(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに、前記自律走行車の実際速度と目標速度との間の速度差を最小化させる第3トルク力を計算し、前記第3トルク力に基づいて前記スロットル−ブレーキトルク力を決定するステップを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
前記操作はさらに、前記自律走行車の実際速度と目標速度との間の速度差を最小化させる第3トルク力を計算し、前記第3トルク力に基づいて前記スロットル−ブレーキトルク力を決定するステップを含む
ことを特徴とする請求項8に記載の機械可読媒体。
前記操作はさらに、前記自律走行車の実際速度と目標速度との間の速度差を最小化させる第3トルク力を計算し、前記第3トルク力に基づいて前記スロットル−ブレーキトルク力を決定する操作を含む
ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、検討した詳細を参照して本発明の様々な実施形態及び態様を説明し、添付の図面は、前記様々な実施形態を示す。以下の説明及び図面は、本発明の例示であり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。本発明の様々な実施形態の完全な理解を提供するために、多くの詳細が記載されている。しかしながら、場合によって、本発明の実施形態の説明の簡潔さから、周知又は従来の詳細は記載されていない。
【0010】
本明細書において、「一実施形態」又は「実施形態」とは、当該実施形態に説明した特定の特徴、構造、又は特性を本発明の少なくとも1つの実施形態に含めることができることを意味する。本明細書を通じて使用される「一実施形態では」という語句は、必ずしもすべて同じ実施形態を指すとは限らない。明細書における「トルク力」(TF)とは、トルク又は回転力を意味する。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、感知及び計画システムの制御モジュールは、自律走行車(ADV)のスロットル又はブレーキ制御をどのぐらい及びいつ用いるかを決定し、ADVに計画経路の障害物を迂回し又は回避するように操縦する。計画経路は、加速、減速、又は参照速度の維持を含んでもよい。
【0012】
一実施形態において、制御モジュールは、自律走行車を加速させるための第1トルク力を計算して、自律走行車を操縦し、参照速度を維持するための第2トルク力(例えば、摩擦力と風の抵抗を克服する)を計算し、車両速度の初期差及び車両速度に影響するADVの外部干渉(例えば、急な坂において走行する)を最小化させる第3トルク力を計算する。速度制御システムは第1トルク力、第2トルク力及び第3トルク力に基づいてスロットル制御又はブレーキ制御(スロットル−ブレーキ)トルク力を決定し、決定されたスロットル−ブレーキトルク力に基づいてADVの次の速度を制御する。
【0013】
一実施形態において、第1トルク力は、ADVの第1目標速度を決定して、第1参照時間にADVを操縦するステップと、ADVの第2目標速度を決定して、第2参照時間にADVを操縦するステップと、制御命令を出す時間から実際の速度出力が観測されたまでの機械コマンド遅延を配慮して第1目標速度と第2目標速度に基づいて加速度トルク力を計算して第1トルク力とするステップと、によって計算される。別の実施形態では、コマンド遅延は加速度制御を応用するADVと減速度制御を応用するADVとに対して異なる。別の実施形態では、第1目標速度と第2目標速度との間の差を取得して、第1参照時間と第2参照時間の間の差で割ることで第1ルク力を計算する。
【0014】
一実施形態において、第2トルク力は、ADVの現在の速度を決定するステップと、ADVに作用する摩擦力を決定するステップと、ADVに作用する風の抵抗を決定するステップと、現在の速度、摩擦力及び風の抵抗に基づいて、参照時間内に安定速度に維持に用いられるトルク力を計算するステップと、によって計算される。別の実施形態では、ADVの現在の速度の二次微分に基づいて風の抵抗を決定し、ADVの現在の速度の一次微分に基づいて摩擦力を決定する。
【0015】
一実施形態において、第3トルク力は、ADVの目標速度を決定するステップと、ADVの実際速度を決定するステップと、比例−積分−微分(PID)コントローラで目標速度と実際速度に基づいて速度の初期オフセット及びADVの任意の外部干渉(例えば、急な坂において走行する)を計算するステップと、によって計算される。別の実施形態では、第1トルク力と、第2トルク力と、第3トルク力とを加算することでスロットル−ブレーキトルク力を計算する。
【0016】
図1は本発明に係る一実施形態に係る自律走行車のネットワーク配置を示すブロック図である。
図1を参照して、ネットワーク配置100はネットワーク102によって1つ以上のサーバ103〜104に通信可能に接続することができる自律走行車101を含む。1つの自律走行車を示すが、ネットワーク102によって複数の自律走行車は互いに接続され、及び/又はサーバ103〜104に接続されることができる。ネットワーク102は、任意のタイプのネットワーク、例えば有線又は無線のローカルエリアネットワーク(LAN)、例えばインターネット、セルラーネットワーク、衛星ネットワークの広域ネットワーク(WAN)又はその組み合わせであってもよい。サーバ103〜104は任意のタイプのサーバ又はサーバクラスタ、例えばWebサーバ又はクラウドサーバ、アプリケーションサーバ、バックエンドサーバ又はその組み合わせであってもよい。サーバ103〜104は、データ分析サーバ、内容サーバ、交通情報サーバ、地図(マップ)及び興味のあるポイント(MPOI)サーバ又は位置サーバ等であってもよい。
【0017】
自律走行車とは、自律モードになるように配置できる車両を指し、前記自律モードで車両が運転者からの入力が非常に少ない又はない場合にもナビゲーションして環境を通過する。このような自律走行車は、センサシステムを含んでもよく、前記センサシステムは車両走行環境に関連する情報を検出するように配置される1つ以上のセンサを有する。前記車両及びその関連するコントローラは検出した情報を使用してナビゲーションし環境を通過する。自律走行車101は、手動モード、完全自律モード又は部分自律モードで運行することができる。
【0018】
一実施形態において、自律走行車101は、感知及び計画システム110と、車両制御システム111と、無線通信システム112と、ユーザインターフェースシステム113と、センサシステム115とを含むが、これらに制限されない。自律走行車101は、通常の車両に含まれるある一般的な構成要素(部材)、例えばエンジン、車輪、ハンドル、変速器等をさらに含んでもよく、前記構成要素は、車両制御システム111及び/又は感知及び計画システム110により多種の通信信号及び/又は命令(例えば加速度信号又は命令、減速信号又は命令、ステアリング信号又は命令、ブレーキ信号又は命令等)を使用して制御することができる。
