(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6786326
(24)【登録日】2020年10月30日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】多焦点レインセンサー
(51)【国際特許分類】
G01N 21/17 20060101AFI20201109BHJP
B60S 1/08 20060101ALI20201109BHJP
【FI】
G01N21/17 E
B60S1/08 H
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-186073(P2016-186073)
(22)【出願日】2016年9月23日
(65)【公開番号】特開2017-187466(P2017-187466A)
(43)【公開日】2017年10月12日
【審査請求日】2019年5月17日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0042608
(32)【優先日】2016年4月7日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA MOTORS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100199255
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 大幸
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジョン、ミン
(72)【発明者】
【氏名】コン、ナク、キョン
(72)【発明者】
【氏名】ジン、コン、ス
(72)【発明者】
【氏名】イ、キ、ホン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジン、サン
【審査官】
越柴 洋哉
(56)【参考文献】
【文献】
韓国公開特許第10−2015−0137897(KR,A)
【文献】
特開2012−103026(JP,A)
【文献】
特開平09−184803(JP,A)
【文献】
特開平11−023457(JP,A)
【文献】
特開2006−071491(JP,A)
【文献】
特開2015−034714(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/17−21/61
B60S 1/00− 1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のレインセンサーであって、
光を出力する少なくとも1つの発光部と、
前記発光部に対応して一定距離離れて形成される第1反射板と、
前記第1反射板によって反射された反射光を再び反射させて感知領域を形成するガラス部と、
前記ガラス部によって再び反射された反射光を再反射する第2反射板と、
前記第2反射板で反射された反射光を受光する受光部と、を含み、
前記第2反射板は、前記ガラス部の厚さの変化により変わる入射光の垂直方向の高さに応じて多数の焦点からなる多焦点反射板で構成されることを特徴とする多焦点レインセンサー。
【請求項2】
前記第2反射板は、階段形態で構成され、前記階段形態の各層は前記ガラス部の厚さによって相異なる位相を有する前記反射光を前記受光部に集光するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の多焦点レインセンサー。
【請求項3】
前記第2反射板は、大口径多焦点のパラボラ反射板で構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の多焦点レインセンサー。
【請求項4】
前記第2反射板は、垂直方向に沿って相異なる焦点を持つように曲率を形成し、水平方向に球面の形態を含む反射板で構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の多焦点レインセンサー。
【請求項5】
前記発光部は、赤外線LEDで構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の多焦点レインセンサー。
【請求項6】
前記ガラス部の厚さが4mm〜6mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の多焦点レインセンサー。
【請求項7】
前記ガラス部の内側面に位置する平行部をさらに含み、
前記平行部は、前記反射板に反射された反射光が平行光を構成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の多焦点レインセンサー。
