特許第6786217号(P6786217)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6786217プレフィルターユニットおよび浴水清浄化装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6786217
(24)【登録日】2020年10月30日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】プレフィルターユニットおよび浴水清浄化装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/00 20060101AFI20201109BHJP
   B01D 35/027 20060101ALI20201109BHJP
【FI】
   A47K3/00 K
   A47K3/00 M
   B01D35/02 J
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-9290(P2016-9290)
(22)【出願日】2016年1月20日
(65)【公開番号】特開2017-127500(P2017-127500A)
(43)【公開日】2017年7月27日
【審査請求日】2019年1月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002244
【氏名又は名称】蛇の目ミシン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】藤巻 美弥子
【審査官】 舟木 淳
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−163812(JP,A)
【文献】 特開平08−089978(JP,A)
【文献】 特開平08−038824(JP,A)
【文献】 特開2000−343082(JP,A)
【文献】 実開平03−056612(JP,U)
【文献】 特開平11−319818(JP,A)
【文献】 実開平02−125686(JP,U)
【文献】 特開2005−230620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/00
B01D 35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽の浴水を取り込み、該取り込んだ浴水の汚れを除去して前記浴槽に戻す浴水清浄化装置に用いられる着脱自在のプレフィルターユニットと、
前記浴槽の浴水を吸水する吸水管路と、
前記吸水管路の下流側に配置され、前記浴水を循環させる循環ポンプと、
前記浴水を浄化する浄化槽と、
該浄化された浴水を殺菌する殺菌部と、
前記浄化、殺菌された浴水を加熱する加熱部と、
前記加熱された浴水を前記浴槽に戻す吐水管路と、
プレフィルターと前記循環ポンプとの間に設けた本体側止水部と、
を備え、
前記プレフィルターユニットが、
前記浴槽の浴水を吸い込む入水口と、
前記プレフィルターユニット内に配置され、前記入水口から入水された浴水の汚れを除去する前記プレフィルターと、
前記プレフィルターで汚れを除去した浴水を前記浴水清浄化装置へ出水する出水口と、
前記プレフィルターと前記入水口との間に設けたプレフィルターユニット側止水部と、
を備え、
前記浴水清浄化装置用の前記プレフィルターユニットの底部が、前記浴槽の底面を基準として前記吐水管路の吐水口の位置よりも高く、水面上に配置され、前記本体側止水部および前記プレフィルターユニット側止水部が、逆止弁で構成され、前記本体側止水部および前記プレフィルターユニット側止水部は、本体の稼動が停止すると、自動的に閉状態となることを特徴とする浴水清浄化装置。
【請求項2】
前記吸水管路の前記循環ポンプ側の一部が伸縮可能あるいは折曲げ可能であって、
さらに、
前記浴水清浄化装置用プレフィルターユニットに接続された取手部と、
を備え、
前記取手部を引上げることにより、前記浴水清浄化装置用プレフィルターユニットを引上げ可能としたことを特徴とする請求項1に記載の浴水清浄化装置。
【請求項3】
前記伸縮可能あるいは折曲げ可能である吸水管路が、蛇腹状であることを特徴とする請求項2に記載の浴水清浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽内の水の濾過、殺菌等の清浄処理を行うための浴水清浄化装置に係り、特に浴槽内の水を吸入する吸水管に設けるプレフィルターユニットおよび浴水清浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
