(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実装装置の構成>
以下、第1物体を第2物体に対して位置決めする装置として、半導体ダイ15を基板16等に実装する実装装置100を例に説明する。
図1に示すように、本実施形態の実装装置100は、第1物体である半導体ダイ15を第2物体である基板16または図示しない第2物体である他の半導体ダイの予め定められた領域に位置決めして実装するものである。実装装置100は、移動体であるベース10と、半導体ダイ15を保持する保持部であるボンディングヘッド20と、基板16の位置を特定する位置特定手段であるカメラ25と、第1位置検出部であるボンディングヘッド側エンコーダヘッド31と、第2位置検出部であるカメラ側エンコーダヘッド32と、複数の目盛34を有するリニアスケール33と、制御部50と、下カメラ40と、基板16を吸着固定するボンディングステージ13とを備えている。ここで、実装装置100は、例えば半導体ダイ15を反転させた後に基板16に実装するフリップチップボンディング装置でもよいし、半導体ダイ15を反転させずに基板16に実装するダイボンディング装置であってもよい。
【0016】
ベース10は、左右方向であるX方向に延びるガイドレール11にガイドされてX方向に直線移動する。また、ベース10にはベース10をX方向に駆動するリニアモータ12が取り付けられている。
【0017】
ベース10にはボンディングヘッド20とカメラ25とが取り付けられている。ボンディングヘッド20は、半導体ダイ15を真空吸着し基板16にボンディングする実装ツールであるボンディングツール21を上下方向であるZ方向に移動させるものである。
図1の符号22zは、ボンディングヘッド20のZ方向の中心線を示す。また、ボンディングツール21は、ボンディングヘッド20のZ方向の中心線22zと同軸に配置されているので、中心線22zはボンディングツール21の中心を通る線でもある。カメラ25は、基板16上方から撮像してその画像を取得し、光学的に基板16の位置を特定するものである。
図1の符号26zはカメラ25の光軸を示す。ボンディングヘッド20とカメラ25とは、ボンディングヘッド20のZ方向の中心線22zとカメラ25の光軸26zとがベース10の移動方向であるX方向に所定の間隔ΔHだけ離れてベース10に取り付けられている。ここで所定の間隔ΔHは、オフセット距離である。
【0018】
また、ベース10には、ボンディングヘッド側エンコーダヘッド31とカメラ側エンコーダヘッド32とが取り付けられている。
図1に示すようにボンディングヘッド側エンコーダヘッド31は、中心線31aがボンディングヘッド20のZ方向の中心線22zと同一の位置となるようにベース10に取り付けられている。また、カメラ側エンコーダヘッド32は中心線32aがカメラ25の光軸26zの位置Cと同一の位置となるようにベース10に取り付けられている。従って、ボンディングヘッド側エンコーダヘッド31とカメラ側エンコーダヘッド32とはベース10の移動方向であるX方向に所定の間隔ΔHだけ離れてベース10に取り付けられている。
【0019】
ボンディングヘッド側エンコーダヘッド31とカメラ側エンコーダヘッド32とに対向する位置には、ベース10の移動方向であるX方向に延びる共通のリニアスケール33が配置されている。リニアスケール33は所定の間隔で目盛34が刻まれている。ボンディングヘッド側エンコーダヘッド31とカメラ側エンコーダヘッド32とはこの目盛34を光学的に読み取って、リニアスケール33の上の位置を検出するものである。また、ボンディングヘッド側エンコーダヘッド31は、光学的に読み取った目盛34に基づいてボンディングヘッド20の位置を検出し、カメラ側エンコーダヘッド32は、特定された基板16の位置に対応する目盛34を光学的に検出する。
【0020】
ボンディングステージ13は、基板16を真空吸着するものである。
【0021】
下カメラ40は、
図1に示すように、ボンディングステージ13から少し離れた位置に配置され、ボンディングツール21とボンディングツール21の下面に吸着された半導体ダイ15を下から撮像するものである。下カメラ40は、ボンディングツール21の下面に対する半導体ダイ15の相対位置を特定する保持位置特定手段である。
【0022】
図1に示すように、リニアモータ12と、ボンディングヘッド20とは制御部50に接続され、制御部50の指令によって動作する。また、ボンディングヘッド側エンコーダヘッド31、カメラ側エンコーダヘッド32は制御部50に接続され、検出したリニアスケール33の目盛位置のデータは、制御部50に入力される。また、カメラ25、下カメラ40も制御部50に接続され、カメラ25、下カメラ40が撮像した画像は、制御部50に入力される。
