特許第6787465号(P6787465)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6787465
(24)【登録日】2020年11月2日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】熱源ユニット及び冷凍装置
(51)【国際特許分類】
   F25B 13/00 20060101AFI20201109BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20201109BHJP
   F25B 1/10 20060101ALI20201109BHJP
【FI】
   F25B13/00 331A
   F25B1/00 331E
   F25B1/00 321A
   F25B1/10 R
【請求項の数】9
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-180683(P2019-180683)
(22)【出願日】2019年9月30日
【審査請求日】2020年7月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 東
(72)【発明者】
【氏名】植野 武夫
(72)【発明者】
【氏名】中山 貴仁
(72)【発明者】
【氏名】伊東 孝将
【審査官】 笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2019−82316(JP,A)
【文献】 特開2015−98981(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
F25B 1/10
F25B 13/00
F25B 40/00 〜 40/02
F25B 47/02
F25B 49/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮要素(20)、熱源熱交換器(14)、過冷却熱交換器(40)及び切換機構(24)を含む熱源回路(11)を備え、利用熱交換器(54)を有する利用ユニット(50)に接続されることにより、冷凍サイクルを行う冷媒回路(2)を構成する熱源ユニットであって、
前記切換機構(24)は、
前記熱源熱交換器(14)を放熱器とし、前記利用熱交換器(54)を蒸発器とする第1冷凍サイクルと、
前記利用熱交換器(54)を放熱器とし、前記熱源熱交換器(14)を蒸発器とする第2冷凍サイクルとを切り換えるように構成され、
前記過冷却熱交換器(40)は、前記熱源回路(11)の液冷媒が流れる液管(32,33)の途中に接続される第1流路(40a)と、前記第1流路(40a)を流れる冷媒を冷却する熱媒体が流れる第2流路(40b)とを有し、
前記第1冷凍サイクルから前記第2冷凍サイクルに切り換わる前に、前記第2流路(40b)の前記第1流路(40a)の冷媒に対する冷却能力を低下させる第1運転を行う調節機構を備えていることを特徴とする熱源ユニット。
【請求項2】
請求項1において、
前記切換機構(24)は、前記第1運転中に、前記第1流路(40a)を流れる冷媒の温度が所定値より高くなると前記第2冷凍サイクルに切り換えることを特徴とする熱源ユニット。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記熱源回路(11)は、
一端が前記液管(32,33)から分岐し他端が前記圧縮要素(20)の中間圧力部又は吸入部に連通すると共に、前記熱媒体としての冷媒が流れる前記第2流路(40b)を含むインジェクション回路(60)と、
前記インジェクション回路(60)における前記第2流路(40b)の上流側に接続される膨張弁(26)とを有し、
前記調節機構(80)は、前記膨張弁(26)と前記第1運転において前記冷却能力を低下させるように前記膨張弁(26)の開度を制御する制御部(101)とを含むことを特徴とする熱源ユニット。
【請求項4】
請求項3において、
前記制御部(101)は、前記第1運転において、前記第2流路(40b)の冷媒の流量を減らすように前記膨張弁(26)の開度を小さくする第1制御を行うことを特徴とする熱源ユニット。
【請求項5】
請求項3又は4において、
前記制御部(101)は、前記第1運転において、前記第2流路(40b)の冷媒の圧力を上昇させるように前記膨張弁(26)の開度を大きくする第2制御を行うことを特徴とする熱源ユニット。
【請求項6】
請求項3において、
前記制御部(101)は、
前記第1運転において、前記圧縮要素(20)から吐出される冷媒の温度である吐出温度が低いことを示す条件が成立すると、前記第2流路(40b)の冷媒の流量を減らすように前記膨張弁(26)の開度を小さくする第1制御を行い、
前記圧縮要素(20)の前記吐出温度が高いことを示す条件が成立すると、前記第2流路(40b)の冷媒の圧力を上昇させるように前記膨張弁(26)の開度を大きくする第2制御を行うことを特徴とする熱源ユニット。
【請求項7】
請求項5又は6において、
前記熱源回路(11)は、前記インジェクション回路(60)における前記第2流路(40b)の下流側に接続される流量調整弁(28,29)を有し、
前記第1運転の前記第2制御において、前記圧縮要素(20)から吐出される冷媒の温度である吐出温度が所定値に近づくように、前記流量調節弁(28,29)の開度を調節することを特徴とする熱源ユニット。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つにおいて、
前記圧縮要素(20)は、第1圧縮部(22,23)と第2圧縮部(21)とを有し、前記第1冷凍サイクルにおいて該第1圧縮部(22,23)で圧縮した冷媒を前記第2圧縮部(21)でさらに圧縮する二段圧縮式であることを特徴とする熱源ユニット。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つに記載の熱源ユニット(10)と、利用熱交換器(54)を有する利用ユニット(50)とを備える冷凍装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱源ユニット及び冷凍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冷媒回路を備えた冷凍装置が知られている。特許文献1に開示の冷凍装置の冷媒回路は、圧縮器、空気熱交換器(熱源熱交換器)、膨張弁、庫内熱交換器(利用熱交換器)、及び過冷却器(過冷却熱交換器)を備える。冷媒回路では、第1冷凍サイクルと第2冷凍サイクルが行われる。第1冷凍サイクルでは、熱源熱交換器が放熱器となり、利用熱交換器が蒸発器となる。第2冷凍サイクルでは、熱源熱交換器が蒸発器となり、利用熱交換器が放熱器となる。
【0003】
冷凍装置は、冷却運転において、第1冷凍サイクルを行う。冷却運転時に利用熱交換器が着霜すると、冷凍装置はデフロスト運転を行う。デフロスト運転では、第2冷凍サイクルが行われ、利用熱交換器が放熱器となる。このため、冷媒によって利用熱交換器の表面の霜を融かすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−48983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した冷凍装置において、第1冷凍サイクルでは、熱源熱交換器で放熱した冷媒は、過冷却熱交換器で冷却された後、利用熱交換器で蒸発する。第1冷凍サイクルから第2冷凍サイクルに切り換わると、利用熱交器側から比較的温度の高い冷媒が過冷却熱交換器へ流入する。このことによって、過冷却熱交換器の熱応力が増大し、過冷却熱交換器は応力割れを起こすおそれがある。
【0006】
本開示の目的は、第1冷凍サイクルから第2冷凍サイクルに切り換えたときに、過冷却熱交換器の熱応力が増大することを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様は、圧縮要素(20)、熱源熱交換器(14)、過冷却熱交換器(40)及び切換機構(24)を含む熱源回路(11)を備え、利用熱交換器(54)を有する利用ユニット(50)に接続されることにより、冷凍サイクルを行う冷媒回路(2)を構成する熱源ユニットであって、
