特許第6786516号(P6786516)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6786516
(24)【登録日】2020年10月30日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】照明装置および表示装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20201109BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20201109BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20201109BHJP
【FI】
   F21S2/00 435
   F21S2/00 431
   G02F1/13357
   F21Y115:10
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-551745(P2017-551745)
(86)(22)【出願日】2016年9月14日
(86)【国際出願番号】JP2016077090
(87)【国際公開番号】WO2017086005
(87)【国際公開日】20170526
【審査請求日】2019年8月29日
(31)【優先権主張番号】特願2015-226428(P2015-226428)
(32)【優先日】2015年11月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】特許業務法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秦 憲司
(72)【発明者】
【氏名】岩井 祐滋
(72)【発明者】
【氏名】林本 誠二
(72)【発明者】
【氏名】中畑 祐治
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−224519(JP,A)
【文献】 特開2004−193051(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0310184(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G02F 1/13357
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源と、
前記複数の光源に対向して配置された端面と、前記端面からの入射光に基づく光を出射する第1面と、前記第1面に対向すると共に複数の凸部を含む第2面とを有する導光板と、
前記導光板の前記第2面の側に、前記複数の凸部を介して接着された光学シートと
を備え、
前記複数の凸部は、
前記第2面内における有効領域としての第1領域に配置された複数の第1の凸部と、
前記第2面内において前記第1領域の周辺に位置する額縁領域としての第2領域の少なくとも一部に配置された1または複数の第2の凸部と
を有しており、
前記1または複数の第2の凸部の前記第2面における面形状は、前記導光板の前記第2領域の少なくとも一部において、線状、破線状または波状を有している
照明装置。
【請求項2】
前記1または複数の第2の凸部の前記面形状の大きさが、前記光源からの距離に応じて異なっている
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記1または複数の第2の凸部の前記面形状における幅が、前記光源に近づくに従って大きくなっている
請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記1または複数の第2の凸部は、前記第2領域において、前記第1領域を囲むように配置されている
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第2の凸部は複数設けられ、
前記複数の第2の凸部のうちの前記光源から離れた領域に配置された第2の凸部は、前記第1領域を囲むように配置され、
前記複数の第2の凸部のうちの前記光源に近接する領域に配置された第2の凸部は、前記光源の位置に応じた選択的な領域に配置されている
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記第1の凸部と前記第2の凸部とは、互いに同一の材料から構成されている
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記複数の第1の凸部は、互いに異なる拡散度を有する第3および第4の凸部をそれぞれ複数有し、
前記第3の凸部の拡散度は、前記第4の凸部の拡散度よりも大きく、
複数の前記第3の凸部の前記第2面における面形状の大きさまたは配置密度が前記光源から離れるに従って大きくなり、
複数の前記第4の凸部の前記第2面における面形状の大きさまたは配置密度が前記光源から離れるに従って小さくなる
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記第3および第4の凸部の前記第2面における各面形状は、円形状または多角形状を有する
請求項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記第1および第2の凸部は、前記導光板と前記光学シートとを接着する接着材料を含む
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項10】
前記第1および第2の凸部と、前記光学シートとの間に接着層を有する
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項11】
表示パネルと、前記表示パネルを照明する照明装置とを備え、
前記照明装置は、
複数の光源と、
前記複数の光源に対向して配置された端面と、前記端面からの入射光に基づく光を出射する第1面と、前記第1面に対向すると共に複数の凸部を含む第2面とを有する導光板と、
前記導光板の前記第2面の側に、前記複数の凸部を介して接着された光学シートと
を備え、
前記複数の凸部は、
前記第2面内における有効領域としての第1領域に配置された複数の第1の凸部と、
前記第2面内において前記第1領域の周辺に位置する額縁領域としての第2領域の少なくとも一部に配置された1または複数の第2の凸部と
を有しており、
前記1または複数の第2の凸部の前記第2面における面形状は、前記導光板の前記第2領域の少なくとも一部において、線状、破線状または波状を有している
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置と、この照明装置を用いた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置などの表示装置では、装置全体の薄型化を実現するために、表示パネルあるいはバックライトを構成する光学部材(例えば光学シート、導光板および光源など)のそれぞれにおいて薄型化が図られている。ところが、この薄型化によって、装置全体の剛性を維持することが困難となる。特に、表示パネルの大型化に伴って剛性が不十分となり易い。このことから、例えばバックライトの各光学部材が積層される際に、これらを互いに面接着させる(面全体を接着させる)ことが望ましい。