【0023】
制御部50は、内部に情報処理を行うCPUと動作プログラム、データを格納したメモリとを含むコンピュータであり、ベース10のX方向位置を調整するものである。
【0024】
図1に示す実装装置100のガイドレール11、リニアスケール33は、図示しないY方向駆動機構によって一体となってY方向に移動可能である。Y方向駆動機構は制御部50に接続され、制御部50の指令によって動作する。なお、Y方向は、X方向と直交する水平方向である。
【0025】
なお、本実施形態の実装装置100では、ボンディングヘッド側エンコーダヘッド31は、中心線31aがボンディングヘッド20のZ方向の中心線22zと同一の位置となるようにベース10に取り付けられ、カメラ側エンコーダヘッド32は中心線32aがカメラ25の光軸26zと同一の位置となるようにベース10に取り付けられていることとして説明したがこれに限らない。ボンディングヘッド側エンコーダヘッド31とカメラ側エンコーダヘッド32とはX方向に所定の間隔ΔHだけ離れて配置されていれば、ボンディングヘッド側エンコーダヘッド31をボンディングヘッド20の近傍に配置し、カメラ側エンコーダヘッド32をカメラ25の近傍に配置してもよい。
【0026】
<実装装置の基本動作>
次に、
図2、
図3を参照しながら本実施形態の実装装置100の基本動作について説明する。
図2(a)は、ベース10が第1位置にある場合を示す。
図2、
図3の説明では、第1位置はカメラ25の光軸26zの位置Cが基板16の特定領域であるボンディング領域の中心位置Sと一致する位置であり、ボンディングツール21の中心位置BHと半導体ダイ15の中心位置Dとは一致しており、ボンディングツール21に吸着された半導体ダイ15の中心位置Dはボンディングヘッド20のZ方向の中心線22zの上にあるとして説明する。
【0027】
図2(a)に示すように、第1位置では、カメラ25の光軸26zの位置C(x,y)がボンディング領域の中心位置S(x,y)と一致している。第1位置でカメラ側エンコーダヘッド32の中心線32aはリニアスケール33のN番目の目盛の位置にある。制御部50には、カメラ側エンコーダヘッド32からカメラ側エンコーダヘッド32の中心線32aがリニアスケール33のN番目の目盛の位置にあるデータが入力される。次に、制御部50は、
図1に示すリニアモータ12によってベース10をX方向に移動する。この際、制御部50は、ボンディングヘッド側エンコーダヘッド31によりリニアスケール33の目盛のデータを検出する。そして、制御部50は、ボンディングヘッド側エンコーダヘッド31により検出したリニアスケール33の目盛がN番目の目盛位置になるまでベース10をX方向に移動する。
図2(b)に示す様に、ボンディングヘッド側エンコーダヘッド31により検出したリニアスケール33の目盛がN番目の目盛位置になると、ボンディングヘッド20の中心線22z、半導体ダイ15の中心位置Dは、リニアスケール33の目盛がN番目の目盛位置、つまり、ボンディング領域の中心位置Sとなる。本実施形態の実装装置100は、このようにして、半導体ダイ15の中心位置Dをボンディング領域の中心位置Sに一致させることができる。
【0028】
図2(a)、
図2(b)において、破線で示すリニアスケール33´、目盛34´は、リニアスケール33が熱膨張した状態を示す。リニアスケール33が熱膨張している場合、第1位置においてカメラ側エンコーダヘッド32が検出する目盛位置は、N´となる。そして、制御部50は、ボンディングヘッド側エンコーダヘッド31により検出したリニアスケール33の目盛がN´番目の目盛位置となるまでベース10をX方向に移動させる。これにより、半導体ダイ15の中心位置Dをリニアスケール33の目盛がN´番目の目盛位置、つまり、ボンディング領域の中心位置Sに合わせることができる。
【0029】
以上説明したように、本実施形態の実装装置100は、リニアスケール33が熱膨張しても、オフセット距離である所定の間隔ΔHの較正を行わずに半導体ダイ15の中心位置Dをボンディング領域の中心位置Sに合わせることができる。
【0030】
図3(a)、
図3(b)は、ベース10がX方向に熱膨張した場合を示す。
図3(a)に示すように、第1位置では、カメラ25の光軸26zの位置C(x,y)がボンディング領域の中心位置S(x,y)と一致している。第1位置でカメラ側エンコーダヘッド32の中心線32aはリニアスケール33のN番目の目盛の位置にある。この際、ボンディングヘッド20の中心線22zは、カメラ25の光軸26zからX方向にΔH´だけ離れた位置にある。