前記切換機構(24)は、前記熱源熱交換器(14)を放熱器とし、前記利用熱交換器(54)を蒸発器とする第1冷凍サイクルと、前記利用熱交換器(54)を放熱器とし、前記熱源熱交換器(14)を蒸発器とする第2冷凍サイクルとを切り換えるように構成され、
前記過冷却熱交換器(40)は、前記熱源回路(11)の液冷媒が流れる液管(32,33)の途中に接続される第1流路(40a)と、前記第1流路(40a)を流れる冷媒を冷却する熱媒体が流れる第2流路(40b)とを有し、
前記第1冷凍サイクルから前記第2冷凍サイクルに切り換わる前に、前記第2流路(40b)の前記第1流路(40a)の冷媒に対する冷却能力を低下させる第1運転を行う調節機構を備えている。
【0008】
第1の態様では、第1運転によって、第2流路(40b)の冷却能力が下がる。そのことにより、第1流路(40a)の温度を上昇できる。その結果、第2冷凍サイクルにおいて、利用熱交換器(54)側から高温の冷媒が第1流路(40a)に流入しても、過冷却熱交換器(40)の熱応力の増大を抑制できる。
【0009】
第2の態様は、前記切換機構(24)は、前記第1運転中に、前記第1流路(40a)を流れる冷媒の温度が所定値より高くなると前記第2冷凍サイクルに切り換える。
【0010】
第2の態様では、第1運転中に第1流路(40a)の冷媒温度が所定値より高くなると、第1冷凍サイクルから第2冷凍サイクルに切り換わる。
【0011】
第3の態様は、前記熱源回路(11)は、一端が前記液管(32,33)から分岐し他端が前記圧縮要素(20)の中間圧力部又は吸入部に連通すると共に、前記熱媒体としての冷媒が流れる前記第2流路(40b)を含むインジェクション回路(60)と、前記インジェクション回路(60)における前記第2流路(40b)の上流側に接続される膨張弁(26)とを有し、前記調節機構(80)は、前記膨張弁(26)と前記第1運転において前記冷却能力を低下させるように前記膨張弁(26)の開度を制御する制御部(101)とを含む。
【0012】
第3の態様では、膨張弁(26)の開度が制御されることによって、第2流路(40b)の前記冷却能力を低下できる。インジェクション回路(60)を介して、第2流路(40b)の冷媒を圧縮要素(20)に導入できる。
【0013】
第4の態様は、前記制御部(101)は、前記第1運転において、前記第2流路(40b)の冷媒の流量を減らすように前記膨張弁(26)の開度を小さくする第1制御を行う。
【0014】
第4の態様では、第1制御により第2流路(40b)に流入する冷媒の流量が減少する。このことにより、第2流路(40b)の前記冷却能力を低下できる。
【0015】
第5の態様は、前記制御部(101)は、前記第1運転において、前記第2流路(40b)の冷媒の圧力を上昇させるように前記膨張弁(26)の開度を大きくする第2制御を行う。
【0016】
第5の態様では、第2制御により第2流路(40b)に流入する冷媒の圧力が上昇する。このことにより、第2流路(40b)の前記冷却能力を低下できる。
【0017】
第6の態様は、前記制御部(101)は、前記第1運転において、前記圧縮要素(20)から吐出される冷媒の温度である吐出温度が低いことを示す条件が成立すると、前記第2流路(40b)の冷媒の流量を減らすように前記膨張弁(26)の開度を小さくする第1制御を行い、前記圧縮要素(20)の前記吐出温度が高いことを示す条件が成立すると、前記第2流路(40b)の冷媒の圧力を上昇させるように前記膨張弁(26)の開度を大きくする第2制御を行う。
【0018】
第6の態様では、吐出温度が低いときは、第1制御を行う。吐出温度が高いときは、第2制御を行う。第2制御により、圧縮要素(20)から吐出される冷媒の温度を低下できる。
【0019】
第7の態様は、前記熱源回路(11)は、前記インジェクション回路(60)における前記第2流路(40b)の下流側に接続される流量調整弁(28,29)を有し、前記第1運転の前記第2制御において、前記圧縮要素(20)から吐出される冷媒の吐出温度が所定値に近づくように、前記流量調節弁(28,29)の開度を調節する。
【0020】
第7の態様では、流量調整弁(28,29)は、その開度を調節することによって、圧縮要素(20)に導入される冷媒量を調節できる。このことにより、圧縮要素(20)の吐出温度を調節できる。
【0021】
第8の態様は、前記圧縮要素(20)は、第1圧縮部(22,23)と第2圧縮部(21)とを有し、前記第1冷凍サイクルにおいて該第1圧縮部(22,23)で圧縮した冷媒を前記第2圧縮部(21)でさらに圧縮する二段圧縮式である。
【0022】
第9の態様は、冷凍装置(1)は、前記熱源ユニット(10)と、前記利用熱交換器(54)を有する利用ユニット(50)とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、実施形態に係る冷凍装置の配管系統図である。
図2図2は、コントローラと各種のセンサと冷媒回路の構成機器との関係を示すブロック図である。
図3図3は、冷却運転の冷媒の流れを示した図1に相当する図である。
図4図4は、デフロスト運転の冷媒の流れを示した図1に相当する図である。
図5図5は、第1運転のフローチャートである。
図6図6は、変形例1に係る冷凍装置の配管系統図である。
図7図7は、変形例1に係る第1運転の図5に相当する図である。
図8図8は、変形例2に係る冷凍装置の配管系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0025】
《実施形態》
〈全体構成〉
実施形態に係る冷凍装置(1)は、冷凍倉庫の庫内の空気を冷却する。図1に示すように、冷凍装置(1)は、室外ユニット(10)と庫内ユニット(50)を備える。室外ユニット(10)は、熱源ユニット(10)であって、屋外に設置される。庫内ユニット(50)は、利用ユニット(50)である。
【0026】
室外ユニット(10)は、熱源回路(11)を備える。庫内ユニット(50)は、利用回路(51)を備える。冷凍装置(1)では、熱源回路(11)と利用回路(51)とが連絡配管(3,4)を介して互いに接続されることによって、冷媒回路(2)が構成される。冷媒回路(2)では、冷媒が循環することで蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
【0027】
熱源回路(11)と利用回路(51)とは、液連絡配管(3)及びガス連絡配管(4)によって互いに接続されている。液連絡配管(3)の一端は、熱源回路(11)の一端部に接続された液側閉鎖弁(17)に接続されている。ガス連絡配管(4)の一端は、熱源回路(11)の他端部に接続されたガス側閉鎖弁(18)に接続されている。
【0028】
〈室外ユニット〉
室外ユニット(10)は、室外ファン(15)、熱源回路(11)、及び調節機構(80)を有する。熱源回路(11)は、圧縮要素(20)と、四方切換弁(24)と、室外熱交換器(14)と、受液器(39)と、過冷却熱交換器(40)とを有する。
【0029】
〈圧縮要素、及びその周辺構造〉
圧縮要素(20)は、熱媒体である冷媒を圧縮する。圧縮要素(20)は、低段側の第1圧縮部(22,23)で圧縮した冷媒を、高段側の第2圧縮部(21)でさらに圧縮する二段圧縮式を構成する。具体的に、第1圧縮部(22,23)は、第1低段側圧縮機(22)及び第2低段側圧縮機(23)である。第2圧縮部(22)は、高段側圧縮機(21)である。第1低段側圧縮機(22)と第2低段側圧縮機(23)とは、互いに並列に接続される。各圧縮機(21〜23)は、いずれも全密閉式高圧ドーム型のスクロール圧縮機で構成される。高段側圧縮機(21)及び第2低段側圧縮機(23)は可変容量式である。高段側圧縮機(21)及び第2低段側圧縮機(23)には、電源電力がインバータ回路を介して電動機に供給される。第1低段側圧縮機(22)の運転容量は固定である。
【0030】
高段側圧縮機(21)には、第1吸入管(44)及び第1吐出管(41)が接続される。第1低段側圧縮機(22)には、第2吸入管(45)及び第2吐出管(42)が接続される。第2低段側圧縮機(23)には、第3吸入管(46)及び第3吐出管(43)が接続される。
【0031】
