特許第6786275号(P6786275)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッドの特許一覧

特許6786275積層型スパイン電極組立体を有するカテーテル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6786275
(24)【登録日】2020年10月30日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】積層型スパイン電極組立体を有するカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20201109BHJP
   A61B 5/0408 20060101ALI20201109BHJP
   A61B 5/0478 20060101ALI20201109BHJP
   A61B 5/0492 20060101ALI20201109BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20201109BHJP
【FI】
   A61B18/14
   A61B5/04 300J
   A61M25/00 532
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-127362(P2016-127362)
(22)【出願日】2016年6月28日
(65)【公開番号】特開2017-38919(P2017-38919A)
(43)【公開日】2017年2月23日
【審査請求日】2019年6月28日
(31)【優先権主張番号】14/754,566
(32)【優先日】2015年6月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ウ
(72)【発明者】
【氏名】サンウー・ミン
【審査官】 後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−130392(JP,A)
【文献】 特開2011−172785(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0200639(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0112329(US,A1)
【文献】 特開2015−112484(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/14
A61B 5/04−5/0496
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、
細長いカテーテル本体と、
前記カテーテル本体の遠位の電極アレイであって、
少なくとも第1及び第2のスパイン支持体であって、それぞれのスパイン支持体が、平面構造を有する基部と、前記基部から延在する複数のスパインとを含む、スパイン支持体と、
前記スパイン上に保持される1つ又は2つ以上の電極と、を備える、電極アレイと、
を備え、前記第1のスパイン支持体前記基部が第1の平面に延在し、前記第2のスパイン支持体前記基部が前記第1の平面とは異なる第2の平面に延在する、カテーテル。
【請求項2】
前記第1及び第2の平面が、平行である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記第1及び第2の平面が、平行でない、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
各スパインが近位部分と遠位部分とを含み、前記スパインの前記遠位部分が共通の第3の平面に延在する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記第3の平面が、前記第1及び第2の平面のうちの少なくとも1つと平行である、請求項4に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記スパインの前記遠位部分が、線形である、請求項4に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記スパインの前記遠位部分が、互いに平行である、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記電極アレイは、前記少なくとも第1及び第2のスパイン支持体の前記基部が中に固定されるルーメンを有する、ステムを含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項9】
各スパインが、自由遠位端を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項10】
各スパインが遠位端を有し、該遠位端が、別のスパインの少なくとも1つの遠位端に接続されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項11】
カテーテルであって、
細長いカテーテル本体と、
前記カテーテル本体の遠位の電極アレイであって、
前記カテーテル本体の遠位に取り付けられた近位端を有する装着部材と、
少なくとも第1及び第2のスパイン支持体であって、それぞれのスパイン支持体が、平面構造を有する基部と、前記基部から延在する複数のスパインとを含む、スパイン支持体と、
