(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6786504
(24)【登録日】2020年10月30日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】ウマにおける発熱の処置及び防止のための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4152 20060101AFI20201109BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20201109BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20201109BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20201109BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20201109BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20201109BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20201109BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20201109BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20201109BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20201109BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20201109BHJP
A61K 47/16 20060101ALI20201109BHJP
A61K 47/14 20060101ALI20201109BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20201109BHJP
【FI】
A61K31/4152ZMD
A61P29/00
A61K9/06
A61K47/42
A61K47/36
A61K47/04
A61K47/32
A61K47/38
A61K47/34
A61K47/02
A61K47/10
A61K47/16
A61K47/14
A61K47/12
【請求項の数】47
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-545742(P2017-545742)
(86)(22)【出願日】2016年3月2日
(65)【公表番号】特表2018-507224(P2018-507224A)
(43)【公表日】2018年3月15日
(86)【国際出願番号】US2016020463
(87)【国際公開番号】WO2016141065
(87)【国際公開日】20160909
【審査請求日】2019年2月14日
(31)【優先権主張番号】62/127,401
(32)【優先日】2015年3月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517299032
【氏名又は名称】キンドレッド バイオサイエンシズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】サンドマン, エミリー
【審査官】
岩下 直人
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−519878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/4152
A61K 9/06
A61K 47/02
A61K 47/04
A61K 47/10
A61K 47/12
A61K 47/14
A61K 47/16
A61K 47/32
A61K 47/34
A61K 47/36
A61K 47/38
A61K 47/42
A61P 29/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱を伴うウマ科動物を処置する方法であって、前記ウマ科動物に治療有効用量のメタミゾールを経口投与することを含み、前記用量が、ゲルまたはペーストとして投与され、前記ゲルまたはペーストが、400mg/ml〜600mg/mlの濃度のメタミゾール、5mg/ml〜20mg/mlの濃度のキサンタンガム、及び50mg/ml〜200mg/mlの濃度のプロピレングリコールを含み、前記用量が、ウマ科動物対象の体重kg当たり25mg(mg/kg)〜40mg/kgのメタミゾールの範囲である、方法。
【請求項2】
前記用量が、ウマ科動物対象の体重kg当たり30mg(mg/kg)〜35mg/kgのメタミゾールの範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ゲルまたはペースト中のメタミゾールの濃度が、500mg/mlである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ゲルまたはペーストが、少なくとも1つの重合体賦形剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの重合体賦形剤が、アルブミン、アカシア、アルギン酸(またはアルギネート塩、例えばアルギン酸ナトリウム)、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロース、カラギーナン、セルロース、セルロースエーテル、キトサン誘導体、デキストラン、ジビニルエーテル−無水マレイン酸(DIVEMA)、ディドロキシ(dydroxy)エチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、ヒアルロン酸(HA)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド(HPMA)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、ペクチン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸(PAA)、ポリエチレングリコール(PEG)及びPEGコンジュゲート、ポリエチレンオキサイド、ポリオキサマー、ポリオキサゾリン、ポリホスフェート、ポリホスファゼン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニル(PVP−VA)、デンプンまたはデンプン系誘導体、トラガカント、ならびにキサンタンガムから選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ゲルまたはペーストが、ヒドロキシプロピルセルロースを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ヒドロキシプロピルセルロースが、10〜50mg/ml、または10〜40mg/ml、または10〜30mg/ml、または15〜25mg/mlの濃度で存在する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ゲルまたはペーストが、少なくとも1つの防腐剤を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記防腐剤が、アルコール、ベンジルアルコール、ブロノポール、クロルブトール、クロロクレソン(chlorocreson)、パラベン、ブチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェノール、フェニルエタノール、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、グリセリン、及びプロピレングリコールから選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ゲルまたはペーストが、少なくとも1つのパラベンを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ゲルまたはペーストが、メチルパラベン及び/またはプロピルパラベンを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ゲルまたはペーストが、メチルパラベン及びプロピルパラベンを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記パラベンが、0.1〜5mg/ml、または0.5〜5mg/ml、または1〜3mg/mlの濃度で存在する、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記キサンタンガムが、5mg/ml〜15mg/mlの濃度で存在する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記プロピレングリコールが、50mg/ml〜150mg/mlの濃度で存在する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ゲルまたはペーストが、500mg/mlのメタミゾールナトリウム一水和物、10mg/mlのキサンタンガム、及び100mg/mlのプロピレングリコールを水溶液中に含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記ウマ科動物の体温が、メタミゾールの投与後6時間で少なくとも1℃または少なくとも1.5℃または少なくとも2℃低下する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記ウマ科動物の体温が、第1用量のメタミゾールの投与後6時間で少なくとも1℃または少なくとも1.5℃または少なくとも2℃低下する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記体温が、直腸温度である、請求項17または請求項18に記載の方法。
【請求項20】
発熱を伴うウマ科動物を処置するための医薬組成物であって、前記医薬組成物が経口投与のためのゲルまたはペーストであり、前記ゲルまたはペーストが、400mg/ml〜600mg/mlの濃度のメタミゾール、5mg/ml〜20mg/mlの濃度のキサンタンガム、及び50mg/ml〜200mg/mlの濃度のプロピレングリコールを含み、前記用量が、ウマ科動物対象の体重kg当たり25mg(mg/kg)〜40mg/kgのメタミゾールの範囲である、医薬組成物。
【請求項21】
前記医薬組成物中の前記メタミゾール濃度が、500mg/mlである、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
少なくとも1つの重合体賦形剤を含む、請求項20または21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記少なくとも1つの重合体賦形剤が、アルブミン、アカシア、アルギン酸(またはアルギネート塩、例えばアルギン酸ナトリウム)、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロース、カラギーナン、セルロース、セルロースエーテル、キトサン誘導体、デキストラン、ジビニルエーテル−無水マレイン酸(DIVEMA)、ディドロキシ(dydroxy)エチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、ヒアルロン酸(HA)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド(HPMA)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、ペクチン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸(PAA)、ポリエチレングリコール(PEG)及びPEGコンジュゲート、ポリエチレンオキサイド、ポリオキサマー、ポリオキサゾリン、ポリホスフェート、ポリホスファゼン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニル(PVP−VA)、デンプンまたはデンプン系誘導体、トラガカント、ならびにキサンタンガムから選択される、請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
ヒドロキシプロピルセルロースを含む、請求項20〜23のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記ヒドロキシプロピルセルロースが、10〜50mg/ml、または10〜40mg/ml、または10〜30mg/ml、または15〜25mg/mlの濃度で存在する、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項26】
少なくとも1つの防腐剤を含む、請求項20〜25のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記防腐剤が、アルコール、ベンジルアルコール、ブロノポール、クロルブトール、クロロクレソン(chlorocreson)、パラベン、ブチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェノール、フェニルエタノール、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、グリセリン、及びプロピレングリコールから選択される、請求項26に記載の医薬組成物。
【請求項28】
少なくとも1つのパラベンを含む、請求項20〜27のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項29】
メチルパラベン及び/またはプロピルパラベンを含む、請求項28に記載の医薬組成物。
【請求項30】
メチルパラベン及びプロピルパラベンを含む、請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記パラベンが、0.1〜5mg/ml、または0.5〜5mg/ml、または1〜3mg/mlの濃度で存在する、請求項28〜30のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項32】
前記キサンタンガムが、5mg/ml〜15mg/mlの濃度で存在する、請求項20〜31のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項33】
前記プロピレングリコールが、50mg/ml〜150mg/mlの濃度で存在する、請求項20〜32のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項34】
500mg/mlのメタミゾールナトリウム一水和物、10mg/mlのキサンタンガム、及び100mg/mlのプロピレングリコールを水溶液中に含む、請求項20または請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項35】
