特許第6787421号(P6787421)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6787421
(24)【登録日】2020年11月2日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】空気処理装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/59 20060101AFI20201109BHJP
   G01N 21/27 20060101ALI20201109BHJP
   G01N 21/05 20060101ALI20201109BHJP
   F24F 11/30 20180101ALI20201109BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20201109BHJP
   F24F 13/22 20060101ALI20201109BHJP
【FI】
   G01N21/59 Z
   G01N21/27 A
   G01N21/05
   F24F11/30
   F24F11/89
   F24F1/0007 361D
   F24F1/0007 361F
【請求項の数】11
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2019-33327(P2019-33327)
(22)【出願日】2019年2月26日
(65)【公開番号】特開2020-139759(P2020-139759A)
(43)【公開日】2020年9月3日
【審査請求日】2019年12月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北川 慧太
(72)【発明者】
【氏名】野内 義照
(72)【発明者】
【氏名】西村 政弥
(72)【発明者】
【氏名】半田 陽一
【審査官】 瀧本 絢奈
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−046864(JP,A)
【文献】 特開2005−292066(JP,A)
【文献】 特開2007−255840(JP,A)
【文献】 特開2010−041120(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/017066(WO,A1)
【文献】 特開2015−172519(JP,A)
【文献】 特開2008−309449(JP,A)
【文献】 中国実用新案第206132640(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/00−13/32
F25C 1/00− 5/20
F25D 1/00−31/00
F28G 1/00−15/10
G01N 21/00−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング(20)と、該ケーシング(20)の内部に配置される撮像対象(50)と、該撮像対象(50)を撮像する撮像装置(70)とを備えた空気処理装置であって、
前記撮像対象(50)は、該撮像対象(50)の表面から可視光を発する発光部(E)を有し、
前記撮像装置(70)は、前記撮像対象(50)の少なくとも前記発光部(E)を撮像し、該発光部(E)を含む画像データを取得することを特徴とする空気処理装置。
【請求項2】
請求項1において、
光を発する第1光源(72)を備え、
前記発光部(E)は、前記第1光源(72)から発せられる光を蓄える蓄光材料を含む蓄光部(75)であることを特徴とする空気処理装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記撮像装置(70)は、前記第1光源(72)が消灯状態であるときに、可視光を発する前記蓄光部(75)を撮像する第1動作を行うことを特徴とする空気処理装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記撮像装置(70)は、前記第1光源(72)が発光状態であるときに、前記撮像対象(50)を撮像する第2動作を行うことを特徴とする空気処理装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記撮像装置(70)は、前記第2動作の後、前記第1動作を行うことを特徴とする空気処理装置。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか1つにおいて、
前記第1光源(72)は、前記撮像装置(70)に設けられることを特徴とする空気処理装置。
【請求項7】
請求項1において、
前記発光部(E)の裏側に配置され、可視光を発する第2光源(73)を備え、
前記発光部(E)は、前記第2光源(73)から発せられる可視光を透過させることで、表面から可視光を発する透光部(76)であることを特徴とする空気処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1つにおいて、
前記撮像対象(50)は、水を受けるトレー(50)であることを特徴とする空気処理装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記発光部(E)は、前記トレー(50)の少なくとも底面(51a)に形成されることを特徴とする空気処理装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記トレー(50)内の水を汲み上げる吸込部(61)を有するポンプ(60)を備え、
前記発光部(E)は、前記底面(51a)のうち少なくとも前記吸込部(61)の下方に位置する部分(53a)に形成されることを特徴とする空気処理装置。
【請求項11】
請求項9又は10において、
前記発光部(E)は、前記トレー(50)の底面(51a)のうち最も低い部分(53a)に形成されることを特徴とする空気処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、空気調和装置の内部の撮像対象を撮像する内部観察装置が開示されている。内部観察装置は、例えばドレンパンを撮像対象として撮像する。サービス業者等は、撮像した画像データに基づき撮像対象の汚れの状態を観察する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−255840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示のように撮像装置で撮像した画像データでは、撮像対象の汚れの状態を特定し難いことがあった。
【0005】
本開示の目的は、撮像対象で撮像した画像データ中の汚れの状態を特定し易くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、ケーシング(20)と、該ケーシング(20)の内部に配置される撮像対象(50)と、該撮像対象(50)を撮像する撮像装置(70)とを備えた空気処理装置であって、前記撮像対象(50)は、該撮像対象(50)の表面から可視光を発する発光部(E)を有し、前記撮像装置(70)は、前記撮像対象(50)の少なくとも前記発光部(E)を撮像し、該発光部(E)を含む画像データを取得することを特徴とする空気処理装置である。
【0007】
第1の態様では、撮像対象の発光部(E)により、撮像対象(50)の表面から可視光が発する。撮像装置(70)は、この状態で発光部(E)を含む画像データを取得する。画像データでは、汚れの存在に起因して撮像装置(70)への可視光が遮られる部分と、汚れが少なく撮像装置(70)への可視光が遮られない部分とで差異が生じる。この差異を考慮することで、画像データ中の汚れの状態を特定し易くなる。
【0008】
第2の態様は、第1の態様において、光を発する第1光源(72)を備え、前記発光部(E)は、前記第1光源(72)から発せられる光を蓄える蓄光材料を含む該蓄光部(75)であることを特徴とする空気処理装置である。
【0009】
第2の態様では、第1光源(72)から蓄光部(75)に光が発せられると、蓄光部(75)がこの光を蓄える。蓄光部(75)は、蓄えた光を可視光として発する。撮像装置(70)により、可視光を発する蓄光部(75)を撮像することで、上記のように画像データ中の汚れの状態を特定できる。
【0010】
第3の態様は、第2の態様において、前記撮像装置(70)は、前記第1光源(72)が消灯状態であるときに、可視光を発する前記蓄光部(75)を撮像する第1動作を行うことを特徴とする空気処理装置である。
【0011】
