、ピラゾホス;イソプロチオラン;
(b)脂質の過酸化剤: ビフェニル、クロロネブ、ジクロラン、キンドゼン、テクナゼン、トルクロホスメチル;エトリジアゾール;
(c)細胞膜に作用する剤: ヨードカルブ、プロパモカルブ、プロパモカルブ塩酸塩、プロパモカルブホセチレート、プロチオカルブ;
(d)病原菌細胞膜を撹乱する微生物: バチルスズブチリス菌、バチルス ズブチリスQST713 株、バチルス ズブチリスFZB24 株、バチルス ズブチリスMBI600 株、バチルス ズブチリスD747株;
(e)細胞膜を撹乱する剤: ゴセイカユプテ(ティーツリー)の抽出物。
【0111】
(7)細胞膜のステロール生合成阻害剤:
(a)ステロール生合成におけるC14位の脱メチル化阻害剤: トリホリン;ピリフェノックス、ピリソキサゾール;フェナリモル、フルルプリミドール、ヌアリモル;イマザリル、イマザリル硫酸塩、オキスポコナゾール、ペフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール、ビニコナゾール;
アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール-M、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、キンコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール;プロチオコナゾール、ボリコナゾール、メフェントリフルコナゾール(mefentrifluconazole);
(b)ステロール生合成におけるΔ14還元酵素およびΔ8→Δ7−イソメラーゼの阻害剤:
アルジモルフ、ドデモルフ、ドデモルフ酢酸塩、フェンプロピモルフ、トリデモルフ;フェンプロピジン、ピペラリン;スピロキサミン;
(c)ステロール生合成系のC4位脱メチル化における3-ケト還元酵素阻害剤: フェンヘキサミド;フェンピラザミン;
(d)ステロール生合成系のスクワレンエポキシダーゼ阻害剤: ピリブチカルブ;ナフチフェン、テルビナフィン。
【0112】
(8)細胞壁合成阻害
(a)トレハラーゼ阻害剤: バリダマイシン;
(b)キチン合成酵素阻害剤: ポリオキシン、ポリオクソリム;
(c)セルロース合成酵素阻害剤: ジメトモルフ、フルモルフ、ピリモルフ;ベンチアバリカルブ、イプロバリカルブ、トルプロカルブ、バリフェナレート;マンジプロパミド。
【0113】
(9)メラニン生合成阻害剤
(a)メラニン生合成の還元酵素阻害剤: フサライド;ピロキロン;トリシクラゾール;
(b)メラニン生合成の脱水酵素阻害剤: カルプロパミド;ジクロシメット;フェノキサニル。
【0114】
(10)宿主植物の抵抗性誘導剤:
(a)サリチル酸合成経路に作用する剤: アシベンゾラル-S-メチル;
(b)その他: プロベナゾール;チアジニル;イソチアニル;ラミナリン;オオイタドリ抽出液。
【0115】
(11)作用性が不明な剤: シモキサニル、ホセチルアルミニウム、リン酸(リン酸塩)、テクロフタラム、トリアゾキシド、フルスルファミド、ジクロメジン、メタスルホカルブ、シフルフェナミド、メトラフェノン、ピリオフェノン、ドジン、ドジン遊離塩基、フルチアニル。
【0116】
(12)多作用点を有する剤: 銅(銅塩)、ボルドー液、水酸化銅、銅ナフタレート、酸化銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、硫黄、硫黄製品、多硫化カルシウム;ファーバム、マンコゼブ、マネブ)、マンカッパー、メチラム、ポリカーバメート、プロピネブ、チラム、ジネブ、ジラム;キャプタン、カプタホール、フォルペット;クロロタロニル;ジクロフルアニド、トリルフルアニド;グアザチン、イミノクタジン酢酸塩(iminoctadine triacetate)、イミノクタジンアルベシル酸塩(iminoctadine trialbesilate);アニラジン;ジチアノン;キノメチオネート;フルオルイミド。
【0117】
(13)その他の剤: DBEDC、フルオロフォルペット、グアザチンアセテート、ビス(8-キノリノラト)銅(II)、プロパミジン、クロロピクリン、シプロフラム、アグロバクテリウム、ベトキサジン、ジフェニルアミン、メチルイソチアネート(MITC)、ミルデオマイシン、カプサイシン、クフラネブ、シプロスルファミド、ダゾメット、デバカルブ、ジクロロフェン、ジフェンゾクワット、ジフェンゾクワットメチルスルホネート、フルメトベル、ホセチルカルシウム、ホセチルナトリウム、イルママイシン、ナタマイシン、ニトロタールイソプロピル、オキサモカルブ、プロパモシンナトリウム、ピロールニトリン、テブフロキン、トルニファニド、ザリラミド、アルゴフェーズ(Algophase)、アミカルチアゾール(Amicarthiazol)、オキサチアピプロリン(Oxathiapiprolin)、メチラム亜鉛、ベンチアゾール、トリクラミド、ユニコナゾール、ミルデオマイシン、オキシフェンチイン(Oxyfenthiin)、ピカルブトラゾクス(picarbutrazox)、フェンピコキサミド(Fenpicoxamid)、ジクロベンチアゾクス(dichlobentiazox)、キノフメリン(Quinofumelin)。
【0118】
本発明の有害生物防除剤と混用または併用することができる、植物調節剤の具体例を以下に示す。
1−メチルシクロプロペン、2,3,5−トリヨード安息香酸、IAA、IBA、MCPA、MCPB、4−CPA、5−アミノレブリン酸塩酸塩、6−ベンジルアミノプリン、アブシシン酸、アビグリシン塩酸塩、アンシミドール、ブトルアリン、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、過酸化カルシウム、石灰硫黄、硫酸カルシウム、クロルメコートクロリド、クロロプロファム、塩化コリン、クロプロップ、シアナミド、シクラニリド、ダミノジッド、デシルアルコール、ジクロルプロップ、ジケグラック、ジメチピン、ジクワット、エテホン、エチクロゼート、フルメトラリン、フルルプリミドール、ホルクロルフェヌロン、ジベレリンA、ジベレリンA3、ヒメキサゾール、イナベンフィド、イソプロチオラン、カイネチン、マレイン酸ヒドラジド、メフルイジド、メピコートクロリド、酸化型グルタチオン、パクロブトラゾール、ペンディメタリン、プロヘキサジオンカルシウム、プロヒドロジャスモン、ピラフルフェンエチル、シントフェン、1−ナフタレン酢酸ナトリウム、シアン酸ナトリウム、ストレプトマイシン、チジアズロン、トリアペンテノール、トリブフォス、トリネキサパックエチル、ウニコナゾールP、1−ナフチルアセトアミド。
【0119】
上記の殺虫剤などとの混用または併用を容易にするためには、本発明の有害生物防除剤と殺虫剤などを混合した組成物を調製することが好ましい。
そのような組成物は、式(I)で表される化合物またはその塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する有害生物防除剤と、殺虫・殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤、殺菌剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの有効成分を含む組成物である。
【0120】
より詳しくは、式(I)で表される化合物またはその塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する有害生物防除剤と、(1)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、(2)GABA-作動性塩素イオンチャネルアンタゴニスト、(3)ナトリウムチャンネルモジュレーター、(4)ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニスト、(5)ニコチン性アセチルコリン受容体アロステリックモジュレーター、(6)クロライドチャンネル活性化剤、(7)幼若ホルモン様物質、(8)その他非特異的阻害剤、(9)同翅目選択的摂食阻害剤、(10)ダニ類生育阻害剤、(11)微生物由来昆虫中腸内膜破壊剤、(12)ミトコンドリアATP生合成酵素阻害剤、(13)酸化的リン酸化脱共役剤、(14)ニコチン性アセチルコリン受容体チャンネルブロッカー、(15)キチン合成阻害剤、(16)双翅目脱皮かく乱剤、(17)脱皮ホルモン受容体アゴニスト、(18)オクトパミン受容体アゴニスト、(19)ミトコンドリア電子伝達系複合体III阻害剤、(20)ミトコンドリア電子伝達系複合体I阻害剤、(21)電位依存性ナトリウムチャネルブロッカー、(22)アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤、(23)ミトコンドリア電子伝達系複合体IV阻害剤、(24)ミトコンドリア電子伝達系複合体II阻害剤、(25)リアノジン受容体モジュレーター、(26)混合機能オキシダーゼ阻害剤化合物、(27)ラトロフィリン受容体作用薬、(28)その他の剤(作用機構が未知)からなる群から選ばれる少なくとも1つの有効成分を含む組成物である。
【0121】
〔外部寄生虫防除剤〕
本発明の外部寄生虫防除剤は、本発明のオキサジアゾリン化合物から選ばれる少なくともひとつを有効成分として含有するものである。本発明の外部寄生虫防除剤に含まれるオキサジアゾリン化合物の量は外部寄生虫の防除効果を示す限りにおいて特に制限されない。
【0122】