各スパイン上の非導電性被覆材と、
前記スパイン上に保持される1つ又は2つ以上の電極と、を備える、電極アレイと、
を備え、前記第1のスパイン支持体前記基部が、第1の平面で前記装着部材のルーメン内に固定され、前記第2のスパイン支持体前記基部が、前記第1の平面とは異なる第2の平面で前記ルーメン内に固定されている、カテーテル。
【請求項12】
前記第1及び第2の平面が、平行である、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記第1及び第2の平面が、平行でない、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項14】
各スパインが近位部分と遠位部分とを含み、前記スパインの前記遠位部分が共通の第3の平面に延在する、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記第3の平面が、前記第1及び第2の平面のうちの少なくとも1つと平行である、請求項14に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記スパインの前記遠位部分が、線形である、請求項14に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記スパインの前記遠位部分が、互いに平行である、請求項16に記載のカテーテル。
【請求項18】
カテーテルであって、
細長いカテーテル本体と、
前記カテーテル本体の遠位の電極アレイであって、
前記カテーテル本体の遠位に取り付けられた近位端を有する装着ステムと、
少なくとも第1及び第2のスパイン支持体であって、それぞれのスパイン支持体が、平面構造を有する基部と、前記基部から延在する複数のスパインとを含む、スパイン支持体と、
各スパイン上の非導電性被覆材と、
前記スパイン上に保持される1つ又は2つ以上の電極と、を備える、電極アレイと、
を備え、前記第1のスパイン支持体前記基部が、第1の平面で前記装着ステムのルーメン内に固定され、前記第2のスパイン支持体前記基部が、前記第1の平面とは異なる第2の平面で前記装着ステムの前記ルーメン内に固定され、
各スパインが、遠位線形部分を有し、前記スパインの前記遠位線形部分が、互いに平行である、カテーテル。
【請求項19】
前記スパインの前記遠位線形部分が、前記装着ステムの長手方向軸と平行である、請求項18に記載のカテーテル。
【請求項20】
前記複数のスパインの個数が、約2〜6個の範囲である、請求項18に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテルに関し、具体的には、アブレーション及び組織診断用の血管内カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
心房細動などの心不整脈は、心組織の特定の領域から隣接組織に電気信号が異常に伝導されることにより、正常な心周期が乱されて非同期的リズムを生ずる場合に発生する。望ましくない信号の重要な発信源は、例えば、心房のうちの1つ又は心室のうちの1つなどの組織領域内に位置している。発信源に関わらず、望ましくない信号は、心臓組織を通って他の場所に伝導し、不整脈を引き起こすか、又は不整脈を継続させる場合がある。
【0003】
不整脈を治療するための手技としては、不整脈を発生させている信号の発生源を外科的に破壊すること、並びにそのような信号の伝導路を破壊することが挙げられる。更に最近では、心内膜の電気特性と心容積をマッピングし、エネルギーの印加により心組織を選択的にアブレートすることによって、心臓のある部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を中断又は修正することが可能であることが判明している。アブレーション処理は、非伝導性の損傷部位を形成することによって望ましくない電気経路を破壊するものである。
【0004】
マッピングにアブレーションが続くという、この2工程の手技においては、通常、1つ又は2つ以上の電気センサを収容しているカテーテルを心臓の中に前進させ、複数の点でデータを取得することによって、心臓内の各点における電気活動を感知及び測定している。次いで、これらのデータが利用され、アブレーションが実施される標的エリアが選択される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
より大きいマッピング解像度のために、例えば、約1平方センチメートルなどの小さい面積内で電気活動を感知する多数の電極を使用することによって、マッピングカテーテルが非常に高密度の信号マップを提供することが望ましい。心房又は心室(例えば、心室の頂点)内でマッピングするために、カテーテルがより短い時間内により多くのデータ信号を収集することが望ましい。また、かかるカテーテルは、様々な組織表面、例えば、平坦な、湾曲した、凹凸のある、又は非平面の表面組織に適合可能であるが、依然として、電極の空間的関係が感知及びマッピング中に概ね維持される所定の構造を保つことが望ましい。更に、より高い電極密度が必要とされており、カテーテルが、改善された組織接触及び製造可能性を有するより複雑な電極アレイを可能にする様式で、追加の電極支持構造体を収容することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のカテーテルは、製造可能性の改善のためにより単純な構造を有しながら、依然として、より高い電極密度及び組織接触のために複雑な電極アレイを収容することができる、遠位電極組立体又はアレイを提供する。本カテーテルは、ルーメンを有する装着部材と、1つ又は2つ以上のスパイン支持体とを備える電極アレイを含み、各スパイン支持体は、平面構造を有する基部と、基部から延在する複数のスパインとを含み、ここで、各基部はルーメン内で異なる平面を占有する。
