(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上下に延び、折り目を介して互いに接続された複数の側板を備えた8角筒形の胴部と、前記胴部の上縁に設けられた複数の上フラップと、前記胴部の下縁に設けられた複数の下フラップとを有する函体を、前記胴部が扁平に折り畳まれた状態から前記胴部が8角筒形をなす開函状態にする開函装置を備えた製函機であって、
当該開函装置は前記胴部の前記側板、当該側板の上縁に設けられた上フラップ、及び当該側板の下縁に設けられた下フラップの少なくとも1つに着脱可能に係合する係合装置が設けられた支持部材を有する支持装置を備え、
前記支持部材は、当該支持装置に設けられた前記係合装置が前記側板に係合することによって当該側板を支持し、
前記支持部材のうち、少なくとも2つの当該支持部材は1つ以上の前記側板を介して互いに接続された2つの前記側板をそれぞれ支持し、
前記支持装置は、前記支持部材に設けられた前記係合装置の相対的な配置が扁平に折り畳まれた前記函体の当該係合装置に対応する前記側板の相対的な配置と等しくなるように当該支持部材を配置する閉形態と、前記支持部材に設けられた前記係合装置の相対的な配置が前記開函状態であり前記函体の当該係合装置に対応する前記側板の相対的な配置と等しくなるように当該支持部材を配置する開形態とに変位可能に構成され、
前記支持装置が前記支持部材として、前側板を支持する前支持部材と、前記開函状態において前記前側板に平行に配置される後側板を支持する後支持部材と、前記前側板に1つの第1中間側板を介して接続され、かつ、前記後側板に1つの第2中間側板を介して接続された横側板を支持する横支持部材とを有し、
前記支持装置が前記開形態にあるときに、前記横支持部材が前記後支持部材に対して略90度をなすように開かれ、前記前支持部材が前記後支持部材に対して、前記第1中間側板、前記横側板、及び前記第2中間側板の幅の和より小さく、前記横側板の幅よりも大きい距離を介して平行に配置されることを特徴とする製函機。
前記函体は、前記第2中間側板と前記後側板との間の折り目、又は前記第2中間側板と前記横側板の側との間の折り目が、前記扁平に折り畳まれた状態の前記函体の前記胴部の側縁をなすことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の製函機。
前記前駆動装置及び前記後駆動装置を停止させ、かつ、前記支持装置が前記閉形態から前記開形態に変形することによって、前記函体が4角筒状に開函されることを特徴とする請求項5に記載の製函機。
前記支持装置が、基台と、前記基台に回動可能に接続された1組の等長な揺動リンク、及び前記揺動リンクのそれぞれの先端に回動可能に接続された中間リンクを備えた平行リンク機構を有し、
前記後支持部材が前記中間リンクに支持され、
前記横支持部材が前記揺動リンクの一方に支持されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つの項に記載の製函機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、開函工程において、胴部が4角筒形をなすように開函された後、8角筒形をなすように成形されるため手間がかかり、胴部の形状にばらつきが生じやすいという問題があった。
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑み、8角筒形に開函することのできる製函機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、上下に延び、折り目を介して互いに接続された複数の側板を備えた8角筒形の胴部(2P)と、前記胴部の上縁に設けられた複数の上フラップ(2U)と、前記胴部の下縁に設けられた複数の下フラップ(2L)とを有する函体(2)を、前記胴部が扁平に折り畳まれた状態から前記胴部が筒形をなす開函状態にする開函装置を備えた製函機(1、200、300)であって、当該開函装置は前記胴部の前記側板、当該側板の上縁に設けられた上フラップ(2U)、及び当該側板の下縁に設けられた下フラップの少なくとも1つに着脱可能に係合する係合装置(25、35、45)が設けられた支持部材(18、19、43)を有する支持装置(12)を備え、前記支持部材は、当該支持装置に設けられた前記係合装置が前記側板に係合することによって当該側板を支持し、前記支持部材のうち、少なくとも2つの当該支持部材は1つ以上の前記側板を介して互いに接続された2つの前記側板をそれぞれ支持し、前記支持装置は、前記支持部材に設けられた前記係合装置の相対的な配置が扁平に折り畳まれた前記函体の当該係合装置に対応する前記側板の相対的な配置と等しくなるように当該支持部材を配置する閉形態と、前記支持部材に設けられた前記係合装置の相対的な配置が前記開函状態の前記函体の当該係合装置に対応する前記側板の相対的な配置と等しくなるように当該支持部材を配置する開形態とに変位可能に構成されているとよい。
【0008】
この態様によれば、8角筒形の胴部を有する函体の側板のうち、少なくとも1つの側板を介して接続する2つの側板の相対的な配置が、それぞれ開函状態の函体の対応する側板の相対的な配置と等しくなるように配置されるため、函体が8角筒形の胴部を有するように変形される。
【0009】
また、上記の態様において、前記函体は前記下フラップを折り曲げることによって前記函体の下の開口を閉塞するように変形可能に構成され、前記開函状態の前記函体の前記胴部が前記下フラップを折り曲げることによって前記函体の下の開口を閉塞するように変形された前記函体の前記胴部と同じ形状を有するとよい。
【0010】
この態様によれば、開函装置によって函体が開函状態となった後、函体の下フラップを折り曲げることによって、函体の下の開口を閉塞することが可能となる。
【0011】
また、上記の態様において、前記支持装置が、3つの前記支持部材(18、19、43)を備えるとよい。
【0012】
この態様によれば、支持部材によって函体の3つの側板が支持されるため、精度よく函体が8角筒形の胴部を有するように変形される。
【0013】
また、上記の態様において、前記支持装置(12)が、前側板(2PA)を支持する前支持部材(43)と、前記開函状態において前記前側板に平行に配置される後側板(2PE)を支持する後支持部材(18)と、前記前側板に1つの第1中間側板(2PB)を介して接続され、かつ、前記後側板に1つの第2中間側板(2PD)を介して接続された横側板(2PC)を支持する横支持部材(19)とを有し、前記支持装置が前記開形態にあるときに、前記横支持部材が前記後支持部材に対して略90度をなすように開かれ、前記前支持部材が前記後支持部材に対して、前記第1中間側板、前記横側板、及び前記第2中間側板の幅の和より小さく、前記横側板の幅よりも大きい距離を介して平行に配置されるとよい。
【0014】
この態様によれば、後側板と横側板とは互いに略90度の角度をなし、横側板と前側板とは互いに略90度をなし、後側板と前側板とは互いに平行になるように配置されるため、精度よく函体が8角筒形の胴部を有するように変形される。
【0015】
また、上記の態様において、前記第2中間側板(2PD)と前記後側板(2PE)との間の折り目、又は前記第2中間側板と前記横側板(2PC)の間の折り目が、前記扁平に折り畳まれた状態の前記函体の前記胴部の側縁をなすとよい。
【0016】
この態様によれば、函体が折り畳まれた状態において折り込まれた折り目を跨いで、後側板及び横側板が設けられているため、後側板と横側板とを角度をなすように開いたときに、胴部が8角形筒状に変形しやすい。
【0017】
また、上記の態様において、前記支持装置が前記閉形態にあるときに、前記前支持部材、前記横支持部材、及び前記後支持部材のうち、1つの前記支持部材が対応する前記側板を前記支持装置が前記開形態にあるときの当該支持部材に対する当該側板の位置に支持し、
前記1つの支持部材以外の前記支持部材は、当該支持部材に設けられた前記係合装置をその延在方向に変位可能に支持するとよい。
【0018】
この態様によれば、前支持部材、横支持部材、及び後支持部材のうち、1つの支持部材が対応する側板を支持装置が開形態にあるときのその支持部材に対するその側板の位置に支持しているため、その支持部材とその支持部材に設けられた係合装置との間にアクチュエータを要せず、製函機の構造が簡素になる。
【0019】
また、上記の態様において、前記前支持部材は前係合装置をその延在方向に変位可能に支持し、前記横支持部材は横係合装置をその延在方向に変位可能に支持し、前記後支持部材は後係合装置をその延在方向に変位可能に支持し、前記前係合装置と前記前支持部材との間に、前記前係合装置を前記前支持部材に対して前記前支持部材の延在方向に沿って変位させる前駆動装置(49)が設けられ、前記後係合装置と前記後支持部材との間に、前記後係合装置を前記後支持部材に対して前記後支持部材の延在方向に沿って変位させる後駆動装置(28)が設けられ、前記支持装置が前記閉形態から前記開形態に変形するときに、前記前駆動装置が、前記前係合装置を初期位置から所定の駆動後位置に変位させ、かつ、前記後駆動装置が、前記後係合装置を初期位置から所定の駆動後位置に変位させるとよい。
【0020】
この態様によれば、支持装置が開形態になったときに、前側板及び後側板を対応する駆動装置が変位させるため、より精度よく函体が8角筒形の胴部を有するように変形される。
【0021】
また、上記の態様において、前記前駆動装置及び前記後駆動装置を停止させ、かつ、前記支持装置が前記閉形態から前記開形態に変形することによって、前記函体が4角筒状に開函されるとよい。
【0022】
この態様によれば、製函機は駆動装置を停止させたときに函体を4角筒状の胴部を有するように変形し、駆動装置を駆動させたときに函体を8角筒状の胴部を有するように変形することが可能となる。
【0023】
また、上記の態様において、前記支持装置が、基台と、前記基台に回動可能に接続された1組の等長な揺動リンク(16)、及び前記揺動リンクのそれぞれの先端に回動可能に接続された中間リンク(17)を備えた平行リンク機構(15)を有し、前記後支持部材が前記中間リンクに支持され、前記横支持部材が前記揺動リンクの一方に支持されているとよい。
【0024】
この態様によれば、支持装置が後支持部材及び横支持部材が互いに平行に延在した閉形態と、後支持部材及び横支持部材が互いに角度を有するように開いた開形態との間で変形可能に構成される。
