(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御回路は、前記第1の期間に対応するスライドバーと、前記スライドバー上の前記第1の所定時相に対応する位置に示されたマーカと、前記スライドバー上の現在表示されている画像の時相に対応する位置に示されたマーカとを表示する請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の医用画像診断装置。
前記表示制御回路は、第2の期間に亘る第2の動画像と、前記第2の期間内の第2の所定時相に対応する画像に係る時間情報と、を用いて、前記第1の所定時相に対応する画像の表示タイミングと、前記第2の所定時相に対応する画像の表示タイミングとが少なくとも同期するように、少なくとも前記第1の所定時相から遡った所定期間において、前記第1の動画像と前記第2の動画像とを同時にモニターに表示する場合には、前記第1の期間に対応するスライドバー及び前記第2の期間に対応するスライドバーを、再生時間によって規格化する請求項4の医用画像診断装置。
前記第1の所定時相に対応する画像データが表示されるまでの時間を示す情報は、カウントダウンを示す数字、画面の色彩変更、画面の透明度変更のうちの少なくともいずれかを含む請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の医用画像診断装置。
第1の期間に亘る第1の動画像と、前記第1の期間内の第1の所定時相に対応する画像に係る時間情報と、を用いて、前記第1の動画像と、前記第1の所定時相と、現在表示されている画像の前記第1の期間における時相との関係とを、少なくとも前記第1の所定時相から遡った所定期間において同時にモニターに表示する表示制御回路を具備し、
前記表示制御回路は、前記第1の所定時相に対応する画像が表示されるまでの時間を示す情報をさらに表示し、前記第1の動画像の再生を停止すると、前記第1の所定時相に対応する静止画を前記モニターに表示する、
医用画像表示装置。
第1の期間に亘る第1の動画像と、前記第1の期間内の第1の所定時相に対応する画像に係る時間情報と、を用いて、前記第1の動画像と、前記第1の所定時相と、現在表示されている画像の前記第1の期間における時相との関係とを、少なくとも前記第1の所定時相から遡った所定期間において同時にモニターに表示する表示制御回路を具備し、
前記表示制御回路は、前記第1の動画像の再生を停止すると、前記第1の所定時相に対応する静止画を前記モニターに表示する、
医用画像表示装置。
前記表示制御回路は、前記第1の期間に対応するスライドバーと、前記スライドバー上の前記第1の所定時相に対応する位置に示されたマーカと、前記スライドバー上の現在表示されている画像の時相に対応する位置に示されたマーカとを表示する請求項8乃至11のうちいずれか一項記載の医用画像表示装置。
前記表示制御回路は、第2の期間に亘る第2の動画像と、前記第2の期間内の第2の所定時相に対応する画像に係る時間情報と、を用いて、前記第1の所定時相に対応する画像の表示タイミングと、前記第2の所定時相に対応する画像の表示タイミングとが少なくとも同期するように、少なくとも前記第1の所定時相から遡った所定期間において、前記第1の動画像と前記第2の動画像とを同時にモニターに表示する場合には、前記第1の期間に対応するスライドバー及び前記第2の期間に対応するスライドバーを、再生時間によって規格化する請求項11記載の医用画像表示装置。
前記第1の所定時相に対応する画像データが表示されるまでの時間を示す情報は、カウントダウンを示す数字、画面の色彩変更、画面の透明度変更のうちの少なくともいずれかを含む請求項8乃至13のうちいずれか一項記載の医用画像表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る超音波診断装置について説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0010】
図1は、本実施形態に係る超音波診断装置1のブロック構成図を示している。同図に示す超音波診断装置1は、超音波プローブ12、入力装置13、モニター14、超音波送信回路21、超音波受信回路22、Bモード処理回路23、血流検出回路24、RAWデータメモリ25、ボリュームデータ生成ユニット26、保存・再生制御ユニット27、画像処理ユニット28、表示処理ユニット30、制御プロセッサ(CPU)31、記憶ユニット32、インターフェースユニット33、特定情報等生成ユニット35を具備している。
【0011】
超音波プローブ12は、生体を典型例とする被検体に対して超音波を送信し、当該送信した超音波に基づく被検体からの反射波を受信するデバイス(探触子)であり、その先端に複数に配列された圧電振動子(超音波トランスデューサ)、整合層、バッキング材等を有している。圧電振動子は、超音波送信回路21からの駆動信号に基づきスキャン領域内の所望の方向に超音波を送信し、当該被検体からの反射波を電気信号に変換する。整合層は、当該圧電振動子に設けられ、超音波エネルギーを効率良く伝播させるための中間層である。バッキング材は、当該圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止する。