(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の電力変換装置の一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0014】
本実施形態による電力変換装置は、モータとバッテリとの間の電力授受を制御する。例えば、電力変換装置は、電動車両などの車両に搭載されている。電動車両は、電気自動車、ハイブリッド車両、および燃料電池車両などである。電気自動車は、バッテリを動力源として駆動する。ハイブリッド車両は、バッテリおよび内燃機関を動力源として駆動する。燃料電池車両は、燃料電池を駆動源として駆動する。
図1は、本発明の実施形態に係る電力変換装置1の構成を模式的に示す側面図である。
図2は、本発明の実施形態に係る電力変換装置1を搭載する車両10の一部の構成を示す図である。
【0015】
図2に示すように、車両10は、電力変換装置1に加えて、バッテリ11と、走行駆動用の第1モータ12、発電用の第2モータ13と、を備えている。
バッテリ11は、バッテリケースと、バッテリケース内に収容される複数のバッテリモジュールと、を備えている。バッテリモジュールは、直列に接続される複数のバッテリセルを備えている。バッテリ11は、電力変換装置1の直流コネクタ1aに接続される正極端子PBおよび負極端子NBを備えている。バッテリ11の正極端子PBおよび負極端子NBは、バッテリケース内において直列に接続される複数のバッテリモジュールの正極端および負極端に接続されている。
【0016】
第1モータ12は、バッテリ11から供給される電力によって回転駆動力を発生させる。第2モータ13は、回転軸に入力される回転駆動力によって回生電力を発生させる。また、第1モータ12は、車両10の減速時には、駆動輪から第1モータ12の回転軸へ入力される回転駆動力によって発生する回生電力により、バッテリ11を充電することも可能である。例えば、第1モータ12および第2モータ13の各々は、3相交流のブラシレスDCモータである。3相は、U相、V相、およびW相である。第1モータ12および第2モータ13の各々は、インナーロータ型であり、界磁用の永久磁石を有する回転子と、回転子を回転させる回転磁界を発生させるための3相のステータ巻線を有する固定子とを備えている。第1モータ12の3相のステータ巻線は、電力変換装置1の第1の3相コネクタ1bに接続されている。第2モータ13の3相のステータ巻線は、電力変換装置1の第2の3相コネクタ1cに接続されている。
【0017】
電力変換装置1は、パワーモジュール21と、リアクトル22と、コンデンサユニット23と、抵抗器24と、第1電流センサ25と、第2電流センサ26と、第3電流センサ27と、電子制御ユニット28と、ゲートドライブユニット29と、を備えている。
パワーモジュール21は、第1モータ12および第2モータ13に対して電力を授受する電力変換回路を構成する半導体モジュールを備えている。パワーモジュール21は、半導体素子から成る半導体モジュールとして、第1電力変換回路部31と、第2電力変換回路部32と、第3電力変換回路部33と、を備えている。第1電力変換回路部31は、第1の3相コネクタ1bによって第1モータ12の3相のステータ巻線に接続されている。第1電力変換回路部31は、バッテリ11から第3電力変換回路部33を介して入力される直流電力を3相交流電力に変換する。第2電力変換回路部32は、第2の3相コネクタ1cによって第2モータ13の3相のステータ巻線に接続されている。第2電力変換回路部32は、第2モータ13から入力される3相交流電力を直流電力に変換する。
【0018】
第1電力変換回路部31および第2電力変換回路部32の各々は、ブリッジ接続される複数のスイッチング素子によって形成されるブリッジ回路を備えている。例えば、スイッチング素子は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、またはMOSFET(Metal Oxide Semi-conductor Field Effect Transistor)などのトランジスタである。例えば、ブリッジ回路においては、対を成すハイ側およびロー側U相トランジスタUH,ULと、対を成すハイ側およびロー側V相トランジスタVH,VLと、対を成すハイ側およびロー側W相トランジスタWH,WLとが、ブリッジ接続されている。ハイ側の各トランジスタUH,VH,WHは、コレクタが正極端子PIに接続されてハイサイドアームを構成している。
【0019】
