【文献】
DEPARTMENT OF VETERANS AFFAIRS VETERANS HEALTH ADMINISTRATION (VHA) PHARMACY BENEFITS 以下備考,NATIONAL PBM BULLETIN,2014年11月 7日,P1,MANAGEMENT SERVICES (PBM), MEDICAL ADVISORY PANEL (MAP), AND CENTER FOR MEDICATION SAFETY 以下省略,URL,https://www.pbm.va.gov/PBM/vacenterformedicationsafety/nationalpbmbulletin/Dimethyl_Fumarate_Tecfidera_and_PML_Resulting_in_Death_NATIONAL_PBM_Bulletin.pdf
【文献】
ANNEX I: SUMMARY OF PRODUCT CHARACTERISTICS,[ONLINE],2014年10月11日,P1-49,TECFIDERA,URL,https://web.archive.org/web/20141011193051/http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/EPAR_-_Product_Information/human/002601/WC500162069.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記投与は、7日間フマル酸ジメチル120mgを経口で1日2回、続いて維持量としてフマル酸ジメチル240mgを経口で1日2回である、請求項3に記載の使用のための医薬組成物。
前記投与は、7日間フマル酸ジメチル120mgを経口で1日2回、続いて維持量としてフマル酸ジメチル240mgを経口で1日2回である、請求項11に記載の使用。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
3.概要
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を投与すること、フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;及び(b)患者に進行性多巣性白質脳症(PML)を示唆する徴候または症候がないかどうか、患者を監視することを含む。
【0015】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物で治療されている多発性硬化症患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、患者を監視することを含み、フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせである。
【0016】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を投与すること、フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;及び(b)患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含む。
【0017】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を投与すること、フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;及び(b)患者に、PMLを示唆する症候が患者に発生したらどのようなものであっても患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含む。
【0018】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物で治療されている多発性硬化症患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含み、フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせである。
【0019】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物で治療されている多発性硬化症の患者に、PMLを示唆する症候が患者に発生したらどのようなものであっても患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含み、フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせである。
【0020】
1つの実施形態において、本方法はさらに、患者にPMLを示唆する最初の徴候または症候が出た段階で、患者のフマル酸化合物を用いた治療を保留することを含む。
【0021】
1つの実施形態において、本方法はさらに、患者にPMLを示唆する最初の徴候または症候が出た段階で、患者のPMLについて診断評価することを含む。
【0022】
1つの実施形態において、本方法はさらに、診断評価が、患者のPMLを示した場合に、PMLの治療のため患者に治療薬を投与することを含む。
【0023】
1つの実施形態において、本方法はさらに、患者に、フマル酸化合物を用いた治療の中止後約6ヶ月間、PMLを示唆する新たな徴候及び症候がないか探し続けるように指導することを含む。
【0024】
1つの実施形態において、本方法はさらに、患者に、PMLに関連した典型的な症候が多様であること、数日から数週間にわたって進行すること、ならびにそのような症候として、身体の片側での進行性脱力または肢部の不自由、視力障害、ならびに錯乱及び人格変化を招く思考、記憶、及び見当識の変化が含まれることを指導することを含む。
【0025】
1つの実施形態において、本方法はさらに、患者に、PMLに関連した障害の進行は、通常、数週間または数ヶ月にわたって死亡または重篤な身体障害を招くことを指導することを含む。
【0026】
1つの実施形態において、診断評価は、患者の脳脊髄液にJCウイルスDNAが存在するかどうかについての検査を含む。
【0027】
1つの実施形態において、PMLを示唆する徴候または症候は、身体の片側での進行性脱力または肢部の不自由、視力障害、ならびに錯乱及び人格変化を招く思考、記憶、及び見当識の変化からなる群より選択される。
【0028】
1つの実施形態において、投与は経口で行われる。
【0029】
1つの実施形態において、医薬組成物は、治療上有効量のフマル酸化合物及び薬学上許容されるキャリアを含む。
【0030】
1つの実施形態において、医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形をしている。
【0031】
1つの実施形態において、医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形をしている。
【0032】
1つの実施形態において、医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形をしている。
【0033】
1つの実施形態において、フマル酸化合物は、フマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルである。
【0034】
1つの実施形態において、フマル酸化合物は、フマル酸ジメチルである。
【0035】
1つの実施形態において、投与は、フマル酸ジメチル240mgを1日2回である。
【0036】
1つの実施形態において、投与は、7日間フマル酸ジメチル120mgを1日2回、続いて維持量としてフマル酸ジメチル240mgを1日2回である。
【0037】
1つの実施形態において、投与は、1日のフマル酸化合物合計が720mg以下である。
【0038】
1つの実施形態において、投与は、1日のフマル酸化合物合計が480mg以下である。
【0039】
1つの実施形態において、医薬組成物は、本質的にフマル酸ジメチルからなり、かつ投与は、1日のフマル酸化合物合計が720mg以下である。
【0040】
1つの実施形態において、医薬組成物は、本質的にフマル酸ジメチルからなり、かつ投与は、1日のフマル酸化合物合計が480mg以下である。
【0041】
1つの実施形態において、医薬組成物は、本質的にフマル酸ジメチルからなる。
【0042】
1つの実施形態において、多発性硬化症は、再発性多発性硬化症である。
【0043】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在せず;及び(b)患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、患者を監視することを含む。
【0044】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、患者を監視することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在しない。
【0045】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在せず;及び(b)患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含む。
【0046】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在せず;及び(b)患者に、PMLを示唆する症候が患者に発生したらどのようなものであっても患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含む。
【0047】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在しない。
【0048】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症の患者に、PMLを示唆する症候が患者に発生したらどのようなものであっても患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在しない。
【0049】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在せず;及び(b)患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、患者を監視することを含む。
【0050】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、患者を監視することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在しない。
【0051】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在せず;及び(b)患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含む。
【0052】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在せず;及び(b)患者に、PMLを示唆する症候が患者に発生したらどのようなものであっても患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含む。
【0053】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在しない。
【0054】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症の患者に、PMLを示唆する症候が患者に発生したらどのようなものであっても患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在しない。
【0055】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在せず;及び(b)患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、患者を監視することを含む。
【0056】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、患者を監視することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在しない。
【0057】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在せず;及び(b)患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含む。
【0058】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在せず;及び(b)患者に、PMLを示唆する症候が患者に発生したらどのようなものであっても患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含む。
【0059】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在しない。
【0060】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症の患者に、PMLを示唆する症候が患者に発生したらどのようなものであっても患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在しない。
【0061】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を投与すること;及び(b)患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、患者を監視することを含む。
【0062】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物で治療されている多発性硬化症患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、患者を監視することを含む
【0063】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を投与すること;及び(b)患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含む。
【0064】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を投与すること;及び(b)患者に、PMLを示唆する症候が患者に発生したらどのようなものであっても患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含む。
【0065】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物で治療されている多発性硬化症の患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含む。
【0066】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物で治療されている多発性硬化症の患者に、PMLを示唆する症候が患者に発生したらどのようなものであっても患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含む。
【0067】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ならびに(b)この患者にこの医薬組成物を6ヶ月間繰り返し投与した後、及びその後6ヶ月〜12ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ることを含む。
【0068】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在せず;ならびに(b)この患者にこの医薬組成物を6ヶ月間繰り返し投与した後、及びその後6ヶ月〜12ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ることを含む。
【0069】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在せず;ならびに(b)この患者にこの医薬組成物を6ヶ月間繰り返し投与した後、及びその後6ヶ月〜12ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ることを含む。
【0070】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在せず;ならびに(b)この患者にこの医薬組成物を6ヶ月間繰り返し投与した後、及びその後6ヶ月〜12ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ることを含む。
【0071】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を投与すること;ならびに(b)この患者にこの医薬組成物を6ヶ月間繰り返し投与した後、及びその後6ヶ月〜12ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ることを含む。
【0072】
1つの実施形態において、本方法はさらに、患者のリンパ球数が0.5×10
9/L未満の状態が6ヶ月超続いた場合に、この患者に上記医薬組成物を投与することを中断することを含む。
【0073】
1つの実施形態において、本方法はさらに、この患者でリンパ球減少症が解消されるまで、この患者のリンパ球数を測定することを含む。
【0074】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)フマル酸化合物を含む医薬組成物を用いて患者の治療を開始する前に:(i)リンパ球数を含む全血球計算を行うこと;及び(ii)リンパ球数が正常範囲より低いことがわかった場合、リンパ球減少症の他の原因を検討し、この他の原因に関して適切なように補正手段を取ること;ならびに(b)患者に、この医薬組成物を投与することを含み、フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせである。
【0075】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を繰り返し投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;及び(b)この医薬組成物を用いたこの患者の治療を開始した後3ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ることを含む。
【0076】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;及び(b)この医薬組成物の投与後、患者にリンパ球減少症が出た場合は、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候がないかどうか、患者を入念に監視することを含む。
【0077】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されており、リンパ球減少症が出た多発硬化症の患者を、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候について監視することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせである。
【0078】
本明細書中提供されるのは、フマル酸化合物を含む医薬組成物以外の多発性硬化症病態修飾療法で治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であり;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;本方法は、以下の工程を記載の順序で含む:(a)この患者への、この多発性硬化症病態修飾療法の投与を停止すること;(b)さらなる免疫効果を回避する目的で、しかしそれと同時に疾患の再活性化の危険性を最小限にする目的で、この多発性硬化症病態修飾療法の半減期及び作用様式を検討すること;ならびに(c)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること。
【0079】
本明細書中提供されるのは、インターフェロンまたは酢酸グラチラマーで治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であり、本方法は、(a)患者へのインターフェロンまたは酢酸グラチラマーの投与を中止すること;及び(b)この中止後すぐに、患者へのフマル酸化合物を含む医薬組成物の投与を開始すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせである、を含む。
【0080】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ならびに(b)患者へのフマル酸化合物を含む医薬組成物の最初の投与の前に、及びフマル酸化合物を含むこの医薬組成物を用いたこの患者の治療中定期的に、血液検査を行い、患者の白血球数を計測すること;ならびに(c)この治療中に白血球数が減少した場合は、フマル酸化合物を含むこの医薬組成物を用いたこの治療の停止を検討することを含む。
【0081】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)フマル酸化合物を含む医薬組成物を用いて患者の治療を開始する前に:(i)リンパ球数を含む全血球計算を行うこと;及び(ii)リンパ球数が正常範囲より低いことがわかった場合、リンパ球減少症の他の原因を検討し、この他の原因に関して適切なように補正手段を取ること;ならびに(b)患者に、この医薬組成物を投与することを含み、フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在しない。
【0082】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を繰り返し投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在せず;及び(b)この医薬組成物を用いたこの患者の治療を開始した後3ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ることを含む。
【0083】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在せず;及び(b)この医薬組成物の投与後、患者にリンパ球減少症が出た場合は、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候がないかどうか、患者を入念に監視することを含む。
【0084】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されており、リンパ球減少症が出た多発硬化症の患者を、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候について監視することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在しない。
【0085】
本明細書中提供されるのは、フマル酸化合物を含む医薬組成物以外の多発性硬化症病態修飾療法で治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であり;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在せず;本方法は、以下の工程を記載の順序で含む:(a)この患者への、この多発性硬化症病態修飾療法の投与を停止すること;(b)さらなる免疫効果を回避する目的で、しかしそれと同時に疾患の再活性化の危険性を最小限にする目的で、この多発性硬化症病態修飾療法の半減期及び作用様式を検討すること;ならびに(c)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること。
【0086】
本明細書中提供されるのは、インターフェロンまたは酢酸グラチラマーで治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であり、本方法は、(a)患者へのインターフェロンまたは酢酸グラチラマーの投与を中止すること;及び(b)この中止後すぐに、患者へのフマル酸化合物を含む医薬組成物の投与を開始すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在しない、を含む。
【0087】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在せず;ならびに(b)患者へのフマル酸化合物を含む医薬組成物の最初の投与の前に、及びフマル酸化合物を含むこの医薬組成物を用いたこの患者の治療中定期的に、血液検査を行い、患者の白血球数を計測すること;ならびに(c)この治療中に白血球数が減少した場合は、フマル酸化合物を含むこの医薬組成物を用いたこの治療の停止を検討することを含む。
【0088】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)フマル酸化合物を含む医薬組成物を用いて患者の治療を開始する前に:(i)リンパ球数を含む全血球計算を行うこと;及び(ii)リンパ球数が正常範囲より低いことがわかった場合、リンパ球減少症の他の原因を検討し、この他の原因に関して適切なように補正手段を取ること;ならびに(b)患者に、この医薬組成物を投与することを含み、フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在しない。
【0089】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を繰り返し投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在せず;及び(b)この医薬組成物を用いたこの患者の治療を開始した後3ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ることを含む。
【0090】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在せず;及び(b)この医薬組成物の投与後、患者にリンパ球減少症が出た場合は、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候がないかどうか、患者を入念に監視することを含む。
【0091】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されており、リンパ球減少症が出た多発硬化症の患者を、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候について監視することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在しない。
【0092】
本明細書中提供されるのは、フマル酸化合物を含む医薬組成物以外の多発性硬化症病態修飾療法で治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であり;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在せず;本方法は、以下の工程を記載の順序で含む:(a)この患者への、この多発性硬化症病態修飾療法の投与を停止すること;(b)さらなる免疫効果を回避する目的で、しかしそれと同時に疾患の再活性化の危険性を最小限にする目的で、この多発性硬化症病態修飾療法の半減期及び作用様式を検討すること;ならびに(c)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること。
【0093】
本明細書中提供されるのは、インターフェロンまたは酢酸グラチラマーで治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であり、本方法は、(a)患者へのインターフェロンまたは酢酸グラチラマーの投与を中止すること;及び(b)この中止後すぐに、患者へのフマル酸化合物を含む医薬組成物の投与を開始すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在しない、を含む。
【0094】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在せず;ならびに(b)患者へのフマル酸化合物を含む医薬組成物の最初の投与の前に、及びフマル酸化合物を含むこの医薬組成物を用いたこの患者の治療中定期的に、血液検査を行い、患者の白血球数を計測すること;ならびに(c)この治療中に白血球数が減少した場合は、フマル酸化合物を含むこの医薬組成物を用いたこの治療の停止を検討することを含む。
【0095】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)フマル酸化合物を含む医薬組成物を用いて患者の治療を開始する前に:(i)リンパ球数を含む全血球計算を行うこと;及び(ii)リンパ球数が正常範囲より低いことがわかった場合、リンパ球減少症の他の原因を検討し、この他の原因に関して適切なように補正手段を取ること;ならびに(b)患者に、この医薬組成物を投与することを含み、フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在しない。
【0096】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を繰り返し投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在せず;ならびに(b)この医薬組成物を用いたこの患者の治療を開始した後3ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ることを含む。
【0097】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在せず;ならびに(b)この医薬組成物の投与後、患者にリンパ球減少症が出た場合は、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候がないかどうか、患者を入念に監視することを含む。
【0098】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されており、リンパ球減少症が出た多発硬化症の患者を、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候について監視することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在しない。
【0099】
本明細書中提供されるのは、フマル酸化合物を含む医薬組成物以外の多発性硬化症病態修飾療法で治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であり;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在せず;本方法は、以下の工程を記載の順序で含む:(a)この患者への、この多発性硬化症病態修飾療法の投与を停止すること;(b)さらなる免疫効果を回避する目的で、しかしそれと同時に疾患の再活性化の危険性を最小限にする目的で、この多発性硬化症病態修飾療法の半減期及び作用様式を検討すること;ならびに(c)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること。
【0100】
本明細書中提供されるのは、インターフェロンまたは酢酸グラチラマーで治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であり、本方法は、(a)患者へのインターフェロンまたは酢酸グラチラマーの投与を中止すること;及び(b)この中止後すぐに、患者へのフマル酸化合物を含む医薬組成物の投与を開始すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在しない、を含む。
【0101】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在せず;ならびに(b)患者へのフマル酸化合物を含む医薬組成物の最初の投与の前に、及びフマル酸化合物を含むこの医薬組成物を用いたこの患者の治療中定期的に、血液検査を行い、患者の白血球数を計測すること;ならびに(c)この治療中に白血球数が減少した場合は、フマル酸化合物を含むこの医薬組成物を用いたこの治療の停止を検討することを含む。
【0102】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を用いて患者の治療を開始する前に:(i)リンパ球数を含む全血球計算を行うこと;及び(ii)リンパ球数が正常範囲より低いことがわかった場合、リンパ球減少症の他の原因を検討し、この他の原因に関して適切なように補正手段を取ること;ならびに(b)患者に、この医薬組成物を投与することを含む。
【0103】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を繰り返し投与すること;及び(b)この医薬組成物を用いたこの患者の治療を開始した後3ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ることを含む。
【0104】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を投与すること;及び(b)この医薬組成物の投与後、患者にリンパ球減少症が出た場合は、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候がないかどうか、患者を入念に監視することを含む。
【0105】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物で治療されており、リンパ球減少症が出た多発硬化症の患者を、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候について監視することを含む。
【0106】
本明細書中提供されるのは、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物以外の多発性硬化症病態修飾療法で治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であり;本方法は、以下の工程を記載の順序で含む:(a)この患者への、この多発性硬化症病態修飾療法の投与を停止すること;(b)さらなる免疫効果を回避する目的で、しかしそれと同時に疾患の再活性化の危険性を最小限にする目的で、この多発性硬化症病態修飾療法の半減期及び作用様式を検討すること;ならびに(c)患者に、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を投与すること。
【0107】
本明細書中提供されるのは、インターフェロンまたは酢酸グラチラマーで治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であり、本方法は、(a)患者へのインターフェロンまたは酢酸グラチラマーの投与を中止すること;及び(b)この中止後すぐに、患者への本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物の投与を開始することを含む。
【0108】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を投与すること;ならびに(b)患者へのこの医薬組成物の最初の投与の前に、及びこの医薬組成物を用いたこの患者の治療中定期的に、血液検査を行い、患者の白血球数を計測すること;ならびに(c)この治療中に白血球数が減少した場合は、この医薬組成物を用いたこの治療の停止を検討することを含む。
【0109】
1つの実施形態において、本方法はさらに、患者のリンパ球数が0.7×10
9/L未満であることが、3ヶ月後の繰り返し検査で確認された場合に、この患者に上記医薬組成物を投与することを中止することを含む。
【0110】
1つの実施形態において、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候は、運動機能障害及び認知または精神症状を含む。
【0111】
1つの実施形態において、本方法はさらに、以下を含む:PMLが疑われる場合は、直ちにこの医薬組成物を用いた治療を保留し、さらなる評価を行うこと。
【0112】
1つの実施形態において、本方法はさらに、フマル酸化合物を含む医薬組成物の患者への投与のこの開始前に、患者でMRIを行うことを含む。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は該医薬組成物に存在せず;及び
(b)該患者に進行性多巣性白質脳症(以下「PML」)を示唆する徴候または症候がないかどうか、該患者を監視すること
を含む、前記方法。
(項目2)
多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であって、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、該患者を監視することを含み;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は該医薬組成物に存在しない、前記方法。
(項目3)
さらに、前記患者にPMLを示唆する最初の徴候または症候が出た段階で、前記患者の前記フマル酸化合物を用いた治療を保留することを含む、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
さらに、前記患者にPMLを示唆する最初の徴候または症候が出た段階で、前記患者のPMLについて診断評価することを含む、項目1から3のいずれか1項に記載の方法。
(項目5)
さらに、前記診断評価が、前記患者のPMLを示した場合に、PMLの治療のため前記患者に治療薬を投与することを含む、項目4に記載の方法。
(項目6)
さらに、前記患者に、前記フマル酸化合物を用いた治療の中止後約6ヶ月間、PMLを示唆する新たな徴候及び症候がないか探し続けるように指導することを含む、項目3に記載の方法。
(項目7)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は該医薬組成物に存在せず;及び
(b)該患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知すること
を含む、前記方法。
(項目8)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアル
キルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は該医薬組成物に存在せず;及び
(b)該患者に、PMLを示唆する症候が該患者に発生したらどのようなものであっても該患者の担当医に連絡することの重要性を指導すること
を含む、前記方法。
(項目9)
さらに、前記患者に、PMLに関連した典型的な症候が多様であること、数日から数週間にわたって進行すること、ならびにそのような症候として、身体の片側での進行性脱力または肢部の不自由、視力障害、ならびに錯乱及び人格変化を招く思考、記憶、及び見当識の変化が含まれることを指導することを含む、項目8に記載の方法。
(項目10)
さらに、前記患者に、PMLに関連した障害の進行は、通常、数週間または数ヶ月にわたって死亡または重篤な身体障害を招くことを指導することを含む、項目9に記載の方法。
(項目11)
多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であって、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含み;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は該医薬組成物に存在しない、前記方法。
(項目12)
多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であって、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症の患者に、PMLを示唆する症候が該患者に発生したらどのようなものであっても該患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含み;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は該医薬組成物に存在しない、前記方法。
(項目13)
さらに、前記患者に、PMLに関連した典型的な症候が多様であること、数日から数週間にわたって進行すること、ならびにそのような症候として、身体の片側での進行性脱力または肢部の不自由、視力障害、ならびに錯乱及び人格変化を招く思考、記憶、及び見当識の変化が含まれることを指導することを含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
さらに、前記患者に、PMLに関連した障害の進行は、通常、数週間または数ヶ月にわたって死亡または重篤な身体障害を招くことを指導することを含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記診断評価は、前記患者の脳脊髄液にJCウイルスDNAが存在するかどうかについての検査を含む、項目4に記載の方法。
(項目16)
PMLを示唆する前記徴候または症候は、身体の片側での進行性脱力または肢部の不自由、視力障害、ならびに錯乱及び人格変化を招く思考、記憶、及び見当識の変化からなる群より選択される、項目1〜6、8、10、12、及び15のいずれか1項に記載の方
法。
(項目17)
前記投与は経口で行われる、項目1、7〜10、及びそれらのいずれか1項の従属項のいずれか1項に記載の方法。
(項目18)
前記医薬組成物は、治療上有効量の前記フマル酸化合物及び薬学上許容されるキャリアを含む、項目1〜17のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目18に記載の方法。
(項目21)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目18に記載の方法。
(項目22)
前記フマル酸化合物は、フマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルである、項目1〜21のいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
前記フマル酸化合物は、フマル酸ジメチルである、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記投与は、フマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目17に記載の方法。
(項目25)
前記投与は、7日間フマル酸ジメチル120mgを1日2回、続いて維持量としてフマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目17に記載の方法。
(項目26)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が720mgを超えないものである、項目17に記載の方法。
(項目27)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が480mgを超えないものである、項目17に記載の方法。
(項目28)
前記医薬組成物は、本質的にフマル酸ジメチルからなる、項目18及び23〜27のいずれか1項に記載の方法。
(項目29)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目24〜28のいずれか1項に記載の方法。
(項目30)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目24〜28のいずれか1項に記載の方法。
(項目31)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目24〜28のいずれか1項に記載の方法。
(項目32)
前記多発性硬化症は、再発性多発性硬化症である、項目1〜31のいずれか1項に記載の方法。
(項目33)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアル
キルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は該医薬組成物に存在せず;及び
(b)該患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、該患者を監視することを含む、前記方法。
(項目34)
多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であって、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、該患者を監視することを含み;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は該医薬組成物に存在しない、前記方法。
(項目35)
さらに、前記患者にPMLを示唆する最初の徴候または症候が出た段階で、前記患者の前記フマル酸化合物を用いた治療を保留することを含む、項目33または項目34に記載の方法。
(項目36)
さらに、前記患者にPMLを示唆する最初の徴候または症候が出た段階で、前記患者のPMLについて診断評価することを含む、項目33〜35のいずれか1項に記載の方法。
(項目37)
さらに、前記診断評価が、前記患者のPMLを示した場合に、PMLの治療のため前記患者に治療薬を投与することを含む、項目36に記載の方法。
(項目38)
さらに、前記患者に、前記フマル酸化合物を用いた治療の中止後約6ヶ月間、PMLを示唆する新たな徴候及び症候がないか探し続けるように指導することを含む、項目35に記載の方法。
(項目39)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は該医薬組成物に存在せず;及び
(b)該患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知すること
を含む、前記方法。
(項目40)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は該医薬組成物に存在せず;及び
(b)該患者に、PMLを示唆する症候が該患者に発生したらどのようなものであっても
該患者の担当医に連絡することの重要性を指導すること
を含む、前記方法。
(項目41)
さらに、前記患者に、PMLに関連した典型的な症候が多様であること、数日から数週間にわたって進行すること、ならびにそのような症候として、身体の片側での進行性脱力または肢部の不自由、視力障害、ならびに錯乱及び人格変化を招く思考、記憶、及び見当識の変化が含まれることを指導することを含む、項目40に記載の方法。
(項目42)
さらに、前記患者に、PMLに関連した障害の進行は、通常、数週間または数ヶ月にわたって死亡または重篤な身体障害を招くことを指導することを含む、項目41に記載の方法。
(項目43)
多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であって、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含み;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は該医薬組成物に存在しない、前記方法。
(項目44)
多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であって、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症の患者に、PMLを示唆する症候が該患者に発生したらどのようなものであっても該患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含み;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は該医薬組成物に存在しない、前記方法。
(項目45)
さらに、前記患者に、PMLに関連した典型的な症候が多様であること、数日から数週間にわたって進行すること、ならびにそのような症候として、身体の片側での進行性脱力または肢部の不自由、視力障害、ならびに錯乱及び人格変化を招く思考、記憶、及び見当識の変化が含まれることを指導することを含む、項目44に記載の方法。
(項目46)
さらに、前記患者に、PMLに関連した障害の進行は、通常、数週間または数ヶ月にわたって死亡または重篤な身体障害を招くことを指導することを含む、項目45に記載の方法。
(項目47)
前記診断評価は、前記患者の脳脊髄液にJCウイルスDNAが存在するかどうかについての検査を含む、項目36に記載の方法。
(項目48)
PMLを示唆する前記徴候または症候は、身体の片側での進行性脱力または肢部の不自由、視力障害、ならびに錯乱及び人格変化を招く思考、記憶、及び見当識の変化からなる群より選択される、項目33〜38、40、42、44、及び47のいずれか1項に記載の方法。
(項目49)
前記投与は経口で行われる、項目33、39〜42、及びそれらのいずれか1項の従属項のいずれか1項に記載の方法。
(項目50)
前記医薬組成物は、治療上有効量の前記フマル酸化合物及び薬学上許容されるキャリアを含む、項目33〜49のいずれか1項に記載の方法。
(項目51)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目50に記載の方法。
