(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記第2シラン化合物に由来する構造単位の上記ポリシロキサンを構成する全構造単位に対する含有割合が、20モル%以上95モル%以下である請求項3に記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成組成物。
上記第3シラン化合物に由来する構造単位の上記ポリシロキサンを構成する全構造単位に対する含有割合が、0.1モル%以上30モル%以下である請求項5に記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成組成物。
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成組成物により、基板の少なくとも一方の面側に、シリコン含有膜を形成する工程と、
上記シリコン含有膜の上記基板とは反対の面側にレジスト膜を形成する工程と、
フォトマスクを透過させることにより選択的に放射線を照射して上記レジスト膜を露光する工程と、
上記露光されたレジスト膜の現像により、レジストパターンを形成する工程と、
上記レジストパターンをマスクとして、上記シリコン含有膜及び上記基板をドライエッチングする工程と
を備えるパターン形成方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明
の範囲が狭く解釈されることはない。
【0018】
<多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成組成物>
本発明の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成組成物(以下、単に「シリコン含有膜形成組成物」と称する)は、[A]ポリシロキサン及び[B]有機溶媒を含有する。当該シリコン含有膜形成組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、[C]窒素含有化合物、[D]酸発生剤、[E]水等の任意成分を含有していてもよい。以下、各成分について詳述する。
【0019】
<[A]ポリシロキサン>
[A]ポリシロキサンは、環状カーボネート構造を含む基及びラクトン構造を含む基の少なくとも一方を有するシラン化合物(I)を含有する化合物の加水分解縮合物を含む。また、上記シラン化合物(I)に由来する構造単位(I)の上記ポリシロキサンを構成する全構造単位に対する含有割合が0.1モル%以上30モル%以下である。
【0020】
当該シリコン含有膜形成組成物は、上記[A]ポリシロキサン及び[B]有機溶媒を含有し、上記構造単位(I)の含有割合を上記特定範囲とすることで、アルカリ溶液によるポジ現像、有機溶媒によるネガ現像のどちらのプロセスにおいても、レジスト組成物の溶媒に対する耐性に優れ、レジスト膜に対する反射防止性や密着性に優れ、エッチングによる高いパターン転写性を有し、レジストパターンの形状が良好で倒れが少ない。当該シリコン含有膜形成組成物が上記構成を有することで上記効果を奏する理由としては必ずしも明確ではないが、例えば[A]ポリシロキサンが酸素原子を含む環構造により比較的高い極性を有する環状カーボネート構造及び/又はラクトン構造を、上記特定の割合で有することで、酸素エッチング耐性を維持しつつ、レジスト膜との密着性等が特に向上することなどが挙げられる。
【0021】
[A]ポリシロキサンは、構造単位(I)以外に、後述するシラン化合物(II)に由来する構造単位(II)及び後述するシラン化合物(III)に由来する構造単位(III)をさらに有していてもよく、構造単位(I)〜(III)以外のその他の構造単位を有していてもよい。以下、各構造単位について説明する。
【0022】
[構造単位(I)]
構造単位(I)は、シラン化合物(I)に由来する構造単位である。シラン化合物(I)は、環状カーボネート構造を含む基及びラクトン構造を含む基の少なくとも一方を有するシラン化合物である。構造単位(I)は、シラン化合物(I)を含有する化合物の加水分解縮合により形成される。
【0023】
「環状カーボネート構造」とは、−O−C(O)−O−で表される結合を含む1つの環(環状カーボネート環)を含む構造をいう。環状カーボネート環を1つめの環として数え、環状カーボネート環のみの場合は単環の環状カーボネート構造、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環の環状カーボネート構造と称する。
【0024】
環状カーボネート構造としては、例えば
エチレンカーボネート構造、トリメチレンカーボネート構造、テトラメチレンカーボネート構造等の単環の環状カーボネート構造;
シクロペンチレンカーボネート構造、シクロへキシレンカーボネート構造、ノルボルニレンカーボネート構造、フェニレンカーボネート構造、ナフチレンカーボネート構造等の多環のカーボネート構造などが挙げられる。これらの中で、エチレンカーボネート構造、トリメチレンカーボネート構造及びフェニレンカーボネート構造が好ましく、エチレンカーボネート構造がより好ましい。
【0025】
「ラクトン構造」は、−O−C(O)−で表される結合を含む1つの環(ラクトン環)を含む構造をいう。ラクトン環を1つめの環として数え、ラクトン環のみの場合は単環のラクトン構造、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環のラクトン構造と称する。
【0026】
ラクトン構造としては、例えば
プロピオラクトン構造、ブチロラクトン構造、バレロラクトン構造、カプロラクトン構造等の単環のラクトン構造;
シクロペンタンラクトン構造、シクロヘキサンラクトン構造、ノルボルナンラクトン構造、ベンゾブチロラクトン構造、ベンゾバレロラクトン構造等の多環のラクトン構造などが挙げられる。これらの中でプロピオラクトン構造、ブチロラクトン構造、バレロラクトン構造及びベンゾブチロラクトン構造が好ましく、ブチロラクトン構造がより好ましい。
【0027】
環状カーボネート構造及びラクトン構造としては、シリコン含有膜とレジスト膜との間の密着性をより高める観点から、単環構造が好ましい。
【0028】
シラン化合物(I)としては、下記式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」ともいう)が好ましい。シラン化合物(I)は、1種単独でも複数種を混合して用いてもよい。
【0030】
上記式(1)中、R
1は、環員数5〜20の環状カーボネート構造又は環員数4〜20のラクトン構造を含む1価の基である。R
2は、シアノ置換、フッ素置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基又はシアノ基である。R
3は、水素原子、炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基、炭素数1〜20のアシロキシ基又はハロゲン原子である。aは、1〜3の整数である。bは、0〜2の整数である。cは、1〜3の整数である。但し、a+b+cは4である。aが2以上の場合、複数のR
1は同一でも異なっていてもよい。bが2の場合、2つのR
2は同一でも異なっていてもよい。cが2以上の場合、複数のR
3は同一でも異なっていてもよい。
【0031】
R
1で表される環員数5〜20の環状カーボネート構造を含む1価の基としては、下記式(i)で表される基が好ましい。
【0033】
上記式(i)中、R
A1は、単結合又は炭素数1〜10のアルカンジイル基である。Y
1は、単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はフェニレン基である。R
B1は、単結合又は炭素数1〜5のアルカンジイル基である。R
Cは、環員数5〜20の1価の環状カーボネート環基である。
【0034】
R
1で表される環員数4〜20のラクトン構造を含む1価の基としては、下記式(ii)で表される基が好ましい。
【0036】
上記式(ii)中、R
A2は、単結合又は炭素数1〜5のアルカンジイル基である。Y
2は、単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はフェニレン基である。R
B2は、単結合又は炭素数1〜10のアルカンジイル基である。R
Lは、環員数5〜20の1価のラクトン環基である。
【0037】
R
Cで表される環員数5〜20の1価の環状カーボネート環基としては、環員数5〜20の環状カーボネート環を有する化合物の環状カーボネート環に結合する1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