各相においてハイサイドアームの各正極端子PIは正極バスバーに接続されている。ロー側の各トランジスタUL,VL,WLは、エミッタが負極端子NIに接続されてローサイドアームを構成している。各相においてローサイドアームの各負極端子NIは負極バスバーに接続されている。各相においてハイサイドアームの各トランジスタUH,VH,WHのエミッタは、入出力端子TIにおいてローサイドアームの各トランジスタUL,VL,WLのコレクタに接続されている。
【0020】
第1電力変換回路部31の各相において入出力端子TIは第1バスバー51によって第1の3相コネクタ1bに接続されている。第1電力変換回路部31の各相の入出力端子TIは、第1バスバー51および第1の3相コネクタ1bを介して第1モータ12の各相のステータ巻線に接続されている。第2電力変換回路部32の各相において入出力端子TIは第2バスバー52によって第2の3相コネクタ1cに接続されている。
【0021】
第2電力変換回路部32の各相の入出力端子TIは、第2バスバー52および第2の3相コネクタ1cを介して第2モータ13の各相のステータ巻線に接続されている。ブリッジ回路は、各トランジスタUH,UL,VH,VL,WH,WLのコレクタ−エミッタ間においてエミッタからコレクタに向けて順方向となるように接続されるダイオードを備えている。
【0022】
第1電力変換回路部31および第2電力変換回路部32の各々は、ゲートドライブユニット29から各トランジスタUH,VH,WH,UL,VL,WLのゲートに入力されるスイッチング指令であるゲート信号に基づき、各相のトランジスタ対のオン(導通)/オフ(遮断)を切り替える。
第1電力変換回路部31は、バッテリ11から第3電力変換回路部33を介して入力される直流電力を3相交流電力に変換し、第1モータ12の3相のステータ巻線への通電を順次転流させることで、3相のステータ巻線に交流のU相電流、V相電流、およびW相電流を通電する。
第2電力変換回路部32は、第2モータ13の回転に同期がとられた各相のトランジスタ対のオン(導通)/オフ(遮断)駆動によって、第2モータ13の3相のステータ巻線から出力される3相交流電力を直流電力に変換する。
【0023】
第3電力変換回路部33は、バッテリ11から出力される電力によって第1モータ12を駆動する場合には、バッテリ11の出力電圧を昇圧して正極端子PV及び負極端子NV側へ出力することが可能である。
第3電力変換回路部33は、第1モータ12又は第2モータによる回生電力によってバッテリ11を充電する場合には、第1モータ12又は第2モータの出力電圧を降圧して正極端子PB及び負極端子NB側からバッテリ11側へ出力することが可能である。
【0024】
第3電力変換回路部33は、対を成すハイ側およびロー側のスイッチング素子を備えている。例えば、第3電力変換回路部33は、ハイ側の第1トランジスタS1およびロー側の第2トランジスタS2を備えている。第1トランジスタS1は、コレクタが正極端子PVに接続されてハイサイドアームを構成している。ハイサイドアームの正極端子PVは正極バスバーに接続されている。第2トランジスタS2は、エミッタが負極端子NVに接続されてローサイドアームを構成している。
【0025】
ローサイドアームの負極端子NVは負極バスバーに接続されている。ハイサイドアームの第1トランジスタS1のエミッタはローサイドアームの第2トランジスタS2のコレクタに接続されている。第3電力変換回路部33は、第1トランジスタS1および第2トランジスタS2の各々のコレクタ−エミッタ間においてエミッタからコレクタに向けて順方向となるように接続されるダイオードを備えている。
【0026】
ハイサイドアームの第1トランジスタS1とローサイドアームの第2トランジスタS2との接続点は、第3バスバー53によってリアクトル22に接続されている。リアクトル22の両端は、第1トランジスタS1および第2トランジスタS2の接続点と、バッテリ11の正極端子PBとに接続されている。リアクトル22は、コイル22aと、コイル22aの温度を検出する温度センサ22bとを備えている。温度センサ22bは、信号線によって電子制御ユニット28に接続されている。
【0027】
第3電力変換回路部33は、ゲートドライブユニット29から第1トランジスタS1および第2トランジスタS2の各々のゲートに入力されるスイッチング指令であるゲート信号に基づき、トランジスタ対のオン(導通)/オフ(遮断)を切り替える。
第3電力変換回路部33は、昇圧時において、第2トランジスタS2がオン(導通)および第1トランジスタS1がオフ(遮断)に設定される第1状態と、第2トランジスタS2がオフ(遮断)および第1トランジスタS1がオン(導通)に設定される第2状態とを交互に切り替える。