(項目52)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目50に記載の方法。
(項目53)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目50に記載の方法。
(項目54)
前記フマル酸化合物は、フマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルである、項目33〜53のいずれか1項に記載の方法。
(項目55)
前記フマル酸化合物は、フマル酸ジメチルである、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記投与は、フマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目49に記載の方法。
(項目57)
前記投与は、7日間フマル酸ジメチル120mgを1日2回、続いて維持量としてフマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目49に記載の方法。
(項目58)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が720mgを超えないものである、項目49に記載の方法。
(項目59)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が480mgを超えないものである、項目49に記載の方法。
(項目60)
前記医薬組成物は、本質的にフマル酸ジメチルからなる、項目50及び55〜59のいずれか1項に記載の方法。
(項目61)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目56〜60のいずれか1項に記載の方法。
(項目62)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目56〜60のいずれか1項に記載の方法。
(項目63)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目56〜60のいずれか1項に記載の方法。
(項目64)
前記多発性硬化症は、再発性多発性硬化症である、項目33〜63のいずれか1項に記載の方法。
(項目65)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸
水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、該医薬組成物に存在せず;ならびに(b)該患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、該患者を監視することを含む、前記方法。
(項目66)
多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であって、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、該患者を監視することを含み;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、該医薬組成物に存在しない、前記方法。
(項目67)
前記患者にPMLを示唆する最初の徴候または症候が出た段階で、前記患者の前記フマル酸化合物を用いた治療を保留することを含む、項目65または項目66に記載の方法。
(項目68)
さらに、前記患者にPMLを示唆する最初の徴候または症候が出た段階で、前記患者のPMLについて診断評価することを含む、項目65〜67のいずれか1項に記載の方法。
(項目69)
さらに、前記診断評価が、前記患者のPMLを示した場合に、PMLの治療のため前記患者に治療薬を投与することを含む、項目68に記載の方法。
(項目70)
さらに、前記患者に、前記フマル酸化合物を用いた治療の中止後約6ヶ月間、PMLを示唆する新たな徴候及び症候がないか探し続けるように指導することを含む、項目67に記載の方法。
(項目71)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、該医薬組成物に存在せず;ならびに(b)該患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知すること
を含む、前記方法。
(項目72)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、該医薬組成物に存在せず;ならびに(b)該患者に、PMLを示唆する症候が該患者に発生したらどのようなものであっても
該患者の担当医に連絡することの重要性を指導すること
を含む、前記方法。
(項目73)
さらに、前記患者に、PMLに関連した典型的な症候が多様であること、数日から数週間にわたって進行すること、ならびにそのような症候として、身体の片側での進行性脱力または肢部の不自由、視力障害、ならびに錯乱及び人格変化を招く思考、記憶、及び見当識の変化が含まれることを指導することを含む、項目72に記載の方法。
(項目74)
さらに、前記患者に、PMLに関連した障害の進行は、通常、数週間または数ヶ月にわたって死亡または重篤な身体障害を招くことを指導することを含む、項目73に記載の方法。
(項目75)
多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であって、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含み;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、該医薬組成物に存在しない、前記方法。
(項目76)
多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であって、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症の患者に、PMLを示唆する症候が該患者に発生したらどのようなものであっても該患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含み;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、該医薬組成物に存在しない、前記方法。
(項目77)
さらに、前記患者に、PMLに関連した典型的な症候が多様であること、数日から数週間にわたって進行すること、ならびにそのような症候として、身体の片側での進行性脱力または肢部の不自由、視力障害、ならびに錯乱及び人格変化を招く思考、記憶、及び見当識の変化が含まれることを指導することを含む、項目76に記載の方法。
(項目78)
さらに、前記患者に、PMLに関連した障害の進行は、通常、数週間または数ヶ月にわたって死亡または重篤な身体障害を招くことを指導することを含む、項目77に記載の方法。
(項目79)
前記診断評価は、前記患者の脳脊髄液にJCウイルスDNAが存在するかどうかについての検査を含む、項目68に記載の方法。
(項目80)
PMLを示唆する前記徴候または症候は、身体の片側での進行性脱力または肢部の不自由、視力障害、ならびに錯乱及び人格変化を招く思考、記憶、及び見当識の変化からなる群より選択される、項目65〜70、72、74、76、及び79のいずれか1項に記載の方法。
(項目81)
前記投与は経口で行われる、項目65、71〜74、及びそれらのいずれか1項の従属項のいずれか1項に記載の方法。
(項目82)
前記医薬組成物は、治療上有効量の前記フマル酸化合物及び薬学上許容されるキャリアを含む、項目65〜81のいずれか1項に記載の方法。
(項目83)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目82に記載の方法。
(項目84)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目82に記載の方法。
(項目85)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含羞するカプセル剤の形態である、項目82に記載の方法。
(項目86)
前記フマル酸化合物は、フマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルである、項目65〜85、のいずれか1項に記載の方法。
(項目87)
前記フマル酸化合物は、フマル酸ジメチルである、項目86に記載の方法。
(項目88)
前記投与は、フマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目81に記載の方法。
(項目89)
前記投与は、7日間フマル酸ジメチル120mgを1日2回、続いて維持量としてフマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目81に記載の方法。
(項目90)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が720mgを超えないものである、項目81に記載の方法。
(項目91)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が480mgを超えないものである、項目81に記載の方法。
(項目92)
前記医薬組成物は、本質的にフマル酸ジメチルからなる、項目82及び87〜91のいずれか1項に記載の方法。
(項目93)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目88〜92に記載の方法。
(項目94)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目88〜92のいずれか1項に記載の方法。
(項目95)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目88〜92のいずれか1項に記載の方法。
(項目96)
前記多発性硬化症は、再発性多発性硬化症である、項目65〜95のいずれか1項に記載の方法。
(項目97)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を投与すること;ならびに
(b)該患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、該患者を監視することを含む、前記方法。
(項目98)
多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であって、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物で治療されている多発性硬化症の患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、該患者を監視することを含む、前記方法。
(項目99)
さらに、前記患者にPMLを示唆する最初の徴候または症候が出た段階で、前記患者の前記医薬組成物を用いた治療を保留することを含む、項目97または項目98に記載の方法。
(項目100)
さらに、前記患者にPMLを示唆する最初の徴候または症候が出た段階で、前記患者のPMLについて診断評価することを含む、項目97〜99のいずれか1項に記載の方法。
(項目101)
さらに、前記診断評価が、前記患者のPMLを示した場合に、PMLの治療のため前記患者に治療薬を投与することを含む、項目100に記載の方法。
(項目102)
さらに、前記患者に、前記医薬組成物を用いた治療の中止後約6ヶ月間、PMLを示唆する新たな徴候及び症候がないか探し続けるように指導することを含む、項目99に記載の方法。
(項目103)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を投与すること;ならびに
(b)該患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知すること
を含む、前記方法。
(項目104)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を投与すること;ならびに
(b)該患者に、PMLを示唆する症候が該患者に発生したらどのようなものであっても該患者の担当医に連絡することの重要性を指導すること
を含む、前記方法。
(項目105)
さらに、前記患者に、PMLに関連した典型的な症候が多様であること、数日から数週間にわたって進行すること、ならびにそのような症候として、身体の片側での進行性脱力または肢部の不自由、視力障害、ならびに錯乱及び人格変化を招く思考、記憶、及び見当識の変化が含まれることを指導することを含む、項目104に記載の方法。
(項目106)
さらに、前記患者に、PMLに関連した障害の進行は、通常、数週間または数ヶ月にわたって死亡または重篤な身体障害を招くことを指導することを含む、項目105に記載の方法。
(項目107)
多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であって、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物で治療されている多発性硬化症患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含む、前記方法。
(項目108)
多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であって、本質的にフマル酸
ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物で治療されている多発性硬化症の患者に、PMLを示唆する症候が該患者に発生したらどのようなものであっても該患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含む、前記方法。
(項目109)
さらに、前記患者に、PMLに関連した典型的な症候が多様であること、数日から数週間にわたって進行すること、ならびにそのような症候として、身体の片側での進行性脱力または肢部の不自由、視力障害、ならびに錯乱及び人格変化を招く思考、記憶、及び見当識の変化が含まれることを指導することを含む、項目108に記載の方法。
(項目110)
さらに、前記患者に、PMLに関連した障害の進行は、通常、数週間または数ヶ月にわたって死亡または重篤な身体障害を招くことを指導することを含む、項目109に記載の方法。
(項目111)
前記診断評価は、前記患者の脳脊髄液にJCウイルスDNAが存在するかどうかについての検査を含む、項目100に記載の方法。
(項目112)
PMLを示唆する前記徴候または症候は、身体の片側での進行性脱力または肢部の不自由、視力障害、ならびに錯乱及び人格変化を招く思考、記憶、及び見当識の変化からなる群より選択される、項目97〜102、104、106、108、及び111のいずれか1項に記載の方法。
(項目113)
前記投与は経口で行われる、項目97、103〜106、及びそれらのいずれか1項の従属項のいずれか1項に記載の方法。
(項目114)
前記医薬組成物は、薬学上許容されるキャリアを含む、項目97〜113のいずれか1項に記載の方法。
(項目115)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目114に記載の方法。
(項目116)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目114に記載の方法。
(項目117)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目114に記載の方法。
(項目118)
前記医薬組成物は、本質的にフマル酸ジメチルからなる、項目97〜117のいずれか1項に記載の方法。
(項目119)
前記投与は、フマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目113に記載の方法。
(項目120)
前記投与は、7日間フマル酸ジメチル120mgを1日2回、続いて維持量としてフマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目113に記載の方法。
(項目121)
前記医薬組成物は、本質的にフマル酸ジメチルからなる、項目119または120に記載の方法。
(項目122)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が720mgを超えないものである、項目113に記載の方法。
(項目123)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が480mgを超えないものである、項目1
13に記載の方法。
(項目124)
前記医薬組成物は、本質的にフマル酸ジメチルからなり、かつ前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が720mgを超えないものである、項目113に記載の方法。
(項目125)
前記医薬組成物は、本質的にフマル酸ジメチルからなり、かつ前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が480mgを超えないものである、項目113に記載の方法。
(項目126)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目119〜125のいずれか1項に記載の方法。
(項目127)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目119〜125のいずれか1項に記載の方法。
(項目128)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目119〜125のいずれか1項に記載の方法。
(項目129)
前記多発性硬化症は、再発性多発性硬化症である、項目97〜128のいずれか1項に記載の方法。
(項目130)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は該医薬組成物に存在せず;ならびに
(b)該患者に該医薬組成物を6ヶ月間繰り返し投与した後、及びその後6ヶ月〜12ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ること
を含む、前記方法。
(項目131)
さらに、前記患者のリンパ球数が0.5×109/L未満の状態が6ヶ月超続いた場合に、前記患者に前記医薬組成物を投与することを中断することを含む、項目130に記載の方法。
(項目132)
さらに、前記患者でリンパ球減少症が解消されるまで、前記患者のリンパ球数を測定することを含む、項目131に記載の方法。
(項目133)
前記投与は、経口で行われる、項目130〜132に記載の方法。
(項目134)
前記医薬組成物は、治療上有効量の前記フマル酸化合物及び薬学上許容されるキャリアを含む、項目130〜133のいずれか1項に記載の方法。
(項目135)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目134に記載の方法。
(項目136)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目134に記載の方法。
(項目137)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目134に記載の方法。
(項目138)
前記フマル酸化合物は、フマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルである、項目130〜137のいずれか1項に記載の方法。
(項目139)
前記フマル酸化合物は、フマル酸ジメチルである、項目138に記載の方法。
(項目140)
前記投与は、フマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目133に記載の方法。
(項目141)
前記投与は、7日間フマル酸ジメチル120mgを1日2回、続いて維持量としてフマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目133に記載の方法。
(項目142)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が720mgを超えないものである、項目133に記載の方法。
(項目143)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が480mgを超えないものである、項目133に記載の方法。
(項目144)
前記医薬組成物は、本質的にフマル酸ジメチルからなる、項目134及び139〜143のいずれか1項に記載の方法。
(項目145)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目140〜144のいずれか1項に記載の方法。
(項目146)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目140〜144のいずれか1項に記載の方法。
(項目147)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目140〜144のいずれか1項に記載の方法。
(項目148)
前記多発性硬化症は、再発性多発性硬化症である、項目130〜147のいずれか1項に記載の方法。
(項目149)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は該医薬組成物に存在せず;ならびに
(b)該患者に該医薬組成物を6ヶ月間繰り返し投与した後、及びその後6ヶ月〜12ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ること
を含む、前記方法。
(項目150)
さらに、前記患者のリンパ球数が0.5×109/L未満の状態が6ヶ月超続いた場合に、前記患者に前記医薬組成物を投与することを中断することを含む、項目149に記載の方法。
(項目151)
さらに、前記患者でリンパ球減少症が解消されるまで、前記患者のリンパ球数を測定することを含む、項目150に記載の方法。
(項目152)
前記投与は、経口で行われる、項目149〜151のいずれか1項に記載の方法。
(項目153)
前記医薬組成物は、治療上有効量の前記フマル酸化合物及び薬学上許容されるキャリアを含む、項目149〜152のいずれか1項に記載の方法。
(項目154)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目153に記載の方法。
(項目155)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目153に記載の方法。
(項目156)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目153に記載の方法。
(項目157)
前記フマル酸化合物は、フマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルである、項目149〜156のいずれか1項に記載の方法。
(項目158)
前記フマル酸化合物は、フマル酸ジメチルである、項目157に記載の方法。
(項目159)
前記投与は、フマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目152に記載の方法。
(項目160)
前記投与は、7日間フマル酸ジメチル120mgを1日2回、続いて維持量としてフマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目152に記載の方法。
(項目161)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が720mgを超えないものである、項目152に記載の方法。
(項目162)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が480mgを超えないものである、項目152に記載の方法。
(項目163)
前記医薬組成物は、本質的にフマル酸ジメチルからなる、項目153及び158〜162のいずれか1項に記載の方法。
(項目164)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目159〜163のいずれか1項に記載の方法。
(項目165)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目159〜163のいずれか1項に記載の方法。
(項目166)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目159〜163のいずれか1項に記載の方法。
(項目167)
前記多発性硬化症は、再発性多発性硬化症である、項目149〜166のいずれか1項に記載の方法。
(項目168)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;
ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、該医薬組成物に存在せず;ならびに(b)該患者に該医薬組成物を6ヶ月間繰り返し投与した後、及びその後6ヶ月〜12ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ること
を含む、前記方法。
(項目169)
さらに、前記患者のリンパ球数が0.5×109/L未満の状態が6ヶ月超続いた場合に、前記患者に前記医薬組成物を投与することを中断することを含む、項目168に記載の方法。
(項目170)
さらに、前記患者でリンパ球減少症が解消されるまで、前記患者のリンパ球数を測定することを含む、項目169に記載の方法。
(項目171)
前記投与は、経口で行われる、項目168〜170のいずれか1項に記載の方法。
(項目172)
前記医薬組成物は、治療上有効量の前記フマル酸化合物及び薬学上許容されるキャリアを含む、項目168〜171のいずれか1項に記載の方法。
(項目173)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目172に記載の方法。
(項目174)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目172に記載の方法。
(項目175)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目172に記載の方法。
(項目176)
前記フマル酸化合物は、フマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルである、項目168〜175のいずれか1項に記載の方法。
(項目177)
前記フマル酸化合物は、フマル酸ジメチルである、項目176に記載の方法。
(項目178)
前記投与は、フマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目171に記載の方法。
(項目179)
前記投与は、7日間フマル酸ジメチル120mgを1日2回、続いて維持量としてフマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目171に記載の方法。
(項目180)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が720mgを超えないものである、項目171に記載の方法。
(項目181)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が480mgを超えないものである、項目171に記載の方法。
(項目182)
前記医薬組成物は、本質的にフマル酸ジメチルからなる、項目172及び177〜181のいずれか1項に記載の方法。
(項目183)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目178〜182のいずれか1項に記載の方法。
(項目184)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目178〜182のいずれか1項に記載の方法。
(項目185)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目178〜182のいずれか1項に記載の方法。
(項目186)
前記多発性硬化症は、再発性多発性硬化症である、項目168〜185のいずれか1項に記載の方法。
(項目187)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を投与すること;ならびに
(b)該患者に該医薬組成物を6ヶ月間繰り返し投与した後、及びその後6ヶ月〜12ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ること
を含む、前記方法。
(項目188)
さらに、前記患者のリンパ球数が0.5×109/L未満の状態が6ヶ月超続いた場合に、前記患者に前記医薬組成物を投与することを中断することを含む、項目187に記載の方法。
(項目189)
さらに、前記患者でリンパ球減少症が解消されるまで、前記患者のリンパ球数を測定することを含む、項目188に記載の方法。
(項目190)
前記投与は、経口で行われる、項目187〜189のいずれか1項に記載の方法。
(項目191)
前記医薬組成物は、治療上有効量の前記フマル酸化合物及び薬学上許容されるキャリアを含む、項目187〜190のいずれか1項に記載の方法。
(項目192)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目191に記載の方法。
(項目193)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目191に記載の方法。
(項目194)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目191に記載の方法。
(項目195)
前記フマル酸化合物は、フマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルである、項目187〜194のいずれか1項に記載の方法。
(項目196)
前記フマル酸化合物は、フマル酸ジメチルである、項目195に記載の方法。
(項目197)
前記投与は、フマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目190に記載の方法。
(項目198)
前記投与は、7日間フマル酸ジメチル120mgを1日2回、続いて維持量としてフマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目190に記載の方法。
(項目199)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が720mgを超えないものである、項目190に記載の方法。
(項目200)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が480mgを超えないものである、項目190に記載の方法。
(項目201)
前記医薬組成物は、本質的にフマル酸ジメチルからなる、項目191及び196〜200のいずれか1項に記載の方法。
(項目202)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目197〜201のいずれか1項に記載の方法。
(項目203)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目197〜201のいずれか1項に記載の方法。
(項目204)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目197〜201のいずれか1項に記載の方法。
(項目205)
前記多発性硬化症は、再発性多発性硬化症である、項目187〜204のいずれか1項に記載の方法。
(項目206)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)フマル酸化合物を含む医薬組成物を用いて該患者の治療を開始する前に:(i)リンパ球数を含む全血球計算を行うこと;及び(ii)該リンパ球数が正常範囲より低いことがわかった場合、リンパ球減少症の他の原因を検討し、該他の原因に関して適切なように補正手段を取ること;ならびに
(b)該患者に、該医薬組成物を投与すること、該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は該医薬組成物に存在しない、
を含む、前記方法。
(項目207)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を繰り返し投与すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は該医薬組成物に存在せず;及び
(b)該医薬組成物を用いて該患者の治療を開始した後3ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ること、
を含む、前記方法。
(項目208)
さらに、前記患者のリンパ球数が0.7×109/L未満であることが、3ヶ月後の繰り返し検査で確認された場合に、前記患者に前記医薬組成物を投与することを中止することを含む、項目207に記載の方法。
(項目209)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を繰り返し投与すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は該医薬組成物に存在せず;及び
(b)該医薬組成物の投与後、該患者にリンパ球減少症が出た場合は、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候がないかどうか、該患者を入念に監視すること
を含む、前記方法。
(項目210)
多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であって、該方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されており、リンパ球減少症が出た多発硬化症患者を、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候について監視することを含み;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は該医薬組成物に存在しない、前記方法。
(項目211)
前記徴候または症候は、運動機能障害及び認知または精神症状を含む、項目209または210に記載の方法。
(項目212)
さらに、以下:
PMLが疑われる場合は、直ちに前記医薬組成物を用いた治療を保留し、さらなる評価を行うこと
を含む、項目209〜211のいずれか1項に記載の方法。
(項目213)
フマル酸化合物を含む医薬組成物以外の多発性硬化症病態修飾療法で治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であって;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は該医薬組成物に存在せず;該方法は、以下の工程:
(a)該患者への、該多発性硬化症病態修飾療法の投与を停止すること;
(b)さらなる免疫効果を回避する目的で、しかしそれと同時に疾患の再活性化の危険性を最小限にする目的で、該多発性硬化症病態修飾療法の半減期及び作用様式を検討すること;ならびに
(c)該患者に、該フマル酸化合物を含む該医薬組成物を投与すること
を記載の順序で含む、前記方法。
(項目214)
インターフェロンまたは酢酸グラチラマーで治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であって、該方法は、以下:
(a)該患者へのインターフェロンまたは酢酸グラチラマーの投与を中止すること;及び(b)該中止後すぐに、該患者へのフマル酸化合物を含む医薬組成物の投与を開始すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在しない、を含む、前記方法。
(項目215)
さらに、前記フマル酸化合物を含む前記医薬組成物の前記患者への投与の前記開始前に、前記患者でMRIを行うことを含む、項目213または214に記載の方法。
(項目216)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下:
(a)該患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;該フマル酸化合物は
、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は該医薬組成物に存在せず;ならびに
(b)該患者への該フマル酸化合物を含む該医薬組成物の最初の投与の前に、及び該フマル酸化合物を含む該医薬組成物を用いた該患者の治療中定期的に、血液検査を行い、該患者の白血球数を計測すること;ならびに
(c)該治療中に白血球数が減少した場合は、該フマル酸化合物を含む該医薬組成物を用いた該治療の停止を検討すること
を含む、前記方法。
(項目217)
前記医薬組成物の前記投与は、経口で行われる、項目206、207、209、213、214、または216のいずれか1項に記載の方法。
(項目218)
前記医薬組成物は、治療上有効量の前記フマル酸化合物及び薬学上許容されるキャリアを含む、項目206〜217のいずれか1項に記載の方法。
(項目219)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目218に記載の方法。
(項目220)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目218に記載の方法。
(項目221)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目218に記載の方法。
(項目222)
前記フマル酸化合物は、フマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルである、項目206〜221のいずれか1項に記載の方法。
(項目223)
前記フマル酸化合物は、フマル酸ジメチルである、項目222に記載の方法。
(項目224)
前記投与は、フマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目217に記載の方法。
(項目225)
前記投与は、7日間フマル酸ジメチル120mgを1日2回、続いて維持量としてフマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目217に記載の方法。
(項目226)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が720mgを超えないものである、項目217に記載の方法。
(項目227)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が480mgを超えないものである、項目217に記載の方法。
(項目228)
前記医薬組成物は、本質的にフマル酸ジメチルからなる、項目218及び223〜227のいずれか1項に記載の方法。
(項目229)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目224〜228のいずれか1項に記載の方法。
(項目230)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目224〜228のいずれか1項に記載の方法。
(項目231)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目224〜228のいずれか1項に記載の方法。
(項目232)
前記多発性硬化症は、再発性多発性硬化症である、項目206〜231のいずれか1項に記載の方法。
(項目233)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)フマル酸化合物を含む医薬組成物を用いて該患者の治療を開始する前に:(i)リンパ球数を含む全血球計算を行うこと;及び(ii)該リンパ球数が正常範囲より低いことがわかった場合、リンパ球減少症の他の原因を検討し、該他の原因に関して適切なように補正手段を取ること;ならびに
(b)該患者に、該医薬組成物を投与すること、該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は該医薬組成物に存在しない、
を含む、前記方法。
(項目234)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を繰り返し投与すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は該医薬組成物に存在せず;及び
(b)該医薬組成物を用いて該患者の治療を開始した後3ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ること、
を含む、前記方法。
(項目235)
さらに、前記患者のリンパ球数が0.7×109/L未満であることが、3ヶ月後の繰り返し検査で確認された場合に、前記患者に前記医薬組成物を投与することを中止することを含む、項目234に記載の方法。
(項目236)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は該医薬組成物に存在せず;ならびに
(b)該医薬組成物の投与後、該患者にリンパ球減少症が出た場合は、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候がないかどうか、該患者を入念に監視すること
を含む、前記方法。
(項目237)
多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であって、該方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されており、リンパ球減少症が出た多発硬化症患者を、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候について監視することを含み;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モ
ノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は該医薬組成物に存在しない、前記方法。
(項目238)
前記徴候または症候は、運動機能障害及び認知または精神症状を含む、項目236または237に記載の方法。
(項目239)
さらに、以下:
PMLが疑われる場合は、直ちに前記医薬組成物を用いた治療を保留し、さらなる評価を行うこと
を含む、項目236〜238のいずれか1項に記載の方法。
(項目240)
フマル酸化合物を含む医薬組成物以外の多発性硬化症病態修飾療法で治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であって;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は該医薬組成物に存在せず;該方法は、以下の工程:
(a)該患者への、該多発性硬化症病態修飾療法の投与を停止すること;
(b)さらなる免疫効果を回避する目的で、しかしそれと同時に疾患の再活性化の危険性を最小限にする目的で、該多発性硬化症病態修飾療法の半減期及び作用様式を検討すること;ならびに
(c)該患者に、該フマル酸化合物を含む該医薬組成物を投与すること
を記載の順序で含む、前記方法。
(項目241)
インターフェロンまたは酢酸グラチラマーで治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であって、該方法は、以下:
(a)該患者へのインターフェロンまたは酢酸グラチラマーの投与を中止すること;及び(b)該中止後すぐに、該患者へのフマル酸化合物を含む医薬組成物の投与を開始すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在しない、を含む、前記方法。
(項目242)
さらに、前記フマル酸化合物を含む前記医薬組成物の前記患者への投与の前記開始前に、前記患者でMRIを行うことを含む、項目240または241に記載の方法。
(項目243)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下:
(a)該患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は該医薬組成物に存在せず;ならびに
(b)該患者への該フマル酸化合物を含む該医薬組成物の最初の投与の前に、及び該フマル酸化合物を含む該医薬組成物を用いた該患者の治療中定期的に、血液検査を行い、該患
者の白血球数を計測すること;ならびに
(c)該治療中に白血球数が減少した場合は、該フマル酸化合物を含む該医薬組成物を用いた該治療の停止を検討すること
を含む、前記方法。
(項目244)
前記医薬組成物の前記投与は、経口で行われる、項目233、234、236、240、241、または243のいずれか1項に記載の方法。
(項目245)
前記医薬組成物は、治療上有効量の前記フマル酸化合物及び薬学上許容されるキャリアを含む、項目233〜244のいずれか1項に記載の方法。
(項目246)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目245に記載の方法。
(項目247)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目245に記載の方法。
(項目248)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目245に記載の方法。
(項目249)
前記フマル酸化合物は、フマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルである、項目233〜248のいずれか1項に記載の方法。
(項目250)
前記フマル酸化合物は、フマル酸ジメチルである、項目249に記載の方法。
(項目251)
前記投与は、フマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目244に記載の方法。
(項目252)
前記投与は、7日間フマル酸ジメチル120mgを1日2回、続いて維持量としてフマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目244に記載の方法。
(項目253)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が720mgを超えないものである、項目244に記載の方法。
(項目254)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が480mgを超えないものである、項目244に記載の方法。
(項目255)
前記医薬組成物は、本質的にフマル酸ジメチルからなる、項目245及び250〜254のいずれか1項に記載の方法。
(項目256)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目251〜255のいずれか1項に記載の方法。
(項目257)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目251〜255のいずれか1項に記載の方法。
(項目258)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目251〜255のいずれか1項に記載の方法。
(項目259)
前記多発性硬化症は、再発性多発性硬化症である、項目233〜258のいずれか1項に記載の方法。
(項目260)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)フマル酸化合物を含む医薬組成物を用いて該患者の治療を開始する前に:(i)リンパ球数を含む全血球計算を行うこと;及び(ii)該リンパ球数が正常範囲より低いことがわかった場合、リンパ球減少症の他の原因を検討し、該他の原因に関して適切なように補正手段を取ること;ならびに
(b)該患者に、該医薬組成物を投与すること、該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、該医薬組成物に存在しない、
を含む、前記方法。
(項目261)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を繰り返し投与すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、該医薬組成物に存在せず;ならびに
(b)該医薬組成物を用いて該患者の治療を開始した後3ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ること、
を含む、前記方法。
(項目262)
さらに、前記患者のリンパ球数が0.7×109/L未満であることが、3ヶ月後の繰り返し検査で確認された場合に、前記患者に前記医薬組成物を投与することを中止することを含む、項目261に記載の方法。
(項目263)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、該医薬組成物に存在せず;ならびに(b)該医薬組成物の投与後、該患者にリンパ球減少症が出た場合は、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候がないかどうか、該患者を入念に監視すること
を含む、前記方法。
(項目264)
多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であって、該方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されており、リンパ球減少症が出た多発硬化症患者を、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候について監視することを含み;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせで
あり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、該医薬組成物に存在しない、前記方法。
(項目265)
前記徴候または症候は、運動機能障害及び認知または精神症状を含む、項目263または264に記載の方法。
(項目266)
さらに、以下:
PMLが疑われる場合は、直ちに前記医薬組成物を用いた治療を保留し、さらなる評価を行うこと
を含む、項目263〜265のいずれか1項に記載の方法。
(項目267)
フマル酸化合物を含む医薬組成物以外の多発性硬化症病態修飾療法で治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であって;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、該医薬組成物に存在せず;該方法は、以下の工程:
(a)該患者への、該多発性硬化症病態修飾療法の投与を停止すること;
(b)さらなる免疫効果を回避する目的で、しかしそれと同時に疾患の再活性化の危険性を最小限にする目的で、該多発性硬化症病態修飾療法の半減期及び作用様式を検討すること;ならびに
(c)該患者に、該フマル酸化合物を含む該医薬組成物を投与すること
を記載の順序で含む、前記方法。
(項目268)
インターフェロンまたは酢酸グラチラマーで治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であって、該方法は、以下:
(a)該患者へのインターフェロンまたは酢酸グラチラマーの投与を中止すること;及び(b)該中止後すぐに、該患者へのフマル酸化合物を含む医薬組成物の投与を開始すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在しない、
を含む、前記方法。
(項目269)
さらに、前記フマル酸化合物を含む前記医薬組成物の前記患者への投与の前記開始前に、前記患者でMRIを行うことを含む、項目267または268に記載の方法。
(項目270)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下:
(a)該患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;該フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸
水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、該医薬組成物に存在せず;ならびに(b)該患者への該フマル酸化合物を含む該医薬組成物の最初の投与の前に、及び該フマル酸化合物を含む該医薬組成物を用いた該患者の治療中定期的に、血液検査を行い、該患者の白血球数を計測すること;ならびに
(c)該治療中に白血球数が減少した場合は、該フマル酸化合物を含む該医薬組成物を用いた該治療の停止を検討すること
を含む、前記方法。
(項目271)
前記医薬組成物の前記投与は、経口で行われる、項目260、261、263、267、268、または270のいずれか1項に記載の方法。
(項目272)
前記医薬組成物は、治療上有効量の前記フマル酸化合物及び薬学上許容されるキャリアを含む、項目260〜272のいずれか1項に記載の方法。
(項目273)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目272に記載の方法。
(項目274)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目272に記載の方法。
(項目275)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目272に記載の方法。
(項目276)
前記フマル酸化合物は、フマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルである、項目260〜275のいずれか1項に記載の方法。
(項目277)
前記フマル酸化合物は、フマル酸ジメチルである、項目276に記載の方法。
(項目278)
前記投与は、フマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目271に記載の方法。
(項目279)
前記投与は、7日間フマル酸ジメチル120mgを1日2回、続いて維持量としてフマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目271に記載の方法。
(項目280)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が720mgを超えないものである、項目271に記載の方法。
(項目281)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が480mgを超えないものである、項目271に記載の方法。
(項目282)
前記医薬組成物は、本質的にフマル酸ジメチルからなる、項目272及び277〜281のいずれか1項に記載の方法。
(項目283)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目278〜282のいずれか1項に記載の方法。
(項目284)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目278〜282のいずれか1項に記載の方法。
(項目285)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目278〜282のいずれか1項に記載の方法。
(項目286)
前記多発性硬化症は、再発性多発性硬化症である、項目260〜285のいずれか1項に記載の方法。
(項目287)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を用いて該患者の治療を開始する前に:(i)リンパ球数を含む全血球計算を行うこと;及び(ii)該リンパ球数が正常範囲より低いことがわかった場合、リンパ球減少症の他の原因を検討し、該他の原因に関して適切なように補正手段を取ること;ならびに
(b)該患者に、該医薬組成物を投与すること、
を含む、前記方法。
(項目288)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を繰り返し投与すること;ならびに
(b)該医薬組成物を用いて該患者の治療を開始した後3ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ること、
を含む、前記方法。
(項目289)
さらに、前記患者のリンパ球数が0.7×109/L未満であることが、3ヶ月後の繰り返し検査で確認された場合に、前記患者に前記医薬組成物を投与することを中止することを含む、項目288に記載の方法。
(項目290)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下
(a)該患者に、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を投与すること;ならびに
(b)該医薬組成物の投与後、該患者にリンパ球減少症が出た場合は、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候がないかどうか、該患者を入念に監視すること
を含む、前記方法。
(項目291)
多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であって、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物で治療されており、リンパ球減少症が出た多発硬化症患者を、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候について監視することを含む、前記方法。
(項目292)
前記徴候または症候は、運動機能障害及び認知または精神症状を含む、項目290または291に記載の方法。
(項目293)
さらに、以下:
PMLが疑われる場合は、直ちに前記医薬組成物を用いた治療を保留し、さらなる評価を行うこと
を含む、項目290〜292のいずれか1項に記載の方法。
(項目294)
本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物以外の多発性硬化症病態修飾療法で治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であって;該方法は、以下の工程:
(a)該患者への、該多発性硬化症病態修飾療法の投与を停止すること;
(b)さらなる免疫効果を回避する目的で、しかしそれと同時に疾患の再活性化の危険性を最小限にする目的で、該多発性硬化症病態修飾療法の半減期及び作用様式を検討すること;ならびに
(c)本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる該医薬組成物
を投与すること
を記載の順序で含む、前記方法。
(項目295)
インターフェロンまたは酢酸グラチラマーで治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であって、該方法は、以下:
(a)該患者へのインターフェロンまたは酢酸グラチラマーの投与を中止すること;及び(b)該中止後すぐに、該患者への本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物の投与を開始すること
を含む、前記方法。
(項目296)
さらに、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる前記医薬組成物の前記患者への投与の前記開始前に、前記患者でMRIを行うことを含む、項目294または295に記載の方法。
(項目297)
多発性硬化症の患者の治療方法であって、以下:
(a)該患者に、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を投与すること;ならびに
(b)該患者への該医薬組成物の最初の投与の前に、及び該医薬組成物を用いた該患者の治療中定期的に、血液検査を行い、該患者の白血球数を計測すること;ならびに
(c)該治療中に白血球数が減少した場合は、該医薬組成物を用いた該治療の停止を検討すること
を含む、前記方法。
(項目298)
前記投与は、経口で行われる、項目287、288、290、294、295、または297のいずれか1項に記載の方法。
(項目299)
前記医薬組成物は、治療上有効量の前記フマル酸化合物及び薬学上許容されるキャリアを含む、項目287〜298のいずれか1項に記載の方法。
(項目300)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目299に記載の方法。
(項目301)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目299に記載の方法。
(項目302)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目299に記載の方法。
(項目303)
前記フマル酸化合物は、フマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルである、項目287〜302のいずれか1項に記載の方法。
(項目304)
前記フマル酸化合物は、フマル酸ジメチルである、項目303に記載の方法。
(項目305)
前記投与は、フマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目298に記載の方法。
(項目306)
前記投与は、7日間フマル酸ジメチル120mgを1日2回、続いて維持量としてフマル酸ジメチル240mgを1日2回である、項目298に記載の方法。
(項目307)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が720mgを超えないものである、項目298に記載の方法。
(項目308)
前記投与は、1日のフマル酸化合物合計が480mgを超えないものである、項目298に記載の方法。
(項目309)
前記医薬組成物は、本質的にフマル酸ジメチルからなる、項目299及び304〜308のいずれか1項に記載の方法。
(項目310)
前記医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態である、項目305〜309のいずれか1項に記載の方法。
(項目311)
前記医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形態である、項目305〜309のいずれか1項に記載の方法。
(項目312)
前記医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形態である、項目305〜309のいずれか1項に記載の方法。
(項目313)
前記多発性硬化症は、再発性多発性硬化症である、項目287〜312のいずれか1項に記載の方法。
【0113】
3.1用語
明細書及び請求項の理解を明確かつ一貫したものにするため、以下の定義を提供する:
【0114】
「アルカンジイル」という用語は、本明細書中使用される場合、例えば、1〜6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖のアルキル鎖を示す。アルカンジイル基の代表例として、−CH
2−、−(CH
2)
2、−CH(CH
3)−、−(CH
2)
3−、−CH
2CH(CH
3)−、−CH(CH
3)CH
2−、−CH(C
2H
5)−、−C(CH
3)
2−、−(CH
2)
4−、−(CH
2)
2CH(CH
3)−、−CH
2CH(CH
3)CH
2−、−CH(CH
3)(CH
2)
2−、−CH(C
2H
5)CH
2−、−CH
2CH(C
2H
5)−、−C(CH
3)
2CH
2−、−CH
2C(CH
3)
2−、−CH(CH
3)CH(CH
3)、−CH(C
3H
7)−、−(CH
2)
5、−(CH
2)
3CH(CH
3)、−(CH
2)
2CH(CH
3)CH
2−、−CH
2CHCH
3(CH
2)
2−、−CH
2C(CH
3)
2CH
2−、−(CH
2)
2C(CH
3)
2−、−(CH
2)
6−、−(CH
2)
4CH(CH
3)−、−(CH
2)
3CH(CH
3)CH
2−、−CH
2CHCH
3(CH
2)
3−、−(CH
2)
3C(CH
3)
2−、及び−(CH
2)
2C(CH
3)
2CH
2−が挙げられるが、これらに限定されない。
【0115】
「アルケニル」という用語は、本明細書中使用される場合、2〜6個の炭素及び少なくとも1つの炭素炭素二重結合を有する1価の直鎖または分岐鎖炭化水素を示す。アルケニル基の代表例として、−CH=CH
2、−CH=CH−CH
3、−CH
2−CH=CH−CH
3、または−CH(CH
3)−CH=CH−CH
3が挙げられるが、これらに限定されない。
【0116】
「アルキル」という用語は、本明細書中使用される場合、完全飽和の、分岐または未分岐炭化水素部分を示す。1つの実施形態において、アルキルは、1〜20個の炭素原子、1〜16個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、または1〜4個の炭素原子を含む。アルキル基の代表例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、またはn−デシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0117】
「アルキニル」という用語は、本明細書中使用される場合、2〜6個の炭素及び少なくとも1つの炭素炭素三重結合を有する1価の直鎖または分岐鎖炭化水素を示す。アルキニル基の代表例として、2−プロピニル、3−ブチニル、2−ブチニル、4−ペンチニル、3−ペンチニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0118】
「アリール」という用語は、本明細書中使用される場合、環部分に、例えば5〜14個の炭素原子を有する単環式、二環式、または三環式芳香族炭化水素基を示す。1つの実施形態において、アリールは、6〜10個の炭素原子を有する単環式及び二環式芳香族炭化水素基を示す。アリール基の代表例として、フェニル、ナフチル、フルオレニル、及びアントラセニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0119】
「アリールアルキル」という用語は、本明細書中使用される場合、基中の炭素原子、典型的には末端もしくはsp
3炭素原子と結合した水素原子のうち1つがアリール基に置き換わった、非環式アルキル基を示す。アリールアルキル基の代表例として、ベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−イル、ナフトベンジル、または2−ナフトフェニルエタン−1−イルが挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態において、アリールアルキル基は、C
7−30アリールアルキル、例えば、アリールアルキル基のアルキル部分がC
1−10でありかつアリール部分がC
6−20である。ある特定の実施形態において、アリールアルキル基は、C
6−18アリールアルキル、例えば、アリールアルキル基のアルキル部分がC
1−8でありかつアリール部分がC
6−10である。ある特定の実施形態において、アリールアルキル基は、C
7−12アリールアルキルである。
【0120】
「アルキルリンカー」という用語は、本明細書中使用される場合、C
1、C
2、C
3、C
4、C
5、またはC
6直鎖(直線状)飽和脂肪族炭化水素基及びC
3、C
4、C
5、またはC
6分岐鎖飽和脂肪族炭化水素基を示す。1つの実施形態において、C
1−6アルキルリンカーは、C
1、C
2、C
3、C
4、C
5、またはC
6アルキルリンカー基である。アルキルリンカーの代表例として、1〜6個の炭素原子を有する部分、例えば、メチル(−CH
2−)、エチル(−CH
2CH
2−)、n−プロピル(−CH
2CH
2CH
2−)、i−プロピル(−CHCH
3CH
2−)、n−ブチル(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)、s−ブチル(−CHCH
3CH
2CH
2−)、i−ブチル(−C(CH
3)
2CH
2−)、n−ペンチル(−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−)、s−ペンチル(−CHCH
3CH
2CH
2CH
2−)、またはn−ヘキシル(−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−)などが挙げられるが、これらに限定されない。「置換アルキルリンカー」という用語は、炭化水素骨格の1個または複数の炭素上の1個または複数の水素が置換基に置き換えられたアルキルリンカーを示す。そのような置換基は、それらが結合した炭素原子のsp
3混成を変化させず、そのような置換基として「置換」という用語の定義で以下に列挙される置換基が挙げられる。
【0121】
「炭素環」という用語は、本明細書中使用される場合、指定された個数の炭素を有する任意の安定な単環式、二環式、または三環式の環を示し、それらはどれでも飽和であっても不飽和であってもよい。1つの実施形態において、C
3−14炭素環は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14個の炭素原子を有する、単環式、二環式、三環式、またはスピロ環式(単環または多環式)の環を含むものとする。炭素環の代表例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘプテニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、アダマンチル、シクロオクチル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチル、テトラヒドロナフチル、オクタヒドロペンタレン、オクタヒドロ−1H−インデン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、スピロ[3.4]オクタン、スピロ[4.5]デカン、スピロ[4.5]デカ−1,6−ジエン、及びジスピロ[2.2.4.2]ドデカンが挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、非隣接炭素原子と連結して三環式の環を形成する架橋は、C
1またはC
2架橋である。環が架橋される場合、環について記載された置換基は、架橋上にも存在する場合がある。
【0122】
「シクロアルキル」という用語は、本明細書中使用される場合、飽和または部分不飽和の環状アルキル基を示す。シクロアルキル基の代表例として、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、またはシクロヘキサンが挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、シクロアルキル基は、C
3−15シクロアルキル、C
3−12シクロアルキル、またはC
3−8シクロアルキルである。
【0123】
「シクロアルキルアルキル」という用語は、本明細書中使用される場合、基中の炭素原子、典型的には末端もしくはsp
3炭素原子と結合した水素原子のうち1つがシクロアルキル基に置き換わった、非環式のアルキル基を示す。ある特定の実施形態において、シクロアルキルアルキル基は、C
4−30シクロアルキルアルキルであり、例えば、シクロアルキルアルキル基のアルキル部分がC
1−10であり、シクロアルキル部分がC
3−20である。別の実施形態において、シクロアルキルアルキル基は、C
3−20シクロアルキルアルキルであり、例えば、シクロアルキルアルキル基のアルキル部分がC
1−8であり、シクロアルキル部分がC
3−12である。特定の実施形態において、シクロアルキルアルキル基は、C
4−12シクロアルキルアルキルである。
【0124】
「重水素濃縮率」という用語は、本明細書中使用される場合、化合物の所定の試料中の重水素の同位体存在量対自然の存在量の比を示す。
【0125】
「重水素組み入れパーセンテージ」という用語は、本明細書中使用される場合、化合物の所定の試料中、重水素化及び非重水素化を含む分子合計量のうち特定位置に重水素を有する分子のパーセンテージを示す。
【0126】
「重水素化メチル」及び「重水素化エチル」という用語は、本明細書中使用される場合、それぞれ、少なくとも1個の重水素原子を有するメチル基及びエチル基を示す。重水素化メチルの例として、−CDH
2、−CD
2H、及び−CD
3が挙げられる。重水素化エチルの例として、−CHDCH
3、−CD
2CH
3、−CHDCDH
2、−CH
2CD
3が挙げられるが、これらに限定されない。
【0127】
「ハロゲン」という用語は、本明細書中使用される場合、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを示す。
【0128】
「ヘテロアルキル」という用語は、本明細書中使用される場合、それ自身でまたは別の置換基の一部として、基中の1個または複数の炭素原子(及びある特定の同伴水素原子)が独立してヘテロ原子基に置き換わっているアルキル基を示す。ヘテロ原子基の例として、−O−、−S−、−O−O−、−S−S−、−O−S−、−NR’、=N−N=、−N=N−、−N=N−NR’−、−PR’−、−P(O)
2−、−POR’−、−O−P(O)
2−、−SO−、−SO
2−、及び−Sn(R’)
2−が挙げられるが、これらに限定されず、式中、各R’は、独立して、水素、C
1−6アルキル、置換C
1−6アルキル、C
6−12アリール、置換C
6−12アリール、C
7−18アリールアルキル、置換C
7−18アリールアルキル、C
3−7シクロアルキル、置換C
3−7シクロアルキル、C
3−7ヘテロシクロアルキル、置換C
3−7ヘテロシクロアルキル、C
1−6ヘテロアルキル、置換C
1−6ヘテロアルキル、C
6−12ヘテロアリール、置換C
6−12ヘテロアリール、C
7−18ヘテロアリールアルキル、または置換C
7−18ヘテロアリールアルキルである。1つの実施形態において、C
1−6ヘテロアルキルは、例えば、基中の少なくとも1個の炭素原子(及びある特定の同伴水素原子)がヘテロ原子基に置き換わっているC
1−6アルキル基を意味する。特定の実施形態において、C
1−6ヘテロアルキルは、例えば、5個の炭素原子及び1個のヘテロ原子を有する基、4個の炭素原子及び2個のヘテロ原子を有する基、などを含む。1つの実施形態において、各R’は、独立して、水素またはC
1−3アルキルである。別の実施形態において、ヘテロ原子基は、−O−、−S−、−NH−、−N(CH
3)−、または−SO
2−である。特定の実施形態において、ヘテロ原子基は、−O−である。
【0129】
「ヘテロアリール」という用語は、本明細書中使用される場合、例えば、五員〜十四員の単環式、二環式、または三環式の環系を示し、この環系は、N、O、またはSから独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有し、N及びSは、任意選択で種々の酸化状態に酸化されていることが可能であり、環系の少なくとも1つの環は芳香族である。1つの実施形態において、ヘテロアリールは、単環式であり、五員または六員環である。単環式ヘテロアリール基の代表例として、ピリジル、チエニル、フラニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、及びテトラゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。別の実施形態において、ヘテロアリールは、二環式であり、八員〜十員環である。二環式ヘテロアリール基の代表例として、インドリル、ベンゾフラニル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、インドリニル、イソインドリル、インドリジニル、ベンズイミダゾリル、キノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン、及び6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0130】
「ヘテロアリールアルキル」という用語は、本明細書中使用される場合、基中の炭素原子、典型的には末端もしくはsp
3炭素原子と結合した水素原子のうち1つがヘテロアリール基に置き換わった、非環式のアルキル基を示す。ある特定の実施形態において、ヘテロアリールアルキル基は、C
7−12ヘテロアリールアルキルであり、例えば、ヘテロアリールアルキル基のアルキル部分がC
1−2であり、ヘテロアリール部分がC
6−10である。
【0131】
「複素環」という用語は、本明細書中使用される場合、少なくとも1個の環ヘテロ原子(例えば、N、O、またはS)を有する任意の(飽和または部分不飽和の)環構造を示す。複素環の例として、モルホリン、ピロリジン、テトラヒドロチオフェン、ピペリジン、ピペラジン、及びテトラヒドロフランが挙げられるが、これらに限定されない。
【0132】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、本明細書中使用される場合、基中の1個または複数の炭素原子(及びある特定の同伴水素原子)が独立して1個または複数のヘテロ原子基に置き換わっている飽和または不飽和の環状アルキル基を示す;あるいは親芳香環系から、基中の1個または複数の炭素原子(及びある特定の同伴水素原子)が独立して1個または複数ヘテロ原子基に置き換わることでその環系がもはやただ1つの芳香環さえ有していないようになったものを示す。炭素原子(複数可)に置き換わるヘテロ原子の代表例として、N、P、O、S、及びSiが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロシクロアルキル基の代表例として、エポキシド、アジリン、チウラン、イミダゾリジン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラゾリジン、ピロリジン、及びキヌクリジンが挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、ヘテロシクロアルキル基は、C
5−10ヘテロシクロアルキル、C
5−8ヘテロシクロアルキルである。特定の実施形態において、ヘテロシクロアルキル基は、C
5−6ヘテロシクロアルキルである。
【0133】
「ヘテロシクロアルキルアルキル」という用語は、本明細書中使用される場合、基中の炭素原子、典型的には末端もしくはsp
3炭素原子と結合した水素原子のうち1つがヘテロシクロアルキル基に置き換わった、非環式のアルキル基を示す。ある特定の実施形態において、ヘテロシクロアルキルアルキル基は、C
7−12ヘテロシクロアルキルアルキルであり、例えば、ヘテロシクロアルキルアルキル基のアルキル部分がC
1−2であり、ヘテロシクロアルキル部分がC
6−10である。
【0134】
「同位体置換体」という用語は、本明細書中使用される場合、同位体濃縮されたフマル酸化合物を示す。
【0135】
「同位体濃縮された」という用語は、本明細書中使用される場合、自然の同位体組成とは異なる同位体組成を有する原子を示す。1つの実施形態において、「同位体濃縮された」フマル酸化合物は、自然の同位体組成とは異なる同位体組成を有する原子を少なくとも1個有する。
【0136】
「同位体組成」という用語は、本明細書中使用される場合、所定の原子に存在する各同位体の量を示す。
【0137】
「薬学上許容される塩」という用語は、本明細書中使用される場合、薬学上許容される無毒の酸または塩基から形成される塩を示し、そのような酸または塩基として、無機酸及び無機塩基ならびに有機酸及び有機塩基が挙げられる。本明細書中提供されるフマル酸化合物の適切な薬学上許容される塩基付加塩として、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、及び亜鉛から作られる金属塩、またはリシン、Ν,Ν’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、及びプロカインから作られる有機塩が挙げられるが、これらに限定されない。適切な無毒の酸として、無機酸及び有機酸、例えば、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フロ酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸、及びp−トルエンスルホン酸が挙げられるが、これらに限定されない。具体的な無毒の酸の例として、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及びメタンスルホン酸が挙げられる。他のものも当該分野で周知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 18th eds., Mack Publishing, Easton PA (1990)またはRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th eds., Mack Publishing, Easton PA (1995)を参照。
【0138】
「立体異性体」という用語は、本明細書中使用される場合、フマル酸化合物の1種の立体異性体で、そのフマル酸化合物の他の立体異性体を実質的に含まないものを示す。例えば、1つのキラル中心を有する「立体異性体として純粋な」フマル酸化合物は、そのフマル酸化合物の相対する鏡像異性体を実質的に含まないだろう。2つのキラル中心を有する「立体異性体として純粋な」フマル酸化合物は、そのフマル酸化合物のその他のジアステレオマーを実質的に含まないだろう。典型的な「立体異性体として純粋な」フマル酸化合物は、そのフマル酸化合物の1種の立体異性体を約80重量%超で、及びそのフマル酸化合物の他の立体異性体を約20重量%未満で含むか、そのフマル酸化合物の1種の立体異性体を約90重量%超で、及びそのフマル酸化合物の他の立体異性体を約10重量%未満で含むか、そのフマル酸化合物の1種の立体異性体を約95重量%超で、及びそのフマル酸化合物の他の立体異性体を約5重量%未満で含むか、またはそのフマル酸化合物の1種の立体異性体を約97重量%超で、及びそのフマル酸化合物の他の立体異性体を約3重量%未満で含む。フマル酸化合物は複数のキラル中心を有することができ、ラセミ体、個別の鏡像異性体またはジアステレオマー、及びそれらの混合物として生じることができる。そのような異性体形は全て、それらの混合物も含めて、本明細書中開示される実施形態に含まれる。そのようなフマル酸化合物の立体異性体として純粋な形での使用、ならびにそれらの形の混合物の使用は、本明細書中開示される実施形態に包含される。例えば、特定のフマル酸化合物の鏡像異性体を等量でまたは不等量で含む混合物が、本明細書中開示される方法及び組成物に使用される場合がある。これらの異性体は、不斉合成される場合もあるし、キラルカラムまたはキラル分割剤などの標準技法を用いて分割される場合もある。例えば、Jacques, J., et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions (Wiley Interscience, New York, 1981); Wilen, S. H., et al., Tetrahedron 33:2725 (1977); Eliel, E.L., Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw Hill, NY, 1962);及びWilen, S. H., Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p.268 (E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN, 1972)を参照。
【0139】
「置換された」という用語は、本明細書中使用される場合、基中の1個または複数の水素原子が、独立して、同一または異なる置換基(複数可)に置き換わった基を示す。ある特定の実施形態において、各置換基は、独立して、ハロゲン、−OH、−CN、−CF
3、=O、−NO
2、ベンジル、−C(O)NH
2、−R’’、−OR’’、−C(O)R’’、−COOR’’、−S(O)
2R’’、または−NR
2’’であり、式中、各R’’は、独立して、水素またはC
1−6アルキルである。ある特定の実施形態において、各置換基は、独立して、ハロゲン、−OH、−CN、−CF
3、−NO
2、ベンジル、−R’’、−OR’’、または−NR
2’’であり、式中、各R’’は、独立して、水素またはC
1−4アルキルである。ある特定の実施形態において、各置換基は、独立して、ハロゲン、−OH、−CN、−CF
3、=O、−NO
2、ベンジル、−C(O)NR
2’’、−R’’、−OR’’、−C(O)R’’、−COOR’’、または−NR
2’’であり、式中、各R’’は、独立して、水素またはC
1−4アルキルである。ある特定の実施形態において、各置換基は、独立して、−OH、C
1−4アルキル、及び−NH
2である。
【0140】
基中の炭素原子の個数は、本明細書中、接頭辞「C
x−xx」により指定され、x及びxxは、整数である。例えば、「C
1−4アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり;「C
1−6アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり;及び「C
6−10アリール」は、6〜10個の炭素原子を有するアリール基である。
【発明を実施するための形態】
【0142】
5.詳細な説明
本発明は、患者によっては本明細書中記載されるフマル酸化合物を用いた治療の合併症としてPMLが認められることに基づき、MSの患者を治療する方法、及びMSの治療における安全性を改善する方法を提供する。進行性多巣性白質脳症(PML)の致死例が1例、4年間テクフィデラ(登録商標)を投与されたMSの患者で、臨床試験に登録されている間に発生した。テクフィデラ(登録商標)を投与された患者は、PMLと関連することが既知である免疫抑制療法またはナタリズマブでそれまでに治療されていたことはなく、免疫系機能不全をもたらす全身性病状として同定されるものもなかった。この患者は、どのような免疫抑制または免疫調節投薬も同時に受けてはいなかった。臨床試験中、テクフィデラ(登録商標)を投与されている間に患者で長期のリンパ球減少症(リンパ球数は3.5年間で主に0.5×10
9/L未満であった)が出た。
【0143】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を投与すること、フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;及び(b)患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、患者を監視することを含む。
【0144】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物で治療されている多発性硬化症患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、患者を監視することを含み、フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせである。
【0145】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を投与すること、フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;及び(b)患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含む。
【0146】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を投与すること、フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;及び(b)患者に、PMLを示唆する症候が患者に発生したらどのようなものであっても患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含む。
【0147】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物で治療されている多発性硬化症患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含み、フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせである。
【0148】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物で治療されている多発性硬化症の患者に、PMLを示唆する症候が患者に発生したらどのようなものであっても患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含み、フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせである。
【0149】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在せず;及び(b)患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、患者を監視することを含む。
【0150】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、患者を監視することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在しない。
【0151】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在せず;及び(b)患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含む。
【0152】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在せず;及び(b)患者に、PMLを示唆する症候が患者に発生したらどのようなものであっても患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含む。
【0153】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在しない。
【0154】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症の患者に、PMLを示唆する症候が患者に発生したらどのようなものであっても患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在しない。
【0155】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在せず;及び(b)患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、患者を監視することを含む。
【0156】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、患者を監視することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在しない。
【0157】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在せず;及び(b)患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含む。
【0158】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在せず;及び(b)患者に、PMLを示唆する症候が患者に発生したらどのようなものであっても患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含む。
【0159】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在しない。
【0160】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症の患者に、PMLを示唆する症候が患者に発生したらどのようなものであっても患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在しない。
【0161】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は医薬組成物に存在せず;ならびに(b)患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、患者を監視することを含む。
【0162】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、患者を監視することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在しない。
【0163】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在せず;ならびに(b)患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含む。
【0164】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在せず;ならびに(b)患者に、PMLを示唆する症候が患者に発生したらどのようなものであっても患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含む。
【0165】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在しない。
【0166】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されている多発性硬化症の患者に、PMLを示唆する症候が患者に発生したらどのようなものであっても患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在しない。
【0167】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を投与すること;及び(b)患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、患者を監視することを含む。
【0168】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物で治療されている多発性硬化症患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか、患者を監視することを含む。
【0169】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を投与すること;及び(b)患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含む。
【0170】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を投与すること;及び(b)患者に、PMLを示唆する症候が患者に発生したらどのようなものであっても患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含む。
【0171】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物で治療されている多発性硬化症患者に、フマル酸ジメチルを投与された患者でPMLが起こってきたことを通知することを含む。
【0172】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物で治療されている多発性硬化症の患者に、PMLを示唆する症候が患者に発生したらどのようなものであっても患者の担当医に連絡することの重要性を指導することを含む。
【0173】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ならびに(b)この患者にこの医薬組成物を6ヶ月間繰り返し投与した後、及びその後6ヶ月〜12ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ることを含む。
【0174】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在せず;ならびに(b)この患者にこの医薬組成物を6ヶ月間繰り返し投与した後、及びその後6ヶ月〜12ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ることを含む。
【0175】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在せず;ならびに(b)この患者にこの医薬組成物を6ヶ月間繰り返し投与した後、及びその後6ヶ月〜12ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ることを含む。
【0176】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在せず;ならびに(b)この患者にこの医薬組成物を6ヶ月間繰り返し投与した後、及びその後6ヶ月〜12ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ることを含む。
【0177】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を投与すること;ならびに(b)この患者にこの医薬組成物を6ヶ月間繰り返し投与した後、及びその後6ヶ月〜12ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ることを含む。
【0178】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)フマル酸化合物を含む医薬組成物を用いて患者の治療を開始する前に:(i)リンパ球数を含む全血球計算を行うこと;及び(ii)リンパ球数が正常範囲より低いことがわかった場合、リンパ球減少症の他の原因を検討し、この他の原因に関して適切なように補正手段を取ること;ならびに(b)患者に、この医薬組成物を投与することを含み、フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせである。
【0179】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を繰り返し投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;及び(b)この医薬組成物を用いたこの患者の治療を開始した後3ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ることを含む。
【0180】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;及び(b)この医薬組成物の投与後、患者にリンパ球減少症が出た場合は、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候がないかどうか、患者を入念に監視することを含む。
【0181】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されており、リンパ球減少症が出た多発硬化症の患者を、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候について監視することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせである。
