(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1(A)は、信号処理システム10の接続概念図であり、
図1(B)は、マイク内蔵型接続ケーブル1の構造を示す分解斜視図である。
【0015】
信号処理システム10は、ホスト装置2と、複数のマイク内蔵型接続ケーブル(以下、単に接続ケーブルと称する。)1と、を備えている。この例では、信号処理システム10は、4つの接続ケーブル1を備えている。
【0016】
接続ケーブル1は、
図1(B)に示すように、可撓性を有するケーブル本体15と、ケーブル本体15の両端部にそれぞれ配置された第1コネクタ11および第2コネクタ12と、ケーブル本体15の途中に配置されたマイクホルダ17と、グリル19と、を備えている。
【0017】
ケーブル本体15は、断面が円形で中空形状となっている。ケーブル本体15の内部の中空部分には、電源線、接地線、および信号線等の各種配線が通るようになっている。ケーブル本体15の側面の一部は、平面となっていて、机上等の平面に設置しても転がりにくいようになっている。なお、ケーブル本体15の断面形状はこの例に限るものではない。例えば、三角形の断面形状であってもよい。また、ケーブル本体15の可撓性は、本発明において必須の構成要素ではない。
【0018】
マイクホルダ17は、ケーブル本体15と同じ断面形状である。マイクホルダ17は、樹脂または金属等の剛性部材からなり、収音部であるマイクユニット50を保持する。マイクユニット50は、マイクホルダ17の断面を平面視して、中央に保持されている。マイクホルダ17は、グリル19に接続される。マイクホルダ17も、中空形状となっていて、配線が通るようになっている。
【0019】
グリル19は、ケーブル本体15と同じ断面形状である。グリル19は、樹脂または金属等の剛性部材からなる。グリル19の側面には、多数の孔が設けられていて、音響的に開放されている。マイクユニット50は、グリル19の孔を介して、周囲の音を取得し、収音信号を生成する。収音信号は、ホスト装置2に送信される。
【0020】
また、グリル19の内部のうち、平面になっている箇所には、DSP等が実装された基板70が配置されている。
【0021】
第1コネクタ11および第2コネクタ12は、それぞれ他の接続ケーブル1またはホスト装置2に接続される物理的インタフェースである。第1コネクタ11および第2コネクタ12は、同じ形状となっている。
【0022】
図2(A)は、コネクタの構造を示す図であり、
図2(B)は、ケーブル1の内部配線図および構成ブロック図である。
【0023】
なお、第1コネクタ11および第2コネクタ12は、同じ構造であるため、代表して第1コネクタ11について説明する。
【0024】
第1コネクタ11は、接地端子115、電源端子116、雄端子111A、雄端子111B、雌端子112A、および雌端子112Bを備えている。
【0025】
雄端子111A、雄端子111B、雌端子112A、および雌端子112Bは、信号端子である。マイクユニット50で生成された収音信号は、これら雄端子111A、雄端子111B、雌端子112A、または雌端子112Bを介して他の接続ケーブル1またはホスト装置2に送信される。
【0026】
接地端子115および電源端子116は、図中の1点破線で示す中心線(所定の基準線)上に配置されている。接地端子115および電源端子116は、第1コネクタ11の底面を平面視して左右線対称となっている。
【0027】
雄端子111Aおよび雄端子111Bは、第1コネクタ11の底面を平面視して左側に配置されている。雌端子112Aおよび雌端子112Bは、第1コネクタ11の底面を平面視して右側に配置されている。これら雄端子111A、雄端子111B、雌端子112A、および雌端子112Bは、それぞれ上記基準線を挟んで左右線対称に配置されている。
【0028】