浴槽内の浴水を循環ポンプにより吸水口から吸引し、吸水管に設けたプレフィルターにて大きなゴミ等を取り除いた後、メインフィルターでのろ過や加熱或いは殺菌等の清浄化を行い、処理後の浴水を排水口から浴槽に戻し、このサイクルを繰り返して、浴水を循環浄化する浴水清浄化装置が市販され、普及している。この種の浴水清浄化装置では、吸水管にプレフィルターを設けることで、予備的な濾過を行い、メインフィルターの目詰りが早くなるのを防ぐことができる。
【0003】
図11から図13は、関連する浴水清浄化装置300を示す図である(例えば、特許文献1、2参照)。図11から図13に示すように、浴水清浄化装置300は、本体10および吸排ユニット310とから構成されている。本体10は、浴水を循環させるための循環ポンプ11と、微細なゴミ及び汚れ等の不純物を浴水からろ過する浄化槽12と、浴水の殺菌を行う殺菌部13と、浴水を低温から高温に加熱するヒーター14とから構成されている。吸排ユニット310は、浴水を吸い上げる吸水口15、本体10で浄化した浴水を浴槽に排水する吐水口16、および吸水口15から吸い上げられた浴水から髪の毛等の大きなゴミを捕捉するプレフィルターユニット320とから構成される。
【0004】
図13に示すように、浴水清浄化装置300のプレフィルターユニット320は、吸水口15から水を吸引してすぐに水中のごみを捕捉するため、あるいは製造の容易さから吸水口15と一体化されており、中にはプレフィルター330が装填されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−89978号公報
【特許文献2】特開平8−38824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、プレフィルター330を掃除する等の為にプレフィルターユニット320から取り出す際に、プレフィルター330に吸着した汚れの一部が浴槽内の浴水中に出てしまうという問題点があった。また、プレフィルター330をプレフィルターユニット320から取り出す際には、本体、吸排ユニット、またはこれらを繋ぐ吸水管の浴水が逆流して浴槽内に排出されることも、プレフィルターユニット320に吸着した汚れの一部が浴槽内の戻ってしまう原因であった。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、殺菌等の清浄処理を行うための浴水清浄化装置において、プレフィルターに吸着した汚れを浴槽内に戻さずに、プレフィルターを交換することができるプレフィルターユニットおよび浴水清浄化装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の1またはそれ以上の実施形態では、以下の事項を提案している。
【0009】
形態1;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、浴槽の浴水を取り込み、該取り込んだ浴水の汚れを除去して前記浴槽に戻す浴水清浄化装置に用いられるプレフィルターユニットであって、前記浴槽の浴水を吸い込む入水口と、前記プレフィルターユニット内に配置され、前記入水口で吸水された浴水の汚れを除去するプレフィルターと、前記プレフィルターで汚れを除去した浴水を前記浴水清浄化装置へ出水する出水口と、前記プレフィルターと前記入水口との間に設けた止水部と、を備えたことを特徴とする浴水清浄化装置用プレフィルターユニットを提案している。
【0010】
形態2;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記形態1の浴水清浄化装置用プレフィルターユニットが着脱自在に備えられ、前記浴槽の浴水を吸水する吸水管路と、前記吸水管路の下流側に配置され、前記浴水を循環させる循環ポンプと、前記浴水を浄化する浄化槽と、該浄化された浴水を殺菌する殺菌部と、前記浄化、殺菌された浴水を加熱する加熱部と、前記加熱された浴水を前記浴槽に戻す吐水管路と、を備えたことを特徴とする浴水清浄化装置を提案している。
【0011】
形態3;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記浴水清浄化装置用プレフィルターユニットの底部が、前記浴槽の底面を基準として前記吐水管路の吐水口の位置よりも高い位置に配置されていることを特徴とする浴水清浄化装置を提案している。
