(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるようなラベル用媒体に対して打ち抜き加工を行うことが可能なラベル処理装置では、該打ち抜き加工に伴い多量の紙粉などの発生物が発生する。また、特許文献2に開示されるようなワイヤーピンを進退させることが可能なヘッドを備える装置では、そのヘッドの使用の仕方によっては、特に多量の紙粉などの発生物が発生する場合がある。
しかしながら、このように多量の紙粉などの発生物が発生した場合、特許文献3に開示されるような従来の送風部だけでは、このような多量の紙粉などの発生物の一部が装置内で飛散し、装置内で悪影響を与える虞がある。
【0005】
そこで、本発明は、ラベルを打ち抜く際にラベル用媒体から発生する発生物の飛散を抑制することを目的にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の第1の態様のラベル処理装置は、搬送されるラベル用媒体に対してワイヤーピンを進退させ、前記ラベル用媒体を加工するヘッドと、前記ラベル用媒体が搬送される搬送方向と交差する幅方向において、前記ラベル用媒体が搬送される搬送路より第1方向側に位置し、第1連通孔を有する第1壁部材と、前記ヘッドが存在する領域である送風領域に送風し、前記第1連通孔を介して排気させる送風部と、を備える。
【0007】
本態様によれば、ラベル処理装置は、ヘッドが存在する領域である送風領域に送風し、第1連通孔を介して排気させることができる。このため、ラベル処理装置は、ラベルを打ち抜く際にラベル用媒体から発生する発生物の飛散を抑制することができる。
【0008】
本発明の第2の態様のラベル処理装置は、前記第1の態様において、前記幅方向において、前記搬送路より前記第1方向側と逆の第2方向側に位置する、第2壁部材と、前記第1壁部材と前記第2壁部材とに接続し、搬送路面に交差する方向に延伸する、第1面を有するダクトカバーと、を備え、前記搬送方向において、前記第1面に対して前記ヘッドが位置する側に、前記送風領域、及び前記第1連通孔が位置する。
【0009】
本態様によれば、ラベル処理装置は、外部と連通する第1連通孔を有する第1壁部材と第2壁部材とに接続し、搬送路面に交差する方向に延伸する、第1面を有するダクトカバーを備え、送風部は、搬送方向において、第1面よりヘッド側の領域である送風領域に送風し、第1連通孔を介して外部へ排気させる。このため、ラベル処理装置は、ラベルを打ち抜く際にラベル用媒体から発生する発生物を、ダクトカバー(第1面)により、第1面の反対側に飛散させることを抑制しつつ、第1連通孔を介して外部へ排出することができる。したがって、ラベル処理装置は、ラベルを打ち抜く際にラベル用媒体から発生する発生物の飛散を抑制することができる。
【0010】
本発明の第3の態様のラベル処理装置は、前記第2の態様において、前記ダクトカバーは、前記第1壁部材と前記第2壁部材とに接続し、前記搬送路面に交差する方向に延伸する、第2面と、前記第1面と前記第2面とに繋がれるカバー部と、を有し、前記ヘッド及び前記送風領域は、前記第1面、前記第2面及び前記カバー部で構成された前記ダクトカバーの内部に位置する。
【0011】
本態様によれば、ラベル用媒体から発生する発生物の発生源であるヘッドと、該発生物の移動経路である送風領域と、は、第1面、第2面及びカバー部で構成されたダクトカバーの内部に位置する。このため、ラベル処理装置は、特に効果的に、ラベルを打ち抜く際にラベル用媒体から発生する発生物の飛散を抑制することができる。
【0012】
本発明の第4の態様のラベル処理装置は、前記第3の態様において、前記搬送方向において前記第1面から見て前記ヘッドが位置する側とは逆側の位置にインクジェットヘッドを備え、前記ダクトカバーにおける前記搬送路面と前記第1面との隙間から漏れる気体流量は、前記ダクトカバーにおける前記搬送路面と前記第2面との隙間から漏れる気体流量よりも少ない。
【0013】
本態様によれば、ラベル処理装置は、インクジェットヘッドをさらに備えるので、印刷処理とラベル処理とをまとめて行うことができる。
また、インクジェットヘッド側である第1面側の隙間から漏れる気体流量は、インクジェットヘッド側とは逆側である第2面側の隙間から漏れる気体流量よりも少ない。インクジェットヘッドは紙粉などの発生物が付着すると印刷不良を発生するなど悪影響を受けやすいが、このような構成とすることで、ラベル処理装置は、ダクトカバーの内部を移動する発生物がインクジェットヘッド側に漏れることを効果的に抑制でき、インクジェットヘッドに発生物が付着することを抑制できる。
【0014】
本発明の第5の態様のラベル処理装置は、前記第4の態様において、前記ダクトカバーにおける前記搬送路面と前記第1面との隙間は、前記ダクトカバーにおける前記搬送路面と前記第2面との隙間よりも狭い。
【0015】
本態様によれば、インクジェットヘッド側である第1面側の隙間は、インクジェットヘッド側とは逆側である第2面側の隙間よりも狭い。このような構成とすることで、ラベル処理装置は、ダクトカバーの内部を移動する発生物がインクジェットヘッド側に漏れることを簡単に抑制でき、インクジェットヘッドに発生物が付着することを抑制できる。
【0016】
本発明の第6の態様のラベル処理装置は、前記第2から第5のいずれか1つの態様において、前記第2壁部材に設けられ外部と連通する第2連通孔をさらに備え、前記送風部は、前記搬送路より前記第2方向側に位置し、前記第2連通孔より外気を採り入れ、前記第1連通孔を介して外部へ排気させる。
【0017】
