特許第6786036号(P6786036)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6786036
(24)【登録日】2020年10月30日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20201109BHJP
【FI】
   A63F7/02 327A
   A63F7/02 326E
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-134221(P2016-134221)
(22)【出願日】2016年7月6日
(65)【公開番号】特開2018-731(P2018-731A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2019年7月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】592245432
【氏名又は名称】スタッフ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】509030733
【氏名又は名称】エレマテック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591044614
【氏名又は名称】株式会社足立ライト工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100112531
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】高橋 孝仁
(72)【発明者】
【氏名】大金 知己
(72)【発明者】
【氏名】米本 光孝
【審査官】 荒井 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−092235(JP,A)
【文献】 特開2008−200271(JP,A)
【文献】 特開2002−177575(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面が開口した方形枠状の固定枠と、該固定枠にヒンジ機構により開閉可能なるように直接的に支持された前面体と、前記前面体の裏面に着脱可能に配設されていて該前面体を閉じた際に前記固定枠内に収容される本体とからなり、前記本体が前記固定枠内に収容された際に前記固定枠の一方の側辺部の内面に形成した縦筋状のリブと前記本体の側縁外面に形成した縦方向のリブとが隙間なく入り組み、前記本体を前記前面体の裏面に合着させた際は前記本体の同じ側の側縁前面部に内向きに形成したリブと前記前面体の裏側縁に外向に形成した縁材とが隙間なく入り組むようにし、前記本体と前記前面体とを施錠するとともに該本体と前記固定枠とを施錠する施錠装置を設け、該施錠装置に前記本体と前記前面体との施錠状態を解除できないようにするロック部材を設け、該ロック部材をロック解除するロック解除部材を前記固定枠に設け、前記固定枠内に前記本体が収容されたときに該ロック解除部材が前記本体と前記前面体との施錠状態を解除可能にすることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記ヒンジ機構は、前記固定枠の下辺部における長手方向に離れた部位に第1アームと第2アームとをそれぞれ水平面内で前方に回転し得るように枢着し、該第1アームと第2アームとにより前記前面体を軸支するものであることを特徴とする請求項1に記載した遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機の構成に関し、詳しくは、固定枠に開閉可能なるように支持された前面体と、該前面体の裏面に係脱可能に配設される本体とからなる遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば下記特許文献1に示されたように、パチンコ機等の遊技機は、遊技場に設けられた島台に前面が開口した方形枠状の固定枠(機枠または外枠とも称される)が隣接状に多数固設され、該固定枠の一側辺部に設けられた蝶番によって本体(本体枠、遊技盤取付枠、遊技機本体または機構板とも称される)をヒンジすることにより該固定枠の前面に該本体を前方へ開閉可能に支持し、該本体の前面にさらに前面体(透明板保持枠またはガラス枠または前面扉とも称される)が開閉可能に設けられ、前記固定枠と本体と前面体の自由端側縁に施錠装置が設けられ、該施錠装置によって該固定枠と本体、および該本体と前面体とが施錠されるように構成されている。そして、遊技機の前面に露呈するように設けられた鍵孔に所定のキーを挿し込んで該キーを一方向に回転すると、該施錠装置の作動杆が上動して前記本体と前面体との間が解錠され、遊技中に球詰まり等のトラブルが発生した場合等に該前面体を開けることで対処し得るとともに、該キーを反対方向に回転すると該施錠装置の作動杆が下動して本体と前記固定枠との間が解錠されるように構成している。
