特許第6787469号(P6787469)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6787469
(24)【登録日】2020年11月2日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】ポリエーテル基含有化合物
(51)【国際特許分類】
   C08G 65/333 20060101AFI20201109BHJP
   C09K 3/18 20060101ALI20201109BHJP
   C09D 7/63 20180101ALI20201109BHJP
   C09D 171/00 20060101ALI20201109BHJP
   C08L 71/00 20060101ALI20201109BHJP
   G02B 1/18 20150101ALI20201109BHJP
【FI】
   C08G65/333
   C09K3/18 104
   C09D7/63
   C09D171/00
   C08L71/00 Y
   G02B1/18
【請求項の数】16
【全頁数】67
(21)【出願番号】特願2019-214034(P2019-214034)
(22)【出願日】2019年11月27日
(65)【公開番号】特開2020-94195(P2020-94195A)
(43)【公開日】2020年6月18日
【審査請求日】2019年11月27日
(31)【優先権主張番号】特願2018-225935(P2018-225935)
(32)【優先日】2018年11月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100132252
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 環
(74)【代理人】
【識別番号】100188802
【弁理士】
【氏名又は名称】澤内 千絵
(72)【発明者】
【氏名】山下 恒雄
(72)【発明者】
【氏名】野村 孝史
(72)【発明者】
【氏名】小澤 香織
(72)【発明者】
【氏名】三橋 尚志
【審査官】 内田 靖恵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−207169(JP,A)
【文献】 特開2004−146478(JP,A)
【文献】 国際公開第2018/056413(WO,A1)
【文献】 特開2015−160902(JP,A)
【文献】 特開2000−290264(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/106856(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 65/333
C09K 3/18
C09D 7/63
C09D 171/00−171/14
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[式中:
R−のうち1または2が(Rf−Xf1−PE−Xf2α−X−で表される基であり、かつ、R−のうち1または2がRSi−で表される基であり;
ただし、(Rf−Xf1−PE−Xf2α−X−で表される基の数、およびRSi−で表される基の数の合計数は3であり;
αは、1〜9の整数であり;
Rfは、各出現において独立して、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素原子数1〜16のアルキル基を表し;
PEは、各出現においてそれぞれ独立して、式:
−(OC12−(OC10−(OC−(OC10−(OC−(OCF
(a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は少なくとも1であり、a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、X10は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子または塩素原子である。)
で表される基であり;
f1は、(Xf11で表され;
f11は、炭素原子数1〜6のアルキレン基であり、水素原子がフッ素原子により置換されていてもよく;
zは、各出現においてそれぞれ独立して、0または1であり;
f2は、(O)または(NH)で表され;
yは、各出現においてそれぞれ独立して、0または1であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、−NH−、−SONH−、−SO−、または2〜10価の有機基であり;
Si−で表される基は、各出現においてそれぞれ独立して、以下の式(A1)〜(A4):
【化2】
で表される基のいずれかであり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表し;
m1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
a1、Xa3、Xa4、およびXa5は、各出現においてそれぞれ独立して、(−(R71n21−)N−(R72n22−、−(R71n21−X−(R72n22−、−R73−、または−Y−O−であり;
71は、各出現においてそれぞれ独立して、1以上のフッ素原子により置換されていてもよい−(CHn23−、またはo−、m−もしくはp−フェニレン基を表し;
n23は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜20の整数であり;
72は、各出現においてそれぞれ独立して、1以上のフッ素原子により置換されていてもよい−(CHn24−、またはo−、m−もしくはp−フェニレン基を表し;
n24は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜20の整数であり;
n21は、各出現においてそれぞれ独立して、0または1であり;
n22は、各出現においてそれぞれ独立して、0または1であり;
ただし、n21およびn22の合計は1以上であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、−O−、−(OR74n25−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−Si(R75−、−(Si(R75O)n26−Si(R75−、−NRC(=O)−、−C(=O)NR−、−NRC(=O)NR−、−NRC(=O)O−、−O−C(=O)NR−、−NR−、−SONR−、または−SO−であり;
74は、各出現においてそれぞれ独立して、C1−6のアルキレン基であり;
n25は、各出現において、それぞれ独立して、1〜5の整数であり;
75は、各出現においてそれぞれ独立して、フェニル基、C1−6アルキル基またはC1−6アルコキシ基を表し;
n26は、各出現において、それぞれ独立して、1〜100の整数であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フェニル基または炭素原子数1〜6のアルキル基であり;
73は、各出現においてそれぞれ独立して、−(CHn27−を表し;
n27は、1〜20の整数であり;
Yは、2〜6価の炭化水素基であって、ケイ素原子および/またはシロキサン結合を有し;
a2は、単結合または2価の有機基を表し;
β1、β2、β3およびβ4は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜9の整数であり;
tは、各出現においてそれぞれ独立して、2〜10の整数であり;
31は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表し;
32は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基を表し;
ただし、式(A1)において、m1が1〜3であるRm13−m1Si−が少なくとも1つ存在し、式(A2)において、m1が1〜3であるRm13−m1Si−が少なくとも1つ存在し;
f1は、各出現においてそれぞれ独立して、R41r142r243r3Si−Z−を表し;
は、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子または2価の有機基を表し;
41は各出現においてそれぞれ独立して、Rf1’を表し;
f1’は、Rf1と同意義であり;
f1中、Z基を介して直鎖状に連結されるSiは最大で5個であり;
42は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表し;
43は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基を表し;
r1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
r2は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
r3は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
ただし、R41r142r243r3Si−Z−毎において、r1、r2およびr3の和は3であり;
f2は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表し;
f3は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基を表し;
p1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
p2は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
p3は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
ただし、Rf3p3f2p2f1p1Si−毎において、p1、p2およびp3の和は3であり、式(A3)において、水酸基または加水分解可能な基に結合したSi原子が少なくとも2つ存在し;
g1は、各出現においてそれぞれ独立して、R51s152s253s3C−Z−を表し;
は、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子または2価の有機基を表し;
51は、各出現においてそれぞれ独立して、Rg1’を表し;
g1’は、Rg1と同意義であり;
g1中、Z基を介して直鎖状に連結されるCは最大で5個であり;
52は、各出現においてそれぞれ独立して、Rm13−m1Si−Z−を表し;
は、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子または2価の有機基を表し;
53は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、水酸基または1価の有機基を表し;
s1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
s2は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
s3は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
ただし、R51s152s253s3C−Z−毎において、s1、s2およびs3の和は3であり;
g2は、各出現においてそれぞれ独立して、Rm13−m1Si−Z−を表し;
は、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子または2価の有機基を表し;
g3は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、水酸基または1価の有機基を表し;
q1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
q2は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
q3は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
ただし、Rg3q3g2q2g1q1C−毎において、q1、q2およびq3の和は3であり、式(A4)において、m1が1〜3であるRm13−m1Si−が少なくとも2つ存在する。]
で表されるポリエーテル基含有化合物。
【請求項2】
が、各出現においてそれぞれ独立して、(−(R11n16−)N−(R12n17−、−(R11n16−X11−(R12n17−、または−R13−である、請求項1に記載のポリエーテル基含有化合物。
[式中:
11が、各出現においてそれぞれ独立して、1以上のフッ素原子により置換されていてもよい−(CHn11−、またはo−、m−もしくはp−フェニレン基であり;
n11は、1〜20の整数であり;
12が、各出現においてそれぞれ独立して、1以上のフッ素原子により置換されていてもよい−(CHn12−、またはo−、m−もしくはp−フェニレン基であり;
n12は、1〜20の整数であり;
n16は、0または1であり;
n17は、0または1であり;
ただし、n16およびn17の合計は1以上であり;
11が、各出現においてそれぞれ独立して、−O−、−(OR61n14−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−Si(R62−、−(Si(R62O)n15−Si(R62−、−NRC(=O)−、−C(=O)NR−、−NRC(=O)NR−、−NRC(=O)O−、−O−C(=O)NR−、−NR−、−SONR−、または−SO−であり;
61は、各出現においてそれぞれ独立して、C1−6のアルキレン基であり;
n14は、各出現において、それぞれ独立して、1〜5の整数であり;
62は、各出現においてそれぞれ独立して、フェニル基、C1−6アルキル基またはC1−6アルコキシ基であり;
n15は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜100の整数であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フェニル基または炭素原子数1〜6のアルキル基であり;
13は、−(CHn13−を表し;
n13は、1〜20の整数である。]
【請求項3】
αが2である、請求項1または2に記載のポリエーテル基含有化合物。
【請求項4】
αが1である、請求項1または2に記載のポリエーテル基含有化合物。
【請求項5】
m1が、2または3である、請求項1〜のいずれか1項に記載のポリエーテル基含有化合物。
【請求項6】
m1が、3である、請求項1〜のいずれか1項に記載のポリエーテル基含有化合物。
【請求項7】
p1が、3、かつ、r2が、3である、請求項1〜のいずれか1項に記載のポリエーテル基含有化合物。
【請求項8】
式(A4)において、q2が3、かつm1が3である、請求項1〜のいずれか1項に記載のポリエーテル基含有化合物。
【請求項9】
β1、β2、β3、またはβ4が、1である、請求項1〜のいずれか1項に記載のポリエーテル基含有化合物。
【請求項10】
Rfが、炭素数1〜16のパーフルオロアルキル基である、請求項1〜のいずれか1項に記載のポリエーテル基含有化合物。
【請求項11】
PEが、以下の式(a)〜(c)のいずれか:
−(OC− (a)
[式中、dは1〜200の整数である。]
−(OC−(OC−(OC−(OCF− (b)
[式中、cおよびdは、それぞれ独立して、0以上30以下の整数であり;
eおよびfは、それぞれ独立して、1以上200以下の整数であり;
c、d、eおよびfの和は、10以上200以下の整数であり;
添字c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。]
−(R−R− (c)
[式中、Rは、OCFまたはOCであり;
は、OC、OC、OC、OC10およびOC12から選択される基であるか、あるいは、これらの基から選択される2または3つの基の組み合わせであり;
gは、2〜100の整数である。]
で表される基である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のポリエーテル基含有化合物。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のポリエーテル基含有化合物を含有する表面処理剤。
【請求項13】
さらに溶媒を含む、請求項12に記載の表面処理剤。
【請求項14】
防汚性コーティング剤または防水性コーティング剤として使用される、請求項12または13に記載の表面処理剤。
【請求項15】
基材と、該基材の表面に、請求項1〜11のいずれか1項に記載のポリエーテル基含有化合物または請求項1214のいずれか1項に記載の表面処理剤より形成された層とを含む物品。
【請求項16】
前記物品が光学部材である、請求項15に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポリエーテル基含有化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種の含フッ素シラン化合物は、基材の表面処理に用いると、優れた撥水性、撥油性、防汚性などを提供し得ることが知られている。含フッ素シラン化合物を含む表面処理剤から得られる層(以下、「表面処理層」とも言う)は、いわゆる機能性薄膜として、例えばガラス、プラスチック、繊維、建築資材など種々多様な基材に施されている。
【0003】
そのような含フッ素化合物として、パーフルオロポリエーテル基を分子主鎖に有し、Si原子に結合した加水分解可能な基を分子末端または末端部に有するパーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物が知られている(特許文献1〜2を参照のこと)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008−534696号公報
【特許文献2】国際公開第97/07155号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、基材の表面処理に用い得る、新たな構造の化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、以下の[1]〜[17]を提供するものである。
[1] 式(I):
【化1】
[式中:
R−のうち1または2が(Rf−Xf1−PE−Xf2α−X−で表される基であり、かつ、R−のうち1または2がRSi−で表される基であり;
ただし、(Rf−Xf1−PE−Xf2α−X−で表される基の数、およびRSi−で表される基の数の合計数は3であり;
αは、1〜9の整数であり;
Rfは、各出現において独立して、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素原子数1〜16のアルキル基を表し;
PEは、各出現においてそれぞれ独立して、式:
−(OC12−(OC10−(OC−(OC10−(OC−(OCF
(a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は少なくとも1であり、a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、X10は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり;
f1は、(Xf11で表され;
f11は、炭素原子数1〜6のアルキレン基であり、水素原子がフッ素原子により置換されていてもよく;
zは、各出現においてそれぞれ独立して、0または1であり;
f2は、(O)または(NH)で表され;
yは、各出現においてそれぞれ独立して、0または1である。)
で表される基であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、−NH−、−SONH−、−SO−、または2〜10価の有機基であり;
Si−で表される基は、各出現においてそれぞれ独立して、以下の式(A1)〜(A4):
【化2】
で表される基のいずれかであり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表し;
m1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
a1、Xa3、Xa4、およびXa5は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、−NH−、−SONH−、−SO−、または2〜10価の有機基を表し;
a2は、単結合または2価の有機基を表し;
β1、β2、β3およびβ4は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜9の整数であり;
tは、各出現においてそれぞれ独立して、2〜10の整数であり;
31は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表し;
32は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基を表し;
ただし、式(A1)において、m1が1〜3であるRm13−m1Si−が少なくとも1つ存在し、式(A2)において、m1が1〜3であるRm13−m1Si−が少なくとも1つ存在し;
f1は、各出現においてそれぞれ独立して、R41r142r243r3Si−Z−を表し;
は、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子または2価の有機基を表し;
41は各出現においてそれぞれ独立して、Rf1’を表し;
f1’は、Rf1と同意義であり;
f1中、Z基を介して直鎖状に連結されるSiは最大で5個であり;
42は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表し;
43は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基を表し;
r1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
r2は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
r3は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
ただし、R41r142r243r3Si−Z−毎において、r1、r2およびr3の和は3であり;
f2は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表し;
f3は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基を表し;
p1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
p2は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
p3は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
ただし、Rf3p3f2p2f1p1Si−毎において、p1、p2およびp3の和は3であり、式(A3)において、水酸基または加水分解可能な基に結合したSi原子が少なくとも2つ存在し;
g1は、各出現においてそれぞれ独立して、R51s152s253s3C−Z−を表し;
は、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子または2価の有機基を表し;
51は、各出現においてそれぞれ独立して、Rg1’を表し;
g1’は、Rg1と同意義であり;
g1中、Z基を介して直鎖状に連結されるCは最大で5個であり;
52は、各出現においてそれぞれ独立して、Rm13−m1Si−Z−を表し;
は、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子または2価の有機基を表し;
53は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、水酸基または1価の有機基を表し;
s1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
s2は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
s3は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
ただし、R51s152s253s3C−Z−毎において、s1、s2およびs3の和は3であり;
g2は、各出現においてそれぞれ独立して、Rm13−m1Si−Z−を表し;
は、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子または2価の有機基を表し;
g3は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、水酸基または1価の有機基を表し;
q1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
q2は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
q3は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;
ただし、Rg3q3g2q2g1q1C−毎において、q1、q2およびq3の和は3であり、式(A4)において、m1が1〜3であるRm13−m1Si−が少なくとも2つ存在する。]
で表されるポリエーテル基含有化合物。
[2] Xが、各出現においてそれぞれ独立して、(−(R11n16−)N−(R12n17−、−(R11n16−X11−(R12n17−、または−R13−である、[1]に記載のポリエーテル基含有化合物。
[式中:
11が、各出現においてそれぞれ独立して、1以上のフッ素原子により置換されていてもよい−(CHn11−、またはo−、m−もしくはp−フェニレン基であり;
n11は、1〜20の整数であり;
12が、各出現においてそれぞれ独立して、1以上のフッ素原子により置換されていてもよい−(CHn12−、またはo−、m−もしくはp−フェニレン基であり;
n12は、1〜20の整数であり;
n16は、0または1であり;
n17は、0または1であり;
ただし、n16およびn17の合計は1以上であり;
11が、各出現においてそれぞれ独立して、−O−、−(OR61n14−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−Si(R62−、−(Si(R62O)n15−Si(R62−、−NRC(=O)−、−C(=O)NR−、−NRC(=O)NR−−NRC(=O)O−、−O−C(=O)NR−、−NR−、−SONR−、または−SO−であり;
61は、各出現においてそれぞれ独立して、C1−6のアルキレン基であり;
n14は、各出現において、それぞれ独立して、1〜5の整数であり;
62は、各出現においてそれぞれ独立して、フェニル基、C1−6アルキル基またはC1−6アルコキシ基であり;
n15は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜100の整数であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フェニル基または炭素原子数1〜6のアルキル基であり;
13は、−(CHn13−を表し;
n13は、1〜20の整数である。]
[3] αが2である、[1]または[2]に記載のポリエーテル基含有化合物。
[4] αが1である、[1]または[2]に記載のポリエーテル基含有化合物。
[5] Xa1、Xa3、Xa4、およびXa5が、各出現においてそれぞれ独立して、(−(R71n21−)N−(R72n22−、−(R71n21−X−(R72n22−、−R73−、または−Y−O−である、[1]〜[4]のいずれか1に記載のポリエーテル基含有化合物。
[式中:
71は、各出現においてそれぞれ独立して、1以上のフッ素原子により置換されていてもよい−(CHn23−、またはo−、m−もしくはp−フェニレン基を表し;
n23は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜20の整数であり;
72は、各出現においてそれぞれ独立して、1以上のフッ素原子により置換されていてもよい−(CHn24−、またはo−、m−もしくはp−フェニレン基を表し;
n24は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜20の整数であり;
n21は、各出現においてそれぞれ独立して、0または1であり;
n22は、各出現においてそれぞれ独立して、0または1であり;
ただし、n21およびn22の合計は1以上であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、−O−、−(OR74n25−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−Si(R75−、−(Si(R75O)n26−Si(R75−、−NRC(=O)−、−C(=O)NR−、−NRC(=O)O−、−O−C(=O)NR−、−NR−、−SONR−、または−SO−であり;
74は、各出現においてそれぞれ独立して、C1−6のアルキレン基であり;
n25は、各出現において、それぞれ独立して、1〜5の整数であり;
75は、各出現においてそれぞれ独立して、フェニル基、C1−6アルキル基またはC1−6アルコキシ基を表し;
n26は、各出現において、それぞれ独立して、1〜100の整数であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フェニル基または炭素原子数1〜6のアルキル基であり;
73は、各出現においてそれぞれ独立して、−(CHn27−を表し;
n27は、1〜20の整数であり;
Yは、2〜6価の炭化水素基であって、ケイ素原子および/またはシロキサン結合を有する。]
[6] m1が、2または3である、[1]〜[5]のいずれか1に記載のポリエーテル基含有化合物。
[7] m1が、3である、[1]〜[6]のいずれか1に記載のポリエーテル基含有化合物。
[8] p1が、3、かつ、r2が、3である、[1]〜[7]のいずれか1に記載のポリエーテル基含有化合物。
[9] 式(A4)において、q2が3、かつm1が3である、[1]〜[8]のいずれか1に記載のポリエーテル基含有化合物。
[10] β1、β2、β3、またはβ4が、1である、[1]〜[9]のいずれか1に記載のポリエーテル基含有化合物。
[11] Rfが、炭素数1〜16のパーフルオロアルキル基である、[1]〜[10]のいずれか1に記載のポリエーテル基含有化合物。
[12] PEが、以下の式(a)〜(c)のいずれか:
−(OC− (a)
[式中、dは1〜200の整数である。]
−(OC−(OC−(OC−(OCF− (b)
[式中、cおよびdは、それぞれ独立して、0以上30以下の整数であり;
eおよびfは、それぞれ独立して、1以上200以下の整数であり;
c、d、eおよびfの和は、10以上200以下の整数であり;
添字c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。]
−(R−R− (c)
[式中、Rは、OCFまたはOCであり;
は、OC、OC、OC、OC10およびOC12から選択される基であるか、あるいは、これらの基から選択される2または3つの基の組み合わせであり;
gは、2〜100の整数である。]
で表される基である、[1]〜[11]のいずれか1に記載のポリエーテル基含有化合物。
[13] [1]〜[12]のいずれか1に記載のポリエーテル基含有化合物を含有する表面処理剤。
[14] さらに溶媒を含む、[13]に記載の表面処理剤。
[15] 防汚性コーティング剤または防水性コーティング剤として使用される、[13]または[14]に記載の表面処理剤。
[16] 基材と、該基材の表面に、[1]〜[12]のいずれかに記載のポリエーテル基含有化合物または[13]〜[15]のいずれかに記載の表面処理剤より形成された層とを含む物品。
