(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、1種以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤とを含む、医薬組成物。
前記IDH2突然変異によって誘発された癌は、膠芽細胞腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性新生物、急性骨髄性白血病、肉腫、黒色腫、非小細胞肺癌、軟骨肉腫、胆管癌及び血管性免疫芽球性非ホジキンリンパ腫からなる群より選ばれる、請求項18又は19に記載の使用。
前記IDH2突然変異によって誘発された癌は、膠芽細胞腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性新生物、急性骨髄性白血病、肉腫、黒色腫、非小細胞肺癌、軟骨肉腫、胆管癌及び血管性免疫芽球性非ホジキンリンパ腫からなる群より選ばれる、請求項21又は22に記載の医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、それぞれ開示された実施形態を全体的に理解するために、具体的な詳細を含んで説明したが、当業者は、これらの詳細の一部又は複数の部分を用いずに他の方法、部品、材料などを用いても、これらの実施形態を実現することができると理解すべきである。
【0013】
本明細書および添付の特許請求の範囲の全てにわたって、特に断らない限り、「含む/含有する(comprise)」のような用語、およびその英語の変形(例えば「comprises」や「comprising」など)は、いずれも開放(オープンエンド)式の、包含式の意味、すなわち「…を含むがこれらに限定されない」として解釈されるべきである。
【0014】
本明細書にわたって記載された「一実施形態」又は「実施形態」、或いは「別の実施形態において」又は「いくつかの実施形態において」とは、少なくとも1つの実施形態に、当該実施形態に記載の関連する具体的な参照要素、構造、又は特徴を含むことを意味する。したがって、明細書の全体にわたって異なる位置に記載の「一実施形態において」、「実施形態において(実施形態では)」、「他の実施形態において」又は「いくつかの実施形態において」という語句は、必ずしも同じ実施形態を指すことではない。また、具体的な要素、構造又は特徴は、任意の適切な方式で1つ以上の実施形態の中に組み合せられる。
【0015】
本願の明細書および添付の特許請求の範囲に用いられた単数形の冠詞「一」、「1つ(の)」、「1個(の)」(英語の「a」、「an」、および「the」などに相当する)は、特に断らない限り、複数の対象(オブジェクト)が含まれていると理解すべきである。したがって、例えば、前記「触媒」が含まれる反応には、1種の触媒、又は2種以上の触媒が含まれている。また、用語「又は(若しくは/或いは)」などは、特に断らない限り、通常「及び/又は」の意味を含んで用いられる。
【0016】
定義
他に断らない限り、本明細書に用いられる下記の用語およびフレーズは、次の意味を有する。ある1つの特定の用語やフレーズは、特に定義されない場合、不確定または不明確とが認定されておらず、一般的な意味とが理解されるべきである。本明細書では、商品名が記載される場合、それに対応した商品又はその活性成分を意味する。
【0017】
用語「任意に/必要に応じて」または「任意に選ばれる/任意に…してもよい」などは、後述する事情や状況が発生する可能性も、発生していない可能性もあることを意味し、当該記載は、前記の事情や状況が発生したことも、発生していないことも含む。例えば、エチル基が「任意にハロゲンで置換されてもよい」とは、エチル基がハロゲンで置換されていない(CH
2CH
3)、一置換された(例えば、CH
2CH
2F)、多置換された(例えば、CHFCH
2F、CH
2CHF
2等)、または全置換された(CF
2CF
3)ものであってもよいことを意味する。1つ以上の置換基を含む任意の基について、任意の空間的に存在し得ない及び/又は合成し得ない置換や置換モードを導入することにならないことは、当業者にとって理解されるべきである。
【0018】
本明細書に記載のC
m−nとは、該部分においてm−n個の炭素原子を有することを意味する。例えば、「C
3−10シクロアルキル基」は、該シクロアルキル基に3〜10個の炭素原子を有することを意味する。「C
0−6アルキリデン基」は、該アルキリデン基に0〜6個の炭素原子を有することを意味し、アルキリデン基における炭素原子が0である場合、該基は結合になる。
【0019】
本明細書における数字範囲は、所定範囲における各整数を指す。例えば「C
1−10」は該基に1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子、6個の炭素原子、7個の炭素原子、8個の炭素原子、9個の炭素原子又は10個の炭素原子を有してもよいことを意味する。
【0020】
用語「置換され/置換される」とは、特定原子の電子価状態が正常であり且つ置換された化合物が安定的なものであればよく、特定原子における任意の1個以上の水素原子が置換基で置換されることを意味する。置換基がケト基(すなわち、=O)である場合、2個の水素原子が置換され、ケトン置換がアリール基に発生しないことを意味する。
【0021】
任意の変数(例えば、R)は、化合物の組成や構造に1回以上現れる場合、その各状況における定義がそれぞれ独立している。従って、例えば、1つの基が0〜2個のRで置換される場合、前記基は任意に多くとも2個のRで置換されてもよく、且つ各状況におけるRは、いずれも独立して選択肢を持っている。また、置換基及び/又はその変異体の組み合わせは、このような組合せが安定な化合物をもたらす場合のみ許可される。
【0022】
特に断らない限り、用語「ヘテロ」はヘテロ原子やヘテロ原子団(すなわち、ヘテロ原子を含有する原子団)、すなわち、炭素と水素を除く原子やこれらの原子を含有する原子団を意味し、ヘテロ原子は独立に酸素、窒素、硫黄、リン、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウム、ホウ素からなる群より選ばれる。2つ以上のヘテロ原子が現れた実施形態では、前記2つ以上のヘテロ原子が互いに同じであってもよく、或いは前記2つ以上のヘテロ原子における一部又は全部が互いに異なってもよい。
【0023】
用語「ハロゲン」又は「ハロ」とは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素のいずれかの基を意味する。
【0024】
用語「ヒドロキシ(基)」とは、−OHを意味する。
【0025】
用語「シアノ(基)」とは−CNを意味する。
【0026】
用語「アミノ(基)」とは−NH
2、−NH(アルキル基)及び−N(アルキル基)
2を意味し、アミノ基の具体例としては、−NH
2、−NHCH
3、−NHCH(CH
3)
2、−N(CH
3)
2、−NHC
2H
5、−N(CH
3)C
2H
5等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
用語「アルキル(基)」とは、炭素原子及び水素原子からなる直鎖又は分岐鎖の飽和脂肪族炭化水素基を意味し、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。前記特定のアルキル基はその全ての異性体の形態を含んでおり、例えばプロピル基は、−CH
2CH
2CH
3、−CH(CH
3)
2を含み、例えば、ブチル基は−CH
2CH
2CH
2CH
3、−CH(CH
3)(CH
2CH
3)、−C(CH
3)
3、−CH
2CH(CH
3)
2を含む。用語「C
1−8アルキル(基)」とは、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。用語「C
