(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態では、圧電振動を行う圧電振動デバイスとして水晶振動子に本発明を適用した場合について説明する。
【0017】
−水晶振動子−
本実施の形態にかかる水晶振動子101では、
図1に示すように、水晶振動板2(本発明でいう圧電振動板)と、水晶振動板2の第1励振電極221(
図4参照)を覆い、水晶振動板2の一主面211に形成された第1励振電極221を気密封止する第1封止部材3と、この水晶振動板2の他主面212に、水晶振動板2の第2励振電極222(
図5参照)を覆い、第1励振電極221と対になって形成された第2励振電極222を気密封止する第2封止部材4が設けられている。この水晶振動子101では、水晶振動板2と第1封止部材3とが接合され、水晶振動板2と第2封止部材4とが接合されてサンドイッチ構造のパッケージ12が構成される。
【0018】
そして、水晶振動板2を介して第1封止部材3と第2封止部材4とが接合されることで、パッケージ12の内部空間13が形成され、このパッケージ12の内部空間13に、水晶振動板2の両主面211,212に形成された第1励振電極221及び第2励振電極222を含む振動部23が気密封止されている。本実施の形態にかかる水晶振動子101は、例えば、1.0×0.8mmのパッケージサイズであり、小型化と低背化とを図ったものである。また、小型化に伴い、本パッケージ12では、キャスタレーションを形成せずに、貫通孔(第1〜第9貫通孔)を用いて電極の導通を図っている。
【0019】
次に、上記した水晶振動子101の各構成について
図1〜7を用いて説明する。なお、ここでは、水晶振動板2と第1封止部材3と第2封止部材4が接合されていない夫々単体として構成されている各部材について説明を行う。
【0020】
水晶振動板2は、
図4,5に示すように、圧電材料である水晶からなり、その両主面(一主面211,他主面212)が平坦平滑面(鏡面加工)として成形されている。
【0021】
また、水晶振動板2の両主面211,212(一主面211,他主面212)に一対の(対となる)励振電極(第1励振電極221,第2励振電極222)が形成されている。そして、両主面211,212には、一対の第1励振電極221,第2励振電極222を囲うように2つの切り欠き部24(貫通形状)が形成されて振動部23が構成されている。切り欠き部24は、平面視凹形状体241(1つの平面視長方形の両端から2つの長方形夫々が、長方形の長手方向に対して直角方向に延出して成形された3つの平面視長方形からなる平面視体)と、平面視長方形状体242とからなる。そして、平面視凹形状体241と平面視長方形状体242との間の部位213に、第1励振電極221及び第2励振電極222を外部電極端子(一外部電極端子431,他外部電極端子432)に引き出すための引出電極(第1引出電極223,第2引出電極224)が設けられている。第1励振電極221及び第1引出電極223は、一主面211上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜と、この下地PVD膜上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜とからなる。第2励振電極222及び第2引出電極224は、他主面212上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜と、この下地PVD膜上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜とからなる。
【0022】
水晶振動板2では、両主面211,212の振動部23に沿った外方に、振動部23を囲むように第1封止部材3と第2封止部材4とを接合するための振動側封止部25が夫々設けられている。水晶振動板2の一主面211の振動側封止部25に、第1封止部材3に接合するための振動側第1接合パターン251が形成されている。また、水晶振動板2の他主面212の振動側封止部25に、第2封止部材4に接合するための振動側第2接合パターン252が形成されている。振動側第1接合パターン251及び振動側第2接合パターン252は、平面視で環状に形成されている。内部空間13は、平面視で振動側第1接合パターン251及び振動側第2接合パターン252の内方(内側)に形成されることになる。ここでいう内部空間13の内方とは、後述する接合材11上を含まずに厳密に接合材11の内周面の内側のことをいう。水晶振動板2の一対の第1励振電極221,第2励振電極222は、振動側第1接合パターン251及び振動側第2接合パターン252とは電気的に接続されていない。
【0023】
振動側第1接合パターン251は、一主面211上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜2511と、下地PVD膜2511上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜2512とからなる。振動側第2接合パターン252は、他主面212上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜2521と、下地PVD膜2521上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜2522とからなる。つまり、振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252とは、同一構成からなり、複数の層が両主面211,212の振動側封止部25上に積層して構成され、その最下層側からTi層(もしくはCr層)とAu層とが蒸着形成されている。このように、振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252とでは、下地PVD膜2511,2521が単一の材料(Ti(もしくはCr))からなり、電極PVD膜2512,2522が単一の材料(Au)からなり、下地PVD膜2511,2521よりも電極PVD膜2512,2522の方が厚い。また、水晶振動板2の一主面211に形成された第1励振電極221と振動側第1接合パターン251とは同一厚みを有し、第1励振電極221と振動側第1接合パターン251との表面(主面)が同一金属からなり、水晶振動板2の他主面212に形成された第2励振電極222と振動側第2接合パターン252とは同一厚みを有し、第2励振電極222と振動側第2接合パターン252との表面(主面)が同一金属からなる。また、振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252は、非Snパターンである。
【0024】
ここで、第1励振電極221、第1引出電極223及び振動側第1接合パターン251を同一の構成とすることができ、この場合、同一のプロセスで第1励振電極221、第1引出電極223及び振動側第1接合パターン251を一括して形成することができる。同様に、第2励振電極222、第2引出電極224及び振動側第2接合パターン252を同一の構成とすることができ、この場合、同一のプロセスで第2励振電極222、第2引出電極224及び振動側第2接合パターン252を一括して形成することができる。詳細には、真空蒸着やスパッタリング、イオンプレーティング、MBE、レーザーアブレーションなどのPVD法(例えば、フォトリソグラフィ等の加工におけるパターンニング用の膜形成法)により下地PVD膜や電極PVD膜を形成することで、一括して膜形成を行い、製造工数を減らすことができ、コスト削減に寄与することができる。
【0025】
また、水晶振動板2には、
図4,5に示すように、一主面211と他主面212との間を貫通する3つの貫通孔(第1〜第3貫通孔267〜269)が形成されている。第1貫通孔267は、第1封止部材3の第4貫通孔347及び第2封止部材4の第8貫通孔447に繋がるものである。第2貫通孔268は、第1封止部材3の第6貫通孔349及び第2封止部材4の第9貫通孔448に繋がるものである。第3貫通孔269は、第2励振電極222から引き出された第2引出電極224、及び、後述する接合材14を介して第1封止部材3の第7貫通孔350に繋がるものである。第1貫通孔267及び第2貫通孔268は、水晶振動板2の平面視長手方向両端部に夫々位置する。
【0026】
第1〜第3貫通孔267〜269には、
図1,4,5に示すように、一主面211と他主面212とに形成された電極の導通を図るための貫通電極71が、第1〜第3貫通孔267〜269夫々の内壁面に沿って形成されている。そして、第1〜第3貫通孔267〜269夫々の中央部分は、一主面211と他主面212との間を貫通した中空状態の貫通部分72となる。第1〜第3貫通孔267〜269夫々の外周囲には、接続用接合パターン73が形成されている。接続用接合パターン73は、水晶振動板2の両主面(一主面211,他主面212)に設けられている。接続用接合パターン73は、振動側第1接合パターン251,振動側第2接合パターン252と同様の構成であり、振動側第1接合パターン251,振動側第2接合パターン252と同一のプロセスで形成することができる。具体的には、接続用接合パターン73は、水晶振動板2の両主面(一主面211,他主面212)上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜と、当該下地PVD膜上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜とからなる。水晶振動板2の一主面211に形成された第3貫通孔269の接続用接合パターン73は、