【0031】
制御部50は、
図2(b)を参照して説明したと同様、ボンディングヘッド側エンコーダヘッド31により検出したリニアスケール33の目盛がN番目の目盛位置になるまでベース10をX方向に移動する。すると、半導体ダイ15の中心位置Dは、リニアスケール33の目盛がN番目の目盛位置、つまり、ボンディング領域の中心位置Sとなる。本実施形態の実装装置100は、このようにして、ベース10が熱膨張しても、オフセット距離である所定の間隔ΔHの較正を行わずに半導体ダイ15の中心位置Dをボンディング領域の中心位置Sに合わせることができる。
【0032】
<実装装置の実際の動作>
図2、
図3では、第1位置はカメラ25の光軸26zの位置C(x,y)がボンディング領域の中心位置S(x,y)と一致する位置であり、ボンディングツール21の中心位置BHと半導体ダイ15の中心位置Dとは一致しており、ボンディングツール21に吸着された半導体ダイ15の中心位置Dはボンディングヘッド20の中心線22zの上にあるとして説明したが、実際には、第1位置においてカメラ25の光軸26zの位置Cとボンディング領域の中心位置Sとにはズレが有り、ボンディングツール21に吸着された半導体ダイ15の中心位置Dとボンディングツール21の中心位置BHにもズレがある。そこで、次に
図4から
図6を参照しながら、実装装置100の実際の動作(電子部品実装方法)について説明する。
【0033】
図4のステップS101に示すように、制御部50は、ボンディングヘッド20を図示しないウェーハホルダ又は中間ステージに上に移動させ、ボンディングツール21に半導体ダイ15を吸着させて半導体ダイ15をピックアップし、ボンディングツール21によって半導体ダイ15を保持する(保持する工程)。
【0034】
次に、制御部50は、
図4のステップS102に示すように、ボンディングヘッド20を下カメラ40の上に移動させ、下カメラ40によってボンディングツール21と半導体ダイ15の画像を取得する。この際、下カメラ40の視野41には、
図5(b)に実線で示すようにボンディングツール21と半導体ダイ15の画像が撮像される。
図5(b)に示すように、視野41では、ボンディングツール21の中心位置BH(x,y)と半導体ダイ15の中心位置D(x,y)は位置差ΔBH(x,y)だけずれている。なお、
図5(b)において、符号22x、22yはボンディングヘッド20のX方向の中心線、Y方向の中心線を示す。従って、中心線22xと中心線22yとの交点がボンディングツール21の中心位置BH(x,y)となる。なお、下カメラ40は下側からボンディングツール21を撮像しているので視野41においては、X軸の正の方向が
図5(c)に示す上方向から基板16を撮像するカメラ25の視野27のX軸の方向と反対になっている。
【0035】
制御部50は、
図5(b)に示す画像を処理して、第2位置差である、ボンディングツール21の中心位置BH(x,y)と半導体ダイ15の中心位置D(x,y)との位置差ΔBH(x,y)を検出する。位置差ΔBHは、保持面であるボンディングツール21の下面に対する半導体ダイ15の第2相対位置である。
【0036】
次に、制御部50は
図4のステップS103に示すように、
図5(c)に示すカメラ25の視野27の中に基板16のアライメントマーク17が入る第1位置にベース10を移動させる(移動工程)。そして、
図4のステップS104に示すように、第1位置において、制御部50は、カメラ側エンコーダヘッド32によってリニアスケール33の目盛位置を検出する。
図5(a)に示すように、第1位置で、カメラ側エンコーダヘッド32の中心線32aは、リニアスケール33のN番目の目盛位置にあるので、制御部50には、カメラ側エンコーダヘッド32からカメラ側エンコーダヘッド32の中心線32aがリニアスケール33のN番目の目盛の位置にあるデータが入力される(位置検出工程)。
【0037】
次に、制御部50は、
図4のステップS105に示すように、カメラ25によってアライメントマーク17を含むボンディング領域の画像を取得する。
図5(c)において、26x、26yは光軸26zに直交する視野27の中心線であり、X方向中心線26xとY方向中心線26yとの交点がカメラ25の光軸26zの位置C(x,y)となる。そして、2つのアライメントマーク17を結ぶ線の中央がボンディング領域の中心位置S(x,y)となる。制御部50は、