【0025】
また、上記の態様において、前記函体は、平行な2枚の板材(2F、2B)とそれらに挟まれた波形状の断面を有する中芯(2M)を備えた板状部材とによって形成され、前記上フラップの上側端面に前記中芯の波形状の断面が設けられ、前記係合装置はそれぞれ、前記上フラップの端面に刺さるピン(27)を有するとよい。
【0026】
この態様によれば、中芯の中空部分にピンを差し込むことによって、係合装置が上フラップに係合する。
【0027】
また、上記の態様において、前記下フラップ(2LO)を挟持し折り曲げる折曲装置(50)を有し、前記折曲装置は、間隙を介して配置された2つの部材(55A、55B)と、前記2つの部材の距離を変える変位装置(56)とを備え、前記変位装置が前記2つの部材の距離を変えることによって前記下フラップは前記2つの部材によって把持され、前記係合装置と前記上フラップとの係合が解除可能となるとよい。
【0028】
この態様によれば、折曲装置によって下フラップが把持され支持装置が上方へ移動すると、係合装置と上フラップとの係合が解除され、函体の移送が可能となる。
【0029】
また、上記の態様において、前記胴部を所定の幅方向に広げることによって前記胴部を8角筒形に成形する成形装置(61)を有するとよい。
【0030】
この態様によれば、函体の胴部がより精度よく8角筒形に成形される。
【0031】
また、上記の態様において、前記成形装置は、前記下フラップに係合し、前記下フラップを折り曲げつつ、所定の位置に配置させることによって、前記胴部を所定の幅方向に広げるとよい。
【0032】
この態様によれば、成形装置を胴部に内側に挿入することなく、胴部が広げられる。
【0033】
また、上記の態様において、前記成形装置は、前記胴部の前記側板の外面に吸着し、前記側板を所定の位置に配置させることによって、前記胴部を所定の幅方向に広げるとよい。
【0034】
この態様によれば、成形装置を胴部に内側に挿入することなく、胴部が広げられ、胴部が精度よく成形される。
【発明の効果】
【0035】
以上の構成によれば、8角筒形に開函することのできる製函機を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照して、本発明の製函機の実施形態について説明する。
【0038】
(函体)
実施形態に係る製函機1によって製函される函体は多角形函であり、
図2(A)に示すような8角形函2、及び
図6(A)に示すような4角形函3を含む。各函体は、上下に延びる多角筒形の胴部Pと、胴部Pの上縁と下縁にそれぞれ設けられた上フラップUと下フラップLとを有する。
【0039】
(8角形函)
図2(A)及び(B)に示されるように、8角形函2は、軸線が上下に延びる8角筒形の胴部2Pと、その上縁に設けられた4つの上フラップ2Uと、その下縁に設けられた4つの下フラップ2Lとを有する。胴部2Pは、8角形函2の各側面をなす、前パネル2PA、左前パネル2PB、左パネル2PC、左後パネル2PD、後パネル2PE、右後パネル2PF、右パネル2PG、右前パネル2PHの順に有し、それぞれ折り目を介して接続されている。上フラップ2U及び下フラップ2Lは、胴部のパネルに対して、略90度の角度をなすように折り込まれ、8角形の函体となる。
【0040】
図5(A)及び(B)に示されるように、8角形函2は2枚の板状の部材である表ライナ2F及び裏ライナ2Bと、その間に挟まれた波形状の断面を有する中芯2Mとを備えた板状の材料(例えば、段ボールシートなど)によって形成されている。函体は、中芯2Mの波形の流れ方向が8角形をなす胴部2Pの周方向に平行となるように形成されている。胴部2Pを構成するパネルの間の折り目2CR(例えば、前パネル2PAと左前パネル2PBの間の折り目等)は、
図5(A)に示されるように、流れ方向に平行となるように形成されている。一方、胴部2Pを構成するパネル2PA〜2PEと上フラップ2U、及び下フラップ2Lとの間の折り目2Sは、
図5(B)に示されるような流れ方向と垂直となるように形成されている。
【0041】
図5(A)と(B)とに示されるように、折り目は、中芯2Mの山と谷とを潰すように、裏ライナ2Bから筋目を入れることによって形成される。総じて、流れ方向に垂直に形成された折り目2Sは、流れ方向に平行に形成された折り目2CRに比べて、折れにくく、折れ曲げる力に抗する力が強い。胴部2Pを構成するパネルの間の折り目が、流れ方向に平行となるように形成されているため、胴部2Pのパネルの間の折り目は、胴部2Pと上下フラップ2U、2Lとの間の折り目に比べて折れ曲がりやすい。また、流れ方向に平行に折り目2CRは、表ライナ2Fが凸となり突出するようには曲げ易く、裏ライナ2Bが凸となり突出するようには曲げにくい性質があり、胴部2Pを開函することによって、扁平に折り畳まれた函体を8角形筒状に開くことができる。また、中芯2Mの波形の山と谷とが大きく潰されるほど折り目は折れやすくなることを利用し、胴部2Pと各上下フラップ2U、2Lとの折り目の折り曲げやすさが変えられている。
【0042】
図2(B),(C)、
図3(D),(E)、
図4(F)〜(H)に示されるように、8角形函2は胴部2Pとフラップの配置によって異なる状態に変形する。
図2(B)に示されるように、胴部2Pが展開され、上下のフラップ2U、2Lが胴部2Pと同一平面上に配置された状態は8角形函2のブランク状態である。
図2(C)に示されるように、筒形に形成された胴部2Pが扁平に折り畳まれ、上下のフラップ2U、2Lが胴部2Pと同じ方向に延在する状態は8角形函2の折り畳まれた状態である。
図3(D)及び(E)に示されるように、函体の折り畳まれた状態から胴部2Pが4角筒形となるように開かれ、上下のフラップ2U、2Lが胴部2Pの軸線と同方向に延在する状態は4角筒状態である。
図4(F)及び(G)に示されるように、胴部Pが8角筒形となるように開かれ、上下のフラップ2U、2Lが胴部2Pの軸線と同方向に延在する状態は開函状態である。
図2(A)のように、胴部2Pが所定の状態に形成され、上下のフラップ2U、2Lが胴部2Pの上下の開口を閉塞するように直交するように折り曲げられた状態は封緘状態である。
図4(H)のように、胴部2Pが所定の状態に形成され、下フラップ2Lが胴部2Pの下の開口を閉塞するように直交するように折り曲げられた状態は底組状態である。
【0043】
図2(B)は、8角形函2のブランク状態を示している。胴部2Pは、後パネル2PE、右後パネル2PF、右パネル2PG、右前パネル2PH、前パネル2PA、左前パネル2PB、左パネル2PC、左後パネル2PDの順に折り目を介して接続され1枚の平板をなしている。胴部2Pのパネルの上下には、上フラップ2U及び下フラップ2Lが接続されている。上フラップ2Uは、前パネル2PAの上縁に設けられた前上フラップ2UAと、左パネル2PCの上縁に設けられた左上フラップ2UBと、後パネル2PEの上縁に設けられた後上フラップ2UCと、右パネル2PGの上縁に設けられた右上フラップ2UDとを有する。下フラップ2Lは、前パネル2PAの上縁に設けられた前下フラップ2LAと、左パネル2PCの上縁に設けられた左下フラップ2LBと、後パネル2PEの上縁に設けられた後下フラップ2LCと、右パネル2PGの上縁に設けられた右下フラップ2LDとを有する。
【0044】
図2(B)に示すように、右後パネル2PFの後側縁には、折り目を介して結合片2Jが設けられている。ブランク状態の函体において、結合片2Jが後パネル2PEの内面に結合されることで、胴部2Pは筒形に形成される。扁平に折り畳まれた状態は、胴部2Pが前パネル2PAと右前パネル2PHとの間の折り目、及び、後パネル2PEと左後パネル2PDとの間の折り目において、360度をなすように折り曲げられ、8角形函2が扁平な板状になった状態である。
図2(C)に示されるように、扁平に折り畳まれた状態において、左前パネル2PB、左パネル2PC、左後パネル2PD、前パネル2PA、左上フラップ2UB、左下フラップ2LB、前上フラップ2UA、及び前下フラップ2LAが1つの平板をなしている。右後パネル2PF、右パネル2PG、右前パネル2PH、後パネル2PE、右上フラップ2UD、右下フラップ2LD、後上フラップ2UC及び後下フラップ2LCもまた異なる1つの平板をなしている。上フラップ2Uの上端及び下フラップ2Lの下端はそれぞれ上下方向の高さが揃い、上フラップ2Uの上端側面において、中芯2Mが波形状の断面が露出している。
【0045】
図3(D)及び(E)に示されるように、4角筒状態では、胴部2Pは軸線が上下に延びた4角筒状をなしている。左前パネル2PB、左パネル2PC及び左後パネル2PDは平板をなし、右前パネル2PH、右パネル2PG及び右後パネル2PFも平板をなし、それら2枚の平板が平行となるように位置している。前パネル2PAと後パネル2PEが平行に、かつ、それらの2枚の平板の両端を繋ぐように他のパネルが配置され、胴部2Pの断面が長方形状に形成されている。上フラップ2U及び下フラップ2Lは、それぞれのフラップが直接接続しているパネルに折り目を介して接続し上下方向に延びている。上フラップ2Uの上端及び下フラップ2Lの下端はそれぞれ上下方向の高さが揃うように設けられ、上フラップ2Uの上端側面において、中芯2Mが波形状の断面が露出している。
【0046】
図4(F)及び(G)に示されるように、開函状態では、胴部2Pは軸線が上下に延びた8角筒状をなすように形成されている。胴部2Pは、前パネル2PA、左前パネル2PB、左パネル2PC、左後パネル2PD、後パネル2PE、右後パネル2PF、右パネル2PG、右前パネル2PHが、それぞれ折り目を介して接続され、その折り目が所定の角度で曲げられている。上フラップ2U及び下フラップ2Lはそれぞれのフラップが直接接続する胴部2Pのパネルに対して平行となるように配置されている。前パネル2PA及び後パネル2PEは、それぞれ面が前後を向き、距離をおいて平行に配置されている。左パネル2PC及び右パネル2PGは、それぞれ面が左右を向き、互いに距離をおいて平行に配置されている。左前パネル2PB、左後パネル2PD、右後パネル2PF、及び右前パネル2PHは、前パネル2PA、左パネル2PC、後パネル2PE、及び右パネル2PGがなす4角筒の角部を面取りするように配置されている。
【0047】
図2(A)に示すように、封緘状態では、胴部2Pは8角筒状をなすように形成されている。左上フラップ2UB及び右上フラップ2UDの先端縁が前後に延びる接着テープTによって接着されている。同様に、左下フラップ2LB及び右下フラップ2LDの先端縁が前後に延びる接着テープTによって接着されている。各接着テープTの前端は前パネル2PAに接着され、後端は後パネル2PEに接着されている。
