【文献】
WANG, Shuoxun et al.,The Role of Ruthenium in CO2 Capture and Catalytic Conversion to Fuel by Dual Function Materials (DFM),Catalysts,2017年,Vol.7, No.88,pp.1-13
【文献】
DUYAR, Melis S. et al.,Dual function materials for CO2 capture and conversion using renewable H2,Applied Catalysis B: Environmental,2015年,Vol.168,pp.370-376
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
CO
2を原料とし、RuやNi等のメタン化触媒を用いてメタンを製造する方法は、地球温暖化問題におけるCO
2排出量の削減という点で注目されている。しかしながら、燃焼排ガスやバイオガス等のCO
2とO
2とを含有するガスを原料として用いてメタンの製造を行うと、メタン化触媒より上流でCO
2の純度を高め、O
2等の反応阻害成分を除去する必要があった。また、CO
2を含有するガスを原料として用いてメタンを製造する方法としては、CO
2の分離回収装置(化学吸着法、物理吸着法等)とメタン化触媒装置とを個別に組み合わせた方法が実用化されているが、CO
2を分離回収する際に熱が必要なため、外部からエネルギーを供給する必要があり、また、装置が複雑かつ大きくなるという問題があった。
【0003】
そこで、特開平5−193920号公報(特許文献1)には、300℃〜400℃の温度範囲でフェライトにCO
2とH
2を通じることにより、フェライト表面に炭素を析出させ、この後、このフェライトをCO
2の供給なしにH
2中で600℃以上に昇温することにより、前記フェライト上に析出していた炭素をメタンに変換する方法が提案されている。しかしながら、この方法では、300℃〜400℃の温度範囲でCO
2から炭素を析出させることができるものの、炭素をメタン化する際には600℃以上に昇温する必要があり、外部からエネルギーを投入する必要があった。また、フェライトにCO
2を供給する際には予めO
2を除去しておく必要があった。
【0004】
また、特開平9−110731号公報(特許文献2)には、CO
2を含有するガスをフェライト系鉄酸化物結晶中の酸素を取り除いて得られる活性化フェライト系鉄酸化物に接触させる二酸化炭素分解工程と、前記二酸化炭素分解工程で得られた活性化フェライト系鉄酸化物にH
2を含有するガスを接触させるメタン製造工程とを交互に繰り返し行うメタンの製造方法が提案されている。しかしながら、この方法では、CO
2を含有するガスを活性化フェライト系鉄酸化物に接触させる際には予めO
2を除去しておく必要があった。また、CO
2を含有するガスを原料として用いてメタンを連続的に製造することは困難であった。
【0005】
さらに、国際公開第2006/007825号(特許文献3)、Applied Catalysis B:Environmental、168〜169(2015)、370〜376(非特許文献1)及びCatalysts、2017、7、88(非特許文献2)には、CO
2吸蔵能とメタン生成能とを有するCO
2吸蔵還元型触媒にCO
2を吸蔵させた後、H
2を供給して吸蔵させたCO
2をメタンに還元変換する方法が提案されている。この方法では、1つの触媒でCO
2の分離回収とメタン化反応が可能であるため、装置を簡素化・コンパクト化でき、さらに、メタン化反応で発生した熱をCO
2の分離回収に利用できるため、外部からエネルギーを供給することなく、250〜400℃の温度でCO
2の分離回収とメタン化反応とを行うことが可能である。しかしながら、特許文献3及び非特許文献1〜2に記載の方法では、CO
2の分離回収とメタン化反応を交互に行う必要があり、CO
2を含有するガスを原料として用いてメタンを連続的に製造することは困難であった。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明は前記図面に限定されるものではない。なお、以下の説明及び図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する場合もある。
【0018】
先ず、本発明に用いられるCO
2吸蔵還元型触媒、メタン化触媒、CO
2含有ガス、還元性ガス、パージガスについて説明する。
【0019】
前記CO
2吸蔵還元型触媒としては、CO
2吸蔵能及びメタン生成能を有する触媒であれば特に制限はなく、例えば、担体にメタン化触媒能を有する成分とCO
2吸蔵能を有する成分とを担持させた触媒等が挙げられる。前記メタン化触媒能を有する成分としては特に制限はなく、例えば、Ru、Ni、Pt、Pd、Rh、Co、Fe、Mn等が挙げられ、これらのメタン化触媒成分は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。前記CO
2吸蔵能を有する成分としては特に制限はなく、例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、希土類化合物等が挙げられ、これらのCO
2吸蔵能を有する成分は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、これらのメタン化触媒能を有する成分及びCO
2吸蔵能を有する成分は、担体(より好ましくは、多孔質担体)に担持されていることが好ましく、前記担体を構成する成分としては、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、セリア−ジルコニア等が好ましい。
【0020】
