特許第6786032号(P6786032)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6786032
(24)【登録日】2020年10月30日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】加工処理装置及びシートの加工処理方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/06 20060101AFI20201109BHJP
   B65H 7/02 20060101ALI20201109BHJP
【FI】
   B65H5/06 K
   B65H7/02
【請求項の数】13
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2015-245311(P2015-245311)
(22)【出願日】2015年12月16日
(65)【公開番号】特開2017-109834(P2017-109834A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2018年9月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138014
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 香織
(72)【発明者】
【氏名】大岩 英紀
(72)【発明者】
【氏名】松本 雅靖
(72)【発明者】
【氏名】長田 優輔
(72)【発明者】
【氏名】池下 裕樹
【審査官】 五閑 統一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−209159(JP,A)
【文献】 特開2004−025691(JP,A)
【文献】 特開2001−232700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/00
B65H 35/00
B41J 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】

シートを搬送する搬送部と、前記搬送部による搬送を停止した際、シートの搬送方向に交差する向きに該シートに所定の加工処理を施す加工処理部と、搬送経路上の前記加工処理部の設置位置より搬送方向下流側に設置され、シートの所定位置を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて、前記加工処理部においてシートを停止するタイミングを補正する制御部とを備え、前記制御部は、搬送経路における前記検出部設置位置より所定量上流側の基準位置から前記検出部設置位置までシートを実際に搬送するのに要した前記シートの移動量の計測値と、前記基準位置から前記検出部設置位置までの距離に対応する前記シートの移動量の設計値とを比較し、両者の差を、前記シートを停止するタイミングの補正に用いる加工処理装置。
【請求項2】

前記搬送部は、搬送経路上の前記加工処理部と前記検出部との間に設置される検出上流側搬送部を備える請求項1に記載の加工処理装置。
【請求項3】

前記搬送部は、搬送経路上で前記加工処理部より下流側に設置される加工下流側搬送部を備え、前記制御部は、前記加工下流側搬送部によって先行して搬送されるシートの搬送速度を、後続のシートより速くするかまたは先行して搬送されるシートの搬送開始タイミングを後続のシートより早くするよう制御する請求項1または請求項2に記載の加工処理装置。
【請求項4】

前記制御部は、前記シートを停止するタイミングの補正を、前記検出部の検出結果に基づいて決定するのかどうかを、シートの加工処理情報に応じて判断する請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の加工処理装置。
【請求項5】

前記基準位置は、搬送経路におけるシートの所定位置を検出する他の検出部の設置位置または加工処理部設置位置の少なくともいずれかである請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の加工処理装置。
【請求項6】

搬送経路に沿って複数の加工処理部が設けられ、前記制御部は、いずれかの加工処理部における前記シートを停止するタイミングの補正を、同一のまたは他の加工処理部で既に行われた加工処理時点に基づいて制御する請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の加工処理装置。
【請求項7】

前記検出部は、シートの前端を検出する請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の加工処理装置。
【請求項8】
搬送部によって搬送されるシートを、搬送経路上に設けられた加工処理部において前記搬送部による搬送を停止し搬送方向に交差する向きに加工処理するシートの加工処理方法であって、前記加工処理部より搬送方向下流側に設置された検出部によって、シートの所定位置を検出し、前記検出部の検出結果に応じて、前記加工処理部における前記シートを停止するタイミングを補正し、搬送経路における前記検出部設置位置より所定量上流側の基準位置から前記検出部設置位置までシートを実際に搬送するのに要した前記シートの移動量の計測値と、前記基準位置から前記検出部設置位置までの距離に対応する前記シートの移動量の設計値とを比較し、両者の差を、前記シートを停止するタイミングの補正に用いるシートの加工処理方法。
【請求項9】
前記検出部は、前記加工処理部と前記検出部との間に設置された検出上流搬送部によって搬送されるシートを検出する請求項8に記載のシートの加工処理方法。
【請求項10】
搬送経路上で前記加工処理部より下流側に設置される加工下流側搬送部によって、先行して搬送されるシートの搬送速度を後続のシートより速くするかまたは先行して搬送されるシートの搬送開始タイミングを後続のシートより早くする請求項8または請求項9に記載のシートの加工処理方法。
【請求項11】
前記シートを停止するタイミングの補正を、前記検出部の検出結果に基づいて決定するのかどうかを、シートの加工処理情報に応じて判断する請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載のシートの加工処理方法。
【請求項12】
前記基準位置は、搬送経路におけるシートの所定位置を検出する他の検出部の設置位置または加工処理部設置位置の少なくともいずれかである請求項8乃至請求項11のいずれか一項に記載のシートの加工処理方法。
【請求項13】
前記検出部は、シートの前端を検出する請求項8乃至請求項12のいずれか一項に記載のシートの加工処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工処理装置及びシートの加工処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送されてきたシートを、加工処理部によって加工処理する加工処理装置が知られている。下記特許文献1には、段ボールを裁断する際、裁断装置の下流側に撮影装置を配置し、撮影装置で撮影される画像を基に段ボールの切断位置を修正している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3560922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の装置では、段ボールを裁断する裁断装置がロータリーカッター7によって構成されている。ロータリーカッターで段ボールを裁断する際は、段ボールの搬送を停止しない。段ボールは、一定速度で搬送されるので、裁断の際の位置ずれが生じにくい。
【0005】
しかし、シートの搬送を停止して裁断処理する場合、各搬送ローラが個別に有する回転軸の偏心や表面の摩耗の状態、搬送ベルトのテンションの具合等を原因とする搬送状態の違い、シートの滑りやすさ等の材質や品質の違い等によって搬送定置位置がずれるためにシートの加工処理位置にばらつきが生じることがある。
【0006】
本発明の目的は、シートの加工処理位置のばらつきを抑制可能な加工処理装置及びシートの加工処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】

上記課題を解決するため、本発明の加工処理装置はシートを搬送する搬送部と、前記搬 送部による搬送を停止した際、シートの搬送方向に交差する向きに該シートに所定の加工 処理を施す加工処理部と、搬送経路上の前記加工処理部の設置位置より搬送方向下流側に 設置され、シートの所定位置を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて、前記加工処理部においてシートを停止するタイミングを補正する制御部とを備え、前記制御部は、搬送経路における前記検出部設置位置より所定量上流側の基準位置から前記検出部設置位置までシートを実際に搬送するのに要した前記シートの移動量の計測値と、前記基準位置から前記検出部設置位置までの距離に対応する前記シートの移動量の設計値とを比較し、両者の差を、前記シートを停止するタイミングの補正に用いる。
【0008】
また、前記構成において、前記搬送部は、搬送経路上の前記加工処理部と前記検出部との間に設置される検出上流搬送部を備える。
【0009】
そして、前記各構成において、前記搬送部は、搬送経路上で前記加工処理部より下流側に設置される加工下流側搬送部を備え、前記制御部は、前記加工下流側搬送部によって先行 して搬送されるシートの搬送速度を、後続のシートより速くするかまたは先行して搬送されるシートの搬送開始タイミングを後続のシートより早くするよう制御する。
【0010】
更に、前記各構成において、前記制御部は、前記シートを停止するタイミングの補正を、前記検出部の検出結果に基づいて決定するのかどうかを、シートの加工処理 情報に応じて判断する。
【0012】
更に、前記各構成において、前記基準位置は、搬送経路におけるシートの所定位置を検出する他の検出部の設置位置または加工処理部設置位置の少なくともいずれかである
【0013】
更に、前記各構成において、加工処理部が複数設けられ、前記制御部は、いずれかの加工処理部における前記シートを停止するタイミングの補正を、同一のまたは他の加工処理部で既に行われた加工処理時点に基づいて制御する。
【0014】
更に、前記各構成において、前記検出部は、シートの前端を検出する。
【0017】
また、本発明のシートの加工処理方法は、搬送部によって搬送されるシートを、搬送経路上に設けられた加工処理部において前記搬送部による搬送を停止し搬送方向に交差する向きに加工処理するシートの加工処理方法であって、前記加工処理部より搬送方向下流側に設置された検出部によって、シートの所定位置を検出し、前記検出部の検出結果に応じて、前記加工処理部における前記シートを停止するタイミングを補正し、搬送経路における前記検出部設置位置より所定量上流側の基準位置から前記検出部設置位置までシートを実際に搬送するのに要した前記シートの移動量の計測値と、前記基準位置から前記検出部設置位置までの距離に対応する前記シートの移動量の設計値とを比較し、両者の差を、前記シートを停止するタイミングを補正に用いる。
【0018】
また、前記構成において、前記検出部は、前記加工処理部と前記検出部との間に設置された検出上流搬送部によって搬送されるシートを検出する。
【0019】
そして、前記各構成において、搬送経路上で前記加工処理部より下流側に設置される加工下流側搬送部によって、先行して搬送されるシートの搬送速度を後続のシートより速くするかまたは先行して搬送されるシートの搬送開始タイミングを後続のシートより早くする。
【0020】
更に、前記各構成において、前記シートを停止するタイミングの補正を、前記検出部の検出結果に基づいて決定するのかどうかを、シートの加工処理情報に応じて判断する。
【0022】
更に、前記各構成において、前記基準位置は、搬送経路におけるシートの所定位置を検出する他の検出部の設置位置または加工処理部設置位置の少なくともいずれかである
【0023】
前記検出部は、シートの前端を検出する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、搬送経路上の加工処理部の設置位置より搬送方向下流側に設置され、シートの所定位置を検出する検出部の検出結果に基づいて、前記加工処理部においてシートを停止するタイミングを補正する制御部とを備え、前記制御部は、搬送経路における前記検出部設置位置より所定量上流側の基準位置から前記検出部設置位置までシートを実際に搬送するのに要した前記シートの移動量の計測値と、前記基準位置から前記検出部設置位置までの距離に対応する前記シートの移動量の設計値とを比較し、両者の差を、前記シートを停止するタイミングの補正に用いるので、シートの加工処理位置のばらつきを抑制可能である。
【0025】
また、搬送部は、搬送経路上の前記加工処理部と前記検出部との間に設置される検出上流搬送部を備える場合は、検出上流搬送部によって挟持搬送されるシートを精度よく加工処理することができる。
【0026】
そして、制御部は、前記加工下流側搬送部によって先行して搬送されるシートの搬送速度 を、後続のシートより速くするかまたは先行して搬送されるシートの搬送開始タイミング を後続のシートより早くするよう制御する場合は、シートの加工処理情報によれば、加工 処理部の下流側の検出部でシートの所定位置を検出することが困難となるときでもシート の所定位置を検出することができる。
【0027】
更に、制御部は、前記シートを停止するタイミングの補正を、前記検出部の検出結果に基づいて決定するのかどうかを、シートの加工処理情報に応じて判断する場合は、加工処理情報により必要があるときのみ加工処理部の下流側の検出部の検出結果を基に搬送を停止するタイミングを制御するようにすることができる。
【0029】
更に、前記基準位置は、搬送経路におけるシートの所定位置を検出する他の検出部の設置位置または加工処理部設置位置の少なくともいずれかである場合は、搬送駆動部の駆動量を容易に計測できる。
【0030】
更に、搬送経路に沿って複数の加工処理部が設けられ、前記制御部は、いずれかの加工処理部における前記シートを停止するタイミングの補正を、同一のまたは他の加工処理部で行われた直前の加工処理時点に基づいて制御する場合は、加工処 理位置の精度をより向上可能である。
【0031】
更に、検出部は、シートの前端を検出する場合は、シートの搬送位置を容易に把握することができる。
【0034】
また、本発明のシートの加工処理方法は、加工処理部より搬送方向下流側に設置された検出部によって、シートの所定位置を検出し、前記検出部の検出結果に応じて、前記加工処理部における前記シートを停止するタイミングを補正し、搬送経路における前記検出部設置位置より所定量上流側の基準位置から前記検出部設置位置までシートを実際に搬送するのに要した前記シートの移動量の計測値と、前記基準位置から前記検出部設置位置までの距離に対応する前記シートの移動量の設計値とを比較し、両者の差を、前記シートを停止するタイミングの補正に用いるので、シートの加工処理位置のばらつきを抑制可能である。
【0035】
また、前記検出部は、前記加工処理部と前記検出部との間に設置された検出上流搬送部によって搬送されるシートを検出する場合は、検出上流搬送部によって挟持搬送されるシートを精度よく加工処理することができる。
【0036】
そして、搬送経路上で前記加工処理部より下流側に設置される加工下流側搬送部によって、先行して搬送されるシートの搬送速度を、後続のシートより速くするかまたは搬送開始タイミングを後続のシートより早くする場合は、シートの加工処理情報によれば、加工処理部の下流側の検出部でシートの所定位置を検出することが困難となるときでもシートの所定位置を検出することができる。
【0037】
更に、前記シートを停止するタイミングの補正を、前記検出部の検出結果に基づいて決定するのかどうかを、シートの加工処理情報に応じて判断する場合は、加工処理情報により必要があるときのみ加工処理部の下流側の検出部の検出結果を基に搬送を停止するタイミングを制御するようにすることができる。
【0039】
更に、前記基準位置は、搬送経路におけるシートの所定位置を検出する他の検出部の設置位置または加工処理部設置位置の少なくともいずれかである場合は、搬送駆動部の駆動量を容易に計測できる。
【0040】
更に、前記検出部は、シートの前端を検出する場合は、シートの搬送位置を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明の一実施形態に係る加工処理装置の模式縦断面図である。
図2】前記加工処理装置で処理するシートの加工処理パターンの一例を示す平面図である。
図3】前記加工処理装置の動作フローである。
図4】本発明の他の実施形態に係る加工処理装置の模式縦断面図である。
図5】前記加工処理装置で処理するシートの加工処理パターンの一例を示す平面図である。
図6】前前記加工処理装置の動作フローである。
図7】本発明の更に他の実施形態に係る加工処理装置の模式縦断面図である。
図8】前記加工処理装置で処理するシートの加工処理パターンの一例を示す平面図である。
図9】前記加工処理装置の動作フローである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
(第1の実施形態)
本発明にかかる加工処理装置の第1の実施形態を、図面を用いて説明する。
[加工処理装置の全体構成]
図1は本発明に係る加工処理装置の模式縦断面図である。この図1において、加工処理装置100は、シートSを搬送する搬送部4を備える。装置本体1のシートSの搬送方向Fの上流端部に供給部3を備える。装置本体1の搬送方向Fの下流端部には、シートSに所定の加工処理が施されることで得られた加工処理物Qを載置する載置部2を備える。供給部3と載置部2との間に、略水平な搬送経路5が構成されている。
【0043】
搬送部4には、供給部3を構成する給紙ローラ8及び吸引搬送ベルト機構51が含まれる。更に、搬送部4は、搬送経路5に沿って間隔をおいて設置された第1搬送部11〜第10搬送部20を備えている。第1搬送部11〜第10搬送部20は、それぞれ上下一対の搬送ローラを備える。また、搬送経路5には、搬送されるシートSを加工処理する加工処理部6が設置されている。図1では、加工処理部6として、裁断部9及びクリース処理部21が設けられている。裁断部9は、3つのスリッター処理部29と、カッター処理部22とにより構成される。クリース処理部21とカッター処理部22とは、シートSの搬送部4による搬送を停止した際、該シートSの搬送方向Fに交差する向きに所定の加工処理を施す。
【0044】
スリッター処理部29、クリース処理部21及びカッター処理部22は、それぞれ着脱可能なユニットとして構成されており、カセット方式により、装置本体1内の所望の位置に着脱できる構造となっている。したがって、加工の種類に応じて、各加工処理部6の配置順序を変更したり、あるいは搬送方向Fに沿ったクリース処理を施す機構、面取り機構やミシン目形成機構等の他の加工処理部と取り替えたり、追加したりすることができる。
【0045】
スリッター処理部29の上流側には、読取部26及びリジェクト機構25が配置され、スリッター処理部29の下流側には、紙片落とし機構27が配置されている。また、装置本体1内の下部には、紙片回収部23が配置されている。
【0046】
搬送部4を構成する第1〜第10搬送部11〜20は、図示しない動力伝達機構を介して搬送駆動部41〜44にそれぞれ連結されており、各搬送駆動部41〜44は制御部45に電気的に接続されている。搬送駆動部41〜44は搬送モータによって構成される。搬送モータの種類は、ステッピングモータ、DCモータ、サーボモータ等用いることができる。
【0047】
制御部45には、CPUや、RAM及びROM等の記憶装置が内蔵されており、制御部45のインターフェースには、操作パネル46及び読取部26が電気的に接続されている。操作パネル46は、シートSの裁断処理に関する情報を含む各種加工処理情報を設定する設定部と表示部とを兼ねて構成する。また、読取部26は、前記設定部を構成する。
【0048】
搬送経路5には、さらに、シートSの所定位置を検出する複数の検出部10が配置されている。本第1の実施形態では、各検出部10は、シートSの前端(下流側端縁)Sfあるいは後端(上流側端縁)Srの双方を検出する光透過式のセンサーによって構成されている。検出部10は、搬送経路5上に間隔をおいて設置された第1〜第5検出部31〜35を備える。第1〜第5検出部31〜35は、それぞれ制御部45のインターフェースに電気的に接続されている。
【0049】
シートSの搬送方向Fにおいて最も上流側の第1検出部31は、読取部26の上流側近傍に配置され、次の第2検出部32は、スリッター処理部29の上流側近傍に配置され、次の第3検出部33は,スリッター処理部29の途中に配置され、次の第4検出部34は、クリース処理部21の上流側近傍に配置される。最も下流側の第5検出部35は、搬送経路5上の加工処理部6としてのカッター処理部22の設置位置より搬送方向F下流側に設置される。そして、第5検出部35は、前後に隣接配置された第9搬送部19と第10搬送部20との間に配置されている。
【0050】
第1検出部31は、供給部3からシートSが供給された後、搬送ローラ9で挟持されたシートSの前端Sf又は後端Srを検出し、検出したシートS位置を基準にして、搬送経路5上で搬送されている各シートSの位置を一義的に検出する。
【0051】