【0048】
図4(H)に示すように、底組状態では、胴部2Pは、8角筒状をなすように形成され、下フラップ2Lが胴部2Pの各パネルに直角に折り曲げられ、左下フラップ2LB及び右下フラップ2LDの先端縁が前後に延びる接着テープTによって接着され、上フラップ2Uは上方に開放されている。
【0049】
(4角形函)
図6(A)〜(D)に示すように、4角形函3は、軸線が上下に延びる4角筒形の胴部3Pと、胴部3Pの上縁に折り目を介して接続された4つの上フラップ3Uと、胴部3Pの下縁に折り目を介して接続された4つの下フラップ3Lとを有する。胴部3Pは、4角筒の各側面をなす、前パネル3PA、左パネル3PC、後パネル3PE、右パネル3PGを記載の順序で有している。
図6(A)に示されるように、封緘状態において、前パネル3PA及び後パネル3PEは、それぞれ面が前後を向き、互いに距離をおいて平行に配置されている。左パネル3PC及び右パネル3PGは、それぞれ面が左右を向き、互いに距離をおいて、平行に配置されている。
【0050】
図6(C)及び(D)に示されるように、下フラップ3Lは、前パネル3PA、左パネル3PC、後パネル3PE及び右パネル3PGの下縁に、それぞれ対応する、前下フラップ3LA、左下フラップ3LB、後下フラップ3LC、及び右下フラップ3LDを有する。上フラップ3Uは、下フラップ3Lと上下対称形となる、前上フラップ3UA、左上フラップ3UB、後上フラップ3UC、及び右上フラップ3UDを有する。
【0051】
図6(B)に示すように、4角形函3が折り畳まれた状態は、胴部3Pが前パネル3PAと右パネル3PGとの間の折り目、及び、後パネル3PEと左パネル3PCとの間の折り目において、360度をなすように折り曲げられ、4角形函3が扁平な板状になった状態である。
図6(C)に示すように、4角形函3の開函状態は、胴部3Pは軸線が上下に延びた長方形の4角筒状をなしている。前パネル3PA及び後パネル3PEは平行をなし相対するように配置されている。前パネル3PAの右端縁、及び後パネル3PEの右端縁を繋ぐように、右パネル3PGが設けられ、前パネル3PAの左端縁、及び後パネル3PEの左端縁を繋ぐように、左パネル3PCが設けられている。上フラップ3U及び下フラップ3Lは、それぞれのフラップが直接接続しているパネルに折り目を介して接続し上下方向に延びている。上フラップ3Uの上端及び下フラップ3Lの下端はそれぞれ上下方向の高さが揃うように設けられ、上フラップ3Uの上端側面において、中芯2Mが波形状の断面が露出している。
図6(A)に示されるように、封緘状態は、上下各フラップ3U、3Lが胴部3Pの各パネルに対して直角に折り曲げられ、左上フラップ3UB及び右上フラップ3UDの先端縁と、左下フラップ3LB及び右下フラップ3LDの先端縁とが前後に延びる接着テープTによって接着された状態である。
図6(D)に示すように、底組状態は、胴部3Pは、開函状態と同様に4角筒状をなすように形成され、下フラップ3Lが胴部3Pの各パネルに直角に折り曲げられ、左下フラップ3LB及び右下フラップ3LDの先端縁とが前後に延びる接着テープTによって接着され、上フラップのみが開放されている。
【0052】
<<第1実施形態>>
第1実施形態に係る製函機1は、前後に延びるセンターラインに沿って配置される。製函機1は、積載された折り畳まれた状態の8角形函2(以下、函体2と記載する)を1体ずつに分離し、分離された函体2の胴部2Pが8角筒状をなすように函体2を開函し、下フラップ2Lを折り曲げ、胴部2Pを8角筒状に成形し、下フラップ2Lをテーピングして、函体2を底組状態に変形して、前方に送出する。
【0053】
(供給装置)
図1に示されるように、製函機1は、その後端に折り畳まれた状態の複数の函体2を1体ずつに分離し送り出す供給装置5を備えている。供給装置5は前端が下がった斜面を有する載置台6を備え、載置台6に折り畳まれた状態の複数の函体2が支持される。載置台6には、折り畳まれた状態の複数の函体2が、その斜面に起立し、主面が前後方向となるように向き、前後方向に並ぶように載置されている。載置台6には押圧体7が設けられ、押圧体7はシリンダなどを駆動力として、載置された函体2の後端から函体2を前方に押圧している。
【0054】
図1、
図7及び
図8に示されるように、載置台6の前端には、函体2を1体ずつに分離するインジェクタ板8が設けられている。インジェクタ板8の上縁には、前後に1体の函体2の厚さ程度の幅を備え、上方に向かう面である供給支持面9と、その供給支持面9より前側に続き、上方に突出した突片とが設けられている。インジェクタ板8は、その供給支持面9が載置台6の前端と同じ高さとなる初期位置と、初期位置から上方に設けられた供給位置とに移動可能に構成されている。
【0055】
次に供給装置5の動作について説明する。載置台6に載置され、前方に付勢された函体2のうち、最前に位置する1体の函体2が供給支持面9へ押し出され、突片に衝当する。供給支持面9の前後幅は、1体の函体の厚さ程度であるために、供給支持面9には1体の函体2が移動する。供給支持面9に1体の函体2が移動した後、インジェクタ板8が初期位置から供給位置に移動することによって、1体の函体2が上方へ移動し送出される。1体の函体2の送出が完了すると、インジェクタ板8は初期位置へ戻る。インジェクタ板8が初期位置に戻ると、載置台6に載置された函体2のうち、最前に位置する1体の函体2が載置台6から供給支持面9に押し出される。
【0056】
(開函装置)
図7及び
図8に示されるように、製函機1は、供給装置5から送出された函体2を受け取り、その胴部2Pを8角筒状とするように開函する開函装置10を供給装置5の前側に備えている。開函装置10は、
図9、及び
図10に示されるように、載置台6の前側に設けられた開函装置基台11と、開函装置基台11の上側に上下に変位可能に支持され、胴部2Pの2つの側面を支持し、それらの側面を変位させる機構を有する支持装置12と、支持装置12を上下に移動させるための第1アクチュエータ13とを備える。
【0057】
図9、
図10及び
図11に示されるように、支持装置12は、載置台6の左端の前側に設けられた支持台14と、支持台14に接続された平行リンク機構15とを備えている。平行リンク機構15は、支持台14に回動可能に接続された1組の等長な揺動リンク16と、揺動リンク16のそれぞれの先端に回動可能に接続された中間リンク17とを備える。揺動リンク16の基端は、支持台14に前後に設けられた2つの点(
図9、
図10のP点、及びQ点)において、その点を通り上下方向に延びる線を軸線とする回動可能に支持されている。揺動リンク16の先端はそれぞれ、中間リンク17に連結している。本実施形態では、
図11に示されるように、揺動リンク16は上下に対をなして形成され、共に、1つの中間リンク17に結合している。
【0058】
中間リンク17の右側面には右方向に延びた第1支持部材18が結合している。揺動リンク16の2つのリンクのうち、前側のリンクの前面には、水平方向に延びた第2支持部材19が結合している。第2支持部材19には、第2支持部材19の延在方向に延びたレール(図示せず)が設けられている。
【0059】
支持装置12は、揺動リンク16の回動によって、閉形態と開形態との間を変位する。
図9に示されるように、支持装置12が閉形態にあるときは、第1支持部材18及び第2支持部材19は互いに平行に左右に延びている。第1支持部材18は、供給装置5の前側であり、第2支持部材19よりも後方に配置されている。
図10に示されるように、支持装置12が開形態にあるときは、第2支持部材19は、支持台14と揺動リンク16との結合点である点Qを中心として、平面視で左回りに回転し、第1支持部材18と第2支持部材19が略90度の角度をなすまで開く。以下では、必要に応じて、支持装置12の開状態を基準として、第1支持部材18及び第2支持部材19の互いに近接した側の端部を近位端とし、互いに離れた側の端部を遠位端として記載する。
【0060】
第1支持部材18の側面には、第1係合装置25が設けられている。
図11に示されるように、第1係合装置25は、前後に向かう面を有する板状の第1係合装置本体26と、第1係合装置本体26に結合したピン27とを備える。ピン27は、その基端が第1係合装置本体26に結合し、その基端から第1係合装置本体26に間隙を有して下方に延び、その先端が下方に突出した針状に形成されている。ピン27の先端は、上フラップ2Uの端面から函体2を構成する表ライナ2F、裏ライナ2B、及び中芯2Mとの間に形成された間隙に刺すことができ、かつ、ピン27が上フラップ2Uの端面に刺されたとき、ピン27と函体2との間に摩擦力が生じる程度の太さに形成されている。本実施形態では、第1係合装置25は第1支持部材18に固定されている。
【0061】
第2支持部材19には、その延在方向にスライド可能な第2係合装置35が設けられている。第2係合装置35は、第2支持部材19の延在方向、及び鉛直方向に沿って延びる板状に形成された第2係合装置本体36と、第2支持部材19に結合しているスライダ(図示せず)と、ピン27とを備える。第2係合装置35に設けられるピン27は、第1係合装置25に設けられるピン27と同様であり、針状に形成され、函体2の上フラップ2Uの端面から函体2に挿入され函体2に係合する。スライダは第2支持部材19のレールに摺動可能に結合している。スライダとレールの結合によって、第2係合装置本体36は第2支持部材19によってその延在方向にスライド移動可能に支持される。第2支持部材19と第2係合装置本体36との間には、2つの開函付勢装置38が設けられている。一方の開函付勢装置38は、その一端において第2支持部材19の遠位端側に結合し、第2支持部材19の近位端側に延び、他端において第2係合装置本体36に結合している。他方の開函付勢装置38は、その一端において第2支持部材19の近位端側に結合し、第2支持部材19の遠位端側に延び、他端において第2係合装置本体36に結合している。第2係合装置35は、2つの開函付勢装置38によって、それぞれ第2支持部材19の遠位端側、及び近位端側へ付勢されているため、第2係合装置35のピン27と上フラップ2Uとの係合が外れると第2係合装置35は所定の初期位置へ戻る。本実施形態では、開函付勢装置38として引張コイルばねが用いられている。
【0062】
図9及び