【0007】
平面構造を有することにより、各基部は、有利なことに、各基部がステムのルーメン内で異なる平面を占有する「積層」構造で装着部材又はステムに位置付けられる。例えば、「積層」構造は、それぞれが、装着ステムのルーメン内で異なる平面を占有する、「階層」(又は「複数階層」)の構造を含む。ステム及び複数の基部で利用可能な空間の量に応じて、基部は、各階が異なる平面を占有し、隣接する階からある間隔で離間している複数階層の建物の階と同じように、隣接する基部からある間隔で離間して位置合わせされ得る。
【0008】
いくつかの実施形態において、各スパインは、近位部分及び遠位部分を含み、アレイの遠位部分が、共通の平面に延在する。アレイの遠位部分は、線形であってもよい。遠位部分は、互いに平行であってもよい。共通の平面は、基部が占有する平面のうちの少なくとも1つと平行であり得る。
【0009】
いくつかの実施形態において、各スパインは、自由遠位端を有する。いくつかの実施形態において、各スパインは遠位端を有し、この遠位端が、別のスパインの少なくとも1つの遠位端に接続される。
【0010】
本発明はまた、細長いカテーテル本体と電極アレイとを備えるカテーテルを対象とし、このアレイは、装着ステムと、少なくとも第1及び第2のスパイン支持体とを備え、各スパイン支持体は、平面構造を有する基部と、基部から延在する複数のスパインとを含む。このアレイはまた、各スパイン上に非導電性被覆材と、スパイン上に保持される1つ又は2つ以上の電極とを含む。第1の基部は、第1の平面でステムのルーメン内に固定され、第2の基部は第1の平面とは異なる第2の平面でステムのルーメン内に固定される。
【0011】
本発明は更に、細長いカテーテル本体と、カテーテル本体の遠位の電極アレイとを備えるカテーテルを対象とし、このアレイは、装着ステムと、少なくとも第1及び第2のスパイン支持体とを備え、各スパイン支持体は、平面構造を有する基部と、基部から延在する複数のスパインとを含む。このアレイはまた、各スパイン上に非導電性被覆材と、スパイン上に保持される1つ又は2つ以上の電極とを含む。第1の基部は、第1の平面でステムのルーメン内に固定され、第2の基部は、第1の平面とは異なる第2の平面でステムのルーメン内に固定され、各スパインは、遠位線形部分を有し、アレイの遠位線形部分は、互いに平行である。
【0012】
いくつかの実施形態において、アレイの遠位線形部分は、ステムの長手方向軸と平行である。
【0013】
いくつかの実施形態において、複数のスパインは、約2〜6個の範囲に及ぶ。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明のこれらの及び他の特徴及び利点は、添付の図面とともに考慮されるとき、以下の詳細な説明を参照することによって更に理解されよう。
図1】いくつかの実施形態による、本発明のカテーテルの斜視図である。
図2A】第1の直径に沿って取られた、カテーテル本体と偏向区画との間の接合部を含む、図1のカテーテルの側断面図である。
図2B】第1の直径に概ね垂直な第2の直径に沿って取られた、図2Aの接合部を含む、図1のカテーテルの側断面図である。
図2C】線C−Cに沿って取られた、図2A及び図2Bの偏向区画の端面断面図である。
図3A】第1の直径に沿って取られた、偏向区画と遠位電極組立体との間の接合部を含む、図1のカテーテルの側断面図である。
図3B】第1の直径に概ね垂直な第2の直径に沿って取られた、図3Aの接合部の側断面図である。
図3C】線C−Cに沿って取られた、図3A及び図3Bの偏向区画の端面断面図である。
図3D】線D−Dに沿って取られた、図3A及び3Bの接合部の端面断面図である。
図4A】一実施形態による、一部を切り取った、偏向区画と遠位電極組立体との間の接合部の斜視図である。
図4B】線B−Bに沿って取られた、図4Aのスパインに装着された環状電極の端面断面図である。
図5図4Aのスパイン支持体及び装着ステムの部分斜視図である。
図6A図5のスパイン支持体及び装着ステムの詳細斜視図である。
図6B図6Aのスパイン支持体及び装着ステムの端面図である。
図7A】一実施形態による、スパインに装着された灌注環状電極の斜視図である。
図7B】線A−Aに沿って取られた、図7Aの灌注環状電極の側断面図である。
図7C】線B−Bに沿って取られた、図7Bの灌注環状電極の端面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示すように、カテーテル10は、細長いカテーテル本体12と、中間偏向区画14と、複数のスパインを有する遠位電極組立体又はアレイ15と、カテーテル本体12の近位端に取り付けられた偏向制御ハンドル16とを備える。本発明の特徴によると、遠位電極アレイ15は、より複雑なスパイン形状に適応すると同時に、電極と組織との接触及びカテーテルの製造可能性を改善する、空間効率の良い様式で、スパインをカテーテルの遠位端に装着することができる、複数のスパイン支持体を含む。