図4の矢印A1方向に沿って延びており、振動側第1接合パターン251と切り欠き部24との間に設けられている。水晶振動板2の他主面212に形成された第3貫通孔269の接続用接合パターン73は、第2励振電極222から引き出された第2引出電極224と一体的に形成されている。
【0027】
水晶振動子101では、第1貫通孔267,第2貫通孔268は、平面視で内部空間13の外方(接合材11の外周面の外側)に形成されている。一方、第3貫通孔269は、平面視で内部空間13の内方(接合材11の内周面の内側)に形成されている。第1〜第3貫通孔267〜269は、振動側第1接合パターン251及び振動側第2接合パターン252とは電気的に接続されていない。
【0028】
第1封止部材3には、曲げ剛性(断面二次モーメント×ヤング率)が1000[N・mm
2]以下の材料が用いられている。具体的には、第1封止部材3は、
図2,3に示すように、1枚のガラスウエハから形成された直方体の基板であり、この第1封止部材3の他主面312(水晶振動板2に接合する面)は平坦平滑面(鏡面加工)として成形されている。
【0029】
この第1封止部材3の他主面312には、水晶振動板2に接合するための封止側第1封止部32が設けられている。第1封止部材3の封止側第1封止部32に、水晶振動板2に接合するための封止側第1接合パターン321が形成されている。封止側第1接合パターン321は、平面視で環状に形成されている。封止側第1接合パターン321は、第1封止部材3の封止側第1封止部32上の全ての位置において同一幅とされる。
【0030】
この封止側第1接合パターン321は、第1封止部材3上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜3211と、下地PVD膜3211上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜3212とからなる。なお、本実施の形態では、下地PVD膜3211には、Ti(もしくはCr)が用いられ、電極PVD膜3212にはAuが用いられている。また、封止側第1接合パターン321は、非Snパターンである。具体的には、封止側第1接合パターン321は、複数の層が他主面312の封止側第1封止部32上に積層して構成され、その最下層側からTi層(もしくはCr層)とAu層とが蒸着形成されている。
【0031】
第1封止部材3の一主面311(水晶振動板2に面しない外方の主面)には、第1端子37及び第2端子38が設けられている。第1端子37は、第4貫通孔347と第5貫通孔348とを繋ぐように設けられ、第2端子38は、第6貫通孔349と第7貫通孔350とを繋ぐように設けられている。第1端子37及び第2端子38は、一主面311上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜3711,3811と、下地PVD膜3711,3811上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜3712,3812とからなる。本実施の形態では、第1端子37及び第2端子38は第1封止部材3の一主面311の平面視長手方向両端部に夫々位置する。
【0032】
第1封止部材3には、
図1〜3に示すように、一主面311と他主面312との間を貫通する4つの貫通孔(第4〜第7貫通孔347〜350)が形成されている。第4貫通孔347は、第1端子37及び水晶振動板2の第1貫通孔267に繋がるものである。第5貫通孔348は、第1端子37及び水晶振動板2の第1励振電極221から引き出された第1引出電極223に繋がるものである。第6貫通孔349は、第2端子38及び水晶振動板2の第2貫通孔268に繋がるものである。第7貫通孔350は、第2端子38及び水晶振動板2の第3貫通孔269に繋がるものである。第4貫通孔347及び第6貫通孔349は、第1封止部材3の平面視長手方向両端部に夫々位置する。
【0033】
第4〜第7貫通孔347〜350には、
図1〜3に示すように、一主面311と他主面312とに形成された電極の導通を図るための貫通電極71が、第4〜第7貫通孔347〜350夫々の内壁面に沿って形成されている。そして、第4〜第7貫通孔347〜350夫々の中央部分は、一主面311と他主面312との間を貫通した中空状態の貫通部分72となる。第4〜第7貫通孔347〜350夫々の外周囲には、接続用接合パターン73が形成されている。接続用接合パターン73は、第1封止部材3の他主面312に設けられている。接続用接合パターン73は、封止側第1接合パターン321と同様の構成であり、封止側第1接合パターン321と同一のプロセスで形成することができる。具体的には、接続用接合パターン73は、第1封止部材3の他主面312上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜と、当該下地PVD膜上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜とからなる。第7貫通孔350の接続用接合パターン73は、
図3の矢印A1方向に沿って延びている。
【0034】
水晶振動子101では、第4貫通孔347,第6貫通孔349は、平面視で内部空間13の外方に形成されている。一方、第5貫通孔348,第7貫通孔350は、平面視で内部空間13の内方に形成されている。そして、第4〜第7貫通孔347〜350は、封止側第1接合パターン321とは電気的に接続されていない。また、第1端子37及び第2端子38も、封止側第1接合パターン321とは電気的に接続されていない。第1端子37及び第2端子38は、平面視で接合材11の内方側から外方側にわたって設けられている。つまり、第1端子37及び第2端子38は、平面視で接合材11を跨ぐ(接合材11と交差する)ように設けられている。
【0035】
第2封止部材4には、曲げ剛性(断面二次モーメント×ヤング率)が1000[N・mm
2]以下の材料が用いられている。具体的には、第2封止部材4は、
図6に示すように、1枚のガラスウエハから形成された直方体の基板であり、この第2封止部材4の一主面411(水晶振動板2に接合する面)は平坦平滑面(鏡面加工)として成形されている。
【0036】
この第2封止部材4の一主面411には、水晶振動板2に接合するための封止側第2封止部42が設けられている。封止側第2封止部42には、水晶振動板2に接合するための封止側第2接合パターン421が形成されている。封止側第2接合パターン421は、平面視で環状に形成されている。封止側第2接合パターン421は、第2封止部材4の封止側第2封止部42上の全ての位置において同一幅とされる。
【0037】
この封止側第2接合パターン421は、第2封止部材4上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜4211と、下地PVD膜4211上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜4212とからなる。なお、本実施の形態では、下地PVD膜4211には、Ti(もしくはCr)が用いられ、電極PVD膜4212にはAuが用いられている。また、封止側第2接合パターン421は、非Snパターンである。具体的には、封止側第2接合パターン421は、複数の層が他主面412の封止側第2封止部42上に積層して構成され、その最下層側からTi層(もしくはCr層)とAu層とが蒸着形成されている。
【0038】
また、第2封止部材4の他主面412(水晶振動板2に面しない外方の主面)には、外部に電気的に接続する一対の外部電極端子(一外部電極端子431,他外部電極端子432)が設けられている。一外部電極端子431,他外部電極端子432は、
図1,7に示すように第2封止部材4の他主面412の平面視長手方向両端に夫々位置する。これら一対の外部電極端子(一外部電極端子431,他外部電極端子432)は、他主面412上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜4311,4321と、下地PVD膜4311,4321上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜4312,4322とからなる。一外部電極端子431及び他外部電極端子432は、第2封止部材4の他主面412のうち1/3以上の領域を夫々占めている。
【0039】
第2封止部材4には、
図1,6,7に示すように、一主面411と他主面412との間を貫通する2つの貫通孔(第8貫通孔447,第9貫通孔448)が形成されている。第8貫通孔447は、一外部電極端子431及び水晶振動板2の第1貫通孔267に繋がるものである。第9貫通孔448は、他外部電極端子432及び水晶振動板2の第2貫通孔268に繋がるものである。第8貫通孔447及び第9貫通孔448は、第2封止部材4の平面視長手方向両端部に夫々位置する。
【0040】
第8貫通孔447,第9貫通孔448には、
図1,6,7に示すように、一主面411と他主面412とに形成された電極の導通を図るための貫通電極71が、第8貫通孔447,第9貫通孔448の内壁面夫々に沿って形成されている。そして、第8貫通孔447,第9貫通孔448の中央部分は、一主面411と他主面412との間を貫通した中空状態の貫通部分72となる。第8貫通孔447,第9貫通孔448夫々の外周囲には、接続用接合パターン73が形成されている。また、一主面411には、平面視で封止側第2接合パターン421の内方に、水晶振動板2の第3貫通孔269の外周囲に設けられた接続用接合パターン73と接合する接続用接合パターン73が形成されている。接続用接合パターン73は、第2封止部材4の一主面411に設けられている。接続用接合パターン73は、封止側第2接合パターン421と同様の構成であり、封止側第2接合パターン421と同一のプロセスで形成することができる。具体的には、接続用接合パターン73は、第2封止部材4の一主面411上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜と、当該下地PVD膜上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜とからなる。
【0041】
水晶振動子101では、第8貫通孔447,第9貫通孔448は、平面視で内部空間13の外方に形成されている。そして、第8貫通孔447,第9貫通孔448は、封止側第2接合パターン421とは電気的に接続されていない。また、一外部電極端子431,他外部電極端子432も、封止側第2接合パターン421とは電気的に接続されていない。
【0042】
上記の構成からなる水晶振動子101では、従来の技術のように別途接着剤等の接合専用材を用いずに、水晶振動板2と第1封止部材3とが振動側第1接合パターン251及び封止側第1接合パターン321を重ね合わせた状態で拡散接合され、水晶振動板2と第2封止部材4とが振動側第2接合パターン252及び封止側第2接合パターン421を重ね合わせた状態で拡散接合されて、
図1に示すサンドイッチ構造のパッケージ12が製造される。これにより、パッケージ12の内部空間13、つまり、振動部23の収容空間が気密封止される。なお、振動側第1接合パターン251及び封止側第1接合パターン321自身が拡散接合後に生成される接合材11となり、振動側第2接合パターン252及び封止側第2接合パターン421自身が拡散接合後に生成される接合材11となる。接合材11は、平面視で環状に形成される。
【0043】
この際、第1〜第9貫通孔267〜269,347〜350,447,448夫々の外周囲の接続用接合パターン73同士も重ね合わせられた状態で拡散接合される。具体的には、第1貫通孔267及び第4貫通孔347の接続用接合パターン73同士が拡散接合される。第1貫通孔267及び第8貫通孔447の接続用接合パターン73同士が拡散接合される。また、第2貫通孔268及び第6貫通孔349の接続用接合パターン73同士が拡散接合される。第2貫通孔268及び第9貫通孔448の接続用接合パターン73同士が拡散接合される。また、第3貫通孔269及び第7貫通孔350の接続用接合パターン73同士が拡散接合される。第3貫通孔269の接続用接合パターン73は、第2封止部材4の一主面411に設けられた接続用接合パターン73と重ね合わせられた状態で拡散接合される。そして、夫々の接続用接合パターン73同士が拡散接合後に生成される接合材14となる。第5貫通孔348の接続用接合パターン73は、水晶振動板2の第1励振電極221から引き出された第1引出電極223と重ね合わせられた状態で拡散接合される。そして、接続用接合パターン73及び第1引出電極223自身が拡散接合後に生成される接合材14となる。拡散接合によって形成されたこれらの接合材14は、貫通孔の貫通電極71同士を導通させる役割、及び接合箇所を気密封止する役割を果たす。なお、
図1では、平面視で封止用の接合材11よりも外方に設けられた接合材14を実線で示し、接合材11よりも内方に設けられた接合材14を破線で示している。
【0044】
本実施の形態では、拡散接合を常温で行っている。ここでいう常温は、5℃〜35℃のことをいう。この常温拡散接合により下記する効果(ガスの発生抑制と接合良好)を有するが、これは共晶半田の融点である183℃よりも低い値であって好適な例である。しかしながら、常温拡散接合だけが下記する効果を有するものではなく、常温以上230℃未満の温度下で拡散接合されていればよい。特に、200℃以上230℃未満の温度下において拡散接合することで、Pbフリー半田の融点である230℃未満であり、さらにAuの再結晶温度(200℃)以上となるので、接合部分の不安定領域を安定化できる。また本実施の形態ではAu−Snといった接合専用材を使用していないため、メッキガス、バインダーガス、金属ガス等のガスの発生がない。よってAuの再結晶温度以上にすることができる。
【0045】
そして、拡散接合によって製造されたパッケージ12では、第1封止部材3と水晶振動板2とは、1.00μm以下のギャップを有し、第2封止部材4と水晶振動板2とは、1.00μm以下のギャップを有する。つまり、第1封止部材3と水晶振動板2との間の接合材11の厚みが、1.00μm以下であり、第2封止部材4と水晶振動板2との間の接合材11の厚みが、1.00μm以下(具体的には、本実施の形態のAu−Au接合では0.15μm〜1.00μm)である。なお、比較として、Snを用いた従来の金属ペースト封止材では、5μm〜20μmとなる。
【0046】
また、封止側第1接合パターン321と振動側第1接合パターン251とが拡散接合された接合パターンの厚みは、封止側第2接合パターン421と振動側第2接合パターン252とが拡散接合された接合パターンの厚みと同じで、外部と電気的に接続した外部電極端子(一外部電極端子431,他外部電極端子432)の厚みと異なる。
【0047】
本実施の形態では、第3貫通孔269及び第7貫通孔350は、平面視で内部空間13の内方(接合材11の内周面の内側)に設けられている。この場合、第3貫通孔269と第7貫通孔350とが平面視で重畳しないように配置されている。具体的には、
図2に示すように、正面視では(
図2の矢印A1方向から見ると)、第3貫通孔269と第7貫通孔350とは上下に一直線上に並んで配置されている。
図2では、便宜上、第1封止部材3の下方に設けられる水晶振動板2に形成された第3貫通孔269を2点鎖線で示している。一方、側面視では(
図2の矢印A2方向から見ると)、第3貫通孔269と第7貫通孔350とは上下に一直線上に並ばないようにオフセットされて配置されている。より詳細には、接合材14(接続用接合パターン73)の長手方向(
図3,4の矢印A1方向)の一端部に第3貫通孔269が接続され、接合材14の長手方向の他端部に第7貫通孔350が接続されている。そして、第3貫通孔269の貫通電極71と第7貫通孔350の貫通電極71とが接合材14を介して電気的に接続されている。
【0048】
このように、第3貫通孔269と第7貫通孔350とが平面視で重畳しないように配置されているので、第3貫通孔269の貫通部分72及び第7貫通孔350の貫通部分72を金属等で埋めなくても、水晶振動板2の振動部23を気密封止した内部空間13の気密性を確保することが可能となる。つまり、両者(第3貫通孔269及び第7貫通孔350)の貫通部分72が平面視で重畳している場合、内部空間13の気密性を確保するためにシールが必要な箇所が増える可能性がある。この場合、水晶振動板2と第1封止部材3との間、及び、水晶振動板2と第2封止部材4との間をシールする必要がある。そして、両者の貫通部分72を金属等で埋めなければ、内部空間13の気密不良の原因となる可能性がある。
【0049】
これに対し、本実施の形態では、両者の貫通部分72が平面視で重畳しないように配置されるので、両者の貫通部分72を金属等で埋めなくても、水晶振動板2の振動部23を気密封止した内部空間13の気密性を確保することができる。したがって、サンドイッチ構造の水晶振動子101において、水晶振動板2の振動部23を封止した内部空間13の気密性を確保しながら、信頼性を向上させることができる。しかも、両者の貫通部分72について、金属等を埋める処理を不要とすることができ、金属等が不要になり、コスト削減に有効な構成となる。また、接続用接合パターン73同士の接合によって、水晶振動板2と第1封止部材3との間が塞がれるため、内部空間13の気密性を向上させることができる。接続用接合パターン73同士の接合によって、両者の貫通電極71が導通されるので、両者の貫通電極71の電気的な接続を確実に行うことができる。
【0050】
また、接合材11は環状に設けられており、且つ、面積が比較的大きく形成されているため、接合材11の接合力は、接合材14の接合力よりも強くなっている。第3貫通孔269及び第7貫通孔350の接続用接合パターン73同士の接合箇所(接合材14)は、接合材11よりも平面視で内方に設けられているので、水晶振動子101に対し歪応力等が作用しても、接合面積の大きな接合材11によって、接合材14が保護される。これにより、内部空間13の気密性を向上させることができる。
【0051】
また、本実施の形態によれば、水晶振動子101のパッケージ12の高さにバラつきを生じにくくすることができる。例えば、本実施の形態と異なり、封止部材(本実施の形態でいう第1封止部材3,第2封止部材4)と水晶振動板2とのギャップが1μmより大きくなるSn接合材のような金属ペースト封止材を用いた場合、金属ペースト封止材をパターン(振動側第1接合パターン251、振動側第2接合パターン252、封止側第1接合パターン321、封止側第2接合パターン421)上に形成する際の高さにバラつきが生じる。また、接合後においても、形成されたパターン(振動側第1接合パターン251、振動側第2接合パターン252、封止側第1接合パターン321、封止側第2接合パターン421)の熱容量分布により均一なギャップ(本実施の形態でいう第1封止部材3と水晶振動板2とのギャップや、本実施の形態でいう第2封止部材4と水晶振動板2とのギャップ)にならない。そのため、従来の技術では、第1封止部材、第2封止部材、水晶振動板の3枚の部材が積層された構造の場合、これら3枚の部材間での各々ギャップに差が生じる。その結果、積層された3枚の部材は、平行を保てない状態で接合されてしまう。特に、この問題はパッケージ12の低背化に伴い顕著になる。そこで、本実施の形態では、ギャップの上限が1.00μmに設定されているため、第1封止部材3、第2封止部材4、水晶振動板2の3枚の部材を平行に保った状態で積層して接合することができ、本実施の形態はパッケージ12の低背化に対応できる。つまり、本実施の形態では、パッケージ12を低背化しても、厚みが薄く、寸法精度に優位性がある水晶振動子101を提供することができる。さらに、水晶振動子101の積層間容量のバラつきを抑制することができ、これに起因する周波数バラつきも抑制することができる。