1−6アルキル(基)」とは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。用語「C
1−4アルキル(基)」とは、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。用語「C
1−3アルキル(基)」とは、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。前記「アルキル(基)」、「C
1−8アルキル(基)」、「C
1−6アルキル(基)」、「C
1−4アルキル(基)」又は「C
1−3アルキル(基)」は置換されていなくてもよく、ヒドロキシ基、ハロゲン又はアミノ基から選ばれる1つ以上の置換基で置換されてもよい。
【0028】
用語「アルケニル(基)」とは、2〜12個の炭素原子を有するとともに1個以上の二重結合を有する直鎖又は分岐状の脂肪族炭化水素基を意味する。アルケニル基の具体例としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、2−ブテニル基及び3−ヘキセニル基が挙げられるが、これらに限定されない。二重結合炭素のいずれか一方は、必要に応じてアルケニル置換基の付着点としてもよい。
【0029】
用語「アルキニル(基)」とは、2〜12個の炭素原子を有するとともに1個以上の三重結合を有する直鎖又は分岐状の脂肪族炭化水素基を意味する。アルキニル基の具体例としては、エチニル基、プロパルギル基及び3−ヘキシニル基が挙げられるが、これらに限定されない。三重結合炭素のいずれか一方は、必要に応じてアルキニル置換基の付着点としてもよい。
【0030】
用語「シクロアルキル(基)」とは、炭素原子及び水素原子のみからなる単環式の飽和脂肪族炭化水素基を意味し、例えば、C
3−20シクロアルキル基、好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのようなC
3−6シクロアルキル基が挙げられる。前記シクロアルキル基は、置換されていなくても置換されてもよく、前記置換基は、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、カルボキシル基、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基、ハロゲン、スルホニル基、スルフィニル基、ホスホリル基及びヒドロキシ基等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0031】
用語「アルコキシ基」とは−O−アルキル基を意味する。
【0032】
用語「ヘテロ芳香環」とは、5〜12個の環原子、例えば5、6、7、8、9、10、11又は12個の環原子(その中で、N、O、Sからなる群より選ばれる環原子を1、2、3又は4個有し、残りの環原子はCであり、且つ、完全に共役なπ−電子系を持つ)を有する単環又は縮合環を意味する。
【0033】
用語「ヘテロアリール基」とは、「ヘテロ芳香環」分子から1個の水素原子を除去して残った基であり、ヘテロアリール基は、置換されていなくも置換されてもよく、前記置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アミノ基、ハロゲン、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基及びヘテロ脂環式基等が挙げられるが、それらに限定されない。非置換ヘテロアリール基の非限定的な具体例として、ピロリル基、フラニル基、チエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、キノリル基、イソキノリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、トリアジニル基、プテリジニル基等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0034】
用語「薬学的に許容される」とは、それらの化合物、材料、組成物および/または剤形に対して信頼性を有する医学的判断の範囲においてヒトおよび動物の組織とを接触して使用することに適用するが、過剰な毒性、刺激性、アレルギー性の反応、または他の問題や合併症がなく、合理的なベネフィット・リスク比に見合うことを意味する。
【0035】
用語「薬学的に許容される担体」とは、生体に対して顕著な刺激作用がなく、且つ該活性化合物の生物学的活性や性能を損なうことのない担体を意味する。「薬学的に許容される担体」とは、活性成分とともに投与されて、活性成分の投与に寄与する不活性物質を意味し、国家食品薬品監督管理部門により許可されるヒトや動物(例えば家畜)への使用を許容可能な任意の流動促進剤、甘味剤、希釈剤、防腐剤、染料/着色剤、矯味補強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、崩壊剤、懸濁剤、安定剤、等張化剤、溶媒又は乳化剤が挙げられるが、それらに限定されない。前記担体の非限定的な具体例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、各種の糖と各種の澱粉、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、並びにポリエチレングリコールが挙げられる。担体(キャリア)についてのその他情報としては、Remington: The Science and Practice of Pharmacy,21st Ed.,Lippincott,Williams & Wilkins (2005)を参照すればよく、該文献の内容は引用により本明細書に組み込まれる。
【0036】
用語「賦形剤」は、通常、有効な医薬組成物を調製するのに必要な担体、希釈剤及び/又は媒体を意味する。
【0037】
薬物又は薬理活性剤について、用語「有効量」または「治療有効量」は、無毒なのに望ましい効果を達成可能な薬物・薬剤の十分な投与量を意味する。本発明に係る経口剤形に対して、医薬組成物における1種の活性物質の「有効量」とは、該組成物における別の活性物質と併用するときに、望ましい効果を達成するのに必要な投与量を意味する。有効量の決定は、使用者によって異なり、個体(対象)の年齢や一般的な状況に依存し、さらに具体的な活性物質にも依存し、個別のケースにおいて、適切な有効量は当業者により通常の試験を通じて決定されてもよい。
【0038】
用語「活性成分」、「治療剤」、「活性物質」または「活性剤」は、標的の不調(障害)、病気または病症を効果的に治療可能な化学実体(chemical entity)を意味する。
【0039】
用語「患者」又は「個体(対象)」は、ヒトと動物とを含み、例えば、哺乳類(例えば、霊長類、牛、馬、豚、犬、猫、マウス、ラット、兎、ヤギ、ヒツジ及び家禽類等)が挙げられる。
【0040】
一般式の化合物
本発明の一態様では、一般式Iで表される化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物を提供する。
【化3】
(式中、
環Aは、ベンゼン環、又はN、O及びSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1〜2個有する5〜6員のヘテロ芳香環から選ばれ、
X
1はNH又はOから選ばれ、
R
1はH、C
1−6アルキル基、C
2−6アルケニル基、C
2−6アルキニル基、及びC
3−6シクロアルキル基からなる群より選ばれ、前記アルキル基、前記アルケニル基、前記アルキニル基又は前記シクロアルキル基は、任意に1個以上のR
6で置換されてもよく、
R