【0028】
第1状態では、順次、バッテリ11の正極端子PB、リアクトル22、第2トランジスタS2、バッテリ11の負極端子NBへと電流が流れ、リアクトル22が直流励磁されて磁気エネルギーが蓄積される。第2状態では、リアクトル22に流れる電流が遮断されることに起因する磁束の変化を妨げるようにしてリアクトル22の両端間に起電圧(誘導電圧)が発生する。リアクトル22に蓄積された磁気エネルギーによる誘導電圧はバッテリ電圧に重畳されて、バッテリ11の端子間電圧よりも高い昇圧電圧が第3電力変換回路部33の正極端子PVと負極端子NVとの間に印加される。
【0029】
第3電力変換回路部33は、回生時において、第2状態と、第1状態とを交互に切り替える。第2状態では、順次、第3電力変換回路部33の正極端子PV、第1トランジスタS1、リアクトル22、バッテリ11の正極端子PBへと電流が流れ、リアクトル22が直流励磁されて磁気エネルギーが蓄積される。第1状態では、リアクトル22に流れる電流が遮断されることに起因する磁束の変化を妨げるようにしてリアクトル22の両端間に起電圧(誘導電圧)が発生する。リアクトル22に蓄積された磁気エネルギーによる誘導電圧は降圧されて、第3電力変換回路部33の正極端子PVおよび負極端子NV間の電圧よりも低い降圧電圧がバッテリ11の正極端子PBと負極端子NBとの間に印加される。
【0030】
コンデンサユニット23は、第1平滑コンデンサ41と、第2平滑コンデンサ42と、ノイズフィルタ43と、を備えている。
第1平滑コンデンサ41は、バッテリ11の正極端子PBと負極端子NBとの間に接続されている。第1平滑コンデンサ41は、第3電力変換回路部33の回生時における第1トランジスタS1および第2トランジスタS2のオン/オフの切換動作に伴って発生する電圧変動を平滑化する。
【0031】
第2平滑コンデンサ42は、第1電力変換回路部31および第2電力変換回路部32の各々の正極端子PIおよび負極端子NI間、並びに第3電力変換回路部33の正極端子PVおよび負極端子NV間に接続されている。第2平滑コンデンサ42は、第1電力変換回路部31および第2電力変換回路部32の各々の各トランジスタUH,UL,VH,VL,WH,WLのオン/オフの切換動作に伴って発生する電圧変動を平滑化する。第2平滑コンデンサ42は、第3電力変換回路部33の昇圧時における第1トランジスタS1および第2トランジスタS2のオン/オフの切換動作に伴って発生する電圧変動を平滑化する。
【0032】
ノイズフィルタ43は、第1電力変換回路部31および第2電力変換回路部32の各々の正極端子PIおよび負極端子NI間、並びに第3電力変換回路部33の正極端子PVおよび負極端子NV間に接続されている。ノイズフィルタ43は、直列に接続される2つのコンデンサを備えている。2つのコンデンサの接続点は、車両のボディグラウンドなどに接続されている。
抵抗器24は、第1電力変換回路部31および第2電力変換回路部32の各々の正極端子PIおよび負極端子NI間、並びに第3電力変換回路部33の正極端子PVおよび負極端子NV間に接続されている。
【0033】
第1電流センサ25は、第1電力変換回路部31の各相の入出力端子TIと第1の3相コネクタ1bとを接続するバスバー51に配置され、U相、V相、およびW相の各々の電流を検出する。第2電流センサ26は、第2電力変換回路部32の各相の入出力端子TIと第2の3相コネクタ1cとを接続するバスバー52に配置され、U相、V相、およびW相の各々の電流を検出する。第3電流センサ27は、第1トランジスタS1および第2トランジスタS2の接続点とリアクトル22とを接続するバスバー53に配置され、リアクトル22に流れる電流を検出する。
第1電流センサ25、第2電流センサ26、および第3電流センサ27の各々は、信号線によって電子制御ユニット28に接続されている。例えば、信号線の形状は、ピン状に形成されており、回路基板61の孔部(不図示)に挿入された状態で回路基板61に対して半田付けされている。
【0034】
電子制御ユニット28は、第1電流センサ25及び第2電流センサ26によって検出される電流値に基づき、例えば第1モータ12及び第2モータ13の電流フィードバック制御を行うことが可能である。また、電子制御ユニット28は、第1電流センサ25及び第2電流センサ26によって検出される電流値に基づき、第1電力変換回路部31および第2電力変換回路部32の過電流保護制御を行うことも可能である。
