(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第3の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を貼付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。また、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0010】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る車両用表示装置は、自車両に搭載可能であり、
図1に示すように、制御装置1と、周囲状況検出手段10と、自車速検出手段4と、画像表示手段5とを備える。周囲状況検出手段10は、自車両の周囲状況を検出するように、障害物検出手段2及び車線検出手段3を備える。
【0011】
障害物検出手段2としては、例えばレーザレーダ、ミリ波レーダ又はカメラを用いたセンサが使用可能である。障害物検出手段2の個数や配置位置は特に限定されず、例えば自車両の前方、側方及び後方に複数個設置されていてもよい。障害物検出手段2は、自車両の前方、側方及び後方等の、自車両の周囲に存在する他車両、電柱、壁等の障害物を検出し、自車両と障害物との相対位置、距離及び相対速度等を制御装置1に出力する。
【0012】
車線検出手段3としては、例えばカメラを用いたセンサが使用可能である。車線検出手段3の個数や配置位置は特に限定されず、例えば自車両の前方又は後方に複数個設置されていてもよい。車線検出手段3は、例えばカメラによる撮像画像中の白線等の車線境界線を抽出することにより、車線境界線により区切られた自車両の走行車線及びこの走行車線に並列する車線を検出し、検出した車線の相対位置及び距離等を制御装置1に出力する。
【0013】
自車速検出手段4としては、自車両の速度を検出可能な車速センサが使用可能である。画像表示手段5としては、液晶ディスプレイ等が使用可能である。画像表示手段5は、
図2に示すように、車室内のインストルメンタルパネル等の乗員から視認しやすい位置に設置される。
【0014】
図1に示した制御装置1は、例えば中央処理装置(CPU)及び記憶装置等を含む電子制御ユニット(ECU)で構成できる。記憶装置は、ROM及びRAM等を使用できる。制御装置1は、車線内位置取得部11、接触リスク算出部12及び画像生成部13を備える。尚、車線内位置取得部11、接触リスク算出部12及び画像生成部13は、制御装置1に機能的に備わるものでもよく、別筐体としてそれぞれ備わるものでもよい。
【0015】
車線内位置取得部11は、障害物検出手段2により検出された障害物の相対位置及び相対速度と、車線検出手段3により検出された車線の相対位置等に基づいて、障害物がどの車線内に存在するのかを特定し、車線に沿った自車両と障害物との距離及び相対速度等を取得する。
【0016】
接触リスク算出部12は、車線内位置取得部11により取得された車線に沿った自車両と障害物との距離及び相対速度等に基づいて、接触リスクを算出する。接触リスクは、自車両と障害物とが接触する可能性の度合いを示す指標であり、接触リスクが高いほど、自車両と障害物とが接触する可能性が高いことを意味する。例えば、自車両と障害物との距離が近いほど接触リスクを高く算出し、自車両と障害物との相対速度が接近する方向に高いほど接触リスクを高く算出する。また、自車両の速度が高いほど、接触リスクを高く算出してもよい。
【0017】
なお、接触リスクは少なくとも自車両と障害物との距離を用いれば算出可能であるが、自車両と障害物との距離に加えて、自車両と障害物との相対速度を用いることにより、接触リスクをより詳細に算出可能となる。自車両と障害物との距離及び相対速度は、車線内位置取得部11により取得された車線に沿った方向における距離及び相対速度を用いてもよく、障害物検出手段2により検出された自車両と障害物との直線的な距離及び相対速度を用いてもよい。
【0018】
ここで、接触リスク算出部12による接触リスクの算出方法の一例を説明する。例えば、衝突余裕時間(TTC)及び車間時間(THW)を用いて接触リスクを算出できる。衝突余裕時間t
cは、現在の相対速度が維持されると仮定して、自車両が先行する他車両に衝突するまでの時間を予測する指標であり、自車両と他車両との相対速度をv
r、距離をx
rとして、以下の式(1)で求められる。
t
c=−x
r/v
r …(1)
【0019】
また、車間時間t
hは、現在の自車速度v
fで現在の先行車位置に到達する時間を示す指標であり、自車速度をv
f、自車両と他車両との距離をx
rとして、以下の式(2)で求められる。
t
h=−x
r/v
f …(2)
【0020】
式(1)及び式(2)で求めた衝突余裕時間t
c及び車間時間t
hを用いて、接触リスクRPは以下の式(3)のように算出可能である。
RP=1/2(α/t
c+β/t
h) …(3)
ここで、α、βのそれぞれは任意の係数であり適宜設定可能である。
【0021】
