【実施例】
【0118】
以下に実施例を記載する。必要な場合、以下の実施例で用いる動物の取り扱いは、全ての動物実験は、医薬基盤研究所の機関ガイドラインに従って実施した。また、ヘルシンキ宣言に基づいて行った。試薬類は具体的には実施例中に記載した製品を使用したが、他メーカー(Sigma−Aldrich、和光純薬、ナカライ、R&D Systems、USCN Life Science INC等)の同等品でも代用可能である。
【0119】
(実施例1)
本実施例では、本発明者らは、エキソソームマーカータンパク質の例として、エキソソームを含む様々な原形質膜上に発現されるテトラスパニンタンパク質であるCD63に焦点を当て、CD63と融合した抗原をコードするDNAワクチンはエキソソームを標的とすることができるのか、そしてワクチンの免疫原性を改善することができるのかについて試験した。本発明者らは、CD63と融合したOVA抗原を発現するプラスミドを構築し、抗原にエキソソームを標的とさせた。本発明者らはまた、CD63融合抗原を介したDNAワクチンのエキソソームへの標的化によって、誘導または促進される免疫応答のタイプを同定しようと試み、そして、抗がんワクチンとしての有用性を評価した。
【0120】
(材料および方法)
DNAコンストラクト
全長のCD63(aa 1〜238;配列番号3〜4)、CD9(aa 1〜226;配列番号7〜8)、CD81(aa 1〜236;配列番号11〜12)、およびカルネキシン(aa 1〜591;マウスNM_001110499およびNP_001103969。配列番号13〜14(いずれもマウス)のcDNAを、C57BL/6J由来のマウス肺cDNAライブラリーをテンプレートとして用いるPCRによって増幅した。cDNAフラグメントをシーケンシングによって検証し、次いで、pCI哺乳動物発現ベクター(Promega)、pCIneo−FLAG(Promega)またはpEGFP−N1(Clontech)に、以前に記載されたように導入した(Jounai, N., K. Kobiyama, M. Shiina, K. Ogata, K. J. Ishii, and F. Takeshita. 2011. J Immunol 186: 1646-1655.)。全長OVA(aa 1〜386)をコードするcDNA(V00383.1 ;CAA23682.1配列番号15〜16)を、pCI OVA(pOVA)から、PCRによって増幅した(Nagata, T., T. Higashi, T. Aoshi, M. Suzuki, M. Uchijima, and Y. Koide. 2001. Vaccine 20: 105-114.)。OVA cDNAフラグメントをシーケンシングによって検証し、次いで、pCIneo−FLAGに導入し、pOVA−FLAGと名付けた。全長OVAタンパク質を、CD63、CD9、CD81、またはカルネキシンと、N末端の位置で融合した。リンカーとして、グリシンヘキサマー(6×グリシン)を、OVAと融合遺伝子との間に挿入した。融合遺伝子をシークエンシングによって検証し、次いで、pCIベクター、pCIneo−FLAGベクターまたはpEGFP−N1ベクターに導入し、pCD63−FLAG(pCD63)、pCD63−6×Gly−OVA−FLAG(pCD63−OVA)、pCD9−6×Gly−OVA−FLAG(pCD9−OVA)、pCD81−6×Gly−OVA−FLAG(pCD81−OVA)、pCalnexin−6×Gly−OVA−FLAG(pCal−OVA)、またはpCD63−6×Gly−OVA−EGFP(pCD63−OVA−EGFP)と名付けた。全てのプラスミドを、Escherichia coli DH5αに形質転換し、製造者のプロトコルに従って、Qiagen Plasmid Endo−free Maxiprep kits(Qiagen)を用いて精製した。
【0121】
細胞
293T細胞およびE.G7−OVA細胞(E.G7)細胞を、American Type Culture Collectionから購入した。FreeStyle
TM 293−F細胞(293F細胞)を、Life Technologiesから購入した。293T細胞を、10%のFCSおよび50μg/mlのペニシリン−ストレプトマイシンを補充したDMEM中で、5% CO
2下37℃で培養した。293F細胞を、FreeStyle
TM 293Expression medium(Life Technologies)(動物血清由来のエキソソーム非含有である)中、8% CO