図10に示されるように、開函装置10には更に、中間リンク17に結合し前方へ延びた第1フレーム41が設けられている。第1支持部材18の右端には、前後に延びる第2フレーム42が結合されている。第1フレーム41及び第2フレーム42は互いに平行に形成され、第1フレーム41及び第2フレーム42にはそれぞれその延在方向(前後方向)に延びるレールが備えられている。第1フレーム41及び第2フレーム42には左右に延びる第3フレーム43が結合している。第3フレーム43の左右両端には、第1フレーム41及び第2フレーム42のレールに摺動可能に結合するスライダが設けられ、第3フレーム43は、第1フレーム41及び第2フレーム42によって前後に移動可能に支持されている。第1フレーム41、第2フレーム42、及び第3フレーム43は、第1支持部材18及び第2支持部材19に衝突することがないよう、第1支持部材18及び第2支持部材19の上方に設けられている。第3フレーム43の上側には、第3フレーム43の延在方向(左右方向)に延びるレールが備えられている。本実施形態では、第1フレーム41及び第2フレーム42を支持するため、それらの間に左右に延びるフレーム41Fが設けられている。
【0063】
第3フレーム43のレールには、そのレールに摺動可能にスライダが結合し、そのスライダには、後方に向かう面を有する第3支持部材44が結合している。第3フレーム43のレール、及びそのレールに摺動可能に接続されたスライダによって、第3支持部材44は、第3フレーム43の延在方向に沿って移動する。第3支持部材44の後方に向かう面には第3係合装置45が設けられている。第3係合装置45は、第2係合装置35と同様に、第3支持部材44の延在方向、及び鉛直方向に沿って延びる板状に形成され後方に向かう面を有する第3係合装置本体46と、その面上に形成され下方に延び上フラップ2Uの端面に係合可能なピン27を複数備えている。本実施形態では、第3係合装置45は、第3支持部材44に固定されている。さらに、第3フレーム43のレール上には、第3支持部材44の左方への移動を規制するため、開函ストッパ部材48が設けられている。
【0064】
支持装置12が閉形態にあるとき、第3係合装置本体46は第2係合装置本体36の右側に位置し、第1係合装置本体26と第2係合装置本体36及び第3係合装置本体46とは函体2の厚み程度の間隙を介して互いに平行となるように配置されている。第3係合装置本体46は、接続具47を介して第2係合装置本体36の遠位端側に結合している。本実施形態では、接続具47はL字金具を用いて構成され、第2係合装置本体36と接続具47とは上下方向を蝶番軸とする蝶番によって接続されている。そのため、第3係合装置本体46はその蝶番軸を軸線として第2係合装置本体36に対して回転するように移動する。さらに、第2係合装置本体36には、第2係合装置本体36に対する接続具47の回転角度を規制するため、接続具ストッパ部材47Sが設けられている。
【0065】
次に、開函装置10の動作について説明する。開函装置10は函体2を折り畳まれた状態から胴部2Pが8角筒状を有する開函状態に変形すべく動作する。開函状態において、函体2の前パネル2PA及び後パネル2PEは平行に形成され、左パネル2PC及び右パネル2PGは、前パネル2PAに対して略90度の角度をなし、左パネル2PCと後パネル2PEの左端との左右方向についての距離(
図10のZ)、及び左パネル2PCと前パネル2PAの左端との左右方向についての距離は、それぞれ、底組状態にある函体2の対応する距離と同じ長さになる。
【0066】
インジェクタ板8が供給位置に移動すると、函体2が上方へ押し出され、開函装置10に折り畳まれた状態の1枚の函体2が供給される。函体2は、その左端が後パネル2PEと左後パネル2PDとの間の折り目となり、かつ、前パネル2PAが後パネル2PEよりも前に位置するように開函装置10に積載されている。
【0067】
平行に配置された第1係合装置本体26と、第2係合装置本体36及び第3係合装置本体46との間に下側から挿入されることによって、函体2は開函装置10に供給される。函体2が開函装置10に供給されるとき、支持装置12は閉形態になっている。支持装置12が閉形態にあるとき、第1支持部材18、第2支持部材19、第3支持部材44は、第1係合装置25、第2係合装置35、及び第3係合装置45の相対的な配置がそれぞれ扁平に折り畳まれた函体2の後パネル2PE、左パネル2PC、及び前パネル2PAに等しくなるように配置されている。函体2が開函装置10に供給されると、第1係合装置25に設けられたピン27が函体2の後上フラップ2UCの上端面に刺さり、第1係合装置25に設けられたピン27が後上フラップ2UCと結合する。また、第1係合装置25と同様に、第2係合装置35に設けられたピン27が左上フラップ2UBと結合し、第3係合装置45に設けられたピン27が前上フラップ2UAに結合する。ピン27が上フラップ2Uに刺さった後、インジェクタ板8は、供給位置から初期位置へ下降し、函体2は第1係合装置25、第2係合装置35及び第3係合装置45に係合し、開函装置10に残される。
【0068】
本実施形態では、支持装置12が閉形態にあるとき、後パネル2PEと左後パネル2PDとの間の折り目と点Qとの左右方向における距離(
図9におけるX)と、後パネル2PEと左後パネル2PDとの間の折り目と点Qとの前後方向についての距離(
図9におけるY)の差が開函状態の函体2の後パネル2PEに対する左パネル2PCの左右方向についての距離(
図10におけるZ)と等しくなる位置において、函体2は第1係合装置25、第2係合装置35及び第3係合装置45に係合し、第1支持部材18、第2支持部材19、及び第3支持部材44に支持される。
【0069】
函体2が開函装置10に供給されると支持装置12は閉形態から開形態に変位する。支持装置12が閉形態から開形態に変位する間、後上フラップ2UCは第1係合装置25に係合し、左上フラップ2UBは第2係合装置35に係合し、前上フラップ2UAは第3係合装置45に係合している。胴部2Pと上フラップ2Uとの間の折り目は折れにくいため、後上フラップ2UCに直接接続している後パネル2PEは、第1係合装置25と共に移動し、左上フラップ2UBに直接接続している左パネル2PCは、第2係合装置35と共に移動し、前上フラップ2UAに直接接続している前パネル2PAは、第3係合装置45と共に移動する。
【0070】
支持装置12が開形態となると、第1支持部材18と第2支持部材19とのなす角度が略90度となるように開かれる。支持装置12が閉形態にあるとき、後パネル2PEと左後パネル2PDとの間の折り目と点Qとの左右方向における距離とその折り目と点Qとの前後方向における距離の差が、開函状態の函体2の後パネル2PEに対する左パネル2PCの左右方向における距離と等しくなる位置にあるため、
図10に示されるように、第1支持部材18と第2支持部材19とのなす角度が略90度となるように開かれることによって、第1係合装置25に対する第2係合装置35の左右方向についての相対的な位置が、開函状態の函体2の後パネル2PEに対する左パネル2PCの左右方向についての相対的な位置と等しくなる。左パネル2PCは左後パネル2PDによって後パネル2PEに接続され、第1係合装置25は第1支持部材18に固定されているため、左パネル2PCは後パネル2PEによって後方へ引っ張られる。第2係合装置35は第2支持部材19によってその延在方向である前後方向にスライド可能に支持されているため、左パネル2PCに掛かる後パネル2PEからの力によって、第2係合装置35は第2支持部材19に沿って移動し、第1係合装置25に対する第2係合装置35の前後方向における相対的な位置が、開函状態の函体2の後パネル2PEに対する左パネル2PCの前後方向における相対的な位置と等しくなる。よって、支持装置12が閉形態から開形態となるとき、第1係合装置25に対する第2係合装置35の相対的な位置は、開函状態の函体2の後パネル2PEに対する左パネル2PCの相対的な位置と等しくなっている。支持装置12が開形態となったとき、後パネル2PEと左パネル2PCとは互いに略90度の角度をなし、左後パネル2PDは後パネル2PE及び左パネル2PCとに対して傾斜して配置される。
【0071】
支持装置12が開形態となるとき、第2支持部材19が第1支持部材18に対して略90度の角度をなすように開く。第3係合装置本体46は接続具47を介して第2係合装置本体36の遠位端側に接続されているため、遠心力によって、第3支持部材44は第2支持部材19の前方へ押し出される。第3支持部材44が前方へ押し出されることによって、第3フレーム43が前方へ移動する。支持装置12が開形態となったとき、第3支持部材44は第1支持部材18の前方において所定の距離を介して配置される。そのため、第3係合装置本体46は第1係合装置本体26に対して略平行に配置され、第2係合装置本体36よりも前方において第2係合装置本体36に対して略90度の角度をなすように配置される。
【0072】
また、第3係合装置本体46は第2係合装置本体36の遠位端に接続具47を介して接続され、第3係合装置本体46は第3支持部材44に固定されている。そのため、第3支持部材44は第2係合装置本体36の移動に従って左方へも移動する。支持装置12が開形態となるとき、第3支持部材44は開函ストッパ部材48に当接するまで、第3フレーム43に沿って左方へ移動する。本実施形態では、第2係合装置35に係合する左パネル2PCと第3係合装置45に係合する前パネル2PAの左端との左右方向についての距離が開函状態の函体2の後パネル2PEに対する左パネル2PCの左右方向についての距離と等しくなるように、開函ストッパ部材48の位置が定められている。本実施形態では、接続具ストッパ部材47Sによって、第2係合装置本体36に対する接続具47の回転角度が規制されているため、第3係合装置45の右側への移動が規制されている。そのため、支持装置12が開形態となったとき、第1係合装置25に対する第3係合装置45の左右方向についての相対的な位置は、開函状態の函体2の後パネル2PEに対する前パネル2PAの左右方向における相対的な位置と等しくなっている。
【0073】
第1係合装置25に対する第3係合装置45の左右方向についての相対的な位置は、開函状態の函体2の後パネル2PEに対する前パネル2PAの左右方向における相対的な位置と等しくなっている。そのため、前パネル2PAの左端は、後パネル2PEの左端を通り前後に延びる直線上に位置する。一方、前パネル2PAは左前パネル2PBに接続し、左前パネル2PBは左パネル2PCに接続している。そのため、前パネル2PAの左端は、左パネル2PCによって、左パネル2PCの前端を中心とし、