【0003】
一方で、面接着させた場合には、輝度(発光輝度または表示輝度)などの光学特性を維持しにくい。光学特性を十分に発揮させるために、各光学部材間に低屈折層(空気層など)を介在させることが望まれる。そこで、各光学部材が、点状あるいは線状の部分的な領域において接着された面光源装置が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−224519号公報
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の手法では、各光学部材同士が剥離し易く、光学特性を維持することが困難である。
【0006】
光学部材同士の剥離を抑制して光学特性を維持することが可能な照明装置および表示装置を提供することが望ましい。
【0007】
本開示の一実施の形態の照明装置は、複数の光源と、複数の光源に対向して配置された端面と、端面からの入射光に基づく光を出射する第1面と、第1面に対向すると共に複数の凸部を含む第2面とを有する導光板と、導光板の第2面の側に、複数の凸部を介して接着された光学シートとを備えたものである。複数の凸部は、第2面内における有効領域としての第1領域に配置された複数の第1の凸部と、第2面内において第1領域の周辺に位置する額縁領域としての第2領域の少なくとも一部に配置された1または複数の第2の凸部とを有している。この1または複数の第2の凸部の第2面における面形状は、導光板の第2領域の少なくとも一部において、線状、破線状または波状を有している。
【0008】
本開示の一実施の形態の表示装置は、表示パネルと、表示パネルを照明する上記本開示の一実施の形態の照明装置とを備えたものである。
【0009】
本開示の一実施の形態の照明装置および表示装置では、導光板の第2面の側に、複数の凸部を介して光学シートが接着されている。また、複数の凸部として、第2面の第1領域(有効領域)に配置された第1の凸部により、導光板内を伝播する光が反射されて第1面から出射される。ここで、導光板と光学シートとは一般に線膨張係数が異なり、この線膨張係数の差に起因して、導光板と光学シートとの間に介在する第1の凸部には応力がかかり易い。導光板の第2面の第1領域の周辺の第2領域(額縁領域)の少なくとも一部に第2の凸部が配置されることで、接着面積が増大すると共に、第1の凸部にかかる応力が低減される。
【0010】
参考例に係る照明装置は、複数の光源と、複数の光源に対向して配置された端面と、端面からの入射光に基づく光を出射する第1面と、第1面に対向すると共に複数の凸部を含む第2面とを有する導光板と、導光板の第2面の側に、複数の凸部を介して接着された光学シートとを備えたものである。複数の凸部は、互いに異なる拡散度を有する第3および第4の凸部をそれぞれ複数有し、第3の凸部の拡散度は第4の凸部の拡散度よりも大きく、複数の第3の凸部の前記第2面における面形状の大きさまたは配置密度が光源から離れるに従って大きくなり、複数の第4の凸部の第2面における面形状の大きさまたは配置密度が光源から離れるに従って小さくなっている。
【0011】
参考例に係る表示装置は、表示パネルと、表示パネルを照明する上記参考例に係る照明装置とを備えたものである。
【0012】
参考例に係る照明装置および表示装置では、導光板の第2面の側に、複数の凸部を介して光学シートが接着されている。複数の凸部により、導光板内を伝播する光が反射されて第1面から出射される。これら複数の凸部は、互いに異なる拡散度を有する第3および第4の凸部をそれぞれ複数有し、第3の凸部の拡散度が、第4の凸部の拡散度よりも大きい。複数の第3の凸部の面形状の大きさまたは配置密度が光源から離れるに従って大きくなり、複数の第4の凸部の面形状の大きさまたは配置密度が光源から離れるに従って小さくなる。これにより、第1面からの出射光の輝度分布を維持しつつ、凸部による接着面積が確保される。
【0013】
本開示の一実施の形態の照明装置および表示装置によれば、導光板の第2面に複数の凸部が設けられ、これらの複数の凸部を介して導光板と光学シートとが接着されている。また、複数の凸部として、第1領域(有効領域)には第1の凸部が配置されている。これにより、第1面からの出射光の光学特性の低下を抑制することができる。また、導光板の第2面において、第1領域の周辺の第2領域(額縁領域)の少なくとも一部に第2の凸部が配置されることで、接着面積を増大すると共に第1の凸部にかかる応力を低減することができる。従って、導光板と光学シートとの剥離を抑制することができる。よって、光学部材同士の剥離を抑制して光学特性を維持することが可能となる。
【0014】
参考例に係る照明装置および表示装置によれば、導光板の第2面に、複数の凸部が設けられ、これらの複数の凸部を介して導光板と光学シートとが接着されている。また、複数の凸部が、互いに異なる拡散度を有する第3および第4の凸部をそれぞれ複数有し、第3の凸部の拡散度が、第4の凸部の拡散度よりも大きい。複数の第3の凸部では、その面形状または配置密度が光源から離れるに従って大きくなり、複数の第4の凸部では、その面形状または配置密度が光源から離れるに従って小さくなることにより、輝度分布を維持しつつ、接着面積を確保することができる。よって、光学部材同士の剥離を抑制して光学特性を維持することが可能となる。
【0015】
尚、上記内容は本開示の一例である。本開示の効果は、上述したものに限らず、他の異なる効果であってもよいし、更に他の効果を含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の第1の実施の形態に係る表示装置の構成を表す断面図である。
図2図1に示した光源と導光板(第2面)との構成を表す平面模式図である。
図3図1に示した光源、導光板および反射シートの構成を表す断面模式図である。
図4A図2に示した第2凸部の面形状の他の例を表す模式図である。
図4B図2に示した第2凸部の面形状の他の例を表す模式図である。
図4C図2に示した第2凸部の面形状の他の例を表す模式図である。
図5】比較例1に係る光源と導光板との構成を表す平面模式図である。
図6図5に示した光源および導光板と反射シートとの構成を表す断面模式図である。
図7】面内の中心からの距離と凸部にかかる応力との関係を表す特性図である。
図8】温度と凸部にかかる応力との関係を表す特性図である。
図9】応力による導光板と反射シートとの剥離を説明するための模式図である。
図10】変形例1に係る導光板(第2面)の構成を光源と共に表す平面模式図である。
図11図10に示した光源と第2面のうちの光源に近接する領域を拡大した模式図である。
図12A図10に示した導光板の他の構成を表す平面模式図である。