接触リスク算出部12は更に、接触リスクの度合いに応じて、接触リスクを段階的に分類する。例えば、接触リスクを3段階で分類する場合には、接触リスク算出部12は、接触リスクが第1の閾値以上の場合に接触リスク「高」と分類する。接触リスク算出部12は更に、接触リスクが第1の閾値未満であり、且つ第1の閾値よりも小さい第2の閾値以上の場合に接触リスク「中」と分類する。接触リスク算出部12は更に、接触リスクが第2の閾値未満の場合に接触リスク「低」と分類する。第1の閾値及び第2の閾値は適宜設定可能であり、制御装置1の記憶装置等に予め記憶していてもよい。
【0022】
なお、接触リスクを2段階で分類する場合には、例えば、接触リスク算出部12は、算出した接触リスクが所定の閾値以上の場合に接触リスク「高」と分類し、接触リスクが所定の閾値未満の場合に接触リスク「低」と分類する。また、接触リスクを4段階以上で分類する場合には、接触リスク算出部12は、接触リスクを3つ以上の閾値と比較することにより、接触リスクを分類可能である。接触リスクの分類数は適宜設定可能であり、制御装置1の記憶装置等に予め記憶していてもよい。また、接触リスク算出部12は、自車両から一定区間内に存在する他車両を接触リスクの算出対象とし、自車両から一定区間内に他車両が存在しない場合には、接触リスクの算出対象外としてもよく、或いは接触リスク「低」と分類してもよい。
【0023】
接触リスク算出部12は、
図1に示すように、自車両の周囲の接触リスクを算出するように、自車両の前方の接触リスクを算出する前方接触リスク算出部12aと、自車両の右前方、右後方、左後方及び左前方を含む自車両の側方の接触リスクを算出する側方接触リスク算出部12bと、自車両の後方の接触リスクを算出する後方接触リスク算出部12cとを機能的に備える。
【0024】
例えば、
図3に示すように2車線L1,L2が並行し、自車両100が左側の車線L1を走行している状況を想定する。自車両100の前方には、他車両101が走行している。右側の車線L2には、自車両100の右前方に他車両102が走行し、自車両100の右後方に他車両103が走行している。
図3では、他車両101〜103の自車両100に対する相対速度を、他車両101〜103に付した矢印の長さで示している。即ち、車線L1,L2に沿った方向において、他車両101は自車両100から遠ざかりつつあり、他車両102,103は自車両101に接近しつつある。
【0025】
図3に示した状況において、自車両100の走行する車線L1上の、自車両100の位置から進行方向の一定区間L0を、自車両100の前方の領域R1として設定する。右側の車線L2上の、自車両100の位置から進行方向の一定区間L0を、自車両100の右前方の領域R2として設定し、自車両100の位置から進行方向とは逆方向の一定区間L0を、自車両100の右後方の領域R3として設定する。自車両100の走行する車線L1上の、自車両100の位置から進行方向とは逆方向の一定区間L0を、自車両100の後方の領域R4として設定する。自車両100の走行する車線L1の左側には車線は存在していないが、車線L1の左側の、自車両100の位置から進行方向とは逆方向の一定区間L0を、自車両100の左後方の領域R5として設定し、自車両100の位置から進行方向の一定区間L0を、自車両100の左前方の領域R6として設定する。
【0026】
前方接触リスク算出部12aは、自車両100の前方の領域R1に存在する他車両101との距離D1及び相対速度に応じて、前方の領域R1について接触リスク「低」を算出する。側方接触リスク算出部12bは、自車両100の右前方の領域R2に存在する他車両102との距離D2及び相対速度に応じて、右前方の領域R2について接触リスク「高」を算出する。側方接触リスク算出部12bは更に、右後方の領域R3に存在する他車両103との距離D3及び相対速度に応じて、右後方の領域R3について接触リスク「中」を算出する。側方接触リスク算出部12bは、自車両100の左後方の領域R5及び左前方の領域R6については、車線が無いため、接触リスクを算出しない。後方接触リスク算出部12cは、自車両100の後方の領域R4には自車両100から一定区間L0内に他車両が存在しないため、接触リスク「低」と算出する。この結果、
図4に模式的に示すように、前方の領域R1について接触リスク「低」、右前方の領域R2について接触リスク「高」、右後方の領域R3について接触リスク「中」、後方の領域R4について接触リスク「低」となる。
【0027】
画像生成部13は、
図4に模式的に示すような自車両100の周囲の接触リスクを乗員が容易に把握し易いように画像に投影する。即ち、画像生成部13は、
図5に示すように、接触リスク算出部12により算出された複数方向の領域R1〜R6毎の接触リスクに基づいて、自車両100の位置に対応する基準位置の周囲の、複数方向の領域R1〜R6に対応する方向に、複数方向の領域R1〜R6毎の接触リスクを示す接触リスク表示領域A0を含む画像を生成する。例えば、
図5においては、画像中に、自車両100の位置に対応する基準位置を示す基準マークM0を表示し、基準マークM0の周囲を囲むように環状(リング状)の接触リスク表示領域A0が配置されている。なお、