本態様によれば、ラベル処理装置は、第2壁部材に設けられ外部と連通する第2連通孔をさらに備え、搬送路より第2方向側に位置する送風部は、第2連通孔より外気を採り入れ、第1連通孔を介して外部へ排気させる。このため、ラベル処理装置は、発生物を一方(第1連通孔側)に集めることができ、発生物の回収が容易になる。
【0018】
本発明の第7の態様のラベル処理装置は、前記第2から第5のいずれか1つの態様において、前記第2壁部材に設けられ外部と連通する第2連通孔と、前記幅方向において前記第1壁部材と前記第2壁部材との間に設けられ外部と連通する第3連通孔と、をさらに備え、前記送風部は、前記第3連通孔より外気を採り入れ、前記第1連通孔及び前記第2連通孔を介して外部へ排気させる。
【0019】
本態様によれば、ラベル処理装置は、第2壁部材に設けられ外部と連通する第2連通孔と、幅方向において第1壁部材と第2壁部材との間に設けられ外部と連通する第3連通孔と、をさらに備え、送風部は、第3連通孔より外気を採り入れ、第1連通孔及び第2連通孔を介して外部へ排気させる。このため、送風領域が広い場合においても、ラベル処理装置は、効果的に発生物を外部へ排出することができる。
【0020】
本発明の第8の態様のラベル処理装置は、前記第1から第7のいずれか1つの態様において、外部へ排気された送風物を収容する送風物収容部をさらに備え、前記送風物収容部は、前記ラベル処理装置に対して少なくとも一部が着脱可能である。
【0021】
本態様によれば、ラベル処理装置は、外部へ排気された送風物を収容する送風物収容部をさらに備えるので、外部へ排出された発生物の回収が容易になる。また、送風物収容部はラベル処理装置に対して少なくとも一部が着脱可能であるので、送風物収容部に溜まった発生物は簡単に廃棄可能となる。
【0022】
本発明の第9の態様のラベル処理装置は、前記ヘッドを有し、前記ラベル用媒体の搬送方向と交差する幅方向に走査するキャリッジと、前記キャリッジに設けられ、前記キャリッジが前記幅方向に走査するときに前記ラベル用媒体に接触する接触部と、前記キャリッジの走査に伴い前記ラベル用媒体に接触して移動する前記接触部が収集する収集物を収容する収集物収容部と、を備え、前記接触部は、前記キャリッジの走査に対応して、前記ラベル用媒体の前記幅方向の端部のうちの第1端部に接触する位置から、前記第1端部より前記収集物収容部側に位置する第2端部側に移動するとき、前記収集物収容部まで移動する。
【0023】
本態様によれば、ラベル処理装置は、幅方向に走査するキャリッジには該キャリッジの走査に伴いラベル用媒体に接触する接触部が設けられる。このため、ラベル処理装置は、ラベルを打ち抜く際にラベル用媒体から発生する発生物を、接触部が集め収集物収容部に収容できる構成になっているので、該発生物の飛散を抑制することができる。
【0024】
本発明の第10の態様のラベル処理装置は、前記第9の態様において、前記収集物収容部は、前記幅方向において前記ラベル用媒体が搬送される搬送領域から外れた位置に設けられ、前記ラベル処理装置に対して少なくとも一部が着脱可能である。
【0025】
本態様によれば、収集物収容部は、幅方向において搬送領域から外れた位置に設けられ、ラベル処理装置に対して少なくとも一部が着脱可能である。このため、ラベル処理装置は、搬送領域に発生物が至る虞を低減できるとともに、収集物収容部に溜まった発生物が簡単に廃棄可能となる。
【0026】
本発明の第11の態様のラベル処理装置は、前記第10の態様において、前記接触部は、少なくとも前記幅方向において前記ヘッドに対して前記収集物収容部が位置する側と逆側で、前記ラベル用媒体に接触する。
【0027】
本態様によれば、接触部は、少なくとも幅方向においてヘッドに対して収集物収容部が位置する側と逆側で、ラベル用媒体に接触する。すなわち、キャリッジの走査に伴い、接触部は、該走査の方向におけるヘッドの後方側で発生物を集めることができる。したがって、ラベル処理装置は、ヘッドがラベルを打ち抜く際にラベル用媒体から発生する発生物を効率的に集めることができる。
【0028】
本発明の第12の態様のラベル処理装置は、前記第9から第11のいずれか1つの態様において、前記キャリッジは、前記接触部が前記ラベル用媒体の前記第1端部に接触する第1キャリッジ位置と前記接触部の一部が前記収集物収容部に対向する第2キャリッジ位置との間を走査する。
【0029】
本態様によれば、キャリッジは、接触部が第1端部に接触する第1キャリッジ位置と接触部の一部が収集物収容部に対向する第2キャリッジ位置との間を走査する。このため、ラベル処理装置は、キャリッジの走査だけで(キャリッジの走査にプラスしてキャリッジに対する接触部の移動等を伴わせることなく)、接触部が集めた発生物を収集物収容部に収容することができる。
【0030】
本発明の第13の態様のラベル処理装置は、前記第9から第12のいずれか1つの態様において、前記接触部は、ブラシである。
【0031】
本態様によれば、接触部はブラシであるので、接触部は、簡単に構成されるとともに簡単にキャリッジに取り付けられる。
【0032】
本発明の第14の態様のラベル処理装置は、前記第9から第12のいずれか1つの態様において、前記接触部は、ローラー部材である。
【0033】
本態様によれば、接触部はローラー部材であるので、キャリッジが走査される際の負荷の上昇が低減される。
【0034】
上記課題を解決するための本発明のラベル処理方法は、ラベル用媒体を搬送し、ヘッドのワイヤーピンを進退させて前記ラベル用媒体の加工を行い、送風部に送風させ、前記加工により生じる紙粉を、前記ヘッドが存在する領域である送風領域の外側へ移動させる。