【0038】
R
Lで表される環員数4〜20の1価のラクトン環基としては環員数4〜20のラクトン環を有する化合物のラクトン環に結合する1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
【0039】
上記環状カーボネート環及びラクトン環には、例えばアルキル基等の1価の炭化水素基、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子などの基が結合していてもよい。
【0040】
R
A1、R
A2、R
B1及びR
B2で表される炭素数1〜10のアルカンジイル基としては、例えばメタンジイル基、エタンジイル基、直鎖状又は分岐状のプロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基、ヘキサンジイル基等が挙げられる。
【0041】
R
A1及びR
A2としては、単結合及び炭素数1〜6のアルカンジイル基が好ましく、単結合、メタンジイル基、エタンジイル基、1,3−プロパンジイル基、1,4−ブタンジイル基及び1,5−ペンタンジイル基がより好ましい。
【0042】
R
B1及びR
B2としては、単結合及び炭素数1〜3のアルカンジイル基が好ましく、単結合及びメタンジイル基がより好ましい。
【0043】
Y
1及びY
2としては、単結合、酸素原子、硫黄原子及びカルボニル基が好ましく、単結合、酸素原子及び硫黄原子がより好ましい。
【0044】
R
2で表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基等のシクロアルキル基;
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
【0045】
R
2で表される炭素数2〜20の1価のシアノ置換炭化水素基としては、例えば炭素数2〜6のシアノアルキル基等が挙げられ、具体的には、シアノメチル基、シアノエチル基、シアノプロピル基等が挙げられる。
【0046】
R
2で表される炭素数2〜20の1価のフッ素置換炭化水素基としては、例えば炭素数2〜6のフッ素化アルキル基等が挙げられ、具体的には、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基等が挙げられる。
【0047】
R
2で表される炭素数2〜20の1価のシアノ及びフッ素置換炭化水素基としては、例えば炭素数2〜6のシアノフッ素化アルキル基等が挙げられ、具体的には、フルオロシアノメチル基、フルオロシアノエチル基等が挙げられる。
【0048】
R
2としては、炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
【0049】
R
3で表される炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
【0050】
R
3で表される炭素数1〜20の1価のアシロキシ基としては、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
【0051】
R
3で表されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0052】
R
3としては、オキシ炭化水素基が好ましく、アルコキシ基がより好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がさらに好ましい。
【0053】
aとしては、1及び2が好ましく、1がより好ましい。bとしては、0及び1が好ましく、0がより好ましい。cとしては、2及び3が好ましく、3がより好ましい。
【0054】
環状カーボネート構造を有する化合物(1)(以下、「化合物(1−1)」ともいう)の具体例としては、例えば下記式(1−1−1)〜(1−1−34)で表される化合物(以下、「化合物(1−1−1)〜(1−1−34)」ともいう)等が挙げられる。
【0058】
これらの中で、化合物(1−1−3)及び化合物(1−1−12)が好ましい。
【0059】
ラクトン構造を有する化合物(1)(以下、「化合物(1−2)」ともいう)の具体例としては、例えば下記式(1−2−1)〜(1−2−37)で表される化合物(以下、「化合物(1−2−1)〜(1−2−37)」ともいう)等が挙げられる。
【0063】
これらの中で、化合物(1−2−1)及び化合物(1−2−2)が好ましい。
【0064】
構造単位(I)の含有割合の下限としては、[A]ポリシロキサンを構成する全構造単位に対して、0.1モル%であり、1モル%がより好ましく、5モル%がさらに好ましく、10モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、30モル%であり、25モル%がより好ましく、22モル%がさらに好ましく、20モル%が特に好ましい。構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、上記諸性能をより向上させることができる。構造単位(I)の含有割合が上記下限未満であると、シリコン含有膜とレジスト膜との密着性が低下し、最小倒壊前寸法及びパターン形状の良好性の性能が低下する。構造単位(I)の含有割合が上記上限を超えると、シリコン含有膜中の炭素原子含有率が低下し、酸素エッチング耐性が低下する。
【0065】
なお、[A]ポリシロキサンにおける構造単位の含有割合は、[A]ポリシロキサンをシラン化合物の加水分解縮合において合成する際の各シラン化合物の仕込み量の割合と同等とみなすことができる。
【0066】
[構造単位(II)]
構造単位(II)は、シラン化合物(II)に由来する構造単位である。[A]ポリシロキサンが構造単位(II)を有することで、シリコン含有膜は、強度を高めることができる。また、シリコン含有膜の溶媒耐性をより高めることができる。シラン化合物(II)は、下記式(2)で表される化合物(以下、「化合物(2)」ともいう)である。シラン化合物(II)は、1種単独でも複数種を混合して用いてもよい。
【0068】
上記式(2)中、Xは、水素原子、炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基、炭素数1〜20のアシロキシ基又はハロゲン原子である。4つのXは同一でも異なっていてもよい。
【0069】
Xで表されるオキシ炭化水素基、アシロキシ基及びハロゲン原子としては、例えば上記式(1)のR
3におけるそれぞれの基として例示したものと同様の基等が挙げられる。
【0070】
Xとしては、オキシ炭化水素基が好ましく、アルコキシ基がより好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がさらに好ましく、エトキシ基が特に好ましい。
【0071】
化合物(2)の具体例としては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラベンゾイルオキシシラン、テトラクロロシラン等が挙げられる。これらの中でも、テトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランが、反応性及び物質の取り扱い容易性の観点から好ましい。
【0072】
[A]ポリシロキサンが構造単位(II)を有する場合、構造単位(II)の含有割合の下限としては、[A]ポリシロキサンを構成する全構造単位に対して、20モル%が好ましく、30モル%がより好ましく、40モル%がさらに好ましく、50モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、95モル%が好ましく、80モル%がより好ましく、70モル%がさらに好ましく、65モル%が特に好ましい。構造単位(II)の含有割合を上記範囲とすることで、シリコン含有膜の強度をより高めることができる。
【0073】
[構造単位(III)]
構造単位(III)は、シラン化合物(III)に由来する構造単位である。[A]ポリシロキサンが構造単位(III)を有することにより、シリコン含有膜の吸光係数等を高めることができ、シリコン含有膜の基板反射率の性能をより高めることができる。シラン化合物(III)は、下記式(3)で表される化合物(以下、「化合物(3)」ともいう)である。シラン化合物(III)は、1種単独でも複数種を混合して用いてもよい。
【0075】
上記式(3)中、R
4は、炭素数2〜10のアルケニル基、又は環員数6〜20の芳香族炭素環若しくは環員数4〜20の芳香族複素環を含む1価の基である。R