前記メタン化触媒としては、CO
2を還元してメタンを生成させる触媒能を有するものであれば特に制限はなく、例えば、Ru、Ni、Pt、Pd、Rh、Co、Fe、Mn等のメタン化触媒成分を多孔質担体に担持した触媒等が挙げられる。これらのメタン化触媒は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
【0021】
前記CO
2含有ガスとしては、CO
2を含有するものであれば特に制限はないが、本発明のメタンの製造装置及び製造方法を用いることによって、CO
2含有ガスを原料として用いてメタンを連続的に製造することができ、さらに、得られるメタン含有ガス中のメタンの濃度及び純度を向上させることができるというから、少なくともCO
2とO
2とを含有するガスが好ましい。
【0022】
前記還元性ガスとしては、CO
2をメタンに還元できるものであれば特に制限はなく、例えば、H
2ガス、NH
3ガス、ヒドラジンガス、及びそれを含有するガスが挙げられる。また、前記パージガスとしては、He等の希ガス、N
2等の不活性ガスが挙げられる。
【0023】
次に、本発明のメタンの製造装置について説明する。
図1〜
図5は本発明のメタンの製造装置の好適な実施態様を示す概略図である。本発明のメタンの製造装置は、
図1〜
図5に示すように、CO
2吸蔵能及びメタン生成能を有するCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aと、メタン化触媒を備える反応器Bと、パージガスを供給する手段1と、還元性ガスを供給する手段2とを備える、CO
2含有ガスからメタンを製造するための装置である。
【0024】
本発明に用いられるCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aとしては特に制限はなく、例えば、前記CO
2吸蔵還元型触媒の粉末を充填した触媒反応器、前記CO
2吸蔵還元型触媒をペレット状に成形して充填した触媒反応器、前記CO
2吸蔵還元型触媒をハニカム又はフォームにコートして充填した触媒反応器等が挙げられる。本発明のメタンの製造装置において、このようなCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aは2基以上が並列に配置されている。例えば、
図1〜
図5に示す本発明のメタンの製造装置においては、CO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aが2基並列に配置されている。また、本発明のメタンの製造装置は、これに限定されるものではなく、CO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aが3基以上並列に配置されたものであってもよい。このように、CO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aを2基以上並列に配置することによって、各反応器AにおいてはCO
2の吸蔵と還元を交互に実施し、かつ、任意の反応器AにおいてCO
2の吸蔵を実施すると同時に、残りの反応器AにおいてCO
2の還元を実施することができ、CO
2を含有するガスを原料として用いてメタンを連続的に製造することが可能となる。また、これら2基以上のCO
2吸蔵還元型触媒を備える各反応器Aのガス入口には、CO
2含有ガスを供給するためのガス供給ライン3が接続されており、さらに、CO
2吸蔵還元型触媒を備える各反応器Aのガス出口には、前記CO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aで得られた反応生成ガスを、メタン化触媒を備える反応器Bへ移送するためのガス移送ライン4が接続されている。
【0025】
本発明に用いられるメタン化触媒を備える反応器Bとしては特に制限はなく、例えば、前記メタン化触媒の粉末を充填した触媒反応器、前記メタン化触媒をペレット状に成形して充填した触媒反応器、前記メタン化触媒をハニカム又はフォームにコートして充填した触媒反応器等が挙げられる。本発明のメタンの製造装置において、このようなメタン化触媒を備える反応器Bは、少なくとも1基がガス流路のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aより下流に配置されており、具体的には、ガス移送ライン4がメタン化触媒を備える反応器Bのガス入口に接続されている。例えば、
図1〜
図5に示す本発明のメタンの製造装置においては、1基のメタン化触媒を備える反応器Bがガス流路のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aより下流に配置されている。また、本発明のメタンの製造装置は、これに限定されるものではなく、ガス流路のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aより下流に配置されていれば、2基以上のメタン化触媒を備える反応器Bが配置されたものであってもよい。このように、少なくとも1基のメタン化触媒を備える反応器Bをガス流路のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aより下流に配置することによって、前記CO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aで得られた反応生成ガスに含まれるCO
2を還元してメタンを生成させることができ、得られるメタン含有ガス中のメタンの濃度及び純度を向上させることが可能となる。
【0026】
本発明に用いられるパージガスを供給する手段1としては特に制限はなく、例えば、前記パージガスを充填したガスボンベ、多孔質膜や冷凍機を用いて大気から酸素を除去するN