2下37℃で培養した。E.G7細胞を、10%のFCS、50μg/mlのペニシリン−ストレプトマイシン、0.05mMの2−メルカプトエタノール、1mMのピルビン酸ナトリウム、10mMのHEPES、および1×非必須アミノ酸を補充したRPMI−1640(Life Technologies)中、5% CO
2下37℃で培養した。
【0122】
細胞培養培地からのエキソソーム単離
血清(エキソソーム)非含有293F細胞を、様々なDNAコンストラクトで、48〜72時間トランスフェクトした。次いで、培地上清を回収し、2000×gで30分間遠心分離した。製造者のプロトコルに従ってTotal Exosome Isolation kit(Life Technologies)を用いて、培養培地からエキソソームを単離した。簡潔に述べると、1.5mlのTotal Exosome Isolation reagentを3mlの細胞培養培地に添加し、そして、4℃で一晩インキュベートし、その後、10,000×g、4℃で1時間遠心分離した。エキソソームのペレットを、100μlのPBSで再懸濁した。回収したエキソソームを、電子顕微鏡、ウェスタンブロッティング、およびフローサイトメトリーアッセイによって、以下で記載されるように定性的および定量的に特性評価した。
【0123】
細胞トランスフェクションおよびウェスタンブロッティング
細胞トランスフェクションを以前に記載されたように行った(Jounai, N., K. Kobiyama, M. Shiina, K. Ogata, K. J. Ishii, and F. Takeshita. 2011. J Immunol 186: 1646-1655.)。一過性のトランスフェクションを、製造者のプロトコルに従ってLipofectamine2000(Life Technologies)で行った。293F細胞(1×10
6/ml)を、それぞれの発現プラスミドでトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞を、トランスフェクションの48時間後に採取した。トランスフェクトした細胞を含む培養培地を、2000×gで30分間遠心分離した。細胞をRIPAバッファーで溶解し、氷上で15分間インキュベートした。上清および単離したエキソソーム試料を、3×SDSバッファー(125mMのTris−HCl:pH6.8、4%のSDS、20%のグリセロール、および0.01%のブロモフェノールブルー)で希釈し、95℃で5分間ボイルした。イムノブロッティング分析を、抗CD63Ab(R5G2、MEDICAL&BIOLOGICAL LABORATORIES CO.,LTD)、抗カルネキシンAb(ab22595、Abcam)、または抗FLAG M2−ペルオキシダーゼ(HRP)Ab(A8592、Sigma)を用いて、以前に記載されたように行った(Jounai, N., K. Kobiyama, M. Shiina, K. Ogata, K. J. Ishii, and F. Takeshita. 2011. J Immunol 186: 1646-1655.)。
【0124】
免疫金電子顕微鏡法
免疫金電子顕微鏡アッセイを、以前に記載されたように行った(Thery, C., S. Amigorena, G. Raposo, and A. Clayton. 2006. Current protocols in cell biology / editorial board, Juan S. Bonifacino ... [et al.] Chapter 3: Unit 3.22.)。単離したエキソソームを、1次Abとしてマウス抗FLAG Ab(Sigma)と、2次Abとして金標識した抗マウスIgG(10nm Gold)(Abcam)とを用いて免疫標識した。
【0125】
フローサイトメトリー分析
293F細胞(1×10
6/ml)を、pCD63−OVA−EGFPでトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞を含む培養培地を、トランスフェクション後48時間で回収し、遠心分離した。得られた上清を、INFLUX (BD Bioscience)によって特性評価した(18)。100nmベーズおよび200nmビーズ(Polysciences, Inc.)を用いて、エキソソーム画分のための適切なゲーティングを決定した(
図5)。
【0126】
動物および免疫化