前記メタミゾールが、メタミゾールナトリウム一水和物である、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記ゲルまたはペーストが、25℃において、200cps〜20,000cps、または500cps〜10,000cps、または1,000cps〜7,000cpsの粘度を有する、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
メタミゾールが、メタミゾールナトリウム一水和物である、請求項20〜34のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項38】
25℃において200cps〜20,000cps、または500cps〜10,000cps、または1,000cps〜7,000cpsの粘度を有する、請求項20〜34及び37のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項39】
前記ゲルまたはペーストが、ベンジルアルコールを含む、請求項1〜19、35、及び36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記ベンジルアルコールが、1〜50mg/ml、1〜30mg/ml、5〜30mg/ml、5〜20mg/ml、または10〜20mg/mlの濃度で存在する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記ベンジルアルコールが、15mg/mlの濃度で存在する、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
ベンジルアルコールを含む、請求項20〜34、37、及び38のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項43】
前記ベンジルアルコールが、1〜50mg/ml、1〜30mg/ml、5〜30mg/ml、5〜20mg/ml、または10〜20mg/mlの濃度で存在する、請求項42に記載の医薬組成物。
【請求項44】
前記ベンジルアルコールが、15mg/mlの濃度で存在する、請求項43に記載の医薬組成物。
【請求項45】
前記用量が、ウマ科動物対象の体重kg当たり40mg(mg/kg)である、請求項1〜19、35、36、及び39〜41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
シリンジを使用して前記ゲルまたはペーストが経口投与される、請求項1〜19、35、36、39〜41、及び45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
治療有効用量のメタミゾールが、一日最大3回、最大で5日間投与される、請求項1〜19、35、36、39〜41、45、及び46のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、あらゆる目的で全体が参照により本明細書に組み込まれる、2015年3月3日に提出された米国仮特許出願第62/127,401号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本開示は、限定されないが発熱の処置及び防止を含めた治療目的で非ヒト動物、特に、ウマ科動物にメタミゾール及びその薬学的に許容可能な塩を投与するための新規の医薬製剤ならびに送達及び処置方法を提供する。本開示はまた、新規の医薬製剤の調製のためのプロセスも提供する。
【背景技術】
【0003】
発熱(熱)は、ウマ科動物、例えば、ウマを含めた全ての哺乳動物に一般的なものである。発熱は、中核体温が、温度の制御設定点の増大に起因して正常範囲を超えて上昇することである。発熱は、深刻でないものから潜在的に深刻なもの及びさらには生命を脅かすものまでの範囲に及ぶ多くの医学的状態によって引き起こされ得る。これらとして、ウィルス、細菌、及び寄生虫感染、例えば、馬脳脊髄炎、ウマのインフルエンザ、ウマのヘルペスウィルス、西ナイルウィルス、腺疫、及びポトマック馬熱が挙げられる。身体的外傷及びストレスもまた、ウマにおいて熱を引き起こす可能性がある。熱は、有用な防衛機構であり得るが、身体の免疫反応がより高温で強化され得るため、非常に高い体温が、特に、長期間では、患者にかなりの健康上のリスクをもたらす可能性がある。動物及びヒトの健康管理の設定において、医学的介入によって患者の体温をより安全な範囲に低下させる(例えば、患者の熱を処置する)ことが多くの場合必要になる。ウマにおける最も一般的な病因のいくつかが、熱性病、例えば、呼吸器感染、ある特定の疝痛形態、ワクチン接種後反応、ならびにダニ及び蚊媒介感染である)。
【0004】
非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)メタミゾールの非経口投与によるウマ及び仔ウマにおける発熱の処置が当該分野において公知である。メタミゾール製品は、解熱剤、鎮痛剤、及び抗炎症剤として、ジェネリック名ジピロン、及び、限定されないがVetalgin(登録商標)を含む種々のブランド名でいくつかの国において販売されている。メタミゾールの現在入手可能な獣医製剤は、非経口(すなわち、筋肉内、静脈内(IV)、または皮下)投与を必要とし、IV投与が通常経路である。イヌに関する獣医市場において入手可能なメタミゾールの経口製剤は、用量を含めた種々の因子に起因してウマへの投与には好適でない。大型動物、例えば、ウマを処置するのに十分に高い濃度のメタミゾールの経口剤形を得ることは、それ自体が、技術的に難易度が高いものであるが、さらに、(i)ウマが摂取の前に口から吐き出すことに対抗して薬物を実際に摂取することを容易にする経口形式で、及び(ii)小屋環境において典型的に見られる温度で安定である経口形式で得ることは、なおさらに技術的に難易度が高い。
【0005】
しかし、ウマにおけるメタミゾールの非経口投与は、多くの困難を提示し、発熱を処置するためのより簡単な方法が必要とされている。ウマは大きな頸静脈を有しており、健康であるときには、アクセスが簡単である。しかし、他の末梢血管は、かなり難易度が高い。頸静脈へのアクセスは、限定されないが、血栓症、病弱な体質、及び局在化された皮膚疾患を含めた多くの理由で限定され得る。一旦、頸静脈にアクセル不能になると、ウマへの薬物の静脈内投与は極めて難易度が高い。さらに、いくつかの場合において、ウマ科動物へのメタミゾールの意図されない血管周囲投与は、限定されないが、静脈血栓症を含めた悪影響を結果として生じさせる場合がある。このことは、一般にメタミゾールのようなNSAIDに当てはまる。さらなる合併症が、多くの場合、薬物が獣医でない職員によってウマに投与されることに起因して生じる可能性がある。これらの個人は、多くの場合、非経口薬物を安全に投与するためのトレーニング及び経験が不足している。加えて、多くの薬物が繰り返しまたは慢性的に投与されて、静脈の血栓症に至る場合がある。最終的には、ウマ科動物の患者が回避行動を発する場合もあり、そのため、あらゆる薬物の繰り返し非経口投与が、当該理由のみで難易度が高い可能性がある。
【0006】