[17] 前記物品が光学部材である、[16]に記載の物品。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、基材の表面処理に用い得る、新たな構造の化合物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において用いられる場合、「炭化水素基」とは、炭素および水素を含む基であって、炭化水素から1個の水素原子を脱離させた基を意味する。かかる炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、1つまたはそれ以上の置換基により置換されていてもよい、炭素数1〜20の炭化水素基、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。上記「脂肪族炭化水素基」は、直鎖状、分枝鎖状または環状のいずれであってもよく、飽和または不飽和のいずれであってもよい。また、炭化水素基は、1つまたはそれ以上の環構造を含んでいてもよい。尚、かかる炭化水素基は、その末端または分子鎖中に、1つまたはそれ以上のN、O、S、Si、アミド、スルホニル、シロキサン、カルボニル、カルボニルオキシ等を有していてもよい。
【0009】
本明細書において用いられる場合、「炭化水素基」の置換基としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子;1個またはそれ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10不飽和シクロアルキル基、5〜10員のヘテロシクリル基、5〜10員の不飽和ヘテロシクリル基、C6−10アリール基および5〜10員のヘテロアリール基から選択される1個またはそれ以上の基が挙げられる。
【0010】
本明細書において用いられる場合、「有機基」とは、炭素を含有する基を意味する。有機基としては、特に限定されないが、炭化水素基であり得る。また、「2〜10価の有機基」とは、炭素を含有する2〜10価の基を意味する。かかる2〜10価の有機基としては、特に限定されないが、炭化水素基からさらに1〜9個の水素原子を脱離させた2〜10価の基が挙げられる。例えば、2価の有機基としては、特に限定されるものではないが、炭化水素基からさらに1個の水素原子を脱離させた2価の基が挙げられる。
【0011】
本明細書において、「加水分解可能な基」とは、本明細書において用いられる場合、加水分解反応を受け得る基を意味し、すなわち、加水分解反応により、化合物の主骨格から脱離し得る基を意味する。加水分解可能な基の例としては、−ORa1、−OCORa1、−O−N=CRa1、−NRa1、−NHRa1、ハロゲン(これら式中、Ra1は、置換または非置換の炭素数1〜4のアルキル基を示す)などが挙げられ、好ましくは−ORa1(即ち、アルコキシ基)である。Ra1の例には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基などの非置換アルキル基;クロロメチル基などの置換アルキル基が含まれる。それらの中でも、アルキル基、特に非置換アルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
【0012】
本開示のポリエーテル基(以下、「PE」と称することがある)含有化合物は、式(I):
【化3】
で表される。
【0013】
本開示のポリエーテル基含有化合物は、上記式(I)のように、分子構造内にトリアジン環を有する。本開示のポリエーテル基含有化合物は、電子密度の高い環構造であって、6員環を形成する有機化合物のなかで最も小さな環構造を有することから、アニオン化合物の求核置換反応が起こりにくく、例えばアルカリ条件下でも安定に存在し得る。また、トリアジン環の炭素−水素結合をエーテル結合やエステル結合に置換した場合、酸やアルカリ存在下における加水分解を受けにくい。更に、トリアジン環は、耐熱性、および紫外線(UV)に対する耐久性が良好であることから、本開示のポリエーテル基含有化合物の耐熱性、およびUV耐久性が良好になり得る。
【0014】
式(I)において、R−は、各出現においてそれぞれ独立して、(Rf−Xf1−PE−Xf2α−X−で表される基、または、RSi−で表される基である。
【0015】
Rのうち1または2が(Rf−Xf1−PE−Xf2α−X−で表される基であり、かつ、Rのうち1または2がRSi−で表される基である。ただし、(Rf−PE)α−X−で表される基の数、および、RSi−で表される基の数の合計数は3である。このような構造を有することにより、本開示のポリエーテル基含有化合物は、撥水性、撥油性、防汚性、耐ケミカル性、UV耐久性等を有する表面処理層であり、かつ、基材への結合能の良好な表面処理層の形成に寄与し得る。
【0016】
好ましくは、Rのうち1または2が(Rf−Xf1−PE−Xf2α−X−で表される基であり、Rのうち1または2がRSi−で表される基である。ただし、(Rf−Xf1−PE−Xf2α−X−で表される基の数、およびRSi−で表される基の数の合計数は3である。
【0017】
一の態様において、Rのうち1が(Rf−Xf1−PE−Xf2α−X−で表される基であり、かつ、Rのうち2がRSi−で表される基である。このような構造を有することにより、本開示のポリエーテル基含有化合物は、撥水性、撥油性、防汚性、耐ケミカル性、UV耐久性等を有する表面処理層の形成に寄与し得る。上記のような構造により、本開示のポリエーテル基含有化合物は、分子間の結合を形成し得、さらに、形成される表面処理層の基材への結合能が良好になり得る。
【0018】
一の態様において、Rのうち2が(Rf−Xf1−PE−Xf2α−X−で表される基であり、かつ、Rのうち1がRSi−で表される基である。このような構造を有することにより、ポリエーテル基含有化合物一分子あたりのポリエーテル鎖の含量が高くなる為、本開示のポリエーテル基含有化合物は、高い撥水性、撥油性、防汚性、耐ケミカル性、UV耐久性等を有し、かつ、基材への結合能の良好な表面処理層の形成に寄与し得る。
【0019】
[(Rf−Xf1−PE−Xf2α−X−で表される基]
本開示のポリエーテル基含有化合物は、(Rf−Xf1−PE−Xf2α−X−で表される基を有する。このような構造を有することにより、本開示のポリエーテル基含有化合物を用いて形成される層の撥水性、撥油性、耐ケミカル性(例えば、塩水、酸または塩基性水溶液、アセトン、オレイン酸またはヘキサンに対する耐久性)、UV耐久性等が良好になり得る。
【0020】
Rfは、各出現において独立して、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素原子数1〜16のアルキル基を表す。
【0021】
上記1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素原子数1〜16のアルキル基における「炭素原子数1〜16のアルキル基」は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは、直鎖または分枝鎖の炭素原子数1〜6、特に炭素原子数1〜3のアルキル基であり、より好ましくは直鎖の炭素原子数1〜3のアルキル基である。
【0022】
上記Rfは、好ましくは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されている炭素原子数1〜16のアルキル基であり、より好ましくはCFH−C1−15フルオロアルキレン基であり、さらに好ましくは炭素原子数1〜16のパーフルオロアルキル基である。
【0023】
該炭素原子数1〜16のパーフルオロアルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは、直鎖または分枝鎖の炭素原子数1〜6、特に炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基であり、より好ましくは直鎖の炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基、具体的には−CF、−CFCF、または−CFCFCFである。
【0024】
上記式中、PEは、2価の有機基であり、各出現においてそれぞれ独立して、式:
−(OC12−(OC10−(OC−(OC10−(OC−(OCF
で表される基である。
式中、a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は少なくとも1である。好ましくは、a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して、0以上100以下の整数である。好ましくは、a、b、c、d、eおよびfの和は5以上であり、より好ましくは10以上、例えば10以上100以下である。a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。X10は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり、好ましくは水素原子またはフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。本明細書において、PEとして記載している基は、左がXf1に、右がXf2に、それぞれ結合する。
【0025】
これら繰り返し単位は、直鎖状であっても、分枝鎖状であってもよいが、好ましくは直鎖状である。例えば、−(OC12)−は、−(OCFCFCFCFCFCF)−、−(OCF(CF)CFCFCFCF)−、−(OCFCF(CF)CFCFCF)−、−(OCFCFCF(CF)CFCF)−、−(OCFCFCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCFCFCF(CF))−等であってもよいが、好ましくは−(OCFCFCFCFCFCF)−である。−(OC10)−は、−(OCFCFCFCFCF)−、−(OCF(CF)CFCFCF)−、−(OCFCF(CF)CFCF)−、−(OCFCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCFCF(CF))−等であってもよいが、好ましくは−(OCFCFCFCFCF)−である。−(OC)−は、−(OCFCFCFCF)−、−(OCF(CF)CFCF)−、−(OCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCF(CF))−、−(OC(CFCF)−、−(OCFC(CF)−、−(OCF(CF)CF(CF))−、−(OCF(C)CF)−および−(OCFCF(C))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCFCFCF)−である。−(OC)−(即ち、上記式中、X10はフッ素原子である)は、−(OCFCFCF)−、−(OCF(CF)CF)−および−(OCFCF(CF))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCFCF)−である。また、−(OC)−は、−(OCFCF)−および−(OCF(CF))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCF)−である。
【0026】
一の態様において、上記PEは、−(OC−(式中、dは1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数である)である。好ましくは、上記PEは、−(OCFCFCF−(式中、dは1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数である)または−(OCF(CF)CF−(式中、dは1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数である)である。より好ましくは、上記PEは、−(OCFCFCF−(式中、dは1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数である)である。
【0027】
一の態様において、上記PEは、好ましくは−(OC−であり、dは10以上100以下の整数、より好ましくはdは15以上50以下の整数、さらに好ましくはdは25以上35以下の整数である。
【0028】
別の態様において、PEは、−(OC−(OC−(OC−(OCF−(式中、cおよびdは、それぞれ独立して0以上30以下の整数であり、eおよびfは、それぞれ独立して1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数であり、c、d、eおよびfの和は少なくとも5以上、好ましくは10以上であり、添字c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である)である。好ましくは、PEは、−(OCFCFCFCF−(OCFCFCF−(OCFCF−(OCF−である。一の態様において、PEは、−(OC−(OCF−(式中、eおよびfは、それぞれ独立して1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数であり、添字eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である)であってもよい。
【0029】
さらに別の態様において、PEは、−(R−R−で表される基である。式中、Rは、OCFまたはOCであり、好ましくはOCである。式中、Rは、OC、OC、OC、OC10およびOC12から選択される基であるか、あるいは、これらの基から独立して選択される2または3つの基の組み合わせである。好ましくは、Rは、OC、OCおよびOCから選択される基であるか、あるいは、これらの基から独立して選択される2または3つの基の組み合わせであり、より好ましくは、OC、およびOCから選択される基である。OC、OCおよびOCから独立して選択される2または3つの基の組み合わせとしては、特に限定されないが、例えば−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、および−OCOCOC−等が挙げられる。上記gは、2以上、好ましくは3以上、より好ましくは5以上であり、100以下、好ましくは50以下の整数である。上記式中、OC、OC、OC、OC10およびOC12は、直鎖または分枝鎖のいずれであってもよく、好ましくは直鎖である。この態様において、PEは、好ましくは、−(OC−OC−または−(OC−OC−である。
【0030】
さらに別の態様において、PEは、−(OC12−(OC10−(OC−(OC−(OC−(OCF−で表される基である。式中、eは、1以上200以下の整数であり、a、b、c、dおよびfは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は少なくとも1であり、また、a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。eは、好ましくは、1以上100以下、より好ましくは5以上100以下の整数である。a、b、c、d、eおよびfの和は、好ましくは5以上であり、より好ましくは10以上、例えば10以上100以下である。
【0031】
さらに別の態様において、PEは、−(OC12−(OC10−(OC−(OC−(OC−(OCF−で表される基である。式中、fは、1以上200以下の整数であり、a、b、c、dおよびeは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は少なくとも1であり、また、a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。fは、好ましくは、1以上100以下、より好ましくは5以上100以下の整数である。a、b、c、d、eおよびfの和は、好ましくは5以上であり、より好ましくは10以上、例えば10以上100以下である。
【0032】
PEにおいて、fに対するeの比(以下、「e/f比」という)は、0.1以上10以下であり、好ましくは0.2以上5以下であり、より好ましくは0.2以上2以下であり、さらに好ましくは0.2以上1.5以下であり、さらにより好ましくは0.2以上0.85以下である。e/f比を10以下にすることにより、この化合物から得られる表面処理層の滑り性、摩擦耐久性および耐ケミカル性(例えば、人工汗に対する耐久性)がより向上する。e/f比がより小さいほど、表面処理層の滑り性および摩擦耐久性はより向上する。一方、e/f比を0.1以上にすることにより、化合物の安定性をより高めることができる。e/f比がより大きいほど、化合物の安定性はより向上する。
【0033】
一の態様において、上記e/f比は、0.2以上0.95以下であり、より好ましくは、0.2以上0.9以下である。
【0034】
一の態様において、e/f比は、0.9未満、好ましくは0.8以下、0.7以下であり、0.65以下であってもよい。e/f比は、例えば0.2以上、0.3以上、0.4以上、0.5以上、0.55以上である。e/f比は、例えば、0.2以上0.9未満、具体的には0.4以上0.8以下、より具体的には0.5以上0.8以下を挙げることができる。上記のようなe/f比を有することにより、本開示の表面処理剤は、より良好な滑り性を有する表面処理層を形成し得る。
【0035】
一の態様において、e/f比は、0.4以上0.7以下であってもよく、0.5以上0.7以下であってもよく、0.55以上0.7以下であってもよく、0.55以上0.65以下であってもよい。
【0036】
一の態様において、耐熱性の観点から、上記e/f比は、1.0以上が好ましく、1.0以上2.0以下であることがより好ましい。
【0037】
一の態様において、上記式中、PEは、各出現において独立して、
−(OC12−(OC10−(OC−(OC−(OC−(OCF
で表される基であり、かつ、ポリエーテル基中に少なくとも1の分岐構造を有する。すなわち、本態様において、上記PEは、少なくとも1のCF末端(具体的には、−CF、−C等、より具体的には−CF)を有する。なお、上記PEは、上記式の左末端の酸素原子がRf基に結合する。このような構造のポリエーテル基を有することにより、ポリエーテル基含有化合物(あるいは、ポリエーテル基含有化合物を含む表面処理剤)を用いて形成された層(例えば表面処理層)の紫外線耐久性、撥水性、撥油性、防汚性(例えば指紋等の汚れの付着を防止する)、耐ケミカル性、耐加水分解性、滑り性の抑制効果、高い摩擦耐久性、耐熱性、防湿性等がより良好になり得る。
【0038】
上記式中、a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は少なくとも1である。好ましくは、a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して、0以上100以下の整数である。好ましくは、a、b、c、d、eおよびfの和は5以上であり、より好ましくは10以上である。好ましくは、a、b、c、d、eおよびfの和は200以下であり、より好ましくは100以下であり、例えば10以上200以下であり、より具体的には10以上100以下である。また、a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。
【0039】
PEで表される基中、分岐構造を少なくとも5有することが好ましく、10有することがより好ましく、20有することが特に好ましい。
【0040】
PEで表される基の構造中、繰り返し単位数の合計数(例えば、上記a、b、c、d、eおよびfの和)100に対して、分岐構造を有する繰り返し単位の数は40以上であることが好ましく、60以上であることがより好ましく、80以上であることが特に好ましい。PEで表される基の構造中、繰り返し単位数の合計数100に対して、分岐構造を有する繰り返し単位の数は100以下であってもよく、例えば90以下であってもよい。
【0041】
PEで表される基の構造中、繰り返し単位数の合計数100に対して、分岐構造を有する繰り返し単位の数は、40〜100の範囲にあることが好ましく、60〜100の範囲にあることがより好ましく、80〜100の範囲にあることが特に好ましい。
【0042】
上記分岐構造における分岐鎖としては、例えばCFを挙げることができる。
【0043】
分岐構造を有する繰り返し単位としては、例えば、−(OC12)−としては、−(OCF(CF)CFCFCFCF)−、−(OCFCF(CF)CFCFCF)−、−(OCFCFCF(CF)CFCF)−、−(OCFCFCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCFCFCF(CF))−等を挙げることができる。−(OC10)−としては、−(OCF(CF)CFCFCF)−、−(OCFCF(CF)CFCF)−、−(OCFCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCFCF(CF))−等を挙げることができる。−(OC)−としては、−(OCF(CF)CFCF)−、−(OCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCF(CF))−、−(OC(CFCF)−、−(OCFC(CF)−、−(OCF(CF)CF(CF))−、−(OCF(C)CF)−および−(OCFCF(C))−を挙げることができる。−(OC)−としては、−(OCF(CF)CF)−および−(OCFCF(CF))−を挙げることができる。−(OC)−としては、−(OCF(CF))−を挙げることができる。
【0044】
上記PEは、分岐構造を有する繰り返し単位とともに、直鎖状の繰り返し単位を含み得る。直鎖状の繰り返し単位としては、−(OCFCFCFCFCFCF)−、−(OCFCFCFCFCF)−、−(OCFCFCFCF)−、−(OCFCFCF)−、−(OCFCF)−を挙げることができる。
【0045】
好ましくは、上記PEで表される基中、繰り返し単位−(OC12)−、−(OC10)−、−(OC)−、および−(OC)−が分岐構造を有する。
【0046】
より好ましくは、上記PEは、分岐構造の繰り返し単位OC12、OC10、OC、およびOCからなる。
【0047】
一の態様において、上記PEは、−(OC−(式中、dは1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数である)であり、PE中に少なくとも1の分岐構造を有する。
【0048】
本態様において、PEで表される基は、さらに、直鎖状の繰り返し単位−(OCFCFCF)−を含んでいてもよい。
【0049】
上記態様において、上記PEは、分岐構造の繰り返し単位OCからなることが好ましい。上記PEは、式:−(OCFCF(CF))で表されることがより好ましい。上記式中、dは1以上200以下であり、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数である。
【0050】
別の態様において、PEは、−(OC−(OC−(OC−(OCF−(式中、cおよびdは、それぞれ独立して0以上30以下の整数であり、eおよびfは、それぞれ独立して1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数であり、c、d、eおよびfの和は少なくとも5以上、好ましくは10以上であり、添字c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である)であり、PEで表される基中に少なくとも1の分岐構造を有する。
【0051】
さらに別の態様において、PEは、−(R−R−で表される基であり、PEで表される基中少なくとも1の分岐構造を有する。式中、Rは、OCFまたはOCであり、好ましくはOCである。式中、Rは、OC、OC、OC、OC10およびOC12から選択される基であるか、あるいは、これらの基から独立して選択される2または3つの基の組み合わせである。好ましくは、Rは、OC、OCおよびOCから選択される基であるか、OC、OC、OC10およびOC12から選択される基であるか、あるいは、これらの基から独立して選択される2または3つの基の組み合わせである。OC、OCおよびOCから独立して選択される2または3つの基の組み合わせとしては、特に限定されないが、例えば−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、および−OCOCOC−等が挙げられる。上記jは、2以上、好ましくは3以上、より好ましくは5以上であり、100以下、好ましくは50以下の整数である。上記式中、OC、OC、OC、OC10およびOC12は、分岐構造を有することが好ましい。
【0052】
より好ましくは、上記態様において、PEは、分岐構造の繰り返し単位OC12、OC10、OC、およびOCからなる。
【0053】
さらに別の態様において、PEは、−(OC12−(OC10−(OC−(OC−(OC−(OCF−で表される基であり、PEで表される基中少なくとも1の分岐構造を有する。式中、eは、1以上200以下の整数であり、a、b、c、dおよびfは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は少なくとも1であり、また、a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。eは、好ましくは、1以上100以下、より好ましくは5以上100以下の整数である。a、b、c、d、eおよびfの和は、好ましくは5以上であり、より好ましくは10以上、例えば10以上100以下である。
【0054】
さらに別の態様において、PEは、−(OC12−(OC10−(OC−(OC−(OC−(OCF−で表される基であり、PEで表される基中少なくとも1の分岐構造を有する。式中、fは、1以上200以下の整数であり、a、b、c、dおよびeは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は少なくとも1であり、また、a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。fは、好ましくは、1以上100以下、より好ましくは5以上100以下の整数である。a、b、c、d、eおよびfの和は、好ましくは5以上であり、より好ましくは10以上、例えば10以上100以下である。
【0055】
上記ポリエーテル基含有化合物において、−PE−部分の数平均分子量は、特に限定されるものではないが、例えば500〜30,000、好ましくは1,500〜30,000、より好ましくは2,000〜10,000である。上記数平均分子量は、19F−NMRにより測定される値とする。
【0056】
別の態様において、−PE−部分の数平均分子量は、500〜30,000、好ましくは1,000〜20,000、より好ましくは2,000〜15,000、さらにより好ましくは2,000〜10,000、例えば3,000〜6,000であり得る。
【0057】
別の態様において、−PE−部分の数平均分子量は、4,000〜30,000、好ましくは5,000〜10,000、より好ましくは6,000〜10,000であり得る。
【0058】
αは、1〜9の整数である。αは、Xの価数に応じて変化し得る。例えば、Xが10価の有機基である場合、αは9である。Xが単結合である場合、αは1である。
【0059】
は、主に撥水性および表面滑り性等を提供するフッ素を含有するポリエーテル部(PEで表されるポリエーテル基部分)とトリアジン環とを連結するリンカーと解される。従って、当該Xは、式(I)で表される化合物が安定に存在し得るものであれば、単結合であってもよく、いずれの有機基であってもよい。
【0060】
f1は、(Xf11で表される基である。なお、Xf1として記載している基は、左側がRfで表される基に、右側がPEで表される基に、それぞれ結合する。
【0061】
f11は、炭素原子数1〜6のアルキレン基、好ましくは1〜3のアルキレン基、より好ましくは1〜2のアルキレン基、例えばメチレン基である。
f11において、アルキレン基に含まれる水素原子がフッ素原子により置換されていてもよい。Xf11は、好ましくは、アルキレン基に含まれる水素原子がフッ素原子により置換されたアルキレン基であり、より好ましくは、パーフルオロアルキレン基である。Xf11は、直鎖状であってもよく、分岐鎖を有していてもよい。好ましくは、Xf11は、直鎖状である。
【0062】
f11の具体例としては、例えば、−CF−、−C−、−C−、−C−、−C10−または−C12−のようなパーフルオロアルキレン基;−CHF−、のような一部の水素原子がフッ素原子に置換されたフルオロアルキレン基を挙げることができる。
−C12−は、−CFCFCFCFCFCF−、−CF(CF)CFCFCFCF−、−CFCF(CF)CFCFCF−、−CFCFCF(CF)CFCF−、−CFCFCFCF(CF)CF−、−CFCFCFCFCF(CF)−等であってもよいが、好ましくは−CFCFCFCFCFCF−である。−C10−は、−CFCFCFCFCF−、−CF(CF)CFCFCF−、−CFCF(CF)CFCF−、−CFCFCF(CF)CF−、−CFCFCFCF(CF)−等であってもよいが、好ましくは−CFCFCFCFCF−である。−C−は、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CFCFCF(CF)−、−C(CFCF−、−CFC(CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−CF(C)CF−および−CFCF(C)−のいずれであってもよいが、好ましくは−CFCFCFCF−である。−C−は、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−および−CFCF(CF)−のいずれであってもよいが、好ましくは−CFCFCF−である。また、−C−は、−CFCF−および−CF(CF)−のいずれであってもよい。
【0063】
f1は、より好ましくは、−CF−、−CFCF−、または−CF(CF)−であり、さらに好ましくは、−CF−、または−CFCF−であり、特に好ましくは−CF−である。
【0064】
f2は、(O)または(NH)で表される基であり、好ましくは、(O)で表される基である。
【0065】
zは、各出現においてそれぞれ独立して0または1であり、yは、各出現においてそれぞれ独立して0または1である。具体的には、zが0かつyが0;zが0かつyが1;zが1かつyが0;zが1かつyが1である。
好ましくは、zとyとの合計は、0または1である。
なお、yが0のとき、Xf2で表される基は単結合であり;zが0のとき、Xf1で表される基は単結合である。
【0066】
は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、−NH−、−SONH−、−SO−、または2〜10価の有機基である。
【0067】
一の態様において、Xは、窒素原子である。本態様においては、上記(Rf−Xf1−PE−Xf2α−X−で表される基は、(Rf−Xf1−PE−Xf2−N−で表される。
【0068】
一の態様において、Xは、2〜10価の有機基である。
【0069】
は、好ましくは2〜7価であり、より好ましくは2〜4価であり、さらに好ましくは2〜3価の有機基である。
【0070】
一の態様において、Xは、3〜10価の有機基であり得、αは2〜9である。
【0071】
一の態様において、Xは2価の有機基であり、αは1である。
【0072】
一の態様において、Xは、各出現においてそれぞれ独立して、2価の有機基であり、該2価の有機基は、−CONH−、−NHCO−、−NHCONH−、−OCONH−、または−NHCOO−である。
【0073】
一の態様において、Xは、各出現においてそれぞれ独立して、(−(R11n16−)N−(R12n17−、−(R11n16−X11−(R12n17−、または−R13−で表される3価または2価の有機基である。
例えば、Xが、(−(R11n16−)N−(R12n17−で表されるとき、(Rf−Xf1−PE−Xf2α−X−で表される基は、(Rf−Xf1−PE−Xf2−(R11n16N−(R12n17−で表され;Xが−(R11n16−X11−(R12n17−で表されるとき、(Rf−Xf1−PE−Xf2α−X−で表される基は、Rf−Xf1−PE−Xf2−(R11n16−X11−(R12n17−で表され;Xが−R13−で表されるとき、(Rf−Xf1−PE−Xf2α−X−で表される基は、Rf−Xf1−PE−Xf2−R13−で表される。