【0035】
本方法によれば、ラベル用媒体が、ヘッドのワイヤーピンにより加工され、加工で生じる紙粉が、送風部の送風により、ヘッドが存在する領域である送風領域の外側へ移動される。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に、本発明の一実施例に係るラベル処理装置1について、添付図面を参照して詳細に説明する。
[実施例1](
図1〜
図5)
最初に、本発明の実施例1に係るラベル処理装置1の概要について説明する。
図1及び
図2は、本実施例に係るラベル処理装置1の概略斜視図である。
図1は、ダクトカバー7が取り外された状態を表しており、
図2は、ダクトカバー7が取り外されていない状態を表している。
【0038】
ラベル処理装置1は、ラベル用媒体Mに印刷(画像を形成)することが可能な印刷装置2と、ラベル用媒体Mを加工(台紙からシール部分を打ち抜く打ち抜き加工)することが可能なラベル打ち抜き装置3と、を備える。
【0039】
また、ラベル処理装置1は、ラベル用媒体Mを搬送方向Aに搬送可能なローラー4と、ラベル用媒体Mを支持する支持部5と、を備える。ラベル処理装置1は、ローラー4により搬送方向Aに搬送されるラベル用媒体Mが、印刷装置2により画像が形成され、その後、該画像の位置に対応してラベル打ち抜き装置3により、打ち抜き加工される構成である。なお、支持部5の一部には、搬送されるラベル用媒体Mが浮き上がることを抑制するための不図示の吸引孔が形成される。
【0040】
本実施例の印刷装置2は、複数のノズルが設けられたノズル形成面の該ノズルからインクを吐出して印刷するインクジェットヘッド24を有するキャリッジ6を備える。そして、キャリッジ6は、搬送方向Aと交差する幅方向Bに往復移動(往復走査)可能である。
【0041】
本実施例の印刷装置2は、キャリッジ6を幅方向Bに往復移動させながら、搬送されるラベル用媒体Mにインクジェットヘッド24からインクを吐出して印刷することが可能である。そして、本実施例の印刷装置2は、所定量(1パス分)ラベル用媒体Mを搬送方向Aに搬送させることと、ラベル用媒体Mが停止した状態でキャリッジ6を幅方向Bに移動させながらインクジェットヘッド24からインクを吐出させることと、を繰り返す。これにより、印刷装置2は、ラベル用媒体Mに所望の画像を形成する。
【0042】
なお、本実施例の印刷装置2は、ラベル用媒体Mの搬送とキャリッジ6の走査とを交互に繰り返して印刷を行う所謂シリアルプリンターであるが、ラベル用媒体Mに画像を形成する装置であればよい。例えば、印刷装置2は、ローラー4により搬送されるラベル用媒体Mの搬送方向と交差する幅方向に沿ってライン状にノズルが形成されたラインヘッドからインクを吐出させ、連続的にラベル用媒体Mを搬送しながら連続的に印刷を行う所謂ラインプリンターであってもよい。さらには、印刷装置2は、例えば、転写式プリンターなど、インクジェットプリンター以外の装置であってもよい。
【0043】
本実施例のラベル打ち抜き装置3は、搬送されるラベル用媒体Mに対してワイヤーピン10(
図3参照)を進退させラベル用媒体Mを加工するヘッド8を有する。ヘッド8は、ダクトカバー7の内部に、幅方向Bに複数並べられて設けられる。
【0044】
本実施例のラベル打ち抜き装置3は、幅方向Bに複数並べられたヘッド8により、搬送されるラベル用媒体Mの幅方向Bの全幅に亘り打ち抜き加工することが可能である。なお、上記のように、本実施例の印刷装置2は、所定量ラベル用媒体Mを搬送方向Aに搬送させることと、ラベル用媒体Mを停止した状態でインクジェットヘッド24からインクを吐出させることと、を繰り返す。このため、ラベル用媒体Mは間欠搬送される。本実施例のラベル打ち抜き装置3は、この間欠搬送に同期して打ち抜き加工をする。すなわち、本実施例のラベル打ち抜き装置3は、ラベル用媒体Mを搬送方向Aに搬送させている状態において複数のヘッド8を用いてラベル用媒体Mに対して打ち抜き加工させることと、ラベル用媒体Mを停止した状態においてこれらのヘッド8の駆動を停止させることと、を繰り返すことで、ラベル用媒体Mを所望の形状に打ち抜き加工する。
【0045】
なお、ラベル処理装置1は、上記のようにラベル用媒体Mを間欠搬送させる構成であるが、このような構成に限定されない。例えば、ラベル処理装置1は、印刷装置2がラインプリンターであり、ラベル用媒体Mを連続的に搬送させつつインクの吐出(印刷動作)を連続的に行うとともに、複数のヘッド8を用いて連続的に搬送されるラベル用媒体Mに対して打ち抜き加工を連続的に行う構成としてもよい。さらに、ラベル処理装置1は、印刷装置2とラベル打ち抜き装置3との間で、ラベル用媒体Mに一定の弛みを設け、印刷装置2におけるラベル用媒体Mの搬送と、ラベル打ち抜き装置3におけるラベル用媒体Mの搬送と、を別に制御する構成でもよい。
【0046】
なお、ラベル処理装置1(ラベル打ち抜き装置3)がラベル用媒体Mに対して打ち抜き加工を行うことで、該打ち抜き加工に伴い多量の紙粉などの発生物が発生する。特に、ラベル用媒体Mに対する打ち抜き加工により発生する発生物は、ラベルの粘着層を含むことが想定される。この場合に、発生物は、よりラベル用媒体M上に残留しやすい。印刷装置2においては、印刷位置の頭出しのために、ラベル用媒体Mを逆搬送する制御が行われることが有り、残留した発生物が飛散する虞がある。
そこで、ラベル処理装置1は、複数のヘッド8による打ち抜き加工で発生した発生物が飛散することを抑制する構成として、ダクトカバー7を備える。そして、ラベル処理装置1は、ダクトカバー7の内部における発生物をラベル処理装置1の外部に排出する排出機構25を備える。