当該超音波プローブ12から被検体に超音波が送信されると、当該送信超音波は、体内組織の音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、エコー信号として超音波プローブ12に受信される。このエコー信号の振幅は、反射することになった不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。また、送信された超音波パルスが、移動している血流で反射された場合のエコーは、ドプラ効果により移動体の超音波送受信方向の速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。本実施形態においては、超音波プローブ12は、複数の超音波振動子が所定の方向に沿って配列された一次元アレイプローブであるとする。しかしながら、当該例に拘泥されず、超音波プローブ12は、ボリュームデータを取得可能なものとして、二次元アレイプローブ(複数の超音波振動子が二次元マトリックス状に配列されたプローブ)、又はメカニカル4Dプローブ(超音波振動子列をその配列方向と直交する方向に機械的に煽りながら超音波走査を実行可能なプローブ)であってもよい。
【0012】
入力装置13は、装置本体11に接続され、オペレータからの各種指示、条件、関心領域(ROI)の設定指示、種々の画質条件設定指示等を装置本体11にとりこむための各種スイッチ、ボタン、トラックボール、マウス、キーボード等を有している。
【0013】
モニター14は、表示処理ユニット30からのビデオ信号に基づいて、生体内の形態学的情報や、血流情報を画像として表示する。また、モニター14は、後述する動画像データ再生制御機能によって再生される超音波画像を、所定の形態で所定の情報と共に表示する。
【0014】
超音波送信回路21は、図示しないトリガ発生回路、遅延回路およびパルサ回路等を有している。トリガ発生回路では、所定のレート周波数fr Hz(周期;1/fr秒)で、送信超音波を形成するためのトリガパルスが繰り返し発生される。また、遅延回路では、チャンネル毎に超音波をビーム状に集束し且つ送信指向性を決定するのに必要な遅延時間が、各トリガパルスに与えられる。パルサ回路は、このトリガパルスに基づくタイミングで、プローブ12に駆動パルスを印加する。
【0015】
超音波受信回路22は、図示していないアンプ回路、A/D変換器、遅延回路、加算器等を有している。アンプ回路では、プローブ12を介して取り込まれたエコー信号をチャンネル毎に増幅する。A/D変換器では、増幅されたアナログのエコー信号をデジタルエコー信号に変換する。遅延回路では、デジタル変換されたたエコー信号に対し受信指向性を決定し、受信ダイナミックフォーカスを行うのに必要な遅延時間を与え、その後加算器において加算処理を行う。この加算により、エコー信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。
【0016】
Bモード処理回路23は、受信ユニット22からエコー信号を受け取り、対数増幅、包絡線検波処理などを施し、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータを生成する。
【0017】
血流検出回路24は、受信ユニット22から受け取ったエコー信号から血流信号を抽出し、血流データを生成する。血流の抽出は、通常CFM(Color Flow Mapping)で行われる。この場合、血流信号を解析し、血流データとして平均速度、分散、パワー等の血流情報を多点について求める。
【0018】
RAWデータメモリ25は、Bモード処理回路23から受け取った複数のBモードデータを用いて、三次元的な超音波走査線上のBモードデータであるBモードRAWデータを生成する。また、RAWデータメモリ25は、血流検出回路24から受け取った複数の血流データを用いて、三次元的な超音波走査線上の血流データである血流RAWデータを生成する。なお、ノイズ低減や画像の繋がりを良くすることを目的として、RAWデータメモリ25の後に三次元的なフィルタを挿入し、空間的なスムージングを行うようにしてもよい。
【0019】
ボリュームデータ生成ユニット26は、例えばメモリと所定のプロセッサによって実現され、空間的な位置情報を加味した補間処理を含むRAW−ボクセル変換を実行することにより、Bモードボリュームデータ、血流ボリュームデータを生成する。
【0020】
保存・再生制御ユニット27は、例えばメモリと所定のプロセッサによって実現され、時間的に関心のあるフレームを基準として、動画像保存範囲を決定する(以下、時間的に関心のあるフレームを「関心フレーム」、当該関心フレームに対応する画像を「関心画像」と呼ぶ)。また、保存・再生制御ユニット27は、超音波画像の事後再生において、関心フレーム(及び当該フレーム中の関心領域)が観察者に明示されるように、動画像再生を制御する。この保存・再生制御ユニット27が実現する動画像データ保存制御機能、動画像データ再生制御機能については、後で詳しく説明する。
【0021】
画像処理ユニット28は、例えばメモリと所定のプロセッサによって実現され、ボリュームデータ生成ユニット26から受け取るボリュームデータ、ボリュームレンダリング、多断面変換表示(MPR:Multi Planar Reconstruction)、最大値投影表示(MIP:Maximum Intensity Projection)等の所定の画像処理を行う。なお、ノイズ低減や画像の繋がりを良くすることを目的として、画像処理ユニット28の後に二次元的なフィルタを挿入し、空間的なスムージングを行うようにしてもよい。