【0074】
は、好ましくは(−(R11n16−)N−(R12n17−、または−(R11n16−X11−(R12n17−で表される基であり、より好ましくは−(R11n16−X11−(R12n17−で表される基である。
【0075】
11は、ポリエーテル基(PEで表される基)側に結合する基または結合である。本明細書において、R11として記載している構造の左側がαを付して括弧でくくられた基に結合する。
11は、各出現においてそれぞれ独立して、1以上のフッ素原子により置換されていてもよい−(CHn11−、またはo−、m−もしくはp−フェニレン基を表し、好ましくは1以上のフッ素原子により置換されていてもよい−(CHn11−であり、より好ましくはフッ素原子に置換されていない−(CHn11−である。
n11は、1〜20の整数であり、好ましくは、1〜6の整数であり、より好ましくは1〜3の整数、さらに好ましくは1または2である。
【0076】
12は、トリアジン環に結合する基または結合である。本明細書において、R12として記載している構造の右側がトリアジン環に結合する。
12は、各出現においてそれぞれ独立して、1以上のフッ素原子により置換されていてもよい−(CHn12−、またはo−、m−もしくはp−フェニレン基を表し、好ましくは1以上のフッ素原子により置換されていてもよい−(CHn12−であり、より好ましくはフッ素原子に置換されていない−(CHn12−である。
n12は、1〜20の整数であり、好ましくは、1〜6の整数であり、より好ましくは1〜3の整数、さらにより好ましくは1である。
【0077】
n16は、各出現においてそれぞれ独立して、0または1であり、n17は、各出現においてそれぞれ独立して、0または1である。n16およびn17の合計は1以上であることが好ましい。好ましくは、n16が0、かつn17が1、または、n16が1、かつn17が0であり、より好ましくは、n16が1、かつn17が0である。
【0078】
11は、各出現においてそれぞれ独立して、−O−、−(OR61n14−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−Si(R62−、−(Si(R62O)n15−Si(R62−、−NRC(=O)−、−C(=O)NR−、−NRC(=O)NR−、−NRC(=O)O−、−O−C(=O)NR−、−NR−、−SONR−、または−SO−である。
11は、好ましくは、−O−、−S−、−C(=O)NR−、−NRC(=O)O−、−NR−で表される基であり、より好ましくは、−O−、または−NR−(例えば、−NH−)で表される基である。
なお、本明細書において、X11として記載している構造の左側がR11で表される基に、右側がR12で表される基に、それぞれ結合する。
【0079】
は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フェニル基または炭素原子数1〜6のアルキル基(好ましくはメチル基)であり、好ましくは水素原子またはメチル基、より好ましくは水素原子である。
例えば、Rが水素原子の場合、上記のX11の列挙の中で、−NRC(=O)−、−C(=O)NR−、−NRC(=O)NR−、−NRC(=O)O−、または−O−C(=O)NR−は、それぞれ、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−、−NHCOO−、または−OCONH−である。
【0080】
61は、各出現においてそれぞれ独立して、C1−6のアルキレン基であり、好ましくは、C1−3のアルキレン基である。
62は、各出現においてそれぞれ独立して、フェニル基、C1−6アルキル基またはC1−6アルコキシ基を表し、好ましくはフェニル基またはC1−6アルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
n14は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜5の整数であり、好ましくは1〜3の整数であり、より好ましくは1である。
n15は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜100の整数、好ましくは1〜20の整数である。
ここで、X11の水素原子は、フッ素原子、C1−3アルキル基およびC1−3フルオロアルキル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
【0081】
13は、好ましくは、各出現においてそれぞれ独立して、−(CHn13−である。ここで、n13は、1〜20の整数であり、好ましくは、1〜6の整数、より好ましくは1〜3の整数である。
【0082】
好ましい態様において、Xは、−(R11n16−X11−(R12n17−で表される基であり、n16が1、n17が0である。X11は−O−または−NH−であることが好ましく、R11は−(CHn11−、n11は1〜3の整数であることが好ましい。n11は1または2であることがより好ましい。
【0083】
の具体的な例としては、
単結合、
−O−、
−CH−O−、
−(CH−O−、
−(CH−O−、
−(CH−O−、
−CFCH−O−、
−CF(CH−O−、
−CF(CH−O−、
−CF(CH−O−、
−C(=O)−、
−CH−C(=O)−、
−C(=O)O−、
−CH−C(=O)O−、
−OC(=O)−、
−CH−OC(=O)−、
−C(=O)NH−、
−CH−C(=O)NH−、
−NHC(=O)−、
−NHCH−C(=O)−、
−NCHC(=O)−、
−CH−NCHC(=O)−、
−CFC(=O)NH−、
−CFCH−C(=O)NH−、
−CFNHC(=O)−、
−CFNHCH−C(=O)−、
−CFNCHC(=O)−、
−CFCH−NCHC(=O)−、
−NH−、
−CH−NH−、
−(CH−NH−、
−(CH−NH−、
−(CH−NH−、
−CFNH−、
−CFCH−NH−、
−CF(CH−NH−、
−CF(CH−NH−、
−CF(CH−NH−、
−NCH
−CH−NCH−、
−(CH−NCH−、
−(CH−NCH−、
−(CH−NH−、
−CH
−(CH
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−CFCH
−CF(CH
−CF(CH−、
−CF(CH−、
−CF(CH−、
−CF(CH−、
−S−、
−CH−S−、
−(CH−S−、
−(CH−S−、
−SONH−、
−SONCH−、
−SO−、
−NHC(=O)−O−、
−CHNHC(=O)O−、
−CHOC(=O)NH−、
−O−C(=O)NH−、
−NHC(=O)NH−、
−CHNHC(=O)NH−
を挙げることができる。ただし、本明細書において、Xとして記載している構造の左側がαを付して括弧でくくられた基に、右側がトリアジン環に、それぞれ結合する。
【0084】
[RSi−で表される基]
本開示のポリエーテル基含有化合物は、RSi−で表される基を有する。RSi−で表される基は、各出現においてそれぞれ独立して、式(A1)〜(A4)表される末端に水酸基または加水分解可能な基に結合したSi原子を有する基のいずれかである。本開示の化合物は、上記のような基を有することにより、基材への結合能が良好な表面処理層の形成に寄与し得る。
式(A1)〜(A4):
【0085】
式(A1)について以下に説明する。
【0086】
β1は、1〜9の整数である。β1は、Xa1の価数に応じて変化し得る。例えば、Xa1が10価の有機基である場合、β1は9である。Xa1が単結合である場合、β1は1である。
【0087】
a1は、単結合、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、−NH−、−SONH−、−SO−、または2〜10価の有機基を表す。Xa1は、好ましくは2〜7価、より好ましくは2〜4価、さらに好ましくは、2価または3価の有機基であり、2価の有機基であってもよい。なお、本明細書において、Xa1として記載している構造の右側がトリアジン環に結合する。
【0088】
一の態様において、Xa1は、2価の有機基であり、該2価の有機基は、−CONH−、−NHCO−、−NHCONH−、−OCONH−、または−NHCOO−である。
【0089】
好ましくは、Xa1は、(−(R71n21−)N−(R72n22−、−(R71n21−X−(R72n22−、−R73−、または−Y−O−で表される3価または2価の有機基である。
例えば、Xa1が、(−(R71n21−)N−(R72n22−で表されるとき、R71は、式(A1)におけるβ1を付して括弧でくくられた基とXa1に含まれる窒素原子とを連結し、R72は、Xa1に含まれる窒素原子と式(I)におけるトリアジン環とを連結する。Xa1が−(R71n21−X−(R72n22−で表されるとき、R71は、式(A1)におけるβ1を付して括弧でくくられた基とXで表される基とを連結し、R72は、Xで表される基と式(I)におけるトリアジン環とを連結する。Xa1が−R73−で表されるとき、R73は、式(A1)におけるβ1を付して括弧でくくられた基と、式(I)におけるトリアジン環とを連結する。Xa1が、−Y−O−で表されるとき、Oは、Yとトリアジン環とを連結する。
【0090】
a1は、好ましくは、(−(R71n21−)N−(R72n22−、または−(R71n21−X−(R72n22−で表される基であり、より好ましくは−(R71n21−X−(R72n22−で表される基である。
【0091】
71は、各出現においてそれぞれ独立して、1以上のフッ素原子により置換されていてもよい−(CHn23−、またはo−、m−もしくはp−フェニレン基を表し、好ましくは1以上のフッ素原子により置換されていてもよい−(CHn23−であり、より好ましくはフッ素原子に置換されていない−(CHn23−である。
ここで、n23は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜20の整数であり、好ましくは、1〜6の整数であり、より好ましくは1〜3の整数、さらにより好ましくは1または2である。なお、本明細書において、R71として記載している構造の左側がβ1を付して括弧でくくられた基に結合する。
【0092】
72は、トリアジン環に結合する基または結合である。本明細書において、R72として記載している構造の右側がトリアジン環に結合する。
72は、各出現においてそれぞれ独立して、1以上のフッ素原子により置換されていてもよい−(CHn24−、またはo−、m−もしくはp−フェニレン基を表し、好ましくは1以上のフッ素原子により置換されていてもよい−(CHn24−であり、より好ましくはフッ素原子に置換されていない−(CHn24−である。
n24は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜20の整数であり、好ましくは、1〜6の整数であり、より好ましくは1〜3の整数、さらにより好ましくは1または2である。
【0093】
n21は0または1であり、n22は0または1である。n21およびn22の合計は1以上であることが好ましい。好ましくは、n21が0、かつn22が1、または、n21が1、かつn22が0であり、より好ましくは、n21が1、かつn22が0である。
【0094】
は、−O−、−(OR74n25−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−Si(R75−、−(Si(R75O)n26−Si(R75−、−NRC(=O)−、−C(=O)NR−、−NRC(=O)NR−、−NRC(=O)O−、−O−C(=O)NR−、−NR−、−SONR−、または−SO−である。
は、好ましくは、−O−、−S−、−NHC(=O)O−、―O(C=O)NH−、または−NR−で表される基であり、より好ましくは、−O−、または−NR−(例えば、−NH−)で表される基である。
なお、本明細書において、Xとして記載している構造の左側がR71で表される基に、右側がR72で表される基に、それぞれ結合する。
【0095】
は、水素原子、フェニル基または炭素原子数1〜6のアルキル基(好ましくはメチル基)であり、好ましくは水素原子またはメチル基、より好ましくは水素原子である。
74は、各出現においてそれぞれ独立して、C1−6のアルキレン基であり、好ましくは、C1−3のアルキレン基である。
75は、各出現においてそれぞれ独立して、フェニル基、C1−6アルキル基またはC1−6アルコキシ基を表し、好ましくはフェニル基またはC1−6アルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
n25は、各出現において、それぞれ独立して、1〜5の整数であり、好ましくは1〜3の整数であり、より好ましくは1である。
n26は、各出現において、それぞれ独立して、1〜100の整数、好ましくは1〜20の整数である。
の水素原子は、フッ素原子、C1−3アルキル基およびC1−3フルオロアルキル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
【0096】
73は、好ましくは、各出現においてそれぞれ独立して、−(CHn27−である。ここで、n27は、1〜20の整数であり、好ましくは、1〜6の整数、より好ましくは1〜3の整数である。
【0097】
上記Yは、酸素原子とSi原子を結合する2〜6価、好ましくは2〜4価、より好ましくは2価の有機基であり、ケイ素原子および/またはシロキサン結合を有していてもよい。好ましくは、Yは、ケイ素原子および/またはシロキサン結合を有する。
上記Yとして、具体的には、エチレン基、プロピレン基(トリメチレン基、メチルエチレン基)、ブチレン基(テトラメチレン基、メチルプロピレン基)、ヘキサメチレン基等の炭素原子数2〜10のアルキレン基、フェニレン基等の炭素原子数6〜8のアリーレン基を含む炭素原子数2〜8のアルキレン基(例えば、炭素原子数8〜16のアルキレン・アリーレン基等)、ジメチルシリレン基やジエチルシリレン基等のジオルガノシリレン基を含む炭素原子数2〜6のアルキレン基、炭素原子数2〜8のアルキレン基相互が炭素原子数1〜4のシルアルキレン構造または炭素原子数6〜10のシルアリーレン構造を介して結合している2価の基、ケイ素原子数2〜10個、好ましくは2〜5個の直鎖状、分岐状または環状の2〜6価のオルガノポリシロキサン残基を含む炭素原子数2〜6のアルキレン基、ケイ素原子数2〜10個、好ましくは2〜5個の直鎖状、分岐状または環状の2〜6価のオルガノポリシロキサン残基の結合手に炭素原子数2〜10のアルキレン基が結合している2〜6価の基などが挙げられ、好ましくは炭素原子数3〜10のアルキレン基、フェニレン基を含む炭素原子数2〜6のアルキレン基、ジメチルシリレン基を含む炭素原子数2〜6のアルキレン基、炭素原子数2〜4のアルキレン基相互が炭素原子数1〜4のシルアルキレン構造または炭素原子数6〜10のシルアリーレン構造を介して結合している2価の基、ケイ素原子数2〜10個の直鎖状の2価のオルガノポリシロキサン残基を含む炭素原子数2〜6のアルキレン基、ケイ素原子数2〜10個の直鎖状またはケイ素原子数3〜10個の分岐状もしくは環状の2〜4価のオルガノポリシロキサン残基の結合手に炭素原子数2〜10のアルキレン基が結合している2〜4価の基であり、さらに好ましくは炭素原子数3〜6のアルキレン基である。
【0098】
Yの具体的な構造としては、例えば以下のような構造を挙げることができる。なお、以下の例示の2価の基において、Yとして記載している構造の左側が、−Y−O−で表される基に含まれる“O”原子に結合し;2以上の結合手を有する基においては、少なくとも1の結合手がβ1を付して括弧で括られた基と結合し、少なくとも1の結合手が−Y−O−で表される基に含まれる“O”原子に結合する。
【化4】
【化5】
【0099】
a1は、各出現においてそれぞれ独立して、好ましくは、−(R71n21−X−(R72n22−、または−R73−で表される基であり、より好ましくは、−(R71n21−X−(R72n22−で表される基である。n21は1であり、n22は0であり、R71は−(CHn23−(n23は、1〜6の整数であり、より好ましくは1〜3の整数、さらにより好ましくは1または2である。)、Xは−O−、または−NR−(例えば、−NH−)であり、R73は−(CHn27−(n27は、1〜6の整数、好ましくは1〜3の整数)であることが好ましい。
【0100】
a1の具体的な例としては、
単結合、
−O−、
−CH−O−、
−(CH−O−、
−(CH−O−、
−(CH−O−、
−C(=O)−、
−CH−C(=O)−、
−C(=O)O−、
−CH−C(=O)O−、
−OC(=O)−、
−CH−OC(=O)−、
−C(=O)NH−、
−CH−C(=O)NH−、
−NHC(=O)−、
−NHCH−C(=O)−、
−NCHC(=O)−、
−CH−NCHC(=O)−、
−NH−、
−CH−NH−、
−(CH−NH−、
−(CH−NH−、
−(CH−NH−、
−NCH
−CH−NCH−、
−(CH−NCH−、
−(CH−NCH−、
−(CH−NH−、
−CH
−(CH
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−S−、
−CH−S−、
−(CH−S−、
−(CH−S−、
−SONH−、
−SONCH−、
−SO−、
−NHC(=O)−O−、
−CHNHC(=O)O−、
−CHOC(=O)NH−、
−O−C(=O)NH−、
−NHC(=O)NH−、
−CHNHC(=O)NH−、
を挙げることができる。ただし、本明細書において、Xa1として記載している構造の左側がβ1を付して括弧でくくられた基に、右側がトリアジン環に、それぞれ結合する。
【0101】
a2は、単結合または2価の有機基を表す。Xa2は、好ましくは、炭素原子数1〜20のアルキレン基であり、より好ましくは、−(CH−(式中、uは、0〜2の整数である)である。
【0102】
tは、それぞれ独立して、2〜10の整数である。好ましい態様において、tは2〜6の整数である。
【0103】
31は、各出現において、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表す。ハロゲン原子は、好ましくはヨウ素原子、塩素原子またはフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
【0104】
32は、各出現において、それぞれ独立して、水素原子または1価の有機基を表し、好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜20のアルキル基であり、より好ましくは水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基)である。
【0105】
一の態様において、R32は、炭素原子数1〜6のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基)である。
【0106】
は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基である。加水分解可能な基は上記と同意義である。
【0107】
は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、より好ましくはメチル基である。
【0108】
式(A1)において、m1は、(Rm13−m1Si−)単位毎に独立して、0〜3の整数である。ただし、式(A1)において、m1が1〜3であるRm13−m1Si−が少なくとも1つ存在する。即ち、すべてのm1が同時に0になることはない。
【0109】
式(A1)中、少なくとも2つのm1が1以上であることが好ましい。言い換えると、式(A1)において、m1が1以上のRm13−m1Si−が少なくとも2存在することが好ましい。
【0110】
式(A1)中、好ましくはm1が2または3、より好ましくはm1が3であるRm13−m1Si−が少なくとも1存在する。
【0111】
好ましくは、式(A1)において、m1は1〜3の整数であり、さらに好ましくは、2または3である。
【0112】
より好ましくは、式(A1)において、m1は3である。言い換えると、式(A1)において、Rm13−m1Si−で表される基は、RSi−で表される。
【0113】
式(A2)について以下に説明する。
【0114】
β2は、1〜9の整数である。β2は、Xa3の価数に応じて変化し得る。例えば、Xa3が10価の有機基である場合、β2は9である。Xa3が単結合である場合、β2は1である。
【0115】
a3は、単結合または2〜10価の有機基を表し、好ましくは2〜7価、より好ましくは2〜4価、さらに好ましくは、2価または3価の有機基であり、2価の有機基であってもよい。なお、本明細書において、Xa2として記載している構造の右側がトリアジン環に結合する。
【0116】
a3は、特に限定するものではないが、例えば、Xa1に関して記載したものと同様のものが挙げられる。なお、Xa1に関する記載において、「式(A1)」は「式(A2)」に、「β1」は「β2」にそれぞれ読み替えることとする。
【0117】
特に好ましいXa3としては、−(R71n21−X−(R72n22−、または−R73−で表される基を挙げることができ、より好ましくは、−(R71n21−X−(R72n22−で表される基である。n21は1、n22は0、R71は−(CHn23−(n23は、1〜6の整数であり、より好ましくは1〜3の整数、さらにより好ましくは1または2である。)、Xは−O−、または−NR−(例えば、−NH−)、R73は−(CHn27−(n27は、1〜6の整数、好ましくは1〜3の整数)であることが好ましい。
【0118】
a3の具体的な例としては、
単結合、
−O−、
−CH−O−、
−(CH−O−、
−(CH−O−、
−(CH−O−、
−C(=O)−、
−CH−C(=O)−、
−C(=O)O−、
−CH−C(=O)O−、
−OC(=O)−、
−CH−OC(=O)−、
−C(=O)NH−、
−CH−C(=O)NH−、
−NHC(=O)−、
−NHCH−C(=O)−、
−NCHC(=O)−、
−CH−NCHC(=O)−、
−NH−、
−CH−NH−、
−(CH−NH−、
−(CH−NH−、
−(CH−NH−、
−NCH
−CH−NCH−、
−(CH−NCH−、
−(CH−NCH−、
−(CH−NH−、
−CH
−(CH
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−S−、
−CH−S−、
−(CH−S−、
−(CH−S−、
−SONH−、
−SONCH−、
−SO−、
−NHC(=O)−O−、
−CHNHC(=O)O−、
−CHOC(=O)NH−、
−O−C(=O)NH−、
−NHC(=O)NH−、
−CHNHC(=O)NH−、
を挙げることができる。ただし、本明細書において、Xa3として記載している構造の左側がβ2を付して括弧でくくられた基に、右側がトリアジン環に、それぞれ結合する。
【0119】
式(A2)において、m1は、(Rm13−m1Si−)単位毎に独立して、0〜3の整数である。ただし、式(A2)において、m1が1〜3であるRm13−m1Si−が少なくとも1つ存在する。
【0120】
式(A2)において、好ましくは、m1は1〜3であり、さらに好ましくは、2または3である。
【0121】
より好ましくは、式(A2)において、m1は3である。言い換えると、Rm13−m1Si−で表される基は、RSi−で表される。
【0122】
式(A3)について以下に説明する。
【0123】
β3は、1〜9の整数である。β3は、Xa4の価数に応じて変化し得る。例えば、Xa4が10価の有機基である場合、β3は9である。Xa4が単結合である場合、β3は1である。
【0124】
a4は、単結合または2〜10価の有機基を表し、好ましくは2〜7価、より好ましくは2〜4価、さらに好ましくは、2価または3価の有機基であり、2価の有機基であってもよい。なお、本明細書において、Xa4として記載している構造の右側がトリアジン環に結合する。
【0125】
a4は、特に限定するものではないが、例えば、Xa1に関して記載したものと同様のものが挙げられる。なお、Xa1に関する記載において、「式(A1)」は「式(A3)」に、「β1」は「β3」にそれぞれ読み替えることとする。
【0126】
特に好ましいXa4としては、−(R71n21−X−(R72n22−、または−R73−で表される基を挙げることができ、より好ましくは、−(R71n21−X−(R72n22−で表される基である。n21は1、n22は0、R71は−(CHn23−(n23は、1〜6の整数であり、より好ましくは1〜3の整数、さらにより好ましくは1または2である。)、Xは−O−、または−NR−(例えば、−NH−)、R73は−(CHn27−(n27は、1〜6の整数、好ましくは1〜3の整数)であることが好ましい。
【0127】
a4の具体的な例としては、
単結合、
−O−、
−CH−O−、
−(CH−O−、
−(CH−O−、
−(CH−O−、
−C(=O)−、
−CH−C(=O)−、
−C(=O)O−、
−CH−C(=O)O−、
−OC(=O)−、
−CH−OC(=O)−、
−C(=O)NH−、
−CH−C(=O)NH−、
−NHC(=O)−、
−NHCH−C(=O)−、
−NCHC(=O)−、
−CH−NCHC(=O)−、
−NH−、
−CH−NH−、
−(CH−NH−、
−(CH−NH−、
−(CH−NH−、
−NCH
−CH−NCH−、
−(CH−NCH−、
−(CH−NCH−、
−(CH−NH−、
−CH
−(CH
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−S−、
−CH−S−、
−(CH−S−、
−(CH−S−、
−SONH−、
−SONCH−、
−SO−、
−NHC(=O)−O−、
−CHNHC(=O)O−、
−CHOC(=O)NH−、
−O−C(=O)NH−、
−NHC(=O)NH−、
−CHNHC(=O)NH−、
を挙げることができる。ただし、本明細書において、Xa4として記載している構造の左側がβ3を付して括弧でくくられた基に、右側がトリアジン環に、それぞれ結合する。
【0128】
f1は、各出現においてそれぞれ独立して、R41r142r243r3Si−Z−を表す。
【0129】
は、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子または2価の有機基を表す。なお、Zとして記載している構造の左側が、R41r142r243r3Si−Z−で表される基に含まれる“Si”原子に結合する。
【0130】
上記Zは、好ましくは、2価の有機基であり、式(A3)における分子主鎖の末端のSi原子(Rf1が結合しているSi原子)とシロキサン結合を形成するものを含まない。
【0131】
上記Zは、好ましくは、C1−6アルキレン基、−(CHl11−O−(CHl12−(式中、l11は、0〜6の整数、例えば1〜6の整数であり、l12は、0〜6の整数、例えば1〜6の整数である)または、−フェニレン−(CHl13−(式中、l13は、0〜6の整数である)であり、より好ましくはC1−3アルキレン基である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、およびC2−6アルキニル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
【0132】
一の態様において、Zは、C1−6アルキレン基または−フェニレン−(CHl3−であり得る。Zが上記の基である場合、光耐性、特に紫外線耐性がより高くなり得る。式中、l3は、0〜6の整数である。
【0133】
上記態様において、好ましくは、上記Zは、C1−6アルキレン基であり、より好ましくは、C1−3アルキレン基である。
【0134】
41は各出現においてそれぞれ独立して、Rf1’を表す。Rf1’は、Rf1と同意義である。
【0135】
f1中、Z基を介して直鎖状に連結されるSiは最大で5個である。即ち、上記Rf1において、R41が少なくとも1つ存在する場合、Rf1中にZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子が2個以上存在するが、かかるZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数は最大で5個である。なお、「Rf1中のZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数」とは、Rf1中において直鎖状に連結される−Z−Si−の繰り返し数と等しくなる。
【0136】
例えば、下記にRf1中においてZ基を介してSi原子が連結された一例を示す。
【化6】
【0137】
上記式において、*は、主鎖のSiに結合する部位を意味し、…は、ZSi以外の所定の基が結合していること、即ち、Si原子の3本の結合手がすべて…である場合、ZSiの繰り返しの終了箇所を意味する。また、Siの右肩の数字は、*から数えたZ基を介して直鎖状に連結されたSiの出現数を意味する。即ち、SiでZSi繰り返しが終了している鎖は「R中のZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数」が2個であり、同様に、Si、SiおよびSiでZSi繰り返しが終了している鎖は、それぞれ、「R中のZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数」が3、4および5個である。なお、上記の式から明らかなように、R中には、ZSi鎖が複数存在するが、これらはすべて同じ長さである必要はなく、それぞれ任意の長さであってもよい。
【0138】
好ましい態様において、下記に示すように、「Rf1中のZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数」は、すべての鎖において、1個(左式)または2個(右式)である。
【化7】
【0139】
一の態様において、Rf1中のZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数は1個または2個、好ましくは1個である。
【0140】
42は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表す。
【0141】
好ましくは、R42は、加水分解可能な基であり、より好ましくは、−ORa1(式中、Ra1は、置換または非置換のC1−3アルキル基、より好ましくはメチル基を表す)である。
【0142】
43は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基を表し、好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜20のアルキル基であり、さらにに好ましくは水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基)である。
【0143】
一の態様において、R43は、炭素原子数1〜6のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基)である。
【0144】
r1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり、r2は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり、r3は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数である。ただし、R41r142r243r3Si−Z−毎において、r1、r2およびr3の和は3である。
【0145】
f1中の末端のRf1’(Rf1’が存在しない場合、Rf1)において、上記r2は、好ましくは2または3であり、より好ましくは3である。
【0146】
f2は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表す。
【0147】