第2検出部32〜第5検出部35は、シートSのジャムを検出する。また、第4検出部34及び第5検出部35は、搬送経路5が長くなって搬送経路5上のシートSの搬送方向Fの位置ずれ(搬送誤差)の累積が起こった場合に備えて、第1検出部31で得られたシート位置情報を修正して、当該シート位置情報をより正確なものにするために設置している。そして、第5検出部35は、加工処理部6としてのカッター処理部22で裁断されたシートSが載置部2への排出される際に、シートSの前端Sfまたは後端Srを検出する。
【0052】
カッター処理部22の下流側の第9搬送部19は、搬送経路5上において、加工処理部6としてのカッター処理部22と第5検出部35との間に設置される検出上流側搬送部を構成する。最も下流側に設置された第10搬送部20は、搬送経路5上において第5検出部35より下流側に設置される検出下流側搬送部を構成する。
【0053】
[供給部3]
供給部3には給紙ローラ8が配置される。また、供給部3は、吸引搬送ベルト機構51を内蔵しており、供給台52上に積載された所定枚数のシートSを、吸引搬送ベルト機構51及び上下一対の給紙ローラ8により、上から順に、一枚ずつ搬送経路5に供給する。給紙ローラ8及び吸引搬送ベルト機構51は、シートSを搬送する搬送部4を構成する。一対の給紙ローラ8のうち下方の給紙ローラ81及び吸引搬送ベルト機構51は、給紙用駆動部47に接続され、該給紙用駆動部47は制御部45に電気的に接続されている。給紙用駆動部47は搬送モータによって構成される。
【0054】
[読取部26]
読取部26は、前記操作パネル46による各種加工処理情報の手動入力とは別に、自動的に加工処理情報を読み取り、設定を行う設定部を構成する。具体的には、図2に示すようなシートSの前端部分の隅部に印刷された位置マークM1の画像を読み取って、シートSの搬送方向F及び搬送方向Fと直交する幅方向Wの加工の基準位置を検出するとともに、シートSの前端部分に印刷されたバーコードM2の画像を読み取ってシートSに施されるべき各種加工処理情報を取得するCCDセンサー等により構成される。加工処理情報としては、たとえば、シートSの搬送方向Fの全長及び全幅に加え、裁断部9としてのスリッター処理部29及びカッター処理部22による裁断線T、Kの位置情報、クリース処理部21による折線Cの位置情報、これらの加工処理によって得られる加工処理物Qの寸法、数及び配置の情報等が挙げられる。
【0055】
[リジェクト機構25]
図1のリジェクト機構25は、シートSに印刷された位置マークM1やバーコードM2が不鮮明であるために読取部26による読取が不能であった場合、そのシートSに対して、作動し、読取不能のシートSを落下させてトレイ24で回収する。
【0056】
[スリッター処理部29]
スリッター処理部29は、搬送方向Fに3つのユニットを並べており、各ユニットには、上下の回転刃からなる一対の裁断刃36が、それぞれ幅方向Wに間隔を置いて2組ずつ配置されている。回転刃駆動部48の駆動力で下側の各回転刃を回転させることにより、搬送部4による搬送方向Fに沿った裁断を行いシートSに対して裁断線Tを形成するようになっている。前記2組の上下裁断刃36の幅方向Wの位置は任意に変更可能となっている。
【0057】
最上流のユニット20aには、裁断刃36の下流側にマージン落し部材55が設置されている。最上流のユニット20aでは、主としてシートSの左右両端縁の不要な紙片Jm(図2参照)が切り取れられる。マージン落し部材55は、この裁断刃36によって切り取られた左右両端縁の紙片Jmを紙片回収部23へ案内し、落下させる。
【0058】
[紙片落とし機構27]
紙片落とし機構27は、前記スリッター処理部29の3つのユニットのうち、搬送方向F中央のユニット20b及び最下流のユニット20cで、搬送部4による搬送方向Fに沿ったシートSの裁断を行うことで搬送方向Fに沿って切り取られ不要となったシートSのなかほどの紙片Jcを、搬送経路5の下方へ排除する。紙片落とし機構27は、例えば、最下流のユニット20cの裁断刃36の幅方向Wの移動に伴って移動するよう構成することができ、シートSが紙片落とし機構27を通過する際に、前記紙片Jcを紙片回収部23へ案内し、落下させる。
【0059】
[クリース処理部21]
クリース処理部21では、シートSに搬送方向Fに交差する向きに沿った谷折りの折線Cが形成される。クリース処理部21は、上下一対の折型37を備える。折型37は、上端に凹部を有し、搬送経路5の下方に設置される凹型39と、前記凹型39の凹部に挿通可能な下端に凸部を有する凸型38とを備えている。凸型38は、凹型39の上方に対向配置される。凸型38は、モータ等の折り型駆動部49に動力伝達機構を介して連結されている。すなわち、折り型駆動部49の駆動力で凸型38を下降させることにより、シートSに対して、搬送方向Fと直交する幅方向Wに谷折りの折線Cを形成する。
【0060】
[カッター処理部22]
カッター処理部22では、シートSが搬送方向Fに交差する向きに裁断される。そして、本第1の実施形態では、カッター処理部22で、シートSが搬送方向Fに直交する向きに裁断される。カッター処理部22は、幅方向Wに延び、相対向する上側可動刃71及び下側固定刃73からなる一対の裁断刃41を備える。上側可動刃71は下側固定刃73に対し近接離間し、これにより、シートSを搬送方向Fと直交する幅方向Wに沿って設定された所定位置で裁断する。上側可動刃71は、図示しない動力伝達機構を介してモータ等の裁断駆動部50に連結されている。
【0061】
[載置部2]
載置部2は、載置台57及びストッパー58を備える。載置台57は、第10搬送部20により排出されたシートSが載置される。載置台57は、図示しない昇降手段によって昇降自在となっており、第10搬送部20によるシートSの排出高さより所定量低い位置に、載置台57上に積載された複数の加工処理物Qのうち最上位の加工処理物Qが位置するよう調整される。よって、シートSの加工処理が進行し、加工処理物Qの積載量が増大するのに伴って載置台57は徐々に下降される。
【0062】
[紙片回収部23]
紙片回収部23は、紙片収容箱65及びガイド69、70を備える。紙片収容箱65は、上部開口を有する直方体状に形成される。紙片収容箱65は、裁断部9において切り取られ不要となったシートSである紙片Jを回収し、収容する。ガイド69、70は、裁断部9において切り取られ、落下する不要な紙片Jを紙片収容箱65へと案内する。
【0063】
[制御部45]
制御部45は、加工処理装置100全体の動作を制御する。そして、制御部45は、第1〜第5検出部31〜35からの情報を取得し、操作パネル46または読取部26により設定されたシートSの加工処理情報に基づいて供給部3、搬送部4及び各加工処理部の駆動を制御し、シートSの加工処理を行う。
【0064】
更に、制御部45は、検出部10の検出結果に基づいて、前記加工処理部6においてシートを加工処理するため搬送部4による搬送を停止するタイミングを制御する。また、制御部45は、シートSを加工処理するため搬送を停止するタイミングを、加工処理部6の設置位置より下流側に設置された検出部10、または、搬送経路5における加工処理部6の設置位置より上流側に設置されたシートの搬送位置を検出する上流側搬送位置検出部のいずれの検出結果に基づいて行うのかを、シートの加工処理情報に応じて判断する。
【0065】
更に制御部45は、搬送経路6における検出部10の設置位置より所定量上流側の基準位置から検出部10設置位置までシートSを実際に搬送するのに要したシートSの移動量の計測値と、基準位置から検出部10設置位置までの距離に対応するシートSの移動量の設計値とを比較し、両者の差をシートを停止するタイミングの補正に用いる。更に、制御部45は、加工処理部6より下流側に設置された検出部10の検出結果に基づいて、シートSを加工処理するため搬送部4による搬送を停止するタイミングを制御する際には、搬送経路5における前記検出部10の設置位置より所定量上流側の基準位置から検出部10の設置位置までシートSを実際に搬送するのに要した搬送モータの計測ステップ数と、基準位置から検出部10設置位置までの距離に対応する搬送モータの基準ステップ数とを比較し、両者の差を、シートSを停止するタイミングの補正に用いることができる。
【0066】
シートSの移動量の計測値及び設計値の開始地点である基準位置は、加工処理部6より下流側に設置された検出部10より上流側に設置されていれば特に限定されない。よって、基準位置は、搬送経路5上の他の検出部10の設置位置とすることができ、加工処理部6設置位置とすることも可能である。
【0067】
具体的には、加工処理がクリース処理であり、第5検出部35が加工処理部6より下流側に設置された検出部10である場合、基準位置は、給紙台52の前端、読み取り部26の設置位置、シートSの所定位置を検出する他の検出部10としての第1〜第4検出部31〜34の設置位置またはクリース処理部21のいずれかとすることができる。加工処理がカッター処理であり、第5検出部35が加工処理部6より下流側に設置された検出部である場合、基準位置は、給紙台52の前端、読み取り部26の設置位置、シートSの所定位置を検出する他の検出部10としての第1〜第4検出部31〜34の設置位置、加工処理部6としてのクリース処理部21の設置位置、カッター処理部22の設置位置のいずれかとすることができる。よって、例えば、第5検出部35より所定量上流側の所定位置として、第4検出部34の設置位置を用いることができ、他の例として、カッター処理部22の裁断刃36設置位置が挙げられる。
【0068】
[シートの加工処理パターン]
図2は、シートSの加工処理パターンの一例を示す平面図である。同図に示す加工処理パターンは、一枚のシートSから折線Cを有する4枚の加工処理物Qを製作するようになっている。基本的には、搬送方向Fと平行に延びる4本の裁断線Tと、幅方向Wに延びる2本の折線C及び幅方向Wに延びる4本の裁断線Kが設定されている。2本の折線C及び裁断線Kは、シートSが裁断線Tで搬送方向Fに平行に裁断され、シートSから切り取られた長尺の紙片Jm,Jcが除去されることで、幅方向Wに並んだ2枚のシートSの切断片に対し、同時にクリース処理または裁断処理が複数回施されることで形成される。
【0069】
尚、図2に示すシートSの加工処理パターンでは、スリッター処理部29による搬送方向Fと平行な裁断線Tが4本となっているので、スリッター処理部29のうち中央のユニット20bまたは最下流のユニット20cのいずれか一方のみ幅方向Wの所定位置に移動して裁断処理し、他方は、シートSの搬送経路5の外側へ移動して待機させる。
【0070】
このようなシートSの加工処理パターンについてのシートSに施されるべき各種加工処理情報は、使用者によって操作パネル46を用いて設定されるか、または、シートSのバーコードM2に記録される。この各種加工処理情報には、シートSの大きさ、コシの強さ、厚さ、種類、加工処理物Qの配列、数及び寸法、シートSから切り取られる不要な紙片Jの大きさ、搬送方向Fや幅方向W等の所定方向の長さ、数等のシートSの加工処理に関する情報が含まれる。
