特許第6786522号(P6786522)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6786522マイクロ溶離ベッド構造を有するサンプル抽出装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6786522
(24)【登録日】2020年10月30日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】マイクロ溶離ベッド構造を有するサンプル抽出装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/00 20060101AFI20201109BHJP
   G01N 33/48 20060101ALI20201109BHJP
   G01N 1/10 20060101ALI20201109BHJP
【FI】
   G01N30/00 B
   G01N30/00 C
   G01N33/48 B
   G01N1/10 C
【請求項の数】18
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2017-560261(P2017-560261)
(86)(22)【出願日】2016年3月30日
(65)【公表番号】特表2018-515779(P2018-515779A)
(43)【公表日】2018年6月14日
(86)【国際出願番号】US2016025100
(87)【国際公開番号】WO2016186737
(87)【国際公開日】20161124
【審査請求日】2019年1月16日
(31)【優先権主張番号】14/718,065
(32)【優先日】2015年5月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516348360
【氏名又は名称】テカン・エスピー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Tecan SP,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ディムソン
【審査官】 高田 亜希
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−315603(JP,A)
【文献】 特開平06−046790(JP,A)
【文献】 米国特許第06761855(US,B1)
【文献】 特表2000−514551(JP,A)
【文献】 特表平07−501223(JP,A)
【文献】 特開2005−315834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00 − 30/96
C12Q 1/00 − 3/00
C12M 1/00 − 3/10
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体サンプルから被検物質を抽出するための装置であって、
a)入口、出口、および被検物質を含む液体サンプルを通すための入口と出口との間の通路を有し、全直径ベッド領域および減じられた直径ベッド領域を有するマイクロカラム、ならびに
b)前記通路を横切って延在する頂部および底部を有する抽出システム
を有して成り、
前記抽出システムが、第1層状構造および第2層状構造を有して成り、
前記第1層状構造が、上方流れ分配層および上方圧縮層を、頂部から底部まで有して成り、該第1層状構造が全直径ベッド領域に位置付けられ、ならびに
前記第2層状構造が、中間圧縮層、微粒子抽出媒体の抽出層および下方圧縮層を頂部から底部まで有して成り、該第2層状構造が減じられた直径ベッド領域に位置付けられていて、前記第1層状構造と前記第2層状構造との間において前記減じられた直径ベッド領域にエア・ギャップが位置付けられている、
装置。
【請求項2】
前記第1層状構造が、前記上方圧縮層の下に位置付けられる中間流れ分配層をさらに有して成る、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1層状構造が、前記中間流れ分配層と前記上方圧縮層との間に位置付けられるフリットをさらに有して成る、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1層状構造が、前記上方圧縮層の下に位置付けられるフリットをさらに有して成る、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第2層状構造が、前記下方圧縮層の下に下方流れ分配機をさらに有して成る、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
エア・ギャップが、前記第1層状構造の上方圧縮層と前記第2層状構造の中間圧縮層との間に形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記抽出システムが、少なくとも1つの第1層状構造および少なくとも1つの第2層状構造を有して成る、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
アレイ状の複数のマイクロカラムをさらに有して成る、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
第1ステージと関連する第1マイクロカラムおよび第2ステージと関連する第2マイクロカラムを少なくとも規定するように、直列の複数のマイクロカラムをさらに有して成る、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第1マイクロカラムは、封止されていないように前記第2マイクロカラム内に配置されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
液体サンプルから被検物質を抽出するための装置であって、
a)直列する上方の第1マイクロカラムおよび下方の第2マイクロカラムであって、各々のマイクロカラムが入口、出口、および被検物質を含む液体サンプルを通すための入口と出口との間の通路を有し、それによって、第1マイクロカラムが第1通路を規定し、また第2マイクロカラムが第2通路を規定し、各々のマイクロカラムが、全直径ベッド領域および減じられた直径ベッド領域をさらに有する、第1マイクロカラムおよび第2マイクロカラム、
b)第1マイクロカラムの第1通路を横切って延在する頂部および底部を有し、上方流れ分配機/支持層および上方圧縮層を頂部から底部までに有して成り、第1マイクロカラムの全直径ベッド領域に位置付けられる、第1層状構造、ならびに
c)第2マイクロカラムの第2通路を横切って延在する頂部および底部を有し、微粒子抽出媒体の抽出層および下方圧縮層を頂部から底部まで有して成り、第2マイクロカラムの減じられた直径ベッド領域に位置付けられる、第2層状構造
を有して成る、装置。
【請求項12】
前記第1層状構造が、前記上方圧縮層の下に抽出層をさらに有して成る、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1マイクロカラムの第1通路を横切って延在する頂部および底部を有し、該第1マイクロカラムの減じられた直径ベッド領域に位置付けられる第3層状構造を有して成り、該第3層状構造が、中間圧縮層および下方圧縮層を頂部から底部までに有して成る、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記第3層状構造が、前記中間圧縮層と前記下方圧縮層との間にエア・ギャップをさらに有して成る、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第3層状構造が、前記中間圧縮層と前記下方圧縮層との間に抽出層をさらに有して成る、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
サンプルから被検物質を抽出する方法であって、
a)請求項11に記載の装置と液体バッファ中のサンプルとを接触させること、および
b)サンプルを溶離バッファで装置から溶離させること
を含んで成る方法。
【請求項17】
前記装置と液体バッファ中のサンプルとを接触させることが、通気を供するために、封止されていないように第1マイクロカラムを第2マイクロカラム内に配置することによって、圧力下でサンプルを第1マイクロカラムに通して濾過し、減圧下でサンプルを第2マイクロカラムへと流すことを含んで成る、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記装置と液体バッファ中のサンプルとを接触させることが、第1マイクロカラムを除去し、サンプルを第2マイクロカラムに通して濾過することをさらに含んで成り、前記サンプルを溶離バッファで装置から溶離させることが、溶離バッファを第2マイクロカラムに流す工程を含んで成る、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2015年5月20日に先に出願された米国非仮特許出願第14/718065号(発明の名称「マイクロ溶離ベッド構造を有するサンプル抽出装置」と題される出願)について、米国特許法第35条119条(a)に基づく優先権の利益を主張する。その出願自体が2014年5月20日に出願された米国仮特許出願第62/000759号について、米国特許法第35条119条(a)に基づく優先権の利益を主張しており、その各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、液体サンプルから被検物質を抽出するためのマイクロカラム、特に生体液から被検物質を抽出するためのマイクロカラムに関する。
【背景技術】
【0003】
液体サンプル、例えば血液および尿のような生体液(または生物学的液体、biological fluids)中に存在する被検物質(または検体、analyte)の正確で安価な検出は、健康管理にとって重要である。患者の健康状態を監視し、病気の有無を検出し、違法または制限された薬物の使用を監視するために、血液および尿中の被検物質の検査が行われる。例えば、医師は、抗不整脈薬、喘息薬、インスリンおよび抗凝固薬などの薬剤を投与するとき、患者の投薬量を調節するために血液の薬物含量をチェックする。ヘロイン、マリファナ、コカインおよびコデインなどの乱用され得る薬物は、従業員やアスリートなどによる薬物の乱用を判定するために検査することができる。
【0004】
被検物質の検出に使用される技術は、被検物質を生体液から固体媒介(または固体培地、solid media)に選択的に抽出することを含む。その後、被検物質は、適切な溶離(または溶出、elution)液によって固体媒介から除去され、被検物質が溶離液中に存在するかどうかを決定するために試験が行われる。これらの試験は、ガスクロマトグラフィー質量分析または液体クロマトグラフィー質量分析を用いて行われる。
【0005】
抽出カラムはこれまでに使用されてきた。例えば、粒状シリカがカラム中の固体媒体(またはメディア、media)として使用されている。さらに、媒体は単一の直径のシリンダー形状を有するカラム内のフリット(frit)の間に挟まれている。これらの従来技術のデバイス(または装置、device)は効果的であり得るが、これらのデバイスおよび全体的なプロセスおよび下流の環境への影響を改善することが望ましい。抽出デバイスは、プロセスのスループット(または処理能力、throughput)を改善し、サンプルから非常に高い割合の被検物質を除去し、移送可能であり、損傷なく保存でき、安価であることが望ましい。さらに、このようなデバイスは、既存の自動化設備と互換性があり、分析結果を阻害する可能性のある溶離液または化合物を、生体液または他の液体サンプルに浸出させないことが望ましい。同様に、媒体のベッド(または床、bed)の容積および関連するデッドボリューム(または死容量、dead volume)を最小にして、洗浄溶離液の体積を低下させることが望ましい。液体の体積を最小にすることによって、分析のためにより濃縮されたサンプルが得られ、試験の感度が向上する。チャネリング(channeling)なしでデッドボリュームのない、抽出媒体を通る均一な流れを維持することによって、最小溶離体積でサンプル液体からの高い収率を得ることができる。
【発明の概要】
【0006】
本発明の態様は、液体サンプルから被検物質を抽出するための装置(apparatus)を含む。この装置は、入口、出口、および被検物質を含む液体サンプルを通すための入口と出口との間の通路を有する容器であって、全直径(full diameter)ベッド領域(bed region)および減じられた直径(または縮径、reduced diameter)ベッド領域を有する容器を含む。この装置は、通路を横切って延在する頂部および底部を含み、(i)上方流れ分配機(upper flow distributor)/支持層(support layer)、(ii)上方圧縮層(upper compression layer)、(iii)層(ii)に隣接する微粒子抽出媒体の抽出層(extraction layer of microparticulate extraction medium)および(iv)抽出層(iii)に隣接して位置付けられる下方圧縮層(lower compression layer)を、頂部から底部まで有して成り、(i)上方流れ分配機および(ii)上方圧縮層が全直径ベッド領域に位置付けられ、(iii)抽出層および(iv)下方圧縮層が減じられた直径ベッド領域に位置付けられる。追加の態様では、装置は、(i)上方流れ分配機、(ii)上方圧縮層、(i’)中間流れ分配機(middle flow distributor)、(ii’)減じられた直径ベッド領域における中間圧縮層(middle compression layer)、(iii)層(ii’)に隣接する微粒子抽出媒体の抽出層、(iv)層(iii)に隣接する下方圧縮層、および(v)オプションとして、下方流れ分配機を含む7つの層状構造(layered construction)を含み得、(i)、(ii)、(i’)および(ii’)は全直径ベッド領域に位置付けられ、ならびに層(iii)〜(v)は減じられた直径ベッド領域に位置付けられ得る。
【0007】
一態様では、装置は1またはそれよりも多いエア・ギャップ層を有する。一態様では、エア・ギャップ層は、減じられた直径ベッド領域内に配置される。さらなる態様のエア・ギャップ層は、減じられた直径ベッド領域の直径の1/2から減じられた直径ベッド領域の直径の4倍までの範囲の高さを有する。さらに別の態様では、エア・ギャップ層が、層(i’)と層(ii’)との間に位置付けられる。
【0008】