【0052】
また、本実施の形態では、第1励振電極221及び第2励振電極222は、水晶振動板2の振動部23を気密封止する封止部としての接合材11には電気的に接続されていない。詳細には、第1励振電極221は、第5貫通孔348、第1端子37、第4貫通孔347、第1貫通孔267、及び第8貫通孔447を順に経由して、一外部電極端子431に電気的に接続されている。また、第2励振電極222は、第3貫通孔269、第7貫通孔350、第2端子38、第6貫通孔349、第2貫通孔268、及び第9貫通孔448を順に経由して、他外部電極端子432に電気的に接続されている。この際、第1励振電極221、第2励振電極222、一外部電極端子431、及び他外部電極端子432は、振動部23を気密封止するための接合材11(振動側第1接合パターン251及び封止側第1接合パターン321,振動側第2接合パターン252及び封止側第2接合パターン421)には電気的に接続されていない。つまり、第1励振電極221から一外部電極端子431までの電気パス(導通路)を、第1封止部材3の一主面311上の第1端子37を経由させることで、この電気パスが接合材11と電気的に接続しないように設けられている。同様に、第2励振電極222から他外部電極端子432までの電気パスを、第1封止部材3の一主面311上の第2端子38を経由させることで、この電気パスが接合材11と電気的に接続しないように設けられている。
【0053】
言い換えれば、第1端子37と一外部電極端子431とを導通する第1電気パス(第4貫通孔347、第1貫通孔267、及び第8貫通孔447)、及び、第2端子38と他外部電極端子432とを導通する第2電気パス(第6貫通孔349、第2貫通孔268、及び第9貫通孔448)は、平面視で接合材11よりも外方に設けられている。また、第1励振電極221と第1端子37とを導通する第3電気パス(第5貫通孔348)、及び、第2励振電極222と第2端子38とを導通する第4電気パス(第3貫通孔269及び第7貫通孔350)は、平面視で接合材11よりも内方に設けられている。そして、第1励振電極221は、平面視で接合材11よりも内方に設けられた第3電気パスを経由して、第1端子37に接続されており、第1端子37は、平面視で接合材11よりも外方に設けられた第1電気パスを経由して、一外部電極端子431に接続されている。また、第2励振電極222は、平面視で接合材11よりも内方に設けられた第4電気パスを経由して、第2端子38に接続されており、第2端子38は、平面視で接合材11よりも外方に設けられた第2電気パスを経由して、他外部電極端子432に接続されている。
【0054】
このように、第1励振電極221及び第2励振電極222は、接合材11には電気的に接続されておらず、第1励振電極221及び第2励振電極222と、接合材11とが電気的に独立して設けられているので、接合材11による寄生容量(浮遊容量)の発生を抑制することができ、水晶振動子101の周波数可変量を大きく確保できる。したがって、サンドイッチ構造の水晶振動子101において、水晶振動板2の振動部23を封止した内部空間13の気密性を接合材11によって確保しながら、信頼性を向上させることができる。
【0055】
上記の構成の水晶振動子101は、回路基板61に、流動性導電接合材(本実施の形態では、半田62)を用いて電気的に接続される。ここで、外部電極端子(一外部電極端子431,他外部電極端子432)が回路基板61に電気的に接続された接合構造において、
図8,9に示すように、半田62により第8貫通孔447及び第9貫通孔448の貫通部分72が埋められて、水晶振動子101が回路基板61に接合されている。
図8に示す接合構造では、平面視で接合材11よりも外方に設けられた第1貫通孔267,第2貫通孔268,第4貫通孔347,第6貫通孔349,第8貫通孔447,第9貫通孔448の貫通部分72が全て半田62により埋められている。また、
図9に示す接合構造では、第1貫通孔267,第2貫通孔268,第8貫通孔447,第9貫通孔448の貫通部分72が全て半田62により埋められ、第4貫通孔347,第6貫通孔349の貫通部分72の一部が半田62により埋められている。なお、最下層に設けられる第8貫通孔447,第9貫通孔448の貫通部分72のみが半田62により埋められる構成としてもよい。あるいは、最下層及びその上層に設けられる第1貫通孔267,第2貫通孔268,第8貫通孔447,第9貫通孔448の貫通部分72が半田62により埋められる構成としてもよい。
【0056】
ここで、水晶振動板2と第2封止部材4とが振動側第2接合パターン252及び封止側第2接合パターン421を重ね合わせた状態では、第1貫通孔267の貫通部分72と、第4貫通孔347の貫通部分72と、第8貫通孔447の貫通部分72とでは、夫々少なくとも一部(本実施の形態では貫通部分72の全て)が重畳する。また、第2貫通孔268の貫通部分72と、第6貫通孔349の貫通部分72と、第9貫通孔448の貫通部分72とでは、夫々少なくとも一部(本実施の形態では貫通部分72の全て)が重畳する。これにより、回路基板61に電気的に接続するために用いる半田62に気泡が存在しても、重畳部分を通って、第1封止部材3の一主面311から外部に半田62の気泡を抜くことができる。
【0057】
これに加え、外部電極端子(一外部電極端子431、他外部電極端子432)を回路基板61に半田62により電気的に接続した際に、半田62が外部電極端子から第8貫通孔447及び第9貫通孔448に伝って、第8貫通孔447及び第9貫通孔448の貫通部分72へ這い上がる。また、半田62の使用量が多ければ、第8貫通孔447及び第9貫通孔448の貫通部分72が半田62で埋まる(
図8,9参照)。この際、貫通部分72へ這い上がった半田62の侵食作用によって、水晶振動板2の振動部23を気密封止した内部空間13の気密性の低下が懸念される。しかし、本実施の形態によれば、水晶振動板2の第1励振電極221から一外部電極端子431までの経路が、第3電気パス(第5貫通孔348)、第1端子、及び第1電気パス(第4貫通孔347、第1貫通孔267、第8貫通孔447)となっており、その経路長さとして比較的長い距離を確保できる。また、水晶振動板2の第2励振電極222から他外部電極端子432までの経路が、第4電気パス(第3貫通孔269、第7貫通孔350)、第2端子、及び第2電気パス(第6貫通孔349、第2貫通孔268、第9貫通孔448)となっており、その経路長さとして比較的長い距離を確保できる。これにより、内部空間13の気密性低下への半田62の侵食作用の影響を抑制することができる。
【0058】
また、接合材11よりも内方に設けられた水晶振動板2の振動部23から離れた位置に電気パス(第1電気パス、第2電気パス)が設けられているので、水晶振動子101の外部の回路基板61への接合時、電気パスの貫通部分72が水晶振動板2等とは熱膨張率の異なる半田62で埋まったとしても、発生する接合応力の水晶振動板2の振動部23への影響を抑制することが可能になる。
【0059】
詳細には、水晶振動子101の回路基板61への接合時、電気パスの貫通部分72が半田62で埋まった場合、半田62と水晶振動板2等との熱膨張率差に起因して発生する応力によって、水晶振動板2の振動部23に悪影響を及ぼすことが懸念される。しかし、本形態によれば、電気パスの貫通部分72が半田62で埋まったとしても、水晶振動板2の振動部23と貫通孔とが離れた位置に配置されるので、熱膨張率差に起因する上記応力の水晶振動板2の振動部23への影響を抑制することが可能になる。また、水晶振動板2の振動部23と、電気パスの貫通部分72との間に、封止領域の封止部(接合材11)が介在されることになるので、熱膨張率差に起因する上記応力が、貫通部分72に埋まった半田62から水晶振動板2の振動部23へ直接伝達されることがなくなる。このように、熱膨張率差に起因する上記応力の伝達が、接合材11によって遮られるため、水晶振動板2の振動部23へ伝達される応力を低減することが可能になる。
【0060】
また、水晶振動子101を回路基板61に半田62を用いて接合する際、半田62が外部電極端子(一外部電極端子431、他外部電極端子432)から第8貫通孔447及び第9貫通孔448に伝って、第8貫通孔447及び第9貫通孔448の貫通部分72に這い上がり、第8貫通孔447及び第9貫通孔448の貫通部分72が埋まる。そのため、回路基板61への水晶振動子101の接合時に発生する接合応力が、第8貫通孔447及び第9貫通孔448の貫通部分72に這い上がった半田62の量に相当する分だけ分散されるので、接合時に外部電極端子にかかる接合応力を低減させることが可能になる。
【0061】
また、内部空間13の封止領域内に設けられた振動部23から離れた位置に第8貫通孔447及び第9貫通孔448が設けられているので、水晶振動子101の回路基板61への接合時、第8貫通孔447及び第9貫通孔448の貫通部分72が水晶振動板2等とは熱膨張率の異なる半田62で埋まったとしても、発生する接合応力の水晶振動板2の振動部23への影響を抑制することが可能になる。
【0062】