図10に示される左前パネル2PBの幅を半径とする円周上に位置する。そのため、その直線と円との交点の位置(
図10のR)に、前パネル2PAの左端が移動する。更に、第3係合装置本体46は後方に向かう面を有したまま変位するため、前パネル2PAは後パネル2PEに対して略平行に配置される。よって、第1係合装置25に対する第3係合装置45の相対的な位置は、開函状態の函体2の後パネル2PEに対する前パネル2PAの相対的な位置と等しくなる。支持装置12が開形態となったとき、後パネル2PEと前パネル2PAとは互いに平行に位置し、前パネル2PAは左パネル2PCに対して略90度の角度をなすように配置される。同時に、左前パネル2PBは前パネル2PA及び左パネル2PCに対して傾斜して配置される。支持装置12が開形態にあるとき、後パネル2PEと前パネル2PAとの距離が左後パネル2PDの幅、左パネル2PCの幅、及び左前パネル2PBの幅の和よりも小さくなる位置に第1支持部材18と第3支持部材44とが配置されている。
【0074】
第1フレーム41のレール上に第2開函ストッパ部材99を設け、第1係合装置25に対する第3係合装置45の前後方向の相対的な位置が、開函状態の函体2の後パネル2PEに対する前パネル2PAの相対的な位置と等しくなるように第3フレーム43の前方への移動を規制してもよい。
【0075】
左後パネル2PDが後パネル2PE及び左パネル2PCに対して傾斜し、左前パネル2PBが前パネル2PA及び左パネル2PCに対して傾斜するため、函体2は歪変形し、右パネル2PGと右前パネル2PHとの間の折り目、及び右パネル2PGと右後パネル2PFとの間の折り目が折り曲げられる。これらの折り目が折り曲げられることによって、胴部2Pは8角筒状に変形する。上フラップ2U及び下フラップ2Lは、共に、各々直接接続したパネルの配置に従い、それぞれ上方及び下方に延びるように配置され、函体は開函状態となる。
【0076】
函体2が折曲装置50に送出されると、支持装置12は閉形態に変位し、第1支持部材18、第2支持部材19、及び第3支持部材44は初期位置に戻される。函体2が折曲装置50に送出されるとき、函体2と第2係合装置35との係合が外れるため、開函付勢装置38によって、第2係合装置35は第2支持部材19に対して初期位置に戻され、開函装置10が初期状態に戻る。
【0077】
第2支持部材19にレールが設けられ第2係合装置本体36にレールに揺動可能に結合されるスライダが設けられているが、レール及びスライダはスライド移動するように設けられるいかなる態様であってもよい。
【0078】
(折曲装置)
図1に示されるように、製函機1は、開函装置10の下方に、筒形の状態に変形された函体2の前下フラップ2LAと後下フラップ2LCとからなる内フラップ2LIを内方に折り曲げた後、左下フラップ2LBと右下フラップ2LDとからなる外フラップ2LOを内方に折り曲げる折曲装置50を備えている。胴部2Pと外フラップ2LOとの折り目は、胴部2Pと内フラップ2LIとの折り目より、中芯2Mの波形の山と谷とが大きく潰され、折れ曲がり易いように設定されている。
【0079】
図1及び
図12に示されるように、折曲装置50は、開函装置10の下方に前後に対をなして設けられた内フラップ折曲装置51を備える。内フラップ折曲装置51は、前後1対の内フラップ折曲板52と、内フラップ折曲板52を変位させる第4アクチュエータ53とを備える。内フラップ折曲板52の面は、略上方に向かう状態と、前後内方に傾き前後内方に向かう状態との間で傾動可能であり、函体2が開函装置10から下降し送出されるとき、内フラップ折曲板52は前後内方に向かうように設定されている。函体2の内フラップ2LIの下端が内フラップ折曲板52の上面に当接し、内フラップ2LIと胴部2Pとの間の折り目が左右内方に折り曲げられて、内フラップ2LIは、内フラップ折曲板52の傾斜に沿うように配置される。函体2が所定の位置まで下降すると、第4アクチュエータ53によって、内フラップ折曲板52は略上方に向かう状態となり、内フラップ2LIは胴部2Pに対して略90度の角度をなすように折り曲げられる。内フラップ2LI及び外フラップ2LOが折り曲げられ、函体2が折曲装置50から送出されると、第4アクチュエータ53は、内フラップ折曲板52の面が前後内方に向かうように、内フラップ折曲板52を傾動させる。
【0080】
図12に示されるように、外フラップ折曲装置54は、内フラップ折曲板52の下方に位置し、前後に延びた左右1対の外フラップ折曲板55Aを備える。外フラップ折曲板55Aはそれぞれ、開函装置10から函体2が下降してきたときに、函体2の外フラップに左右内方から当接する。外フラップ折曲装置54は、更に、外フラップ折曲板55Aの下方であり、左右外方に、前後に延びた左右1対の外フラップ折曲部材55Bを備える。外フラップ折曲部材55Bは、それぞれ、左右内方に向かう面を有し、開函装置10から函体が下降してきたときに、函体2の外フラップ2LOに左右外方から当接するように構成されている。外フラップ折曲板55Aは、その後端において、外フラップ折曲板基部55Cに結合している。外フラップ折曲部材55Bは、外フラップ折曲板基部55Cに支持された第5アクチュエータ56の突端に結合している。第5アクチュエータ56は、外フラップ折曲部材55Bを外フラップ折曲板55Aに向けて出没可能であるように構成されている。第5アクチュエータ56が外フラップ折曲部材55Bを外フラップ折曲板55Aに向けて押し出すことによって、外フラップ折曲部材55Bが外フラップ2LOの外側から当接し、外フラップ折曲板55Aを外フラップ2LOの内側から当接させ、外フラップ折曲板55Aと外フラップ折曲部材55Bとの間に外フラップ2LOを挟持させることができる。外フラップ折曲装置54は、更に、外フラップ折曲板基部55Cを、前後方向を軸線として回転させる第6アクチュエータ57とを備えている。
【0081】
図12(A)に示されるように、函体2が下降し、外フラップ折曲部材55Bが外フラップ折曲板55Aに向けて押し出されると、外フラップ折曲板55Aと外フラップ折曲部材55Bとの間に外フラップ2LOが挟持される。
図12(B)に示されるように、外フラップ折曲板55Aと外フラップ折曲部材55Bとの間に外フラップが挟持させつつ、第6アクチュエータ57が作動し、外フラップ折曲板基部55Cが左右内方に回転することによって、外フラップ2LOと胴部2Pとの間の折り目は折り目がつく程度に(例えば、胴部2Pと外フラップ2LOとのなす角が略10度〜80度となるように)、外フラップ2LOは左右内方に折り曲げられる。外フラップ2LOが左右内方に折り曲げられ、かつ、外フラップ2LOは外フラップ折曲板55Aと外フラップ折曲部材55Bとによって挟持されているため、函体2の上方への移動は規制されている。外フラップ2LOが左右内方に折り曲げられているときに、第1アクチュエータ13によって支持装置12が上昇すると、上フラップ2Uと第1係合装置25、第2係合装置35及び第3係合装置45との間の係合が解除される。その後、
図12(B)に示されるように、第5アクチュエータ56が外フラップ折曲部材55Bを左右外方へ移動させると、函体2の前後方向の移動が可能になる。
【0082】
図1に示されるように、折曲装置50は、下フラップ2Lが折り曲げられた函体2を送出する押出装置58を備える。押出装置58は、前後に移動可能な押出板59を備え、その押出板59が内フラップ2LI及び外フラップ2LOが折り曲げられた函体2の後パネル2PEを押し出すことによって、函体2は成形装置61に送出される。
【0083】
送出時の函体2の移動をガイドするため、折曲装置50は、更に、左右に対をなして設けられたガイドローラ60を備える。ガイドローラ60は、前後に列をなして設けられた複数のローラを有する。各ローラは上下方向を軸線とした回転可能に設けられている。ガイドローラ60は、左右内方へ出没可能であり、左右内方へ突出するとき、各ローラは函体2の左右パネル2PC、2PGに当接する。本実施形態では、外フラップ折曲装置54が外フラップ2LOを折り曲げるときに、函体2が突出しないよう、ガイドローラ60は左右内方へ突出し、左右パネル2PC、2PGに当接し、函体2の胴部2Pを支持している。押出装置58によって、函体2を押し出すとき、ガイドローラ60は突出したまま維持されるため、函体2が左右へずれて移動することが防止されている。
【0084】
函体2の送出が完了すると、内フラップ2LI及び外フラップ2LOが折り曲げられ、函体2が折曲装置50から送出されると、第4アクチュエータ53は、内フラップ折曲板52の面が前後内方に向かうように、内フラップ折曲板52を傾動させる。函体2が送出された後、外フラップ折曲板基部55Cが回転し、開函装置10から函体2が下降してきたときの位置に戻る。押出板59は後退し、函体2が下降してきたときの位置に戻る。
【0085】
製函後の函体2の崩れを防止するため、外フラップ折曲装置54の前側に、外フラップ2LOの左右内方に向かう面、又は内フラップ2LIの外フラップ2LOが接する面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置が設けられていてもよい。そのとき、内フラップ2LIと外フラップ2LOとを十分に接着させるため、折り曲げた内フラップ2LIの復元力を利用して内フラップ2LIを外フラップ2LOに当接させるとよい。
【0086】
(成形装置)
図1に示されるように、製函機1は、函体2の胴部2Pを更に精度よく成形するための成形装置61を備える。押出装置58によって押し出された函体2は、成形するための基準となる成形位置に運ばれ、左右パネル2PC、2PGを左右外方に拡張され、左右パネル2PC、2PGが型に押し付けられることによって、函体2は成形される。
【0087】
図1に示されるように、成形装置61は、折曲装置50の前側に配置され、押出装置58によって押し出された函体2を、前方へ運ぶためのガイドローラ60を備える。ガイドローラ60が左右内方に突出するとき、各ローラは函体2の左パネル2PC又は右パネル2PGに当接し、函体2を前方へ移動させる。前方に運ばれた函体2は、前方に設けられた前部ストッパ部材62によって係止され、成形位置となる。前部ストッパ部材62は、函体2の位置を成形位置とすべく、出没可能に形成され、函体2が成形装置61に運ばれるときには函体2の前パネル2PAに衝当し、函体2の前方への移動を規制する。函体2の成形が終わると、前部ストッパ部材62は没し、函体2の前方への移動が可能となる。