【0022】
表示処理ユニット30は、画像処理ユニット28において生成・処理された各種画像データに対し、ダイナミックレンジ、輝度(ブライトネス)、コントラスト、γカーブ補正、RGB変換等の各種を実行する。
【0023】
制御プロセッサ31は、例えばメモリと所定のプロセッサによって実現され、情報処理装置(計算機)としての機能を持ち、各構成要素の動作を制御する。また、制御プロセッサ31は、後述す動画像データ保存制御機能、動画像データ再生制御機能能に従う処理を実行する。
【0024】
記憶ユニット32は、磁気ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等によって構成され、後述する画像データ保存・再生制御機能を実現するためのプログラム、診断プロトコル、送受信条件、その他のデータ群が保管されている。また、必要に応じて、図示しない画像メモリ中の画像の保管などにも使用される。記憶ユニット32のデータは、インターフェースユニット33を経由して外部周辺装置へ転送することも可能となっている。
【0025】
インターフェースユニット33は、入力装置13、ネットワーク、新たな外部記憶装置(図示せず)に関するインターフェースである。インターフェースユニット33を介して、他の装置を本超音波診断装置本体11に接続することも可能である。また、当該装置によって得られた超音波画像等のデータや解析結果等は、インターフェースユニット33よって、ネットワークを介して他の装置に転送可能である。
【0026】
特定情報等生成ユニット35は、動画像データ保存制御機能、動画像データ再生制御機能に従う各処理を行う場合において、保存期間における所定時相(或いは当該所定時相に対応する画像)を特定するための情報、保存期間における所定時相(或いは当該所定時相に対応する画像)を明示するための情報等を生成する。
【0027】
次に、本超音波診断装置1が有する動画像データ保存制御機能、動画像データ再生制御機能について説明する。なお、本動画像データ保存制御機能及び本動画像データ再生制御機能は、例えば超音波診断装置のライブ像を撮像・表示して保存する場合、或いは既に取得され記憶された所定期間に亘る動画像データを再度保存・再生する場合等において利用される。また、本実施形態においては、超音波診断装置によって取得された動画像データを保存、再生する場合を例とする。しかしながら、当該例に拘泥されず、例えば、X線コンピュータ断層撮像装置、磁気共鳴イメージング装置、X線診断装置等の他のモダリティ(医用画像診断装置)によって取得された動画像データを保存、再生する場合についても、適用可能である。また、医用画像処理装置において本画像データ保存制御機能或いは本動画像データ再生制御機能を実現する場合には、係る医用画像処理装置は、例えば
図1の破線内の構成を具備するものとなる。
【0028】
(動画像データ保存制御機能)
この機能は、所定期間に亘る動画像データを保存する場合に、全ての動画像データを保存の対象とするのではなく、関心画像(関心フレーム)を基準として保存範囲を決定し、関心画像を特定する情報と共に、決定された保存範囲に対応する動画像データをクリップ保存するものである。
【0029】
図2は、本画像データ保存制御機能に従う処理(画像データ保存制御処理)において実行される各処理の流れを示したフローチャートである。以下、各ステップにおける処理の内容について説明する。説明を具体的にするため、整形外科分野において、腕の中枢神経走行を画像診断する場合を想定する。係る場合、腕の診断したい領域に超音波プローブ12を配置し長手方向に沿って移動させながら、各移動位置毎の断面像を撮像する。観察者は、超音波プローブ12の移動に伴ってリアルタイムに動画表示される各移動位置毎の画像を観察しながら、中枢神経の走行状態を把握する。
【0030】
所定の操作指示に応答して、制御プロセッサ31は、診断対象(今の場合、腕)に関する撮像処理を実行して時系列画像データ(動画データ)を取得し、ライブ像としてモニター14に所定の形態にて表示する(ステップS1)。操作者は、ライブ像として表示される超音波画像を観察しながら、所定のタイミングで画像をフリーズ表示し(ステップS2)、その後シネ再生しなから所望の画像を選択する画像選択処理を実行し(ステップS3)、関心画像が決定される(ステップS4)。腕の中枢神経走行を画像診断する場合であれば、例えば動画像中で腕の中枢神経走行が不連続と視認される部分を含む画像、中枢神経走行を途中で見失った時相に対応する画像、疾患が映像化されている時相に対応する画像等が、関心画像として決定される。
【0031】
その後、操作者によって保存指示が入力されると(ステップS5)、保存・再生制御ユニット27は、関心画像に対応する時相を基準として、保存範囲を決定する(ステップS6)。この保存範囲の決定は、予め設定された複数の保存条件の中からの事前選択、或いは初期設定された条件等に基づいて決定される。
【0032】