【0012】
形態4;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記吸水管路の前記循環ポンプ側の一部が伸縮可能あるいは折曲げ可能であって、さらに、前記浴水清浄化装置用プレフィルターユニットに接続された取手部と、を備え、前記取手部を引上げることにより、前記浴水清浄化装置用プレフィルターユニットを引上げ可能としたことを特徴とする浴水清浄化装置を提案している。
【0013】
形態5;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記伸縮可能あるいは折曲げ可能である吸水管路が、蛇腹状であることを特徴とする浴水清浄化装置を提案している。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、浴水清浄化装置において、プレフィルターに吸着した汚れを浴槽内に戻さずに、プレフィルターを交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施形態に係る浴水清浄化装置100の概略図である。
図2】第1の実施形態に係るプレフィルターユニット20の斜視図である。
図3】第1の実施形態に係るプレフィルターユニット20の分解斜視図である。
図4】第1の実施形態に係るプレフィルターユニット20の後カバー60の、栓65の開状態での正面図である。
図5】第1の実施形態に係る第1の止水部(栓)の他の構成を示す断面図である。
図6】第1の実施形態に係るプレフィルターユニット20の後カバー60の、栓65の閉状態での正面図である。
図7】第2の実施形態に係る浴水清浄化装置110の概略図である。
図8】第2の実施形態に係る浴水清浄化装置110の変形例120の概略図である。
図9】第3の実施形態に係る浴水清浄化装置130の概略図である。
図10】第4の実施形態に係る浴水清浄化装置200の概略図である。
図11】関連技術に係る浴水清浄化装置300の斜視図である。
図12】関連技術に係る浴水清浄化装置300の概略図である。
図13】関連技術に係る浴水清浄化装置300のプレフィルターユニット320の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0017】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る浴水清浄化装置100の概略図である。なお、太い黒矢印は浴水の流れを示す。図1に示すように、浴水清浄化装置100は、浴槽1内の浴水を吸い込む吸水口15、吸水口15から吸い込んだ浴水を処理する本体10、および本体10で処理した浴水を浴槽1内に再び戻す吐水口16と、を備える。吸水口15、本体10、および吐水口16は、順次接続した循環路で繋がっている。
【0018】
本体10は、浴水を循環させるための循環ポンプ11、浴水を清浄化する浄化槽12、浴水を殺菌する殺菌部13および浄化、殺菌処理後の浴水を加熱するヒーター14と、を備える。循環ポンプ11、浄化槽12、殺菌部13およびヒーター14も、順次接続した循環路で繋がっている。また、吸水口15から循環ポンプ11までで形成される吸水管路31と、ヒーター14から吐水口16までで形成される吐水管路32とを備える。なお、ここで「管路」とは、複数の部品を介して流れを形成する流路をいう。
【0019】
浴水清浄化装置100では、吸水口15と循環ポンプ11との間の循環路中に、その内部にプレフィルター21と第1の止水部22とを備えるプレフィルターユニット20が配備される。なお、本実施形態では、プレフィルターユニット20が、浴槽1の底面付近に配置されるように、吸水口15と循環ポンプ11との間の循環路中に配備される。
【0020】
次に、図2から図6を用いて、プレフィルターユニット20について説明する。プレフィルターユニット20は、吸水口15につながる吸水循環路71および循環ポンプ11につながる排水循環路73に接続される。また、プレフィルターユニット20は、吸水循環路71および排水循環路73に接続して設けられた板状の取付板70に、着脱可能に取り付けられる。
【0021】
取付板70には、吸水循環路71および排水循環路73それぞれの部分に開口部72、74が設けられている。プレフィルターユニット20の後部から突出している入水口61および出水口63それぞれは、開口部72、74を介して吸水循環路71および排水循環路73それぞれに挿入され、吸水循環路71および排水循環路73それぞれに密着して接合される。そのため、入水口61および出水口63のそれぞれと、吸水循環路71および排水循環路73との接合部分は密着していることにより浴水が漏れ出ることはない。