ラベル処理装置1の要部である排出機構25についての詳細は後述する。
【0047】
次に、ラベル処理装置1の要部であるヘッド8について説明する。
ここで、
図3は、ヘッド8に形成されるワイヤードットヘッド12の概略図である。
【0048】
図3で表されるように、ワイヤードットヘッド12は、複数本のワイヤーピン10を備える。各ワイヤーピン10は、支持部5の一部である搬送路面13に対して垂直に延びる。各ワイヤーピン10は、その軸線方向から見た場合の輪郭形状が矩形である。
【0049】
また、ワイヤードットヘッド12は、各ワイヤーピン10を搬送路面13に接近する方向および離間する方向に進退させるワイヤーピン移動機構15を備える。ワイヤーピン10が搬送路面13から離間する方向(上方)に後退した後退位置10Aに移動すると、各ワイヤーピン10の先端はワイヤードットヘッド12のヘッド面14より上方に位置する。ワイヤーピン10が搬送路面13に接近する方向(下方)に前進した前進位置10Bに移動すると、ワイヤーピン10の先端は、ヘッド面14よりも下方に突出する。
【0050】
ラベル打ち抜き装置3は、ワイヤーピン移動機構15を駆動して前進させるワイヤーピン10を搬送路面13上のラベル用媒体Mに打ち付けて、ラベル用媒体Mを打ち抜く。
【0051】
ワイヤーピン移動機構15は、ワイヤーピン10の上方(後)端部分においてワイヤーピン10に接続された金属製の駆動板16と、ワイヤーピン10又は駆動板16を搬送路面13から離間する方向へ付勢するコイルバネなどの付勢部材19と、付勢部材19の付勢力に抗してワイヤーピン10を搬送路面13に接近する方向に移動させるアクチュエーター17と、を備える。駆動板16は上下方向に揺動可能に支持される。アクチュエーター17は、駆動コイル18を備える電磁式のものである。アクチュエーター17は、駆動コイル18への給電により駆動板16を吸引してワイヤーピン10を後退位置10Aから前進位置10Bに移動させる。駆動コイル18への給電が停止してアクチュエーター17による駆動板16の吸引が停止すると、ワイヤーピン10は付勢部材19の付勢力によって、後退位置10Aに移動する。アクチュエーター17としては、ソレノイドなどが用いられる。
【0052】
次に、ラベル処理装置1の要部である排出機構25について説明する。
ここで、
図4は、ラベル処理装置1の要部である排出機構25を備えるラベル打ち抜き装置3の概略斜視図である。なお、
図4においてはダクトカバー7の内部の構成などが分かりやすいように、ダクトカバー7は一部省略されて表されている。
また、
図5は、ラベル処理装置1の要部である排出機構25の概略斜視図である。なお、
図5においては、第1壁部材20及び第2壁部材21について、一部を除き省略して表されている。
【0053】
本実施例の排出機構25は、ヘッド8によってラベル用媒体Mを打ち抜く際に発生する紙粉などの発生物を除去する(ラベル処理装置1の外部に移動させる)機構である。そして、本実施例の排出機構25は、
図4及び
図5で表されるように、第1面7a、第2面7b及び第3面7cとでヘッド8を覆うダクトカバー7と、ダクトカバー7の内部である送風領域Sに気流を発生させる送風部としてのファン11と、ラベル打ち抜き装置3の第1壁部材20に形成された第1連通孔22と、ラベル打ち抜き装置3の第2壁部材21に形成された第2連通孔23と、を有する。
図5で表されるように、ファン11は、第2壁部材21側から第1壁部材20側に向かう方向Cの気流を発生させる。これにより、第2連通孔23から空気が取りこまれ、第1連通孔22を介してラベル処理装置1の外部に発生物と共に空気が排出(排気)される。
【0054】
別の表現で説明すると、ラベル処理装置1は、搬送路面13を搬送されるラベル用媒体Mに対してワイヤーピン10を進退させ、ラベル用媒体Mを加工するヘッド8を備える。また、ラベル処理装置1は、ラベル用媒体Mが搬送される搬送方向Aと交差する幅方向Bにおいて搬送路面13より第1方向側(本実施例では正面視で右側)に位置し、外部と連通する第1連通孔22を有する、第1壁部材20と、搬送路面13より第1方向側と逆の第2方向側(本実施例では正面視で左側)に位置する、第2壁部材21と、を備える。そして、ラベル処理装置1は、第1壁部材20と第2壁部材21とに接続し、搬送路面13に交差する方向(本実施例では鉛直上方向)に延伸する、第1面7aを有するダクトカバー7と、搬送方向Aにおいて、第1面7aよりヘッド8側の領域である送風領域Sに送風し、第1連通孔22を介して外部へ排気させるファン11と、を備える。
このように、ラベル処理装置1は、ラベルを打ち抜く際にラベル用媒体Mから発生する発生物を、ダクトカバー7(第1面7a)により、第1面7aの反対側(印刷装置2が形成される側)に飛散させることを抑制しつつ、第1連通孔22を介してラベル処理装置1の外部へ排出することができる。したがって、ラベル処理装置1は、ラベルを打ち抜く際にラベル用媒体Mから発生する発生物の飛散を抑制することができる。
【0055】
また、本実施例のダクトカバー7は、第1壁部材20と第2壁部材21とに接続し搬送路面13に交差する方向に延伸する第2面7bと、第1面7aと第2面7bとを繋ぐカバー部としての第3面7cと、を有する。そして、ヘッド8及び送風領域Sは、第1面7a、第2面7b及び第3面7cで構成されたダクトカバー7の内部に位置する。