6週齢雌性C57BL/6Jマウスを、CLEA Japan, Incから購入した。マウスを、ヌクレアーゼ非含有食塩水中、対照または融合タンパク質(OVA、CD63、CD63−OVA、CD9−OVA、CD81−OVA、またはCal−OVA)をコードするプラスミドDNA(50μg)を用いた筋肉内エレクトロポレーション(imEPT)によって免疫化した(50μl/筋肉)。
【0127】
エキソソーム免疫化のために、マウスを、PBS中600μgのエキソソームタンパク質(OVA 40ng)またはOVAタンパク質(40ng)(Hyglos Gmbh)(総体積:100μl/マウス)で、第1の免疫化の後7日目に、テールベースで2度免疫化した。マウスを免疫化するために用いた精製エキソソームは、pOVA−、pCD63−OVA−、またはpCal−OVAでトランスフェクトした細胞から単離した。精製エキソソームタンパク質および細胞培養上清の濃度を、製造者のプロトコルに従って、RC DC Protein Assay (BIO−RAD)を用いて試験した。最後のワクチン接種の1週間後、マウスを屠殺し、マウスの抗原特異的免疫応答を測定した。
【0128】
全ての動物実験は、国立医薬基盤・健康・栄養研究所の動物施設の組織ガイドラインに従って行った。
【0129】
細胞性免疫応答の評価
細胞性免疫応答を評価するため、脾細胞(2×10
6/ウェル)を調製し、20μg/mlのOVAペプチド(OVA
257-264、H−2K
b制限OVAクラスIエピトープ、またはOVA
323−339、I−A(d)−制限OVAクラスIIエピトープ)またはOVA抗原(Calbiochem)を含有する完全RPMI−1640培地でインキュベートした。細胞性免疫応答は、以前に記載されたように測定した(Onishi, M., et al., 2015. J Immunol 194: 2673-2682.)。
【0130】
ELISA
293T細胞(1×10
6/ml)を、各発現プラスミドでトランスフェクトした。細胞を、トランスフェクション後48時間インキュベートし、細胞および細胞培養上清におけるOVA発現の濃度を、製造者のプロトコルに従ってELISA(Institute of Tokyo Environmental Allergy)により測定した。OVA特異的血清Ab力価を、以前に記載されたように測定した(Onishi, M., et al., 2015. J Immunol 194: 2673-2682.)。
【0131】
テトラマーアッセイ
テトラマーアッセイを、以前に記載されたように行った(Kobiyama, K., et al., 2014. Proc Natl Acad Sci U S A 111: 3086-3091.)。簡潔に述べると、脾細胞を、PE標識H−2K
b OVAテトラマー(SIINFEKL)(MEDICAL&BIOLOGICAL LABORATORIES CO.,LTD.)を用いて、室温で20分間染色した。次に、細胞を、PBS中の、FITC標識抗CD8α(KT15、BioLegend)、PC標識抗TCRβ鎖(H57−597、BioLegend)、BrilliantViolet421
TM標識抗CD62L(MEL−14、BioLegend)、およびAPC/Cy7標識抗CD44(IM7、BioLegend)Abによって染色した。フローサイトメトリーにより、OVAテトラマー
+CD44
+CD8a
+TCRb
+細胞数を決定した。
【0132】
in vivoCTLアッセイ
in vivoCTLアッセイを、以前に記載されたように行った(Kobiyama, K., et al., 2014. Proc Natl Acad Sci U S A 111: 3086-3091.)。簡潔に述べると、6週齢C57BL/6Jマウスに、DNAワクチンでワクチン接種した。21日目に、ナイーブC57BL/6Jマウス由来の脾細胞を、2または0.2μMのいずれかのCFSEにより、37℃で10分標識した。CFSEで標識した細胞を、それらを、OVA
257-264(10μg/ml)と37℃で90分間インキュベートすることによりペプチドパルシングに供した。次いで、細胞を洗浄し、各処置群からの同数を、血管内経路を介して免疫化マウスに送達した。送達の24時間後に脾細胞を単離し、フローサイトメトリーによりCFSE標識細胞を分析した。
【0133】
腫瘍チャレンジ
マウスの背中の毛を剃り、そして100μlのPBS中1×10
6のE.G7細胞をマウスの皮下に注入した。平均腫瘍体積が1cm
3に達したとき、pOVA、pCD63−OVA、pCal−OVA、またはpCIneo−FLAG(陰性対照として)によって1次免疫化をマウスに施した。腫瘍予防実験では、マウスをこれらのプラスミドDNAワクチンで免疫化し、E.G7細胞を、10日後に100μlのPBS中1×10