第1コネクタ11の右側は、雌端子112Aおよび雌端子112Bの凹形状の深さと同じだけ高さが、相対的に高くなっている。第1コネクタ11の左側は、雄端子111Aおよび雄端子111Bの凸形状の高さと同じだけ、相対的に高さが低くなっている。
【0029】
接地端子115および電源端子116が配置されている箇所の周辺は、第1コネクタ11の左側よりも、雄端子111Aおよび雄端子111Bの凸形状の高さの半分の高さだけ、相対的に高くなっている。
【0030】
図4(A)および
図4(B)の一部断面図に示すように、接地端子115および電源端子116は、平板状の部材となっていて、周辺箇所よりもわずかに突出している。接地端子115および電源端子116は、第1コネクタ11の内部で、導電性部材からなるバネが接続されている。これにより、第1コネクタ11を他のコネクタと接続するときに、接地端子115同士および電源端子116同士が適切に電気的に接続される。
【0031】
このように、第1コネクタ11は、平面視して基準線を挟んで右側が雌側となり、左側が雄側となる雌雄一体型のコネクタである。よって、他の接続ケーブル1の第1コネクタ11と接続することも可能であるし、第2コネクタ12と接続することも可能である。
【0032】
そして、
図2(B)に示すように、第1コネクタ11の雄端子111Aは、内部の配線で第2コネクタ12の雌端子112Aに接続され、第1コネクタ11の雄端子111Bは、第2コネクタ12の雄端子111Bに接続され、第1コネクタ11の雌端子112Aは、第2コネクタ12の雄端子111Aに接続され、第1コネクタ11の雌端子112Bは、第2コネクタ12の雌端子112Bに接続されている。
【0033】
また、第1コネクタ11の接地端子115は、第2コネクタ12の接地端子115、第1コネクタ11の電源端子116は、第2コネクタ12の電源端子116に接続されている。接地端子115および電源端子116に接続される信号線には、基板70が接続されている。これにより、DSP701に電源が供給される。
【0034】
第1コネクタ11の雄端子111Bおよび第2コネクタ12の雄端子111Bに接続されている信号線には、DSP701が接続されている。DSP701は、マイクユニット50で生成された収音信号を入力し、各種の信号処理を行う。
【0035】
DSP701は、例えば、マイクユニット50が収音した音声から、エコー成分を除去するエコーキャンセラとして機能する。
図5(A)を参照して、エコーキャンセラについて説明する。
図5(A)に示すように、DSP701は、機能的に、フィルタ係数設定部741、適応フィルタ742、および加算部743から構成される。
【0036】
フィルタ係数設定部741は、音響伝達系(ホスト装置2のスピーカからマイクユニット50のマイクに至る音響伝搬経路)の伝達関数を推定し、推定した伝達関数で適応フィルタ742のフィルタ係数を設定する。
【0037】
適応フィルタ742は、例えばFIRフィルタからなる。適応フィルタ742は、ホスト装置2から、当該ホスト装置2のスピーカ104(
図5(B)を参照)に入力される放音信号FEを入力し、フィルタ係数設定部741に設定されたフィルタ係数でフィルタ処理して、擬似回帰音信号を生成する。適応フィルタ742は、生成した擬似回帰音信号を加算部743へ出力する。
【0038】
加算部743は、適応フィルタ742から入力された擬似回帰音信号を収音信号NE1から差し引き、収音信号NE1’を出力する。
【0039】
フィルタ係数設定部741は、加算部743から出力された収音信号NE1’と放音信号FEとに基づいて、LMSアルゴリズム等の適応アルゴリズムを用いてフィルタ係数の更新を行う。そして、フィルタ係数設定部741は、更新したフィルタ係数を適応フィルタ742に設定する。
【0040】
DSP701で信号処理が成された収音信号NE1’は、第1コネクタ11の雌端子112Bおよび第2コネクタ12の雌端子112Bに接続された信号線に出力される。
【0041】