これら及び他の理由で、一般的に公知であってかつ現在入手可能な非経口製剤により経験されている困難を回避する、発熱を処置するためのウマ科動物への経口投与に好適なメタミゾールの獣医製剤に関して満たされていない要求が存在する。さらに、獣医でない、スキルのない介護者によってでもウマに容易かつ簡易に投与され得るメタミゾールの経口獣医製剤に関する満たされていない要求が存在する。これらを使用及び投与するためのかかる製剤及び方法を本開示によって提供する。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、治療有効量のメタミゾールの経口投与による、ウマにおける発熱及び他の疾患の防止のための方法を提供する。典型的には、成体ウマの治療有効量は、対象の体重kg当たり10〜60mg、すなわち、典型的には約25〜50mg/kgまたは30〜40mg/kgのメタミゾールの範囲で経口用量のメタミゾールを投与するのに十分な治療製剤の単位用量であり、そのため、典型的な350kg〜1000kgの成体雌ロバでは、例えば、30mg/kgで投与される典型的な治療有効(単回)用量は、10.5g〜30gの範囲である。仔ウマでは、治療有効量は、対象の体重kg当たり10〜50mg、すなわち、典型的には約15〜40mg/kgのメタミゾールの範囲で経口用量のメタミゾールを投与するのに十分な治療製剤の単位用量であり、そのため、典型的な仔ウマ(例えば、およそ35〜100kgの重量)では、例えば、20mg/kgで投与される典型的な治療有効(単回)用量は、700〜2000mgの範囲である。本開示はまた、メタミゾールの経口製剤も提供する。これらの経口製剤において、メタミゾールの濃度が約200〜750mg/mlの範囲であり、上記用量の典型的な製剤、すなわち、メタミゾールが500mg/ml、典型的な成体雌ロバでは20〜100mlの範囲で存在するものを作製し、これは、ウマの口腔で上記用量を堆積させるための例えばシリンジを使用して容易に投与され得る。本開示の製剤は、限定されないが、投与後に口腔に残存するのに十分な粘性の材料を含み、ペースト及びゲル製剤を含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、200mg/ml〜750mg/ml、または250mg/ml〜750mg/ml、または400mg/ml〜600mg/mlのメタミゾールを含む医薬組成物が提供され、該医薬組成物は、ウマ科動物への経口投与用である。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、ゲルまたはペーストである。いくつかの実施形態において、上記ゲルまたはペーストは、ヒドロキシプロピルセルロースを、例えば、10〜50mg/ml、または10〜40mg/ml、または10〜30mg/ml、または15〜25mg/mlの濃度で含む。いくつかの実施形態において、上記ゲルまたはペーストは、少なくとも1つのパラベンを含む。いくつかの実施形態において、上記ゲルまたはペーストは、メチルパラベン及び/もしくはプロピルパラベン、またはメチルパラベン及びプロピルパラベンを含む。いくつかの実施形態において、合計パラベンは、0.1〜5mg/ml、または0.5〜5mg/ml、または1〜3mg/mlの濃度で存在する。
【0009】
いくつかの実施形態において、ウマ科動物へのメタミゾールの経口投与のための医薬組成物が提供され、該医薬組成物は、少なくとも1つの重合体賦形剤を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの重合体賦形剤は、アルブミン、アカシア、アルギン酸(またはアルギネート塩、例えばアルギン酸ナトリウム)、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロース、カラギーナン、セルロース、セルロースエーテル、キトサン誘導体、デキストラン、ジビニルエーテル−無水マレイン酸(DIVEMA)、ディドロキシ(dydroxy)エチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、ヒアルロン酸(HA)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド(HPMA)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、ペクチン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸(PAA)、ポリエチレングリコール(PEG)及びPEGコンジュゲート、ポリエチレンオキサイド、ポリオキサマー、ポリオキサゾリン、ポリホスフェート、ポリホスファゼン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニル(PVP−VA)、デンプンまたはデンプン系誘導体、トラガカント、ならびにキサンタンガムから選択される。いくつかの実施形態において、ウマ科動物へのメタミゾールの経口投与のための医薬組成物は、キサンタンガムを含む。いくつかの実施形態において、キサンタンガムは、1mg/ml〜50mg/ml、または1mg/ml〜40mg/ml、または1mg/ml〜30mg/ml、または1mg/ml〜20mg/ml、または5mg/ml〜20mg/ml、または5mg/ml〜15mg/mlの濃度で存在する。
【0010】
いくつかの実施形態において、ウマ科動物へのメタミゾールの経口投与のための医薬組成物が提供され、該医薬組成物は、少なくとも1つの防腐剤を含む。いくつかの実施形態において、防腐剤は、アルコール、ベンジルアルコール、ブロノポール、クロルブトール、クロロクレソン(chlorocreson)、パラベン、例えば、限定することなく、ブチル、メチルまたはプロピルパラベン、フェノール、フェニルエタノール、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、グリセリン、及びプロピレングリコールから選択される。いくつかの実施形態において、ウマ科動物へのメタミゾールの経口投与のための医薬組成物は、プロピレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、プロピレングリコールは、10mg/ml〜500mg/ml、または10mg/ml〜300mg/ml、または50mg/ml〜300mg/ml、または50mg/ml〜200mg/ml、または50mg/ml〜150mg/mlの濃度で存在する。
【0011】
いくつかの実施形態において、200mg/ml〜750mg/ml、または250mg/ml〜750mg/ml、または400mg/ml〜600mg/mlのメタミゾールを含むゲルまたはペーストが提供され、該ゲルまたはペーストは、キサンタンガムを、例えば、1mg/ml〜50mg/ml、または1mg/ml〜40mg/ml、または1mg/ml〜30mg/ml、または1mg/ml〜20mg/ml、または5mg/ml〜20mg/ml、または5mg/ml〜15mg/mlの濃度で含む。いくつかの実施形態において、ゲルまたはペーストは、プロピレングリコールを、例えば、10mg/ml〜500mg/ml、または10mg/ml〜300mg/ml、または50mg/ml〜300mg/ml、または50mg/ml〜200mg/ml、または50mg/ml〜150mg/mlの濃度で含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、本明細書において提供される医薬組成物は、500mg/mlのメタミゾールナトリウム一水和物、10mg/mlのキサンタンガム、及び100mg/mlのプロピレングリコールを水溶液中に含む。
【0013】
種々の実施形態において、発熱を伴うウマ科動物を処置する方法が提供され、該方法は、上記ウマ科動物に治療有効用量のメタミゾールを経口投与することを含む。いくつかの実施形態において、上記用量は、ウマ科動物対象の体重kg当たり25mg(mg/kg)〜40mg/kgのメタミゾールの範囲であり、またはウマ科動物対象の体重kg当たり30mg(mg/kg)〜35mg/kgのメタミゾールの範囲である。いくつかの実施形態において、経口メタミゾールの投与後、ウマ科動物の体温が、メタミゾールの投与後6時間で少なくとも1℃または少なくとも1.5℃または少なくとも2℃低下する。いくつかの実施形態において、経口メタミゾールの投与後、ウマ科動物の体温が、第1用量のメタミゾールの投与後6時間で少なくとも1℃または少なくとも1.5℃または少なくとも2℃低下する。種々の実施形態において、体温が、直腸温度である。
【0014】