2ガス発生手段、液体窒素のガス化手段等が挙げられる。本発明のメタンの製造装置において、このようなパージガスを供給する手段1は、少なくとも1基がガス流路のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aより上流に配置されている(具体的には、少なくとも1基のパージガスを供給する手段1がガス供給ライン3に接続されている)。例えば、
図1〜
図5に示す本発明のメタンの製造装置においては、1基のパージガスを供給する手段1がガス流路のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aより上流に配置されている(具体的には、1基のパージガスを供給する手段1が全てのガス供給ライン3に接続されている)。また、本発明のメタンの製造装置は、これに限定されるものではなく、2基以上のパージガスを供給する手段1が2本以上のガス流路のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aより上流にそれぞれ配置されたもの(具体的には、2基以上のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aにそれぞれ接続されているガス供給ライン3にそれぞれパージガスを供給する手段1が接続されているもの)であってもよい。
【0027】
本発明に用いられる還元性ガスを供給する手段2としては特に制限はなく、例えば、前記還元性ガスを充填したガスボンベ、水の電気分解装置、アンモニア又はメチルシクロヘキサンの熱分解装置、水素吸蔵材料から水素を脱離させるH
2ガス発生手段、液体水素のガス化手段等が挙げられる。本発明のメタンの製造装置において、このような還元性ガスを供給する手段2は、少なくとも1基がガス流路のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aより上流に配置されている(具体的には、少なくとも1基の還元性ガスを供給する手段2がガス供給ライン3に接続されている)。例えば、
図1〜
図5に示す本発明のメタンの製造装置においては、1基の還元性ガスを供給する手段2がガス流路のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aより上流に配置されている(具体的には、1基の還元性ガスを供給する手段2が全てのガス供給ライン3に接続されている)。また、本発明のメタンの製造装置は、これに限定されるものではなく、2基以上の還元性ガスを供給する手段2が2本以上のガス流路のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aより上流にそれぞれ配置されたもの(具体的には、2基以上のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aにそれぞれ接続されているガス供給ライン3にそれぞれ還元性ガスを供給する手段2が接続されているもの)であってもよい。
【0028】
本発明のメタンの製造装置においては、さらに、CO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aのガス出口と該反応器以外の少なくとも1基のCO
2吸蔵還元型触媒を備える他の反応器Aのガス入口とが、前記反応器Aのガス出口から排出されたパージガスを前記他の反応器Aのガス入口から供給するためのパージガス再循環ライン5で接続されている。例えば、
図1〜
図5に示す2基のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器A1及びA2を備える本発明のメタンの製造装置においては、前記反応器A1のガス出口と前記反応器A2のガス入口とがパージガス再循環ライン5で接続されており、かつ、前記反応器A2のガス出口と前記反応器A1のガス入口とがパージガス再循環ライン5で接続されている。また、3基のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器A1、A2及びA3を備える本発明のメタンの製造装置(図面なし)においては、前記反応器A1のガス出口と前記反応器A2のガス入口とがパージガス再循環ライン5で接続されており、かつ、前記反応器A2のガス出口と前記反応器A3のガス入口とがパージガス再循環ライン5で接続されており、かつ、前記反応器A3のガス出口と前記反応器A1のガス入口とがパージガス再循環ライン5で接続されている。このように、CO
2吸蔵還元型触媒を備える任意の反応器Aのガス出口とCO
2吸蔵還元型触媒を備える他の反応器Aとをパージガス再循環ライン5で接続することによって、CO
2吸蔵後の反応器Aにパージガスを供給してO
2等の反応阻害成分を除去する際に、CO
2吸蔵後の前記反応器Aから排出されたパージガスを還元反応後の反応器Aに供給して前記パージガスに含まれるCO
2をCO
2吸蔵還元型触媒に吸蔵させて系外へのCO
2の放出を防ぐことができ、得られるメタン含有ガス中のメタンの濃度及び純度を向上させることが可能となる。
【0029】
また、本発明のメタンの製造装置においては、CO
2吸蔵還元型触媒を備える各反応器Aとメタン化触媒を備える反応器Bとの間(具体的には、ガス移送ライン4中)に、前記CO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aのガス出口から排出された反応生成ガスを貯蔵するための少なくとも1基のガス貯蔵容器Cが更に配置されていることが好ましい。例えば、
図2に示す本発明のメタンの製造装置においては、1基のガス貯蔵容器CがCO
2吸蔵還元型触媒を備える各反応器Aとメタン化触媒を備える反応器Bとの間(具体的には、ガス移送ライン4中)に配置されており、
図3及び
図5に示す本発明のメタンの製造装置においては、2基のガス貯蔵容器CがCO