5は、シアノ置換、フッ素置換若しくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基又はシアノ基である。R
6は、水素原子、炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基、炭素数1〜20のアシロキシ基又はハロゲン原子である。dは、1〜3の整数である。eは、0〜2の整数である。fは、1〜3の整数である。但し、d+e+fは4である。dが2以上の場合、複数のR
4は同一でも異なっていてもよい。eが2の場合、2つのR
5は同一でも異なっていてもよい。fが2以上の場合、複数のR
6は同一でも異なっていてもよい。
【0076】
R
4で表される炭素数2〜10のアルケニル基としては、例えばエテニル基、1−プロペン−1−イル基、1−プロペン−2−イル基、1−プロペン−3−イル基、1−ブテン−1−イル基、1−ブテン−2−イル基、1−ブテン−3−イル基、1−ブテン−4−イル基、2−ブテン−1−イル基、2−ブテン−2−イル基、1−ペンテン−5−イル基、2−ペンテン−1−イル基、2−ペンテン−2−イル基、1−ヘキセン−6−イル基、2−ヘキセン−1−イル基、2−ヘキセン−2−イル基等が挙げられる。
【0077】
R
4で表される環員数6〜20の芳香族炭素環を含む1価の基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、ベンジル基、フェネチル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基等のアリール基などが挙げられる。これらの中で、フェニル基及びメチルフェニル基が好ましい。
【0078】
R
4で表される環員数4〜20の芳香族複素環を含む1価の基としては、例えばピリジル基、フリル基、チエニル基等が挙げられる。
【0079】
R
4としては、芳香族炭素環を含む基が好ましく、アリール基がより好ましく、フェニル基及びメチルフェニル基がさらに好ましい。
【0080】
R
5で表される炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、これらの基のシアノ置換体、フッ素置換体としては、例えば上記式(1)のR
2におけるそれぞれの基として例示したものと同様の基等が挙げられる。
【0081】
R
5としては、アルキル基及び脂環式炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
【0082】
R
6で表されるオキシ炭化水素基、アシロキシ基及びハロゲン原子としては、例えば上記式(1)のR
3におけるそれぞれの基として例示したものと同様の基等が挙げられる。
【0083】
R
6としては、オキシ炭化水素基が好ましく、アルコキシ基がより好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がさらに好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
【0084】
化合物(3)の具体例としては、例えばフェニルトリメトキシシラン、4−メチルフェニルトリメトキシシラン、4−エチルフェニルトリメトキシシラン、4−(n−プロピル)フェニルトリメトキシシラン、4−(iso−プロピル)フェニルトリメトキシシラン、4−(n−ブチル)フェニルトリメトキシシラン、4−(2−メチルプロピル)フェニルトリメトキシシラン、4−(1−メチルプロピル)フェニルトリメトキシシラン、4−(tert−ブチル)フェニルトリメトキシシラン、4−メトキシフェニルトリメトキシシラン、4−フェノキシフェニルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシフェニルトリメトキシシラン、4−アミノフェニルトリメトキシシラン、4−ジメチルアミノフェニルトリメトキシシラン、4−アセチルアミノフェニルトリメトキシシラン、3−メチルフェニルトリメトキシシラン、3−エチルフェニルトリメトキシシラン、3−メトキシフェニルトリメトキシシラン、3−フェノキシフェニルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシフェニルトリメトキシシラン、3−アミノフェニルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノフェニルトリメトキシシラン、3−アセチルアミノフェニルトリメトキシシラン、2−メチルフェニルトリメトキシシラン、2−エチルフェニルトリメトキシシラン、2−メトキシフェニルトリメトキシシラン、2−フェノキシフェニルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシフェニルトリメトキシシラン、2−アミノフェニルトリメトキシシラン、2−ジメチルアミノフェニルトリメトキシシラン、2−アセチルアミノフェニルトリメトキシシラン、2,4,6−トリメチルフェニルトリメトキシシラン、4−メチルベンジルトリメトキシシラン、4−エチルベンジルトリメトキシシラン、4−メトキシベンジルトリメトキシシラン、4−フェノキシベンジルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシベンジルトリメトキシシラン、4−アミノベンジルトリメトキシシラン、4−ジメチルアミノベンジルトリメトキシシラン、4−アセチルアミノベンジルトリメトキシシラン、N−3−(トリエトキシシリル)プロピルベンジルスルホンアミド、N−3−(トリエトキシシリル)プロピルベンゾイルスルホンアミド、N−3−(トリエトキシシリル)プロピルベンジルスルホンアミド、N−3−(トリエトキシシリル)プロピル−2−オキソ−2−フェニルエチルスルホンアミド、N−3−(トリエトキシシリル)プロピル−C−ベンゾオキサゾール−2−イルスルホンアミド、N−3−(トリエトキシシリル)プロピル−C−ベンゾオキサゾール−2−イルスルホンアミド、N−2−(トリエトキシシリル)エチルベンジルスルホンアミド、N−2−(トリエトキシシリル)エチルベンゾイルスルホンアミド、N−2−(トリエトキシシリル)エチル−2−フェニルエチルスルホンアミド、N−2−(トリエトキシシリル)エチル−3−ニトロフェニルスルホンアミド、N−3−(トリメトキシシリル)プロピルベンジルスルホンアミド、N−3−(トリメトキシシリル)プロピルベンゾイルスルホンアミド、N−3−(トリメトキシシリル)プロピルベンジルスルホンアミド、N−3−(トリメトキシシリル)プロピル−2−オキソ−2−フェニルエチルスルホンアミド、N−3−(トリメトキシシリル)プロピル−C−ベンゾオキサゾール−2−イルスルホンアミド、N−3−(トリメトキシシリル)プロピル−C−ベンゾオキサゾール−2−イルスルホンアミド、N−2−(トリメトキシシリル)エチルベンジルスルホンアミド、N−2−(トリメトキシシリル)エチルベンゾイルスルホンアミド、N−2−(トリメトキシシリル)エチル−2−フェニルエチルスルホンアミド、N−2−(トリメトキシシリル)エチル−3−ニトロフェニルスルホンアミド、N−2−(トリメトキシシリル)エチル−4−ニトロフェニルスルホンアミド、ジフェニルジメトキシシラン、アリルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジクロロシラン、tert−ブチルフェニルジクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、フェネチルメチルジクロロシラン、ジ(p−トリル)ジクロロシラン等が挙げられる。
【0085】
これらの中で、反応性及び物質の取り扱い容易性の観点から、フェニルトリメトキシシラン、4−メチルフェニルトリメトキシシラン、4−エチルフェニルトリメトキシシラン、4−(n−プロピル)フェニルトリメトキシシラン、4−(iso−プロピル)フェニルトリメトキシシラン、4−(n−ブチル)フェニルトリメトキシシラン、4−(2−メチルプロピル)フェニルトリメトキシシラン、4−(1−メチルプロピル)フェニルトリメトキシシラン、4−(tert−ブチル)フェニルトリメトキシシラン、4−メトキシフェニルトリメトキシシラン及び4−メチルベンジルトリメトキシシランが好ましく、フェニルトリメトキシシラン及び4−メチルフェニルトリメトキシシランがより好ましい。
【0086】
[A]ポリシロキサンが構造単位(III)を有する場合、構造単位(III)の含有割合の下限としては、[A]ポリシロキサンを構成する全構造単位に対して、0.1モル%が好ましく、1モル%がより好ましく、4モル%がさらに好ましく、9モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、30モル%が好ましく、25モル%がより好ましく、20モル%がさらに好ましく、18モル%が特に好ましい。