図5では、基準マークM0が自車両100を模擬した模擬車両である場合を示すが、基準マークM0の形状はこれに限定されず、例えば四角形や三角形、円形等であってもよい。
【0028】
接触リスク表示領域A0は、円周方向において6分割された分割領域A1〜A6を有する。基準マークM0に対して前方の分割領域A1は、
図4に示した自車両100の前方の領域R1の接触リスクを示す。基準マークM0に対して右前方の分割領域A2は、
図4に示した自車両100の右前方の領域R2の接触リスクを示す。基準マークM0に対して右後方の分割領域A3は、
図4に示した自車両100の右後方の領域R3の接触リスクを示す。基準マークM0に対して後方の分割領域A4は、
図4に示した自車両100の後方の領域R4の接触リスクを示す。基準マークM0に対して左後方の分割領域A5は、
図4に示した自車両100の左後方の領域R5の接触リスクを示す。基準マークM0に対して左前方の分割領域A6は、
図4に示した自車両100の左前方の領域R6の接触リスクを示す。
【0029】
画像生成部13は、接触リスク算出部12により算出された複数方向の領域R1〜R6毎の接触リスクに応じて、分割領域A1〜A6の色、模様、ハッチング、輝度又はこれらの組み合わせ等を変化させることにより、接触リスクの度合いを表示する。例えば、分割領域A1,A4が、接触リスク「低」に対応する緑色を表示する。分割領域A2が、接触リスク「高」に対応する赤色を表示する。分割領域A3が、接触リスク「中」に対応する黄色を表示する。なお、接触リスク「高」「中」「低」に対応する色の種類はこれに限定されない。
【0030】
分割領域A5,A6の表示に関して、画像生成部13は更に、複数方向の領域R1〜R6における車線L1,L2の有無を判定し、その判定結果に応じて、分割領域A1〜A6の接触リスクの表示を切り替える。例えば、車線が無い左後方及び左前方の領域R5,R6に対応する分割領域A5,6は、車線L1,L2が有る前方、右前方、右後方及び後方の領域R1〜R4に対応する分割領域A1〜A4とは色、模様、ハッチング又は輝度等の表示を異ならせる。分割領域A5,6は、例えば白色を表示する。
【0031】
画像表示手段5は、画像生成部13により生成された画像を表示する。乗員はこの画像を確認して、自車両100の周囲の接触リスクを一目で容易に把握可能となる。例えば、
図5に示した画像を確認した際には、分割領域A1は接触リスク「低」に相当する緑色を示すので、乗員は自車両100が加速可能であることを理解できる。分割領域A2は接触リスク「高」に相当する赤色を示すので、乗員は自車両100が加速しながら右側の車線L2へ車線変更すべきではないことを理解できる。分割領域A3は接触リスク「中」に相当する黄色を示すので、乗員は自車両100が減速しながら右側の車線L2へ車線変更が可能であることを理解できる。分割領域A4は接触リスク「低」に相当する緑色を示すので、乗員は自車両100が減速可能であることを理解できる。分割領域A5,A6は接触リスクの表示とは異なる表示であり、乗員は自車両100の走行する車線L1の左側には車線が無いことを理解できる。
【0032】
次に、
図6のフローチャートを参照しながら、本発明の第1の実施の形態に係る車両用表示方法の一例を説明する。なお、
図6のフローチャートの一連の処理は、所定の制御周期で繰り返し実行可能である。
【0033】
ステップS11において、障害物検出手段2が、自車両100から見て複数方向を含む周囲の他車両101〜103等の障害物の相対位置、距離及び相対速度等を検出する。ステップS12において、車線検出手段3が、自車両100の周囲の車線L1,L2の位置を検出する。ステップS13において、車線内位置取得部11が、障害物検出手段2により検出された他車両101〜103の相対位置、距離及び相対速度と、車線検出手段3により検出された車線L1,L2の位置等に基づいて、他車両101〜103がどの車線L1,L2内に位置しているのかを特定し、車線L1,L2に沿った距離D1〜D3及び相対速度等を取得する。
【0034】
ステップS14において、前方接触リスク算出部12aが、自車両100の前方の他車両101に対する接触リスクを算出する。ステップS15において、側方接触リスク算出部12bが、自車両100の右前方、右後方、左前方、左後方の他車両102,103に対する接触リスクをそれぞれ判定する。ステップS16において、後方接触リスク算出部12cが、自車両100の後方の他車両に対する接触リスクを算出する。
【0035】
ステップS17において、画像生成部13が、接触リスク算出部12により算出された複数方向毎の接触リスクに応じて、自車両100の位置に対応する基準位置に対して、複数方向毎の接触リスクを示す接触リスク表示領域A0を含む画像を生成する。ステップS18において、画像表示手段5が、画像生成部13により生成された画像を表示する。
【0036】
ここで、
図6のステップS17の画像生成部13による画像を生成する際の分割領域A1〜A6の表示方法の一例を、
図7のフローチャートを参照しながら説明する。