第2吸入管(45)及び第3吸入管(46)は、第1合流管(48)に接続される。第2吐出管(42)及び第3吐出管(43)は、第2合流管(47)に接続される。熱源回路(11)には、一端が第1合流管(48)の途中に接続し、他端が第2合流管(47)の途中に接続する接続管(49)が設けられる。接続管(49)には、第6電動弁(53)が接続される。第6電動弁(53)は、流量調整弁である。第6電動弁(53)は、接続管(49)の冷媒の流量を調節する。
【0032】
〈四方切換弁〉
四方切換弁(24)は、冷媒の流路を切り換える切換機構を構成する。四方切換弁(24)は、第1〜第4ポート(P1〜P4)を備える。第1ポート(P1)は、高段側圧縮機(21)の第1吐出管(41)に接続する。第2ポート(P2)は、第1吸入管(44)に接続する。第3ポート(P3)は、室外熱交換器(14)のガス端部に連通する。第4ポート(P4)は、第2合流管(47)に接続する。
【0033】
四方切換弁(24)は、第1状態(図1に実線で示す状態)と第2状態(図1に破線で示す状態)とに切換え可能に構成されている。第1状態では、第2ポート(P2)と第4ポート(P4)とが互いに連通し、且つ第1ポート(P1)と第3ポート(P3)とが互いに連通する。第2状態では、第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが互いに連通し、且つ第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とが互いに連通する。
【0034】
〈室外熱交換器〉
室外熱交換器(14)は、熱源熱交換器(14)である。室外熱交換器(14)はフィン・アンド・チューブ型の空気熱交換器である。室外ファン(15)は、室外熱交換器(14)の近傍に配置される。室外ファン(15)は、室外空気を搬送する。室外熱交換器(14)は、その内部を流れる冷媒と、室外ファン(15)が搬送する室外空気とを熱交換させる。
【0035】
室外熱交換器(14)のガス端は、四方切換弁(24)の第3ポート(P3)に連通する。室外熱交換器(14)の液端は、第1管(31)の一端に接続する。
【0036】
〈受液器、過冷却熱交換器、及びその周辺構造〉
受液器(39)は、冷媒を貯留する容器を構成する。受液器(39)は、冷媒をガス冷媒と液冷媒に分離する。
【0037】
過冷却熱交換器(40)は、第1流路(40a)と第2流路(40b)とを有する。第1流路(40a)は液冷媒が流通する液管(32,33)の途中に接続される。第2流路(40b)には、熱媒体である冷媒が流れる。第2流路は、第1流路(40a)を流れる冷媒を冷却する流路である。過冷却熱交換器(40)では、第1流路(40a)を流れる冷媒と、第2流路(40b)を流れる冷媒とが熱交換される。
【0038】
室外熱交換器(14)の液端部と受液器(39)の頂部との間には、第1管(31)が接続される。第1管(31)には、第4室外逆止弁(CV4)が接続される。第4室外逆止弁(CV4)は、室外熱交換器(14)から受液器(39)側への冷媒の流れを許容し、その逆の冷媒の流れを禁止する。
【0039】
受液器(39)の底部と過冷却熱交換器(40)の第1流路(40a)の一端との間には、第2管(32)が接続される。第2管(32)は液管の一部を構成する。
【0040】
第1流路(40a)の他端と液側閉鎖弁(17)との間には第3管(33)が接続される。第3管(33)は液管の一部を構成する。第3管(33)には、第5室外逆止弁(CV5)が接続される。第5室外逆止弁(CV5)は、第1流路(40a)から庫内熱交換器(54)側への冷媒の流れを許容し、その逆の冷媒の流れを禁止する。
【0041】
第3管(33)には、第4管(34)が接続される。第4管(34)の一端は、第3管(33)における第5室外逆止弁(CV5)と液側閉鎖弁(17)との間に接続する。第4管(34)の他端は、第1管(31)における第4室外逆止弁(CV4)と受液器(39)との間に接続する。第4管(34)には、第6室外逆止弁(CV6)が接続される。第6室外逆止弁(CV6)は、庫内熱交換器(54)側から室外熱交換器(14)側への冷媒の流れを許容し、その逆の冷媒の流れを禁止する。
【0042】
第2管(32)には、第5管(35)が接続される。第5管(35)の一端は、第2管(32)の途中に接続する。第5管(35)の他端は、第1管(31)における第4室外逆止弁(CV4)と室外熱交換器(14)との間に接続する。第5管(35)には、室外膨張弁(25)が接続される。室外膨張弁(25)は、その開度が可変な電子膨張弁である。第5管(35)には、第7室外逆止弁(CV7)が接続されている。第7室外逆止弁(CV7)は、第1管(31)と第5管(35)との接続部と室外膨張弁(25)との間に設けられる。第7室外逆止弁(CV7)は、庫内熱交換器(54)側から室外熱交換器(14)側への冷媒の流れを許容し、その逆の冷媒の流れを禁止する。
【0043】
〈インジェクション回路〉
熱源回路(11)は、インジェクション回路(60)を含む。インジェクション回路(60)は、液管(32,33)の中間圧の冷媒を圧縮要素(20)へ導入する。インジェクション回路(60)は、一端が液管(32,33)から分岐し、他端が圧縮要素(20)の中間圧力部に連通する。インジェクション回路(60)は、第2流路(40b)と、1つの第1分岐管(61)と、1つの中継管(62)と、3つのインジェクション管(63,64,65)とを含む。
【0044】
第1分岐管(61)の流入端は、第3管(33)における第4管(34)の接続部と液側閉鎖弁(17)との間に接続する。第1分岐管(61)の流出端は、過冷却熱交換器(40)の第2流路(40b)の流入端に接続する。
【0045】
第1分岐管(61)には、インジェクション弁(26)が接続される。インジェクション弁(26)は、その開度が可変な膨張弁(26)である。インジェクション弁(26)は電子膨張弁で構成される。
【0046】
中継管(62)の流入端は、第2流路(40b)の流出端に接続する。中継管(62)の流出部は、第1インジェクション管(63)、第2インジェクション管(64)、及び第3インジェクション管(65)の各流入端に接続する。
【0047】
第1インジェクション管(63)の流出端は、高段側圧縮機(21)の圧縮室に連通する。第2インジェクション管(64)の流出端は、第1低段側圧縮機(22)の圧縮室に連通する。第3インジェクション管(65)の流出端は、第2低段側圧縮機(23)の圧縮室に連通する。
【0048】
第1インジェクション管(63)には、第1電動弁(27)が接続される。第2インジェクション管(64)には、第2電動弁(28)が接続される。第3インジェクション管(65)には、第3電動弁(29)が接続される。第1〜第3電動弁(27〜29)は、流量調整弁である。第1〜第3電動弁(27〜29)は、対応するインジェクション管(63〜65)の冷媒の流量を調節する。
【0049】
〈センサ〉
室外ユニット(10)には、各種のセンサが設けられている。例えば、第1〜第3吐出配管(41〜43)には、第1〜第3吐出温度センサ(71〜73)が設けられている。第1吐出温度センサ(71)は、高段側圧縮機(21)から吐出される冷媒の第1吐出温度(Td1)を検知する。第2吐出温度センサ(72)は、第1低段側圧縮機(22)から吐出される冷媒の第2吐出温度(Td2)を検知する。第3吐出温度センサ(73)は、第2低段側圧縮機(23)から吐出される冷媒の温度である第3吐出温度(Td3)を検知する。第3管(33)には、液温センサ(74)が設けられている。液温センサ(74)は、第3管(33)を流通する冷媒の温度(TL)を検知する。
【0050】
第1分岐管(61)には第1温度センサ(75)が設けられる。第1温度センサ(75)は、インジェクション弁(26)と第2流路(40b)との間に配置される。第1温度センサ(75)は、第2流路(40b)に流入する冷媒の温度(Tg1)を検知する。
【0051】
中継管(62)には第2温度センサ(76)が設けられる。第2温度センサ(76)は、第2流路(40b)寄りに配置される。第2温度センサ(76)は、第2流路(40b)から中継管(62)に流出した直後の冷媒の温度(Tg2)を検知する。中継管(62)には、圧力センサ(77)が設けられる。圧力センサ(77)は、中継管(62)内の冷媒の圧力(MP)を検知する。
【0052】
〈庫内ユニット〉
庫内ユニット(50)は、利用回路(51)と庫内ファン(52)とを有する。
【0053】