【0022】
なお、密着して接合するために、隙間が生じるような接合箇所、例えば、入水口61の外側に、ゴム等の弾性部材やガスケット等を設けておくのが望ましい。
【0023】
プレフィルターユニット20は、図3に示すようなプレフィルター21、プレフィルターケースと図示しない第1の止水部22とから構成されている。図3に示すように、プレフィルターケースは、取り外し可能な箱型の前カバー50、吸水口15からの浴水を通す入水口61およびプレフィルターユニット20を通過した浴水を排出する出水口63が接続された箱型の後カバー60、プレフィルター21、並びに操作レバー80とから構成されている。なお、後カバー60の背面で、プレフィルター21に対向する部分には、プレフィルター支持板66が配置されている。このプレフィルター支持板66は、スポンジ等の柔らかい素材で構成されるプレフィルター21が水圧で変形し、管路を塞ぐことを防止する。
【0024】
プレフィルター21は、入水口61から出水口63へとプレフィルターケース内を流れる浴水が通過するように設置され、プレフィルターユニット20から着脱可能となっている。なお、本実施形態において、プレフィルター21は、浴水の流れに垂直に配備されているが、プレフィルターケース内を流れる浴水がプレフィルター21を通過するのであれば、垂直に限らず浴水に水平等であってもよい。
【0025】
図3、4に示すように、後カバー60には、入水口61の開口部であるユニット入水口62、出水口63の開口部であるユニット出水口64、第1の止水部22(栓65)、および操作レバー80とが備えられる。後カバー60の開口部には、前カバー50が着脱可能に、浴水が漏れないよう密着して係合される。具体的には、後カバー60および前カバー50は、係合部および被係合部の少なくとも一方を備え、係合部と被係合部とを係合させることで、後カバー60の開口部に前カバー50が係合される。
【0026】
なお、後カバー60と前カバー50とが、浴水が漏れないよう密着して係合するように、両者の間にゴム等の弾性部材を設けることが望ましい。第1の止水部22(栓65)は、ユニット入水口62付近に設けられ、ユニット入水口62よりも大きく、ユニット入水口62を閉じることが可能な形状である。
【0027】
図6に示すように、操作レバー80は、第1の止水部22(栓65)に取り付けられており、第1の止水部22(栓65)を移動させ、ユニット入水口62を開閉する。具体的には、操作レバー80を手前から奥へ、すなわち、プレフィルターユニット20内に押し込むことで、ユニット入水口62が閉じ、プレフィルターユニット20内からの浴水の逆流や流入が停止することができる。なお、第1の止水部22として栓65は、図5に示すようなヒンジ型のものでもよい。この場合、ユニット入水口62の位置が後カバー60の底面に開口し、その開口部を塞ぐようにシリコンゴムなどの材質の栓を設け、自重により開口部を塞ぐように機能する。
【0028】
一方、操作レバー80を手前に引くことでユニット入水口62が開き、プレフィルターユニット20内に浴水が流入することが可能となる。なお、操作レバー80は、手動であってもよいし、循環ポンプ11の停止/開始に応じて自動的に操作されてもよい。
【0029】
プレフィルター21の交換や掃除のために、プレフィルターユニット20を取付板70から取り外す際に、操作レバー80を操作して第1の止水部22(栓65)でユニット入水口62を閉じることで、プレフィルターユニット20内の浴水をプレフィルターユニット20と一緒に取り出すことができる。すなわち、プレフィルターユニット20内の水を浴槽1へと逆流させず、プレフィルター21に吸着された汚れが浴槽1内の浴水に出てしまうことを防ぐことができる。
【0030】
なお、上述した図2から図6に示したプレフィルターユニット20は、一例であって、その他の形状であってもよい。また、プレフィルターユニット20は、循環路から独立した構成となっているが、循環路内部に装着する形態であってもよい。この場合には、循環路に、プレフィルターユニット20を着脱するために開閉扉等が必要である。
【0031】
図1に戻って、吸水口15と循環ポンプ11との間の循環路には、プレフィルターユニット20と循環ポンプとを挟んで、第2の止水部40が備えられる。なお、第1の止水部22(栓65)および第2の止水部40は、逆止弁に限らず、水の逆流を防ぐことができるものであればバルブ等であってもよい。