【0071】
[加工処理装置の全体作業の概要]
(1)図1に示す操作パネル46より、使用者が各種加工処理情報を入力する。なお、この手動入力の代わり、あるいは、手動入力と協働して、読取部26によるバーコードM2等の読み取りにより、加工処理情報を自動的に入力させることもできる。
【0072】
(2)図1の供給部3の供給台52上に積載された複数のシートSを、吸引搬送ベルト機構51及び給紙ローラ8により、上端から一枚ずつ搬送経路5に供給する。供給速度は、加工処理情報として入力された搬送速度と等しくなるよう制御部45により調整される。また、制御部45は、供給用駆動部47及び搬送駆動部41〜44の駆動を制御することによって、搬送経路5上のシートSが所定の搬送速度で搬送されるよう制御する。そして、制御部45は、加工処理部で加工処理するためにシートSの搬送を一時的に停止する場合には、搬送部4による搬送速度を所定割合で減速するとともに、加工処理後に所定割合で加速するよう制御する。
【0073】
(3)搬送部4によってシートSが所定の搬送速度で搬送されることで、該シートSが読取部26にいたると、シートSの位置マークM1並びに、必要に応じてバーコードM2が読み取られてシートSに施されるべき各種加工処理情報が取得される。
【0074】
(4)リジェクト機構25では、仮に、読取部26による読取が不能であり、加工条件が不明である場合には、そのシートSに対して、作動し、読取不能のシートSを落下させてトレイ24で回収する。
【0075】
(5)スリッター処理部29では、裁断刃36により搬送方向Fと平行な複数の裁断線TでシートSを裁断する。最上流のユニット20aでシートSから切り取られた左右両端縁の不要な紙片Jmは、マージン落し部材55によって下方の紙片回収部23へと下向きに移動させられ、ガイド69に案内され、紙片収容箱65に収容される。
【0076】
(6)紙片落とし機構27では、スリッター処理部29のうち中央のユニット20b及び最下流のユニット20cによってシートSから切り取られた不要な紙片Jcが、下方の紙片回収部23へと下向きに移動させられ、紙片収容箱65に収容される。その後第4検出部34設置位置において、シートSの前端Sfが検出される。
【0077】
(7)クリース処理部21では、シートSの折線C形成位置が折型37の設置位置に接近すると、制御部45が、給紙用駆動部47及び搬送駆動部41〜44の駆動を制御し、供給部3及び搬送部4による搬送速度を所定割合で減速開始し、その後シートSの折線C形成位置が折型37の設置位置に至ると、該シートSの搬送を装置全体で停止する。
【0078】
制御部45が、折線Cを形成するため搬送部4の減速を開始するタイミングは、クリース処理部21の上流側に設置される第1〜第4検出部31〜34のうち最も下流側に設置され、クリース処理部21に最も近い第4検出部34でのシートSの前端Sfの検出時点を基準とすることが好ましい。第4検出部34の検出結果をシート搬送の基準に用いることで、搬送経路5が長くなって搬送経路5上のシートSの搬送方向Fの位置ずれの累積が起こっても、第1検出部31及び読取部26で得られたシート位置情報に修正を加えて、当該シート位置情報をより正確なものにすることができる。
【0079】
そして、制御部45は、折り型駆動部49を駆動し、凸型38を下降させ、凹型39の凹部に挿通することにより、シートSに対して、幅方向Wに沿った折線Cを形成する。その後、折り型駆動部49の駆動を継続することで、下死点に至った凸型38を上昇させる。そして、給紙用駆動部47及び搬送駆動部41〜44の駆動を再開し、シートSを下流側へ搬送する。
【0080】
(8)カッター処理部22では、シートSの裁断線K形成位置が裁断刃36の設置位置に接近すると、制御部45が、給紙用駆動部47及び搬送駆動部41〜44の駆動を制御し、供給部3及び搬送部4による搬送速度を所定割合で減速開始する。
【0081】
裁断線Kを形成するため搬送部4の減速を開始するタイミングは、上記したクリース処理部21での加工処理と同様に、第4検出部34でのシートSの前端Sfの検出時点を基準とすることが好ましい。これより、搬送経路5が長くなって搬送経路5上のシートSの搬送方向Fの位置ずれの累積が起こってもシート位置情報に修正を加えることができ、当該シート位置情報をより正確なものにすることができる。
【0082】
裁断線Kの形成位置が裁断刃36の設置位置に至ると、制御部45は給紙用駆動部47及び搬送駆動部41〜44の駆動を停止し、搬送部4による該シートSの搬送を装置全体で停止する。そして、制御部45は、裁断駆動部50を駆動し、上側可動刃71を下降させ、下側固定刃73に接触させることにより、シートSを幅方向Wに沿って裁断する。
【0083】
図2に示す加工処理パターンでは、シートSに形成される複数の裁断線K1〜K4のうち、最も前側、即ち搬送方向Fで最も下流側の第1裁断線K1において裁断処理が実行されると、シートSの前端部分の不要な紙片Jfが切り落とされ、下方へ落下し、ガイド70によってゴミ回収部23へ案内され、収容される。制御部45が、紙片Jfを裁断した後も裁断駆動部50の駆動を継続することで、下死点にある上側可動刃71を上死点まで上昇する。
【0084】
第1裁断線K1における裁断処理の後、第1裁断線K1より搬送方向Fで下流側に設定された第2〜第4裁断線K2〜K4を裁断処理する際、制御部45が裁断処理のためにシートSの搬送を停止するタイミングの基準とするのは、本実施形態においては、第4検出部34に替えて第5検出部35の検出結果とする。
【0085】
この第5検出部35の検出結果に基づくシート搬送停止タイミングについて、本実施形態では、制御部45は、基準位置として裁断刃36の設置位置を用いる。そして、裁断刃36設置位置から第5検出部35の設置位置までシートSを実際に搬送するのに要したシートSの移動量の計測値、即ち搬送駆動部43の駆動量の計測値と、裁断刃36設置位置から第5検出部35の設置位置までの距離に対応する前記シートの移動量の設計値、即ち搬送駆動部43の駆動量の設計上の値とを比較する。
【0086】
そして、計測値と設計値との差を、カッター処理部22における裁断処理のためにシートSを停止するタイミングの補正に用いる。ここで、本実施形態では給紙用駆動部47及び全ての搬送駆動部41〜44は同期して駆動されるが、計測値と設計値とを比較する対象とすべき搬送駆動部としては、カッター処理部22の前後に設置された第8搬送部18及び第9搬送部19の搬送ローラを回転駆動する搬送駆動部43である。
【0087】
図3は、制御部45が第5検出部35の検出結果に基づいて、カッター処理部22においてシートSを裁断処理するため、搬送部4による搬送を停止するタイミングを制御する際のフローを示す。図3のステップS101において、制御部45は、第1裁断線K1を形成した後停止していた搬送駆動部43を駆動する。
【0088】
これよりクリース処理部21及びカッター処理部22の前後に設置された第7〜第9搬送部17〜19の搬送ローラが回転され、シートSの搬送が再開される。このときクリース処理部21及びカッター処理部22より上流側に設置された給紙部8を駆動する給紙用駆動部47、第1〜第6搬送部11〜16を駆動する搬送駆動部41、42及び下流側に設置された第10搬送部20を駆動する搬送駆動部44も、搬送駆動部43の駆動と同期して駆動再開され、装置全体でシートSの搬送が再開される。
【0089】
ステップS102において、ステップS101の搬送駆動部43の駆動再開からの該搬送駆動部43の駆動量を計測する。搬送駆動部41〜44を構成する搬送モータの全部または一部が、ステッピングモータまたはサーボモータ等によって構成される場合には、搬送駆動部43の駆動量は、これらの搬送駆動部43のパルス信号の計測ステップ数をカウントすることで計測することができる。また、搬送モータがDCモータ等により構成される場合、搬送駆動部43の駆動軸に設置されたエンコーダの計測ステップ数をカウントすることで計測することができる。また、シートSを搬送させる際の搬送部4の搬送速度を計測または算出するとともに搬送時間をカウントし、これらから搬送駆動部43の駆動量を算出することもできる。
【0090】
ステップS103において、カッター処理部22において次に行う裁断処理が、加工処理物Qの後端Qrに該当するのかどうかを判断する。次の裁断処理が、加工処理物Qの後端Qrを形成する動作である場合には、シートSの搬送量を厳しく管理し、ずれのない位置で裁断処理を行い、加工処理物Qの搬送方向Fの長さの精度を向上させる必要がある。これに対し、裁断処理が、加工処理物Qの後端Qrを形成する動作ではない場合、即ち、図2に示す加工処理パターンにおける加工処理物Qの前端Qfであるときには、このような裁断処理によりシートSから切り取られるのは不要な紙片Jdである。切り取られた不要な紙片Jdは、裁断処理の後、搬送経路5から排除され、下方の紙材回収部23に回収される。この不要な紙片Jdについて、搬送方向Fの長さを厳密に管理することはあまり要求されない。
【0091】
次の裁断処理が、加工処理物Qの前端Qfに該当し、ステップS103を満たさないときは、第5検出部35の検出結果に応じて、シートSを加工処理するため搬送部4による搬送を停止するタイミングを補正する制御を行わないこととし、ステップS108へ進む。一方、ステップS103を満たすときは、ステップS104に進む。
【0092】
制御部45は、搬送駆動部43の駆動再開に伴ってカッター処理部22より下流側に搬送されてきたシートSの前端Sfを第5検出部35が検出したかどうかを監視する。ステップS104において、第5検出部35がシートSの前端Sfを検出したかどうかを判断する。裁断されることでシートSの前端Sfとなった部分が、第5検出部35設置位置に至るまでの間は、ステップS104を満たさずステップS108に進む。第5検出部35がシートSの前端Sfを検出すると、ステップS105に進む。
【0093】
ステップS105において、シートSの前端Sfが裁断刃36の設置位置から第5検出部35の設置位置まで搬送される間に実際に要した搬送駆動部43の駆動量の計測値と、搬送経路5における裁断刃36から第5検出部35までの距離を基にあらかじめ記憶しておいた搬送駆動部43の駆動量の設計値とを比較する。そして、ステップS106において、計測値と設計値の差を算出し、シートSの搬送を停止するタイミングを補正する。
【0094】
補正の際、計測値と設計値の差は搬送駆動部43の残り駆動量に加減算される。残り駆動量は、シートSの前端Sfが第5検出部35設置位置に至ったとき、裁断刃36設置位置に位置しているシートSaの所定位置Spから第2裁断線K2までの搬送方向Fの長さLhに対応する搬送駆動部43の駆動量の設計値である。
【0095】