図12B図10に示した導光板の他の構成を表す平面模式図である。
図13A】変形例2に係る導光板(第2面)の構成を光源と共に表す平面模式図である。
図13B図13Aに示した導光板の他の構成を表す平面模式図である。
図14A】変形例3に係る第2凸部の構成例を表す模式図である。
図14B図14Aに示した第2凸部の他の構成例を表す模式図である。
図15】変形例4に係る導光板(第2面)の構成を光源と共に表す平面模式図である。
図16】比較例2に係る導光板の作用について説明するための断面模式図である。
図17図15に示した導光板の作用について説明するための断面模式図である。
図18】本開示の第2の実施の形態に係る導光板(第2面)の構成を光源と共に表す平面模式図である。
図19A図18に示した第1凸部群の凸部の配置構成を説明するための模式図である。
図19B図18に示した第2凸部群の凸部の配置構成を説明するための模式図である。
図20】変形例5に係る照明装置の外観を表す図である。
図21図20に示した照明装置の他の例の外観を表す図である。
図22図20に示した照明装置の他の例の外観を表す図である。
図23A】他の変形例に係る導光板と反射シートとの構成を表す断面模式図である。
図23B】他の変形例に係る導光板と反射シートとの構成を表す断面模式図である。
図24】他の変形例に係る導光板と反射シートとの構成を表す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の実施の形態について図面を参照して以下の順に詳細に説明する。
1.第1の実施の形態(第2面内の有効領域の周辺領域に線状の凸部を設けた照明装置を備えた表示装置の例)
2.変形例1(周辺領域のうち光源に近接する領域では選択的な領域に凸部を設けた例)
3.変形例2(周辺領域において線状の凸部が光源に近づくに従って幅が大きくなるように配置された例)
4.変形例3(周辺領域において円形状の凸部が光源に近づくに従って径または配置密度が大きくなるように配置された例)
5.変形例4(有効表示領域と周辺領域とで同一材料および同一径の凸部を配置した例)6.第2の実施の形態(有効表示領域において拡散度の異なる2種類の凸部を光源からの距離に応じて配置した例)
7.変形例5(照明装置の他の例)
8.他の変形例(凸部の他の構成例)
【0018】
<第1の実施の形態>
[構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る表示装置(表示装置1)の概略構成を表したものである。この表示装置1は例えばテレビジョン装置として用いられる液晶表示装置である。
【0019】
表示装置1は、照明部(バックライト)10と、光学シート20と、表示パネル30とを備える。これらの表示パネル30、光学シート20および照明部10は、例えば図示しない筐体(外筐)内に配置されている。
【0020】
この表示装置1では、有効表示領域A1において画像が表示されると共に、この有効表示領域A1の周辺領域(額縁領域)A2は、図示しない筐体や遮光部材によって遮光されている。尚、本実施の形態の有効表示領域A1が本開示の「第1領域」の一具体例、周辺領域A2が、本開示の「第2領域」の一具体例にそれぞれ相当する。
【0021】
表示パネル30は、動画像または静止画像等の画像を表示するためのものであり、有効表示領域A1内に複数の画素を含んでいる。この表示パネル30は、例えば、TFT(Thin Film Transistor)基板31とカラーフィルタ(CF)基板32との間に液晶層(図示せず)が封止されたものである。表示パネル30は、TFT基板31の光入射側には偏光板33aが、CF基板32の光出射側には偏光板33bが、それぞれ貼り合わせられている。
【0022】
TFT基板31は、例えばガラス基板上に、複数のTFT素子と、これらのTFT素子に接続されるゲート線およびソース線等の配線とが設けられると共に、各TFT素子に電気的に接続された画素電極が形成されたものである。このTFT基板31の一端は、例えば表示装置1の背面側に取り付けられた駆動基板(図示せず)に、プリント基板等を介して電気的に接続されている。CF基板32は、例えばガラス基板上に、赤(R),緑(G),青(B)のカラーフィルタと対向電極とを有するものである。液晶層は、例えばVA(Vertical Alignment)モード、IPS(In Plane Switching)モードまたはTN(Twisted Nematic)モード等により駆動される液晶を含んでいる。
【0023】
光学シート20は、例えば拡散シート(拡散板)、輝度上昇フィルム(プリズムシート)および反射型偏光フィルム等を1または複数層にわたって積層したものである。光学シート20は、ここでは、表示パネル30と照明部10との間に配置されている。
【0024】
照明部10は、例えばいわゆるエッジライト方式のバックライトである。この照明部10は、例えば、複数の光源11と、この光源11に対向する端面S3と、光出射面(第2面S2)を有する導光板13と、反射シート14とを備える。図2は、導光板13と光源11との平面構成例を模式的に表したものである。図3は、照明部10の詳細構成を表す断面図である。この照明部10が、本開示の「照明装置」の一具体例に相当する。また、反射シート14が、本開示の「光学シート」の一具体例に相当する。
【0025】
光源11は、例えば白色光を発するLED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)を含んで構成されている。あるいは、光源11は、例えば赤色,緑色または青色等を発するLEDを含んでいてもよい。光源11は、例えば、導光板13の端面(端面S3)に対向して配置されている。ここでは、光源11は、矩形状の導光板13の1つの長辺に沿って(1つの長辺に対応する端面S3に対向して)複数配置されている。但し、光源11の配置箇所はこれに限定されるものではない。例えば、2つの各長辺に沿って(2つの長辺に対応する各端面S3に対向して)複数配置されていてもよい。また、1または2つの各短辺に沿って複数配置されていてもよい。あるいは、4つの辺のそれぞれに沿って複数配置されていてもよい。
【0026】
1つの端面S3に対向配置される複数の光源11は、例えば等間隔で配置されている。これらの複数の光源11の個数および配列ピッチは、個々の光源11の輝度、導光板13の厚み、サイズおよび構成材料等に応じて適宜設定される。
【0027】
光源基板12は、端面S3に沿って配列する複数の光源11を保持するものである。この光源基板12は、各光源11の点灯および消灯を駆動する光源駆動回路に電気的に接続されている。光源駆動回路は、例えば表示装置1の背面側に取り付けられた駆動基板上に形成されている。
【0028】