【0032】
本体10が稼動中にはプレフィルターユニット20内の第1の止水部22(栓65)とプレフィルターユニット20と循環ポンプ11との間に設けられた第2の止水部40とが開かれており、本体10が停止中にはプレフィルターユニット20内の第1の止水部22(栓65)とプレフィルターユニット20と循環ポンプ11との間に設けられた第2の止水部40とは閉じられる。プレフィルターユニット20内の第1の止水部22(栓65)とプレフィルターユニット20と循環ポンプ11との間に設けられた第2の止水部40とは、本体の運転が停止する際に自動または手動により閉じ、運転を再開する際に自動または手動により開く。例えば、循環ポンプ11の開始/停止に連動して、プレフィルターユニット20内の第1の止水部22(栓65)とプレフィルターユニット20と循環ポンプ11との間に設けられた第2の止水部40とが開閉するように構成されてもよい。
【0033】
プレフィルターユニット20内の第1の止水部22(栓65)を閉じることにより、プレフィルターユニット20を管路から取り外した際に、ユニット内に残った浴水が逆流して、プレフィルター21から汚れを剥離し、プレフィルター21に吸着された汚れが浴槽1内の浴水に出てしまうことを防ぐことができる。
【0034】
<交換方法>
次に、プレフィルター21の交換方法について簡単に説明する。まず、本体10の稼動を停止し、自動または手動でプレフィルターユニット20内の第1の止水部22(栓65)とプレフィルターユニット20と循環ポンプ11との間に設けられた第2の止水部40とを閉じる。
【0035】
さらに、プレフィルターユニット20を循環路から取り外して、プレフィルターユニット20内のプレフィルター21の交換や掃除等を行う。そして、プレフィルター21を交換または掃除等したプレフィルターユニット20を循環路に戻して、操作レバー80を自動または手動で操作して、第1の止水部22(栓65)を退かしてユニット入水口62を開くともに、プレフィルターユニット20と循環ポンプ11との間に設けられた第2の止水部40とを開いて、本体10の稼動を開始する。
【0036】
以上、説明したように、本実施形態によれば、浴水清浄化装置100において、本体10の稼動を停止し、自動または手動でプレフィルターユニット20と循環ポンプ11との間に設けられた第2の止水部40とを閉じ、操作レバー80を自動または手動で操作して、第1の止水部22(栓65)でユニット入水口62を閉じて、プレフィルター21を交換あるいは掃除することにより、プレフィルター21に吸着した汚れを浴槽1内に戻さずに、プレフィルター21を交換することができる。
【0037】
<第2の実施形態>
図7は、本発明の第2の実施形態に係る浴水清浄化装置110の概略図である。なお、太い黒矢印は浴水の流れを示す。図7に示すように、浴水清浄化装置110は、浴槽1内の浴水を吸い込む吸水口15、吸水口15から吸い込んだ浴水を処理する本体10、および本体10で処理した浴水を浴槽1内に再び戻す吐水口16と、を備える。吸水口15、本体10、および吐水口16は、順次接続した循環路で繋がっている。
【0038】
本体10は、浴水を循環させるための循環ポンプ11、浴水を清浄化する浄化槽12、浴水を殺菌する殺菌部13および浄化、殺菌処理後の浴水を加熱するヒーター14と、を備える。循環ポンプ11、浄化槽12、殺菌部13およびヒーター14も、順次接続した循環路で繋がっている。
【0039】
浴水清浄化装置110では、吸水口15と循環ポンプ11との間の循環路中に、その内部にプレフィルター21と第1の止水部22(栓65)とを備えるプレフィルターユニット20が配備される。また、プレフィルターユニット20と循環ポンプ11との間には、第2の止水部40が配置されている。なお、本実施形態では、プレフィルターユニット20が、その底部が浴槽1の底面を基準として吐水口16の吐水端面以上の位置に配置されるように、吸水口15と循環ポンプ11との間の循環路中に配備される。
【0040】
第1の実施形態では、プレフィルターは、水面2下に配置されていたが、本実施形態のように、水面2上に配置することにより、プレフィルター21を掃除あるいは交換等する際に、水中でプレフィルター21を取り外すことがなくなり、プレフィルター21に吸着した汚れの一部が浴槽1の水中に流出してしまうことを防ぐことができる。なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0041】