第3の態様では、第1光源(72)が消灯することで、撮像対象(50)の周囲が暗くなり、蓄光部(75)から発する可視光が際立つ。第1動作では、この状態で撮像対象(50)の画像データが取得される。画像データ中では、汚れが付着している部分と付着していない部分との間で、発光色の差異が顕著となる。
【0012】
第4の態様は、第3の態様において、前記撮像装置(70
)は、前記第1光源(72)が発光状態であるときに、前記撮像対象(50)を撮像する第2動作を行うことを特徴とする空気処理装置である。
【0013】
第4の態様では、第2動作において、第1光源(72)が発光状態であるときに、撮像対象(50)が撮像される。第2動作では、撮像対象(50)の周囲が明るい状態での画像データを取得できる。
【0014】
第5の態様は、第4の態様において、前記撮像装置(70)は、前記第2動作の後、前記第1動作を行うことを特徴とする空気処理装置である。
【0015】
第5の態様では、第2動作、第1動作が順に行われる。第2動作では、第1光源(72)が発光し撮像対象(50)が明るい状態で撮像が行われる。同時に第2動作では、第1光源(72)の光が蓄光部(75)に蓄えられる。その後の第1動作では、蓄光部(75)に蓄えられた光が可視光として発せられる。第1動作では、可視光を発する状態の蓄光部(75)が撮像される。
【0016】
第6の態様は、第2乃至5のいずれか1つの態様において、前記第1光源(72)は、前記撮像装置(70)に設けられることを特徴とする空気処理装置である。
【0017】
第6の態様では、第1光源(72)が撮像装置(70)に兼用される。
【0018】
第7の態様は、第1の態様において、前記発光部(E)の裏側に配置され、可視光を発する第2光源(73)を備え、前記発光部(E)は、前記第2光源(73)から発せられる可視光を透過させることで、表面から可視光を発する透光部(76)であることを特徴とする空気処理装置である。
【0019】
第7の態様では、透光部(76)の裏側にある第2光源(73)が可視光を発すると、この可視光が透光部(76)を透過する。これにより、透光部(76)ないし撮像対象(50)の表面から可視光が発せられる。撮像装置(70)は、この状態の撮像対象(50)を撮像する。
【0020】
第8の態様は、第1乃至第7のいずれか1つの態様において、前記撮像対象(50)は、水を受けるトレー(50)であることを特徴とする空気処理装置である。
【0021】
第8の態様では、トレー(50)の発光部(E)から可視光が発せられる。撮像装置(70)は、この状態の発光部(E)を含む画像データを取得する。この画像データに基づいて、トレー(50)の汚れの状態を特定できる。
【0022】
第9の態様は、第8の態様において、前記発光部(E)は、前記トレー(50)の少なくとも底面(51a)に形成されることを特徴とする空気処理装置である。
【0023】
トレー(50)の底面(51a)は、汚れが付着し易い。そこで第9の態様では、トレー(50)の底面(51a)に発光部(E)を形成し、底面(51a)を撮像する。
【0024】
第10の態様は、第9の態様において、前記トレー(50)内の水を汲み上げる吸込部(61)を有するポンプ(60)を備え、前記発光部(E)は、前記底面(51a)のうち少なくとも前記吸込部(61)の下方に位置する部分(53a)に形成されることを特徴とする空気処理装置である。
【0025】
吸込部(61)の下方に位置する部分(53a)が汚れると、ポンプ(60)の吸込部(61)が詰まり易くなる。そこで第10の態様では、トレー(50)の底面(51a)のうち吸込部(61)の下方に位置する部分(53a)に発光部(E)を形成する。撮像装置(70)は、この部分(53a)を撮像する。
【0026】
第11の態様は、第9又は第10の態様において、前記発光部(E)は、前記トレー(50)の底面(51a)のうち最も低い部分(53a)に形成されることを特徴とする空気処理装置である。
【0027】
トレー(50)の底面(51a)のうち最も低い部分(53a)は、汚れが付着し易い。そこで第11の態様では、この部分(53a)に発光部(E)を形成する。撮像装置(70)は、この部分(53a)を撮像する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、実施形態1に係る空気調和装置の内部構造を示す平面図である。
図2図2は、実施形態1に係る空気調和装置の正面図である。
図3図3は、実施形態1に係る空気調和装置の内部構造を示す縦断面図である。
図4図4は、実施形態1に係る空気調和装置の正面視における概略構成を示す斜視図である。
図5図5は、実施形態1に係る点検蓋の内側の構造を示す斜視図である。
図6図6は、実施形態1に係るドレンパンを拡大した概略の構成図である。
図7図7は、実施形態1に係る撮像システムの概略構成を示すブロック図である。
図8図8は、変形例1に係るドレンパンを拡大した概略の構成図である。
図9図9は、変形例2に係るドレンパンを拡大した概略の構成図である。
図10図10は、変形例3に係るドレンパンを拡大した概略の構成図である。
図11図11は、実施形態2に係る空気調和装置の内部構造を示す平面図である。
図12図12は、実施形態2に係る空気調和装置の内部構造を示す縦断面図である。
図13図13は、実施形態2に係る加湿器を拡大して模式的に表した斜視図である。
図14図14は、実施形態3に係る空気調和装置の内部構造を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0030】
《実施形態1》
実施形態1に係る空気処理装置は、室内の少なくとも温度を調節する空気調和装置(10)である。空気調和装置(10)は、室内空気(RA)の温度を調節し、温度を調節した空気を供給空気(SA)として室内へ供給する。空気調和装置(10)は、冷房運転と暖房運転とを行う。
【0031】
空気調和装置(10)は、室内ユニット(11)を備えている。室内ユニット(11)は、天井裏の空間に設置される。室内ユニット(11)は、冷媒配管を介して室外ユニット(図示省略)に接続される。この接続により、空気調和装置(10)には、冷媒回路が構成される。冷媒回路では、冷媒が循環することで蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。冷媒回路には、圧縮機、室外熱交換器、膨張弁、及び室内熱交換器(43)が接続される。冷媒回路では、第1冷凍サイクルと第2冷凍サイクルとが切り換えて行われる。第1冷凍サイクルは、冷房運転時に行われる。第1冷凍サイクルは、室外熱交換器を放熱器ないし凝縮器とし、室内熱交換器(43)を蒸発器とする冷房サイクルである。第2冷凍サイクルは、暖房運転時に行われる。第2冷凍サイクルは、室内熱交換器(43)を放熱器ないし凝縮器とし、室外熱交換器を蒸発器とする暖房サイクルである。
〈室内ユニットの構成〉
室内ユニット(11)の概略の構成について図1図4を参照しながら説明する。室内ユニット(11)は、ケーシング(20)とファン(40)と室内熱交換器(43)とドレンパン(50)とドレンポンプ(60)とを備えている。ケーシング(20)は、天井裏に設置される。ファン(40)、室内熱交換器(43)、ドレンパン(50)、及びドレンポンプ(60)は、ケーシング(20)の内部に配置される。
〈ケーシング〉
ケーシング(20)は、直方体の中空箱形に形成されている。ケーシング(20)は、天板(21)、底板(22)、前板(23)、後板(24)、第1側板(25)、及び第2側板(26)を含む。前板(23)及び後板(24)は、互いに対向する。第1側板(25)及び第2側板(26)は互いに対向する。
【0032】
前板(23)は、メンテナンス用空間(15)に面している。メンテナンス用空間(15)は、サービス業者等の作業用のスペースである。前板(23)には、点検口(27)が形成される。点検口(27)には、点検蓋(28)が着脱可能に取り付けられる。点検口(27)の内側には、ドレンパン(50)が配置される。点検口(27)とドレンパン(50)とは、前板(23)の厚さ方向視において重なる。サービス業者等は、点検口(27)を通じてドレンパン(50)を視認できる。
【0033】
点検蓋(28)の内面には、詳細は後述する撮像装置(70)が支持される。
【0034】
第1側板(25)には、吸込口(31)が形成される。吸込口(31)には、吸込ダクト(図示省略)が接続される。吸込ダクトの流入端は、室内空間に連通する。第2側板(26)には、吹出口(32)が形成される。吹出口(32)には、吹出ダクト(図示省略)が接続される。吹出ダクトの流出端は、室内空間に連通する。ケーシング(20)の内部には、吸込口(31)から吹出口(32)までの間に空気流路(33)が形成される。
【0035】