すなわち、ラベル処理装置1においては、ラベル用媒体Mから発生する発生物の発生源であるヘッド8と、該発生物の移動経路である送風領域Sは、第1面7a、第2面7b及び第3面7cで構成されたダクトカバー7の内部にある。このため、ラベル処理装置1は、特に効果的に、ラベルを打ち抜く際にラベル用媒体Mから発生する発生物の飛散を抑制することができる。
【0056】
また、
図1及び
図2で表されるように、ラベル処理装置1は、ラベル打ち抜き装置3よりも搬送方向Aにおける上流側に印刷装置2を備える。すなわち、ラベル処理装置1は、搬送方向Aにおいて第1面7aに対して、ヘッド8が位置する側とは逆側にインクジェットヘッド24を有する。そして、
図5で表されるように、ダクトカバー7における搬送路面13と第1面7aとの隙間L1は、ダクトカバー7における搬送路面13と第2面7bとの隙間L2よりも狭い。
このように、ラベル処理装置1は、印刷処理とラベル処理とをまとめて行うことができる。
また、ダクトカバー7のうち、インクジェットヘッド24側に位置する第1面7a側の隙間L1は、インクジェットヘッド24側の逆側に位置する第2面7b側の隙間L2よりも狭い。別の表現をすると、ダクトカバー7に覆われる送風領域Sから漏れ得る気体流量は、インクジェットヘッド24側の逆側よりもインクジェットヘッド24側のほうが少ない。印刷処理のために設けられるインクジェットヘッド24は、紙粉などの発生物が付着すると印刷不良を発生するなど悪影響を受けやすい。ラベル処理装置1は、ダクトカバー7から空気がインクジェットヘッド24側に漏れる量を低減させ、したがって、漏れる空気により飛散する発生物がインクジェットヘッド24に付着する虞を低減する。
なお、ラベル処理装置1は、送風領域Sから漏れ得る気体流量がインクジェットヘッド24側の逆側よりもインクジェットヘッド24側のほうが小さくなる構成として、隙間L1が隙間L2より小さい構成を有するが、このような構成に限定されない。例えば、インクジェットヘッド24側である第1面7a側の隙間L1に、気体の漏れを抑制するための毛状部材(フラップ構造にしてもよい)が設けられる構成でもよい。また、第1面7a側の隙間L1及び第2面7b側の隙間L2の両方に毛状部材が設けられ、隙間L1側の毛の配置密度が隙間L2側の毛の配置密度よりも高い構成でもよい。これらの構成によれば、隙間L1側と隙間L2側との密度差により、気体流量に差が生じ、隙間L1側の空気流量が低減される。
【0057】
また、ラベル処理装置1は、第2壁部材21に設けられ外部と連通する第2連通孔23を備える。そして、ファン11は、搬送路面13より第2方向側(本実施例では正面視で左側)に位置し、第2連通孔23より外気が採り入れられ、第1連通孔22を介して外部へ排気される構成である。このため、ラベル処理装置1は、発生物を一方(第1連通孔22側)に集めることができ、ラベル処理装置1の外部に排出される発生物の回収を容易にする。
【0058】
[実施例2](
図6)
次に、実施例2のラベル処理装置1について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図6は本実施例のラベル処理装置1の要部である排出機構25の概略斜視図であり、実施例1のラベル処理装置1の
図5に対応する図である。なお、上記実施例1と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例のラベル処理装置1は、排出機構25以外の構成は、実施例1のラベル処理装置1と同様の構成である。
【0059】
図6で表されるように、本実施例のラベル処理装置1は、実施例1のラベル処理装置1と同様に第1壁部材20に設けられ外部と連通する第1連通孔22と第2壁部材21に設けられ外部と連通する第2連通孔23とを備えているほか、第3面7cに設けられ外部と連通する第3連通孔26を備える。第3連通孔26は、幅方向Bにおいて第1壁部材20と第2壁部材21との間に位置する。そして、ファン11は、第3連通孔26より外気を採り入れ、方向Dに気流を発生させる。これにより、ラベル処理装置1は、第1連通孔22及び第2連通孔23を介してラベル処理装置1の外部へ排気させる。
ラベル処理装置1は、効果的に発生物をラベル処理装置1の外部へ排出する。すなわち、送風領域Sが広い場合においても、ラベル処理装置1は、効果的に発生物をラベル処理装置1の外部へ排出することができる。
【0060】
[実施例3](
図7)
次に、実施例3のラベル処理装置1について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図7は本実施例のラベル処理装置1の要部である排出機構25の概略斜視図であり、実施例1のラベル処理装置1の
図5に対応する図である。なお、上記実施例1と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例のラベル処理装置1は、排出機構25に送風物収容部9をさらに備えること以外は、実施例1のラベル処理装置1と同様の構成である。
【0061】
図7で表されるように、本実施例のラベル処理装置1は、実施例1のラベル処理装置1に対して、外部へ排気された送風物を収容する送風物収容部9を備える。このため、ラベル処理装置1の外部へ排出された発生物の回収が容易に行われる。
【0062】
ここで、本実施例の送風物収容部9は、ラベル打ち抜き装置3(第1壁部材20)に対して着脱可能な構成である。別の表現をすると、送風物収容部9は、ラベル処理装置1に対して着脱可能である。このため、ラベル処理装置1は、ユーザーが送風物収容部9に溜まった発生物を簡単に廃棄することができる構成である。