【0182】
本明細書中提供されるのは、フマル酸化合物を含む医薬組成物以外の多発性硬化症病態修飾療法で治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であり;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;本方法は、以下の工程を記載の順序で含む:(a)この患者への、この多発性硬化症病態修飾療法の投与を停止すること;(b)さらなる免疫効果を回避する目的で、しかしそれと同時に疾患の再活性化の危険性を最小限にする目的で、この多発性硬化症病態修飾療法の半減期及び作用様式を検討すること;ならびに(c)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること。
【0183】
本明細書中提供されるのは、インターフェロンまたは酢酸グラチラマーで治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であり、本方法は、(a)患者へのインターフェロンまたは酢酸グラチラマーの投与を中止すること;及び(b)この中止後すぐに、患者へのフマル酸化合物を含む医薬組成物の投与を開始すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせである、を含む。
【0184】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ならびに(b)患者へのフマル酸化合物を含む医薬組成物の最初の投与の前に、及びフマル酸化合物を含むこの医薬組成物を用いたこの患者の治療中定期的に、血液検査を行い、患者の白血球数を計測すること;ならびに(c)この治療中に白血球数が減少した場合は、フマル酸化合物を含むこの医薬組成物を用いたこの治療の停止を検討することを含む。
【0185】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)フマル酸化合物を含む医薬組成物を用いて患者の治療を開始する前に:(i)リンパ球数を含む全血球計算を行うこと;及び(ii)リンパ球数が正常範囲より低いことがわかった場合、リンパ球減少症の他の原因を検討し、この他の原因に関して適切なように補正手段を取ること;ならびに(b)患者に、この医薬組成物を投与することを含み、フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在しない。
【0186】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を繰り返し投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在せず;及び(b)この医薬組成物を用いたこの患者の治療を開始した後3ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ることを含む。
【0187】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在せず;(b)及びこの医薬組成物の投与後、患者にリンパ球減少症が出た場合は、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候がないかどうか、患者を入念に監視することを含む。
【0188】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されており、リンパ球減少症が出た多発硬化症の患者を、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候について監視することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在しない。
【0189】
本明細書中提供されるのは、フマル酸化合物を含む医薬組成物以外の多発性硬化症病態修飾療法で治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であり;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在せず;本方法は、以下の工程を記載の順序で含む:(a)この患者への、この多発性硬化症病態修飾療法の投与を停止すること;(b)さらなる免疫効果を回避する目的で、しかしそれと同時に疾患の再活性化の危険性を最小限にする目的で、この多発性硬化症病態修飾療法の半減期及び作用様式を検討すること;ならびに(c)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること。
【0190】
本明細書中提供されるのは、インターフェロンまたは酢酸グラチラマーで治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であり、本方法は、(a)患者へのインターフェロンまたは酢酸グラチラマーの投与を中止すること;及び(b)この中止後すぐに、患者へのフマル酸化合物を含む医薬組成物の投与を開始すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在しない、を含む。
【0191】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸塩は医薬組成物に存在せず;ならびに(b)患者へのフマル酸化合物を含む医薬組成物の最初の投与の前に、及びフマル酸化合物を含むこの医薬組成物を用いたこの患者の治療中定期的に、血液検査を行い、患者の白血球数を計測すること;ならびに(c)この治療中に白血球数が減少した場合は、フマル酸化合物を含むこの医薬組成物を用いたこの治療の停止を検討することを含む。
【0192】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)フマル酸化合物を含む医薬組成物を用いて患者の治療を開始する前に:(i)リンパ球数を含む全血球計算を行うこと;及び(ii)リンパ球数が正常範囲より低いことがわかった場合、リンパ球減少症の他の原因を検討し、この他の原因に関して適切なように補正手段を取ること;ならびに(b)患者に、この医薬組成物を投与することを含み、フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在しない。
【0193】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を繰り返し投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在せず;及び(b)この医薬組成物を用いたこの患者の治療を開始した後3ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ることを含む。
【0194】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在せず;及び(b)この医薬組成物の投与後、患者にリンパ球減少症が出た場合は、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候がないかどうか、患者を入念に監視することを含む。
【0195】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されており、リンパ球減少症が出た多発硬化症患者を、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候について監視することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在しない。
【0196】
本明細書中提供されるのは、フマル酸化合物を含む医薬組成物以外の多発性硬化症病態修飾療法で治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であり;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在せず;本方法は、以下の工程を記載の順序で含む:(a)この患者への、この多発性硬化症病態修飾療法の投与を停止すること;(b)さらなる免疫効果を回避する目的で、しかしそれと同時に疾患の再活性化の危険性を最小限にする目的で、この多発性硬化症病態修飾療法の半減期及び作用様式を検討すること;ならびに(c)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること。
【0197】
本明細書中提供されるのは、インターフェロンまたは酢酸グラチラマーで治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であり、本方法は、(a)患者へのインターフェロンまたは酢酸グラチラマーの投与を中止すること;及び(b)この中止後すぐに、患者へのフマル酸化合物を含む医薬組成物の投与を開始すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在しない、を含む。
【0198】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチル塩は医薬組成物に存在せず;ならびに(b)患者へのフマル酸化合物を含む医薬組成物の最初の投与の前に、及びフマル酸化合物を含むこの医薬組成物を用いたこの患者の治療中定期的に、血液検査を行い、患者の白血球数を計測すること;ならびに(c)この治療中に白血球数が減少した場合は、フマル酸化合物を含むこの医薬組成物を用いたこの治療の停止を検討することを含む。
【0199】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)フマル酸化合物を含む医薬組成物を用いて患者の治療を開始する前に:(i)リンパ球数を含む全血球計算を行うこと;及び(ii)リンパ球数が正常範囲より低いことがわかった場合、リンパ球減少症の他の原因を検討し、この他の原因に関して適切なように補正手段を取ること;ならびに(b)患者に、この医薬組成物を投与することを含み、フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在しない。
【0200】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を繰り返し投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在せず;及び(b)この医薬組成物を用いたこの患者の治療を開始した後3ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ることを含む。
【0201】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在せず;及び(b)この医薬組成物の投与後、患者にリンパ球減少症が出た場合は、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候がないかどうか、患者を入念に監視することを含む。
【0202】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、フマル酸化合物を含む医薬組成物で治療されており、リンパ球減少症が出た多発硬化症患者を、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候について監視することを含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在しない。
【0203】
本明細書中提供されるのは、フマル酸化合物を含む医薬組成物以外の多発性硬化症病態修飾療法で治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であり;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在せず;本方法は、以下の工程を記載の順序で含む:(a)この患者への、この多発性硬化症病態修飾療法の投与を停止すること;(b)さらなる免疫効果を回避する目的で、しかしそれと同時に疾患の再活性化の危険性を最小限にする目的で、この多発性硬化症病態修飾療法の半減期及び作用様式を検討すること;ならびに(c)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること。
【0204】
本明細書中提供されるのは、インターフェロンまたは酢酸グラチラマーで治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であり、本方法は、(a)患者へのインターフェロンまたは酢酸グラチラマーの投与を中止すること;及び(b)この中止後すぐに、患者へのフマル酸化合物を含む医薬組成物の投与を開始すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在しない、を含む。
【0205】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、フマル酸化合物を含む医薬組成物を投与すること;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただしフマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在せず;ならびに(b)患者へのフマル酸化合物を含む医薬組成物の最初の投与の前に、及びフマル酸化合物を含むこの医薬組成物を用いたこの患者の治療中定期的に、血液検査を行い、患者の白血球数を計測すること;ならびに(c)この治療中に白血球数が減少した場合は、フマル酸化合物を含むこの医薬組成物を用いたこの治療の停止を検討することを含む。
【0206】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を用いて患者の治療を開始する前に:(i)リンパ球数を含む全血球計算を行うこと;及び(ii)リンパ球数が正常範囲より低いことがわかった場合、リンパ球減少症の他の原因を検討し、この他の原因に関して適切なように補正手段を取ること;ならびに(b)患者に、この医薬組成物を投与することを含む。
【0207】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を繰り返し投与すること;及び(b)この医薬組成物を用いたこの患者の治療を開始した後3ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値を得ることを含む。
【0208】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を投与すること;及び(b)この医薬組成物の投与後、患者にリンパ球減少症が出た場合は、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候がないかどうか、患者を入念に監視することを含む。
【0209】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療における安全性を改善する方法であり、本方法は、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物で治療されており、リンパ球減少症が出た多発硬化症患者を、新規神経性機能障害の出現の徴候または症候について監視することを含む。
【0210】
本明細書中提供されるのは、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物以外の多発性硬化症病態修飾療法で治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であり;本方法は、以下の工程を記載の順序で含む:(a)この患者への、この多発性硬化症病態修飾療法の投与を停止すること;(b)さらなる免疫効果を回避する目的で、しかしそれと同時に疾患の再活性化の危険性を最小限にする目的で、この多発性硬化症病態修飾療法の半減期及び作用様式を検討すること;ならびに(c)本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を投与すること。
【0211】
本明細書中提供されるのは、インターフェロンまたは酢酸グラチラマーで治療されている患者の多発性硬化症を治療する方法であり、本方法は、(a)患者へのインターフェロンまたは酢酸グラチラマーの投与を中止すること;及び(b)この中止後すぐに、患者への本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物の投与を開始することを含む。
【0212】
本明細書中提供されるのは、多発性硬化症の患者の治療方法であり、本方法は、(a)患者に、本質的にフマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルからなる医薬組成物を投与すること;ならびに(b)患者へのこの医薬組成物の最初の投与の前に、及びこの医薬組成物を用いたこの患者の治療中定期的に、血液検査を行い、患者の白血球数を計測すること;ならびに(c)この治療中に白血球数が減少した場合は、この医薬組成物を用いたこの治療の停止を検討することを含む。
【0213】
本明細書中開示される様々な態様、実施形態、及び選択肢は全て、ありとあらゆる組み合わせで組み合わせることができる。提供される組成物及び方法は、例示であって、特許請求の実施形態の範囲を制限することを意図しない。
【0214】
5.1本明細書中提供される方法で使用するための活性作用剤
本発明の方法及び組成物で使用するための活性作用剤(すなわち、薬物)は、フマル酸化合物である。そのようなフマル酸化合物として、フマル酸ジアルキル(例えば、フマル酸ジメチル)、フマル酸モノアルキル(例えば、フマル酸モノメチル)、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ(例えば、フマル酸ジメチルとフマル酸モノメチル)、フマル酸モノアルキル(例えば、モノメチル)のプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせが可能である。1つの実施形態において、本明細書中記載される方法、組成物、及び製品で使用されるフマル酸化合物は、フマル酸ジメチルである。特定の実施形態において、フマル酸化合物は、(i)フマル酸モノアルキルまたはそのプロドラッグ、あるいは(ii)フマル酸ジアルキルである。1つの実施形態において、フマル酸モノアルキルは、フマル酸モノメチル(「MMF」)である。別の実施形態において、フマル酸ジアルキルは、フマル酸ジメチル(「DMF」)である。
【0215】
5.1.1フマル酸モノアルキル及びフマル酸ジアルキル
詳細には、本明細書中提供されるのは、本明細書中提供される方法で使用するための、フマル酸モノアルキル及びフマル酸ジアルキル、あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、または立体異性体である。
【0216】
1つの実施形態において、フマル酸化合物は、以下の式Iのフマル酸モノアルキル:
【化2】
あるいはその薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、または立体異性体であり、式中、
R
1は、C
1−6アルキルである。
【0217】
式(I)の化合物のある特定の実施形態において、R
1は、メチルである(フマル酸モノメチル、「MMF」)。
【0218】
1つの実施形態において、式Iの化合物は、当業者に既知である方法を使用して、例えば、米国特許第4,959,389号に開示されるとおりに調製することができる。
【0219】
別の実施形態においてフマル酸化合物は、式IIのフマル酸ジアルキル:
【化3】
あるいはその薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、または立体異性体であり、式中、
各R
2は、C
1−6アルキルである。
【0220】
式(II)の化合物のある特定の実施形態において、各R
2は、メチルである(フマル酸ジメチル、「DMF」)。特定の実施形態において、作用剤は、医薬組成物として投与され、この医薬組成物はテクフィデラ(登録商標)である。別の特定の実施形態において、作用剤は、医薬組成物として存在し、この医薬組成物はFUMADERM(登録商標)である。FUMADERM(登録商標)は、以下の活性成分を含む:フマル酸ジメチル、フマル酸水素エチルのカルシウム塩、フマル酸水素エチルのマグネシウム塩、及びフマル酸水素エチルの亜鉛塩。
【0221】
1つの実施形態において、式(II)の化合物は、当業者に既知である方法を使用して、例えば、米国特許第4,959,389号に開示されるとおりに調製することができる。
【0222】
1つの実施形態において、フマル酸化合物は、フマル酸ジメチル及び/またはフマル酸モノメチルである。
【0223】
1つの実施形態において、フマル酸化合物は、フマル酸ジメチルである。
【0224】
5.1.2フマル酸モノアルキルのプロドラッグ
さらに本明細書中提供されるのは、本明細書中提供される方法で使用するための、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、または立体異性体である。
【0225】
詳細には、フマル酸モノアルキルのプロドラッグは、WO2013/119677に開示されるプロドラッグ、例えば以下の式(III)の化合物:
【化4】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体などであり、
R
3は、C
1−6アルキルであり;
R
4及びR
5は、それぞれ独立して、水素、C
1−6アルキル、または置換C
1−6アルキルであり;
R
6及びR
7は、それぞれ独立して、水素、C
1−6アルキル、置換C
1−6アルキル、C
1−6ヘテロアルキル、置換C
1−6ヘテロアルキル、C
4−12シクロアルキルアルキル、置換C
4−12シクロアルキルアルキル、C
7−12アリールアルキル、または置換C
7−12アリールアルキルであるか;あるいは、R
6及びR
7は、それらが結合した窒素と一緒になって、C
5−10ヘテロアリール、置換C
5−10ヘテロアリール、C
5−10ヘテロシクロアルキル、及び置換C
5−10ヘテロシクロアルキルから選択される環を形成し;かつ
式中、各置換基は、独立して、ハロゲン、−OH、−CN、−CF
3、=O、−NO
2、ベンジル、−C(O)NR
82、−R
8、−OR
8、−C(O)R
8、−COOR
8、または−NR
82であり、式中、各R
8は、独立して、水素またはC
1−4アルキルである。
【0226】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
3がエチルである場合;R
6及びR
7は、それぞれ独立して、水素、C
1−6アルキル、または置換C
1−6アルキルである。
【0227】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、各置換基は、独立して、ハロゲン、−OH、−CN、−CF
3、−R
8、−OR
8、または−NR
82であり、式中、各R
8は、独立して、水素またはC
1−4アルキルである。ある特定の実施形態において、各置換基は独立して、−OHまたは−COOHである。
【0228】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、各置換基は、独立して、=O、C
1−4アルキル、または−COOR
8であり、式中、R
8は、水素またはC
1−4アルキルである。
【0229】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
3は、メチルである。
【0230】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
3は、エチルである。
【0231】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
3は、C
3−6アルキルである。
【0232】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
3は、メチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、またはtert−ブチルである。
【0233】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
3は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、またはtert−ブチルである。
【0234】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
4及びR
5は、それぞれ水素である。
【0235】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
4及びR
5の一方は、水素であり、R
4及びR
5の他方は、C
1−4アルキルである。
【0236】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
4及びR
5の一方は、水素であり、R
4及びR
5の他方は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、またはtert−ブチルである。
【0237】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
4及びR
5の一方は、水素であり、R
4及びR
5の他方は、メチルである。
【0238】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
6及びR
7は、それぞれ独立して、水素またはC
1−6アルキルである。
【0239】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
6及びR
7は、それぞれ独立して、水素またはC
1−4アルキルである。
【0240】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
6及びR
7は、それぞれ独立して、水素、メチル、またはエチルである。
【0241】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
6及びR
7は、それぞれ水素であり;ある特定の実施形態において、R
6及びR
7は、それぞれメチルであり;ならびにある特定の実施形態において、R
6及びR
7は、それぞれエチルである。
【0242】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
6は、水素であり;かつR
7は、C
1−4アルキル、置換C
1−4アルキルであり、式中、各置換基は、独立して、=O、−OR
8、−COOR
8、または−NR
82であり、かつ式中、各R
8は、独立して、水素またはC
1−4アルキルである。
【0243】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
6は、水素であり;かつR
7は、C
1−4アルキル、ベンジル、2−メトキシエチル、カルボキシメチル、カルボキシプロピル、1,3,4−チアジアゾリル、メトキシ、−COOCH
3、2−オキソ−1,3−オキサゾリジニル、2−(メチルエトキシ)エチル、2−エトキシエチル、(tert−ブチルオキシカルボニル)メチル、(エトキシカルボニル)メチル、(メチルエチル)オキシカルボニルメチル、またはエトキシカルボニルメチルである。
【0244】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
6及びR
7は、それらが結合した窒素と一緒になって、C
5−6ヘテロシクロアルキル、置換C
5−6ヘテロシクロアルキル、C
5−6ヘテロアリール、及び置換C
5−6ヘテロアリール環から選択される環を形成する。式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
6及びR
7は、それらが結合した窒素と一緒になって、C
5ヘテロシクロアルキル、置換C
5ヘテロシクロアルキル、C
5ヘテロアリール、及び置換C
5ヘテロアリール環から選択される環を形成する。式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
6及びR
7は、それらが結合した窒素と一緒になって、C
6ヘテロシクロアルキル、置換C
6ヘテロシクロアルキル、C
6ヘテロアリール、及び置換C
6ヘテロアリール環から選択される環を形成する。式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
6及びR
7は、それらが結合した窒素と一緒になって、ピペラジン、1,3−オキサゾリジニル、ピロリジン、及びモルホリン環から選択される環を形成する。
【0245】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
6及びR
7は、それらが結合した窒素と一緒になって、C
5−10ヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0246】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
4及びR
5の一方は、水素であり、R
4及びR
5の他方は、C
1−6アルキルであり;R
6は、水素であり;R
7は、水素、C
1−6アルキル、またはベンジルである。
【0247】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
3は、メチルであり;R
4及びR
5の一方は、水素であり、R
4及びR
5の他方は、C
1−6アルキルであり;R
6は、水素であり;かつR
7は、水素、C
1−6アルキル、またはベンジルである。
【0248】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
4及びR
5の一方は、水素であり、R
4及びR
5の他方は、水素またはC
1−6アルキルであり;かつR
6及びR
7はそれぞれ、C
1−6アルキルである。
【0249】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
3は、メチルであり;R
4及びR
5の一方は、水素であり、R
4及びR
5の他方は、水素またはC
1−6アルキルであり;かつR
6及びR
7はそれぞれ、C
1−6アルキルである。式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
5は、メチルであり;R
4及びR
5はそれぞれ、水素であり;かつR
6及びR
7はそれぞれ、C
1−6アルキルである。
【0250】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
3は、メチルであり;R
4及びR
5の一方は、水素であり、R
4及びR
5の他方は、水素またはC
1−4アルキルであり;R
6は、水素であり;かつR
7は、C
1−4アルキルまたは置換C
1−4アルキルであり、式中、置換基は、=O、−OR
8、−COOR
8、または−NR
82であり、式中、各R
8は、独立して、水素またはC
1−4アルキルである。式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
3は、メチルであり;R
4及びR
5の一方は、水素であり、R
4及びR
5の他方は、メチルであり;R
6は、水素であり;かつR
7は、C
1−4アルキルまたは置換C
1−4アルキルであり、式中、置換基は、=O、−OR
8、−COOR
8、または−NR
82であり、式中、各R
8は、独立して、水素またはC
1−4アルキルである。式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
3は、メチルであり;R
4及びR
5はそれぞれ、水素であり;R
6は、水素であり;かつR
7は、C
1−4アルキルまたは置換C
1−4アルキルであり、式中、置換基は、=O、−OR
11、−COOR
11、または−NR
112であり、式中、各R
11は、独立して、水素またはC
1−4アルキルである。
【0251】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
6及びR
7は、それらが結合した窒素と一緒になって、C
5−10ヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0252】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
3は、メチルであり;R
4及びR
5の一方は、水素であり、R
4及びR
5の他方は、水素またはC
1−6アルキルであり;かつR
6及びR
7は、それらが結合した窒素と一緒になって、C
5−6ヘテロシクロアルキル、置換C
5−6ヘテロシクロアルキル、C
5−6ヘテロアリール、及び置換C
5−6ヘテロアリール環から選択される環を形成する。式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
3は、メチルであり;R
4及びR
5の一方は、水素であり、R
4及びR
5の他方は、メチルであり;R
6及びR
7は、それらが結合した窒素と一緒になって、C
5−6ヘテロシクロアルキル、置換C
5−6ヘテロシクロアルキル、C
5−6ヘテロアリール、及び置換C
5−6ヘテロアリール環から選択される環を形成する。式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
3は、メチルであり;R
4及びR
5はそれぞれ、水素であり;かつR
6及びR
7は、それらが結合した窒素と一緒になって、C
5−6ヘテロシクロアルキル、置換C
5−6ヘテロシクロアルキル、C
5−6ヘテロアリール、及び置換C
5−6ヘテロアリール環から選択される環を形成する。
【0253】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
4及びR
5の一方は、水素であり、R
4及びR
5の他方は、水素またはC
1−6アルキルであり;かつR
6及びR
7は、それらが結合した窒素と一緒になって、モルホリン、ピペラジン、及びN置換ピペラジンから選択される環を形成する。
【0254】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
3は、メチルであり;R
4及びR
5の一方は、水素であり、R
4及びR
5の他方は、水素またはC
1−6アルキルであり;かつR
6及びR
7は、それらが結合した窒素と一緒になって、モルホリン、ピペラジン、及びN置換ピペラジンから選択される環を形成する。
【0255】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
3は、メチルではない。
【0256】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
4は、水素であり、及びある特定の実施形態において、R
5は、水素である。
【0257】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、R
6及びR
7は、独立して、水素、C
1−6アルキル、置換C
1−6アルキル、C
6−10アリール、置換C
6−10アリール、C
4−12シクロアルキルアルキル、置換C
4−12シクロアルキルアルキル、C
7−12アリールアルキル、置換C
7−12アリールアルキル、C
1−6ヘテロアルキル、置換C
1−6ヘテロアルキル、C
6−10ヘテロアリール、置換C
6−10ヘテロアリール、C
4−12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
4−12ヘテロシクロアルキルアルキル、C
7−12ヘテロアリールアルキル、置換C
7−12ヘテロアリールアルキルであるか;あるいは、R
6及びR
7は、それらが結合した窒素と一緒になって、C
5−10ヘテロアリール、置換C
5−10ヘテロアリール、C
5−10ヘテロシクロアルキル、及び置換C
5−10ヘテロシクロアルキルから選択される環を形成する。
【0258】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は以下:
(N,N−ジエチルカルバモイル)メチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
メチル[N−ベンジルカルバモイル]メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
メチル=2−モルホリン−4−イル−2−オキソエチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
(N−ブチルカルバモイル)メチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
[N−(2−メトキシエチル)カルバモイル]メチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
2−{2−[(2E)−3−(メトキシカルボニル)プロパ−2−エノイルオキシ]アセチルアミノ}酢酸;
4−{2−[(2E)−3−(メトキシカルボニル)プロパ−2−エノイルオキシ]アセチルアミノ}ブタン酸;
メチル(N−(1,3,4−チアジアゾール−2−イル)カルバモイル)メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
(N,N−ジメチルカルバモイル)メチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
(N−メトキシ−N−メチルカルバモイル)メチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
ビス−(2−メトキシエチルアミノ)カルバモイル]メチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
[N−(メトキシカルボニル)カルバモイル]メチル=メチル(2E)ブタ−2エン−1,4−ジオアート;
4−{2−[(2E)−3−(メトキシカルボニル)プロパ−2−エノイルオキシ]アセチルアミノ}ブタン酸、ナトリウム塩;
メチル=2−オキソ−2−ピペラジニルエチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
メチル=2−オキソ−2−(2−オキソ(1,3−オキサゾリジン−3−イル)エチル(2E)ブタ−2エン−1,4−ジオアート;
{N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]カルバモイル}メチル=メチル(2E)ブタ−2エン−1,4ジオアート;
メチル=2−(4−メチルピペラジニル)−2−オキソエチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
メチル={N−[(プロピルアミノ)カルボニル]カルバモイル}メチル(2E)ブタ−2エン−1,4−ジオアート;
2−(4−アセチルピペラジニル)−2−オキソエチル=メチル(2E)ブタ−2エン−1,4−ジオアート;
{N,N−ビス[2−(メチルエトキシ)エチル]カルバモイル}メチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
メチル=2−(4−ベンジルピペラジニル)−2−オキソエチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
[N,N−ビス(2−エトキシエチル)カルバモイル]メチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
2−{(2S)−2−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]ピロリジニル}−2−オキソエチル=メチル(2E)ブタ−2エン−1,4−ジオアート;
1−{2−{(2E)−3−(メトキシカルボニル)プロパ−2−エノイルオキシ]アセチル}(2S)ピロリジン−2−カルボン酸;
(N−{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}−N−メチルカルバモイル)メチル=メチル(2E)ブタ−2エン1,4−ジオアート;
{N−(エトキシカルボニル)メチル]−N−メチルカルバモイル}メチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
メチル=1−メチル−2−モルホリン−4−イル−2−オキソエチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
[N,N−ビス(2−メトキシエチル)カルバモイル]エチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
(N,N−ジメチルカルバモイル)エチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
2−{2−[(2E)−3−(メトキシカルボニル)プロパ−2−エノイルオキシル]−N−メチルアセチルアミノ}酢酸;
(N−{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}カルバモイル)メチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
(2E)but−メチル−N−{[(メチルエチル)オキシカルボニル]メチル}カルバモイル)メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
{N−[(エトキシカルボニル)メチル]−N−ベンジルカルバモイル}メチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
{N−[(エトキシカルボニル)メチル]−N−ベンジルカルバモイル}エチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
{N−[(エトキシカルボニル)メチル]−N−メチルカルバモイル}エチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
(1S)−1−メチル−2−モルホリン−4−イル−2−オキソエチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
(1S)−1−[N,N−ビス(2−メトキシエチル)カルバモイル]エチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
(1R)−1−(N,N−ジエチルカルバモイル)エチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;または
(1S)−1−(N,N−ジエチルカルバモイル)エチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体である。
【0259】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は、以下:
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
または
【化9】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体である。
【0260】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は、以下:
(N,N−ジエチルカルバモイル)メチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
メチル[N−ベンジルカルバモイル]メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;メチル=2−モルホリン−4−イル−2−オキソエチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
(N−ブチルカルバモイル)メチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
[N−(2−メトキシエチル)カルバモイル]メチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
2−{2−[(2E)−3−(メトキシカルボニル)プロパ−2−エノイルオキシ]アセチルアミノ}酢酸;
{2−[(2E)−3−(メトキシカルボニル)プロパ−2−エノイルオキシ]アセチルアミノ}ブタン酸;
メチル(N−(1,3,4−チアジアゾール−2−イル)カルバモイル)メチル(2E)ブタ−2エン−1,4−ジオアート;
(N,N−ジメチルカルバモイル)メチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
(N−メトキシ−N−メチルカルバモイル)メチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
ビス−(2−メトキシエチルアミノ)カルバモイル]メチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
[N−(メトキシカルボニル)カルバモイル]メチル=メチル(2E)ブタ−2エン−1,4−ジオアート;
メチル=2−オキソ−2−ピペラジニルエチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
メチル=2−オキソ−2−(2−オキソ(1,3−オキサゾリジン−3−イル)エチル(2E)ブタ−2エン−1,4−ジオアート;
{N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]カルバモイル}メチル=メチル(2E)ブタ−2エン−1,4−ジオアート;
(N−[(メトキシカルボニル)エチル]カルバモイル)メチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;または
2−{2−[(2E)−3−(メトキシカルボニル)プロパ−2−エノイルオキシ]アセチルアミノ}プロパン酸;あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体である。
【0261】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は以下:
【化10】
【化11】
または
【化12】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体である。
【0262】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は以下:
【化13】
;またはその包接体もしくは溶媒和物である。特定の実施形態において、
【化14】
は、本明細書中提供される方法において、共結晶として投与される場合がある。ある特定の実施形態において、共結晶は、尿素、フマル酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、またはクエン酸との共結晶、あるいは米国特許出願公開第US2014−0179778A1号に開示されるものである。
【0263】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は以下:
【化15】
;またはその包接体もしくは溶媒和物である。
【0264】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は以下:
【化16】
;またはその包接体もしくは溶媒和物である。
【0265】
式(III)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は以下:
【化17】
;またはその包接体もしくは溶媒和物である。
【0266】
段落[0261]及び[0263][訳者注:WO2016/081355では[00261]及び[00263]にあり、本明細書では[0258]及び[0260]に該当]に列挙される化合物は、Chemistry 4−D Draw Pro, Version 7.01c(Chemlnnovation Software, Inc.、San Diego、California)を用いて命名したものである。
【0267】
1つの実施形態において、式(III)の化合物は、当業者に既知である方法を使用して、例えば、米国特許第8,148,414B2号に開示されるとおりに、調製される場合がある。
【0268】
1つの実施形態において、フマル酸モノアルキルのプロドラッグは、WO2013/119677に開示されるプロドラッグ、例えば、式(IV)の化合物:
【化18】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体であり、式中
R
9は、C
1−6アルキルであり;
R
10及びR
11は、それぞれ独立して、水素、C
1−6アルキル、または置換C
1−6アルキルであり;かつ
R
12は、C
1−6アルキル、置換C
1−6アルキル、C
1−6アルケニル、置換C
1−6アルケニル、C
1−6ヘテロアルキル、置換C
1−6ヘテロアルキル、C
3−8シクロアルキル、置換C
3−8シクロアルキル、C
6−8アリール、置換C
6−8アリール、または−OR
13であり、式中、R
13は、C
1−6アルキル、置換C
1−6アルキル、C
3−10シクロアルキル、置換C
3−10シクロアルキル、C
6−10アリール、または置換C
6−10アリールであり;
式中、各置換基は、独立して、ハロゲン、−OH、−CN、−CF
3、=O、−NO
2、ベンジル、−C(O)NR
142、−R
14、−OR
14、−C(O)R
14、−COOR
14、または−NR
142であり、式中、各R
14は、独立して、水素またはC
1−4アルキルである。
【0269】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、各置換基は、独立して、ハロゲン、−OH、−CN、−CF
3、−R
14、−OR
14、または−NR
142であり、式中、各R
14は、独立して、水素またはC
1−4アルキルである。