f3は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基を表し、好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜20のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基)である。
【0148】
一の態様において、Rf3は、炭素原子数1〜6のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基)である。
【0149】
p1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり、p2は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり、p3は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数である。ただし、R41r142r243r3Si−Z−毎において、p1、p2およびp3の和は3である。
【0150】
式(A3)において、水酸基または加水分解可能な基に結合したSi原子が少なくとも2つ存在する。
【0151】
好ましい態様において、式(A3)で表される基の末端部の少なくとも1つは、R42r2’43r3’(R42r243r3Si−Z−)Si−(ここで、r2およびr3の合計値が3、r2’とr3’との合計値が1)、または(R42r243r3Si−Z−)Si−(ここで、r2およびr3の合計値が3)であり、好ましくは(R42r243r3Si−Z−)Si−(ここで、r2およびr3の合計値が3)である。ここで、r2は1〜3の整数であり、好ましくは、2または3である。式中、(R42r243r3Si−Z−)の単位は、好ましくは(R42Si−Z−)である。さらに好ましい態様において、式(A3)で表される基の末端部は、すべて(R42r243r3Si−Z−Si−、より好ましくは(R42Si−Z−Si−であり得る。
【0152】
一の態様において、p1は、1〜3の整数であることが好ましく、2または3であることがより好ましく、3であることが特に好ましい。本態様において、r2が1〜3であることが好ましく、2または3であることがより好ましく、3であることがさらに好ましい。
【0153】
一の態様において、p1は、1〜3の整数であり、かつ、r2は、2または3であることが好ましく、p1は、2または3であり、かつ、r2は、2または3であることがより好ましく、p1は、3であり、かつ、r2は、2または3であることがさらに好ましい。
【0154】
一の態様において、p1は、1〜3の整数であり、かつ、r2は、3であることが好ましく、p1は、2または3であり、かつ、r2は、3であることがより好ましく、p1は、3であり、かつ、r2は、3であることがさらに好ましい。
【0155】
一の態様において、p1は、1〜3の整数であり、Zは、2価の有機基である。好ましくは、上記Zは、式(A3)における分子主鎖の末端のSi原子(Rf1が結合しているSi原子)とシロキサン結合を形成するものを含まない。より好ましくは、上記Zは、好ましくは、C1−6アルキレン基、−(CHl11−O−(CHl12−(式中、l11は、1〜6の整数であり、l12は、1〜6の整数である)または、−フェニレン−(CHl13−(式中、l13は、0〜6の整数である)であり、より好ましくはC1−3アルキレン基である。
【0156】
なお、式(A2)で表される化合物と、式(A3)で表される化合物とが重複する場合、式(A2)で表される化合物を優先する。
【0157】
式(A4)について以下に説明する。
【0158】
β4は、1〜9の整数である。β4は、Xa5の価数に応じて変化し得る。例えば、Xa5が10価の有機基である場合、β4は9である。Xa5が単結合である場合、β4は1である。
【0159】
a5は、単結合または2〜10価の有機基を表し、好ましくは2〜7価、より好ましくは2〜4価、さらに好ましくは、2価または3価の有機基であり、2価の有機基であってもよい。なお、本明細書において、Xa5として記載している構造の右側がトリアジン環に結合する。
【0160】
a5は、特に限定するものではないが、例えば、Xa1に関して記載したものと同様のものが挙げられる。なお、Xa5に関する記載において、「式(A1)」は「式(A4)」に、「β1」は「β4」にそれぞれ読み替えることとする。
【0161】
特に好ましいXa5としては、−(R71n21−X−(R72n22−、または−R73−で表される基を挙げることができ、より好ましくは、−(R71n21−X−(R72n22−で表される基である。式中、n21は1、n22は0、R71は−(CHn23−(n23は、1〜6の整数であり、より好ましくは1〜3の整数、さらにより好ましくは1または2である。)、Xは−O−、または−NR−(例えば、−NH−)、R73は−(CHn27−(n27は、1〜6の整数、好ましくは1〜3の整数)である。
【0162】
a5の具体的な例としては、
単結合、
−O−、
−CH−O−、
−(CH−O−、
−(CH−O−、
−(CH−O−、
−C(=O)−、
−CH−C(=O)−、
−C(=O)O−、
−CH−C(=O)O−、
−OC(=O)−、
−CH−OC(=O)−、
−C(=O)NH−、
−CH−C(=O)NH−、
−NHC(=O)−、
−NHCH−C(=O)−、
−NCHC(=O)−、
−CH−NCHC(=O)−、
−NH−、
−CH−NH−、
−(CH−NH−、
−(CH−NH−、
−(CH−NH−、
−NCH
−CH−NCH−、
−(CH−NCH−、
−(CH−NCH−、
−(CH−NH−、
−CH
−(CH
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−S−、
−CH−S−、
−(CH−S−、
−(CH−S−、
−SONH−、
−SONCH−、
−SO−、
−NHC(=O)−O−、
−CHNHC(=O)O−、
−CHOC(=O)NH−、
−O−C(=O)NH−、
−NHC(=O)NH−、
−CHNHC(=O)NH−、
を挙げることができる。ただし、本明細書において、Xa5として記載している構造の左側がβ4を付して括弧でくくられた基に、右側がトリアジン環に、それぞれ結合する。
【0163】
g1は、各出現においてそれぞれ独立して、R51s152s253s3C−Z−を表す。
【0164】
は、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子または2価の有機基を表す。なお、Zとして記載している構造の左側が、R51s152s253s3C−Z−で表される基に含まれる“C”原子に結合する。
【0165】
上記Zは、好ましくは、2価の有機基であり、式(A4)における分子主鎖の末端のSi原子(Rg1が結合しているSi原子)とシロキサン結合を形成するものを含まない。
【0166】
上記Zは、好ましくは、C1−6アルキレン基、−(CHl21−O−(CHl22−(式中、l21は、0〜6の整数、例えば1〜6の整数であり、l22は、0〜6の整数、例えば1〜6の整数である)または、−フェニレン−(CHl23−(式中、l23は、0〜6の整数である)であり、より好ましくはC1−3アルキレン基である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、およびC2−6アルキニル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
【0167】
51は、各出現においてそれぞれ独立して、Rg1’を表す。Rg1’は、Rg1と同意義である。
【0168】
g1中、Z基を介して直鎖状に連結されるCは最大で5個である。即ち、上記Rg1において、R51が少なくとも1つ存在する場合、Rg1中にZ基を介して直鎖状に連結されるC原子が2個以上存在するが、かかるZ基を介して直鎖状に連結されるC原子の数は最大で5個である。なお、「Rg1中のZ基を介して直鎖状に連結されるC原子の数」とは、Rg1中において直鎖状に連結される−Z−C−の繰り返し数と等しくなる。
【0169】
好ましい態様において、下記に示すように、「Rg1中のZ基を介して直鎖状に連結されるC原子の数」は、すべての鎖において、1個(左式)または2個(右式)である。
【化8】
【0170】
一の態様において、Rg1のZ基を介して直鎖状に連結されるC原子の数は1個または2個、好ましくは1個である。
【0171】
52は、各出現においてそれぞれ独立して、Rm13−m1Si−Z−を表す。
【0172】
、およびRは、それぞれ上記と同意義である。
【0173】
式(A4)において、m1は、(Rm13−m1Si−)単位毎に独立して、0〜3の整数である。ただし、式(A4)において、m1が1〜3であるRm13−m1Si−が少なくとも2つ存在する。
【0174】
は、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子または2価の有機基を表す。なお、Zで表される基は、左側がR52に含まれる“Si”原子に結合する。
【0175】
一の態様において、Zは酸素原子である。
【0176】
一の態様において、Zは2価の有機基である。
【0177】
好ましい態様において、Zは、C1−6アルキレン基、−(CHl31−O−(CHl32−(式中、l31は、0〜6の整数、例えば1〜6の整数であり、l32は、0〜6の整数、例えば1〜6の整数である)または、−フェニレン−(CHl33−(式中、l33は、0〜6の整数である)である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、およびC2−6アルキニル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
【0178】
一の態様において、Zは、C1−6アルキレン基または−フェニレン−(CHl33−であり得る。Zが上記の基である場合、光耐性、特に紫外線耐性がより高くなり得る。式中、l33は、0〜6の整数である。
【0179】
好ましくは、上記Zは、C1−6アルキレン基であり、より好ましくは、C2−3アルキレン基である。
【0180】
53は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、水酸基または1価の有機基を表し、好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜20のアルキル基であり、より好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基)である。
【0181】
一の態様において、R53は、炭素原子数1〜6のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基)である。
【0182】
s1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり、s2は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり、s3は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数である。ただし、R51s152s253s3C−Z−毎において、s1、s2およびs3の和は3である。
【0183】
g2は、各出現においてそれぞれ独立して、Rm13−m1Si−Z−を表す。なお、Zで表される基は、左側がRg2に含まれる“Si”原子に結合する。
【0184】
、およびRは、上記と同意義である。
【0185】
一の態様において、Zは酸素原子である。
【0186】
一の態様において、Zは2価の有機基である。
【0187】
好ましい態様において、Zは、C1−6アルキレン基、−(CHl31’−O−(CHl32’−(式中、l31’は、0〜6の整数、例えば1〜6の整数であり、l32’は、0〜6の整数、例えば1〜6の整数である)または、−フェニレン−(CHl33’−(式中、l33’は、0〜6の整数である)である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、およびC2−6アルキニル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
【0188】
一の態様において、Zは、C1−6アルキレン基または−フェニレン−(CHl33’−であり得る。Zが上記の基である場合、光耐性、特に紫外線耐性がより高くなり得る。式中、l33’は、0〜6の整数である。
【0189】
好ましくは、上記Zは、C1−6アルキレン基であり、より好ましくは、C2−3アルキレン基である。
【0190】
g3は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、水酸基または1価の有機基を表し、好ましくは、水素原子、水酸基または1価の有機基であり、より好ましくは、水素原子、水酸基または炭素原子数1〜20のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子、水酸基または炭素原子数1〜6のアルキル基(例えばメチル基)である。
【0191】
q1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり、q2は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり、q3は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数である。ただし、Rg3q3g2q2g1q1C−毎において、q1、q2およびq3の和は3である。
【0192】
一の態様において、少なくとも1のq1は1〜3の整数であり、好ましくは2または3であり、より好ましくは3である。
【0193】
一の態様において、q1は1〜3の整数であり、好ましくは2または3であり、より好ましくは3である。
【0194】
一の態様において、q2は2または3であり、好ましくは3である。
【0195】
式(A4)において、水酸基または加水分解可能な基に結合したSi原子が少なくとも2存在することが好ましい。即ち、式(A4)において、R52(ただし、該R52において、m1は1〜3の整数)またはRg2(ただし、、該Rg2において、m1は1〜3の整数)が少なくとも2存在することが好ましい。言い換えると、式(A4)において、少なくとも2つのm1が1以上であることが好ましい。m1は、より好ましくは2または3であり、さらに好ましくは3である。このような構成を有することにより、ポリエーテル基含有化合物は、より良好な紫外線耐久性、撥水性、撥油性、防汚性(例えば土壌や指紋等の汚れの付着を防止する)、耐熱性、高い摩擦耐久性、耐加水分解性、耐ケミカル性、防湿性、防曇性等、特に、良好な紫外線耐久性、高い摩擦耐久性、耐ケミカル性等を有する表面処理層を形成し得る。
【0196】
式(A4)において、好ましくは、Rg3(Rm13−m1Si−)−C−または(Rm13−m1Si−)−C−で表される基が存在し、より好ましくは(Rm13−m1Si−)−C−で表される基が存在する。ここで、m1は1〜3の整数であり、好ましくは2または3、より好ましくは3である。
【0197】
式(A4)において、好ましくは、m1は1〜3であり、より好ましくは3である。
【0198】
一の態様において、式(A4)において、(Rm13−m1Si−)の単位は、RSi−またはRSi−であり、好ましくはRSi−である。
【0199】
式(A4)において、好ましくは、q2が1〜3の整数であり、m1が1〜3の整数である。
【0200】
一の態様において、式(A4)において、q2が1〜3の整数であり、m1が2または3、より好ましくは、q2が1〜3の整数であり、m1が3である。
【0201】
一の態様において、式(A4)において、q2が2または3であり、m1が1〜3の整数、より好ましくは、q2が3であり、m1が1〜3の整数であり、さらに好ましくは、q2が3であり、m1が3である。
【0202】
好ましい態様において、本開示のポリエーテル基含有化合物は、
Rのうち1がRf−Xf1−PE−Xf2−X−で表される基であり、Rのうち2がRSi−で表される基であり;
Si−で表される基が、各出現においてそれぞれ独立して、(Rm13−m1Si)−Xa3−で表される基、(R42r243r3Si−Z−)−Si−Xa4−で表される基、または(Rm13−m1Si−Z−)−C−Xa5−で表される基である。
[式中:
Rfが、炭素原子数1〜6のパーフルオロアルキル基を表し;
f1は、(Xf11で表される基であり;
f11は、炭素原子数1〜6のアルキレン基であり、水素原子がフッ素原子により置換されていてもよく;
zは、0であり;
PEは、式:
−(OC12−(OC10−(OC−(OC10−(OC−(OCF
で表される基であり、a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は少なくとも1であり、a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、X10は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり、好ましくは水素原子またはフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子であり;
f2は、(O)、または(NH)で表される基であり、好ましくは、(O)で表される基であり;
yは、0または1であり;
は、−(R11n16−X11−(R12n17−で表される基であり;
11は、−(CHn11−で表され;
n11は、1〜3の整数であり、好ましくは1または2であり;
n16は、1であり;
11は、−O−または−NH−であり
n17は、0であり;
a3、Xa4またはXa5は、各出現においてそれぞれ独立して、−(R71n21−X−(R72n22−であり;
71は、−(CHn23−であり(n23は、1〜3の整数、より好ましくは1または2である);
n21は1であり;
は、−O−、または−NH−で表される基であり;
n22は、0であり;
は、C1−3アルキレン基であり;
は、C1−3アルキレン基であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基であり;
は、メチル基であり;
m1は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜3の整数、好ましくは3であり;
42は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表し;
43は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基)であり;
r2は2または3であり、かつr2とr3との合計値が3、好ましくはr2は3である。]
【0203】
上記態様において、より好ましくは、RSi−で表される基が、同一の構造を有する。例えば、RSi−で表される基は、(Rm13−m1Si−Z−)−C−Xa5−で表される基である。
【0204】
別の好ましい態様において、本開示のポリエーテル基含有化合物は、
Rのうち2がRf−Xf1−PE−Xf2−X−で表される基であり、Rのうち1がRSi−で表される基であり;
Si−で表される基が、各出現においてそれぞれ独立して、(Rm13−m1Si)−Xa3−で表される基、(R42r243r3Si−Z−)−Si−Xa4−で表される基、または(Rm13−m1Si−Z−)−C−Xa5−で表される基である。
[式中:
Rfが、炭素原子数1〜6のパーフルオロアルキル基を表し;
f1は、(Xf11で表される基であり;
f11は、炭素原子数1〜6のアルキレン基であり、水素原子がフッ素原子により置換されていてもよく;
zは、0であり;
PEは、式:
−(OC12−(OC10−(OC−(OC10−(OC−(OCF
で表される基であり、a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は少なくとも1であり、a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、X10は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり、好ましくは水素原子またはフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子であり;
f2は、各出現においてそれぞれ独立して、(O)、または(NH)で表される基であり、好ましくは、(O)で表される基であり;
yは、各出現においてそれぞれ独立して、0または1であり;
は、−(R11n16−X11−(R12n17で表される基であり;
11は、−(CHn11−で表され;
n11は、1〜3の整数であり、好ましくは1または2であり;
n16は、1であり;
11は、−O−または−NH−であり
n17は、0であり;
a3、Xa4またはXa5は、各出現においてそれぞれ独立して、−(R71n21−X−(R72n22−であり;
71は、−(CHn23−であり(n23は、1〜3の整数、より好ましくは1または2である);
n21は1であり;
は、−O−、または−NH−で表される基であり;
n22は、0であり;
は、C1−3アルキレン基であり;
は、C1−3アルキレン基であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基であり;
は、メチル基であり;
m1は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜3の整数、好ましくは3であり;
42は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表し;
43は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基)であり;
r2は2または3であり、かつr2とr3との合計値が3、好ましくはr2は3である。]
【0205】
[組成物]
本開示のポリエーテル基含有化合物を含む組成物は、溶媒、含フッ素オイル、シリコーンオイル、触媒、界面活性剤、重合禁止剤、増感剤、ゾルーゲル、炭化水素系重合体、含フッ素重合体、ラジカル補足剤、無機多孔質、脱水剤、または脱ハロゲン化合物等を含み得る。
【0206】
上記溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸セロソルブ、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、酢酸カルビトール、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、酢酸アミル、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、2−ヒドロキシイソ酪酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘキサノン、シクロヘキサノン、メチルアミノケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチルセルソルブ、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテル等のグリコールエーテル類;メタノール、エタノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、sec−ブタノール、3−ペンタノール、オクチルアルコール、3−メチル−3−メトキシブタノール、tert−アミルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等の環状エーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテルアルコール類;ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート;1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、ジメチルスルホキシド、1,1−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC225)、ガルデンHT PFPE、AE−3000、ゼオローラH、HFE7100、HFE7200、HFE7300、m−ヘキサフルオロメタキシレン、ヘキサフルオロベンゼン、パーフルオロヘキサン等のフッ素含有溶媒等が挙げられる。あるいはこれらの2種以上の混合溶媒等が挙げられる。
【0207】
別の態様において、本開示のポリエーテル基含有化合物を含む組成物は、さらに、ヘキサフルオロベンゼン、m−ヘキサフルオロキシレン、パーフルオロブチルエチルエーテル、パーフルオロヘキシルメチルエーテル、ゼオローラH、パーフルオロヘキシルメチルエーテル、パーフルオロヘキサン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、および水からなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0208】
含フッ素オイルとして理解され得る(非反応性の)フルオロポリエーテル化合物、好ましくはパーフルオロ(ポリ)エーテル化合物(以下、「含フッ素オイル」と言う)としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下の一般式(3)で表される化合物(パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物)が挙げられる。
Rf−(OCa’−(OCb’−(OCc’−(OCFd’−Rf ・・・(3)
式中、Rfは、1個又はそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16アルキル基(好ましくは、C1―16のパーフルオロアルキル基)を表し、Rfは、1個又はそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16アルキル基(好ましくは、C1−16パーフルオロアルキル基)、フッ素原子または水素原子を表し、Rf及びRfは、より好ましくは、それぞれ独立して、C1−3パーフルオロアルキル基である。
a’、b’、c’及びd’は、ポリマーの主骨格を構成するパーフルオロ(ポリ)エーテルの4種の繰り返し単位数をそれぞれ表し、互いに独立して0以上300以下の整数であって、a’、b’、c’及びd’の和は少なくとも1、好ましくは1〜300、より好ましくは20〜300である。添字a’、b’、c’又はd’を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。これら繰り返し単位のうち、−(OC)−は、−(OCFCFCFCF)−、−(OCF(CF)CFCF)−、−(OCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCF(CF))−、−(OC(CFCF)−、−(OCFC(CF)−、−(OCF(CF)CF(CF))−、−(OCF(C)CF)−及び(OCFCF(C))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCFCFCF)−である。−(OC)−は、−(OCFCFCF)−、−(OCF(CF)CF)−及び(OCFCF(CF))−のいずれであってもよく、好ましくは−(OCFCFCF)−である。−(OC)−は、−(OCFCF)−及び(OCF(CF))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCF)−である。
【0209】
上記一般式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル化合物の例として、以下の一般式(3a)及び(3b)のいずれかで示される化合物(1種又は2種以上の混合物であってよい)が挙げられる。
Rf−(OCFCFCFb”−Rf ・・・(3a)
Rf−(OCFCFCFCFa”−(OCFCFCFb”−(OCFCFc”−(OCFd”−Rf ・・・(3b)
これら式中、Rf及びRfは上記の通りであり;式(3a)において、b”は1以上100以下の整数であり;式(3b)において、a”及びb”は、それぞれ独立して0以上30以下の整数であり、c”及びd”はそれぞれ独立して1以上300以下の整数である。添字a”、b”、c”、d”を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。
【0210】
また、別の観点から、含フッ素オイルは、一般式Rf−F(式中、RfはC5−16パーフルオロアルキル基である。)で表される化合物であってよい。また、クロロトリフルオロエチレンオリゴマーであってもよい。
【0211】
上記含フッ素オイルは、500〜10000の平均分子量を有していてよい。含フッ素オイルの分子量は、GPCを用いて測定し得る。
【0212】
含フッ素オイルは、本開示の組成物に対して、例えば0〜50質量%、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜5質量%含まれ得る。一の態様において、本開示の組成物は、含フッ素オイルを実質的に含まない。含フッ素オイルを実質的に含まないとは、含フッ素オイルを全く含まない、または極微量の含フッ素オイルを含んでいてもよいことを意味する。
【0213】
含フッ素オイルは、本開示の組成物によって形成された層の表面滑り性を向上させるのに寄与する。
【0214】
一の態様において、ポリエーテル基含有化合物の平均分子量よりも、含フッ素オイルの平均分子量を大きくしてもよい。このような平均分子量とすることにより、より優れた摩擦耐久性と表面滑り性を得ることができる。本態様は、真空蒸着法により表面処理層を形成する場合には特に有利である。
【0215】
一の態様において、ポリエーテル基含有化合物の平均分子量よりも、含フッ素オイルの平均分子量を小さくしてもよい。このような平均分子量とすることにより、本開示の組成物は、該組成物を用いて形成される硬化物の透明性の低下を抑制しつつ、高い摩擦耐久性および高い表面滑り性を有する硬化物を形成できる。
【0216】
上記シリコーンオイルとしては、例えばシロキサン結合が2,000以下の直鎖状または環状のシリコーンオイルを用い得る。直鎖状のシリコーンオイルは、いわゆるストレートシリコーンオイルおよび変性シリコーンオイルであってよい。ストレートシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルが挙げられる。変性シリコーンオイルとしては、ストレートシリコーンオイルを、アルキル、アラルキル、ポリエーテル、高級脂肪酸エステル、フルオロアルキル、アミノ、エポキシ、カルボキシル、アルコールなどにより変性したものが挙げられる。環状のシリコーンオイルは、例えば環状ジメチルシロキサンオイルなどが挙げられる。
【0217】
本開示の組成物(例えば、表面処理剤)中、かかるシリコーンオイルは、上記本開示のポリエーテル基含有化合物の合計100質量部(2種以上の場合にはこれらの合計、以下も同様)に対して、例えば0〜300質量部、好ましくは50〜200質量部で含まれ得る。
【0218】
シリコーンオイルは、表面処理層の表面滑り性を向上させるのに寄与する。
【0219】
上記触媒としては、酸(例えば酢酸、トリフルオロ酢酸等)、塩基(例えばアンモニア、トリエチルアミン、ジエチルアミン等)、遷移金属(例えばTi、Ni、Sn等)等が挙げられる。
【0220】
触媒は、本開示のポリエーテル基含有化合物の加水分解および脱水縮合を促進し、本開示の組成物(例えば、表面処理剤)により形成される層の形成を促進する。
【0221】
他の成分としては、上記以外に、例えば、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン等も挙げられる。
【0222】
本開示のポリエーテル基含有化合物を含む組成物は、さらに、以下の式で示す化合物、または以下の式で示す化合物のうち、RSi’で表される基を有する化合物において、少なくともRSi’で表される基の一部をヒドロシリル化して生じる化合物を含み得る。本開示の組成物は、以下の式で示す化合物、または上述した以下の式で示す化合物をヒドロシリル化して生じる化合物を、本開示の組成物中に、例えば、1質量ppm〜1質量%、または10質量ppm〜0.1質量%含み得る。
【0223】
【化9】