導光板13は、端面S3から入射した光を、反射により内部を伝播させた後に第1面S1から出射させる(端面S3からの入射光に基づく光を第1面S1から出射させる)ものである。この導光板13の面形状(XY平面形状)は例えば矩形状であり、4つの端面S3を有している。ここでは、一例として、光源11に対向する1つの端面S3と、光源11に非対向の3つの端面S3とを有している。この導光板13は、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂およびシクロオレフィンポリマー(COP)樹脂などの透明樹脂を含んで構成されている。アクリル樹脂としては、例えばPMMA(ポリメチルメタクリレート)、PMMAとポリスチレンとの混合物またはポリメタクリルスチレン等が挙げられる。あるいは、導光板13は、ガラスにより構成されていてもよい。導光板13の第1面S1に対向する面(第2面S2)には、複数の凸部(後述の第1凸部15a1,第2凸部15B)が印刷または加工により形成されている。この導光板13の第2面S2の側には、これらの複数の凸部を介して反射シート14が接着されている。
【0029】
反射シート14は、光源11から入射された光の導光板13の第2面S2側への抜けを防ぐと共に、導光板13の内部を伝播する光を効率よく、反射させるものである。
【0030】
本実施の形態では、図2に示したように、この照明部10の導光板13の第2面S2内の有効表示領域A1には複数の第1凸部15a1が、周辺領域A2には、第2凸部15Bが、それぞれ配置されている。
【0031】
複数の第1凸部15a1(ドットパターン15A)は、光拡散性を有している。導光板13内を反射により伝播する光が、第1凸部15a1へ入射すると、この第1凸部15a1において散乱され(全反射条件を崩され)、第1面S1から出射されるようになっている。各第1凸部15a1の第2面S2における面形状(XY平面形状)は、例えば円形状または多角形状(ここでは円形状)である。ドットパターン15Aでは、第2面S2からの出射光の面内輝度分布が均一となるように、例えば、複数の第1凸部15a1の面形状の大きさ(径)または配置密度が、光源11からの距離に応じて変化している。図2の例では、複数の第1凸部15a1の径が光源11から離れるに従って大きくなるように構成されている。尚、ここでは、凸部が光拡散性を有するが、凸部は必ずしも光拡散性を有する必要はない。例えば、反射シート14が拡散性を有する場合には、凸部は光拡散性を有していなくともよい。
【0032】
各第1凸部15a1は、導光板13の第2面S2に、例えばスクリーン印刷などの印刷法によりパターン形成されている。第1凸部15a1は、例えば接着性を有する樹脂などに例えばシリカおよびチタン等の粒子を分散させて形成されたものである。接着性を有する材料としては、光学特性の観点から、光源11の発光波長域における吸収率が低く、導光板13および反射シート14に対して十分な接着力を持ち、かつ低ヤング率を有する(伸び性が高い)ものが選択されることが望ましい。第1凸部15a1が接着性を有することで、この第1凸部15a1を介して、導光板13の第2面S2と反射シート14とが接着されている。各第1凸部15a1同士の間は空隙(空気層150)となっている。
【0033】
第2凸部15Bは、第2面S2における面形状が例えば線状を有し、例えば有効表示領域A1を囲むように(有効表示領域A1の全周に)配置されている。第2凸部15Bの線状の幅は、ここでは全周にわたって一定となっている。第2凸部15Bの幅は、表示装置1の額縁の幅に応じて設定されればよく、特に限定されないが、できるだけ大きい方が第1凸部15a1へかかる応力をより低減できるため望ましい。一方で、第2凸部15Bの幅が大きくなり過ぎると、光学特性が低下することがあるので、それらの応力低減の効果と光学特性との兼ね合いから適切な幅が設定されるとよい。第2凸部15Bは、ここでは、全周にわたって連続して形成されているが、選択的な一部において離間していてもよい(一部に間隙を有していてもよい)。例えば、全周にわたって第2凸部15Bが形成されると高温時または低温時において空気が抜けにくくなるがあるため、少なくとも1箇所以上は、間隙が存在することが望ましい。また、第2凸部15Bの面形状としては、図2に示した形状に限定されない。例えば、図4Aに示したように、第2凸部15Bが、並行して配置された複数本の線状の凸部15b1,15b2を有していてもよい。また、図4Bに示したように、第2凸部15Bが破線状を有していてもよい(複数の凸部15b3が間隙を介して配置されていてもよい)。あるいは、図4Cに示したように、第2凸部15Bが波状を有していてもよい。
【0034】
この第2凸部15Bは、第1凸部15a1と同様、例えばスクリーン印刷などの印刷法によりパターン形成されている。第2凸部15Bは、例えば接着性を有する材料から構成されている。第2凸部15Bの構成材料は、第1凸部15a1と同一の材料であってもよいし、第1凸部15a1と異なる材料であってもよい。但し、第2凸部15Bは、第1凸部15a1と同一の材料により構成されていることが、生産上、望ましい。
【0035】
第1凸部15a1と同様、第2凸部15Bが接着性を有することで、この第2凸部15Bを介して、導光板13の第2面S2と反射シート14とが接着されている。このように、導光板13と反射シート14とは面全体で接着されるのではなく、第1凸部15a1および第2凸部15Bの形成箇所に対応する、離散的な複数の箇所において、部分的に接着されている。
【0036】
[作用、効果]
表示装置1では、TFT基板31およびCF基板32との間に駆動電圧が印加されることで、表示パネル30における液晶の光学特性が画素毎に変化する。照明部10から出射された光が、光学シート20を介して表示パネル30を透過することにより、表示パネル30上に映像が表示される。
【0037】
このとき、照明部10では、光源11が駆動されると、この光源11から発せられた光は、端面S3から導光板13内へ入射する。導光板13の内部では、端面S3からの入射光が、第1面S1と第2面S2との間で反射を繰り返しながら伝播する。この導光板13内を伝播する光が、第2面S2に設けられたドットパターン15Aの各第1凸部15a1に入射することで、散乱され(全反射条件が崩され)、第1面S1から出射される。
【0038】
ここで、一般的な表示装置では、薄型化を実現するために、例えばバックライトを構成する各光学部材(例えば光学シート、導光板および光源など)の薄型化が図られている。ところが、この薄型化された各光学部材を積層する、あるいは外周部だけを接着する、という手法では、装置全体の剛性が不十分となり易い。特に、表示パネルの大型化に伴って剛性が不十分となり易い。このため、剛性を維持するためには、例えばバックライトの各光学部材が、面接着される(面全体で接着される)ことが望ましい。
【0039】
ところが、面接着させた場合には、輝度(発光輝度または表示輝度)などの光学特性を維持しにくい。光学特性を十分に発揮させるために、各光学部材間に低屈折層(空気層など)を設けることが望まれる。
【0040】