本発明の外部寄生虫防除剤の処理の対象となる宿主動物としては、イヌ、ネコなどの愛玩動物;愛玩鳥;ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジなどの家畜;家禽;などの温血動物を挙げることができる。その他にも、サケ、マス、フグ、コイ、金魚などの魚類;ミツバチ、クワガタムシ、カブトムシなどの昆虫類を挙げることができる。
【0123】
本発明の外部寄生虫防除剤は、公知の獣医学的な手法(局所、経口、非経口または皮下投与)で施用することができる。その方法として、錠剤、カプセル、飼料混入などにより動物に経口的に投与する方法; 浸漬液、坐薬、注射(筋肉内、皮下、静脈内、腹腔内など)などにより動物に投与する方法; 油性または水性液剤を噴霧、ポアオン、スポットオンなどにより局所的に投与する方法; 樹脂に外部寄生虫防除剤を練り込み、前記混練物を首輪、耳札などの適当な形状に成形し、それを動物に装着し局所的に投与する方法; などを挙げることができる。
【0124】
外部寄生虫は、宿主動物、特には温血動物や魚類の体内および皮膚に寄生する。詳しくは、宿主動物の背、脇下、下腹部、内股部などに寄生して動物から血液やフケなどの栄養源を得て生息する。外部寄生虫としては、ダニ類、シラミ類、ノミ類、カ、サシバエ、ニクバエ、ウオジラミなどを挙げることができる。本発明の外部寄生虫防除剤によって防除可能な外部寄生虫の具体例を以下に示す。
【0125】
(1)ダニ類(Acari)
ワクモ科(Dermanyssidae)のダニ、オオサシダニ科(Macronyssidae)のダニ、トゲダニ科(Laelapidae)のダニ、ヘギダニ科(Varroidae)のダニ、ヒメダニ科(Argasidae)のダニ、マダニ科(Ixodidae)のダニ、キュウセンヒゼンダニ科(Psoroptidae)のダニ、ヒゼンダニ科(Sarcoptidae)のダニ、トリヒゼンダニ科(Knemidokoptidae)のダニ、ニキビダニ科(Demodixidae)のダニ、ツツガムシ科(Trombiculidae)のダニ、クワガタナカセ類等の昆虫寄生性のダニ。
(2)シラミ目(Phthiraptera)
ケモノジラミ科(Haematopinidae)のシラミ、ケモノホソジラミ科(Linognathidae)のシラミ、タンカクハジラミ科(Menoponidae)のハジラミ、チョウカクハジラミ科(Philopteridae)のハジラミ、ケモノハジラミ科(Trichodectidae)のハジラミ。
(3)ノミ目(Siphonaptera)
ヒトノミ科(Pulicidae)のノミ、例えば、イヌノミ属種(Ctenocephalidesspp.)の、イヌノミ(Ctenocephalidescanis)、ネコノミ(Ctenocephalidesfelis);
スナノミ科(Tungidae)のノミ、ナガノミ科(Ceratophyllidae)のノミ、ホソノミ科(Leptopsyllidae)のノミ。
(4)カメムシ目(Hemiptera)。
(5)ハエ目(Diptera)の害虫
カ科(Culicidae)のカ、ブユ科(Simuliidae)のブユ、ヌカカ科(Ceratopogonidae)のヌカカ、アブ科(Tabanidae)のアブ、イエバエ科(Muscidae)のハエ、ツエツエバエ科(Glossinidae)のシェシェバエ、ニクバエ科のニクバエ、シラミバエ科(Hippoboscidae)のハエ、クロバエ科(Calliphoridae)のハエ、ヒツジバエ科(Oestridae)のハエ。
【0126】
〔その他の有害生物についての防除剤〕
本発明のオキサジアゾリン化合物は、その他にも、毒針や毒液を持ち、人獣に被害を加える害虫、各種の病原体・病原菌を媒介する害虫、人に不快感を与える害虫(有毒害虫・衛生害虫・不快害虫など)の防除効果に優れている。
【0127】
以下に、その具体例を示す。
(1)ハチ目(Hymenoptera)の害虫
ミフシババチ科(Argidae)のハチ、タマバチ科(Cynipidae)のハチ、マツハバチ科(Diprionidae)のハチ、アリ科(Formicidae)のアリ、アリバチ科(Mutillidae )のハチ、スズメバチ科(Vespidae)のハチ。
【0128】
(2)その他の害虫
ゴキブリ類(Blattodea)、シロアリ類(termite)、クモ類(Araneae)、ムカデ類(cetipede)、ヤスデ類(millipede)、甲殻類(crustacea)、南京虫(Cimex lectularius)。
【0129】
〔製剤処方〕
本発明の有害生物防除剤、殺虫もしくは殺ダニ剤、またはアザミウマ目害虫防除剤の製剤処方を若干示すが、添加物および添加割合は、これら製剤実施例に限定されるべきものではなく、広範囲に変化させることが可能である。製剤処方中の部は重量部を示す。
【0130】
以下に農園芸用および水稲用の製剤処方を示す。
【0131】
(製剤例1:水和剤)
本発明のオキサジアゾリン化合物40部、珪藻土53部、高級アルコール硫酸エステル4部、およびアルキルナフタレンスルホン酸塩3部を均一に混合して微細に粉砕して、有効成分40%の水和剤を得る。
【0132】
(製剤例2:乳剤)
本発明のオキサジアゾリン化合物30部、キシレン33部、ジメチルホルムアミド30部、およびポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル7部を混合溶解して、有効成分30%の乳剤を得る。
【0133】
(製剤例3:粒剤)
本発明のオキサジアゾリン化合物5部、タルク40部、クレー38部、ベントナイト10部、およびアルキル硫酸ソーダ7部を均一に混合して微細に粉砕後、直径0.5〜1.0mmの粒状に造粒して有効成分5%の粒剤を得る。
【0134】
(製剤例4:粒剤)
本発明のオキサジアゾリン化合物5部、クレー73部、ベントナイト20部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩1部、およびリン酸カリウム1部をよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥して有効成分5%の粒剤を得る。
【0135】
(製剤例5:懸濁剤)
本発明のオキサジアゾリン化合物10部、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル4部、ポリカルボン酸ナトリウム塩2部、グリセリン10部、キサンタンガム0.2部、および水73.8部を混合し、粒度が3ミクロン以下になるまで湿式粉砕し、有効成分10%の懸濁剤を得る。
【0136】
以下に外部寄生虫防除剤の製剤処方を示す。
【0137】
(製剤例6:顆粒剤)
本発明のオキサジアゾリン化合物5部を有機溶媒中で溶解させて溶液を得、該溶液をカオリン94部およびホワイトカーボン1部の上に噴霧し、次いで溶媒を減圧下蒸発させる。この種の顆粒は動物の餌と混合できる。
【0138】
(製剤例7:注入剤)
本発明のオキサジアゾリン化合物0.1〜1部とラッカセイ油99〜99.9部を均一に混合し、次いで滅菌フィルターによりろ過滅菌する。
【0139】
(製剤例8:ポアオン剤)
本発明のオキサジアゾリン化合物5部、ミリスチン酸エステル10部、およびイソプロパノール85部を均一に混合してポアオン剤を得る。
【0140】
(製剤例9:スポットオン剤)
本発明のオキサジアゾリン化合物10〜15部、パルミチン酸エステル10部、およびイソプロパノール75〜80部を均一に混合してスポットオン剤を得る。
【0141】
(製剤例10:スプレー剤)
本発明のオキサジアゾリン化合物1部、プロピレングリコール10部、およびイソプロパノール89部を均一に混合してスプレー剤を得る。
【0142】
次に、化合物実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の化合物実施例によって何ら制限されるものではない。
【0143】
〔参考例1〕
1-(tert-butyl)-3-(6,11-dihydrodibenzo[b,e]oxepin-11-yl)thioureaの合成
【0144】
【化6】
【0145】
6,11-dihydrodibenzo[b,e]oxepin-11-olを、Chemical and Pharmaceutical Bulletin, 1991, 39, 0, 2564.記載の手法で合成した。
6,11-dihydrodibenzo[b,e]oxepin-11-ol(4.2g)をジクロロメタン(100mL)に溶解した後に1−(t−ブチル)チオウレア(2.8g)およびアルミニウム トリフルオロメタンスルホナート(0.10g)を添加した。25時間撹拌した後に反応溶媒を留去した後にシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで目的物6.1gを得た。
融点:167-168℃
【0146】
〔参考例2〕
N-tert-butyl-N-(6,11-dihydrodibenzo[b,e]oxepin-11-yl)methanediimineの合成
【0147】
【化7】
【0148】
参考例1で得られたチオウレア(6.7g)のアセトニトリル溶液(54ml)に、トリエチルアミン(6.8ml)と2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド(6.3g)を加え、室温下4時間撹拌した。不溶物をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物4.7gを得た。
1H-NMR(CDCl3) δppm: 1.06(s,9H),4.94(d, 1H),5.51(s,1H),5.87(d,1H),6.90(m,2H),7.20(m,1H),7.33(m,5H).