図3は、事前設定される保存条件の一例を示した図である。同図に示す様に、例えば保存範囲を2秒間の動画像データに対応する範囲とした場合、関心画像に対応する時相を基準として、関心画像に対応する時相前を70%の1.4秒間、関心画像に対応する時相後を30%の0.6秒間と保存条件を定義する。なお、この様に関心画像に対応する時相後の保存範囲を狭くするのは、関心画像(関心フレーム)以降に取得された画像の重要度は、一般的に低いと考えられるからである。また、関心画像に対応する時相後を30%の0.6秒間としたが、現実には関心画像に対応する時相後の画像は例えば0.3秒しか残っていない場合(すなわち、保存対象とされる画像データが、保存範囲未満である場合)には、保存範囲内に含まれる全ての画像データを自動的に保存するものとする。
【0033】
保存・再生制御ユニット27は、保存範囲が決定されると、時系列画像データの中から、決定された保存範囲に含まれる画像データ(フレーム)を特定し(ステップS7)、当該保存範囲に含まれる画像データ、関心画像の静止画像データ、当該保存範囲において関心画像を特定するための関心画像特定情報(例えば保存範囲内或いは再生期間内の関心フレームの位置、すなわち保存されている画像データ(フレーム)のうち、関心画像(関心フレーム)が何番目の画像であるかを示す情報)を、保存対象とされる画像データの付帯情報として、或いは保存対象とされる画像データに対応付けて、記憶ユニット32に保存する。また、保存・再生制御ユニット27は、保存範囲に含まれる画像データ等に加えて、アノテーション等の付帯情報を、画像と対応付けて保存する(ステップS8)。さらに、保存・再生制御ユニット27は、保存対象とされる画像データの総フレーム数、再生速度或いは再生時間、ECG同期によって取得された画像である場合にはフレーム毎の心時相を、保存対象とされる画像データの付帯情報として、或いは保存対象とされる画像データに対応付けて、記憶ユニット32に保存する。
【0034】
上記ステップS4においては、操作者がシネ再生された画像を観察し、入力装置13からのマニュアル操作により、保存範囲の基準となる関心画像を決定する構成とした。しかしながら、当該例に拘泥されず、例えば診断対象が心臓等の循環器系である場合には、ECG波形を用いて特定される時相(例えば、拡張末期時相、収縮末期時相等)に対応する画像を、関心画像として自動的に決定するようにしてもよい。また、保存範囲の長さについても、ECG波形と用いて、例えば一心拍期間等といった具合に決定することも可能である。
【0035】
図4は、従来の超音波診断装置における動画像保存を説明するための図である。同図に示す様に、例えば「時系列画像データの最後のフレームから遡って2秒間」として保存範囲を事前設定した場合において、関心画像が上記最後のフレームから遡って2.4秒の位置にあるときには、当該関心画像は、保存範囲内に含まれず、動画像データとして保存されないことになる。
【0036】
これに対し、本超音波診断装置によれば、所定期間に亘る動画像データのうち、時間的に関心のある時相に対応する関心画像を基準として、当該関心画像が必ず含まれる様に保存範囲を設定することができる。従って、保存した動画像データに関心画像が含まれていないという事態を確実に回避することができる。
【0037】
また、関心領域を基準として、画像診断上意義のある範囲に限って動画像を保存することができる。従って、事後的に動画像を再生する場合、関心画像まで効率よく辿り着くことができる。さらに、装置の記憶領域を無駄なく有効に使うことができる。
【0038】
(動画像データ再生制御処理)
この機能は、所定期間に亘る動画像データを再生する場合に、所定期間内における関心画像(関心フレーム)の時相を明示する時間情報を生成し、これを用いて、所定期間における関心フレームの時相と、現在表示されている画像の所定期間における時相との関係、或いは、再生対象となる所定期間に対応する複数フレームの画像データうち、関心画像(関心フレーム)が何番目の画像であるかを示す時間情報を、少なくとも関心フレームから遡った所定期間において動画と同時に表示するものである。これにより、関心フレームが表示される寸前であること(例えばあと数秒で表示されること)、再生時間において関心フレームが表示されるタイミング等を知らせることができ、関心フレームの観察タイミングを逃さないように、観察者の注意を喚起できる。
【0039】
図5は、本動画像データ再生制御機能に従う処理(画像データ再生制御処理)において実行される各処理の流れを示したフローチャートである。以下、各ステップにおける処理の内容について説明する。説明を具体的にするため、動画像データ保存制御処理と同様に、整形外科分野において、腕の中枢神経走行を画像診断する場合を想定する。
【0040】
所定の操作指示に応答して、制御プロセッサ31は、診断対象(腕)に関する時系列画像データを記憶ユニット32から読み出し、モニター14に所定の形態にて表示する(ステップS11)。操作者は、読み出された時系列画像データをシネ再生しなから所望の画像を選択する画像選択処理を実行し(ステップS12)、関心画像が決定される(ステップS13)。
【0041】
保存・再生制御ユニット27は、関心画像が決定されると、関心画像明示情報を用いた動画再生を実行する(ステップS14)。関心画像明示情報を用いた動画再生には、種々の形態がある。以下、各実施例として説明する。
【0042】
(実施例1)
図6(a)、(b)、(c)は、実施例1に係る関心画像明示情報を用いた動画再生を説明するための図である。本実施例1では、関心画像明示情報として、開始時相50aと終了時相50bとを両端とする保存範囲を示すスライドバー50と、保存範囲内(バー50上)における関心画像の時相(関心フレーム)を示す関心フレームマーカ52と、動画像再生において現在表示されている画像のフレームを示す表示画像フレームマーカ54とを用いる。なお、