6細胞で注入した。腫瘍体積は、デジタルキャリパーを用いて定期的な間隔で測定し、長さ×幅×高さで計算した。
【0134】
統計分析
群間の差異の統計的有意性は、Mann−Whitney U検定を用いて決定した。
【0135】
(結果)
エキソソームに捕捉されたCD63融合抗原はワクチンとして作用する
以前の報告は、抗原含有エキソソームワクチン接種が、Th1応答およびCTL活性化を誘導することに触れている(Wolfers, J., et al., 2001. Nat Med 7: 297-303.、Qazi, K. R., et al., 2009. Blood 113: 2673-2683)。細胞における抗原と融合したCD63の発現が、抗原のみの単純な発現より、高効率な抗原分泌をもたらすのかを調べるため、本発明者らは、CD63およびOVAの融合タンパク質をコードするプラスミドDNA(pCD63−OVA)を構築した。本発明者らは、CD63がエキソソーム膜上に発現され、既に一般的なエキソソームマーカーとして使用されていることから(Pols, M. S., and J. Klumperman. 2009. Experimental cell research 315: 1584-1592.)、CD63を介してOVA抗原をエキソソームに標的化することを策定した。加えて、対照として、本発明者らは、カルネキシン−OVA融合タンパク質をコードする1つの対照プラスミドDNA(pCal−OVA)を調製した。pCal−OVAは、コードされた抗原を小胞体膜に標的化する(Baietti, M. F., Z. et al., 2012. Nat Cell Biol 14: 677-685.;Gross, J. C., V. Chaudhary, K. Bartscherer, and M. Boutros. 2012. Nat Cell Biol 14: 1036-1045.;Lasser, C., V. S. Alikhani, K. Ekstrom, M. Eldh, P. T. Paredes, A. Bossios, M. Sjostrand, S. Gabrielsson, J. Lotvall, and H. Valadi. 2011. J Transl Med 9: 9.)。
【0136】
血清(外因性エキソソーム)非含有293−F細胞を、上記のプラスドDNAのそれぞれでトランスフェクトし、上清中のエキソソームを回収し、エキソソーム単離試薬を用いて細胞培養培地から精製した。次いで、本発明者らは、ウェスタンブロットアッセイを用いて、細胞溶解物、上清、およびエキソソーム画分におけるコードされた融合タンパク質の発現を分析した(
図1A、1B)。全ての群のエキソソーム画分は、他のエキソソームマーカーであるCD81を含有していたが、上清は含有しておらず、さらに、細胞性画分のみがカルネキシンを含有しており、それぞれの画分の純度が確認された(
図1A)。これらの条件下で、pOVAトランスフェクションの後、上清においてOVAタンパク質が検出された(
図1A、1B)。対照的に、CD63も、CD63−OVA融合タンパク質も上清では検出されなかったが、それらは両方とも細胞溶解物およびエキソソーム画分から検出された(
図1A、1B)。小胞体(ER)標的化カルネキシン−OVA融合タンパク質は、細胞溶解物中で検出されたが、エキソソーム画分では検出されなかった(
図1A、1B)。次に、本発明者らは、CD63−OVAタンパク質が、エキソソーム中/エキソソーム上に局在化されるのかを調べた。EGFP−またはFLAG−融合タンパク質をコードするプラスミドを用いて、フローサイトメトリーならびに電子顕微鏡によって、本発明者らはCD63発現を分析した。両方の分析の結果は、CD63−OVA融合タンパク質が、実際にエキソソームを標的化していることを示唆している(
図1Cおよび
図5)。
【0137】
次に、本発明者らは、CD63−OVAタンパク質で一過的にトランスフェクトした細胞の血清非含有細胞培養上清に由来する精製エキソソームが、十分なOVA特異的免疫応答を誘導するワクチンとして作用するのかを調べた。本発明者らは、細胞をpOVA、pCD63−OVA、またはpCalnexin−OVAでトランスフェクトした後、細胞培養上清からエキソソームを回収し、これらの精製エキソソームにより、テールベースで、C57/BL6ナイーブマウスを皮内で免疫化した。1次免役化の1週間後、抗原特異的な体液性および細胞性免疫応答の両方を評価した。CD63−OVA含有エキソソーム免疫化は、試験した他の免疫化のいずれよりも高い抗原特異的抗体応答を誘導した(