利用回路(51)は、液連絡配管(3)及びガス連絡配管(4)に接続される。利用回路(51)は、その液端部からガス端部に向かって順に、加熱用配管(55)、庫内膨張弁(30)、及び庫内熱交換器(54)を有する。
【0054】
加熱用配管(55)は、庫内熱交換器(54)の下方に接続されたドレンパン(59)に取付けられている。ドレンパン(59)は、庫内熱交換器(54)から滴下する結露水を回収する。加熱用配管(55)は、ドレンパン(59)を温めて、ドレン水の凍結を抑制する。
【0055】
庫内膨張弁(30)は、感温筒を有する感温式膨張弁である。庫内膨張弁(30)は、庫内熱交換器(54)が蒸発器として機能するときは、該庫内熱交換器(54)の出口側の冷媒温度に基づいて開度が調整される。庫内熱交換器(54)が放熱器として機能するときは、庫内膨張弁(30)は全閉となる。
【0056】
庫内熱交換器(54)は、利用熱交換器を構成する。庫内熱交換器(54)は、フィン・アンド・チューブ型の熱交換器であって、冷媒を庫内空気と熱交換させる。庫内ファン(52)は、庫内熱交換器(54)の近傍に配置される。庫内ファン(52)は、庫内熱交換器(54)へ庫内空気を供給する。
【0057】
利用回路(51)は、庫内膨張弁(30)をバイパスする庫内バイパス流路(58)を有する。庫内バイパス流路(58)には、庫内逆止弁(CV8)が接続される。庫内逆止弁(CV8)は、庫内熱交換器(54)から加熱用配管(55)へ向かう冷媒の流れを許容し、その逆の流れを禁止する。
【0058】
〈コントローラ〉
制御部であるコントローラ(100)は、制御基板上に搭載されたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリディバイス(具体的には半導体メモリ)とを含む。コントローラ(100)は、各種のセンサの検出信号に基づいて、冷凍装置(1)の各種の機器を制御する。
【0059】
図2に示すように、コントローラ(100)は、室外ユニット(10)に設けられた室外コントローラ(101)と、庫内ユニット(50)に設けられた庫内コントローラ(102)とを有する。室外コントローラ(101)は、庫内コントローラ(102)と通信可能である。
【0060】
制御部である室外コントローラ(101)は、第1〜第3吐出温度センサ(71〜73)、液温センサ(74)、第1〜第2温度センサ(75,76)、及び圧力センサ(77)等の各種のセンサと通信線で接続されている。室外コントローラ(101)は、インジェクション弁(26)、第1〜第3電動弁(27〜29)、及び室外ファン(15)などを含む冷媒回路(2)の構成部品と通信線で接続されている。
【0061】
庫内コントローラ(102)は、庫内膨張弁(30)、及び庫内ファン(52)などを含む冷媒回路(2)の構成部品と通信線で接続されている。
【0062】
室外コントローラ(101)は、庫内コントローラ(102)からの信号を受信して、第1冷凍サイクルと第2冷凍サイクルとを切り換えるように四方切換弁(24)を制御する。四方切換弁(24)が第1状態に切り換わると、第1冷凍サイクルが行われる。第1冷凍サイクルは、室外熱交換器(14)を放熱器とし、庫内熱交換器(54)を蒸発器とする冷凍サイクルである。第1冷凍サイクルでは、庫内の空気を冷却する冷凍運転が行われる。四方切換弁(24)が第2状態に切り換わると、第2冷凍サイクルが行われる。第2冷凍サイクルは、庫内熱交換器(54)を放熱器とし、室外熱交換器(14)を蒸発器とする冷凍サイクルである。第2冷凍サイクルでは、庫内熱交換器(54)に付着した霜を取るためのデフロスト運転が行われる。
【0063】
〈調節機構〉
調節機構(80)は、インジェクション弁(26)とコントローラ(100)とを有する。調節機構(80)は、第1冷凍サイクルから第2冷凍サイクルに切り換わる前に、第2流路(40b)の第1流路(40a)の冷媒に対する冷却能力を低下させる第1運転を行う。
【0064】
コントローラ(100)は、第1運転において、前記冷却能力を低下させるようにインジェクション弁(26)の開度を制御する。
【0065】
第1運転では、前記冷却能力が低下することで、第1流路(40a)を流れる冷媒の温度が上昇する。ここで、冷却能力とは、例えば、第2流路(40b)の出口及び入口における冷媒の比エンタルピー差に第2流路(40b)を流通する冷媒流量を乗じた値で表わされる。
【0066】
第1流路(40a)を流れる冷媒の温度が所定値より高くなると、四方切換弁(24)は、第1状態から第2状態に切り換える。換言すると、切換機構(24)は第1冷凍サイクルから第2冷凍サイクルに切り換える。この所定値は、第1状態において、第1流路(40a)から流入し、第3管(33)を流れる冷媒の目標温度(目標TL)である。目標温度(目標TL)の詳細は後述する。
【0067】
−運転動作−
〈冷却運転〉
冷却運転では、各圧縮機(21〜23)、室外ファン(15)、及び庫内ファン(52)が運転される。四方切換弁(24)は第1状態に設定され、室外膨張弁(25)は全閉状態になる。庫内膨張弁(30)、インジェクション弁(26)、第1〜第3電動弁(27〜29)の開度が適宜調節される。第6電動弁(53)は全閉状態となり、接続管(49)には冷媒は流通しない。
【0068】
冷却運転では、四方切換弁(24)は第1状態になる。第1状態では、室外熱交換器(14)を凝縮器(放熱器)とし、庫内熱交換器(54)を蒸発器とする第1冷凍サイクルが行われる。
【0069】
図3に示すように、冷却運転では、第1低段側圧縮機(22)及び第2低段側圧縮機(23)で圧縮された冷媒は、第2合流管(47)を流れる。この冷媒は、四方切換弁(24)及び第1吸入管(44)を通過して高段側圧縮機(21)の圧縮室へ導入される。高段側圧縮機(21)で圧縮された高圧冷媒は、第1吐出管(41)、四方切換弁(24)を通過して、室外熱交換器(14)に流入する。室外熱交換器(14)では、冷媒が室外空気へ放熱する。室外熱交換器(14)で放熱した冷媒は、第1管(31)を流れる。第7室外逆止弁(CV7)及び第6室外逆止弁(CV6)によって、第5管(35)及び第4管(34)の冷媒の流通が制限される。そのため、この冷媒は、受液器(39)に流入し、第2管(32)及び過冷却熱交換器(40)の第1流路(40a)を通過する。
【0070】
インジェクション弁(26)が開放されると、第3管(33)の冷媒の一部が第1分岐管(61)を流れる。第1分岐管(61)の冷媒は、インジェクション弁(26)で減圧された後、過冷却熱交換器(40)の第2流路(40b)を流れる。過冷却熱交換器(40)では、第2流路(40b)の冷媒と、第1流路(40a)の冷媒とが熱交換する。第2流路(40b)の冷媒は、第1流路(40a)の冷媒から吸熱して蒸発する。これにより、第1流路(40a)の冷媒が冷却され、この冷媒の過冷却度が大きくなる。
【0071】
第2流路を流れた冷媒は、中継管(62)を経由して、各インジェクション管(63〜65)から各圧縮機(21〜23)の圧縮室へ導入される。
【0072】
第1流路(40a)で冷却された冷媒は、第3管(33)、液連絡配管(3)を流れ、庫内ユニット(50)へ送られる。
【0073】
庫内ユニット(50)では、冷媒は、加熱用配管(55)を通過して後、庫内膨張弁(30)により減圧される。この冷媒は、庫内熱交換器(54)に流入して、庫内の空気から吸熱して蒸発する。これにより、庫内の空気が冷却される。
【0074】
庫内熱交換器(54)で蒸発した冷媒は、ガス連絡配管(4)を流れ、室外ユニット(10)へ送られる。この冷媒は、第1合流管(48)を流れ、第1低段側圧縮機(22)及び第2低段側圧縮機(23)にそれぞれ吸入される。このように冷媒が循環することにより、冷凍倉庫の庫内を設定温度に維持する冷却運転が行われる。
【0075】
〈デフロスト運転〉
デフロスト運転では、高段側圧縮機(21)、室外ファン(15)が運転され、庫内ファン(52)は停止する。四方切換弁(24)は第2状態に設定され、庫内膨張弁(30)は全閉状態となる。第6電動弁(53)は全開状態となる。なお、デフロスト運転では、冷却運転と同様、インジェクション回路(60)に冷媒を流してもよい。インジェクション弁(26)を全閉とし、インジェクション回路(60)に冷媒を流さなくてもよい。
【0076】