本実施形態では、第1の止水部22(栓65)および第2の止水部40は、逆止弁により構成される。逆止弁を用いることにより、本体10の稼動を停止すると、第1の止水部22(栓65)が水圧により自動的に閉じる。また、第2の止水部40も本体10の稼動を停止すると、自動的に閉じる。
【0042】
<交換方法>
次に、プレフィルター21の交換方法について簡単に説明する。まず、本体10の稼動を停止すると、自動的にプレフィルターユニット20内の第1の止水部22(栓65)とプレフィルターユニット20と循環ポンプ11との間に設けられた第2の止水部40とが閉じる。
【0043】
さらに、プレフィルターユニット20を循環路から取り外して、プレフィルターユニット20内のプレフィルター21の交換や掃除等を行う。そして、プレフィルター21を交換または掃除等したプレフィルターユニット20を循環路に戻して、操作レバー80を自動または手動で操作して、第1の止水部22(栓65)を退かしてユニット入水口62を開くとともに、第2の止水部40とが開いて通常運転を行う。
【0044】
以上、説明したように、本実施形態によれば、浴水清浄化装置110において、プレフィルターユニット20の入水口近くに第1の止水部22が配置されているため、プレフィルター21を交換あるいは掃除等する際にプレフィルターユニット20を吸水管路31から取り外しても、そのプレフィルターユニット内の浴水の逆流を防止することにより、プレフィルター21に吸着した汚れを浴槽1内に戻さずに、プレフィルター21を交換することができる。また、上述したプレフィルターユニット20の位置から、プレフィルターの交換あるいは清掃等の際に、手あるいは腕を浴水に入れなくて済む。
【0045】
なお、図11に示すような吸排ユニット310を用いる場合、吐水口16は浴水高さの半分以上になるように吸排ユニット310に対して配置されることが好ましい。
【0046】
<変形例>
図8を用いて、本実施形態の変形例について説明する。
【0047】
図8は、本実施形態に係る浴水清浄化装置110の変形例の概略図である。図7に示す浴水清浄化装置110では、プレフィルターユニット20は、本体10の外に配備されていた。一方、変形例では、図8に示すように、プレフィルターユニット20を本体10内に配置して浴水清浄化装置120を構成してもよい。これより、浴槽1から出ている装置を本体10のみとすることができ、浴槽まわりをすっきりさせ、外観性等を向上させることができる。
【0048】
<第3の実施形態>
図9は、本発明の第3の実施形態に係る浴水清浄化装置130の概略図である。なお、太い黒矢印は浴水の流れを示す。図9に示すように、浴水清浄化装置130は、浴槽1内の浴水を吸い込む吸水口15、吸水口15から吸い込んだ浴水を処理する本体10、および本体10で処理した浴水を浴槽1内に再び戻す吐水口16と、を備える。吸水口15、本体10、および吐水口16は、順次接続した循環路で繋がっている。また、本実施形態においては、第2の止水部40とプレフィルターユニット20とを接続する吸水管の一部である配管41が蛇腹状あるいは径の異なる内管と外管とからなる配管等の伸縮可能あるいは折り曲げ可能な配管により構成されている。
【0049】
本体10は、浴水を循環させるための循環ポンプ11、浴水を清浄化する浄化槽12、浴水を殺菌する殺菌部13および浄化、殺菌処理後の浴水を加熱するヒーター14と、を備える。循環ポンプ11、浄化槽12、殺菌部13およびヒーター14も、順次接続した循環路で繋がっている。なお、第1、第2の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0050】
浴水清浄化装置130では、吸水口15と循環ポンプ11との間の循環路中に、その内部にプレフィルター21と第1の止水部22(栓65)とを備えるプレフィルターユニット20が配備される。また、プレフィルターユニット20と循環ポンプ11との間には、第2の止水部40が配置されている。なお、本実施形態では、プレフィルターユニット20には、浴水面から突出した取手部42を備えており、取手部42を引き上げることにより、プレフィルターユニット20を吐水管の吐水端面以上の位置に配置することができる。
【0051】
本実施形態では、第1の止水部22(栓65)および第2の止水部40は、逆止弁により構成される。逆止弁を用いることにより、本体10の稼動を停止すると、第1の止水部22(栓65)が水圧により自動的に閉じる。また、第2の止水部40も本体10の稼動を停止すると、自動的に閉じる。