【請求項8】
前記平行部は、鋸歯状のレンズで構成されることを特徴とする請求項7に記載の多焦点レインセンサー。
【請求項9】
前記平行部は、前記ガラス部の感知領域に左右対称に構成されることを特徴とする請求項8に記載の多焦点レインセンサー。
【請求項10】
2つ以上の発光部が設けられ、
前記2つ以上の発光部は、時間分離によって前記受光部に流入される光を制御することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の多重敏感度領域を有するレインセンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多焦点レインセンサーに関するもので、より詳細には、レインセンサーが付着される車両のガラス部の厚さに対応して多様な焦点が要求される場合も単一のレインセンサーの構成を用いて多様な焦点を有する状況で統合的に適用可能であり、受光領域の反射光を効率的に集光できる多焦点レインセンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
レインセンサー(Rain Sensor)は、運転者が別途に操作しなくても雨滴の強さと量などを自ら感知してワイパーの速度や作動時間などを自動的に制御する装置である。
【0003】
レインセンサーは雨滴感知器または雨滴感知センサともいい、運転者が運転途中にワイパーの動きや速度を調節するために別途の動作を取る場合、目を移すか、不必要な動作によって発生する事故または運転上の不便さを減らすために開発された。
【0004】
具体的には、雨滴が自動車のウインドシールドガラスに落ちると、ウインドシールドガラスの裏面に設置されたレインセンサーが赤外線を用いて雨滴の量と速度を感知し、感知された雨滴の量と速度によりワイパーの速度を早くまたは遅く動作するように制御する方式である。
【0005】
上述したように、車両のワイパーの速度制御を行うためには正確な雨滴の量を測定することが重要であり、さらに正確な雨滴の量を測定するためには発光部で反射された光を効率的に集光しなければならない。
【0006】
ところが、車両によって相異なる厚さのガラス部が適用されるため、それぞれのガラス部の厚さに合わせて別途のレインセンサーが装着されるか、従来のレインセンサーを適切に設計変更しなければならないという問題があった。
【0007】
また、空間、材質、及び屈折光学上の限界によって、幅広い領域に入射される反射光を短い位置に集光し難かったため、センサの効率を上げるためにセンサのサイズが増大するという問題があった。
【0008】
先行技術として特許文献1では、発光部で発光された光を受光部に直接集光してガラス部に位置する雨滴の量を測定するレインセンサー30を提供する。
【0009】
特許文献1の構成は、
図1に示されているが、
図1では光を発生させる発光部11、前記発光部11で生成された光を反射させる反射板12、前記反射板12に反射された光を再反射させて感知領域を形成するガラス部20、及び前記ガラス部20で反射された光を受光する受光部13を示している。
【0010】
しかし、特許文献1でも、水平に流入される反射光を全部集光する別途の構成が開示されておらず、受光部13の集光効率が低下するという問題があった。
【0011】
さらに、単一ガラス部に対するレインセンサーの構成を開示しているが、ガラス部の厚さにより別途の焦点を有する反射板を構成しなければならず、ガラス部の厚さによって相異なる焦点を有するレインセンサーが要求される状況には適用できないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】韓国公開特許公報第2015−137897号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記のような問題点を案出するために考案されたもので、多数の焦点を有する第2反射板を提供してガラス部の厚さによって相異なる焦点を要求する如何なる自動車にも適用できる多焦点レインセンサーを提供することに目的がある。
【0014】
また、多焦点の第2反射板を提供することで、位置別の位相差が存在する入射光を全部受光できるレインセンサーを提供することに目的がある。
【0015】
さらに、本発明は、受光部に位置する第2反射板を用いてガラス部で反射され入射される反射光を屈折させて受光部に集光する構成を含むことで、集光効率の高いレインセンサーを提供することができる。
【0016】
本発明の目的は、以上で言及した目的に制限されることはなく、言及していない本発明の他の目的は下記の説明によって理解でき、本発明の実施例から明らかになる。また、本発明の目的は、特許請求の範囲に記載された手段及びその組合せにより実現されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述した本発明の目的を達成するための多焦点レインセンサーは次のような構成を含む。