そのため、いくつかの実施形態において、本開示は、種々の経口製剤、ならびに、かかる製剤を、ウマにおける熱及び他の疾患を制御するための処置において使用する方法を提供する。該方法は、ウマに経口投与によって治療有効量のメタミゾールを、例えば、1回、数回または定期的に投与することを含む。ある特定の実施形態において、経口製剤は、本明細書に記載されている製剤である。本開示は、種々の実施形態において、種々のメタミゾール獣医経口製剤、ならびに種々の処置方法をさらに含む。
【0015】
本開示の1つの目的は、ウマ科動物に治療有効量で容易に投与され得るメタミゾールの医薬製剤であった。以下の実施例1は、本開示のこの目的が、ウマに経口投与されるメタミゾールの簡単な水性製剤を使用してどのように達成されたかを実証している。獣医及び介護者は、しかし、ウマでの使用が意図される経口投与薬物がより粘性の製剤であることを一般に好むため、本開示はまた、1つ以上のゲルまたは他の増粘剤を含む経口製剤も提供する。1つの重要な態様において、治療有効量のメタミゾールを含み、また、シリンジ内に容易に引き込まれ得、かつ所望の用量がウマの口腔での堆積によって投与された後、所望の用量が消費されるように十分に長く残存するような粘度を有する医薬ゲルまたはペースト製剤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施例1に記載されているように、30mg/kgの用量でウマに投与された経口及び静脈内剤形に関するメタミゾールバイオアベイラビリティの結果を示すチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
一態様において、本開示は、経口投与が意図されているゲルもしくはペーストまたは他の医薬製剤であるメタミゾールの医薬製剤を提供する。本開示のこの態様は、一部が、ウマに治療有効レベルのメタミゾールを経口で成功裏に投与することに関連する難易度の高い課題を克服することと組み合わせて、メタミゾールを経口で有効に投薬することができたという驚くべき発見から生じたものである。これらの難易度の高い課題は、不十分な粘度の溶液または他の液体製剤が、ウマの口腔及び咽喉の性質に起因して損失のリスクがあるため、ゲルまたはペースト製剤を開発することを含んだ。本開示は、経口投与後に適所に残存しかつ治療有効用量を送達するのに十分に高い粘度を有するメタミゾールの新規のゲル及びペースト製剤を提供する。発明の記載及びその利点のより良好な認識を容易にするために、以下の定義を提供する。
【0018】
定義
以下に別途定義されていない限り、本明細書において使用されている全ての技術的及び科学的用語は、この開示が属する分野の当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。
【0019】
用語「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」ならびに同様の指示対象は、本明細書において使用されているとき、別途本明細書において示されていないまたは文脈によって明らかに矛盾していない限り、単数形及び複数形の両方を称する。
【0020】
用語「約」は、本明細書において使用されているとき、記述されている値の1/10だけ、記述されている値または値の範囲よりも大きいまたは小さいことを称するが、いずれの値または値の範囲も、このより広範な定義のみに限定することは意図されていない。例えば、「約30%」の値は、27%と33%との間の値を意味する。用語「約」が先行する各値または値の範囲はまた、記述されている絶対値または値の範囲の実施形態を包含することも意図される。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において別途指示されていない限り、包含的に該範囲内にある各別個の値を個々に称する簡便な方法として機能することが単に意図されており、各別個の値は、あたかも本明細書において個々に列挙されているかのように、明細書に組み込まれる。
【0021】
句「増量剤」は、不活性であって、かつ、他の場合よりも大きな質量を有する生成物を簡潔に付与する、医薬製剤での使用に好適な賦形剤を称する。本開示の医薬製剤における使用に好適な増量剤として、限定することなく、ポリエチレングリコール(PEG)、例えば、PEG400及びPEG3350が挙げられる。
【0022】
句「コロイド分散液」は、コロイド寸法(すなわち、典型的には1nmと1μmとの間)の粒子が液体にわたって均一に分布されている材料を称する。
【0023】
用語「クリーム」は、一方が滴または液滴の形態で他方の中に分散されている、少なくとも2つの不混和性の液相を含むエマルジョンのタイプを称する。クリームは、典型的には、皮膚または粘膜への外用が意図される。
【0024】
用語「ゲル」は、本明細書において使用されているとき、溶液またはコロイド分散液に剛性を付与するゲル化剤を含有する半固体剤形である、ウマ科動物、例えば、ウマへの経口投与に安全である材料を称する。ゲルは、懸濁された粒子を含有する場合がある。
【0025】
用語「メタミゾール」(「ジピロン」としても公知である)は、本明細書において使用されているとき、[(2,3−ジヒドロ−1,5−ジメチル−3−オキソ−2−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)メチルアミノ]メタンスルホン酸及びその薬学的に許容可能な塩を称する。メタミゾールは、市販されており(例えば、BOC Sciences)、式I:
に示される構造を一般に有する。本明細書におけるメタミゾールへのいずれの言及も、そのいずれの薬学的に許容可能な塩、多形体、結晶またはプロドラッグ形態も称する。メタミゾール及びメタミゾールナトリウム及びメタミゾールナトリウム一水和物は、当該分野において公知の化合物であり、その調製のための方法は、文献に見出され得る。メタミゾールの例示的な薬学的に許容可能な塩は、式II:
における構造を有するナトリウム塩である。メタミゾールナトリウム一水和物は、メタミゾールナトリウムに会合する単一の水分子を含むメタミゾールナトリウムである。本明細書に提供される種々の実施形態において、メタミゾールの安定な活性代謝物、4−メチルアミノアンチピリン(4−MAA)は、本明細書において提供される医薬組成物におけるメタミゾールの代わりに使用されてよい。
【0026】
用語「軟膏」は、皮膚または粘膜への外用が意図される半固体調製物であって、炭化水素基剤、吸水性基剤、水除去性基剤、及び水溶性基剤である4つの「軟膏基剤」に由来する組成物である医薬製剤を称する。メルク獣医マニュアルは、「軟膏」を、溶解または分散された薬物を含有する脂肪性の半固体調製物として定義する。軟膏基剤として、炭水化物、植物油、シリコーン、炭水化物及びラノリンの混合物からなる吸水性基剤、炭水化物及び乳化剤の混合物からなる乳化基剤、ならびに水溶性基剤が挙げられる。軟膏基剤は、(i)皮膚に対する薬物流量を向上させることができる、角質層を水和させる閉鎖性;ならびに(ii)軟膏内への薬物溶解及び軟膏から皮膚への薬物分配に影響する性質により、局所的な薬物バイオアベイラビリティに影響する。
【0027】
用語「ペースト」は、皮膚、口腔、または粘膜への外用が意図される堅い稠度の半固体調製物であって、脂肪族ビヒクルに微細分散された高割合(20〜50%)の固体を含有する半固体剤形である医薬製剤を称する。
【0028】
句「医薬製剤」は、意図される用途で安全かつ有効である治療用途が意図される組成物を称する。1つの使用のタイプ、例えば、局所適用に安全かつ有効な製剤は、別の使用のタイプ、例えば、IV投与に安全でない場合がある。このように、「局所投与用の医薬製剤」は、例えば、意図される用途で安全または有効でないいずれのタイプの医薬製剤も排除する。
【0029】
