(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1等の従来技術において、半導体チップは、熱圧着ツールの底面で吸引保持されるが、この吸引面は、常に、フィルム部材で覆われる。そして、フィルム部材は、一つの半導体チップを圧着する度に新たなフィルム部材に交換される。その結果、従来技術では、半導体チップの吸引に先立って、フィルム部材に吸引用の孔を形成する必要があった。ここで、半導体チップを加熱および加圧して被実装体にボンディングするのに要する時間に比べて、フィルム部材の孔開けや、フィルム部材のフィードに要する時間は、数倍〜十倍ほどかかる。したがって、特許文献1等の従来技術では、タクトタイムの増加を招いていた。
【0006】
なお、特許文献2には、樹脂フィルム(カバーフィルム)を、接合ツールとは分離して設けた実装装置が開示されている。しかし、特許文献2の実装装置において、樹脂フィルムは、接合ツールの振動から、チップ(半導体チップ)を保護するためのものであり、接着材料の接合ツールへの付着を防止するためのものではない。また、特許文献2の接合ツールは、すでに仮置きされたチップを押圧するものの、仮置き前のチップを吸引保持して仮置きするものではない。したがって、特許文献2の技術は、一つの実装ヘッドで、半導体チップの仮圧着および本圧着を行う実装装置には、適用困難であった。
【0007】
そこで、本明細書では、一つの実装ヘッドで仮圧着処理および本圧着処理を行う実装装置であって、タクトタイムをより短縮できる実装装置を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書で開示する実装装置は、半導体チップを接着材料を介して基板または他の半導体チップである被実装体に実装する実装装置であって、前記基板が載置されるボンディングステージと、前記ボンディングステージを支える基台と、前記半導体チップを吸引保持して前記被実装体に仮圧着する仮圧着処理と、前記仮圧着された半導体チップを本圧着する本圧着処理と、を行う実装ヘッドと、前記ボンディングステージまたは前記基台に設けられ、前記本圧着処理時に、前記仮圧着された半導体チップと前記実装ヘッドとの間にカバーフィルムを介在させるフィルム配置機構と、前記実装ヘッドおよび前記フィルム配置機構の駆動を制御する制御部と、を備え、前記フィルム配置機構は、前記カバーフィルムが掛け渡された一対のローラを有し、順次、新たなカバーフィルムを送り出すフィルム送出機構と、前記カバーフィルムを、前記基板に対して水平方向に移動させるフィルム移動機構と、を備え
、前記制御部は、前記カバーフィルムが、前記仮圧着処理時には、前記半導体チップが仮圧着される実装区画から水平方向に離間した退避位置に位置し、前記本圧着処理時には、本圧着対象の半導体チップの真上である仲介位置に位置するように、前記フィルム移動機構を制御し、前記フィルム送出機構は、前記仲介位置において、前記カバーフィルムが複数回の本圧着処理に分けて本圧着される複数の実装区画の上方を覆うように、前記カバーフィルムを掛け渡しており、前記制御部は、前記複数回の本圧着処理が終了するまで、前記カバーフィルムの移動およびフィードのいずれも実行することなく当該カバーフィルムを前記仲介位置で待機させ、前記複数回の本圧着処理が終了すれば、前記フィルム移動機構を駆動して前記カバーフィルムが新たな複数の実装区画の上方を覆う位置に移動させるとともに、前記フィルム送出機構を駆動して前記カバーフィルムを前記複数の実装区画に応じた距離だけフィードさせる、ことを特徴とする。
【0009】
かかる構成とした場合、カバーフィルムと、実装ヘッドとが分離されているため、カバーフィルムの孔開けが不要となる。その結果、タクトタイムを低減しつつ、接着材料による実装ヘッドの汚染を効果的に防止できる。
【0011】
かかる構成とすることで、仮圧着処理時には、カバーフィルムと実装ヘッドとの干渉が防止され、本圧着処理時には、カバーフィルムが、実装ヘッドと半導体チップとの間に介在するため、接着材料による実装ヘッドの汚染が効果的に防止される。
【0013】