全直径ベッド領域の有効面積(effective area)と減じられた直径ベッド領域の有効面積との間の比も変化し得る。全直径ベッド領域の有効面積はA=πrであり、rは全直径ベッド領域における容器の内面の半径であり、減じられた直径ベッド領域の有効面積はA=πrであり、rは減じられた直径ベッド領域における容器の内面の半径である。全直径ベッド領域の有効ベッド面積と、減じられた直径ベッド領域の有効面積との間の比は、約10:1〜1.5:1の範囲である。一態様では、抽出媒体の有効面積と上方圧縮層の有効面積との比は約1:10である。さらなる態様では、上方圧縮層の有効面積に対する抽出媒体の有効面積の比は約1:4である。別の実施形態では、全直径ベッド領域の有効面積と、減じられた直径ベッド領域の有効面積との比は、約4:1である。
【0009】
抽出媒体はまた、特定の被検物質で機能するように調整することもできる。一態様では、抽出媒体は約20μm未満の数平均粒子サイズを有する。さらなる態様において、抽出媒体は、約10μm未満の数平均粒子サイズを有する。
【0010】
本装置は、アレイ状に(または配列されるように、もしくは整列されるように、in an array)配置された複数の容器を有していてもよく、オプションとして、ウェル(または多数の穴、もしくは多数のくぼみ、wells)の対応するアレイを有する収集プレートを有してもよい。
【0011】
さらなる態様では、装置は、デュアル(または二重の、もしくは2つの、dual)バレル(barrel)を有するか、またはステージ(または段、stage)あたり、1つの容器または複数の(または多数の、multiple)容器を有するかどうかにかかわらず、2つのステージで構成される。トップ・バレルまたは第1ステージには、分析サンプルがトップ・バレルを通過する際に不要な不純物を除去するための濾過システムが備わる。トップ・バレルを通過する際に、対象の被検物質は、所望の量の吸着剤で満たされたボトム・バレルまたは第2ステージのカラムによって捕捉され得、比較的より少ない溶離体積(または溶離容積、elution volumes)を有する比較的クリーンな抽出を可能にする。
【0012】
本発明のさらなる態様は、本装置を使用する方法、および本装置を含むキットに関する。
【0013】
本発明およびその複数の態様を以下でさらに説明する。当然のことながら、これらの記載された態様の変形は、本説明を参照することによって当業者には明らかになるであろうし、また当業者は適切な組合せおよび変形を認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A図1Aは、本装置の外観を示す斜視模式図である。
図1B図1Bは、本装置に使用される層の一態様の拡大断面側面模式図である。
図2A図2Aは、既存のマイクロカラムMの断面側面図である。
図2B図2Bは、本装置の別の態様の断面側面図である。
図2C図2Cは、外部に1またはそれよりも多いリブ50を有する本装置のさらに別の態様の断面側面図である。
図2D図2Dは、ルアーチップ・システム(luer tip system)で使用されるリブを示す、本装置の下方細径部分の部分斜視図である。
図2E図2Eは、ルアーチップをその出口端部に含む本装置の外観側面図である。
図3図3は、エア・ギャップを含む本装置に使用される層のさらなる別の態様の断面側面模式図である。
図4A図4Aは、10pg/mlのドーパミンを使用して本装置で得られた例示的なデータである。
図4B図4Bは、10pg/mlのドーパミンを使用して本装置で得られた例示的なデータである。
図4C図4Cは、10pg/mlのノルエピネフリンを使用して本装置で得られた例示的なデータである。
図4D図4Dは、10pg/mlのノルエピネフリンを使用して本装置で得られた例示的なデータである。
図4E図4Eは、10pg/mlのエピネフリンを使用して本装置で得られた例示的なデータである。
図4F図4Fは、10pg/mlのエピネフリンを使用して本装置で得られた例示的なデータである。
図5A図5Aは、100pg/mlのドーパミンを使用して本装置で得られた例示的なデータである。
図5B図5Bは、100pg/mlのドーパミンを使用して本装置で得られた例示的なデータである。
図5C図5Cは、100pg/mlのノルエピネフリンを使用して本装置で得られた例示的なデータである。
図5D図5Dは、100pg/mlのノルエピネフリンを使用して本装置で得られた例示的なデータである。
図5E図5Eは、100pg/mlのエピネフリンを使用して本装置で得られた例示的なデータである。
図5F図5Fは、100pg/mlのエピネフリンを使用して本装置で得られた例示的なデータである。
図6A図6Aは、本装置を用いて、尿から抽出したブプレノルフィンの検量線である。
図6B図6Bは、本装置を用いて、尿から抽出したノルブプレノルフィンの検量線である。
図7A図7Aは、エア・ギャップを含む本装置に使用される層のさらなる別の態様の断面側面模式図である。
図7B図7Bは、複数のエア・ギャップを含む本装置に使用される層のさらなる別の態様の断面側面模式図である。
図8A図8Aは、上方全直径ベッド領域のみ含まれる本装置に使用される層のさらなる別の態様の断面側面模式図である。
図8B図8Bは、上方全直径ベッド領域のみ含まれる本発明の装置で使用される層のさらなる別の態様の断面側面模式図であり、オプションとしてフリット層を有する。
図9A図9Aは、中間の減じられた直径ベッド領域のみ含まれる本装置に使用される層のさらなる別の態様の断面側面模式図である。
図9B図9Bは、中間の減じられた直径ベッド領域のみ含まれる本発明の装置で使用される層のさらなる別の態様の断面側面模式図であり、オプションとしてエア・ギャップを有する。
図10A図10Aは、デュアル・バレルを有するか、または2つのステージで構成される本装置の例示的な態様の斜視図である。
図10B図10Bは、トップ・バレルまたはその第1ステージの拡大部分の断面側面図である。
図10C図10Cは、ボトム・バレルまたはその第2ステージの拡大部分の断面側面図である。
図11A図11Aは、デュアル・バレルを有するか、または2つのステージで構成された本発明の装置のさらなる例示的な態様の斜視図である。
図11B図11Bは、トップ・バレルまたはその第1ステージの拡大部分の断面側面図である。
図11C図11Cは、ボトム・バレルまたはその第2ステージの拡大部分の断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、下流の環境への影響および処理のスループットの改善、サンプルからの非常に高い割合の被検物質の除去、移送性、損傷を伴わない保管、価格ポイント、既存の自動設備との互換性、浸出特性、媒体ベッド容積および関連するデッドボリュームの最小化、抽出媒体を通る流れの感度および均一性の向上といった必要性を満たす抽出装置を対象とする。
【0016】
本装置は、液体サンプルから被検物質を抽出するのに有用であり、容器、典型的なマイクロカラム、入口、対向する出口、および被検物質を含む液体サンプルを通すための入口と出口との間の通路を有する。
【0017】
図1Aおよび図1Bを参照して、本装置10のマイクロカラム12は、被検物質の通路23において少なくとも2つの領域を有する。少なくとも2つの領域は、全直径のベッドを有する領域(30として、図1Aおよび図1Bに示す「全直径ベッド領域」とも呼ばれる領域)と、減じられた直径のベッドを有する領域(31として、図1Aおよび図1Bに示す「減じられた直径ベッド領域」ともいう領域)とを含む。本明細書で使用される場合、「直径ベッド面積(diameter bed area)」は、容器の内部空洞の水平断面の表面積によって測定される。したがって、シリンダー状容器の場合、直径ベッド面積は、容器の内部空洞の一方の側から内側空洞の他方側に延びる直径(=2r)の円の面積(πr)である。直径ベッド面積はまた、特定の層の「有効面積(effective area)」と呼ばれ得る。
【0018】
減じられた直径ベッド領域31における通路23内には、微粒子抽出媒体の層がある。抽出媒体14は、既知の吸着剤および様々な粒子を含み得る。装置に使用される収着剤粒子(sorbent particles)は、それに付着した少なくとも1つの物質(標的物質または干渉物質)を有することができる粒子状物を含む。本発明で使用することができる吸着剤粒子の実例は、限定されないが、イオン交換吸着剤、逆相吸着剤、および正常相吸着剤である。より具体的には、収着剤粒子は、SiOなどの無機材またはポリ(ジビニルベンゼン)などの有機ポリマー材であってもよい。本発明のいくつかの態様では、吸着剤粒子は、C〜C22、好ましくはC〜C18官能基のような有機官能基で処理することができる。一態様では、抽出媒体の吸着剤は、シリカベースの粒子(シリカベースのカルボン酸など)、珪藻土粒子、ポリマーベースの粒子、単分散シリカおよびポリマー粒子、および/またはカーボングラファイト粒子を含む。媒体は、液体サンプルから被検物質を抽出するために選択される。適切なシリカ抽出媒体は、参照することによって本明細書に組み込まれる米国特許第4650714号に記載されている。好ましい微粒子シリカ抽出媒体は、ニュージャージー州フィリップスバーグのAvantor Performance Materials(以前はJ.T.Baker Chemical Companyとして知られている)から入手可能であり、カタログ番号7049-01で販売されている。
【0019】
抽出媒体14は、約40ミクロン未満、約30ミクロン未満、約25ミクロン未満、約20ミクロン未満、約15ミクロン未満、約10ミクロン未満、または約5ミクロン未満の数平均粒子サイズを有する小さな粒子サイズを有する。一態様では、抽出媒体は、約20ミクロン未満、またはより好ましくは約10ミクロン未満の数平均粒子サイズを有する。さらに、抽出媒体は均質である必要はなく、むしろ異なる抽出媒体を単一ベッドで使用することができ、または装置はサンプルから異なる被検物質を抽出するための抽出媒体の複数のベッドを含むことができる。
【0020】
抽出媒体14は、少なくとも2つの圧縮層の間に挟まれている。一態様では、上方圧縮層の有効面積の抽出媒体層の有効面積に対する比が約10対1、約9対1、約8対1、約7対1、約6対1、約5対1、約4対1、約3対1、約2対1または約1.5対1であるように、抽出媒体の直径ベッド面積は、上方圧縮層の直径ベッド面積よりも小さい。一態様では、上方圧縮層の有効面積と抽出媒体層の有効面積との比は、約4対1である。
【0021】
抽出媒体は、緩くパックされ(または詰められ、packed)得(収着剤が緩く圧縮層と自由に動く間に挟まれている)、または圧縮された(またはぎっしり詰められた、compacted)抽出媒体ベッド(抽出媒体が2つの層の間で圧縮されている、または比較的に小さい、粒子の間の付加的に存在する空間)であり得る。
【0022】
抽出媒体は、上方圧縮層18aと下方圧縮層18bとの間、または中間圧縮層18cと下方圧縮層18bとの間に挟まれ、その間に抽出媒体を圧縮する。上方圧縮層18aは全直径ベッド領域30に位置付けられ、中間圧縮層18cは全直径ベッド領域30または減じられた直径ベッド領域31に位置付けられ得、また下方圧縮層18bは減じられた直径ベッド領域31に位置付けられる。一態様では、2つの圧縮層のみが使用される。一態様では、少なくとも3つの圧縮層が使用される。
【0023】
圧縮層は、液体サンプルがそこを流れることができるように十分にポーラス状(または多孔質、porous)であり、フレキシブルな(または可撓性の、flexible)材料から形成される。1またはそれよりも多い圧縮層は、装置を通る液体の流れ(円錐台、角柱、切頭ピラミッドなど)に適合するように、フラット、球面、または最適形状にすることができる。図3は、中間圧縮層および下方圧縮層(それぞれ18cおよび18b)が球形である態様を示す。圧縮層の形状の混合物を単一のマイクロカラムに使用することができる。
【0024】
小口径の(または細いボアの、もしくは細い穴の、narrow bore)サンドイッチ構造は、機能のための低いデッドボリュームのカラム構造と対になる。圧縮層18の主な目的は、抽出媒体14を定位置に保持し、薄い抽出層として圧縮することである。一態様では、圧縮層の1またはそれよりも多くは、抽出媒体の粒径および機能よりも小さな細孔サイズを有し、流量(または流速、flow rate)リミッターとして機能する。それらは、液体サンプルがそこを通って流れることができるように十分にポーラス状であり、フレキシブルな親水性材からなる。圧縮層は、好ましくは、バインダーを有さないスポンジ状のガラス繊維から形成される。
【0025】
適切な圧縮層は、分析的に清浄な材料で作られたガラス・マイクロファイバー媒体を含む。ニュージャージー州フェアフィールドのWhatman Specialty Products Inc.より入手可能な適切な材料には、分析的に清浄でバインダーを含まないホウケイ酸ガラス繊維が含まれる。この材料は、購入した場合、平滑面と粗面とを有し、平滑面は粗面よりも低いポロシティ(または多孔度、porosity)を有する。好ましくは、それは抽出層14の微粒子と接触して配置された平滑面である。他の適切な材料には、ポリマー(例えば、ポリプロピレンまたはポリエチレン)のフリット材のような、フリットおよびフィルタが含まれる。該フリットまたはフィルタは、カラムの内部キャビティに適合する直径を有する、シリンダー形、ダイカットまたは球形であってよく、例えば、全直径部分または減じられた直径部分に設けられる。
【0026】
好ましくは、圧縮層18は、微粒子を所定の位置に保持するために弾性または「スポンジ状」である。一態様では、圧縮層の細孔径は、10ミクロン未満、5ミクロン未満、または3ミクロン未満である。圧縮層18は、一般に、約0.1mm〜約3.25mm、約0.25mm〜約3.25mm、約0.5mm〜約3.0mm、約0.75mm〜約3mm、約0.25〜約2.5mm、約0.25mm〜約2mm、約0.25mm〜約1.5mm、約0.25mm〜約1.25mm、約0.25mm〜約1.0mm、約0.1mm〜約0.75mm、または約0.1mm〜約0.5mmである。一態様では、圧縮層は約0.5mmの厚さを有する。
【0027】
これは、シリンダー形のシリンジ・バレル管(またはチューブ、tube)または漏斗状サンプル・リザーバーで作られた従来技術のマイクロ溶離カラムとは対照的である(例えば、US2006/0163163参照)。これらの微小溶離カラムのいくつかは、ベッド後に(after the bed)デッドボリュームが減少しているが、これらの構造は抽出媒体層の有効面積と比較して上方圧縮層の有効面積の比には対応していない。
【0028】
上方圧縮層の有効面積に対して抽出媒体ベッドの有効面積(πr)を約4−1に減少させると、収着材の対応する体積が減少し、試薬のデッドボリュームが減少する。
【0029】