デフロスト運転では、四方切換弁(24)は、第2状態になる。第2状態では、室外熱交換器(14)を蒸発器とし、庫内熱交換器(54)を凝縮器(放熱器)とする第2冷凍サイクルが行われる。
【0077】
図4に示すように、デフロスト運転では、高段側圧縮機(21)で圧縮された冷媒は、第1吐出管(41)、四方切換弁(24)、第2合流管(47)、接続管(49)及び第1合流管(48)の順に流れる。この冷媒は、ガス連絡配管(4)を通過して、庫内ユニット(50)に送られる。庫内ユニット(50)では、冷媒は庫内熱交換器(54)を流れる。庫内熱交換器(54)では、冷媒によって、その表面の霜が融かされる。庫内熱交換器(54)で放熱した冷媒は、庫内バイパス流路(58)及び加熱用配管(55)を流れる。この冷媒は、液連絡配管(3)を流れ、室外ユニット(10)へ送られる。
【0078】
室外ユニット(10)の冷媒は、第3管(33)から第4管(34)に流入する。この冷媒は第1管(31)、受液器(39)、第2管(32)の順に流れる。この冷媒は、第5管(35)に流入した後、室外膨張弁(25)により減圧される。この冷媒は、第1流路(40a)への流入が抑制される。なぜなら、上述したように、第5室外逆止弁(CV5)の前後の差圧により、第5室外逆止弁(CV5)の冷媒の流通が禁止されるからである。第5管(35)を流れる冷媒は、第1管(31)を通過した後、室外熱交換器(14)に流入する。
【0079】
室外熱交換器(14)では、低圧冷媒が庫外空気と熱交換して蒸発する。室外熱交換器(14)で蒸発した冷媒は、四方切換弁(24)及び第1吸入管(44)を通過して、高段側圧縮機(21)の圧縮室へ導入される。このように冷媒が循環することにより、庫内熱交換器(54)に付着した霜を除去するデフロスト運転が行われる。
【0080】
−第2冷凍サイクルから第1冷凍サイクルへ切り換え時の課題−
第1冷凍サイクルの冷媒の流れる向きと、第2冷凍サイクルの冷媒の流れる向きは互いに逆向きになる。そのため、室外熱交換器(14)の流路と庫内熱交換器(54)の流路との間に接続される過冷却熱交換器(40)を備える冷凍装置(1)において、第1冷凍サイクルから第2冷凍サイクルに切り換わると、過冷却熱交換器(40)の流路(第1流路(40a))に、庫内熱交換器(54)側から流入する比較的高温な冷媒が流入する。第1冷凍サイクルにおいて第1流路(40a)は冷却されているため、急に高温冷媒が第1流路(40a)に流入すると、その温度差により過冷却熱交換器(40)の熱応力が増大する。その結果、過冷却熱交換器(40)が破損してしまうおそれがあった。
【0081】
より厳密にいうと、デフロスト運転(第2冷凍サイクル)において、冷媒は、第1流路(40a)を連続的に流通しない。第5室外逆止弁(CV5)の出口側の冷媒の圧力は、第5室外逆止弁(CV5)の入口側の冷媒の圧力よりも高いため、第1流路(40a)から第3管(33)へ連続的に冷媒が流通することが禁止される。第1流路(40a)の冷媒の圧力は、室外膨張弁(25)で減圧された冷媒の圧力に相当するからである。
【0082】
しかし、図4に示すように、デフロスト運転の開始時には、受液器(39)から第2管(32)に流入した冷媒の一部が、第1流路(40a)に流入する。第1冷凍サイクルにおいて第1流路(40a)は冷却されているため、急に高温冷媒が第1流路(40a)に流入すると、過冷却熱交換器(40)の熱応力が増大し、過冷却熱交換器(40)が破損してしまうおそれがあった。
【0083】
本実施形態の冷凍装置(1)は、このような課題を考慮し、第1流路(40a)の熱応力の増大を抑制するために、第1冷凍サイクルから第2冷凍サイクルへ切り換える前に以下の運転を行う。
【0084】
〈第1運転〉
第1運転について詳細に説明する。冷却運転中に、デフロスト運転を開始する条件が成立すると、庫内コントローラ(102)はデフロスト要求信号を送信する。室外コントローラ(101)は、デフロスト運転要求を受信する。調節機構(80)である室外コントローラ(101)は、第1運転を実行する。具体的に、第1運転では、室外コントローラ(101)が、インジェクション弁(26)、及び第2〜第3電動弁(28,29)を制御する。
【0085】
図5に示すように、第1運転を実行させる指令が室外コントローラ(101)に入力されると、ステップST1において、室外コントローラ(101)はインジェクション弁(26)の現在の開度(Pls1)を記憶する。
【0086】
ステップST2では、室外コントローラ(101)は、圧縮要素(20)の吐出温度が高いことを示す条件が成立するか否かを判定する。具体的に、室外コントローラ(101)は、第1低段側圧縮機(22)の第2吐出温度(Td2)、及び第2低段側圧縮機(23)の第3吐出温度(Td3)の双方が高いことを示す条件が成立するか否かを判定する。より詳細には、ステップST2では、室外コントローラ(101)は、以下のa)、b)の条件が成立するか否かを判定する。
【0087】
a)第1低段側圧縮機(22)の第2吐出温度(Td2)が所定値より低い。この所定値は、例えば95℃である。
【0088】
b)第2低段側圧縮機(23)の第3吐出温度(Td3)が所定値より低い。この所定値は、例えば95℃である。
【0089】
ステップST2において、上記a)、b)の両方の条件が成立する場合、ステップST3に移行する。ステップST2において、上記a)、b)の少なくとも一方の条件が成立しない場合、ステップST4〜ST6に移行する。
【0090】
ステップST3では、室外コントローラ(101)は、第2流路(40b)の冷媒の流量を減らすようにインジェクション弁(26)の開度を小さくする第1制御を行う。第1制御によって、第2流路(40b)を流通する冷媒の流量が減少する。そのため、第2流路(40b)の冷媒と第1流路(40a)の冷媒との間で熱交換される熱量が減少する。このことにより、第2流路(40b)の第1流路(40a)の冷媒に対する冷却能力が低下する。その結果、第1流路(40a)を流れる冷媒の温度が上昇し、第3管(33)の冷媒の温度(TL)は上昇する。
【0091】
室外コントローラ(101)は、液温センサ(74)に検知される第3管(33)の冷媒温度(TL)が、目標温度(目標TL)に達するまで第1制御を行う。ここで、冷却運転(第1冷凍サイクル)からデフロスト運転(第2冷凍サイクル)に切り替わる前後で生じる冷媒の温度差によって、過冷却熱交換器(40)に熱応力が発生する。室外コントローラ(101)は、目標温度(目標TL)を、この熱応力に過冷却熱交換器(40)が耐えられる温度に設定する。具体的に、室外コントローラ(101)は、目標温度(目標TL)を、温度A及び温度Bのうちの低い方の温度に設定する。温度Aは、デフロスト運転中に圧縮要素(20)から吐出される冷媒の目標温度に基づいて算出される。温度Aは、デフロスト運転の回数や冷却運転時の液冷媒の温度も考慮されて算出される。温度Bは、冷却運転中の高圧圧力に相当する飽和温度である。
【0092】
室外コントローラ(101)は、第1制御において、インジェクション弁(26)の開度の制御範囲に上限値を設定する。この上限値は、ステップST1で記憶された開度(Pls1)である。そのため、室外コントローラ(101)は、第1制御において、インジェクション弁(26)の開度を上限の開度(Pls1)以下の範囲で調節する。
【0093】
ステップST4では、室外コントローラ(101)は、第2流路(40b)の冷媒の圧力を上昇させるように、インジェクション弁(26)の開度を大きくする第2制御を行う。第2制御により、第2流路(40b)の冷媒の蒸発温度が高くなる。そのため、第2流路(40b)の第1流路(40a)の冷媒に対する冷却能力は低下する。その結果、第1流路(40a)を流れる冷媒の温度が上昇し、第3管(33)の冷媒の温度(TL)は上昇する。
【0094】
室外コントローラ(101)は、圧力センサ(77)が検知する圧力(MP)が目標中間圧力(目標MP)に達するまで第2制御を行う。ここで、目標中間圧力(目標MP)は、第3管(33)の冷媒の目標温度(目標TL)に相当する飽和圧力に基づいて算出される。
【0095】
ステップST5では、室外コントローラ(101)は、第2吐出温度(Td2)が所定値に近づくように第2電動弁(28)の開度を調整する。具体的に、室外コントローラ(101)は、第1低段側圧縮機(22)の中間圧力部に導入される冷媒量を調節する。この所定値とは、例えば95℃である。