【0088】
図13及び
図14に示されるように、成形装置61は型部材63を備えている。型部材63は、センターラインについて対称に左右に対をなして形成されている。型部材63は、左右方向に対して直交する面に形成され、左右内方を向き、前後に離れて設けられた2つの基面64を備える。2つの基面64は、4角形函状態における函体2の長さ(例えば、8角形函2において、右前パネル2PH、右パネル2PG、右後パネル2PFが平面をなして連なったときの幅)と同程度に離れており、成形を行うときには、左右前後合わせて4つ基面64によって、函体2が挟持される。型部材63は、更に、基面64に対して左右外方に凹設された凹部65を有している。凹部65は、左右方向に対して直交する面に形成され、左右内方を向く底面66と、底面66の前端より前方に延び左右内方であり後方に向く側壁面67と、その側壁面67に対をなし、底面66の後端より後方に延び左右内方であり前方に向く側壁面67とを有する。2つの側壁面67は、底面66から基面64の側に向うにつれて凹部65の前後幅が大きくなるように傾斜している。凹部65の前後方向の幅は、右パネル2PGの前後方向の幅と同じになるように形成されている。型部材63の上下方向の幅は、函体2の高さよりも短くなるように形成されている。型部材63は、それぞれ、左右内方に伸縮する型部材アクチュエータ63Aに接続されており、そのため、型部材63は、左右内方に出没可能に構成されている。
【0089】
成形装置61は、更に、左右パネル2PC、2PGの外面に吸着し、拡張するための左右一対の胴部拡張装置68を備える。左右の胴部拡張装置68は、それぞれ減圧吸着装置69を備えている。胴部拡張装置68は左右方向に変位可能であり、胴部拡張装置68が内方に位置するとき、減圧吸着装置69が函体2の胴部2Pに吸着する。減圧吸着装置69は、それぞれ、左右内方に伸縮する吸着装置アクチュエータ68Aに接続されており、そのため、減圧吸着装置69は、左右内方に出没可能に構成されている。本実施形態では、減圧吸着装置69は、同じ高さに前後に2つ並んで設けられている。型部材63、及び胴部拡張装置68は、成形位置にある函体2の左右に配置し、上から、胴部拡張装置68、ガイドローラ60、型部材63の順に配置されている。
【0090】
成形装置61は、成形位置にある函体2の下方に設けられた押上装置70を備える。押上装置70はその上部に上を向く面と、その面の後端に連続し、左右に延びた突片とを有し、上下に変位可能に設けられた押上板部71と、上下に伸縮し、押上板部を上下に移動させるための押上板部アクチュエータ71Aとを備えている。
【0091】
図1に示されるように、本実施形態では、成形装置61は、更に、上部ストッパ部材72を備えている。上部ストッパ部材72は、上下に向かう面を有する板状部材であって、成形位置の函体2の上フラップ2Uに当接する高さに設けられている。
【0092】
図13に示されるように、折曲装置50から送出された開函状態の函体2は、押出装置58によって、折曲装置50からセンターラインに沿って前方に送出される。函体2はガイドローラ60に沿って前方へ進み、前部ストッパ部材62によって、成形位置に係止される。函体2が成形位置にあるとき、ガイドローラ60が左右外方へ退避し、適時、型部材アクチュエータ63Aが作動することによって、左右の型部材63が左右内方へ突出する。それによって、左側の型部材63はその前方の基面64において左前パネル2PBの前部下端に当接し、その後側の基面64において左後パネル2PDの後部下端に当接する。右側の型部材63は、その前方の基面64において右前パネル2PHに当接し、その後側の基面64において右後パネル2PFに当接する。次に、吸着装置アクチュエータ68Aが作動することによって、左右2つずつの減圧吸着装置69は、左右内方へ突出し、それぞれ対応する左パネル2PC及び右パネル2PGに吸着する。
【0093】
図13及び
図14に示されるように、左右の減圧吸着装置69がそれぞれ、左パネル2PC及び右パネル2PGに吸着した後、減圧吸着装置69がパネルに吸着したまま左右外方へ移動する。左側の型部材63の基面64が左前パネル2PBと左後パネル2PDとに当接しつつ、減圧吸着装置69が左外方へ移動し、左パネル2PCが左外方に引っ張られるため、左前パネル2PBと左パネル2PCとの間の折り目が左前方に突出するように折り曲げられ、左パネル2PCと左後パネル2PDとの間の折り目が左後方に突出するように折り曲げられる。右側の型部材63の基面64が右前パネル2PHと右後パネル2PFとに当接しつつ、胴部拡張装置68が右外方へ移動し、右パネル2PGが右外方に引っ張られるため、右前パネル2PHと右パネル2PGとの間の折り目が右前方に突出するように折り曲げられ、右パネル2PGと右後パネル2PFとの間の折り目が右後方に突出するように折り曲げられる。減圧吸着装置69は、左パネル2PCが左側の型部材63の底部に面接触し、かつ、右パネル2PGが右側の型部材63の底部に面接触するまで、左右外方へ移動する。それによって、左前パネル2PB及び左後パネル2PDは側壁面67に面接触し、左パネル2PCの前後に設けられた折り目は、型部材63の底部と側壁面67との間の屈曲部に沿うように折り曲げられる。また、右前パネル2PH及び右後パネル2PFは側壁面67に面接触し、右パネル2PGの前後に設けられた折り目は型部材63の底部と側壁面67との間の屈曲部に沿うように折り曲げられる。
【0094】
減圧吸着装置69が左右外方に移動し、函体2の胴部2Pが型部材63に当接しているときに、外フラップ2LOが胴部2Pに対して略90度に折り曲げられるまで、押上板部アクチュエータ71Aが、押上板部71を函体2の下方から上方に移動させる。更に、外フラップ2LOが内方に折り曲げられるときに、左右の外フラップ2LOの下端部が当接する場合には、胴部2Pの左パネル2PC、及び右パネル2PGが左右外方へ押し出され、胴部2Pの幅が広げられる。本実施形態では、上部ストッパ部材72が設けられているため、押上板部71によって函体2が押し上げられているときに、函体2が上側へ移動し、突出することがない。
【0095】
胴部2Pが成形され、外フラップ2LOが折り曲げられると、ガイドローラ60が左右内方へ移動し、胴部拡張装置68の胴部2Pの左パネル2PC及び右パネル2PGへの吸着が解除され、吸着装置アクチュエータ68Aによって、胴部拡張装置68が左右外方に退避する。更に、型部材63も、型部材アクチュエータ63Aによって、左右外方に退避し、前部ストッパ部材62が下方へ退避する。次いで、押上板部71が前方へ移動し、函体2の後パネル2PEが押上板部71の後端に設けられた突片に押し出され、函体2は前方に移動し送出される。胴部拡張装置68の吸着が解除されたときに、左右の外フラップ2LOの下端部が互いに当接するため、函体2の胴部2Pが左右方向に収縮せず、8角筒状に維持される。
【0096】
(テーピング装置及び矯正装置)
図1に示されるように、製函機1は、成形装置61から送出された函体2を前方へ搬送し、函体2の下フラップ2Lにテープを張り付け、函体2を底組状態に変形するテーピング装置81を備える。
【0097】
テーピング装置81は、折曲装置50の前側に配置され、折曲装置50によって下フラップ2Lが折り曲げられ、更に、成形装置61よって胴部2Pが成形された函体2を前方に搬送する搬送装置82を備える。搬送装置82は、フレーム83と、センターラインの両側に設けられ、前後に延びる左右一対のサイドコンベア85とを有する。サイドコンベア85は、公知のベルトコンベアであり、モータによって上下を軸線として回転するローラに巻き付けられたベルトを備え、ベルトが函体2の胴部2Pに当接し、函体2を前方に搬送する。サイドコンベア85の上側には、上方に向かう面である載置面86が設けられている。
【0098】
テーピング装置81は、更に、その上方を後方から前方に通過する函体2の前パネル2PAの下部、下フラップ2L、及び後パネル2PEの下部に、センターラインに沿って接着テープTを貼り付けるテーピングユニット87を備えている。テーピングユニット87は、左右のサイドコンベア85の間に配置されている。テーピングユニット87は、函体2が所定位置を通過するとカッターによって接着テープTを切断する。
【0099】
図15に示されるように、製函機1は、更に、テーピング装置81が函体2の下フラップ2Lにテープを張り付けるときに、搬送装置82によって搬送される函体2の胴部2Pの側端面に当接し、函体2の胴部2Pを矯正する矯正装置91を備えている。矯正装置91は、左右一対のサイドコンベア85の載置面86に配置される。
図15及び
図16に示されるように、矯正装置91は、載置面86の上に設けられた矯正支持台92と、矯正支持台92の上に設けられたスライド部材93と、スライド部材93の上面に設けられた矯正装置支柱94と、左右内方に延びたアーム部材95と、アーム部材95とスライド部材93とに接続された矯正付勢装置97とを有する。スライド部材93は、矯正支持台92に対して左右内方に向けて、スライド可能に形成されている。矯正装置支柱94は、スライド部材93の上面から上方に向けて突出するように設けられている。アーム部材95の基端は矯正装置支柱94に回動可能に支持され、突端は左右内方にまで延び、その突端には上下を軸線として回転可能に支持されたローラ96が設けられている。矯正付勢装置97の一端はアーム部材95の矯正装置支柱94よりも左右外方の位置に結合し、他端側はスライド部材93に結合している。
【0100】
アーム部材95は、函体2の経路方向に沿って押圧されていないときは、函体2の移動経路に向け左右内方に最も突出した突出位置にある。アーム部材95は、函体2の経路方向に沿って押圧されると、矯正付勢装置97の付勢力に抗して、矯正装置支柱94を軸線として回動し、ローラ96が左右内方から左右外方へ移動した退避位置となる。アーム部材95に加わる押圧が解除されると、矯正付勢装置97によって、アーム部材95は退避位置から突出位置へ戻される。
【0101】
矯正装置91は、左右のローラ96がテーピングユニット87の前側に位置するように調整されている。更に、突出位置では、左右のローラ96がそれぞれ函体2の左前パネル2PB及び右前パネル2PHに当接し、退避位置では函体2の前方への移動を妨げない位置となるように、スライド部材93の左右内方への突出量が調整されている。また、左右の矯正装置91は、函体2の経路方向について左右対称に構成され、左右の矯正装置91の左右内方への突出量は等しく構成されている。