【0037】
ステップS21において、画像生成部13は、分割領域A1〜A6に対応する複数方向の領域R1〜R6について車線L1,L2の有無を判定する。分割領域A5,A6の場合、対応する左後方及び左前方の領域R5,R6には車線が無いと判定され、ステップS22に移行する。ステップS22において、画像生成部13は、分割領域A5,A6に白色を表示させる。
【0038】
一方、ステップS21において分割領域A1〜A4の場合、対応する前方、右前方、右後方及び後方の領域R1〜R4には車線L1,L2が有ると判定され、ステップS23に移行する。ステップS23において、画像生成部13は、分割領域A1〜A4が接触リスク「高」か否かを判定する。分割領域A2の場合、接触リスク「高」と判定され、ステップS24に移行し、分割領域A2に赤色を表示させる。
【0039】
一方、ステップS23において、分割領域A1,A3,A4の場合、接触リスク「高」ではないと判定され、ステップS25に移行する。ステップS25において、画像生成部13は、分割領域A1,A3,A4が接触リスク「中」か否かを判定する。分割領域A3の場合、接触リスク「中」と判定され、ステップS26に移行する。ステップS26において、画像生成部13は、分割領域A3に黄色を表示させる。ステップS25において分割領域A1,A4の場合、接触リスク「中」ではないと判定され、接触リスク「低」に該当するため、ステップS27に移行する。ステップS27において、画像生成部13は、分割領域A1,A4に緑色を表示させる。
【0040】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、自車両100から見た複数方向の領域R1〜R6において、障害物である他車両101〜103に対する接触リスクを算出し、自車両100の基準位置に対して複数方向の領域R1〜R6に対応する方向に、複数方向の領域R1〜R6毎の接触リスクを示す接触リスク表示領域A0を含む画像を生成して表示することにより、乗員に対して自車両100の複数方向の領域R1〜R6の接触リスクの変化を一目で容易に把握させることができる。
【0041】
更に、自車両100と障害物である他車両101〜103との距離D1〜D3に加えて、自車両100と他車両101〜103との相対速度に基づいて接触リスクを算出することにより、自車両100の周囲の接触リスクの変化をより正確に算出することができる。
【0042】
更に、接触リスク表示領域A0を周方向に分割した分割領域A1〜A6毎に、複数方向の領域R1〜R6毎の接触リスクを示すことにより、分割領域A1〜A6と複数方向の領域R1〜R6との対応が把握し易いので、乗員は周囲状況の変化を把握し易くなる。
【0043】
更に、複数方向の領域R1〜R6に対応する車線L1,L2の有無に応じて、分割領域A1〜A6の接触リスクの表示を変化させることにより、乗員は車線L1,L2が有り車線変更が可能な状況であるか、又は車線が無く車線変更が不可能な状況であることを容易に把握できる。
【0044】
(第2の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態においては、接触リスク表示領域A0の径方向(半径方向)に沿って単一の接触リスクを表示する場合を説明が、本発明の第2の実施の形態においては、接触リスク表示領域A0の径方向に段階的に接触リスクを表示する場合を説明する。本発明の第2の実施の形態に係る車両用表示装置は、
図1に示した構成と同様である。
【0045】
接触リスク算出部12は、例えば
図8に模式的に示すように、自車両100から見た複数方向の領域R1〜R6において、自車両100からの距離に応じて接触リスクを段階的に算出する。複数方向の領域R1〜R6は、自車両100から所定の区間L1内に設定される。所定の区間L1は例えば100m程度であり、自車両100の速度等に応じて適宜設定可能である。
【0046】
図8では、前方接触リスク算出部12aは、自車両100の前方の領域R1においては、自車両100に近い側から順に、領域R11に自車両100が位置すると仮定した場合の他車両101に対する接触リスク「低」、領域R12に自車両100が位置すると仮定した場合の他車両101に対する接触リスク「中」、領域R13に自車両100が位置すると仮定した場合の他車両101に対する接触リスク「大」を算出する。
【0047】
側方接触リスク算出部12bは、右前方の領域R2においては、自車両100に近い側から順に、領域R21に自車両100が位置すると仮定した場合の他車両102に対する接触リスク「中」、領域R22に自車両100が位置すると仮定した場合の他車両102に対する接触リスク「高」を算出する。側方接触リスク算出部12bは、自車両100に近い側から順に、右後方の領域R3においては、領域R31に自車両100が位置すると仮定した場合の他車両103に対する接触リスク「低」、領域R32に自車両100が位置すると仮定した場合の他車両103に対する接触リスク「中」、領域R33に自車両100が位置すると仮定した場合の他車両101に対する接触リスク「高」を算出する。後方接触リスク算出部12cは、自車両100の後方の領域R4においては、他車両が存在していないので、接触リスク「低」を算出する。