【0096】
ステップST6では、室外コントローラ(101)は、第3吐出温度(Td3)が所定値に近づくように第3電動弁(29)の開度を調整する。具体的に、室外コントローラ(101)は、第2低段側圧縮機(23)の中間圧力部に導入される冷媒量を調節する。この所定値とは、例えば95℃である。
【0097】
ステップST7では、室外コントローラ(101)は、第3管(33)の冷媒の温度(TL)が目標温度(目標TL)より高いか否かを判定する。第3管(33)の冷媒の温度(TL)が目標温度(目標TL)より高い場合、室外コントローラ(101)は、第1運転を終了して、ステップST8へ移行する。第3管(33)の冷媒の温度(TL)が目標温度(目標TL)以下である場合、ステップST2へ移行する。
【0098】
ステップST8では、室外コントローラ(101)は、四方切換弁(24)を第1状態から第2状態に切り換えることによって、第1冷凍サイクルから第2冷凍サイクル(デフロスト運転)を開始する。
【0099】
−実施形態の効果−
実施形態は、圧縮要素(20)、熱源熱交換器(14)、過冷却熱交換器(40)及び切換機構(24)を含む熱源回路(11)を備え、利用熱交換器(54)を有する利用ユニット(50)に接続されることにより、冷凍サイクルを行う冷媒回路(2)を構成する熱源ユニットであって、前記切換機構(24)は、前記熱源熱交換器(14)を放熱器とし、前記利用熱交換器(54)を蒸発器とする第1冷凍サイクルと、前記利用熱交換器(54)を放熱器とし、前記熱源熱交換器(14)を蒸発器とする第2冷凍サイクルとを切り換えるように構成され、前記過冷却熱交換器(40)は、前記熱源回路(11)の液冷媒が流れる液管(32,33)の途中に接続される第1流路(40a)と、前記第1流路(40a)を流れる冷媒を冷却する熱媒体が流れる第2流路(40b)とを有し、前記第1冷凍サイクルから前記第2冷凍サイクルに切り換わる前に、前記第2流路(40b)の前記第1流路(40a)の冷媒に対する冷却能力を低下させる第1運転を行う調節機構を備えている。
【0100】
この構成では、第1冷凍サイクルから第2冷凍サイクルに切り換える前に、第1運転を行うことによって、第2流路(40b)の第1流路(40a)の冷媒に対する冷却能力は低下する。そのため、第1流路(40a)の冷媒の温度は上昇する。このことにより、第1流路(40a)に流入する高温冷媒に対する過冷却熱交換器(40)の熱応力の増大を抑制できる。ひいては、過冷却熱交換器(40)の破損を抑制できる。
【0101】
実施形態では、前記切換機構(24)は、前記第1運転中に、前記第1流路(40a)を流れる冷媒の温度が所定値より高くなると前記第2冷凍サイクルに切り換える。
【0102】
この構成では、第1流路(40a)の冷媒の温度が所定値より高い状態で第2冷凍サイクルが開始される。この所定値は、第1流路(40a)から第3管(33)に流入した冷媒の目標温度(目標TL)である。目標温度(TL)は、デフロスト運転(第2冷凍サイクル)において、庫内熱交換器(54)側から第1流路(40a)に流入する高温冷媒による熱応力に過冷却熱交換器(40)が耐え得る温度である。このことにより、デフロスト運転(第2冷凍サイクル)開始直後に高温冷媒が第1流路(40a)に流入しても、過冷却熱交換器(40)の破損を確実に抑制できる。
【0103】
実施形態では、前記熱源回路(11)は、一端が前記液管(32,33)から分岐し他端が前記圧縮要素(20)の中間圧力部に連通すると共に、前記熱媒体としての冷媒が流れる前記第2流路(40b)を含むインジェクション回路(60)と、前記インジェクション回路(60)における前記第2流路(40b)の上流側に接続される膨張弁(26)とを有し、前記調節機構(80)は、前記膨張弁(26)と前記第1運転において前記冷却能力を低下させるように前記膨張弁(26)の開度を制御する制御部(101)とを含む。
【0104】
この構成では、室外コントローラ(101)が膨張弁(26)の開度を制御する。膨張弁(26)は、第2流路(40b)に流入する冷媒の圧力及び流量を調節する。このことによって、第2流路(40b)の冷凍能力を確実に低下できる。
【0105】
加えて、インジェクション回路(60)は、各圧縮機(21〜23)の中間圧力部に連通される。このことによって、インジェクション回路(60)を流通する冷媒を、各圧縮機(21〜23)にインジェクションできる。
【0106】
加えて、インジェクションされた冷媒によって、第1〜第2低段側圧縮機(21〜22)の冷媒の吐出温度(Td2〜Td3)を低下できる。
【0107】
実施形態では、前記制御部(101)は、前記第1運転において、前記第2流路(40b)の冷媒の流量を減らすように前記膨張弁(26)の開度を小さくする第1制御を行う。
【0108】
この構成では、第1制御により、第2流路(40b)に流入する冷媒の流量が減少する。そのため、第2流路(40b)の冷媒と第1流路(40a)の冷媒との間で交換される熱量を減少できる。このことにより、第2流路(40b)の冷却能力を確実に低下できる。
【0109】
実施形態では、前記制御部(101)は、前記第1運転において、前記第2流路(40b)の冷媒の圧力を上昇させるように前記膨張弁(26)の開度を大きくする第2制御を行う。
【0110】
この構成では、第2制御により、第2流路(40b)の冷媒の蒸発温度が高くなる。そのため、第2流路(40b)の第1流路(40a)の冷媒に対する冷却能力は低下する。
【0111】
加えて、インジェクション弁(26)(膨張弁)の開度を大きくすることで、インジェクション回路(60)から第1低段側圧縮機(22)及び第2低段側圧縮機(23)へ冷媒を導入できる。このことにより、第1低段側圧縮機(22)の第2吐出温度(Td2)及び第2低段側圧縮機(23)の第3吐出温度(Td3)を制御できる。
【0112】
実施形態では、前記制御部(101)は、前記第1運転において、前記圧縮要素(20)から吐出される冷媒の温度である吐出温度が低いことを示す条件が成立すると、前記第2流路(40b)の冷媒の流量を減らすように前記膨張弁(26)の開度を小さくする第1制御を行い、前記圧縮要素(20)の吐出温度が高いことを示す条件が成立すると、前記第2流路(40b)の冷媒の圧力を上昇させるように前記膨張弁(26)の開度を大きくする第2制御を行う。
【0113】
この構成では、第1制御において、インジェクション弁(26)の開度を小さくすることで、速やかに第2流路(40b)の冷却能力を低下できる。さらに、第1〜第2低段側圧縮機(22〜23)の吐出温度(Td2〜Td3)を調節することなく、簡単に第1流路(40a)の冷媒の温度を上昇できる。第2制御において、インジェクション弁(26)の開度を大きくすることで、第2流路(40b)の冷却能力を低下できる。冷媒は第1〜第2低段側圧縮機(22〜23)に導入されるため、第1〜第2低段側圧縮機(22〜23)の吐出温度(Td2〜Td3)を確実に低下できる。
【0114】
実施形態では、前記熱源回路(11)は、前記インジェクション回路(60)における前記第2流路(40b)の下流側に接続される流量調整弁(28,29)を有し、前記第1運転の前記第2制御において、前記圧縮要素(20)から吐出される冷媒の吐出温度が所定値に近づくように、前記流量調節弁(28,29)の開度を調節する。
【0115】
この構成では、流量調整弁である第2電動弁(28)及び第3電動弁(29)の開度が調節されることによって、第1〜第2低段側圧縮機(22〜23)に導入される冷媒量を調節できる。このことにより、第1〜第2低段側圧縮機(22〜23)の各吐出温度(Td2〜Td3)を調節できる。その結果、高段側圧縮機(21)に流入する冷媒の温度上昇が抑えられるため、高段側圧縮機(21)から吐出される吐出冷媒の過熱度が過剰に高くなることを抑えることができる。
【0116】
実施形態では、前記圧縮要素(20)は、第1圧縮部(22,23)と第2圧縮部(21)とを有し、前記第1冷凍サイクルにおいて該第1圧縮部(22,23)で圧縮した冷媒を前記第2圧縮部(21)でさらに圧縮する二段圧縮式である。
【0117】