【0019】
構成要素110〜115は、インターコネクト、バス、ネットワーク又はそれらの組み合わせを介して互いに通信可能に接続することができる。例えば、構成要素110〜115は、コントローラローカルエリアネットワーク(CAN)バスを介して互いに通信可能に接続することができる。CANバスは、マイクロコントローラ及び装置がホストコンピューターのない使用において互いに通信することを許可するような車両バス標準として設計される。それはメッセージに基づくプロトコルであり、最初に自動車内における複数の電線のために設計されたが、数多くのその他の環境(状況)にも用いられる。
【0020】
現在、
図2を参照して、一実施形態において、センサシステム115は、1つ以上のカメラ211と、全地球測位システム(GPS)ユニット212と、慣性計測ユニット(IMU)213と、レーダーユニット214と、LIDAR(光検出及び測距)ユニット215とを含むが、これらに制限されない。GPSシステム212は、送受信機を含んでもよく、前記送受信機は、自律走行車の位置に関する情報を提供するように動作することができる。IMUユニット213は、慣性加速度に基づいて自律走行車の位置及び方向変化を感知することができる。レーダーユニット214は、無線信号を利用して自律走行車のローカル環境内の対象を感知するシステムを示すことができる。いくつかの実施形態において、対象を感知する以外、レーダーユニット214は、さらに対象の速度及び/又は進行方向を感知することができる。LIDARユニット215はレーザを使用して自律走行車の所在する環境における対象を感知することができる。その他のシステム構成要素以外、LIDARユニット215は1つ以上のレーザ光源、レーザースキャナ及び1つ以上の検出器をさらに含んでもよい。カメラ211は、自律走行車の周辺環境の画像をキャプチャするための1つ以上の装置を含んでもよい。カメラ211は、スチルカメラ及び/又はビデオカメラであってもよい。カメラは、例えば回転及び/又は傾斜のプラットフォームに取り付けられる、機械的に移動可能なものであってもよい。
【0021】
センサシステム115は、その他のセンサ、例えばソナーセンサ、赤外線センサ、ステアリングセンサ、スロットルセンサ、ブレーキセンサ、及びオーディオセンサ(例えばマイクロフォン)をさらに含んでもよい。オーディオセンサは、自律走行車周辺の環境から音をキャプチャするように配置されてもよい。ステアリングセンサは、ハンドル、車両の車輪又はその組み合わせのステアリング角を感知するように配置できる。スロットルセンサ及びブレーキセンサは、それぞれ車両のスロットル位置及びブレーキ位置を感知する。いくつかの場合、スロットルセンサ及びブレーキセンサは、集積型スロットル/ブレーキセンサに一体化されてもよい。
【0022】
一実施形態において、車両制御システム111は、ステアリングユニット201と、スロットルユニット202(加速ユニットとも呼ばれる)と、ブレーキユニット203とを含むが、これらに制限されない。ステアリングユニット201は、車両の方向又は進行方向を調整することに用いられる。スロットルユニット202は、モーター又はエンジンの速度を制御して、続いて車両の速度及び加速度を制御することに用いられる。ブレーキユニット203は、摩擦を提供することによって車両の車輪又はタイヤをスローダウンして車両を減速させることに用いられる。注意すべきなのは、
図2に示すような構成要素はハードウェア、ソフトウェア又はその組み合わせで実現されることができる。
【0023】
図1を再び参照して、無線通信システム112は、自律走行車101と、例えば装置、センサ、その他の車両等の外部システムとの間に通信することを可能にする。例えば、無線通信システム112は、1つ以上の装置に直接に又は通信ネットワークを介して無線通信し、例えばネットワーク102によってサーバ103〜104に通信できる。無線通信システム112は、任意のセルラー通信ネットワーク又は無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)(例えばWiFi)を使用して他の構成要素やシステムに通信することができる。無線通信システム112は、例えば赤外線リンク、ブルートゥース等を使用して装置(例えば、乗客の移動装置、表示装置、車両101内のスピーカー)に直接に通信できる。ユーザインターフェースシステム113は、車両101内で実行される周辺装置の一部であってもよく、例えば
キーボード、タッチスクリーンディスプレイ装置、マイクロフォン、及びスピーカー等を含む。
【0024】
自律走行車101の一部又は全ての機能は、特に自律運転モードで操作する場合、感知及び計画システム110により制御したり管理したりすることができる。感知及び計画システム110は、必要なハードウェア(例えば、プロセッサ、メモリ、メモリ)、及びソフトウェア(例えば、オペレーティングシステム、計画及びルーティングプログラム)を含み、センサシステム115、
車両制御システム111、無線通信システム112、及び/又はユーザインターフェースシステム113から情報を受信し、受信された情報を処理し、出発地から目的地までのルートや経路を計画し、そして計画及び制御情報に基づいて車両101を運転させる。あるいは、感知及び計画システム110と車両制御システム111とは一体化されてもよい。
【0025】
例えば、乗客のユーザとして、例えばユーザインターフェースによって旅程の出発位置及び目的位置を指定することができる。感知及び計画システム110は旅程関連データを取得する。例えば、感知及び計画システム110は、MPOIサーバから位置及びルート情報を取得することができ、前記MPOIサーバはサーバ103〜104の一部であってもよい。位置サーバは、位置サービスを提供し、かつMPOIサーバはマップサービス及びある位置のPOIを提供する。あるいは、このような位置及びMPOI情報は、感知及び計画システム110の永続的記憶装置にローカルでキャッシュされることができる。
【0026】
自律走行車101がルートに沿って移動する時に、感知及び計画システム110は、さらに交通情報システムやサーバ(TIS)からリアルタイム交通情報を取得することができる。注意すべきなのは、サーバ103〜104は、第三者エンティティにより動作されることができる。あるいは、サーバ103〜104の機能は、感知及び計画システム110と一体化されてもよい。リアルタイム交通情報、MPOI情報、位置情報、及びセンサシステム115が検出又は感知したリアルタイムなローカル環境データ(例えば、障害物、対象、付近車両)に基づいて、感知及び計画システム110は、安全で効果的に指定した目的地に到達するように、最適なルートを計画し、かつ計画したルートにより例えば