【0048】
画像生成部13は、
図8に模式的に示した複数方向の領域R1〜R4の段階的な接触リスクを、
図9に示すように、接触リスク表示領域A0の分割領域A1〜A6に投影するように表示する。
図9に示すように、接触リスク表示領域A0の半径方向の長さL0は、
図8に示した所定の区間L1に対応し、接触リスク表示領域A0の内周位置が自車両100の位置に対応し、接触リスク表示領域A0の外周位置が所定の区間L1の終端に対応する。接触リスク表示領域A0の分割領域A1〜A6は、自車両100からの距離に応じて、半径方向の色、模様、ハッチング、輝度等を径方向に段階的に変化させる。
【0049】
例えば、
図9に示すように、分割領域A1においては、
図8に示した前方の領域R11,R12,R13に対応して、領域A11,A12,A13が接触リスク「低」、「中」、「高」を示すように緑色、黄色、赤色を表示する。分割領域A2においては、
図8に示した右前方の領域R21,R22に対応して、領域A21,A22が接触リスク「中」、「高」を示すように黄色、赤色を表示する。分割領域A3においては、
図8に示した右後方の領域R31,R32,R33に対応して、領域A31,A32,A33が接触リスク「低」、「中」、「高」を示すように緑色、黄色、赤色を表示する。分割領域A4においては、
図8に示した右後方の領域R4に対応して、全体が接触リスク「低」を示すように緑色を表示する。分割領域A5,A6は、車線が無いことを示すように、白色を表示する。
【0050】
画像生成部13は、自車速検出手段4により検出された自車速に応じて、接触リスク表示領域A0の半径方向の長さL0に対応するスケールを変化させてもよい。換言すれば、自車速検出手段4により検出された自車速に応じて、所定の区間L1を変化させてもよい。例えば、自車速が高いほど、接触リスク表示領域A0の半径方向の長さL0に対応するスケールを大きくする。また、画像生成部13は、車線検出手段3により検出される車線L1,L2の幅に応じて、接触リスク表示領域A0の半径方向の長さL0に対応するスケールを変化させてもよい。例えば、車線L1,L2の幅が広いほど、接触リスク表示領域A0の半径方向の長さL0に対応するスケールを大きくする。
【0051】
本発明の第2の実施の形態に係る車両用表示方法は、
図6に示した本発明の第1の実施の形態に係る車両用表示方法と基本的には同様であり、ステップS17において、画像生成部13が、接触リスク表示領域A0の分割領域A1〜A6の径方向に、自車両100からの距離に応じて、半径方向の色、模様、ハッチング、輝度等を径方向に段階的に変化させる点が異なる。
【0052】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、自車両100から見た複数方向の領域R1〜R6において、障害物である他車両101〜103に対する接触リスクを算出し、自車両100の基準位置に対して複数方向の領域R1〜R6に対応する方向に、複数方向の領域R1〜R6毎の接触リスクを示す接触リスク表示領域A0を含む画像を生成して表示することにより、乗員に対して自車両100の複数方向の領域R1〜R6の接触リスクの変化を一目で容易に把握させることができる。
【0053】
更に、接触リスク表示領域A0を周方向に分割した分割領域A1〜A6毎に、複数方向の領域R1〜R6毎の接触リスクを示すことにより、分割領域A1〜A6と複数方向の領域R1〜R6との対応が把握し易いので、乗員は周囲状況の変化を把握し易くなる。
【0054】
更に、接触リスク表示領域A0の半径方向において、自車両100からの距離に応じて接触リスクを段階的に表示することにより、乗員に対して自車両100の周囲の接触リスクをより詳細に把握させることができる。
【0055】
更に、自車両100の速度に応じて接触リスク表示領域A0の半径方向のスケールを変化させることにより、自車両100の速度に好適な区間の接触リスクを表示することができる。例えば、自車両100の速度が高いほど接触リスク表示領域A0の半径方向のスケールを大きくすれば、自車両100の前方の状況をより早期に把握できる。また、渋滞時等にはスケールが小さくすれば、自車両100に近い範囲の状況を詳細に把握できる。
【0056】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態においては、画像中に自車両100に対する他車両101〜103の相対位置を示すマークを更に表示する場合を説明する。本発明の第3の実施の形態に係る車両用表示装置は、
図1に示した構成と同様である。
【0057】
画像生成部13は、例えば
図8に示す状況に対応して、
図10(a)に示すように、接触リスク表示領域A0の外側に、他車両マークM1〜M3を表示する。他車両マークM1は、分割領域A1の外側に位置しており、
図8に示した自車両100の前方の領域R1に、他車両101が存在することを示している。他車両マークM2は、分割領域A2の外側に位置しており、