この構成では、第1冷凍サイクルの蒸発圧力が、単段圧縮式と比べ低くなる。そのため、第1冷凍サイクルでは、第1流路(40a)において冷媒は、比較的低い温度(例えば、−35℃)にまで冷却される。第1冷凍サイクルから第2冷凍サイクルに切り換わると、庫内熱交換器(54)で放熱された比較的高温の冷媒が熱源回路(11)に流入する。そのため、二段圧縮式では、このような温度差による過冷却熱交換器(40)の熱応力が増大する問題は顕著となる。しかし、本実施形態では、熱源回路(11)は、調節機構(80)を備えるため、第1運転により第2流路(40b)の冷凍能力を低下できる。従って、二段圧縮式の圧縮要素を備える室外ユニット(10)において、第1冷凍サイクルから第2冷凍サイクルへの切り換えによる、第1流路(40a)の熱応力の増大を抑制できる。
【0118】
《変形例1》
変形例1は、実施形態の熱源ユニット(10)の構成の一部を変更したものである。以下では、実施形態と異なる部分について説明する。
【0119】
〈インジェクション回路〉
図6に示すように、インジェクション回路(60)において、中継管(62)の一端は第2流路(40b)の流出端に接続する。中継管(62)の他端は、第1低段側圧縮機(22)の吸入部及び第2低段側圧縮機の吸入部に連通する。具体的に、中継管(62)の一端は、第2流路(40b)の一端に接続し、他端は、第1合流管(48)の途中に接続する。
【0120】
中継管(62)には、第4電動弁(68)が設けられている。第4電動弁(68)は、第1低段側圧縮機(22)及び第2低段側圧縮機(23)に導入される冷媒の流量を調節する流量調整弁である。
【0121】
第1インジェクション管(63)の一端は高段側圧縮機(21)の中間圧力部に接続する。第1インジェクション管(63)他端は、第2インジェクション管(64)の一端と第3インジェクション管(65)の一端とに接続される。第2インジェクション管(64)の他端及び第3インジェクション管(65)の他端は、それぞれ第1低段側圧縮機(22)の中間圧力部及び第2低段側圧縮機(23)の中間圧力部に接続する。
【0122】
インジェクション回路は、第2分岐管(66)を備える。第2分岐管(66)の一端は、第1分岐管(61)における第3管(33)との接続部とインジェクション弁(26)との間に接続する。第2分岐管(66)の他端は、第1インジェクション管(63)における第2インジェクション管(64)及び第3インジェクション管(65)の接続部と、第1電動弁(27)との間に接続する。
【0123】
−運転動作−
変形例1の冷却運転では、上記実施形態と同様に室外熱交換器(14)側からの冷媒は第1流路(40a)を通過して第3管(33)に流入する。第3管(33)の冷媒の一部は第1分岐管(61)に流れる。第3管(33)の冷媒の残りは、庫内熱交換器(54)側へ流れる。
【0124】
第1分岐管(61)の冷媒の一部は第2分岐管(66)に流入する。第2分岐管(66)の冷媒は第1〜第3インジェクション管(63〜65)に分流される。第1〜第3インジェクション管(63〜65)の冷媒は、第1〜第3電動弁(27〜29)により適宜それらの流量が調整されて、各圧縮機(21〜23)の中間圧力部に導入される。
【0125】
第1分岐管(61)の冷媒の残りは、インジェクション弁(26)により減圧されて、第2流路(40b)に流入する。第2流路(40b)の冷媒と第1流路(40a)の冷媒とが熱交換されることによって、第1流路(40a)の冷媒は冷却される。
【0126】
第2流路(40b)を通過した冷媒は、中継管(62)及び第1合流管(48)の順に流れる。この冷媒は、第2吸入管(45)及び第3吸入管(46)に分流する。分流した冷媒は、第1低段側圧縮機(22)の吸入部及び第2低段側圧縮機(23)の吸入部に導入される。
【0127】
変形例1の第1運転では、室外コントローラ(101)は、インジェクション弁(26)及び第4電動弁(68)を制御する。
【0128】
図7に示すように、第1運転を実行させる指令が室外コントローラ(101)に入力されると、ステップST11において、第2吐出温度センサ(72)及び第3吐出温度センサ(73)は、第1低段側圧縮機(22)及び第2低段側圧縮機(23)の吐出温度(Td2,Td3)を検知する。
【0129】
具体的に、室外コントローラ(101)は、第1低段側圧縮機(22)の第2吐出温度(Td2)、及び第2低段側圧縮機(23)の第3吐出温度(Td3)の双方が高いことを示す条件が成立するか否かを判定する。より詳細には、室外コントローラ(101)は、以下のa)、b)の条件が成立するか否かを判定する。
【0130】
a)第1低段側圧縮機(22)の第2吐出温度(Td2)が所定値より低い。この所定値は、例えば95℃である。
【0131】
b)第2低段側圧縮機(23)の第3吐出温度(Td3)が所定値より低い。この所定値は、例えば95℃である。
【0132】
ステップST11において、上記a)、b)の両方の条件が成立する場合、ステップST12に移行する。ステップST11において、上記a)、b)の少なくとも一方の条件が成立しない場合、ステップST13に移行する。
【0133】
ステップST12では、室外コントローラ(101)は、インジェクション弁(26)を全閉にする第1制御を行う。第1制御では、冷媒は第2流路(40b)に流入しない。そのため、第2流路(40b)の第1流路(40a)の冷媒に対する冷却能力は低下する。このことにより、第1流路(40a)の冷媒の温度は上昇する。
【0134】
ステップST13では、室外コントローラ(101)は、インジェクション弁(26)を全開にする第2制御を行う。第2制御では、第1分岐管(61)に流入した冷媒は、インジェクション弁(26)により減圧されずに第2流路(40b)に流入する。そのため、第2流路(40b)の第1流路(40a)の冷媒に対する冷却能力は低下する。このことにより、第1流路(40a)の冷媒の温度は上昇する。
【0135】
ステップST14では、室外コントローラ(101)は、第2吐出温度(Td2)及び第3吐出温度(Td3)が目標吐出温度となるように第4電動弁(68)の開度を調節する。第2流路(40b)を通過した冷媒は、中継管(62)を通過して、第2吸入管(45)と第3吸入管(46)とに分流する。分流した冷媒は、それぞれ第1低段側圧縮機(22)及び第2低段側圧縮機(23)の各吸入部に導入される。室外コントローラ(101)は、中継管(62)の第4電動弁(68)を制御して、第1低段側圧縮機(22)及び第2低段側圧縮機(23)に導入される冷媒の流量を調整する。このことによって、第2吐出温度(Td2)及び第3吐出温度(Td3)は目標吐出温度となるように調整される。この目標吐出温度とは、例えば95℃である。
【0136】
ステップST15では、室外コントローラ(101)は、第3管(33)の冷媒の温度(TL)が目標温度(目標TL)より高いか否かを判定する。第3管(33)の冷媒の温度(TL)が目標温度(目標TL)より高い場合、室外コントローラ(101)は、第1運転を終了し、ST16に移行する。第3管(33)の冷媒の温度(TL)が目標温度(目標TL)以下である場合、ステップST11に移行する。
【0137】
ステップST16では、室外コントローラ(101)は、四方切換弁(24)を第1状態から第2状態に切り換えて、第1冷凍サイクルから第2冷凍サイクル(デフロスト運転)を開始する。
【0138】
変形例1において、第1制御ではインジェクション弁(26)を全開にし、第2制御ではインジェクション弁(26)を全閉にする。このことにより、第2流路(40b)の第1流路(40a)の冷媒に対する冷却能力を確実に低下できる。
【0139】
加えて、第1制御ではインジェクション弁(26)を全閉にするだけよい。第2制御ではインジェクション弁(26)を全開にするだけでよい。このことにより、第1運転を簡単に制御できる。
【0140】
加えて、第2制御において、インジェクション回路(60)を流通する冷媒は、第1低段側圧縮機(22)及び第2低段側圧縮機(23)の吸入部に導入される。変形例1においても、第1低段側圧縮機(22)及び第2低段側圧縮機(23)の吐出温度(Td2〜Td3)を低下できる。
【0141】
《変形例2》
変形例2は、実施形態の熱源ユニット(10)の構成の一部を変更したものである。以下では、実施形態と異なる部分について説明する。
【0142】
〈インジェクション回路〉
図8に示すようにインジェクション回路(60)は、第3分岐管(67)を備える。第3分岐管(67)の一端は、第1分岐管(61)における第3管(33)との接続部とインジェクション弁(26)との間に接続する。第3分岐管(67)の流出部は、第1〜第3インジェクション管(63〜65)の各流入端に接続する。