図2及び図4に示すように、前板(23)の下部には、開口(23a)が形成される。開口(23a)の内部には、詳細は後述するドレンパン(50)の点検窓(58a)が位置する。開口(23a)は、前面視において矩形状に形成される。開口(23a)は、ドレンパン(50)の点検窓(58a)をケーシング(20)の外部に露出させる。
【0036】
〈ファン〉
ファン(40)は、空気流路(33)における第1側板(25)寄りに配置される。本実施形態では、空気流路(33)に3台のファン(40)が配置される。各ファン(40)は、シロッコ型ファンで構成される。3台のファン(40)は、回転軸(41)によって連結される。3台のファン(40)は、1つのモータ(42)によって駆動される。
【0037】
〈室内熱交換器〉
室内熱交換器(43)は、空気流路(33)における第2側板(26)寄りに配置される。室内熱交換器(43)は、例えばフィンアンドチューブ式の熱交換器で構成される。本実施形態の室内熱交換器(43)は、斜め置きの配置となる(図3を参照)。第1冷凍サイクル中の室内熱交換器(43)は、空気を冷却する。この際、空気中の水分が結露し、凝縮水が発生する。第2冷凍サイクル中の室内熱交換器(43)は、空気を加熱する。
【0038】
〈ドレンパン〉
ドレンパン(50)の詳細について図1図3図4、及び図6を参照しながら説明する。ドレンパン(50)は、ケーシング(20)の内部の底板(22)に設置される。ドレンパン(50)は、空気流路(33)に配置される。ドレンパン(50)は、室内熱交換器(43)の下方に配置される。ドレンパン(50)は、水を受けるトレーを構成する。具体的には、ドレンパン(50)は、室内熱交換器(43)の近傍で発生した凝縮水を受ける。ドレンパン(50)は、底板部(51)と、第1側壁(56)と、第2側壁(57)と、第3側壁(58)とを少なくとも有する。
【0039】
底板部(51)は、ケーシング(20)の底板(22)に沿うように前後方向に延びている。底板部(51)の表面(図3における上面)には、室内熱交換器(43)に対向する底面(51a)が形成される。底面(51a)は、底板部(51)は、底板部本体(52)と、該底板部本体(52)から下方に凹む凹部(53)とを含む。底板部本体(52)の表面(図3における上面)には、第1底面(52a)が形成される。底面(51a)は、ドレンパン(50)内の水を凹部(53)へ案内するように構成される。具体的には、底面(51a)は、凹部(53)に水を送るように僅かに傾斜している。底面(51a)には、凹部(53)側に水を導くための溝(図示省略)が形成される。
【0040】
凹部(53)は、底板部(51)の前側寄りに位置している。凹部(53)は、底板部本体(52)の第1底面(52a)から下方に凹んでいる。凹部(53)は、ドレンポンプ(60)の下方に位置している。凹部(53)は、第2底面(53a)と、側面(53b)とを有する。第2底面(53a)は、ドレンポンプ(60)の吸込部(61)の下方に位置する。第2底面(53a)は、ドレンパン(50)の底面(51a)のうち最も低い部分である。側面(53b)は、ドレンポンプ(60)の吸込部(61)の周囲に形成される。
【0041】
ドレンパン(50)の底面(51a)は、上述した第1底面(52a)と第2底面(53a)とを含む。第2底面(53a)は、ドレンパン(50)の底面(51a)のうちドレンポンプ(60)の吸込部(61)の下方に位置する部分を構成する。第2底面(53a)の表面には、詳細は後述する蓄光部(75)が形成される。
【0042】
図3に示すように、第1側壁(56)は、室内熱交換器(43)の上流側に位置する。第2側壁(57)は、室内熱交換器(43)の下流側に位置する。第1側壁(56)と第2側壁(57)とは、互いに対向する。図1に示すように、第3側壁(58)は、ケーシング(20)の前板(23)の裏側に形成される。第3側壁(58)は、第1側壁(56)の前端と第2側壁(57)の前端とに亘るように側方に延びている。
【0043】
図3及び図6において仮想線で示すように、第3側壁(58)には、上述した点検窓(58a)が形成される。点検窓(58a)は、前面視において矩形状に形成される。点検窓(58a)は、透明ないし半透明の材料で構成される。点検窓(58a)の裏側には、ドレンパン(50)の凹部(53)が位置する。点検窓(58a)の裏側には、ドレンポンプ(60)が位置する。厳密には、点検窓(58a)の裏側には、ドレンポンプ(60)の吸込部(61)が位置する。点検窓(58a)は、ケーシング(20)の開口(23a)を通じて該ケーシング(20)の外部に露出される。ケーシング(20)の開口(23a)と、点検窓(58a)と、凹部(53)と、ドレンポンプ(60)の吸込部(61)とは、前板(23)の厚さ方向視において重なる。サービス業者等は、点検窓(58a)を通じてドレンパン(50)の凹部(53)の内部を視認できる。加えて、サービス業者等は、点検窓(58a)を通じてドレンポンプ(60)の吸込部(61)を視認できる。
【0044】
ドレンパン(50)は、カメラ(70)の撮像対象を構成する。ドレンパン(50)は、樹脂材料で構成される。ドレンパン(50)の少なくとも底面(51a)の色は、白、ベージュなどの比較的薄い色である。換言すると、ドレンパン(50)の少なくとも底面(51a)の色の明度は比較的高い。
【0045】
〈ドレンポンプ〉
ドレンポンプ(60)は、ドレンパン(50)の内部に配置される。ドレンポンプ(60)は、第3側壁(58)の裏側に配置される。ドレンポンプ(60)は、ドレンパン(50)内の水を排出するポンプを構成する。ドレンポンプ(60)の下部には、水を吸い込む吸込部(61)が設けられる。吸込部(61)は、吸込管で構成される。吸込部(61)の下端には、水が流入する吸水口(62)が形成される。吸水口(62)は、凹部(53)の第2底面(53a)に向かって開口する。
【0046】
ドレンポンプ(60)の上部には、排水管(63)が接続される。排水管(63)は、ドレンポンプ(60)の吐出側に連通する。排水管(63)は、ケーシング(20)の前板(23)の上部を該前板(23)の厚さ方向に貫通する。ドレンポンプ(60)が運転されると、ドレンパン(50)に溜まった水がドレンポンプ(60)の吸込部(61)に吸い込まれる。吸い込まれた水は、ドレンポンプ(60)から吐出される。吐出された水は、排水管(63)を経由してケーシング(20)の外部へ排出される。ドレンポンプ(60)は、ドレンパン(50)とともにカメラ(70)の撮像対象を構成する。
【0047】
〈電装品箱〉
図1に示すように、電装品箱(16)は、前板(23)のファン(40)寄りに配置される。電装品箱(16)の内部には、プリント基板(17)が収容される。プリント基板(17)には、電源回路、電子部品、及び制御回路が搭載される。プリント基板(17)は、詳細は後述する制御ユニット(80)を構成する。
【0048】
電装品箱(16)は、前側が開口する箱本体(16a)と、箱本体(16a)の開口面を開閉する電装品蓋(16b)とを含んでいる。電装品蓋(16b)は、前板(23)の一部を構成している。電装品蓋(16b)を取り外すことで、電装品箱(16)の内部がメンテナンス用空間(15)に露出される。
【0049】
〈ステー〉
図5に示すように、点検蓋(28)の内面には、ステー(65)が設けられる。ステー(65)は、点検蓋(28)に固定されるとともに、カメラ(70)が取り付けられる支持部材を構成する。ステー(65)の基端は、点検蓋(28)の内面に溶接される。ステー(65)の基端は、点検蓋(28)の内面に締結部材を介して締結されてもよい。ステー(65)の先端には、カメラ(70)が着脱可能に取り付けられる。点検口(27)に点検蓋(28)が取り付けられると、カメラ(70)の撮像方向が撮像対象を向く取り付け状態となる。
【0050】
〈カメラ〉
図5に示すように、カメラ(70)は、撮像対象を撮像する撮像装置を構成する。カメラ(70)は、撮像対象の画像データを取得する。カメラ(70)は、レンズ(71)と光源(72)とを有している。レンズ(71)は、超広角レンズで構成される。レンズ(71)は、広角式、あるいは魚眼式のレンズである。
【0051】
図6に模式的に示すように、取り付け状態のカメラ(70)のレンズ(71)は、ドレンパン(50)の内部を指向する。取り付け状態のカメラ(70)のレンズ(71)は、ドレンパン(50)の凹部(53)を指向する。厳密にいうと、取り付け状態のカメラ(70)は、凹部(53)の第2底面(53a)を指向する。
【0052】
カメラ(70)は、少なくともドレンパン(50)の蓄光部(75)を撮像する。加えて、カメラ(70)は、ドレンポンプ(60)の吸込部(61)を撮像する。カメラ(70)で取得された画像データ中には、蓄光部(75)、及びドレンポンプ(60)の吸込部(61)が含まれる。