なお、DSP701の機能は、エコーキャンセラに限るものではない。ホスト装置2の不揮発性メモリ105には、他にも、例えばDSP701にノイズキャンセラの機能を実現させるためのプログラムが記憶されている。ホスト装置2は、
図5(B)に示すように、I/F101、CPU102、RAM103、スピーカ104、および不揮発性メモリ105を備えている。
【0042】
I/F101は、上述のコネクタ11と同じ構造を有するインタフェースを含む。I/F101は、他にも、他装置と通信するためのネットワークインタフェース等を含む。
【0043】
CPU102は、不揮発性メモリ105からプログラムを読み出し、RAM103に一時記憶することで、種々の動作を行う。例えば、各接続ケーブル1のマイクユニット50から収音信号を入力し、ネットワークを介して接続された他のホスト装置に収音信号を送信する。また、ネットワークを介して接続された他のホスト装置から、収音信号を受信し、スピーカ104から放音させる。これにより、ホスト装置2を含む信号処理システムは、音声会議システムとして機能する。
【0044】
不揮発性メモリ105は、フラッシュメモリ、HDDまたはSSD等からなる。不揮発性メモリ105には、各接続ケーブル1におけるDSP701の動作用プログラムが記憶されている。CPU102は、不揮発性メモリ105から所定の動作用プログラムを読み出し、I/F101を介して各接続ケーブル1のDSPに送信する。動作用プログラムに係る信号は、収音信号を受信するための配線を介して、例えばAM変調されることにより送信される。
【0045】
次に、
図3は、信号処理システム10における信号の流れを模式的に表した図である。
図3においては、便宜上、ホスト装置2に接続されている接続ケーブル1を接続ケーブル1−Aと称し、ホスト装置2から遠ざかる順に、それぞれ接続ケーブル1−B、接続ケーブル1−C、および接続ケーブル1−Dと称する。また、接続ケーブル1−Aのマイクで取得された収音信号をチャンネル1(Ch.1)と称し、順に、接続ケーブル1−Bのマイクで取得された収音信号をチャンネル2(Ch.2)、接続ケーブル1−Cのマイクで取得された収音信号をチャンネル3(Ch.3)と称し、接続ケーブル1−Dのマイクで取得された収音信号をチャンネル4(Ch.4)と称する。
【0046】
上述したように、各接続ケーブル1のマイクユニット50は、DSP701を介して、第1コネクタ11の雌端子112Bおよび第2コネクタ12の雌端子112Bに接続されている。例えば、Ch.4の収音信号は、雌端子112Bから出力される。
【0047】
そして、接続ケーブル1−Dの第1コネクタ11または第2コネクタ12を、他の接続ケーブル1−Cの第1コネクタ11または第2コネクタ12に接続すると、接続ケーブル1−Dの雌端子112Bは、他の接続ケーブル1−Cの雄端子111Aに接続される。これにより、例えばCh.4の収音信号は、接続ケーブル1−Cの雄端子111Aに伝送される。雄端子111Aは、接続ケーブル1の内部で、同じ信号線で雌端子112Aに接続されている。したがって、Ch.4の収音信号は、接続ケーブル1−Cの雌端子112Aに伝送される。
【0048】
さらに、接続ケーブル1−Cの雌端子112Aは、接続ケーブル1−Bの雄端子111Bに接続される。したがって、Ch.4の収音信号は、接続ケーブル1−Bの雄端子111Bに伝送される。そして、接続ケーブル1−Bの雄端子111Bは、接続ケーブル1−Aの雌端子112Aに接続される。したがって、Ch.4の収音信号は、接続ケーブル1−Aの雄端子111Aに伝送される。最終的に、Ch.4の収音信号は、ホスト装置2に設けられたコネクタのうち1つの信号端子(雌端子)を介して、当該ホスト装置2に送信される。
【0049】
同様にして、Ch.3の収音信号、Ch.2の収音信号、およびCh.1の収音信号も、それぞれ別の信号端子を介して、ホスト装置2に送信されることになる。
【0050】