詳細には、水晶振動子101の回路基板61への接合時、第8貫通孔447及び第9貫通孔448の貫通部分72が半田62で埋まった場合、半田62と水晶振動板2等との熱膨張率差に起因して発生する応力によって、水晶振動板2の振動部23に悪影響を及ぼすことが懸念される。しかし、本実施の形態によれば、第8貫通孔447及び第9貫通孔448の貫通部分72が半田62で埋まったとしても、水晶振動板2の振動部23と第8貫通孔447及び第9貫通孔448とが平面視で離れた位置に配置されるので、熱膨張率差に起因する上記応力の水晶振動板2の振動部23への影響を抑制することが可能になる。また、水晶振動板2の振動部23と第8貫通孔447及び第9貫通孔448との間に、封止領域の封止部(接合材11により接合される領域)が介在されることになるので、熱膨張率差に起因する上記応力が、第8貫通孔447及び第9貫通孔448に埋まった半田62から水晶振動板2の振動部23へ直接伝達されることがなくなる。このように、熱膨張率差に起因する上記応力の伝達が、封止領域の封止部(接合材11により接合される領域)によって遮られるため、水晶振動板2の振動部23へ伝達される応力を低減することが可能になる。
【0063】
また、第1封止部材3の一主面311(水晶振動板2に面しない外方の主面)に第1端子37及び第2端子38が設けられているので、第1端子37及び第2端子38を水晶振動板2の検査用端子として利用することで、第2封止部材4の接合前に水晶振動板2の検査を容易に行うことができる。具体的には、水晶振動子101を回路基板61に搭載する前だけではなく、水晶振動子101を回路基板61に搭載した後においても、水晶振動板2の検査を容易に行うことができる。また、これに限らず、水晶振動板2と第1封止部材3とが接合された状態(第2封止部材4が接合されていない状態)においても、水晶振動板2の検査を容易に行うことができる。しかも、第1端子37及び第2端子38の大きさや形状を容易に変更するができ、これにより、外部電極端子(一外部電極端子431、他外部電極端子432)から見た水晶振動板2の容量を要求に応じて微調整することができる。
【0064】
この場合、上述した検査用端子を、第1端子37及び第2端子38の、平面視で内部空間13よりも外方側に位置する外側部分37a,38aに設けることが好ましい。検査用端子には、検査用のプローブが接触されるため、プローブが接触した際の圧力が第1封止部材3に作用する。ここで、検査用端子が平面視で内部空間13の内方側に設けられる場合、プローブが接触した際の圧力によって、第1封止部材3が変形する(撓む)可能性がある。このような第1封止部材3の変形により、第1封止部材3と、水晶振動板2の振動部23(第1励振電極221)との距離が小さくなったり、両者が接触することが懸念される。このため、水晶振動板2の振動部23の圧電振動が阻害されたり、浮遊容量が変化するという問題が発生する可能性がある。しかし、検査用端子を第1端子37及び第2端子38の外側部分37a,38aに設けることによって、プローブが接触した際の圧力を、第1封止部材3から水晶振動板2へ分散させることができ、第1封止部材3の変形を抑制することができる。これにより、第1封止部材3の変形に起因する水晶振動板2の振動部23の圧電振動の阻害や、浮遊容量の変化を抑制することができる。
【0065】
なお、本実施の形態では、第1封止部材3及び第2封止部材4にガラスを用いているが、これに限定されるものではなく、水晶を用いてもよい。
【0066】
また、本実施の形態では、圧電振動板に水晶を用いているが、これに限定されるものではなく、圧電材料であれば他の材料であってもよく、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム等であってもよい。
【0067】
また、本実施の形態では、接合材11として、Ti(もしくはCr)とAuを用いているが、これに限定されるものではなく、接合材11を例えばNiとAuとから構成してもよい。
【0068】
また、本実施の形態では、第1貫通孔267の貫通部分72と、第4貫通孔347の貫通部分72と、第8貫通孔447の貫通部分72とでは、夫々少なくとも一部が重畳しているが、第1貫通孔267の貫通部分72は、第4貫通孔347の貫通部分72,第8貫通孔447の貫通部分72に対し、平面視で重畳していない構成としてもよい。同様に、第2貫通孔268の貫通部分72は、第6貫通孔349の貫通部分72,第9貫通孔448の貫通部分72に対し、平面視で重畳していない構成としてもよい。これらの場合、水晶振動板2の第1励振電極221から一外部電極端子431までの経路の長さとして、あるいは、水晶振動板2の第2励振電極222から他外部電極端子432までの経路の長さとして、より長い距離を確保できるので、内部空間13の気密性低下への半田62の侵食作用の影響をより効果的に抑制することができる。
【0069】
−水晶発振器−
また、本実施の形態では、圧電振動デバイスとして水晶振動子を用いているが、これに限定されるものではなく、圧電振動デバイスとして水晶発振器を用いてもよい。以下、圧電振動を行う圧電振動デバイスとして水晶発振器に本発明を適用した場合を示す。なお、便宜上、上記の水晶振動子101(
図1〜
図9参照)と共通の構成については、同一符号を付し、説明を省略する。また、共通の構成によって生じる作用効果も上記の水晶振動子101と同様であり、説明を省略する。以下では、本実施の形態にかかる水晶発振器について、上記の水晶振動子101とは異なる構成ついて主に説明する。
【0070】
本実施の形態にかかる水晶発振器102では、
図10に示すように、水晶振動板2(本発明でいう圧電振動板)と、水晶振動板2の第1励振電極221(
図13参照)を覆い、水晶振動板2の一主面211に形成された第1励振電極221を気密封止する第1封止部材3と、この水晶振動板2の他主面212に、水晶振動板2の第2励振電極222(
図14参照)を覆い、第1励振電極221と対になって形成された第2励振電極222を気密封止する第2封止部材4と、第1封止部材に搭載された圧電振動素子以外の電子部品素子(本実施の形態ではIC5)とが設けられている。この水晶発振器102では、水晶振動板2と第1封止部材3とが接合され、水晶振動板2と第2封止部材4とが接合されてサンドイッチ構造のパッケージ12が構成される。
【0071】
そして、水晶振動板2を介して第1封止部材3と第2封止部材4とが接合されることで、パッケージ12の内部空間13が形成され、このパッケージ12の内部空間13に、水晶振動板2の両主面211,212に形成された第1励振電極221及び第2励振電極222を含む振動部23が気密封止されている。本実施の形態にかかる水晶発振器102は、例えば、1.2×1.0mmのパッケージサイズであり、小型化と低背化とを図ったものである。また、小型化に伴い、本パッケージ12では、キャスタレーションを形成せずに、貫通孔(第11〜第25貫通孔)を用いて電極の導通を図っている。
【0072】
水晶振動板2には、
図13,14に示すように、一主面211と他主面212との間を貫通する5つの貫通孔(第11〜第15貫通孔271〜275)が形成されている。第11貫通孔271は、第1封止部材3の第16貫通孔351及び第2封止部材4の第22貫通孔451に繋がるものである。第12貫通孔272は、第1封止部材3の第17貫通孔352及び第2封止部材4の第23貫通孔452に繋がるものである。第13貫通孔273は、第1封止部材3の第18貫通孔353及び第2封止部材4の第24貫通孔453に繋がるものである。第14貫通孔274は、第1封止部材3の第19貫通孔354及び第2封止部材4の第25貫通孔454に繋がるものである。第15貫通孔275は、第2励振電極222から引き出された第2引出電極224、及び、接合材14を介して第1封止部材3の第21貫通孔356に繋がるものである。
【0073】
第11〜第15貫通孔271〜275には、
図10,13,14に示すように、一主面211と他主面212とに形成された電極の導通を図るための貫通電極71が、第11〜第15貫通孔271〜275夫々の内壁面に沿って形成されている。そして、第11〜第15貫通孔271〜275夫々の中央部分は、一主面211と他主面212との間を貫通した中空状態の貫通部分72となる。第11〜第15貫通孔271〜275夫々の外周囲には、接続用接合パターン73が形成されている。接続用接合パターン73は、水晶振動板2の両主面(一主面211,他主面212)に設けられている。接続用接合パターン73は、振動側第1接合パターン251,振動側第2接合パターン252と同様の構成であり、水晶振動板2の両主面(一主面211,他主面212)上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜と、当該下地PVD膜上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜とからなる。水晶振動板2の一主面211に形成された第15貫通孔275の接続用接合パターン73は、
図13の矢印A1方向に沿って延びており、振動側第1接合パターン251と切り欠き部24との間に設けられている。水晶振動板2の他主面212に形成された第15貫通孔275の接続用接合パターン73は、第2励振電極222から引き出された第2引出電極224と一体的に形成されている。また、第1励振電極221から引き出された第1引出電極223には、
図13の矢印A1方向に沿って延びる接続用接合パターン73が一体的に形成されており、この接続用接合パターン73は、振動側第1接合パターン251と切り欠き部24との間に設けられている。
【0074】
水晶発振器102では、第11〜第14貫通孔271〜274は、平面視で内部空間13の外方(接合材11の外周面の外側)に形成されている。一方、第15貫通孔275は、平面視で内部空間13の内方(接合材11の内周面の内側)に形成されている。第11〜第15貫通孔271〜275は、振動側第1接合パターン251及び振動側第2接合パターン252とは電気的に接続されていない。