フレキシブルなメッシュ材で形成された流れ分配機16は、カラムを通るサンプルの均一な流れを供し、カラム内の所定位置に、圧縮層および微粒子材を物理的に保持するのを補助する。好ましくは、メッシュは200メッシュ以下(すなわち、メッシュ数が200以上)である。この態様では、メッシュ数は、150以上、170以上、200以上、250以上、270以上、325以上、または400以上である。メッシュは、フレキシブルな生体不活性材で作ることができる。一態様では、メッシュは、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリオキシメチレン(POM)、エチレンプロピレンジエン(EPDM)、フッ素化エラストマー(FKM)、パーフルオロエラストマー(FFKM)、ポリスルホン(PSU)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリプロピレン(PP)、(ポリ)クロロトリフルオロエチレン(PCTFE/CTFE)、ポリスチレン、高密度ポリエチレン、ポリカーボネート、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シリコン、ゴムまたはポリエステルから作られる。この態様では、ポリプロピレン、またはポリテトラフルオロエチレンで作られる。好適な材料は、カタログ番号5-420134として、ニューヨーク州ブライアクリフマナーのTetko Inc.から入手可能である。
【0030】
一態様では、マイクロカラム12はまた、支持のために上方圧縮層18aの上方に、上方メッシュ流れ分配機16aを含み、オプションとして、中間流れ分配機16bおよび/または下方流れ分配機16cを含む。一態様では、流れ分配機は、圧縮層18が上および下にあるハウジング内に積層または成形され、その間に、圧縮層18および抽出媒体14の層を挟んでもよい。流れ分配機16は、抽出媒体14および圧縮層18をマイクロカラム12の減じられた直径ベッド領域31内に保持し、チャネリングを回避するように液体サンプルの流れを分配するのを補助する。図1Bに示すように、上方流れ分配機16aは全直径ベッド領域30に位置付けられ、中間流れ分配機16bは全直径ベッド領域30にも位置付けられ、下方流れ分配機16cは、減じられた直径ベッド領域31におけるカラムの下方部に固定される。一態様では、上方流れ分配機16aは、圧縮嵌合(compression fit)によってマイクロカラム12の口径(またはボア、bore)内に保持されるようなサイズにされている。同様に、他の流れ分配層も圧縮嵌合用のサイズにすることができる。
【0031】
小口径の抽出媒体と圧縮層サンドイッチとの組合せにより、液体から被検物質を迅速に抽出することができ、この装置は、約0.025mL〜約0.25mL、約0.025mL〜約0.2mL、約0.025mL〜約0.15mL、約0.025mL〜約0.100mL、約0.5mL以下〜1.5mL程度の非常に少量の溶離液で構成されている。このより小さな溶離体積は、自動化のためにオートサンプラー・トレイ(autosampler tray)に直接適合する。小さな体積ゆえに、濃縮工程およびバイアル(または小瓶、vial)の移送が排除され、また関連するクロス・コンタミネーション(または二次汚染、cross contamination)が引き起こされない(fail)。さらに、本発明の抽出装置は、使用および製造が安価であり、保存および輸送中に安定であり、既存の自動化設備と互換性がある。以下の実験データは、一般的なCerexカラム対比、小口径バージョン(本明細書で開示されているカラム)を用いて行われた臨床アッセイの性能における効果的な改善を示す。
【0032】
液体サンプルから被検物質を抽出するための装置10が図1Aに再び示されている。図1Aに示すように、装置10は、抽出サンドイッチ・システム用の容器として機能するマイクロカラム12を有して成る。一態様では、マイクロカラム12は、一般に管状の形状を有し、それらの間に入口20、出口22および通路23を有する。通路23は、セントラル・ボア(または中央口径、central bore)とも呼ばれ、抽出システムを含む。通路23は、上方全直径ベッド領域30と下方減じられた直径ベッド領域31の2つの領域を有する。出口22は、「チップ(または先端、tip)」構成を有する別個の領域33にオプションとして位置付けることができる。
【0033】
様々な層は、互いに隣接して位置付けてもよく、周囲の層と直接接触してもしなくてもよい。すなわち、図3に示すように、ドリッピング(または滴下、dripping)またはキャピラリー・フロー(または毛細管流れ、capillary flow)を防止し、カラムを適切な受容容器またはプレートに移すために、意図的に位置付けた2つの層の間に、1またはそれよりも多いエア・ギャップ301が存在し得る。例えば、一態様では、中間流れ分配機16bと中間圧縮層18cとの間にエア・ギャップ層301が存在する。すなわち、一態様では、全直径ベッド領域30から減じられた直径ベッド領域31への移行に跨る層の間にエア・ギャップが存在してもよい。別の態様では、下方圧縮層18cの後で、オプションの下方分配層16cの前に位置付けられる、戦略的エア・ギャップ301であり得る。
【0034】
一態様では、エア・ギャップは、減じられた直径ベッド領域の上端またはその下に配置され、減じられた直径ベッド領域の直径の1/2から4倍の範囲の高さを有し得る。この態様において、エア・ギャップの高さは、例えば、減じられた直径ベッド領域の直径の、約1/2〜約1倍、約1/2〜約1.5倍、約1/2〜約2倍、約1/2〜約2.5倍、約1/2から約3倍、約1/2〜約3.5倍、約1/2〜約4倍、約1〜約1.5倍、約1〜約2倍、約1〜約2.5倍、約1〜約3倍、約1〜約3.5倍、約1〜約4倍、約1.5〜約2倍、約1.5〜約2.5倍、約1.5〜約3倍、約1.5〜約3.5倍、約1.5〜約4倍、約2〜約2.5倍、約2〜約3倍、約2〜約3.5倍、約2〜約4倍、約2.5〜約3倍、約2.5〜約3.5倍、約2.5〜約4倍、約3〜約3.5倍、約3〜約4倍、または約3.5〜約4倍である。
【0035】
エア・ギャップが減じられた直径ベッド領域への入口に戦略的に配置される場合、溶媒またはサンプルの特定種の自発的な(unasissted)キャピラリー・フローが、次の層に至り、次いで媒体ベッドを通るようなキャピラリーの移動のために、間隙を埋めることを防ぐ。エア・ギャップの強度は、装置を通って流れる液体とエア・ギャップ内に配置されたガスとの間の表面張力に基づいているため、エア・ギャップはより小さい直径の領域で特に有用である。
【0036】
ギャップ高さは、試験すべき、意図された被検物質によって変えてもよく、全く無いようにしてもよい。エア・ギャップは、試験サンプルがマイクロカラムに添加される前に、圧縮層が濡れているかまたは前処理されている方法において特に有用である。
【0037】
チップ領域33の構造は特に限定されず、一態様では、シリンダー形または円錐形であってもよい。チップ領域33は、減じられた直径ベッド領域31と同じ直径を有してもよく、または減じられた直径ベッド領域31よりも小さい直径を有してもよい。一態様では、チップ領域33は、減じられた直径ベッド領域31と同じフットプリント(または設置面積、footprint)を有する。別の態様では、チップ領域33のフットプリントは、減じられた直径ベッド領域31とは異なる形状のフットプリントを有する。一態様では、チップ領域33は、オプションとして、ルアーチップまたは同様の形態であり、それによって、装置10を、ルアーチップを有する抽出カラムを受け入れるように設計された常套的な自動抽出装置と、共に使用することを可能とする。
【0038】
別の態様では、図2Cは、外面に1またはそれよりも多いリブ50を備える本装置10の断面側面図であり、簡潔にするためにすべての内層または外形が取り除かれている。図2Dは、本装置10の下方細径部の部分斜視図であり、ルアーチップ・システムで使用されるリブ50を示している。図2Eは、本装置の出口端部にルアーチップ・システムを含む本装置10の側面図である。
【0039】
液体サンプルは、図1Bに示す矢印26の方向に、通路23を通って流れる。
【0040】
抽出サンドイッチ・システムより上のマイクロカラム12の部分は、被検物質が抽出されるべき液体サンプル用のリザーバ(または容器、reservoir)、ならびに洗浄液用および溶離液用のリザーバとしても機能する。
【0041】
一態様では、抽出システムは、(i)上方流れ分配機/支持体(support)、(ii)上方圧縮層、(iii)抽出層、および(iv)下方圧縮層を有する4層サンドイッチ構造を含む。上方流れ分配機が全直径ベッド領域および上方圧縮層に位置付けられ、抽出層および下方圧縮層が減じられた直径ベッド領域に位置付けられる。
【0042】
一態様では、抽出システムは、(i)上方流れ分配機、(ii)シリンダー形または織物の(fabric)圧縮層、(iii)圧縮層としての球状またはシリンダー形のフリット、(iv)微粒子抽出媒体(microparticulate extraction medium)、および(v)下方圧縮層としての球状またはシリンダー形のフリットを含む5層のサンドイッチ構造を有して成る。層(i)〜(ii)は全直径ベッド領域に存在し、層(iii)〜(v)は減じられた直径ベッド領域に存在するであろう。
【0043】
一態様では、抽出システムは、(i)上方流れ分配機、(ii)シリンダー形または織物の圧縮層、(iii)下方流れ分配機、(iv)圧縮層としての球状またはシリンダー形のフリット、(v)微粒子抽出媒体、および(vi)下方圧縮層としての球状またはシリンダー形のフリットを含む6層のサンドイッチ構造を含んで成る。層(i)〜(iii)は全直径ベッド領域に存在し、層(iv)〜(vi)は減じられた直径ベッド領域に存在するであろう。一態様では、図1Bに示すように、抽出システムは、(i)上方流れ分配機16a、(ii)上方圧縮層18a、(iii)中間流れ分配機16b、(iv)減じられた直径ベッド領域31における中間圧縮層18c、(v)微粒子抽出媒体の抽出層14、(vi)下方圧縮層18b、およびオプションとして(vii)容器の一部として成形され得る下方流れ分配機/支持体16cを含む7層サンドイッチ構造を有して成る。この態様では、層(i)〜(iii)は全直径ベッド領域に位置付けられ、層(iv)〜(vii)は減じられた直径ベッド領域に位置付けられ得る。あるいは、層(ii)と層(iii)との間で、全直径と減じられた直径との間の分割が生じてもよい。更なる層を追加し得る。
【0044】
更なる態様では、図3に示すように、抽出システムは、(i)上方流れ分配機16a、(ii)上方圧縮層18a、(iii)中間流れ分配機16b、(iv)エア・ギャップ層301、(v)減じられた直径ベッド領域31における中間圧縮層18c、(vi)微粒子抽出媒体の抽出層14、(vii)下方圧縮層18b、およびオプションとして(viii)容器の一部として成形され得る下方流れ分配機/支持体16cを含む8層サンドイッチ構造を有して成る。この態様では、層(i)〜(iii)は全直径ベッド領域に位置付けられ、層(iv)〜(viii)は減じられた直径ベッド領域に位置付けられ得る。あるいは、層(ii)と層(iii)との間で、全直径と減じられた直径との間の分割が生じてもよい。更なる層を追加し得る。
【0045】
更なる別の態様では、図7Aに示すように、抽出システムは、(i)上方流れ分配機16a、(ii)上方圧縮層18a、(iii)中間流れ分配機16b、(iv)減じられた直径ベッド領域31における中間圧縮層18c、(v)抽出層14(図1Bおよび3)の代わりとしてのエア・ギャップ層314、(vi)下方圧縮層18b、およびオプションとして(vii)容器の一部として成形され得る下方流れ分配機/支持体16cを含む7層サンドイッチ構造を有して成る。この態様では、層(i)〜(iii)は全直径ベッド領域に位置付けられ、層(iv)〜(vii)は減じられた直径ベッド領域に位置付けられ得る。あるいは、層(ii)と層(iii)との間で、全直径と減じられた直径との間の分割が生じてもよい。更なる層を追加し得る。
【0046】
更なる別の態様では、図7Bに示すように、抽出システムは、(i)上方流れ分配機16a、(ii)上方圧縮層18a、(iii)中間流れ分配機16b、(iv)エア・ギャップ層301、(v)減じられた直径ベッド領域31における中間圧縮層18c、(vi)抽出層14の位置(図1Bおよび3)の代わりとしてのエア・ギャップ層314、(vii)下方圧縮層18b、およびオプションとして(viii)容器の一部として成形され得る下方流れ分配機/支持体16cを含む8層サンドイッチ構造を含んで成る。この態様では、層(i)〜(iii)は全直径ベッド領域に位置付けられ、層(iv)〜(viii)は減じられた直径ベッド領域に位置付けられ得る。あるいは、層(ii)と層(iii)との間で、全直径と減じられた直径との間の分割が生じてもよい。更なる層を追加し得る。
【0047】
図7Aおよび図7Bに示す別の態様に関連して、ドリッピングまたはキャピラリー・フローを防止するように、また適切に受容するベッセルまたはプレートへのカラムの移送を可能とするように、意図的に位置付けられる2層の間の1またはそれよりも多いエア・ギャップ301、314は再び存在し得る。例えば、そのような態様の1つでは、抽出層14(図1Bおよび3)の代わりとしての(抽出層14は追加することができるが)中間圧縮層18cと下方圧縮層18bとの間にエア・ギャップ層314がある。または、少なくとも一つの材料層によって分離された2つのエア・ギャップを効果的に有するように、中間流れ分配機16bと中間圧縮層18cとの間のエア・ギャップ層301が存在し、さらにドリッピングまたはキャピラリー・フローの防止に役立つ。すなわち、一態様では、全直径ベッド領域30から減じられた直径ベッド領域31への移行および/または減じられた直径ベッド領域31の層間の移行に跨る層の間にエア・ギャップが存在し得る。そのような態様では、材料層と同様に、任意の特定のエア・ギャップ厚さの高さは、状況に応じて変化し得るので、すべての図面は例示的であって、縮尺通りではない。
【0048】
更なる別の態様では、図8Aに示すように、抽出システムは、(i)上方流れ分配機16a、(ii)上方圧縮層18a、および(iii)中間流れ分配機16bを含む3層サンドイッチ構造を有して成る。この態様では、層(i)〜(iii)は、全直径ベッド領域に位置付けられてよく、減じられた直径ベッド領域に位置付けられる層はなくてもよい。あるいは、層(ii)と層(iii)の間で、全直径と減じられた直径との間の分割が生じてもよい。更なる層を追加し得る。
【0049】
更なる別の態様では、図8Bに示すように、抽出システムは、(i)上方分流器16a、(ii)上方圧縮層18a、(iii)オプションのフリット17、および(iv)中間流れ分配機16bを含む4層のサンドイッチ構造を有して成る。この態様では、層(i)〜(iv)は、全直径ベッド領域に位置付けられてよく、減じられた直径ベッド領域に位置付けられる層はなくてもよい。あるいは、層(iii)と層(iv)の間で、全直径と減じられた直径との間の分割が生じてもよい。更なる層を追加し得る。
【0050】
図8Aおよび図8Bに例示する別の態様によれば、マイクロカラム12は、全直径ベッド領域に位置付けられる第1もしくは上方抽出システムまたは層状構造を有するが、減じられた直径ベッド領域における抽出システムまたは層は有さないものとして示され、固相抽出または同様のものは、本明細書の他の態様で実施されるであろう。そのような減じられた抽出システムは、図10に関連して以下に記載されるような、単一またはデュアルのステージの適用において他の臨床用途を有するであろう。