車両制御システム111を介して車両101を運転することができる。
【0027】
一実施形態によれば、3つのトルク力からなるトルク力(TF)モデルから、自律走行車(ADV)のスロットル制御又はブレーキ制御トルク力を決定することができる。システムは、自律走行車を加速させるための第1トルク力、一定速度を維持する第2トルク力、及び車両の目標速度と実際速度との間の速度差を最小化させる第3トルク力を計算する。システムは、第1、第2及び第3トルク力に基づいてスロットル−ブレーキトルク力を決定する。システムはスロットル−ブレーキトルク力に基づいて自律走行車の次の速度を制御する。
【0028】
一実施形態では、第1参照時間にADVの第1目標速度を決定し、第2参照時間に第2目標速度を決定し、実際速度がスロットル制御コマンドを実行した時間からの機械コマンド遅延を有することを配慮して第1目標速度と第2目標速度に基づいて加速度トルク力を計算する方式で、第1トルク力を計算する。別の実施形態では、コマンド遅延は加速度(例えば、スロットル制御)と減速度(例えば、ブレーキ制御)によって異なる。別の実施形態では、第1目標速度と第2目標速度との間の差を第1参照時間と第2参照時間の間の差で割ることで加速度トルク力を計算する。
【0029】
一実施形態では、ADVの現在の速度を決定し、ADVに作用する摩擦力を決定し、ADVに作用する風の抵抗を決定し、ADVの現在の速度、決定した摩擦力及び風の抵抗に基づいて一定速度の維持に必要なトルク力を計算する方式で、第2トルク力を計算する。
【0030】
一実施形態では、ADVの現在の速度の二次(a second order of the current speed)に基づいてADVに作用する風の抵抗を決定する。ADVの現在の速度の一次(a first order of the current speed)に基づいてADVに作用する摩擦力を決定する。
【0031】
一実施形態では、システムは、ADVの目標速度を決定し、ADVの実際速度を決定し、比例−積分−微分(PID)コントローラでADVに用いられるトルク力を計算して、目標速度と実際速度との間の差を最小化させる方式で、第3トルク力を計算する。別の実施形態では、第1、第2及び第3トルク力を加算することでスロットル−ブレーキトルク力を計算する。
【0032】
一実施形態では、それぞれADVの現在の速度の一次と二次に比例した係数によって摩擦力と風の抵抗をモデリングする。PIDコントローラは、比例、積分及び微分係数でモデリングされてもよい。これらの係数はデータ分析システム(例えば、データ分析システム又はサーバ103)が大量の運転統計データに基づいてオフラインで設定されてもよい。
【0033】
一実施形態では、データ分析システム103はデータコレクタ121と機器学習エンジン122を備える。データコレクタ121は各種の車両から運転統計データ123を収集する。運転統計データ123は、ADVの目標速度と実際速度に関連する情報、参照時間のGPS位置、ADVのブランド/モデル、車両ID番号、計画ルート及び運転環境のセンサ出力(例えば天气と道路状況)を含んでもよい。機器学習エンジン122は、運転統計データ123を分析することで、TFモデル124に適した係数を学習して決定し、摩擦力、風の抵抗及び安定したPIDコントローラ応答を示す。次に、TFモデル124は、それから自律走行車101の感知・計画システム110にアップロードされて、速度制御の決定に用いられてもよい。
【0034】
図3は、本発明の一実施形態に係る自律走行車と共に使用される感知及び計画システムの実例を示すブロック図である。システム300は、
図1の自律走行車101の一部(感知及び計画システム110、制御システム111及びセンサシステム115を含むが、これらに制限されない)となるように実現されることができる。
図3を参照し、感知及び計画システム110は、位置決めモジュール301と、感知モジュール302と、決定モジュール303と、計画モジュール304と、制御モジュール305とを含むが、これらに制限されない。
【0035】
モジュール301〜305における一部又は全部は、ソフトウェア、ハードウェア又はその組み合わせで実現されてもよい。例えば、これらのモジュールは、永続的記憶装置352に取り付けられ、メモリ351にロードされ、かつ1つ以上のプロセッサ(図示せず)により実行されてもよい。注意すべきなのは、これらのモジュールにおける一部又は全部は、
図2の車両制御システム111の一部又は全部のモジュールに通信可能に接続されてもよく、一体化されてもよい。モジュール301〜305における一部は、一緒に集積モジュールとして一体化されてもよい。
【0036】
位置決めモジュール301(地図及びルーティングモジュールとも言われる)は、ユーザの旅程又はルートに関連する任意のデータを管理する。ユーザは、例えばユーザインターフェースを介してログインするとともに旅程の出発位置及び目的位置を指定してもよい。位置決めモジュール301は、旅程に関連するデータを取得するように、自律走行車300
(システム)のその他の構成要素(例えば地図及びルート情報311)と通信する。例えば、位置決めモジュール301は、位置サーバと、地図及びPOI(MPOI)サーバから位置及びルート情報を取得することができる。位置サーバは、位置サービスを提供し、かつMPOIサーバは、地図及びルート情報311の一部としてキャッシュされてもよい地図サービスと特定な位置のPOIとを提供する。
システム300がルートに沿って移動する時に、位置決めモジュール301は、さらに交通情報システムやサーバからリアルタイム交通情報を取得することができる。
【0037】
センサシステム115により提供されたセンサデータ、及び位置決めモジュール301により得られた位置決め情報に基づいて、感知モジュール302は周辺環境に対する感知を決定する。感知
情報は、普通の運転者が自分で運転している車両周辺から感知したもの(状況)を示すことができる。感知情報は、例えば対象形式で現される車線配置(例えば、ストレート又はカーブ)、トラフィック信号、他の車両の相対位置、歩行者、建築物、横断歩道又はその他の交通関連標識(例えば、停止標識、譲り標識)などを含んでもよい。
【0038】