【0149】
〔実施例1〕
N-(tert-butyl)-2'-methyl-2'H,6H-spiro[dibenzo[b,e]oxepine-11,5'-[1,2,4]oxadiazol]-3'-amine(化合物番号:a-11)の合成
【0150】
【化8】
【0151】
参考例2で得られたカルボジイミド(4.7g)のアセトニトリル溶液(53ml)に、N−メチルヒドロキシアミン塩酸塩(1.6g)とトリエチルアミン(2.6ml)を加え、室温下3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、ジクロロメタン(80ml)と二酸化マンガン(1.4g)を加え、室温下4時間撹拌した。反応液をセライトろ過し、不溶物を酢酸エチルで洗浄して、ろ液を減圧濃縮した。粗製生物をヘキサンで洗浄し、目的物4.6gを得た。
1H-NMR(CDCl3) δppm: 1.58(s,9H),2.82(s,3H),3.78(s,1H),5.05(d, 1H),6.02(d,1H),6.83(d,1H),6.90(t,1H),7.18(t,1H),7.28(m,3H),7.77(m,2H).
【0152】
〔実施例2〕
N-(tert-butyl)-N-ethyl-2'-methyl-2'H,6H-spiro[dibenzo[b,e]oxepine-11,5'-[1,2,4]oxadiazol]-3'-amine(化合物番号:a-10)の合成
【0153】
【化9】
【0154】
実施例1で得られたアミン(4.6g)のDMF溶液(45ml)に、0℃にて水素化ナトリウム(0.8g)を加え30分撹拌した。ヨウ化エチル(2.1ml)を加え0℃で3時間撹拌した。反応液を氷水に加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、次いで減圧濃縮した。得られた粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物2.5gを得た。
1H-NMR(CDCl3) δppm: 1.17(t,3H),1.62(s,9H),2.78(s,3H),3.36(q,2H),5.12(d,1H),6.02(d,1H),6.85(m,2H),7.19(t,1H),7.28(m,3H),7.77(m,2H).
【0155】
〔参考例3〕
1-(tert-butyl)-3-(10,11-dihydrodibenzo[b,f]oxepin-10-yl)thioureaの合成
【0156】
【化10】
【0157】
10,11-dihydro-dibenz[b,f]oxepin-10-ylamineを、Angewandte Chemie - International Edition, 2015, 54, 17, 5049.記載の手法で合成した。
10,11-dihydro-dibenz[b,f]oxepin-10-ylamine(0.59g)をテトラヒドロフラン(10ml)に溶解した後に、t−ブチルイソチオシアネート(0.55g)を加えた。室温で17時間撹拌した後に溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで、目的物0.10gを得た。
【0158】
〔実施例3〕
N-(tert-butyl)-2'-methyl-2'H,11H-spiro[dibenzo[b,f]oxepine-10,5'-[1,2,4]oxadiazol]-3'-amine(化合物番号:a-22)の合成
【0159】
【化11】
【0160】
参考例3で得られたチオウレア(0.10g)をアセトニトリル(3ml)に溶解した後に、トリエチルアミン(88mg)と2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド(0.11g)を加え、室温下4時間撹拌した。反応液にN−メチルヒドロキシアミン塩酸塩(48mg)とトリエチルアミン(58mg)を加え、室温下18時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後にシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで、目的物0.06gを得た。
【0161】
〔参考例4〕
2'-methyl-2'H,6H-spiro[dibenzo[b,e]oxepine-11,5'-[1,2,4]oxadiazol]-3'-amineの合成
【0162】
【化12】
【0163】
dibenzo[b,e]oxepin-11(6H)-one(3.2g)をジクロロメタン(30ml)に溶解した後に四塩化チタン(5.7g)を加えた。N,N−ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(5.6g)を滴下した後に、室温で1時間撹拌した後に水を加えて反応を停止した。ジクロロメタンで有機層を抽出した後に溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をテトラヒドロフラン(30ml)に溶解した後にN−メチルヒドロキシアミン塩酸塩(2.5g)とトリエチルアミン(3.0g)を加え、60℃で1時間撹拌した。固形物をろ過で取り除いた後に、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで、目的物2.9gを得た。
1H-NMR(CDCl3) δppm: 2.98(s,3H),5.22(d, 1H),5.82(d,1H),6.87(d,1H),6.94(m,1H),7.24-7.30(m,4H),7.76-7.82(m,2H).
【0164】
〔実施例4〕
N-(tert-butyl)-2'-methyl-2'H,6H-spiro[dibenzo[b,e]oxepine-11,5'-[1,2,4]oxadiazol]-3'-amine(化合物番号:a-11)の合成
【0165】
【化13】
【0166】
参考例4で得られたアミン(0.1g)の1,2−ジクロロエタン溶液(1.8ml)に、t−ブチル 2,2,2−トリクロロアセトイミデート(0.13ml)とボロントリフルオリド エチルエーテルコンプレックス(46μl)を加え、加熱還流下にて2時間撹拌した。反応液を飽和重曹水に加え、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、次いで減圧濃縮した。得られた粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物2.5mg(収率 2%)を得た。
1H-NMR(CDCl3) δppm: 1.58(s,9H),2.82(s,3H),3.78(s,1H),5.05(d, 1H),6.02(d,1H),6.83(d,1H),6.90(t,1H),7.18(t,1H),7.28(m,3H),7.77(m,2H).