【0102】
函体2がサイドコンベア85の後端より前方へ搬送されると、函体2の左前パネル2PB、及び右前パネル2PHにそれぞれ、矯正装置91が当接する。函体2が前方に移動するに従い、矯正装置91は左前パネル2PB及び右前パネル2PHを後方に押圧する。左前パネル2PB、前パネル2PA及び右前パネル2PHとからなる函体2の前部が左右一方に大きく突出するように歪んでいるときは、その突出方向に位置する矯正装置91が他方の矯正装置91よりも、函体2の前部を強く押圧する。そのため突出方向の歪みが抑えられ、函体2の前部が左右対称になるように矯正される。
【0103】
矯正装置91が函体2の前部を矯正した後、函体2が前方へ搬送されると、矯正装置91は左パネル2PC及び右パネル2PGに当接する。更に、函体2が前方へ搬送されると、左右の矯正装置91はそれぞれ左後パネル2PD及び右後パネル2PFに当接する。左右の矯正装置91はそれぞれ左後パネル2PD及び右後パネル2PFに当接し、かつ、左後パネル2PD、後パネル2PE及び右後パネル2PFとからなる函体2の後部が左右一方に大きく突出するように歪んでいるときも、函体2の前部と同様に、矯正装置91によって、函体2の後部の形状が左右対称となるべく矯正される。矯正装置91がそれぞれ左後パネル2PD及び右後パネル2PFに当接すると、函体2の後部が左右から押圧されるため、函体2の後部が左右対称になるように矯正される。
【0104】
函体2の前部が矯正装置91によって矯正された後、テーピングユニット87によって、接着テープTが、前パネル2PAの下部と、左下フラップ2LB及び右下フラップ2LDの突き合わせ部とに、及び後パネル2PEの下部に、前後に連続して貼付される。矯正装置91による函体2の後部の矯正は、接着テープTが左下フラップ2LB及び右下フラップ2LDの突き合わせ部に貼付されている間に行われる。切断された接着テープTが後パネル2PEの下部に貼り付けられると、函体2は底組状態となり、サイドコンベア85によって前方に送出される。
【0105】
矯正装置91にアクチュエータを設け、矯正装置91は、テーピングが始まる直前に函体2に当接し、テーピングが行われている間、函体2に当接し続け、テーピングが完了した後に、矯正装置91が函体2から離れるように構成してもよい。
【0106】
本実施形態では、第4アクチュエータ53、第5アクチュエータ56、第6アクチュエータ57、型部材アクチュエータ63A、吸着装置アクチュエータ68Aは、全てエアシリンダによるアクチュエータであり伸縮によって動作を行っているが、エアシリンダには限定されず、他の方法(リニアモータ等)によって行ってもよい。
【0107】
以上のように構成した製函機1の効果について説明する。
図10に示されるように、製函機1に設けられた開函装置10は、函体2の後パネル2PE、左パネル2PC、及び前パネル2PAの相対的な位置を、開函状態の函体2の後パネル2PE、左パネル2PC、及び前パネル2PAの相対的な位置となるように移動するため、2つのパネルを移動させる場合に比べて、精度よく函体2を成形することが可能である。
【0108】
また、第1係合装置25、第2係合装置35、及び第3係合装置45のそれぞれにアクチュエータを設けることなく、函体2の後パネル2PE、左パネル2PC、及び前パネル2PAの相対的な位置を、開函状態の函体2の後パネル2PE、左パネル2PC、及び前パネル2PAの相対的な位置となるように移動することができ、開函装置10の構成を簡素にすることが可能である。
【0109】
開函装置10に供給されるときの扁平に折り畳まれた函体2の左端の位置(
図9のX)と、開函ストッパ部材48との位置を変更することによって、左パネル2PCと後パネル2PEの左端との左右方向についての距離(
図10のZ)、及び左パネル2PCと前パネル2PAの左端との左右方向についての距離が異なる開函状態に函体を開函することが可能である。開函装置10に供給されるときの扁平に折り畳まれた函体2の左端の位置(
図9のX)と後パネル2PEと左後パネル2PDとの間の折り目と点Qとの前後方向についての距離(
図9のY)とを等しくし、開函ストッパ部材48との位置を変更することによって、開函装置10は函体2の胴部2Pが4角筒状となるように開函することも可能である。
【0110】
また、製函機1は函体2の外側から成形を行うため、函体2の内部が上方に向けて開放した状態を維持することができる。そのため、物品の収容が容易である。また、胴部2Pの内側に成形装置61を挿入しないため、成形装置61の抜き差しを行う駆動機構が必要なく、製函機1の簡素化及び小型化が可能になる。
【0111】
<<第2実施形態>>
第2実施形態に係る製函機200は、開函装置201のみ、第1実施形態と異なる構成を有する。
図17及び
図18に示されるように、開函装置201は、第2係合装置35が備えられておらず、第2支持部材19と第3係合装置本体46とが接続具47によって接続され、第2開函ストッパ部材99が必ず設けられている点を除き、開函装置10と同様の構成を有している。第2開函ストッパ部材99は第1フレーム41のレール上に設けられ、第3フレーム43の前方への移動を規制している。
図17に示されるように、支持装置12が閉形態にあるときは、第1係合装置25に対する第3係合装置45の相対的な位置が、扁平に折り畳まれた函体2の後パネル2PEに対する扁平に折り畳まれた函体2の前パネル2PAの相対的な位置と等しくなるように、第1支持部材18及び第3支持部材44が配置される。
【0112】
図18に示されるように、支持装置12が閉形態から開形態に変位するとき、第2支持部材19と第3係合装置本体46とが接続具47によって接続されているため、第3係合装置本体46は第2支持部材19よりも前方に押し出される。第3係合装置本体46が前方に押し出されることによって、第3フレーム43は前方に移動し、第2開函ストッパ部材99に当接する。同時に、第3係合装置45は、第3フレーム43に設けられたレールに沿って左方へ移動し、第3支持部材44は開函ストッパ部材48に当接する。開函ストッパ部材48の第3フレーム43のレール上の固定位置と第2開函ストッパ部材99の第1フレーム41のレール上の固定位置とを調節することによって、支持装置12が開形態にあるとき、第1係合装置25に対する第3係合装置45の相対的な位置が8角筒状に開函された開函状態にある函体2の後パネル2PEに対する8角筒状に開函された開函状態にある函体2の前パネル2PAの相対的な位置と等しくなるように、第1支持部材18及び第3支持部材44が配置される。
【0113】
図18に示されるように、支持装置12が開形態にあるときは、第1係合装置25の支持する後パネル2PEと第3係合装置45の支持する前パネル2PAとは平行に配置され、第1係合装置25の支持する後パネル2PEと第3係合装置45の支持する前パネル2PAとの間の距離は左後パネル2PD、左パネル2PC及び左前パネル2PBの幅の和よりも小さく、左パネル2PCの幅よりも大きくなるように配置される。第1係合装置25の支持する後パネルと第3係合装置45の支持する前パネル2PAとの間の距離を設定されているため、左後パネル2PDと左パネル2PCとの間の折り目と左パネル2PCと左前パネル2PBとの間の折り目が折られ、左パネル2PCが左方向へ突出する。左パネル2PCが左方向へ突出するため、左後パネル2PDは後パネル2PEに対して傾斜して配置され、左前パネル2PBは前パネル2PAに対して傾斜して配置される。左後パネル2PDと同様に右後パネル2PFも後パネル2PEに対して傾斜して配置され、左前パネル2PBと同様に右前パネル2PHも前パネル2PAに対して傾斜して配置されるため、函体2の胴部2Pが8角筒状に形成される。
【0114】
以上のように構成した製函機200の効果について説明する。
図17及び
図18に示されるように、製函機200に設けられた開函装置201は、第1実施形態に係る開函装置201に比べ、構成が簡素にすることが可能である。
【0115】
<<第3実施形態>>
第3実施形態に係る製函機300は、開函装置301のみ、第1実施形態と異なる構成を有する。
図19、
図20、及び
図21に示されるように、開函装置301は第1実施形態に係る開函装置10と同様の構成を有しているが、第1係合装置25が第1支持部材18の延在方向に変位可能に支持され、第1係合装置25と第1支持部材18との間に第2アクチュエータ28が設けられ、第3支持部材44が左右方向に延びるように設けられ、第3支持部材44が接続具47を介して第2係合装置本体36に接続し、第3係合装置45が第3支持部材44の延在方向に変位可能に支持され、第3支持部材44と第3係合装置45との間に第7アクチュエータ49が設けられている点が異なる。第3支持部材44はその背面において第3フレーム43のレールに摺動可能に結合しているスライダと結合している。開函装置301においては、開函ストッパ部材48が第3フレーム43のレールに設けられておらず、第2係合装置本体36には、第2係合装置本体36に対する接続具47の回転角度を規制する接続具ストッパ部材47Sが設けられている。
【0116】
図19及び
図20に示されるように、第2アクチュエータ28は、第1係合装置25を第1支持部材18に対して、その延在方向に変位させる。本実施形態では、第2アクチュエータ28は第1係合装置25の延在方向に設けられた伸縮可能なエアシリンダであり、第1支持部材18の延在方向に伸縮する。第2アクチュエータ28の一端は第1支持部材18に結合し、第2アクチュエータ28の他端は第1係合装置25の端部に結合している。
【0117】
図19及び
図20に示されるように、第7アクチュエータ49は、第3係合装置45を第3支持部材44に対して、その延在方向に変位させる。本実施形態では、第7アクチュエータ49は第3係合装置45の延在方向に設けられた伸縮可能なエアシリンダであり、第3支持部材44の延在方向に伸縮する。第7アクチュエータ49の一端は第3支持部材44に結合し、第7アクチュエータ49の他端は第3係合装置45の端部に結合している。
【0118】
次に、開函装置301の動作について説明する。