具体的には、例えば加工処理物Qの搬送方向Fの長さLqが50mmであり、裁断刃36設置位置から第5検出部35設置位置までの距離が40mmであったとする。また、搬送駆動部43がステッピングモータにより構成されることとする。40mmの距離だけシートSを搬送するための設計上の搬送駆動部43の基準ステップ数が2000パルスであるとする。そして、実際にシートSを搬送し、裁断刃36設置位置から第5検出部35設置位置まで該シートSの前端Sfを搬送するのに要した搬送駆動部43の計測ステップ数が2100パルスであったとする。
【0096】
計測値と設計値との差をとると100パルスとなる。この100パルス分だけ、搬送ローラが滑るなどしたために第5検出部35設置位置へのシートSの到達が遅れており、制御部45は搬送駆動部43を設計値より余分に駆動したことになる。そこで、制御部45は、シートSを残り10mm搬送するのに必要となる搬送駆動部43の残りステップ数に、100パルスを加算する。これにより、第5検出部35の検出後シートSを更に搬送して第2裁断線K2形成位置でシートSを停止させるまでに必要とされる残りステップ数に加え、100パルス分余計に搬送駆動部43が駆動されるよう補正する。
【0097】
逆に、ステップS105において比較した結果、設計値より計測値の方が小さくなった場合には、裁断の際の衝撃などによってシートSが設計上の搬送位置より下流側に位置し、想定されるより早く裁断線Kの形成位置が裁断刃36設置位置に到達すると考えられる。このときは、設計値と計測値との差を、設計値から差し引くよう補正する。これにより第5検出部35の検出後裁断処理のための搬送停止までの搬送駆動部43の駆動量を小さくすることができる。よって、実際のシートSの搬送位置が設計より下流側にずれた場合にも加工処理物Qの搬送方向Fの長さの精度を維持できる。
【0098】
ステップS107において、制御部45は、設計上の残りの駆動量を補正することで得られた補正後の残り駆動量だけ搬送駆動部43を駆動する。ステップS108で、シートSの裁断線Kの形成位置が裁断刃36の設置位置に至ったかどうかを判断する。ステップS106で搬送駆動部43の残り駆動量の補正を行った場合、ステップS108においては搬送駆動部43の駆動量の計測値が、補正後の残り駆動量である所定値に至ったときにステップS108を満たすことになる。一方、ステップS103またはステップS104を満たさなかったためステップS108へと進んだ場合、搬送駆動部43の駆動量の計測値が、あらかじめ記憶しておいた設計値に達したとき、ステップS108を満たすことになる。
【0099】
ステップS108で裁断線K形成位置が裁断刃36の設置位置に未だ至っていない間は、ステップS108を満たさず、ステップS102に戻る。裁断線K形成位置が裁断刃36の設置位置に至ると、ステップS108を満たし、ステップS109に進む。
【0100】
ステップS109で、制御部45は、裁断処理を行うために搬送駆動部43を停止し、シートSの搬送を停止する。ステップS110で、制御部45は、搬送駆動部43の駆動量をリセットする。ステップS111において制御部45は裁断駆動部50を駆動し、上側可動刃71を下降させ、下側固定刃73との間でシートSを幅方向Wに沿って裁断する。これで第5検出部35の検出結果に基づいて、シートSを裁断処理するため搬送を停止するタイミングを補正する際の裁断処理の動作が終了となる。
【0101】
第2裁断線K2で裁断処理が行われると、シートSの下流側部分が上流側部分から切り取られる。その後、制御部45は搬送駆動部41〜44の駆動を再開する。切り取られたシートSの下流側部分は第9搬送部19及び第10搬送部20によって搬送経路5上を下流側へ搬送され、載置部2に排出され、載置台57上に加工処理物Qとして載置される。
【0102】
一方、シートSの上流側部分は、第2裁断線K2の次に設定された第3裁断線K3を形成するため、再度図3に示すフローに従った加工処理がなされる。図3のステップS101において、制御部45は第2裁断線K2を形成するために停止していた搬送駆動部41〜44の駆動を再開する。カッター処理部22においても、搬送駆動部43の駆動が再開される。
【0103】
第2裁断線K2を形成する際と同様に、ステップS102において搬送駆動部43の駆動再開からの搬送駆動部43の駆動量を計測する。ステップS103において、カッター処理部22において次に行う裁断処理が、加工処理物Qの後端Qrに該当するのかどうかを判断する。第3裁断線K3は、加工処理物Qの前端Qfに該当する。よって、ステップS103を満たさずステップS108に進む。
【0104】
ステップS108で、シートSの加工処理位置である裁断線K3の形成位置が裁断刃36の設置位置に至ったかどうかを判断する。第3裁断線K3が裁断刃36の設置位置に至ったと判断するには、ステップS102で計測している搬送駆動部43の駆動量、即ち、第2裁断線K2を形成する裁断処理の時点以降の搬送駆動部43の駆動量が、シートSの加工処理情報で設定された第2裁断線K2から第3裁断線K3までの長さLdに対応する搬送駆動部43の駆動量の設計値に至ることが必要である。
【0105】
このように、制御部45は、第3裁断線Kを形成する際、加工処理部6としてのカッター処理部22における直前の加工処理時点である第2裁断線K2の形成時点に基づいて、カッター処理部22において第3裁断線K3を形成するため搬送部4による搬送を停止するタイミングを制御することができる。これより、適正に第3裁断線K3を形成することができる。
【0106】
ステップS108での第3裁断線K3が裁断刃36の設置位置に至ったと判断する方法の他の例として、第4検出部34がシートSの前端Sfを検出した時点からの搬送駆動部43の駆動量が、搬送経路5における第4検出部34設置位置から裁断刃36の設置位置までの距離に加工処理情報において設定されたシートSの前端Sfから第3裁断線K3までの長さL3を加算して得られる値に対応する設計上の駆動量に至ったときとすることも可能である。
【0107】
第3裁断線K3形成位置が裁断刃36の設置位置に至るまではステップS108を満たさずステップS102に戻る。第3裁断線K3形成位置が裁断刃36の設置位置に至るとステップS108を満たしステップS109に進む。ステップS109乃至ステップS111の動作は上記第2裁断線K2の形成の際と同様である。
【0108】
このように制御部45は、シートSを裁断処理するため搬送を停止するタイミングを、第5検出部35の検出結果に基づいて決定するのかどうかを、シートSの加工処理情報に応じて判断する。図2に示す加工処理パターンでは、シートSの前端Sfからの長さL1が短い第1裁断線K1は、好ましくは第4検出部34の検出時点から搬送駆動部43の駆動量の計測値を設計値と比較することで第4検出部34の検出結果に基づき搬送停止タイミングを決定する。加工処理物Qの後端となる第2,4裁断線K2,K4では、加工処理物Qの前端Qfである直前のカッター処理部22の裁断処理時点を基に搬送停止タイミングを決定する。そして、第3裁断線K3は、カッター処理部22の裁断処理時点または第4検出部34の検出時点のいずれかから搬送停止タイミング決定してもよい。
【0109】
シートSを加工処理するため搬送を停止するタイミングを、第5検出部35の検出結果に基づいて決定するのかどうかを、シートの加工処理情報に応じて判断するので、加工処理物Qの後端といった特に精度の向上が必要なときや、加工処理情報によれば第5検出部35によるシートSの検出が可能となるときのみ第5検出部35の検出結果に基づき搬送駆動部43の駆動量を補正することができる。よって、シートSを効率よく加工処理することができる。
【0110】
以上より第1の実施形態に係る加工処理装置100は、カッター処理部22の下流側に設置された第5検出部35の検出結果に基づいて、カッター処理部22においてシートSを裁断処理するため搬送部4による搬送を停止するタイミングを制御するので、裁断位置の精度を向上可能である。特に、搬送部4の搬送速度が高速となる場合には、搬送を停止するタイミングがずれることで、裁断処理によって得られた加工処理物Qの搬送方向Fにおける長さLqにばらつきが生じやすい。しかし、本実施形態では、搬送を停止するタイミングを補正するのでより正確な裁断位置で裁断することができる。
【0111】
また、搬送部4は、搬送経路5上のカッター処理部22と第5検出部35との間に設置される検出上流側搬送部として構成される第9搬送部19を備えているので、該第9搬送部19によって挟持搬送されるシートSを精度よく裁断処理することができる。特に、図2に示すように、シートSの搬送方向Fで比較的上流側に設定された裁断線Kを形成する際には裁断位置の精度が低下しやすい。その理由は、シートSの搬送方向Fで比較的上流側に設定された裁断線Kを形成する際には、カッター処理部22の上流側に設置された第7搬送部17や第8搬送部18によるシートSの挟持搬送がもはやされなくなる場合があるからである。
【0112】
例えば、図2の第4裁断線K4を形成するときは、第4裁断線K4よりシートSの後端Srまでの長さL5が比較的短く設定されているために、第4裁断線K4形成の際、シートSの後端が、裁断刃36の設置位置より上流側の第8搬送部18の搬送ローラのニップ部に届かない場合がある。第4裁断線K4形成位置が裁断刃36の設置位置に至る前に第8搬送部18によってシートSがもはや挟持搬送されなくなると、しばらくの間、シートSは下流側の第9搬送部19を構成する搬送ローラのみによって挟持され、搬送されることになる。
【0113】
通常、搬送部4を構成する各搬送ローラは、それぞれ回転軸の偏心や表面の摩耗の状態が僅かずつ異なっている。搬送経路5上に複数の搬送部11〜20を設置した場合には、各搬送部11〜20による搬送量に僅かな違いが生じることがある。また、シートSの種類が、スリップしやすい材質や表面加工が施されたものである等のときにも、前後する複数の搬送部11〜20によるシートSの搬送量に違いが生じることがある。よって例えばシートSに形成される裁断位置が0.4mm程度ずれるという問題が生じ得る。カッター処理部22の上流側の第8搬送部18と下流側の第9搬送部19との間で、搬送状態が異なっている場合、両者の搬送量にずれが生じ、裁断位置の精度を低下させる。
【0114】
このような状況においても裁断線Kの形成直前にカッター処理部22の上流側の第8搬送部18及び下流側の第9搬送部19の双方でシートSが挟持搬送されていれば、裁断処理の際、シートSは安定しており、裁断位置のずれは比較的小さくなる。しかし、シートSの上流側部分に設定された裁断線Kを形成する際、第8搬送部18によってシートSがもはや挟持搬送されず、第9搬送部19のみによってシートSが挟持され、搬送されるときは、第8搬送部18の搬送状態と第9搬送部19の搬送状態の違いの影響が顕著に出やすく、裁断位置のずれが大きくなり易い。
【0115】