【0053】
光源(72)は、撮像対象に向かって可視光を発する第1光源を構成する。光源(72)は、該光源(72)から発する可視光を蓄光部(75)に照射するように、その位置及び角度が設定される。光源(72)の発光時間の長さは任意に調節できる。
【0054】
〈蓄光部〉
ドレンパン(50)の底面(51a)には、可視光を発する発光部(E)が形成される。本実施形態の発光部(E)は、蓄光材料を含む蓄光部(75)で構成される。本例の蓄光部(75)は、ドレンパン(50)の底面(51a)のうち第2底面(53a)のみに形成される。蓄光部(75)は、ドレンポンプ(60)の吸込部(61)ないし吸水口(62)に対向する。
【0055】
蓄光部(75)は、蓄光材料を含む塗膜によって構成される。換言すると、蓄光部(75)は、第2底面(53a)の表面に形成された蓄光塗料によって構成される蓄光材料は、該蓄光材料に照射された光を蓄え、蓄えた光を発する性質を有する。具体的には、蓄光部(75)は、カメラ(70)の光源(72)から発せられる光を蓄える。蓄光部(75)は、蓄えた光に基づいて該蓄光部(75)の表面から外側に向かって可視光を発する。蓄光部(75)が発する可視光の色は比較的薄い色である。換言すると、蓄光部(75)の発光色の明度は比較的高い。蓄光部(75)の発光色は、ライトグリーン、ライトブルー、ライトイエローなどが好ましい。
【0056】
〈撮像システム〉
本実施形態に係る撮像システム(S)について、図7を参照しながら説明する。本実施形態に係る撮像システム(S)は、カメラ(70)と、制御ユニット(80)と、通信端末(90)とを含んでいる。上述したように、カメラ(70)は、空気調和装置(10)のケーシング(20)の内部に収容される。制御ユニット(80)は、電装品箱(16)の内部に収容される。カメラ(70)と制御ユニット(80)とは、ケーブルによって接続される。通信端末(90)は、空気調和装置(10)のサービス業者やユーザなどが所有する。制御ユニット(80)は、電装品箱(16)の外部に配置されてもよい。
【0057】
制御ユニット(80)は、電源部(81)、空調制御部(82)、撮像制御部(83)、光源制御部(84)、記憶部(85)、処理部(86)、及び通信部(87)を備えている。空調制御部(82)、撮像制御部(83)、及び処理部(86)は、マイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリディバイス(具体的には半導体メモリ)とを用いて構成されている。
【0058】
電源部(81)は、カメラ(70)の電源を構成している。電源部(81)は、ケーブルを介してカメラ(70)に電力を供給する。電源部(81)は、カメラ(70)以外の他の機器の電源を兼用してもよい。電源部(81)は、光源(72)の電源を兼用している。
【0059】
空調制御部(82)は、空気調和装置(10)のファン(40)、ドレンポンプ(60)などの各構成機器を制御する。空調制御部(82)は、空気調和装置(10)が冷房運転を開始すると、ドレンポンプ(60)を運転させる。空調制御部(82)は、冷房運転を停止するとドレンポンプ(60)を停止させる。冷房運転中には、基本的にはドレンポンプ(60)が運転状態となる。
【0060】
撮像制御部(83)は、カメラ(70)の撮像を制御する。具体的には、撮像制御部(83)は、カメラ(70)の撮像の少なくともタイミングを制御する。撮像制御部(83)は、所定のタイミングでカメラ(70)が撮像を行うように、電源部(81)の電力をカメラ(70)へ供給する。カメラ(70)に電力が供給されると、カメラ(70)が撮像対象を撮像する。
【0061】
なお、撮像制御部(83)は、カメラ(70)に撮像を実行させるためのON信号を出力するようにしてもよい。この場合、カメラ(70)にON信号が入力されると、カメラ(70)が撮像を実行する。カメラ(70)が撮像を実行すると、撮像対象の画像データが取得される。この画像データは、ケーブルを介して制御ユニット(80)に入力される。
【0062】
光源制御部(84)は、カメラ(70)の光源(72)を制御する。光源制御部(84)は、所定のタイミング及び長さで光源(72)を発光させるように光源(72)を制御する。
【0063】
記憶部(85)は、カメラ(70)で取得した画像データを記憶する記憶媒体で構成される。記憶部(85)には、処理部(86)で判定された判定結果も記憶される。
【0064】
処理部(86)は、記憶部(85)に記憶された複数の画像データに基づいて、ドレンパン(50)の汚れの度合い、汚れの箇所、汚れの種類などを判定するように構成される。この判定においては、AI(人工知能)のディープラーニングを利用してもよい。処理部(86)は、インターネット上のサーバに設けられてもよい。
【0065】
通信部(87)は、例えば無線によって通信端末(90)と接続される。通信部(87)は、携帯高速通信技術(LTE)を用いた通信回線を介して、通信端末(90)と接続される。これにより、制御ユニット(80)と通信端末(90)との間で信号の授受が可能となる。なお、通信部(87)は、無線LANを用いて通信端末(90)と接続する無線ルータであってもよい。通信部(87)は、インターネット上のサーバを介して通信端末(90)と接続されてもよい。
【0066】
記憶部(85)に記憶された複数の画像データ、及び処理部(86)の判定結果は、通信部(87)を介して通信端末(90)に送信される。
【0067】
通信端末(90)は、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、パーソナルコンピュータ等で構成される。通信端末(90)は、操作部(91)及び表示部(92)を有する。操作部(91)は、キーボードやタッチパネル等で構成される。サービス業者等は、操作部(91)を操作することで、所定のアプリケーションソフトを操作する。このアプリケーションを介して、カメラ(70)の撮像を実行させたり、取得した画像データを通信端末(90)にダウンロードしたりできる。
【0068】
表示部(92)は、例えば液晶モニタで構成される。表示部(92)には、カメラ(70)で撮像された画像データ、及び処理部(86)の判定結果が適宜表示される。作業者等は、表示部(92)に表示された情報に基づいて、ドレンパン(50)の汚れの状態を適宜把握できる。
【0069】
制御ユニット(80)は、第2動作と第1動作と順に、繰り返し行うようにカメラ(70)及び光源(72)を制御する。第2動作では、光源(72)が発光状態であるときにカメラ(70)が撮像を行う。第1動作では、光源(72)が消灯状態であるときにカメラ(70)が撮像を行う。第1動作は、第2動作の後に実行される。これらの動作の詳細は後述する。
【0070】
−運転動作−
実施形態1に係る空気調和装置(10)の基本的な運転動作を説明する。空気調和装置(10)は、冷房運転と暖房運転とを行う。
【0071】
冷房運転では、室外ユニットの圧縮機で圧縮された冷媒が、室外熱交換器で放熱(凝縮)し、膨張弁で減圧される。減圧された冷媒は、室内ユニット(11)の室内熱交換器(43)で蒸発し、圧縮機で再び圧縮される。
【0072】
ファン(40)が運転されると、室内空間の室内空気(RA)が吸込口(31)から空気流路(33)に吸い込まれる。空気流路(33)の空気は、室内熱交換器(43)を通過する。室内熱交換器(43)では、冷媒が空気から吸熱することでこの空気が冷却される。冷却された空気は、吹出口(32)を通過した後、供給空気(SA)として室内空間へ供給される。
【0073】
室内熱交換器(43)で空気が露点温度以下にまで冷却されると、空気中の水分が凝縮する。この凝縮水は、ドレンパン(50)に受け止められる。ドレンパン(50)で受け止められた凝縮水は、ドレンポンプ(60)によってケーシング(20)の外部へ排出される。
【0074】
暖房運転では、室外ユニットの圧縮機で圧縮された冷媒が、室内ユニット(11)の室内熱交換器(43)で放熱(凝縮)し、膨張弁で減圧される。減圧された冷媒は、室外ユニットの室外熱交換器で蒸発し、圧縮機で再び圧縮される。室内熱交換器(43)では、冷媒が空気に放熱し、該空気が加熱される。加熱された空気は、吹出口(32)を通過した後、供給空気(SA)として室内空間へ供給される。
【0075】
−撮像システムの動作−
撮像システム(S)では、所定のタイミング毎に撮像動作が行われる。1つの撮像動作は、連続的に実行される第2動作及び第1動作を含む。1つの撮像動作では、第2動作の直後に第1動作が実行される。以下には、第2動作、第1動作について順に説明する。
【0076】
〈第2動作〉