【0075】
第1封止部材3の一主面311(IC5を搭載する面)には、
図10,11に示すように、発振回路素子であるIC5を搭載する搭載パッドを含む6つの電極パターン33が形成されている。6つの電極パターン33は、夫々個別に第16〜第21貫通孔351〜356に接続されている。IC5は、金属バンプ(例えばAuバンプ等)34を用いて電極パターン33に、FCB(Flip Chip Bonding)法により接合されている。
【0076】
第1封止部材3には、
図10〜12に示すように、一主面311と他主面312との間を貫通する6つの貫通孔(第16〜第21貫通孔351〜356)が形成されている。第16貫通孔351は、水晶振動板2の第11貫通孔271に繋がるものである。第17貫通孔352は、水晶振動板2の第12貫通孔272に繋がるものである。第18貫通孔353は、水晶振動板2の第13貫通孔273に繋がるものである。第19貫通孔354は、水晶振動板2の第14貫通孔274に繋がるものである。第20貫通孔355は、接合材14を介して水晶振動板2の第1励振電極221から引き出された第1引出電極223に繋がるものである。第21貫通孔356は、接合材14を介して水晶振動板2の第15貫通孔275に繋がるものである。
【0077】
第16〜第21貫通孔351〜356には、
図10〜12に示すように、一主面311と他主面312とに形成された電極の導通を図るための貫通電極71が、第16〜第21貫通孔351〜356夫々の内壁面に沿って形成されている。そして、第16〜第21貫通孔351〜356夫々の中央部分は、一主面311と他主面312との間を貫通した中空状態の貫通部分72となる。第16〜第21貫通孔351〜356夫々の外周囲には、接続用接合パターン73が形成されている。接続用接合パターン73は、第1封止部材3の他主面312に設けられている。接続用接合パターン73は、封止側第1接合パターン321と同様の構成であり、第1封止部材3の他主面312上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜と、当該下地PVD膜上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜とからなる。第20貫通孔355及び第21貫通孔356の接続用接合パターン73は、
図12の矢印A1方向に沿って延びている。
【0078】
水晶発振器102では、第16〜第19貫通孔351〜354は、平面視で内部空間13の外方(接合材11の外周面の外側)に形成されている。一方、第20貫通孔355,第21貫通孔356は、平面視で内部空間13の内方(接合材11の内周面の内側)に形成されている。第16〜第21貫通孔351〜356は、封止側第1接合パターン321とは電気的に接続されていない。また、6つの電極パターン33も、封止側第1接合パターン321とは電気的に接続されていない。
【0079】
第2封止部材4の他主面412(水晶振動板2に面しない外方の主面)には、外部に電気的に接続する4つの外部電極端子(第1〜第4外部電極端子433〜436)が設けられている。第1〜第4外部電極端子433〜436の4つの角部に夫々位置する。これら外部電極端子(第1〜第4外部電極端子433〜436)は、他主面412上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜4331〜4361と、下地PVD膜4331〜4361上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜4332〜4362とからなる。
【0080】
第2封止部材4には、
図10,15,16に示すように、一主面411と他主面412との間を貫通する4つの貫通孔(第22〜第25貫通孔451〜454)が形成されている。第22貫通孔451は、第1外部電極端子433及び水晶振動板2の第11貫通孔271に繋がるものである。第23貫通孔452は、第2外部電極端子434及び水晶振動板2の第12貫通孔272に繋がるものである。第24貫通孔453は、第3外部電極端子435及び水晶振動板2の第13貫通孔273に繋がるものである。第25貫通孔454は、第4外部電極端子436及び水晶振動板2の第14貫通孔274に繋がるものである。
【0081】
第22〜第25貫通孔451〜454には、
図10,15,16に示すように、一主面411と他主面412とに形成された電極の導通を図るための貫通電極71が、第22〜第25貫通孔451〜454夫々の内壁面に沿って形成されている。そして、第22〜第25貫通孔451〜454夫々の中央部分は、一主面411と他主面412との間を貫通した中空状態の貫通部分72となる。第22〜第25貫通孔451〜454夫々の外周囲には、接続用接合パターン73が形成されている。接続用接合パターン73は、第2封止部材4の一主面411に設けられている。接続用接合パターン73は、封止側第2接合パターン421と同様の構成であり、第2封止部材4の一主面411上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜と、当該下地PVD膜上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜とからなる。
【0082】
水晶発振器102では、第22〜第25貫通孔451〜454は、平面視で内部空間13の外方(接合材11の外周面の外側)に形成されている。そして、第22〜第25貫通孔451〜454は、封止側第2接合パターン421とは電気的に接続されていない。また、第1〜第4外部電極端子433〜436も、封止側第2接合パターン421とは電気的に接続されていない。
【0083】
上記の構成からなる水晶発振器102では、従来の技術のように別途接着剤等の接合専用材を用いずに、水晶振動板2と第1封止部材3とが振動側第1接合パターン251及び封止側第1接合パターン321を重ね合わせた状態で拡散接合され、水晶振動板2と第2封止部材4とが振動側第2接合パターン252及び封止側第2接合パターン421を重ね合わせた状態で拡散接合されて、
図10に示すサンドイッチ構造のパッケージ12が製造される。これにより、パッケージ12の内部空間13、つまり、振動部23の収容空間が気密封止される。なお、振動側第1接合パターン251及び封止側第1接合パターン321自身が拡散接合後に生成される接合材11となり、振動側第2接合パターン252及び封止側第2接合パターン421自身が拡散接合後に生成される接合材11となる。接合材11は、平面視で環状に形成される。
【0084】
この際、第11〜第25貫通孔夫々の外周囲の接続用接合パターン73同士も重ね合わせられた状態で拡散接合される。具体的には、第11貫通孔271及び第16貫通孔351の接続用接合パターン73同士が拡散接合される。第11貫通孔271及び第22貫通孔451の接続用接合パターン73同士が拡散接合される。また、第12貫通孔272及び第17貫通孔352の接続用接合パターン73同士が拡散接合される。第12貫通孔272及び第23貫通孔452の接続用接合パターン73同士が拡散接合される。また、第13貫通孔273及び第18貫通孔353の接続用接合パターン73同士が拡散接合される。第13貫通孔273及び第24貫通孔453の接続用接合パターン73同士が拡散接合される。また、第14貫通孔274及び第19貫通孔354の接続用接合パターン73同士が拡散接合される。第14貫通孔274及び第25貫通孔454の接続用接合パターン73同士が拡散接合される。
【0085】
また、第15貫通孔275及び第21貫通孔356の接続用接合パターン73同士が拡散接合される。第15貫通孔275の接続用接合パターン73は、第2封止部材4の一主面411に設けられた接続用接合パターン73と重ね合わせられた状態で拡散接合される。第20貫通孔355の接続用接合パターン73は、水晶振動板2の第1励振電極221から引き出された第1引出電極223から延びる接続用接合パターン73と重ね合わせられた状態で拡散接合される。そして、夫々の接続用接合パターン73同士が拡散接合後に生成される接合材14となる。拡散接合によって形成されたこれらの接合材14は、貫通孔の貫通電極71同士を導通させる役割、及び接合箇所を気密封止する役割を果たす。なお、
図10では、平面視で封止用の接合材11よりも外方に設けられた接合材14を実線で示し、接合材11よりも内方に設けられた接合材14を破線で示している。
【0086】
そして、第20貫通孔355は、IC5を第1励振電極221に導通するための電気パス(導通路)となる。第15貫通孔275,第21貫通孔356は、IC5を第2励振電極222に導通するための電気パスとなる。また、第11貫通孔271,第16貫通孔351,第22貫通孔451は、IC5を第1外部電極端子433に導通するための電気パスとなる。第12貫通孔272,第17貫通孔352,第23貫通孔452は、IC5を第2外部電極端子434に導通するための電気パスとなる。第13貫通孔273,第18貫通孔353,第24貫通孔453は、IC5を第3外部電極端子435に導通するための電気パスとなる。第14貫通孔274,第19貫通孔354,第25貫通孔454は、IC5を第4外部電極端子436に導通するための電気パスとなる。
【0087】
本実施の形態では、第15貫通孔275及び第21貫通孔356は、平面視で内部空間13の内方(接合材11の内周面の内側)に設けられている。この場合、第15貫通孔275と第21貫通孔356とが平面視で重畳しないように配置されている。具体的には、