【0270】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、各置換基は、独立して、=O、C
1−4アルキル、及び−COOR
14であり、式中、R
14は、水素またはC
1−4アルキルである。
【0271】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、R
9は、C
1−6アルキルであり;ある特定の実施形態において、R
9は、C
1−3アルキルであり;及びある特定の実施形態において、R
9は、メチルまたはエチルである。
【0272】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、R
9は、メチルである。
【0273】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、R
9は、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、またはtert−ブチルである。
【0274】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、R
9は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、またはtert−ブチルである。
【0275】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、R
10及びR
11の一方は、水素であり、R
10及びR
11の他方は、C
1−6アルキルである。式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、R
10及びR
11の一方は、水素であり、R
10及びR
11の他方は、C
1−4アルキルである。
【0276】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、R
10及びR
11の一方は、水素であり、R
10及びR
11の他方は、メチル、エチル、n−プロピル、またはイソプロピルである。式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、R
10及びR
11は、それぞれ、水素である。
【0277】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、R
12は、C
1−6アルキルであり;R
10及びR
11の一方は、水素であり、R
10及びR
11の他方は、C
1−6アルキルであり;かつR
9は、C
1−6アルキルである。
【0278】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、R
12は、−OR
13である。
【0279】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、R
13は、C
1−4アルキル、シクロヘキシル、またはフェニルである。
【0280】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、R
12は、メチル、エチル、n−プロピル、またはイソプロピルであり;R
10及びR
11の一方は、水素であり、R
10及びR
11の他方は、メチル、エチル、n−プロピル、またはイソプロピルである。
【0281】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、R
12は、置換C
1−2アルキルであり、式中、各置換基は、独立して、−COOH、−NHC(O)CH
2NH
2、または−NH
2である。
【0282】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、R
12は、エトキシ、メチルエトキシ、イソプロピル、フェニル、シクロヘキシル、シクロヘキシルオキシ、−CH(NH
2)CH
2COOH、−CH
2CH(NH
2)COOH、−CH(NHC(O)CH
2NH
2)−CH
2COOH、または−CH
2CH(NHC(O)CH
2NH
2)−COOHである。
【0283】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、R
9は、メチルまたはエチルであり;R
10及びR
11の一方は、水素であり、R
10及びR
11の他方は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、またはイソプロピルであり;かつR
12は、C
1−3アルキル、置換C
1−2アルキルであり、式中、各置換基は、−COOH、−NHC(O)CH
2NH
2、−NH
2、または−OR
13であり、式中、R
13は、C
1−3アルキル、シクロヘキシル、フェニル、またはシクロヘキシルである。
【0284】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は以下:
エトキシカルボニルオキシエチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
メチル(メチルエトキシカルボニルオキシ)エチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;または
(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;あるいはそれらの包接体、溶媒和物、または立体異性体である。
【0285】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は以下:
【化19】
または
【化20】
あるいはそれらの包接体、溶媒和物、または立体異性体である。
【0286】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は以下:
メチル(2−メチルプロパノイルオキシ)エチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
メチル=フェニルカルボニルオキシエチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
シクロヘキシルカルボニルオキシブチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
[(2E)−3−(メトキシカルボニル)プロパ−2−エノイルオキシ]エチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;または
メチル=2−メチル−1−フェニルカルボニルオキシプロピル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;あるいはそれらの包接体、溶媒和物、または立体異性体である。
【0287】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は以下:
【化21】
または
【化22】
あるいはそれらの包接体、溶媒和物、または立体異性体である。
【0288】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は以下:
エトキシカルボニルオキシエチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
メチル(メチルエトキシカルボニルオキシ)エチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
メチル(2−メチルプロパノイルオキシ)エチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
メチル=フェニルカルボニルオキシエチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
シクロヘキシルカルボニルオキシブチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
[(2E)−3−(メトキシカルボニル)プロパ−2−エノイルオキシ]エチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル=メチル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;
メチル=2−メチル−1−フェニルカルボニルオキシプロピル(2E)ブタ−2−エン−1,4−ジオアート;あるいはそれらの包接体、溶媒和物、または立体異性体である。
【0289】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は以下:
3−({[(2E)−3−(メトキシカルボニル)プロパ−2−エノイルオキシ]メチル}オキシカルボニル)(3S)−3−アミノプロパン酸、2,2,2−トリフルオロ酢酸;
3−({[(2E)−3−(メトキシカルボニル)プロパ−2−エノイルオキシ]メチル}オキシカルボニル)(2S)−2−アミノプロパン酸、2,2,2−トリフルオロ酢酸;
3−({[(2E)−3−(メトキシカルボニル)プロパ−2−エノイルオキシ]メチル}オキシカルボニル)(3S)−3−(2−アミノアセチルアミノ)プロパン酸、2,2,2−トリフルオロ酢酸;または
3−{[(2E)−3−(メトキシカルボニル)プロパ−2−エノイルオキシ]エトキシカルボニルオキシ}(2S)−2−アミノプロパン酸、クロリド;あるいはそれらの包接体、溶媒和物、または立体異性体である。
【0290】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は以下:
【化23】
【化24】
または
【化25】
あるいはそれらの包接体、溶媒和物、または立体異性体である。
【0291】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は以下:
【化26】
【化27】
または
【化28】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、または立体異性体である。
【0292】
式(IV)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は以下:
【化29】
または
【化30】
あるいはそれらの包接体、溶媒和物、または立体異性体である。
【0293】
段落[0287]、[0289]、[0291]、及び[0292][訳者注:WO2016/081355では[00287]、[00289]、[00291]及び[00292]にあり、本明細書では[0284]、[0286]、[0288]及び[0289]に該当]に列挙される化合物は、Chemistry 4−D Draw Pro、Version 7.01c(Chemlnnovation Software, Inc.、San Diego、California)を用いて命名したものである。
【0294】
1つの実施形態において、式(IV)の化合物は、当業者に既知である方法を使用して、例えば、米国特許第8,148,414B2号に開示されるとおりに、調製される場合がある。
【0295】
1つの実施形態において、フマル酸モノアルキルのプロドラッグは、米国特許出願公開第2014/0057918号に開示されるプロドラッグ、例えば、式(V)の化合物:
【化31】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、または溶媒和物であり、式中、R
15は、C
1−6アルキルであり;かつ
mは、2〜6の整数である。
【0296】
式(V)の化合物のある特定の実施形態において、R
15は、メチルである。
【0297】
式(V)の化合物のある特定の実施形態において、R
15は、エチルである。
【0298】
式(V)の化合物のある特定の実施形態において、R
15は、C
3−6アルキルである。
【0299】
式(V)の化合物のある特定の実施形態において、R
15は、メチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、またはtert−ブチルである。
【0300】
式(V)の化合物のある特定の実施形態において、R
15は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、またはtert−ブチルである。
【0301】
式(V)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は以下:
メチル=(2−モルホリノエチル)フマラート;
メチル=(3−モルホリノプロピル)フマラート;
メチル=(4−モルホリノブチル)フマラート;
メチル=(5−モルホリノペンチル)フマラート;または
メチル=(6−モルホリノヘキシル)フマラート;
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、または溶媒和物である。
【0302】
式(V)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は以下:
【化32】
または
【化33】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、または溶媒和物である。
【0303】
段落[0304][訳者注:WO2016/081355では[00304]にあり、本明細書では[0301]に該当]に列挙される化合物は、Chemistry 4−D Draw Pro、Version 7.01c(Chemlnnovation Software, Inc.、San Diego、California)を用いて命名したものである。
【0304】
1つの実施形態において、式(V)の化合物は、当業者に既知である方法を使用して、例えば、米国特許出願公開第2014/0057918号に開示されるとおりに、調製される場合がある。
【0305】
1つの実施形態において、フマル酸モノアルキルのプロドラッグは、WO2013/119677に開示されるプロドラッグ、例えば、式(VI)の化合物:
【化34】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、または立体異性体であり、式中:
R
16は、C
1−10アルキル、C
5−14アリール、ヒドロキシル、−O−C
1−10アルキル、または−O−C
5−14アリールであり;
R
17、R
18、及びR
19はそれぞれ、独立して、C
1−10アルキル、C
5−14アリール、ヒドロキシル、−O−C
1−10アルキル、−O−C
5−14アリール、または
【化35】
であり
式中、R
20は、C
1−6アルキルであり;これらはそれぞれ、随意に置換可能であり;かつ
n、p、及びqはそれぞれ、独立して、0〜4であるが;
ただし、R
17、R
18、及びR
19のうち少なくとも1つは、
【化36】
である。
【0306】
式(VI)の化合物のある特定の実施形態において、R
20は、随意に置換されるC
1−6アルキルである。式(VI)の化合物のある特定の実施形態において、R
20は、随意に置換されるメチル、エチル、またはイソプロピルである。式(VI)の化合物のある特定の実施形態において、R
20は、メチルである。
【0307】
式(VI)の化合物のある特定の実施形態において、R
16は、C
1−10アルキルである。式(VI)の化合物のある特定の実施形態において、R
16は、随意に置換されるC
1−6アルキルである。式(VI)の化合物のある特定の実施形態において、R
16は、随意に置換されるメチル、エチル、またはイソプロピルである。式(VI)の化合物のある特定の実施形態において、R
16は、随意に置換されるC
5−15アリールである。式(VI)の化合物のある特定の実施形態において、R
16は、随意に置換されるC
5−C
10アリールである。
【0308】
1つの実施形態において、フマル酸モノアルキルのプロドラッグは、WO2013/119677に開示されるプロドラッグ、例えば、式(VI’)の化合物:
【化37】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、または立体異性体であり、式中
R
16は、C
1−10アルキル、C
6−10アリール、ヒドロキシル、−O−C
1−10アルキル、または−O−C
6−10アリールであり;
R
17、R
18、及びR
19はそれぞれ、独立して、C
1−10アルキル、C
6−10アリール、ヒドロキシル、−O−C
1−10アルキル、−O−C
6−10アリール、または
【化38】
であり、
式中、R
20は、C
1−6アルキルであり;これらはそれぞれ、随意に置換可能であり;かつ
n、p、及びqはそれぞれ、独立して、0〜4であるが;
ただし、R
17、R
18、及びR
19のうち少なくとも1つは、
【化39】
である。
【0309】
式(VI’)の化合物のある特定の実施形態において、R
20は、メチルである。
【0310】
式(VI)または式(VI’)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は以下:(ジメチルシランジイル)ジメチル=ジフマラート;メチル=((トリメトキシシリル)メチル)=フマラート;メチル=((トリヒドロキシシリル)メチル)フマラート;またはトリメチル(メチルシラントリイル)トリフマラート;あるいはそれらの薬学上許容される塩である。
【0311】
式(VI)または式(VI’)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は以下:
【化40】
または
【化41】
あるいはそれらの薬学上許容される塩である。
【0312】
1つの実施形態において、式(VI)及び式(VI’)の化合物は、当業者に既知である方法を使用して、例えば、WO2013/119677に開示されるとおりに、調製される場合がある。
【0313】
1つの実施形態において、フマル酸モノアルキルのプロドラッグは、WO2013/119677に開示されるプロドラッグ、例えば、式(VII)の化合物:
【化42】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、または立体異性体であり、
ここで:
式中、R
21は、C
1−6アルキルであり;かつ
R
22及びR
23はそれぞれ、独立して、C
1−10アルキルまたはC
5−14アリールであり;
これらはそれぞれ、随意に置換可能である。
【0314】
式(VII)の化合物のある特定の実施形態において、R
21は、随意に置換されるC
1−6アルキルである。式(VII)の化合物のある特定の実施形態において、R
21は、随意に置換されるメチル、エチル、またはイソプロピルである。式(VII)の化合物のある特定の実施形態において、R
21は、メチルである。
【0315】
式(VII)の化合物のある特定の実施形態において、R
22及びR
23はそれぞれ、独立して、随意に置換されるC
1−10アルキルである。式(VII)の化合物のある特定の実施形態において、R
22及びR
23はそれぞれ、独立して、随意に置換されるC
1−6アルキルである。式(VII)の化合物のある特定の実施形態において、R
22及びR
23はそれぞれ、独立して、随意に置換されるメチル、エチル、またはイソプロピルである。式(VII)の化合物のある特定の実施形態において、R
22及びR
23はそれぞれ、独立して、随意に置換されるC
5−14アリールである。式(VII)の化合物のある特定の実施形態において、R
22及びR
23はそれぞれ、独立して、随意に置換される置換C
5−10アリールである。
【0316】
1つの実施形態において、フマル酸モノアルキルのプロドラッグは、WO2013/119677に開示されるプロドラッグ、例えば、式(VII’)の化合物:
【化43】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、または立体異性体であり、
式中
R
21は、C
1−6アルキルであり;かつ
R
22及びR
23はそれぞれ、独立して、C
1−10アルキルまたはC
6−10アリールである。
【0317】
1つの実施形態において、式(VII)及び式(VII’)の化合物は、当業者に既知である方法を使用して、例えば、WO2013/119677に開示されるとおりに、調製される場合がある。
【0318】
1つの実施形態において、フマル酸モノアルキルのプロドラッグは、WO2013/119677に開示されるプロドラッグ、例えば、式(VIII)の化合物:
【化44】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、または立体異性体であり、
式中:
R
24は、C
1−6アルキルであり;
R
25、R
26、及びR
27はそれぞれ、独立して、ヒドロキシル、C
1−10アルキル、C
5−14アリール、−O−C
1−10アルキル、または−O−C
5−14アリールであり;
これらはそれぞれ、随意に置換可能であり;かつ
sは、1または2である。
【0319】
式(VIII)の化合物のある特定の実施形態において、R
24は、随意に置換されるC
1−C
6アルキルである。式(VIII)の化合物のある特定の実施形態において、R
24は、随意に置換されるメチル、エチル、またはイソプロピルである。式(VIII)の化合物のある特定の実施形態において、R
24は、メチルである。
【0320】
式(VIII)の化合物のある特定の実施形態において、R
25、R
26、及びR
27はそれぞれ、ヒドロキシルである。式(VIII)の化合物のある特定の実施形態において、R
25、R
26、及びR
27はそれぞれ、独立して、随意に置換されるC
1−10アルキルである。式(VIII)の化合物のある特定の実施形態において、R
25、R
26、及びR
27はそれぞれ、独立して、随意に置換されるC
1−6アルキルである。式(VIII)の化合物のある特定の実施形態において、R
25、R
26、及びR
27はそれぞれ、独立して、随意に置換されるメチル、エチル、またはイソプロピルである。式(VIII)の化合物のある特定の実施形態において、R
25、R
26、及びR
27はそれぞれ、独立して、随意に置換されるC
5−14アリールである。式(VIII)の化合物のある特定の実施形態において、R
25、R
26、及びR
27はそれぞれ、独立して、随意に置換されるC
5−10アリールである。
【0321】
1つの実施形態において、フマル酸モノアルキルのプロドラッグは、WO2013/119677に開示されるプロドラッグ、例えば、式(VIII’)の化合物:
【化45】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、または立体異性体であり、
式中:
R
24は、C
1−6アルキルであり;
R
25、R
26、及びR
27はそれぞれ、独立して、ヒドロキシル、C
1−10アルキル、C
6−10アリール、−O−C
1−10アルキル、または−O−C
6−10アリールであり;かつ
sは、1または2である。
【0322】
1つの実施形態において、式(VIII)及び式(VIII’)の化合物は、当業者に既知である方法を使用して、例えば、WO2013/119677に開示されるとおりに、調製される場合がある。
【0323】
1つの実施形態において、フマル酸モノアルキルのプロドラッグは、WO2013/119677に開示されるプロドラッグ、例えば、式(IX)の化合物:
【化46】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、または立体異性体であり、
式中
R
28はそれぞれ、独立して、C
1−6アルキルであり;かつ
R
29は、C
1−10アルキルであり;
これらはそれぞれ、随意に置換可能である。
【0324】
式(IX)の化合物のある特定の実施形態において、R
28はそれぞれ、独立して、随意に置換されるC
1−6アルキルである。式(IX)の化合物のある特定の実施形態において、R
28はそれぞれ、独立して、随意に置換されるメチル、エチル、またはイソプロピルである。式(IX)の化合物のある特定の実施形態において、R
28はそれぞれ、メチルである。
【0325】
式(IX)の化合物のある特定の実施形態において、R
29は、随意に置換されるC
1−6アルキルである。式(IX)の化合物のある特定の実施形態において、R
29は、随意に置換されるメチル、エチル、またはイソプロピルである。
【0326】
1つの実施形態において、フマル酸モノアルキルのプロドラッグは、WO2013/119677に開示されるプロドラッグ、例えば、式(IX’)の化合物:
【化47】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、または立体異性体であり、
式中
R
28は、C
1−6アルキルであり;かつ
R
29は、C
1−10アルキルである。
【0327】
1つの実施形態において、式(IX)及び式(IX’)の化合物は、当業者に既知である方法を使用して、例えば、WO2013/119677に開示されるとおりに、調製される場合がある。
【0328】
1つの実施形態において、フマル酸モノアルキルのプロドラッグは、米国特許第8,669,281B1号に開示されるプロドラッグ、例えば、式(X)の化合物:
【化48】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体または立体異性体であり、式中
R
30は、無置換のC
1−6アルキルであり;
L
aは、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルリンカー、置換もしくは無置換のC
3−10炭素環、置換もしくは無置換のC
6−10アリール、1つまたは2つの五員もしくは六員環ならびにN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換の複素環、あるいは1つまたは2つの五員もしくは六員環及びN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換のヘテロアリールであり;かつ
R
31及びR
32はそれぞれ、独立して、水素、置換もしくは無置換のC
1−6アルキル、置換もしくは無置換のC
2−6アルケニル、置換もしくは無置換のC
2−6アルキニル、置換もしくは無置換のC
6−10アリール、置換もしくは無置換のC
3−10炭素環、1つまたは2つの五員もしくは六員環ならびにN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換の複素環、あるいは1つまたは2つの五員もしくは六員環及びN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換のヘテロアリールであり;
あるいはそうでなければ、R
31及びR
32は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、1つまたは2つの五員もしくは六員環及びN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換のヘテロアリールあるいは1つまたは2つの五員もしくは六員環ならびにN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換の複素環を形成する。
【0329】
式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
30は、メチルである。式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
30は、エチルである。
【0330】
式(X)の化合物のある特定の実施形態において、L
aは、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルリンカーである。式(X)の化合物のある特定の実施形態において、L
aは、置換もしくは無置換のC
1−3アルキルリンカーである。式(X)の化合物のある特定の実施形態において、L
aは、置換もしくは無置換のC
2アルキルリンカーである。式(X)の化合物のある特定の実施形態において、L
aは、メチル置換もしくは無置換のC
2アルキルリンカーである。式(X)の化合物のある特定の実施形態において、L
aは、ジメチル置換もしくは無置換のC
2アルキルリンカーである。式(X)の化合物のある特定の実施形態において、L
aは、メチルまたはジメチル置換C
2アルキルリンカーである。式(X)の化合物のある特定の実施形態において、L
aは、無置換のC
2アルキルリンカーである。
【0331】
式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
31は、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルである。式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
31は、無置換のC
1−6アルキルである。式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
31は、無置換のC
1−3アルキルである。式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
31は、無置換のC
1−2アルキルである。
【0332】
式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
31は、C(O)OR
a置換C
1−6アルキルであり、式中、R
aは、水素または無置換のC
1−6アルキルである。式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
31は、S(O)(O)R
b置換C
1−6アルキルであり、式中、R
bは、無置換のC
1−6アルキルである。
【0333】
式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
32は、水素である。式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
32は、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルである。式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
32は、無置換のC
1−6アルキルである。
【0334】
式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
31及びR
32は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、1つまたは2つの五員もしくは六員環及びN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換のヘテロアリール、あるいは1つまたは2つの五員もしくは六員環ならびにN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換の複素環を形成する。
【0335】
式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
31及びR
32は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、1つまたは2つの五員もしくは六員環ならびにN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換の複素環を形成する。
【0336】
式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
31及びR
32は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、置換もしくは無置換の、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、トリアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、またはモルホリニル環を形成する。
【0337】
式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
31及びR
32は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、置換もしくは無置換のピペリジニル環を形成する。
【0338】
式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
31及びR
32は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、無置換のピペリジニル環を形成する。
【0339】
式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
31及びR
32は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、ハロゲン置換ピペリジニル環を形成する。式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
31及びR
32は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、4−ハロゲン置換ピペリジニル環を形成する。
【0340】
式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
31及びR
32は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、無置換のモルホリニル環を形成する。
【0341】
式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
31及びR
32は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、無置換のピロリジニル環を形成する。
【0342】
式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
31及びR
32は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、1つまたは2つの五員もしくは六員環ならびにN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換のヘテロアリールを形成する。
【0343】
式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
31は、置換もしくは無置換のC
6−10アリールである。式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
31は、無置換のC
6−C
10アリールである。式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
31は、無置換のフェニルである。式(X)の化合物のある特定の実施形態において、R
31は、無置換のベンジルである。
【0344】
1つの実施形態において、式(X)の化合物は、当業者に既知である方法を使用して、例えば、米国特許第8,669,281B1号に開示されるとおりに、調製される場合がある。
【0345】
1つの実施形態において、フマル酸モノアルキルのプロドラッグは、米国特許第8,669,281B1号に開示されるプロドラッグ、例えば、式(X’)の化合物:
【化49】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、または立体異性体であり、式中
R
33は、無置換のC
1−6アルキルであり;
L
a’は、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルリンカー、置換もしくは無置換のC
3−10炭素環、置換もしくは無置換のC
6−10アリール、1つまたは2つの五員もしくは六員環ならびにN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換の複素環、あるいは1つまたは2つの五員もしくは六員環及びN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換のヘテロアリールであり;かつ
R
34は、水素、置換もしくは無置換のC
1−6アルキル、置換もしくは無置換のC
2−6アルケニル、置換もしくは無置換のC
2−6アルキニル、置換もしくは無置換のC
6−10アリール、置換もしくは無置換のC
3−10炭素環、1つまたは2つの五員もしくは六員環ならびにN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換の複素環、あるいは1つまたは2つの五員もしくは六員環及びN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換のヘテロアリールである。
【0346】
式(X’)の化合物のある特定の実施形態において、R
33は、メチルである。式(X’)の化合物のある特定の実施形態において、R
33は、エチルである。
【0347】
式(X’)の化合物のある特定の実施形態において、L
a’は、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルリンカーである。式(X’)の化合物のある特定の実施形態において、L
a’は、置換もしくは無置換のC
1−3アルキルリンカーである。
【0348】
式(X’)の化合物のある特定の実施形態において、L
a’は、置換もしくは無置換のC
2アルキルリンカーである。式(X’)の化合物のある特定の実施形態において、L
a’は、メチル置換もしくは無置換のC
2アルキルリンカーである。式(X’)の化合物のある特定の実施形態において、L
a’は、ジメチル置換もしくは無置換のC
2アルキルリンカーである。式(X’)の化合物のある特定の実施形態において、L
a’は、メチルまたはジメチル置換C
2アルキルリンカーである。式(X’)の化合物のある特定の実施形態において、L
a’は、無置換のC
2アルキルリンカーである。
【0349】
式(X’)の化合物のある特定の実施形態において、R
34は、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルである。式(X’)の化合物のある特定の実施形態において、R
34は、無置換のC
1−6アルキルである。式(X’)の化合物のある特定の実施形態において、R
34は、メチルである。式(X’)の化合物のある特定の実施形態において、R
34は、無置換のC
1−3アルキルである。式(X’)の化合物のある特定の実施形態において、R
34は、無置換のC
1−2アルキルである。
【0350】
式(X’)の化合物のある特定の実施形態において、R
34は、C(O)OR
a’置換C
1−6アルキルであり、式中、R
a’は、Hまたは無置換のC
1−6アルキルである。式(X’)の化合物のある特定の実施形態において、R
34は、S(O)(O)R
b’置換C
1−6アルキルであり、式中、R
bは、無置換のC
1−6アルキルである。
【0351】
1つの実施形態において、式(X’)の化合物は、当業者に既知である方法を使用して、例えば、米国特許第8,669,281B1号に開示されるとおりに、調製される場合がある。
【0352】
1つの実施形態において、フマル酸モノアルキルのプロドラッグは、米国特許第8,669,281B1号に開示されるプロドラッグ、例えば、式(X’’)の化合物:
【化50】
あるいはそれらの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体であり、式中
A
−は、薬学上許容されるアニオンであり;
R
35は、無置換のC
1−6アルキルであり;
L
a’’は、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルリンカー、置換もしくは無置換のC
3−10炭素環、置換もしくは無置換のC
6−10アリール、1つまたは2つの五員もしくは六員環ならびにN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換の複素環、あるいは1つまたは2つの五員もしくは六員環及びN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換のヘテロアリールであり;
R
36及びR
37はそれぞれ、独立して、水素、置換もしくは無置換のC
1−6アルキル、置換もしくは無置換のC
2−6アルケニル、置換もしくは無置換のC
2−C
6アルキニル、置換もしくは無置換のC
6−10アリール、置換もしくは無置換のC
3−10炭素環、1つまたは2つの五員もしくは六員環ならびにN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換の複素環、あるいは1つまたは2つの五員もしくは六員環及びN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換のヘテロアリールであり;
あるいはそうでなければ、R
36及びR
37は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、1つまたは2つの五員もしくは六員環及びN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換のヘテロアリール、あるいは1つまたは2つの五員もしくは六員環ならびにN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換の複素環を形成し;かつ
R
38は、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルである。
【0353】
式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
35は、メチルである。式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
35は、エチルである。
【0354】
式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、L
a’’は、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルリンカーである。式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、L
a’’は、置換もしくは無置換のC
1−3アルキルリンカーである。
【0355】
式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、L
a’’は、置換もしくは無置換のC
2アルキルリンカーである。式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、L
a’’は、メチル置換もしくは無置換のC
2アルキルリンカーである。式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、L
a’’は、ジメチル置換もしくは無置換のC
2アルキルリンカーである。式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、L
a’’は、メチルまたはジメチル置換C
2アルキルリンカーである。式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、L
a’’は、無置換のC
2アルキルリンカーである。
【0356】
式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
36は、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルである。式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
36は、無置換のC
1−6アルキルである。式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
36は、無置換のC
1−3アルキルである。式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
36は、無置換のC
1−2アルキルである。
【0357】
式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
36は、C(O)OR
a’’置換C
1−6アルキルであり、式中、R
a’’は、水素または無置換のC
1−6アルキルである。式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
36は、S(O)(O)R
b’’置換C
1−6アルキルであり、式中、R
b’’は、無置換のC
1−6アルキルである。
【0358】
式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
36及びR
37は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、1つまたは2つの五員もしくは六員環及びN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換のヘテロアリール、あるいは1つまたは2つの五員もしくは六員環ならびにN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換の複素環を形成する。
【0359】
式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
36及びR
37は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、1つまたは2つの五員もしくは六員環ならびにN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換の複素環を形成する。
【0360】
式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
36及びR
37は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、置換もしくは無置換の、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、トリアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、またはモルホリニル環を形成する。
【0361】
式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
36及びR
37は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、置換もしくは無置換のピペリジニル環を形成する。式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
36及びR
37は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、無置換のピペリジニル環を形成する。式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
36及びR
37は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、ハロゲン置換ピペリジニル環を形成する。式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
36及びR
37は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、4−ハロゲン置換ピペリジニル環を形成する。
【0362】
式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
36及びR
37は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、無置換のモルホリニル環を形成する。
【0363】
式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
36及びR
37は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、無置換のピロリジニル環を形成する。
【0364】
式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
36及びR
37は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、1つまたは2つの五員もしくは六員環及びN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換のヘテロアリールを形成する。
【0365】
式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
36は、置換もしくは無置換のC
6−10アリールである。式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
36は、無置換のC
6−10アリールである。式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
36は、無置換のフェニルである。式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
36は、無置換のベンジルである。
【0366】
式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
37は、水素である。
【0367】
式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
37は、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルである。式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
37は、無置換のC
1−6アルキルである。
【0368】
式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