【0167】
〔参考例5〕
1-(tert-butyl)-3-(6-fluoro-2,2-dimethylchroman-4-yl)thioureaの合成
【0168】
【化14】
【0169】
6-fluoro-2,2-dimethylchroman-4-amine(3.2g)のジクロロメタン溶液(54ml)に、t−ブチル イソチオシアネート(1.9g)を加え、加熱還流下6時間撹拌した。反応液を濃縮し、得られた固体をエーテルにて洗浄し、目的物3.9gを得た。
【0170】
〔参考例6〕
2-(tert-butyl)-3-(6-fluoro-2,2-dimethylchroman-4-yl)-1-hydroxy-1-methylguanidineの合成
【0171】
【化15】
【0172】
参考例5で得られたチオウレア(1.84g)のアセトニトリル溶液(20ml)に、トリエチルアミン(2.0ml)と2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド(1.8g)を加え、室温下18時間撹拌した。反応液にN−メチルヒドロキシアミン塩酸塩(0.6g)とピリジン(1.2ml)を加え、室温下14時間撹拌した。反応液を水に加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、次いで減圧濃縮した。得られた粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物0.4gを得た。
【0173】
〔実施例5〕
N-(tert-butyl)-6-fluoro-2,2,2'-trimethyl-2'H-spiro[chromane-4,5'-[1,2,4]oxadiazol]-3'-amine(化合物番号:a-20)の合成
【0174】
【化16】
【0175】
参考例6で得られたグアニジン(0.4g)のクロロホルム溶液(10ml)に、二酸化マンガン(0.4g)を加え、室温下3日間撹拌した。反応液をセライトろ過し、不溶物を酢酸エチルで洗浄して、ろ液を減圧濃縮した。得られた粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物0.15gを得た。
【0176】
前記の実施例と同様の方法で製造した本発明のオキサジアゾリン化合物の一部(化合物番号a-1〜a-43)を物性(融点、またはNMR)とともに以下に示す。
【0177】
【化17】
m.p. 95-96℃
【0178】
【化18】
m.p. 113-114℃
【0179】
【化19】
m.p. 154-156℃
【0180】
【化20】
m.p. 130-132℃
【0181】
【化21】
1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.67 (s, 9H), 2.80 (s, 3H), 3.24 (s, 3H), 4.69 (d, 2H), 5.15 (d, 1H), 5.99 (d, 1H), 6.82-6.88 (m, 2H), 7.18 (m, 1H), 7.25-7.30 (m, 3H), 7.73 (m, 1H).
【0182】
【化22】
m.p. 175-177℃
【0183】
【化23】
m.p.: 148-150℃
【0184】
【化24】
m.p.: 163-166℃
【0185】
【化25】
m.p.: 181-183℃
【0186】
【化26】
m.p.: 85-86℃
【0187】
【化27】
m.p.: 196-198℃
【0188】
【化28】
1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.13 (t, 3H), 1.52 (s, 9H), 2.75 (s, 3H), 3.10 (m, 2H), 3.32 (q, 2H), 3.69 (m, 2H), 7.09-7.13 (m, 6H), 7.78-7.81 (m, 2H).
【0189】
【化29】
m.p.: 130-131℃
【0190】
【化30】
m.p.: 68-71℃
【0191】
【化31】
m.p.: 149-151℃
【0192】
【化32】
m.p.: 168-170℃
【0193】
【化33】
m.p.: 144-146℃
【0194】
【化34】
1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.09(t, 3H), 1.63 (s, 9H), 2.49 (s, 3H), 3.27 (q, 2H), 7.10 (s, 2H), 7.35 (m, 6H), 7.97 (d, 2H).
【0195】
【化35】
m.p.: 156-158℃
【0196】
【化36】
m.p.: 94-97℃
【0197】
【化37】
m.p.: 94.8-97.5℃
【0198】
【化38】
m.p.: 132-135℃
【0199】
【化39】
m.p.: 122-124℃
【0200】
【化40】
m.p.: 82-84℃
【0201】
【化41】
m.p.: 118-120℃
【0202】
【化42】
m.p.: 85-87℃
【0203】
【化43】
m.p.: 100-102℃
【0204】
【化44】
m.p.: 143-145℃
【0205】
【化45】
m.p.: 151-153℃
【0206】
【化46】
m.p.: 107-109℃
【0207】
【化47】
m.p.: 142-143℃
【0208】
【化48】
1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.40 (s, 9H), 3.02 (s, 3H), 3.27 (d, 1H), 3.40 (s, 3H), 3.56 (d, 1H), 6.91 (t, 1H), 7.01 (m, 1H), 7.08-7.25 (m, 5H), 7.42 (d, 1H).
【0209】
【化49】
1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.40 (s, 9H), 3.04 (s, 3H), 3.72 (d, 1H), 3.84 (d, 1H), 7.09-7.15 (m, 3H), 7.19 (m, 1H), 7.32 (d, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.48-7.53 (m, 2H).
【0210】
【化50】
1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.40 (s, 9H), 2.89 (s, 3H), 3.07 (s, 3H), 3.35 (d, 1H), 3.40 (s, 3H), 3.55 (d, 1H), 6.92 (t, 1H), 7.01-7.25 (m, 6H), 7.42 (d, 1H).
【0211】
【化51】
m.p.: 94-96℃
【0212】
【化52】
m.p.: 153-155℃
【0213】
【化53】
m.p.: 141-143℃
【0214】
【化54】
m.p.: 75-77℃
【0215】
【化55】
m.p.: 149-151℃
【0216】
【化56】
m.p.: 67-69℃
【0217】
【化57】
m.p.:148-150℃
【0218】
【化58】
m.p.:159-161℃
【0219】
【化59】
m.p.:133-135℃
【0220】
さらに、本発明のオキサジアゾリン化合物のうち、式(II-a)で表される化合物の一部を物性(融点、屈折率、または性状)とともに表1に示す。
表1中のMeはメチル基を示し、Etはエチル基を示し、n−Prはn−プロキル基を示し、t−Buはt−ブチル基を示し、Bnはベンジル基を示し、Acはアセチル基を示し、BOCはt−ブトキシカルボニル基を示し、Phはフェニル基を示し、c−Prはシクロプロピル基を示す。
【0221】
【化60】
【0222】
【表1】
【0223】
【表2】
【0224】
【表3】
【0225】
【表4】
【0226】
【表5】
【0227】
【表6】
【0228】
【表7】
【0229】
上記の化合物のうち、性状がアモルファスまたはビスカスオイルである化合物については、そのNMRデータを以下に示す。
化合物番号(b-22):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.59 (s, 9H), 2.41 (s, 3H), 2.82 (s, 3H), 3.83 (s, 1H), 5.05 (d, 1H), 5.99 (d, 1H), 6.79 (d, 1H), 7.15 (d, 1H), 7.31 (m, 3H), 7.77 (m, 2H).
化合物番号(b-27):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.02 (t, 3H), 1.31 (t, 3H), 1.60 (s, 9H), 2.87 (q, 2H), 3.15 (q, 2H), 5.01 (d, 1H), 6.15 (d, 1H), 6.81 (m, 2H), 7.15 (dd, 1H), 7.27 (m, 3H), 7.72 (m, 2H).
化合物番号(b-28):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.17 (t, 3H), 1.62 (s, 9H), 2.77 (s, 3H), 3.35 (q, 2H), 4.24 (q, 2H), 5.10 (d, 1H), 6.05 (d, 1H), 6.37 (d, 1H), 6.50 (d, 1H), 7.27 (m, 3H), 7.72 (m, 2H).
化合物番号(b-30):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.17 (t, 3H), 1.59 (s, 9H), 2.78 (s, 3H), 3.37 (q, 2H), 5.18 (d, 1H), 6.00 (d, 1H), 7.20 (m, 2H), 7.29 (m, 2H), 7.47 (d, 1H), 7.72 (m, 2H).
化合物番号(b-33):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.59 (s, 9H), 2.85 (s, 3H), 3.82 (s, 1H), 4.98 (d, 1H), 5.84 (d, 1H), 7.00 (t, 1H), 7.12 (m, 1H), 7.29-7.40 (m, 8H), 7.81 (m, 2H).