このように、本実施形態に示した接続ケーブルによれば、第1コネクタ11と、第2コネクタ12とは、同じ構造を有するため、どの接続ケーブルにおいても、接続の向きを気にする必要は無い。そして各接続ケーブル内のマイクユニットで生成された収音信号は、他の接続ケーブル内のマイクユニットで生成された収音信号と混じることなく、ホスト装置まで接続される。よって、入力ポートと出力ポートとを切り替えるシステムを用いずとも入力ポートであるか出力ポートであるか、ユニット間の接続を全く意識する必要が無いユニット内蔵の接続ケーブルを実現することができる。
【0051】
次に、
図6(A)は、変形例1に係るコネクタの構造を示す図であり、
図6(B)は、内部配線図および構成ブロック図である。変形例1に係る第1コネクタ11Lおよび第2コネクタ12Lは、基本構造として、第1コネクタ11および第2コネクタ12と同様である。
【0052】
ただし、第1コネクタ11Lおよび第2コネクタ12Lでは、雄端子および雌端子の数が増え、それぞれ4つ設けられている。すなわち、雄端子111C、雄端子111D、雌端子112C、および雌端子112Dが増設されている。
【0053】
雄端子111A、雄端子111B、雄端子111C、および雄端子111Dは、第1コネクタ11Lの底面を平面視して左側に配置されている。雌端子112A、雌端子112B、雌端子112C、および雌端子112Dは、第1コネクタ11Lの底面を平面視して右側に配置されている。これら雄端子111A、雄端子111B、雄端子111C、および雄端子111Dと、雌端子112A、雌端子112B、雌端子112C、および雌端子112Dは、それぞれ基準線を挟んで左右線対称に配置されている。
【0054】
そして、
図6(B)に示すように、第1コネクタ11Lの雄端子111Aは、第2コネクタ12Lの雌端子112Bに接続され、第1コネクタ11Lの雄端子111Bは、第2コネクタ12Lの雌端子112Aに接続され、第1コネクタ11Lの雄端子111Cは、第2コネクタ12Lの雄端子111Cに接続され、第1コネクタ11Lの雄端子111Dは、第2コネクタ12Lの雄端子111Dに接続されている。第1コネクタ11Lの雌端子112Aは、第2コネクタ12Lの雄端子111Bに接続され、第1コネクタ11Lの雌端子112Bは、第2コネクタ12Lの雄端子111Aに接続され、第1コネクタ11Lの雌端子112Cは、第2コネクタ12Lの雌端子112Cに接続され、第1コネクタ11Lの雌端子112Dは、第2コネクタ12Lの雌端子112Dに接続されている。
【0055】
第1コネクタ11Lおよび第2コネクタ12Lは、差動信号を伝送するためのコネクタとなっている。例えば、雄端子111Aおよび雄端子111Bは、1つのペアとなっていて、雄端子111Aおよび雌端子112Bが正電圧、雄端子111B雌端子112Aが負電圧を伝送する端子となっている。これら差動信号を伝送するための2つの端子を1つのペアとみなせば、信号の流れは、
図3に示した流れと同様である。このように、差動信号を伝送する場合にも、本発明の接続ケーブルを適用することができる。
【0056】
次に、
図7(A)は、変形例2に係るコネクタの構造を示す図であり、
図7(B)は、内部配線図および構成ブロック図である。変形例2に係る第1コネクタ11Mおよび第2コネクタ12Mは、基準線を挟んで左右線対称に配置された接地端子115Aおよび接地端子115Bと、電源端子116Aおよび電源端子116Bと、を備えている。接地端子および電源端子以外の構成は、変形例2に係る第1コネクタ11Lおよび第2コネクタ12Lと同様である。
【0057】
このように、接地端子と電源端子が、基準線上に配置されている必要はなく、信号端子と同様に、所定の基準線を挟んで線対称に配置される態様であってもよい。
【0058】
なお、所定の基準線を挟んで線対称に配置される構成は、信号端子、接地端子、および電源端子に限るものではない。コネクタは、複数の構造物を備え、凹形状の構造物と凸形状の構造物とが、所定の基準線に対して線対称に配置されている態様であれば、本発明の範囲に含まれる。例えば、