感知モジュール302は、コンピュータビジョンシステム又はコンピュータビジョンシステムの機能を含んでもよく、自律走行車環境における対象及び/又は特徴を認識するように、1つ以上のカメラによりキャプチャされた画像を処理及び分析することに用いられる。前記対象は交通信号、車道の境界線、他の車両、歩行者及び/又は障害物等を含んでもよい。コンピュータビジョンシステムは、対象認識アルゴリズム、ビデオトラッキング及びその他のコンピュータビジョン技術を使用することができる。いくつかの実施形態において、コンピュータビジョンシステムは、環境をマッピングし、対象を追跡し、かつ対象の速度を推定することなどができる。感知モジュール302は、その他のセンサ(例えばレーダー及び/又はLIDAR)により提供されたその他のセンサデータに基づいて対象を検出することもできる。
【0039】
それぞれの対象に対して、決定モジュール303は、如何に対象を処理する決定をする。例えば、特定な対象(例えば、交差ルートにおける他の車両)及び対象を記述するメタデータ(例えば、速度、方向、ステアリング角)に対して、決定モジュール303は、遇う対象に如何に対応する(例えば、追い越し、道譲り、停止、通過)ことを決定する。決定モジュール303は、永続記憶装置352(図示せず)に記憶されてもよい1セットのルール(例えば交通ルール)に基づいてこのような決定をすることができる。
【0040】
感知したそれぞれ対象に対する決定に基づいて、計画モジュール304は、自律走行車のためにルート又は経路及び運転パラメータ(例えば、距離、速度及び/又はステアリング角)を計画する。すなわち、所定対象に対して、決定モジュール303は前記対象に対して如何に対応するかを決定し、計画モジュール304は如何に実行するかを決定する。例えば、所定対象に対して、決定モジュール303は、前記対象を追い越すことを決定することができ、計画モジュール304は、前記対象の左側に追い越すか、右側に追い越すかを決定することができる。計画モジュール304は、計画及び制御データを生成し、車両300が次の移動周期(例えば、次のルート/経路セグメント)に如何に移動するかを記述する情報を含む。例えば、計画及び制御データは車両300が毎時間30マイル(mph)の速度で10メートル移動し、次に25mphの速度で右車線まで変わることを指示することができる。
【0041】
計画及び制御データに基づいて、制御モジュール305は計画及び制御データにより定義されたルート又は経路に基づいて、車両制御システム111へ適切な命令又は信号を送信することによって自律走行車を制御及び運転する。前記ルート又は経路に沿って違う場所で適時に適切な車両設置又は運転パラメータ(例えば、スロットル、ブレーキ及びステアリング命令)を使用して車両を第1点から第2点まで運転するように、計画及び制御データは十分な情報を含む。
【0042】
注意すべきなのは、決定モジュール303及び計画モジュール304は、集積モジュールに一体化されてもよい。決定モジュール303/計画モジュール304は、自律走行車の運転経路を決定するために、ナビゲーションシステム又はナビゲーションシステムの機能を含んでもよい。例えば、ナビゲーションシステムは、自律走行車が以下の経路に沿って移動することを実現するための一連の速度及びディレクショナ進行方向を決定することができ、前記経路は、自律走行車を総体的に最終目的位置を向けて通じる車線経路に進ませると同時に、基本的に感知された障害物を避けることができる。目的地はユーザインターフェースシステム113により実現されたユーザ入力に基づいて設置できる。ナビゲーションシステムは、自律走行車が走行していると同時に走行経路を動的に更新することができる。ナビゲーションシステムは、自律走行車用の走行経路を決定するように、GPSシステム及び1つ以上の地図からのデータを合併することができる。
【0043】
決定モジュール303/計画モジュール304は、自律走行車環境における潜在障害物を、認識・評価・回避又はその他の方式で迂回するために、衝突回避システム又は衝突回避システムの機能をさらに含んでもよい。例えば、衝突回避システムは、以下の方式によって自律走行車のナビゲーションにおける変更を実現することができ、制御システム111の中の1つ以上のサブシステムを動作してターン操縦、ステアリング操縦、ブレーキ操縦等を採る。衝突回避システムは、周辺の交通モード、道路状況等に基づいて障害物を回避可能な操縦を自動的に決定することができる。衝突回避システムは、その他のセンサシステムは、自律走行車がターンして入ろうとする隣接領域における車両、建築障害物等を検出する際にターン操縦を採らないように配置できる。衝突回避システムは、使用可能でありかつ自律走行車の乗員の安全性を最大化させる操縦を自動的に選択することができる。衝突回避システムは、自律走行車の乗員室内で最小の加速度を出現させることが予測された回避操縦を選択することができる。
【0044】
図4は一実施形態に係る制御モジュール305を示す。制御モジュール305は、加速度TFサブモジュール405、維持速度TFサブモジュール410及び速度差TFサブモジュール415を備える。これらのモジュールは、それぞれ自律走行車を加速させるための第1トルク力(TF
acc)、一定速度nを維持する第2トルク力(TF
m)及び車両の目標速度と実際速度との間の速度差を最小化させる第3トルク力(TF
diff)を計算することに用いられる。この3つのモジュールの入力のいずれも目標車両速度401の入力を含む。出力は制御システム111により送信されたスロットル−ブレーキコマンドと最終的な実際車両速度420である。実際車両速度420を例えば、速度差TFサブモジュール415(例えば、次のコマンド周期)の第2入力として制御モジュール305にフィードバックされる。
【0045】
加速度TFサブモジュール405はADVの現在の速度
から、加速、又は減速するために必要な加速度トルク力を計算する。
図5は一実施形態に係る加速度トルク力を示すTFモデル312の速度-距離(speed versus distance)グラフである。
図5に示すように、グラフは目標速度501、実際速度505及びADVの偏差又は速度差510を示す。コマンド遅延を配慮し、目標速度501における2つの点に基づいて加速度トルク力を計算する。例えば、スロットル制御コマンドを用いると決定する場合、加速度TFサブモジュール405は、スロットル制御のコマンド遅延、スロットルコマンド遅延を配慮した第1目標速度(すなわち、コマンド遅延後の第1目標速度がどのぐらいになるか)及びスロットルコマンド遅延を配慮した第2目標速度(すなわち、コマンド遅延後の第2(又は次の)目標速度がどのぐらいになるか)を決定する。加速度TFサブモジュール405は、時間に対するコマンド遅延を配慮した目標速度の導関数を取ることでADV加速に必要なトルク又は回転力を計算する。導関数は、以下のように、第1時間と第2時間の変数でそれぞれ割る第1と第2目標速度の変数又は変更に基づいて計算することができ、