点検蓋(28)が点検口(27)に装着されると、カメラ(70)がドレンパン(50)の第2底面(53a)を指向する。光源(72)が消灯状態であるときには、ドレンパン(50)の周囲は暗いままである。第2動作では、光源制御部(84)によって光源(72)が発光するように制御される。光源(72)の光はドレンパン(50)の第2底面(53a)に照射される。同時に、第2動作では、撮像制御部(83)によってカメラ(70)が撮像を行うように制御される。第2動作では、光源(72)の発光状態において、カメラ(70)が画像データを取得する。第2動作では、光源(72)に照らされた状態のドレンパン(50)のカラーの画像データが取得される。よって、この画像データに基づいて、ドレンパン(50)の第2底面(53a)の汚れの状態を判断できる。具体的には、ドレンパン(50)の第2底面(53a)に付着した汚れの色や種類を判定できる。
【0077】
第2動作では、光源(72)から発する光によって蓄光部(75)の蓄光が行われる。具体的には、光源(72)から発する光が蓄光部(75)に照射されると、この光が蓄光部(75)の蓄光材料に蓄えられる。蓄光部(75)に十分な光を蓄えるために、第2動作では、光源(72)の発光時間ΔTを比較的長めに設定している。第2動作の光源(72)の発光時間ΔTは、例えば10秒程度に設定される。ΔTは、制御ユニット(80)において適宜変更できる。
【0078】
第2動作では、光源(72)から発する光が、ドレンパン(50)の底面(51a)において反射し、カメラ(70)で取得した画像データが不鮮明になることがある。特にドレンパン(50)内に水が存在すると、光源(72)から発する光が水面によって反射し、画像データが不鮮明になり易い。加えて、ドレンパン(50)の底面(51a)に付着する汚れは、比較的薄い色(白色、ピンク色、薄茶色など)であることが多い。これらの色は、菌、カビ、バイオフィルムなどの種類によって異なる。ドレンパン(50)の底面(51a)に付着する汚れが比較的薄い色である場合、これらの汚れの色調と、ドレンパン(50)の色調とが近くなる。この場合、画像データ中では、ドレンパン(50)と汚れの区別が困難となり、汚れの特定が困難となる。そこで、本実施形態では、第2動作の直後に以下の第1動作を行う。
【0079】
〈第1動作〉
第1動作は、第2動作における光源(72)の発光時間ΔTが経過すると実行される。
【0080】
第1動作では、光源制御部(84)によって光源(72)が消灯状態に制御される。同時に、撮像制御部(83)によってカメラ(70)が撮像を行うように制御される。光源(72)が消灯されると、ドレンパン(50)の周囲が暗くなる。蓄光部(75)に蓄えられた光は、第2底面(53a)の表面から可視光として発光する。第1動作で取得した画像データは、ドレンパン(50)の周囲が暗く、且つ蓄光部(75)が可視光を発する状態である。この画像データは、以下の特徴を有する。
【0081】
ドレンパン(50)の第2底面(53a)に汚れが付着していない場合、蓄光部(75)から発する可視光がそのまま画像データに表れる。換言すると、画像データでは、第2底面(53a)の全域が蓄光部(75)の発光色となる。
【0082】
ドレンパン(50)の第2底面(53a)の汚れた部分は、蓄光部(75)の表面を覆う状態となる。汚れていない部分では、蓄光部(75)の表面が露出される。画像データでは、汚れが付着していない部分が発光色として表れる。汚れが付着している部分は、汚れによって発光色が表れにくくなり、汚れが付着していない部分よりも濃い色(例えば黒色)になる。よって、第2動作で取得した画像データでは、第2底面(53a)の発光色の有無、及び発光色の濃淡に基づいて、汚れの度合い、汚れの箇所、汚れの厚みなどを判定できる。
【0083】
第1動作では、光源(72)が消灯状態であるため、第2動作のように光源(72)の光がドレンパン(50)や、その内部の水面などに反射することがない。このため、反射光に起因して画像データが不鮮明となることを回避できる。
【0084】
加えて、第1動作では、ドレンパン(50)の色と汚れの色が近い場合にも、汚れを判定できる。画像データ中の汚れた部分は、汚れの色に拘わらず発光色が表れにくいため、汚れた部分よりも濃い色になるからである。
【0085】
第1動作で取得した画像データでは、発光色の濃淡に応じて、汚れの厚みを判定することもできる。具体的には、汚れの厚みが比較的厚ければ、発光色はほとんど表れず、汚れた部分は黒色に近くなる。これに対し、汚れの厚みが比較的薄ければ、うっすらと発光色が表れることがある。よって、画像データ中の発光色の濃淡に応じて、カビやバイオフィルムの厚みを特定することもできる。
【0086】
〈記憶動作〉
1つの撮像動作では、上述した第2動作と第1動作とが連続的に実行される。記憶部(85)には、1つの撮像動作毎の画像データが適宜記憶される。換言すると、記憶部(85)には、第2動作の画像データと、その直後の第1動作の画像データとが、1組の画像データとして互いに関連付けられて記憶部(85)に記憶される。
【0087】
〈判定動作〉
処理部(86)は、1組の画像データに基づいて、ドレンパン(50)の第2底面(53a)の汚れの状態を判定する。具体的には、処理部(86)は、第1動作で取得した画像データに基づいて、汚れの度合い、汚れの発生箇所、汚れの厚みなどの程度を判定する。加えて、処理部(86)は、第2動作で取得した画像データに基づいて、汚れの色や種類を判定する。処理部(86)では、これらの判定結果に基づいて、ドレンパン(50)の汚れに関する多数の情報を特定できる。この判定結果は、対応する1組の画像データと関連付けて記憶部(85)に記憶される。この判定動作は、インターネット上のサーバにある処理部(86)で行われてもよい。
【0088】
〈通信動作〉
記憶部(85)に記憶された撮像動作毎の画像データは、一組の画像データとして通信端末(90)に送信される。加えて、通信端末(90)には、1組の画像データに対応する処理部(86)の判定結果が送信される。サービス業者等は、通信端末(90)の表示部(92)より、1組の画像データ、及びこれらに対応する判定結果を確認できる。これにより、サービス業者等は、ドレンパン(50)の第2底面(53a)の汚れの状態を正確に把握することができる。
【0089】
なお、処理部(86)は必ずしも上記の判定動作を行わなくてもよい。この場合、サービス業者やユーザは、通信端末(90)の表示部(92)に表示された画像データに基づきドレンパン(50)の汚れの状態を判定する。
【0090】
−実施形態1の効果−
実施形態1は、ケーシング(20)と、ケーシング(20)の内部に配置される撮像対象(ドレンパン(50))と、ドレンパン(50)を撮像する撮像装置(カメラ(70))とを備えた空気処理装置であって、ドレンパン(50)は、該ドレンパン(50)の表面から可視光を発する発光部(E)を有し、カメラ(70)は、ドレンパン(50)の少なくとも発光部(E)を撮像し、発光部(E)を含む画像データを取得する。
【0091】
ドレンパン(50)の色と汚れの色とが近い場合、通常の撮影では、ドレンパン(50)に付着した汚れを判断しがたく、汚れを特定できない問題がある。これに対し、本形態では、画像データにおける可視光の発光色の有無、及び可視光の発光色の濃淡に基づいて、汚れの付着の有無、汚れの付着箇所、汚れの厚み、汚れの度合いなどを判断できる。
【0092】
光源を利用してドレンパン(50)を撮像する場合、ドレンパン(50)、あるいはその内部の水面によって光が反射し、画像データが不鮮明となる問題がある。これに対し、本形態では、ドレンパン(50)の発光部(E)から可視光により汚れを判定するため、光の反射に起因して画像データが不鮮明となることもない。
【0093】
実施形態1では、光を発する第1光源(光源(72))を備え、発光部(E)は、光源(72)から発せられる光を蓄える蓄光材料を含む蓄光部(75)である。この構成により、蓄光部(75)に蓄えた光を利用して、ドレンパン(50)の表面(発光部(E))から可視光を発することができる。
【0094】
実施形態1では、カメラ(70)は、光源(72)が消灯状態であるときに、可視光を発する蓄光部(75)を撮像する第1動作を行う。第1動作では、光源(72)を消灯することで、ドレンパン(50)の周囲が暗くなり、発光部(E)の可視光が際立つ。これにより、第1動作で取得した画像データでは、汚れが付着した部分と、汚れが付着していない部分との間の濃淡の差異が大きくなる。この結果、第1動作で取得した画像データに基づく汚れの判定の精度を向上できる。
【0095】
実施形態1では、カメラ(70)は、光源(72)が発光状態であるときに、ドレンパン(50)を撮像する第2動作を行う。第2動作では、光源(72)を発光状態とし、ドレンパン(50)の周囲が明るい状態で画像データを取得できる。第2動作で取得した画像データに基づいて、汚れの種類や色を判定できる。