【0018】
車両のレインセンサーにおいて、光を出力する発光部と、前記発光部に対応して一定距離離れて形成される第1反射板と、前記第1反射板によって反射された前記反射光を再び反射させて感知領域を形成するガラス部と、前記ガラス部によって再び反射された反射光を再反射する第2反射板と、前記第2反射板で反射された反射光を受光する受光部と、を含み、前記第2反射板は、前記ガラス部の厚さの変化により変わる入射光の垂直方向の高さに応じて多数の焦点からなる多焦点反射板で構成される多焦点レインセンサーを提供する。
【0019】
また、前記第2反射板は、階段形態で構成され、前記階段形態の各層は前記ガラス部の厚さによって相異なる位相を有する前記反射光を前記受光部に集光するように構成されることを特徴とする多焦点レインセンサーを提供する。
【0020】
また、前記第2反射板は、大口径多焦点のパラボラ反射板で構成されることを特徴とする多焦点レインセンサーを提供する。
【0021】
また、前記第1反射板の焦点よりも前記第2反射板の焦点がさらに大きい形態で構成されることを特徴とする多焦点レインセンサーを提供する。
【0022】
また、前記第2反射板を形成する複数の焦点は
【数1】
によって決められることを特徴とする多焦点レインセンサー(前記xは第2反射板と受光部の距離、前記yは第2反射板の高さ、前記fは第2反射板の焦点距離)を提供する。
【0023】
また、前記第2反射板は、垂直方向に沿って相異なる焦点を持つように曲率を形成し、水平方向に球面の形態を含む放物型反射板で構成されることを特徴とする多焦点レインセンサーを提供する。
【0024】
また、前記発光部は、赤外線LEDで構成されることを特徴とする多焦点レインセンサーを提供する。
【0025】
また、前記ガラス部の厚さが4mm〜6mmから何れか1つであることを特徴とする多焦点レインセンサーを提供する。
【0026】
また、前記ガラス部の内側面に位置する平行部をさらに含み、前記平行部は、前記反射板に反射された反射光が平行光を構成することを特徴とする多焦点レインセンサーを提供する。
【0027】
また、前記平行部は、鋸歯状のレンズで構成されることを特徴とする多焦点レインセンサーを提供する。
【0028】
また、前記平行部は、前記ガラス部の感知領域に左右対称して構成されることを特徴とする多焦点レインセンサーを提供する。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、上記本実施例と下記に説明する構成との結合、使用関係によって次のような効果が得られる。
【0030】
本発明は、相異なるガラスの厚さに適用できるように多焦点を有するレインセンサーを提供することで、相異なるガラス部の厚さを有する自動車に共通的に適用するレインセンサーを提供することができる。
【0031】
また、ガラス部で反射された反射光が第2反射板に入射され屈折されることで、垂直方向に曲率を有する第2反射板による光の効率的な集光が可能となる。
【0032】
また、効率的な集光が可能なように構成される第2反射板により、受光部に受光される光を増加できるため、レインセンサーの測定の正確度を著しく高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】従来技術として、反射光が受光部に直接照射されるレインセンサーを示している。
【
図2】本発明の一実施例として、曲面多焦点の第2反射板を含む多焦点レインセンサーの斜視図である。
【
図3】本発明の一実施例として、曲面多焦点の第2反射板を含む多焦点レインセンサーの側断面図である。
【
図4】本発明の一実施例として、曲面多焦点の第2反射板を含む多焦点レインセンサーの光の経路を示している。
【
図5】本発明の一実施例として、階段形態の多焦点の第2反射板を含む多焦点レインセンサーの斜視図である。
【
図6】本発明の一実施例として、階段形態の多焦点の第2反射板を含む多焦点レインセンサーの側断面図である。
【
図7a】本発明の一実施例として、ガラス部の厚さが4mmで曲面多焦点の第2反射板を含む多焦点レインセンサーの光の経路を示している。
【
図7b】本発明の一実施例として、ガラス部の厚さが5mmで曲面多焦点の第2反射板を含む多焦点レインセンサーの光の経路を示している。
【
図7c】本発明の一実施例として、ガラス部の厚さが6mmで曲面多焦点の第2反射板を含む多焦点レインセンサーの光の経路を示している。
【
図8a】従来技術の比較例として、ガラス部の厚さによる受光部の出力を示している。
【
図8b】本発明の一実施例として、曲面多焦点の第2反射板を含むレインセンサーのガラス部の厚さによる受光部の出力を示している。