【0003】
一方、近年のパチンコ機等の遊技機は、前記前面体の両側縁部および上部等に装飾体や種々の演出装置が前方へ大きく突出するように設けられる傾向にある。このため、前面体を開ける際に上記突出部分がこの遊技機の両側に設けられている他の遊技機や球貸装置と干渉し、衝突により破損するおそれがあるほか、前面体を開ける際の開角度がこれによって制限されてしまうので、前面体を開けてメンテナンス作業をする際に支障が生じるおそれがあった。そこで、下記特許文献2,3に示された発明では、固定枠に横方向に延びるガイド溝を設け、遊技機や前面体を開いた際にその軸支部が該ガイド溝にそって内方に移動し得るようにすることで、開放時の干渉を避けようとしている。また特許文献4には、多軸蝶番を用いて遊技機を固定枠に支持することにより干渉が回避されるようにする発明が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5769917号公報
【特許文献2】特許第4665407号公報
【特許文献3】特許第4320460号公報
【特許文献4】特開平9−253302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に示されたように、固定枠の一側辺部に本体と前面体とをそれぞれ開閉可能にヒンジした構成の遊技機では、狭い部位に本体用の蝶番と前面体用の蝶番を並設せねばならず、その占有スペースが大きくなるため、他の部品の配置に邪魔になるという問題がある。
【0006】
また、特許文献2,3に示されたヒンジ構造では、本体と前面体とをそれぞれ開閉可能にヒンジすることが難しいという問題があるとともに、本体や前面体を開状態にしても該本体や前面体の軸支部は固定枠から離間しないので、固定枠と本体や前面体との間に十分な間隔がなく、細部のメンテナンス作業を行なうといったことができないという問題がある。また、上記特許文献4に示された多軸蝶番を用いる発明では、本体と前面体とをそれぞれ多軸蝶番によりヒンジする必要があるので、多軸蝶番を配置するに要するスペースが非常に大きくなってしまうという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る遊技機は上記課題を解決しようとするもので、前面が開口した方形枠状の固定枠と、該固定枠にヒンジ機構により開閉可能なるように支持された前面体と、該前面体の裏面に着脱可能に配設されていて該前面体を閉じた際に前記固定枠内に収容される本体とからなり、該本体と前記前面体とを施錠するとともに該本体と前記固定枠とを施錠する施錠装置が設けられていることを特徴とする。
このため固定枠に対し前面体と本体とが1つのヒンジ機構で開閉可能に支持され省スペースになるとともに遊技機の構成が簡素化される。
【0008】
また、本発明は上記遊技機において、前記施錠装置に前記本体と前記前面体との施錠状態を解除できないようにするロック部材を設け、該ロック部材をロック解除するロック解除部材を前記固定枠に設け、該固定枠内に前記本体が収容されたときに該ロック解除部材が前記本体と前記前面体との施錠状態を解除可能にすることを特徴とする。
このため固定枠内に収容されていない状態で本体が前面体から離脱してしまうといったトラブルを防止できる。
【0009】
また、本発明は上記遊技機において、前記ヒンジ機構は、前記固定枠の下辺部に第1アームと第2アームとを水平面内で前方に回転し得るように枢着し、該第1アームと第2アームとにより前記前面体を軸支するものであることを特徴とする。
このため前面体や本体を干渉のおそれなく前方に大きく開くことができる。
【発明の効果】
【0010】
固定枠に対し前面体と本体とが1つのヒンジ機構で開閉可能に支持されるので、従来のような複雑な構成とスペースを要さず、遊技機の構成が簡素化される。また、前面体や本体を干渉のおそれなく前方に大きく開くことができ、点検やメンテナンス作業を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る遊技機の固定枠の斜視図。
図2図1の固定枠に設けられたヒンジ機構の作動状態を示す斜視図。
図3】本発明に係る遊技機の固定枠の内面の一部の斜視図。
図4】本発明に係る遊技機の前面体を開いた状態の斜視図。
図5】本発明に係る遊技機の斜視図。
図6】本発明に係る遊技機の左側縁の水平断面図。
図7】本発明に係る遊技機の施錠装置部分の縦断面図。
図8図7の上部の拡大図。
図9】本発明に係る遊技機の施錠装置上部の斜視図。
図10図9の作動状態を示す施錠装置上部の斜視図。