そこで、本実施形態では、第5検出部35が第9搬送部19の設置位置より下流側に設置され、第5検出部35の検出結果に基づきシートSを裁断処理するためシートSの搬送を停止するタイミングを制御する。これより、第9搬送部19によるシートSの搬送状態を考慮して搬送駆動部43の搬送量を補正することができ、裁断位置のずれを小さくすることができる。
【0116】
そして、制御部45は、シートSを加工処理するため搬送を停止するタイミングを、第5検出部35の検出結果に基づいて決定するのかどうかを、シートSの加工処理情報に応じて判断するので、加工処理情報によれば、加工処理位置について高い精度が要求させる加工処理や、シートSの停止位置のずれが生じやすい箇所に設定された加工処理についてのみ加工処理部6の下流側の第5検出部35の検出結果を基に搬送を停止するタイミングを決定することができる。
【0117】
また、制御部45は、搬送経路5における第5検出部35設置位置より所定量上流側の基準位置である裁断刃36設置位置から第5検出部35設置位置までシートSを実際に搬送するのに要した搬送駆動部43の駆動量の計測値と、裁断刃36設置位置から第5検出部35設置位置までの距離に対応する搬送駆動部43の駆動量の設計値とを比較し、両者の差を、シートSを停止するタイミングの補正に用いるので、適正に搬送駆動部43の駆動量を補正することができる。
【0118】
また、シートSを実際に搬送するのに要した搬送駆動部43の駆動量の計測値を、設計値と比較する範囲を、カッター処理部22の裁断刃36設置位置から第5検出部35設置位置までとしたので、シートSを裁断処理した時点からシートSの前端Sfが第5検出部35設置位置を通過するまでの搬送駆動部43の駆動量を用いて裁断のための停止タイミングを補正することができる。よって、容易かつ正確に駆動量を計測することができる。特に、搬送駆動部43の駆動量の計測開始時点を、裁断処理のためにシートSの搬送が停止された時点とすることができるので、シートSが高速で搬送されている状況において、シートSの前端Sfを検出した時点を計測開始時点とする場合に比較してより正確に計測することができる。
【0119】
また、搬送経路5における裁断刃36設置位置から第5検出部35の設置位置までの距離が、裁断位置がばらつきやすい加工処理物の搬送方向長さより少し短い程度となる位置に第5検出部35を設置するよう調整することができる。これより、加工処理物Qの後端Qrを形成する裁断処理のための搬送部4による搬送速度の減速を開始した後に第5検出部35がシートSの前端Sfを検出することができる。シートSが高速で搬送されている状況において、シートSの前端Sfを検出する場合に比較して第5検出部35による検出精度を高くすることができる。
【0120】
また、第5検出部35は、シートSの前端Sfを検出するので、シートSの搬送位置を正確かつ容易に把握することができる。また、安価な光学式センサーを用いることができ、コストを低減できる。
【0121】
(第2の実施形態)
図4は第2の実施形態に係る加工処理装置100aの模式縦断面図である。上記第1の実施形態では、第9搬送部19が、上流側の第7、第8搬送部17,18とともに搬送駆動部43によって回転駆動されたが、図4に示す本第2の実施形態では、第9搬送駆動部19aは下流側の第10搬送部20aとともに搬送駆動部44aによって回転駆動される。第9搬送部19a及び第10搬送部20aは、ともに搬送経路5a上で加工処理部6としてのカッター処理部22より下流側に設置される加工下流側搬送部を構成する。
【0122】
図5は第2の実施形態に係るシートSの加工処理パターンの一例を示す平面図である。図5に示すシートSaの加工処理パターンは、搬送方向Fに平行な4本の裁断線Tと、幅方向Wに平行な2本の裁断線K1a,K2aが設定され、これより、6枚の加工処理物Qa1〜Qa3が配置されている。シートSaには、折線Cは設定されていない。
【0123】
更に、シートSaの前端部分に不要な紙片Jが設定されていないために、バーコードM2が印刷されていない場合を示している。このため、シートSaを加工処理する際には、操作パネル46から加工処理情報が手動により入力設定される。しかし、必要によりシートSaにバーコードM2を印刷し、読取部26において読み取る構成としても構わない。
【0124】
図5では、スリッター処理部29において裁断線Tを形成することでシートSaから切り取られる搬送方向Fに長尺の不要な紙片Jm,Jcが設定されている。しかし、加工処理物Qaの前後に、シートSaの幅方向Wに長尺の不要な紙片Jが設定されていない。
【0125】
よって、カッター処理部22での裁断処理の後、前後して搬送されるシートSaを第5検出部35によって検出する際、先行するシートSaの後端Sarと後続のシートSaの前端Safとの間でシートSaは途切れることなく引き続いて搬送される。よって、第5検出部35aを構成する発光素子からの光が受光素子に届かなくなり、裁断処理後のシートSaの後端Sar及び前端Safを検出することが困難となる。
【0126】
そこで、本第2の実施形態では、制御部45aは、加工下流側搬送部としての第9、第10搬送部19a,20aによって先行して搬送されるシートSaの搬送速度を、後続のシートSaより速くするよう搬送駆動部43a、44aを制御する。そして、先行するシートSaを早く載置台57へ排出するようにする。このような制御を行うために、第9,第10搬送部19a,20aを駆動する搬送駆動部44aは、カッター処理部22の上流側の第7、第8搬送部17a、18aを回転駆動する搬送駆動部43aとは別に設置される。
【0127】
また、制御部45aは、搬送駆動部43aの実際の駆動量の計測値と、設計値とを比較するために定めた搬送経路5における第5検出部35設置位置より所定量上流側の基準位置を、上記第1の実施形態においては裁断刃36設置位置としたが、本第2の実施形態は、基準位置を第4検出部34の設置位置とする。
【0128】
本第2の実施形態の動作について説明する。シートSaが、供給部3により搬送経路5aに供給され、スリッター処理部29で搬送方向Fに平行な裁断線Tで裁断され、不要な紙片Jm,Jcが紙片回収部23に回収されるところまでは、上記第1の実施形態と同様に動作される。
【0129】
図6は、第2の実施形態における搬送経路5aの第4検出部34設置位置より下流側での動作にかかるフローを示す。図6のステップS201において、制御部45aは、第4検出部34がシートSaの前端Safを検出したかどうか判断する。第4検出部34がシートSaの前端Safを検出するまでの間は、終了となる。
【0130】
第4検出部34がシートSaの前端Safを検出すると、ステップS202に進み、ステップS201で第4検出部34がシートSaの前端Safを検出した時点からの搬送駆動部43aの駆動量を計測する。ステップS203において、カッター処理部22において次に行う裁断処理が、加工処理物Qaの後端Qarに該当するのかどうかを判断する。図5に示すシートSaで設定された加工処理パターンでは第1裁断線K1aが、先行する加工処理物Qa1の後端Qarに該当するとともに後続の加工処理物Qa2の前端Qafにも該当する。この場合、ステップS203を満たすことになり、ステップS204に進む。
【0131】
ステップS204において、第5検出部35がシートSaの前端Safを検出したかどうかを判断する。第5検出部35の設置位置にシートSaの前端Safが搬送されるまでの間はステップS204を満たさずステップS208に進む。シートSaの前端Safが、第5検出部35の設置位置まで搬送されてくると、ステップS204を満たし、ステップS205に進む。
【0132】
制御部45aは、ステップS202で計測開始した搬送駆動部43aの駆動量を、ステップS204を満たした時点で計測完了する。そして、シートSaの前端Safが第4検出部34の設置位置から第5検出部35の設置位置まで搬送される間に実際に要した搬送駆動部43aの駆動量の計測値を取得する。
【0133】
ステップS205において、取得したシートSaの前端Safが第4検出部34の設置位置から第5検出部35の設置位置まで搬送される間に実際に要した搬送駆動部43aの駆動量の計測値と、搬送経路5における第4検出部34から第5検出部35までの距離に対応するあらかじめ記憶しておいた搬送駆動部43aの駆動量の設計値とを比較する。ステップS206において、計測値と設計値との比較により得られた差を用いて、カッター処理部22でシートSaの搬送を停止するタイミングを補正する。
【0134】
ここで、上記第1の実施形態においては、搬送駆動部43の駆動量の計測開始地点として用いられる搬送経路5における第5検出部35設置位置より所定量上流側の基準位置が、裁断刃36の設置位置である。これは、図2に示す第1の実施形態の加工処理パターンでは、シートSの前端部分に不要な紙片Jfが設定されているからである。加工処理物Qの後端Qrを形成する第2裁断線K2は、加工処理物Qの前端Qfを形成する第1裁断線K1で裁断処理を行った後に実行される。この場合、前端Qfを形成する第1裁断線K1の裁断処理のタイミングを、後端Qrを形成する第2裁断線K2の基準とすることができることとなる。
【0135】
しかし、本第2の実施形態の加工処理パターンでは、シートSaの前端部分に不要な紙片Jfが設定されていない。よって、最も下流側に設定された加工処理物Qa1の後端Qarを形成する第1裁断線K1aの裁断処理の際の基準として、直前の裁断処理のタイミングを利用することができない。そこで、本第2の実施形態では、基準位置を第4検出部34の設置位置としている。これより、加工処理物Qaの後端Qarを形成する第1裁断線K1aでの裁断処理より前に、当該シートSaに裁断処理が施されない加工処理パターンであっても、加工処理部6の下流側の第5検出部35の検出結果に基づく搬送停止タイミングの制御を実行することが可能となる。
【0136】
ステップS207において、制御部45aは、設計上の残りの駆動量を補正することで得られた補正後の残り駆動量だけ搬送駆動部43aを駆動する。ステップS208で、シートSaの裁断線Kaの形成位置が裁断刃36の設置位置に至ったかどうかを判断する。搬送駆動部43aの駆動量の計測値が、ステップS206で行った補正後の残り駆動量である所定値に至ると、ステップS208を満たすことになる。ステップS209乃至ステップS211の動作は上記第1の実施形態と同様である。
【0137】
第1裁断線K1aの形成の後、制御部45aは、搬送駆動部41〜44aの駆動を再開し、装置全体で搬送部4によるシートSaの搬送を再開する。このとき、制御部45aは、カッター処理部22の下流側に設置された第9、第10搬送部19a,20aの搬送速度を、上流側の第7、第8搬送部17a、18aの搬送速度より速くするよう搬送駆動部43a,44aを制御する。
【0138】