【0016】
図2A及び図2Bを参照すると、カテーテル本体12は、単一の、軸方向又は中央ルーメン18を有する細長い管状構造を含む。カテーテル本体12は、可撓性、即ち屈曲可能であるが、その長さに沿って実質的に圧縮不能である。カテーテル本体12は、任意の好適な構造のものでよく、任意の好適な材料で作製することができる。いくつかの実施形態では、カテーテル本体12は、ポリウレタン又はPEBAXで製造された外壁20を含む。外壁20は、ステンレス鋼などの編組メッシュが埋め込まれていることによって、カテーテル本体12のねじり剛性が高められているため、制御ハンドル16が回転すると、カテーテル10の中間区画14がこれに応じて回転する。
【0017】
カテーテル本体12の外径は、重要ではない。同様に、外壁20の厚さもそれほど重要ではないが、外壁20は、中央ルーメン18が引張りワイヤ、1つ又は2つ以上のリード線、及び他の任意の所望のワイヤ、ケーブル、又は管を担持できるように充分に薄い。所望の場合、外壁20の内側表面は、捻り安定性を向上させるために補強管22で裏打ちされる。
【0018】
図2A図2B、及び図2Cに示すように、中間区画14は、4つの軸外のルーメン31、32、33、及び34などの複数のルーメンを有する管材19のより短い区画を含む。第1のルーメン31は、アレイ15上に装着される環状電極37のための複数のリード線40Sを保持している。第2のルーメン32は、第1の引張りワイヤ24を保持している。第3のルーメン33は、電磁位置センサ42のためのケーブル36、並びに遠位電極アレイ15の近位にカテーテル上に保持された遠位及び近位環状電極38D及び38P用の複数のリード線40D及び40Pを保持している。(例えば、図示された実施形態において、第2のルーメン32の正反対の)第4のルーメン34は、第2の引張りワイヤ26を保持している。管材19は、好ましくはカテーテル本体12よりも可撓性である、適切な非毒性材料で製造される。管材19に好適な材料の1つは、編組ポリウレタン、すなわち、編組ステンレス鋼などの埋込みメッシュを有するポリウレタンである。それぞれのルーメンの寸法は重要ではないが、リード線、引張りワイヤ、ケーブル、及び任意の他の部品を収納するのに十分である。
【0019】
カテーテルの有用な長さ、すなわち、身体内に挿入することができる、遠位電極アレイ15を除く部分は、所望に応じて変化させることができる。好ましくは、有用な長さは、約110cm〜約120cmの範囲に及ぶ。中間区画14の長さは、有用な長さの比較的より小さい部分であり、好ましくは約3.5cm〜約10cm、より好ましくは約5cm〜約6.5cmの範囲に及ぶ。
【0020】
カテーテル本体12を中間区画14に取り付ける手段が、図2A及び図2Bに示されている。中間区画14の近位端は、カテーテル本体12の内側表面を受容する外周ノッチ27を含む。中間区画14及びカテーテル本体12は、接着剤等により取り付けられる。
【0021】
所望の場合、スペーサ(図示せず)を、カテーテル本体内の、(提供される場合)補強管の遠位端と中間区画の近位端との間に配置してもよい。スペーサは、カテーテル本体と中間区画との接合部で可撓性の変化をもたらし、これによりこの接合部が折り畳まれる又はよじれることなく滑らかに曲がることが可能になる。かかるスペーサを有するカテーテルは、参照により本明細書に援用されている米国特許第5,964,757号の開示において記載されている。
【0022】
図3A及び3Bに示すように、遠位電極アレイ15は、中間偏向区画14の管材19の遠位端に装着される短い管材の形態で、装着部材又はステム46を含む。このステムは、カテーテルが偏向区画を含まない場合には、カテーテル本体12の遠位端に装着されてもよいことが理解される。ステム46は、様々な部品を収容する中央ルーメン48を有する。中間区画14とステム46とは、接着剤等により取り付けられる。ステム46は、ニチノールを含む、任意の好適な材料で構成されてもよい。
【0023】
図4Aに示すように、ステム46は、例えば、電磁位置センサ42、並びに引張りワイヤ24及び26の遠位アンカーを含む、様々な部品を収容する。開示された実施形態において、遠位アンカーは、1つ又は2つ以上のワッシャ、例えば、遠位ワッシャ50D及び近位ワッシャ50Pを含み、ワッシャのそれぞれは、偏向区画14とステム46との間の部品を通過させる複数の適合する軸方向の貫通穴を有する一方、カテーテル10の長手方向軸線95に対するこれらの部品の軸方向の位置合わせを維持している。図3Dに示すように、貫通穴は、管材19の第2及び第4のルーメン32及び34とそれぞれ軸方向に位置合わせし、引張りワイヤ24及び26の遠位端をそれぞれ受容している、穴54及び56を含む。引張りワイヤ24及び26は、穴54及び56を通過する遠位のUベンド区画で単一の引張部材を実際に形成することができることが理解される。引張りワイヤ24及び26のUベンド区画によって行使されたワッシャ50D及び50P上の張力によって、ワッシャは、固くかつしっかりと偏向区画14の管材19の遠位端に対して当接し、Uベンド区画を遠位に固定することができる。
【0024】