【0224】
式中、
PEは、(Rf−Xf1−PE−Xf2α−X−で表される基であり;
PEで表される基における各記号はそれぞれ上記と同意義であり;
Si’は、各出現においてそれぞれ独立して、末端に−CH=CHを有する1価の有機基であり、好ましくはヒドロシリル化することによってRSiで表される基となる基である。
【0225】
一の態様において、本開示の組成物は、さらに、Pt、Pd、Rh、Na、K、Ca、Mg、Zn、Fe、Cu、Al等を含む金属、金属酸化物または金属塩;Siを含む化合物、酸化物または塩を含み得る。本開示の組成物は、金属、金属酸化物またはその塩を、本開示の組成物中に、例えば、10質量ppb〜1質量%、または100質量ppb〜0.1質量%含み得る。
【0226】
一の態様において、本開示の組成物は、さらに、有機アミン、またはその塩酸塩を含み得る。
本開示の組成物は、有機アミン、またはその塩を、例えば、1質量ppm〜1質量%、または10質量ppm〜0.1質量%含み得る。
【0227】
[製造方法]
次に、本開示のポリエーテル基含有化合物の製造方法の一例について説明する。本開示のポリエーテル基含有化合物の製造方法は以下に限定されない。
【0228】
本開示の例示のポリエーテル基含有化合物の製造方法は、以下の工程を含む。
工程(1):
以下の式(II):
【化10】
で表される化合物を、HSiM、および、所望によりRk1L’で表される化合物、および/または式:Rk2L”で表される化合物と反応させ、式(I):
【化11】
で表される化合物を得る工程。各記号については、後述する。
【0229】
本開示のポリエーテル基含有化合物の製造方法は、工程(I)の前に、さらに以下の工程を含み得る。
【0230】
工程(2):
以下の式(III):
【化12】
で表される化合物を、Rf−Xf1−PE−Xf2−X−Gで表される化合物、およびCH=CH−X’−G’で表される化合物と反応させ、式(II):
【化13】
で表される化合物を得る工程。各記号については、後述する。
【0231】
以下、各工程について詳細に説明する。
【0232】
(工程(1))
工程(1)は、式(II):
【化14】
で表される化合物を、HSiM、および、所望によりRk1L’で表される化合物、および/または式:Rk2L”で表される化合物と反応させ、式(I):
【化15】
で表される化合物を得る工程である。
【0233】
式(II)で表される化合物毎に、R’−のうち1または2がRf−Xf1−PE−Xf2−X−で表される基であり、かつ、R’−のうち1または2がCH=CH−X’−で表される基であり;
ただし、式(II)で表される化合物毎に、Rf−Xf1−PE−Xf2−X−で表される基の数、および、CH=CH−X’−で表される基の数の合計数は3である。
例えば、R’のうち、1がRf−Xf1−PE−Xf2−X−で表される基であり、2がCH=CH−X’−で表される基であってもよく;2がRf−Xf1−PE−Xf2−X−で表される基であり、1がCH=CH−X’−で表される基であってもよい。
【0234】
なお、工程(1)における反応に、Rf−Xf1−PE−Xf2−で表される基は関与しない。従って、式(II)におけるRf−Xf1−PE−Xf2−X−で表される基は、式(I)における(Rf−Xf1−PE−Xf2α−X−で表される基(α=1)に、相当する。
【0235】
Rf、Xf1、PE、Xf2およびXは、それぞれ上記と同意義である。
【0236】
X’は、トリアジン環とSi原子とをつなぐリンカー部分の一部となる。例えば、式(I)において、RSi−で表される基が式(A2)で表される基である場合、−CHCHX’−で表される構造がXa3で表される基に相当する。
【0237】
、およびRは、それぞれ上記と同意義である。
L’は、各出現においてそれぞれ独立して、Rと結合可能な基を表す。
k1は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜3の整数である。
L”は、各出現においてそれぞれ独立して、Rと結合可能な基を表す。
k2は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜3の整数である。
【0238】
式(II)で表される化合物は、後述する工程(2)において得られる化合物であってもよい。
【0239】
式(II)で表される化合物が、HSiMと反応することにより、CH=CH−X’−で表される基が、SiM−CHCH−X’−で表される基に変換される。
は、各出現においてそれぞれ独立して、ハロゲン原子(即ち、I、Br、Cl、F)またはC1−6アルコキシ基であり、好ましくはClである。該化合物は、市販されているか、または市販されている化合物から、当該技術分野における通常の技術を用いて製造することができる。
【0240】
HSiMの量は、上記式(II)で表される化合物の末端CH=CH−基(2種以上の化合物を用いる場合にはその合計、以下も同様)1モルに対して、1モル以上であればよいが、好ましくは2モルである。
【0241】
上記反応において、Rk1L’で表される化合物を用いる場合、その使用量は、導入したいR基の量に応じて変化させることができ、このような量は、当業者であれば、適宜決定することができる。
【0242】
上記反応において、Rk2L”で表される化合物を用いる場合、その使用量は、導入したいR基の量に応じて変化させることができ、このような量は、当業者であれば、適宜決定することができる。
【0243】
工程(1)の反応においては、最初に、上記式(II)で表される化合物の末端CH=CH−基とHSiMが反応して、末端がSiM−CHCH−基に変換される。ついで、この末端SiM−CHCH−基と、Rk1L’で表される化合物および/またはRk2L”で表される化合物が反応して、MがRまたはRにより置換される。なお、Rk1L’で表される化合物およびRk2L”で表される化合物は、同時または別個に反応させてもよい。
【0244】
しかしながら、本開示の一の態様においては、HSiM、Rk1L’で表される化合物、およびRk2L”で表される化合物を、HSi(Rk1)(Rk2)(この場合、k1+k2は3である)で表される化合物として用いることもできる。HSi(Rk1)(Rk2)で表される化合物は、当業者であれば、当該技術分野における通常の技術を用いて製造することができる。
【0245】
別の態様において、工程(1)におけるRk1L’で表される化合物および/またはRk2L”で表される化合物の使用量の合計を、上記式(II)で表される化合物の末端CH=CH−基1モルに対して3モル以上とする。かかる態様によれば、工程(1)の反応において生じる末端SiM−CHCH−のMを、実質的にすべてRまたはRにより置換することができる。
【0246】
さらに別の態様において、工程(1)におけるRk1L’で表される化合物および/またはRk2L”で表される化合物の使用量の合計を、上記式(II)で表される化合物の末端CH=CH−基1モルに対して0以上3モル未満とする。かかる態様によれば、工程(1)の反応において生じる末端SiM−CHCH−のMのすべてまたはいくつかが、RまたはRにより置換されることなく残り得る。このように残ったM−Si部を、式:Hal−J−Z’−CH=CH(式中、Halはハロゲン原子を表し、Jは、Mg、CuまたはZnを表し、Z’は結合または2価の有機基を表す。)で表される化合物と反応させることにより、再度、末端部をCH=CH−とすることができ、工程(1)と同様の反応に付すことが可能になる。この操作を繰り返すことにより、上記式(II)で示される化合物の末端に、リンカー部を介してSi原子をツリー状に連結させることができる。
【0247】
工程(1)の反応は、適当な触媒の存在下、適当な溶媒中で行い得る。
【0248】
適当な触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、Pt、Pd、Rh等が挙げられる。かかる触媒は任意の形態、例えば錯体の形態であってもよい。
【0249】
適当な溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であれば特に限定されるものではなく、例えば、ヘキサフルオロベンゼン、m−ヘキサフルオロキシレン、パーフルオロブチルエチルエーテル、パーフルオロヘキシルメチルエーテル、ゼオローラH、パーフルオロヘキシルメチルエーテル、パーフルオロヘキサン等が挙げられる。
【0250】
かかる反応における反応温度は、特に限定されないが、通常、0〜100℃、好ましくは常温〜80℃であり、反応時間は、特に限定されないが、通常、60〜600分、好ましくは120〜300分であり、反応圧力は、特に限定されないが、−0.2〜1MPa(ゲージ圧)であり、簡便には常圧である。
【0251】
本明細書において、常温とは、例えば、0〜40℃を示す。
【0252】
式(I)において、Rは上記と同意義である。ただし、式(I)における(Rf−Xf1−PE−Xf2α−X−で表される基の数、および、RSi−で表される基の数は、それぞれ、式(II)におけるRf−Xf1−PE−Xf2−X−で表される基の数、および、CH=CH−X’−で表される基の数に相当する。
【0253】
(工程(2))
工程(2)は、以下の式(III):
【化16】
で表される化合物を、Rf−Xf1−PE−Xf2−X−Gで表される化合物、およびCH=CH−X’−G’で表される化合物と反応させ、式(II):
【化17】
で表される化合物を得る工程である。
【0254】
は、各出現においてそれぞれ独立して、ハロゲン原子(即ち、I、Br、Cl、F、好ましくは、Cl)であり;
R’は、工程(1)において記載したとおりである。
【0255】
工程(2)において、
Rf、Xf1PE、X、Xf2およびX’は、それぞれ上記と同意義であり;
Gは、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基、またはNH−であり;
G’は、各出現においてそれぞれ独立して、NH−、水酸基、またはSH−である。
【0256】
工程(2)において、Rf−Xf1−PE−Xf2−X−Gで表される化合物、およびCH=CH−X’−G’で表される化合物のその使用量は、導入したいRf−Xf1−PE−Xf2−X−で表される基およびのCH=CH−X’−で表される基の量に応じて変化させることができ、このような量は、当業者であれば、適宜決定することができる。
【0257】
一の態様において、工程(2)は、式(III)で表される化合物1モルに対して、1モルのRf−Xf1−PE−Xf2−Gで表される化合物、および、2モルのCH=CH−X’−G’で表される化合物を反応させ、式(II)で表される化合物を得ることである。本態様は、式(II)で表される化合物において、R’−の1つがRf−Xf1−PE−Xf2−X−で表される基であり、および、2つがCH=CH−X’−で表される基である化合物の合成に適する。
【0258】
一の態様において、工程(2)は、式(III)で表される化合物1モルに対して、2モルのRf−Xf1−PE−Xf2−Gで表される化合物、および、1モルのCH=CH−X’−G’で表される化合物を反応させ、式(II)で表される化合物を得ることである。本態様は、式(II)で表される化合物において、R’−の2つがRf−Xf1−PE−Xf2−X−で表される基であり、および、1つがCH=CH−X’−で表される基である化合物の合成に適する。
【0259】
工程(2)の反応は、適当な触媒の存在下、適当な溶媒中で行うことが好ましい。
【0260】
適当な触媒としては、塩基性の化合物を用いることが好ましく、例えば、三級アミン、アミノ基を有する複素環式化合物等のアミン系触媒;カリウム、ナトリウム、セシウム等の塩類を挙げることでき、具体的には、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、DBU(ジアザビシクロウンデセン)、ピリジン、2,6−ルチジン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を挙げることができる。
【0261】
一の態様において、上記触媒は、三級アミンである。
【0262】
適当な溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であれば特に限定されるものではなく、例えば、炭化水素系溶媒、フッ素含有溶媒等を用いることができ、具体的には、ヘキサフルオロベンゼン、m−ヘキサフルオロキシレン、パーフルオロブチルエチルエーテル、パーフルオロヘキシルメチルエーテル、ゼオローラH、パーフルオロヘキシルメチルエーテル、パーフルオロヘキサン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、水等を用いることができる。
【0263】
かかる反応における反応温度は、特に限定されないが、通常、0〜100℃、好ましくは常温〜80℃であり、反応時間は、特に限定されないが、通常、60〜600分、好ましくは120〜300分であり、反応圧力は、特に限定されないが、−0.2〜1MPa(ゲージ圧)であり、簡便には常圧である。
【0264】
工程(2)は、以下のように実施することが好ましい。
工程(2−1):以下の式(III):
【化18】
で表される化合物を、Rf−Xf1−PE−Xf2−X−Gで表される化合物と反応させ、Mで表される基をRf−Xf1−PE−Xf2−X−で表される基に変換する工程;および
工程(2−2):工程(2−1)で得られた化合物を、CH=CH−X’−G’で表される化合物と反応させ、Mで表される基をCH=CH−X’−で表される基に変換する工程。
【0265】
上記工程(2−1)において、M’で表される基の1または2が、Rf−Xf1−PE−Xf2−X−で表される基に変換され、上記工程(2−2)において、M’で表される基の1または2がCH=CH−X’−で表される基に変換される。ただし、Rf−Xf1−PE−Xf2−X−で表される基の数およびCH=CH−X’−で表される基の数は2または3である。
【0266】
上記工程(2−1)は、適当な触媒の存在下、適当な溶媒中で行い得る。例えば、工程(2)において記載した触媒および溶媒を用いることができる。
【0267】
上記工程(2−1)における反応温度は、特に限定されないが、通常、0〜100℃、例えば室温(具体的には10〜30℃)で行い得、反応時間は、特に限定されないが、通常、60〜600分、必要に応じて例えば24時間であってもよく、反応圧力は、特に限定されないが、−0.2〜1MPa(ゲージ圧)であり、簡便には常圧である。
【0268】
上記工程(2−2)は、適当な触媒の存在下、適当な溶媒中で行い得る。例えば、工程(2)において記載した触媒および溶媒を用いることができる。
【0269】
上記工程(2−2)における反応温度は、特に限定されないが、通常、0〜100℃、例えば常温〜80℃で行い得、反応時間は、特に限定されないが、通常、60〜600分、反応圧力は、特に限定されないが、−0.2〜1MPa(ゲージ圧)であり、簡便には常圧である。
【0270】
一の態様において、
工程(2−1)において、式(III)で表される化合物1モルに対して、1モルのRf−Xf1−PE−Xf2−Gで表される化合物を反応させ、
工程(2−2)において、工程(2−1)で得られた化合物を、CH=CH−X’−G’で表される化合物と反応させ、Mで表される基をCH=CH−X’−で表される基に変換する。
本態様は、式(II)で表される化合物において、R’−の1つがRf−Xf1−PE−Xf2−X−で表される基であり、および、2つがCH=CH−X’−で表される基である化合物の合成に適する。
本態様において、CH=CH−X’−G’で表される化合物は、式(III)で表される化合物1モルに対して、例えば、2モル、2〜3モル、または2〜10モル加え得る。
【0271】
一の態様において、
工程(2−1)において、式(III)で表される化合物1モルに対して、2モルのRf−Xf1−PE−Xf2−Gで表される化合物を反応させ、
工程(2−2)において、工程(2−1)で得られた化合物を、CH=CH−X’−G’で表される化合物と反応させ、Mで表される基をCH=CH−X’−で表される基に変換する。
本態様は、式(II)で表される化合物において、R’−の2つがRf−Xf1−PE−Xf2−X−で表される基であり、および、1つがCH=CH−X’−で表される基である化合物の合成に適する。
本態様において、CH=CH−X’−G’で表される化合物は、式(III)で表される化合物1モルに対して、例えば、1モル、1〜2モル、または1〜10モル加え得る。
【0272】
さらに、必要により、反応液の濃縮工程、洗浄工程等を行い得る。
【0273】
以上、本開示のポリエーテル基含有化合物の製造方法について説明した。本開示のポリエーテル基含有化合物の製造方法は、上記で例示した製造方法に限定されない。
【0274】
本開示の組成物は、基材の表面処理を行う表面処理剤として用い得る。
【0275】
本開示の組成物(例えば、表面処理剤)は、多孔質物質、例えば多孔質のセラミック材料、金属繊維、例えばスチールウールを綿状に固めたものに含浸させて、ペレットとすることができる。当該ペレットは、例えば、真空蒸着に用いることができる。
【0276】
[物品]
以下、本開示の物品について説明する。
【0277】
本開示の物品は、基材と、該基材表面に本開示のポリエーテル基含有化合物、または本開示のポリエーテル基含有化合物を含む組成物(表面処理剤)(以下、これらを代表して単に「本開示の表面処理剤」と言う)より形成された層(表面処理層)とを含む。
【0278】
本開示において使用可能な基材は、例えば、ガラス、樹脂(天然または合成樹脂、例えば一般的なプラスチック材料であってよく、板状、フィルム、その他の形態であってよい)、金属、セラミックス、半導体(シリコン、ゲルマニウム等)、繊維(織物、不織布等)、毛皮、皮革、木材、陶磁器、石材等、建築部材等、任意の適切な材料で構成され得る。
【0279】
例えば、製造すべき物品が光学部材である場合、基材の表面を構成する材料は、光学部材用材料、例えばガラスまたは透明プラスチックなどであってよい。また、製造すべき物品が光学部材である場合、基材の表面(最外層)に何らかの層(または膜)、例えばハードコート層や反射防止層などが形成されていてもよい。反射防止層には、単層反射防止層および多層反射防止層のいずれを使用してもよい。反射防止層に使用可能な無機物の例としては、SiO、SiO、ZrO、TiO、TiO、Ti、Ti、Al、Ta、CeO、MgO、Y、SnO、MgF、WOなどが挙げられる。これらの無機物は、単独で、またはこれらの2種以上を組み合わせて(例えば混合物として)使用してもよい。多層反射防止層とする場合、その最外層にはSiOおよび/またはSiOを用いることが好ましい。製造すべき物品が、タッチパネル用の光学ガラス部品である場合、透明電極、例えば酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛などを用いた薄膜を、基材(ガラス)の表面の一部に有していてもよい。また、基材は、その具体的仕様等に応じて、絶縁層、粘着層、保護層、装飾枠層(I−CON)、霧化膜層、ハードコーティング膜層、偏光フィルム、相位差フィルム、および液晶表示モジュールなどを有していてもよい。
【0280】
基材の形状は特に限定されない。また、表面処理層を形成すべき基材の表面領域は、基材表面の少なくとも一部であればよく、製造すべき物品の用途および具体的仕様等に応じて適宜決定され得る。
【0281】
かかる基材としては、少なくともその表面部分が、水酸基を元々有する材料から成るものであってよい。かかる材料としては、ガラスが挙げられ、また、表面に自然酸化膜または熱酸化膜が形成される金属(特に卑金属)、セラミックス、半導体等が挙げられる。あるいは、樹脂等のように、水酸基を有していても十分でない場合や、水酸基を元々有していない場合には、基材に何らかの前処理を施すことにより、基材の表面に水酸基を導入したり、増加させたりすることができる。かかる前処理の例としては、プラズマ処理(例えばコロナ放電)や、イオンビーム照射が挙げられる。プラズマ処理は、基材表面に水酸基を導入または増加させ得ると共に、基材表面を清浄化する(異物等を除去する)ためにも好適に利用され得る。また、かかる前処理の別の例としては、炭素−炭素不飽和結合基を有する界面吸着剤をLB法(ラングミュア−ブロジェット法)や化学吸着法等によって、基材表面に予め単分子膜の形態で形成し、その後、酸素や窒素等を含む雰囲気下にて不飽和結合を開裂する方法が挙げられる。
【0282】
またあるいは、かかる基材としては、少なくともその表面部分が、別の反応性基、例えばSi−H基を1つ以上有するシリコーン化合物や、アルコキシシランを含む材料から成るものであってもよい。
【0283】
次に、かかる基材の表面に、上記の本開示の表面処理剤の層を形成し、この層を必要に応じて後処理し、これにより、本開示の表面処理剤から層を形成する。
【0284】
本開示の表面処理剤の層形成は、上記の組成物を基材の表面に対して、該表面を被覆するように適用することによって実施できる。被覆方法は、特に限定されない。例えば、湿潤被覆法および乾燥被覆法を使用できる。
【0285】
湿潤被覆法の例としては、浸漬コーティング、スピンコーティング、フローコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティングおよび類似の方法が挙げられる。
【0286】
乾燥被覆法の例としては、蒸着(通常、真空蒸着)、スパッタリング、CVDおよび類似の方法が挙げられる。蒸着法(通常、真空蒸着法)の具体例としては、抵抗加熱、電子ビーム、マイクロ波等を用いた高周波加熱、イオンビームおよび類似の方法が挙げられる。CVD方法の具体例としては、プラズマ−CVD、光学CVD、熱CVDおよび類似の方法が挙げられる。
【0287】
更に、常圧プラズマ法による被覆も可能である。
【0288】
湿潤被覆法を使用する場合、本開示の表面処理剤は、溶媒で希釈されてから基材表面に適用され得る。本開示の組成物の安定性および溶媒の揮発性の観点から、次の溶媒が好ましく使用される:炭素数5〜12のパーフルオロ脂肪族炭化水素(例えば、パーフルオロヘキサン、パーフルオロメチルシクロヘキサンおよびパーフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサン);ポリフルオロ芳香族炭化水素(例えば、ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン);ポリフルオロ脂肪族炭化水素(例えば、C13CHCH(例えば、旭硝子株式会社製のアサヒクリン(登録商標)AC−6000)、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(例えば、日本ゼオン株式会社製のゼオローラ(登録商標)H);ヒドロフルオロエーテル(HFE)(例えば、パーフルオロプロピルメチルエーテル(COCH)(例えば、住友スリーエム株式会社製のNovec(商標)7000)、パーフルオロブチルメチルエーテル(COCH)(例えば、住友スリーエム株式会社製のNovec(商標)7100)、パーフルオロブチルエチルエーテル(COC)(例えば、住友スリーエム株式会社製のNovec(商標)7200)、パーフルオロヘキシルメチルエーテル(CCF(OCH)C)(例えば、住友スリーエム株式会社製のNovec(商標)7300)などのアルキルパーフルオロアルキルエーテル(パーフルオロアルキル基およびアルキル基は直鎖または分枝状であってよい)、あるいはCFCHOCFCHF(例えば、旭硝子株式会社製のアサヒクリン(登録商標)AE−3000))など。これらの溶媒は、単独で、または、2種以上の混合物として用いることができる。なかでも、ヒドロフルオロエーテルが好ましく、パーフルオロブチルメチルエーテル(COCH)および/またはパーフルオロブチルエチルエーテル(COC)が特に好ましい。
【0289】
乾燥被覆法を使用する場合、本開示の表面処理剤は、そのまま乾燥被覆法に付してもよく、または、上記した溶媒で希釈してから乾燥被覆法に付してもよい。
【0290】
表面処理剤の層形成は、層中で本開示の表面処理剤が、加水分解および脱水縮合のための触媒と共に存在するように実施することが好ましい。簡便には、湿潤被覆法による場合、本開示の表面処理剤を溶媒で希釈した後、基材表面に適用する直前に、本開示の表面処理剤の希釈液に触媒を添加してよい。乾燥被覆法による場合には、触媒添加した本開示の表面処理剤をそのまま蒸着(通常、真空蒸着)処理するか、あるいは鉄や銅などの金属多孔体に、触媒添加した本開示の表面処理剤を含浸させたペレット状物質を用いて蒸着(通常、真空蒸着)処理をしてもよい。
【0291】
触媒には、任意の適切な酸または塩基を使用できる。酸触媒としては、例えば、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸などを使用できる。また、塩基触媒としては、例えばアンモニア、有機アミン類などを使用できる。
【0292】
一の態様において、本開示の表面処理剤の層形成は、基材の表面に本開示の表面処理剤を塗布、真空蒸着によって行い得る。その後、必要に応じて乾燥等の処理を行い得る。
【0293】
上記のようにして、基材の表面に、本開示の表面処理剤に由来する層が形成され、本開示の物品が製造される。これにより得られる上記層は、高い表面滑り性と高い摩擦耐久性の双方を有する。また、上記層は、高い摩擦耐久性に加えて、使用する表面処理剤の組成にもよるが、撥水性、撥油性、防汚性(例えば指紋等の汚れの付着を防止する)、防水性(電子部品等への水の浸入を防止する)、表面滑り性(または潤滑性、例えば指紋等の汚れの拭き取り性や、指に対する優れた触感)などを有し得、機能性薄膜として好適に利用され得る。
【0294】
すなわち本開示はさらに、前記硬化物を最外層に有する光学材料にも関する。
【0295】
光学材料としては、後記に例示するようなディスプレイ等に関する光学材料のほか、多種多様な光学材料が好ましく挙げられる:例えば、陰極線管(CRT;例えば、パソコンモニター)、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機薄膜ELドットマトリクスディスプレイ、背面投写型ディスプレイ、蛍光表示管(VFD)、電界放出ディスプレイ(FED;Field Emission Display)などのディスプレイ又はそれらのディスプレイの保護板、又はそれらの表面に反射防止膜処理を施したもの。
【0296】
本開示によって得られる層を有する物品は、特に限定されるものではないが、光学部材であり得る。光学部材の例には、次のものが挙げられる:眼鏡などのレンズ;PDP、LCDなどのディスプレイの前面保護板、反射防止板、偏光板、アンチグレア板;携帯電話、携帯情報端末などの機器のタッチパネルシート;ブルーレイ(Blu−ray(登録商標))ディスク、DVDディスク、CD−R、MOなどの光ディスクのディスク面;光ファイバー;時計の表示面など。
【0297】
また、本開示によって得られる層を有する物品は、医療機器または医療材料であってもよい。
【0298】
上記層の厚さは、特に限定されない。光学部材の場合、上記層の厚さは、1〜50nm、1〜30nm、好ましくは1〜15nmの範囲であることが、光学性能、表面滑り性、摩擦耐久性および防汚性の点から好ましい。
【0299】
以上、本開示の組成物(例えば、表面処理剤)を使用して得られる物品について詳述した。なお、本開示のポリエーテル基含有化合物またはポリエーテル基含有化合物を含む組成物の用途、使用方法ないし物品の製造方法などは、上記で例示したものに限定されない。
【0300】
以上、実施形態について説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【実施例】
【0301】
本開示のポリエーテル基含有化合物について、以下の実施例を通じてより具体的に説明するが、本開示はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本実施例において、パーフルオロポリエーテルを構成する繰り返し単位の存在順序は任意である。
【0302】
(合成例1)
シアヌル酸クロライド0.23gをヘキサフルオロベンゼン3mlに溶解させた。ヘキサフルオロベンゼンに溶解したCFCFCF−(OCFCFCFOCFCH−OH5.0gとジイソプロピルエチルアミン0.17gとを混合し、室温で一昼夜撹拌した。この反応液に、アリルアミン0.35gおよびジイソプロピルエチルアミン0.34gを加え、50℃に加熱し、6時間撹拌した。反応の終点は19F−NMRによってCFCFCF−(OCFCFCFOCFCH−OHの水酸基β位−CF−のケミカルシフトが低磁場にシフトしたこと、およびH−NMRによって、アリルアミンのアミノ基α位のメチレンプロトンが低磁場にシフトしたことにより確認した。反応液を濃縮し、濃縮液をアセトンで3回洗浄することによりポリエーテル基含有化合物(A)を得た。