2は、フェニル基、N、O及びSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1〜2個有する5〜6員ヘテロアリール基、ベンジル基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、並びにC
3−6シクロアルキル基からなる群より選ばれ、且つ、任意に1個以上のR
7で置換されてもよく、
各R
3は、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、C
1−3ハロアルキル基、シアノ基、C
1−6アルキル基、及びC
3−6シクロアルキル基からなる群より選ばれ、
R
4及びR
5は、それぞれ独立にH、C
1−6アルキル基、及びC
3−6シクロアルキル基からなる群より選ばれ、
各R
6は、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、C
1−3ハロアルキル基、C
1−6アルキル基、C
3−6シクロアルキル基、フェニル基、並びにN、O及びSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1〜2個有する5〜6員ヘテロアリール基からなる群より選ばれ、且つ、前記フェニル基又は前記ヘテロアリール基は、任意に1個以上のR
8で置換されてもよく、
各R
7及び各R
8は、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、C
1−3ハロアルキル基、シアノ基、C
1−6アルキル基、及びC
3−6シクロアルキル基からなる群より選ばれ、且つ
nは0、1、2又は3である。)
【0041】
本発明の一実施形態において、一般式IIで表される化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物を提供する。
【化4】
(式中、
X
1はNH又はOから選ばれ、
X
2はN又はCHから選ばれ、
R
1はH、C
1−6アルキル基、C
2−6アルケニル基、C
2−6アルキニル基、及びC
3−6シクロアルキル基からなる群より選ばれ、その中で、前記アルキル基、前記アルケニル基、前記アルキニル基又は前記シクロアルキル基は、任意に1個以上のR
6で置換されてもよく、
R
2は、フェニル基、ピリジル基、ベンジル基、C
1−6アルキル基、C
1−6アルコキシ基、及びC
3−6シクロアルキル基からなる群より選ばれ、且つ、任意に1個以上のR
7で置換されてもよく、
各R
3は、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、C
1−3ハロアルキル基、シアノ基、C
1−6アルキル基、及びC
3−6シクロアルキル基からなる群より選ばれ、
R
6は、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、CF
3、C
1−6アルキル基、C
3−6シクロアルキル基、フェニル基、並びにN、O及びSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1〜2個有する5〜6員ヘテロアリール基からなる群より選ばれ、且つ、前記フェニル基又は前記ヘテロアリール基は、任意に1個以上のR
8で置換されてもよく、
各R
7及び各R
8は、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、C
1−3ハロアルキル基、シアノ基、C
1−6アルキル基、及びC
3−6シクロアルキル基からなる群より選ばれ、且つ
nは0、1、2又は3である。)
【0042】
本発明の一実施形態において、好ましくは、一般式IIで表される化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物であり、その中で、
X
1はOであり、X
2はN又はCHから選ばれ、
R
1はH、C
1−6アルキル基、C
2−6アルケニル基、C
2−6アルキニル基、及びC
3−6シクロアルキル基からなる群より選ばれ、その中で、前記アルキル基、前記アルケニル基、前記アルキニル基又は前記シクロアルキル基は、任意に1個以上のR
6で置換されてもよく、
R
2は、フェニル基、ピリジル基、ベンジル基、C
1−6アルキル基、C
1−6アルコキシ基、及びC
3−6シクロアルキル基からなる群より選ばれ、且つ、任意に1個以上のR
7で置換されてもよく、
各R
3は、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、C
1−3ハロアルキル基、シアノ基、C
1−6アルキル基、及びC
3−6シクロアルキル基からなる群より選ばれ、
R
6は、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、CF
3、C
1−6アルキル基、C
3−6シクロアルキル基、フェニル基、並びにN、O及びSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1〜2個有する5〜6員ヘテロアリール基からなる群より選ばれ、且つ、前記フェニル基又は前記ヘテロアリール基は、任意に1個以上のR
8で置換されてもよく、
各R
7及び各R
8は、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、C
1−3ハロアルキル基、シアノ基、C
1−6アルキル基、及びC
3−6シクロアルキル基からなる群より選ばれ、且つ
nは0、1又は2である。
【0043】
本発明の一実施形態において、好ましくは、一般式IIで表される化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物において、X
1はOであり、R
1はC
1−6アルキル基から選ばれ、任意に1個以上のR
6で置換されてもよく、R
6はそれぞれ独立にヒドロキシ基、フェニル基、及びC
3−6シクロアルキル基からなる群より選ばれる。より好ましくは、R
1はメチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基からなる群より選ばれ、1個又は2個のR
6で置換されてもよく、R
6は、それぞれ独立にヒドロキシ基、フェニル基、及びシクロプロピル基からなる群より選ばれる。
【0044】
本発明の一実施形態において、好ましくは、一般式IIで表される化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物において、X
1はOであり、R
2は、フェニル基、ピリジル基、ベンジル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、及びブトキシ基からなる群より選ばれ、且つ、任意に1個又は2個のR
7で置換されてもよく、各R
7は、それぞれ独立にヒドロキシ基、C
1−3ハロアルキル基、及びC
1−6アルキル基からなる群より選ばれる。より好ましくは、R
2はフェニル基、ピリジル基、ベンジル基、プロピル基、ブチル基、及びエトキシ基からなる群より選ばれ、且つ、任意に1個以上のR
7で置換されてもよく、各R
7はそれぞれ独立にヒドロキシ基又はトリフルオロメチル基である。
【0045】
本発明の一実施形態において、好ましくは、一般式IIで表される化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物において、X
1はOであり、nは0又は1であり、R
3はC
1−3ハロアルキル基である。より好ましくは、nは0又は1であり、R
3はトリフルオロメチル基である。
【0046】
本発明の一実施形態において、好ましくは、下記化合物:
【化5】
、及びその薬学的に許容される塩又は水和物である。
【0047】