図1D)。より興味深いことに、CD63−OVA含有エキソソームによる免疫化は、抗原特異的IFN−γ酸性CD8
+T細胞を誘導したが、他の試験した免疫化はそのような誘導はしなかった(
図1E、
図1F)。これらの結果は、エキソソームの画分由来のCD63−OVAが、エキソソームの画分に由来するOVA単独またはカルネキシン−OVAより強いCD8
+T細胞応答を誘導することを、強く示唆している。
【0138】
なお、
図1Fと同様の実験を繰り返した。すなわち、C57BL/6Jマウス(n=5)に、pCD63トランスフェクト細胞、pOVAトランスフェクト細胞、pCD63−OVAトランスフェクト細胞またはpCalnexin−OVAトランスフェクト細胞から単離した精製エキソソーム、あるいはOVAタンパク質を皮内経路で導入して免疫化した。0日目、14日目および28日目における免疫化後の35日目に、脾臓を使用して、OVA
257-264特異的テトラマーによって認識されるCD8
+T細胞の割合を測定した結果を
図1Gに示す。
図1Gでは
図1Fと同様の結果が示された。
【0139】
抗原のエキソソームへの標的化は、DNAワクチンの免疫原性を改善する
上記結果に基づいて、本発明者らは、エキソソームを標的化する抗原を組み込んだDNAワクチンは、増大した免疫原性を有しているのではないかと仮説を立てた。pCD63−OVAを有するDNAワクチンが、他の対照DNAワクチンと比較して増大した免疫原性を有するのかについて調べるため、本発明者らは、imPETによりプラスミドDNAで2回マウスを免疫化し、in vivoで効率的なトランスフェクションを誘導した。ブースト免疫化の1週間後、pCD63−OVA免疫化マウスは、pOVA免疫化マウスより、血清中抗OVA IgG1の力価が顕著に低かったが、これらの2群間で抗OVA総IgGおよびIgG2cには差が無かった(
図2A)。pCD63−OVAおよびpOVAの間で抗OVA IgG2c/G1比を比較すると、pOVAと比較して、pCD63−OVA免疫化マウスにおいて、高い値の抗OVA IgG2c/G1が観察された(
図2A)。次に、本発明者らは、これらの免疫化マウスにおけるOVA
257-264特異的テトラマー
+CD44
+CD8
+T細胞の頻度を確認した。pCD63−OVA免疫化マウスでは、pOVA免疫化マウスと比較して、OVA
257-264特異的テトラマー
+CD44
+CD8
+T細胞の高い頻度が観察された(
図2B)。本発明者らはまた、クラスI(OVA
257-264)またはクラスII(OVA
323-333)OVAペプチドのいずれかで脾細胞をex vivoで刺激し、次いで、これらの脾細胞から得られたサイトカイン産生をELISAによって測定した。pCD63−OVAワクチン接種では、pOVAと比較して、各ペプチド刺激について、顕著に高いレベルのIFN−γ産生が検出された(
図2C)。
【0140】
CD63ベースの融合タンパク質に加えて、本発明者らは、CD9−OVA(pCD9−OVA)またはCD81−OVA(pCD81−OVA)融合タンパク質をコードするプラスミドDNAも製作した。これらプラスミドDNAもまた、コードされた抗原をエキソソームに標的化する(Thery, C., L. Zitvogel, and S. Amigorena. 2002. Nat Rev Immunol 2: 569-579)(Fujita, Y., N. Kosaka, J. Araya, K. Kuwano, and T. Ochiya. 2015. Trends in molecular medicine.)。本発明者らは、CD9−OVAタンパク質およびCD81−OVAタンパク質が、両方ともエキソソーム内で発現されることを確認した(
図6A、
図6B)。pCD9−OVAまたはpCD81−OVAのいずれによるDNAワクチン接種も、対照pOVAによるワクチン接種より高い抗OVA IgG2c/G1比をもたらした。さらに、抗原特異的CD8
+T細胞応答もまた増大しており、そのレベルはpCD63−OVAワクチン接種と同等であった(
図6C〜E)。
【0141】
これらの結果は、DNAワクチン接種の間の抗原のエキソソームへの標的化が、DNAワクチンの免疫原性、特にそのCD8
+T細胞応答を改善することを示している。
【0142】
抗原のエキソソーム標的化が、DNAワクチンの免疫原性の改善に重要である