電子制御ユニット28は、例えば第3電流センサ27によって検出される電流値が所定の閾値を超えないように、第3電力変換回路部33を制御することで、第3電力変換回路部33を構成する第1トランジスタS1および第2トランジスタS2を保護することが可能である。
また、第3電力変換回路部33が、複数のチョッパ回路を並列接続して構成されたインターリーブ回路である場合には、複数のチョッパ回路の各リアクトルに電流センサを接続して、各リアクトルに流れる電流値を均等化するように制御しても良い。
【0035】
電子制御ユニット28は、第1モータ12および第2モータ13の各々の動作を制御する。例えば、電子制御ユニット28は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサによって所定のプログラムが実行されることにより機能するソフトウェア機能部である。ソフトウェア機能部は、CPUなどのプロセッサ、プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、およびタイマーなどの電子回路を備えるECU(Electronic Control Unit)である。
【0036】
なお、電子制御ユニット28の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)などの集積回路であってもよい。
例えば、電子制御ユニット28は、第1電流センサ25の電流検出値と第1モータ12に対するトルク指令値に応じた電流目標値とを用いる電流のフィードバック制御などを実行し、ゲートドライブユニット29に入力する制御信号を生成する。
例えば、電子制御ユニット28は、第2電流センサ26の電流検出値と第2モータ13に対する回生指令値に応じた電流目標値とを用いる電流のフィードバック制御などを実行し、ゲートドライブユニット29に入力する制御信号を生成する。
【0037】
制御信号は、第1電力変換回路部31および第2電力変換回路部32の各々の各トランジスタUH,VH,WH,UL,VL,WLをオン(導通)/オフ(遮断)駆動するタイミングを示す信号である。例えば、制御信号は、パルス幅変調された信号などである。
【0038】
ゲートドライブユニット29は、電子制御ユニット28から受け取る制御信号に基づいて、第1電力変換回路部31および第2電力変換回路部32の各々の各トランジスタUH,VH,WH,UL,VL,WLを実際にオン(導通)/オフ(遮断)駆動するためのゲート信号を生成する。例えば、ゲートドライブユニット29は、制御信号の増幅およびレベルシフトなどを実行して、ゲート信号を生成する。
【0039】
ゲートドライブユニット29は、第3電力変換回路部33の第1トランジスタS1および第2トランジスタS2の各々をオン(導通)/オフ(遮断)駆動するためのゲート信号を生成する。例えば、ゲートドライブユニット29は、第3電力変換回路部33の昇圧時における昇圧電圧指令または第3電力変換回路部33の回生時における降圧電圧指令に応じたデューティー比のゲート信号を生成する。デューティー比は、スイッチング周期における第1トランジスタS1および第2トランジスタS2のオン時間の比率である。
【0040】
図1に示すように、電力変換装置1において、パワーモジュール21と、電子制御ユニット28およびゲートドライブユニット29が搭載された回路基板61とは、平面視において重なるように配置されている。パワーモジュール21と回路基板61とを接続するゲート信号用の信号線62は、パワーモジュール21および回路基板61の相互の対向面上から引き出され、パワーモジュール21と回路基板61との間に配置されている。
【0041】
リアクトル22は、パワーモジュール21と回路基板61との間に配置されている。これにより、パワーモジュール21は、回路基板61とリアクトル22との間の外部に配置され、回路基板61とリアクトル22との間に配置されていない。リアクトル22の温度センサ22bと回路基板61とを接続する信号線63は、リアクトル22および回路基板61の相互の対向面上から引き出され、リアクトル22と回路基板61との間に配置されている。リアクトル22とパワーモジュール21の第3電力変換回路部33とを接続する第3バスバー53は、回路基板61に対するパワーモジュール21の対向面と、リアクトル22の側面との間に配置されている。リアクトル22の側面は、パワーモジュール21および回路基板61の配列方向に交差する方向における表面である。第3バスバー53に設けられている第3電流センサ27と、第3電流センサ27と回路基板61とを接続する信号線64とは、パワーモジュール21と回路基板61との間に配置されている。