【0087】
[その他の構造単位]
[A]ポリシロキサンは、上記構造単位(I)〜(III)以外のその他の構造単位を有していてもよい。その他の構造単位を与えるシラン化合物としては、例えばメチルトリメトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン等の1,2−ビス(トリアルコキシシリル)ベンゼン等が挙げられる。
【0088】
[A]ポリシロキサンがその他の構造単位を有する場合、その他の構造単位の含有割合の上限としては、[A]ポリシロキサンを構成する全構造単位に対して、30モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、15モル%がさらに好ましく、5モル%が特に好ましい。
【0089】
[A]ポリシロキサンの含有量の下限としては、当該シリコン含有膜形成組成物の全固形分に対して、50質量%が好ましく、70質量%がより好ましく、80質量%がさらに好ましく、90質量%が特に好ましい。上記含有量の上限としては、100質量%が好ましく、90質量%がより好ましい。当該シリコン含有膜形成組成物の全固形分とは、[B]有機溶媒及び[E]水以外の成分の総和をいう。[A]ポリシロキサンは、1種のみ含有されていてもよいし、2種以上含有されていてもよい。
【0090】
[A]ポリシロキサンのサイズ排除クロマトグラフィによるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)の下限としては、1,000が好ましく、1,300がより好ましく、1,500がさらに好ましい。上記Mwの上限としては、100,000が好ましく、50,000がより好ましく、30,000がさらに好ましく、10,000が特に好ましい。
【0091】
本明細書における[A]ポリシロキサンのMwは、例えば東ソー社のGPCカラム(「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本及び「G4000HXL」1本)を使用し、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した値である。
【0092】
化合物(1)、化合物(2)、化合物(3)及び他の加水分解性シラン化合物を加水分解及び/又は加水分解縮合する方法としては、公知の加水分解及び/又は加水分解縮合の方法を用いることができる。
【0093】
[A]ポリシロキサンの合成の際に、反応液中の溶媒における沸点100℃以下のアルコール系溶媒の含有率の上限としては、20質量%が好ましく、5質量%がより好ましい。沸点100℃以下のアルコール系溶媒は、上記化合物(1)、化合物(2)、化合物(3)等の加水分解及び/又は加水分解縮合の際に生じる場合があり、反応液中の溶媒における含有率が、20質量%以下、好ましくは5質量%以下になるよう、蒸留塔により除去することが好ましい。
【0094】
<[B]有機溶媒>
[B]有機溶媒としては、[A]ポリシロキサン及び任意成分を溶解又は分散させることができるものであれば用いることができる。
【0095】
[B]有機溶媒としては、例えば炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、含窒素系溶媒、含硫黄系溶媒等が挙げられる。
【0096】
炭化水素系溶媒としては、例えば
n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、iso−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。
【0097】
アルコール系溶媒としては、例えば
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール系溶媒などが挙げられる。
【0098】
ケトン系溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン等が挙げられる。
【0099】
エーテル系溶媒としては、例えばエチルエーテル、iso−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、エチレングリコールジエチルエーテル、2−n−ブトキシエタノール、2−n−ヘキソキシエタノール、2−フェノキシエタノール、2−(2−エチルブトキシ)エタノール、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、1−n−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等が挙げられる。
【0100】
エステル系溶媒としては、例えばジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸iso−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等が挙げられる。
【0101】
含窒素系溶媒としては、例えばN−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
【0102】
含硫黄系溶媒としては、例えば硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトン等が挙げられる。
【0103】
これらの中でも、エーテル系溶媒及びエステル系溶媒が好ましく、成膜性に優れる観点から、グリコール系溶媒がより好ましい。
【0104】
グリコール系溶媒としては、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル等が挙げられる。
【0105】
[B]有機溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0106】
[B]有機溶媒の含有量の下限としては、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、99.8質量%が好ましく、99質量%がより好ましく、98質量%がさらに好ましい。
【0107】
<任意成分>
<[C]窒素含有化合物>
[C]窒素含有化合物は、窒素原子を有する化合物である。当該シリコン含有膜形成組成物は、[C]窒素含有化合物を含有すると、上記効果を維持しつつ、多層レジストプロセスにおいて形成されるレジストパターンの形状をより向上させることができる。[C]窒素含有化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0108】
[C]窒素含有化合物としては、塩基性アミノ基を有する化合物、及び酸の作用又は熱の作用により塩基性アミノ基を生じる化合物が好ましい。
【0109】
塩基性アミノ基を有する化合物、及び酸の作用又は熱の作用により塩基性アミノ基を生じる化合物としては、例えばアミン化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。
【0110】
アミン化合物としては、例えば
モノ(シクロ)アルキルアミン類;
ジ(シクロ)アルキルアミン類;
トリ(シクロ)アルキルアミン類;
置換アルキルアニリン又はその誘導体;
エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリジノン、2−キノキサリ
ノール、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンN,N,N’,N’’N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン等が挙げられる。
【0111】
アミド基含有化合物としては、例えば
N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−ブトキシカルボニル−2−カルボキシ−4−ヒドロキシピロリジン、N−t−ブトキシカルボニル−2−カルボキシピロリジン等のN−t−ブトキシカルボニル基含有アミノ化合物;
N−t−アミロキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン等のN−t−アミロキシカルボニル基含有アミノ化合物;
N−(9−アントリルメチルオキシカルボニル)ピペリジン等のN−(9−アントリルメチルオキシカルボニル)基含有アミノ化合物;
ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−アセチル−1−アダマンチルアミン等が挙げられる。
【0112】
ウレア化合物としては、例えば尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリ−n−ブチルチオウレア等が挙げられる。
【0113】
含窒素複素環化合物としては、例えばイミダゾール類;ピリジン類;ピペラジン類;ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペリジンエタノール、3−(N−ピペリジノ)−1,2−プロパンジオール、モルホリン、4−メチルモルホリン、1−(4−モルホリニル)エタノール、4−アセチルモルホリン、3−(N−モルホリノ)−1,2−プロパンジオール、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
【0114】
これらの中でも、アミド基含有化合物及び含窒素複素環化合物が好ましい。アミド基含有化合物としては、N−t−ブトキシカルボニル基含有アミノ化合物、N−t−アミロキシカルボニル基含有アミノ化合物及びN−(9−アントリルメチルオキシカルボニル)基含有アミノ化合物が好ましく、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−ブトキシカルボニル−2−カルボキシ−4−ヒドロキシピロリジン、N−t−ブトキシカルボニル−2−カルボキシ−ピロリジン、N−t−アミロキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン及びN−(9−アントリルメチルオキシカルボニル)ピペリジンがより好ましい。含窒素複素環化合物としては、3−(N−ピペリジノ)−1,2−プロパンジオールが好ましい。
【0115】
当該シリコン含有膜形成組成物が[C]窒素含有化合物を含有する場合、[C]窒素含有化合物の含有量の下限としては、[A]ポリシロキサン100質量部に対して、0.01質量部が好ましく、0.1質量部がより好ましく、0.5質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、10質量部が好ましく、5質量部がより好ましく、3質量部がさらに好ましい。
【0116】
<[D]酸発生剤>
[D]酸発生剤は、紫外光の照射及び/又は加熱により酸を発生する化合物である。当該シリコン含有膜形成組成物は、[D]酸発生剤を含有すると、硬化を促進することができ、その結果、シリコン含有膜の強度をより高めることができる。[D]酸発生剤としては、例えばスルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ヨードニウム塩等のオニウム塩、N−スルホニルオキシイミド化合物、有機ハロゲン化合物、ジスルホン類、ジアゾメタンスルホン類等のスルホン化合物などが挙げられる。
【0117】
スルホニウム塩としては、例えば
トリフェニルスルホニウム塩化合物としては、例えばトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.1
2,5.1
7,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムN,N’−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、トリフェニルスルホニウムサリチレート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリフェニルスルホニウムトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカニルジフルオロメタンスルホネート等のトリフェニルスルホニウム塩;
4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.1
2,5.1
7,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムN,N’−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート等の4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム塩;
4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.1
2,5.1
7,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムN,N’−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート等の4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム塩;
トリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.1
2,5.1
7,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、トリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムN,N’−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、トリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムカンファースルホネート等のトリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウム塩などが挙げられる。
【0118】
テトラヒドロチオフェニウム塩としては、例えば
1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.1
2,5.1
7,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムN,N’−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート等の1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム塩;
1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.1
2,5.1
7,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムN,N’−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート等の1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム塩などが挙げられる。
【0119】
ヨードニウム塩としては、例えば
ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.1
2,5.1
7,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムN,N’−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート等のジフェニルヨードニウム塩;
ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.1
2,5.1
7,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムN,N’−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート等のビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩などが挙げられる。
【0120】
N−スルホニルオキシイミド化合物としては、例えば
N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−(3−テトラシクロ[4.4.0.1
2,5.1
7,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド等のスクシンイミド化合物;
N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−(3−テトラシクロ[4.4.0.1
2,5.1