ポリエーテル基含有化合物(A):
【0303】
(合成例2)
合成例1で得られたポリエーテル基含有化合物(A)を5.0g、m−ヘキサフルオロキシレンを20ml、トリアセトキシメチルシランを0.02g、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのPt錯体を2%含むキシレン溶液を0.06ml、それぞれ加えた後、トリクロロシランを1.0g仕込み、10℃で30分間撹拌し、続いて、50℃に加熱し4時間撹拌した。その後、減圧下で揮発分を留去した後、メタノール0.1gおよびオルトギ酸トリメチル3.0gの混合溶液を加えた後、50℃に加熱し3時間撹拌した。その後、精製を行うことにより、末端にトリメトキシシリル基を有する下記のポリエーテル基含有化合物(B)4.7gを得た。

ポリエーテル基含有化合物(B):
【0304】
(合成例3)
シアヌル酸クロライド0.17gをヘキサフルオロベンゼン3mlに溶解させた。ヘキサフルオロベンゼンに溶解したCFCFCF−(OCFCFCFOCFCH−OH2.5gとジイソプロピルエチルアミン0.17gとを混合し、室温で一昼夜撹拌した。その後、上記反応液に、CFCFCF−(OCFCFCFOCFCH−OH2.5gおよびジイソプロピルエチルアミン0.17gを加え、50℃に加熱し、8時間撹拌した。
この反応液に4−[2,2−ジ(2−プロピレニル)]ペンテニルアミン0.35gとジイソプロピルエチルアミン0.09gとを加え、50℃に加熱し、6時間撹拌した。反応の終点は、19F−NMRによって、CFCFCF−(OCFCFCFOCFCH−OHの水酸基β位−CF−のケミカルシフトが低磁場にシフトしたこと、および、H−NMRによって、アリルアミンのアミノ基α位のメチレンプロトンが低磁場にシフトしたことにより確認した。反応液を濃縮し、濃縮液をアセトンで3回洗浄することによりポリエーテル基含有化合物(C)を得た。