【
図8c】本発明の一実施例として、階段形態の多焦点の第2反射板を含むレインセンサーのガラス部の厚さによる受光部の出力を示している。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施例を添付した図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施例は、様々な形態に変形することができ、本発明の範囲が以下の実施例により限定されると解釈してはいけない。本実施例は、当業界で平均的な知識を有する者にとって本発明をさらに完全に説明するために提供される。
【0035】
また、本明細書で構成の名称を第1、第2などに分けたことはその構成の名称が同じで、これを区分するためであり、下記の説明で必ずしもその順序を限定することはない。
【0036】
本発明は、車両のガラスに付着されて車両のガラスに落ちる雨滴を感知し、感知された雨滴の量及び落下周期によって車両のワイパーの速度及び周期を制御できる信号を出力する鏡を用いた全反射形態のレインセンサーに関するものである。さらに、レインセンサーは、車両の前面ガラスだけでなく、車両のガラスのおいてワイパーを備えるガラス(例えば、後面ガラスなど)にも付着してもよい。
【0037】
図2は本発明の一実施例として、多焦点レインセンサー100の斜視図である。
【0038】
多焦点レインセンサー100は、レインセンサーのハウジングの内部に位置する少なくとも1つの発光部110を含み、車両のガラス部130に接触する他の平面上に位置し、ハウジングの水平方向に光を照射するように位置し、赤外線を照射する赤外線LEDからなる。さらに、前記発光部は、水平面上に第1反射板120と向き合うように構成されるが、発光部110により照射された光が第1反射板120により反射されるように位置される。
【0039】
さらに、発光部110に対応する構成として受光部150を含むが、受光部150は、発光部110で照射された光を受光するフォトダイオードで構成される。前記フォトダイオードは、ハウジングに位置するPCB200に連結されて雨滴の量によって受光される光の測定値を受信する構成である。受光部150は、第2反射板140と向き合うように構成され、発光部110で照射され反射された光が第2反射板140により反射されて受光部150に集光される。具体的には、第2反射板140は、垂直方向に入射される反射光を集光するために一定の曲率を持つが、水平方向に入射される反射光を集光するために一定の曲率または球面状態の構成を含む。上述したように、発光部110で照射され反射された光を集光するように構成される第2反射板140は、垂直方向の高さによって相異なる焦点を持つように構成されるが、それぞれの焦点は、ガラス部130の厚さによって相異なる位相を有する反射光により設定されることができる。
【0040】
さらに好ましくは、本発明の発光部110は2つ以上で構成されることができ、多数の発光部110でそれぞれ照射される光は、受光部150により受光されるが、前記発光部110は時間分離によって光を照射する時間を分離でき、このように照射される光は受光部150により全部受光することができる。
【0041】
また、本発明の一実施例では、1つの受光部150を含んで構成され、2つ以上の発光部110での時間分離から発生する光は1つの受光部150に順次流入されるが、1つの受光部150の構成により、多数の発光部110で照射される光を受光することができる。
【0042】
図3は、本発明の一実施例として、多焦点レインセンサー100の側断面図である。
【0043】
レインセンサーのハウジングの内部に位置する発光部110は、水平方向に光を照射するように構成され、照射された光は発光部110から一定距離離れた第1反射板120に照射される。このように照射された光は、第1反射板120で反射され、車両のガラス部130の外側に入射される。さらに、車両のガラス部130の外側に入射される前に位置する平行部160を構成してもよいが、反射光は、平行部160を通過して平行光の形態を有することができる。ただし、前記平行部160を通過した反射光は、レインセンサーの形態及び感知面積によって、他の形態の光経路を構成することができる。さらに好ましくは、前記平行部160は、ガラス部の感知領域の中心に対称して構成できるが、前記平行部160を過ぎる光の経路を維持または変更できる構成である。
【0044】
また、反射光は、前記車両のガラス部130の外側で全反射を行い、ガラス部130で再反射された反射光は第2反射板140に照射される。第2反射板140は、垂直方向の高さによって相異なる焦点を有する多焦点パラボラ鏡で構成することができる。このように構成される第2反射板140は、照射される反射光を反射させるが、第2反射板140と向き合う受光部150は、第2反射板140に入射される反射光を集光する役割を行う。さらに好ましくは、第2反射板140は、第1反射板120の焦点よりも大きい焦点値を持つが、第2反射板140が第1反射板120に比べてさらに広い領域から流入される光を集光できる構成である。