図10,11に示すように、正面視では(
図11の矢印A1方向から見ると)、第15貫通孔275と第21貫通孔356とは上下に一直線上に並んで配置されている。
図11では、便宜上、第1封止部材3の下方に設けられる水晶振動板2に形成された第15貫通孔275を2点鎖線で示している。一方、側面視では(
図11の矢印A2方向から見ると)、第15貫通孔275と第21貫通孔356とは上下に一直線上に並ばないようにオフセットされて配置されている。より詳細には、接合材14(接続用接合パターン73)の長手方向(
図12,13の矢印A1方向)の一端部に第15貫通孔275が接続され、接合材14の長手方向の他端部に第21貫通孔356が接続されている。そして、第15貫通孔275の貫通電極71と第21貫通孔356の貫通電極71とが接合材14を介して電気的に接続されている。
【0088】
また、本実施の形態では、第1励振電極221及び第2励振電極222は、水晶振動板2の振動部23を気密封止する封止部としての接合材11には電気的に接続されていない。詳細には、第1励振電極221は、第20貫通孔355、及び電極パターン33を順に経由して、IC5に電気的に接続されている。また、IC5は、電極パターン33、第16貫通孔351、第11貫通孔271、及び第22貫通孔451を順に経由して、第1外部電極端子433に電気的に接続されている。同様に、第2励振電極222は、第15貫通孔275、第21貫通孔356、及び電極パターン33を順に経由して、IC5に電気的に接続されている。また、IC5は、電極パターン33、第17貫通孔352、第12貫通孔272、及び第23貫通孔452を順に経由して、第2外部電極端子434に電気的に接続されている。この際、第1励振電極221、第2励振電極222、第1外部電極端子433、及び第2外部電極端子434は、振動部23を気密封止するための接合材11(振動側第1接合パターン251及び封止側第1接合パターン321,振動側第2接合パターン252及び封止側第2接合パターン421)には電気的に接続されていない。
【0089】
言い換えれば、IC5に接続される電極パターン33と、第1外部電極端子433とを導通する第1電気パス(第16貫通孔351、第11貫通孔271、及び第22貫通孔451)、及び、IC5に接続される電極パターン33と、第2外部電極端子434とを導通する第2電気パス(第17貫通孔352、第12貫通孔272、及び第23貫通孔452)は、平面視で接合材11よりも外方に設けられている。また、第1励振電極221と、IC5に接続される電極パターン33とを導通する第3電気パス(第20貫通孔355)、及び、第2励振電極222と、IC5に接続される電極パターン33とを導通する第4電気パス(第15貫通孔275及び第21貫通孔356)は、平面視で接合材11よりも内方に設けられている。そして、第1励振電極221は、平面視で接合材11よりも内方に設けられた第3電気パスを経由して、IC5に接続される電極パターン33に接続されている。また、IC5に接続される電極パターン33は、平面視で接合材11よりも外方に設けられた第1電気パスを経由して、第1外部電極端子433に接続されている。同様に、IC5に接続される第2励振電極222は、平面視で接合材11よりも内方に設けられた第4電気パスを経由して、IC5に接続される電極パターン33に接続されている。また、IC5に接続される電極パターン33は、平面視で接合材11よりも外方に設けられた第2電気パスを経由して、第2外部電極端子434に接続されている。
【0090】
上記の構成の水晶発振器102は、回路基板61に、流動性導電接合材(本実施の形態では、半田62)を用いて電気的に接続される。ここで、外部電極端子(第1〜第4外部電極端子433〜436)が回路基板61に電気的に接続された接合構造において、
図17,18に示すように、半田62により第22〜第25貫通孔451〜454の貫通部分72が埋められ、水晶発振器102が回路基板61に接合されている。
図17に示す接合構造では、平面視で接合材11よりも外方に設けられた第11〜第14貫通孔271〜274,第16〜第19貫通孔351〜354,第22〜第25貫通孔451〜454の貫通部分72が全て半田62により埋められている。また、
図18に示す接合構造では、第11〜第14貫通孔271〜274,第22〜第25貫通孔451〜454の貫通部分72が全て半田62により埋められ、第16〜第19貫通孔351〜354の貫通部分72の一部が半田62により埋められている。なお、第22〜第25貫通孔451〜454の貫通部分72のみが半田62により埋められる構成としてもよい。
【0091】
ここで、水晶振動板2と第2封止部材4とが振動側第2接合パターン252及び封止側第2接合パターン421を重ね合わせた状態では、第11貫通孔271の貫通部分72と、第16貫通孔351の貫通部分72と、第22貫通孔451とでは、夫々少なくとも一部(本実施の形態では貫通部分72の全て)が重畳する。また、第12貫通孔272の貫通部分72と、第17貫通孔352の貫通部分72と、第23貫通孔452とでは、夫々少なくとも一部(本実施の形態では貫通部分72の全て)が重畳する。第13貫通孔273の貫通部分72と、第18貫通孔353の貫通部分72と、第24貫通孔453とでは、夫々少なくとも一部(本実施の形態では貫通部分72の全て)が重畳する。第14貫通孔274の貫通部分72と、第19貫通孔354の貫通部分72と、第25貫通孔454とでは、夫々少なくとも一部(本実施の形態では貫通部分72の全て)が重畳する。
【0092】
なお、第11貫通孔271の貫通部分72は、第16貫通孔351の貫通部分72,第22貫通孔451の貫通部分72に対し、平面視で重畳していない構成としてもよい。また、第12貫通孔272の貫通部分72は、第17貫通孔352の貫通部分72,第23貫通孔452の貫通部分72に対し、平面視で重畳していない構成としてもよい。第13貫通孔273の貫通部分72は、第18貫通孔353の貫通部分72,第24貫通孔453の貫通部分72に対し、平面視で重畳していない構成としてもよい。第14貫通孔274の貫通部分72は、第19貫通孔354の貫通部分72,第25貫通孔454の貫通部分72に対し、平面視で重畳していない構成としてもよい。
【0093】
なお、第1封止部材3の一主面311に設けられた電極パターン33のうち、第1,第2励振電極221,222に接続される電極パターン33,33を、水晶振動板2の振動部23の検査用端子として利用することが可能である。この場合、上述した水晶振動子101の場合と同様に、第1,第2励振電極221,222に接続される電極パターン33,33の、平面視で内部空間13よりも外方側に位置する外側部分に、検査用端子を設けることが好ましい。例えば、第1,第2励振電極221,222に接続される電極パターン33,33を、平面視で接合材11を跨ぐ(接合材11と交差する)ように形成し、内部空間13よりも外方側に位置する外側部分を検査用端子として利用すればよい。
【0094】
本実施の形態の水晶発振器102によれば、上述した水晶振動子101と同様の作用効果に加え、次のような作用効果も得られる。
【0095】
本発明は、その精神や主旨または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【0096】
例えば、上記の本実施の形態にかかる水晶発振器102では、外部電極端子を第1外部電極端子433、第2外部電極端子434、第3外部電極端子435、第4外部電極端子436の4端子としているが、これに限定されるものではなく、外部電極端子を6端子や8端子といった任意の端子のものについても本発明を適用することができる。
【0097】
また、上述した水晶振動子101や、水晶発振器102において、接合材11の内側に設けられる接合材14を接合材11に沿わせるように形成してもよい。例えば、水晶振動子101の場合、
図19〜
図22に示すように、水晶振動板2及び第1,第2封止部材3,4に接続用接合パターンを形成すればよい。
図19は、水晶振動子101の第1封止部材3の変形例を示す概略裏面図であり、
図3に対応する。
図20は、水晶振動子101の水晶振動板2の変形例を示す概略平面図であり、
図4に対応する。
図21は、水晶振動子101の水晶振動板2の変形例を示す概略裏面図であり、
図5に対応する。
図22は、水晶振動子101の第2封止部材4の変形例を示す概略平面図であり、
図6に対応する。
【0098】
図20に示すように、水晶振動板2の一主面211に形成された第3貫通孔269の接続用接合パターン73は、
図20のA1方向に沿って延びるように形成されており、振動側第1接合パターン251と切り欠き部24との間に設けられている。また、水晶振動板2の一主面211には、第1励振電極221から引き出された第1引出電極223に繋がる接続用接合パターン74が、
図20のA1方向に沿って延びるように形成されており、振動側第1接合パターン251と切り欠き部24との間に設けられている。接続用接合パターン73,74は、振動部23を挟んで、
図20のA2方向(A1方向に垂直な方向)の両側に配置されている。接続用接合パターン73,74は、水晶振動板2の短辺方向に沿って延びている。また、接続用接合パターン73,74は、外縁形状及び内縁形状が略矩形に形成された振動側第1接合パターン251とは所定の間隔を隔てて設けられており、振動側第1接合パターン251の短辺に沿って設けられている。
【0099】
図21に示すように、水晶振動板2の他主面212に形成された第3貫通孔269の接続用接合パターン73は、