なお、ラベル処理装置1に対して着脱可能な構成として、本実施例のように送風物収容部9の全体が着脱可能な構成のほか、送風物収容部9の一部が着脱可能な構成であってもよく、すなわち、送風物収容部9の少なくとも一部が着脱可能な構成でもよい。
【0063】
[実施例4](
図8〜
図12)
次に、実施例4のラベル処理装置1について、添付図面を参照して詳細に説明する。
ラベル処理装置1は、幅方向Bに走査するヘッド8を備える構成であってもよい。この場合に、ヘッド8の走査に伴って、搬送路面13の表面に摺接して移動する摺接部(接触部)が設けられる。したがって、搬送路面13の表面にラベル用媒体Mがあるとき、接触部は、ヘッド8の走査に伴って、ラベル用媒体Mに接触して移動する。この構成によれば、接触部とファン11とにより、より効果的に発生物の飛散を低減できる。
なお、以降の記載においては、実施例4に関する技術が理解し易いように、幅方向Bに走査するヘッド8に関する技術について説明し、実施例1〜実施例3で説明したファン11に関する説明は省略する。
【0064】
図8及び
図9は本実施例に係るラベル処理装置1の概略斜視図であり、このうち
図8はラベル用媒体Mがセットされていない状態を表しており、
図9は幅L71のラベル用媒体Mがセットされている状態を表している。なお、
図8に示すように、支持部5の一部には、搬送されるラベル用媒体Mが浮き上がることを抑制するための吸引孔5aが形成される。
【0065】
本実施例に係るラベル処理装置1のラベル打ち抜き装置3は、搬送されるラベル用媒体Mに対してワイヤーピン10(
図3参照)を進退させ、ラベル用媒体Mを加工するヘッド8が設けられたキャリッジ77を備える。そして、キャリッジ77は、搬送方向Aと交差する幅方向Bに往復移動(往復走査)可能である。
【0066】
ラベル打ち抜き装置3は、キャリッジ77を幅方向Bに往復移動させながら、搬送されるラベル用媒体Mに対してワイヤーピン10を進退させて打ち抜き加工することが可能である。そして、ラベル打ち抜き装置3は、所定量(インクジェットヘッド24による印刷における1パス分に対応する量)ラベル用媒体Mを搬送方向Aに搬送させることと、ラベル用媒体Mが停止した状態でキャリッジ77を幅方向Bに移動させながらヘッド8を制御してラベル用媒体Mに対して打ち抜き加工させることと、を繰り返す。これにより、ラベル打ち抜き装置3は、ラベル用媒体Mを所望の形状に打ち抜き加工する。
【0067】
なお、ラベル処理装置1は、上記のようにラベル用媒体Mを間欠搬送させる構成であり、間欠搬送に伴うラベル用媒体Mの1回の搬送量とそのタイミングとが、印刷装置2とラベル打ち抜き装置3とで整合する。しかしながら、このような構成に限定されず、間欠搬送に伴うラベル用媒体Mの1回の搬送量とそのタイミングとが、印刷装置2とラベル打ち抜き装置3との間で異なってもよい。例えば、印刷装置2がキャリッジ6を複数回、走査させることに対して、ラベル打ち抜き装置3がキャリッジ77を1回走査させる構成であってもよい。また、キャリッジ6の走査タイミング及びキャリッジ77の走査タイミングが全く異なり、ローラー4により搬送されるラベル用媒体Mが、キャリッジ6の走査タイミング及びキャリッジ77の走査タイミングの何れにおいても停止される構成などでもよい。さらには、印刷装置2がラインプリンターであり、キャリッジ77が走査されるタイミング(搬送されるラベル用媒体Mが停止されるタイミング)で、インクジェットヘッド24からのインクの吐出が停止される構成でもよい。このほかにも、ラベル処理装置1は、印刷装置2とラベル打ち抜き装置3との間で、ラベル用媒体Mに一定の弛みを設け、印刷装置2におけるラベル用媒体Mの搬送と、ラベル打ち抜き装置3におけるラベル用媒体Mの搬送と、を別に制御する構成でもよい。
【0068】
キャリッジ77には、キャリッジ77が走査するときにラベル用媒体Mに接触する(キャリッジ77の走査に伴ってラベル用媒体M上の発生物を集める)接触部としてのブラシ711(
図10参照)が設けられる。そして、キャリッジ77の走査に伴い該ブラシ711により集められた紙粉などの発生物を収容することが可能な収集物収容部79が、ラベル打ち抜き装置3の幅方向Bにおける端部に形成される。
ラベル処理装置1の要部であるキャリッジ77及び収集物収容部79についての詳細は後述する。
【0069】
次に、ラベル処理装置1の要部であるキャリッジ77について説明する。
ここで、キャリッジ77に備えられるヘッド8は、
図3において説明した構成および機能を有する。
また、
図10は、キャリッジ77の概略正面図である。
【0070】
図10で表されるように、キャリッジ77は、搬送路面13側の下面721の幅方向Bにおける両端部側に、該キャリッジ77が幅方向Bに走査するときにラベル用媒体Mに接触するブラシ711を有する。また、キャリッジ77は、キャリッジ77の幅方向Bにおける両端部に、ガイド部720を有する。ガイド部720により、該キャリッジ77の往復走査に伴いラベル用媒体Mが該キャリッジ77に引っ掛かることが抑制される。
【0071】
次に、ラベル処理装置1の要部である収集物収容部79についてキャリッジ77との関係の観点から説明する。
ここで、
図11は、ラベル打ち抜き装置3に2つ形成される収集物収容部79のうちの一方の収集物収容部79aの形成領域を表す概略正面図である。
また、
図12は、
図11で表される収集物収容部79の形成領域の概略斜視図である。
【0072】
ラベル打ち抜き装置3は、
図8及び