38は、無置換のC
1−6アルキルである。式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
38は、無置換のC
1−3アルキルである。式(X’’)の化合物のある特定の実施形態において、R
38は、メチルである。
【0369】
1つの実施形態において、式(X’’)の化合物は、当業者に既知である方法を使用して、例えば、米国特許第8,669,281B1号に開示されるとおりに、調製される場合がある。
【0370】
1つの実施形態において、フマル酸モノアルキルのプロドラッグは、米国特許第8,669,281B1号に開示されるプロドラッグ、例えば、式(XI)の化合物:
【化51】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体であり、式中
R
39は、無置換のC
1−6アルキルであり;
R
40及びR
41はそれぞれ、独立して、水素、置換もしくは無置換のC
1−6アルキル、置換もしくは無置換のC
2−6アルケニル、置換もしくは無置換のC
2−6アルキニル、置換もしくは無置換のC
6−10アリール、置換もしくは無置換のC
3−10炭素環、1つまたは2つの五員もしくは六員環ならびにN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換の複素環、あるいは1つまたは2つの五員もしくは六員環及びN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換のヘテロアリールであり;
R
42、R
43、R
44、及びR
45はそれぞれ、独立して、水素、置換もしくは無置換のC
1−6アルキル、置換もしくは無置換のC
2−6アルケニル、置換もしくは無置換のC
2−6アルキニル、またはC(O)OR
bであり;かつR
bは、Hまたは置換もしくは無置換のC
1−C
6アルキルである。
【0371】
式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
39は、メチルである。式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
39は、エチルである。
【0372】
式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
40は、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルである。式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
40は、無置換のC
1−6アルキルである。式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
40は、無置換のC
1−3アルキルである。式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
40は、無置換のC
1−2アルキルである。
【0373】
式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
40は、C(O)OR
b置換C
1−6アルキルであり、式中、R
bは、水素または無置換のC
1−6アルキルである。式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
40は、S(O)(O)R
b置換C
1−6アルキルであり、式中、R
bは、無置換のC
1−6アルキルである。
【0374】
式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
40は、置換もしくは無置換のC
6−10アリールである。式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
40は、無置換のC
6−10アリールである。式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
40は、無置換のフェニルである。式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
40は、無置換のベンジルである。
【0375】
式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
41は、水素である。
【0376】
式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
41は、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルである。式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
41は、無置換のC
1−6アルキルである。
【0377】
式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
42、R
43、R
44、及びR
45はそれぞれ、水素である。
【0378】
式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
42は、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルであり、かつR
43、R
44、及びR
45はそれぞれ、水素である。式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
42は、無置換のC
1−6アルキルであり、かつR
43、R
44、及びR
45はそれぞれ、水素である。
【0379】
式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
44は、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルであり、かつR
42、R
43、及びR
45はそれぞれ、水素である。式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
44は、無置換のC
1−6アルキルであり、かつR
42、R
43、及びR
45はそれぞれ、水素である。
【0380】
式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
42及びR
44はそれぞれ、独立して、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルであり、かつR
43及びR
45はそれぞれ、水素である。式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
42及びR
44はそれぞれ、独立して、無置換のC
1−6アルキルであり、かつR
43及びR
45はそれぞれ、水素である。
【0381】
式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
42及びR
43はそれぞれ、独立して、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルであり、かつR
44及びR
45はそれぞれ、水素である。式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
42及びR
43はそれぞれ、独立して、無置換のC
1−6アルキルであり、かつR
44及びR
45はそれぞれ、水素である。
【0382】
式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
44及びR
45はそれぞれ、独立して、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルであり、かつR
42及びR
43はそれぞれ、水素である。式(XI)の化合物のある特定の実施形態において、R
44及びR
45はそれぞれ、独立して、無置換のC
1−6アルキルであり、かつR
42及びR
43はそれぞれ、水素である。
【0383】
1つの実施形態において、式(XI)の化合物は、当業者に既知である方法を使用して、例えば、米国特許第8,669,281B1号に開示されるとおりに、調製される場合がある。
【0384】
1つの実施形態において、フマル酸モノアルキルのプロドラッグは、米国特許第8,669,281B1号に開示されるプロドラッグ、例えば、式(XII)の化合物:
【化52】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、または立体異性体であり、式中
R
46は、無置換のC
1−6アルキルであり;
【化53】
は
【化54】
または
【化55】
であり
Xは、N、O、S、またはSO
2であり;
Zは、CまたはNであり;
tは、0、1、2、または3であり;
yは、1または2であり;
wは、0、1、2、または3であり;
vは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり;
R
47、R
48、R
49、及びR
50はそれぞれ、独立して、水素、置換もしくは無置換のC
1−6アルキル、置換もしくは無置換のC
2−6アルケニル、置換もしくは無置換のC
2−6アルキニル、またはC(O)OR
52であり;かつ
R
52は、水素または置換もしくは無置換のC
1−6アルキルであり;かつ
各R
51は、独立して、水素、ハロゲン、置換もしくは無置換のC
1−6アルキル、置換もしくは無置換のC
2−6アルケニル、置換もしくは無置換のC
2−6アルキニル、置換もしくは無置換のC
3−10炭素環、1つまたは2つの五員もしくは六員環ならびにN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換の複素環、あるいは1つまたは2つの五員もしくは六員環及びN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換のヘテロアリールであるか;
あるいはそうでなければ、同じ炭素原子に結合した2つのR
51が、その炭素原子と一緒になって、カルボニル、置換もしくは無置換のC
3−10炭素環、1つまたは2つの五員もしくは六員環ならびにN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換の複素環、あるいは1つまたは2つの五員もしくは六員環及びN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換のヘテロアリールを形成し;
あるいはそうでなければ、異なる原子に結合した2つのR
51が、それぞれが結合した炭素原子と一緒になって、置換もしくは無置換のC
3−C
10炭素環、1つまたは2つの五員もしくは六員環ならびにN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換の複素環、あるいは1つまたは2つの五員もしくは六員環及びN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む置換または無置換のヘテロアリールを形成する。
【0385】
式(XII)の化合物のある特定の実施形態において、R
46は、メチルである。式(XII)の化合物のある特定の実施形態において、R
46は、エチルである。
【0386】
式(XII)の化合物のある特定の実施形態において、
【化56】
は、
【化57】
である。
【0387】
式(XII)の化合物のある特定の実施形態において、
【化58】
は、
【化59】
である。
【0388】
式(XII)の化合物のある特定の実施形態において、
【化60】
は、
【化61】
である。
【0389】
式(XII)の化合物のある特定の実施形態において、
【化62】
は、
【化63】
である。
【0390】
式(XII)の化合物のある特定の実施形態において、R
47は、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルであり、かつR
48、R
49、及びR
50はそれぞれ、水素である。式(XII)の化合物のある特定の実施形態において、R
47は、無置換のC
1−6アルキルであり、かつR
48、R
49、及びR
50はそれぞれ、水素である。
【0391】
式(XII)の化合物のある特定の実施形態において、R
49は、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルであり、かつR
47、R
48、及びR
50はそれぞれ、水素である。式(XII)の化合物のある特定の実施形態において、R
49は、無置換のC
1−6アルキルであり、かつR
47、R
48、及びR
50はそれぞれ、水素である。
【0392】
式(XII)の化合物のある特定の実施形態において、R
47及びR
49はそれぞれ、独立して、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルであり、かつR
48及びR
49はそれぞれ、水素である。式(XII)の化合物のある特定の実施形態において、R
47及びR
49はそれぞれ、独立して、無置換のC
1−6アルキルであり、かつR
48及びR
50はそれぞれ、水素である。
【0393】
式(XII)の化合物のある特定の実施形態において、R
47及びR
48はそれぞれ、独立して、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルであり、かつR
49及びR
50はそれぞれ、水素である。式(XII)の化合物のある特定の実施形態において、R
47及びR
48はそれぞれ、独立して、無置換のC
1−6アルキルであり、かつR
49及びR
50はそれぞれ、水素である。
【0394】
式(XII)の化合物のある特定の実施形態において、R
49及びR
50はそれぞれ、独立して、置換もしくは無置換のC
1−6アルキルであり、かつR
47及びR
48はそれぞれ、水素である。式(XII)の化合物のある特定の実施形態において、R
49及びR
50はそれぞれ、独立して、無置換のC
1−6アルキルであり、かつR
47及びR
48はそれぞれ、水素である。
【0395】
1つの実施形態において、式(XII)の化合物は、当業者に既知である方法を使用して、例えば、米国特許第8,669,281B1号に開示されるとおりに、調製される場合がある。
【0396】
式(X)、(Χ’)、(Χ’’)、(XI)、または(XII)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は以下:
【化64】
【化65】
【化66】
または
【化67】
である。
【0397】
式(XII)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は、
【化68】
である。
【0398】
1つの実施形態において、フマル酸モノアルキルのプロドラッグは、WO2014/096425に開示されるプロドラッグ、例えば、式(XIII)の化合物:
【化69】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、または立体異性体であり、
式中、
Lは、炭素原子を1〜6個有するアルカンジイル基であり;
Aは、SO、SO
2、またはNR
53であり、かつ
R
53は、C
1−6アルキルまたはC
3−6シクロアルキルである。
【0399】
式(XIII)の化合物のある特定の実施形態において、Lは、炭素原子を2、3、もしくは4個、または炭素原子を2もしくは4個、または炭素原子を2個有するアルカンジイル基である。式(XIII)の化合物のある特定の実施形態において、Lは、−CH
2CH
2−である。式(XIII)の化合物のある特定の実施形態において、Aは、SOまたはSO
2である。式(XIII)の化合物のある特定の実施形態において、R
53は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、sec−ペンチル、またはヘキシルである。式(XIII)の化合物のある特定の実施形態において、R
53は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルである。式(XIII)の化合物のある特定の実施形態において、R
53は、C
1−4アルキル、C
3またはC
4またはC
5シクロアルキルである。式(XIII)の化合物のある特定の実施形態において、R
53は、メチルまたはイソプロピルである。
【0400】
1つの実施形態において、式(XIII)の化合物は、当業者に既知である方法を使用して、例えば、WO2014/096425に開示されるとおりに、調製される場合がある。
【0401】
1つの実施形態において、フマル酸モノアルキルのプロドラッグは、WO2014/096425に開示されるプロドラッグ、例えば、式(XIV)の化合物:
【化70】
あるいはそれらの包接体、または溶媒和物である。
【0402】
1つの実施形態において、式(XIV)の化合物は、当業者に既知である方法を使用して、例えば、WO2014/096425に開示されるとおりに、調製される場合がある。
【0403】
1つの実施形態において、フマル酸モノアルキルのプロドラッグは、WO2014/096425に開示されるプロドラッグ、例えば、式(XV)の化合物:
【化71】
あるいはそれらの包接体、または溶媒和物である。
【0404】
1つの実施形態において、式(XV)の化合物は、当業者に既知である方法を使用して、例えば、WO2014/096425に開示されるとおりに、調製される場合がある。
【0405】
1つの実施形態において、フマル酸モノアルキルのプロドラッグは、WO2014/096425に開示されるプロドラッグ、例えば、式(XVI)の化合物:
【化72】
あるいはそれらの包接体、溶媒和物、または立体異性体であり、式中
R
54及びR
55はそれぞれ、独立して、水素、C
1−6アルキル、またはC
3−6シクロアルキルであり;
R
56及びR
57はそれぞれ、独立して、水素またはC
1−6アルキルであり;かつ
c及びdはそれぞれ、独立して、0〜3の整数である。
【0406】
式(XVI)の化合物のある特定の実施形態において、R
54及びR
55はそれぞれ、独立して、水素、メチル、またはエチルである。式(XVI)の化合物のある特定の実施形態において、R
54及びR
55はそれぞれ、独立して、水素またはメチルである。式(XVI)の化合物のある特定の実施形態において、R
54及びR
55は、両方とも水素であるか;あるいはR
54は水素であり、かつR
55は、メチルである。式(XVI)の化合物のある特定の実施形態において、c及びdはそれぞれ、独立して、0または1である。式(XVI)の化合物のある特定の実施形態において、c及びdは、両方とも0である。式(XVI)の化合物のある特定の実施形態において、R
56及びR
57はそれぞれ、独立して、C
1−5アルキルまたはC
1−4アルキルである。式(XVI)の化合物のある特定の実施形態において、R
56及びR
57は、tert−ブチルである。式(XVI)の化合物のある特定の実施形態において、R
56及びR
57は、同一である。
【0407】
1つの実施形態において、式(XVI)の化合物は、当業者に既知である方法を使用して、例えば、WO2014/096425に開示されるとおりに、調製される場合がある。
【0408】
1つの実施形態において、フマル酸モノアルキルのプロドラッグは、WO2014/096425に開示されるプロドラッグ、例えば、式(XVII)の化合物:
【化73】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体であり、式中
R
58、R
59、R
61、及びR
62はそれぞれ、独立して、水素、C
1−6アルキル、またはC
3−6シクロアルキルであり;
R
60は、水素、C
3−6シクロアルキル、またはC
1−6アルキルであり、式中、C
1−6アルキルは、1つまたは複数のアミノ、NH−C(NH)NH
2、カルボキサミド、カルボン酸、ヒドロキシ、イミダゾール、インドール、メルカプト、メチルチオ、フェニル、ヒドロキシフェニルで随意に置換され、かつ式中、R
61及びR
62のうち一方は、随意に、R
60と一緒に五員または六員のヘテロ脂肪族環の一部となり;かつ
f及びgはそれぞれ、独立して、0〜3の整数であるが、ただし、f及びgが両方とも0であることはない。
【0409】
式(XVII)の化合物のある特定の実施形態において、R
61及びR
62はそれぞれ、独立して、水素またはC
1−2アルキルである。式(XVII)の化合物のある特定の実施形態において、R
61及びR
62は、水素である。式(XVII)の化合物のある特定の実施形態において、R
61は、水素であり、かつR
62は、メチルである。式(XVII)の化合物のある特定の実施形態において、f及びgの少なくとも一方は、0である。式(XVII)の化合物のある特定の実施形態において、gは、0である。
【0410】
式(XVII)の化合物のある特定の実施形態において、R
60は、置換C
1−6アルキルであり、式中、置換基は、以下のうちの1つまたは複数である:ハロゲン、ニトロ、ニトリル、尿素、フェニル、アルデヒド、サルフェート、アミノ、NH−C(NH)NH
2、カルボキサミド、カルボン酸、ヒドロキシ、イミダゾール、インドール、メルカプト、メチルチオ、フェニル、及びヒドロキシフェニル。特定の実施形態において、置換基は、以下のうちの1つまたは複数である:アミノ、NH−C(NH)NH
2、カルボキサミド、カルボン酸、ヒドロキシ、イミダゾール、インドール、メルカプト、メチルチオ、フェニル、及びヒドロキシフェニル。式(XVII)の化合物のある特定の実施形態において、R
60は、−CH
2−C
6H
5である。式(XVII)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は、XVII’の化合物である:
【化74】
【0411】
1つの実施形態において、式(XVII)または(XVII’)の化合物は、当業者に既知である方法を使用して、例えば、WO2014/096425に開示されるとおりに、調製される場合がある。
【0412】
1つの実施形態において、フマル酸モノアルキルのプロドラッグは、WO2014/096425に開示されるプロドラッグ、例えば、式(XVIII)の化合物:
【化75】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、または立体異性体であり、式中
R
63は、水素、C
1−6アルキル、C
3−6シクロアルキル、C
2−6アルケニル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、メルカプト、あるいはメチル、tert−ブチル、ヒドロキシ、メトキシ、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、アミン、及びカルボキサミドのうち1つまたは複数で随意に置換される五員もしくは六員のアリールまたはヘテロアリールである。
【0413】
式(XVIII)の化合物のある特定の実施形態において、R
63は、水素、C
1−2アルキル、ハロゲン、シアノ、アミノ、またはヒドロキシである。式(XVIII)の化合物のある特定の実施形態において、R
63は、水素、ヒドロキシル、またはメチルである。式(XVIII)の化合物のある特定の実施形態において、R
63は、メチルである。
【0414】
1つの実施形態において、式(XVIII)の化合物は、当業者に既知である方法を使用して、例えば、WO2014/096425に開示されるとおりに、調製される場合がある。
【0415】
式(XIII)、(XVI)、(XVII)、または(XVIII)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は以下:
【化76】
【化77】
または
【化78】
である。
【0416】
5.1.3重水素化フマル酸化合物
1つの実施形態において、フマル酸化合物は、重水素(
2H)が同位体濃縮されている。
【0417】
特定の実施形態において、重水素化フマル酸化合物は、米国特許出願公開第US2014−0179779A1号に開示される化合物、例えば、式(XIX)の化合物:
【化79】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体であり、式中
R
64及びR
67は、それぞれ独立して、水素、重水素、重水素化メチル、重水素化エチル、C
1−6アルキル、フェニル、三〜七員の飽和もしくは部分不飽和の単環式炭素環、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和もしくは部分不飽和の単環式複素環、あるいは窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する五員または六員のヘテロアリールであり;かつ
R
65及びR
66は、それぞれ独立して、水素または重水素であるが、ただし、式(XIX)の化合物は、少なくとも1個の重水素原子を有し、かつR
64及びR
67は、同時に水素または重水素であることはない。
【0418】
詳細には、フマル酸化合物同位体置換体は、米国特許出願公開第US2014−0179779A1号に開示される化合物、例えば、式(XIX’)の化合物:
【化80】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、または立体異性体であり、式中
R
64及びR
67は、それぞれ独立して、水素、重水素、重水素化メチル、重水素化エチル、またはC
1−6脂肪族であり、かつ
R
65及びR
66は、それぞれ独立して、水素または重水素であるが、ただし、式(XIX’)の化合物は、少なくとも1個の重水素原子を有し、かつR
64及びR
67は、同時に水素または重水素であることはない。
【0419】
式(XIX)または式(ΧΙΧ’)の化合物のある特定の実施形態において、R
64は、水素または−CH
3である。式(XIX)または式(ΧΙΧ’)の化合物のある特定の実施形態において、R
64は、−CD
3である。式(XIX)または式(ΧΙΧ’)の化合物のある特定の実施形態において、R
64は、−CD
2CD
3である。
【0420】
式(XIX)または式(ΧΙΧ’)の化合物のある特定の実施形態において、R
67は、−CH
2D、−CHD
2、または−CD
3である。式(XIX)または式(ΧΙΧ’)の化合物のある特定の実施形態においてR
67は、H、−CH
3、−CH
2D、−CHD
2、または−CD
3である。
【0421】
式(XIX)または式(ΧΙΧ’)の化合物のある特定の実施形態において、R
64は、水素または−CH
3であり、かつR
67は、−CH
2D、−CHD
2、または−CD
3である。
【0422】
式(XIX)または式(ΧΙΧ’)の化合物のある特定の実施形態において、R
64は、−CD
3であり、かつR
67は、−CH
2D、−CHD
2、または−CD
3である。
【0423】
式(XIX)または式(ΧΙΧ’)の化合物のある特定の実施形態において、R
65及びR
66のうち少なくとも一方は、重水素である。式(XIX)または式(ΧΙΧ’)の化合物のある特定の実施形態において、R
65及びR
66は、両方とも重水素である。
【0424】
式(XIX)または式(ΧΙΧ’)の化合物のある特定の実施形態において、R
65及びR
66のうち少なくとも一方は、重水素であり、かつR
67は、水素、−CH
3、−CH
2D、−CHD
2、または−CD
3である。式(XIX)または式(ΧΙΧ’)の化合物のある特定の実施形態において、R
65及びR
66は、両方とも重水素であり、かつR
67は、水素、−CH
3、−CH
2D、−CHD
2、または−CD
3である。
【0425】
式(XIX)または式(ΧΙΧ’)の化合物のある特定の実施形態において、R
64は、−CD
2CD
3であり、かつR
67は、H、−CH
3、−CH
2D、−CHD
2、または−CD
3である。
【0426】
式(XIX)または式(ΧΙΧ’)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は、(
2H
6)ジメチル=フマル酸エステル、(
2H
3)メチル=フマル酸エステル、(
2H
3)ジメチル=フマル酸エステル、ジメチル=(2,3−
2H
2)フマル酸エステル、メチル=(2,3−
2H
2)フマル酸エステル、エチル=(2,3−
2H
2)フマル酸エステル、(
2H
3)メチル=(2,3−
2H
2)フマル酸エステル、(
2H
6)ジメチル=(2,3−
2H
2)フマル酸エステル、メチル=(2−モルホリノ−2−オキソエチル)=(2,3−
2H
2)フマル酸エステル、メチル=(4−モルホリノ−1−ブチル)=(2,3−
2H
2)フマル酸エステル、2−(ベンゾイルオキシ)エチル=メチル=(2,3−
2H
2)フマル酸エステル、2−(ベンゾイルオキシ)エチル=(
2H
3)メチル=フマル酸エステル、(S)−2−((2−アミノ−3−フェニルプロパノイル)オキシ)エチル=メチル=(2,3−
2H
2)フマル酸エステル、または(S)−2−((2−アミノ−3−フェニルプロパノイル)オキシ)エチル=(
2H
3)メチル=フマル酸エステル;あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、または立体異性体である。
【0427】
式(XIX)または式(ΧΙΧ’)の化合物のある特定の実施形態において、化合物は以下:
【化81】
【化82】
または
【化83】
あるいはそれらの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、または立体異性体である。
【0428】
1つの実施形態において、式(XIX)及び(ΧΙΧ’)の化合物は、当業者に既知である方法を使用して、例えば、米国特許出願公開第US2014−0179779A1号に開示されるとおりに、調製される場合がある。
【0429】
重水素化フマル酸化合物は、本明細書中提供される方法にとって、例えば、多発性硬化症を治療するのに、活性作用剤として有用である。
【0430】
1つの実施形態において、フマル酸化合物の特定の位置が重水素を有するとして指定される場合、当然のことながら、その位置での重水素の存在量は、重水素の自然の存在量である0.015%よりも実質的に多い。重水素を有するとして指定された位置は、典型的には、その化合物中の重水素として指定された各元素において、少なくとも3340の最小重水素濃縮率(50.1%重水素化)を有する。
【0431】
他の実施形態において、本明細書中提供されるフマル酸化合物は、指定された各重水素原子について、少なくとも3500(指定された各重水素原子で52.5%重水素化)、少なくとも4000(60%重水素化)、少なくとも4500(67.5%重水素化)、少なくとも5000(75%重水素)、少なくとも5500(82.5%重水素化)、少なくとも6000(90%重水素化)、少なくとも6333.3(95%重水素化)、少なくとも6466.7(97%重水素化)、少なくとも6600(99%重水素化)、または少なくとも6633.3(99.5%重水素化)の同位体濃縮率を有する。
【0432】
5.1.4塩類
特定の態様において、本明細書中開示されるフマル酸化合物の範囲に含まれるのは、上記に記載されるフマル酸化合物(フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせである)の無毒の薬学上許容される塩である。酸付加塩は、フマル酸化合物の溶液を、薬学上許容される無毒の酸、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、及びパモ酸塩などの溶液と混合することにより形成される。許容される塩基塩として、アルミニウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩、及びジエタノールアミン塩が挙げられる。
【0433】
5.2医薬組成物
1つの実施形態において、本発明の方法で使用するためのフマル酸化合物は、医薬組成物に含有されており、この医薬組成物は、治療上有効量のフマル酸化合物及び薬学上許容されるキャリア、すなわち、薬学上許容される賦形剤を含む。
【0434】
特定の実施形態において、医薬組成物は、フマル酸化合物を含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただし、フマル酸化合物塩は、医薬組成物に存在しない。
【0435】
特定の実施形態において、医薬組成物は、フマル酸化合物を含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただし、フマル酸水素エチル塩は、医薬組成物に存在しない。
【0436】
特定の実施形態において、医薬組成物は、フマル酸化合物を含み;フマル酸化合物は、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキルとフマル酸モノアルキルの組み合わせ、フマル酸モノアルキルのプロドラッグ、これらのいずれかのものの重水素化形、あるいはこれらのいずれかのものの薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体、あるいはこれらのいずれかのものの組み合わせであり;ただし、フマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在しない。
【0437】
特定の実施形態において、医薬組成物は、本質的に、DMF及び/またはフマル酸モノメチルからなる。
【0438】
特定の実施形態において、医薬組成物は、DMFを含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、本質的に、DMFからなる。特定の実施形態において、医薬組成物は、DMFを含むが、ただし、フマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在しない。特定の実施形態において、医薬組成物は、DMF及び/またはフマル酸モノメチルを含むが、ただし、フマル酸水素エチルカルシウム塩、フマル酸水素エチルマグネシウム塩、フマル酸水素エチル亜鉛塩、及びフマル酸水素エチル銅塩は、医薬組成物に存在しない。特定の実施形態において、医薬組成物はDMFを含むが、ただし、DMFまたはフマル酸モノメチル以外のさらなるフマル酸化合物は存在しない。
【0439】
特定の実施形態において、医薬組成物は、経口剤形、例えば、固形経口剤形が可能である。特定の実施形態において、医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、またはマイクロ錠剤を含有するカプセル剤である。任意選択で、錠剤またはマイクロ錠剤は、腸溶コーティングされている。特定の実施形態において、医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤またはマイクロ錠剤(任意選択でカプセル剤に含有されている)の形をしており、錠剤は、いったん腸溶コーティングが胃腸管で溶解すると、即時放出剤形として作用する。
【0440】
別の特定の実施形態において、医薬組成物は、放出制御型または徐放性組成物であり、任意選択で、腸溶コーティングされている。
【0441】
本明細書中開示される医薬製剤は、自身既知の様式で、例えば、従来の混合、造粒、ドラジェ制作、溶解、または凍結乾燥プロセスにより、製造される。すなわち、経口用の医薬製剤は、フマル酸化合物と固形賦形剤を一緒にして、得られる混合物を任意選択で粉砕し、所望であればまたは必要であれば、適切な助剤を加えてから、顆粒混合物を処理して、錠剤またはドラジェ剤核を得ることにより、得ることができる。
【0442】
一般に、固形経口剤形(例えば、錠剤またはマイクロ錠剤)の薬物積載量(すなわち活性成分の重量パーセント)が大幅に増加すれば、賦形剤(複数可)の重量パーセントは必ず低下する(特に、固形経口剤形の大きさがそのままの場合)。固形経口剤形は、賦形剤(複数可)、例えば、全ての成分を凝集混合物に一体化させておくように機能する結合剤の量が減少することにより、不安定になることが多い。固形経口剤形の大きさ(例えば、カプセルの大きさ)をそのままに維持しながら、DMFの量を増やし(例えば、120mgから240mgへ)かつ結合剤の量を減らしたならば、固形剤形の強度または完全性が影響を受けないということは、考えられない。
【0443】
適切な賦形剤として、特に、充填剤、例えば、糖類、例えば、ラクトースまたはスクロース、マンニトールまたはソルビトール、セルロース製剤など、及び/またはリン酸カルシウム、例えば、リン酸三カルシウムまたはリン酸水素カルシウム、ならびに結合剤、例えば、デンプンペースト、例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプンを使用したものなど、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/またはポリビニルピロリドンがある。所望であれば、上記のデンプン及び同じくカルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤を加えてもよい。助剤として、とりわけ、流動性調節剤及び潤滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸もしくはその塩、例えばステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウムなど、及び/またはポリエチレングリコールがある。ドラジェ剤核には、適切なコーティングが施されるが、このコーティングは、所望であれば、胃液に耐えるものである。この目的に関して、濃厚糖溶液が使用される場合があり、この溶液は、任意選択で、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール及び/または二酸化チタン、塗料溶液、よび適切な有機溶媒または溶媒混合物を含有することができる。胃液に耐えるコーティングを生成させる目的で、適切なセルロース製剤、例えばアセチルセルロースフタラートまたはヒドロキシプロピルメチル−セルロースフタラートなどの溶液が使用される。例えば、識別のため、または活性化合物用量の組み合わせを特徴付ける目的で、染料または顔料を、錠剤またはドラジェコーティングに加えてもよい。
【0444】
1つの実施形態において、本明細書中記載される医薬製剤は、腸溶コーティングされたマイクロ錠剤の形をした本明細書中記載される作用剤または医薬組成物を含有するカプセル剤を含む。マイクロ錠剤のコーティングは、複数の層で構成される場合がある。第一の層は、メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体/イソプロピル溶液の場合があり、これは、錠剤核を、次に使用される水性懸濁液による加水分解の可能性から切り離す。錠剤の腸溶コーティングは、次に、メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体懸濁液により与えられる場合がある。
【0445】
別の実施形態において、提供されるのは、フマル酸化合物、例えばフマル酸ジメチルなど、及び1種または複数の賦形剤を含む組成物であり、組成物中のフマル酸化合物の量は、あらゆるコーティングの重量を排除した、組成物の合計重量に基づいて、例えば、約43%w/w〜約95%w/wの範囲にある。
【0446】
本明細書中記載される組成物中の、フマル酸化合物、例えばフマル酸ジメチルなどの合計量は、あらゆるコーティングの重量を排除した、組成物の合計重量に基づいて、例えば、約43%w/w〜約95%w/w、約50%w/w〜約95%w/w、約50%w/w〜約85%w/w、約55%w/w〜約80%w/w、約60%w/w〜約75%w/w、約60%w/w〜約70%w/w、または約65%w/w〜約70%w/wの範囲が可能である。
【0447】
本明細書中記載される組成物は、あらゆるコーティングの重量を排除した、組成物の合計重量に基づいて、フマル酸化合物、例えばフマル酸ジメチルなどを、例えば、約43%w/w、約45%w/w、約50%w/w、約55%w/w、約60%w/w、約65%w/w、約70%w/w、約75%w/w、約80%w/w、約90%w/w、または約95%w/wで含むことができる。例えば、組成物は、約65%〜約95%w/w(例えば、65%w/w)のDMFを含有することができる。
【0448】
組成物中のフマル酸化合物、例えばフマル酸ジメチルなどの一部または全部は、250ミクロン以下の粒子径を有することができる。例示であって限定ではないが、組成物中のフマル酸化合物、例えばフマル酸ジメチルなどの少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%は、250ミクロン以下の粒子径を有することができる。粒子径は、例えば、ふるい分析、空気洗浄分析(air elutriation analysis)、光分析、電子カウント方法(electrical counting methods)、電気抵抗カウント方法(electroresistance counting methods)、沈降技法、レーザー回折方法、音響分光分析法(acoustic spectroscopy)、または超音波減衰分光分析法(ultrasound attenuation spectroscopy)により測定することができる。1つの実施形態において、粒子径は、レーザー回折方法を用いて測定される。
【0449】
本明細書中記載される組成物は、あらゆるコーティングの重量を排除した、組成物の合計重量に基づいて、賦形剤(複数可)を合計で、例えば、約5.0%w/w〜約57%w/wの量で含むことができる。
【0450】
本明細書中記載される組成物は、あらゆるコーティングの重量を排除した、組成物の合計重量に基づいて、賦形剤(複数可)を合計で、例えば、約5%w/w〜約57%w/w、約15%w/w〜約57%w/w、約20%w/w〜約57%w/w、約25%w/w〜約57%w/w、約30%w/w〜約57%w/w、約35%w/w〜約57%w/w、約40%〜約57%w/w、約45%w/w〜約57%w/w、約50%w/w〜約57%w/w、約55%w/w〜約57%w/w、約5%w/w〜約55%w/w、約5%w/w〜約50%w/w、約5%w/w〜約45%w/w、約5%w/w〜約40%w/w、約5%w/w〜約35%w/w、約5%w/w〜約30%w/w、約5%w/w〜約25%w/w、約5%w/w〜約20%w/w、約5%w/w〜約15%w/w、約15%w/w〜約55%w/w、約20%w/w〜約50%w/w、約25%w/w〜約45%w/w、約30%w/w〜約40%w/w、約35%〜約40%w/wの範囲の量で含むことができる。
【0451】
賦形剤(複数可)は、例えば、充填剤(または結合剤)、流動化剤、崩壊剤、潤滑剤、またはそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される1種または複数が可能である。
【0452】
組成物に含ませることができる賦形剤の数に制限はない。
【0453】
充填剤または結合剤の例として、アルギン酸アンモニウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、セルロース、酢酸セルロース、圧縮糖、粉砂糖、デキストラート、デキストリン、ブドウ糖、エリスリトール、エチルセルロース、フルクトース、パルミトステアリン酸グリセリル、I型硬化植物油、イソマルト、カオリン、ラクチトール、ラクトース、マンニトール、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マルトース、マンニトール、中鎖トリグリセリド、微結晶性セルロース、ポリブドウ糖、ポリメタクリラート、シメチコン、アルギン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ソルビトール、デンプン、スクロース、球状糖、スルホブチルエーテル=ベータ−シクロデキストリン、タルク、トラガカント、トレハロース、ポリソルベート80、及びキシリトールが挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、充填剤は、微結晶性セルロースである。微結晶性セルロースとして、例えば、PROSOLV SMCC(登録商標)50、PROSOLV SMCC(登録商標)90、PROSOLV SMCC(登録商標)HD90、PROSOLV SMCC(登録商標)90LM、及びそれらの任意の組み合わせが可能である。
【0454】
崩壊剤の例として、ヒドロキシプロピルデンプン、アルギン酸、アルギン酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロース末、キトサン、コロイド二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ドクサートナトリウム、グアーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ポラクリリンカリウム、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、ナトリウムデンプングリコラート、デンプン、及びアルファ化デンプンが挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムである。
【0455】
流動化剤の例として、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース末、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、タルカム及びコロイドシリカ、ならびに無水コロイドシリカが挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、流動化剤は、無水コロイドシリカ、タルク、またはそれらの組み合わせである。
【0456】
潤滑剤の例として、キャノーラ油、ヒドロキシエチルセルロース、ラウリン酸、ロイシン、鉱物油、ポロキサマー、ポリビニルアルコール、タルク、オクチルドデカノール、ヒアルロン酸ナトリウム、滅菌トウモロコシデンプン、トリエタノールアミン、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、モノステアリン酸グリセリン、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、硬化ヒマシ油、I型硬化植物油、軽鉱物油、ラウリル硫酸マグネシウム、中鎖トリグリセリド、鉱物油、ミリスチン酸、パルミチン酸、ポロキサマー、ポリエチレングリコール、安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸、タルク、及びステアリン酸亜鉛が挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
【0457】
本明細書中記載される組成物は、あらゆるコーティングの重量を排除した、組成物の合計重量に基づいて、充填剤(複数可)を合計で、組成物の約3.5%w/w〜約55%w/wの範囲の量で含むことができる。
【0458】
充填剤(複数可)は、あらゆるコーティングの重量を排除した、組成物の合計重量に基づいて、本明細書中記載される組成物中に、例えば、合計量で、例えば、約5%w/w〜約55%w/w、約10%w/w〜約55%w/w、約15%w/w〜約55%w/w、約20%w/w〜約55%w/w、約25%w/w〜約55%w/w、約30%w/w〜約55%w/w、約35%w/w〜約55%w/w、約40%w/w〜約55%w/w、約3.5%w/w〜約55%w/w、約3.5%〜約50%、約3.5%w/w〜約40%w/w、約3.5%w/w〜約30%w/w、約3.5%w/w〜約25%w/w、約3.5%w/w〜約20%w/w、約3.5%w/w〜約15%w/w、約15%w/w〜約40%w/w、約20%w/w〜約35%w/w、または約25%w/w〜約30%w/wの範囲で含まれることが可能である。
【0459】
充填剤(複数可)は、あらゆるコーティングの重量を排除した、組成物の合計重量に基づいて、組成物中に、例えば、合計量で、約5%w/w、約7%w/w、約10%w/w、約12%w/w、約14%w/w、約16%w/w、約18%w/w、約20%w/w、約22%w/w、約24%w/w、約26%w/w、約28%w/w、約30%w/w、約32%w/w、約34%w/w、約36%w/w、約38%w/w、約40%w/w、約42%w/w、約44%w/w、約46%w/w、約48%w/w、約50%w/w、約52%w/w、約54%w/w、または約55%w/wで含まれることが可能である。
【0460】
本明細書中記載される組成物は、あらゆるコーティングの重量を排除した、組成物の合計重量に基づいて、崩壊剤(複数可)を合計で、組成物の約0.2%w/w〜約20%w/wの範囲の量で含むことができる。
【0461】
崩壊剤(複数可)は、あらゆるコーティングの重量を排除した、組成物の合計重量に基づいて、組成物中に、例えば、合計量で、約0.2%w/w〜約19%w/w、約0.2%w/w〜約15%w/w、約0.2%w/w〜約12%w/w、約0.2%w/w〜約6%w/w、約0.2%w/w〜約5%w/w、約0.2%w/w〜約4%w/w、約0.2%w/w〜約3%w/w、約0.2%w/w〜約2%w/w、約0.2%w/w〜約20%w/w、約3%w/w〜約20%w/w、約4%w/w〜約20%w/w、約5%w/w〜約20%w/w、約6%w/w〜約20%w/w、約7%w/w〜約20%w/w、約8%w/w〜約20%w/w、約9%w/w〜約20%w/w、約2%w/w〜約20%w/w、または約3%w/w〜約20%w/wの範囲で含まれることが可能である。
【0462】
崩壊剤(複数可)は、あらゆるコーティングの重量を排除した、組成物の合計重量に基づいて、組成物中に、例えば、合計量で、約1%w/w、約2%w/w、約3%w/w、約4%w/w、約5%w/w、約6%w/w、約7%w/w、約8%w/w、約9%w/w、約10%w/w、約12%w/w、約14%w/w、約16%w/w、約18%w/w、または約19%w/wで含まれることが可能である。
【0463】
流動化剤(複数可)は、あらゆるコーティングの重量を排除した、組成物の合計重量に基づいて、組成物中に、例えば、合計量で、約0.1%w/w〜約9.0%w/wで含まれることが可能である。
【0464】