一般式I又は一般式IIで表される化合物の薬学的に許容される塩として、例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基と形成する塩、無機酸と形成する塩、有機酸と形成する塩、塩基性又は酸性アミノ酸と形成する塩等が挙げられる。金属塩の非限定的な具体例としては、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩等;アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等;アルミニウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。有機塩基と形成する塩の非限定的な具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等と形成する塩が挙げられるが、これらに限定されない。無機酸と形成する塩の非限定的な具体例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等と形成する塩が挙げられるが、これらに限定されない。有機酸と形成する塩の非限定的な具体例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、蓚酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等と形成する塩が挙げられるが、これらに限定されない。塩基性アミノ酸と形成する塩の非限定的な具体例としては、アルギニン、リシン、オルニチン等と形成する塩が挙げられるが、これらに限定されない。酸性アミノ酸と形成する塩の非限定的な具体例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸等と形成する塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
本発明に係る薬学的に許容される塩は、酸基(酸根)又は塩基性基を含む母体化合物を用いて通常の化学方法により合成できる。一般的に、このような塩の製造方法は、水又は有機溶剤或いは両方の混合物において、遊離酸又は遊離塩基としての化合物と化学量論による適当な塩基又は酸とを反応させて製造することである。一般的に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール又はアセトニトリル等の非水媒体が好ましい。
【0049】
本発明に係る一般式I又は一般式IIで表される化合物は、非溶媒和形態又は溶媒和形態(水和物形態を含む)として存在可能である。一般的に、溶媒和形態は非溶媒和形態と相当しており、いずれも本発明の範囲に属する。本発明に係る一般式I又は一般式IIで表される化合物は、多形又は無定形の形態として存在できる。
【0050】
本発明に係る一般式I又は一般式IIで表される化合物は、不斉炭素原子(光学中心)又は二重結合を有してもよい。ラセミ体、ジアステレオ異性体、幾何異性体及び単一の異性体はいずれも本発明の範囲に属する。
【0051】
本発明に係るラセミ体、ambiscalemic and scalemic 又はエナンチオマー的に純粋な化合物のグラフィック方法はMaehr,J.Chem.Ed.1985,62:114−120によるものである。特に明記しない限り、ウェッジ結合と点線結合により1つの立体中心の絶対配置を示す。本発明に係る一般式I又は一般式IIで表される化合物は、オレフィン二重結合又はほかの幾何学的非対称中心を有する場合、特記のない限り、E、Z幾何異性体を含む。同様に、互変異性体の形態はいずれも本発明の範囲に属する。
【0052】
本発明に係る一般式I又は一般式IIで表される化合物は、特定の幾何又は立体異性体形態を有してもよい。本発明に係るこのような化合物は、シスとトランス異性体、(−)−と(+)−エナンチオマー、(R)−と(S)−エナンチオマー、ジアステレオ異性体、(D)−異性体、(L)−異性体、及びそのラセミ混合物とほかの混合物、例えば、エナンチオマー又はジアステレオ異性体に富む混合物を含み、このような混合物はいずれも本発明の範囲に属する。アルキル基等の置換基に別の不斉炭素原子が存在してもよい。このような異性体及びそれらの混合物もいずれも本発明の範囲に属する。
【0053】
キラル合成、キラル試薬又はその他の通常の技術によって光学活性を有する(R)−及び(S)−異性体と、D及びL異性体とを製造できる。本発明に係るある化合物のエナンチオマーを製造しようとするとき、不斉合成、又はキラル助剤による誘導作用によって製造でき、得られたジアステレオマー混合物を分離して、基の開裂を促進して、所望した純粋なエナンチオマーを得る。又は、分子中に塩基性官能基(例えば、アミノ基)又は酸性官能基(例えば、カルボキシル基)が含まれる場合、適切な光学活性を有する酸又はアルカリとジアステレオマーの塩を形成し、次に当業者によく知られている段階的結晶化法又はクロマトグラフィ法によってジアステレオマーを分割して、純粋なエナンチオマーを回収する。また、通常、エナンチオマーとジアステレオマーの分離はクロマトグラフィ法により行われ、前記クロマトグラフィ法は、キラル固定相が使用されており、且つ、化学的誘導法と組み合わせてもよい(例えば、アミンからカルバメートを生成する)。
【0054】
本発明に係る一般式I、一般式II又は一般式IIIの化合物は、該化合物を構成する1個以上の原子において非自然な割合の原子同位体を含ませてもよい。例えば、放射性同位体、例えばトリチウム(
3H)、ヨウ素−125(
125I)又はC−14(
14C)で化合物を標識してもよい。本発明に係る一般式I、一般式II又は一般式III物のすべての同位体構成の変換は、放射性を問わず、いずれも本発明の範囲に属する。
【0055】
医薬組成物
本発明の他の態様では、一般式I又は一般式IIで表される化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、1種以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。本発明に係る医薬組成物はさらに1種以上の付加的な治療剤を含む。
【0056】
本発明に係る医薬組成物は、本発明に係る一般式I又は一般式IIで表される化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、薬学的に許容される適宜な担体又は賦形剤とを組み合わせることで製造でき、例えば、固体、半固体、液体又は気体の製剤、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、粉剤、顆粒剤、クリーム剤、乳剤、懸濁剤、溶液剤、座薬、注射剤、吸入剤、ゲル剤、マイクロスフェア及びエアロゾル等として調製できる。
【0057】
本発明に係る一般式I又は一般式IIで表される化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、或いはその医薬組成物を投入するための代表的な方法は、経口投与、直腸投与、経粘膜投与、経腸投与、又は、局所投与、経皮投与、吸入投与、非経口投与、舌下投与、膣内投与、経鼻投与、眼内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、皮下投与、静脈内投与を含むが、それらに制限されない。
【0058】
本発明に係る医薬組成物は、例えば、通常の混合法、溶解法、造粒法、糖衣錠製造法、粉砕法、乳化法、凍結乾燥法等の当業者によく知られている方法により製造できる。
【0059】
経口投与の場合、該医薬組成物は、一般式I又は一般式IIで表される化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、当業者によく知られている薬学的に許容される担体又は賦形剤とを混合して調製できる。このような担体又は賦形剤は、本発明に係る一般式I又は一般式IIで表される化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物を用いて、錠剤、丸剤、トローチ剤、糖衣剤、カプセル剤、液体、ゲル剤、シロップ剤、懸濁剤等を調製し、患者の経口投与に用いる。