7,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等のビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド化合物などが挙げられる。
【0121】
また、[D]酸発生剤としては、下記式(4−1)〜(4−7)で表される化合物(以下、「化合物(4−1)〜(4−7)」ともいう)等も挙げられる。
【0123】
これらの[D]酸発生剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0124】
[D]酸発生剤としては、オニウム塩が好ましく、スルホニウム塩がより好ましく、化合物(4−1)〜(4−7)がさらに好ましく、化合物(4−1)が特に好ましい。
【0125】
当該シリコン含有膜形成組成物が[D]酸発生剤を含有する場合、[D]酸発生剤の含有量の下限としては、[A]ポリシロキサン100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましく、2質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、20質量部が好ましく、10質量部がより好ましく、5質量部がさらに好ましい。
【0126】
<[E]水>
当該シリコン含有膜形成組成物は、必要に応じて、[E]水を含有していてもよい。当該シリコン含有膜形成組成物は、[E]水をさらに含有することで、[A]ポリシロキサン等が水和されるため、保存安定性が向上する。また、[E]水を含有することにより、成膜時の硬化が促進され、緻密なシリコン含有膜を得ることができる。
【0127】
当該シリコン含有膜形成組成物が[E]水を含有する場合、[E]水の含有量の下限としては、0.01質量%が好ましく、0.1質量%がより好ましく、0.3質量%がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、20質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、3質量%がさらに好ましい。水の含有量が上記上限を超えると、保存安定性が悪化したり、塗布膜の均一性が悪くなったりする場合がある。
【0128】
<その他の任意成分>
当該シリコン含有膜形成組成物は、[A]〜[E]成分以外にも、その他の任意成分を含有していてもよい。その他の任意成分としては、例えば界面活性剤、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、有機ポリマー等が挙げられる。当該シリコン含有膜形成組成物がその他の任意成分を含有する場合、その含有量の上限としては、[A]ポリシロキサン100質量部に対して、2質量部が好ましく、1質量部がより好ましい。
【0129】
<多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成組成物の調製方法>
当該シリコン含有膜形成組成物の調製方法は特に限定されず、例えば[A]ポリシロキサン、[B]有機溶媒及び必要に応じて[C]窒素含有化合物、[D]酸発生剤、[E]水等を所定の割合で混合し、好ましくは、得られた混合溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過することにより調製することができる。
【0130】
当該シリコン含有膜形成組成物の固形分濃度の下限としては、0.01質量%が好ましく、0.1質量%がより好ましく、0.5質量%がより好ましく、1質量部が特に好ましい。上記固形分濃度の上限としては、20質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、5質量%がさらに好ましく、3質量部が特に好ましい。
【0131】
<シリコン含有膜>
当該シリコン含有膜形成組成物から得られるシリコン含有膜は、レジスト膜及び反射防止膜等との密着性が高く、裾引き等のないボトム形状に優れるレジストパターンが得られるという特徴を有する。そのため、多層レジストプロセスにおいて好適に用いることができる。また、多層レジストプロセスの中でも、90nmよりも微細な領域(ArF、液侵露光でのArF、F
2、EUV、ナノインプリント等)での多層レジストプロセスを用いたパターン形成において、特に好適に用いることができる。
【0132】
上記シリコン含有膜は、上述の当該シリコン含有膜形成組成物を、基板、有機下層膜等の他の下層膜の表面に塗布することにより、当該シリコン含有膜形成組成物の塗膜を形成し、この塗膜を加熱処理し、硬化させることにより形成することができる。
【0133】
当該シリコン含有膜形成組成物を塗布する方法としては、例えばスピンコート法、ロールコート法、ディップ法等が挙げられる。加熱処理の温度としては、通常50℃以上450℃以下である。形成されるシリコン含有膜の平均厚みとしては通常10nm以上200nm以下である。
【0134】
<パターン形成方法>
当該パターン形成方法は、シリコン含有膜形成工程と、レジスト膜形成工程と、露光工程と、現像工程と、エッチング工程とを備える。また、当該パターン形成方法は、シリコン含有膜形成工程の前に、有機下層膜形成工程を有していてもよい。以下、各工程について説明する。
【0135】
<有機下層膜形成工程>
本工程では上記基板の上記シリコン含有膜が形成される面側に有機下層膜を形成する。この有機下層膜は、当該シリコン含有膜形成組成物から形成されるシリコン含有膜とは異なるものである。有機下層膜は、レジストパターン形成において、シリコン含有膜及び/又はレジスト膜が有する機能をさらに補ったり、これらが有していない機能を得るために、必要とされる所定の機能(例えば反射防止機能、塗布膜平坦性、CF
4等のフッ素系ガスに対する高エッチング耐性)が付与された膜のことである。
【0136】
有機下層膜としては、例えばレジスト下層膜、反射防止膜等が挙げられる。
【0137】
有機下層膜は、有機下層膜形成用組成物をスピンコート法等により塗布して塗膜を形成した後、加熱することにより形成することができる。
【0138】
<シリコン含有膜形成工程>
本工程では、上述の当該シリコン含有膜形成組成物により、基板の少なくとも一方の面側に、シリコン含有膜を形成する。基板上に有機下層膜を形成した場合は、有機下層膜の基板とは反対の面に形成する。これにより、基板上にシリコン含有膜が形成されたシリコン含有膜付き基板を得ることができる。
【0139】
基板としては、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、ポリシロキサン等の絶縁膜などが挙げられる。また、市販品として、AMAT社の「ブラックダイヤモンド」、ダウケミカル社の「シルク」、JSR社の「LKD5109」等の低誘電体絶縁膜で被覆したウェハ等の層間絶縁膜を使用することができる。この基板としては、配線講(トレンチ)、プラグ溝(ビア)等のパターン化された基板を用いてもよい。
【0140】
シリコン含有膜は、反射防止膜上に形成することもできる。反射防止膜としては、市販品として、例えばJSR社の「NFC HM8006」等が挙げられる。
【0141】
シリコン含有膜の形成方法は特に限定されないが、例えば当該シリコン含有膜形成組成物を基板上に、スピンコート法等の公知の方法により塗布して形成された塗膜を、露光及び/又は加熱することにより硬化して形成することができる。
【0142】
露光に用いられる放射線としては、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビーム等が挙げられる。塗膜を加熱する際の温度の下限としては、90℃が好ましく、150℃がより好ましく、200℃がさらに好ましい。上記温度の上限としては、550℃が好ましく、450℃がより好ましく、300℃がさらに好ましい。形成されるシリコン含有膜の平均厚みの下限としては、1nmが好ましく、10nmがより好ましく、20nmがさらに好ましい。上記平均厚みの上限としては、20,000nmが好ましく、1,000nmがより好ましく、100nmがさらに好ましい。
【0143】
シリコン含有膜とレジスト膜との密着性をさらに向上させるため、シリコン含有膜表面をシリル化処理剤でメチルシリル化処理しても良い。
【0144】