図6(a)、(b)、(c)の例では、関心フレームは、全保存範囲(150フレーム分)の60番目のフレームとして設定されているものとする。
【0043】
動画像再生前においては、表示画像フレームマーカ54は、開始時相50aに位置している。動画像再生が始まると、表示される画像のフレーム番号に従って、表示画像フレームマーカ54は、
図6(a)に示す様にスライドバー50の上辺に沿ってスライドする。操作者は、
図6(b)に示す様に、移動する表示画像フレームマーカ54と所定位置にある関心フレームマーカ52とがあとどれくらいで重なるかを予測することで、あと何秒で関心画像が表示されるのか等を直感的に把握することができる。なお、表示画像フレームマーカ54と関心フレームマーカ52とが重なるタイミングに合わせて、別途、関心画像であることを明示する情報を瞬間的に表示することが好ましい。関心画像が表示された後は、残りのフレームに対応する画像が動画表示され、最後のフレームが表示されると、表示画像フレームマーカ54は、スライドバー50の終了時相50b(右端)に位置することになる。
【0044】
なお、保存範囲内における関心フレームが複数設定される場合がある。係る場合には、各関心フレームに対応する関心フレームマーカ52が、スライドバー50の対応する位置に表示されることになる。
【0045】
(実施例2)
図7(a)、(b)は、実施例2に係る関心画像明示情報を用いた動画再生を説明するための画面の図である。本実施例2では、関心画像明示情報として、画面の一端或いは両端(
図7(a)、(b)の例では両端)に縦方向に設けられ保存範囲(再生範囲或いは再生時間)を示すスライドバー60と、保存範囲内(バー60上)における関心画像の時相(関心フレーム)を示す関心フレームマーカ62と、動画像再生において現在表示されている画像のフレームを示す表示画像フレームマーカ64とを用いる。なお、
図7(a)、(b)の例では、関心フレームマーカ62、表示画像フレームマーカ64は、画面の左右両端に亘る水平方向の直線として例示してある。しかしながら、当該例に拘泥されず、例えば、画面水平方向の線分としても良い。また、関心フレームマーカ62は、常に画像中央に表示することが好ましく、関心フレームマーカ62と表示画像フレームマーカ64とで色彩、透明度を変更することが好ましい。また、スライドバー60は、設定により非表示とすることも可能である。
【0046】
動画像再生前においては、表示画像フレームマーカ64は、スライドバー60の上端に位置している。動画像再生が始まると、表示される画像のフレーム番号に従って、表示画像フレームマーカ64は、スライドバー60に沿って上方から下方に向けて(
図7(a)の矢印68に示す方向に沿って)平行移動する。操作者は、
図7(b)に示す様に、移動する表示画像フレームマーカ64と画面中央に位置する関心フレームマーカ62とがあとどれくらいで重なるかを予測することで、あと何秒で関心画像が表示されるのか等を直感的に把握することができる。なお、実施例1と同じく表示画像フレームマーカ64と関心フレームマーカ62とが重なるタイミングに合わせて、別途、関心画像であることを明示する情報を瞬間的に表示することが好ましい。関心画像が表示された後は、残りのフレームに対応する画像が動画表示され、最後のフレームが表示されると、表示画像フレームマーカ64は、スライドバー60の下端に位置することになる。
【0047】
なお、保存範囲内における関心フレームが複数設定される場合には、各関心フレームに対応する関心フレームマーカ62が、スライドバー60の対応する位置に表示されることになる。
【0048】
なお、上記実施例は、動画像再生が完了したら表示画像フレームマーカ64はスライドバー60の上端に位置しそのフレームに対応する画像から動画再生を始めるものであるが、この動画再生の態様に限定されない。他の動画再生の態様として、動画像再生が完了したら表示画像フレームマーカ64を関心フレーム位置に位置させ、動画再生を関心フレームから開始してもよい。この動画再生の態様によれば、関心画像を迅速且つ簡単に何度も再生することにより、或いは関心画像を確認して内容を意識した上で動画再生を行う事により、関心画像前後の動き状況を簡便に確認するが可能となる。
【0049】
(実施例3)
図8は、実施例3に係る関心画像明示情報を用いた動画再生を説明するための図である。本実施例3では、関心画像明示情報として、動画像再生中において関心画像の表示が間近になると、関心画像が表示されるまの残り時間に基づいてカウントダウンマーカ70を表示するものである。
図8の例では、関心画像の表示3秒前からカウントダウンマーカ70を表示し、「(3)、(2)、(1)」のカウントダウン表示の後、関心画像がハイライトして表示される。これにより、操作者は、例えば「あと3秒で関心画像が表示されること」を直感的に把握することができる。
【0050】
なお、実施例1〜3に示した関心画像明示情報は、任意に組み合わせることができる。例えば、実施例1と実施例3、或いは実施例2と実施例3とを組み合わせることにより、表示画像フレームマーカと関心フレームマーカとが重なるタイミングに向けてカウントダウンマーカを出現させ、操作者の注意をさらに促すことも可能である。
【0051】