【0143】
第3分岐管(67)には第5電動弁(69)が設けられている。第5電動弁(69)は第3分岐管(67)の冷媒の流量を制御する流量調整弁である。
【0144】
−運転動作−
変形例2の冷却運転では、上記実施形態と同様に室外熱交換器(14)側からの冷媒は第1流路(40a)を通過して第3管(33)に流入する。第3管(33)の冷媒の一部は第1分岐管(61)に流れる。第3管(33)の冷媒の残りは、庫内熱交換器(54)側へ流れる。
【0145】
第1分岐管(61)の冷媒の一部は第3分岐管(67)に流入する。第3分岐管(67)の冷媒は第1〜第3インジェクション管(63〜65)に分流される。第1〜第3インジェクション管(63〜65)の冷媒は、第1〜第3電動弁(27〜29)により適宜それらの流量が調整されて、各圧縮機(21〜23)の中間圧力部に導入される。
【0146】
第1分岐管(61)の冷媒の残りは、インジェクション弁(26)により減圧されて、第2流路(40b)に流入する。第2流路(40b)の冷媒と第1流路(40a)の冷媒とが熱交換されることによって、第1流路(40a)の冷媒は冷却される。
【0147】
第2流路(40b)を通過した冷媒は、中継管(62)及び第1合流管(48)の順に流れる。この冷媒は、第2吸入管(45)及び第3吸入管(46)に分流する。分流した冷媒は、第1低段側圧縮機(22)の吸入部及び第2低段側圧縮機(23)の吸入部に導入される。
【0148】
変形例2の第1運転では、コントローラ(100)は、インジェクション弁(26)及び第5電動弁(69)を制御する。
【0149】
具体的に、第1運転では、コントローラ(100)は、インジェクション弁(26)を全閉にする。そのため、冷媒は第2流路(40b)に流入しない。その結果、第2流路(40b)の第1流路(40a)の冷媒に対する冷却能力は低下する。
【0150】
第2流路(40b)の冷却能力が低下するため、第1流路(40a)の冷媒の温度は上昇する。液温センサ(74)が検知する温度が目標温度に達すると、第1運転は終了し、デフロスト運転が実行される。ここでいう目標温度とは、上記実施形態における目標温度と同一である。
【0151】
第1運転において、第2〜第3吐出温度がそれぞれ目標吐出温度となるように、第1〜第2低段側圧縮機(21〜22)に導入される冷媒量が調整される。具体的に、第3分岐管(67)を流通する冷媒は、第5電動弁(69)によって流量が調整される。この冷媒は、第2インジェクション管(64)及び第3インジェクション管(65)に分流される。その後、第2電動弁(28)及び第3電動弁(29)により、冷媒の流量が調整される。この冷媒は、第1〜第2低段側圧縮機(21〜22)の中間圧力部に導入される。
【0152】
変形例2においても、第1運転により第2流路(40b)の第1流路(40a)の冷媒に対する冷却能力を低下できる。このことにより、過冷却熱交換器(40)の熱応力の増大を抑制できる。
【0153】
変形例2では、第1〜第2低段側圧縮機(22〜23)の吐出温度(Td2〜Td3)によらず、第1運転において、インジェクション弁(26)を全閉し、第5電動弁(69)により第1〜第2低段側圧縮機(21〜22)に導入される冷媒流量を調整すればよい。このことにより、第1運転を簡単に制御できる。
【0154】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0155】
第2冷凍サイクルは、庫内熱交換器(54)を放熱器とし、室外熱交換器(14)を蒸発器とする暖房運転であってもよい。冷房運転中に暖房運転を行う指示をコントローラ(100)が受けると、冷凍装置(1)は第1運転を行う。第1流路(40a)の冷媒の温度が目標温度(目標TL)になったとき、暖房運転が開始される。この場合においても、過冷却熱交換器(40)の熱応力の増大を抑制できる。
【0156】
圧縮要素(20)は、単段圧縮式であってもよい。この場合、上記実施形態では、第1冷凍サイクル(冷却運転)において、高段側圧縮機(21)は運転され、第1低段側圧縮機(22)及び第2低段側圧縮機(23)の運転は停止される。第6電動弁(53)は全開状態となる。庫内熱交換器(54)側から第1合流管(48)に流入した冷媒は、接続管(49)を流通し、高段側圧縮機(21)に吸入される。高段側圧縮機(21)で圧縮された冷媒は、上記実施形態と同様に、室外熱交換器(14)、受液器(39)及び過冷却熱交換器(40)を流れる。このように、冷媒は冷媒回路(2)を流れる。
【0157】
圧縮要素(20)は、複数の圧縮機が並列に接続された単段圧縮式であってもよい。
【0158】
上記実施形態において、第1運転における第1制御(図5のステップST3)は、インジェクション弁(26)の開度を全閉にする制御であってもよい。この場合において、冷媒は第2流路(40b)に流れないため、第2流路(40b)の第1流路(40a)の冷媒に対する冷却能力を低下できる。
【0159】
上記実施形態において、第2運転において第2制御(図5のステップST4)は、インジェクション弁(26)の開度を全開にする制御であってもよい。この場合において、冷媒はインジェクション弁(26)により減圧されないため、第2流路(40b)の第1流路(40a)の冷媒に対する冷却能力を低下できる。
【0160】
上記実施形態において、第2流路(40b)に流入する冷媒の温度(Tg1)の値は、第1温度センサ(75)の代わりに圧力センサ(77)の飽和液温度換算値を用いてもよい。また、中継管(62)内の冷媒の圧力(MP)の値は、圧力センサ(77)の代わりに第1温度センサ(75)の飽和液圧力換算値を用いてもよい。
【0161】
上記実施形態において、利用回路(51)は、庫内バイパス流路(58)を備えなくてもよい。この場合、庫内膨張弁(30)は、その開度が調整可能な電子膨張弁である。庫内熱交換器(54)が放熱器として機能する運転では、庫内膨張弁(30)は全開となる。
【0162】
上記実施形態において、過冷却熱交換器(40)の第2流路(40b)は、冷媒回路(6)とは別に設けられた第2冷媒回路(図示省略)に接続されていてもよい。第2冷媒回路では、圧縮機、熱交換器、膨張弁及び第2流路(40b)が順に接続される。この場合、第2冷媒回路は、室外ユニット(10)と独立した別ユニットに設けられる。第1流路(40a)の冷媒の温度を第2冷媒回路により制御できる。
【0163】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0164】
以上説明したように、本開示は、熱源ユニット及び冷凍装置について有用である。
【符号の説明】
【0165】
1 冷凍装置
2 冷媒回路
10 室外ユニット(熱源ユニット)
11 熱源回路
14 室外熱交換器(熱源熱交換器)
20 圧縮要素
21 高段側圧縮機(第2圧縮部)
22 第1低段側圧縮機(第1圧縮部)
23 第2低段側圧縮機(第1圧縮部)
24 四方切換弁(切換機構)
26 インジェクション弁(膨張弁)
28 第2電動弁(流量調整弁)
29 第3電動弁(流量調整弁)
32 第2管(液管)
33 第3管(液管)
40 過冷却熱交換器
40a 第1流路
40b 第2流路
50 庫内ユニット(利用ユニット)
54 庫内熱交換器(利用熱交換器)
60 インジェクション回路
80 調節機構
101 室外コントローラ(制御部)
【要約】
【課題】第1冷凍サイクルから第2冷凍サイクルに切換えたときに、過冷却熱交換器の熱応力が増大することを抑制する。
【解決手段】熱源回路(11)を備え、利用ユニット(50)に接続されることにより、冷凍サイクルを行う冷媒回路(2)を構成する熱源ユニット(10)は、第1冷凍サイクルと第2冷凍サイクルとを切り換える切換機構(24)及び、第1流路(40a)と第1流路(40a)を流れる冷媒を冷却する熱媒体が流れる第2流路(40b)とを有する過冷却熱交換器(40)を有する。さらに熱源ユニット(10)は、第1冷凍サイクルから第2冷凍サイクルに切り換わる前に、第2流路(40b)の第1流路(40a)の冷媒に対する冷却能力を低下させる第1運転を行う調節機構(80)を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8