2吸蔵還元型触媒を備える各反応器Aとメタン化触媒を備える反応器Bとの間(具体的には、ガス移送ライン4中)に配置されている。また、本発明のメタンの製造装置は、これらに限定されるものではなく、3基以上のガス貯蔵容器CがCO
2吸蔵還元型触媒を備える各反応器Aとメタン化触媒を備える反応器Bとの間(具体的には、ガス移送ライン4中)に配置されたものであってもよい。これにより、メタン化触媒を備える反応器Bに供給する反応生成ガスの制御が容易になるとともに、脱離したCO
2と未反応のH
2とを好適な割合でメタン化触媒を備える反応器Bに供給することができるため、得られるメタン含有ガス中のメタンの濃度及び純度を更に向上させることが可能となる。
【0030】
さらに、本発明のメタンの製造装置においては、CO
2吸蔵還元型触媒を備える各反応器Aとメタン化触媒を備える反応器Bとの間(具体的には、ガス移送ライン4中)に、少なくとも1基の還元性ガスを供給する手段2が更に配置されていることが好ましい。例えば、
図4に示す本発明のメタンの製造装置においては、1基の還元性ガスを供給する手段2がCO
2吸蔵還元型触媒を備える各反応器Aとメタン化触媒を備える反応器Bとの間(具体的には、ガス移送ライン4中)に配置されている。また、本発明のメタンの製造装置は、これに限定されるものではなく、2基以上の還元性ガスを供給する手段2がCO
2吸蔵還元型触媒を備える各反応器Aとメタン化触媒を備える反応器Bとの間(具体的には、ガス移送ライン4中)に配置されたものであってもよい。これにより、好適な割合でCO
2と還元性ガスとをメタン化触媒を備える反応器Bに供給することができるため、得られるメタン含有ガス中のメタンの濃度及び純度を更に向上させることが可能となる。
【0031】
また、発明のメタンの製造装置においては、CO
2吸蔵還元型触媒を備える各反応器Aとメタン化触媒を備える反応器Bとの間(具体的には、ガス移送ライン4中)に、少なくとも1基のガス中の水分を除去する手段6が更に配置されていることが好ましい。例えば、
図5に示す本発明のメタンの製造装置においては、2基のガス中の水分を除去する手段6がCO
2吸蔵還元型触媒を備える各反応器Aとガス貯蔵容器Cとの間(具体的には、ガス移送ライン4中)に配置されている。また、本発明のメタンの製造装置は、これに限定されるものではなく、1基又は3基以上のガス中の水分を除去する手段6がCO
2吸蔵還元型触媒を備える各反応器Aとメタン化触媒を備える反応器Bとの間(具体的には、ガス移送ライン4中)に、配置されたものであってもよい。これにより、メタン化反応の阻害要因である水分が除去され、メタン化活性が向上する。また、
図5に示す本発明のメタンの製造装置においては、メタン化触媒を備える反応器Bに供給する反応生成ガスの量を削減することができるため、ガス貯蔵容器Cの容量を小さくすることが可能となり、装置の小型化を図ることができる。
【0032】
次に、本発明のメタンの製造方法について説明する。本発明のメタンの製造方法は、前記本発明のメタンの製造装置を用いてCO
2含有ガスからメタンを製造する方法であって、CO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器AにCO
2含有ガスを供給してCO
2吸蔵還元型触媒にCO
2を吸蔵させる工程〔CO
2吸蔵工程〕と、CO
2を吸蔵させたCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aに還元性ガスを供給して前記CO
2を還元する工程〔CO
2還元工程〕と、CO
2の還元により得られた反応生成ガスを、メタン化触媒を備える反応器Bに供給する工程〔反応生成ガス供給工程〕と、CO
2吸蔵後の前記反応器Aにパージガスを供給し、該反応器Aから排出されるパージガスを還元反応後の前記反応器Aに供給する工程〔パージガス再循環工程〕と、メタン化触媒を備える反応器Bに供給された前記反応生成ガス中の残りのCO
2を還元する工程〔メタン化反応工程〕とを含んでいる。
【0033】
また、本発明のメタンの製造方法においては、CO
2吸蔵還元型触媒を備える各反応器AにおいてCO
2吸蔵工程とCO
2還元工程とを交互に実施し、かつ、CO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器Aのうちの少なくとも1基の反応器AにおいてCO
2吸蔵工程を実施すると同時に、残りのCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器AにおいてCO
2還元工程を実施する。
【0034】
さらに、本発明のメタンの製造方法においては、CO
2の還元により得られた前記反応生成ガスを、ガス貯蔵容器Cに貯蔵した後、メタン化触媒を備える反応器Bに供給することが好ましい。
【0035】
以下、
図1〜
図5に示した、2基のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器A1及びA2を備えるメタンの製造装置を用いた場合を例に本発明のメタンの製造方法を説明するが、本発明のメタンの製造方法はこれに限定されるものではない。
【0036】
本発明のメタンの製造方法においては、還元反応後のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器A1にCO
2含有ガスを供給し、同時に、CO
2吸蔵後のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器A2にパージガスを供給する手段1からパージガスを供給する。これにより、前記反応器A1においては、CO
2含有ガスに含まれるCO
2がCO
2吸蔵還元型触媒に吸蔵され、前記反応器A2においては、O