【0051】
更なる別の態様では、図9Aに示すように、抽出システムは、(i)減じられた直径ベッド領域31における中間圧縮層18c、(ii)微粒子抽出媒体の抽出層14、(iii)下方圧縮層18b、および(iv)容器の一部として成形することができる下方流れ分配機/支持体16cを含む4層のサンドイッチ構造を有して成る。この態様では、層(i)〜(iv)は、全直径ベッド領域に位置付けられてよく、減じられた直径ベッド領域に位置付けられる層はなくてもよい。あるいは、層(iii)と層(iv)の間で、全直径と減じられた直径との間の分割が生じてもよい。更なる層を追加し得る。
【0052】
更なる別の態様では、図9Bに示すように、抽出システムは、(i)減じられた直径ベッド領域31における中間圧縮層18c、(ii)抽出層14(図9A)の代わりのエア・ギャップ層314、(iii)下方圧縮層18b、および(iv)容器の一部として成形することができる下方流れ分配機/支持体16cを含む4層のサンドイッチ構造を有して成る。この態様では、層(i)〜(iv)は、全直径ベッド領域に位置付けられてよく、減じられた直径ベッド領域に位置付けられる層はなくてもよい。あるいは、層(iii)と層(iv)の間で、全直径と減じられた直径との間の分割が生じてもよい。更なる層を追加し得る。
【0053】
図9Aおよび図9Bに例示する別の態様によれば、マイクロカラム12は、減じられた直径ベッド領域に位置付けられる第2もしくは下方抽出システムまたは層状構造を有するが、全直径ベッド領域における抽出システムまたは層は有さないものとして示され、上方もしくは中間流れ分配層16a、16bまたは同様のものは、本明細書の他の態様のように配置されるであろう。そのような減じられた抽出システムは、図10および11に関連して以下に記載されるような、単一またはデュアルのステージの適用において他の臨床用途を有するであろう。
【0054】
血液または尿のような生体液が装置10を通るときに、実質的に装置10から血液または尿へと何も流れないように、装置10のすべての構成要素は生体液に対して実質的に不活性材から成る。一態様では、マイクロカラム12は、生物学的に不活性材から作られる。一態様では、生物学的に不活性材はプラスチックである。この態様の態様では、生物学的に不活性材はフッ素化ポリマーまたはポリプロピレンである。他の態様では、材料はポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリオキシメチレン(POM)、エチレンプロピレンジエン(EPDM)、フッ素化エラストマー(FKM)、パーフルオロエラストマー(FFKM)、ポリスルホン(PSU)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリプロピレン(PP)、(ポリ)クロロトリフルオロエチレン(PCTFE/CTFE)、ポリスチレン、高密度ポリエチレン、ポリカーボネート、ナイロン、またはポリエチレンテレフタレート(PET)、シリコン、ゴム、ポリエステル、またはセラミックスである。
【0055】
本発明による典型的なマイクロカラムの内径は、約0.01インチ〜約2インチ、約0.025インチ〜約1.75インチ、約0.05インチ〜約1.5インチ、約0.075インチ〜約1.25インチ、約0.1インチ〜約1インチである。この態様の他の実施形態では、内径は、少なくとも0.01インチ、少なくとも0.025インチ、少なくとも0.05インチ、0.075インチ、少なくとも0.1インチ、少なくとも0.25インチ、少なくとも0.5インチ、少なくとも0.75インチ、少なくとも1インチ、少なくとも1.25インチ、少なくとも1.5インチ、少なくとも1.75インチ、または少なくとも2インチである。この態様のさらに他の実施形態では、内径は、最大でも0.01インチ、最大でも0.025インチ、最大でも0.05インチ、最大でも0.075インチ、最大でも0.1インチ、最大でも0.25インチ、最大でも0.5インチ、最大でも0.75インチ、最大でも1インチ、最大でも1.25インチ、最大でも1.5インチ、最大でも1.75インチ、または最大でも2インチである。好ましい態様では、マイクロカラムの内径は約0.1インチ〜1.0インチである。
【0056】
本発明による典型的なマイクロカラムは、チップが存在する場合それを除いた長さが、約0.25インチ〜約5インチ、0.5インチ〜約4.5インチ、0.5インチ〜約4インチ、0.5インチ〜約3.5インチ、0.5インチ〜約3インチ、約0.5インチ〜約2.5インチ、約0.5インチ〜約2インチ、約0.5インチ〜約1.5インチ、約0.5インチ〜約1インチ、約1.75インチ〜約3インチ、約2インチ〜約3インチ、約2.5インチ〜約3インチである。本発明の他の態様において、マイクロカラムの長さは、少なくとも0.25インチ、少なくとも0.5インチ、少なくとも0.75インチ、少なくとも1インチ、少なくとも1.25インチ、少なくとも1.5インチ、少なくとも2インチ、少なくとも2.25インチ、少なくとも2.5インチ、少なくとも2.75インチ、少なくとも3インチ、少なくとも3.25インチ、少なくとも3.5インチ、少なくとも3.75インチ、少なくとも4インチ、少なくとも4.25インチ、少なくとも4.5インチ、少なくとも4.75インチ、または少なくとも5インチである。さらなる態様では、マイクロカラムは、チップが存在する場合それを除いた長さが、最大でも0.25インチ、最大でも0.5インチ、最大でも0.75インチ、最大でも1インチ、最大でも1.25インチ、最大でも1.5インチ、最大でも2インチ、最大でも2.25インチ、最大でも2.5インチ、最大でも2.75インチ、最大でも3インチ、最大でも3.25インチ、最大でも3.5インチ、最大でも3.75インチ、最大でも4インチ、最大でも4.25インチ、最大でも4.5インチ、最大でも4.75インチ、または最大でも5インチである。好ましい態様では、マイクロカラムは、チップが存在する場合それを除いた長さが、約0.5インチ〜約3インチである。チップ(存在する場合)の長さは、特に限定されないが、約0.1インチ〜1インチの範囲であり得る。
【0057】
上方全直径ベッド領域は、一般に、全マイクロカラム長の少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%または85%を含む。一態様では、上方全直径ベッド領域は、全マイクロカラム長の少なくとも約75%を含む。
【0058】
装置のマイクロカラムは、図に示す形状を有する必要はない。例えば、シリンダー形である必要はなく、代わりに、正方形のフットプリント、多角形フットプリント(例えば、六角形、八角形など)、管状、または複数の形状の組合せを含んでもよい。本明細書で使用する「フットプリント」は、マイクロカラムの内部キャビティ(すなわち、通路23)の水平断面の形状を表す。一態様では、全直径ベッド領域は第1フットプリント形状を有し、減じられた直径ベッド領域は第2フットプリント形状を有し、チップ(存在する場合)は第3フットプリント形状を有してもよい(または、全直径ベッド領域もしくは減じられた直径ベッド領域いずれかと同一のフットプリント形状を有してもよい)。
【0059】
さらに、本発明の一態様では、入口20は、マイクロカラムを液体入力デバイス(fluid input device)に接続するための接続金具(接続調整具、connective fitting)を受け入れるように設計または構成することができる。そのような接続金具には、ルアーチップ、様々なタイプのルアーロック延長部またはテーパー、様々なタイプの雄型接続および雌型接続、ねじ接続または鉤(または返し、もしくはバーブ、barb)接続が含まれる。
【0060】
本明細書で使用される「液体入力デバイス」は、入口と接触し、接続された状態でサンプルまたは試薬を入口20に直接移すあらゆる装置である。液体入力デバイスは、自動液体分配システム(automated fluid dispensing systems)、自動液体処理プラットフォーム(automated liquid handling platforms)、シリンジ、およびマイクロ分配機(またはマイクロディスペンサ、microdispenser)を含むことができる。液体入力デバイスは、サンプルまたは試薬を、マイクロカラムに自動的に、半自動的に、または手動で分配することができる。例えば、液体入力デバイスは、いったん入口に接続された液体サンプルを包含するリザーバを含み、サンプルをマイクロカラムに自動的に分配することができる。
【0061】
減じられた直径領域の小口径のサンドイッチ層は、孤立する(stand alone)カラムバレル設計として組み立てることができ、または自動処理のためにワンピース・ブロック(one-piece block)・フォーマット(または構成、format)でパターン化することができる。
【0062】
本装置は、少数のサンプルを調製する(または準備する、prepare)のに都合がよく、コスト効率が良い単一カラム・フォーマット、またはマルチ・カラムのアレイもしくはフォーマット(別名「抽出プレート」)であってもよく、それは多数のサンプルを並行して調整するのに適する。
【0063】
本発明の一態様は、上記の小口径のカラムのために構成された、またはそれを含む抽出プレートである。この抽出プレートは、複数のカラムを含む成形されたプレートであってもよい。カラムは、従来の「マルチウェル」フォーマットのウェルに整列または挿入するようにアレイすることができ、それによって、各々のカラムが、標準(またはカスタム)マルチウェル・プレートのウェルへと溶離する。マルチウェル・フォーマットは、オートサンプラーのようなロボット液体分配システムで一般に使用される。典型的なマルチウェル・フォーマットは限定されないが、48ウェル、96ウェル、384ウェルおよび1、584ウェルの標準プレート・フォーマットを含む。
【0064】
液体は、通常、特別に設計された真空マニホールドを用いて装置を横切って真空を引くこと、または遠心力もしくは重力を作用させることのいずれかによって、本装置を通って収集容器(または「収集トレイ」または「プレート」のウェル)へと強制的に送られる。特別に設計された真空マニホールド・システムでは、抽出を最適化するために、カラムおよび受取り手段(ウェルまたは収集管など)の両方を真空システムに統合し得る。意図された目的のために特別に設計された遠心分離機へと、適切な収集管またはトレイと共に装置を位置付けることによって、遠心力は生成される。しかしながら、一態様では、重力も同様に、液体を本装置に通すのに十分であり得る。
【0065】
本装置は、ガラス管、遠心管、エッペンドルフ管、または標準のマルチウェル・プレートまたはトレイなどの、従来の収集容器または収集プレートを使用してもよい。本装置は、本抽出プレートと適合するように特別に設計された収集容器を交互に(alternately)使用してもよい。
【0066】
本発明を使用する方法には、試験サンプルから被検物質を抽出することが含まれる。試験サンプルとは、目的の分析対象物を含有し得るあらゆるサンプルをいう。試験サンプルは、生物学的サンプル、すなわち動物、植物、真菌、微生物、細胞培養、器官培養などのようなあらゆる生物学的源(biological source)から得られたサンプルであってよい。この態様の実施形態では、生物学的サンプルは、全血サンプル、血漿サンプル、もしくは血清サンプル、唾液サンプル、尿サンプル、脳脊髄液サンプル、胆汁サンプル、組織サンプル、もしくは生物学的源から得られ、抽出され、または単離され得るあらゆる他のサンプルを含む血液サンプルを含む。そのような生物学的サンプルは、例えば、患者(すなわち、疾患または状態の、診断、予後診断、または治療のために臨床の場(clinical setting)で自分自身を提示している、男性または女性の生きた人)から得ることができる。一態様では、サンプルは患者、例えば血漿被検物質から得られる。血漿被検物質は、抗凝固剤を用いて、または用いずに採取することができる。
【0067】
試験サンプルは、環境サンプルであってもよい。環境サンプルは、ダート(または土壌、dirt)、植物、または液体源(例えば、地下水、海、河川)から採取されるサンプルである。ダート(別名「土壌サンプル」)は、農業用地または環境に対する対象の場所から採取され、粒子状物質の除去を含めて抽出された被検物質を有し得る。
【0068】
本装置を使用する方法は、装置を液体バッファ(または緩衝液、buffer)中のサンプルと接触させ、溶離バッファで装置からサンプルを溶離させることを含む。さらなる工程は、装置のコンディショニング(または調整、conditioning)および洗浄工程(装置にサンプルを接触させる前、その間、またはその後)を含み得る。
【0069】
本発明の装置はまた、対象とする特定の被検物質を捕捉して分離するように特別に設計されたキットに含まれてもよい。微粒子抽出媒体は、対象とする特定の被検物質を分離するように特に適合させることができる。キットは、濃縮形態または直接使用に適した形態において、適切な試薬(ラベル、洗浄液など)、バッファまたは溶離バッファを含み得る。キットはまた、上記のような抽出プレートまたはカラムのアレイ、ならびにサンプルを含む溶離溶液を受けるために、プレートを、液体分配デバイスおよび/またはプレートまたはバイアルに接続するための付随するカップリングを含み得る。
【0070】
次に図10A図10Cには、液体サンプルから被検物質を抽出するための装置110のさらなる例示的な態様が示しており、ここで装置110は、マイクロカラム112、212のマルチカラム・アレイまたはフォーマット(別名「抽出プレート」)として構成され、マイクロカラム112、212は、マイクロカラムの1つのアレイを別のアレイ上に、または覆うように、積み重ねるか、または入れ子(またはネスティング、nesting)などにすることによって、直列に配置される。この配置は、多数のサンプルを並行して調製するのに適しており、さらに後述する複数のステージの(または多段、multi-stage)抽出または溶離に適している。ここで、第1マイクロカラム112の上方第1アレイ170および第2マイクロカラム212の下方第2アレイ270が形成される。図示の態様では、各々のアレイ170、270は、図示されるように、それぞれの頂部プレート160、260およびベース162、262によるオフセット・パターンまたは配置によって、実質的に平行に、またオフセットのパターンまたは配置を維持された複数のマイクロカラム112、212を含んで成る。アレイ170、270あたり、96個の上記のマイクロカラム112、212があるが、これは単に例示である。それぞれの第1および第2マイクロカラム112、212の入れ子は、現在知られているかまたは後に開発されるあらゆる適切な技術を用いて達成され得る。しかしながら、典型的に構成される締まった(または閉じられた、tight)、または締まり嵌めた(interference fit)、または実質的に封止された構成は、第1および第2マイクロカラム112、212を直列に入れ子として使用し得、圧力もしくは真空をかけるか、または遠心力もしくは重力によって、サンプルが、マイクロカラム112、212の両方を通して同時に引かれる。本発明の態様によれば、独自に、上方または第1マイクロカラム112を、液体がまだ通っていない頂部から下方または第2マイクロカラム212まで加圧できるように、第1および第2マイクロカラム112、212の緩んだ(または解放された、loose)、または封止されていない入れ子が使用される(その詳細については後述する)。特に、第2マイクロカラム212の全直径ベッド領域30で入口20において入れ子になった場合、第1マイクロカラム112の出口22またはチップ領域33および/または減じられた直径ベッド領域31(図1A)の構成は、緩んだ嵌合または隙間が残るようなものであり、それによって、第2マイクロカラム212の活性化、加圧、またはそれを通る流れを必要とすることなく、通気および上方からの加圧および第1マイクロカラム112の活性化を可能にする。