【0060】
通常の混合法、充填法や打錠法によって経口固形組成物を製造できる。例えば、前記一般式I又は一般式IIで表される化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と固体賦形剤とを混合して、必要に応じて得られた混合物を粉砕し、必要に応じて他の適切な錠剤を加えて、次に該混合物を加工して粒子にして、錠剤又は糖衣剤のコアを得る方法によって得られ得る。適当な助剤は、粘着剤、希釈剤、崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤、甘味剤又は矯味剤等が挙げられれるが、これらに限定されない。例えば、微結晶セルロース、グルコース溶液、アラビアガム粘液、ゼラチン溶液、蔗糖及び澱粉糊;タルク、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム又はステアリン酸;乳糖、蔗糖、澱粉、マンニトール、ソルビトール又はリン酸二カルシウム;シリカ;架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルファ化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、メチルセルロース、寒天、カルボキシメチルセルロース、架橋ポリビニルピロリドン等が挙げられる。薬剤の分野の周知の方法によって、必要に応じて糖衣錠のコアに対してコーティングしてもよく、特に腸溶コーティングを用いる。
【0061】
本発明に係る医薬組成物は、さらに、例えば、適切な単位剤形となる無菌液剤、懸濁液や凍結乾燥製品での非経口投与のために適用されてもよい。適切な賦形剤、例えば充填剤、緩衝剤や界面活性剤を用いて、非経口投与に適する剤形を製造できる。
【0062】
医薬使用
また、本発明の他の態様では、一般式Iで表される化合物又は一般式IIで表される化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、或いはその医薬組成物を必要な対象に投与することを含むIDH2突然変異によって誘発された癌の治療方法を提供する。
【0063】
また、本発明の他の態様では、一般式I又は一般式IIで表される化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、或いはその医薬組成物の、IDH2突然変異によって誘発された癌の治療薬の製造における使用を提供する。
【0064】
本発明の他の態様では、IDH2突然変異によって誘発された癌を治療するための、一般式I化合物又は一般式IIで表される化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、或いはその医薬組成物を提供する。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態において、前記IDH2突然変異はIDH2/R140Q突然変異又はIDH2/R172K突然変異である。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態において、前記IDH2突然変異によって誘発された癌は、膠芽細胞腫(神経膠腫)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性新生物(MPN)、急性骨髄性白血病(AML)、肉腫、黒色腫、非小細胞肺癌、軟骨肉腫、胆管癌及び血管性免疫芽球性非ホジキンリンパ腫(NHL)からなる群より選ばれる。より具体的な実施形態において、治療対象となる癌は、神経膠腫、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性新生物(MPN)、急性骨髄性白血病(AML)、黒色腫、軟骨肉腫、又は血管性免疫芽球性非ホジキンリンパ腫(NHL)等であり、好ましくは急性骨髄性白血病(AML)又は肉腫を含む。
【0067】
本発明の前記一般式I又は一般式IIで表される化合物又はその薬学的に許容される塩又はその医薬組成物は、任意の適用できる経路と方法により投与でき、例えば、経口又は非経口(例えば、静脈内)投与が可能である。本発明の前記一般式I又は一般式IIで表される化合物或いはその薬学的に許容される塩或いはそれらの医薬組成物は、前記必要な対象(個体)に治療有効量で投与される。一般式I又は一般式IIで表される化合物の投与量は、約0.0001〜20mg/Kg体重/日、例えば0.001〜10mg/Kg体重/日である。
【0068】
本発明に係る一般式I又は一般式IIで表される化合物の投与頻度は、患者対象のニーズにより決められ、例えば、1日に1回又は2回、又は1日に複数回投与する。断続的に投与してもよく、例えば、複数日の期間において、一般式I又は一般式IIで表される化合物の1日投与量を患者に投与し、続いて複数日の期間又はより長い期間において、一般式I又は一般式IIで表される化合物の1日投与量を患者に投与しないようにする。
【0069】
製造
本発明に係る一般式I又は一般式IIで表される化合物は、当業者にとってよく知られた複数種の合成方法によって製造でき、下記実施形態と、下記実施形態及びほかの化学合成方法の組み合わせによる実施形態と、当業者にとってよく知られた均等な形態とを含み、好ましい実施形態はいずれも本発明の実施例が挙げられるが、それらに限定されない。
【0070】
本発明の具体的な実施案における化学反応は適切な溶媒において行われものであり、前記溶媒は本発明の化学変化及び所望の試薬や材料に適用しなければならない。本発明に係る一般式I又は一般式IIで表される化合物を製造するために、当業者が従来の実施形態に基づいて合成ステップ又は反応スキームを変更したり選択したりする場合がある。
【0071】
本発明に係る一般式IIで表される化合物は、有機合成分野の当業者が下記スキームを介して本分野の標準方法により製造できる。
【化6】
化合物1−1がアシル化反応を行って化合物1−2を得、化合物1−2とビウレットを反応させて化合物1−3を得、化合物1−3が塩素化反応を行って化合物1−4を得、化合物1−4とR
2基で置換されたアンモニアとをアンモニア化反応させて化合物1−5を得、化合物1−5とR
2−X
1基で置換されたアンモニアをアンモニア化反応させて一般式IIで表される化合物を得る。
【0072】
実施例
以下の具体的な実施例は、当業者が本発明を明瞭に把握して実施できるようにすることを目的とし、本発明の範囲を制限するものではなく、本発明の例示的な説明と典型的な代表に過ぎない。当業者であれば、本発明の化合物を形成する他の合成経路もあり、以下に提供されるのが非限定的な実施例に過ぎないことが理解されるべきである。
【0073】
当業者であれば、本発明の化合物を形成する他の合成経路もあり、以下に提供されるのが非限定的な実施例に過ぎないことが理解されるべきである。他に断らない限り、本発明に用いられる原料の全ては、市販で直接に購入されてさらなる精製なしに直接に用いられるものである。
【0074】
カラムクロマトグラフィは、青島化学工業有限公司製のシリカゲル(200〜300メッシュ)が用いられる。薄層クロマトグラフィは、E.Merck社製のプレハブ板(シリカゲル60 PF254、0.25mm)が用いられる。キラル化合物の分離及びエナンチオマー過剰率(ee)の測定には、Agilent LC 1200 series(カラム:CHIRALPAK AD−H、Φ4.6×250mm、5μm、30℃)が用いられる。核磁気共鳴クロマトグラフィ(NMR)は、Varian VNMRS−400核磁気共鳴装置を用いて測定され、液体クロマトグラフィ/質量分析(LC/MS)は、FINNIGAN Thermo LCQ Advantage MAX、Agilent LC 1200シリーズ(カラム:Waters Symmetry C18、Φ4.6×50mm、5μm、35℃)が用いられ、ESI(+)イオンモードが採用されている。