例えば、
【数1】
式中、kは速度、tは時間を示す。ADVが一定の質量と車輪半径を有する場合は、スロットルコマンド遅延を配慮し、トルク又は回転力(TF)は加速度に比例し、例えば、TF
accを示すTFモデル312は、
【数2】
であってもよい。
【0046】
スロットルコマンドの数学モデルに基づいて、トルク又は回転力をスロットルコマンドに変換する。一実施形態によれば、スロットルコマンドの実例としては、
【数3】
であってもよい。
【0047】
一実施形態では、aは約8.5、bは約−0.63、cは推定したスロットル制御コマンド遅延である。一実施形態では、コマンド遅延が1秒のスロットル制御に対して、cは約1.0である。
【0048】
別の実例では、ブレーキ制御を用いると決定する場合、加速度TFサブモジュール405はブレーキ制御のコマンド遅延、ブレーキコマンド遅延を配慮した第1目標速度、ブレーキコマンド遅延を配慮した第2目標速度(又はブレーキ制御を用いた後の次の目標速度)を決定し、ADVから速度を減算することに必要なトルク又は回転力を決定する。ブレーキコマンドの数学モデルに基づいて、トルク又は回転力をブレーキコマンドに変換する。一実施形態によれば、ブレーキ制御コマンドの一例としては、
【数4】
であってもよい。
【0049】
一実施形態では、aは約40.0、bは約−0.1、cは推定したブレーキ制御コマンド遅延である。一実施形態では、コマンド遅延が0.2秒のブレーキ制御に対して、cは約0.2である。
【0050】
図5(速度差510が約2メートル/秒で変化する)に示すように、加速度トルク力を示すTFモデル312は加速度と減速度を処理するが、ADV速度は風の抵抗と摩擦力のため徐々に減少する。加速度トルク力と維持速度トルク力を示すTFモデル312は徐々に減速することを防止する。維持速度トルク力は運転者が定期的にスロットル制御を用いることに対応し、車両の安定速度を維持する。
【0051】
図6は一実施形態に係る、加速度トルク力と維持速度トルク力を含むTFモデル312の速度-距離グラフである。加速度トルク力は上記した加速度TFサブモジュール405で計算される。維持速度TFサブモジュール410は、ADVの安定速度の維持に必要なトルク又は回転力を計算して、例えば、風の抵抗と摩擦力(例えば、内部機械摩擦)に抵抗する。
図6はADVの目標速度601、実際速度605及び目標速度601と実際速度605の間の偏差又は速度差610を示す。図に示すように、速度差610は1メートル/秒より小さいマージンで変化する。
【0052】
一実施形態では、自律走行車の現在の速度、ADVに作用する摩擦力及びADVに作用する風の抵抗を決定することによって、ADVの安定速度の維持に必要なトルク又は回転力を計算してもよい。自律走行車101の感知・計画システム110の制御モジュール305は最近収集したデータに基づいて摩擦力と風の抵抗を計算してもよい。例えば、数式
【数5】
(kはADVの現在の速度であり、
【数6】
は風の抵抗の定数を示し、
【数7】
と
【数8】
はADVに作用する摩擦力の定数を示す)を有するTFモデル312に基づいて、摩擦力と風の抵抗を計算してもよい。
【数9】
、
【数10】
及び
【数11】
はあらかじめデータ分析システム103でオフラインで計算されてもよい。一実施形態では、
【数12】
、
【数13】
及び
【数14】
は類似した車両ブランド/モデルにおいて共有されている。別の実施形態では、
【数15】
、
【数16】
及び
【数17】
は特定車両又は特定タイプの車両に固有のものであってもよい。
【0053】
図7Aは一実施形態に係る、3メートル/秒の初期速度偏差と伴う状況で加速度トルク力と維持トルク力を含むTFモデル312の速度-距離グラフである。
図7Aに示されるこの例示では、TF
accとTF
mに基づいて総TFを計算する。図に示すように、初期速度偏差は走行過程にわたって速度差704に存在する。加速度トルク力と維持速度トルク力を示すTFモデル312は加速度と減速度を処理し、徐々に減速することを防止するが、実際速度と目標速度との間の初期速度偏差(速度差/初期誤差)を処理していない。初期誤差減少トルク力(initial error reduction torque force)を有するTFモデル312(例えば、閉ループ制御)は当該初期速度偏差を最小化させる。
【0054】
図7Bは一実施形態に係る、5メートル/秒の初期速度偏差と伴う状況で加速度トルク力、維持トルク力及び初期誤差減少トルク力を含むTFモデル312の速度-距離グラフである。加速度トルク力と維持速度トルク力は、それぞれ上記した加速度TFサブモジュール405と維持速度TFサブモジュール410で計算される。誤差減少TFサブモジュール410は速度と外部干渉の任意の初期偏差の補正に必要なトルク力を計算する。
図7Bは、ADVの目標速度701、実際速度705及び目標速度と実際速度との間の速度偏差又は速度差710を示す。図に示すように、ADVは約5メートル/秒の初期速度偏差710を有する。ADVが約30メートル走行した後に、ADVの実際速度705は、最終的に約1メートル/秒より小さいマージンで目標速度701を追従する。
【0055】
一実施形態では、比例−積分−微分(PID)コントローラで誤差を計算してトルク力を減少させてもよい。PIDコントローラは工業制御システムで一般的に使用される制御ループフィードバックメカニズムである。PIDコントローラは、それぞれP、I及びDに示される比例項、積分項及び微分項に基基づいて、目標値と実際値との間の差とする誤差値を連続的に計算して補正を用いる。例えば、TFモデル312は、初期誤差減少トルク力用の数式として、
【数18】
(式中、
【数19】
は減少しようとする目標と実際速度との間の初期誤差
又は差、K
p、K
i及びK
dはPIDコントローラの比例、積分及び微分の定数である。)を含んでもよい。最初、PIDコントローラの定数Kp、Ki及びKdを訓練したり調整したりしなければならない。一実施形態では、PID定数は、機器学習エンジン122でデータ分析システム103における大量の運転統計データ123に基づいてオフラインで調整されてもよい。別の実施形態では、ADVの操作期間に、感知・計画システム110の制御モジュール305はPID定数を調整してもよい。一実施形態では、PIDコントローラはシミュレートハードウェア装置で実施されてもよい。別の実施形態では、PIDコントローラはソフトウェアプログラムで実施されてもよい。
【0056】
図8は一実施形態に係るスロットル−ブレーキトルク力の計算手順を示すフローチャートである。手順800は、ソフトウェア、ハードウェア又はそれらの組み合わせを含んでもよい処理ロジックで実行されてもよい。例えば、手順800は自律走行車の制御モジュール(例えば、感知・計画システム110の制御モジュール305)で実行されてもよい。