次に、本発明者らは、エキソソームへのコードされた抗原の標的化の戦略が、DNAワクチン接種によるT細胞活性化を促進するための代替の戦略(例えば、小胞体のような他の原形質膜への抗原の標的化)に対して利点を有するのかについて調査した。この目的のために、本発明者らは、異なる融合タンパク質をコードする2つのプラスミドDNA:エキソソームを標的とするpCD63−OVA、およびERを標的とするpCal−OVA、の免疫原性の規模およびタイプを比較した。pCD63−OVAまたはpCal−OVAのいずれかによるimEPTを介した2つのDNAワクチン接種を受けたマウスは、類似する抗OVA Ab力価および抗OVA IgG2c/G1比を生じさせた(
図2D)。しかしながら、pCal−OVAによってワクチン接種されたマウスは、pCD63−OVAによってワクチン接種されたマウスより、OVA
257-264特異的テトラマー
+CD44
+CD8
+T細胞の高い頻度を示した(
図2E)。加えて、pCD63−OVAでワクチン接種したマウス由来の脾細胞は、pCal−OVAによって免疫化したマウスに由来する脾細胞より、刺激に際して顕著に高い量のIFN−γを産生した(
図2F)。これらの結果は、抗原の、他の膜ではなく、エキソソーム膜への標的化が、DNAワクチンの免疫原性を改善するのに十分であることを示している。
【0143】
CD63は、共投与されたDNAワクチンについてジェネティックアジュバントとしては作用しない
pCD63−OVAワクチンは強力なCD8
+T細胞応答を誘導する(
図2)ことから、本発明者らは、CD63を発現するプラスミドDNAが、OVAを発現するDNAワクチンについてジェネティックアジュバントとして作用するのかについて調べた。CD63の潜在的なアジュバント効果を評価するために、マウスを、pOVA、pCD63、pOVAおよびpCD63の混合物、またはpCD63−OVAによって免疫化した。2次免役化の1週間後、pCD63およびpOVAを一緒に受けたマウスにおいて、pOVA単独を受けたマウスと比較して、OVA特異的CD4
+およびCD8
+T細胞応答の促進はなかった;しかしながら、pCD63−OVAでワクチン接種したマウスは、OVA特異的CD4
+およびCD8
+T細胞応答において、顕著な増加を示した(
図3A、
図3B)。これらの結果は、CD63が、融合タンパク質としてOVA抗原とコンジュゲートしない限り、それ自体はジェネティックアジュバントとして機能しないことを示している。したがって、抗原のエキソソーム中またはエキソソーム上への送達は、DNAワクチンの免疫原性を改善し得る。
【0144】
抗原のエキソソームへの標的化は、腫瘍ワクチンに有用である
最後に、本発明者らは、pCD63−OVAワクチンが癌ワクチンおよび/または免疫療法に適用可能であるのかについて調べた。CTL応答は癌ワクチンの有効性に重要であるため、in vivo CTL細胞毒性アッセイを行い、機能的CD8+T細胞活性のレベルを評価した。pCD63−OVAによるマウスの免疫化は、pOVA単独による免疫化によって誘導されるものと比較して、OVA特異的CD8
+T細胞媒介機能的細胞毒性を顕著に増大させた(
図4A)。pCD63−OVAが腫瘍成長を抑制することができるかを調べるため、OVA過剰発現マウスリンパ腫細胞であるE.G−7細胞を有する外殖同系腫瘍モデルを用いた。E.G−7腫瘍細胞の播種の前に、マウスを、pCD63−OVAまたは他の対照プラスミドDNAワクチンによって免疫化した。腫瘍播種の後、pCD63−OVA免疫化マウスにおいては、対照プラスミドDNA免疫化マウスと比較して、腫瘍成長が顕著に抑制された(
図4B)。
【0145】
治療用ワクチンとして作用するためのpCD63−OVAの潜在能力をさらに評価するために、同一のE.G−7腫瘍モデルにおいて、腫瘍播種の10日後に、マウスをDNAワクチンで免疫化した。pCD63−OVAによって免疫化したマウスは、他のDNAワクチン接種群のマウスより、顕著に低い腫瘍成長を示した(
図4C)。腫瘍抑制の点からはpOVAとpCD63−OVAワクチン接種との間で統計的有意な差異はなかった(p=0.0749)ものの、pOVAワクチン接種と比較してpCD63−OVAワクチン接種によって、より良い腫瘍成長の制御の傾向を明らかに見ることができた。pCD63−OVAワクチン接種によって、OVA特異的CD8
+T細胞の数が増大した(
図4D)。これらの結果は、DNA免疫化の間の抗原のエキソソームへの標的化が、抗原特異的CD8
+T細胞応答の惹起のための新しい戦略になり得ることを示している。加えて、この戦略は、癌ワクチンにおける使用についても適用可能であり得る。
【0146】
(考察)