流動化剤(複数可)は、あらゆるコーティングの重量を排除した、組成物の合計重量に基づいて、組成物中に、例えば、合計量で、約0.1%w/w〜約9.0%w/w、約0.1%w/w〜約8%w/w、約0.1%w/w〜約6%w/w、約0.1%w/w〜約4%w/w、約0.1%w/w〜約2.8%w/w、約0.1%w/w〜約2.6%w/w、約0.1%w/w〜約2.4%w/w、約0.1%w/w〜約2.2%w/w、約0.1%w/w〜約2.0%w/w、約0.1%w/w〜約1.8%w/w、約0.1%w/w〜約1.6%w/w、約0.1%w/w〜約1.4%w/w、約0.1%w/w〜約1.2%w/w、約0.1%w/w〜約1.0%w/w、約0.1%w/w〜約0.8%w/w、約0.1%w/w〜約0.4%w/w、約0.2%w/w〜約3.0%w/w、約0.4%w/w〜約3.0%w/w、約0.6%w/w〜約3.0%w/w、約0.8%w/w〜約3.0%w/w、約1.0%w/w〜約3.0%w/w、約1.2%w/w〜約9.0%w/w、約1.4%w/w〜約9.0%w/w、約1.6%w/w〜約9.0%、約1.8%w/w〜約9.0%w/w、約2.0%w/w〜約9.0%w/w、約2.2%w/w〜約9.0%w/w、約2.4%w/w〜約9.0%w/w、約2.6%w/w〜約9.0%w/w、約2.8%w/w〜約9.0%w/w、約3.0%w/w〜約9.0%w/w、約4.0%w/w〜約9.0%w/w、約5.0%w/w〜約9.0%w/w、約6.0%w/w〜約9.0%w/w、約7.0%w/w〜約9.0%w/w、約8.0%w/w〜約9.0%w/w、約0.5%w/w〜約2.5%w/w、または約1.0%w/w〜約2.0%w/wの範囲で含まれることが可能である。
【0465】
流動化剤(複数可)は、あらゆるコーティングの重量を排除した、組成物の合計重量に基づいて、組成物中に、例えば、合計量で、約0.1%w/w、約0.2%w/w、約0.3%w/w、約0.4%w/w、約0.5%w/w、約0.6%w/w、約0.7%w/w、約0.8%w/w、約0.9%w/w、約1.0%w/w、約1.2%w/w、約1.4%w/w、約1.6%w/w、約1.8%w/w、約2.0%w/w、約2.2%w/w、約2.4%w/w、約2.6%w/w、約2.8%w/w、約3%w/w、約4%w/w、約5%w/w、約6%w/w、約7%w/w、約8%w/w、または約9%w/wで含まれることが可能である。
【0466】
潤滑剤(複数可)は、あらゆるコーティングの重量を排除した、組成物の合計重量に基づいて、組成物中に、例えば、合計量で、約0.1%w/w〜約3.0%w/wの範囲で含まれることが可能である。
【0467】
潤滑剤(複数可)は、あらゆるコーティングの重量を排除した、組成物の合計重量に基づいて、組成物中に、例えば、合計量で、約0.1%w/w〜約2%w/w、約0.1%w/w〜約1%w/w、約0.1%w/w〜約0.7%w/w、約0.1%w/w〜約0.6%w/w、約0.1%w/w〜約0.5%w/w、約0.1%w/w〜約0.4%w/w、約0.1%w/w〜約0.3%w/w、約0.1%w/w〜約0.2%w/w、約0.2%w/w〜約3.0%w/w、約0.3%w/w〜約3.0%w/w、約0.4%w/w〜約3.0%w/w、約0.5%w/w〜約3.0%w/w、約0.6%w/w〜約3.0%w/w、約0.7%w/w〜約3.0%w/w、約0.8%w/w〜約3.0%w/w、約0.9%w/w〜約3.0%w/w、約1%w/w〜約3.0%w/w、約2%w/w〜約3%w/w、約0.2%w/w〜約0.7%w/w、約0.3%w/w〜約0.6%w/w、または約0.4%w/w〜約0.5%w/wの範囲で含まれることが可能である。
【0468】
潤滑剤(複数可)は、あらゆるコーティングの重量を排除した、組成物の合計重量に基づいて、組成物中に、例えば、合計量で、約0.1%w/w、約0.2%w/w、約0.3%w/w、約0.4%w/w、約0.5%w/w、約0.6%w/w、約0.7%w/w、約0.8%w/w、約0.9%w/w、約1.0%w/w、約2.0%w/w、または約3.0%w/wで含まれることが可能である。
【0469】
実施形態によっては、例えば、本明細書中記載される組成物は、1種または複数の充填剤を約3.5%w/w〜約55%w/wの範囲の合計量で、1種または複数の崩壊剤を約0.2%w/w〜約20%w/wの範囲の合計量で、1種または複数の流動化剤を約0.1%w/w〜約9.0%w/wの範囲の合計量で、及び1種または複数の潤滑剤を約0.1%w/w〜約3.0%w/wの範囲の合計量で含む。
【0470】
実施形態によっては、例えば、本明細書中記載される組成物は、充填剤、崩壊剤、流動化剤、及び潤滑剤を含む。実施形態によっては、充填剤は、微結晶性セルロースであり、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムであり、流動化剤は、無水コロイドシリカであり、かつ潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。他の実施形態において、充填剤は、微結晶性セルロースであり、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムであり、流動化剤は、無水コロイドシリカとタルクの組み合わせであり、かつ潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
【0471】
本明細書中記載される組成物中の成分は、例えば、均一に混合されていることも不均一に混合されていることも可能である。組成物の成分は、例えば、任意の既知の方法で混合することができ、そのような方法として、振盪、攪拌、送風混合、回転容器中での混合などが挙げられる。組成物の成分は、例えば、全てを一度に混合することも1種または複数の成分を順次追加して混合することも可能である。組成物の成分は、どのような順序で混合することも可能であり、例えば、個別に、グループ分けして、または全成分のブレンドとして混合することができる。例えば、流動化剤(複数可)を、DMF及び/または崩壊剤(複数可)と混合してから、充填剤(複数可)及び/または潤滑剤のいずれかまたは全てと混合することができる。ブレンドも、DMF、崩壊剤(複数可)(例えば、クロスカルメロースナトリウム)、及び結合剤(例えば、微結晶性セルロース)の一部を混合することにより調製することができ、その後スクリーンまたは篩に通すことができる。残りの結合剤は、潤滑剤(複数可)(例えば、ステアリン酸マグネシウム)と混合してから、スクリーンまたは篩に通すことができる。次いで、これら2種の混合物を、ひとまとめにして混合してから、流動化剤(複数可)(例えば、無水コロイドシリカ)を加えることができる。流動化剤(複数可)は、上記混合物の一方または両方に加えることもでき、その後それらをひとまとめにして混合することにより最終ブレンドとする。
【0472】
本明細書中記載される組成物は、例えば、約8mm〜約24mmの範囲の流動性指数を有することができる。例えば、流動性指数は、約12mm〜約22mm、約12mm〜約20mm、約12mm〜約18mm、約12mm〜約16mm、約12mm〜約14mm、約14mm〜約24mm、約16mm〜約24mm、約18mm〜約24mm、約20mm〜約24mm、約22mm〜約24mm、約14mm〜約22mm、または約16mm〜約20mmの範囲が可能である。
【0473】
流動性指数は、例えば、流動化剤(複数可)の量が約0.1%w/w〜約2.0%w/w(例えば、1.0%w/w)の範囲で、18mm未満(例えば、約8mm、約12mm、約14mm、約16mm)であることが可能である。
【0474】
流動性指数は、例えば、FLODEX装置(Hanson Research製)で測定することができる。例えば、以下のプロトコルを採用することができる:粉末試料(例えば、50g)を、FLODEX装置のシリンダーに、シリンダーの頂部から約1cm以内にあるように充填する。最短でも30秒経過させてから、試験を開始する。16mmのフローディスクで開始し、リリースレバーをゆっくりと回して、封鎖ドロップを振動させずに開く。上から覗いて底に開いた穴が視認できる場合、試験は陽性である。陽性の結果が得られた場合、ディスクホールを小さくしながら、試験が陰性になるまで試験を繰り返す。陰性の結果が出たら、試験が陽性になるまでフローディスクホールの寸法を上げていく。流動性指数は、試料が3回連続試験して通過した穴の最小直径である。
【0475】
組成物は、例えば、約15%〜約28%の範囲の圧縮度指数を有することができる。圧縮度指数は、例えば、17%〜約28%、約19%〜約28%、約21%〜約28%、約23%〜約28%、約25%〜約28%、約15%〜約26%、約15%〜約24%、約15%〜約22%、約15%〜約20%、約15%〜約18%、約17%〜約26%、約19%〜約24%、または約20%〜約22%の範囲が可能である。
【0476】
組成物は、例えば、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、または約27%の圧縮度指数を有することができる。
【0477】
圧縮度指数は、例えば、式:(((V
o−V
f)/V
o)×100%))で定義することができ、式中、V
oは、疎充填した粒子の見かけ体積であり、V
fは、粉末のタッピング後の最終体積である。圧縮度指数は、例えば、以下のとおりに求めることができる:粉末を容器に入れ、粉末の疎充填の見かけ体積(V
o)を記録する。次に、体積の変化がそれ以上起こらなくなるまで、粉末をタッピングする。この時点で、粉末のタッピング後の最終体積を測定する(V
f)。次いで、上記の式を用いて、圧縮度指数を計算する。
【0478】
実施形態によっては、組成物は、粉末状(圧縮されていない)であることも、圧粉体(圧縮されている)であることも可能である。圧粉体の形状は、特に限定されず、例えば、立方体、球状、または円筒状(例えば、ディスク型)が可能である。
【0479】
圧粉体は、例えば、錠剤、カプレット剤、またはマイクロ錠剤の形をしていることができる。圧粉体は、当該分野で既知の任意の手段により調製することができる。例えば、圧粉体がマイクロ錠剤の形をしている場合、マイクロ錠剤は、既知の任意の手段を用いて、例えばマルチチップ用装備を備え凹チップを有するロータリー打錠機などを用いて、上記の組成物を圧縮することにより、作ることができる。
【0480】
例えば、マルチチップ打錠ツールを使用することができる。例えば、約16〜約40のチップを有し、チップに例えば、約2mm径のものを用いるマルチチップツール。この場合、加えられる圧縮力は、平均kN/チップで表すことができる。例えば、16チップのマルチチップツールを用いて2kNの圧縮力を加える場合、加えられる圧縮力は、約0.125kN/チップとなる。同様に、16チップのマルチチップツールを用いて15kNの圧縮力を加える場合、加えられる圧縮力は、約0.94kN/チップとなる。
【0481】
マイクロ錠剤は、例えば、約1mm〜約3mmの範囲の平均直径(あらゆるコーティングを排除して)を有することができる。例えば、マイクロ錠剤は、約1mm〜約2.5mmの範囲の平均直径を有することができる。マイクロ錠剤は、約1.0mm、約2.0mm、または約3.0mmの平均直径を有することができる。
【0482】
圧縮引張強度は、当該分野で既知の任意の手段により求めることができる。例えば、以下のプロトコルを採用することができる。最初に、圧縮力を測定するための約10mm径の円形平板装備を装備したロータリー打錠機を用いて、圧粉体(複数可能)を約360mg重で圧縮する。次に、適切な錠剤硬度試験機を用いて直径圧砕強度を測定し、次いでNewtonが報告した手順(Newton, J. M., Journal of Pharmacy and Pharmacology, 26: 215−216(1974))により引張強度を計算する。Pandeya and Puri, KONA Powder and Particle Journal, 30: 211−220(2013), Jarosz and Parrott, J. Pharm. Sci. 72(5):530−535(1983)、及びPodczeck, Intl. J. Pharm. 436:214−232(2012)も参照。
【0483】
本明細書中記載される組成物は、圧粉体の形状では、約100MPaの加圧または締固め圧力で1.5MPa以上の引張強度を有することができる。例えば、引張強度は、約100MPaの加圧または締固め圧力で、約2.0〜約5.0MPa(例えば、約2.5〜約4.5MPa、約3.0〜約4.5MPa、または約3.5〜約4.5MPa)の範囲が可能である。例えば、引張強度は、約100MPaの加圧または締固め圧力で、約4.0MPaが可能である。
【0484】
16チップのマルチチップ装備を用いて製造された1つまたは複数のマイクロ錠剤の形をした圧粉体は、マイクロ錠剤が、2kN〜約15kNの範囲の圧縮力で形成され、かつマイクロ錠剤が、直径2mm、厚さ2mm、及び凸面曲率1.8mmを有する場合、約8N〜約35Nの範囲の硬度または破断強度または圧砕強度を有することができる。1つの実施形態において、それぞれ直径2mm、厚さ2mm、及び凸面曲率1.8mmを有する複数のマイクロ錠剤は、約4kN〜約7kNの圧縮力について約17N〜約24Nの範囲の硬度を有する。硬度は、例えば、約10kN〜約15kNの圧縮力について約23N〜約27N(例えば、約24N、約25N、または約26N)が可能である。硬度または破断強度または圧砕強度は、例えば、Erweka試験機またはSchleuniger試験機を用いて、Lachman, L. et al., The Theory & Practice of Industiral Pharmacology (3rded.1986), p.298に記載されるとおりにして、求めることができる。
【0485】
実施形態によっては、組成物は、任意選択で、1種または複数のコーティング剤でコーティングまたは部分コーティングすることができる。コーティング(複数可)は、pH非依存性であることもpH依存性であることも可能である。コーティング(複数可)は、例えば、腸溶コーティング、密封コーティング、または腸溶コーティングと密封コーティングの組み合わせが可能である。
【0486】
密封コーティングは、例えば、1種または複数の可塑剤、1種または複数の共重合体、1種または複数の重合体、またはそれらの組み合わせを含有することができる。
【0487】
可塑剤は、例えば、1種または複数のアセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、安息香酸ベンジル、酢酸フタル酸セルロース、クロロブタノール、デキストリン、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、ヒプロメロースフタル酸エステル、マンニトール、鉱物油、ラノリン、アルコール、パルミチン酸、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニルフタラート、プロピレングリコール、2−ピロリドン、ソルビトール、ステアリン酸、トリアセチン、クエン酸トリブチル、トリエタノールアミン、及びクエン酸トリエチルが可能である。
【0488】
共重合体は、例えば、メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体またはメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体が可能である。
【0489】
さらに、密封コーティングは、1種または複数の重合体、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピル及びメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、及びエチルセルロース水分散液(AQUACOAT(登録商標)、SURELEASE(登録商標))、オイドラギット(登録商標)RL30D、OPADRY(登録商標)、オイドラギット(登録商標)S、オイドラギット(登録商標)Lなどを含有することができる。
【0490】
密封コーティングに存在する場合、密封コーティング中の1種または複数の共重合体及び/または1種または複数の重合体の合計量は、密封コーティングの重量に基づいて、例えば、0%w/wを超えるプラスの量〜約100%w/wの範囲が可能である。密封コーティング中の1種または複数の共重合体及び/または1種または複数の重合体の量は、密封コーティングの重量に基づいて、例えば、約10%w/w〜約100%w/w、約20%w/w〜約100%w/w、約30%w/w〜約100%w/w、約40%w/w〜約100%w/w、約50%w/w〜約100%w/w、約60%w/w〜約100%w/w、約70%w/w〜約100%w/w、約80%w/w〜約100%w/w、または約90%w/w〜約100%w/wの範囲が可能である。
【0491】
密封コーティング中の1種または複数の共重合体及び/または1種または複数の重合体の量は、密封コーティングの重量に基づいて、例えば、約10%w/w、約20%w/w、約30%w/w、約35%w/w、約40%w/w、約45%w/w、約50%w/w、約55%w/w、約60%w/w、約65%w/w、約70%w/w、約75%w/w、約80%w/w、約85%w/w、約90%w/w、または約95%w/wが可能である。
【0492】
密封コーティングに存在する場合、密封コーティング中の可塑剤の平均量は、密封コーティングの重量に基づいて、例えば、0%w/w超〜約70%w/wの範囲が可能である。
【0493】
腸溶コーティングは、例えば、1種または複数の可塑剤、1種または複数の充填剤、1種または複数の潤滑剤、1種または複数の共重合体、1種または複数の重合体、及びそれらの任意の組み合わせを含有することができる。
【0494】
腸溶コーティングの可塑剤(複数可)は、存在する場合は、密封コーティングのどの可塑剤(複数可)と同じであることも異なっていることも可能であり、上記に列挙される可塑剤のうちの1種または複数が可能である。
【0495】
腸溶コーティングの充填剤(複数可)は、組成物のどの充填剤(複数可)と同じであることも異なっていることも可能である。さらに、腸溶コーティングの充填剤(複数可)は、存在する場合は、密封コーティングのどの充填剤(複数可)と同じであることも異なっていることも可能であり、上記に列挙される充填剤のうちの1種または複数が可能である。
【0496】
腸溶コーティングの潤滑剤(複数可)は、組成物のどの潤滑剤(複数可)と同じであることも異なっていることも可能である。さらに、腸溶コーティングの潤滑剤(複数可)は、存在する場合は、密封コーティングのどの潤滑剤(複数可)と同じであることも異なっていることも可能であり、上記に列挙される潤滑剤のうちの1種または複数が可能である。1つの実施形態において、潤滑剤は、タルカムであり、これは任意選択で微粒子化されている。
【0497】
腸溶コーティングの共重合体(複数可)は、存在する場合は、密封コーティングのどの共重合体(複数可)と同じであることも異なっていることも可能であり、上記に列挙される充填剤のうちの1種または複数が可能である。1つの実施形態において、腸溶コーティングは、アクリル酸メチル−メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体(オイドラギット(登録商標)FS30D)、メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、及びメタクリル酸−酢酸エチル共重合体のうちの1種または複数を含有する。
【0498】
本明細書中記載される組成物に使用される腸溶重合体は、pHに敏感ではない他の既知のコーティング製品と混合または積層することにより、修飾することができる。そのようなコーティング製品の例として、エチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、少量のトリメチルアンモニオエチル=メタクリラート=クロリドを持つ中性メタクリル酸エステル(現在、オイドラギット(登録商標)RS及びオイドラギット(登録商標)RLの商標で販売);どのような官能基も持たない中性エステル分散液(オイドラギット(登録商標)NE30Dの商標で販売);ならびに、他のpH非依存性コーティング製品が挙げられる。
【0499】
腸溶コーティング中の共重合体(複数可)及び/または重合体(複数可)の合計量は、腸溶コーティングの重量に基づいて、例えば、約25%w/w〜約100%w/wの範囲が可能である。
【0500】
腸溶コーティングに存在する場合、腸溶コーティング中の潤滑剤(複数可)の合計量は、腸溶コーティングの重量に基づいて、例えば、0%w/w超のプラスの量〜約58%w/wの範囲が可能である。
【0501】
腸溶コーティングに存在する場合、腸溶コーティング中の充填剤(複数可)の合計量は、腸溶コーティングの重量に基づいて、例えば、0%w/w超のプラスの量〜約5.0%w/wの範囲が可能である。
【0502】
コーティング材料を塗布するための溶媒として、水、アセトン、ヘキサン、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ジクロロメタン、トリクロロメタン、クロロホルムなどが可能であるが、これらに限定されない。
【0503】
コーティング剤は、噴霧をはじめとする任意の既知の手段により塗布することができる。実施形態によっては、組成物は、1種または複数の密封コーティング、例えば、1種、2種、3種、またはそれ以上の密封コーティングで、コーティングまたは部分コーティングされる。実施形態によっては、組成物は、1種または複数の腸溶コーティング、例えば、1種、2種、3種、またはそれ以上の腸溶コーティングで、コーティングまたは部分コーティングされる。実施形態によっては、組成物は、1種または複数の密封コーティング及び1種または複数の腸溶コーティングで、コーティングまたは部分コーティングされる。実施形態によっては、組成物は、1種の密封コーティング及び1種の腸溶コーティングでコーティングされる。
【0504】
特定の実施形態において、医薬組成物は、錠剤、例えば、表2に記載される錠剤をさらに表3に記載のとおりの配合Aに従って密封コーティング溶液及び腸溶コーティング溶液でコーティングしたものである(以下、実施例1、節6.1を参照)。
【0505】
特定の実施形態において、医薬組成物は、錠剤、例えば、表2に記載される錠剤をさらに表3に記載のとおりの配合Bに従って密封コーティング溶液及び腸溶コーティング溶液でコーティングしたものである(以下、実施例1、節6.1を参照)。
【0506】
特定の実施形態において、医薬組成物は、テクフィデラ(登録商標)と同じになっている。別の特定の実施形態において、医薬組成物は、FUMADERM(登録商標)と同じになっている。別の特定の実施形態において、医薬組成物は、FUMADERM(登録商標)に含まれるフマル酸化合物と異なるフマル酸化合物を含有する
【0507】
1つの実施形態において、医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形状をしている。1つの実施形態において、医薬組成物は、腸溶コーティング錠剤の形状をしている。1つの実施形態において、医薬組成物は、腸溶コーティングマイクロ錠剤の形状をしている。
【0508】
5.3投薬レジメン
本開示は、本明細書中記載されるとおりのフマル酸化合物を投与する投薬レジメンを提供する。本明細書中記載されるとおりのフマル酸化合物及び医薬組成物は、それらの意図する目的を達成する任意の手段により投与することができる。例えば、投与は、非経口経路、皮下経路、筋肉内経路、腹腔内経路、経皮経路、頬側経路、くも膜下腔内経路、頭蓋内経路、鼻腔内経路、または外用経路により投与することができる。1つの実施形態において、投与は、経口で行われる。投与される投薬量は、レシピエントの年齢、健康状態、及び体重、もしあれば併用療法の種類、治療頻度、ならびに所望の効果の性質に応じたものになる。
【0509】
単独剤形を製造するためにキャリア材料とまとめることができるフマル酸化合物の量は、治療される宿主、及び投与の特定様式に応じて変化することになる。しかし、当然のことながら、どのような対象であっても特定の対象に対する特定の投薬及び治療レジメンは、様々な要因に応じたものとなり、そのような要因として、使用する特定化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康状態、性別、食事、投与時間、排出速度、薬物の組み合わせ、ならびに担当医師の判断及び治療される特定疾患の重篤度が挙げられる。フマル酸化合物の量は、活性作用剤と同時投与される治療剤または予防剤がもしあれば、それらにも依存する可能性がある。
【0510】
フマル酸ジメチル(DMF)を合計量で約43%w/w〜約95%w/w(例えば、約50%w/w〜約80%w/wまたは約60%w/w〜約70%w/w)の範囲で含み、ならびに単独剤形中に約160mgのDMF〜約500mgのDMF(例えば、約240mg〜約480mgのDMF)が含まれたものとなり得るような様式で1種または複数の賦形剤が配合された組成物を、例えば、1日1回(QD)、1日2回(BID)、または1日3回(TID)投与することができる。例えば、カプセル(例えば、サイズ0)は、約240mgのDMFを含有することができる。別の例として、カプセルは、約480mgのDMFを含有することができる。
【0511】
フマル酸化合物がヒトに投与される場合、化合物は、迅速に代謝されてMMFになる場合がある。したがって、薬物動態特性(例えば、C
max及びAUC)は、投与後の血漿中のMMF濃度に基づいて測定することができる。薬物動態特性は、単回投与後または安定状態で求めることができる。実施形態によっては、フマル酸化合物あるいはその薬学上許容される塩、包接体、溶媒和物、互変異性体、または立体異性体を含有する上記の剤形を経口投与された対象は、例えば、約1.5時間〜約3.5時間、約1.75時間〜約3.25時間、または約2時間〜約2.5時間の最大血漿MMF濃度到達時間(T
max)を示す。
【0512】
実施形態によっては、フマル酸化合物を含有する上記の剤形を経口投与された対象は、約2.36h.mg/L〜約5.50h.mg/L、約2.75h.mg/L〜約5.10h.mg/L、または約3.14h.mg/L〜約4.91h.mg/Lの平均MMF血漿曲線下面積0−12(AUC
0−12)を示す。1つの実施形態において、対象は、約3.93h.mg/Lの平均AUC
0−12を示す。
【0513】
実施形態によっては、フマル酸化合物を含有する上記の剤形を経口投与された対象は、約2.4h.mg/L〜約5.6h.mg/L、約2.75h.mg/L〜約5.10h.mg/L、または約3.14h.mg/L〜約4.91h.mg/Lの平均MMF血漿曲線下面積0−無限大(AUC
0−無限大)を示す。1つの実施形態において、対象は、約3.93h.mg/Lの平均AUC
0−無限大を示す。
【0514】
実施形態によっては、1日2回フマル酸化合物を含有する上記の剤形を経口投与された対象は、約4.81h.mg/mL〜約11.2h.mg/mL、または約6.40h.mg/L〜約10.1h.mg/Lの平均MMF血漿全曲線下面積を示す。1つの実施形態において、対象は、1日2回剤形を経口投与された場合に、約8.02h.mg/Lの平均AUC
全体を示す。
【0515】
実施形態によっては、フマル酸化合物を含有する上記の剤形を経口投与された対象は、約1.45mg/L〜約3.39mg/L、約1.69mg/L〜約3.15mg/L、または約1.93mg/L〜約3.03mg/Lの平均MMF血漿濃度(C
max)を示す。1つの実施形態において、対象は、約2.42mg/Lの平均C
maxを示す。
【0516】
1つの実施形態において、フマル酸化合物を含有する上記の剤形を経口投与された対象は、約1.02mg/L〜約2.41mg/L、または約1.37mg/L〜約2.15mg/Lの平均C
maxを示す。1つの実施形態において、対象は、1日2回剤形を経口投与された場合に、約1.72mg/Lの平均C
maxを示す。
【0517】
さらに、フマル酸化合物を含有する上記の剤形を経口投与された対象は、以下の薬物動態パラメーターのうち1種または複数を示す:(a)約1.5時間〜約3.5時間の平均血漿MMF T
max;(b)約1.03mg/L〜約3.4mg/Lの範囲の平均血漿MMF C
max;(c)約4.81h.mg/L〜約11.2h.mg/Lの範囲の平均血漿MMF AUC
全体;(d)約2.4h.mg/L〜約5.5h.mg/Lの範囲の平均血漿MMF AUC
0−12;及び(e)約2.4h.mg/L〜約5.6h.mg/Lの範囲の平均AUC
0−無限大。
【0518】
実施形態によっては、本明細書中記載される化合物及び医薬組成物は、約1mg/kg〜約50mg/kg(例えば、約2.5mg/kg〜約20mg/kgまたは約2.5mg/kg〜約15mg/kg)の範囲の量で投与することができる。本明細書中記載される化合物及び医薬組成物の投与量も、当業者が認識するとおり、投与経路、賦形剤の使用、及び他の治療薬の使用をはじめとする他の治療法の併用の可能性に応じて変化することになる。
【0519】
例えば、本明細書中記載される化合物及び医薬組成物は、対象に、例えば経口で、1日あたり約0.1g〜約1gの量で、または例えば、1日あたり約100mg〜約800mgの量で、投与することができる。
【0520】
本明細書中記載される化合物及び医薬組成物の量は、1日1回で投与される場合もあるし、1日あたり、2、3、4、5、または6等分した用量で分割投与される場合もある。
【0521】
本明細書中記載される作用剤は、化学物質そのままとして投与するほかに、賦形剤及び助剤を含む適切な薬学上許容されるキャリアを含有する医薬製剤の一部分として投与される場合があり、キャリアは、作用剤を、医薬的に使用される可能性がある製剤へと加工することを促進するものである。例えば、製剤、特に、錠剤、ドラジェ剤、及びカプセル剤などの経口投与される可能性がある製剤、同じく坐剤などの直腸投与される可能性がある製剤、ならびに注射もしくは経口による投与に適した液剤は、約0.01〜99パーセント、好ましくは約0.25〜75パーセントのフマル酸化合物(複数可)を、賦形剤と一緒に含有する。
【0522】
1つの実施形態において、組成物は、1つの組成物で全DMF用量が提供されるように1つの剤形の形状をしている。他の実施形態において、剤形は、組成物を複数含むことで、全DMF用量を提供する。例えば、1つの剤形は、圧粉体、例えばマイクロ錠剤を複数個含有することにより、所望の全DMF用量を提供する場合がある。
【0523】
1つの剤形が、複数の圧粉体、例えば複数のマイクロ錠剤を含有することにより必要な全DMF用量を提供する場合、剤形中の圧粉体は、互いに異なっていてもよい。例えば、剤形は、2種以上の異なるマイクロ錠剤を含有することができる(例えば、カプセル剤は、腸溶コーティングのみでコーティングされたマイクロ錠剤の1群及び密封コーティングのみでコーティングされたマイクロ錠剤の第2の群を含有することもできるし、より低いpHで放出が起こる腸溶コーティングでコーティングされたマイクロ錠剤の1群及びより高いpHで放出が起こる腸溶コーティングでコーティングされたマイクロ錠剤のもう一方の群を含有することもできる)。
【0524】
実施形態によっては、組成物は、カプセルに入れられる。他の実施形態において、組成物は、マイクロ錠剤の形状をしていて、カプセルに入れられる。カプセルは、例えば、マイクロ錠剤を約30錠〜約60錠、マイクロ錠剤を約35錠〜約55錠、マイクロ錠剤を約30錠〜約50錠、またはマイクロ錠剤を約40錠〜約50錠(例えば、マイクロ錠剤を約44錠、約45錠、約46錠、約47錠、または約48錠)含有することができる。
【0525】
剤形は、1日あたり、例えば、1回、2回、3回、4回、5回、または6回投与することができる。1つまたは複数の剤形は、例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、または7日間投与することができる。1つまたは複数の剤形は、例えば、1週、2週、3週、または4週間投与することができる。1つまたは複数の剤形は、例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月またはそれより長く投与することができる。1つまたは複数の剤形は、その剤形を必要とする対象が、例えば、多発性硬化症などの任意の疾患または症状の治療、予防、または寛解を必要としなくなるまで、投与することができる。
【0526】
実施形態によっては、本明細書中記載される方法は、毎日、合計量でフマル酸ジメチル約60mg〜約1000mgを提供する剤形を経口投与することを含む。剤形は、例えば、対象の多発性硬化症の治療、予防、または寛解に有効なDMF合計量を含有することができる。毎日の有効量は、合計量で、DMF約60mg〜約800mg、DMF約60mg〜約720mg、DMF60mg〜約500mg、DMF約60mg〜約480mg、DMF約60mg〜約420mg、DMF約60mg〜約360mg、DMF約60mg〜約240mg、DMF約60mg〜約220mg、DMF約60mg〜約200mg、DMF約60mg〜約180mg、DMF約60mg〜約160mg、DMF約60mg〜約140mg、DMF約60mg〜約120mg、DMF約60mg〜約100mg、DMF約60mg〜約80mg、DMF約80mg〜約480mg、DMF約100mg〜約480mg、DMF約120mg〜約480mg、DMF約140mg〜約480mg、DMF約160mg〜約480mg、DMF約180mg〜約480mg、DMF約200mg〜約480mg、DMF約220mg〜約480mg、DMF約240mg〜約480mg、DMF約300mg〜約480mg、DMF約360mg〜約480mg、DMF約400mg〜約480mg、DMF約450mg〜約500mg、DMF約480mg〜約500mg、DMF約80〜約400mg、DMF約100〜約300mg、DMF約120〜約180mg、またはDMF約140mg〜約160mgの範囲が可能であるが、これらに限定されない。
【0527】
剤形は、DMF合計量で、DMF約60mg、DMF約80mg、DMF約100mg、DMF約120mg、DMF約140mg、DMF約160mg、DMF約180mg、DMF約200mg、DMF約220mg、DMF約240mg、DMF約260mg、DMF約280mg、DMF約300mg、DMF約320mg、DMF約340mg、DMF約360mg、DMF約380mg、DMF約400mg、DMF約420mg、DMF約450mg、DMF約480mg、DMF約500mg、DMF約520mg、DMF約540mg、DMF約560mg、DMF約580mg、DMF約600mg、DMF約620mg、DMF約640mg、DMF約660mg、DMF約680mg、DMF約700mg、DMF約720mg、DMF約740mg、DMF約760mg、DMF約780mg、またはDMF約800mgを含有することができるが、これらに限定されない。
【0528】
実施形態によっては、DMFは、医薬組成物中の唯一の活性成分である。1つの実施形態において、医薬組成物は、本質的にDMFからなる。
【0529】
多発性硬化症(例えば、RR−MSなどの再発性多発性硬化症)の治療については、対象に投与される剤形は、唯一の活性成分としてDMFを含有するマイクロ錠剤または本質的にDMFからなるマイクロ錠剤の入ったカプセル剤が可能であり、有効量が1日あたりDMF約480mgの場合に、対象は、有効量を、1日あたり経口摂取されるカプセル剤2つの形状で、すなわち、DMF240mgをBIDで、摂取することができる。多発性硬化症(例えば、RR−MSなどの再発性多発性硬化症)の治療については、対象に投与される剤形は、唯一の活性成分としてDMFを含有するマイクロ錠剤または本質的にDMFからなるマイクロ錠剤の入ったカプセル剤が可能であり、有効量が1日あたりDMF約720mgの場合に、対象は、有効量を、1日あたり経口摂取されるカプセル剤3つの形状で、すなわち、DMF240mgをTIDで摂取することができる。1つの実施形態において、治療上有効量は、240mgを1日2回である。
【0530】
本明細書中記載される方法の特定の実施形態において、フマル酸化合物は、DMFであり、DMFの用量は、最初の7日間、DMF120mgをBIDで経口投与するものである。ある特定の実施形態において、用量は、維持量まで増量されて、DMF240mgをBIDで(すなわち、1日あたりDMF480mg)経口投与するものになる。別の実施形態において、用量は、増量されて、DMF240mgをTIDで(すなわち、1日あたりDMF720mg)経口投与するものになる。1つの実施形態において、投与は、7日間、1日2回120mg、続いて維持量として240mgを1日2回投与するものである。
【0531】
特定の実施形態において、フマル酸化合物は、DMFであり、DMFの用量は、少なくとも7日間、DMF120mgをBIDで経口投与し、続いて維持量としてDMF240mgをBIDで経口投与するものである。
【0532】
特定の実施形態において、フマル酸化合物は、DMFであり、DMFの用量は、DMF240mgをBIDで経口投与するものである。
【0533】
DMFは、ある特定の対象では、紅潮及び胃腸管(GI)副作用を引き起こすことが既知である。副作用は、一般に、対象の治療開始後すぐに鎮静するものの、特定の実施形態において、開始用量は、最初の7日間、DMF120mgをBIDで経口投与するものとなる。用量は、BIDでDMF240mg(すなわち、1日あたりDMF480mg)に増量することができる。他の実施形態において、用量は、TIDでDMF240mg(すなわち、1日あたりDMF720mg)に増量することができる。ある特定の実施形態において、フマル酸化合物は、食物とともに投与される。他の実施形態において、フマル酸化合物は、食物とは別に投与される。GIまたは紅潮の副作用が出た対象については、フマル酸化合物、例えば、DMFを食物とともに投与することが、耐容性を改善する。1つの実施形態において、フマル酸化合物、例えば、DMFを食物とともに投与することは、紅潮の発生率を低下させる。
【0534】
特定の実施形態において、NSAID(例えば、アスピリン)が、フマル酸化合物(例えば、DMF)の投与と同時、その前、及び/またはその後に、投与される。健常なボランティアでの試験で、DMF投薬の30分前に腸溶コーティングしていないアスピリン325mgを投与することは、参加している対象者の紅潮の発生率及び重篤度を低下させることがわかっている。胃腸管副作用とともに紅潮が出た対象によっては、用量を一時的にBIDでDMF120mgに減少させる場合がある。1ヶ月以内に、BIDでDMF240mgまたはTIDでDMF240mgの有効量を再開しなければならない。
【0535】
1つの実施形態において、上記の剤形を投与される対象は、上記の剤形を摂取する前(例えば、10分〜1時間、例えば、30分前)に1種または複数の非ステロイド性抗炎症薬(例えば、アスピリン)を摂取する場合がある。1つの実施形態において、剤形を投与される対象は、紅潮を減少させるために1種または複数の非ステロイド性抗炎症薬(例えば、アスピリン)を摂取する。別の実施形態において、1種または複数の非ステロイド性抗炎症薬は、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、セレコキシブ、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。1種または複数の非ステロイド性抗炎症薬は、上記の剤形を摂取する前に、約50mg〜約500mgの量で投与することができる。1つの実施形態において、対象は、毎回上記の剤形を摂取する前に、アスピリン325mgを摂取する。
【0536】
実施形態によっては、上記の剤形を摂取する前に1種または複数の非ステロイド性抗炎症薬(例えば、アスピリン)を経口投与された対象は、1種または複数の非ステロイド性抗炎症薬(例えば、アスピリン)を投与されることなく上記の剤形を経口投与された対象と同じ薬物動態特性(例えば、C
max及びAUC)を示す。
【0537】
1つの実施形態において、多発性硬化症の対象は、DMF240mgを含有するカプセル剤を、一日量の合計が480mgとなるように1日2回投与され、カプセル剤は、あらゆるコーティングを含まないマイクロ錠剤の重量で約43%w/w〜約95%w/w(例えば、約50%〜約80%w/w)のDMFを含むマイクロ錠剤を複数含有する。別の実施形態において、多発性硬化症の対象は、DMF240mgを含有するカプセル剤を、一日量の合計が720mgとなるように1日3回投与され、カプセル剤は、あらゆるコーティングを含まないマイクロ錠剤の重量で約43%w/w〜約95%w/w(例えば、約50%〜約80%w/w)のDMFを含むマイクロ錠剤を複数含有する。1つの実施形態において、マイクロ錠剤は、最初に密封コーティングでコーティングされ、次いで腸溶コーティングでコーティングされる。1つの実施形態において、カプセル剤形を投与された対象は、上記の薬物動態パラメーターのうち1つまたは複数を示す。
【0538】
5.4進行性多巣性白質脳症(PML)
進行性多巣性白質脳症(PML)は、JCウイルス(JCV)により引き起こされる脳の日和見感染症である。PMLは、主に、免疫低下した個体、及びナタリズマブをはじめとするある特定の免疫調節療法を受けている患者で起こる。PMLは、宿主とウイルス性因子の間の複雑な相互作用の結果、潜在性原型JCVの再活性化及び変異が起こって神経障害型になり、これが中枢神経系のオリゴデンドロサイトに感染する可能性があると仮定される。
【0539】
特定の実施形態において、本発明は、患者を監視すること、及びPMLを示唆する最初の徴候または症候が出た時点で本明細書中記載されるフマル酸化合物、例えばフマル酸ジメチル(例えば、テクフィデラ(登録商標))などを用いた治療を保留すること、及び任意選択で適切な診断評価を行うことを提供する。
【0540】
5.4.1PMLを示唆する徴候または症候の監視
特定の実施形態において、本発明は、フマル酸化合物で治療されているMS患者を、PMLを示唆する最初の徴候または症候について監視することを提供する。PMLに関連した典型的な症候は、多種多様であり、数日から数週間にわたって進行する。PMLを示唆する徴候または症候として、以下の典型症候が挙げられるが、これらに限定されない:身体の片側での進行性脱力、肢部の不自由、視力障害、ならびに錯乱及び人格の変化を招く思考、記憶、及び見当識の変化。精神機能、発話、及び運動も影響を受ける場合がある。さらなる症候として、運動失調、認知機能の喪失、失明、平衡及び協調の変化、感覚喪失を挙げることができる。障害の進行は、通常、数週間から数ヶ月にわたり、死亡または重篤な身体障害を招く。
【0541】
多発性硬化症とは異なり、PMLでは、脊椎または視神経が巻き込まれることはほとんどない。その代り、患者の約3分の1が、視野喪失または皮質盲になり、一方別の3分の1は、精神状態の変化または行動変化を示すことになる(Dworkin et al., Curr. Clin. Top. Infect. Dis., 2002, 22:181−195)。同じく多発性硬化症とは異なり、不全片麻痺は、共通する症候である。これらの症候は、典型的には、発症時には亜急性であり、ゆっくりと進行する。多くの場合、患者及びその家族は、神経学的検査で変化がでる前であっても、最初に、日常生活の定常活動を行う能力の変化を通じてPMLの発症に気づく(WO2007/100770の段落[094]を参照)。
【0542】
ある特定の実施形態において、フマル酸化合物で治療されている多発性硬化症の患者は、患者にPMLを示唆する徴候または症候がないかどうか監視される。
【0543】
ある特定の実施形態において、フマル酸化合物を用いた治療は、患者にPMLを示唆する最初の徴候または症候が出た時点で、患者に対して保留される。
【0544】
1つの実施形態において、本明細書中提供される方法は、患者にPMLを示唆する最初の徴候または症候が出た時点で、患者でPMLの診断評価を行うことを含む。
【0545】
5.4.2PMLの診断評価の実行
特定の実施形態において、本発明は、患者にPMLを示唆する最初の徴候または症候が出た時点で、患者でPMLの診断評価を行うことを提供する。診断評価は、当該分野で既知の任意の方法によるものが可能であり、そのような方法として、核磁気共鳴画像法(MRI)、脳脊髄液(CSF)中のJCウイルスDNAの検出、MRIによる一様な白質病変の検出、疾患の進行過程の評価、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0546】
特定の実施形態において、PMLは、(1)CSF中のJCウイルスDNAの検出;(2)MRIにより示される一様な白質病変、及び任意選択で(3)疾患の進行過程の組み合わせに基づいて診断される。
【0547】
WO2007/100770に記載されるとおり、PMLの病態は特徴的であり、ピンポイントの病変から数センチメートルの面積まで様々な大きさの脱髄病巣が含まれる。病変は、一般に、大脳半球に出現し、それより少ない頻度で小脳及び脳幹に出現し、脊椎に出現することは稀であるが、それでも病変はどこにでも出現する可能性がある。脱髄領域を取り囲む周辺域のオリゴデンドロサイトは、肉眼で異常に見える。こうした異常なオリゴデンドロサイトの核は、多くのJCビリオンを含有する。
【0548】
PMLのある特定の臨床的特徴は、PMLと、多発性硬化症に関連する脱髄とを区別するのを助ける。
【0549】
5.4.2.1.核磁気共鳴画像法(MRI)
PMLを診断するのに核磁気共鳴画像法(MRI)を使用することができる。表1に示すとおり、PMLと他の病因とを区別するのを助けるPML病変の特徴が存在する(Post et al., Am. J. Neuroradiol., 1999, 20(10):1896−1906; Yousry et al., N. Engl. J. Med., 2006, 354(9):924−933; Berger et al., Ann. Neural, 1998, 44(3):341−349; Hoffmann et al., J. Neural. Neurosurg. Psychiatry, 2003, 74(8):1142−1144; Langer−Gould et al., N Engl. J. Med., 2005, 353(4):375−381)。
【0550】
特定の実施形態において、患者のPMLの診断評価は、MRIによる一様な白質病変の検出が含まれる。
【表1】
【0551】
5.4.2.2.組織学的及びウイルス学的検査
特定の実施形態において、診断評価は、患者のCSF中にJCウイルスDNAが存在するかどうかの検査を含む。JCウイルスDNAについての脳脊髄液(CSF)のPCR分析は、PMLを診断するための高感度かつ特異的検査である。この検査の特異性は、100%に到達し、感度の範囲は、60%〜90%である(Henson et al., Neurology, 1991, 41(12):1967−1971; Gibson et al., J. Med. Virol., 1993, 39(4):278−281; Weber et al., AIDS, 1994, 8(1):49−57; Weber et al., J. Infect. Dis., 1994, 169(5):1138−1141; Vago et al., J. Acquir. Imm. Defic. Syndr. Hum. Retrovirol., 1996, 12(2):139−146)。臨床上PMLの疑いが強くかつCSFの結果が陰性の場合、繰り返し検査によりJCウイルスDNAが検出されることが多い。すなわち、JCウイルスDNAについてのCSFのPCR分析は、PMLを診断するのに有用な方法である。
【0552】
1つの実施形態において、診断評価はさらに、JCVに対する抗体が患者に存在するかどうかの検査を含む。1つの態様において、患者におけるPMLの診断評価は、患者から採取した生体試料の抗JCV抗体レベルを評価することを含む。一般に、フマル酸化合物で治療された患者の血液中のJCVに対する抗体は、将来のPMLの危険性を意味する場合があるが、それ自身では、PMLの診断にはならない。
【0553】
1つの態様において、患者におけるPMLの診断評価は、JCVに対する抗体が患者に存在するかどうかの検査を含む方法により、患者のPML発症の危険性を評価することを含む。1つの態様において、患者におけるPMLの診断評価は、患者から採取した生体試料の抗JCV抗体レベルを評価する検査を含む方法により、患者のPML発症の危険性を評価することを含む。
【0554】
JCVを検出するのに多様な血清学的検査が利用可能であり、例えば、補体結合検査(CFT)、赤血球凝集阻害法(HAI)、酵素結合免疫測定法(EIA)、放射免疫測定法(RIA)、粒子凝集法、免疫蛍光法(IF)、一元放射溶血反応、及びウエスタンブロット法がある。技法ごとに、感度及び特異性は大きく異なる。ほとんどの技法は、全てのクラスの抗体を検出するが、幾つかの検査、例えば、RIA、EIA、及びIFなどは、1つの特定クラス、例えば、IgM、IgG、またはIgAを検出するように設計することができる。
【0555】
ある特定の実施形態において、患者は、患者の尿、血液、及び/または脳脊髄液(CSF)中のJCVについて検査される。特定の実施形態において、検査は、患者の血液試料を系列的に採取すること、試料中のJCVに対するIgG抗体の量を測定すること、及び経時的に、試料中の抗体量を比較することを含む。他の特定の実施形態において、検査は、試料中のJCVに対するIgM抗体の量を測定すること、及び試料中のIgM抗体及びIgG抗体の量を比較することを含む。
【0556】
ある特定の実施形態において、検査は、患者の尿及び/または血液中のJCVの抗体陽転及び/または力価上昇を検出するものであり、さらに、尿及び/または血液の系列試料の比較からJCVの抗体陽転及び/または力価上昇が検出された場合に、患者の脳脊髄液の試料を採取すること;及びJCV抗体が存在するかどうか脳脊髄液を検査することを含む。
【0557】
1つの実施形態において、診断評価は、PMLの臨床症候及び/または放射線学的症候について検査することを含む。ある特定の実施形態において、臨床症候についての検査は、新規神経症候または神経症候の悪化について検査することを含む。特定の実施形態において、神経症候は、中枢性失明、精神錯乱、人格変化、及びジスキネジアのうち1つまたは複数を含む。他の実施形態において、PMLの放射線学的症候についての検査は、Gd造影核磁気共鳴画像走査法を行うことを含む。
【0558】