図5(c)に示す画像を処理して、第1位置差である、光軸26zの位置C(x,y)とボンディング領域の中心位置S(x,y)との位置差ΔC(x,y)を検出する(位置特定工程)。位置差ΔCは、特定領域であるボンディング領域に対するカメラ25の第1相対位置である。
【0038】
次に、制御部50は、
図4のステップS106に示すように、
図1に示すリニアモータ12によってベース10をX方向に移動する。この際、制御部50は、ボンディングヘッド側エンコーダヘッド31によりリニアスケール33の目盛のデータを検出する。そして、制御部50は、ボンディングヘッド側エンコーダヘッド31により検出したリニアスケール33の目盛がN番目の目盛位置になるまでベース10をX方向に移動する。
図6(a)に示す様に、ボンディングヘッド側エンコーダヘッド31により検出したリニアスケール33の目盛がN番目の目盛位置になると、ボンディングヘッド20の中心線22zと同一位置であるボンディングツール21の中心位置BH(x,y)は、リニアスケール33の目盛がN番目の目盛位置、つまり、先にカメラ25の光軸26zが位置していた位置C(x,y)に移動する。
【0039】
図6(b)は、この状態における、ボンディングツール21の中心位置BH(x,y)、ボンディング領域の中心位置S(x,y)、半導体ダイ15の中心位置D(x,y)を上方向から見た図である。なお、
図6(b)における半導体ダイ15の中心位置D(x,y)が
図5(b)と左右反転した位置になっているのは、
図6(b)は、上方向から見た図であるのに対し、
図5(b)は下方向から見た図となっているからである。
【0040】
図6(b)に示すように、ボンディングツール21の中心位置BH(x,y)は、先にカメラ25の光軸26zが位置していた位置C(x,y)の位置にあり、半導体ダイ15の中心位置D(x,y)はボンディングツール21の中心位置BH(x,y)から左下に向かって位置差ΔBH(x,y)だけ離れている。また、ボンディング領域の中心位置S(x,y)は、ボンディングツール21の中心位置BH(x,y)から左下に向かって位置差ΔC(x,y)だけ離れている。また、半導体ダイ15の中心位置D(x,y)は、ボンディング領域の中心位置S(x,y)に対して右上に位置差(ΔC(x,y)−ΔBH(x,y))だけ離れた位置にある。
【0041】
従って、ボンディングヘッド20の中心線22zの位置をX方向左に向かって(ΔC(x)−ΔBH(x))だけ移動させ、Y方向下側に向かって(ΔC(y)−ΔBH(y))だけ移動させると、半導体ダイ15の中心位置D(x,y)がボンディング領域の中心位置S(x,y)に一致することになる。
【0042】
そこで、制御部50は、
図4のステップS107に示すように、リニアモータ12によってベース10の位置をX方向左に向かって(ΔC(x)−ΔBH(x))だけ移動させ、図示しないY方向駆動機構によってベース10の位置をY方向下側に向かって(ΔC(y)−ΔBH(y))だけ移動させる。このように、制御部50は、ボンディング領域の中心位置S(x,y)と光軸26zの位置C(x,y)との位置差ΔC(x,y)とボンディングツール21の中心位置BH(x,y)と半導体ダイ15の中心位置D(x,y)との位置差ΔBH(x,y)に応じた距離だけベース10を移動させる(位置決め工程)。
【0043】
そして、制御部50は、
図4のステップS108に進み、ボンディングヘッド20によりボンディングツール21を降下させて半導体ダイ15を基板16の上にボンディングする。
【0044】
以上説明したように、本実施形態の実装装置100は、オフセット距離である所定の間隔ΔHの較正を行わずに半導体ダイ15の中心位置Dをボンディング領域の中心位置Sに合わせてボンディングを行うことができる。
【0045】
次に
図7を参照しながら実装装置100の他の動作について説明する。先に
図4を参照して説明したのと同様のステップには、同様の符号を付して説明は省略する。
【0046】
図7に示す動作は、下カメラ40によってボンディングツール21の中心位置BH(x,y)と半導体ダイ15の中心位置D(x,y)との位置差ΔBH(x,y)の検出を行わない場合の動作を示す。この場合、
図7に示すように、制御部50は、
図7のステップS106でベース10を移動させた後、
図7のステップS110に示すように、ボンディング領域の中心位置S(x,y)と光軸26zの位置C(x,y)との位置差ΔC(x,y)に応じた距離だけベース10を移動させる。つまり、制御部50は、リニアモータ12によってベース10の位置をX方向左に向かって(ΔC(x))だけ移動させ、図示しないY方向駆動機構によってベース10の位置をY方向下側に向かって(ΔC(y))だけ移動させる。
【0047】
本動作も先に