図8に示した自車両100の右前方の領域R2に、他車両102が存在することを示している。他車両マークM3は、分割領域A3の外側に位置しており、
図8に示した自車両100の右後方の領域R3に、他車両103が存在することを示している。他車両マークM1〜M3の形状やサイズ、色は特に限定されない。
図8では他車両マークM1〜M3を矩形としているが、円形や三角形でもよく、波のような形状であってもよい。
【0058】
画像生成部13は、自車両100と他車両102,103との距離D2,D3に応じて、分割領域A2,A3の外側における他車両マークM2,M3の位置を分割領域A2,A3の外周に沿って移動させてもよい。例えば、自車両100と他車両102,103との距離D2,D3が10m,20m,30m,…と長くなると、
図10(a)に示すように、基準マークM0の位置の真横を0°として、接触リスク表示領域A0の円周方向の角度θ1,θ2を10°,20°,30°…と線形的に変化させてもよい。
【0059】
また、画像生成部13は、自車両100と他車両102,103との距離D2,D3に応じて、分割領域A2,A3の外側における他車両マークM2,M3の位置を分割領域A2,A3の外周に沿って非線形的に移動させてもよい。例えば、自車両100と他車両102,103との距離D2,D3が10m,20m,30m…と長くなると、
図10(b)に目盛りで区切って示すように、基準マークM0の位置の真横を0°として、接触リスク表示領域A0の円周方向の角度θ1,θ2を30°,50°,60°…と非線形的に変化させてもよい。例えば、自車両100と他車両102,103との距離D2,D3が近いほど他車両マークM2,M3の移動量、即ち角度θ1,θ2を大きくすることにより、乗員は自車両100に近い位置での他車両102,103の相対位置をより正確に把握し易い。
【0060】
他車両マークM1〜M3を分割領域A1〜A3の外側に表示する代わりに、
図11(a)に示すように、分割領域A1〜A3の外周の対応する部位を太くすることで他車両マークM1〜M3を表示してもよい。また、分割領域A1〜A3の外周の対応する部位を波立たせたり、又は着色したりすることにより、他車両101〜103の位置を示してもよい。
図11(b)に示すように、分割領域A1〜A3の内周の対応する部位を太くすることで他車両マークM1〜M3を表示してもよい。また、分割領域A1〜A3の内周の対応する部位を波立たせたり、又は着色したりすることにより、他車両101〜103の位置を示してもよい。
【0061】
画像生成部13は、自車両100と他車両101〜103との距離D1〜D3に応じて、他車両マークM1〜M3の形状や色を変化させてもよい。例えば、自車両100と他車両101〜103との距離D1〜D3が短いほど、乗員に対して注意を促すように、他車両マークM1〜M3のサイズを大きくしてもよい。画像生成部13は、他車両101〜103の属性(種別)に応じて、他車両101〜103を示すマークの形状やサイズ、色を変化させてもよい。例えば、他車両101〜103が乗用車である場合には緑色で表示し、バイクである場合には黄色で表示し、トラックである場合にはより大きなサイズで、赤色で表示することにより、乗員は他車両101〜103の属性を認識できる。
【0062】
画像生成部13は、例えば
図8に示す状況において、車線L1,L2に沿った自車両100と他車両101〜103との距離D1〜D3が所定の閾値(例えば100m)以上か否かを判定することにより、自車両100に対する他車両101〜103の相対位置を示すマーク(他車両マーク)を表示するか否かを判定する。自車両100と他車両101〜103との距離D1〜D3が所定の閾値未満の場合、他車両マークを表示する。一方、自車両100と他車両101〜103との距離D1〜D3が所定の閾値以上の場合には、他車両マークを非表示とする。
【0063】
所定の閾値は適宜設定可能であり、例えば記憶装置に予め記憶されている。また、複数方向毎に、所定の閾値を異ならせてもよく、例えば後方の領域R4における所定の閾値と、前方の領域R1における所定の閾値とを異ならせてもよい。例えば、後方の領域R4における所定の閾値を、前方の領域R1における所定の閾値よりも小さく設定することにより、前方の領域R1についてはフロントガラス越しにも確認できる一方で、状況確認がより難しい後方の状況を早期に把握し易くなる。
【0064】
画像生成部13は、他車両マークM1〜M3が表示されているときに、自車両100と他車両101〜103との距離D1〜D3が所定の閾値(例えば100m)以上となった場合には、他車両マークM1〜M3の表示を停止してもよい。また、他車両マークM1〜M3の表示を開始又は停止する際には、他車両マークM1〜M3がフェードイン又はフェードアウトするように徐々に出現又は消滅してもよい。
【0065】
他車両マークM1〜M3の表示を開始又は停止する際にはヒステリシスを設けてもよい。即ち、他車両マークM1〜M3の表示を開始するか否かを判定するための閾値と、既に表示されている他車両マークM1〜M3の表示を停止するか否かを判定するための閾値とを異ならせてもよい。