【0096】
実施形態1では、カメラ(70)は、第2動作の後、第1動作を行う。第2動作では、光源(72)が発光するため、蓄光部(75)に光を蓄えることができる。この光を第1動作における蓄光部(75)の発光源として利用できる。第2動作では、汚れの種類や色を判定できる。その直後の第1動作では、その汚れの有無、汚れの箇所、汚れの厚み、汚れの度合いなどを判定できる。従って、ほぼ同時刻において、ドレンパン(50)に関する多数の情報を得ることができる。
【0097】
第1動作で取得した画像データと、第2動作で取得した画像データとからなる多数組のデータを得ることで、これらの多数組のデータから、第1動作で取得した画像データと、第2動作で取得した画像データとの相関関係を得ることもできる。この相関関係を利用すれば、第1動作及び第2動作の一方を実行するだけで、第1動作及び第2動作の他方の画像データの情報を推定することもできる。
【0098】
実施形態1では、光源(72)がカメラ(70)に設けられる。このため、カメラ(70)の位置や角度を撮像対象(50)の発光部(E)に合わせることで、光源(72)の光を発光部(E)に確実に当てることができる。
【0099】
実施形態1では、撮像対象は、水を受けるドレンパン(50)である。よって、処理部(86)サービス業者、ユーザなどは、ドレンパン(50)の汚れの状態を判定できる。
【0100】
実施形態1では、発光部(E)が、ドレンパン(50)の少なくとも底面(51a)に形成される。ドレンパン(50)の底面(51a)には、カビやバイオフィルムなどの汚れが特に付着しやすい。カメラ(70)は、ドレンパン(50)の底面(51a)を撮像する。よって、処理部(86)サービス業者、ユーザなどは、底面(51a)における汚れの状態を判定できる。従って、サービス業者やユーザなどは、ドレンパン(50)の底面(51a)が汚れていることを速やかに把握でき、底面(51)をきれいにできる。
【0101】
実施形態1では、ドレンパン(50)内の水を汲み上げる吸込部(61)を有するポンプ(60)を備え、発光部(E)は、底面(51a)のうち少なくとも吸込部(61)の下方に位置する部分(第2底面(53a))に形成される。第2底面(53a)に汚れが付着すると、ポンプ(60)の吸込部(61)が詰まり易くなる。サービス業者やユーザなどは、第2底面(53a)の汚れの状態を速やかに把握できる。このため、サービス業者やユーザなどは、第2底面(53a)を速やかにきれいにできる。この結果、ポンプ(60)の吸込部(61)の詰まりを抑制できる。
【0102】
実施形態1では、発光部(E)は、トレー(50)の底面(51a)のうち最も低い部分(第2底面(53a)に形成される。トレー(50)の底面(51a)のうち最も低い第2底面(53a)には、汚れが溜まりやすい。処理部(86)サービス業者、ユーザなどは、第2底面(53a)の汚れの状態を判定できる。従って、サービス業者やユーザなどは、第2底面(53a)の汚れの状態を把握することで、第2底面(53a)を速やかにきれいにできる。
【0103】
−実施形態1の変形例−
上述した実施形態1については、以下の変形例の構成としてもよい。
【0104】
〈変形例1〉
図8に示す変形例1では、蓄光部(75)が形成される領域が実施形態1よりも広い。変形例1の蓄光部(75)は、凹部(53)の内面及び第1底面(52a)に亘って形成される。より厳密には、蓄光部(75)は、凹部(53)の第2底面(53a)、凹部(53)の側面(53b)、底板部本体(52)の第1底面(52a)に亘って形成される。
【0105】
カメラ(70)の撮像範囲は、第2底面(53a)、側面(53b)、及び第1底面(52a)を含む。従って、変形例1では、凹部(53)の第2底面(53a)だけでなく、凹部(53)の側面(53b)、及び第1底面(52a)の汚れの付着の状態を確認できる。
【0106】
蓄光部(75)を凹部(53)の第2底面(53a)及び側面(53b)だけに形成してもよい。蓄光部(75)を第1底面(52a)だけに形成してもよい。蓄光部(75)をドレンパン(50)の内面の全体に形成してもよい。
【0107】
〈変形例2〉
図9に模式的に示す変形例2では、実施形態1とカメラ(70)の位置が異なる。変形例2のカメラ(70)は、点検窓(58a)の外側に配置される。カメラ(70)は、ケーシング(20)の前板(23)の開口(23a)の内部に位置する。カメラ(70)は、点検窓(58a)の例えば下部に固定される。カメラ(70)のレンズ(71)は、点検窓(58a)を通じて撮像対象(第2底面(53a))を指向する。
【0108】
変形例2では、カメラ(70)が点検窓(58a)を通じて第2底面(53a)(蓄光部(75))を撮像する。光源(72)は点検窓(58a)を通じて蓄光部(75)に光を照射する。これにより、実施形態1と同様、第2動作と第1動作とを行うことができる。
【0109】
変形例2では、カメラ(70)がケーシング(20)の外部に配置されるため、カメラ(70)をケーシング(20)の内部に取り付ける必要がない。従って、カメラ(70)の取り付け作業やメンテナンス作業が容易となる。
【0110】
変形例2では、カメラ(70)に光源(72)を発光させる操作部が設けられる。作業者等は、操作部を操作し、光源(72)を手動により発光させることもできる。作業者等が点検窓(58a)を通じてドレンパン(50)の内部を確認する際、手動操作により光源(72)を発光させる。これにより、ドレンパン(50)の内部が光源(72)により明るくなり、ドレンパン(50)の内部の視認性が向上する。
【0111】
なお、変形例2において、光源(72)をカメラ(70)と別体とし、この光源(72)を点検窓(58a)の内側に配置してもよい。これにより、ドレンパン(50)の蓄光部(75)に光源(72)の光を確実に当てることができる。
【0112】
〈変形例3〉
図10に模式的に示す変形例3は、実施形態1や変形例1及び2と発光部(E)及び他の構成が異なる。変形例3の空気調和装置(10)は、第2光源であるLED(発光ダイオード)(73)を有する。LED(73)は、カメラと別体に構成される。LED(73)は、ドレンパン(50)の底板部(51)の裏側に配置される。具体的には、LED(73)は、凹部(53)の底壁(透光部(76))の裏側に配置される。換言すると、LED(73)は、凹部(53)の第2底面(53a)の裏側に配置される。LED(73)の可視光の色は、比較的薄い色である。換言すると、LED(73)の発光色の明度は比較的高い。具体的には、LED(73)の発光色は、ライトグリーン、ライトブルー、ライトイエローなどである。第2光源(73)は、有機ELなどの他の光源であってもよい。
【0113】
透光部(76)は、凹部(53)の底壁を構成している。透光部(76)の表面には、第2底面(53a)が形成される。透光部(76)は、LED(73)が照射する可視光を透過する透光性の材料である。透光部(76)は、比較的薄肉の樹脂材料である。LED(73)は、透光部(76)に向かって可視光を発する。この可視光は、透光部(76)を透過する。この際、透光部(76)の表面(第2底面(53a))が、比較的薄い色で発光する。
【0114】
変形例3の撮像動作では、第2動作と第1動作とが順に実行される。
【0115】
第2動作では、カメラ(70)の光源(72)が発光状態となるときに、カメラ(70)が第2底面(53a)を撮像する。これにより、第2底面(53a)のカラーの画像データが取得される。実施形態1と同様、処理部(86)やサービス業者は、この画像データに基づき、ドレンパン(50)の汚れの色や種類を判定できる。
【0116】
第2動作の直後には、第1動作が行われる。第1動作では、カメラ(70)の光源(72)が消灯状態となる。同時にLED(73)は発光状態となる。これにより、透光部(76)ないし第2底面(53a)の表面が発光する。第2動作では、LED(73)が発光状態であるときにカメラ(70)が第2底面(53a)を撮像する。この状態で取得された画像データでは、汚れが付着していない部分が発光色となり、汚れが付着している部分が濃い色(例えば黒色)となる。実施形態1と同様、処理部(86)やサービス業者は、この画像データに基づき、ドレンパン(50)の汚れの度合い、汚れの箇所、汚れの厚みなどを判定できる。
【0117】
LED(73)は、透光部(76)のうち第2底面(53a)寄りの部分の裏側に配置されてもよい。具体的には、LED(73)を凹部(52)の底壁の内部に埋設してもよい。
【0118】
変形例3では、発光部(E)の裏側に配置され、可視光を発する第2光源(LED(73))を備え、発光部(E)は、LED(73)から発せられる可視光が透過する透光部(76)である。この構成では、LED(73)の可視光を透光部(76)に透過させるだけで、撮像対象(50)を発光させることができる。第2動作では、透光部(76)を透過した可視光に基づいて、汚れの状態を判定できる。