1つの実施形態において、検査は、患者の尿、血液、及び/または脳脊髄液中のJCVについて検査する。特定の実施形態において、監視は、患者の血液試料を系列的に採取すること、試料中のJCVに対するIgG抗体の量を測定すること、及び経時的に、試料中の抗体量を比較することを含む。実施形態によっては、検査はさらに、試料中のJCVに対するIgM抗体の量を測定すること、及び試料中のIgM抗体及びIgG抗体の量を比較することを含む。1つの実施形態において、監視は、尿及び/または血液の系列試料の比較からJCVの抗体陽転及び/または力価上昇が検出された場合に、患者の脳脊髄液の試料を採取することにより、患者の尿及び/または血液中のJCVの抗体陽転及び/または力価上昇を検出すること;及びJCV抗体が存在するかどうか脳脊髄液を検査することを含む。
【0559】
1つの態様において、患者におけるPMLの診断評価は、患者から採取した生体試料中のJCV抗体力価を求めることを含む方法により、患者のPML発症の危険性を評価することを含み、患者は、以前の免疫抑制剤暴露分類で陰性に分類され;力価が、あらかじめ定めたレベルを超える、例えば、指数0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、または1.5を超えることが明らかになった場合、患者は、PML発症の危険性がより高いと判定され、力価が、あらかじめ定めたレベルより低い、例えば、指数1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1.0、0.9、0.8、または0.7以下であると明らかになった場合、患者は、PML発症の危険性がより低いと判定される。
【0560】
1つの態様において、患者におけるPMLの診断評価は、ある期間にわたり(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24ヶ月以上)患者から採取した2つ以上の生体試料中のJCV抗体力価を求めることを含む方法により、患者のPML発症の危険性を評価することを含み;2つ以上の試料で、力価が0超であるが、あらかじめ定めたレベル以下である、例えば、指数1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1.0、0.9、0.8、または0.7以下であると明らかになった場合、患者は、PML発症の危険性がより低いと判定され、2つ以上の試料で、力価が、あらかじめ定めたレベルを超える、例えば、指数0.7、0.8、0.9.1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、または1.5を超えることが明らかになった場合、患者は、PML発症の危険性がより高いと判定される。
【0561】
1つの態様において、患者におけるPMLの診断評価は、生体試料中の抗JCV抗体のレベルを評価することを含む方法により、患者のPML発症の危険性を評価することを含む。この方法は、以下の工程のうち1つまたは複数または全部を含む(WO2012/166971を参照):
(a)試料の第一の一定分量と、及びHPVLP(主にJCV主要カプシドタンパク質VP1からなる高純度ウイルス様粒子)を配置した基質とを含む第一の反応混合物を形成すること;
(b)HPVLPを配置したこの基質と結合した抗JCV抗体のレベルを、例えば、この基質と結合した抗JCV抗体と結合した標識化検出試薬、例えば、酵素標識化抗IgG抗体を検出することにより、検出すること;それにより、試料中の抗JCV抗体のレベルを評価すること(この方法は、試料に対して、抗JCV抗体のレベルを示す値を分類することまたは帰属させることを含むことができ、実施形態でこれを用いることで、この方法のさらなる工程、例えば以下の工程(c)に進むべきかどうかを決定することができる);及び
(c)試料の第二の一定分量と、及び溶液相のHPVLPとを含有する第二の反応混合物を形成し、第二の反応混合物中の未結合抗JCV抗体のレベルを、例えばHPVLPを配置した基質と結合することができる抗JCV抗体を検出することなどにより、検出すること(この方法は、試料に対して、溶液相のHPVLPとのインキュベーションが第二の反応混合物中の未結合抗JCV抗体のレベルをどれだけ低下させるかを示す値を分類することまたは帰属させることを含むことができ、この値は、阻害、%阻害などと称することができる)、それにより試料中の抗JCV抗体のレベルを評価すること。
【0562】
ある実施形態において、この方法は、さらに以下を含む(WO2012/166971を参照):(d)試料中の抗JCV抗体が、HPVLPとも他の抗原とも結合しない条件下で、第三の一定分量を含有する第三の反応混合物を形成すること、及び第三の反応混合物中の抗JCV抗体レベルを、例えばHPVLPを配置した基質と結合することができる抗JCV抗体を検出することなどにより、検出すること。阻害または%阻害は、溶液相のHPVLPとのインキュベーション(工程(c))が、工程(d)の結果との比較として、未結合抗JCV抗体のレベルをどれだけ低下させるかの度合いの関数として計算することができる。
【0563】
1つの態様において、患者におけるPMLの診断評価は、患者のPML発症の危険性を評価することを含み、この方法は、以下を含む:
抗JCV抗体確認アッセイで、患者から採取された生体試料中のnOD、指標、または他の単位で表されたJCウイルス(JCV)抗体力価、あるいは他の特性、例えば阻害パーセントで表された親和性または結合活性などを求めること、及び力価または/及び阻害パーセント、あるいはそれらの値両方の関数と、あらかじめ定めたレベルとを比較すること。
【0564】
1つの実施形態において、患者のPML発症の危険性を評価する方法は、さらに、JCVに対するIgG抗体及びIgM抗体の両方について試料の血清または血漿を検査すること、ならびに血清または血漿が、JCVに対するIgG抗体及びIgM抗体の両方について陰性ならば、フマル酸化合物を用いた治療を開始することを含む。
【0565】
5.4.3PMLの治療
JCVの細胞受容体は、セロトニン5−HT
2A受容体であることが報告されている(Elphick et al., Science, 2004, 306(5700):1380−1383)。5HT2アンタゴニストであるミルタザピンが、PMLの予防または治療に有用な場合があることも示唆されている(Verma et al., J Infect Dis., 2007, 196(5):709−711)。
【0566】
ヘキサデシルオキシプロピル−シドホビル(CMX001)は、ウイルスDNA複製を阻害することによりJVCを抑制する能力を有することから、これも、JCVの治療オプションとして研究されている(Gosert et al., Antimicrob. Agents Chemother., 2011, 55(5):2129−2136)。
【0567】
メフロキンは、目立った毒性もなくかつ中枢神経系で到達可能な濃度で、JCV複製を遮断することが報告されている。HIV及び非HIV感染患者でメフロキンを用いたPML治療の成功例が報告されているものの(例えば、Young et al., Ann. Acad. Med. Singap., 2012, 41(12):620−624)、PMLの治療でメフロキンの使用がうまくいかなかった例も報告されている(Clifford et al., J. Neurovirol., 2013, 19:351−358; Tyler et al., J. Neurovirol., 2013, 19(4):311−313)。
【0568】
本明細書中提供される方法に従って、PMLの診断評価が、患者のPMLまたは患者のPML発症の高い危険性を示す場合、本発明の方法はさらに、PMLの治療または予防のため、患者に治療薬を投与することを含むことができる。そのような治療薬は、当該分野で既知の任意の治療薬が可能である。現在、PMLの薬物療法として確立されたものはない。しかしながら、様々な薬物療法が試験されており、そのような薬物として、アシクロビル、イドクスウリジン、ビダラビン、アマンタジン、アデニンアラビノシド、シトシンアラビノシド(シタラビン、ARA−Cとしても知られる)、シドホビル、インターフェロンa、インターロイキン−2(IL−2)、ジドブジン、カンプトテシン、トポテカン、メフロキン、及びミルタザピンが挙げられる(Koralnik, Curr. Opt. Neurol., 2004, 17(3):365−370; Dworkin et al., Curr. Clin. Top. Infect. Dis., 2002, 22:181−195; Seth et al., J. Neurovirol., 2003, 9(2):236−246; Collazos, CNS Drugs, 2003, 17(12):869−887; Mamidi et al., J. Neurovirol., 2002, 8(3):158−167; Przepiorka et al., Bone Marrow Transplant, 1997, 20(11):983−987; Redington et al., Arch. Neural., 2002, 59(5):712−718; Padgett et al., Prog. Clin. Biol. Res., 1983, 105:107−117)。すなわち、特定の実施形態において、そのような治療薬として、HAART、アシクロビル、イドクスウリジン、ビダラビン、アマンタジン、アデニンアラビノシド、シトシンアラビノシド(シタラビン、ARA−Cとしても知られる)、シドホビル、インターフェロンa、インターロイキン−2(IL−2)、ジドブジン、カンプトテシン、トポテカン、クロルプロマジン、クロザピン、ジプラシドン、リスペリドン、オランザピン、ヘキサデシルオキシプロピル−シドホビル(CMX001)、メフロキン、またはミルタザピンが可能である。
【0569】
1つの実施形態において、本明細書中提供される方法は、診断評価がPMLの存在を示す場合に、静脈内免疫グロブリン療法、血漿分離交換法、抗ウイルス療法から選択される少なくとも1つのPML治療法を提供することを含む。ある特定の実施形態において、抗ウイルス療法は、シトシンアラビノシド(シタラビン)、シドホビル、及びセロトニンアンタゴニストから選択される抗ウイルス剤を少なくとも1用量の治療上有効量で投与することを含む。
【0570】
本明細書中提供されるのは、患者から血液試料を採取すること;JCVに対するIgG抗体が存在するかどうかについて、試料の血清または血漿を検査すること;試料がJCVに対するIgG抗体について陰性であるイベントで、フマル酸化合物を用いた患者の治療を開始すること;患者を、進行性多巣性白質脳症の徴候または症候について監視すること;及びPMLの徴候または症候が存在する場合にはフマル酸化合物の投与を中止することによる、多発性硬化症の患者を治療するための本明細書中記載されるフマル酸化合物の使用方法である。
【0571】
1つの態様において、主体、例えば、医療提供者は、本明細書中記載される抗JCV抗体アッセイから得られる情報を取得し、情報に応じて、本明細書中記載される治療を患者に投与する。
【0572】
別の態様において、本明細書中記載されるJCVアッセイは、患者で行われ、その後、患者は、アッセイの結果に基づいて治療される。すなわち、例えば、アッセイが、JCVについて陰性である場合、フマル酸化合物を用いた治療が、継続または開始、あるいは再開される(PMLの最初の徴候または症候が出た時点でフマル酸化合物が保留されていた場合)
【0573】
5.5全血球計算値
特定の実施形態において、本発明は、MS患者に本明細書中記載される医薬組成物(例えば、テクフィデラ(登録商標))を6ヶ月間繰り返し投与した後、及びその後6〜12ヶ月ごとに、リンパ球数を含む全血球計算値(CBC)を得ることを提供する。1つの実施形態において、医薬組成物(例えば、テクフィデラ(登録商標))の投与は、患者のリンパ球数が0.5×10
9/L未満である状態が6ヶ月より長く持続している場合、中断される。特定の実施形態において、本発明は、患者のリンパ球減少症が解消されるまで、患者のリンパ球数を測定することを提供する。
【0574】
CBCは、全血球計算値、全血球数(FBC)、または全血球検査(FBE)としても知られるが、血液検査である。CBCは、血流で循環する一般的な3種の細胞型について情報を提供する:白血球細胞(白血球)、赤血球細胞(赤血球)、及び血小板(血小板)である。CBCは、赤血球、白血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット、及び血小板を測定する。CBCパネルでの白血球の評価は、個人の血液試料中の白血球の合計数である白血球数を含む場合があり、様々な型の白血球、例えばリンパ球、単球、好中球、好酸球、及び好塩基球などを同定し計数する白血球微分を含む場合もある。CBCパネルでの赤血球の評価は、全赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球血色素量(MCH)、平均赤血球血色素濃度(MCHC)、赤血球分布幅(RDW)、及び網状赤血球数を含む場合がある。CBC検査での血小板評価は、血小板数、平均血小板体積(MPV)、及び血小板分布幅(PDW)を含む場合がある。血流中の特定の細胞型の計数が異常に高いまたは低いことは、基礎疾患の存在を示す場合がある。
【0575】
CBCは、当該分野で周知の方法を用いて行うことができ、そのような方法は、静脈穿刺を通じて血液試料を収集すること、血液を、抗凝固剤を含有する試験管に引き入れること、及び手動法または自動分析器を用いて、血球を計数することを含む場合がある(例えば、Buttarello and Plebani, Am. J. Clin. Pathol., 2008, 130(1):104−116を参照)。
【0576】
テクフィデラ(登録商標)の対照及び非対照臨床試験では、患者の2%が、少なくとも6ヶ月間にわたり、リンパ球数が0.5×10
9/L未満の状態になった。これらの患者では、リンパ球数の大部分が、治療の継続とともに0.5×10
9/L未満のままだった。
【0577】
5.6患者集団
本明細書中使用される場合、「患者」及び「対象」という用語は、同義で使用することができる。本明細書中記載されるとおりのフマル酸化合物は、それを必要としている対象、すなわちMSである対象に投与される。特定の実施形態において、この対象は、医療実務者によりMSであると診断されている。
【0578】
実施形態によっては、多発性硬化症の型は、再発寛解型、二次性進行型、一次性進行型、または慢性進行型の、多発性硬化症である。1つの実施形態において、多発性硬化症の患者とは、再発性MSの患者である。特定の実施形態において、患者は、再発寛解型MS(RR−MS)である。別の特定の実施形態において、患者は、二次性進行型MS(SP−MS)である。別の特定の実施形態において、患者は、進行性再発型MS(PR−MS)である。
【0579】
1つの実施形態において、患者は、妊娠していない。別の実施形態において、患者は、授乳期の母親ではない。
【0580】
1つの実施形態において、患者は、本明細書中記載される方法で投与されるフマル酸化合物、例えばフマル酸ジメチルなどに対して過敏症ではない。さらなる実施形態において、患者は、フマル酸化合物、例えばフマル酸ジメチルなどに対して過敏症ではないか、またはフマル酸化合物に対する過敏症があるかどうかについて知らない。
【0581】
1つの実施形態において、患者は、1種または複数のフマル酸化合物(例えば、フマル酸ジメチル)、及び任意の免疫抑制薬物療法または抗悪性腫瘍薬物療法の両方で同時に治療されていない。ある特定の実施形態において、患者は、フマル酸化合物(例えば、フマル酸ジメチル)、及び任意の免疫抑制薬物療法または免疫調節薬物療法またはナタリズマブで同時に治療されていない。ある特定の実施形態において、患者は、本明細書中記載されるフマル酸化合物(例えば、フマル酸ジメチル)、及び進行性多巣性白質脳症(PML)を引き起こす既知の危険性を有する任意の薬物療法で同時に治療されていない。
【0582】
1つの実施形態において、患者は、本明細書中記載される方法に従って治療を開始する前に、一度もフマル酸化合物、例えば、フマル酸ジメチルで治療されたことがない。別の実施形態において、患者は、本明細書中記載される方法に従って治療を開始する前の、1、2、3、4、6、8、10、もしくは12ヶ月間、または1、2、3、5、10、20、30、40、もしくは50年間、フマル酸化合物、例えば、フマル酸ジメチルで治療されたことがない。
【0583】
1つの実施形態において、患者は、本明細書中記載される方法に従って治療を開始する前に、どのような免疫抑制薬物療法または抗悪性腫瘍薬物療法でも治療されたことがない。さらなる実施形態において、患者は、本明細書中記載される方法に従って治療を開始する前の、1、2、3、4、6、8、10、もしくは12ヶ月間、または1、2、3、5、10、20、30、40、もしくは50年間、どのような免疫抑制薬物療法または抗悪性腫瘍薬物療法でも治療されたことがない。別の実施形態において、患者は、本明細書中記載される方法に従って治療を開始する前に、どのような免疫抑制薬物療法または免疫調節薬物療法またはナタリズマブでも治療されたことがない。さらに別の実施形態において、患者は、本明細書中記載される方法に従って治療を開始する前の、1、2、3、4、6、8、10、もしくは12ヶ月間、または1、2、3、5、10、20、30、40、もしくは50年間、どのような免疫抑制薬物療法または免疫調節薬物療法またはナタリズマブでも治療されたことがない。別の実施形態において、患者は、本明細書中記載される方法に従って治療を開始する前に、PMLを引き起こす既知の危険性を有するどのような薬物療法でも治療されたことがない。さらに別の実施形態において、患者は、本明細書中記載される方法に従って治療を開始する前の、1、2、3、4、6、8、10、もしくは12ヶ月間、または1、2、3、5、10、20、30、40、もしくは50年間、PMLを引き起こす既知の危険性を有するどのような薬物療法でも治療されたことがない。
【0584】
1つの実施形態において、免疫抑制薬物療法または抗悪性腫瘍薬物療法は、以下の1種または複数から選択される:クロラムブシル、メルファラン、6−メルカプトプリン、チオテパ、イホスファミド、ダカルバジン、プロカルバジン、テモゾロマイド、ヘキサメチルメラミン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、エピルビシン、イリノテカン、メトトレキセート、エトポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、シタラビン、ブスルファン、アモナフィド、5−フルオロウラシル、トポテカン、ムスタルゲン、ブレオマイシン、ロムスチン、セムスチン、マイトマイシンC、ムタマイシン、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、メトトレキセート、トリメトレキセート、ラルチトレキセド、フルオロデオキシウリジン、カペシタビン、フトラフール、5−エチニルウラシル、6−チオグアニン、クラドリビン、ペントスタチン、テニポシド、ミトキサントロン、ロソキサントロン、アクチノマイシンD、ビンデシン、ドセタキセル、アミホスチン、インターフェロンアルファ、タモキシフェン、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、ラロキシフェン、レトロゾール、アナストロゾール、フルタミド、ビカルタミド、レチノイン酸、三酸化ヒ素、リツキシマブ、CAMP ATH−1、マイロターグ、ミコフェノール酸、タクロリムス、糖質コルチコイド、スルファサラジン、グラチラメル、フマル酸化合物、ラキニモド、FTY−720、インターフェロンタウ、ダクリズマブ、インフリキシマブ、IL10、抗IL2受容体抗体、抗IL−12抗体、抗IL6受容体抗体、CDP−571、アダリムマブ、エタネルセプト、レフルノミド、抗インターフェロンガンマ抗体、アバタセプト、フルダラビン、シクロホスファミド、アザチオプリン、シクロスポリン、静脈内免疫グロブリン、5−ASA(メサラミン)、及びβ−インターフェロン。
【0585】
1つの実施形態において、免疫抑制薬物療法または免疫調節薬物療法は、以下の1種または複数から選択される:カルシニューリン阻害剤、コルチコステロイド、細胞分裂阻害剤、ニトロソ尿素、タンパク質合成阻害剤、ダクチノマイシン、アントラサイクリン、ミスラマイシン、ポリクローナル抗体、例えばatgum及びサイモグロブリンなど、モノクローナル抗体例えばムロモナブ−CD3及びバシリキシマブなど、シクロスポリン、シロリムス、ラパマイシン、γ−インターフェロン、オピオイド、TNF結合タンパク質、TNF−α結合タンパク質、エタネルセプト、ミコフェノール酸化合物、フィンゴリモド、及びミリオシン。
【0586】
1つの実施形態において、本明細書中記載される方法に従って治療される患者は、免疫系機能不全をもたらす全身性病状として同定されるものがない。
【0587】
1つの実施形態において、患者は、その生涯にわたり、またはMS、例えば再発性MSと診断されて以来、免疫抑制剤または免疫調節治療を受けたことがない。
【実施例】
【0588】
6.実施例
6.1実施例1:フマル酸ジメチルの組成物
フマル酸ジメチルを含む医薬組成物を、サイズ0の硬ゼラチンカプセルに入った2ミリメートルの腸溶コーティングしたマイクロ錠剤として調製した。各カプセルには、フマル酸ジメチル120mgまたはフマル酸ジメチル240mgを入れた。
【0589】
6.1.1核をコーティングしていないマイクロ錠剤配合物
表2に記載のとおりの量に従って、フマル酸ジメチル(DMF)、クロスカルメロースナトリウム、タルク、及び無水コロイドシリカをまとめて混合し、ブレンドを形成した。次いで、このブレンドをスクリーン(例えば、目開き800ミクロンのスクリーン)に通し、微結晶性セルロース(PROSOLV SMCC(登録商標)HD90)をブレンドに加えて混合した。ブレンドにステアリン酸マグネシウムを加え、ブレンドを混合した。次いで、得られるブレンドを、2mmの円形凹面チップを有する16チップのマルチチップ装備を備えた適切なロータリー打錠機で圧縮した。
【0590】
以下の表2は、上記の方法を用いて作った、2種類のマイクロ錠剤、それぞれDMF120mg及びDMF240mgに存在する成分の重量パーセンテージを示す。マイクロ錠剤は、第6.1.2節に記載されるとおりにコーティングし、次いでカプセル剤に充填した。ブレンドAで作ったマイクロ錠剤を含有するサイズ0のカプセルには、DMF約120mgが含有されており、一方、ブレンドBで作ったマイクロ錠剤を含有する同サイズのカプセルには、DMF約240mgが含有されている。
【表2】
【0591】
6.1.2マイクロ錠剤コーティング配合物
マイクロ錠剤を、2種のコーティング剤でコーティングした;表3に記載されるとおりの配合A及び配合Bの密封コーティング及び腸溶コーティングを用い、密封コーティング、続いて腸溶コーティング。密封コーティング配合物は、溶媒としてイソプロピルアルコールを用いた溶媒系配合物であり、腸溶コーティングは、メチルアクリル酸共重合体分散液に基づくもので、有効な腸内保護を提供した。腸溶コーティング配合物は、メタクリル酸共重合体分散液及びタルク、さらに消泡剤(シメチコン)を含有していた。次いで、コーティングしたマイクロ錠剤を、サイズ0の硬ゼラチンカプセルに充填した。
【表3】
【0592】
6.2実施例2:マイクロ錠剤を含有するカプセル剤の形成
以下の表4に記載される量に従って、フマル酸ジメチル、クロスカルメロースナトリウム、タルカム、及び無水コロイドケイ素をまとめて混合し、ブレンドを形成する。ブレンドをスクリーンに通す。ブレンドに、適切な品質の微結晶性セルロース、例えば、PROSOLV SMCC(登録商標)90またはPROSOLV SMCC(登録商標)HD90を加えて混合する。ブレンドに、ステアリン酸マグネシウムを加え、ブレンドを再混合する。
【0593】
次いで、ブレンドを、2mmの円形凹面チップを有するマルチチップ装備(例えば、16チップのマルチチップ装備)を備えた適切なロータリー打錠機で圧縮する。得られる2mmサイズのマイクロ錠剤を、メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体及びクエン酸トリエチルを含むイソプロパノール溶液(以下の表4の量を参照)でコーティングする。次いで、コーティングしたマイクロ錠剤を、メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウム、クエン酸トリエチル、シメチコン、微粒子化タルカムを水に懸濁させた懸濁液(以下の表4の量を参照)からなるコーティングで第二層としてコーティングする。
【0594】
所望量のコーティングしたマイクロ錠剤を、カプセル装置を使用して、ツーピース型硬ゼラチンカプセルに封入する。例えば、フマル酸ジメチルの量が1カプセルあたり約240mgになるように、コーティングしたマイクロ錠剤をカプセルに封入する。
【0595】
以下の表4では、%w/wは、コーティングしたマイクロ錠剤の合計重量に基づく(例えば、この表では、%w/wには、コーティングの重量寄与が含まれる)。
【表4】
【0596】
6.3実施例3:マイクロ錠剤の形成
以下の表5に記載される量に従って、フマル酸ジメチル、クロスカルメロースナトリウム、タルカム、及び無水コロイドケイ素をまとめて混合し、ブレンド1、2、4、5、及び6を形成した。ブレンドをスクリーンに通した。表5に記載の量に従って、ブレンドに、微結晶性セルロース(PROSOLV SMCC(登録商標)HD90)を加えて混合した。次いで、ブレンドに、ステアリン酸マグネシウムを加え、ブレンドを再混合した。次いで、各ブレンドを、2mmの円形凹面チップを有する16チップのマルチチップ装備を備えた適切なロータリー打錠機で圧縮した。
【0597】
ブレンド3、7、8、及び9は、上記と同じ方法を用いて、作ることができる。
【表5】
【0598】
6.4実施例4:フマル酸ジメチルを42%w/w、60%w/w、及び70%w/w含有する圧粉体ならびに対照圧粉体
フマル酸ジメチル、クロスカルメロースナトリウム、及び無水コロイドシリカをまとめて混合し、ブレンドを形成した。ブレンドをスクリーンに通した。ブレンドに、適切な品質の微結晶性セルロースを加えて混合した。適切な品質の微結晶性セルロースとは、例えば、レーザー回折による平均粒子径が約60μmであり、かさ密度が約0.38〜約0.50g/cm
3の範囲にあるPROSOLV SMCC(登録商標)90である。混合したブレンドに、ステアリン酸マグネシウムを加え、再混合を行った。
【0599】
ブレンドした材料それぞれを、適切なロータリープレス(例えば、ロータリー打錠機)で圧縮し、圧粉体(10mm円筒状圧粉体)を形成した。
【0600】
表6に、このプロセスで作られた各圧粉体のパーセンテージを示す。
【表6】
【0601】
6.5実施例5:フマル酸ジメチルを65%w/w、95%w/w、及び99.5%w/w含有する組成物
以下の表7に記載されるとおりの量で、上記の実施例4に記載される方法に従って4種のDMF含有ブレンドを調製した。
【表7】
【0602】
6.6実施例6:患者の指導
例として、テクフィデラ(登録商標)のラベルの説明書は、以下のとおりにできるが、これに限定されない:
【0603】
警告及び注意
進行性多巣性白質脳症
患者を監視し、PMLを示唆する最初の徴候または症候が出た時点でテクフィデラ(登録商標)を保留すること、及び適切な診断評価を行うこと。PMLに関連する典型的な症候は多様であり、数日から数週間にわたって進行し、症状として、身体の片側での進行性脱力または肢部の不自由、視力障害、ならびに錯乱及び人格変化を招く思考、記憶、及び見当識の変化が挙げられる。障害の進行は、通常、数週間から数ヶ月にわたって死亡または重篤な身体障害を招く。
【0604】
患者のカウンセリング情報
進行性多巣性白質脳症
テクフィデラ(登録商標)を投与された患者で進行性多巣性白質脳症(PML)が起こってきたことを、患者に通知すること。患者に、PMLを示唆する症候が患者に発生したらどのようなものであっても患者の担当医に連絡することの重要性を指導すること。患者に、PMLに関連する典型的な症候は多様であり、数日から数週間にわたって進行し、症状として、身体の片側での進行性脱力または肢部の不自由、視力障害、ならびに錯乱及び人格変化を招く思考、記憶、及び見当識の変化があることを指導すること。患者に、障害の進行は、通常、数週間から数ヶ月にわたって死亡または重篤な身体障害を招くことを指導すること。
【0605】
患者に、テクフィデラ(登録商標)の中止後約6ヶ月間は、PMLを示唆する新たな徴候及び症候がないか注視し続けるように指導すること[警告及び注意を参照]。
【0606】
6.7実施例7:患者の指導−リンパ球減少症及びリンパ球数
例として、テクフィデラ(登録商標)のラベルの説明書は、以下のとおりにできるが、これに限定されない:
【0607】
警告及び注意
リンパ球減少症
テクフィデラ(登録商標)を用いた治療を開始する前に、リンパ球数を含むCBCが取得されなければならない。リンパ球数を含むCBCは、6ヶ月治療後、その後6〜12ヶ月ごとに、及び臨床上必要とされる場合にも取得されなければならない。リンパ球数が0.5×10
9/L未満の状態が6ヶ月超持続している患者では、テクフィデラ(登録商標)の中断を検討すること。テクフィデラ(登録商標)の中止後のリンパ球回復に遅れが生じる可能性を考慮して、リンパ球減少症が解消されるまでリンパ球数の追跡を検討すること。重篤な感染症の患者では、感染症(複数可)が解消されるまで、治療保留が検討されなければならない。テクフィデラ(登録商標)を再開するか否かの決定は、臨床状況に基づき個々に行われなければならない。
【0608】
患者のカウンセリング情報
リンパ球数
患者に、テクフィデラ(登録商標)はリンパ球数を低下させる場合があることを通知すること。患者が治療を開始するまえに血液検査が行われなければならない。血液検査は、6ヶ月治療後、その後6〜12ヶ月ごとに、及び臨床上必要とされる場合にも推奨される。
【0609】
6.8実施例8:遅延放出フマル酸ジメチルで治療されたMS患者のリンパ球絶対数特性の特性決定:患者の管理に関する考察
遅延放出フマル酸ジメチル(DMF;胃耐性DMFとしても、テクフィデラ(登録商標)としても知られる)は、第IIb相試験、第III相DEFINE及びCONFIRM試験、ならびにENDORSE拡大試験を含む臨床試験において、再発寛解型多発性硬化症(RRMS)で、臨床上及び神経放射線学的測定量に確固たる効力をならびに許容される安全性特性を実証した。
1−6
【0610】
臨床試験では、DMFは、紅潮及び胃腸管イベント、ならびに白血球(WBC)及びリンパ球絶対数(ALC)の低下と関連した。
7
【0611】
ALC特性は、この試験のDMF治療を受けたMS患者で特性決定された。重篤な長期リンパ球減少症を発症する危険性がより高い患者が同定された。この試験は、リンパ球減少症の有無に関わらず、患者におけるDMF効力も評価した。
【0612】
目的
分析の目的は、ALC特性を決定することにより、及び臨床試験(第IIb相、DEFINE、CONFIRM、及びENDORSE)に登録された患者でリンパ球減少症の有無に関わらず効力を検査することにより、DMF(テクフィデラ(登録商標)として)治療を受けたMS患者の管理に関する実用的な考察を提供することであった。
【0613】
方法
試験設計
第IIb相試験、DEFINE、及びCONFIRMは、RRMSの単剤療法としてのDMFについて、複数の施設で行われる、無作為化、二重盲検、偽薬対照、並行群間臨床試験であった。
【0614】
第IIb相試験は、期間が12ヶ月であり、6ヶ月の偽薬対照パート(パート1)及び6ヶ月の無対照安全性拡大パート(パート2)が含まれていた。パート1の間、患者は、DMF120mgを1日1回(QD)、120mgを1日3回(TID)、240mgをTID、または偽薬に無作為同数抽出された。
【0615】
DEFINE及びCONFIRMは、期間が2年間であった。患者は、DMF240mgを1日2回(BID)、240mgをTID、または一致する偽薬に無作為同数抽出された。
【0616】
CONFIRMには、参照比較部として酢酸グラチラマー(GA)も含まれた。
【0617】
ENDORSEは、DEFINE/CONFIRMを拡大した、複数の施設で行われる、並行群間、用量盲検試験であり、最長8年追加の追跡調査を伴う。
【0618】
親試験で最長2年間DMF240mgをBIDまたはTIDで投与された患者は、ENDORSEでも同じDMF投薬量のままであった。
【0619】
親試験で偽薬(DEFINE及びCONFIRM)またはGA(CONFIRM)を投与された患者は、DMF240mgをBIDまたはTIDに無作為同数抽出された。
【0620】
重要な組み入れ及び排除基準
第IIb相試験、DEFINE、及びCONFIRMに関して重要な組み入れ及び排除基準を表8にまとめる。
【表8】
【0621】
血液学検査
第IIb相試験では、血液を4週間ごとに収集した。
【0622】
DEFINE及びCONFIRMでは、血液を、最初の3ヶ月間は4週間ごとに、その後12週間ごとに、及び試験離脱後または試験完了後続けて拡大試験に参加しない場合1ヶ月以内に、収集した。
【0623】
ENDORSEでは、血液を、ベースラインで、及びその後12週間ごとに収集した。
【0624】
血液学検査は、ヘモグロビン、ヘマトクリット、赤血球数、WBC数(区別を含む)、血小板数を含んだ。
【0625】
ALCは、有害事象共通用語規準(CTCAE;表9)により等級付けした。
9
【表9】
【0626】
統計分析
対象が代替MS治療に切り替えた後のDEFINE及びCONFIRMのデータは、除外した。
【0627】
第IIb相試験の6ヶ月無対照安全性拡大のデータは算入した。
【0628】
データカットオフ日付を使用した。
【0629】
結果
患者
安全性集団は、2513人のMS患者で構成され、そのうち、1136人は、DMF240mgをBIDで治療され、1249人は、DMF240mgをTIDで治療され、128人は、それより少ない用量のDMFで治療された(表10)。試験治療の平均(SD)時間は、3.1(2.2)年になった(表10)。
【0630】
合計で2470人の患者が、何かしらのベースライン後ALCを有した。
【表10】
【0631】
DMF治療継続中の経時的平均WBC及びALC
平均ベースラインALCは、DMF240mgをBID、DMF240mgをTID、またはそれより少ない用量のDMFで治療した群にまたがって同様であった(
図1)。
【0632】
平均ALCは、治療の最初の1年間に約30%低下し、その後プラトーになったが、観察期間全体を通じて、正常下限(LLN;910/mm
3)を上回っていた(
図1)。
【0633】
CTCグレード0〜4のリンパ球減少症の発生率
患者の大部分について、ALCは、全ての時点で、正常限界内にあった(CTCグレード0)。
【0634】
ベースライン後最悪のCTCグレード0、1、2、及び3または4の発生率を、表11に示す。
【表11】
【0635】
ALC特性
ALCは、最初の6ヶ月間、患者の84%でLLN以上のままであり、最初の1年間では患者の76%でLLN以上のままであった;これらの患者のうち、それぞれ0.1%及び0%が、いずれかの時点で6ヶ月以上続く500/mm
3未満のALCになった(表12)。
【0636】
6ヶ月以上治療された患者(N=2,099)のうち、2.2%(n=47)で、6ヶ月以上続く500/mm
3未満のALCが出て、ALCは、概して、治療継続中500/mm
3未満のままであった。
【表12】
【0637】
500/mm
3未満のALCが6ヶ月以上続く患者での平均ALC変化の時間経過
500/mm
3未満のALCが6ヶ月以上続く患者のサブグループの平均ALCは、500/mm
3未満のALCが6ヶ月以上続いてはいない患者のサブグループの平均数と比較して、より速い低下を示した(
図2)。
【0638】
DMF治療中止後のALCの回復
500細胞/μL未満のALCが少なくとも6ヶ月続く患者47人中、9人の患者で試験を中止または終了させた。患者9人のうち、8人で、彼らの最終投薬の少なくとも1ヶ月後にALCを測定した。患者9人全員が、彼らの最終DMF投薬後、ALCの上昇を示した(
図3)。残りの38人の患者は、この分析の時点で治療を継続していた;しかしながら、ENDORSEのプロトコルの補正が6ヶ月後に発効されて、ALCが6ヶ月より長く500/mm
3未満であるならば試験治療を一時保留しなければならないことが規定された。投薬は保留されるものの、患者は、ALCがLLN以上になるまで、または最後の投薬から24週間(いずれか短い方の期間)、4週間ごとに経過観察されることになる。ALCが最後の投薬から24週間、500/mm
3未満のままであった場合、試験治療は、永久に中止しなければならない。
【0639】
リンパ球減少症(<LLN)の患者対リンパ球減少症ではない患者での効力
DMF240mgをBID対偽薬で治療された患者の2年間での年換算再発率(ARR)の低下は、DEFINE及びCONFIRMにおいて、リンパ球減少症の患者(少なくとも1つのALCがLLN未満)対リンパ球減少症ではない患者(全てのALCがLLN超)で有意差がなかった(
図4A〜
図4B)。DEFINEでは(
図4A)、DMF対偽薬について調整されたARRの率比(95%CI)は、治療関連リンパ球減少症のある患者及びない患者で、それぞれ、0.424(0.294、0.611)及び0.509(0.381、0.681)であった。CONFIRMでは(
図4B)、DMF対偽薬について調整されたARRの率比(95%CI)は、治療関連リンパ球減少症のある患者及びない患者で、それぞれ、0.525(0.365、0.756)及び0.599(0.429、0.835)であった。
【0640】
EDSSスコア、年齢、地域、及び試験組み入れ前の1年間の再発数を含むベースライン特性は、リンパ球減少症のある患者及びない患者の偽薬群及びDMF群にまたがって同様であった。
【0641】
全般的な安全性
第IIb相、DEFINE、CONFIRM、及びENDORSE臨床試験のこの中間分析で同定されたとおり、DMF治療を受けた患者のリンパ球減少症は、日和見感染を含む感染または重篤な感染の全体的な危険性上昇と関連しなかった(表13)。この中間分析についてのデータカットオフに続いて、DMF240mgをTIDで用いて治療された患者でのPMLの症例が、重篤な、長期リンパ球減少症という設定(3.5年の期間で約0.5×10
9/L未満)で報告された。
【表13】
【0642】
結論
ALC特性は、十分に特性決定がなされて、経時的に安定である。平均ALCは、DMF治療を受けた患者で、治療の最初の1年の間に約30%低下し、その後プラトーになったが、観察期間全体を通じてLLN超のままであった。
【0643】
ALCは、最初の6ヶ月間では患者の84%でLLN以上のままであり、最初の1年間では患者の76%でLLN以上のままであった;これらの患者のうち、それぞれ0.1%及び0%が、いずれかの時点で6ヶ月以上続く500/mm
3未満のALCになった。
【0644】
少なくとも6ヶ月治療された患者のうち、わずかな割合(2.2%)で、6ヶ月以上続く500/mm
3未満のALCが出て、この知見は、これらの患者が、その後重篤な長期リンパ球減少症を発症する危険性がより高いことの早期予測因子となった。
【0645】
重篤な長期リンパ球減少症という設定でPMLの症例が1例あったこと以外は、他の日和見感染を含む感染または重篤な感染の全体的な危険性上昇はなかった。
【0646】
DMFを用いた治療を開始する前に、リンパ球を含む最近のCBC(すなわち、6ヶ月以内)が入手可能でなければならない。リンパ球を含むCBCは、6ヶ月治療後、その後6〜12ヶ月ごと、及び臨床上必要とされる場合にも推奨される。
7製品のラベルに示されるとおり、0.5×10
9/L未満のALCが6ヶ月超持続している患者では、DMFの中断を検討すること。DMF中断後、リンパ球減少症が解消されるまで、ALCを経過観察しなければならない
7。
【0647】
データは限られているものの、DMF治療の中止後のALC改善を示すエビデンスは存在する。
【0648】
リンパ球減少症の患者及びリンパ球減少症ではない患者両方でのDMFの治療有効性は、リンパ球減少症が、DMFの一次作用機序ではないことを示唆する。リンパ球減少症の患者及びリンパ球減少症ではない患者での効力は、リンパ球減少症が、DMFの一次作用機序ではないことを示唆する。
【0649】
DMFの総合的な損益比は、依然として望ましい。臨床的有効性及び神経放射学的有効性をまとめると、これらのデータは、DMFが、RRMSの患者にとって価値ある長期治療オプションであることを支持し続ける。
【0650】
実施例8に関する参照
1.Kappos L, Gold R, Miller DH, et al. Lancet 2008;372:1463−1472.
2.Gold R, Kappos L, Arnold DL, et al. N Engl J Med 2012;367:1098−1107.
3.Fox RJ, Miller DH, Phillips JT, et al. N Engl J Med 2012;367:1087−1097.
4.Gold R, Phillips JT, Bar−Or A, et al. Five−year follow−up of delayed−release dimethyl fumarate in RRMS: integrated clinical efficacy data from the DEFINE, CONFIRM, and ENDORSE studies. Poster presented at: Joint ECTRIMS−ACTRIMS Meeting; September 10−13, 2014; Boston MA. P110.
5.Arnold DL, Fox RJ, Havrdova E, et al. Five−year follow−up of delayed−release dimethyl fumarate in relapsing−remitting multiple sclerosis: MRI outcomes from DEFINE, CONFIRM, and ENDORSE. Poster presented at: Joint ECTRIMS−ACTRIMS Meeting; September 10−13, 2014; Boston MA.P059.
6.Pozzilli C, Phillips JT, Fox RJ, et al. Long−term follow−up of the safety of delayed−release dimethyl fumarate in RRMS: interim results from the ENDORSE extension study. Poster presented at: Joint ECTRIMS−ACTRIMS Meeting; September 10−13, 2014; Boston MA.P066.
7.TECFIDERA
TM(dimethyl fumarate)[prescribing information]. Biogen Idec. Cambridge, MA. Rev 12/2014.
8.Polman CH, Reingold SC, Edan G, et al. Ann Neurol 2005;58:840−846.
9.National Cancer Institute. Common Terminology Criteria for Adverse Events v4.0, NCI, NIH, DHHS. May 29, 2009. NIH publication #09−7473.
【0651】
6.9実施例9:患者の指導−製品特性の要約
例として、製品特性の要約におけるテクフィデラ(登録商標)使用の説明書は、以下のとおりにできるが、これに限定されない:
【0652】
使用上の特別警告及び注意
血液/臨床検査
腎臓及び肝臓の臨床検査での変化が、臨床試験において、テクフィデラ(登録商標)で治療された対象で見られている。これらの変化の臨床上の意義は不明である。腎臓機能(例えばクレアチニン、血中尿素窒素、及び尿検査)及び肝機能(例えばALT及びAST)の評価が、治療開始前、治療3ヶ月及び6ヶ月後、その後6〜12ヶ月ごと、及び臨床上必要とされる場合に、推奨される。
【0653】
テクフィデラ(登録商標)は、リンパ球数を低下させる場合がある。テクフィデラ(登録商標)は、使用前からリンパ球数が低い患者で研究されてきておらず、こうした患者を治療する場合には、注意を払わなければならない。テクフィデラ(登録商標)を用いた治療を開始する前に、リンパ球を含む現在の全血球計算を行わなければならない。リンパ球数が、正常範囲より低いことがわかった場合、リンパ球減少症の他の原因を検討しなければならず、適切なように補正対策をとらなければならない。治療開始後は、リンパ球を含む全血球計算を、3ヶ月ごとに行わなければならない。繰り返し検査で(3ヶ月で)リンパ球数が<0.7×10
9/Lであることが確認された場合は、治療を中止しなければならない。リンパ球数は、回復するまで経過観察されなければならない。
【0654】
進行性多巣性白質脳症(PML)
PML症例は、重篤かつ長期のリンパ球減少症という背景で、テクフィデラ(登録商標)の使用で発生した。PMLは、John−Cunninghamウイルス(JCV)により引き起こされる日和見感染症であり、この感染症は、致死性または重篤な身体障害をもたらす場合がある。PMLは、複数の要因の組み合わせにより引き起こされるようである。危険因子として、免疫系の変化または弱体化、及びさらに遺伝的または環境的危険因子の可能性が挙げられる。
【0655】
リンパ球数が<0.5×10
9/Lの患者は、偽薬で治療された患者の<1%及びテクフィデラ(登録商標)で治療された患者の6%で観察された。臨床試験では(対照臨床試験及び無対照臨床試験の両方で)、患者の2%で、少なくとも6ヶ月間リンパ球数が<0.5×10
9/Lとなった。これらの患者では、リンパ球数の大部分が、治療継続で<0.5×10
9/Lのままであった。
【0656】
重篤な長期リンパ球減少症の存在下で治療を継続する場合、PMLを含む日和見感染症の危険性を除外することはできない。したがって、リンパ球減少症が出た患者は、新たな神経性機能障害(例えば運動機能障害、認知または精神症候)の出現の徴候または症候について入念に監視しなければならない。PMLが疑われる場合、テクフィデラ(登録商標)を用いた治療を直ちに保留して、さらなる評価を行うべきである。
【0657】
免疫抑制療法または免疫調節療法を用いた以前の治療
患者が、他の疾患修飾治療からテクフィデラ(登録商標)へと切り替えた場合のテクフィデラ(登録商標)の効力及び安全性を評価する対照臨床試験は、行われたことがない。テクフィデラ(登録商標)治療を受けた患者でのPML発症に対する以前の免疫抑制療法の寄与は不明である。患者が別の疾患修飾治療からテクフィデラ(登録商標)へと切り替える場合、さらなる免疫効果を回避する目的で、しかしそれと同時に疾患の再活性化の危険性を最小限にする目的で、その別の治療の半減期及び作用様式を検討しなければならない。テクフィデラ(登録商標)を開始する前及び治療中定期的に、リンパ球を含む全血球計算を行わなければならない(上記の血液/臨床検査を参照)。
【0658】
テクフィデラ(登録商標)は、一般に、インターフェロンまたは酢酸グラチラマーの中止後直ちに開始することができる。
【0659】
良好な診療に従って、疾患修飾治療間の切り替え時には、MRIを検討すべきである。
【0660】
重篤な腎障害及び肝障害
テクフィデラ(登録商標)は、重篤な腎障害または重篤な肝障害の患者で調査されてきておらず、したがって、そうした患者では注意しなければならない。
【0661】
重篤な活動性胃腸管疾患
テクフィデラ(登録商標)は、重篤な活動性胃腸管疾患の患者で調査されてきておらず、したがって、そうした患者では注意しなければならない。
【0662】
紅潮
臨床試験では、テクフィデラ(登録商標)治療を受けた患者の34%で、紅潮が出た。紅潮が出た患者の大部分で、紅潮は重篤度が中度または軽度であった。
【0663】
臨床試験では、テクフィデラ(登録商標)治療を受けた患者の合計2,560人のうち3人の患者で、深刻な紅潮症候がでたが、これはおそらく過敏症またはアナフィラキシー様反応であった。これらのイベントは、生命を危うくするものではなかったが、入院することになった。調剤者及び患者には、重篤な紅潮反応のイベントにおけるこの可能性について警告しなければならない。
【0664】
感染症
第III相偽薬対照試験では、テクフィデラ(登録商標)または偽薬で治療を受けた患者のそれぞれで、感染症(60%対58%)及び深刻な感染症(2%対2%)の発生率は同様であった。リンパ球数が<0.8×10
9/Lまたは<0.5×10
9/Lの患者で、深刻な感染症の発生率増加は観察されなかった。MS偽薬対照試験でのテクフィデラ(登録商標)を用いた治療中、平均リンパ球数は、1年でベースラインから約30%低下し、その後プラトーになった。平均リンパ球数は、正常限度内のままであった。リンパ球数が<0.5×10
9/Lの患者は、偽薬で治療を受けた患者の<1%及びテクフィデラ(登録商標)で治療を受けた患者の6%で観察された。臨床試験では(対照試験及び無対照試験の両方で)、患者の2%で、少なくとも6ヶ月間リンパ球数が<0.5×10
9/Lとなった。これらの患者では、リンパ球数の大部分が、治療継続で<0.5×10
9/Lのままであった。
【0665】
重篤な長期リンパ球減少症の存在下で治療を継続する場合、進行性多巣性白質脳症(PML)を含む日和見感染症の危険性を除外することはできない(さらなる詳細については、上記のPMLのサブセクションを参照のこと)。
【0666】
患者が深刻な感染症を発症した場合、テクフィデラ(登録商標)を用いた治療の中止を検討すべきであり、治療を再開する前に利益と危険性を再評価すべきである。テクフィデラ(登録商標)を投与される患者には、担当医に、感染症の症候を報告するよう指導すべきである。深刻な感染症の患者は、感染症(複数可)が解消されるまで、テクフィデラ(登録商標)を用いた治療を開始すべきではない。
【0667】
6.10実施例10:患者の指導−添付文書
例として、添付文書のテクフィデラ(登録商標)使用の指導は、以下のとおりにできるが、これに限定されない:
【0668】
警告及び注意
テクフィデラ(登録商標)は、あなたの白血球数、腎臓、及び肝臓に影響を及ぼす場合があります。あなたがテクフィデラ(登録商標)を開始する前に、担当医が、あなたの白血球数を計数するための血液検査を行い、またあなたの腎臓及び肝臓が適切に機能していることを確認することになります。治療中は、担当医により、これらが定期的に検査されることになります。治療中にあなたの白血球数が減少した場合は、担当医はあなたの治療の停止を検討する場合があります。
【0669】
7.参照としての援用
特許、特許出願、及び公報などの様々な参照が本明細書中引用され、それらの開示は、そのまま全体が、本明細書中参照として、本明細書により援用される。