【0066】
例えば、自車両100と他車両101〜103との距離D1〜D3が第1の閾値(例えば100m)未満か否かを判定することにより、他車両マークM1〜M3の表示を開始するか否かを判定する。一方、自車両100と他車両101〜103との距離D1〜D3が第1の閾値よりも小さい第2の閾値(例えば50m)以上か否かを判定することにより、既に表示されている車両マークM1〜M3の表示を停止するか否かを判定する。例えば、他車両マークM1〜M3の表示を開始するか否かを判定するための閾値を相対的に大きくすることで、自車両100に他車両101〜103が接近してくる場合により早期に他車両マークM1〜M3の表示を開始できる。一方、他車両101〜103が遠ざかっていく場合には、早期に他車両マークM1〜M3の表示を停止できる。
【0067】
画像生成部13は更に、
図12(a)に示すように、他車両マークM1〜M3の近傍に、自車両100と他車両101〜103との相対速度を示すマーク(速度マーク)M4〜M6を表示してもよい。
図12(a)では、速度マークM4は、他車両マークM1の上側にあり、他車両101が遠ざかっていることを示している。速度マークM5は、他車両マークM2の下側にあり、他車両102が接近していることを示している。速度マークM6は、他車両マークM3の上側にあり、他車両103が接近していることを示している。速度マークM4〜M6の形状は、矢印や三角形等が採用可能である。速度マークM4〜M6は、自車両100と他車両101〜103との相対速度に応じて色や形状を変化させてもよい。
図12(a)では、自車両100と他車両101〜103との相対速度が高いほど速度マークM4〜M6の長さを長く表示している。
図12(b)に示すように、他車両マークM1〜M3を表示せずに、速度マークM4〜M6のみを表示してもよい。即ち、速度マークM4〜M6に、自車両100と他車両101〜103との相対速度を示す機能に加えて、他車両101〜103の位置も示す他車両マークM1〜M3の機能を持たせてもよい。一方、他車両マークM1〜M3を速度マークM4〜M6のような形状として、自車両100と他車両101〜103との相対速度を示す機能を持たせてもよい。
【0068】
本発明の第3の実施の形態に係る車両用表示方法は、
図6に示した本発明の第1の実施の形態に係る車両用表示方法と基本的には同様であり、ステップS17において、画像生成部13が、他車両マークM1〜M3を更に表示する点が異なる。
【0069】
ここで、
図13のフローチャートを参照しながら、画像生成部13による他車両マークM1〜M3の表示方法の一例を説明する。
【0070】
ステップS31において、画像生成部13は、自車両100と他車両101〜103との距離D1〜D3が所定の閾値以上か否かを判定する。自車両100と他車両101〜103との距離D1〜D3が所定の閾値未満と判定された場合には、ステップS32に移行し、画像生成部13は、他車両マークM1〜M3を表示する。
【0071】
一方、ステップS31において自車両100と他車両101〜103との距離D1〜D3が所定の閾値以上と判定された場合には、ステップS33に移行し、他車両101〜103に対応する他車両マークM1〜M3が既に表示中であるか否かを判定する。他車両101〜103に対応する他車両マークM1〜M3が既に表示中であると判定された場合には、ステップS34に移行し、他車両マークM1〜M3の表示を停止する。他車両101〜103に対応する他車両マークM1〜M3が非表示と判定された場合には、処理を完了する。
【0072】
本発明の第3の実施の形態によれば、自車両100から見た複数方向の領域R1〜R6において、障害物である他車両101〜103に対する接触リスクを算出し、自車両100の基準位置に対して複数方向の領域R1〜R6に対応する方向に、複数方向の領域R1〜R6毎の接触リスクを示す接触リスク表示領域A0を含む画像を生成して表示することにより、乗員に対して自車両100の複数方向の領域R1〜R6の接触リスクの変化を一目で容易に把握させることができる。
【0073】
更に、画像生成部13が、他車両101〜103の位置を示す他車両マークM1〜M3を表示する画像を生成することより、他車両101〜103の相対位置関係、即ち相対位置、距離、相対速度等を把握し易くなる。
【0074】
更に、自車両100と他車両101〜103との距離D1〜D3が所定の閾値以上となった場合には、他車両マークM1〜M3の表示を停止することにより、不要な状況を排除できるため、乗員は必要な情報を選択的に把握できる。
【0075】
更に、自車両100と他車両101〜103との相対速度を示す速度マークM4〜M6を表示することにより、自車両100と他車両101〜103との相対位置に加えて、自車両100と他車両101〜103との相対速度を乗員に対して容易に把握させることができる。
【0076】
更に、接触リスク表示領域A0を周方向に分割した分割領域A1〜A6毎に、複数方向の領域R1〜R6毎の接触リスクを示すことにより、分割領域A1〜A6と複数方向の領域R1〜R6との対応が把握し易いので、乗員は周囲状況の変化を把握し易くなる。