図8に示すように、ブロック801において、処理ロジックは自律走行車(ADV)を加速させるための第1トルク力を計算する。ブロック802において、処理ロジックはADVの一定の車両速度を維持するための第2トルク力を計算する。ブロック803において、処理ロジックはADVの実際速度と目標速度との間の差を最小化させるための第3トルク力を計算する。ブロック804において、処理ロジックは第1、第2及び第3トルク力に基づいてスロットル−ブレーキトルク力を決定する。ブロック805において、感知・計画システム110の制御モジュール305はスロットル−ブレーキトルク力に基づいてADVの次の速度を制御する。
【0057】
図9は一実施形態に係るブロック801における第1トルク力の計算手順を示すフローチャートである。手順900は、ソフトウェア、ハードウェア又はそれらの組み合わせを含んでもよい処理ロジックで実行されてもよい。例えば、手順900は、自律走行車の制御モジュール(例えば、感知・計画システム110の制御モジュール305)で実行されてもよい。
図9に示すように、ブロック901において、処理ロジックは自律走行車の目標速度を示す第1速度を決定して、第1参照時間に自律走行車を操縦する。ブロック902において、処理ロジックは自律走行車の目標速度を示す第2速度を決定して、第2参照時間に自律走行車を操縦する。ブロック903において、コマンド遅延を配慮し、処理ロジックは第1速度と第2速度に基づいて加速度トルク力を計算する。
【0058】
図10は一実施形態に係るブロック802における第2トルク力の計算過程を示すフローチャートである。過程1000は、ソフトウェア、ハードウェア又はそれらの組み合わせを含んでもよい処理ロジックで実行されてもよい。例えば、過程1000は、自律走行車の制御モジュール(例えば、感知・計画システム110の制御モジュール305)で実行されてもよい。
図10に示すように、ブロック1001において、処理ロジックは自律走行車の現在の速度を決定する。ブロック1002において、処理ロジックは自律走行車に作用する摩擦力を決定する。ブロック
1003において、処理ロジックは自律走行車に作用する風の抵抗を決定する。ブロック
1004において、処理ロジックは現在の速度、摩擦力及び風の抵抗に基づいて自律走行車の現在の速度の維持に必要なトルク力を計算する。
【0059】
図11は一実施形態に係るブロック803における第3トルク力の計算手順を示すフローチャートである。手順1100は、ソフトウェア、ハードウェア又はそれらの組み合わせを含んでもよい処理ロジックで実行されてもよい。例えば、手順1100は自律走行車の制御モジュール(例えば、感知・計画システム110の制御モジュール305)で実行されてもよい。
図11に示すように、ブロック1101において、処理ロジックは自律走行車の目標速度を計算する。ブロック1102において、処理ロジックは自律走行車の実際速度を決定する。ブロック1103において、処理ロジックは目標速度と実際速度との間の差を最小化させるトルク力を比例−積分−微分(PID)コントローラで計算する。
【0060】
注意すべきなのは、前記の示されたとともに記述された一部又は全部の構成要素は、ソフトウェア、ハードウェア又はその組み合わせで実現されることができる。例えば、このような構成要素は、永続記憶装置にインストールされるとともに記憶されたソフトウェアとして実現されてもよく、前記ソフトウェアは、本出願にわたって記載の手順又は動作を実施するように、プロセッサ(図示せず)でメモリにロードして実行されてもよい。あるいは、このような構成要素は、集積回路(例えば特定用途向けIC又はASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))にプログラミングされ又は嵌め込みされた専用ハードウェアにおける実行可能なコードとして実現されてもよく、前記実行可能なコードは、アプリケーションからの対応するドライバープログラム及び/又はオペレーティングシステムによってアクセスされてもよい。なお、このような構成要素は、プロセッサ又はプロセッサコアにおける特定のハードウェアロジックとして実現されてもよく、ソフトウェア構成要素が1つ以上の特定命令によってアクセス可能な命令セットの一部とする。
【0061】
図12は、本出願の一実施形態と組み合わせて使用されるデータ処理システムを例示的に示すブロック図である。例えば、システム1500は、上記手順又は方法のいずれか(例えば、感知及び計画システム110、及び
図1のサーバ103〜104のいずれか)を実行する上記任意のデータ処理システムを示してもよい。システム1500は、多数の異なる構成要素を含んでもよい。これらの構成要素は、集積回路(IC)、集積回路の一部、分散型電子装置又は回路基板に適用された他のモジュール(例えばコンピュータシステムのマザーボード又はアドインカード)、又は他の方式でコンピュータシステムのシャシーに組み込まれた構成要素として実現されることができる。
【0062】
さらに、システム1500は、コンピュータシステムの多数の構成要素の高レベルビューを示すことを目的とする。しかしながら、いくつかの実現形態では、付加的構成要素が存在する場合があることを理解すべきである。また、他の実現形態において示される構成要素が異なる配置を有してもよい。システム1500は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、携帯電話、メディアプレーヤー、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、スマート腕時計、パーソナルコミュニケーター、ゲーム装置、ネットワークルータ又はハブ、無線アクセスポイント(AP)又はリピーター、セットトップボックス、又はそれらの組合せを示してもよい。また、単一の機器又はシステムのみを示したが、用語「機器」又は「システム」は、さらに、独立又は共同で1つ(又は複数)の命令セットを実行することにより本明細書に説明される任意の1種又は複数種の方法を実行する機器又はシステムの任意のセットを含むことを理解すべきである。
【0063】