シリル化処理剤としては、例えばアリロキシトリメチルシラン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、ビス(トリメチルシリル)尿素、トリメチルクロロシラン、N−(トリメチルシリル)アセトアミド、トリメチルシリルアジド、トリメチルシリルシアナニド、N−(トリメチルシリル)イミダゾール、3−トリメチルシリル−2−オキサゾリジノン、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルフォネート、ヘキサメチルジシラザン、ヘプタメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン、N−メチル−N−トリメチルシリルトリフルオロアセトアミド、(N,N−ジメチルアミノ)トリメチルシラン、ノナメチルトリシラザン、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、トリメチルヨードシラン等が挙げられる。
【0145】
シリコン含有膜のメチルシリル化は、上記シリル化処理剤をシリコン含有膜上にディップコート、スピンコート等することにより、又はシリル化処理剤の蒸気雰囲気にシリコン含有膜を曝すことによって行うことができる。また、メチルシリル化の後、塗膜を50℃以上300℃以下に加熱してもよい。
【0146】
<レジスト膜形成工程>
本工程では、上記シリコン含有膜の上記基板とは反対の面側にレジスト膜を形成する。
【0147】
上記レジスト膜の形成に用いられるレジスト組成物としては、例えば、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂を有する化学増幅型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド系感光剤とからなるポジ型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂と架橋剤を含有するネガ型レジスト組成物等を好適例として挙げることができる。また、レジストパターンの形成には、微細パターンを形成する手法であるダブルパターニング法、ダブルエクスポージャー法等を適宜用いてもよい。また、特開2008−292975号公報に記載されているような、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂を有するレジスト組成物を、有機溶剤で現像してネガ型パターンを形成する方法を用いてもよく、この方法とダブルエクスポージャー法とを組み合わせて用いてもよい。
【0148】
レジスト組成物の固形分濃度は特に限定されないが、5質量%以上50質量%が好ましい。また、レジスト組成物としては、孔径0.2μm程度のフィルターを用いてろ過したものを好適に用いることができる。本発明のパターン形成方法においては、このようなレジスト組成物として、市販品のレジスト組成物をそのまま使用することもできる。
【0149】
レジスト組成物を塗布する方法は特に限定されず、例えばスピンコート法等の従来の方法によって塗布することができる。レジスト組成物を塗布する際には、得られるレジスト膜が所定の膜厚となるように、塗布するレジスト組成物の量を調整する。
【0150】
レジスト膜は、レジスト組成物を塗布することによって形成された塗膜をプレベークすることにより、塗膜中の溶媒を揮発させて形成することができる。プレベークの温度は、使用するレジスト組成物の種類等に応じて適宜調整されるが、プレベークの温度の下限としては、30℃が好ましく、50℃がより好ましい。上記温度の上限としては、200℃が好ましく、150℃がより好ましい。
【0151】
<露光工程>
本工程では、フォトマスクを透過させることにより選択的に放射線を照射して上記レジスト膜を露光する。
【0152】
上記露光に用いられる放射線としては、レジスト組成物に使用されている酸発生剤の種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビーム等から適切に選択されるが、これらの中で、遠紫外線が好ましく、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F
2エキシマレーザー(波長157nm)、Kr
2エキシマレーザー(波長147nm)、ArKrエキシマレーザー(波長134nm)及び極紫外線(波長13nm等)がより好ましい。また、露光の方法についても特に限定されず、従来公知のパターン形成において行われる方法に準じて行うことができる。
【0153】
<現像工程>
本工程では、上記露光されたレジスト膜の現像により、レジストパターンを形成する。
【0154】
上記現像は、アルカリ現像でも、有機溶媒現像でもよい。
【0155】
アルカリ現像に用いられる現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性水溶液などが挙げられる。また、これらのアルカリ性水溶液は、水溶性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、界面活性剤等を適量添加したものであってもよい。
【0156】
有機溶媒現像に用いられる現像液としては、例えばケトン系溶媒、アルコール系溶媒、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒としては、例えば[B]有機溶媒として例示したそれぞれの溶媒と同様のもの等が挙げられる。これらの溶媒は1種単独でも、複数混合して用いてもよく、また、水と混合して用いてもよい。
【0157】
現像液で現像を行った後、洗浄し、乾燥することによって、フォトマスクに対応した所定のレジストパターンを形成することができる。
【0158】
本工程において、解像度、パターンプロファイル、現像性等を向上させるため、現像を行う前に、ポストベークを行うことが好ましい。このポストベークの温度は、使用されるレジスト組成物の種類等に応じて適宜調整されるが、ポストベークの温度の下限としては、50℃が好ましく、80℃がより好ましい。上記温度の上限としては、200℃が好ましく、150℃がより好ましい。
【0159】
<エッチング工程>
本工程では、上記レジストパターンをマスクとして、上記シリコン含有膜及び上記基板をドライエッチングする。
【0160】
上記ドライエッチングは、公知のドライエッチング装置を用いて行うことができる。また、ドライエッチング時のソースガスとしては、被エッチ膜の元素組成にもよるが、O
2、CO、CO
2等の酸素原子を含むガス、He、N
2、Ar等の不活性ガス、Cl
2、BCl
4等の塩素系ガス、H
2、NH
3のガス等を使用することができる。これらのガスは混合して用いることもできる。
【0161】
他のレジスト下層膜が形成された基板を用いた場合には、シリコン含有膜及び基板と共にこのレジスト下層膜もドライエッチングする。
【0162】
当該パターン形成方法によれば、上記各工程を適宜行うことにより、所定の基板パターンを形成することができる。
【実施例】
【0163】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本実施例におけるポリシロキサン溶液の固形分濃度及び重量平均分子量(Mw)の測定は下記の方法により行った。
【0164】
[ポリシロキサン溶液の固形分濃度]
ポリシロキサン溶液0.5gを30分間250℃で焼成することで、ポリシロキサン溶液0.5gに対する固形分の質量を測定し、ポリシロキサン溶液の固形分濃度(質量%)を算出した。
【0165】
[重量平均分子量(Mw)]
東ソー社のGPCカラム(「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本及び「G4000HXL」1本)を使用し、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。
【0166】
<[A]ポリシロキサンの合成>
[A]ポリシロキサンの合成に用いたシラン化合物を以下に示す。
化合物(M−1):テトラエトキシシラン
化合物(M−2):フェニルトリメトキシシラン
化合物(M−3):メチルトリメトキシシラン
化合物(M−4):4−メチルフェニルトリメトキシシラン
化合物(M−5)〜(M−10):下記式(M−5)〜(M−10)で表される化合物
【0167】
【化16】
【0168】
[合成例1](ポリシロキサン(A−1)の合成)
シュウ酸1.28gを水12.85gに加熱溶解させて、シュウ酸水溶液を調製した。次に、化合物(M−1)25.05g(90モル%)、化合物(M−2)3.63g(10モル%)及びメタノール43.21gを入れたフラスコに、冷却管及び上記調製したシュウ酸水溶液を入れた滴下ロートをセットした。次いで、上記フラスコをオイルバスにて60℃に加熱した後、上記シュウ酸水溶液をゆっくり滴下し、60℃で4時間反応させた。反応終了後、反応溶液の入ったフラスコを放冷し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート129.00gを上記反応溶液に追加した後、エバポレーターにセットし、残存する水及び生成したメタノールを除去し、固形分としてのポリシロキサン(A−1)を含む溶液86.0gを得た。上記溶液中のポリシロキサン(A−1)の固形分濃度は18.0質量%、ポリシロキサン(A−1)のMwは2,000であった。