2等の反応阻害成分が除去される。また、前記反応器A2から排出されるパージガスもパージガス再循環ライン5を通して前記反応器A1に供給する。これにより、前記反応器A1においては、前記反応器A2から排出されたパージガスに含まれるCO
2がCO
2吸蔵還元型触媒に吸蔵されて系外へのCO
2の放出を防ぐことができ、得られるメタン含有ガス中のメタンの濃度及び純度が向上する。
【0037】
次に、前記反応器A1にはCO
2含有ガスのみを供給し、同時に、前記反応器A2には還元性ガスを供給する手段2から還元性ガスを供給する。これにより、前記反応器A1においては、引き続き、CO
2含有ガスに含まれるCO
2がCO
2吸蔵還元型触媒に吸蔵され、前記反応器A2においては、CO
2吸蔵還元型触媒に吸蔵しているCO
2が還元され、メタンとCO
2吸蔵還元型触媒から脱離したCO
2と未反応の還元性ガスとを含有する反応生成ガスが得られる。この反応生成ガスは、ガス移送ライン4を通してメタン化触媒を備える反応器Bに供給され、前記反応器Bにおいて、残存するCO
2が還元されてメタンが生成する。これにより、得られるメタン含有ガス中のメタンの濃度及び純度が向上する。
【0038】
次に、パージガスを供給する手段1から還元反応後の前記反応器A2にパージガスを供給して前記反応器A2中のO
2等の反応阻害成分を除去した後、前記反応器A2にCO
2含有ガスを供給し、同時に、パージガスを供給する手段1からCO
2吸蔵後の前記反応器A1にパージガスを供給する。これにより、前記反応器A2においては、CO
2含有ガスに含まれるCO
2がCO
2吸蔵還元型触媒に吸蔵され、前記反応器A1においては、O
2等の反応阻害成分が除去される。また、前記反応器A1から排出されるパージガスもパージガス再循環ライン5を通して前記反応器A2に供給する。これにより、前記反応器A2においては、前記反応器A1から排出されたパージガスに含まれるCO
2がCO
2吸蔵還元型触媒に吸蔵されて系外へのCO
2の放出を防ぐことができ、得られるメタン含有ガス中のメタンの濃度及び純度が向上する。
【0039】
次に、前記反応器A2にはCO
2含有ガスのみを供給し、同時に、前記反応器A1には還元性ガスを供給する手段2から還元性ガスを供給する。これにより、前記反応器A2においては、引き続き、CO
2含有ガスに含まれるCO
2がCO
2吸蔵還元型触媒に吸蔵され、前記反応器A1においては、CO
2吸蔵還元型触媒に吸蔵しているCO
2が還元され、メタンとCO
2吸蔵還元型触媒から脱離したCO
2と未反応の還元性ガスとを含有する反応生成ガスが得られる。この反応生成ガスも、ガス移送ライン4を通してメタン化触媒を備える反応器Bに供給され、前記反応器Bにおいて、残存するCO
2が還元されてメタンが生成する。これにより、得られるメタン含有ガス中のメタンの濃度及び純度が向上する。
【0040】
本発明のメタンの製造方法においては、このような一連の操作を繰返し実施することによって、CO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器A1及びA2において、前記CO
2吸蔵工程と前記CO
2還元工程とが交互に実施され、CO
2を含有するガスを原料として用いてメタンを連続的に製造することが可能となる。
【0041】
また、本発明のメタンの製造方法においては、
図2、
図3、
図5に示した、ガス貯蔵容器Cを備えるメタンの製造装置を用いて、前記反応器A1及びA2で得られた前記反応生成ガスをガス貯蔵容器Cに貯蔵した後、前記反応器Bに供給することが好ましい。これにより、前記反応器Bに供給する反応生成ガスの制御が容易になるとともに、脱離したCO
2と未反応のH
2とを好適な割合で前記反応器Bに供給することができるため、得られるメタン含有ガス中のメタンの濃度及び純度が更に向上する。
【0042】
さらに、本発明のメタンの製造方法においては、
図4に示した、メタン化触媒を備える反応器Bに還元性ガスを供給する手段2を備えるメタンの製造装置を用いて、前記反応器A1及びA2で得られた前記反応生成ガスに還元性ガスを供給することが好ましい。これにより、好適な割合でCO
2と還元性ガスとを前記反応器Bに供給することが好ましい。これにより、好適な割合でCO
2と還元性ガスとを前記反応器Bに供給することができるため、得られるメタン含有ガス中のメタンの濃度及び純度が更に向上する。
【0043】
また、本発明のメタンの製造方法においては、
図5に示した、ガス中の水分を除去する手段6を備えるメタンの製造装置を用いて、前記反応器A1及びA2で得られた前記反応生成ガスからメタン化反応の阻害要因である水分を除去することが好ましい。これにより、メタン化活性が向上する。また、前記反応器Bに供給する反応生成ガスの量を削減することができるため、ガス貯蔵容器Cの容量を小さくすることが可能となり、装置の小型化を図ることができる。
【0044】
本発明のメタンの製造方法において、前記各工程の制御方法は特に制限はなく、例えば、時間により供給するガスを切替えてもよいし、前記反応器A及び前記反応器Bやガス貯蔵容器Cのガス出口にガスセンサーを取付けてガス濃度を測定し、規定のガス濃度に達した時点で供給するガスを切替えてもよい。
【0045】
以上、2基のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器を備えるメタンの製造装置を用いた場合を例に本発明のメタンの製造方法の好適な実施形態について説明したが、本発明のメタンの製造方法は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、3基以上のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器を備えるメタンの製造装置を用いた場合にも、これらの反応器を並列で使用し、各反応器において前記CO
2吸蔵還元型触媒へのCO
2の吸蔵と吸蔵させたCO