図9で表されるように、収集物収容部79として、ラベル用媒体Mが搬送される領域より幅方向Bの一方側(正面視で右側)に形成される収集物収容部79aと、ラベル用媒体Mが搬送される領域より幅方向Bの他方側(正面視で左側)に形成される収集物収容部79bと、を有する。すなわち、ラベル用媒体Mは、幅方向Bにおいて、収集物収容部79aと収集物収容部79bとの間を搬送される。そして、キャリッジ77には、
図10及び
図11で表されるように、ブラシ711として、幅方向Bの他方側(正面視で左側)に位置するブラシ711aと、前記ブラシ711aより幅方向Bの一方側(正面視で右側)に位置するブラシ711bと、が形成される。
【0073】
ここで、キャリッジ77は、ラベル打ち抜き装置3の幅方向Bにおける全幅に亘り往復走査する。このとき、キャリッジ77は、少なくとも、ブラシ711aが収集物収容部79aに対向する位置とブラシ711bが収集物収容部79bに対向する位置との間を走査する。したがって、キャリッジ77の往復走査において、キャリッジ77が幅方向Bのうちの収集物収容部79b側から収集物収容部79a側に移動する際、収集物収容部79aには、当該移動において前方側のブラシ711bで集められた紙粉などの発生物が入れられるとともに、当該移動において後方側のブラシ711aで集められた発生物も入れられる。同様に、キャリッジ77の往復走査において、キャリッジ77が幅方向Bのうちの収集物収容部79a側から収集物収容部79b側に移動する際、収集物収容部79bには、当該移動において前方側のブラシ711aで集められた発生物が入れられるとともに、当該移動において後方側のブラシ711bで集められた発生物も入れられる。したがって、ラベル打ち抜き装置3は、キャリッジ77の1回の走査で2カ所のブラシ711により効果的に紙粉などの発生物を回収可能な構成となっている。
【0074】
また、
図11及び
図12で表されるように、収集物収容部79には、搬送方向Aに沿う出し入れ方向Cに移動可能な引き出し部722が形成される。ラベル処理装置1を使用するユーザーは、引き出し部722を引き出して該引き出し部722を取り出すことにより、簡単に、収集物収容部79(引き出し部722)に溜まった発生物を廃棄できる。
【0075】
まとめると、ラベル処理装置1は、搬送されるラベル用媒体Mに対してワイヤーピン10を進退させ、ラベル用媒体Mを加工するヘッド8と、ヘッド8を有しラベル用媒体Mの搬送方向Aと交差する幅方向Bに走査するキャリッジ77と、キャリッジ77に設けられ、キャリッジ77が幅方向Bに走査するときにラベル用媒体Mに接触するブラシ711と、キャリッジ77の走査に伴いブラシ711がラベル用媒体Mと接触することにより収集した収集物(紙粉などの発生物)を収容する収集物収容部79と、を備えている。そして、ブラシ711は、キャリッジ77の走査に対応して、ラベル用媒体Mの幅方向Bの一方側の端部(第1端部)から他方側の端部(第2端部)を越えて収集物収容部79まで(ラベル用媒体Mの全幅に亘り)移動する構成である。このように、ラベル処理装置1は、幅方向Bに走査するキャリッジ77に該キャリッジ77の走査に伴いラベル用媒体Mに接触する接触部(ブラシ711)が設けられるとともに、該接触部がラベル用媒体Mと接触することにより収集した収集物を収容する収集物収容部79を備えている。このため、ラベルを打ち抜く際にラベル用媒体Mから発生する発生物が、接触部(ブラシ711)にただ集められるだけでなく、収集物収容部79に収容される構成であるので、該発生物の飛散を抑制することができる。
【0076】
また、ラベル処理装置1は、印刷装置2を備える。すなわち、ラベル処理装置1は、インクジェットヘッド24をさらに備えるので、印刷処理とラベル処理とをまとめて行うことができる。このように、ラベル処理装置1は、インクジェットヘッド24とワイヤーピン10を進退させてラベル用媒体Mを加工するヘッド8とが組み合わせて用いられることが可能な構成であり、デジタル印刷及びデジタル加工が可能であり、特に精度の高いラベルを形成できる。なお、インクジェットヘッド24は紙粉などの発生物が付着すると印刷不良を発生するなど悪影響を受けやすいが、上記のような構成であるため、ラベル処理装置1は、インクジェットヘッド24に発生物が付着することが抑制される。
【0077】
また、収集物収容部79は、
図8及び
図9で表されるように幅方向Bにおいてラベル用媒体Mが搬送される搬送領域から外れた位置に設けられ、
図12で表されるようにラベル処理装置1に対してその一部である引き出し部722が着脱可能である。このため、ラベル処理装置1は、搬送領域に発生物が至る虞を低減できる。また、ラベル処理装置1を使用するユーザーが、収集物収容部79に溜まった発生物を簡単に廃棄することができる。
なお、ラベル処理装置1に対して着脱可能な構成は、本実施例のように収集物収容部79の一部が着脱可能な構成のほか、収集物収容部79の全体が着脱可能な構成であってもよい。
【0078】
また、上記のように、収集物収容部79aとブラシ711a並びに収集物収容部79bとブラシ711bは夫々対応しており、キャリッジ77の往復走査において後方側のブラシ711で集められた発生物が収集物収容部79に入れられる。すなわち、ブラシ711は、少なくとも幅方向Bにおけるヘッド8から見て収集物収容部79が位置する側と逆側(キャリッジ77の走査における後方側)で、ラベル用媒体Mに接触する構成である。このような構成により、ラベル処理装置1は、キャリッジ77の走査に伴い、該走査の方向におけるヘッド8の後方側でブラシ711は発生物を集めることができる。したがって、ヘッド8がラベルを打ち抜く際にラベル用媒体Mから発生する発生物を効率的に集めることができる構成である。
【0079】