【0071】
図10Bを参照すると、図10Aの切断線10B−10Bに沿って取られた、装置110の上方または第1ステージまたはアレイ170に関連する(または伴う、associated with)上方または第1マイクロカラム112の拡大部分断面図が示されている。図8Aおよび図8Bの例示的な態様と同様に、第1マイクロカラム112は、上方全直径ベッド領域130に位置付けられた第1もしくは上方抽出システムまたは層状構造を有するが、下方の減じられた直径ベッド領域131には抽出システムまたは層を有さないものとして示される。具体的に、上方第1層状構造は、(i)スクリーンまたはメッシュとして構成された上方流れ分配機116a、(ii)ガラスファイバー・フィルター材のような上方圧縮層118a、(iii)オプションの吸着剤または抽出層119、および(iv)オプションのフリット117を有して成る。また、付加的な層が追加または置換され得、例えば、(図1B図3図7A図7B図8Aおよび図8Bの中間流れ分配機16bと比較して)中間位置ではなく、層の底部にあるオプションのフリット117の代替位置、および第2流れ分配機ではなく、上方吸着剤119の代替位置である。
【0072】
図10Cにおいて、図10Aの切断線10C−10Cに沿って取った、図10Aに示す装置110の下方もしくは第2ステージまたはアレイ270と関連する下方もしくは第2マイクロカラム212の拡大部分断面図を示す。図9Aおよび図9Bの例示的な態様と同様に、第2マイクロカラム212は、下方の減じられた直径ベッド領域231に位置付けられた第2もしくは下方抽出システムまたは層状構造を有するが、上方全直径ベッド領域230に位置付けられた抽出システムまたは層を有さないものとして示される。具体的に、上方第1層状構造は、(i)中間圧縮層218c、(ii)微粒子抽出媒体の抽出層214、および(iii)下方圧縮層218bを有して成る。また、付加的な層が追加または置換され得、例えば、下方圧縮層218bおよび中間圧縮層218cは、フリットまたは抽出層214を囲む他の材料であってもよく、容器の一部として成形し得るオプションの下方流れ分配機/支持体16c(図9Aおよび図9B)は、装置10の第2ステージまたはアレイ270と関連する別の例示的な下方もしくは第2マイクロカラム212には含まれていない。図10Cに示すように、オプションとしては、マイクロカラム通路223は、上方全直径ベッド領域230から減じられた直径ベッド領域231に向かって先細り状(またはテーパー状、tapered)にすることができ、サンプルまたは溶離液を、1つのベッド領域から他のベッド領域に移すことを補助する。
【0073】
さらに一般的には、図10A図10Cを続けて参照して、装置110を、直列の2つの別個のマイクロカラム112、212を有する2つのステージで構成することによって、上方第1マイクロカラム112は、その上方全直径ベッド領域130において層状構造を構成し、また下方第2マイクロカラム212は、その減じられた直径ベッド領域231において層状構造を構成している。2つの別個のベッド領域および関連する層状構造を有する単一マイクロカラム12で上記に類似する、または効果的に2つのステージであるが、直列の2つのマイクロカラム112、212で上記とすることによりマルチ・ステージ抽出システムが達成され、より柔軟な使用が有益に導かれる。例えば、2つのマイクロカラム112、212の間の上方および下方の抽出または濾過システムを物理的に分離することによって、それらの間のより大きな容積または空間が、デッドスペースは少なくても形成され、それによって、サンプルまたは溶離液および効果的に形成されるエア・ギャップがドリッピングまたはキャピラリー・フローを防止または緩和するような機能的リザーバとして供され、また1もしくはそれよりも多いカラムを互いにまたは適切な受容する容器もしくはプレートに移すことが可能となる。その点で、新たな機能的有用性および使用分野の拡大がもたらされる。一態様では、このような単一ステージまたは複数ステージのマイクロカラムは、単独でまたはアレイ状に、試験管または培養(またはインキュベーション、incubation)デバイスとして機能し、支持された表面張力に基づいて水溶液が容易に漏出しない自己内蔵システムが供され、また効果的な固相抽出装置としても機能する他のこのような要素を含む。さらに、第1ステージに関連する上方または第1マイクロカラム112が、オプションの吸着剤または抽出層119を有して成る特定の例示的な態様では、正確なデュアルの、または2つのステージの固相抽出装置110が供されることが理解されるであろう。当業者であれば、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、マイクロカラム112、212および各々のマイクロカラム内の層状構造の他の様々な配置が可能であることは理解できるであろう。限定ではなく、さらなる説明として、第1および第2マイクロカラム112、212が封止しないように、または通気される方法で入れ子にになるように、本明細書に記載される構成とされている場合、上方または第1ステージのマイクロカラム112においてサンプルが最初に濾過または抽出される場合に、この例では、各々の上方全直径ベッド領域130に位置付けられた第1もしくは上方抽出システムまたは層状構造にサンプルを押し込むように、サンプルを下方に流し、各々の下方第2マイクロカラム212の下方減じられた直径ベッド領域231に位置付けられた第2もしくは下方抽出システムまたは層状構造の上の、それぞれの下方もしくは第2マイクロカラム212の流路223内に収集させるように、圧力を上からかける。この場合、上方第1マイクロカラム112に加えられる圧力が排出されるため、流れまたはそれを通した力は必要ない。一度第1マイクロカラム112を介して濾過または抽出を通してサンプルが調整されると、マイクロカラム112の上方または第1アレイ170は単に除去または投棄し得、次いで第2マイクロカラム212を加圧し、および/または溶離溶媒を用いて対象の被検物質を放出させるように、マイクロカラム212の下方または第2アレイ270のさらなるプロセスを実行する。マイクロカラム112の上方第1アレイ170、次いでマイクロカラム212の下方第2アレイ270を用いて、手動で、半自動で、または自動的に選択的に活性化または濾過するための様々な機構が、現在知られているかまたは後に開発されるかにかかわらず、本発明の態様に従って使用し得ると解され、本明細書のさらなる記載および実施例によってさらに理解されるであろう第2ステージの濾過または抽出活性化は、圧力を用いて達成され得るが、遠心分離または重力または、第2マイクロカラム212を通ってサンプルを引き出すために現在知られているかまたは後に開発される他の技術もまた、本発明の主旨および範囲から逸脱するものでなければ、適用し得る。
【0074】
次に図11A−11Cを参照して、マイクロカラムの1つのアレイを別のアレイ上に積み重ねるかまたは入れ子状にすることによって、直列のマイクロカラム112、212の、マルチ・カラムのアレイまたはフォーマット(別名「抽出プレート」)として再度校正される装置110を有する図10A図10Cのものと同様の液体サンプルから被検物質を抽出するための装置110のさらに別の例示的な態様を示す。さらに、単なる例示ではあるが、第1マイクロカラム112の上方第1アレイ170および第2マイクロカラム212の下方第2アレイ270が形成される。図示の態様では、各々のアレイ170、270は、実質的に平行に維持された複数のマイクロカラム112、212、ならびに再度図示されるように、それぞれの頂部プレート160、260およびベース162、262によってオフセット・パターンまたは配置を含んで成る。それぞれの第1および第2マイクロカラム112、212の入れ子は、封止された(締まった)嵌合構成および封止されていない(緩い)嵌合構成を含む、現在知られているかまたは後に開発される任意の適切な技術を用いて再び達成され得る。本発明のマルチ・ステージおよびミクロ溶離ベッド構成において、それぞれのマイクロカラム112、212を緩く入れ子にして、これらの間を通気させることは利点となる。
【0075】
図11Bの装置110の上方もしくは第1ステージまたはアレイ170に関連する上方もしくは第1マイクロカラム112の(ここでは、図11Aの11B−11B線に沿って取ったものとしての)拡大部分断面図に示すように、図8Aおよび図9Aおよび図10Bの例示的な態様と同様に、第1マイクロカラム112は、第1または上方抽出システムまたは上方全直径ベッド領域130に位置付けられる層状構造を有するものとして示され、(i)スクリーンまたはメッシュとして構成される上方流れ分配機116a、(ii)ガラスファイバー・フィルター材のような上方圧縮層118a、(iii)オプションの吸着剤または抽出層119、および(iv)オプションのフリット117を有して成る。さらに、上方または第1マイクロカラム112はまた、付加的な抽出システムまたは下方減じられた直径ベッド領域131における層状構造を含む。ここでは、図7Bの態様に非常に類似しており、(i)中間圧縮層118c、(ii)エア・ギャップ層114(図1Bおよび3のような抽出層14ではなく)、および(iii)下方圧縮層118bが供される。上側抽出システムまたは層状構造(ここではフリット117としてのオプションの最下層を含む)、および下方抽出システムまたは層状構造の頂部(ここでは中間圧縮層118cである)の間の空間は、図7Bのエア・ギャップ層301に類似の他のエア・ギャップ層を規定すると理解されるであろう。したがって、この別の例示的な態様では、上方または第1マイクロカラム112のみに効果的に2つのエア・ギャップ層が存在する。さらに、当業者であれば、そのようなエア・ギャップの数、配置、および実際のまたは比例したサイズは、本発明の態様の単なる例示であり、非限定的なものであることを理解するであろう。図11Bに関して再び言及される(図示せず)、図7Bに示されている分配機16cに類似するオプションの下方流れ分配機/支持体が、容器の一部として成形されてもよいし、そうでなければ、上方または第1マイクロカラム112の下方減じられた直径ベッド領域131の一部として設けられてもよい。さらに、付加的な層が、追加または置換されてもよく、例えば、(図1B、3、7A、7B、8Aおよび8Bの中間流れ分配機16bと比較して)オプションのフリット117の代替位置および第2流れ分配層ではなく上方吸着剤119の包含が言及される。
【0076】
また、図11Cにおいて、図11Aに示す装置110の下方または第2ステージまたはアレイ270に関連する下方または第2マイクロカラム212の(図11Aの断面線11C−11Cに沿って取ったものとしての)拡大部分断面図が示されている。簡略化のために、図11Cの第2マイクロカラム212は、図10Cのものと同一であるように示されている。下方減じられた直径ベッド領域231に位置付けられた下方または第2抽出システムまたは層状構造の他のこのような構成は、上方全直径ベッド領域230における抽出システムまたは層の有無にかかわらず、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく用いることができると理解されるであろう。図示された態様において、さらに、下方第2層状構造は、(i)中間圧縮層218c、(ii)微粒子抽出媒体の抽出層214、および(iii)下方圧縮層218bを有して成り、文脈に応じて付加的な層が追加または置換される。さらに図11Cに示すように、オプションとして、サンプルまたは溶離液を1つのベッド領域から他のベッド領域に移すことを補助するために、マイクロカラム通路223は、上方全直径ベッド領域230から減じられた直径ベッド領域231に向かって先細り状にしてもよい。
【0077】
図11A図11Cに示す装置110の別の態様に関して、2つの別個のマイクロカラム112、212を直列に有する2つのステージが供され、上方第1マイクロカラム112は、少なくともその上方全直径ベッド領域130において層状構造を有するように構成しており、また下方第2マイクロカラム212は、その減じられた直径ベッド領域231において層状構造を有するように構成している。したがって、少なくとも2つの別個のベッド領域および関連する層状構造、または2つの別個のマイクロカラム112、212を直列に有するような2つのステージを効果的に有する、本明細書に一般的に示し記載するように、マルチ・ステージ抽出システムを達成する。本態様の別の上方または第1マイクロカラム112に関して、上記のように、間隔をあけて配置される中間および下方の圧縮層118c、118bを含むことによって、第1マイクロカラム112のみに2つのエア・ギャップが供され、またさらに、2つのマイクロカラム112、212の間の上方および下方の抽出または濾過システムを物理的に分離することによって、それらの間のより大きな容積または空間が形成され、エア・ギャップとしてさらに機能し、このようなエア・ギャップはすべて、ドリッピングまたはキャピラリー・フローを防止または緩和するために、また1もしくはそれよりも多いカラムを、互いにまたは適切な受容する容器もしくはプレートに移すことを可能にするために役立つように形成される。さらに、図11Bに示すように、上方または第1マイクロカラム112の例示的な配置において、さらなる別の態様は、図11Bに示されるエア・ギャップ114ではなく、図1B図3図9Aにおける抽出層14に類似の抽出層または吸着剤を含み得る。この別の例示的な態様の結果は、本発明の態様に従う直列の新規のマイクロカラム112、212の2つを用いて達成される、効果的な3つの抽出システムまたは3ステージの固相抽出システムであり、2つのステージは、上方第1マイクロカラム112で生じ、また第3ステージは下方第2マイクロカラム212で生じる。さらに、4ステージ配置は、下方または第2マイクロカラム212の上方全直径ベッド領域230において抽出システムを含むことによって供され得る。また、図10Bおよび11Bに示すように上方第1マイクロカラム112において1ステージのみとし得、代わりに下方第2マイクロカラム212において2ステージとし得る。さらに、当業者であれば、広範囲に数多く配置されるマイクロカラムの中に分配されたステージを有する、2またはそれよりも多いステージおよび2またはそれよりも多い直列のマイクロカラムを有することを含む、配置または構成が、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、可能であることを理解するであろう。この点に関して、本発明の態様による抽出装置110において、新たな機能的有用性および使用分野がさらに供され、これにより、絶対回収率または他の値で測定される比較的により効果的な抽出が、同じまたはより少ない溶離体積での使用を可能とし、結果として、デッドまたは未使用の容積を小さくし、抽出された被検物質の汚染を減らすことをもたらす。