【0075】
実験部分
実施例1:4−(エトキシアミノ)−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン
【化7】
【0076】
ステップ1: 6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−ギ酸メチル
【化8】
窒素ガス保護下で、2−ブロモ−6−トリフルオロメチルピリジン(1.48g、6.55mmol)のメタノール(50.0mL)溶液に、酢酸パラジウム(74.0mg、0.33mmol)、1,1’ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン(363.0mg、0.655mmol)及びトリエチルアミン(0.92g、9.8mmol)を順次に加えた。該反応液を60℃、2大気圧の一酸化炭素雰囲気で18時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却させ、濾過して濾液を減圧濃縮させ、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−ギ酸メチル(0.9g、収率67.0%)を得た。
【0077】
ステップ2: 6−(6−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化9】
窒素ガス保護下で、エタノールナトリウム(11.2g、165.0mmol)のエタノール(200mL)溶液に、6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−ギ酸メチル(10.0g、48.7mmol)及びビウレット(4.2g、40.7mmol)を順次に加えた。該混合物を加熱して2時間還流した後、室温まで冷却させた。反応液を減圧濃縮させ、得られた残留物を水中に注入して、6mol/L塩酸溶液でpH値を7に調整して、得られた固体を濾過し、濾過ケーキを水洗して、乾燥させて6−(6−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオン(5.0g、収率47.5%)を得た。
【0078】
ステップ3: 2,4−ジクロロ−6−(6−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−1,3,5−トリアジン
【化10】
窒素ガス保護下で、6−(6−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオン(15.0g、58.1mmol)とオキシ塩化リン(200mL)の混合液を100℃で2時間反応させた後、室温まで冷却させた。反応液を減圧濃縮させ、得られた残留物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液に注入して、酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過して濾液を真空濃縮させて、2,4−ジクロロ−6−(6−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−1,3,5−トリアジン(10.0g、収率58.3%)を得た。
【0079】
ステップ4: 4−クロロ−6−(6−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−N−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン
【化11】
2,4−ジクロロ−6−(6−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−1,3,5−トリアジン(5.0g、16.9mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液に、4−アミノ−2−トリフルオロメチルピリジン(3.3g、20.3mmol)及び重炭酸ナトリウム(2.14g、25.3mmol)を加えた。該混合物を70℃で8時間反応させた後、室温まで冷却させた。反応液を減圧濃縮させ、得られた残留物をシリカゲルカラムにより精製し、4−クロロ−6−(6−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−N−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン(6.5g、収率91.2%)を得た。
【0080】
ステップ5: 4−(エトキシアミノ)−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン
【化12】
4−クロロ−6−(6−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−N−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン(50.0mg、mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に、エトキシアミン塩酸塩(12.0mg、0.18mmol)及び重炭酸ナトリウム(40.0mg、0.48mmol)を加えた。該混合物を70℃で8時間反応させた後、室温まで冷却させた。反応液を減圧濃縮させ、得られた残留物をシリカゲルカラムにより精製し、4−(エトキシアミノ)−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン(40.0mg、収率80.0%)を得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl
3): δ = 8.66 − 8.58 (m, 2H), 8.49 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 8.10 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.88 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 4.19 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 1.41 (t, J = 7.1 Hz, 3H)。
【0081】
実施例2: 4−(イソプロピルアミノ)−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン
【化13】
実施例1の合成方法によって、4−(イソプロピルアミノ)−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミンを製造した。
1H−NMR (400 MHz, DMSO−d
6): δ = 11.35 (s, 1H), 10.85 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.56 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 8.32 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 8.11 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.03 (s, 1H), 4.28 − 4.06 (m, 1H), 1.23 (d, J = 14.5 Hz, 6H)。