例えば、図5に、本実施の形態の比較例1に係る導光板と光源との平面構成について示す。図6には、この導光板を用いた照明部100の断面構成について示す。この比較例1では、上記実施の形態と同様、光源基板102に保持された光源101が、導光板103の矩形状の1辺に対応する端面S3に対向して配置されている。また、導光板103の第1面S1に対向する第2面S2に、複数の凸部105a1が配置されている。更に、これらの複数の凸部105a1を介して、導光板103と反射シート104とが接着されている。即ち、凸部105a1の配置箇所に対応して部分接着されている。これにより、導光板103と反射シート104との間に空気層150が形成され、上記の面接着の場合よりも光学特性を維持し易くなる。但し、比較例では、導光板103の第2面S2内の有効表示領域A1にのみ、凸部105a1が配置されている。これらの複数の凸部105a1は、有効表示領域A1において、光源101からの距離に応じて、面形状の大きさまたは配置密度が変化して配置されている。
【0041】
ここで、図7に、導光板103における中心からの距離と凸部に係る応力との関係について示す。また、導光板103の基準サイズに対して、2倍、3倍、5倍、7倍とサイズが変化した各場合の特性についても示す。高温時または低温時には、導光板103と反射シート104との材質の線膨張係数差に起因して、せん断方向を主とする破壊応力が接着部である凸部105a1に集中する。この凸部105a1にかかる応力は、導光板103の外周に近づくほど大きくなり、外周部に応力が集中する傾向にある。また、図8に示したように、この応力は、温度に応じて変化する。尚、図8に示した実施例1は、図2に示したような全周にわたって線状の第2凸部15Bを形成した場合、実施例2は、図4Bに示したような破線状の第2凸部15Bを形成した場合のそれぞれの特性を示している。
【0042】
この結果、図9に模式的に示したように、例えば導光板103の外周部では、凸部105a1が変形したり、剥がれたりし易く、これにより反射シート104が剥離してしまう(図中のX1)。導光板103内を伝播してきた光L100が、この剥離部分に入射すると、例えば第2面S2から光抜け等が生じ、光学特性が低下する。加えて、凸部105a1は、例えば光源101に近いほど径が小さく形成されていることが多い。この場合、熱源である光源101の付近での接着面積が他の領域に比べて小さくなる。このことによっても導光板103と反射シート104との剥離が生じ易く、光学特性の低下につながる。
【0043】
これに対し、本実施の形態では、導光板13の第2面S2の側に、複数の凸部(第1凸部15a1,第2凸部15B)を介して反射シート14が接着されている。具体的には、第2面S2の有効表示領域A1には光拡散性を有する複数の第1凸部15a1が配置され、これにより、導光板13内を伝播する光が拡散されて第1面S1から出射される。このように、導光板13と反射シートと14が、第1凸部15a1において部分的に接着される(空気層150が介在する)ことから、面接着される場合に比べ、界面での光損失が生じにくくなり、光学特性の低下が抑制される。
【0044】
ここで、上述したように導光板13と反射シート14との間の第1凸部15a1には、導光板13と反射シート14との線膨張係数差に起因する応力がかかり易い。導光板13の第2面S2の周辺領域A2の少なくとも一部に、第2凸部15Bが配置されることで、接着面積が増大すると共に、第1凸部15a1にかかる応力が低減される。従って、導光板13と反射シート14との剥離が抑制される。これにより、第1面S1からの出射光の光学特性の低下が抑制される。
【0045】
以上のように本実施の形態では、導光板13の第2面S2の有効表示領域A1の周辺領域A2の少なくとも一部に、第2凸部15Bが配置されることで、導光板13と反射シート14との剥離を抑制することができる。よって、光学部材同士の剥離(例えば、導光板13と反射シート14との剥離)を抑制して光学特性を維持することが可能となる。
【0046】
次に、上記第1の実施の形態の変形例および他の実施の形態について説明する。以下では、上記第1の実施の形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
【0047】
<変形例1>
図10は、変形例1に係る導光板13(第2面S2)と光源11との平面構成を表したものである。図11は、図10に示した光源11に近接する領域を拡大したものである。上記第1の実施の形態では、周辺領域A2において、第2凸部15Bが有効表示領域A1の全周にわたって形成された構成を例示したが、本変形例のように、第2凸部は、周辺領域A2のうち光源11に近接する領域では、他の領域(光源から離れた領域)と異なる形状、レイアウトを有していてもよい。
【0048】
例えば、周辺領域A2のうちの光源11から離れた領域(第2面S2のうちの光源11に非対向となる3つの辺に対応する領域)では、上記第1の実施の形態と同様に、線状の第2凸部15Bが有効表示領域A1を囲むように配置されている。一方、周辺領域A2のうちの光源11に近接する領域(第2面S2のうちの光源11に対向する1つの辺に対応する領域)では、上記第1の実施の形態と異なり、選択的な領域に第2凸部15Cが配置されている。
【0049】
第2凸部15Cは、周辺領域A2のうちの光源11同士の間の領域Daに配置されていることが望ましい。尚、図11の斜線部分は、光源11からの入射光を模式的に表している。この第2凸部15Cは、1または複数(ここでは3つ)の凸部15c1を含んで構成されている。第2凸部15Cにおける凸部15c1のレイアウトは特に限定されるものではないが、ここでは、円形状の面形状を有する3つの凸部15c1が全体として三角形を成すように配置されている。
【0050】
この凸部15c1は、第2凸部15Bと同様、例えばスクリーン印刷などの印刷法によりパターン形成され、例えば光拡散性および接着性を有する材料から構成されている。凸部15c1の構成材料は、上述した第1凸部15a1と同一の材料であってもよいし、第1凸部15a1と異なる材料であってもよい。但し、凸部15c1は、第1凸部15a1および第2凸部15Bと同一の材料により構成されていることが望ましい。第1凸部15a1および第2凸部15B,15Cを同一の工程により一括して形成することができ、別々の工程で形成する場合に比べ工程数を削減できるためである。
【0051】
本変形例では、周辺領域A2に、第2凸部15B,15Cが配置されることで、有効表示領域A1に配置された第1凸部15a1へかかる応力を低減しつつ、接着面積を増大させることができる。このため、導光板13と反射シート14(図10および図11には図示せず)との剥離を抑制することができる。従って、上記第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。
【0052】
また、周辺領域A2のうちの光源11に近接する領域では、光源11の輝度および配列ピッチ等に起因して輝度むらが生じ易い。本変形例のように、その選択的な領域(例えば光源11同士の間の領域Da)に第2凸部15Cが配置されることで、接着面積を確保しつつ、輝度むらを抑制することができる。上記第1の実施の形態よりも、導光板13からの出射光における光学特性をより高めることが可能となる。