【0077】
更に、接触リスク表示領域A0の半径方向において、自車両100からの距離に応じて接触リスクを段階的に表示することにより、乗員に対して自車両100の周囲の接触リスクをより詳細に把握させることができる。
【0078】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1〜第3の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0079】
例えば、
図14(a)に示すように、他車両101〜103の相対速度に応じて、分割領域A1〜A3の外周円及び内周円に対して切り込みを入れるように、分割領域A1〜A3の円周方向の幅を変化させてもよい。例えば、自車両100に接近する方向に他車両101〜103の相対速度が高いほど、分割領域A1〜A3の内周側の着色領域の幅が狭くなり、分割領域A1〜A3の外周側の着色領域の幅が広くなるように分割領域A1〜A3の表示を変化させる。一方、自車両100から遠ざかる方向に他車両101〜103の相対速度が高いほど、分割領域A1〜A3の内周側の着色領域の幅が広くなり、且つ分割領域A1〜A3の外周側の着色領域の幅が狭くなるように分割領域A1〜A3の表示を変化させる。
【0080】
図14(b)に示すように、分割領域A2,A3を更に細分化するとともに、細分化した領域で接触リスクを段階的に算出して、段階的な接触リスクの境界にスプライン曲線等の曲線を用いて表示してもよい。他車両102,103の移動に伴って接触リスクの境界位置も移動する。スプライン曲線は、分割領域A2,A3の間で連続的に変化している。段階的な接触リスクの境界にスプライン曲線等の曲線を用いることにより、接触リスクの変化を連続的且つ詳細に表示できるため、乗員は周囲状況をより詳細に把握することができる。
【0081】
また、本発明の第1〜第3の実施の形態においては、6つの分割領域A1〜A6に分割された接触リスク表示領域A0を説明したが、接触リスク表示領域A0の分割数はこれに限定されない。例えば
図15(a)に示すように、環状の接触リスク表示領域A0を4分割した分割領域A1〜A4としてもよい。分割領域A1〜A4は、自車両100の前方、右方、後方、左方の接触リスクをそれぞれ表示する。
【0082】
本発明の第1〜第3の実施の形態においては、リング状の接触リスク表示領域A0を説明したが、接触リスク表示領域A0の形状はこれに限定されない。例えば
図15(b)に示すように、矩形の枠状の接触リスク表示領域A0を表示してもよい。なお、自車両100の周囲の車線数が多い場合には、枠状よりもリング状の接触リスク表示領域A0による表示が直感的に把握し易い。更に、環状の接触リスク表示領域A0の代わりに、
図16に示すように、自車両100の基準位置P0を中心と、基準位置P0の周囲に配置された接触リスク表示領域A0であってもよい。
図16では接触リスク表示領域A0が円形であるが、矩形等の他の形状であってもよい。
【0083】
本発明の第1〜第3の実施の形態においては、接触リスク表示領域A0は必ずしも全周囲を囲まなくてもよく、後方から前方までの一部であっても良い。例えば、
図17(a)に示すように、自車両100の走行する車線L1,L2の前方及び後方の接触リスクを表示する分割領域がなく、隣接車線L1,L2の右前方、右後方、左後方、左前方の接触リスクを表示する分割領域A2,A3,A5,A6のみを表示してもよい。また、各分割領域A1〜A6は周方向に連続していなくてもよく、例えば
図17(b)に示すように、右前方及び右後方の分割領域A2,A3の間、左後方及び左前方の分割領域A5,A6の間が離間するように表示してもよい。
【0084】
本発明の第1〜第3の実施の形態においては、車線毎に分けて接触リスクを算出する場合を例示したが、必ずしも車線毎に分けて接触リスクを算出する必要はなく、自車両100が走行する車線と隣接する車線とを区別せず、自車両100に対する位置関係に基づいて接触リスクを算出するようにしても良い。例えば、
図3に示した走行シーンでの自車両100の右前方の接触リスクは、自車両が走行する車線L1と、自車両100の右側の車線L2と、を区別せず、自車両100の右前方の接触リスクを算出するものとし、自車両100より右前方での接触リスクに併せて
図5に示した右前方の分割領域A2を表示するようにする。これにより、右隣の車線L2の障害物だけでなく、自車両100より右前方全体の接触リスクに併せた表示ができるようになる。これは、自車両100の右前方に限らず、自車両100の左前方、左後方、右後方等の斜め方向や、自車両100の左右、前後方向など、自車両100の周囲においては、どの方向においても同様に適用可能である。
【0085】
本発明の第1〜第3の実施の形態においては、自車両100が走行中の状況について説明したが、駐車の際は一度停止中等の状況であっても適用可能である。
【0086】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。