【0045】
多焦点で構成される第2反射板140は、ガラス部130の厚さによって相異なる位相を有する反射光が全部反射できるように大口径で構成することができる。また、第2反射板140は、相異なる位相を有する反射光が再反射されて受光部150に受光されるように一定高さによって相異なる焦点を持つ。さらに好ましくは、本発明の第2反射板140は、垂直方向に、高さによって相異なる焦点を持つように曲面(パラボラ)形状を持つことができ、ガラスの厚さが厚いほど反射光は長焦点を持ち、前記第2反射板140の垂直方向の上部に反射光が照射される。また、水平方向に照射される反射光を受光部150に集光するために、第2反射板140は水平方向に球面の形態を持つように構成される。
【0046】
図4は、本発明の一実施例として、多焦点パラボラ鏡で構成される第2反射板140を含む多焦点レインセンサー100の前面図である。
【0047】
赤外線LED発光部110で構成されるレインセンサーとして、発光部110で照射された光が第1反射板120に反射され、鋸歯状の平行部160を通過してガラス部130に入射される。前記入射されたガラス部130の外側では全反射を行って第2反射板140に前記反射光が入射されるが、第2反射板140は、大口径の長焦点反射板で構成される。また、第2反射板140は、垂直方向に一定の曲率を含んで垂直方向に照射される反射光を集光し、水平方向に球面形態を取っていて水平方向に照射される反射光を集光するように構成される。上述したように、第2反射板140で再反射された反射光は受光部150に集光される。
【0048】
図5は、本発明のまた他の実施例として、階段形態の鏡で構成される第2反射板140を含む多焦点レインセンサー100の斜視図である。
【0049】
前記
図2に示された構成と同じ構成を含む実施例として、第2反射板140の形態が多焦点を有する階段形態で構成される。さらに好ましくは、3つの層で構成される第2反射板140は、最上層で長焦点を含む反射板で構成され、ハウジングの底面に近い層であるほど短焦点を有する反射板で構成される。さらに、第2反射板140を構成するそれぞれの層を構成する反射板は、曲面形態を維持でき、また、層を分割するように構成される階段形態も一定の傾きを維持するように構成することができる。
【0050】
図6は、本発明のまた他の実施例として、階段形態の鏡で構成される第2反射板140を含む多焦点レインセンサー100の側断面図である。
【0051】
レインセンサーのハウジングの内部に位置する発光部110は、水平方向に光を照射するように構成され、照射された光は発光部110から一定距離離れた第1反射板120に照射される。このように照射された光は、第1反射板120で反射されて車両のガラス部130の外側に入射される。さらに、車両のガラス部130の外側に入射される前に位置する平行部160を構成できるが、反射光は、平行部160を通過して平行光の形態を有することができる。ただし、前記平行部160を通過した反射光は、レインセンサーの形態及び感知面積によって他の形態の光経路を構成することができる。
【0052】
また、反射光は、前記車両のガラス部130外側で全反射を行い、ガラス部130で再反射された反射光は、第2反射板140に照射される。第2反射板140は、垂直方向の高さによって相異なる焦点を有する階段形態の鏡で構成することができる。さらに好ましくは、第2反射板140は、垂直方向に一定の曲率を含むそれぞれの層で構成されて垂直方向に照射される反射光を集光し、水平方向に球面形態を取っていて水平方向に照射される反射光を集光するように構成される。
【0053】
このように構成される第2反射板140は、第2反射板140と向き合う受光部150に反射光を集光させる。さらに好ましくは、第2反射板140は、第1反射板120の焦点よりも大きい焦点値を持つように構成できるが、第2反射板140が第1反射板120に比べてさらに広い領域から流入される光を集光することができる。
【0054】
このように、多焦点で構成される第2反射板140により、ガラス部130の厚さによって相異なる位相を有する反射光が入射される場合、相異なる位相を有する反射光が第2反射板140のそれぞれの層から再反射されて受光部150に集光されるようにそれぞれの層は相異なる焦点を持つ。
【0055】