図8(A)および
図8(B)に示す変形例3に係る第1コネクタ11N(第2コネクタ12N)は、基準線を挟んで線対称に配置された凸部171と、凹部172と、を備えている。凸部171および凹部172は、例えば樹脂材料からなる第1コネクタ11N(第2コネクタ12N)と一体成型されてなる。
【0059】
そして、第1コネクタ11N(第2コネクタ12N)は、基準線上に、接地端子115、電源端子116、信号端子111N、信号端子111L、信号端子112N、および信号端子112Lを備えている。
【0060】
信号端子111Nは、
図2に示した例の雄端子111Aに相当する。信号端子111Lは、
図2に示した例の雄端子111Bに相当する。信号端子112Nは、
図2に示した例の雌端子112Aに相当する。信号端子112Lは、
図2に示した例の雌端子112Bに相当する。
【0061】
このような構成においても、各接続ケーブル内のマイクユニットで生成された収音信号は、他の接続ケーブル内のマイクユニットで生成された収音信号と混じることなく、ホスト装置まで接続される。
【0062】
次に、
図9は、変形例4に係る接続ケーブル1Nの内部配線図および構成ブロック図である。接続ケーブル1Nは、複数のマイクユニット(マイクユニット50−1、マイクユニット50−2、・・・マイクユニット50−n)と、各マイクに接続されるDSP(DSP701−1、DSP701−2、・・・DSP701−n)と、各DSPを実装した基板(基板70−1、基板70−2、・・・基板70−n)を備えている。また、接続ケーブル1Nは、各DSPから出力された収音信号(パラレルデータ)を、シリアルデータとして出力する変換部75を備えている。また、変換部75は、ホスト装置2から送信されるデータ(シリアルデータ)を入力し、各DSPにパラレルデータとして供給する。例えば、ホスト装置2は、不揮発性メモリ105から、各DSPに送信するプログラムを一定の単位ビットデータに分割して読み出し、単位ビットデータを各DSPが受け取る順に配列したシリアルデータを作成する。変換部75は、入力された単位ビットデータを先頭から抜き出し、DSP701−1に入力する。2番目の単位ビットデータは、DSP701−2に入力され、n番目の単位ビットデータは、DSP701−nに入力される。
【0063】
また、当該構成により、ホスト装置2は、接続ケーブル1N内の各マイクユニットと、ホスト装置2との位置関係を求めることもできる。まず、ホスト装置2のCPU102は、スピーカ104からテスト音声を出力する。テスト音声は、例えばホワイトノイズを用いる。接続ケーブル1N内の各マイクユニットは、テスト音声に係る収音信号を出力する。当該テスト音声に係る収音信号は、ホスト装置2に送信される。ホスト装置2は、スピーカ104からテスト音声を出力してから、各マイクユニットから収音信号を受信するまでの時間差に基づいて、各マイクユニットとの距離を推定する。また、ホスト装置2は、収音信号から、音響伝達系の伝達関数(インパルス応答)を推定することもできる。推定した伝達関数は、各DSPに送信され、FIRフィルタのフィルタ係数として設定される。また、各マイクユニットとの距離に応じて、FIRフィルタのタップ長を変更することも可能である。このように、ホスト装置2は、各マイクから受信した信号に基づいて、各マイクの信号処理内容を決定することができる。
【0064】
次に、
図10(A)は、変形例5に係るコネクタの構造を示す図であり、
図10(B)は、内部配線図および構成ブロック図である。変形例5に係る第1コネクタ11X(第2コネクタ12X)は、多極端子が用いられている点が特徴である。内部配線および構成は、
図7に示した第1コネクタ11M(第2コネクタ12M)と同様である。第1コネクタ11X(第2コネクタ12X)は、接地端子115A、雄端子111A、および雄端子111Bが1つの多極端子でまとめられている。また、電源端子116A、雄端子111C、および雄端子111Dが1つの多極端子でまとめられ、接地端子115B、雌端子112A、および雌端子112Bが1つの多極端子でまとめられ、電源端子116B、雌端子112C、および雌端子112Dが1つの多極端子でまとめられている。これにより、