かかる構成とすることで、カバーフィルムのフィード回数を低減できるため、タクトタイムをより低減できる。
【0014】
この場合、前記基板には、半導体チップを実装する実装区画が二次元アレイ状に規定されており、前記フィルム送出機構は、前記二次元アレイ状の実装区画を、列単位で覆うように、前記カバーフィルムを掛け渡していてもよい。
【0015】
カバーフィルムが、実装区画を列単位で覆うことで、カバーフィルムのフィード・移動制御を簡易化できる。
【0016】
また、前記制御部は、前記実装ヘッドに、複数の前記実装区画において前記半導体チップの仮圧着を連続して実行させた後、前記仮圧着された複数の前記半導体チップの本圧着を連続して実行させてもよい。
【0017】
かかる構成とすることで、フィルム移動機構によるカバーフィルムの移動回数を低減できるため、タクトタイムをより低減できる。
【0018】
また、前記フィルム配置機構は、さらに、前記カバーフィルムを、前記ボンディングステージに対して昇降させる昇降機構を備えてもよい。
【0019】
かかる構成とすることで、カバーフィルムを半導体チップの上面からより確実に離間させることができる。また、半導体チップを積層実装する場合、当該積層段数に応じてカバーフィルムの配置高さを変更できるため、実装装置の汎用性が向上する。
【0020】
また、前記フィルム送出機構は、前記実装ヘッドにより押圧されて下方に撓んだ前記カバーフィルムの一部と干渉することで、前記撓みの解消を支援する干渉部材を備えてもよい。
【0021】
かかる構成とすれば、簡易な構成でありながら、カバーフィルムを半導体チップの上面からより確実に離間させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本明細書で開示する実装装置によれば、カバーフィルムと、実装ヘッドとが分離されているため、カバーフィルムの孔開けが不要となる。その結果、タクトタイムを低減しつつ、接着材料による実装ヘッドの汚染を効果的に防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実装装置10の構成について図面を参照して説明する。
図1は、実装装置10の構成を示す概略図である。また、
図2は、実装装置10の概略平面図である。また、
図3は、仮圧着処理の様子を示す図であり、
図4は、本圧着処理の様子を示す図である。
【0025】
この実装装置10は、複数の半導体チップ100を、基板104または他の半導体チップ100(以下、両者を区別しない場合は、「被実装体」と呼ぶ)に実装することで半導体装置を製造する装置である。半導体チップ100は、フリップチップボンダ技術で、基板104に実装される。具体的には、各半導体チップ100の底面には、バンプ102と呼ばれる導電性材料からなる突起が形成されており、このバンプ102を、基板104の表面に形成された電極105に接合することで、半導体チップ100と基板104とが電気的に接続される。
【0026】
基板104には、半導体チップ100を実装する実装区画106が二次元アレイ状に規定されている。図示例では、一つの基板104に15個の実装区画106が3行5列で規定されている。各実装区画106の表面には、半導体チップ100のバンプ102と電気的に接続される電極105が複数形成されている。また、各実装区画106には、あらかじめ、非導電性ペースト(NCP)または非導電性フィルム(NCF)と呼ばれる接着材料108が塗布されている。接着材料108は、絶縁性を有するとともに熱硬化性を有する熱硬化性樹脂からなる。この接着材料108の上に半導体チップ100を載置して基板104に押し付けるとともに半導体チップ100を加熱することで、接着材料108が硬化し、半導体チップ100が、基板104に機械的に接着、固定される。なお、このように基板104に、予め接着材料108を塗布しておく方式は、一般に、「先塗布方式」と呼ばれる。
【0027】