具体的には、3つの層の鏡で構成される第2反射板140は、ガラス部130が6mmで構成される車両の雨滴の量を測定する場合、第2反射板140の最上層に入射される反射光を受光部150で集光するように構成される。これと比較して、ガラス部130が5mmで構成される車両の雨滴の量を測定する場合、第2反射板140の2層に位置する反射板により反射光を受光部150に集光し、ガラス部130が4mmで構成される車両の雨滴の量を測定する場合、第2反射板140の最下層部に位置する反射板により受光部150に集光を行う。
【0056】
図7aは、本発明の一実施例により、ガラス部130が4mmの厚さを含む場合、レインセンサーの光の経路を側面から示している。
【0057】
本発明の一実施例によれば、第2反射板140は、水平方向に相異なる3つの焦点を有するパラボラ鏡で構成されるが、最下層から最上層に行くほど長さの長い焦点を持つ。
【0058】
したがって、ガラス部130の外側に位置する雨滴を測定するためのレインセンサーの光は、発光部110から入射されて第1反射板120で反射され、前記第1反射板120で反射された反射光は、前記車両のガラス部130外側で全反射を行い、ガラス部130で再反射された反射光は、第2反射板140に照射される。さらに、第2反射板140に入射される反射光の場合は、第2反射板140は垂直方向に最も低い層に入射されるため、最も短い焦点を有する第2反射板140の領域を通して受光部150に集光される。
【0059】
図7bは、本発明の一実施例により、ガラス部130が5mmの厚さを含む場合、レインセンサーの光の経路を側面から示している。
【0060】
前記
図7aと同じく、第2反射板140は、水平方向に相異なる3つの焦点を有する多数の層を含む階段形態の鏡で構成されるが、最下層から最上層に行くほど長さの長い焦点を持つ。
【0061】
雨滴の量を測定するためのレインセンサーの光は、発光部110から入射されて第1反射板120で反射され、前記第1反射板120で反射された反射光は、前記車両のガラス部130の外側で全反射を行い、ガラス部130で再反射された反射光は、第2反射板140に照射される。さらに、第2反射板140に入射される反射光の場合は、第2反射板140は垂直方向に中間領域に入射されるため、中間焦点を有する第2反射板140の中間層領域を通して受光部150に集光される。
【0062】
図7cは、本発明の一実施例により、ガラス部130が6mmの厚さを含む場合、レインセンサーの光の経路を側面から示している。
【0063】
前記
図7aと同じく、第2反射板140は、水平方向に相異なる3つの焦点を有するパラボラ鏡で構成されるが、最下層から最上層で行くほど長さの長い焦点を持つ。
【0064】
雨滴の量を測定するためのレインセンサーの光は、発光部110から入射されて第1反射板120で反射され、前記第1反射板120で反射された反射光は、前記車両のガラス部130の外側で全反射を行い、ガラス部130で再反射された反射光は、第2反射板140に照射される。さらに、第2反射板140に入射される反射光の場合は、第2反射板140は垂直方向に最上層領域に入射されるため、最も長い焦点を有する第2反射板140の領域を通して受光部150に集光される。
【0065】
前記
図7aから
図7cに示されたように、ガラス部130の厚さにより反射光の位相差が発生するが、厚さの薄いガラス部130により全反射が行われる場合、発光部110に近いガラス部130の領域で全反射を行って第2反射板140の最下部領域に入射され、ガラス部130の厚さが厚くなるほど発光部110から遠いガラス部130の領域で全反射を行って第2反射板140の上層部に反射光が入射される構成である。
【0066】
したがって、ガラス部130の厚さが厚くなることによって、ガラス部130で全反射を行う位置が受光部150に近い領域に移動し、反射光が受光部150に近い領域で全反射が行われる場合、第2反射板140の垂直方向の上層に反射光が照射される。
【0067】
[比較例1]
従来技術として、発光部11、平行部、受光部13、及び反射板12を含むレインセンサーを構成するが、第2反射板140を含んでいないレインセンサーを使用して、ガラス部20の厚さによる受光能力を測定した。
【0068】
図8aに示すように、ガラス部20の厚さが4mmであれば、出力は0.001Wの値を持ち、発光部11の出力値の90%を持つことが分かる。
【0069】
さらに、ガラス部20の厚さが5mmであれば、発光部11の出力値の95%を持つため、レインセンサーの測定効率が良いことが分かる。
【0070】
ただし、ガラス部20の厚さが6mmであれば、受光部13で測定された出力は0.006Wの値が測定されるが、これはガラス部20の厚さが4mm及び5mmの場合の出力値の半分以下の出力値であり、発光部11の出力と比較して約40%の出力比を持つ。
【0071】
上述したように、従来技術では、ガラスの厚さが6mm以上にして付着されたレインセンサーは、受光部13に受光される光の出力値が著しく低いため、正確な測定値を導き出し難い。