これより、搬送経路5aで、第9、第10搬送部19a,20aによって搬送される先行するシートSaと、第7、第8搬送部17a,18aによって搬送される後続のシートSaとの間で、搬送速度に差が生じる。そして、先行するシートSaと後続のシートSaの間にシートSaが搬送されない空間が形成される。よって、第5検出部35によって、第1裁断線K1aの形成後第5検出部35の設置位置へ搬送されてきた先行するシートSaの後端Sar及び後続のシートSaの前端Safを検出することが可能となる。そして、制御部45aは、第5検出部35の検出結果に基づいて、後続のシートSaに第2裁断線K2aを形成するため、搬送を停止するタイミングを制御することができる。
【0139】
第2裁断線K2aを形成する裁断処理の際には、基準位置を第4検出部34設置位置とすることができ、また、これに替えてカッター処理部22の裁断刃36設置位置とすることも可能である。基準位置を第4検出部34設置位置とする場合、第1裁断線K1を形成する際にステップS205で行った第4検出部34の設置位置を基準位置として第5検出部35の設置位置までのシートSaの搬送するのに要した搬送駆動部43aの駆動量の計測値と、これに対応する設計値との差を、シートSaを停止するタイミングの補正に用いる。
【0140】
一方、基準位置を裁断刃36設置位置とする場合、制御部45aは、第1裁断線K1aを形成する裁断処理時点から第5検出部35がシートSaの前端Safとなった第1裁断線K1a形成位置の検出時点までの搬送駆動部43aの駆動量の計測値と、搬送経路5aにおける裁断刃36から第5検出部35までの距離を基にあらかじめ記憶しておいた搬送駆動部43aの駆動量の設計値とを比較する。そして、両者の差を、シートSaを停止するタイミングの補正に用いる。
【0141】
(第3の実施形態)
図7は第3の実施形態に係る加工処理装置100bの模式縦断面図である。上記第1,第2の実施形態では、最も下流側の加工処理部がカッター処理部22により構成されたが、本第3の実施形態では、これに替えてシートSbに搬送方向Fに交差する向きに山折りの折線Cbを形成するクリース処理部21mを備える。クリース処理部21mは、上記第1、第2の実施形態に記載の谷折りのクリース処理部21の凸型38及び凹型39からなる折型37を上下で逆の配置としている。クリース処理部21mは、搬送経路5bの下方に設置され、上端に凸部を有する凸型60と、前記凸型60の凸部に挿通可能な下端に凹部を有する凹型59とを備えた山折りの折型61を備えている。
【0142】
凹型59は、モータ等の折り型駆動部54に動力伝達機構を介して連結されている。折り型駆動部54の駆動力で凹型59を下降させることにより、下方に対向配置された凸型60の凸部が下降してきた凹型59の凹部に、シートSbを介在させつつ挿通され、これにより、搬送方向Fと直交する幅方向Wに山折りの折線Cbを形成する。
【0143】
また、図7に示す本第3の実施形態では、谷折りを形成する上流側のクリース処理部21と山折りを形成する下流側のクリース処理部21mとの間に、上記第1、第2の実施形態では設けられていた第8搬送駆動部18、18aが設けられていない。クリース処理ではシートSbが搬送方向Fの前後で切り離されないため、搬送経路5b上に前後して配置される加工処理部6の間に搬送ローラを設けない構成とすることができる。よって、第7搬送部17bと第9搬送部19のように、前後して配置される搬送部17,19の距離を長くすることができる。
【0144】
図7に示す山折りのクリース処理部21mの下流側の第9搬送部19bは、上流側の第7搬送部17bとともに搬送駆動部43bに動力伝達機構を介して連結され、該搬送駆動部43bの駆動によって回転する。
【0145】
本第3の実施形態では、第5検出部35bは、光透過式のセンサーに替えてCCDカメラなどの撮像素子によって構成されている。よって、第5検出部35bは、シートSbの前端Sbfあるいは後端Sbrに加え、シートSbの所定位置に印刷されたマーク、加工処理部6bにおいてシートSbの所定位置に形成された折線Cbや面取り加工、ミシン目等を検出可能である。制御部45bは、搬送経路5b上に設けられた加工処理部6bにおいて、シートSbを加工処理するため搬送部4bによる搬送を停止するタイミングを、加工処理部6bにおいて既に行われた加工処理時点に基づいて制御する。
【0146】
また、制御部45bは、搬送経路5b上に設けられた複数の加工処理部6bとしての谷折り及び山折りのクリース処理部21、21mのいずれかでシートSbを加工処理するため、搬送部4bによる搬送を停止するタイミングを、谷折り及び山折りのクリース処理部21、21mのいずれかにおいて既に行われた加工処理時点に基づいて制御する。
【0147】
そして、制御部45bは、上流側の加工処理部6bである谷折りのクリース処理部21においてシートSbに谷折りの折線Cbを形成するため搬送部4bによる搬送を停止するタイミングを、同じ谷折りのクリース処理部21または下流側の加工処理部6bである山折りのクリース処理部21mの少なくともいずれかの加工処理時点に基づいて制御する。制御部45bは、下流側の加工処理部6bである山折りのクリース処理部21mにおいてシートSbに山折りの折線Cbを形成するため搬送部4bによる搬送を停止するタイミングを、同じ山折りのクリース処理部21mまたは上流側の加工処理部6bである谷折りのクリース処理部21の少なくともいずれかの加工処理時点に基づいて制御する。
【0148】
図8は第3の実施形態に係るシートSbの加工処理パターンの一例を示す平面図である。図8に示すシートSbの加工処理パターンは、搬送方向Fに平行な4本の裁断線Tと、幅方向Wに平行な5本の折線Cbが設定されている。シートSbの搬送方向Fで下流側から奇数番目となる1,3,5番目の折線Cbは山折りの折線C1,C3,C5であり、偶数番目となる2,4番目の折線Cbは谷折りの折線C2、C4である。これより、山折りと谷折りが交互に並ぶジグザグの折線C1〜C5が等間隔で形成された搬送方向Fに長尺な2枚の加工処理物Qbが配置されている。
【0149】
本第3の実施形態の動作について説明する。シートSbが、供給部3により搬送経路5bに供給され、スリッター処理部29で搬送方向Fに平行な裁断線Tで裁断され、不要な紙片Jm,Jcが紙片回収部23に回収される。
【0150】
第1折線C1を形成する際は、制御部45bは、第4検出部34の検出結果を基にし、必要により第5検出部35の検出結果を用いた補正を行って、第1折線C1形成のための搬送の停止タイミングを決定する。このため、第1折線C1を形成する際、制御部45aは、第4検出部34がシートSbの前端Sbfを検出したかどうか判断する。
【0151】
第4検出部34がシートSbの前端Sbfを検出すると、第4検出部34がシートSbの前端Sbfを検出した時点からの搬送駆動部43bの駆動量を計測する。上記第2の実施形態では、その後図6に示すステップS203において次の裁断処理が加工処理物の後端Sarを形成する裁断処理であるのかどうかを判断したが、本第3の実施形態ではこのような判断を行わない。
【0152】
そして、第5検出部35がシートSbの前端Sbfを検出したかどうかを判断する。第5検出部35がシートSbの前端Sbfを検出する前は、計測値と設計値の比較を行わずに加工位置が到達したかどうか判断する。
【0153】
図8に示す加工処理パターンの場合、シートSbの前端Sbfと山折りの第1折線Cb1との間の長さLb1が、第5検出部35の設置位置と山折りのクリース処理部21mの折型61の設置位置の距離より短いときは、第5検出部35がシートSbの前端Sbfを検出する前に、第1折線C1形成位置が折型61設置位置に到達する。
【0154】
この場合、第4検出部34がシートSbの前端Sbfを検出したとき計測開始した搬送駆動部43bの駆動量の計測値が、第4検出部34と折型61と間の距離及び加工処理情報から算出される搬送駆動部42bの駆動量の設計値に至った時点で、折型61の設置位置に加工位置である第1折線C1が到達したと判断する。
【0155】
より詳しく、搬送経路5bにおける第4検出部34設置位置から折型61設置位置までの距離に、シートSbの前端Sbfから第1折線C1までの長さLb1を加算することで得られる所定値に対応する搬送駆動部43bの駆動量の設計値に、搬送駆動部43bの駆動量の計測値が至ったとき、第1折線C1が折型61の設置位置に到達したと判断する。
【0156】
一方、シートSbの前端Sbfと山折りの第1折線C1との間の長さLb1が、第5検出部35の設置位置と山折りのクリース処理部21mの折型61設置位置の距離より長いいときは、第5検出部35がシートSbの前端Sbfを検出した後に、第1折線C1形成位置が折型61設置位置に到達する。この場合シートSbの前端Sbfが、第5検出部35の設置位置まで搬送されてくると、搬送駆動部43bの駆動量の計測値と、設計値との比較を行う。第1折線C1を形成する際における搬送駆動部43bの駆動量の計測値は、シートSbの前端Sbfが第4検出部34の設置位置から第5検出部35の設置位置まで搬送される間に実際に要した搬送駆動部43bの駆動量の値である。そして、この第1折線C1を形成する際における設計値は、搬送経路5bにおける第4検出部34から第5検出部35までの距離に対応する搬送駆動部43bの駆動量の設計値である。
【0157】
そして、計測値と設計値の差を残り駆動量に加算もしくは減算し、山折りのクリース処理部21mにおいてシートSbの搬送を停止するタイミングを補正する。補正後の残り駆動量だけ搬送駆動部43bが駆動される。
【0158】
補正後の残り駆動量がすべて駆動されると、加工処理位置としての第1折線C1が折型61設置位置に到達することになり、搬送駆動部43bの駆動が停止される。そして、搬送駆動部43bの駆動量がリセットされ、その後、シートSbに加工処理が施される。その際、制御部45bは折り型駆動部54を駆動する。これより、凹型59は下降され、下方の凸型60がシートSbを介在させた状態で凹型59に挿通され、山折りの第1折線C1が形成される。これで、第1折線C1の加工処理が終了する。
【0159】
図9は、第1折線C1を形成後、第2〜5折線C2〜C5を形成する際の搬送経路5bの第4検出部34設置位置より下流側での動作にかかるフローを示す。図9のステップS301において、第1折線C1形成時に停止していた搬送駆動部43bの駆動を再開する。ステップS302で搬送駆動部43bの駆動量の計測を開始する。
【0160】
ステップS303において、加工処理部6bの下流側の検出部10bである第5検出部35が既に行ったシートSbの加工処理位置を検出したかどうか判断する。図7に示す加工処理装置100bで図8に示す加工処理パターンの加工処理を実行する場合には、第1折線C1形成の際、シートSbの第1折線C1が山折りのクリース処理部21mの折型61の設置位置にあるとき、上流側の谷折りのクリース処理部21の折型37設置位置に位置している図8に示すシートSbの所定位置Stから第2折線C2までの搬送方向Fの長さLiが、第5検出部35bと山折りの折型61の設置位置の距離LKより短いときは、第5検出部35がシートSbの第1折線C1を検出する前に、第2折線C2形成位置が折型37設置位置に到達する。この場合、ステップS303を満たさず、ステップS307に進む。