【0119】
《実施形態2》
実施形態2に係る空気調和装置(10)は、上記実施形態1と基本的な構成が異なる。実施形態2の空気調和装置(10)は、室外空気(OA)を取り込み、この空気の温度及び湿度を調節する。空気調和装置(10)は、処理した空気を供給空気(SA)として室内へ供給する。空気調和装置(10)は、外気処理方式である。空気調和装置(10)は、例えば冬場等において、空気を加湿するための加湿器(45)を備えている。
【0120】
空気調和装置(10)は、例えば天井裏の空間に設置される。空気調和装置(10)は、実施形態1と同様、室外ユニット(図示省略)及び室内ユニット(11)を有する。これらが冷媒配管で接続されることで、冷媒回路が構成される。
【0121】
〈室内ユニット〉
図11及び図12に示すように、室内ユニット(11)は、天井裏に設置されるケーシング(20)と、給気ファン(40a)と、排気ファン(40b)と、室内熱交換器(43)と、全熱交換器(44)と、加湿器(45)と、ドレンパン(50)とを備えている。
【0122】
〈ケーシング〉
ケーシング(20)は、直方体の中空箱形に形成されている。実施形態2のケーシング(20)は、実施形態1と同様、天板(21)、底板(22)、前板(23)、後板(24)、第1側板(25)、及び第2側板(26)を備えている。
【0123】
前板(23)は、メンテナンス用空間(15)に面している。前板(23)の前側には、電装品箱(16)が設けられる。前板(23)には、点検口(27)が形成される。点検口(27)には、点検蓋(28)が取り付けられる。第1側板(25)には、内気口(34)及び給気口(35)が形成される。内気口(34)には、内気ダクト(図示省略)が接続される。内気ダクトの流入端は、室内空間に繋がっている。給気口(35)には、給気ダクト(図示省略)が接続される。給気ダクトの流出端は、室内空間に連通する。第2側板(26)には、排気口(36)及び外気口(37)が形成される。排気口(36)には、排気ダクト(図示省略)が接続される。排気ダクトの流出端は、室外空間に連通する。外気口(37)には、外気ダクト(図示省略)が接続される。外気ダクトの流入端は、室外空間に連通する。
【0124】
ケーシング(20)の内部には、給気流路(33A)と、排気流路(33B)とが形成される。給気流路(33A)は、外気口(37)から給気口(35)に亘るまでの流路である。排気流路(33B)は、内気口(34)から排気口(36)に亘るまでの流路である。
【0125】
〈全熱交換器〉
全熱交換器(44)は、横長の四角柱状に形成される。全熱交換器(44)は、例えば2種類のシートが水平方向に交互に積み重なって構成される。2種類のシートのうちの一方には、給気流路(33A)に連通する第1通路(44a)が形成される。2種類のシートのうちの他方のシートには、排気流路(33B)に連通する第2通路(44b)が形成される。各シートは、伝熱性及び吸湿性を有する材料で構成される。全熱交換器(44)は、第1通路(44a)を流れる空気と、第2通路(44b)を流れる空気との間で顕熱を交換する。全熱交換器(44)は、第1通路(44a)を流れる空気と、第2通路(44b)を流れる空気との間で潜熱を交換する。
【0126】
〈給気ファン〉
給気ファン(40a)は、給気流路(33A)に配置される。厳密には、給気ファン(40a)は、給気流路(33A)において、全熱交換器(44)の第1通路(44a)と室内熱交換器(43)との間に配置される。給気ファン(40a)は、給気流路(33A)の空気を搬送する。
【0127】
〈排気ファン〉
排気ファン(40b)は、排気流路(33B)に配置される。厳密には、排気ファン(40b)は、排気流路(33B)において、全熱交換器(44)の第2通路(44b)の下流側に配置される。排気ファン(40b)は、排気流路(33B)の空気を搬送する。
【0128】
〈室内熱交換器〉
室内熱交換器(43)は、給気流路(33A)における前板(23)寄りに配置される。室内熱交換器(43)は、例えばフィンアンドチューブ式の熱交換器で構成される。
【0129】
〈加湿器〉
加湿器(45)は、給気流路(33A)における前板(23)寄りに配置される。加湿器(45)は、給気流路(33A)における室内熱交換器(43)の下流側に配置される。加湿器(45)は、上下に延び且つ水平方向に配列される複数の吸水部材(45a)(いわゆる加湿エレメント)を備えている。吸水部材(45a)には、給水タンク(図示省略)からの水が供給される。加湿器(45)では、吸水部材(45a)の周囲を流れる空気中に、蒸発した空気が付与される。これにより、給気流路(33A)を流れる空気が加湿される。
【0130】
〈ドレンパン〉
図12に模式的に示すように、ドレンパン(50)は、加湿器(45)の下方に配置される。ドレンパン(50)は、加湿器(45)から流出した水(加湿水)を受ける。ドレンパン(50)の下部には、排水口(68)が形成される(図11を参照)。
【0131】
〈電装品箱〉
図11に示すように、電装品箱(16)は、前板(23)の前面、且つ略中央部に設けられる。電装品箱(16)の内部には、実施形態1と同様の電装品が収容される。
【0132】
〈点検口及び点検蓋〉
図12に示すように、点検口(27)は、前板(23)のうち室内熱交換器(43)及び加湿器(45)の近傍に配置される。点検口(27)は、ドレンパン(50)及び加湿器(45)に対応する位置に形成される。点検口(27)から点検蓋(28)を取り外すことで、メンテナンス用空間(15)側から、ドレンパン(50)の内部や加湿器(45)を点検することができる。点検蓋(28)は、複数の締結部材を介してケーシング(20)の本体に着脱可能に取り付けられる。
【0133】
〈ステー及びカメラ〉
図11に示すように、ケーシング(20)の内部には、カメラ(70)を点検蓋(28)に支持させるためのステー(65)が設けられる。ステー(65)の基端は、点検蓋(28)の内面に固定される。ステー(65)の先端には、カメラ(70)が固定される。点検口(27)に点検蓋(28)が取り付けられると、カメラ(70)が撮像対象を指向する取り付け状態となる。実施形態2の撮像対象は、加湿器(45)の吸水部材(45a)である。なお、実施形態2の撮像対象をドレンパン(50)としてもよい。
【0134】
カメラ(70)は、実施形態1と同様、レンズ(71)及び光源(72)を有する。図12及び図13に示すように、取り付け状態のカメラ(70)のレンズ(71)は、加湿器(45)の吸水部材(45a)を指向する。
【0135】
〈吸水部材〉
吸水部材(45a)の表面には、実施形態1と同様、蓄光部(75)が形成される。蓄光部(75)は、蓄光材料を含む塗膜によって構成される。換言すると、蓄光部(75)は、第2底面(53a)の表面に形成された蓄光塗料によって構成される。吸水部材(45a)では、少なくともカメラ(70)の撮像範囲に含まれる部分に蓄光部(75)が形成される。
【0136】
〈撮像システム〉
実施形態2では、実施形態1と同様の撮像システム(S)が構成される(図7を参照)。
【0137】
−運転動作−
実施形態2に係る空気調和装置(10)の運転動作について図11及び図12を参照しながら説明する。空気調和装置(10)は、冷房運転と暖房運転とを実行可能に構成される。
【0138】
上記実施形態1と同様、冷房運転では、室内熱交換器(43)が蒸発器となり、暖房運転では、室内熱交換器(43)が凝縮器(放熱器)となる。暖房運転では、空気を加湿するために加湿器(45)が作動する。冷房運転及び暖房運転では、給気ファン(40a)及び排気ファン(40b)が作動する。これに伴い室外空気(OA)が外気口(37)から給気流路(33A)に取り込まれる。同時に、室内空気(RA)が内気口(34)から排気流路(33B)に取り込まれる。これにより、室内空間の換気が行われる。
【0139】
冷房運転において、給気流路(33A)に取り込まれた室外空気(OA)は、全熱交換器(44)の第1通路(44a)を流れる。一方、排気流路(33B)に取り込まれた室内空気(RA)は、全熱交換器(44)の第2通路(44b)を流れる。例えば夏季においては、室外空気(OA)は、室内空気(RA)よりも温度及び湿度が高い。このため、全熱交換器(44)では、室外空気(OA)の潜熱及び顕熱が、室内空気(RA)へ付与される。この結果、第1通路(44a)では、空気の冷却及び除湿が行われる。第2通路(44b)において、潜熱及び顕熱が付与された空気は、排気口(36)を通過し、排出空気(EA)として室外空間へ排出される。
【0140】