化合物番号(b-35):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.16 (t, 3H), 1.61 (s, 9H), 2.40 (s, 3H), 2.81 (s, 3H), 3.32 (q, 2H), 5.05 (d, 1H), 6.01 (d, 1H), 6.70 (d, 1H), 6.80 (dd, 1H), 7.28 (m, 3H), 7.68 (d, 1H), 7.75 (dd, 1H).
化合物番号(b-40):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.18 (t, 3H), 1.59 (s, 9H), 2.60 (s, 3H), 2.82 (s, 3H), 3.38 (q, 2H), 5.23 (dd, 1H), 6.11 (dd, 1H), 7.04 (d, 1H), 7.18 (dd, 1H), 7.29 (m, 3H), 7.78 (d, 1H), 7.95 (dd, 1H).
化合物番号(b-50):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.59 (s, 9H), 2.74 (s, 3H), 2.90 (s, 3H), 5.11 (d, 1H), 6.07 (d, 1H), 6.68 (m, 2H), 7.30 (m, 3H), 7.72 (m, 1H), 7.80 (d, 1H).
化合物番号(b-51):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.15 (t, 3H), 1.60 (s, 9H), 2.77 (s, 3H), 3.35 (q, 2H), 5.15 (d, 1H), 6.06 (d, 1H), 6.70 (m, 2H), 7.30 (m, 3H), 7.72 (m, 1H), 7.79 (d, 1H).
化合物番号(b-56):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.15 (t, 3H), 1.61 (s, 9H), 2.20 (s, 3H), 2.79 (s, 3H), 3.35 (q, 2H), 5.15 (d, 1H), 5.96 (d, 1H), 6.73 (d, 1H), 6.96 (m, 1H), 7.28 (m, 3H), 7.56 (d, 1H), 7.73 (m, 1H).
化合物番号(b-58):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.61 (s, 9H), 2.77 (s, 3H), 3.96 (m, 2H), 5.11 (d, 2H), 5.19 (d, 1H), 5.90 (m, 1H), 6.03 (d, 1H), 6.83 (m, 2H), 7.18 (t, 1H), 7.25-7.30 (m, 3H), 7.73 (m, 2H).
化合物番号(b-59):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:0.81 (t, 3H), 1.58 (m, 2H), 1.61 (s, 9H), 2.77 (s, 3H), 3.21 (m, 2H), 5.13 (d, 1H), 6.03 (d, 1H), 6.83 (m, 2H), 7.18 (t, 1H), 7.25-7.30 (m, 3H), 7.73 (m, 2H).
化合物番号(b-63):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.61 (s, 9H), 2.84 (s, 3H), 3.82 (s, 3H), 5.15 (d, 1H), 6.11 (d, 1H), 6.84 (d, 1H), 7.30 (m, 3H), 7.73 (m, 1H), 7.82 (dd, 1H), 8.59 (d, 1H).
化合物番号(b-67):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.67 (s, 9H), 1.73 (s, 3H), 2.96 (s, 3H), 4.97 (d, 1H), 6.18 (d, 1H), 6.91 (m, 2H), 7.30 (m, 4H), 7.69 (d, 1H), 7.81 (d, 1H).
化合物(b-70):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:0.94 (t, 3H), 1.17 (t, 3H), 1.56 (m, 6H), 2.05 (q, 1H), 2.21 (q, 1H), 2.78 (s, 3H), 3.31 (q, 2H), 5.05 (d, 1H), 6.08 (d, 1H), 6.83 (m, 2H), 7.15 (t, 1H), 7.25 (t, 3H), 7.75 (m, 2H).
化合物(b-76):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:2.75 (s, 3H), 5.17 (d, 1H), 5.85 (d, 1H), 6.85 (m, 1H), 6.92 (m, 1H), 7.21-7.32 (m, 8H), 7.61 (m, 1H), 7.66 (m, 1H).
化合物(b-77):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:2.74 (s, 3H), 5.15 (d, 1H), 5.86 (d, 1H), 6.83 (m, 1H), 6.91 (m, 1H), 7.15-7.20 (m, 4H), 7.27-7.35 (m, 4H), 7.60 (m, 1H), 7.64 (m, 1H).
化合物(b-83):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.16 (t, 3H), 1.54 (s, 9H), 2.81 (s, 3H), 3.32 (q, 2H), 5.25 (d, 1H), 5.60 (d, 1H), 6.37-6.40 (m, 2H), 7.25 (m, 1H), 7.29-7.30 (m, 2H), 7.86 (m, 1H).
化合物(b-95):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.15 (t, 3H), 1.60 (s, 9H), 2.79 (s, 3H), 3.33 (q, 2H), 5.33 (d, 1H), 6.05 (d, 1H), 6.75 (t, 1H), 7.25-7.28 (m, 3H), 7.46 (m, 1H), 7.70-7.75 (m, 2H).
化合物(b-97):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.16 (t, 3H), 1.61 (s, 9H), 2.19 (s, 3H), 2.78 (s, 3H), 3.33 (q, 2H), 5.16 (d, 1H), 5.97 (d, 1H), 6.79 (t, 1H), 7.07 (m, 1H), 7.20-7.26 (m, 3H), 7.59 (m, 1H), 7.75 (m, 1H).
化合物(b-107):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.16 (t, 3H), 1.60 (s, 9H), 2.63 (m, 2H), 2.74 (s, 3H), 2.89 (s, 3H), 5.10 (d, 1H), 5.94 (d, 1H), 6.64 (t, 1H), 7.09 (m, 1H), 7.16-7.26 (m, 3H), 7.59 (m, 1H), 7.76 (m, 1H).
【0230】
化合物(b-109):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 1.15-1.17 (m, 6H), 1.61 (s, 9H), 2.53 (q, 2H), 2.78 (s, 3H), 3.34 (q, 2H), 5.08 (d, 1H), 6.01 (d, 1H), 6.66 (s, 1H), 6.73 (d, 1H), 7.24-7.26 (m, 3H), 7.65 (d, 1H), 7.74 (m, 1H).
化合物(b-110):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 1.58 (s, 9H), 2.81 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 5.01 (d, 1H), 6.03 (d, 1H), 6.37 (d, 1H), 6.45 (m, 1H), 7.25-7.28 (m, 3H), 7.68-7.70 (m, 2H).
化合物(b-111):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 1.60 (s, 9H), 2.74 (s, 3H), 2.90 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 5.02 (d, 1H), 6.04 (d, 1H), 6.36 (d, 1H), 6.44 (m, 1H), 7.25-7.28 (m, 3H), 7.66 (d, 1H), 7.73 (m, 1H).
化合物(b-112):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 1.16 (t, 3H), 1.61 (s, 9H), 2.77 (s, 3H), 3.34 (q, 2H), 3.72 (s, 3H), 5.04 (d, 1H), 6.04 (d, 1H), 6.36 (d, 1H), 6.46 (m, 1H), 7.25-7.28 (m, 3H), 7.67 (d, 1H), 7.73 (m, 1H).
化合物(b-138):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 1.34 (t, 3H), 1.59 (s, 9H), 2.24 (s, 3H), 2.63 (m, 2H), 2.74 (s, 3H), 5.11 (d, 1H), 5.98 (d, 1H), 6.64 (t, 1H), 6.79 (m, 1H), 7.16-7.26 (m, 3H), 7.57 (m, 1H), 7.76 (m, 1H).
化合物(b-139):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 1.21 (t, 3H), 1.61 (s, 9H), 1.89 (m, 2H), 2.21 (s, 3H), 2.73 (m, 2H), 2.71 (s, 3H), 5.15 (d, 1H), 5.81 (d, 1H), 6.61 (d, 1H), 6.78 (m, 1H), 7.11-7.31 (m, 3H), 7.61 (m, 1H), 7.88 (m, 1H).
化合物(b-141):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 0.91 (t, 3H), 1.16 (t, 3H), 1.53 (s, 6H), 2.03 (m, 1H), 2. 16 (m, 1H), 2.79 (s, 3H), 3.31 (m, 2H), 5.24 (d, 1H), 6.03 (d, 1H), 6.77 (m, 1H), 7.01 (m, 1H), 7.25-7.29 (m, 3H), 7.50 (m, 1H), 7.72 (m, 1H).