また、実施例1〜3に示した関心画像明示情報は、種々変形可能である。例えば、実施例3では、カウントダウン完了のタイミングで、カウントダウンマーカ70が画面上から消え、関心画像がハイライト表示される構成とした。しかしながら、当該例に拘泥されず、例えば、カウントダウン完了のタイミングで、関心画像を明示するマーカ等を出現させるようにしてもよい。また、実施例1又は実施例2において、動画像再生が完了した場合には、表示画像フレームマーカは、スライドバーの開始時相の位置に戻るのではなく、関心フレームマーカの位置に戻るようにしてもよい。係る構成によれば、関心画像を迅速且つ簡単に何度も再生することが可能となる。
【0052】
再生動画像と共に、関心画像を同時に表示するようにしてもよい。この場合、各画像の表示サイズに特に限定はないが、例えば、同一サイズでDual表示してもよいし、静止画像のサイズを小さくし、動画像に重畳表示するようにしてもよい。
【0053】
以上述べた動画像データ再生制御機能によれば、所定期間に亘る動画像データを再生する場合に、所定期間における前記所定時相と、現在表示されている画像の前記所定期間における時相との関係を、動画とに同時に明示することができる。従って、操作者は、画像診断において意義のある関心画像が表示されるタイミングを直感的に予測することができる。その結果、関心画像を効率よく観察できると共に、必要な情報を見逃すといった事態を避けることができる。
【0054】
(実施例4)
実施例4に係る動画像データ保存制御処理は、動画像データと関心画像特定情報とを保存する場合において、所定のGUIを用いて、一度設定した動画保存範囲、関心フレームの位置(時相)を調整するものである。
【0055】
すなわち、本実施例4に係る動画像データ保存制御処理においては、事前設定される保存条件を示すGUI(例えば、
図3に示したもの)を、モニター14に表示する。操作者は、モニター14に表示されたGUIに対して、保存範囲、関心フレームの位置等の最終調整を行う。例えば、
図3に示したように2.0秒間に対応する複数の画像(フレーム)であるとし、関心フレームが保存範囲の1.4秒時点でのフレームである事前設定を、保存範囲3.0秒、関心フレームを保存範囲の2.0秒時点と変更する場合を想定する。操作者は、表示されたGUIの保存範囲の境界や関心フレーム位置を対応する位置に変更することで、保存範囲及び関心フレームを変更することができる。当該変更後、「保存確定」のボタンを押すことで、変更後の保存条件に対応する関心画像特定情報が生成され、保存範囲に対応する動画像データと共に保存されることになる。
【0056】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る超音波診断装置が具備する動画像データ再生制御処理について説明する。本実施形態に係る動画像データ再生制御処理は、再生速度を所定のタイミングで制御することにより、さらに好適な関心フレームの観察を実現するものである。
【0057】
保存・再生制御ユニット27は、関心フレームの再生タイミングが近くなった場合には、再生速度(フレーム/sec)を低くし、少なくとも関心フレームより前の所定数フレームについてスロー再生されるように、動画像再生を制御する。例えば、保存・再生制御ユニット27は、再生速度が30フレーム/秒で設定され再生されている動画について、関心フレームから遡って所定期間前になったタイミングで、再生速度を10フレーム/秒に下げ、少なくとも関心フレームまでスロー再生を行う。
【0058】
なお、スロー再生となるタイミング或いは期間は、関心フレームを基準として、所定数のフレーム或いは所定期間等を入力装置10から入力すること、或いはプリセットされた値を選択することで、設定することが可能である。この様な再生速度の調整は、動きのある部位を観察する場合(例えば心臓弁の動きの詳細を観察する場合等)で有用である。
【0059】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る超音波診断装置が具備する動画像データ再生制御処理について説明する。本実施形態に係る動画像データ再生制御処理は、同期表示モードによって複数の動画像を所定の形態にて同期再生することにより、複数の動画における関心フレームの好適な同時観察を実現するものである。
【0060】
なお、以下の説明においては、それぞれ一つの関心フレームが設定された所定期間の二つの動画像を並べて再生する場合を例とする。しかしながら、当該例に拘泥されず、本実施例6に係る動画像データ再生制御処理は、三つ以上の動画像を並べて再生する場合にも、適用可能である。
【0061】
保存・再生制御ユニット27は、同期表示モードが選択され、複数の動画像データが読み出された場合には、各動画像データに対応する付帯情報を読み出し、再生パラメータを取得或いは計算する。ここで、再生パラメータとは、再生対象となる総フレーム数、再生速度或いは再生時間、関心画像の時相(関心フレーム)、最初のフレーム再生時刻から関心フレーム再生時刻までの時間、関心フレーム再生時刻から最初のフレーム再生時刻までの時間、ECG同期によって取得された画像である場合にはフレーム毎の心時相等である。保存・再生制御ユニット27は、計算された動画像データ毎の再生パラメータに従って、読み出した複数の動画像の再生形態を判定し、同期再生する。
【0062】