【0161】
このように、第3の実施形態では、搬送経路5b上に設けられた加工処理部6bとしての谷折りの第2折線C2形成処理において、シートSbを加工処理するため搬送部4bによる搬送を停止するタイミングを、加工処理部6bとしての山折りのクリース処理部21mにおいて既に行われた第1折線C1形成時点に基づいて制御する。よって、適正に第2折線C2を形成することができる。特に直前の加工処理時点、即ち第1折線C1bの形成時点で搬送駆動部43bの駆動量をリセットし、その後の搬送駆動部43bの駆動量を計測開始することで、位置ずれの累積を排除できるので、搬送方向Fの位置ずれをより軽減することができる。
【0162】
一方、第2折線C2の設定位置が、図8において粗い破線で示すC22の位置にあるとする。シートSbの第1折線C1が山折りのクリース処理部21mの折型61の設置位置にあるとき、上流側の谷折りのクリース処理部21の折型37設置位置に位置しているシートSbの所定位置Stから第2折線C22までの搬送方向Fの長さLjが、第5検出部35bと山折りの折型61の設置位置の距離より長くなる。そしてこのとき、第5検出部35がシートSbの第1折線C1を検出した後に、第2折線C2形成位置が折型37設置位置に到達する。第2折線C2を形成するため搬送を停止するタイミングは、下流側の山折りのクリース処理部21mにおいて既に行われた第1折線C1の加工処理時点に基づいて制御することができる。図9では、第1折線C1形成位置が、第5検出部35の設置位置まで搬送されてくると、ステップS303を満たし、ステップS304に進む。
【0163】
ステップS304では、搬送駆動部43bの駆動量の計測値と、設計値との比較を行う。第2折線C2を形成する際におけるステップS304の計測値は、シートSbの第1折線C1が山折りの折型61の設置位置から第5検出部35の設置位置まで搬送される間に実際に要した搬送駆動部43bの駆動量である。そして、第2折線C2を形成する際における設計値は、搬送経路5bにおける山折りの折型61から第5検出部35までの距離LKに対応する搬送駆動部43bの駆動量の設計値である。
【0164】
ステップS305で、計測値と設計値の差を残り駆動量に加算もしくは減算し、谷折りのクリース処理部21においてシートSbの搬送を停止するタイミングを補正する。ステップS306で補正後の残り駆動量だけ搬送駆動部43bが駆動される。
【0165】
このように、搬送経路5b上に設けられた加工処理部6bとしての谷折りの第2折線C1b2形成処理において、シートSbを加工処理するため搬送部4bによる搬送を停止するタイミングを、他の加工処理部6bである山折りのクリース処理部21mにおいて既に行われた第1折線C1を形成する処理に基づいて制御する。そして、第1折線C1を形成する加工処理から第5検出部35によって該第1折線C1が検出されるまでの搬送駆動部43bの駆動量の計測値とこれに対応する設計値との比較を行って、残り駆動量の補正を行う。よって、第2折線C2の形成位置をより精度高くすることができる。
【0166】
補正後の残り駆動量がすべて駆動されると、ステップS307で、第2折線C2が谷折りのクリース処理部21の折型37設置位置に到達したと判断され、ステップ307を満たし、ステップ308に進む。ステップS308で、搬送駆動部43bの駆動が停止され、ステップS309で搬送駆動部43bの駆動量がリセットされる。そして、ステップS310で谷折りのクリース処理部21の凸型38に連結された折り型駆動部49が駆動され、凸型38が下降して凹型39に挿通される。シートSbに谷折りの第2折線C2が形成される。これで、第2折線C2の加工処理が終了する。
【0167】
第3〜第5折線C3〜C5の形成の際は、下流側の加工処理部6bである山折りのクリース処理部21mにおいてシートSbに山折りの折線Cbを形成する際、または上流側の谷折りのクリース処理部21において谷折りの折れ線Cbを形成する際に、搬送部4による搬送を停止するタイミングを、同一の加工処理部6b又は、他の加工処理部6bにおいて、すでに行われた加工処理時点に基づいて制御することができる。
【0168】
このように、搬送経路5b上に設けられた複数の加工処理部6bとしての谷折り及び山折りのクリース処理部21、21mにおいて、シートSbを加工処理するため搬送部4bによる搬送を停止するタイミングを、いずれかの加工処理部6bとしての谷折り及び山折りのクリース処理部21、21mにおいて既に行われた加工処理時点に基づいて制御するので、非常に適正に加工処理することができ、搬送方向Fの位置ずれを軽減できる。
【0169】
尚、上記各実施形態では、シートSの加工処理部6、6bとしてカッター処理部22及びクリース処理部21,21mについて記載したが、これに限定されず、加工処理として面取り処理、ミシン目形成処理等他の加工処理についてであってもよい。これらの各加工処理の場合、シートの前端及び後端以外の位置を検出するには、第3の実施形態で示したように、CCDカメラなどの撮像素子によってシートの所定位置に印刷されたマークやシートの各加工処理位置を検出することとなる。また、裁断刃36は搬送方向Fに直交する幅方向Wに沿ってシートSを裁断したが、搬送方向Fに対し斜めの裁断線に沿ってシートを裁断してもよい。
【0170】
また、加工処理装置100,100a、100bは、シートS,Sa、Sbの搬送方向Fに交差する向きに該シートS,Sa、Sbに所定の加工処理を施す加工処理部6、6bとしてカッター処理部22及びクリース処理部21、21mを備えたが、これらのいずれか一方の加工処理部のみを1つまたは複数備えてもよく、同じ種類の加工処理部を他の処理部とともに複数備えてもよく、ミシン目形成処理、面取り処理等他の加工処理と適宜組み合わせてもよい。また、加工処理部、搬送部の数が上記各実施形態と異なってもよい。また、シートS,Sa、Sbの配列パターンは、図2、5、8に例示したものに限定されず、裁断線T,K、Kaや折線C、Cbの数について、他の種々のパターンが設定可能である。
【0171】
また、第1〜第10搬送部11〜20は、上下1対の搬送ローラによって構成されたが、搬送ローラに替えてベルトを用いてもよい。また、搬送部4,4a、4bは、搬送経路5,5a、5b上の加工処理部6,6bと検出部10,10bとの間に設置される検出上流搬送部としての第9搬送部19を備えたが、加工処理部と検出部との間に搬送部を設けない構成としてもよい。また、搬送部4は、搬送経路5上で加工処理部6より下流側に設置される加工下流側搬送部としての第9、第10搬送部19,20を備えたが、加工処理部の下流側に搬送部を設けず、加工処理部から載置部へ加工処理物を直接排出する構成としてもよく、1組または3組以上の搬送ローラ対によって構成される搬送部により構成してもよく、ローラに替えてベルトを用いてもよい。
【0172】
前記制御部45,45a、45bは、シートS,Sa、Sbを加工処理するため搬送を停止するタイミングを、検出部10,10bの検出結果に基づいて決定するのかどうかを、シート10,10bの加工処理情報に応じて判断したが、加工処理情報によらずいつも加工処理部の下流側の検出結果を基き搬送を停止してもよい。
【0173】
また、制御部45,45a、45bは、複数の搬送駆動部41〜44を同期して駆動したが、同期させず、個別に駆動してもよい。そして、搬送部4,4a,4bによるシートS、Sa、Sbの搬送を装置全体で搬送開始及び停止したが、装置内の一箇所で搬送停止している間に他の箇所で搬送継続するなど各加工処理部毎に搬送状態を異ならせてもよい。
【0174】
また、各種加工処理情報は、操作パネル46より使用者が手動設定するかまたは読取部26によりバーコードM2を読み取ることで自動的に入力したが、パソコンなど外部の情報処理装置と通信を行って設定してもよい。また、予め操作パネルからの手動入力によって、シートの配列パターンを複数記憶手段に記憶しておき、各パターンを番号などによって呼出して、設定することとしてもよい。
【0175】
また、上記第1の実施形態では、第3裁断線K3の形成の際は、裁断刃36の設置位置より下流側の第5検出部35の検出結果に基づくシートSの搬送を停止するタイミングの補正は行わないこととした。これは、第2裁断線K2から第3裁断線K3までの長さLdが、裁断刃36の設置位置から第5検出部35の設置位置までの距離より短い場合には、シートSの前端Sfとなった第2裁断線K2の形成位置を第5検出部35で検出することができないからである。また、第3裁断線K3を形成する裁断処理によってシートSから切り取られるのは、裁断処理の後紙片回収部23に回収される不要な紙片Jdである。よって、第5検出部35の検出結果に基づいて、第3裁断線K3を形成するため搬送部4による搬送を停止するタイミングを制御する必要はない。しかし、加工処理部の下流側の検出部の設置位置が加工処理部の近傍である等のときには第2裁断線K2から第3裁断線K3までの長さLdが、裁断刃36の設置位置から第5検出部35の設置位置までの距離以上とすることができる。このような場合には、不要な紙片をシートから切り離す加工処理物の前端を形成する裁断処理であっても必要により加工処理部の下流側に設置された検出部の検出結果に基づき搬送停止タイミングを補正してもよい。
【0176】
また、制御部45は、第3裁断線K3を形成するため搬送部4による搬送を停止するタイミングを、カッター処理部22における直前の加工処理時点である第2裁断線K2の形成時点に基づいて制御したが、加工処理部で既に行われた加工処理時点であれば、他の時点に基づいても構わない。例えば、第1裁断線K1、第2裁断線、折線Cのうちのいずれかの形成時点としてもよい。
【0177】
また、第2の実施形態では、制御部45aは、カッター処理部22の下流側に設置された第9、第10搬送部19a,20aの搬送速度を、上流側の第7、第8搬送部17a、18aの搬送速度より速くするよう搬送駆動部43a,44aを制御したが、これに替えて、制御部は、カッター処理部の下流側の搬送部の搬送開始タイミングを、上流側の搬送部の搬送開始タイミングより早くするよう搬送駆動部を制御してもよい。これより、先行して搬送されるシートの搬送開始タイミングを後続のシートより早くすることで、先行するシートと後続のシートとの間にシートが搬送されない空間を形成することができ、検出部によってシートの後端および前端を容易に検出することができる。
【符号の説明】
【0178】
F 搬送方向
S シート
4 搬送部
6 加工処理部
10 検出部
45 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9