図21のA1方向に沿って延びるように形成されており、振動側第1接合パターン251と切り欠き部24との間に設けられている。第3貫通孔269の接続用接合パターン73は、第2励振電極222から引き出された第2引出電極224と一体的に形成されている。また、水晶振動板2の他主面212には、接続用接合パターン75が、
図21のA1方向に沿って延びるように形成されており、振動側第1接合パターン251と切り欠き部24との間に設けられている。接続用接合パターン73,75は、振動部23を挟んで、
図21のA2方向の両側に配置されている。接続用接合パターン73,75は、水晶振動板2の短辺方向に沿って延びている。また、接続用接合パターン73,75は、外縁形状及び内縁形状が略矩形に形成された振動側第2接合パターン252とは所定の間隔を隔てて設けられており、振動側第2接合パターン252の短辺に沿って設けられている。
【0100】
図19に示すように、第1封止部材3の他主面312に形成された第5,第7貫通孔348,350の接続用接合パターン73,73は、
図19のA1方向に沿って延びるように形成されている。接続用接合パターン73,73は、第1封止部材3の短辺方向に沿って延びている。また、接続用接合パターン73,73は、外縁形状及び内縁形状が略矩形に形成された封止側第1接合パターン321とは所定の間隔を隔てて設けられており、封止側第1接合パターン321の短辺に沿って設けられている。接続用接合パターン73,73は、水晶振動板2の一主面211の接続用接合パターン73,74と平面視で略一致する位置に設けられている。接続用接合パターン73,73の
図19のA2方向の間隔は、水晶振動板2の一主面211の接続用接合パターン73,74のA2方向の間隔(
図20参照)と略同じになっている。
【0101】
図22に示すように、第2封止部材4の一主面411には、接続用接合パターン76,77が、
図22のA1方向に沿って延びるように形成されている。接続用接合パターン76,77は、第2封止部材4の短辺方向に沿って延びている。また、接続用接合パターン76,77は、外縁形状及び内縁形状が略矩形に形成された封止側第2接合パターン421とは所定の間隔を隔てて設けられており、封止側第2接合パターン421の短辺に沿って設けられている。接続用接合パターン76,77は、水晶振動板2の他主面212の接続用接合パターン73,75と平面視で略一致する位置に設けられている。接続用接合パターン76,77の
図22のA2方向の間隔は、水晶振動板2の他主面212の接続用接合パターン73,75のA2方向の間隔(
図21参照)と略同じになっている。
【0102】
上述したように、水晶振動板2及び第1,第2封止部材3,4が積層される際、接続用接合パターン同士が重ね合わせられた状態で接合される。水晶振動板2の一主面211の接続用接合パターン73,74及び第1封止部材3の接続用接合パターン73,73が接合される。また、水晶振動板2の他主面212の接続用接合パターン73,75及び第2封止部材4の接続用接合パターン76,77が接合される。
【0103】
そして、
図23に示すように、水晶振動板2の一主面211の接続用接合パターン73及び第1封止部材3の接続用接合パターン73自身が接合後に生成される接合材14aとなる。水晶振動板2の一主面211の接続用接合パターン74及び第1封止部材3の接続用接合パターン73自身が接合後に生成される接合材14bとなる。水晶振動板2の他主面212の接続用接合パターン73及び第2封止部材4の接続用接合パターン76自身が接合後に生成される接合材14cとなる。水晶振動板2の他主面212の接続用接合パターン75及び第2封止部材4の接続用接合パターン77自身が接合後に生成される接合材14dとなる。
【0104】
接合材14a〜14dは、封止部としての接合材11よりも、平面視で内方に設けられた内側封止部となっている。具体的には、接合材14a,14bは、接合材11の内周側であって、水晶振動板2と第1封止部材3との間に設けられている。接合材14a,14bは、水晶振動板2の振動部23を挟んで、
図23のA2方向の両側の位置に設けられている。接合材14a,14bは、平面視で接合材11の短辺に隣接して設けられており、接合材11の短辺に平行に延びている。接合材14a,14bの長さ(
図23のA1方向の長さ)は、接合材11の短辺の長さの50%以上に設定されている。
【0105】
接合材14c,14dは、接合材11の内周側であって、水晶振動板2と第2封止部材4との間に設けられている。接合材14c,14dは、水晶振動板2の振動部23を挟んで、A2方向の両側の位置に設けられている。接合材14c,14dは、平面視で接合材11の短辺に隣接して設けられており、接合材11の短辺に平行に延びている。接合材14b,14dの長さ(A1方向の長さ)は、接合材11の短辺の長さの50%以上に設定されている。
【0106】
水晶振動板2の一主面211側の接合材14aと、水晶振動板2の他主面212側の接合材14cとは、平面視で略一致する位置に設けられている。また、水晶振動板2の一主面211側の接合材14bと、水晶振動板2の他主面212側の接合材14dとは、平面視で略一致する位置に設けられている。
【0107】
そして、外縁形状及び内縁形状が略矩形に形成された接合材11の短辺と、接合材14a〜14dとの間隔を小さくすることによって、接合時に加圧を行った際、第1封止部材3や第2封止部材4に変形(撓み)が発生することを抑制できる。つまり、接合材11の短辺と、接合材14a,14bとによって、水晶振動板2に対して第1封止部材3が支持されることで、第1封止部材3の変形を抑制することができる。また、接合材11と、接合材14c,14dとによって、水晶振動板2に対して第2封止部材4が支持されることで、第2封止部材4の変形を抑制することができる。したがって、第1封止部材3や第2封止部材4の変形に起因する、水晶振動板2の振動部23を封止する接合材11の接合強度の低下を抑制することができ、接合材11による内部空間13の気密性の低下を抑制することができる。
【0108】
また、上述した水晶振動子101や、水晶発振器102において、
図24に示すように、第1封止部材3の他主面312に溝39を設ける構成としてもよい。
図24の例では、第1封止部材3の他主面312に、直線状に延びる溝39が4つ形成されている。4つの溝39は、所定の間隔を隔てて互いに平行に設けられている。4つの溝39は、第1封止部材3の短辺方向に平行に延びている。4つの溝39は、第1封止部材3の内部空間13に面する部分に設けられている。溝39は、好ましくは、ウェットエッチングあるいはドライエッチングによって、第1封止部材3の他主面312に形成される。なお、レーザー加工等の手段によって、第1封止部材3の他主面312に溝39を形成することも可能である。
【0109】
このような溝39は、パッケージ12の固有振動数を調整する調整部となっている。つまり、溝39の数や、形状、寸法等を調整することによって、パッケージ12の固有振動数を容易に調整することが可能となっている。したがって、パッケージ12の固有振動数を溝39によって調整することで、パッケージ12の固有振動数と、水晶振動板2の振動部23からパッケージ12へ漏れる振動の振動数とを容易に異ならせることできる。これにより、水晶振動板2の振動部23からパッケージ12へ漏れる振動に起因するパッケージ12の共振を抑制することができる。
【0110】
ここで、導電性接着剤を用いずに、第1封止部材3と水晶振動板2と第2封止部材4とが積層して接合されるため、導電性接着剤を用いる場合に比べて、水晶振動板2の振動部23の振動がパッケージ12へ漏れやすくなっている。このため、水晶振動板2の振動部23からパッケージ12へ漏れる振動に起因して、パッケージ12が共振することが懸念される。しかし、パッケージ12の固有振動数を溝39によって調整することで、パッケージ12の固有振動数と、水晶振動板2の振動部23からパッケージ12へ漏れる振動の振動数とを異ならせることによって、水晶振動板2の振動部23から外側へ漏れる振動に起因するパッケージ12の共振を抑制するようにしている。
【0111】
また、第1封止部材3の他主面312の内部空間13に面する部分に溝39が設けられているので、パッケージ12によって溝39が保護される。これにより、パッケージ12が外部と接触することによる、溝39の形状、寸法等の変化が防止され、溝39の形状、寸法等の変化に伴うパッケージ12の固有振動数の調整が不要になる。また、第1封止部材3の一主面311において、外部要素との接続のための配線の自由度を高めることができ、配線に必要な面積を容易に確保することができる。
【0112】
なお、溝39の数や、形状、寸法等は適宜変更することが可能である。また、第1封止部材3の他主面312に替えて、第2封止部材4の一主面411の内部空間13に面する部分に、溝を設けてもよい。あるいは、第1封止部材3の他主面312及び第2封止部材4の一主面411の両方の内部空間13に面する部分に溝を設けてもよい。また、パッケージ12の固有振動数を調整する調整部として、例えば有底孔などの溝以外のものを採用してもよい。また、このような調整部として、例えば、第1封止部材3及び第2封止部材4の少なくとも一方に形成された突起や段差(段部)、第1封止部材3及び第2封止部材4の少なくとも一方に固定された錘などを採用することが可能である。あるいは、第1封止部材3及び第2封止部材4の少なくとも一方に形成された蒸着膜などの質量負荷によって、パッケージ12の固有振動数を調整してもよく、また、第1封止部材3及び第2封止部材4の少なくとも一方の厚みを変更することによって、パッケージ12の固有振動数を調整してもよい。
【0113】
この出願は、2015年2月26日に日本で出願された特願2015−36708号に基づく優先権を請求する。これに言及することにより、その全ての内容は本出願に組み込まれるものである。