2の還元とを交互に実施し、かつ、前記反応器のうちの少なくとも1基の反応器においてCO
2を吸蔵させると同時に、残りの反応器において吸蔵させたCO
2を還元することによって、CO
2を含有するガスを原料として用いてメタンを連続的に製造することができる。また、CO
2吸蔵後の前記反応器に供給したパージガスを還元反応後の前記反応器に供給して前記パージガスに含まれるCO
2を還元反応後の前記CO
2吸蔵還元型触媒に吸蔵させて系外へのCO
2の放出を防ぎ、さらに、CO
2の還元により得られた反応生成ガスに含まれるCO
2を下流に配置されたメタン化触媒で還元することによって、得られるメタン含有ガス中のメタンの濃度及び純度を向上させることができる。
【実施例】
【0046】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0047】
(実施例1)
図1に示すメタンの製造装置を用い、
図6A〜
図6Cに記載のフローチャート及び表1に記載の設定時間に従って、CO
2とO
2とを含有するガスを原料としてメタンを連続的に製造した。
図1に示すメタンの製造装置においては、2基のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器A1及びA2が並列に配置されており、前記反応器A1及びA2のガス入口には、CO
2含有ガスを供給するためのガス供給ライン3が接続されている。ガス供給ライン3には、パージガスを供給する手段1及び還元性ガスを供給する手段2が接続されている。また、前記反応器A1及びA2のガス出口には、得られた反応生成ガスを、メタン化触媒を備える反応器Bへ移送するためのガス移送ライン4がそれぞれ接続されている。さらに、前記反応器A1のガス出口と前記反応器A2のガス入口とがパージガス再循環ライン5で接続されており、かつ、前記反応器A2のガス出口と前記反応器A1のガス入口とがパージガス再循環ライン5で接続されている。
【0048】
CO
2吸蔵還元型触媒としては、アルミナ担体に酢酸カルシウムをCaO換算で10質量%、Ruを5質量%担持した触媒2gを使用した。また、メタン化触媒としては、チタニアにRuが金属Ru換算で2質量%担持されている市販のメタン化触媒1gを使用した。前記反応器A1及びA2、前記反応器Bの温度は320℃に設定した。CO
2含有ガスとしては、10%CO
2+3%O
2+He(残部)の混合ガスを使用し、流量を20ml/分に設定した。パージガスとしては100%Heガスを使用し、流量を20ml/分に設定した。還元性ガスとしては100%H
2ガスを使用し、流量を10.5ml/分に設定した。
【0049】
【表1】
【0050】
図6A〜
図6C及び表1に示したように、還元反応後(1サイクル目を除く)の前記反応器A1にCO
2含有ガスを7.5秒間供給し、同時に、CO
2吸蔵後(1サイクル目を除く)の前記反応器A2にパージガスを7.5秒間供給した。また、この間(7.5秒間)、前記反応器A2から排出されたパージガスをパージガス再循環ライン5を通して前記反応器A1に供給した。これにより、前記反応器A1においては、CO
2吸蔵還元型触媒にCO
2が吸蔵され、前記反応器A2においては、O
2等の反応阻害成分が除去された。なお、この間、前記反応器Bは閉鎖した。
【0051】
次に、前記反応器A2に還元性ガスを133秒間供給してCO
2吸蔵還元型触媒に吸蔵されたCO
2を還元し、メタンを生成させた(1サイクル目を除く)。得られた反応生成ガス(メタンのほかに、CO
2吸蔵還元型触媒から脱離したCO
2と未反応の還元性ガスとが含まれると考えられる)を前記反応器Bに供給し、前記反応器Bにおいて、残存するCO
2を還元して、メタンを生成させ、メタン含有ガスを得た(1サイクル目を除く)。なお、前記反応器BにおけるCO
2の還元時間は133秒間であり、メタン含有ガスを排出した後、前記反応器Bを閉鎖した。その後、前記反応器A2にパージガスを7.5秒間供給し、そのまま排気した。一方、前記反応器A1には、この間(140.5秒間)、CO
2含有ガスのみを供給し、CO
2吸蔵還元型触媒にCO
2を吸蔵させた。
【0052】
次に、前記反応器A2にCO
2含有ガスを7.5秒間供給し、同時に、CO
2吸蔵後の前記反応器A1にパージガスを7.5秒間供給した。また、前記反応器A1から排出されたパージガスをパージガス再循環ライン5を通して前記反応器A2に供給した。これにより、前記反応器A2においては、CO
2吸蔵還元型触媒にCO
2が吸蔵され、前記反応器A1においては、O
2等の反応阻害成分が除去された。なお、前記反応器Bは引き続き閉鎖した(合計15秒間)。
【0053】
次に、前記反応器A1に還元性ガスを133秒間供給してCO
2吸蔵還元型触媒に吸蔵されたCO
2を還元し、メタンを生成させた。得られた反応生成ガス(メタンのほかに、CO
2吸蔵還元型触媒から脱離したCO
2と未反応の還元性ガスとが含まれると考えられる)を前記反応器Bに供給し、前記反応器Bにおいて、残存するCO
2を還元して、メタンを生成させ、メタン含有ガスを得た。なお、前記反応器BにおけるCO
2の還元時間は133秒間であり、メタン含有ガスを排出した後、前記反応器Bを閉鎖した。その後、前記反応器A1にパージガスを7.5秒間供給し、そのまま排気した。一方、前記反応器A2には、この間(140.5秒間)、CO
2含有ガスのみを供給し、CO
2吸蔵還元型触媒にCO
2を吸蔵させた。
【0054】
このような一連の操作を、定常状態になるまで繰返し、定常状態における装置への入りガス(CO
2含有ガス)中及び出ガス(メタン含有ガス)中のCO
2濃度及びCH
4濃度を、質量分析計を用いて測定した。得られた測定結果に基づいて、1時間当たりのCO
2の除去量、CO
2の排出量、メタンの生成量を求めた。その結果を表3及び
図8〜
図10に示す。
【0055】
(実施例2)