【0169】
[合成例2〜16](ポリシロキサン(A−2)〜(A−16)の合成)
下記表1に示す種類及び使用量の各単量体を用いた以外は、合成例1と同様の手法にて、ポリシロキサン(A−2)〜(A−16)を合成した。得られたポリシロキサン溶液の固形分濃度(質量%)と、[A]ポリシロキサンのMwを、表1に合わせて示す。
【0170】
【表1】
【0171】
[多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成組成物の調製]
多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成組成物の調製に用いた[A]ポリシロキサン以外の成分を以下に示す。
【0172】
[[B]有機溶媒]
B−1:プロピレングリコールモノエチルエーテル
B−2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
【0173】
[[C]窒素含有化合物]
構造式を下記に示す。
C−1;N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン
C−2:N−t−アミルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン
C−3:N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペリジン
【0174】
【化17】
【0175】
[[D]酸発生剤]
構造式を下記に示す。
D−1:4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム2,4−ジフルオロベンゼン−1−スルホネート
【0176】
【化18】
【0177】
[実施例1]
[A]ポリシロキサン(固形分)としての(A−3)2.00質量部、[B]有機溶媒としての(B−1)97.5質量部並びに[E]水0.05質量部を混合し、得られた混合溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過して、多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成組成物(J−1)を得た。
【0178】
[実施例2〜15及び比較例1〜4]
下記表2に示す種類及び配合量の各成分を用いた以外は、実施例1と同じ要領にて、多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成組成物(J−2)〜(J−15)及び(CJ−1)〜(CJ−4)を調製した。
【0179】
【表2】
【0180】
<シリコン含有膜の形成>
シリコンウェハー上に、上記得られた多層プロセス用シリコン含有膜形成組成物を、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を用い、スピンコート法により塗布した。得られた塗膜に対し、220℃のホットプレートで1分間PBを行い、シリコン含有膜を形成し、シリコン含有膜が形成された基板を得た。形成されたシリコン含有膜の平均厚みを膜厚測定装置(J.A.Woollam社の「M−2000D」)で測定したところ、30nmであった。
【0181】
<評価>
上記形成されたシリコン含有膜について、以下に示す方法で下記項目の評価を行った。評価結果を下記表3に示す。
【0182】
[基板反射率]
上記形成されたシリコン含有膜、下層膜形成用組成物(JSR社の「NFC HM8006」)及びレジスト材料(JSR社の「ARF AR2772JN」)のそれぞれの屈折率パラメーター(n)及び消衰係数(k)を高速分光エリプソメーター(J.A.Woollam社の「M−2000」)により測定し、この測定値を元にシュミレーションソフト(KLA−Tencor社の「プロリス」)を用いて、NA1.3、Dipoleの条件下におけるレジスト材料/シリコン含有膜/下層膜形成用組成物を積層させた膜の基板反射率を求めた。基板反射率は、1%以下の場合は「○」と、1%を超える場合は「×」と評価した。
【0183】
[溶媒耐性]
上記得られたシリコン含有膜が形成された基板を、シクロヘキサノンに、室温で10秒間浸漬した。シリコン含有膜の浸漬前後の平均厚みを、分光エリプソメーター(KLA−TENCOR社の「UV1280E」)を用いて測定した。浸漬前の平均厚みをT0と、浸漬後の平均厚みをT1とした場合、溶媒浸漬による膜厚変化率(%)を、│T1−T0│×100/T0の式により求めた。溶媒耐性は、膜厚変化率が1%未満の場合は「○」(良好)と、1%以上の場合は「×」(不良)と評価した。
【0184】
[最小倒壊前寸法及びパターン形状]
最小倒壊前寸法及びパターン形状は、以下に示すリソグラフィー評価を行うことにより評価した。
【0185】
(リソグラフィー評価、有機溶媒現像)
12インチシリコンウェハ上に、反射防止膜形成材料(JSR社の「HM8006」)をスピンコートした後、250℃で60秒間PBを行うことにより平均厚み100nmの反射防止膜を形成した。この反射防止膜上に、上記得られた多層プロセス用シリコン含有膜形成組成物を、上記スピンコーターを使用してスピンコートし、220℃で60秒間PBした後、23℃で60秒間冷却することにより平均厚み30nmのシリコン含有膜を形成した。次いで、レジスト材料(JSR社の「ARF AR2772JN」)をこのレジスト下層膜上にスピンコートし、90℃で60秒間PBした後、23℃で30秒間冷却することにより平均厚み100nmのレジスト膜を形成した。
【0186】
次いで、ArF液浸露光装置(NIKON社の「S610C」)を使用し、NA:1.30、Dipoleの光学条件にて、40nmライン/80nmピッチ形成用のマスクサイズのマスクを介して露光した。「Lithius Pro−i」のホットプレート上で、100℃で60秒間PEBを行い、23℃で30秒間冷却した後、酢酸ブチルを現像液として30秒間パドル現像し、メチルイソブチルカルビノール(MIBC)でリンスした。2,000rpm、15秒間振り切りでスピンドライすることにより、40nmライン/80nmピッチのレジストパターンが形成された評価用基板を得た。
【0187】
(最小倒壊前寸法及びパターン形状の評価)
最小倒壊前寸法及びパターン形状は、以下のようにして測定した。評価用基板のレジストパターンの測長及び観察には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「CG−4000」)を用いた。
【0188】
上記評価用基板を得た際に、ラインの線幅が42nmであり、隣り合うライン間の距離(スペース)が84nm(ライン・アンド・スペースが1対2)であるレジストパターンを形成した露光量(mJ/cm
2)を最適露光量とし、この最適露光量よりも段階的に露光量を大きくして順次露光を行った。このとき、得られるパターンの線幅は次第に細くなるため、ある露光量に対応する線幅で最終的にレジストパターンの倒壊が観察される。レジストパターンの倒壊が確認されない最大の露光量に対応する線幅を最小倒壊前寸法(nm)と定義してパターン倒れ耐性の指標とした。最小倒壊前寸法は、30nm以下の場合は「○」(良好)と、30nmを超え40nm以下の場合は「△」(使用可能)と、40nmを超える場合又はパターン倒れにより評価不可能の場合は「×」(不良)と評価した。パターン形状はレジストパターンのボトムに裾引きがない場合は「○」、パターン倒れ又は裾引きがある場合は「×」と評価した。
【0189】
[酸素エッチング耐性]
上記形成したシリコン含有膜を、ドライエッチンッグ装置(東京エレクトロン社の「Telius SCCM」)を用いて、100Wで120秒間O
2処理し、処理前後の膜厚の差を測定した。酸素エッチング耐性は、処理前後の膜厚の差が10nm未満の場合は「○」(良好)と、10nm以上15nm以下の場合は「△」(使用可能)と、15nmを超える場合は「×」(不良)と評価した。
【0190】
【表3】
【0191】
表3の結果から、実施例のシリコン含有膜形成組成物によれば、レジスト組成物の溶媒に対する耐性に優れ、レジスト膜に対する反射防止性に優れ、エッチングによる高いパターン転写性を有し、レジストパターンの形状が良好で倒れが少ないシリコン含有膜を形成できることが分かる。