図11図10の作動状態を示す施錠装置上部の斜視図。
図12】本発明に係る遊技機の前面体を開いた状態の斜視図。
図13図12に示した状態の遊技機の左側縁の水平断面図。
図14】本発明に係る遊技機の前面体と本体を開いた状態の斜視図。
図15図14に示した状態の遊技機の左側縁の水平断面図。
図16】本発明に係る遊技機の前面体と本体とを大きく開いた状態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に本発明の実施形態をパチンコ機について説明する。図1図2にこの遊技機の固定枠1を示す。固定枠1は機枠または外枠とも称されるもので、前面が開口する縦長方形枠状に形成され、遊技場の島台に多数が並設される。そして、該固定枠1の下辺部1aにヒンジ機構2を固設する。該ヒンジ機構2は、支持基板2aの長手方向略中間部位に第1枢着部2bを設けて第1アーム2cを図2に示したように水平面内で前方に回転し得るように枢着し、該第1アーム2cの先端部に第1軸支部2dを設け、該第1枢着部2bから離れた部位である支持基板2aの他端部寄りに第2枢着部2eを設け、該第2枢着部2eに第2アーム2fを水平面内で前方に回転し得るように枢着し、該第2アーム2fの先端部に第2軸支部2gを設けてなる。なお、該第2アーム2fはアーム外材2hの内側にアーム内材2iを進退動可能に設けることにより伸縮可能に構成される。2jは第1軸支部2dと第2軸支部2gとを繋いでいるリンクである。また、該固定枠1の上辺部1bに前記第1アーム2cと同様の上第1アーム2kを同じく前方に回転し得るように枢着し、該上第1アーム2kの先端部に設けられた上第1軸支部2mが前記第1軸支部2dの直上にて相対するようにしている。
【0013】
なお、該固定枠1の向かって左側の側辺部1cの内面にリブ1eが縦筋状に形成されている。また、図3に示したように該固定枠1の向かって右側の側辺部1dの内面の上下位置に一対の鉤状の係合片1f,1gが固設されている。また、該側辺部1dの上部内面に、前縁部1iがクサビ状に形成されたロック解除部材1hを固設している。
【0014】
上記ヒンジ機構2によっては図4に示したように前面体3を支持する。前面体3は透明板保持枠またはガラス枠または前面扉とも称されるもので、複層ガラスからなる透明板3aが保持され、該透明板3aの両側縁部および上部等に電飾装飾体や演出装置等からなる演出装飾部材3bが前方へ大きく突出するように形成されている。また、図5に示すように、該前面体3の前面下部に景品球が払い出される上皿3c,下皿3d、および、打球発射装置3e等が設けられている。そして、該前面体3の裏側下部に軸受部材3fを固設し、該軸受部材3fに前記第1軸支部2dと第2軸支部2gを回転自在に遊嵌する。また、該前面体3の裏側上部に軸受部材3gを固設し、該軸受部材3gに前記上第1軸支部2mを回転自在に遊嵌する。このように、ヒンジ機構2および前記上第1アーム2kにより支持することで、固定枠1の前面に前面体3を開閉可能に設ける。なお、図4に示したように、前面体3の自由端縁の裏面に係合孔3h,3i,3jが縦一列に形成されている。
【0015】
一方、本体4は、本体枠、遊技盤取付枠または遊技機本体とも称されるもので、前面が開口したボックス状に形成され、後側上部に景品球タンク4aが設けられ、ボックス内に景品球払出装置,払出制御基板,電源供給装置等が設けられ、前面には遊技盤4bが交換可能に設けられている。また、図7、および、図14図16に示されるように、該本体4の一側縁に施錠装置5が設けられ、該施錠装置5には前記係合片1f,1gに係合し得るフック5a,5bが該本体4の裏側に突出するように設けられているとともに、前記係合孔3h,3i,3jに係合し得るフック5c,5d,5eが該本体4の表側に突出するように設けられている。図7図8に示したように、前記フック5a,5bは、先端縁5a′,5b′が斜め上向きに切り欠かれた上向きの鈎状に形成されている。また、フック5c,5d,5eは、先端縁5c′,5d′,5e′が斜め下向きに切り欠かれた下向きの鈎状に形成されている。該施錠装置5は、縦長板5fを本体4の一側縁に固着し、該縦長板5fに沿って上下動し得るように作動杆5gが設けられ、作動杆5gには該作動杆5gを上動状態から中立位置に復帰させる引張バネ5hと該作動杆5gを下動状態から中立位置に復帰させる引張バネ5iが設けられている。そして該作動杆5gに前記フック5a,5bを後方に突出するように設けるとともに前記フック5c,5d,5eを前方に突出するように設けている。また、該縦長板5fの下部にシリンダ錠6を固設し、該シリンダ錠6の回転中心軸をカム部材を介して作動杆5gと係合している。該シリンダ錠6は本体4の自由端側縁に形成された凸部4j内に設けられていて、前面体3を閉じたとき該凸部4jが該前面体3の自由端側縁に形成された切欠部3k内に合致し、該シリンダ錠6の鍵孔が遊技機の前面に露呈するようにしている。このため、該鍵孔に所定のキーを挿し込んで、該キーを一方向に回転操作すると、カム部材を介して作動杆5gが上動せられ、フック5c,5d,5eが上動する。また、該キーを反対方向に回転操作すると、カム部材を介して作動杆5gが下動せられ、フック5a,5bを下動させる。なお、キーを回転操作していないときは前記引張バネ5h,5iの作用によって該作動杆5gは中立位置に復帰する。