体液性および細胞性の両方の免疫応答が、動物モデルにおいてDNAワクチン接種によって誘導された。しかしながら、ヒトでは、DNAワクチンに対する免疫学的応答が、予期されたよりも弱い場合が多数存在する。本発明者らの研究において、pCD63−OVA DNAワクチン接種の有効性が実証され、DNAワクチンの免疫原性が、エキソソームへの抗原の標的化によって改善され得ることが示唆された。本実施例の結果は、1)pCD63−OVAワクチン接種が、コードされるOVA抗原を分泌されたエキソソームに成功裡に標的化すること;2)pCD63−OVAワクチン接種が、例えば、抗原特異的および機能的細胞毒性CD8
+T細胞応答のような、強力なI型免疫応答をin vivoで誘導すること;および3)pCD63−OVAワクチン接種が、同系外殖E.G−7細胞由来腫瘍の成長を、予防的および治療的の両方の様式で抑制することを示唆している。
【0147】
DNAワクチン接種の後、注入部位におけるストローマ細胞およびDCを、プラスミドDNAで直接トランスフェクトした(Herrada, A. A., et al.,. 2012. Hum Vaccin Immunother 8: 1682-1693.)。次いで、トランスフェクトした細胞は、コードされた抗原を転写および翻訳し、抗原は、続いて、DCによって直接的に、またはストローマ細胞を介して間接的に、T細胞に提示された。これは、コードされた抗原に特異的なCD4
+Th1細胞の誘導のみではなく、交差提示の間接的な機構を介してCD8
+T細胞の誘導ももたらす(Liu, M. A. 2003. 253: 402-410.)。同時に、プラスミドDNAは、細胞内DNAセンサーによって検知され、コードされる抗原に対するDNAワクチン誘導性の体液性および細胞性免疫応答についての外因性アジュバントとして作用する(Thery, C., et al., 2002. Nat Immunol 3: 1156-1162.、Zitvogel, L., et al., 1998. Nat Med 4: 594-600.)。DNAワクチン接種の細胞免疫学的機構と、エキソソームの免疫学的機能との両方について近年広範に研究されている(Gentili, M., et al. 2015. Science(New York, N.Y.) 349: 1232-1236.)が、DNAワクチン誘導性の免疫応答におけるエキソソームの役割については、十分に研究されていない。免疫応答の誘導におけるエキソソームの役割について調べているいくつかの以前の報告がある(Qazi, K. R., et al., 2009. Blood 113: 2673-2683.、Cheng, Y., and J. S. Schorey. 2013. Eur J Immunol 43: 3279-3290)ものの、本発明者らのデータは、CD63と融合した抗原タンパク質をコードするプラスミドDNAが、ワクチンの免疫原性を増大させることを初めて明確に実証したものである。
【0148】
CD63−OVA融合タンパク質抗原をコードするプラスミドDNAの最も注目すべき特徴は、強力なCD8
+T細胞応答を誘導する能力である。コードされた抗原に対するこの増大したCD8
+T細胞応答は、CD63を介したコードされる抗原のエキソソーム標的化に帰するものであり得る。しかしながら、エキソソームを介した抗原のCD8
+T細胞への交差提示が存在するのか、そしてそれがDNAワクチン誘導性CD8
+T細胞応答のために重要であるのかを確認するためには、さらなる研究が必要である。CD63および他の試験したテトラスパニンが、エキソソームを排他的に標的化せず、コードされた抗原を他の原形質膜にも同様に方向づけているということもまた考えられる。DNAワクチンがCD8
+T細胞応答を誘導するために必要とされる交差提示の詳細な機構を明らかにするためにはさらなる証拠が必要である。
【0149】
本発明者らの腫瘍モデルにおいては、腫瘍抗原としてOVAタンパク質を発現させるE.G−7腫瘍細胞を用いた。以前の報告においては、OVAを発現する腫瘍細胞の成長は、OVAタンパク質およびアジュバントによる、またはOVA発現プラスミドDNAから構成されるDNAワクチンによる免疫化によって減少することが示唆されていた(Chamoto, K., et al., 2006. Cancer Res 66: 1809-1817.、Teramoto, K., et al.,, 2003. Cancer Res 63: 7920-7925.)。他の報告において、エキソソームはCD4
+およびCD8