化合物(b-143):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 0.92 (t, 3H), 1.16 (t, 3H), 1.53 (s, 6H), 2.18 (s, 3H), 2.78 (s, 3H), 3.31 (q, 2H), 5.11 (d, 1H), 6.02 (d, 1H), 6.79 (t, 1H), 7.05 (m, 1H), 7.20-7.26 (m, 3H), 7.58 (m, 1H), 7.72 (m, 1H).
化合物(b-149):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 1.07 (s, 9H), 1.18 (t, 3H), 1.65 (s, 3H), 1.68 (s, 3H), 2.12 (d, 1H), 2.30 (d, 1H), 2.78 (s, 3H), 3.34 (q, 2H), 5.09 (d, 1H), 6.07 (d, 1H), 6.80-6.86 (m, 2H), 7.16 (m, 1H), 7.25-7.28 (m, 3H), 7.76-7.79 (m, 2H).
化合物(b-161):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 1.60 (s, 9H), 2.77 (s, 3H), 2.91 (s, 3H), 5.09 (d, 1H), 6.98 (d, 1H), 6.75 (d, 1H), 7.10 (m, 1H), 7.24-7.28 (m, 3H), 7.72-7.75 (m, 2H).
化合物(b-163):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 0.94 (t, 3H), 1.18 (t, 3H), 1.56 (m, 6H), 2.15 (m, 2H), 2.80 (s, 3H), 3.34 (q, 2H), 5.06 (d, 1H), 6.03 (d, 1H), 6.75 (d, 1H), 7.10 (m, 1H), 7.25-7.30 (m, 3H), 7.69-7.72 (m, 2H).
化合物(b-165):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 84-0310 1.15-1.18 (m, 6H), 1.61 (s, 9H), 2.61 (m, 2H), 2.77 (s, 3H), 3.33 (q, 2H), 5.14 (d, 1H), 5.95 (d, 1H), 6.84 (m, 1H), 7.08 (m, 1H), 7.21-7.26 (m, 3H), 7.60 (m, 1H), 7.75 (m, 1H).
化合物(b-167):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 84-0312 0.93 (t, 3H), 1.15-1.18 (m, 6H), 1.53 (s, 6H), 2.08 (m, 1H), 2.10 (m, 1H), 2.62 (m, 2H), 2.77 (s, 3H), 3.32 (q, 2H), 5.09 (d, 1H), 5.98 (d, 1H), 6.83 (t, 1H), 7.08 (m, 1H), 7.21-7.26 (m, 3H), 7.60 (m, 1H), 7.73 (m, 1H).
化合物(b-174):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 0.99 (t, 3H), 1.56 (s, 6H), 2.18 (q, 2H), 2.27 (s, 3H), 2.80 (s, 3H), 2.93 (s, 3H), 5.07 (d, 1H), 6.09 (d, 1H), 6.70 (s, 1H), 6.73 (d, 1H), 7.29 (m, 3H), 7.67 (d, 1H), 7.77 (m, 1H).
化合物(b-175):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 1.00 (t, 3H), 1.41 (m, 2H), 1.55 (s, 6H), 2.09 (q, 2H), 2.24 (s, 3H), 2.77 (s, 3H), 2.90 (s, 3H), 5.06 (d, 1H), 6.05 (d, 1H), 6.67 (s, 1H), 6.71 (d, 1H), 7.27 (m, 3H), 7.64 (d, 1H), 7.73 (m, 1H).
化合物(b-176):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 0.87 (t, 3H), 1.16 (t, 3H), 1.54 (s, 6H), 2.13 (m, 2H), 2.22 (s, 3H), 2.78 (s, 3H), 3.32 (m, 2H), 5.04 (d, 1H), 6.04 (d, 1H), 6.64 (s, 1H), 6.69 (d, 1H), 7.25 (m, 3H), 7.61 (d, 1H), 7.70 (m, 1H).
化合物(b-178):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 0.94 (t, 3H), 1.53 (s, 6H), 2.09-2.14 (m, 2H), 2.76 (s, 3H), 2.89 (s, 3H), 5.06 (d, 1H), 6.05 (d, 1H), 7.81-7.83 (m, 2H), 7.26 (m, 3H), 7.67-7.70 (m, 2H).
化合物(b-179):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 0.97 (t, 3H), 1.52 (s, 6H), 2.03-2.06 (m, 2H), 2.75 (s, 3H), 2.88 (s, 3H), 5.04 (d, 1H), 6.03 (d, 1H), 6.82 (m, 2H), 7.24-7.27 (m, 3H), 7.66-7.71 (m, 2H).
化合物(b-180):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 0.91 (t, 3H), 1.16 (t, 3H), 1.53 (s, 3H), 1.55 (s, 3H), 2.00-2.05 (m, 1H), 2.17-2.21 (m, 2H), 2.78 (s, 3H), 3.32 (q, 2H), 5.09 (d, 1H), 6.05 (d, 1H), 6.82-6.84 (m, 2H), 7.27 (m, 3H), 7.66-7.71 (m, 2H).
化合物(b-194):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 1.15 (t, 3H), 1.60 (s, 9H), 2.53 (q, 2H), 2.75 (s, 3H), 2.89 (s, 3H), 5.04 (d, 1H), 6.02 (d, 1H), 6.66 (s, 1H), 6.73 (d, 1H), 7.25 (m, 3H), 7.65 (d, 1H), 7.73 (m, 1H).
【0231】
さらに、本発明のオキサジアゾリン化合物のうち、式(II-b)で表される化合物の一部を物性(融点、屈折率、または性状)とともに表2に示す。
表2中のMeはメチル基を示し、Etはエチル基を示し、t−Buはt−ブチル基を示し、Bnはベンジル基を示し、Phはフェニル基を示す。
【0232】
【化61】
【0233】
【表8】
【0234】
【表9】
【0235】
上記の化合物のうち、性状がアモルファスまたはビスカスオイルである化合物については、そのNMRデータを以下に示す。
化合物番号(c-23):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.20 (t, 3H), 1.41 (m, 15H), 2.15 (d, 1H), 2.33 (d, 1H), 3.01 (s, 3H), 3.31 (q, 2H), 3.71 (s, 3H), 6.71 (d, 1H), 6.82 (m, 2H).
化合物番号(c-26):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.39 (m, 15H), 2.11 (d, 1H), 2.23 (d, 1H), 2.91 (s, 3H), 4.45 (q, 2H), 6.76 (d, 1H), 6.81 (d, 1H), 7.06 (d, 1H), 7.36 (m, 5H).
化合物(c-34):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.45 (s, 9H), 2.26 (m, 1H), 2.73 (m, 1H), 2.86 (s, 3H), 2.96 (s, 3H), 4.81 (m, 1H), 7.07-7.15 (m, 3H), 7.25-7.50 (m, 5H).
【0236】
さらに、本発明のオキサジアゾリン化合物のうち、式(II-c)で表される化合物の一部を物性(融点または性状)とともに表3に示す。
表3中のMeはメチル基を示し、Etはエチル基を示し、t−Buはt−ブチル基を示す。
【0237】
【化62】
【0238】
【表10】
【0239】
上記の化合物のうち、性状がアモルファスである化合物については、そのNMRデータを以下に示す。
化合物番号(d-3):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:0.87 (t, 3H), 1.69 (s, 9H), 2.74 (s, 2H), 3.38 (q, 2H), 7.24-7.27 (m, 4H), 7.46-7.49 (m, 2H), 7.79 -7.81 (m, 2H).
化合物番号(d-6):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.23 (t, 3H), 1.30 (t, 3H), 1.67 (s, 9H), 2.65 (q, 2H), 2.76 (s, 3H), 2.83 (q, 2H), 3.90 (s, 1H), 7.04 (s, 1H), 7.26-7.28 (m, 2H), 7.52 (m, 1H), 7.57 (, 1H), 7.79 (m, 1H).