図4を参照して説明した動作と同様、オフセット距離である所定の間隔ΔHの較正を行わずに半導体ダイ15の中心位置Dをボンディング領域の中心位置Sに合わせてボンディングを行うことができる。
【0048】
次に、
図8を参照しながら、実装装置100の他の動作について説明する。先に、
図4を参照して説明した動作と同様の動作については簡単に説明する。
【0049】
図8に示すステップS201からステップS205は、
図4のステップS101からS105と同様である。本動作は、
図8のステップS206において、リニアスケール33の目盛位置をボンディング領域の中心位置S(x,y)と光軸26zの位置C(x,y)との位置差ΔC(x,y)とボンディングツール21の中心位置BH(x,y)と半導体ダイ15の中心位置D(x,y)との位置差ΔBH(x,y)とによって補正して目標目盛位置N2を算出し、
図8のステップS207に示すように、目標目盛位置N2にボンディングヘッド側エンコーダヘッド31の中心線31aがくるようにベース10を移動させるものである。
【0050】
図9は、半導体ダイ15の中心位置D(x,y)がボンディング領域の中心位置S(x,y)に一致した状態を示している。先に
図6(b)を参照して説明したように、ボンディングツール21の中心位置BH(x,y)を、先にカメラ25の光軸26zが位置していた位置C(x,y)の位置とした場合、半導体ダイ15の中心位置D(x,y)は、ボンディング領域の中心位置S(x,y)に対して右上に位置差(ΔC(x,y)−ΔBH(x,y))だけ離れた位置となる。従って、ボンディングツール21の中心位置BH(x,y)を、先にカメラ25の光軸26zが位置していた位置C(x,y)から左下に位置差(ΔC(x,y)−ΔBH(x,y))だけ離れた位置とすれば、半導体ダイ15の中心位置D(x,y)は、ボンディング領域の中心位置S(x,y)に一致することになる。
【0051】
そこで、制御部50は、先にカメラ25の光軸26zが位置していた位置C(x,y)のリニアスケール33の目盛位置Nを(ΔC(x)−ΔBH(x))に対応する目盛分だけ補正した目標目盛位置N2を計算する。そして、
図9に示すように、ボンディングヘッド側エンコーダヘッド31の中心線31aの位置が目標目盛位置N2となる位置、つまり、ボンディングヘッド側エンコーダヘッド31の検出したリニアスケール33の目盛位置が目標目盛位置N2となる位置までベース10を移動させる(位置決め工程)。これにより、半導体ダイ15の中心位置D(x)をボンディング領域の中心位置S(x)に一致させることができる。ここで、先にカメラ25の光軸26zが位置していた位置C(x,y)のリニアスケール33の目盛位置Nと目標目盛位置N2との目盛差はベース10の位置の補正量である。
【0052】
また、制御部50は、同時にベース10をY方向下側に向かって(ΔC(y)−ΔBH(y))だけ移動させる。これにより、半導体ダイ15の中心位置D(x,y)をボンディング領域の中心位置S(x,y)に一致させることができる。
【0053】
図8を参照した動作は、X方向に1回の動作で半導体ダイ15の中心位置D(x)をボンディング領域の中心位置S(x)に一致させることができるので、先に
図4を参照して説明した動作よりも高速で位置合わせができる。また、本動作でも、オフセット距離である所定の間隔ΔHの較正を行わずに半導体ダイ15の中心位置Dをボンディング領域の中心位置Sに合わせてボンディングを行うことができる。
【0054】
図10は、
図8に示す動作において、
図7に示す動作と同様、下カメラ40によってボンディングツール21の中心位置BH(x,y)と半導体ダイ15の中心位置D(x,y)との位置差ΔBH(x,y)の検出を行わない場合の動作を示すものである。
【0055】
以上説明したように、本実施形態の実装装置100は、オフセット距離である所定の間隔ΔHの較正を行わずに半導体ダイ15の中心位置Dをボンディング領域の中心位置Sに合わせてボンディングを行うことができるので、オフセット距離である所定の間隔ΔHの較正を行わずにボンディング精度を向上させることができる。また、オフセット距離の較正が必要ないので、ボンディングの生産性を向上させることができる。
【0056】
以上、実装装置100を例として本発明の実施形態を説明したが、本発明は、フリップチップボンディング装置あるいはダイボンディング装置に限らず、さまざまな装置に適用することが可能である。例えば、ワイヤボンディング装置、工業用ロボット、搬送装置に適用することができる。搬送又は実装する対象物、対象物の大きさ、対象物の技術分野に限らず、あらゆる装置に適用することができる。