【0082】
実施例3: 4−(t−ブトキシアミノ)−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン
【化14】
実施例1の合成方法によって、4−(t−ブトキシアミノ)−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミンを製造した。
1H−NMR (400 MHz, DMSO−d
6): δ = 11.00 (s, 1H), 10.84 (s, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.57 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 8.31 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 8.11 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.99 (s, 1H), 1.28 (s, 9H)。
【0083】
実施例4: 4−((シクロプロピルメトキシ)アミノ)−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン
【化15】
実施例1の合成方法によって、4−((シクロプロピルメトキシ)アミノ)−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミンを製造した。
1H−NMR (400 MHz, DMSO−d
6): δ =11.4 (s, 1H), 10.9 (s, 1H), 8.61 (s, 1H), 8.57 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 8.32 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 8.17 − 8.09 (m, 2H), 3.77 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 3.15 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 0.87 − 0.76 (m, 2H), 0.57 − 0.47 (m, 2H)。
【0084】
実施例5: N,N’−(6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ビス(O−エトキシアミノ)
【化16】
実施例1の合成方法によって、N,N’−(6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ビス(O−エトキシアミノ)を製造した。
1H−NMR (400 MHz, DMSO−d
6): δ = 10.96 (s, 2H), 8.48 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.24 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 8.04 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 3.90 (q, J = 7.0 Hz, 4H), 1.30 − 1.06 (m, 6H)。
【0085】
実施例6: 2−メチル−1−(((4−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−((2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ)オキシ)イソプロパン−2−オール
【化17】
実施例1の合成方法によって、2−メチル−1−(((4−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−((2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ)オキシ)イソプロパン−2−オールを製造した。
1H−NMR (400 MHz, CDCl
3): δ = 8.59 (dd, J = 10.7, 6.7 Hz, 2H), 8.29 (s, 1H), 8.09 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.87 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.73 (s, 1H), 4.00 (s, 2H), 1.62 (s, 1H), 1.32 (s, 6H)。
【0086】
実施例7: 2−メチル−2−(((4−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−((2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ)オキシ)イソプロピル−1−オール
【化18】
実施例1の合成方法によって、2−メチル−2−(((4−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−((2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ)オキシ)イソプロピル−1−オールを製造した。
1H−NMR (400 MHz, DMSO−d
6): δ = 10.80 (s, 1H), 8.54 (d, J = 5.8 Hz, 1H), 8.29 (t, J = 7.9 Hz, 3H), 8.08 (m, 2H), 5.38 (s, 1H), 4.56 (s, 1H), 3.54 − 3.39 (m, 2H), 1.27 − 1.10 (m, 6H)。
【0087】
実施例8: 4−((ベンジルオキシ)アミノ)−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン
【化19】
実施例1の合成方法によって、4−((ベンジルオキシ)アミノ)−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミンを製造した。
1H−NMR (400 MHz, DMSO−d
6): δ = 11.52 (s, 1H), 10.91 (s, 1H), 8.60 (s, 2H), 8.56 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 8.36 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 8.15 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 7.52 (s, 2H), 7.47 − 7.35 (m, 3H), 5.04 (s, 2H)。
【0088】
実施例9: 4−(2−メチルヒドラジノ)−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン
【化20】
実施例1の合成方法によって、4−(2−メチルヒドラジノ)−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミンを製造した。
1H−NMR (400 MHz, DMSO−d
6): δ = 10.76 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.56 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 8.30 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 8.11 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 7.93 (s, 1H), 5.39 (s, 1H), 5.21 (s, 1H), 3.40 (s,, 3H)。