なお、以下においては、説明をわかりやすくするため、複数の動画像の同期再生形態の例を先に説明することとし、同期再生形態の判定を含む保存・再生制御ユニット27の動作については後述する。
【0063】
(同期再生形態例1)
図9、
図10は、同期再生形態例1を説明するための図である。同図の例は、再生対象となる二つの動画像の再生パラメータにおいて、再生時間、再生時間における関心画像の時相(関心フレーム)が一致する場合(従って、最初のフレーム再生時刻から関心フレーム再生時刻までの時間、関心フレーム再生時刻から最初のフレーム再生時刻までの時間が一致する場合)である。係る場合、保存・再生制御ユニット27は、
図9或いは
図10に示す様に、二つの動画像につき、(再生範囲或いは再生時間)を示すスライドバー60(スライドバー50)の長さ及び高さ、関心フレームマーカ62(関心フレームマーカ52)の高さ、表示画像フレームマーカ64(表示画像フレームマーカ54)の移動速度を一致させて、同期表示する。
【0064】
なお、二つの動画像間において総フレーム数或いは再生速度が異なる場合(例えば
図9の左側の動画の再生速度が20フレーム/秒であり、
図9の右側の動画の再生速度が30フレーム/秒である場合等)には、左右でフレームの更新速度が異なるが、再生時間、関心フレームが同期した動画像が再生されることになる(後述する各同期再生形態例についても、同様である)。
【0065】
(同期再生形態例2)
図11は、同期再生形態例2を説明するための図である。同図の例は、再生対象となる二つの動画像の再生パラメータにおいて、再生時間は異なるが、最初のフレーム再生時刻から関心フレーム再生時刻までの時間が一致する場合である。係る場合、保存・再生制御ユニット27は、
図11に示す様に、二つの動画像の間において、再生時間を示すスライドバー60の上端(開始時刻)の高さ、関心フレームマーカ62の高さ、表示画像フレームマーカ64の移動速度を一致させて、期間T1においては左側の動画と右側の動画とが同期再生され、期間T2においては、左側の動画のみが再生される。
【0066】
(同期再生形態例3)
図12は、同期再生形態例3を説明するための図である。同図の例は、再生対象となる二つの動画像の再生パラメータにおいて、再生時間、最初のフレーム再生時刻から関心フレーム再生時刻までの時間が共に異なる場合である。係る場合、保存・再生制御ユニット27は、
図12に示す様に、二つの動画像につき、期間T2においては、関心フレームマーカ62の高さ、表示画像フレームマーカ64の移動速度を一致させて左側の動画と右側の動画とが同期再生される。一方、期間T1においては左側の動画のみが再生され、期間T3においては右側の動画のみが再生される。
【0067】
図13は、他の同期再生形態例3を説明するための図である。同図の例では、二つの動画像につき、関心フレームマーカ62の高さ、表示画像フレームマーカ64の移動速度を一致させて、期間T2においては左側の動画と右側の動画とが同期再生される。一方、期間T1、T3においては左側の動画のみが再生される。
【0068】
(同期再生形態例4)
再生時間、最初のフレーム再生時刻から関心フレーム再生時刻までの時間が共に異なる場合において、
図6に示したフレーム基準でのスライドバー50を用いて二つの動画像を同期表示するケースを想定する。係るケースでは、例えば
図14に示す様に、関心フレームマーカ52の位置を対応させて再生する形態を採用することができる。その一方で、係る表示形態では、例えば再生速度が異なる場合には、二つの動画像の間で表示画像フレームマーカ54の移動速度が異なり、時間的な対応を把握し辛い面もある。
【0069】
例えば、
図14において、上段のスライドバー50は150フレーム分を再生速度30フレーム/秒として再生する場合を、下段のスライドバー50は90フレーム分を再生速度20フレーム/秒で再生する場合を、それぞれ示す場合を想定する。係る場合、上段では表示画像フレームマーカ54はスライドバー50の左端から右端まで5秒で移動し、下段では表示画像フレームマーカ54はスライドバー50の左端から右端まで4.5秒で移動することになる。このため、二つの動画像再生において関心フレームの表示タイミングも同期しておらず、時間的な対応を把握し辛い。
【0070】
そこで、本同期再生形態例4では、各動画データの再生範囲(再生すべき画像フレーム数)を再生時間によって規格化し、これに応じて、再生時間によって表示画像フレームマーカ54の移動速度を規格化する。その結果、規格化された再生制御全体は、規格化されたスライドバーによって可視化される。すなわち、
図14の上段のスライドバー50の長さは、フレーム数を示すものでなく、再生時間5秒に対応するものと定義する。当該定義に従って、保存・再生制御ユニット27は、
図14の下段のスライドバー50の長さは、再生時間4.5秒を示すものとして修正(規格化)する。さらに、保存・再生制御ユニット27は、
図15に示す様に、関心フレームマーカ52の位置と、表示画像フレームマーカ54の移動速度とが対応し規格化された各スライドバー50を表示しつつ、二つの動画像を同期再生する。
【0071】
なお、
図15の例では、期間T2においては上段の動画と下段の動画とが同期再生される。一方、期間T1においては下段の動画のみが再生され、期間T3においては上段の動画のみが再生される。
【0072】
(同期再生形態例5)