【0042】
パワーモジュール21の第1電力変換回路部31および第2電力変換回路部32に接続される第1バスバー51および第2バスバー52は、回路基板61に対するパワーモジュール21の対向面上から引き出されている。第1バスバー51および第2バスバー52の各々に設けられる第1電流センサ25および第2電流センサ26と、第1電流センサ25および第2電流センサ26の各々と回路基板61とを接続する信号線65とは、パワーモジュール21と回路基板61との間に配置されている。
【0043】
第1バスバー51、第2バスバー52、および第3バスバー53、並びに第1電流センサ25、第2電流センサ26、および第3電流センサ27は、平面視においてリアクトル22とは重ならないように、パワーモジュール21と回路基板61との間に配置されている。
パワーモジュール21および回路基板61の配列方向においてパワーモジュール21から見てリアクトル22の反対側には、パワーモジュール21が搭載される冷却部66が配置されている。冷却部66は、冷媒が流通する冷媒流路と、パワーモジュール21の表面に接触する搭載面とを備えている。例えば、冷却部66の冷媒流路は、ウォータージャケットによって形成されている。
【0044】
上述したように、本実施形態の電力変換装置1によれば、リアクトル22およびリアクトル22に流れる電流を検出する第3電流センサ27は、パワーモジュール21と、電子制御ユニット28が搭載された回路基板61との間に配置されているので、リアクトル22および第3電流センサ27と電子制御ユニット28とを接続する接続線が長くなってしまうことを抑制することができる。また、電力変換装置1の製造時において、パワーモジュール21と電子制御ユニット28とを接続する工程と併せて、リアクトル22および第3電流センサ27と電子制御ユニット28とを接続する工程を連続的に行うことができ、製造工程の複雑化を抑制することができる。
【0045】
さらに、第3電流センサ27に加えて第1電流センサ25および第2電流センサ26もパワーモジュール21と電子制御ユニット28との間に配置されているので、電子制御ユニット28と接続される複数の電流センサを集中的に効率よく配置することができ、接続に要する手間が嵩むことを防ぐことができる。
さらに、第3電流センサ27と回路基板61とを接続する信号線64と、第1電流センサ25および第2電流センサ26の各々と回路基板61とを接続する信号線65とは、ピン状に形成されているので、容易かつ効率的な接続を行うことができる。
さらに、パワーモジュール21の少なくとも一面を冷却する冷却部66を備えるので、パワーモジュール21を適正に冷却することができる。
【0046】
以下、実施形態の変形例について説明する。
上述した実施形態において、電力変換装置1は、パワーモジュール21が搭載される1つの冷却部66を備えるとしたが、これに限定されない。
【0047】
図3は、本発明の実施形態の第1変形例に係る電力変換装置1の構成を模式的に示す側面図である。
図3に示すように、第1変形例に係る電力変換装置1は、パワーモジュール21および回路基板61の配列方向においてパワーモジュール21の両面を両側から挟み込む2つの冷却部66を備えている。2つの冷却部66は、パワーモジュール21および回路基板61の配列方向においてパワーモジュール21から見てリアクトル22の反対側に配置される第1冷却部66aと、パワーモジュール21とリアクトル22との間に配置される第2冷却部66bである。
【0048】
第3バスバー53は、パワーモジュール21の側面とリアクトル22の側面との間に配置されている。パワーモジュール21の側面は、パワーモジュール21および回路基板61の配列方向に交差する方向における表面である。第3バスバー53の第3電流センサ27と、第3電流センサ27と回路基板61とを接続する信号線64とは、第2冷却部66bと回路基板61との間に配置されている。
第1バスバー51および第2バスバー52は、パワーモジュール21の側面上から引き出されている。第1バスバー51および第2バスバー52の第1電流センサ25および第2電流センサ26は、パワーモジュール21の側面の直近に配置されている。第1電流センサ25および第2電流センサ26の各々は信号線65によって回路基板61と接続されている。
【0049】
上述した実施形態において、電力変換装置1は、電子制御ユニット28およびゲートドライブユニット29が搭載された回路基板61を備えるとしたが、これに限定されない。
【0050】