また、キャリッジ77は、ラベル打ち抜き装置3における幅方向Bの全幅に亘り往復走査可能な構成である。このような構成によれば、キャリッジ77が収集物収容部79a側の端部に有るときはブラシ711aが収集物収容部79aに発生物を入れることが可能な位置に位置し、キャリッジ77が収集物収容部79b側の端部に有るときはブラシ711bが収集物収容部79bに発生物を入れることが可能な位置に位置する。別の表現をすると、キャリッジ77は、少なくともブラシ711が一方側の端部に位置する(例えばブラシ711aが収集物収容部79b側の端部に位置する)第1キャリッジ位置と、ブラシ711が収集物収容部79による収容位置(例えばブラシ711aが収集物収容部79aに発生物を入れることが可能な位置)に位置する第2キャリッジ位置との間を走査する。このため、ラベル処理装置1は、キャリッジ77の走査により(キャリッジ77の走査に加えてキャリッジ77に対するブラシ711のさらなる移動等を伴わせることなく)、ブラシ711が集めた発生物を収集物収容部79に収容することができる構成になっている。
ただし、ラベル処理装置1は、このような構成に限定されず、キャリッジ77の走査に加えてキャリッジ77に対するブラシ711のさらなる移動等を伴わせる構成としてもよい。
なお、第1キャリッジ位置と第2キャリッジ位置との関係は上記と逆(ブラシ711aが収集物収容部79a側の端部に位置する第1キャリッジ位置、ブラシ711aが収集物収容部79bに発生物を入れることが可能な位置である第2キャリッジ位置)であっても構わない。
【0080】
また、上記のように、ラベル処理装置1における接触部は、ブラシ711である。このため、簡単に接触部を構成できるとともに簡単にキャリッジ77に取り付けられる。
ただし、接触部はブラシ711以外で構成されてもよい。
【0081】
[実施例5](
図13)
次に、実施例5のラベル処理装置1について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図13は、本実施例のラベル処理装置1の要部であるキャリッジ77を表す概略正面図であり、実施例4のラベル処理装置1の
図10に対応する図である。なお、上記実施例4と共通する構成部材は、同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例のラベル処理装置1は、キャリッジ77に形成される接触部以外の構成は、実施例4のラベル処理装置1と同様の構成である。
【0082】
図13で表されるように、本実施例の接触部は、ローラー部材723である。このため、キャリッジ77を走査する際の負荷の上昇を低減することができる。
ここで、ローラー部材723のうちのローラー部材723aはブラシ711aと同様の位置に設けられ、ローラー部材723のうちのローラー部材723bはブラシ711bと同様の位置に設けられる。すなわち、収集物収容部79aとローラー部材723a、並びに、収集物収容部79bとローラー部材723bは、夫々対応する。
なお、本実施例のラベル処理装置1は、実施例4のラベル処理装置1と同様の位置に収集物収容部79を備える構成であるが、例えば、ローラー部材723に吸引孔が設けられるとともにローラー部材723の内部に吸引機構が設けられる構成であってもよい。これによれば、ローラー部材723が、発生物を収容し、収集物収容部79を兼ねる。
【0083】
[実施例6](
図14)
次に、実施例6のラベル処理装置1について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図14は、本実施例のラベル処理装置1を表す概略斜視図であり、実施例4のラベル処理装置1の
図8に対応する図である。なお、上記実施例4と共通する構成部材は、同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例のラベル処理装置1は、収集物収容部79の構成以外は、実施例4のラベル処理装置1と同様の構成である。
【0084】
実施例4のラベル処理装置1は、幅L71のラベル用媒体Mを使用することを前提としたものであった。このため、
図9で表されるように、幅L71のラベル用媒体Mをセットした際に該ラベル用媒体Mの幅方向Bにおける両端部の外側に収集物収容部79(収集物収容部79a及び収集物収容部79b)が位置する構成となっていた。
一方、本実施例のラベル処理装置1は、幅L71のラベル用媒体Mのほか幅L72のラベル用媒体Mを使用することが可能な構成である。このため、
図14で表されるように、幅L72のラベル用媒体Mをセットした際においても該ラベル用媒体Mの幅方向Bにおける両端部の外側に収集物収容部79(収集物収容部79a及び収集物収容部79c)が位置する構成である。
【0085】
なお、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることは言うまでもない。
例えば、実施例4のラベル処理装置1は収集物収容部79を2つ、実施例6のラベル処理装置1は収集物収容部79を3つ備えているが、収集物収容部79を1つ備える構成でもよいし、収集物収容部79を4つ以上備える構成でもよい。また、送風物収容部9と収集物収容部79とが兼用される構成でもよい。また、実施例4〜6のラベル処理装置1は、何れも、接触部(ブラシ711及びローラー部材723)を2つ備えているが、接触部を1つ備える構成でもよいし、接触部を3つ以上備える構成でもよい。また、接触部として、例えば、ブラシ711とローラー部材723との両方を備えるなど、異なる種類のものを備えていてもよい。