【0052】
<交換方法>
次に、プレフィルター21の交換方法について簡単に説明する。まず、本体10の稼動を停止すると、自動的にプレフィルターユニット20内の第1の止水部22(栓65)とプレフィルターユニット20と循環ポンプ11との間に設けられた第2の止水部40とが閉じる。
【0053】
さらに、プレフィルターユニット20を循環路から取り外して、プレフィルターユニット20内のプレフィルター21の交換や掃除等を行う。そして、プレフィルター21を交換または掃除等したプレフィルターユニット20を循環路に戻して、操作レバー80を自動または手動で操作して、第1の止水部22(栓65)を退かしてユニット入水口62を開くとともに、第2の止水部40とが開いて通常運転を行う。
【0054】
以上、説明したように、本実施形態によれば、浴水清浄化装置110において、プレフィルターユニット20の入水口近くに第1の止水部22が配置されているため、プレフィルター21を交換あるいは掃除等する際に、プレフィルターユニット20の取手部42を引き上げ、プレフィルターユニット20を吸水管路31から取り外しても、そのプレフィルターユニット内の浴水の逆流を防止することにより、プレフィルター21に吸着した汚れを浴槽1内に戻さずに、プレフィルター21を交換することができる。また、上述したプレフィルターユニット20の位置から、プレフィルターの交換あるいは清掃等の際に、手あるいは腕を浴水に入れなくて済む。
【0055】
<第4の実施形態>
図10を用いて、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0056】
本実施形態に係る浴水清浄化装置200では、プレフィルターユニット20を循環路から取り外す前にプレフィルターユニット20内の浴水を排水する機構を備える。なお、第1、第2、第3の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同一の機能を有することから、その詳細な説明は省略する。
【0057】
図10は、本実施形態に係る浴水清浄化装置200の概略図である。なお、太い黒矢印は浴水の流れを示し、白矢印は空気の流れを示す。図10に示すように、浴水清浄化装置200は、浴槽1内の浴水を吸い込む吸水口15、吸水口15から吸い込んだ浴水を処理する本体10、および本体10で処理した浴水を浴槽1内に再び戻す吐水口16と、を備える。吸水口15、本体10、および吐水口16は、順次接続した循環路で繋がっている。
【0058】
浴水清浄化装置200では、吸水口15と循環ポンプ11との間の循環路中に、中にプレフィルター21を備えるプレフィルターユニット210が配置される。プレフィルター21が、浴槽1の水面2上に位置するように、プレフィルターユニット210は吸水口15と循環ポンプ11との間の循環路中に配置される。
【0059】
本実施形態は、水面2下に配置されていたプレフィルターを、水面2上に配置することで、プレフィルターを掃除等の際に、水中でプレフィルターを取り外すことがなくなり、プレフィルターに吸着した汚れの一部が浴槽1の水中に流出してしまうことを防ぐことができる。
【0060】
プレフィルターユニット210は、第1の実施形態のプレフィルターユニット20と同様に、ユニット入水口62、取り外し可能な箱型の前カバー50、吸水口15からの浴水を通す入水口61およびプレフィルターユニット210を通過した浴水を排出する出水口63が接続された箱型の後カバー60、プレフィルター21とを備え、更に、空気管220と、プレフィルターユニット210の近傍に設けられた第3の止水部250と、水抜き管240とが接続されている。
【0061】
プレフィルターユニット210の斜視図を図示しないが、第1の実施形態のプレフィルターユニット20と同様の形状であってもよいし、その他の形状であってもよい。
【0062】
空気管220は、第2の止水部40とプレフィルターユニット210との間の循環路に接続され、空気取入れ部(図示せず)で取り込んだ空気をプレフィルターユニット210内に送り込む。空気管220には、空気逆止弁230が設置されており、プレフィルターユニット210内への空気の流入を制御する。本体10が稼動中には空気逆止弁230は閉じられており、本体10が停止中には空気逆止弁230は開かれる。空気逆止弁230は、本体10が停止する際に自動または手動により開き、本体10が可動する際に自動または手動により閉じる。