図3に示すメタンの製造装置を用い、
図7A〜
図7Cに記載のフローチャート及び表2に記載の設定時間に従って、CO
2とO
2とを含有するガスを原料としてメタンを連続的に製造した。
図3に示すメタンの製造装置においては、2基のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器A1及びA2が並列に配置されており、前記反応器A1及びA2のガス入口には、CO
2含有ガスを供給するためのガス供給ライン3が接続されている。ガス供給ライン3には、パージガスを供給する手段1及び還元性ガスを供給する手段2が接続されている。また、前記反応器A1及びA2のガス出口には、得られた反応生成ガスを、メタン化触媒を備える反応器Bへ移送するためのガス移送ライン4がそれぞれ接続されており、各ガス移送ライン4には、ガス貯蔵容器C1及びC2がそれぞれ配置されている。さらに、前記反応器A1のガス出口と前記反応器A2のガス入口とがパージガス再循環ライン5で接続されており、かつ、前記反応器A2のガス出口と前記反応器A1のガス入口とがパージガス再循環ライン5で接続されている。
【0056】
CO
2吸蔵還元型触媒、メタン化触媒、CO
2含有ガス、パージガス、還元性ガスは実施例1と同じものを使用した。また、前記反応器A1及びA2、前記反応器Bの温度、CO
2含有ガス、パージガス、還元性ガスの流量は実施例1と同じ条件に設定した。
【0057】
【表2】
【0058】
図7A〜
図7C及び表2に示したように、還元反応後(1サイクル目を除く)の前記反応器A1にCO
2含有ガスを7.5秒間供給し、同時に、CO
2吸蔵後(1サイクル目を除く)の前記反応器A2にパージガスを7.5秒間供給した。また、この間(7.5秒間)、前記反応器A2から排出されたパージガスをパージガス再循環ライン5を通して前記反応器A1に供給した。これにより、前記反応器A1においては、CO
2吸蔵還元型触媒にCO
2が吸蔵され、前記反応器A2においては、O
2等の反応阻害成分が除去された。さらに、この間、ガス貯蔵容器C1に貯蔵していた反応生成ガスを前記反応器Bに供給し、前記反応器Bにおいて、残存するCO
2を還元して、メタンを生成させ、メタン含有ガスを得た(1サイクル目を除く)。なお、ガス貯蔵容器C2は、この間(7.5秒間)、閉鎖した。
【0059】
次に、前記反応器A2に還元性ガスを133秒間供給してCO
2吸蔵還元型触媒に吸蔵されたCO
2を還元し、メタンを生成させた(1サイクル目を除く)。得られた反応生成ガス(メタンのほかに、CO
2吸蔵還元型触媒から脱離したCO
2と未反応の還元性ガスとが含まれると考えられる)をガス貯蔵容器C2に供給した。その後、前記反応器A2にパージガスを7.5秒間供給し、そのまま排気した。また、ガス貯蔵容器C2は、この間(7.5秒間)、閉鎖して前記反応生成ガスを貯蔵した。一方、前記反応器A1には、この間(140.5秒間)、CO
2含有ガスのみを供給し、CO
2吸蔵還元型触媒にCO
2を吸蔵させた。また、ガス貯蔵容器C1に貯蔵していた反応生成ガスは引き続き、前記反応器Bに供給し、前記反応器Bにおいて、残存するCO
2を還元して、メタンを生成させ、メタン含有ガスを得た(1サイクル目を除く)。なお、ガス貯蔵容器C1から前記反応器Bへの反応生成ガスの供給時間(すなわち、前記反応器BにおけるCO
2の還元時間)は合計148秒間であった。
【0060】
次に、前記反応器A2にCO
2含有ガスを7.5秒間供給し、同時に、CO
2吸蔵後の前記反応器A1にパージガスを7.5秒間供給した。また、前記反応器A1から排出されたパージガスをパージガス再循環ライン5を通して前記反応器A2に供給した。これにより、前記反応器A2においては、CO
2吸蔵還元型触媒にCO
2が吸蔵され、前記反応器A1においては、O
2等の反応阻害成分が除去された。さらに、この間、ガス貯蔵容器C2に貯蔵していた反応生成ガスを前記反応器Bに供給し、前記反応器Bにおいて、残存するCO
2を還元して、メタンを生成させ、メタン含有ガスを得た。なお、ガス貯蔵容器C1は、この間(7.5秒間)、閉鎖した。
【0061】
次に、前記反応器A1に還元性ガスを133秒間供給してCO
2吸蔵還元型触媒に吸蔵されたCO
2を還元し、メタンを生成させた。得られた反応生成ガス(メタンのほかに、CO
2吸蔵還元型触媒から脱離したCO
2と未反応の還元性ガスとが含まれると考えられる)をガス貯蔵容器C1に供給した。その後、前記反応器A1パージガスを7.5秒間供給し、そのまま排気した。また、ガス貯蔵容器C1は、この間(7.5秒間)、閉鎖して前記反応生成ガスを貯蔵した。一方、前記反応器A2には、この間(140.5秒間)、CO
2含有ガスのみを供給し、CO
2吸蔵還元型触媒にCO
2を吸蔵させた。また、ガス貯蔵容器C2に貯蔵していた反応生成ガスは引き続き、前記反応器Bに供給し、前記反応器Bにおいて、残存するCO
2を還元して、メタンを生成させ、メタン含有ガスを得た。なお、ガス貯蔵容器C2から前記反応器Bへの反応生成ガスの供給時間(すなわち、前記反応器BにおけるCO
2の還元時間)は合計148秒間であった。
【0062】
このような一連の操作を、定常状態になるまで繰返し、定常状態における装置への入りガス(CO
2含有ガス)中及び出ガス(メタン含有ガス)中のCO
2濃度及びCH
4濃度を、質量分析計を用いて測定した。得られた測定結果に基づいて、1時間当たりのCO
2の除去量、CO
2の排出量、メタンの生成量を求めた。その結果を表3及び
図8〜
図10に示す。
【0063】
(比較例1)
図11に示すメタンの製造装置を用い、CO
2とO
2とを含有するガスを原料としてメタンを連続的に製造した。
図11に示すメタンの製造装置においては、1基のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器A1が配置されており、前記反応器A1のガス入口には、CO