図3Dに示すように、各ワッシャはまた、貫通穴58を含み、貫通穴58は、第1のルーメン31と軸方向に位置合わせされ、偏向区画14からステム46のルーメン48内へリード線40Sを通過させる。各ワッシャは、貫通穴57を更に含み、貫通穴57は、第3のルーメン33と軸方向に位置合わせされ、偏向区画14から電磁位置センサ42が収納されているステム46のルーメン48内へセンサケーブル36を通過させる。リード線40Dはまた、穴57を通過し、ステム46の外側表面に保持された遠位環状電極38Dに取り付けるために、ステム46の側壁に形成された(図示せず)開口を介して、ルーメン48に入り、リード線40Dの遠位端は、当該技術分野において周知のように、溶融され、又は別の方法で遠位環状電極38Dに取り付けられる。中間偏向区画14の遠位端付近の管材19の外側表面に保持された近位の環状電極38Pは、第3のルーメン33と管材19の外側との間の連通をもたらす管材19の側壁に形成された開口87(図3B)を介してリード線40Pに接続される。リード線の遠位端は、溶融され、又は別の方法で当該技術分野において周知のように近位の環状電極38Pに取り付けられる。
【0025】
図4A、5、6A、及び6Bを参照すると、複数のスパイン支持体21が、ステム46の遠位端付近でルーメン48内に固定されており、各支持体21は、基部23と、基部23の遠位端から延在する複数のスパイン25とを有する。各スパイン25は、少なくとも近位部分25P及び遠位部分25Dを有する。スパイン25は、自由遠位端を有するフィンガのように延在してもよく(図1の実線を参照)、又はスパインは、その遠位端が繋がって閉鎖したループを形成してもよい(図1の破線を参照)。平面構造を有することにより、各基部23は、有利なことに、ステム46内で、各基部23がステム46内の異なる平面を占有する「積層」構造で位置付けられる。例えば、「積層」構造は、各基部23が、ステム46内の異なる平面を占有して互いに位置合わせされている「階層」又は「複数階層」構造を含んでもよい。ステム及び複数の基部で利用可能な空間の量に応じて、基部は、各階が異なる平面を占有し、隣接する階からある間隔で離間している複数階層の建物の階と同じように、隣接する基部23からある間隔で離間していてもよい。ステム46は、例えば、円形、楕円形、長方形、及び多角形を含む、任意の適切又は所望される断面形状を有し得る。
【0026】
図示した実施形態において、アレイ15は、第1のスパイン支持体21a及び第2のスパイン支持体21bを有し、基部23a及び23bは、それぞれ、平面Pa及びPbを占有するか又はそれらの平面で延在し、これらは、ある距離dで離間している。このように、基部23a及び23bから延在するスパイン25a及び25bは、基部23a及び23bがステム46内で最小限の空間を占有している一方で、複数の異なる方向に自由に延在する。アレイ15の構成及び製造可能性もまた、これらの基部の積層配設によって単純化される。
【0027】
より複雑なアレイ形状には、遠位スパイン部分25Da及び25Dbが、それらのそれぞれの基部23a及び23bがステム46内で異なる平面Pa及びPb内にあるにも関わらず、全てが共通の平面Pc内に延在することが含まれ得る(図5を参照)。例えば、平面Pa及びPbは、所望又は必要に応じて、互いに平行又は非平行であってもよく、平面Pcは、平面Pa若しくは平面Pbと同一平面上にあり得るか、又はこれが、平面Pa及びPb(平面Pcと平行若しくは非平行)とは異なる平面を画定してもよい。
【0028】
ステム46は、所望又は必要に応じて、アレイ15に追加のスパインを提供するために、そのルーメン48内で、基部23aと23bとの間、基部23aの上、及び/又は基部23bの下に、追加の基部を収容してもよいことが、特に図6A及び6Bから理解される。基部23は、ステム46内でスパイン15をしっかりと固定し、アレイ15の組立及びカテーテルの遠位端への装着(ステムが偏向区画14の遠位端に装着されるか、又はカテーテルが偏向区画14を有さない場合にはカテーテル本体12の遠位端に装着されるかに関わらず)を大幅に単純化する。
【0029】
図6Bに最もよく示すように、近位スパイン部分25Paは、近位スパイン部分25Pbがその基部23bから延在する位置とは異なる位置でその基部23aから延在してもよく、結果として、近位スパイン部分25Paは、基部23aと23bとが位置合わせされていても、近位スパイン部分25Pbから横方向にオフセットされる。
【0030】
図示した実施形態において、近位スパイン部分25P及び遠位スパイン部分のいずれも、直線25Dであるが、しかしながら、近位スパイン部分25Pは、ステム46の長手方向軸から分岐しており、一方で遠位スパイン部分25Dは、ステム46の長手方向軸と平行である。
【0031】
各スパイン25は、図4Aに示すように、その長さに沿って、非導電性管材又は被覆材64を有する。各スパイン25には、1つ又は2つ以上の環状電極37が、被覆材64の上に装着されている。アレイ15の近位で、環状電極37のリード線40Sが、保護ポリチューブ68を通じて延在している。リード線40Sはポリチューブ68の遠位端付近で分岐し、それらのそれぞれのスパイン25に向かって、それぞれの非導電性被覆材64のルーメン65内に延在する。図4Bに示すように、各リード線40Sは、被覆材64の側壁を通ってリード線の遠位端が被覆材64の外側に到達し、被覆材64の側壁に形成されたそれぞれの開口部69を介してそのそれぞれの環状電極37に接続され、溶接されるか、又は別の方法でその環状電極37に取り付けられる。