実装装置10は、各半導体チップ100を、仮圧着した後に、本圧着することで、基板104に実装する。仮圧着は、半導体チップ100を、基板104のうち、対応する実装区画106(接着材料108)に仮置きすることである。また、本圧着は、仮圧着された半導体チップ100を、加熱するとともに加圧することで、半導体チップ100を被実装体(基板104または他の半導体チップ100)に機械的・電気的に接続することである。この本圧着の際、半導体チップ100は、接着材料108の硬化温度以上、かつ、バンプ102の溶融温度以上の温度で加熱される。本例では、複数の実装区画106において半導体チップ100の仮圧着を連続して実行した後、この仮圧着された複数の半導体チップ100の本圧着を連続して実行する。
【0028】
実装装置10は、上述した手順で、半導体チップ100を基板104(被実装体)に実装するための装置である。この実装装置10は、ボンディングステージ14、実装ヘッド12、基台16、フィルム配置機構18、および、これら各部の駆動を制御する制御部20等を有している。
【0029】
ボンディングステージ14は、基板104が載置されるステージである。このボンディングステージ14には、例えば、基板104を吸引保持する吸引孔(図示せず)や、基板104を加熱するためのヒータ(図示せず)などが設けられている。このボンディングステージ14は、基台16によって支えられている。
【0030】
実装ヘッド12は、ボンディングステージ14と対向して設けられており、ボンディングステージ14に対して水平方向および垂直方向に移動可能となっている。この実装ヘッド12は、仮圧着処理と本圧着処理とを行う。仮圧着処理では、実装ヘッド12は、図示しないチップ供給源から半導体チップ100を受け取って搬送し、各半導体チップ100を対応する実装区画106に載置したうえで加熱および加圧して仮圧着する。この仮圧着時の加熱温度は、接着材料108が軟化開始する温度以上、かつ、接着材料108の硬化温度以下であることが望ましい。また、本圧着処理では、実装ヘッド12は、基板104に仮圧着された半導体チップ100を加圧および加熱して本圧着する。この本圧着時の加熱温度は、バンプ102の溶融温度以上、かつ、接着材料108の硬化温度以上であることが望ましい。また、本圧着時の加圧力は、仮圧着時の加圧力よりも大きい。
【0031】
図3に示すとおり、実装ヘッド12の底面には、半導体チップ100を吸引保持するための吸引孔22が形成されている。この吸引孔22は、図示しない吸引ポンプに連通されており、当該吸引ポンプによって発生する負圧により、半導体チップ100が、実装ヘッド12の底面に吸引保持される。また、実装ヘッド12には、仮圧着および本圧着の際の半導体チップ100を加熱するために、ヒータ(図示せず)が内蔵されている。なお、本例では、実装ヘッド12が水平方向に移動するが、後に説明するとおり、ボンディングステージ14が水平方向に移動する構成としてもよい。
【0032】
ところで、上述したとおり、本圧着の際、実装ヘッド12は、半導体チップ100を、基板104に押圧する。このとき、
図4に示すように、半導体チップ100により外側に押し出された接着材料108の一部が、はみ出て、這い上がることがある。この這い上がった接着材料108が実装ヘッド12に付着すると、その後の実装処理が適切に行えないおそれがある。また、実装ヘッド12に接着材料108が付着しない場合であっても、加熱された接着材料108から生じるヒュームガスが、実装ヘッド12の吸引孔22に入り込み、これにより実装ヘッド12が汚染される場合もあった。
【0033】
そこで、本明細書で開示する実装装置10では、本圧着の際に、実装ヘッド12と半導体チップ100との間にカバーフィルム110を介在させている。
図4に示すとおり、かかるカバーフィルム110を設けることで、実装ヘッド12への接着材料108の付着、および、実装ヘッド12の吸引孔22へのヒュームガスの侵入が効果的に防止される。
【0034】
実装装置10の基台16には、本圧着処理時に、仮圧着された半導体チップ100と実装ヘッド12との間にカバーフィルム110を介在させるフィルム配置機構18が設置されている。本例では、一方向に長尺な帯状のカバーフィルム110を用いている。このカバーフィルム110の素材としては、耐熱性に優れ、接着材料108の剥離性が高い素材が適している。したがって、カバーフィルム110の素材としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などのフッ素樹脂を用いることができる。