【0078】
本発明は、その特定の好ましいバージョンを参照してかなり詳細に記載されているが、他のバージョンも用いることができる。例えば、装置10は、生体液による使用に限定されず、例えば、地下水、飲料水、および他の汚染物質の液体を試験するために使用することができる。
【0079】
本明細書の態様は、以下のように記載することもできる。
1.液体サンプルから被検物質を抽出するための装置であって、a)入口、出口、および被検物質を含む液体サンプルを通すための入口と出口との間の通路を有する容器であって、全直径ベッド領域および減じられた直径ベッド領域を有する容器、b)減じられた直径ベッド領域の通路内に、微粒子抽出媒体の薄い層であって、頂部の表面、底部の表面、および周縁を有し、頂部の表面から底部の表面まで抽出媒体層を通って液体が流れるように通路が方向付けられている抽出媒体層、c)抽出媒体層の頂部の表面に位置付けられた、またはそれより上に間隙を空けた(spaced above)、有効直径ベッド面積を有する全直径ベッド領域における上方圧縮層と、抽出媒体層の底部の表面に位置付けられた、またはそれより下に間隙を空けた、減じられた直径ベッド領域における下方圧縮層と、その2つの圧縮層が、その間で前記抽出媒体を加圧し、抽出媒体の有効面積が上方圧縮層の有効面積よりも小さくなるような、2つの圧縮層、ならびにd)液体サンプルの流れを抽出媒体層の頂部の表面に均一に分配するための上方圧縮層の上の上方メッシュ流れ分配機と、を有して成る装置。
2.上方圧縮層の有効面積に対する抽出媒体の有効面積の比が約1:10である、態様1に記載の装置。
3.抽出媒体の有効面積と上方圧縮層の有効面積との比が約1:4である、態様1または2に記載の装置。
4.抽出媒体が約20ミクロン未満の数平均粒子サイズを有する、態様1〜3のいずれかに記載の装置。
5.抽出媒体が、約40ミクロン未満、約30ミクロン未満、約25ミクロン未満、約20ミクロン未満、約15ミクロン未満、約10ミクロン未満、または約5ミクロン未満の数平均粒径を有する小粒子サイズを有する、態様1〜4のいずれかに記載の装置。
6.抽出媒体が、イオン交換吸着剤、逆相吸着剤、および順相吸着剤から選択される吸着剤粒子である粒子を含んで成る、態様1〜5のいずれかに記載の装置。
7.吸着剤粒子が、SiOのような無機材、またはポリ(ジビニルベンゼン)などの有機ポリマー材、シリカベースの粒子(例えば、シリカベースのカルボン酸)、珪藻土粒子、ポリマーベースの粒子、単分散シリカおよびポリマー粒子および/またはカーボングラファイト粒子から選択される、態様6に記載の装置。
8.吸着剤粒子が、C−C22、好ましくはC−C18官能基などの有機官能基で処理される、態様7に記載の装置。
9.抽出ベッドが、単一ベッド中に少なくとも2つの異なる抽出媒体を含んで成る、態様1〜8のいずれかに記載の装置。
10.装置が、1またはそれよりも多い付加的な抽出ベッドをさらに有して成る、態様1〜9のいずれかに記載の装置。
11.抽出媒体が緩く詰め込まれているか、または圧縮されている、態様1〜10のいずれかに記載の装置。
12.圧縮層の1またはそれよりも多くが、平坦な、球状の、円錐台形の、プリズム形の、または切頭ピラミッド形である、態様1〜11のいずれかに記載の装置。
13.圧縮層の1またはそれよりも多くが、抽出媒体の粒径よりも小さい細孔サイズを有する、態様1〜12のいずれかに記載の装置。
14.圧縮層の1またはそれよりも多くが、5ミクロン未満または3ミクロン未満の細孔サイズを有する、態様13に記載の装置。
15.圧縮層が、フレキシブルな疎水性材からなる、態様1〜14のいずれかに記載の装置。
16.圧縮層が、ガラス微小繊維媒体および/またはポリマーを含んで成る、態様15に記載の装置。
17.圧縮層が、ポリプロピレンまたはポリエチレンを含む、態様15に記載の装置。
18.圧縮層の厚さが、約0.1mm〜約3.25mm、約0.25mm〜約3.25mm、約0.5mm〜約3.0mm、約0.75mm〜約3mm、約0.25mm〜約2.5mm、約0.25mm〜約2mm、約0.25mm〜約1.5mm、約0.25mm〜約1.25mm、約0.25mm〜約1.0mm、約0.1mm〜約0.75mm、または約0.1mm〜約0.5mmの範囲である、態様1〜17のいずれかに記載の装置。
19.流れ分配機が、200またはそれ以上のメッシュ数を有する可撓性メッシュ材である、態様1〜18のいずれかに記載の装置。
20.前記流れ分配機が、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリオキシメチレン(POM)、エチレンプロピレンジエン(EPDM)、フッ素化エラストマー(FKM)、パーフルオロエラストマー(FFKM)、ポリスルホン(PSU)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリプロピレン(PP)、(ポリ)クロロトリフルオロエチレン(PCTFE/CTFE)、ポリスチレン、高密度ポリエチレン、ポリカーボネート、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シリコン、ゴムまたはポリエステルの1またはそれよりも多くを含んで成る、態様1〜19のいずれかに記載の装置。
21.上方圧縮層の下に中間流れ分配機および/または下方圧縮層の下に下方流れ分配機をさらに有して成る、態様1〜20のいずれかに記載の装置。
22.流れ分配機が、圧縮層の上方および下方のハウジングにおいて積層または成形されている、態様21に記載の装置。
23.上方流れ分配機が、全直径領域に位置付けられ、下方流れ分配機が、装置の下方部分に取り付けられ(または固定され、もしくは収容され、seated)、減じられた直径を有する、態様22に記載の装置。
24.装置が、約0.025ml〜約0.25ml、約0.025ml〜約0.2ml、約0.025ml〜約0.15ml、約0.025ml〜約0.100mlの溶離体積に対して構成されている、態様1〜23のいずれかに記載の装置。
25.入口が、装置と液体入力デバイスとを接続するための接続金具を受け入れるように構成されている、態様1〜24のいずれかに記載の装置。
26.液体入力デバイスが、自動液体分配システム、自動液体処理プラットフォーム、シリンジ、およびマイクロ分配機を有して成る、態様1〜25のいずれかに記載の装置。
27.態様1〜26のいずれかに記載の複数の装置を有して成る抽出プレート。
28.装置がマルチカラム・アレイに配置されている、態様27に記載の抽出プレート。
29.液体サンプルから被検物質を抽出するための装置であって、a)入口、出口、および被検物質を含む液体サンプルを通すための入口と出口との間の通路を有する容器であって、全直径ベッド領域および減じられた直径ベッド領域を有する容器、ならびにb)(i)上方流れ分配機/支持層、(ii)上方圧縮層、(iii)層(ii)に隣接した微粒子抽出媒体の抽出層、および(iv)抽出層(iii)に隣接して位置付けられた下方圧縮層を、頂部から底部まで有して成り、(i)上方流れ分配機および(ii)上方圧縮層が全直径領域に位置付けられ、(iii)抽出層および(iv)下方圧縮層が減じられた直径領域に位置付けられ、通路を横切って延在する頂部および底部を有する層状構造、を有して成る装置。
30.全直径領域が、A=πr(rは全直径領域における容器内面の半径である)およびA=πr(rは減じられた直径領域における容器内面の半径である)によって測定され、ならびに全直径領域の有効ベッド面積と減じられた直径領域の有効面積との比が、約10:1〜1.5:1の範囲である、態様29に記載の装置。
31.全直径領域の有効ベッド面積と減じられた直径領域の有効面積との比が約4:1である、態様29に記載の装置。
32.通路を横切って延在する頂部および底部を有する層状構造が、(i)上方流れ分配機、(ii)上方圧縮層、(i’)中間流れ分配機、(ii’)減じられた直径領域における中間圧縮層、(iii)層(ii’)に隣接する微粒子抽出媒体の抽出層、(iv)層(iii)に隣接する下方圧縮層、および(v)オプションの下方流れ分配機を、頂部から底部まで有して成り、層(i)、(ii)、(i’)および(ii’)が全直径領域に位置付けられ、層(iii)〜(v)が減じられた直径領域に位置付けられる、態様29に記載の装置。
33.通路を横切って延在する頂部および底部を有する層状構造が、(i)上方流れ分配機、(ii)上方圧縮層、(i’)中間流れ分配機、(ii’)減じられた直径領域における中間圧縮層、(iii)層(ii’)に隣接する微粒子抽出媒体の抽出層、(iv)層(iii)に隣接する下方圧縮層、および(v)オプションの下方流れ分配機を、頂部から底部まで有して成り、層(i)、(ii)および(i’)が全直径領域に位置付けられ、層(ii’)〜(v)が減じられた直径領域に位置付けられる、態様29に記載の装置。
34.1またはそれよりも多いエア・ギャップ層をさらに有して成る、態様29に記載の装置。
35.エア・ギャップ層が、減じられた直径領域に位置付けられる、態様34に記載の装置。
36.エア・ギャップ層が、減じられた直径領域の直径の1/2から前記減じられた直径領域の直径の4倍までの範囲の高さを有する、態様35に記載の装置。
37.層(i’)と前記層(ii’)との間に位置付けられたエア・ギャップ層をさらに有して成る、態様33に記載の装置。
38.エア・ギャップ層が減じられた直径領域に位置付けられる、態様37に記載の装置。
39.エア・ギャップの高さが、減じられた直径領域の直径の約0.5〜約1倍、約0.5〜約1.5倍、約0.5〜約2倍、約%〜約2.5倍、約0.5〜約3倍、約0.5〜約3.5倍、約%〜約4倍、約1〜約1.5倍、約1〜約2倍、約1〜約2.5倍、約1〜約3倍、約1〜約3.5倍、約1〜約4倍、約1.5〜約2倍、約1.5〜約2.5倍、約1.5〜約3倍、約1.5〜約3.5倍、約1.5〜約4倍、約2〜約2.5倍、約2〜約3倍、約2〜約3.5倍、約2〜約4倍、約2.5〜約3倍、約2.5〜約3.5倍、約2.5〜約4倍、約3〜約3.5倍、約3〜約4倍、または約3.5〜約4倍の範囲である、態様34〜38のいずれかに記載の装置。
40.チップ領域をさらに有して成る、態様1〜26または態様29〜39のいずれかに記載の装置。
41.チップ領域が、シリンダー形または円錐形である、態様40に記載の装置。
42.チップ領域が、減じられた直径ベッド領域と同じ直径を有するか、または減じられた直径ベッド領域よりも小さい直径のベッドを有する、態様41に記載の装置。
43.チップ領域がルアーチップの形状である、態様40〜42のいずれかに記載の装置。
44.液体サンプルから被検物質を抽出するための装置であって、a)入口、出口、および被検物質を含む液体サンプルを通すための入口と出口との間の通路を有し、全直径ベッド領域および減じられた直径ベッド領域を有するマイクロカラム、b)前記通路を横切って延在する頂部および底部を有する抽出システムであって、第1層状構造および第2層状構造の少なくとも1つを有して成り、第1層状構造が、(i)上方流れ分配層および(ii)上方圧縮層を、頂部から底部まで有して成り、第1層状構造が全直径ベッド領域に位置付けられ、ならびに第2層状構造が、(iii)中間圧縮層および(iv)下方圧縮層を頂部から底部まで有して成り、第2層状構造が減じられた直径ベッド領域に位置付けられる抽出システム、を有して成る装置。
45.抽出システムが第1層状構造のみを有して成る、態様44に記載の装置。
46.第1層状構造が、上方圧縮層の直下に位置付けられた中間流れ分配層をさらに有して成る、態様44または45に記載の装置。
47.第1層状構造が、中間流れ分配層と上方圧縮層との間に位置付けられたフリットをさらに有して成る、態様46に記載の装置。
48.第1層状構造が、上方圧縮層の下に位置付けられたフリットをさらに有して成る、態様44〜47のいずれかに記載の装置。
49.第1層状構造が、上方圧縮層の下に抽出層をさらに有して成る、態様44〜48のいずれかに記載の装置。
50.抽出システムが第2層状構造のみを有して成る、態様44に記載の装置。
51.第2層状構造が、中間圧縮層と下方圧縮層との間に微粒子抽出媒体の抽出層をさらに有して成る、態様44〜50のいずれかに記載の装置。
52.第2層状構造が、中間圧縮層と下方圧縮層との間にエア・ギャップをさらに有して成る、態様44〜51のいずれかに記載の装置。
53.第2層状構造が、下方圧縮層の下に下方流れ分配機をさらに有して成る、態様44〜52のいずれかに記載の装置。
54.エア・ギャップが、第1層状構造の上方圧縮層と第2層状構造の中間圧縮層との間に形成される、態様44〜53のいずれかに記載の装置。
55.抽出システムが、少なくとも1つの第1層状構造および少なくとも1つの第2層状構造を有して成る、態様44に記載の装置。
56.アレイ状に複数のマイクロカラムをさらに有して成る、態様44〜55のいずれかに記載の装置。
57.第1ステージと関連する第1マイクロカラムおよび第2ステージと関連する第2マイクロカラムを少なくとも規定するように、直列の複数のマイクロカラムをさらに有して成る、態様44〜56のいずれかに記載の装置。
58.第1マイクロカラムが、封止されていない入れ子を有する第2マイクロカラムと係合する(engage)、態様57に記載の装置。
59.液体サンプルから被検物質を抽出するための装置であって、a)選択的に直列する上方の第1マイクロカラムおよび下方第2マイクロカラムであって、各々のマイクロカラムが入口、出口、および被検物質を含む液体サンプルを通すための入口と出口との間の通路を有し、それによって、第1マイクロカラムが第1通路を規定し、また第2マイクロカラムが第2通路を規定し、各々のマイクロカラムが、全直径ベッド領域および減じられた直径ベッド領域をさらに有する第1マイクロカラムおよび第2マイクロカラム、b)第1マイクロカラムの第1通路を横切って延在する頂部および底部を有し、(i)上方流れ分配機/支持層および(ii)上方圧縮層を頂部から底部までに有して成り、全直径ベッド領域に位置付けられる第1層状構造、ならびにc)第2マイクロカラムの第2通路を横切って延在する頂部および底部を有し、(iii)微粒子抽出媒体の抽出層および(iv)下方圧縮層を頂部から底部まで有して成り、減じられた直径ベッド領域に位置付けられる第2層状構造を、有して成る装置。