【0032】
他の実施形態において、灌注環状電極37Iは、図7A、7B、及び7Cに示すように、スパイン25上に保持される。各スパイン25は、スパインが中を通って延在する第1のルーメン81、リード線40Sのための第2のルーメン82、及び通路88を通じて管材80の外壁と流体ポート85を伴って形成されている環状電極37Iの側壁との間の環状の間隔Gに灌注液を送るための、管材80の側壁に形成された第3のルーメン83を有する、それぞれの複数ルーメン管材80によって被覆される。
【0033】
いくつかの実施形態において、環状電極(灌注又は非灌注)は、遠位スパイン部分25D上に保持される。各スパイン上の複数の環状電極は、約4〜11個、好ましくは約6〜9個の範囲に及び、より好ましくは約8個であり得る。複数のスパインに応じて、遠位電極アレイ15は、約20〜44個、好ましくは約28〜36個の範囲の電極、より好ましくは約32個の電極である、複数の電極を保持する。いくつかの実施形態において、電極密度は、1平方センチメートルあたり約15個の電極であり、約12mm×18mmの寸法である。
【0034】
いくつかの実施形態において、スパイン支持体23及びステム46は、形状記憶を有する材料、即ち、力が行使されると、その本来の形状から離れて一時的に直線状に伸ばすか又は屈曲させることができ、かつ力が行使されないか、又は取り除かれると、実質的に本来の形状に戻ることが可能である材料で作製される。支持部材に好適な材料は、ニッケル/チタン合金である。そのような合金は、典型的には、約55%のニッケル、及び約45%のチタンを含むが、約54%〜約57%のニッケルを含み、残部をチタンとすることができる。ニッケル/チタン合金は、耐久性、強度、耐食性、電気抵抗、及び温度安定性とともに、優れた形状記憶性を有する、ニチノールである。スパイン支持体は、例えば、打抜き又はレーザー切断により基部及びスパインの構造となる、シート状材料から形成されてもよい。基部23の側縁部は、例えば、レーザー溶接、接着等の任意の好適な手段によって、ステム46の内側表面に固定されてもよい。スパイン25を包囲する非導電性被覆材64又は管材80は、任意の好適な材料から作製することができ、好ましくは、ポリウレタン又はPEBAX等の生体適合性プラスチックから作製される。
【0035】
遠位電極アレイ15とステム46との接合部において、各スパイン25の非導電性被覆材64又は複数ルーメンの管材80は、ポリウレタン等によってその近位端でステム46に取り付けられて、封止されてもよい。
【0036】
スパインのループ環状電極37並びにアレイ15の近位の遠位及び近位環状電極38D及び38Pのリード線40S、40D、及び40Pの近位端は、それぞれ、制御ハンドル16の遠位端において好適なコネクタに電気接続され(図示せず)、当該技術分野で周知のように、例えば、RFエネルギーである、アブレーションエネルギー源に接続される。リード線40S、40D、及び40Pは、カテーテル本体12の中央ルーメン18を通って延在する(図2B)。リード線40Sは、中間区画14の管材19の第1のルーメン31を通って延在し、リード線40D及び40Pは、管材19の第3のルーメン33を通って延在する(図2C、及び3C(FIGA. 2C and 3C))。ワッシャ50D及び50Pの穴58を通過する際、リード線40Sは、穴58によって傷つけられないように保護するポリチューブ68を通って延在する(図3D)。
【0037】
描写された実施形態において、カテーテル本体12の中央ルーメン18を通って延在するリード線40S及び偏向区画14における第1のルーメン31は、保護用シース94内に取り囲まれ、カテーテル内の他の部品との接触を防ぐ。保護用シースは、任意の好適な材料、好ましくはポリイミドから製造されてもよい。当業者により認識されるように、保護用シースは、所望の場合、排除されてもよい。
【0038】
環状電極37、37I、及び38D、及び38Pは、プラチナ又は金、好ましくはプラチナ及びイリジウムの組み合わせ等の任意の好適な固体導電性材料から作製され、接着剤等を用いて非導電性カバー64及びステム46の上に装着される。あるいは、環状電極は、非導電性カバー64及びステム46を、プラチナ、金、及び/又はイリジウム等の導電性材料でコーティングすることによって形成してもよい。コーティングは、スパッタリング、イオンビーム蒸着、又は同等の手法を使用して適用することができる。
【0039】
いくつかの実施形態において、スパイン25上に保持される各環状電極は、比較的短く、約0.4mm〜約0.75mmの範囲の長さを有する。更に、電極は、対として配設されてもよく、この場合、対となる2つの電極が、他の電極対よりも互いに近接して配置される。近接配置された電極対により、心房細動の治療を試みる際に非常に有用である、遠距離場の心房信号に対する近距離場の肺静脈電位の検出の精度を向上できる。具体的には、近距離場の肺静脈電位は極めて小さい信号であり、一方で心房は、肺静脈に極めて近接する場所にあり、遙かに大きい信号を提供する。したがって、マッピングアレイが肺静脈の領域内に配置される場合であっても、信号が、小さく、(肺静脈から)近い電位、又はより大きく、(心房から)より遠い電位のいずれであるかを、医師が判定することは、困難である場合がある。近接配置される双極子電極により、医師は、近接する信号を検査しているのか、又は遠方の信号を検査しているか、をより正確に判定することが可能になる。したがって、近接配置される電極を有することによって、肺動脈電位を有する心筋組織の場所を、正確に標的とすることが可能であるため、臨床医は、特定の組織に治療を施すことが可能になる。更には、近接配置される電極により、医師は、電気信号によって、心門/複数の心門の正確な解剖学的場所を判定することが可能になる。