用語「防腐剤」は、所望の身体的状態において薬物を維持する機能を果たす医薬製剤、例えば、軟膏での使用に好適な賦形剤を称する。防腐剤は、抗微生物性または抗酸化性を有していてよく、または他の場合には、薬物を、例えば、光または空気への暴露から保護する働きをし得る。好適な防腐剤として、パラベン、例えば、限定することなく、ブチル、メチルまたはプロピルパラベン;メタ重硫酸ナトリウム;ソルビン酸カリウム;ソルビン酸;及びブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)が挙げられる。
【0030】
用語「発熱」は、例えば、安全な設定点まで低下させる医学的介入を必要とすると医師または獣医によってみなされた体温の上昇(すなわち、熱)を称する。
【0031】
用語「半固体」は、注入可能でない材料を称し;これは、室温では容器に流動しないまたは適合しない。これは、低い剪断応力で流動せず、また、プラスチックの流動挙動を一般に示す。
【0032】
用語「可溶化剤」は、別の物質への薬物の溶解を容易にする医薬製剤、例えば、軟膏での使用に好適な賦形剤を称する。本明細書において提供される医薬製剤での使用に好適な可溶化剤として、限定されないが、DGME、Labrasol(登録商標)、及びオレイルアルコールが挙げられる。
【0033】
用語「溶液」は、混和性溶媒の1つまたは混合物に溶解された1つ以上の化学物質を含有する均一な液体調製物を称する。
【0034】
句「治療有効用量」は、経時的に複数の投与が治療の過程で投与されるときでも、一投与で同時または同時期に投与されて(いくつかの実施形態において、複数の単位用量形態、すなわち、ピル、錠剤、カプセル、注射、液体、ペーストが、一投与で投与され得る)所望の治療成果を達成する薬物(「活性な薬学成分」または「API」)の量を称する。
【0035】
種々の実施形態において、メタミゾールは、発熱を防止または処置するためのウマへの経口投与用の医薬製剤において使用される。種々の好ましい実施形態において、メタミゾールは、ゲルの形態で経口投与される。本明細書に提供される方法の実施のためのメタミゾールの治療有効用量は、25mg〜40mgメタミゾール/動物の体重(kg)(mg/kg)/用量の範囲である。典型的には、治療有効用量は、1回のみ、または数回を超えず連日投与され、連日投与は、数日以上継続されるが、いくつかの動物には、いくつかの目的で、1日処置が有効であり得る。処置は、しかし、一般に、数日〜1週間以上連続して継続される。用量は、処置される動物の体重のkgを使用して調整されてよい。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるゲル製剤による経口投与は、2、3、5、7日、またはそれを超えて連日継続される。
【0036】
句「増粘剤」及び「ゲル化剤」は、本明細書において使用されているとき、他の所望の特性を実質的に変化させることなく液体の粘度を増大させ得るいずれの薬学的に許容可能な物質も称する。
【0037】
いくつかの実施形態において、本開示は、動物が材料を飲み込むときに製剤の経口摂取を提供するための、すなわち、アプリケータ、例えば、シリンジまたはスパチュラによってウマの口腔に置かれ得るゲル、ペーストまたは他の好適な半固体形態である医薬製剤を提供する。好ましい実施形態において、しかし、製剤は、経口消費されるように動物の口腔に置かれるゲルである。このように、いくつかの実施形態において、本開示は、経口投与され得るゲルまたは他の好適な半固体形態である医薬製剤を提供する。
【0038】
本開示は、メタミゾールを含む新規の経口医薬製剤を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、治療有効量のメタミゾール、例えば、メタミゾールナトリウムまたはメタミゾールナトリウム一水和物と、増粘剤と、場合により香味剤とを含む、経口投与用のメタミゾールの医薬製剤を提供する。いくつかの実施形態において、増粘剤は、ポリマーもしくはモノマーならびにゲル化剤またはいずれか及び全ての混合体である。
【0039】
本開示のいくつかの実施形態において、医薬組成物は、25〜40mg/kgの投薬を可能にするのに十分に高い濃度、すなわち、約200mg/ml〜750mg/ml、または250mg/ml〜750mg/mlの範囲の濃度でメタミゾールを含有する。典型的には、投与される用量は、約10〜50mg/kg、または10〜40mg、または20〜50mg/kg、または20〜40mg、または10mg/kg〜35mg/kg、または10〜30mg、または15〜35mg、または15〜30mgの範囲である。本開示のいくつかの実施形態において、医薬組成物は、約25%w/w〜50%w/wの範囲のメタミゾールを含有する。
【0040】
いくつかの実施形態において、治療有効単位用量は、約10〜100ml、または約10〜75ml、または約10〜50ml、好ましくは20ml〜30mlの容積を有する。
【0041】
いくつかの実施形態において、治療有効用量は、30mg/kgであり、経口投薬製剤におけるメタミゾールの濃度は500mg/mlである。
【0042】
本明細書に提供される経口製剤は、例えば、限定することなく、実施例において示されているように本開示により経口投与されて発熱を処置することができる、IV投与用のVetalgin(Intervet)メタミゾール製品の粘度よりも高い粘度を一般に有する。所望の粘度は、薬物の投与者が、溶液がなすようにウマの口腔を洗い流すよりもむしろ消費されるという確実性でウマの口腔に治療有効用量を投入することを可能にする、半固体、すなわち、ゲルまたはペーストの粘度の範囲である。
【0043】
所望の粘度は、25℃において少なくとも約200センチポイズ(cps)〜30,000cps、200cps〜20,000cps、または500cps〜10,000cps、または1,000cps〜7,000cpsである。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、25℃において500cps超10,000cps未満の最終粘度を達成するのに十分な濃度で増粘剤を含む。
【0044】
この粘度は、説明例を以下に記載する種々の薬学的に許容可能な重合体賦形剤または他の増粘剤及び/もしくはゲル化剤を使用することによって達成されてよく、その結果、本明細書に提供される新規の製剤が、典型的には、シリンジを使用して投与されるゲルの形態となる(ペーストは、同様に、調製及び経口投与することができた)。典型的な新規のゲル製剤は、このように、メタミゾールと、水と、ゲルを調製するのに使用される製剤条件と一緒になって所望の粘度のゲルを付与する少なくとも1つ(典型的には2つ以上)の薬学的に許容可能な重合体賦形剤とを含有する。
【0045】
好適な薬学的に許容可能な重合体賦形剤として、例えば、限定することなく、アルブミン、アカシア、アルギン酸(またはアルギネート塩、例えばアルギン酸ナトリウム)、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロース、カラギーナン、セルロース、セルロースエーテル、キトサン誘導体、デキストラン、ジビニルエーテル−無水マレイン酸(DIVEMA)、ディドロキシ(dydroxy)エチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、ヒアルロン酸(HA)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド(HPMA)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、ペクチン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸(PAA)、ポリエチレングリコール(PEG)及びPEGコンジュゲート、ポリエチレンオキサイド、ポリオキサマー、ポリオキサゾリン、ポリホスフェート、ポリホスファゼン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニル(PVP−VA)、デンプンまたはデンプン系誘導体、トラガカント、ならびにキサンタンガムが挙げられる。当業者は、これらのポリマーが当該分野においてゲル化剤または増粘剤と種々に呼ばれ得ること、及びいずれの薬学的に許容可能なゲル化剤または増粘剤が、特に、以下の実施例において記載されているある特定の製剤の説明的な新規の実施形態において具体的に例示されている重合体賦形剤(複数可)の全てもしくはいくらかの部分の代用物として、またはこれに加えて、ゲルまたはペースト製剤において使用されてもよいことを認識する。