ポリエーテル基含有化合物(C):
【0305】
(合成例4)
合成例3で得られたポリエーテル基含有化合物(C)を5.0g、m−ヘキサフルオロキシレンを20ml、トリアセトキシメチルシランを0.03g、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのPt錯体を2%含むキシレン溶液を0.1ml、それぞれ加えた後、トリクロロシラン1.5gを仕込み、10℃で30分間撹拌し、続いて、50℃に加熱して、4時間撹拌した。その後、減圧下で揮発分を留去した後、メタノール0.1gおよびオルトギ酸トリメチル3.0gの混合溶液を加えた後、50℃に加熱し、3時間撹拌した。その後、精製を行うことにより、末端にトリメトキシシリル基を有するポリエーテル基含有化合物(D)4.6gを得た。

ポリエーテル基含有化合物(D):
【0306】
(合成例5)
シアヌル酸クロライド0.17gをヘキサフルオロベンゼン3mlに溶解させた。ヘキサフルオロベンゼンに溶解したCFCFCF−(OCFCFCFOCFCH−OH1.25gとジイソプロピルエチルアミン0.17gとを加え、室温で一昼夜撹拌した。その後、CFCFCF−(OCFCFCFOCFCH−OH1.25gとジイソプロピルエチルアミン0.17gとを加え、50℃に加熱して、8時間撹拌した。
4−[2,2−ジ(2−プロピレニル)]ペンテニルアミンおよびジイソプロピルエチルアミンを加える以降の操作は、合成例3と同様に行い、ポリエーテル基含有化合物(E)を得た。