【0040】
いくつかの実施形態において、近位電磁位置センサ42Pは、ステム46のルーメン48内に収容される(図4A)。センサケーブル36Pは、ワッシャ50の穴57(図3D)、偏向区画14の管材19の第3のルーメン33(図2C)、及びカテーテル本体12の中央ルーメン18(図2B)を通って、位置センサ42Pの近位端から延在する。ケーブル36Pは、当該技術分野において周知のように、制御ハンドル16におけるPCボードへ取り付けられる。いくつかの実施形態において、1つ又は2つ以上の遠位電磁位置センサは、アレイ内、例えば、アレイの1つ又は2つ以上の遠位部分内に収容され得る。センサケーブル(複数可)36Dは、スパイン被覆材64のルーメン65(図4B)又は管材80の第4のルーメン84(図7C)を通って延在し得る。
【0041】
図2A及び2Cに示すように、(2つの別個の引張部材であるか、又は単一の引張部材の一部であるかに関わらず)引張りワイヤ24及び26は、中間区画14の双方向性偏向のために設けられる。引張りワイヤ24及び26は、サム制御ノブ(thumb control knob)又は偏向制御ノブ11に応答する制御ハンドル16内の機構によって作動される。好適な制御ハンドルは、米国特許第6,123,699号、同第6,171,277号、同第6,183,435号、同第6,183,463号、同第6,198,974号、同第6,210,407号、及び同第6,267,746号に開示され、これらの全開示は、参照により本明細書に援用される。
【0042】
引張りワイヤ24及び26は、カテーテル本体12の中央ルーメン18(図2A)、並びにそれぞれ偏向区画14の管材19の第2及び第4のルーメン32及び34(図2C)を通って延在する。図3A及び図3Cに示すように、それらは、ワッシャ50のそれぞれ、穴54及び56を通って延在する。引張りワイヤが単一の引張部材の一部であり、単一の引張部材は、引張りワイヤの遠位端を固定する遠位ワッシャ50Dの遠位面にUベンド24/26U(図3A)を有する。ついては、Uベンドは、短い保護用管材70を通って延在し、穴54及び56からの引張りワイヤを保護する。あるいは、引張りワイヤが別個の引張部材である場合、それらの遠位端は、当該技術分野において周知であり、その全容が参照により本明細書に援用されている、例えば、米国特許第8,603,069号に記載されているように、Tバーを介して固定されてもよい。いずれにせよ、引張りワイヤ24及び26は、ステンレス鋼又はニチノールといった任意の好適な金属で製造され、それぞれは、好ましくは、TEFLON等でコーティングされる。コーティングによって引張りワイヤに潤滑性が付与される。引張りワイヤは、好ましくは、約0.015〜約0.025cm(0.006〜約0.010インチ)の範囲の直径を有する。
【0043】
図2Bに示されるように、圧縮コイル66は、それぞれの引張りワイヤ24を包囲する関係でカテーテル本体12の中央ルーメン18内に位置する。それぞれの圧縮コイル66は、カテーテル本体12の近位端から中間区画14の近位端まで延在する。圧縮コイル66は、任意の好適な金属、好ましくはステンレス鋼で製造される。それぞれの圧縮コイル66は、可撓性、すなわち、屈曲性をもたらすが、圧縮に耐えるように、それ自体に緊密に巻かれる。圧縮コイル66の内径は、好ましくはその引張りワイヤの直径よりも僅かに大きい。それぞれの引張りワイヤ上のTeflonコーティングは、引張りワイヤがその圧縮コイル内で自由に摺動することを可能にする。
【0044】
圧縮コイル66は、その近位端で、(図示せず)近位接着部によってカテーテル本体12の外壁20に固定され、その遠位端で、遠位接着部92によって中間区画14に固定される。両方の接着部は、ポリウレタン接着剤などを含んでもよい。接着剤は、カテーテル本体12の側壁及び管材19に作製された穴を通って注射器等により適用されてもよい。かかる穴は、例えば、永続的な穴を形成するために十分に加熱された、側壁を穿刺する針等により形成されてもよい。次いで、接着剤は、穴を通って圧縮コイル66の外側表面へ導入され、外側の周囲に毛管現象で広がって(wicks around)、圧縮コイルの全周に接着部が形成される。
【0045】
中間偏向区画14の第2及び第4のルーメン32及び34内では、それぞれの引張りワイヤ24及び26は、プラスチック、好ましくはTeflon製の引張りワイヤ用シース39を通って延在し(図2A及び2C)、これにより、偏向区画14が偏向されるとき、引張りワイヤが、偏向区画14の管材19の壁を切断することを防止する。
【0046】
いくつかの実施形態において、アレイ15の近位の環状電極38D及び38Pは、EMセンサ42を自動で配置し、EMセンサ(複数可)から一定の場所にある電極38D及び38Pからの基準ロケーション値を処理し、電極37及び37Iの場所を判定し、電極アレイ15の残りを可視化する、Biosense Webster,Inc.から入手可能なCARTO(登録商標)3 SYSTEM等の3−Dマッピングシステムでのカテーテルの可視化のための基準電極として機能する。