60.第1層状構造が、上方圧縮層の下に抽出層をさらに有して成る、態様59に記載の装置。
61.第1マイクロカラムの第1通路を横切って延在する頂部および底部を有し、第1マイクロカラムの減じられた直径ベッド領域に位置付けられる第3層状構造を有して成り、第3層状構造が、(i)中間圧縮層および(ii)下方圧縮層を頂部から底部までに有して成る、態様59または60に記載の装置。
62.中間圧縮層と下方圧縮層との間にエア・ギャップをさらに有して成る、態様61に記載の装置。
63.第3層状構造が、中間圧縮層と下方圧縮層との間に抽出層をさらに有して成る、態様61または62に記載の装置。
64.サンプルから被検物質を抽出する方法であって、a)態様1〜63のいずれかに記載の装置または抽出プレートと液体バッファ中のサンプルとを接触させること、およびb)サンプルを溶離バッファで装置から溶離させることを含んで成る方法。
65.サンプルと装置とを接触させる前、その間、またはその後に、1またはそれよりも多いコンディショニングまたは洗浄工程をさらに有して成る、態様64に記載の方法。
66.装置と接触させる工程が、通気(または換気、ventilation)を供するために、第2マイクロカラム内の第1マイクロカラムを封止しないように入れ子にすることによって、圧力下でサンプルを第1マイクロカラムに通して濾過し、減圧下でサンプルを第2マイクロカラムへと流すことを含んで成る、態様64または65に記載の装置。
67.装置と接触させる工程が、第1マイクロカラムを除去し、サンプルを第2マイクロカラムに通して濾過することをさらに含んで成り、サンプルを装置から溶離する工程が、溶離バッファを第2マイクロカラムに流す工程を含んで成る、態様64〜66のいずれかに記載の方法。
68.態様1〜63のいずれかに記載の装置または抽出プレートを有して成るキット。
69.1またはそれよりも多い溶離バッファまたは洗浄バッファをさらに有して成る、態様68に記載のキット。
【実施例】
【0080】
開示された対象のより完全な理解を容易にするためにのみ、下記の非限定的な実施例が例示的な目的のために供される。これらの実施例は、本明細書に記載された態様のいずれかに限定されると解されるべきではなく、本明細書で使用される装置および本装置の使用方法に関するものを示す。
【0081】
(実施例1 血漿からのカテコールアミンの抽出)
対照単直径カラム(Control Single diameter column):CEREX(登録商標)WCX 1cc 10mgカラム。
【0082】
本発明の装置である「小口径のカラム」は、有効面積比が4:1(全直径:減じられた直径)の1ccカラムであった。カラムの層は、(i)上方流れ分配スクリーン(screen)、(ii)シリンダー形の織物圧縮層、(iii)下方流れ分配スクリーン、(iv)圧縮層としての球状フリット、(v)微粒子抽出媒体、および(vi)下方圧縮層としての球状フリットであった。層(i)〜(iii)は全直径領域に位置付けられ、層(iv)〜(vi)は減じられた直径領域に位置位置付けられた。抽出媒体は、CEREX(登録商標)WCX 1cc、10mgカラムで使用した抽出媒体と同じとした。
【0083】
通常のヒト血清サンプルを、Bioreclamation Corp.から入手し、固相抽出の前にカテコールアミンでスパイクした(または添加した、spiked)。ブランクおよび血漿サンプルには、内部標準(internal standards)(例えば、ドーパミン−D4、エピネフリン−D6、およびノルエピネフリン−D6)をスパイクした。
【0084】
CEREX(登録商標)WCX(1cc/10mg)(対照および小口径)カラムを0.5mlのメタノール、続いて0.5mlの10mM、pH6.8のフォスフェイト・バッファで調整した。
【0085】
0.5mLの10mMのフォスフェイト・バッファを100μLのサンプルと混合した。pH6.8でサンプル/バッファ混合物を2〜3psiの圧力でカラムに充填した(loaded)。カラムを、6psiで1mLの脱イオン水を用いて洗浄し、次いで、6psiで1mlのアセトニトリルを用いて洗浄した。
【0086】
カラムの各々のタイプごとに2セットのカラムが充填された。(対照および小口径)カラムの半分を、0.5mLの溶離バッファ−(100mMで、ポタシウム・カーボネート(または炭酸カリウム、Potassium Carbonate)とアセトニトリルとの比が25:75)で溶離した。カラムの残り半分を0.1mLの溶離バッファ−(100mMで、ポタシウム・カーボネートとアセトニトリルとの比が25:75)で溶離した。
【0087】
LC−MS/MS反応のために25μLの溶離液を使用または充填した。
【0088】
(実施例2 カテコールアミンのLC−MS/MS分析)
抽出から得られた溶液25μLを、TARGA(登録商標)C18、3μm粒子サイズ50×2.1mmの分析カラムに自動的に注入した。バイナリーの(または2成分の、binary)HPLC勾配(gradient)を分析カラムに適用して、エピネフリン、ノルエピネフリンおよびドーパミンをサンプル中に含まれる他の被検物質から分離した。移動相Aは、0.1%のフォーミック・アシッド(またはギ酸、formic acid)(pH3.0)を含む5.0mMのアンモニウム・フォーメイト(またはフォーミック・アシッドアンモニウム、ammonium formate)であり、移動相Bは、0.1%のフォーミック・アシッドを含むアセトニトリルであった。HPLC勾配は、5分以上、35℃の温度、500μL/分の流速で以下のように進行した。
【表1】
【0089】
他の適切なMS/MS装置が知られているが、MS/MSは、APPLIED BIOSYSTEMS MDS SCIEX 500(登録商標)を用いて行った。他の適切なソフトウェア・システムが知られているが、本実施例ではソフトウェア・プログラムANALYST 1.5.2(登録商標)を使用した。分析カラムを出る液体の溶媒/被検物質は、MS/MS分析器の加熱された噴霧(またはネブライザー、nebulizer)界面(interface)に流入した。溶媒/被検物質混合物は、界面の加熱された配管内で蒸気に変換された。噴霧された溶媒における被検物質は、加熱されたESIによってイオン化された。
【0090】
イオンは、第1四重極(または四極子、quadrupole)(Q1)に移動し、被検物質の1つから生成される親イオンの質量対電荷比でイオンを選択した。四重極2(Q2)に入るイオンを、イオン・フラグメントを生成させるためにアルゴンガスと衝突させ、さらなる選択のために四重極3(Q3)に通した。被検物質の1つを示すイオンの測定後、第2被検物質からの親イオンの質量対電荷比を有するイオンが選択されるように、Q1を調整した。これらのイオンをQ2において窒素ガスと衝突させ、イオン・フラグメントをさらなる選択のためにQ3に通した。これらのイオンの測定後、第3被検物質からの親イオンの質量対電荷比を有するイオンが選択されるようにQ1を調整した。これらのイオンをQ2においてアルゴンガスと衝突させ、イオン・フラグメントをさらなる選択のためにQ3に通した。同時に、内部標準であるドーパミン−D4および/またはエピネフリン−D6および/またはノルエピネフリン−D6を用いて、同位体希釈質量分析法(isotope dilution mass spectrometry)を使用する同じ方法を実施した。以下の物質移動(または質量転移、mass transfer)は、同じサンプル注入からの正の極性についての検証の間、エピネフリン、ノルエピネフリンおよびドーパミン(およびそれらの対応する内部標準)の検出および定量のために使用された。
【0091】
表2は、カテコールアミン1ng/mlでスパイクした血漿サンプルからのカテコールアミンの回収率を表すデータを示す。注目すべきことに、小口径のカラムは、すべてのカテコールアミンについて、すべての溶離体積で著しく良好に実施された。特に、小体積溶離(すなわち0.1mlの溶離)は、従来のカラムを使用した小体積溶離の少なくとも3倍の溶離を行った。
【表2】
【0092】
図4Aおよび図4Bのクロマトグラムに示すように、本発明の装置(すなわち、小口径のカラム)を使用して、健常なドナーからの血漿中のカテコールアミンを抽出して検出することは、経時的にプロットされる。
【0093】
クロマトグラフィーは、アッセイの感度を実証する。絶対回収率(absolute recovery)のチャートは、より小さな溶離体積でさえ、従来のカラムと比較して小口径のカラムを使用することで、回収率の向上および再現性の向上を実証する。
【0094】
本装置の別の利点は、本発明の装置が、減じられた有効ベッド直径からのより小さい溶離体積に起因して、より小さい容器に収集でき、移動を排除または低減することができることである。
【0095】
(実施例3 尿からのブプレノルフィンおよびノルブプレノルフィンの抽出)
小口径の抽出カラムは、低溶離体積(50〜100μL)の使用を可能にする、高容量、高効率、低ベッドの物質吸着剤であることを特徴とする。これらの溶離体積は、ALDIII(登録商標)またはIP8(登録商標)(カリフォルニア州ボールドウィン・パークのSPEware Corp.製)などの陽圧SPEプロセッサー・ユニット内での蒸発に役立ち、別個の溶媒蒸発機の必要性を排除する。これは、選択的溶離溶媒の使用を可能にし、高い溶媒強度(低特異性)の溶離溶媒を使用することで可能とするものよりもクリーンな抽出物をもたらす。
【0096】
ブプレノルフィンおよびノルブプレノルフィンは、いくつかの理由からモデル化合物として選択された。それらは、コンプライアンス試験機関において「痛みパネル(pain panels)」の一部として頻繁にモニターされる。それらの関連する濃度は比較的低く、従って低濃度のLLODs(定量下限)を必要とする。さらに、それらは主にグルクロニド・コンジュゲート(glucuronide conjugates)として尿中に排泄され、小口径のSPEカラムとの固相抽出効率の両方を評価する機会を与える。
【0097】
(実験試薬)
a)水、b)陰性対照尿(標準曲線の希釈液)、およびc)100mM、pH4.8のソディウム・アセテート(または酢酸ナトリウム、sodium acetate)・バッファ、内部標準溶液(B−d4およびN−d3)およびβグルクロニダーゼ溶液(2500ユニット/サンプル、レッドアバロン カタログ番号BG100、カリフォルニア州イングルウッドのKura Biotec製)を含む「マスターミックス」。
【0098】
(プロセス)
校正曲線は、連続希釈を介して単一の高校正機から調製した。「マスターミックス」をプレートヒーター(68℃に予熱)上の96ウェル培養プレート(またはインキュベーション・プレート、incubation plate)のすべてのウェルに入れた。次いで、校正機および対照群(controls)(100μLの試料体積)を培養プレートに移した。15分後、培養プレートの内容物を抽出のために96ウェルSPEプレートに移した。
【0099】
(固相抽出)
PSCX吸着剤(2.5mg)を用いた小口径の抽出カラムへのサンプルの適用
脱イオン水250μLでの洗浄
150μLの100mMのアセチック・アシッド(または酢酸、acetic acid)での洗浄
メタノール300μLでの洗浄
1分間の吸着剤の乾燥
SPEプレートのコレクションへの移行
50μLの溶離溶媒(エチル・アセテート(または酢酸エチル、ethyl acetate):メタノール:濃NHOH=93:5:2)での溶離
溶剤の乾燥
再溶解溶媒(100mL、フォーミック・アシッド水溶液0.1%:メタノール=80:20)における残渣の溶解
【0100】
(分析条件)
(LC条件)
カラム:Haisil C18、HL、50×2.1mm、5μM(カリフォルニア州マウンテンビューのHiggins Analytical Inc.製)
流量:400μL/分
注入体積:10μL
A=0.1%水性フォーミック・アシッド、B=メタノール
勾配:0.5分で20〜40%B、2分で40〜60%B
MS条件:Sciex 5000、ソース=ESI、陽イオンMRM
ブプレノルフィン 468.25−>55.10(定量)、83.2(定性)
ブプレノルフィン−d4 472.42−>59.0(定量)、83.0(定性)
ノルブプレノルフィン 414.200−>55.10(定量)、83.0(定性)
ノルブプレノルフィン−d3 417.01−>54.8(定量)、83.1(定性)
【0101】
(結果と結論)
BおよびNの校正曲線を図6A−Bに示す。回帰は2次、1/xの重み付けである。定量イオンのs/n比および曲線精度の評価(低校正機での公称値から±20%を必要とする)に基づいて、LLOQsはBおよびNについて、それぞれ0.313ng/mlおよび0.625であると決定された。
【0102】
非検証の対照サンプル(各n=10)の分析結果は以下の通りである。
【表3】
【表4】
【0103】
RSDs(残渣標準偏差)は5%未満であった。2.5mgのベッド質量を有する小口径の抽出カラムを使用した尿からの絶対回収率は、BおよびNについて、それぞれ91%および97%であった。モル濃度20,000ng/mlのモルヒネを補充した尿サンプルを用いて実験を繰り返した。絶対回収率の差は認められなかった。
【0104】
(実施例4 尿からのベンゾイルエクゴニン、ブプレノルフィン、EDDPおよびメプロバメートの抽出)
以下の実験は、尿中の4つの共通被検物質の抽出回収率を、一般的な(または通常の、もしくは均一な、regular)CEREX HPSCX NBEカラム、および第1ステージでのみ濾過を伴うデュアル・ステージSPEカラムのセット、および頂部の濾過層を有さない小口径の第2ステージでのHPSCX吸着剤を用いて比較する。
【0105】
重水素化した内部標準を有する、ベンゾイルエクゴニン、ブプレノルフィン、EDDP、およびメプロバメート100ngで、ブランクの尿サンプルをスパイクした。
【0106】
(サンプルの調製)
(一般的なNBEカラム)
尿サンプル(50μL)を100mMのソディウム・アセテート(水溶液、pH4.8、250μL)と混合し、NBE SPEカラムに充填した。100mMのHCl(300μL)、次いで脱イオン水(500μL)でカラムを洗浄し、カラムを窒素気流で10分間乾燥させる。溶離バッファ(DCM:IPA:NHOH=80:18:2、50μL)でサンプルを溶離する。溶離したサンプルを窒素で乾燥させた。残渣を、0.1%の水性フォーミック・アシッド:メタノール=95:5の混合物200μLで再構成し、ISでスパイクした。サンプルをLCMSで分析した。
(デュアル・ステージNBEカラムによる固相抽出)
尿サンプル(50μL)を100mMのソディウム・アセテート(水溶液、pH4.8、250μL)と混合し、デュアル・ステージNBEカラムに充填した。サンプルは、第1カラムを通って第2ステージのカラムに適用された。第1ステージのカラムが削除された。サンプルを第2ステージのカラム中の吸着剤に装填した。吸着剤を含むカラムを100mMのHCl(300μL)、次いで脱イオン水(500μL)で洗浄した。カラムを窒素気流で10分間乾燥させた。残渣を、0.1%の水性フォーミック・アシッド:メタノール=90:10の混合物100μLで再構成し、ISでスパイクした。サンプルをLCMSで分析した。