図4は、本発明の実施形態の第2変形例に係る電力変換装置1の構成を模式的に示す側面図である。
図4に示すように、第2変形例に係る電力変換装置1は、電子制御ユニット28が搭載された第1回路基板71と、ゲートドライブユニット29が搭載された第2回路基板72とを備えている。パワーモジュール21と、第1回路基板71と、第2回路基板72とは、平面視において重なるように配置されている。パワーモジュール21と第2回路基板72とを接続するゲート信号用の信号線73は、パワーモジュール21および第2回路基板72の相互の対向面上から引き出され、パワーモジュール21と第2回路基板72との間に配置されている。パワーモジュール21および第2回路基板72の配列方向においてパワーモジュール21から見て第2回路基板72の反対側には、パワーモジュール21を搭載する冷却部66が配置されている。
【0051】
リアクトル22は、パワーモジュール21を搭載する冷却部66と第1回路基板71との間に配置されている。これにより、パワーモジュール21は、第1回路基板71とリアクトル22との間の外部に配置され、第1回路基板71とリアクトル22との間に配置されていない。リアクトル22の温度センサ22bと第1回路基板71とを接続する信号線74は、リアクトル22および第1回路基板71の相互の対向面上から引き出され、リアクトル22と第1回路基板71との間に配置されている。第3バスバー53は、パワーモジュール21の側面とリアクトル22の側面との間に配置されている。第3バスバー53の第3電流センサ27と、第3電流センサ27と第1回路基板71とを接続する信号線75とは、冷却部66と第1回路基板71との間に配置されている。例えば、信号線75の形状は、ピン状に形成されており、回路基板71の孔部(不図示)に挿入された状態で回路基板61に対して半田付けされている。
【0052】
第1バスバー51および第2バスバー52は、パワーモジュール21の側面上から引き出されている。第1バスバー51および第2バスバー52の第1電流センサ25および第2電流センサ26は、パワーモジュール21の側面の直近に配置されている。第1電流センサ25および第2電流センサ26の各々は信号線76によって第1回路基板71と接続されている。例えば、信号線76の形状は、ピン状に形成されている。
【0053】
上述した実施形態の第2変形例において、電力変換装置1は、パワーモジュール21が搭載される1つの冷却部66を備えるとしたが、これに限定されない。
【0054】
図5は、本発明の実施形態の第3変形例に係る電力変換装置1の構成を模式的に示す側面図である。
図5に示すように、第3変形例に係る電力変換装置1は、パワーモジュール21および第1回路基板71の配列方向においてパワーモジュール21を両側から挟み込む2つの冷却部66を備えている。2つの冷却部66は、第1冷却部66aおよび第2冷却部66bである。2つの冷却部66は、パワーモジュール21および第1回路基板71の配列方向においてパワーモジュール21から見てリアクトル22の反対側に配置される第1冷却部66aと、パワーモジュール21とリアクトル22との間に配置される第2冷却部66bである。
【0055】
リアクトル22は、パワーモジュール21を搭載する第2冷却部66bと第1回路基板71との間に配置されている。これにより、パワーモジュール21は、第1回路基板71とリアクトル22との間の外部に配置され、第1回路基板71とリアクトル22との間に配置されていない。第3バスバー53の第3電流センサ27と、第3電流センサ27と第1回路基板71とを接続する信号線75とは、第2冷却部66bと第1回路基板71との間に配置されている。
【0056】
なお、上述した実施形態において、電力変換装置1は車両に搭載されるとしたが、これに限定されず、他の機器に搭載されてもよい。
なお、上述した実施形態において、電力変換装置1は、第1モータ12および第2モータ13の2つのモータとの電力授受を制御する第1電力変換回路部31および第2電力変換回路部32を備えるとしたが、これに限定されない。電力変換装置1は、1つまたは複数のモータを制御するように構成されてもよい。
【0057】
なお、上述した実施形態において、電力変換装置1は、走行駆動用の第1モータ12と発電用の第2モータ13との電力授受を制御するとしたが、これに限定されない。例えば、電力変換装置1は、空調装置などの電動コンプレッサに備えられるポンプ駆動用モータなどの他のモータを制御してもよい。
【0058】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。