【0089】
実施例10: 4−(t−ブトキシアミノ)−6−フェニル−N−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン
【化21】
実施例1の合成方法によって、4−(t−ブトキシアミノ)−6−フェニル−N−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミンを製造した。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ=10.59(d,2H),8.59(m,1H),8.55(m,1H),8.32(m,2H),8.00(m,1H),7.56(m,3H),1.41−0.95(m,9H)。
【0090】
実施例11: 1−((4−(t−ブトキシアミノ)−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ)−2−メチルプロパン−2−オール
【化22】
実施例1の合成方法によって、1−((4−(t−ブトキシアミノ)−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ)−2−メチルプロパン−2−オールを製造した。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ=10.29(d,2H),8.53(d,J=7.9Hz,1H),8.28(t,J=7.9Hz,1H),8.13−8.03(m,1H),4.86(s,1H),3.39(m,2H),1.27(m,9H),1.07(m,6H)。
【0091】
実施例12: 4−(t−ブトキシアミノ)−N−フェニル−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン
【化23】
実施例1の合成方法によって、4−(t−ブトキシアミノ)−N−フェニル−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミンを製造した。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ=10.62(s,1H),10.12(s,1H),8.57(d,J=7.9Hz,1H),8.31(t,J=7.8Hz,1H),8.10(d,J=7.2Hz,1H),7.99(m,2H),7.32(t,J=7.9Hz,2H),7.03(t,J=7.4Hz,1H),1.29(s,9H)。
【0092】
実施例13: N−ベンジル−4−(t−ブトキシアミノ)−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン
【化24】
実施例1の合成方法によって、N−ベンジル−4−(t−ブトキシアミノ)−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミンを製造した。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ=10.26(s,2H),8.50(dd,J=13.2,5.0Hz,2H),8.33−8.18(m,1H),8.05(d,J=7.8Hz,1H),7.37(d,J=7.0Hz,1H),7.31(dd,J=10.1,4.8Hz,2H),7.22(t,J=7.2Hz,1H),4.55(d,J=6.2Hz,2H),1.18(s,9H)。
【0093】
実施例14: 4−(t−ブトキシアミノ)−N−イソプロピル−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン
【化25】
実施例1の合成方法によって、4−(t−ブトキシアミノ)−N−イソプロピル−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミンを製造した。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ=10.16(s,2H),8.49(d,J=8.1Hz,1H),8.04(d,J=7.4Hz,1H),7.83(d,J=7.9Hz,1H),4.16(m,1H),1.24(m,9H),1.18(m,6H)。
【0095】
本発明では、以下の方法により、本発明の化合物に係るIDH2(R172K、40−end)への阻害活性を測定し、該阻害活性は、IDH2の活性が50%阻害された際の化合物の濃度を示すIC
50という指標として表される。
【0096】
材料及び方法
補因子NADPHの減少によって、化合物によるIDH2(R172K、40−end)への阻害活性を測定する。化合物と酵素及びNADPHとをプレインキュベーションし、そしてα−KGを加えて反応を開始させ、線形条件下で120分間反応させる。次に、Diaphorase(ジアホラーゼ)と対応した基質Resazurin(レサズリン)を加えて反応を停止する。ジアホラーゼは、使用可能な補因子NADPHを減少させることでIDH2m反応を停止し、NADPHを酸化してNADPにし、且つレサズリンを高蛍光レゾルフィンに還元し、容易に検出可能な蛍光基により特定反応時間後に残った補因子NADPH量を定量化する。。
【0097】
具体的には、3×勾配希釈をした化合物2.5μLを384ウェルプレートに加えて、続いて80nM IDH2(R172K、40−end)5μLとNADPH 40μMとを含む反応緩衝液(20mM Tris−HCl、PH7.5;150mM NaCl;10mM MgCl
2;10mM MnCl
2;0.4mg/mL BSA及び2mM DTT)を加えた。次に、上記テスト混合物を23℃で120分間インキュベーションした後、4mM α−KGを含む反応緩衝液2.5μLを添加して反応を開始させた。室温で120分間インキュベーションした後、反応緩衝液で調製した停止混合物(0.4U/mL Diaphorase及び40μM Resazurin)5μLを加えて、レサズリンをレゾルフィンに転化して、残ったNADPHを測定した。23℃で10分間インキュベーションした後、Flexstation 3を用いて、Ex535/Em595で蛍光値を測定した。
【0098】
実施例における化合物のIDH2阻害活性は表1に示される。
【0100】
実験例2: 薬物動態学的パラメータの測定
【0101】
本発明では、以下の方法により、本発明に係る化合物の薬物動態学的パラメータを測定した。
研究において、7〜9週齢の健常雄性成体ラットを用いて、各群の動物(3匹の雄ラット)に用量5mg/kgで単回胃内投与(強制経口投与)し、胃内投与群の動物を実験前に一晩絶食させ、絶食時間は投与前10時間〜投与後4時間である。
【0102】
投与後0.25、0.5、1、2、4、6、8及び24時間で採血した。小動物麻酔機を用いてイソフルランで麻酔した後、眼底静脈叢により全血0.3mLを取り、ヘパリン抗凝固チューブに入れ、サンプルを4℃、4000rpmで5分間遠心し、血漿を遠心管に移して、分析するまで−80℃で保存した。
【0103】
血漿サンプルの分析には、検証された液体クロマトグラフィ−タンデム質量分析法(LC−MS/MS)を用いて、対象(個体)動物の血漿濃度−時間データをWinNonlin(専門版、バージョン6.3、Pharsight社製)ソフトウェアにより分析して、ノンコンパートメントモデルを濃度分析に適用して、化合物の薬物動態学的パラメータを計算し、表2に示す。実施例3の化合物は、優れた生体内代謝レベル及びより長い半減期を有し、さらに、同用量では、その血中薬物濃度がIDH2阻害剤AG−221より高かった。