【0047】
上記の説明は、現時点における本発明の好ましい実施形態を参照して示したものである。本発明が関係する分野及び技術の当業者であれば、本発明の原理、趣旨、及び範囲を著しく逸脱することなく、説明した構造の改変及び変更を実施できることを理解するであろう。当業者に理解されるように、図面は必ずしも一定の縮尺ではない。また、必要に応じて、又は適切であれば、異なる実施形態の異なる特徴が組み合わされてもよい。更に、本明細書に記載したカテーテルは、マイクロ波、レーザー、RF、及び/又は凍結材を含む、様々なエネルギー形態を適用するように構成されてもよい。したがって、上記の説明文は、添付図面に記載されかつ例示される厳密な構造のみに関連したものとして読み取るべきではなく、むしろ、以下の最も完全で公正な範囲を有するとされる「特許請求の範囲」と符合し、かつそれらを補助するものとして読み取るべきである。
【0048】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルであって、
細長いカテーテル本体と、
前記カテーテル本体の遠位の電極アレイであって、
少なくとも第1及び第2のスパイン支持体であって、それぞれのスパイン支持体が、平面構造を有する基部と、前記基部から延在する複数のスパインとを含む、スパイン支持体と、
前記スパイン上に保持される1つ又は2つ以上の電極と、を備える、電極アレイと、
を備え、前記第1の基部が第1の平面に延在し、前記第2の基部が前記第1の平面とは異なる第2の平面に延在する、カテーテル。
(2) 前記第1及び第2の平面が、平行である、実施態様1に記載のカテーテル。
(3) 前記第1及び第2の平面が、平行でない、実施態様1に記載のカテーテル。
(4) 各スパインが近位部分と遠位部分とを含み、前記アレイの前記遠位部分が共通の第3の平面に延在する、実施態様1に記載のカテーテル。
(5) 前記第3の平面が、前記第1及び第2の平面のうちの少なくとも1つと平行である、実施態様4に記載のカテーテル。
【0049】
(6) 前記アレイの前記遠位部分が、線形である、実施態様4に記載のカテーテル。
(7) 前記アレイの前記遠位部分が、互いに平行である、実施態様6に記載のカテーテル。
(8) 前記電極アレイは、前記少なくとも第1及び第2のスパイン支持体の前記基部が中に固定されるルーメンを有する、ステムを含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(9) 各スパインが、自由遠位端を有する、実施態様1に記載のカテーテル。
(10) 各スパインが遠位端を有し、該遠位端が、別のスパインの少なくとも1つの遠位端に接続されている、実施態様1に記載のカテーテル。
【0050】
(11) カテーテルであって、
細長いカテーテル本体と、
前記カテーテル本体の遠位の電極アレイであって、
前記カテーテル本体の遠位に取り付けられた近位端を有する装着部材と、
少なくとも第1及び第2のスパイン支持体であって、それぞれのスパイン支持体が、平面構造を有する基部と、前記基部から延在する複数のスパインとを含む、スパイン支持体と、
各スパイン上の非導電性被覆材と、
前記スパイン上に保持される1つ又は2つ以上の電極と、を備える、電極アレイと、
を備え、前記第1の基部が、第1の平面で前記装着部材のルーメン内に固定され、前記第2の基部が、前記第1の平面とは異なる第2の平面で前記ルーメン内に固定されている、カテーテル。
(12) 前記第1及び第2の平面が、平行である、実施態様11に記載のカテーテル。
(13) 前記第1及び第2の平面が、平行でない、実施態様11に記載のカテーテル。
(14) 各スパインが近位部分と遠位部分とを含み、前記アレイの前記遠位部分が共通の第3の平面に延在する、実施態様11に記載のカテーテル。
(15) 前記第3の平面が、前記第1及び第2の平面のうちの少なくとも1つと平行である、実施態様14に記載のカテーテル。
【0051】
(16) 前記アレイの前記遠位部分が、線形である、実施態様14に記載のカテーテル。
(17) 前記アレイの前記遠位部分が、互いに平行である、実施態様16に記載のカテーテル。
(18) カテーテルであって、
細長いカテーテル本体と、
前記カテーテル本体の遠位の電極アレイであって、
前記カテーテル本体の遠位に取り付けられた近位端を有する装着ステムと、
少なくとも第1及び第2のスパイン支持体であって、それぞれのスパイン支持体が、平面構造を有する基部と、前記基部から延在する複数のスパインとを含む、スパイン支持体と、
各スパイン上の非導電性被覆材と、
前記スパイン上に保持される1つ又は2つ以上の電極と、を備える、電極アレイと、
を備え、前記第1の基部が、第1の平面で前記ステムのルーメン内に固定され、前記第2の基部が、前記第1の平面とは異なる第2の平面で前記ステムの前記ルーメン内に固定され、
各スパインが、遠位線形部分を有し、前記アレイの前記遠位線形部分が、互いに平行である、カテーテル。
(19) 前記アレイの前記遠位線形部分が、前記ステムの長手方向軸と平行である、実施態様18に記載のカテーテル。
(20) 前記複数のスパインが、約2〜6個の範囲である、実施態様18に記載のカテーテル。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C