再生対象となる二つの動画像の再生時間が、倍以上異なる場合がある。係る場合、再生時間が短い動画像の再生が完了した後の期間は、再生時間が長い動画像のみ再生されることとなり、同期再生のメリットが少ない。そこで、本同期再生形態例5は、再生対象となる二つの動画像の再生時間が倍以上異なる場合には、再生時間が短い動画像を繰り返し再生(ループ再生)する。係る形態は、例えば循環器に関する動画像、或いはECGに同期して取得された二つの動画像であって両者の間で心拍数が異なる場合等に、実益がある。
【0073】
(動作)
図16は、本実施形態に係る動画像データ再生制御処理の流れを示したフローチャートである。同図に示すように、保存・再生制御ユニット27は、入力装置13からの入力に応答して、同期表示モードに移行すると共に同期表示する複数の動画データ、及び各動画データに対応する付帯情報を記憶ユニット32から読み出す(ステップS10)。
【0074】
保存・再生制御ユニット27は、付帯情報に基づいて、各動画データについての再生パラメータを取得・算出する(ステップS11)。また、保存・再生制御ユニット27は、得られた再生パラメータに基づいて、複数の動画データのうち、関心フレーム前方の再生期間(すなわち、最初のフレーム再生時刻から関心フレーム再生時刻までの時間)が最も長い動画データ、及び関心フレーム後方の再生期間(すなわち、関心フレーム再生時刻から最初のフレーム再生時刻までの時間)が最も長い動画データを判定する(ステップS12、S13)。
【0075】
保存・再生制御ユニット27は、動画データ毎の再生パラメータ、ステップS12、S13の判定結果に基づいて、いずれの同期再生形態を適用するかを判定する(ステップS14)。例えば、保存・再生制御ユニット27は、同じ再生期間の第1の動画データと第2の動画データとを同期再生する場合に、ステップS12において第2の動画データよりも第1の動画データの方が長いと判定し、ステップS13において第1の動画データよりも第2の動画データの方が長いと判定したときは、保存・再生制御ユニット27は、
図12に示した同期再生形態例2を適用すると判定する。
【0076】
保存・再生制御ユニット27は、ステップS14において判定された同期表示形態を用いて、二つの動画像を同期再生する(ステップS15)。
【0077】
以上述べた構成によれば、関心フレームが登録された動画像を同時に並べて表示する場合において、動画像の間で再生時間や再生速度が異なる場合であっても、少なくとも関心フレームの表示タイミングを自動的に同期させることができる。従って、観察者は、複雑な表示操作を行うことなく、複数の動画像中の関心フレームを同時に観察することができる。特に、怪我の予後観察の場合等において、有用な再生方法である。
【0078】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。具体的な変形例としては、例えば次のようなものがある。
【0079】
(1)例えば、本実施形態に係る各機能は、当該処理を実行するプログラムをワークステーション等のコンピュータにインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても実現することができる。このとき、コンピュータに当該手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記録媒体に格納して頒布することも可能である。
【0080】
(2)上記実施形態においては、時系列画像データから保存範囲に含まれるフレームの画像データを切り出して保存する構成とした。しかしながら、当該例に拘泥されず、例えば、時系列画像データ中に開始フレーム及び終了フレームを特定するしおり情報を付加し、当該開始フレームから終了フレームまでの範囲に限定して、再生或いはループ再生させることも可能である。係る構成によれば、元の時系列画像データを抑えたデータを発生させることも可能であり、装置の記憶領域を有効に利用することができる。一方、使い勝手の観点から、しおり情報によって定義された開始フレームから終了フレームまでの範囲のデータを、別途保存するようにしてもよい。なお、当該構成による再生においては、開始フレームから終了フレームまでの範囲において関心フレームを特定するしおり情報を付加し、既述の関心画像明示情報を用いた表示をすることも可能である。
【0081】
(3)上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、専用又は汎用のprocessor, circuit(circuitry), processing circuit(circuitry), operation circuit(circuitry), arithmetic circuit(circuitry)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC))、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を意味する。また、本実施形態の各構成要素(各処理部)は、単一のプロセッサに限らず、複数のプロセッサによって実現するようにしてもよい。さらに、複数の構成要素(複数の処理部)を、単一のプロセッサによって実現するようにしてもよい。
【0082】
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。