一実施形態において、システム1500は、バス又は相互接続部材1510によって接続されたプロセッサ1501、メモリ1503及び装置1505〜1508を備える。プロセッサ1501は、単一のプロセッサコア又は複数のプロセッサコアを含む単一のプロセッサ又は複数のプロセッサであってもよい。プロセッサ1501は、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)等のような1つ又は複数の汎用プロセッサであってもよい。より具体的には、プロセッサ1501は、複雑命令セット計算(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、又は他の命令セットを実現するプロセッサ、又は命令セットの組合せを実現するプロセッサであってもよい。プロセッサ1501は、さらに、専用集積回路(ASIC)、セルラ又はベースバンドプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ、
グラフィックプロセッサ、通信プロセッサ、暗号プロセッサ、コプロセッサ、組み込みプロセッサのような1つ又は複数の専用プロセッサ、あるいは命令処理可能な任意の他のタイプのロジックであってもよい。
【0064】
プロセッサ1501(超低電圧プロセッサのような低電力マルチコアプロセッサソケットであってもよい)は、前記システムの各種構成要素と通信するための主処理ユニット及び中央ハブとして用いられてもよい。このようなプロセッサは、システムオンチップ(SoC)として実現されることができる。プロセッサ1501は、命令を実行することにより本明細書に説明される動作及びステップを実行するための命令を実行するように構成される。また、システム1500は、選択可能なグラフィックサブシステム1504と通信するグラフィックインターフェースをさらに含み、グラフィックサブシステム1504は、表示コントローラ、グラフィックプロセッサ及び/又は表示装置をさらに備えてもよい。
【0065】
プロセッサ1501は、メモリ1503と通信してもよく、メモリ1503は、一実施形態において複数のメモリによって所定量のシステムメモリを提供する。メモリ1503は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、動的RAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、静的RAM(SRAM)又は他のタイプのメモリのような1つ又は複数の揮発性記憶装置(又はメモリ)を備えてもよい。メモリ1503は、プロセッサ1501又は任意の他の装置により実行される命令列を含む情報を記憶できる。例えば、複数種のオペレーティングシステム、装置ドライバー、ファームウェア(例えば、基本入出力システム又はBIOS)及び/又はアプリケーションの実行可能なコード及び/又はデータはメモリ1503にロードされてもよく、プロセッサ1501により実行される。オペレーティングシステムは、ロボットオペレーティングシステム(ROS)、Microsoft(登録商標)会社からのWindows(登録商標)オペレーティングシステム、アップル会社からのMac OS(登録商標)/iOS(登録商標)、Google(登録商標)会社からのAndroid(登録商標)、Linux(登録商標)、Unix又は他のリアルタイム又は組み込みオペレーティングシステムのような任意のタイプのオペレーティングシステムであってもよい。
【0066】
システム1500は、IO装置、例えば装置1505〜1508をさらに備えてもよく、ネットワークインターフェース装置1505、選択可能な入力装置1506及び他の選択可能なIO装置1507を備える。ネットワークインターフェース装置1505は、無線送受信機及び/又はネットワークインターフェースカード(NIC)を備えてもよい。前記無線送受信機は、WiFi送受信機、赤外送受信機、ブルートゥース送受信機、WiMax送受信機、無線セルラーホン送受信機、衛星送受信機(例えば、全地球測位システム(GPS)送受信機)又は他の無線周波数(RF)送受信機又はそれらの組合せであってもよい。NICはイーサネットカードであってもよい。
【0067】
入力装置1506は、マウス、タッチパッド、タッチスクリーン(それは表示装置1504と一体化されてもよい)、ポインタデバイス(例えばスタイラス)及び/又はキーボード(例えば、物理キーボード又はタッチスクリーンの一部として表示された仮想キーボード)を備えてもよい。例えば、入力装置1506は、タッチスクリーンに接続されるタッチスクリーンコントローラを含んでもよい。タッチスクリーン及びタッチスクリーンコントローラは、例えば複数種のタッチ感度技術(容量、抵抗、赤外及び表面音波の技術を含むが、それらに限定されない)のいずれか、及びタッチスクリーンの1つ又は複数の接触点を決定するための他の近接センサアレイ又は他の素子を用いてそのタッチ点及び移動又は断続を検出することができる。
【0068】
IO装置1507は音声装置を備えてもよい。音声装置は、スピーカ及び/又はマイクロホンを含んでもよく、それにより音声認識、音声コピー、デジタル記録及び/又は電話機能のような音声サポートの機能を促進する。他のIO装置1507は、汎用シリアルバス(USB)ポート、パラレルポート、シリアルポート、印刷機、ネットワークインターフェース、バスブリッジ(例えば、PCI−PCIブリッジ)、センサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、光センサ、コンパス、近接センサ等のような動きセンサ)又はそれらの組合せをさらに備えてもよい。装置1507は、結像処理サブシステム(例えば、カメラ)をさらに備えてもよく、前記結像処理サブシステムは、カメラ機能(例えば、写真及びビデオ断片の記録)を促進するための電荷カップリング装置(CCD)又は相補型金属酸化物半導体(CMOS)光学センサのような光学センサを備えてもよい。あるセンサは、センサハブ(図示せず)によって相互接続部材1510に接続されてもよく、キーボード又は熱センサのような他の装置は、組み込みコントローラ(図示せず)により制御されてもよく、これはシステム1500の特定配置又は設計により決められる。
【0069】
データ、アプリケーション、1つ又は複数のオペレーティングシステム等のような情報の永続記憶を提供するために、大容量メモリ(図示せず)は、プロセッサ1501に接続されてもよい。様々な実施形態において、薄型化と軽量化のシステム設計を実現しかつシステムの応答能力を向上させるために、このような大容量メモリは、ソリッドステート装置(SSD)によって実現されることができる。なお、他の実施形態において、大容量メモリは、主にハードディスクドライブ(HDD)で実現されてもよく、少量のSSD記憶量は、SSDキャッシュとして停電イベント期間にコンテキスト状態及び他のこのような情報の不揮発性記憶を実現し、それによりシステム動作が再開する時に通電を速く実現することができる。さらに、フラッシュデバイスは、例えばシリアルペリフェラルインターフェース(SPI)によってプロセッサ1501に接続されてもよい。このようなフラッシュデバイスは、システムソフトウェアの不揮発性記憶に用いられてもよく、前記システムソフトウェアは、前記システムのBIOS及び他のファームウェアを備える。