2含有ガスを供給するためのガス供給ライン3が接続されている。ガス供給ライン3には、パージガスを供給する手段1及び還元性ガスを供給する手段2が接続されている。
【0064】
CO
2吸蔵還元型触媒、CO
2含有ガス、パージガス、還元性ガスは実施例1と同じものを使用した。また、前記反応器A1及び前記反応器Bの温度、CO
2含有ガス、パージガス、還元性ガスの流量は実施例1と同じ条件に設定した。
【0065】
還元反応後(1サイクル目を除く)の前記反応器A1にCO
2含有ガスを148秒間供給した。これにより、前記反応器A1において、CO
2吸蔵還元型触媒にCO
2が吸蔵された。次に、CO
2吸蔵後の前記反応器A1にパージガスを7.5秒間供給し、そのまま排気した。これにより、前記反応器A1において、O
2等の反応阻害成分が除去された。次に、前記反応器A1に還元性ガスを133秒間供給してCO
2吸蔵還元型触媒に吸蔵されたCO
2を還元し、メタンを生成させ、メタン含有ガスを得た。その後、前記反応器A1にパージガスを7.5秒間供給し、そのまま排気した。
【0066】
このような一連の操作を、定常状態になるまで繰返し、定常状態における装置への入りガス(CO
2含有ガス)中及び出ガス(メタン含有ガス)中のCO
2濃度及びCH
4濃度を、質量分析計を用いて測定した。得られた測定結果に基づいて、1時間当たりのCO
2の除去量、CO
2の排出量、メタンの生成量を求めた。その結果を表3及び
図8〜
図10に示す。
【0067】
(比較例2)
図12に示すメタンの製造装置を用い、CO
2とO
2とを含有するガスを原料としてメタンを連続的に製造した。
図12に示すメタンの製造装置においては、2基のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器A1及びA2が並列に配置されており、前記反応器A1及びA2のガス入口には、CO
2含有ガスを供給するためのガス供給ライン3が接続されている。ガス供給ライン3には、パージガスを供給する手段1及び還元性ガスを供給する手段2が接続されている。
【0068】
CO
2吸蔵還元型触媒、CO
2含有ガス、パージガス、還元性ガスは実施例1と同じものを使用した。また、前記反応器A1及びA2の温度、CO
2含有ガス、パージガス、還元性ガスの流量は実施例1と同じ条件に設定した。
【0069】
還元反応後(1サイクル目を除く)の前記反応器A1にCO
2含有ガスを7.5秒間供給し、同時に、CO
2吸蔵後(1サイクル目を除く)の前記反応器A2にパージガスを7.5秒間供給した。これにより、前記反応器A1においては、CO
2吸蔵還元型触媒にCO
2が吸蔵され、前記反応器A2においては、O
2等の反応阻害成分が除去された。
【0070】
次に、前記反応器A2に還元性ガスを133秒間供給してCO
2吸蔵還元型触媒に吸蔵されたCO
2を還元し、メタンを生成させ(1サイクル目を除く)、メタン含有ガスを得た。その後、前記反応器A2にパージガスを7.5秒間供給し、そのまま排気した。一方、前記反応器A1には、この間(140.5秒間)、CO
2含有ガスのみを供給し、CO
2吸蔵還元型触媒にCO
2を吸蔵させた。
【0071】
次に、前記反応器A2にCO
2含有ガスを7.5秒間供給し、同時に、CO
2吸蔵後の前記反応器A1にパージガスを7.5秒間供給した。これにより、前記反応器A2においては、CO
2吸蔵還元型触媒にCO
2が吸蔵され、前記反応器A1においては、O
2等の反応阻害成分が除去された。
【0072】
次に、前記反応器A1に還元性ガスを133秒間供給してCO
2吸蔵還元型触媒に吸蔵されたCO
2を還元し、メタンを生成させ、メタン含有ガスを得た。その後、前記反応器A1にパージガスを7.5秒間供給し、そのまま排気した。一方、前記反応器A2には、この間(140.5秒間)、CO
2含有ガスのみを供給し、CO
2吸蔵還元型触媒にCO
2を吸蔵させた。
【0073】
このような一連の操作を、定常状態になるまで繰返し、定常状態における装置への入りガス(CO
2含有ガス)中及び出ガス(メタン含有ガス)中のCO
2濃度及びCH
4濃度を、質量分析計を用いて測定した。得られた測定結果に基づいて、1時間当たりのCO
2の除去量、CO
2の排出量、メタンの生成量を求めた。その結果を表3及び
図8〜
図10に示す。
【0074】
【表3】
【0075】
表3及び
図8〜
図10に示したように、CO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器を2基並列に配置してメタンを連続的に製造した場合(比較例2)には、CO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器を1基使用してCO
2の吸蔵と還元を交互に実施した場合(比較例1)に比べて、CO
2の除去量及びCH
4の生成量は2倍となったが、バージガスの排出量も2倍となるため、CO
2の排出量も2倍となった。
【0076】
一方、CO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器を2基並列に配置し、互いのガス入口とガス出口とをパージガス再循環ラインで接続し、ガス流路のCO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器の下流にメタン化触媒を備える反応器を配置した本発明のメタンの製造装置を用いた場合(実施例1〜2)には、比較例2に比べても、CO
2の除去量及びメタンの生成量が増加し、さらに、排気CO
2は検出されなかった。また、実施例1〜2の結果から明らかなように、CO
2吸蔵還元型触媒を備える反応器とメタン化触媒を備える反応器の間に、ガス貯蔵容器を配置することによって、メタンの生成量が増加することがわかった。