【0046】
種々の実施形態において、経口医薬製剤は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)及び/またはパラベンを含有する。いくつかのかかる実施形態において、HPCは、10〜50mg/ml、または10〜40mg/ml、または10〜30mg/ml、または15〜25mg/mlの濃度で存在してよい。パラベンの全部が、いくつかの実施形態において、0.1〜5mg/ml、または0.5〜5mg/ml、または1〜3mg/mlの濃度で存在してよい。Kluce(商標)HXF PH(Ashland Chemical)は、市販のヒドロキシプロピルセルロースであり、メチルパラベン及びプロピルパラベンも同じく市販されている(Ruger Chemical)。
【0047】
いくつかの実施形態において、経口製剤は、約25%〜少なくとも約50%のメタミゾールと;0.5〜10%の1つ以上の増粘剤とを有し;他の場合には、水と、場合により他の薬学的に許容可能な賦形剤(限定することなく、1つ以上の重合体賦形剤、防腐剤、例えば、抗酸化剤、例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム、及び/または抗微生物剤、所望のpHを維持するための緩衝剤、ならびに香味剤を含む)とを含有する。
【0048】
香味剤は、用いられるとき、医薬組成物の香味を改変して、意図されるウマ科動物レシピエントによる、投与される単位用量の受容を増大させる、いずれの天然の、天然同一の、及び/または人口の香味物質(複数可)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、0.5%w/w〜10%w/w、1%w/w〜5%w/wの範囲、好ましくは約2%w/wの範囲の香味剤を含有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物の香味剤はリンゴである。
【0049】
医薬製剤は、製剤の特性または機能を改善する1以上のさらなる賦形剤を含んでいてよい。例えば、いくつかの実施形態において、医薬製剤は、1以上の防腐剤を含有する。いくつかの実施形態において、医薬製剤は、アルコール、ベンジルアルコール、ブロノポール、クロルブトール、クロロクレソン(chlorocreson)、パラベン、例えば、限定することなく、ブチル、メチルまたはプロピルパラベン、フェノール、フェニルエタノール、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、グリセリン、及びプロピレングリコールからなる群から選択される1以上の防腐剤を含有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、0.05%w/w〜0.5%w/wの範囲の防腐剤を含有し、典型的には、量は、約0.2%w/wである。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも2の防腐剤、例えば、メチルパラベン及びプロピルパラベンを含有する。他の実施形態において、医薬組成物は、抗酸化剤、例えば、メタ重亜硫酸ナトリウムである防腐剤を含有する。本明細書に提供される種々の製剤として、メタ重亜硫酸ナトリウム、メチルパラベン、及びプロピルパラベンが挙げられる。
【0050】
本明細書に提供される医薬製剤は、緩衝剤、例えば、緩衝塩及び/またはpH緩衝添加剤をさらに含んでいてよい。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、溶媒特性を有する防腐剤を、例えば、プロピレングリコールを、より高濃度で、例えば、10mg/ml〜500mg/ml、または10mg/ml〜300mg/ml、または50mg/ml〜300mg/ml、または50mg/ml〜200mg/ml、または50mg/ml〜150mg/mlの濃度で含有する。
【0051】
いくつかの実施形態において、本明細書において提供される経口製剤は、250〜750mg/mlのメタミゾールナトリウム一水和物と、5〜15mg/mlのキサンタンガムと、50〜150mg/mlのプロピレングリコールとを含む、pH7.5〜8の水溶液を含む。いくつかの実施形態において、経口製剤は、1〜50mg/ml、1〜30mg/ml、5〜30mg/ml、5〜20mg/ml、または10〜20mg/mlのベンジルアルコールを含む。
【0052】
いくつかの実施形態において、本明細書において提供される経口製剤は、500mg/mlのメタミゾールナトリウム一水和物と、10mg/mlのキサンタンガムと、100mg/mlのプロピレングリコールとを含む、pH7.8の水溶液を含む。いくつかの実施形態において、製剤は、15mg/mlのベンジルアルコールを含んでいてよい。
【0053】
本開示は、本明細書において提供される新規の医薬製剤を調製するためのプロセスにさらに関する。いくつかの実施形態において、医薬製剤の調製のためのプロセスは、第1容器において、水の30%を60℃と70℃との間に加熱する第1ステップを含む。第1容器において加熱された水を、次いで、高速で混合する。加熱された水に次いでメタミゾールを添加し、溶解するまで混合する。混合物の温度を次いで50℃と60℃との間まで低下させる。次いで混合物に第1防腐剤を添加し、溶解するまで混合し、その後、第2防腐剤を添加し、これをまた、溶解するまで混合する。次いで混合物に香味剤を添加し、混合物に完全に組み込まれるまで混合する。次いで混合物にゲル化剤を添加し、5分間混合してスラリーを作り出す。別個の容器において、水の残りの70%を21℃未満の温度で維持し、低速で混合する。次いで第1容器からのスラリーを第2容器の水に添加し、ゲルが形成するまで混合する。
【0054】
いくつかの実施形態において、第2容器にスラリーを添加する前に、増粘剤を第1及び第2容器の少なくとも一方に添加する。いくつかの実施形態において、増粘剤をゲルが形成する前及び/または後に第2容器に添加する。
【0055】
本明細書に提供される経口ゲル医薬製剤は、ウマに無針シリンジを使用して容易に投与される組成物を提供する物性の利点を有していてよく、ここで、ゲルの粘度は、飲み込まれるまでウマの口腔において投与量を保持することを助ける。新規の医薬製剤は、発熱についてウマ科動物を処置するのに治療的に有効であるメタミゾールの単位用量形態(投与されるゲルの量)を付与するというさらなる利点を有する。
【0056】
本明細書において提供される医薬組成物は、処置が意図されるウマ科動物対象への忍容性を増加させる香味剤と場合により組み合わせて治療有効量のメタミゾールを含有する適宜粘性の製剤を確保するという利点を有する場合がある。種々の実施形態において、本開示は、例えば室温での使用において少なくとも1日、1週間、2週間または少なくとも30日間安定であって、無針シリンジまたは経口投与の他の同様の簡易形態を介して容易に投薬され投与されるゲルを提供する。多くの実施形態において、市販品は、複数の用量(例えば、限定することなく、約3〜約30、または約3〜約10、または約3〜約6)の本明細書に提供される医薬組成物を含有する容器を含み、該市販品は、単一の容器にパッケージングされかつ販売されていてよく、これにより、ユーザーが、場合により医薬製剤と共にパッケージングされかつ販売されていてよいシリンジを介してアクセスし、用量を投与する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、効能の有意な損失を伴わずに最大1年または最大2年間、例えば、未開封の容器において保存され得る。