【0053】
尚、光源11に近接する領域に配置される第2凸部は上記の例に限定されるものではない。また、光源11に近接する領域には、例えば図12Aに示したように、円形状の第2凸部15d1が等間隔をおいて複数配置されたドットパターン15Dが形成されていてもよい。あるいは、図12Bに示したように、光源11に近接する領域は第2凸部が配置されていない(光源11から離れた領域にのみ第2凸部15Bが配置された)構成であってもよい。
【0054】
<変形例2>
図13Aは、変形例2に係る導光板13(第2面S2)と光源11との平面構成を表したものである。上記第1の実施の形態では、周辺領域A2において第2凸部15Bが、全周にわたって一定の幅を有するものであったが、第2凸部15Bの幅は、光源11からの距離に応じて異なっていても構わない。
【0055】
例えば、本変形例のように、周辺領域A2において線状の第2凸部15Bの幅が、光源11に近づくに従って(光源11からの距離が小さくなるに従って)、大きくなっている。具体的には、第2凸部15Bは、第2面S2の面形状の2つの短辺に対応する領域に、光源11側の反対側の端部e2から光源11側の端部e1に向かって徐々に幅が大きくなる部分(凸部15b4)を有している。この凸部15b4は、第2凸部15Bにおいて、他の部分と連なって配置されていてもよいし、他の部分とは分離して配置されていてもよい。ここでは、一例として、第2面S2の面形状の3辺に対応する領域(光源11に近接する領域を除く領域)にわたって連なって配置されている。尚、光源11に近接する領域では、特に図示はしていないが、第2凸部が配置されていなくともよいし、配置されていてもよい。後者の場合には、図10に示したように、選択的な領域に第2凸部15Cが配置されることが望ましい。
【0056】
本変形例では、周辺領域A2に、凸部15b4を含む第2凸部15Bが配置されることで、有効表示領域A1に配置された第1凸部15a1へかかる応力を低減しつつ、接着面積を増大させることができる。このため、導光板13と反射シート14(図13Aには図示せず)との剥離を抑制することができる。従って、上記第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。
【0057】
また、有効表示領域A1では、上述したように、第1凸部15a1の径または配置密度が光源11から離れるに従って大きくなるドットパターン15Aが形成されている。このような構成では、熱源となる光源11の近傍において、接着面積が小さくなり、反射シート14が剥離し易い。本変形例のように、光源11に近づくに従って幅が大きくなる凸部15b4が配置されることで、光源11の近傍において接着面積を確保し易くなる。よって、上記第1の実施の形態よりも剥離を抑制し易く、光学特性および剛性の向上につながる。
【0058】
尚、図13Bに示したように、例えば光源11が第2面S2の面形状の2つの長辺に対向して配置されている場合には、第2面S2の面形状の2つの短辺に対応する領域に、第2凸部として、凸部15b5が配置されている。凸部15b5は、中心部から光源11側の両端(2つの端部e1)に向かって幅が大きくなる面形状を有している。このように光源11が2辺に沿って配置されている場合にも、上記1辺に配置された場合と同様に、有効表示領域A1では、光源11の近傍において接着面積が小さくなる傾向がある。この構成において、凸部15b5が配置されることで、光源11の近傍において接着面積を確保し易くなる。
【0059】
また、上記変形例2では、線状の第2凸部15Bの幅が、光源11からの距離に応じて変化した構成を例示したが、第2凸部15Bの面形状は、線状に限らず、図4Bに示したような破線状、または図4Cに示したような波状であってもよい。
【0060】
<変形例3>
図14Aは、変形例3に係る第2凸部の平面構成を表したものである。上記変形例2では、線状(または破線状、波状)の第2凸部において幅が変化する構成例について説明したが、第2凸部15Bの構成はこれに限定されない。例えば、本変形例のように、第2凸部15Bとして、各面形状が円形状(または多角形状)の複数の凸部15b6が配置されていてもよい。
【0061】
具体的には、複数の凸部15b6は、光源11に近づくに従って(光源11からの距離が小さくなるに従って)、径が大きくなるように配置されている。あるいは、図14Bに示したように、複数の凸部15b6は、光源11に近づくに従って、配置密度が大きくなるように配置されている。
【0062】
本変形例においても、第2凸部15Bを構成する円形状の凸部15b6の面形状の大きさまたは配置密度を変化させることで、光源11からの距離に応じて接着面積を変化させることができ、上記変形例2と同等の効果を得ることができる。
【0063】
<変形例4>
図15は、変形例4に係る導光板13(第2面S2)と光源11との平面構成を表したものである。上記第1の実施の形態では、有効表示領域A1では、第1凸部15a1の面形状の大きさ(径)が光源11からの距離に応じて変化した構成を例示したが、本変形例のように、ドットパターン15Eにおいて、複数の第1凸部15e1の径は同一で、配置密度が異なっていてもよい。具体的には、有効表示領域A1のドットパターン15Eでは、複数の第1凸部15e1の配置密度が、光源11に近づくに従って小さくなり、光源11から離れるに従って大きくなるように構成されている。この第1凸部15e1は、上記第1の実施の形態の第1凸部15a1と同様、光拡散性および接着性を有する材料を含んで構成されている。
【0064】
この構成において、周辺領域A2に設けられる第2凸部15Fは、上述したような線状等の面形状を有していてもよいが、望ましくは、本変形例のように複数の凸部15f1を含んで構成されている。複数の凸部15f1はそれぞれ、第1凸部15e1と同一の材料から構成されると共に、同一の大きさ(径)を有することが望ましい。第2凸部15Fにおいて、複数の凸部15f1は、その径の大きさに応じて1または複数列(ここでは2列)にわたって、例えば周辺領域A2の少なくとも一部に配置されている。図15に示した例では、第2面S2の面形状の3辺に対応する領域に沿って複数の凸部15f1が密に配置されている。他の1辺に対応する領域(光源11に近接する領域)には、特に図示していないが、第2凸部が配置されていなくともよいし、配置されていてもよい。後者の場合には、図10に示したように、選択的な領域に第2凸部15Cが配置されることが望ましい。
【0065】
本変形例では、周辺領域A2に、第2凸部15Fが配置されることで、有効表示領域A1に配置された第1凸部15e1へかかる応力を低減しつつ、接着面積を増大させることができる。このため、導光板13と反射シート14(図15には図示せず)との剥離を抑制することができる。従って、上記第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。
【0066】