【0070】
記憶装置1508は、任意の1種又は複数種の本明細書に記載の方法又は機能を体現する1つ又は複数の命令セット又はソフトウェア(例えば、モジュール、ユニット及び/又はロジック1528)が記憶されるコンピュータアクセス可能な記憶媒体1509(機械可読記憶媒体又はコンピュータ可読媒体とも呼ばれる)を備えてもよい。処理モジュール/ユニット/ロジック1528は、例えば、制御モジュール305又は機器学習エンジン122のような上記構成要素のいずれかを示してもよい。処理モジュール/ユニット/ロジック1528は、さらにデータ処理システム1500により実行される期間にメモリ1503内及び/又はプロセッサ1501内に完全又は少なくとも部分的に存在してもよく、ここで、メモリ1503及びプロセッサ1501も、機器アクセス可能な記憶媒体を構成する。処理モジュール/ユニット/ロジック1528は、さらにネットワークによってネットワークインターフェース装置1505を経由して送受信されてもよい。
【0071】
コンピュータ可読記憶媒体1509は、以上に説明されたいくつかのソフトウェア機能の一部を永続的に記憶してもよい。コンピュータ可読記憶媒体1509は、例示的な実施形態において単一の媒体として示されたが、用語「コンピュータ可読記憶媒体」は、前記1つ又は複数の命令セットが記憶される単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型又は分散型データベース、及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を備えることを理解すべきである。用語「コンピュータ可読記憶媒体」は、さらに命令セットを記憶又はコーディング可能な任意の媒体を備えることを理解すべきであり、前記命令セットは、機器により実行されかつ前記機器に本発明の任意の1種又は複数種の方法を実行させる。従って、用語「コンピュータ可読記憶媒体」は、ソリッドステートメモリ及び光学媒体と磁気媒体又は任意の他の非一時的機械可読媒体を備えるが、それらに限定されないことを理解すべきである。
【0072】
本明細書に記載の処理モジュール/ユニット/ロジック1528、構成要素及び他の特徴は、ディスクリートハードウェアコンポーネントとして実現されてもよく、又はハードウェアコンポーネント(例えばASICs、FPGA、DSP又は類似装置)の機能に統合されてもよい。さらに、処理モジュール/ユニット/ロジック1528は、ハードウェア装置内のファームウェア又は機能回路として実現されてもよい。また、処理モジュール/ユニット/ロジック1528は、ハードウェア装置及びソフトウェアコンポーネントの任意の組合せで実現されてもよい。
【0073】
なお、システム1500は、データ処理システムの各種の構成要素を有するように示されているが、構成要素に相互接続させる任意の具体的な構造又は方式を限定するものではないことに注意すべき、それは、このような詳細が本発明の実施形態に密接な関係がないためである。また、より少ない構成要素又はより多くの構成要素を有するネットワークコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、携帯電話、サーバ及び/又は他のデータ処理システムは、本発明の実施形態と共に使用されてもよい。
【0074】
上記詳細な説明の一部は、コンピュータメモリにおけるデータビットに対する演算のアルゴリズム及び記号表現で示される。これらのアルゴリズムの説明及び表現は、データ処理分野における当業者によって使用される、それらの作業実質を所属分野の他の当業者に最も効果的に伝達する方法である。ここで、アルゴリズムは、通常、所望の結果につながる首尾一貫した動作列(sequence of operations)と考えられる。これらの動作とは、物理量に対して物理的動作を行う必要となるステップを指す。
【0075】
ただし、これらの全ての及び類似の用語は、いずれも適切な物理量に関連付けられ、かつただこれらの量に適用される適切なラベルであることに注意すべきである。特に断らない限り、本出願の全体にわたって用語(例えば、添付している特許請求の範囲に説明された用語)による説明とは、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置の動作及び処理であり、前記コンピュータシステム又は電子計算装置は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリに物理(例えば、電子)量としてデータを示し、かつ前記データをコンピュータシステムメモリ又はレジスタ又は他のこのような情報メモリ、伝送又は表示装置内において類似に物理量として示される他のデータに変換する。
【0076】
本発明の実施形態は、さらに本明細書における動作を実行するための
コンピュータプログラムに関する。このようなコンピュータプログラムは、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶される。機器可読媒体は、機器(例えば、コンピュータ)可読な形態で情報を記憶する任意の機構を備える。例えば、機器可読(例えば、コンピュータ可読)媒体は、機器(例えば、コンピュータ)可読記憶媒体(例えば、読み出し専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリメモリ)を備える。
【0077】
上記図面に示される手順又は方法は、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジック等)、ソフトウェア(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体に具現化される)、又は両方の組合せを含む処理ロジックにより実行されてもよい。前記手順又は方法は、本明細書において特定の順序に応じて説明されるが、説明された動作の一部は、異なる順序に応じて実行されてもよい。また、いくつかの動作は、順番ではなく並行に実行されてもよい。
【0078】
本発明の実施形態は、いずれかの特定のプログラミング言語を参照して説明されていないが、複数種のプログラミング言語で本明細書に記載の本発明の実施形態の教示を実現できることを理解すべきである。
【0079】
以上の明細書では、本発明の具体的な例示的な実施形態を参照してその実施形態を説明した。明らかなように、添付している特許請求の範囲に記載の本発明のより広い趣旨及び範囲を逸脱しない限り、様々な変形が可能である。従って、限定的なものではなく例示的なものとして本明細書及び図面を理解すべきである。