化合物(d-9):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm:1.18-1.25 (m, 6H), 1.29 (t, 3H), 1.70 (s, 9H), 2.63 (q, 2H), 2.72 (s, 3H), 2.83 (q, 2H), 3.38 (q, 2H), 7.01 (s, 1H), 7.23-7.25 (m, 2H), 7.49 (m, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.77 (m, 1H).
【0240】
さらに、本発明のオキサジアゾリン化合物のうち、式(I-2)で表される化合物の一部を物性(融点または性状)とともに表4に示す。
表4中のMeはメチル基を示し、Etはエチル基を示し、n−Prはn−プロピル基を示し、t−Buはt−ブチル基を示す。
【0241】
【化63】
【0242】
【表11】
【0243】
【表12】
【0244】
上記の化合物のうち、性状がアモルファスである化合物については、そのNMRデータを以下に示す。
化合物番号(e-6):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 1.13 (t, 3H), 1.57 (s, 9H), 2.76 (s, 3H), 3.13 (m, 2H), 3.32 (q, 2H), 3.40 (m, 1H), 3.86 (m, 1H), 6.90 (m, 1H), 7.10-7.17 (m, 4H), 7.64 (d, 1H), 7.76 (d, 1H).
化合物番号(e-16):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 0.87 (t, 3H), 1.14 (t, 3H), 1.52 (s, 6H), 2.12 (q, 2H), 2.74 (s, 3H), 3.05 (m, 2H), 3.29 (q, 2H), 3.75 (m, 2H), 7.08-7.16 (m, 6H), 7.76-7.78 (d, 2H).
化合物番号(e-32):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 1.05 (s, 9H), 1.62 (s, 6H), 2.20 (s, 2H), 2.71 (s, 3H), 2.89 (s, 3H), 3.08 (m, 2H), 3.72 (m, 2H), 7.08-7.12 (m, 6H), 7.82 (m, 2H).
化合物番号(e-33):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δppm: 1.04 (s, 9H), 1.14 (t, 3H), 1.63 (s, 6H), 2.19 (s, 2H), 2.74 (s, 3H), 3.05 (m, 2H), 3.31 (q, 2H), 3.74 (m, 2H), 7.07-7.14 (m, 6H), 7.83 (m, 2H).
【0245】
さらに、その他の化合物実施例を説明する。
【0246】
〔参考例7〕
1-(tert-butyl)-3-(5,6,7,12-tetrahydrodibenzo[a,d][8]annulen-12-yl)thioureaの合成
【0247】
【化64】
【0248】
5,6,7,12-tetrahydrodibenzo[a,d][8]annulen-12-olを、J. Med. Chem. 1992, 35, 2481.記載の手法で合成した。
5,6,7,12-tetrahydrodibenzo[a,d][8]annulen-12-ol(0.48g)をジクロロエタン(7ml)に溶解した後に1−(t−ブチル)チオウレア(0.32g)およびアルミニウム トリフルオロメタンスルホナート(0.10g)を添加した。2時間撹拌した後に反応溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで目的物0.47gを得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δppm: 1.39(s,9H),2.38(m,2H),2.97(m,2H),3.35(m,2H),5.74(m,1H),6.42(m,1H),6.68(m,1H),7.05(m,4H),7.33(t,2H),7.42(d,2H).
【0249】
〔参考例8〕
N-tert-butyl-N-(5,6,7,12-tetrahydrodibenzo[a,d][8]annulen-12-yl)methanediimineの合成
【0250】
【化65】
【0251】
参考例7で得られたチオウレア(0.55g)のアセトニトリル溶液(5ml)に、トリエチルアミン(0.58ml)と2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド(0.54g)を加え、室温下4時間撹拌した。不溶物をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物0.45gを得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δppm: 1.29(s,9H),2.32(m,2H),2.97(m,2H),3.25(m,2H),6.38(m,1H),7.05(m,4H),7.13(t,2H),7.63(d,2H).
【0252】
〔実施例6〕
N-(tert-butyl)-2'-methyl-6,7-dihydro-2'H,5H-spiro[dibenzo[a,d][8]annulene-12,5'-[1,2,4]oxadiazol]-3'-amine(化合物番号A-1)の合成
【0253】
【化66】
【0254】
参考例8で得られたカルボジイミド(0.45g)のアセトニトリル溶液(8ml)に、N−メチルヒドロキシアミン塩酸塩(0.15g)とトリエチルアミン(0.25ml)を加え、室温下2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、ジクロロメタン(8ml)と二酸化マンガン(0.13g)を加え、室温下2時間撹拌した。反応液をセライトろ過し、不溶物を酢酸エチルで洗浄して、ろ液を減圧濃縮した。粗製生物をヘキサンで洗浄し、目的物0.5gを得た。物性(融点およびNMR)を以下に示す。
融点:153-155℃
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δppm: 1.42(s,9H),2.58(m,4H),2.76(s,3H),2.95(m,2H),3.64(m,1H),7.05(m,4H),7.23(m,2H),7.62(m,2H).
【0255】
〔実施例7〕
N-(tert-butyl)-N,2'-dimethyl-6,7-dihydro-2'H,5H-spiro[dibenzo[a,d][8]annulene-12,5'-[1,2,4]oxadiazol]-3'-amine(化合物番号A-2)の合成
【0256】
【化67】
【0257】
実施例6で得られたアミン(0.1g)のDMF溶液(1ml)に、0℃にて水素化ナトリウム(0.018g)を加え30分撹拌した。ヨウ化メチル(0.04mL)を加え0℃で1時間撹拌した。反応液を氷水に加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、次いで減圧濃縮した。得られた粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物0.075gを得た。物性(融点およびNMR)を以下に示す。
融点:111-113℃
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δppm: 1.49(s,9H),2.51-2.98(m,12H),6.91-7.23(m,5H),7.61-7.88(m,3H).