【0063】
水抜き管240は、プレフィルターユニット210の底部付近に接続され、プレフィルターユニット210内の浴水を排出する。空気管220の空気逆止弁230が開かれてプレフィルターユニット210内に空気が送り込まれると、第1の止水部22は閉じているため、浴水は浴槽に逆流せず、水抜き管240からプレフィルターユニット210内の浴水が排出される。プレフィルターユニット210内の浴水が排出された後に、プレフィルターユニット210を循環路から取り外して、プレフィルターユニット210内のプレフィルター30の交換や掃除等を行う。なお、第3の止水部250は、本体10の運転中は、自動または手動により閉じており、停止中は、自動または手動により開いている。
【0064】
そのため、プレフィルターユニット210を取りはずす前にプレフィルターユニット210内の浴水を排出させることで、プレフィルターユニット210内の浴水が浴槽1へ逆流せず、プレフィルターに吸着された汚れが浴槽1内の浴水に出てしまうことを防げる。
【0065】
また、プレフィルターユニット210は、循環路内部に配備されていてもよい。この場合には、循環路に、プレフィルターユニット210を着脱するために開閉扉等が必要である。更に、第2の実施形態の変形例同様、プレフィルターユニット210は本体10内に配備されてもよい。
【0066】
以上、説明したように、本実施形態によれば、浴水清浄化装置200において、プレフィルター21を浴槽1の水面上に配置することにより、プレフィルター21に吸着した汚れを浴槽1内に戻さずに、プレフィルター21を交換することができる。
【0067】
また、浴水清浄化装置200において、プレフィルター21の上下に逆止弁を配備することで本体からの浴水の逆流を防ぎ、プレフィルターユニット210を取り外す前にユニット内の浴水を排水できることでプレフィルターユニット210内の浴水の逆流を防ぎ、プレフィルターに吸着された汚れが浴槽1内の浴水に出てしまうことを防ぐことができる。
【0068】
また、空気逆止弁230が作動して大気に開放されると、第2の止水部40とプレフィルターユニット210内の浴水は、水抜き管240を設けた第3の止水部250を介して装置外部に排水される。そのため、空になったプレフィルターユニット210を取り外してプレフィルター21を交換しても、逆流による汚水は浴槽外に排出されるため、浴槽内を汚すことはない。
【0069】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0070】
なお、プレフィルターの交換を除く方法をプログラムで記述し、記述したプログラムを浴水清浄化装置に読み込ませることにより、本発明の浴水清浄化装置を実現することができる。つまり、ユーザが所定のボタンにタッチすると、本体10の稼動を停止し、本体10の稼動が停止すると、自動的にプレフィルターユニット20内の第1の止水部22(栓65)とプレフィルターユニット20と循環ポンプ11との間に設けられた第2の止水部40とが閉じる。さらに、ユーザがプレフィルターユニット20を循環路から取り外して、プレフィルターユニット20内のプレフィルター21の交換や掃除等を行う。そして、プレフィルター21を交換または掃除等したプレフィルターユニット20を循環路に戻して、操作レバー80を自動または手動で操作して、第1の止水部22(栓65)を退かしてユニット入水口62を開くとともに、第2の止水部40とが開いて通常運転を行うことができる。
【符号の説明】
【0071】
1 浴槽
2 水面
10 本体
11 循環ポンプ
12 浄化槽
13 殺菌部
14 ヒーター
15 吸水口
16 吐水口
20 プレフィルターユニット
21 プレフィルター
22 第1の止水部
31 吸水管路
32 吐水管路
40 第2の止水部
41 配管
42 取手部
50 前カバー
60 後カバー
61 入水口
62 ユニット入水口
63 出水口
64 ユニット出水口
65 栓
66 プレフィルター支持板
70 取付板
71 吸水循環路
72 開口部
73 排水循環路
74 開口部
80 操作レバー
100 浴水清浄化装置
110 浴水清浄化装置
120 浴水清浄化装置
130 浴水清浄化装置
200 浴水清浄化装置
210 プレフィルターユニット
220 空気管
230 空気逆止弁
240 水抜き管
250 第3の止水部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13