【0072】
[実施例1]
本発明の実施例1では、光を発生させる発光部110、発光部110で発生した光を反射させる第1反射板120、ガラス部130、及びガラス部130の内側面に付着される平行部160、多焦点パラボラ鏡で構成される第2反射板140、及び受光部150を含む多焦点レインセンサー100を構成する。さらに、第2反射板140は、長焦点及び大口径の第2反射板140を適用したレインセンサーの出力を測定した。
【0073】
このように実施例1によって構成されるレインセンサーにより、受光部150に集光される出力を測定した結果、ガラス部130の厚さが4mmであれば、出力値は0.014Wの値を持ち、発光部110出力値と比較して95%以上の出力比を示す。さらに、ガラス部130の厚さが5mmであれば、出力値は0.014Wよりも多少増加し、発光部110の出力値と比較して100%に至る出力比を示している。
【0074】
また、本実施例でガラス部130の厚さが6mmであれば、本発明の実施例によるレインセンサーの出力値は0.012Wで、発光部110の出力値と比較して85%以上の出力比を示している。
【0075】
[実施例2]
本発明の実施例2では、光を発生させる発光部110、発光部110で発生した光を反射させる第1反射板120、ガラス部130、及びガラス部130に付着される平行部160、階段形態の多焦点鏡で構成される第2反射板140、及び受光部150を含む多焦点レインセンサー100を構成する。
【0076】
このように実施例2によって構成されるレインセンサーにより、受光部150に集光される出力を測定した結果、ガラス部130の厚さが4mmであれば、出力値は0.014W以上の値を持ち、発光部110出力値と比較して90%以上の出力比を示す。さらに、ガラス部130の厚さが5mmであれば、出力値は0.015Wで、ガラス部130の厚さが4mmの場合よりも多少増加し、発光部110出力値と比較して100%に至る出力比を示している。
【0077】
ガラス部130の厚さが6mmであれば、本発明の実施例によるレインセンサーの出力値は0.0145Wで、発光部110の出力値と比較して95%以上の出力比を示している。すなわち、実施例2により構成された本発明のレインセンサーは、ガラス部130の厚さが4mmから6mmまで変化しても一定の出力値を提供するため、さらに正確な測定値を提供できると判断される。
【0078】
従来技術では、4mmから6mmまで変化するガラス部130に対して非対称反射鏡を含む比較例の出力値は最大50%まで減少し、出力比も最大50%に近い変化が確認された。
【0079】
これと比較して、本発明の実施例1のように、長焦点及び大口径の第2反射板140を適用する場合、ガラス部130の厚さが4mmから6mmまで変化する間に出力及び出力比の敏感度が大きく変化することがなく、結論的にガラス部130の厚さによる別途の設計変更が要求されないという特徴を有する。
【0080】
さらに、本発明の実施例2として、階段形態の反射鏡で構成される第2反射板140を含むレインセンサーも、ガラス部130の厚さが4mmから6mmまで変化する間に敏感度が大きく変化することがなく、さらに、ガラス部130の厚さが4mmから6mmに厚くなることによって出力値及び出力比が小幅増加する結果を示している。
【0081】
結論的に本発明の多焦点レインセンサー100は、ガラス部130の厚さによってレインセンサーの構造及び設定の変更が要求されることがない。
【0082】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、前述した内容は本発明の好ましい実施形態を説明することで、本発明は、多様な他の組合せ、変更、及び環境で使用することができる。すなわち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、記述した開示内容と均等な範囲及び/または当業界の技術または知識の範囲内で変更または修正が可能である。上記実施例は本発明の技術的思想を実現するための最善の状態を説明するもので、本発明の具体的な適用分野及び用途で要求される多様な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は上記実施状態で本発明を制限しようとする意図はない。また、添付した特許請求の範囲は他の実施状態も含むと解釈しなければならない。
【符号の説明】
【0083】
30 レインセンサー
20 ガラス部
11 発光部
12 反射板
13 受光部
14 平行部
100 多焦点レインセンサー
110 発光部
120 第1反射板
130 ガラス部
140 第2反射板
150 受光部
160 平行部
200 PCB