【0016】
また、図8に拡大示したように、フック5aの基部に縦長孔5kが形成され、縦長板5fに固植されたピン5jを該縦長孔5kに遊嵌している。また、引張バネ5mを該フック5aの基部に係止することにより該フック5aを上方に付勢している。このため該フック5aは該縦長孔5kの範囲内にて弾性的に上下動し得る。同様にフック5bについても上方に付勢する引張バネ(図示せず)があり、縦長孔(図示せず)の範囲内にて弾性的に上下動し得るよう構成されている。このようにフック5a,5bは、弾性的に上下動し得るように作動杆5gに取着されていることで、本体4を固定枠1内に収納する際に、該フック5a,5bの先端縁5a′,5b′が前記係合片1f,1gに当たり該フック5a,5bが該係合片1f,1gに係合し自然に施錠される。また、前記フック5c,5d,5eも同様に弾性的に上下動し得るように取着されており、前面体3を閉じたときに該フック5c,5d,5eの先端縁5c′,5d′,5e′が前記係合孔3h,3i,3jの縁に当たることで該フック5c,5d,5eが該係合孔3h,3i,3jに自然に係合し施錠されるようにしている。
【0017】
次に前面体3と本体4とを離脱不能にするロック機構について説明する。図8図9に示すように、前記縦長板5fの上部にピン7aを後方向きに突設し、該ピン7aにロック部材7を回転自在に支持する。該ロック部材7は、上端に形成した巻曲部7bにピン7aを貫挿するとともに、該ピン7aに外挿された巻バネ7cの一端を該ロック部材7に形成されたバネ掛部7dに係合することにより、該ロック部材7の下端折曲部7eが該縦長板5fの外面に圧接するように該ロック部材7を付勢している。そして、該下端折曲部7eは前記作動杆5gの上端縁と対峙し、図9に示したように該下端折曲部7eが縦長板5fの外面に圧接した状態では作動杆5gの上端縁が該下端折曲部7eに当接し該作動杆5gを上動させないようにロックする。このようにロック部材7が作動杆5gを上動させないことによっては、フック5c,5d,5eと係合孔3h,3i,3jとの係合状態が保持され、前面体3と本体4とを離脱不能にする。
一方、固定枠1内に本体4が収納された状態では、図10に示したように前記ロック解除部材1hの前縁部1iがロック部材7に当接し、巻バネ7cの弾性に抗して該ロック部材7の下端折曲部7eを縦長板5fから離間させる。このため該作動杆5gは図11に示したように上動可能となる。
【0018】
このように構成した遊技機では、図5に示したように、固定枠1に対し前面体3と本体4とを閉じた状態では、フック5a,5bが係合片1f,1gに係合し、フック5c,5d,5eが係合孔3h,3i,3jに係合することで、該前面体3と本体4が閉状態に保持される。なお、このように閉状態としたとき、この遊技機の向かって左側縁では、図6に示したように固定枠1の側辺部1cに形成されたリブ1eの裏側に本体4の左側縁外面に縦方向に形成されたリブ4kが入り組むことで、該固定枠1内に本体4が隙間無く収納されるとともに、該本体4の左側縁前面部に内向きに形成されたリブ4mに対し前面体3の裏側縁に外向きに形成された縁材3mが入り組むことで該本体4と前面体3との隙間も無くなる。このため、不正を目的として針金、ピアノ線等を遊技機内に侵入させることが困難となり不正行為が防止される。
【0019】
一方、シリンダ錠6の鍵孔に所定のキーを挿し込んで該キーを一方向に回転操作し作動杆5gを上動させることによっては、フック5c,5d,5eが上動して係合孔3h,3i,3jとの係合が解かれて、図12に示したように前面体3を開けることができ、例えば遊技盤4b上で球詰まり等のトラブルが発生した場合等に対処することができる。このとき遊技機の左側縁では、図13に示したように、前面体3に形成された縁材3mは本体4に形成されたリブ4mから斜め後方に退避する。このため開閉時に縁材3mとリブ4mとが干渉することがない。
なお、このとき前記ロック部材7は図10に示したようにロック解除部材1hによって下端折曲部7eを縦長板5fから離間させているので、作動杆5gは上動し得る。また、前面体3は上記のように第1アーム2cと第2アーム2fとにより回転し得るように枢着されているので、演出装飾部材3bが前方へ大きく突出してしていても隣の遊技機や球貸機等に衝突することなく、該前面体3を図4に示したように、前方に大きく繰り出すように開けることができる。このため前面体3の裏側や本体4の前面隅部等を点検しメンテナンス作業をすることが容易になる。