+T細胞依存性抗腫瘍効果を媒介し得ることが既に示されている(Wolfers, J., et al., 2001. Nat Med 7: 297-303.)。他方、本発明者らの結果は、それらの知見を確認し、そして、E.G−7腫瘍細胞の成長が、コードされた抗原をエキソソームに標的化するpCD63−OVAによるDNAワクチン接種によってさらに抑制することができることを、本発明者らの知る限りにおいては初めて実証するものである。
【0150】
腫瘍を移植したマウスにおけるOVA−特異的テトラマー
+CD8
+T細胞の数は、pCD63−OVAによるDNAワクチン接種によって顕著に増加した(
図4D)。このことは、腫瘍抗原と、CD63、CD9またはCD81のようなエキソソーム標的化分子との融合タンパク質をコードするDNAによるワクチン接種によって、腫瘍抗原特異的CD8
+T細胞の耐性または消耗状態を打破することが可能であり得ることを示している。しかしながら。これらのテトラスパニンエキソソームマーカータンパク質は、他の原形質膜においても発現されることに注意すべきである。したがって、他の原形質膜の増大した免疫原性への潜在的な寄与は排除することができない。このエンドソーム特異性が低いことはまた、テトラスパニンを有する融合タンパク質がオフターゲット効果をもたらし得るため、臨床適用について安全性の懸念を生じさせる。
【0151】
DNAワクチンは、獣医学的適用においては認可され使用されており(Redding, L., and D. B. Weiner. 2009. Expert review of vaccines 8: 1251-1276.)、そして、ヒトでは多数の感染性疾患または癌治療のためのDNAワクチンが現在臨床試験中である(Escudier, B., et al., 2005. J Transl Med 3: 10.; Morse, M. A., et al., 2005. J Transl Med 3: 9.; Viaud, S., et al., 2009. DPLoS One 4: e4942.; Viaud, S., et al., 2010. Cancer Res 70: 1281-1285.
38〜41)。これらのワクチンおよびワクチン候補は、DNAワクチンの低い免疫原性を改善するために様々な戦略を利用している。本発明者らの結果は、抗原とエキソソームマーカー(例えば、CD63)との間の融合を通じた、コードされる抗原のエキソソームへの標的化の戦略が、DNAワクチンの免疫原性を改善するための、もう1つの実行可能な方法となり得ることを示唆している。この戦略は、特に、コードされる抗原に対するCD8
+T細胞応答を増大させるのに適切である。本発明者らの発見は、どのようにDNAワクチンの免疫原性および有効性を改善するかについての洞察を提供する。さらに本発明者らの発見は、DNAワクチンにおけるDNAにコードされた抗原が免疫系によってどのように送達・プロセスされ抗原特異的免疫応答を提供するのかについての生物学的および免疫学的な理解を深めるものである。
【0152】
(結論)
以上のように、本発明の核酸構成物は、ワクチンDNAの免疫原性の改善、免疫応答の増強、T細胞応答の増強、がんを治療および予防などの効果を達成することができることが示された。
【0153】
(実施例2:製剤例)
製剤化する場合には、以下のような製法によって製造することができる。
【0154】
(例1)凍結乾燥したワクチンDNAの適宜の量に適宜の容積の生理食塩水を直接加えて注射用溶液製剤とすることができる。
【0155】
(例2)凍結乾燥したワクチンDNAの適宜の量に適宜の容積の等張液5%ブドウ糖液を加えて注射用溶液製剤とすることができる。
【0156】
(例3)水に溶解されたワクチンDNAの適宜の量に適宜の容積の電解質補正液大塚食塩注10%などを加え0.9% NaCl濃度に調製し注射用溶液製剤とすることができる。
【0157】
(例4)水に溶解されたワクチンDNAの適宜の量を凍結乾燥し、ワクチンDNAナトリウム塩の凍結乾燥製剤とすることができる。
【0158】
例1、3および4が好ましく、例2も投与方法によって実施可能である。
【0159】
(参考文献)
以下は、実施例において参照される文献である。以下の文献の列挙は、本発明に対して先行技術であることを認めるものではない。
【0160】
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【0161】
(注記)
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。