図19に示されるように、第1実施形態と同様に、支持装置12が閉形態にあるときは、第1実施形態と同様に、第1係合装置25に対する第3係合装置45の相対的な位置が、扁平に折り畳まれた函体2の後パネル2PEに対する扁平に折り畳まれた函体2の前パネル2PAの相対的な位置と等しくなり、かつ、第1係合装置25に対する第2係合装置35の相対的な位置が、扁平に折り畳まれた函体2の後パネル2PEに対する扁平に折り畳まれた函体2の左パネル2PCの相対的な位置と等しくなるように、第1支持部材18、第2支持部材19、及び第3支持部材44が配置されている。
【0119】
図20に示されるように、支持装置12が閉形態から開形態となると、第2支持部材19が第1支持部材18に対して、略90度の角度をなすように開かれる。更に、第2アクチュエータ28が第1係合装置25を第1支持部材18の延在方向に移動させることによって、第2係合装置35に対する第1係合装置25の左右方向における相対的な位置が、開函状態の函体2の左パネル2PCに対する後パネル2PEの左右方向における相対的な位置と等しくなる。左パネル2PCは左後パネル2PDによって後パネル2PEに接続されているため、第2係合装置35は第2支持部材19に沿って移動し、第1係合装置25に対する第2係合装置35の前後方向における相対的な位置が、開函状態の函体2の後パネル2PEに対する左パネル2PCの前後方向における相対的な位置と等しくなる。よって、支持装置12が開形態にあるとき、第1係合装置25に対する第2係合装置35の相対的な位置は、開函状態の函体2の後パネル2PEに対する左パネル2PCの相対的な位置と等しくなるように、第1支持部材18及び第2支持部材19が配置される。
【0120】
支持装置12が閉形態から開形態となると、第1実施形態と同様に、第3支持部材44は第2支持部材19の前方に押し出され、第3フレーム43のレールに沿って左方へ移動する。支持装置12が閉形態から開形態となるとき、接続具ストッパ部材47Sによって、第3支持部材44の所定の位置以上の左方への移動が規制されている。支持装置12が閉形態から開形態となるとき、第3支持部材44は接続具ストッパ部材47Sによって左右方向の位置が決められ、第7アクチュエータ49が第3係合装置45を第3支持部材44の延在方向に移動させることによって、第2係合装置35に対する第3係合装置45の左右方向における相対的な位置が、開函状態の函体2の左パネル2PCに対する前パネル2PAの左右方向における相対的な位置と等しくなる。前パネル2PAは左前パネル2PBを介して左パネル2PCに接続されており、第3フレーム43は第1フレーム41及び第2フレーム42に前後に移動可能に支持されている。そのため、支持装置12が開形態にあるとき、第2係合装置35に対する第3係合装置45の前後方向における相対的な位置が、開函状態の函体2の左パネル2PCに対する前パネル2PAの前後方向における相対的な位置と等しくなるように、第3フレーム43が後方へ移動する。そのため、支持装置12が開形態にあるとき、第2係合装置35に対する第3係合装置45の相対的な位置は、開函状態の函体2の左パネル2PCに対する前パネル2PAの相対的な位置と等しくなるように、第2支持部材19及び第3支持部材44が配置されている。
【0121】
支持装置12が開形態となるとき、第1係合装置25に対する第2係合装置35の相対的な位置が開函状態の函体2の後パネル2PEに対する左パネル2PCの相対的な位置と等しく、かつ、第2係合装置35に対する第3係合装置45の相対的な位置は、開函状態の函体2の左パネル2PCに対する前パネル2PAの相対的な位置と等しくなるように、第1支持部材18、第2支持部材19、及び第3支持部材44が配置される。第1支持部材18、第2支持部材19、及び第3支持部材44の配置によって、左後パネル2PDは後パネル2PE及び左パネル2PCに対して傾斜して配置され、左前パネル2PBは前パネル2PA及び左パネル2PCに対して傾斜して配置される。そのため、第1実施形態と同様に、支持装置12が開形態となるとき、函体2は8角筒状の胴部2Pを有する開函状態に変形する。
【0122】
支持装置12の変位と第2アクチュエータ28の駆動と第7アクチュエータ49の駆動とが同時に行われても、各々別箇に行われてもよい。本実施形態では、第2アクチュエータ28及び第7アクチュエータ49は、共にエアシリンダによって伸縮するアクチュエータであるが、エアシリンダには限定されず、他の方法(リニアモータ等)によって伸縮動作するものであってもよい。
【0123】
次に、開函装置301を備えた製函機300の効果について説明する。
図21に示されるように、製函機300は、8角形函2を開函状態の8角筒状に開函するだけではなく、8角形函2を、4角筒状に開函することも可能である。8角形函2を4角筒状に開函するときには、点Pから函体2の左端までの左右方向の距離が後パネル2PEと左後パネル2PDとの間の折り目と点Qとの前後方向についての距離と等しくなるように折り畳まれた函体2が配置される。支持装置12が閉形態から開形態に変位するときには、第2アクチュエータ28が第1係合装置25を初期位置で維持し、第7アクチュエータ49が第3係合装置45を初期位置に維持すればよい。このとき、前パネル2PAに対して、90度の角度をなすように左パネル2PCが配置され、左パネル2PCに対して90度の角度をなすように後パネル2PEが配置され、後パネル2PEの左端と左パネル2PCとが前後に並んで配置されるため、前パネル2PAと右前パネル2PHとの間の折り目、及び後パネル2PEと右後パネル2PFとの間の折り目とが折り曲げられ、胴部2Pは略長方形状を有する4角筒形に変形する。8角形函2を4角筒状に開函した後、第2アクチュエータ28が第1係合装置25を右側に移動させ、第7アクチュエータ49が第3係合装置45を右側に移動させることによって、第2係合装置35、及び第3係合装置45が後方へスライドするため、胴部2Pが8角筒状に開かれる。
【0124】
また、4角形函3を4角筒状の胴部3Pを有する開函状態に開函することも可能である。4角形函3を開函状態に開函するときにも、8角形函2を4角筒状に開函するときと同様に、第2アクチュエータ28が第1係合装置25を初期位置で維持し、第7アクチュエータ49が第3係合装置45を初期位置に維持すればよい。このとき、前パネル3PAに対して、90度の角度をなすように左パネル3PCが配置され、左パネル3PCに対して90度の角度をなすように後パネル3PEが配置されるため、胴部3Pは略長方形状を有する4角筒形に変形する。
【0125】
開函装置301によって4角形函3が4角筒状態に開函されるときには、成形装置61を省いて製函を行ってもよい。成形装置61を用いて、4角形函3を4角筒状態に開函するときは、胴部拡張装置68が左右外方に退避した位置に維持され、型部材63の基面64が胴部2P又は3Pの4つの角に当接することによって、4角形函3が成形される。外フラップ2LOが折られるときは、型部材63によって4角形函3は支持されるため、4角形函3は上部に突出することはなく、型部材63に支持される。
【0126】
第2アクチュエータ28及び第7アクチュエータ49が駆動したときの長さを変えることによって、左パネル2PCと左後パネル2PDのなす角、及び左パネル2PCと左前パネル2PBのなす角が変化するため、左パネル2PCと左後パネル2PDのなす角、及び左パネル2PCと左前パネル2PBのなす角が異なる函体2も開函状態にすることが可能である。
【0127】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。本実施形態に係る製函機1は、函体2、3に物品を収容する構成を有していないが、下フラップ2Lが封緘された後、函体2、3に物品を収容し、上フラップ2Uを封緘する構成を備えていてもよい。また、上記実施形態の各構成は、全てが必須の構成ではなく、適宜取捨選択することができる。
【0128】
上記第2実施形態では、第1支持部材18は後パネル2PEを支持し、第3係合装置45は前パネル2PAを支持し、支持装置12が第1係合装置25と第3係合装置45との相対的な配置が、開函状態の函体2の後パネル2PEと前パネル2PAとの相対的な配置となるように配置していたが、第1支持部材18が支持するパネルと第3支持部材44が支持するパネルの組み合わせは前パネル2PAと後パネル2PEとの組み合わせに限定されない。第1支持部材18が支持するパネルと第3係合装置45が支持するパネルとは、少なくとも1つのパネルを介して接続されていればよい。支持装置12が、第1支持部材18が支持するパネルと第3係合装置45が支持するパネルとの相対的な配置を開函状態の函体2の対応するパネルの相対的な配置とするように、第1支持部材18と第3係合装置45とを配置すれば、函体2は開函状態に変形される。
【0129】
上記実施形態では、第1係合装置25、第2係合装置35、及び第3係合装置45はすべて、それぞれに設けられたピン27が上フラップ2Uに刺さることによって上フラップ2Uに係合していたが、係合装置25、35、45と函体2との係合手段はピン27には限定されない。第1実施形態及び第3実施形態において、第1係合装置25が後パネル2PEに吸着する減圧吸着装置を備え、第2係合装置35が左パネル2PCに吸着する減圧吸着装置を備え、第3係合装置45が前パネル2PAに吸着する減圧吸着装置を備え、それぞれが減圧して対応するパネルに着脱可能に係合してもよい。また、第2実施形態において、第1係合装置25が後パネル2PEに吸着する減圧吸着装置を備え、第2係合装置35が前パネル2PAに吸着する減圧吸着装置を備え、それぞれが減圧して対応するパネルに着脱可能に係合してもよい。これらの減圧吸着装置は、成形装置61に備えられた減圧吸着装置69と同様のものであればよい。
【0130】
第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態に係る開函装置10、201、301において、接続具47として2枚の板材がL字状に接続されたL字金具が用いられている。L字金具の一端側の端部と第2係合装置本体36又は第2支持部材19とが蝶番を介して接続され、L字金具の他端側の端部と第3係合装置45とが蝶番を介して接続され、支持装置12が閉形態にあるとき、L字金具を構成する2枚の板材の接続部が後方に突出するように構成されている。L字金具の両端に結合している2つの蝶番それぞれにねじりコイルばねを設け、そのねじりコイルばねによって、L字金具の一端側の板材と第2係合装置35又は第2支持部材19とが所定の角度をなすように付勢され、L字金具の他端側の板材と第3係合装置45とが所定の角度をなすように付勢されていてもよい。ねじりコイルばねの付勢力を用いることによって、胴部2Pの形状がより精度よく決められる。