ポリエーテル基含有化合物(E):
【0307】
(合成例6)
合成例5で得られたポリエーテル基含有化合物(E)2.5gを用いた以外は合成例4と同様の操作を行い、ポリエーテル基含有化合物(F)2.6gを得た。

ポリエーテル基含有化合物(F):
【0308】
(合成例7)
シアヌル酸クロライド0.17gをヘキサフルオロベンゼン3mlに溶解させた。ヘキサフルオロベンゼンに溶解したCFCFCF−(OCFCFCFOCFCH−OH2.5gとジイソプロピルエチルアミン0.17gとを混合し、室温で一昼夜撹拌した。その後、上記反応液に、CFCFCF−(OCFCFCFOCFCH−OH1.25gとジイソプロピルエチルアミン0.17gとを加え、50℃に加熱し、8時間撹拌した。
4−[2,2−ジ(2−プロピレニル)]ペンテニルアミンおよびジイソプロピルエチルアミンを加える以降の操作は、合成例3と同様に行い、ポリエーテル基含有化合物(G)を得た。

ポリエーテル基含有化合物(G):
【0309】
(合成例8)
合成例7で得られたポリエーテル基含有化合物(G)を3.8g用いた以外は合成例4と同様の操作を行い、ポリエーテル基含有化合物(H)3.5gを得た。

ポリエーテル基含有化合物(H):
【0310】
(合成例9)
シアヌル酸クロライド0.17gをヘキサフルオロベンゼン3mlに溶解させた。ヘキサフルオロベンゼンに溶解したCFCFCF−(OCFCFCFOCFCH−OH2.5gとジイソプロピルエチルアミン0.17gとを混合し、室温で一昼夜撹拌した。その後、上記反応液に、4−[2,2−ジ(2−プロピレニル)]ペンテニルアミン0.7gとジイソプロピルエチルアミン0.17gとを加え、80℃に加熱し、6時間撹拌した。反応の終点は19F−NMRによってCFCFCF−(OCFCFCFOCFCH−OHの水酸基β位―CF―のケミカルシフトが低磁場にシフトしたこと、およびH−NMRによって、アリルアミンのアミノ基α位のメチレンプロトンが低磁場にシフトしたことによりを確認した。反応液を濃縮し、濃縮液をアセトンで3回洗浄することによりポリエーテル基含有化合物(I)を得た。

ポリエーテル基含有化合物(I):
【0311】
(合成例10)
合成例9で得られたポリエーテル基含有化合物(I)を3.9g用いた以外は合成例4と同様の操作を行い、ポリエーテル基含有化合物(J)4.0gを得た。

ポリエーテル基含有化合物(J):
【0312】
(合成例11)
シアヌル酸クロライド0.23gをヘキサフルオロベンゼン3mlに溶解させた。ヘキサフルオロベンゼンに溶解したCF−(OCFCF−(OCF−CHOH(m≒22、n≒34)5.0gとジイソプロピルエチルアミン0.17gとを混合し、室温で一昼夜撹拌した。この反応液に、アリルアミン0.35gおよびジイソプロピルエチルアミン0.34gを加え、50℃に加熱し、6時間撹拌した。反応の終点は19F−NMRによってCF−(OCFCF−(OCF−CHOHの水酸基β位−CF−のケミカルシフトが低磁場にシフトしたこと、およびH−NMRによって、アリルアミンのアミノ基α位のメチレンプロトンが低磁場にシフトしたことにより確認した。反応液を濃縮し、濃縮液をアセトンで3回洗浄することによりポリエーテル基含有化合物(K)を得た。

ポリエーテル基含有化合物(K):
【0313】
(合成例12)
合成例11で得られたポリエーテル基含有化合物(K)を5.0g、m−ヘキサフルオロキシレンを20ml、トリアセトキシメチルシランを0.02g、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのPt錯体を2%含むキシレン溶液を0.06ml、それぞれ加えた後、トリクロロシランを1.0g仕込み、10℃で30分間撹拌し、続いて、50℃に加熱し4時間撹拌した。その後、減圧下で揮発分を留去した後、メタノール0.1gおよびオルトギ酸トリメチル3.0gの混合溶液を加えた後、50℃に加熱し3時間撹拌した。その後、精製を行うことにより、末端にトリメトキシシリル基を有する下記のポリエーテル基含有化合物(L)4.2gを得た。

ポリエーテル基含有化合物(L):
【0314】
(合成例13)
シアヌル酸クロライド0.17gをヘキサフルオロベンゼン3mlに溶解させた。ヘキサフルオロベンゼンに溶解したCF−(OCFCF−(OCF−CHOH(m≒22、n≒34)2.5gとジイソプロピルエチルアミン0.17gとを混合し、室温で一昼夜撹拌した。その後、上記反応液に、CF−(OCFCF−(OCF−CHOH(m≒22、n≒34)2.5gおよびジイソプロピルエチルアミン0.17gを加え、50℃に加熱し、8時間撹拌した。
この反応液に4−[2,2−ジ(2−プロピレニル)]ペンテニルアミン0.35gとジイソプロピルエチルアミン0.09gとを加え、50℃に加熱し、6時間撹拌した。反応の終点は、19F−NMRによって、CF−(OCFCF−(OCF−CHOHの水酸基β位−CF−のケミカルシフトが低磁場にシフトしたこと、および、H−NMRによって、アリルアミンのアミノ基α位のメチレンプロトンが低磁場にシフトしたことにより確認した。反応液を濃縮し、濃縮液をアセトンで3回洗浄することによりポリエーテル基含有化合物(M)を得た。

ポリエーテル基含有化合物(M):
【0315】
(合成例14)
合成例13で得られたポリエーテル基含有化合物(M)を5.0g、m−ヘキサフルオロキシレンを20ml、トリアセトキシメチルシランを0.03g、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのPt錯体を2%含むキシレン溶液を0.1ml、それぞれ加えた後、トリクロロシラン1.5gを仕込み、10℃で30分間撹拌し、続いて、50℃に加熱して、4時間撹拌した。その後、減圧下で揮発分を留去した後、メタノール0.1gおよびオルトギ酸トリメチル3.0gの混合溶液を加えた後、50℃に加熱し、3時間撹拌した。その後、精製を行うことにより、末端にトリメトキシシリル基を有するポリエーテル基含有化合物(N)4.0gを得た。

ポリエーテル基含有化合物(N):
【0316】
(合成例15)
シアヌル酸クロライド0.17gをヘキサフルオロベンゼン3mlに溶解させた。ヘキサフルオロベンゼンに溶解したCF−(OCFCF−(OCF−CHOH(m≒22、n≒34)2.5gとジイソプロピルエチルアミン0.17gとを混合し、室温で一昼夜撹拌した。その後、上記反応液に、4−[2,2−ジ(2−プロピレニル)]ペンテニルアミン0.7gとジイソプロピルエチルアミン0.17gとを加え、80℃に加熱し、6時間撹拌した。反応の終点は19F−NMRによってCFCFCF−(OCFCFCFOCFCH−OHの水酸基β位―CF―のケミカルシフトが低磁場にシフトしたこと、およびH−NMRによって、アリルアミンのアミノ基α位のメチレンプロトンが低磁場にシフトしたことによりを確認した。反応液を濃縮し、濃縮液をアセトンで3回洗浄することによりポリエーテル基含有化合物(O)を得た。

ポリエーテル基含有化合物(O):
【0317】
(合成例16)
合成例15で得られたポリエーテル基含有化合物(O)を3.9g用いた以外は合成例4と同様の操作を行い、ポリエーテル基含有化合物(P)3.5gを得た。

ポリエーテル基含有化合物(P):
【0318】
(実施例1)
上記合成例2で得たポリエーテル基含有化合物(B)を、濃度1mass%になるように、ハイドロフルオロエーテル(スリーエム社製、ノベックHFE−7300)に溶解させて、表面処理剤(1)を調製した。
【0319】
(実施例2)
上記合成例4で得たポリエーテル基含有化合物(D)を、濃度1mass%になるように、ハイドロフルオロエーテル(スリーエム社製、ノベックHFE−7300)に溶解させて、表面処理剤(2)を調製した。
【0320】
(実施例3)
上記合成例6で得たポリエーテル基含有化合物(F)を、濃度1mass%になるように、ハイドロフルオロエーテル(スリーエム社製、ノベックHFE−7300)に溶解させて、表面処理剤(3)を調製した。
【0321】
(実施例4)
上記合成例8で得たポリエーテル基含有化合物(H)を、濃度1mass%になるように、ハイドロフルオロエーテル(スリーエム社製、ノベックHFE−7300)に溶解させて、表面処理剤(4)を調製した。
【0322】
(実施例5)
上記合成例10で得たポリエーテル基含有化合物(J)を、濃度1mass%になるように、ハイドロフルオロエーテル(スリーエム社製、ノベックHFE−7300)に溶解させて、表面処理剤(5)を調製した。
【0323】
(実施例6)
上記合成例12で得たポリエーテル基含有化合物(L)を、濃度1mass%になるように、ハイドロフルオロエーテル(スリーエム社製、ノベックHFE−7300)に溶解させて、表面処理剤(6)を調製した。
【0324】
(実施例7)
上記合成例14で得たポリエーテル基含有化合物(N)を、濃度1mass%になるように、ハイドロフルオロエーテル(スリーエム社製、ノベックHFE−7300)に溶解させて、表面処理剤(7)を調製した。
【0325】
(実施例8)
上記合成例16で得たポリエーテル基含有化合物(P)を、濃度1mass%になるように、ハイドロフルオロエーテル(スリーエム社製、ノベックHFE−7300)に溶解させて、表面処理剤(8)を調製した。
【0326】
(比較例1、2)
ポリエーテル基含有化合物(H)の代わりに、下記対照化合物(1)および(2)を用いた以外は、実施例4と同様に行い、比較表面処理剤(1)および(2)をそれぞれ調製した。
対照化合物(1)
対照化合物(2)
【0327】
(静的接触角)
静的接触角は全自動接触角計DropMaster700(協和界面科学社製)を用いて次の方法で測定した。
<静的接触角の測定方法>
静的接触角は、水平に置いた基板にマイクロシリンジから水またはn−ヘキサデカンを2μL滴下し、滴下1秒後の静止画をビデオマイクロスコープで撮影することにより求めた。
【0328】
(硬化膜の形成)
表面処理剤(1)〜(8)、および比較表面処理剤(1)〜(2)をそれぞれ用いて、以下のように硬化膜を形成した。
【0329】
表面処理剤または比較表面処理剤を、スピンコーターを用いて、化学強化ガラス(コーニング社製、「ゴリラ」ガラス、厚さ0.7mm)上に塗布した。
スピンコートの条件は、300回転/分で3秒間、2000回転/分で30秒であった。
塗布後のガラスを、大気下、恒温槽内で150℃30分間加熱し、硬化膜を形成した。
【0330】
[硬化膜の特性評価]
得られた硬化膜の特性を以下のように評価した。
【0331】
<静的接触角>
(初期評価)
まず、初期評価として、硬化膜形成後、その表面に未だ何も触れていない状態で、水の静的接触角を測定した。
(エタノール拭き後の評価)
次に、上記硬化膜を、エタノールを十分に染み込ませたキムワイプ(商品名。十條キンバリー(株)製)を用いて5往復拭いた後、乾燥させた。乾燥後の硬化膜の水の静的接触角を測定した。
【0332】
<指紋付着性および拭き取り性>
(指紋付着性)
表面処理剤または比較表面処理剤を用いて形成された硬化膜に指を押し付け、指紋の付きやすさを目視で判定した。評価は、次の基準に基づいて判断した。
A:指紋が付きにくいか、付いても指紋が目立たなかった。
B:指紋の付着が少ないが、その指紋を充分に確認できた。
C:未処理のガラス基板と同程度に明確に指紋が付着した。
(指紋拭き取り性)
上記の指紋付着性試験後、付着した指紋をキムワイプ(商品名。十條キンバリー(株)製)で5往復拭き取り、付着した指紋の拭き取りやすさを目視で判定した。評価は次の基準に基づいて判断した。
A:指紋を完全に拭き取ることができた。
B:指紋の拭取り跡が残った。
C:指紋の拭取り跡が拡がり、除去することが困難であった。
【0333】
上記の一連の評価結果を以下の表1にまとめた。
【0334】
【表1】

【0335】
表面処理剤(1)〜(8)を用いて形成された硬化膜の接触角は、エタノールを用いて拭いた場合であっても低下しなかった。一方で、比較表面処理剤(1)および(2)を用いて形成された硬化膜の接触角は、エタノールを用いて拭くことによって低下した。これは、比較表面処理剤(1)または(2)で形成された硬化膜では、ケミカル耐性(耐溶剤性)が悪いためと考えられる。
上記のように、表面処理剤(1)〜(8)の方が、比較表面処理剤よりも優れていることが示された。表面処理剤(1)〜(8)を用いて形成された硬化膜では、指紋付着性および指紋拭き取り性の双方において良好な評価が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0336】
本開示は、種々多様な基材の表面に、表面処理層を形成するために好適に利用され得る。