【0258】
前記の実施例と同様の方法で製造した本発明のオキサジアゾリン化合物(化合物番号A-3〜化合物番号A-16)を物性(屈折率または融点)とともに以下に示す。
【0259】
【化68】
D21.2℃ = 1.6214
【0260】
【化69】
D21.2℃ = 1.6311
【0261】
【化70】
m.p.165-167℃
【0262】
【化71】
m.p.162-164℃
【0263】
【化72】
m.p.76-78℃
【0264】
【化73】
D21.7℃ = 1.6398
【0265】
【化74】
m.p.113-115℃
【0266】
【化75】
m.p.129-131℃
【0267】
【化76】
m.p.138-140℃
【0268】
【化77】
m.p.134-136℃
【0269】
【化78】
nD21.9℃1.6097
【0270】
【化79】
nD21.9℃1.613
【0271】
【化80】
m.p.98-100℃
【0272】
【化81】
nD22℃1.6097
【0273】
〔生物試験〕
本発明のオキサジアゾリン化合物(以下、「本発明化合物」という。)が、有害生物防除剤の有効成分として有用であることを以下の試験例で示す。なお「部」は重量基準である。
【0274】
(試験用乳剤の調製)
本発明化合物5部、ジメチルホルムアミド93.6部、およびポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル1.4部を混合溶解し、有効成分5%の乳剤(I)を調製した。
【0275】
殺虫率は、下記の式により計算した。
殺虫率(%)=(死亡虫数/供試虫数)×100
【0276】
(試験例1)アワヨトウ(Mythimna separata)に対する効力試験
乳剤(I)を、本発明化合物の濃度が125ppmになるように水で希釈した。トウモロコシ葉を前記希釈液に30秒間浸漬した。このトウモロコシ葉を、シャーレに入れ、アワヨトウ2齢幼虫5頭を放した。シャーレを温度25℃、湿度60%の恒温室内に置いた。放虫から6日間経過したときに生死判定を行い、殺虫率を算出した。
【0277】
表13に示す化合物について、アワヨトウに対する効力試験を行った。表13に示す化合物はいずれも、アワヨトウに対し80%以上の殺虫率を示した。
【0278】
【表13】
【0279】
(試験例2)ワタアブラムシ(Aphis gossypii)に対する効力試験
キュウリ苗にワタアブラムシ若虫を接種した。乳剤(I)を本発明化合物が125ppmになるように水で希釈し、ワタアブラムシ若虫が寄生するキュウリに前記希釈液を散布した。該キュウリを温度25℃、湿度60%の恒温室内に置いた。散布から6日間経過したときにワタアブラムシの生死判定を行い、殺虫率を算出した。
【0280】
表14に示す化合物についてワタアブラムシに対する効力試験を行った。表14に示す化合物はいずれも、ワタアブラムシに対して80%以上の殺虫率を示した。
【0281】
【表14】
【0282】
(試験例3)ミナミキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)に対する効力試験
キュウリ苗にミナミキイロアザミウマ成虫を8頭接種した。(乳剤(I)を、本発明化合物の濃度が125ppmになるように水で希釈した。該希釈液をキュウリ苗に散布し、風乾した。散布から7日間経過したときに寄生幼虫数を数えた。化合物の効力は、下記に示す防除率により評価した。
防除率(%)={1- (Nt)/(Nc) }×100
Nt:散布処理区の寄生虫数
Nc:無処理区の寄生虫数
【0283】
表15−1、表15−2に示す化合物について、ミナミキイロアザミウマに対する効力試験を行った。表15−1、表15−2に示す化合物はいずれも、ミナミキイロアザミウマに対し80%以上の防除率を示した。
【0284】
【表15-1】
【0285】
【表15-2】
【0286】
また、同様の試験を特許文献1(WO 2017/093409 A)に記載の化合物P1.4についても行った。当該化合物は、125ppmで80%以上の防除率を示した。
これに対し、化合物番号b-198およびb-184の化合物は、7.8ppmにおいても80%以上の防除率を示した。さらに、化合物番号b-160の化合物は、1.9ppmにおいても80%以上の防除率を示した。
【0287】
【化82】
(試験例4)ネギアザミウマ(Thrips tabaci)に対する効力試験
インゲンリーフディスクにネギアザミウマ若虫を8頭接種した。(乳剤(I)を、本発明化合物の濃度が125ppmになるように水で希釈した。該希釈液をインゲンリーフディスクに散布し、風乾した。散布から7日間経過したときに寄生幼虫数を数えた。化合物の効力は、下記に示す防除率により評価した。
防除率(%)={1- (Nt)/(Nc) }×100
Nt:散布処理区の寄生虫数
Nc:無処理区の寄生虫数
【0288】
表16−1、16−2に示す化合物について、ネギアザミウマに対する効力試験を行った。表16−1、16−2に示す化合物はいずれも、ネギアザミウマに対し80%以上の防除率を示した。
【0289】
【表16-1】
【0290】
【表16-2】
【0291】
(試験例5)ミナミキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)に対するキュウリポット灌注試験
キュウリ苗にミナミキイロアザミウマ成虫を8頭接種した。乳剤(I)を、本発明化合物の濃度が500ppmになるように水で希釈した。該希釈液をキュウリ苗に10mL灌注した。散布から7日間経過したときに寄生虫数を数えた。化合物の効力は、下記に示す防除率により評価した。
防除率(%)={1- (Nt)/(Nc) }×100
Nt:散布処理区の寄生虫数
Nc:無処理区の寄生虫数
【0292】
化合物番号a-10の化合物について、ミナミキイロアザミウマに対する効力試験を行った。当該化合物は、ミナミキイロアザミウマに対し80%以上の防除率を示した。
【0293】
(試験例6)チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)に対する効力試験
お茶のリーフディスクにチャノキイロアザミウマ幼虫を8頭接種した。乳剤(I)を、本発明化合物の濃度が125ppmになるように水で希釈した。該希釈液をお茶のリーフディスクに散布し、風乾した。散布から3日間経過したときに寄生虫数を数えた。化合物の効力は、下記に示す防除率により評価した。
防除率(%)={1- (Nt)/(Nc) }×100
Nt:散布処理区の寄生虫数
Nc:無処理区の寄生虫数
【0294】
化合物番号a-1およびa-10の化合物について、チャノキイロアザミウマに対する効力試験を行った。いずれの化合物もチャノキイロアザミウマに対し80%以上の防除率を示した。
【0295】
(試験例7)ヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)に対する効力試験
ササゲリーフディスクにヒラズハナアザミウマ幼虫を8頭接種した。乳剤(I)を、本発明化合物の濃度が125ppmになるように水で希釈した。該希釈液をササゲリーフディスクに散布し、風乾した。散布から3日間経過したときに寄生虫数を数えた。化合物の効力は、下記に示す防除率により評価した。
防除率(%)={1- (Nt)/(Nc) }×100
Nt:散布処理区の寄生虫数
Nc:無処理区の寄生虫数
【0296】
化合物番号a-10の化合物について、ヒラズハナアザミウマに対する効力試験を行った。当該化合物は、ヒラズハナアザミウマに対し80%以上の防除率を示した。
【0297】
(試験例8)ミナミキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)に対する浸達試験
乳剤(I)を、本発明化合物の濃度が125ppmになるように水で希釈し、キュウリの葉の表面のみに散布および風乾した。その後、リーフディスクを作成し、裏面にミナミキイロアザミウマ成虫を8頭接種した。接種から2日間経過したときに寄生虫数を数えた。化合物の効力は、下記に示す防除率により評価した。
防除率(%)={1- (Nt)/(Nc) }×100
Nt:散布処理区の寄生虫数
Nc:無処理区の寄生虫数
【0298】
化合物番号a-10およびa-12の化合物について、ミナミキイロアザミウマに対する浸達試験を行った。いずれの化合物も、ミナミキイロアザミウマに対し80%以上の防除率を示した。
【0299】
(試験例9)ミナミキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)に対するポット植えのワタ苗を用いた効力試験
育苗ポットに植えたワタ苗にミナミキイロアザミウマ成虫を8頭接種した。乳剤(I)を、本発明化合物の濃度が125ppmになるように水で希釈した。該希釈液を前記ワタ苗に散布した。散布から3日間経過したときに寄生虫数を数えた。化合物の効力は、下記に示す防除率により評価した。
防除率(%)={1- (Nt)/(Nc) }×100
Nt:散布処理区の寄生虫数
Nc:無処理区の寄生虫数
【0300】
化合物番号a-10の化合物について、ミナミキイロアザミウマに対するポット植えのワタ苗を用いた効力試験を行った。当該化合物は、ミナミキイロアザミウマに対し80%以上の防除率を示した。
【0301】
(試験例10)ミナミキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)に対するワタ灌注試験
セルトレイに植えたワタ苗にミナミキイロアザミウマ成虫を10頭接種した。乳剤(I)を、本発明化合物の濃度が500ppmになるように水で希釈した。該希釈液を前記ワタ苗に7mL灌注した。処理7日間経過したときに寄生虫数を数えた。化合物の効力は、下記に示す防除率により評価した。
防除率(%)={1- (Nt)/(Nc) }×100
Nt:散布処理区の寄生虫数
Nc:無処理区の寄生虫数
【0302】
化合物番号a-10の化合物について、ミナミキイロアザミウマに対するワタ灌注試験を行った。当該化合物は、ミナミキイロアザミウマに対し80%以上の防除率を示した。
【0303】
本発明のオキサジアゾリン化合物の中から無作為に選択したものが、いずれも上記のような効果を奏することから、本発明のオキサジアゾリン化合物は、例示しきれなかった化合物を含め、有害生物防除、特に殺ダニ、殺虫などの効果を有する化合物であることが理解できる。また、外部寄生虫などの人畜に害のある寄生虫にも効果を有する化合物であることが理解できる。