また、第2凸部15Fにおいて各凸部15f1が、有効表示領域A1に配置された第1凸部15e1と同一材料から構成されると共に、同一の大きさを有することにより、次のような効果がある。
【0067】
即ち、例えば図16に示したように、有効表示領域A1に複数の凸部15e1が、周辺領域A2には、第1凸部15e1と異なる材料または異なる大きさを有する第2凸部105Bが、それぞれ印刷等によって形成された場合、第1凸部15e1の高さh1と、第2凸部105Bの高さh2とが異なることがある。例えば、第2凸部105Bが第1凸部15e1と同一の材料から構成されていても、大きさ(径または幅d1,d2)が異なる場合(d1<d2)には、第2凸部105Bの高さh2は、第1凸部15e1の高さh1よりも大きくなる(h1<h2)。この結果、導光板13と反射シート14との密着性が局所的に低下して、光学特性が損なわれる。これに対し、本変形例では、周辺領域A2に配置された凸部15f1が、有効表示領域A1に配置された第1凸部15e1と同一材料から構成されると共に、同一の大きさを有することで、図17に示したように、凸部15f1の高さが第1凸部15e1の高さh1に等しくなる。このため、導光板13と反射シート14との密着性が高まり、光学特性の低下を抑制できる。
【0068】
<第2の実施の形態>
図18は、本開示の第2の実施の形態に係る導光板(導光板13A)の平面構成(第2面S2の構成)と光源11との構成とを表したものである。本実施の形態の導光板13Aは、上記第1の実施の形態の導光板13と同様、反射シート14と接着された(一体化された)状態で、照明部10を構成すると共に、表示装置1に用いられるものである。また、導光板13Aの端面S3に対向して光源11が配置されている。導光板13Aは、その第2面S2における面形状が矩形状であり、構成材料としては上記第1の実施の形態の導光板13と同様のものを用いることができる。
【0069】
但し、本実施の形態の導光板13Aでは、第2面S2の有効表示領域A1内に、拡散度の異なる複数種類の凸部(ここでは、2種類の凸部15h1,15h2)が配置されている。具体的には、凸部15h1(第3の凸部)は、拡散度がより大きい材料から構成され、凸部15h2(第4の凸部)は拡散度がより小さな材料から構成されている。凸部15h1の拡散度は、凸部15h2の拡散度よりも大きいものである。凸部15h1,15h2は、上記第1の実施の形態の第1凸部15a1の構成材料として説明したものと同様のものを用いることができる。但し、凸部15h1としては、光拡散性および接着性を有する材料が用いられることが望ましく、凸部15h2としては、接着性を有する材料であれば光拡散性は有していなくともよい。
【0070】
凸部15h1は、有効表示領域A1内に複数設けられている。これらの複数の凸部15h1では、図19Aに示したように、凸部15h1の面形状の大きさまたは配置密度が光源11から離れるに従って(光源11からの距離が大きくなるに従って)大きくなっている。ここでは、凸部15h1の面形状が円形状であり、その径が光源11から離れるに従って大きくなっている。
【0071】
凸部15h2は、有効表示領域A1内に複数設けられている。これらの複数の凸部15h2では、図19Bに示したように、凸部15h2の面形状の大きさまたは配置密度が光源11から離れるに従って(光源11からの距離が大きくなるに従って)小さくなっている。ここでは、凸部15h2の面形状が円形状であり、その径が光源11から離れるに従って小さくなっている。
【0072】
これらの凸部15h1,15h2の拡散度は、例えば、各凸部15h1,15h2に含まれるシリカおよびチタン等の粒子の大きさおよび濃度等を変化させることで調整することができる。
【0073】
このように本実施の形態では、導光板13Aの第2面S2の側に、光拡散性を有する複数の凸部15h1,15h2を介して反射シート14(図18には図示せず)が接着されている。これらの複数の凸部15h1,15h2により、導光板13A内を伝播する光が拡散されて導光板13Aの第1面S1(図18には図示せず)から出射される。これらのうち凸部15h1の拡散度は凸部15h2の拡散度よりも大きい。複数の凸部15h1では、その面形状の大きさまたは配置密度が光源11から離れるに従って大きくなる。複数の凸部15h2では、その面形状の大きさまたは配置密度が光源11から離れるに従って小さくなっている。
【0074】
これにより、凸部15h1,15h2を含む有効表示領域A1全体では、光源11から離れるに従って拡散性を強める傾向を保ちつつ、接着面積を増大させることができる。したがって、導光板13Aの第1面S1からの出射光の輝度分布を維持しつつ、接着面積を確保することができる。よって、上記第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。
【0075】
<変形例5>
図20および図21は、上記第1の実施の形態等の照明部10が適用される卓上用の照明装置の外観を表したものである。照明部10は、上述した表示装置1の他にも、本変形例のような照明装置に適用することが可能である。この照明装置は、例えば、基台841に設けられた支柱842に、照明部843を取り付けたものであり、この照明部843は、上記第1の実施の形態に係る照明部10により構成されている。照明部843は、導光板13や反射シート14などを湾曲形状とすることにより、図20に示した筒状、または図21に示した曲面状など、任意の形状とすることが可能である。
【0076】
図22は、上記第1の実施の形態等の照明部10が適用される室内用の照明装置の外観を表したものである。照明部10は、上述した表示装置1の他にも、本変形例のような照明装置に適用することが可能である。この照明装置は、例えば、上記第1の実施の形態に係る照明部10により構成された照明部844を有している。照明部844は、建造物の天井850Aに適宜の個数および間隔で配置されている。なお、照明部844は、用途に応じて、天井850Aに限らず、壁850Bまたは床(図示せず)など任意の場所に設置することが可能である。
【0077】
以上、実施の形態を挙げて説明したが、本開示は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態等では、導光板13と反射シート14とが、接着性を有する凸部(第1凸部,第2凸部)を介して接着された構成を例示したが、これらの凸部は必ずしも接着性を有していなくともよい。
【0078】
例えば、図23Aに示したように、導光板13の第2面S2側が、例えばレーザー等により加工されることにより、凸部15g1が複数形成されていてもよい。即ち、凸部15g1が導光板13の一部であってもよい。この場合、反射シート14の導光板13側の面に薄い接着層151が形成され、この接着層151により導光板13と反射シート14とが接着されるが、凸部15g1同士の間の領域は空気層150となり、上記実施の形態と同様、光学特性の低下を抑制できる。
【0079】