第1通路(44a)で冷却及び除湿された空気は、室内熱交換器(43)で冷却された後、停止状態の加湿器(45)を通過する。その後、この空気は、給気口(35)を通過し、供給空気(SA)として室内空間へ供給される。
【0141】
暖房運転において、給気流路(33A)に取り込まれた室外空気(OA)は、全熱交換器(44)の第1通路(44a)を流れる。一方、排気流路(33B)に取り込まれた室内空気(RA)は、全熱交換器(44)の第2通路(44b)を流れる。例えば冬季においては、室外空気(OA)は、室内空気(RA)よりも温度及び湿度が低い。このため、全熱交換器(44)では、室内空気(RA)の潜熱及び顕熱が、室外空気(OA)へ付与される。この結果、第1通路(44a)では、空気の加熱及び加湿が行われる。第2通路(44b)において、潜熱及び顕熱が奪われた空気は、排気口(36)を通過し、排出空気(EA)として室外空間へ排出される。
【0142】
第1通路(44a)で加熱及び加湿された空気は、室内熱交換器(43)で加熱された後、加湿器(45)を通過する。加湿器(45)では、吸水部材(45a)に含まれる水が空気へ付与される。加湿器(45)を通過した空気は、給気口(35)を通過し、供給空気(SA)として室内空間へ供給される。
【0143】
〈撮像システムの動作〉
実施形態2の撮像システム(S)では、実施形態1と同様に撮像動作が行われる。1つの撮像動作では、第2動作と第1動作とが順に実行される。
【0144】
第2動作では、カメラ(70)の光源(72)が発光し、吸水部材(45a)に光が照射される。第2動作では、光源(72)が発光状態であるときにカメラ(70)が吸水部材(45a)を撮像する。これにより、吸水部材(45a)のカラーの画像データが取得される。実施形態1と同様、処理部(86)やサービス業者は、この画像データに基づき、吸水部材(45a)の汚れの色や種類を判定できる。第2動作において、光源(72)の光が吸水部材(45a)の蓄光部(75)に照射されると、蓄光部(75)に光が蓄えられる。
【0145】
第2動作の直後には、第1動作が実行される。第1動作では、カメラ(70)の光源(72)が消灯状態となる。この結果、吸水部材(45a)の周囲が暗くなる。同時に吸水部材(45a)の表面(蓄光部(75))から可視光が発せられる。この状態でカメラ(70)が吸水部材(45a)を撮像する。画像データでは、汚れが付着していない部分が発光色となり、汚れが付着している部分が濃い色(例えば黒色)となる。実施形態1と同様、処理部(86)やサービス業者は、この画像データに基づき、吸水部材(45a)の汚れの度合い、汚れの箇所、汚れの厚みなどを判定できる。
【0146】
《実施形態3》
実施形態3に係る空気調和装置(10)は、天井吊り式ないし天井埋め込み式の空気調和装置である。空気調和装置(10)は、室外ユニット(図示省略)と、室内ユニット(11)とを有し、これらが冷媒配管で接続されることで、冷媒回路が構成される。
【0147】
図14に示すように、室内ユニット(11)は、天井裏に設置されるケーシング(20)を備えている。ケーシング(20)は、ケーシング本体(20a)と、パネル(100)とを備える。ケーシング本体(20a)は、下側に開口面が形成される矩形箱状に形成される。パネル(100)は、ケーシング本体(20a)の開口面に着脱可能に設けられる。パネル(100)は、矩形枠状のパネル本体(101)と、パネル本体(101)の中央に設けられる吸込グリル(102)とを有する。
【0148】
パネル本体(101)の中央には1つの吸込口(31)が形成される。吸込グリル(102)は、吸込口(31)に取り付けられる。パネル本体(101)の4つの側縁部には、それぞれ吹出口(32)が1つずつ形成される。各吹出口(32)は、4つの側縁に沿うように延びている。各吹出口(32)の内部には、風向調節羽根(103)がそれぞれ設けられる。
【0149】
ケーシング本体(20a)の内部には、ベルマウス(104)と、ファン(40)と、室内熱交換器(43)と、ドレンパン(50)とが設けられる。ベルマウス(104)及びファン(40)は、吸込グリル(102)の上方に配置される。室内熱交換器(43)は、ファン(40)の周囲を囲むように配置される。室内熱交換器(43)は、フィンアンドチューブ式の熱交換器で構成される。ドレンパン(50)は、室内熱交換器(43)の下側に配置される。
【0150】
実施形態3のカメラ(70)のレンズ(71)は、ドレンパン(50)の底面(51a)を指向する。カメラ(70)は、ドレンパン(50)の少なくとも底面(51a)を撮像する。
【0151】
実施形態3では、ドレンパン(50)の底面(51a)に蓄光部(75)が形成される。実施形態3の撮像システム(S)では、実施形態1及び2と同様にして撮像動作が行われる。第2動作では、光源(72)が発光状態であるときにカメラ(70)によってドレンパン(50)の底面(51a)が撮像される。同時に、底面(51a)の蓄光部(75)に光が蓄えられる。第1動作では、光源(72)が消灯状態であるときにカメラ(70)によってドレンパン(50)の底面(51a)が撮像される。実施形態3の作用効果は、上記実施形態1や2と同じである。
【0152】
《その他の実施形態》
上述した各実施形態、及び各変形例においては、適用可能な範囲において以下の構成としてもよい。
【0153】
撮像対象は、ドレンパン(50)及び吸水部材(45a)以外の部品であってもよい。撮像対象は、ファン(40)、エアフィルタ、ダクトの内壁、エアフィルタ、水流路の内壁であってもよい。ここでいう、水流路は、ドレンポンプ(60)の吸込部(61)、ドレンポンプ(60)の排水管、排水口(68)を含む。これらの撮像対象に発光部(E)(蓄光部)を形成することで、汚れの状態を確実に把握できる。
【0154】
撮像対象であるトレーは、水を受けるものであれば、ドレンパン(50)以外の部品であってもよい。トレーは、加湿用の給水タンクの下側に設置される水受けであってもよい。水受けには、給水タンク内の水が供給される。水受け内の水は、空気の加湿に利用される。給水タンク及び水受けは、例えば空気清浄機や調湿装置に搭載される。
【0155】
撮像対象の一部又は全部を蓄光部(75)で構成してもよい。具体的には、ドレンパン(50)そのものが、蓄光材料を含む部材(蓄光部(75))によって構成されてもよい。ドレンパン(50)の底板部(51)のみが、蓄光材料を含む部材(蓄光部(75))によって構成されてもよい。
【0156】
蓄光部(75)に撥水加工あるいは親水加工を施してもよい。具体的には、例えば蓄光部(75)にフッ素系の塗膜を形成してもよい。このフッ素系の塗膜により、撮像対象の汚れの付着を抑制できる。
【0157】
発光部(E)となる第2底面(53a)は、ドレンパン(50)の底面(51a)のうち最も低い部分にある場合、該第2底面(53a)は、必ずしもポンプ(60)の吸込部(61)の下方に位置していなくてもよい。
【0158】
撮像装置は、カメラに限定されず、例えば光学センサであってもよい。
【0159】
カメラ(70)の光源(72)を、カメラ(70)と別体としてもよい。この光源(72)は、蓄光部(75)に光が当たる位置に配置される。
【0160】
撮像装置は、室外ユニットのケーシングの内部に配置されてもよい。
【0161】
撮像システム(S)では、第2動作以外の期間において光源(72)を発光させ、蓄光部(75)に光を蓄えてもよい。この動作の後、第1動作を実行することで、蓄光部(75)の発光色を利用して汚れの状態を確認できる。
【0162】
空気処理装置は、空気が流れるケーシングを有する装置であれば、他の装置であってもよい。空気処理装置は、調湿装置、換気装置、及び空気清浄機であってもよい。調湿装置は、対象空間の空気の湿度を調節する。換気装置は、対象空間を換気する。空気清浄機は、対象空間の空気を浄化する。
【0163】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、その他の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
【0164】
以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0165】
本開示は、空気処理装置について有用である。
【符号の説明】
【0166】
10 空気調和装置(空気処理装置)
20 ケーシング
50 トレー(撮像対象)
51a 底面
53a 部分(第2底面)
60 ポンプ
61 吸込部
70 カメラ(撮像装置)
72 光源(第1光源)
73 LED(第2光源)
75 蓄光部
76 透光部
E 発光部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14