【0020】
また、固定枠1に対し前面体3と本体4とを閉じた状態にて、シリンダ錠6の鍵孔に所定のキーを挿し込んで該キーを反対方向に回転操作し作動杆5gを下動させることによっては、フック5a,5bが下動して係合片1f,1gとの係合が解かれ、図14および図16に示したように、本体4と前面体3とを共に固定枠1の前方に大きく繰り出すよう開けることができる。このため、本体4の裏側の点検、メンテナンス作業等も容易に行なわれる。このとき遊技機の左側縁では、図15に示したように、本体4に形成されたリブ4kが固定枠1の側辺部1cに形成されたリブ1eから斜め後方に退避する。このため開閉時にリブ4kとリブ1eとが干渉することもない。
また、このように本体4と前面体3とを一体的に開けることによっては、前記ロック部材7がロック解除部材1hから離間するので、図9に示したように該ロック部材7の下端折曲部7eが縦長板5fに圧接し作動杆5gが上動できないようになる。このためこの状態でキーを回転操作してもフック5c,5d,5eと係合孔3h,3i,3jとの係合は解かれない。即ち、前面体3と本体4とは、本体4が固定枠1内に収容されていて、ロック解除部材1hがロック部材7をロック解除していない限り離脱しないので、図14または図16に示したような開状態にある前面体3から本体4が離脱することはなく、離脱によるトラブルが防止される。
なお、前記縁材3mおよびリブ4mは縦方向に連なるように形成されているので、このように前面体13を開いたときも図15に示したように該前面体13の向かって左側縁では該縁材3mとリブ4mとが入り組んだ状態にある。このため該前面体13の裏面に本体14は合着した状態に保たれ、該前面体13から本体14が外れるようなことはない。
【0021】
このように本発明に係る遊技機は、固定枠1に対し前面体3だけをヒンジ機構2によって開閉可能に枢着し、本体4は該前面体3の裏面に係脱可能に配設してなるので、従来のように本体と前面体とをそれぞれ開閉可能にヒンジするといった複雑な構成とスペースが必要でなくなる。このため、遊技機の構成が簡略化され製造コストが軽減されるとともに、ヒンジ機構が1つであっても前面体3だけでなく本体4についても開閉可能であるので従来どおりの点検、メンテナンス作業を可能にする。
また、本発明ではロック部材7とロック解除部材1hをそれぞれ設けたことにより、本体4が固定枠1内に収容されていない限り前面体3が係合解除されないようにしたので、固定枠1内に収容されていない状態で本体4が前面体3から離脱するのを防ぐことができる。従って本体4が離脱しトラブルとなるのを防止できる。
【0022】
なお、この実施形態では第1アーム2cと第2アーム2fとからなるヒンジ機構により前面体3を支持するようにしたが、前面体3を公に知られた通常の蝶番または多軸蝶番によって支持していてもよく、その場合も本発明によれば前面体3を支持するだけであって、本体4を支持するための蝶番を別途に設ける必要がないので、構成が簡単になりスペース上も余裕ができるとともにコストが軽減される。
また、この実施形態では施錠装置5を本体4に設け、該施錠装置5によって本体4と前面体3との施錠および該本体4と前記固定枠1との施錠がされるようにしたが、前面体3に施錠装置を設け、該施錠装置によって前面体3と本体4との施錠および前面体3と固定枠1との施錠がされるようにしてもよい。要するに本発明では施錠装置を本体4または前面体3のいずれに設けてもよい。
【符号の説明】
【0023】
1…固定枠、 1a…下辺部、 1b…上辺部、 1c,1d…側辺部、 1e…リブ、 1f,1g…係合片、 1i…前縁部、 1h…ロック解除部材、 2…ヒンジ機構、 2a…支持基板、 2b…第1枢着部、 2c…第1アーム、 2d…第1軸支部、 2e…第2枢着部、 2f…第2アーム、 2g…第2軸支部、 2h…アーム外材、 2i…アーム内材、 2j…リンク、 2k…上第1アーム、 2m…上第1軸支部、 3…前面体、 3a…透明板、 3b…演出装飾部材、 3c…上皿、 3d…下皿、 3e…打球発射装置、 3f,3g…軸受部材、 3h,3i,3j…係合孔、 3k…切欠部、 3m…縁材、 4…本体、 4a…景品球タンク、 4b…遊技盤、 4j…凸部、 4k,4m…リブ、 5…施錠装置、 5a〜5e…フック、 5a′〜5e′…先端縁、 5f…縦長板、 5g…作動杆、 5h,5i,5m…引張バネ、 5j…ピン、 5k…縦長孔、 6…シリンダ錠、 7…ロック部材、 7a…ピン、 7b…巻曲部、 7c…巻バネ、 7d…バネ掛部、 7e…下端折曲部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16