【0107】
(プロセス)
(LCMS法)
抽出物の分析は、Shimadzu Nexera XR UHPLCに接続されたSCIEX 5500質量分析計で行った。取得プログラムは、スケジュールされたMRM(各々の被検物質ごとに2つプロダクト・イオン、各々の内部標準ごとにプロダクト・イオン)を使用して構築された。
【表5】
【0108】
(分析条件)
(MS条件)
SCIEX QTRAP(登録商標)5500、ソース=ESI
陽イオン、スケジュールされたMRM
ソース温度600℃
脱溶媒和GS1、GS2:50
HPLC勾配プロファイル:
【表6】
移動相A 0.1%フォーミック・アシッド(水溶液)
移動相B MeOH+0.1%フォーミック・アシッド
流速:0.7mL/min
注入量:5μl

(LC条件)
Shimadzu Nexera XR UHPLC
カラム:Raptor ビフェニル 5mmガード・カラムを有する、RaptorTM ビフェニル、50mm×2.1mm、2.7um(ペンシルバニア州ベルフォントの Restek Corp.製)
流量:700μL/分
カラム温度:40℃(SPEwareカラム・オーブン)
注入体積:5μL
A=0.1%の水性フォーミック・アシッド、B=メタノール中の0.1%のフォーミック・アシッド
【0109】
(結果と結論)
以下の結果は、ブプレノルフィンを除いて、デュアル・ステージNBEデバイスを有するSPEが、50uLの溶離溶媒を含む一般的なNBEカラムよりも有意に良好な回収を供することを示した。
【表7】
【0110】
結びに、本明細書の実施形態は特定の態様を参照することによって強調されるが、これらの開示された態様が本明細書に開示される対象の原理の単なる例示であることを当業者であれば容易に理解するであろう。したがって、開示される対象は、本明細書に記載の特定の方法論、プロトコル、および/または試薬などに決して限定されないことを理解されたい。したがって、本明細書の主旨から逸脱することなく、本明細書の教示に従って、開示された対象の様々な改変または変更または代替構成を実施することができる。最後に、本明細書で使用する用語は、特定の態様のみを説明するためのものであり、特許請求の範囲によってのみ規定される本発明の範囲を限定するものではない。従って、本発明は図示され、説明されたものに厳密に限定されるものではない。
【0111】
本発明を実施するために本発明者に既知の最良の形態を含む、本発明の特定の態様が本明細書には記載されている。当然ながら、これらの記載された態様の変形は、上記の記載を理解することによって、当業者には明らかになるであろう。本発明者は、当業者がこのような変形を適切に使用することを期待しており、本発明者は、本明細書に具体的に記載されている以外の方法で本発明が実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用法によって許容されるように、添付の特許請求の範囲に記載された対象のすべての改変および均等物を含む。さらに、本明細書中で他に指示されない限り、または文脈によって明らかに否定されない限り、上記態様のすべての可能な変形例において、あらゆる組合せが本発明に包含される。
【0112】
本発明の別の態様、要素または工程の分類は、限定して解釈されるべきではない。各グループの構成要素は、別個に、または本明細書で開示される他のグループの構成要素との任意の組合せで参照され、主張され得る。利便性および/または特許性の理由から、1またはそれよりも多いグループの構成要素が、グループに包含されるか、グループから削除されることが予期される。そのような包含または削除が生じた場合、明細書は修正されたグループを含むとみなされ、したがって、添付の特許請求の範囲で使用されるすべてのマーカッシュ・グループの記載を満たすものとみなされる。
【0113】
他に示さない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される特徴、項目、量、パラメータ、特性、用語などを表すすべての数字は、すべての場合において「約」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、記載される特徴、項目、量、パラメータ、特性、または用語の値の±10%の範囲に限定される特徴、項目、量、パラメータ、特性、または用語であることを意味する。したがって、反対に示されない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、変化し得る近似値である。例えば、質量分析計は、所与の被検物質の質量を決定する際にわずかに変化し得るので、イオンの質量またはイオンの質量/電荷比の文脈における、「約」という用語は、±0.50原子質量単位に言及する。
【0114】
少なくとも、均等論の適用を特許請求の範囲に限定する試みとしてではなく、各数値表示は、表示された有効数字の数を考慮して、また通常の丸め技法の適用によって、少なくとも解釈される。
【0115】
態様または態様の実施形態に関して、「し得る(may)」または「できる(can)」という用語の使用は、「し得ない(may not)」または「できない(can not)」の代替的な意味も含まれる。このように、態様または態様の実施形態は、本発明の主題の一部として含まれていてもよく、したがって、否定的な限定または排他的な条件も明示的に意味され、このことは、態様または態様の実施形態が、本発明の主題の一部として含まれ得ない、または含むことができないことを意味する。同様に、態様または態様の実施形態に関して、「オプションとして(optionally)」という用語の使用は、そのような態様または態様の実施形態が、本発明の主題の一部として含まれ得るし、または含まれ得ない。そのような否定的な制限または排他的な条件が適用されるかどうかは、否定的な制限または排他的な条件が特許請求の範囲の対象に記載されているかどうかに基づく。
【0116】
本発明の広い範囲を示す数値範囲および数値は近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に示す数値範囲および数値は可能な限り正確に記載される。しかしながら、数値範囲または数値は、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含む。本明細書における数値の範囲の記載は、その範囲内の各別個の数値を個別に参照する簡略な方法として役立つことを単に意図するものである。本明細書で別段の指示がない限り、数値範囲の各個々の値は、本明細書に個々に記載されているものとして本明細書に組み込まれる。
【0117】
本発明を記載する文脈において(特に添付の特許請求の範囲の文脈において)使用される用語「一の(a、an)」、「前記またはその(the)」および同様の指示対象は、本明細書中に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾する場合を除き、単数形および複数形の両方を包含するものと解釈されるべきである。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書で他に指示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、いかなる適切な順序で実施され得る。本明細書で供される「いかなる、またはあらゆる(any)」および「すべての例(all example)」、または例示的な言語(例えば、「など(such as)」)の使用は、単に本発明をよりよく示すことを意図しており、他に主張される本発明の範囲を限定するものではない。本明細書におけるいかなる言葉も、本発明の実施に不可欠な特許請求されていない要素を示すものとして解されるべきではない。
【0118】
本明細書で開示された特定の態様は、言語で構成される、または本質的に言語から成るものを使用する特許請求の範囲においてさらに限定され得る。特許請求の範囲において使用される場合、補正が提出または追加されているか否かに関わらず、「から成る(consisting of)」というトランジション・ターム(transition term)は、特許請求の範囲に特定されていない要素、工程または成分を排除する。「本質的に〜から成る(consisting essentially of)」というトランジション・タームは、特定の材料または工程、および基本的および新規な特性に重大な影響を及ぼさないものに、特許請求の範囲を限定する。そのように主張された本発明の態様は、本質的にまたは明示的に本明細書で記載され、可能となる。
【0119】
本明細書において、参照および識別されるすべての特許、特許公報および他の刊行物は、例えば、本発明に関連して使用することができる刊行物に記載された組成および方法論を、記載および開示する目的で、その全体が参照により、別個におよび明示的に本明細書に組み込まれる。これらの刊行物は、単に本出願の出願日前の開示のためにのみ供される。この点に関して、発明者が先の発明に起因して、または他の何らかの理由によって、当該開示よりも先行する資格がないという承認として解されるべきではない。これらの文書の内容に関する日付または表現に関するすべての記述は、出願人が利用可能な情報に基づいており、これらの文書の日付または内容の正確性についての承認を構成するものではない。
本明細書の開示内容は、以下の態様を含み得る。
(態様1)
液体サンプルから被検物質を抽出するための装置であって、
a)入口、出口、および被検物質を含む液体サンプルを通すための入口と出口との間の通路を有し、全直径ベッド領域および減じられた直径ベッド領域を有するマイクロカラム、ならびに
b)前記通路を横切って延在する頂部および底部を有する抽出システム
を有して成り、
前記抽出システムが、第1層状構造および第2層状構造の少なくとも1つを有して成り、
前記第1層状構造が、(i)上方流れ分配層および(ii)上方圧縮層を、頂部から底部まで有して成り、該第1層状構造が全直径ベッド領域に位置付けられ、ならびに
前記第2層状構造が、(iii)中間圧縮層および(iv)下方圧縮層を頂部から底部まで有して成り、該第2層状構造が減じられた直径ベッド領域に位置付けられる、
装置。
(態様2)
前記抽出システムが、前記第1層状構造のみを有して成る、態様1に記載の装置。
(態様3)
前記第1層状構造が、前記上方圧縮層の下に位置付けられる中間流れ分配層をさらに有して成る、態様2に記載の装置。
(態様4)
前記第1層状構造が、前記中間流れ分配層と前記上方圧縮層との間に位置付けられるフリットをさらに有して成る、態様3に記載の装置。
(態様5)
前記第1層状構造が、前記上方圧縮層の下に位置付けられるフリットをさらに有して成る、態様2に記載の装置。
(態様6)
前記第1層状構造が、前記上方圧縮層の下に抽出層をさらに有して成る、態様2に記載の装置。
(態様7)
前記抽出システムが、前記第2層状構造のみを有して成る、態様1に記載の装置。
(態様8)
前記第2層状構造が、前記中間圧縮層と前記下方圧縮層との間に微粒子抽出媒体の抽出層をさらに有して成る、態様7に記載の装置。
(態様9)
前記第2層状構造が、前記中間圧縮層と前記下方圧縮層との間にエア・ギャップをさらに有して成る、態様7に記載の装置。
(態様10)
前記第2層状構造が、前記下方圧縮層の下に下方流れ分配機をさらに有して成る、態様7に記載の装置。
(態様11)
エア・ギャップが、前記第1層状構造の上方圧縮層と前記第2層状構造の中間圧縮層との間に形成される、態様1に記載の装置。
(態様12)
前記抽出システムが、少なくとも1つの第1層状構造および少なくとも1つの第2層状構造を有して成る、態様1に記載の装置。
(態様13)
アレイ状の複数のマイクロカラムをさらに有して成る、態様1に記載の装置。
(態様14)
第1ステージと関連する第1マイクロカラムおよび第2ステージと関連する第2マイクロカラムを少なくとも規定するように、直列の複数のマイクロカラムをさらに有して成る、態様1に記載の装置。
(態様15)
前記第1マイクロカラムは、封止されていない入れ子を有する前記第2マイクロカラムと係合する、態様14に記載の装置。
(態様16)
液体サンプルから被検物質を抽出するための装置であって、
a)選択的に直列する上方の第1マイクロカラムおよび下方の第2マイクロカラムであって、各々のマイクロカラムが入口、出口、および被検物質を含む液体サンプルを通すための入口と出口との間の通路を有し、それによって、第1マイクロカラムが第1通路を規定し、また第2マイクロカラムが第2通路を規定し、各々のマイクロカラムが、全直径ベッド領域および減じられた直径ベッド領域をさらに有する、第1マイクロカラムおよび第2マイクロカラム、
b)第1マイクロカラムの第1通路を横切って延在する頂部および底部を有し、(i)上方流れ分配機/支持層および(ii)上方圧縮層を頂部から底部までに有して成り、第1マイクロカラムの全直径ベッド領域に位置付けられる、第1層状構造、ならびに
c)第2マイクロカラムの第2通路を横切って延在する頂部および底部を有し、(iii)微粒子抽出媒体の抽出層および(iv)下方圧縮層を頂部から底部まで有して成り、第2マイクロカラムの減じられた直径ベッド領域に位置付けられる、第2層状構造
を有して成る、装置。
(態様17)
前記第1層状構造が、前記上方圧縮層の下に抽出層をさらに有して成る、態様16に記載の装置。
(態様18)
前記第1マイクロカラムの第1通路を横切って延在する頂部および底部を有し、該第1マイクロカラムの減じられた直径ベッド領域に位置付けられる第3層状構造を有して成り、該第3層状構造が、(i)中間圧縮層および(ii)下方圧縮層を頂部から底部までに有して成る、態様16に記載の装置。
(態様19)
前記第3層状構造が、前記中間圧縮層と前記下方圧縮層との間にエア・ギャップをさらに有して成る、態様18に記載の装置。
(態様20)
前記第3層状構造が、前記中間圧縮層と前記下方圧縮層との間に抽出層をさらに有して成る、態様18に記載の装置。
(態様21)
サンプルから被検物質を抽出する方法であって、
a)態様16に記載の装置と液体バッファ中のサンプルとを接触させること、および
b)サンプルを溶離バッファで装置から溶離させること
を含んで成る方法。
(態様22)
装置と接触させる前記工程が、通気を供するために、第2マイクロカラム内の第1マイクロカラムを封止しないように入れ子にすることによって、圧力下でサンプルを第1マイクロカラムに通して濾過し、減圧下でサンプルを第2マイクロカラムへと流すことを含んで成る、態様21に記載の方法。
(態様23)
装置と接触させる前記工程が、第1マイクロカラムを除去し、サンプルを第2マイクロカラムに通して濾過することをさらに含んで成り、サンプルを装置から溶離する前記工程が、溶離バッファを第2マイクロカラムに流す工程を含んで成る、態様22に記載の方法。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C