【0057】
一態様において、本開示は、このように、ウマ科動物における発熱を処置する方法であって、ウマ科動物患者に治療有効用量のメタミゾールの経口製剤を投与することを含む上記方法を提供する。製剤は、新規でなければならないというわけではなく;実施例に示されているように、IV投与用に調製された経口投与されるメタミゾールが、本開示にしたがって代わりに経口投与されてよい。しかし、投与及び効能の有意な利益を付与し得る新規の製剤を提供する。本明細書に提供される方法において使用される単位用量形態は、いずれの頻度で投与されてもよいが、また、いくつかの実施形態においては、単回用量が所望の処置を提供するが、本明細書に提供される方法もまた、少なくとも5日間まで連日で少なくとも3回までを含めた繰り返しの連日投与も含む。これらの方法の種々の実施形態において、治療有効用量は30〜35mg/kgであり、単位用量が、メタミゾールが製剤の少なくとも25%、典型的には少なくとも50%のw/w百分率で存在して単位用量が20〜50mlの範囲であることを可能にする製剤で投与される。
【実施例】
【0058】
実施例1:経口投与されたメタミゾールがウマ科動物において発熱を処置することができることの実証
【0059】
4頭のウマにおける試験を行って、メタミゾールの経口バイオアベイラビリティを実証した。IV投与用の市販のVetalgina製品(Intervet)(ナトリウム塩)を製造者の指示にしたがって投与した。血漿を、投与の前に特定の間隔で最大48時間収集した。ウマが洗い流し期間を経た後、水スラリー中の有効成分(メタミゾールナトリウム一水和物)をウマの胃に経鼻胃管挿管を介して投与した。血漿を、静脈内投与の前に特定の間隔で最大48時間再び収集した。ウマを、両方の被験物質についてキログラム基準当たりのミリグラムで適合させた用量で処置した。血漿をメタミゾールナトリウムの一次代謝産物、4−メチルアミノアンチピリン(4−MAA)についてアッセイした。結果は、
図1に示すように、経口及び非経口投与されたメタミゾール間で同等のバイオアベイラビリティを実証した。
【0060】
第2のパイロット試験を行い、経口投与されたメタミゾールの効能を実証した。有効成分としてのメタミゾールを経口投与用の単一ゲルに製剤化し、30mg/体重kgで投薬した。自然発生した呼吸器感染を有する8頭のウマを準備した。ウマの体温をモニタリングした。この試験で選択されたウマは、6時間にわたって102.0°F以上の一貫した体温を実証した。ウマをメタミゾールの経口製剤ナトリウムによって最大3回処置した。直腸温度をモニタリングして、処置への応答を判断した。8頭の全てのウマが、メタミゾールナトリウムの経口投与後の直腸温度において、2°F以上の体温減少または用量の投与後6時間で正常体温(101.0°F以下)に戻ることによって定義される臨床的に有意な改良を実証した。表1は、投与した第1用量についての所見を記載する。発熱は、薬物の血漿滞留時間に適する時点で再発した。この試験は、メタミゾールナトリウムの経口投与が成体ウマにおいて熱を制御するのに有効であることを実証した。
【0061】
【0062】
実施例2:メタミゾールの経口製剤
【0063】
220グラムの精製水を第1容器内に入れ、高速での混合を経ながら60〜70℃に加熱する。加熱した水に249グラムのメタミゾールナトリウム一水和物を添加し、完全に溶解するまで混合する。混合物の温度を55〜60℃に低減する。1.8グラムのメチルパラベンを第1容器に添加し、完全に溶解するまで混合する。次いで0.2グラムのプロピルパラベン第1容器に添加し、完全に溶解するまで混合する。次いで20.4グラムのKlucel(商標)HXF PHヒドロキシプロピルセルロースを第1容器に添加し、5分間混合してスラリーを作り出す。次いで514グラムの精製水を第2容器に添加し、第2容器における精製水の温度を22℃未満に維持しながら低速で混合する。第1容器からのスラリーを第2容器に添加し、ゲルが形成するまで混合する。
【0064】
2ロット(少なくとも244mg/mlの量で存在するメタミゾールナトリウム一水和物を含む、一方が約1kg、他方が2kg超)を概して上記方法によって製造し、アリコートを200ccの琥珀色のボトル(約140〜160ml/ボトル)に入れ、40℃、75%の相対湿度で保存し、安定性の初期アセスメントを行った。1ヶ月後、ロットは、両方とも94%超のラベルクレーム、一方は99%ラベルクレームを実証した。
【0065】
メタミゾールの経口製剤は、249mg/mlのメタミゾールナトリウム一水和物、20.4mg/mlのKlucel(商標)HXF、1.8mg/mlのメチルパラベン、及び0.2mg/mlのプロピルパラベンを含む水性製剤であった。
【0066】
実施例3:発熱の処置
【0067】
ウマを、発熱について、35mg/kgの用量でメタミゾールナトリウム一水和物の経口ゲル製剤によって処置する。例えば、体重1000lbs(454kg)のウマは、約30ml用量で約16gのメタミゾールナトリウム一水和物を受容し、該用量におけるメタミゾールの濃度は約500mg/mlである。
【0068】
別の例において、ウマを、発熱について、30mg/kgの用量でメタミゾールナトリウム一水和物の経口ゲル製剤によって処置する。種々の場合において、ウマを、発熱について、30〜35mg/kgの用量でメタミゾールナトリウム一水和物の経口ゲル製剤によって処置し、この用量を、1〜最大で5日間の連日、1回〜最大3回を超えずに投与する。
【0069】
実施例4:メタミゾールの経口製剤による発熱の処置
【0070】
成熟ウマにおける経口メタミゾールの効能を決定するための二相試験を以下のように行った。第1相において、感染性疾患の臨床的兆候を有する9頭のウマを記録した。一旦ウマが102.0°F以上の単一の体温読み取り値を有したら、これを試験において記録し、1時間以内にメタミゾールナトリウム一水和物を30mg/kgで経口投薬した。
【0071】
第2相において、感染性疾患の臨床的兆候を有する8頭のウマを記録した。一旦ウマが102.0°F以上の単一の体温読み取り値を有したら、これを試験において記録し、1時間以内にメタミゾールナトリウム一水和物を40mg/kgで経口投薬した。
【0072】
両方の相で使用したメタミゾールの経口製剤は、500mg/mlのメタミゾールナトリウム一水和物、10mg/mlのキサンタンガム、100mg/mlのプロピレングリコール、及び15mg/mlのベンジルアルコールを含む水性製剤であった。製剤を、水酸化ナトリウムを使用してpH7.8に調整した。
【0073】
両方の相で、直腸温度を所定の間隔でモニタリングした。ウマに、直腸温度及び最小投薬間隔に基づいてさらに5回まで再投薬し、合計で6回用量であった。熱には、メタミゾールによる再投薬が必要とされた。一次応答者を、6時間における体温が、0時間から2°F以上減少するか、または投薬1の後に101.0°F以下に減少したかのいずれかであったウマと定義した。表2は、全ての投薬に関する試験の結果を示す。
【0074】
【0075】
相1(30mg/kg)において、9頭中7頭のウマを投薬1の後の一次応答者として定義した。相2(40mg/kg)において、8頭中7頭のウマを投薬1の後の一次応答者として定義した。有害事象は、記録が必要とされる潜在する感染と一致していた。
【0076】
上記発明を理解の明瞭さの目的で図示及び例によっていくぶん詳細に記載したが、詳細な説明及び実施例は、本発明の範囲を限定するとして解釈されるべきではない。本明細書に列挙している全ての特許及び科学文献は、参照により全体が明確に組み込まれる。