また、導光板13の第2面S2側の形状は、加工により様々な形状を取り得る。例えば図23Bに示したように、断面台形状の凸部15g2が形成されていてもよい。この場合、凸部15g2同士の間の領域(断面三角形状の凹部分)が空気層150となる。
【0080】
更に、上記実施の形態等では、第1凸部および第2凸部が接着性を有する材料を含む場合を例示したが、これらの第1凸部および第2凸部は、接着性を有していなくともよい。この場合、例えば図24に示したように、第1凸部および第2凸部(ここでは第1凸部15a1のみを図示している)と反射シート14との間に接着層151が形成される。
【0081】
更に、上記実施の形態等では、表示装置1として液晶表示装置を例示したが、プラズマ表示装置や有機電界発光表示装置に適用してもよい。
【0082】
加えて、上記実施の形態において説明した各部材は一例であり、全ての部材を備える必要はなく、また、他の部材を更に備えていてもよい。
【0083】
尚、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
【0084】
また、本開示は以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
複数の光源と、
前記複数の光源に対向して配置された端面と、前記端面からの入射光に基づく光を出射する第1面と、前記第1面に対向すると共に複数の凸部を含む第2面とを有する導光板と、
前記導光板の前記第2面の側に、前記複数の凸部を介して接着された光学シートと
を備え、
前記複数の凸部は、
前記第2面内の第1領域に配置された複数の第1の凸部と、
前記第2面内の前記第1領域の周辺の第2領域の少なくとも一部に配置された1または複数の第2の凸部と
を有する
照明装置。
(2)
前記1または複数の第2の凸部の前記第2面における面形状の大きさまたは配置密度が、前記光源からの距離に応じて異なっている
上記(1)に記載の照明装置。
(3)
前記1または複数の第2の凸部の前記面形状は、前記導光板の前記第2領域の少なくとも一部において、線状、破線状または波状を有し、
前記面形状における幅が、前記光源に近づくに従って大きくなっている
上記(2)に記載の照明装置。
(4)
前記第2の凸部は複数設けられ、
前記複数の第2の凸部の前記第2面における各面形状は、円形状または多角形状を有し、
前記複数の第2の凸部の各面形状における径または配置密度が、前記光源に近づくに従って大きくなっている
上記(2)に記載の照明装置。
(5)
前記1または複数の第2の凸部は、前記第2領域において、前記第1領域を囲むように配置されている
上記(1)〜(4)のうちのいずれか1つに記載の照明装置。
(6)
前記第2の凸部は複数設けられ、
前記複数の第2の凸部のうちの前記光源から離れた領域に配置された第2の凸部は、前記第1領域を囲むように配置され、
前記複数の第2の凸部のうちの前記光源に近接する領域に配置された第2の凸部は、前記光源の位置に応じた選択的な領域に配置されている
上記(1)〜(5)のうちのいずれか1つに記載の照明装置。
(7)
前記第1の凸部と前記第2の凸部とは、互いに同一の材料から構成されている
上記(1)〜(6)のうちのいずれか1つに記載の照明装置。
(8)
前記第2の凸部は複数設けられ、
前記第1および第2の凸部の前記第2面における各面形状は、円形状または多角形状を有し、
前記第1の凸部の前記面形状の径と、前記第2の凸部の前記面形状の径とが互いに同一である
上記(7)に記載の照明装置。
(9)
前記複数の第1の凸部は、互いに異なる拡散度を有する第3および第4の凸部をそれぞれ複数有し、
前記第3の凸部の拡散度は、前記第4の凸部の拡散度よりも大きく、
複数の前記第3の凸部の前記第2面における面形状の大きさまたは配置密度が前記光源から離れるに従って大きくなり、
複数の前記第4の凸部の前記第2面における面形状の大きさまたは配置密度が前記光源から離れるに従って小さくなる
上記(1)〜(8)のうちのいずれか1つに記載の照明装置。
(10)
前記第3および第4の凸部の前記第2面における各面形状は、円形状または多角形状を有する
上記(9)に記載の照明装置。
(11)
前記第1および第2の凸部は、前記導光板と前記光学シートとを接着する接着材料を含む
上記(1)〜(10)のうちのいずれか1つに記載の照明装置。
(12)
前記第1および第2の凸部と、前記光学シートとの間に接着層を有する
上記(1)〜(11)のうちのいずれか1つに記載の照明装置。
(13)
複数の光源と、
前記複数の光源に対向して配置された端面と、前記端面からの入射光に基づく光を出射する第1面と、前記第1面に対向すると共に複数の凸部を含む第2面とを有する導光板と、
前記導光板の前記第2面の側に、前記複数の凸部を介して接着された光学シートと
を備え、
前記複数の凸部は、互いに異なる拡散度を有する第3および第4の凸部をそれぞれ複数有し、
前記第3の凸部の拡散度は、前記第4の凸部の拡散度よりも大きく、
複数の前記第3の凸部の前記第2面における面形状の大きさまたは配置密度が前記光源から離れるに従って大きくなり、
複数の前記第4の凸部の前記第2面における面形状の大きさまたは配置密度が前記光源から離れるに従って小さくなる
照明装置。
(14)
表示パネルと、前記表示パネルを照明する照明装置とを備え、
前記照明装置は、
複数の光源と、
前記複数の光源に対向して配置された端面と、前記端面からの入射光に基づく光を出射する第1面と、前記第1面に対向すると共に複数の凸部を含む第2面とを有する導光板と、
前記導光板の前記第2面の側に、前記複数の凸部を介して接着された光学シートと
を備え、
前記複数の凸部は、
前記第2面内の第1領域に配置された複数の第1の凸部と、
前記第2面内の前記第1領域の周辺領域である第2領域の少なくとも一部に配置された1または複数の第2の凸部と
を有する
表示装置。
(15)
表示パネルと、前記表示パネルを照明する照明装置とを備え、
前記照明装置は、
複数の光源と、
前記複数の光源に対向して配置された端面と、前記端面からの入射光に基づく光を出射する第1面と、前記第1面に対向すると共に複数の凸部を含む第2面とを有する導光板と、
前記導光板の前記第2面の側に、前記複数の凸部を介して接着された光学シートと
を備え、
前記複数の凸部は、互いに異なる拡散度を有する第3および第4の凸部をそれぞれ複数有し、
前記第3の凸部の拡散度は、前記第4の凸部の拡散度よりも大きく、
複数の前記第3の凸部の前記第2面における面形状の大きさまたは配置密度が前記光源から離れるに従って大きくなり、
複数の前記第4の凸部の前記第2面における面形状の大きさまたは配置密度が前記光源から離れるに従って小さくなる
表示装置。
【0085】
本出願は、日本国特許庁において2015年11月19日に出願された日本特許出願番号第2015−226428号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
【0086】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20
図21
図22
図23A
図23B
図24