図7に示した第1コネクタ11M(第2コネクタ12M)よりも端子数が減る。
【0065】
なお、端子の極数は、この例に限るものではない。2極端子であってもよいし、さらに多数の極数を備えた端子であってもよい。また、各極に割り当てられる機能は、この例に限るものではない。例えば、2極端子において、雄端子111Aおよび雄端子111Bが1つの端子でまとめられる態様であってもよい。
【0066】
次に、
図11(A)および
図11(B)は、変形例6に係るコネクタの構造を示す図であり、
図11(C)は、接続ケーブル間の配線を示す図である。
【0067】
第1コネクタ11Pは、3つの雄端子111P、雄端子111Q、および雄端子111Rと、凸部151Pと、を備えている。第2コネクタ12Pは、3つの雌端子112P、雌端子112Q、および雌端子112Rと、凹部152Pと、を備えている。
【0068】
第1コネクタ11Pおよび第2コネクタ12Pは、平面視して三角形状の構造であり、当該三角形の各頂点に、各端子が設けられている。ただし、平面視した形状は、三角形に限るものではない。また、端子の数はこの例に限るものではない。
【0069】
雄端子111Qと雌端子112Qとの間には、DSP701および当該DSP701を介して不図示のマイクユニット50が接続されている。雄端子111Pと雌端子112Pは、内部の配線で接続され、雄端子111Rと雌端子112Rは、内部の配線で接続されている。
【0070】
凸部151Pは、雄端子111Pと雄端子111Qとの間に配置されている。凹部152Pは、雌端子112Qと雌端子112Rとの間に配置されている。したがって、
図11(C)に示すように、これら凸部151Pと凹部152Pとがかみあう様に、第1コネクタ11Pと第2コネクタ12Pとを接続すると、雄端子111Pと雌端子112Qが接続され、雄端子111Qと雌端子112Rが接続され、雄端子111Rと雌端子112Pが接続される。
【0071】
したがって、
図1で示した接続ケーブル1と同様に、各接続ケーブルのDSP701から出力される収音信号は、他の接続ケーブル内のDSP701から出力される収音信号と混じることなく、ホスト装置まで接続される。よって、入力ポートと出力ポートとを切り替えるシステムを用いずとも入力ポートであるか出力ポートであるか意識する必要が無い接続ケーブルとなる。
【0072】
図12(A)および
図12(B)は、延長ケーブルのコネクタの構造を示す図であり、
図12(C)は、接続ケーブル間の配線を示す図である。延長ケーブルの第1コネクタ11Qおよび第2コネクタ12Qは、それぞれ第1コネクタ11Pおよび第2コネクタ12Pと同じ構造を有するが、第1コネクタ11Qには凸部が設けられていない。また、第2コネクタ12Qには、全ての雌端子の間に、凹部152Pが設けられている。また、延長ケーブルには、マイクユニットやDSPが設けられていない。
【0073】
よって、
図12(C)に示すように、延長ケーブルは、他の接続ケーブルとどの様な向きであっても接続することができる。また、他の接続ケーブルから入力された収音信号をそのまま他方に伝送するだけである。
【0074】
なお、本実施形態においては、全ての例において、マイク内蔵型接続ケーブル(マイク)を示したが、例えば、マイクの代わりにスピーカが設けられていてもよい。また、マイクの代わりにセンサ(例えば人感センサ)が設けられていてもよい。あるいは、マイクの代わりにLED等の照明機能が設けられていてもよい。
【0075】
また、以上の本実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、本実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。