【0035】
フィルム配置機構18は、帯状のカバーフィルム110を順次、基板104の上方に送出するフィルム送出機構24を有している。フィルム送出機構24は、ボンディングステージ14を挟んで両側に設けられた送出ローラ28aおよび巻取ローラ28b(以下、送出/巻取ローラ28a,28bを区別しない場合は、単に「フィードローラ28」と呼ぶ)を有している。カバーフィルム110は、この一対のフィードローラ28の間に掛け渡されている。送出ローラ28aが、所定の送出方向(
図1における矢印A方向)に回転することで、新たなカバーフィルム110が、順次、送出される。また、送出ローラ28aと連動して巻取ローラ28bが、送出ローラ28aと同方向に回転することで、使用済みのカバーフィルム110が、巻取ローラ28bに巻き取られて回収される。つまり、一対のフィードローラ28が同方向に回転することで、カバーフィルム110がフィードされる。
【0036】
ここで、上述したとおり、一対のフィードローラ28は、ボンディングステージ14の両側に配されているため、カバーフィルム110は、基板104を一方向に横断することになる。また、カバーフィルム110は、実装区画106の幅よりも十分に広い。したがって、カバーフィルム110は、3行5列に並ぶ実装区画106のうち、その一列分の実装区画106、すなわち、複数(図示例では3つ)の実装区画106の上方を覆うことができる。
【0037】
巻取ローラ28bは、モータ等の駆動源に連結されており、当該モータ等の駆動に伴い回転する駆動ローラである。送出ローラ28aは、巻取ローラ28bと独立して回転できる駆動ローラであってもよいし、巻取ローラ28bの回転に伴い回転する従動ローラであってもよい。送出ローラ28aを従動ローラとする場合、掛け渡されるカバーフィルム110に適度なテンションを付与できるように、送出ローラ28aを送出方向と逆方向に付勢できる付勢部材を設けておくことが望ましい。また、いずれの形態であっても、二つのフィードローラ28の少なくとも一方の近傍には、各フィードローラ28に巻回されているカバーフィルム110の量をセンシングするセンサを設けることが望ましい。そして、このセンサでの検知結果に応じて、カバーフィルム110の交換時期を推定したり、フィードローラ28の回転速度を調整したりしてもよい。特に、フィードローラ28の1回転あたりのカバーフィルム110の送出/巻取距離(フィード量)は、各フィードローラ28に巻回されているカバーフィルム110の量(より正確には、各フィードローラ28にカバーフィルム110を巻回してなるフィルムロール110aの径)に応じて変化する。そのため、カバーフィルム110のフィード量、カバーフィルム110のテンション等を適切に制御するために、各フィードローラ28に巻回されているカバーフィルム110の量に応じて、フィードローラの回転数を調整することが望ましい。
【0038】
フィルム配置機構18は、さらに、このフィルム送出機構24ごと、カバーフィルム110を水平方向に移動させるフィルム移動機構30を備えている。フィルム移動機構30は、第一方向(図示例では、長方形の基板104の長尺方向)に延びる一対のレール32と、当該レール32に沿ってスライド移動する移動ブロック34と、を有している。一対のレール32は、ボンディングステージ14を挟んで両側に設けられている。移動ブロック34には、フィードローラ28が設置されており、移動ブロック34のスライド移動に伴い、フィードローラ28およびカバーフィルム110が、第一方向に移動する。なお、二つのレール32に取り付けられた二つの移動ブロック34は、送出ローラ28aと巻取ローラ28bとの相対位置が常に固定となるように、連動して動く。フィルム移動機構30により、フィードローラ28が第一方向に移動することで、カバーフィルム110で覆われる実装区画106(半導体チップ100)が順次、変更される。なお、移動ブロック34をスライド移動させる機構としては、例えば、モータ(回転電機)とボールスプラインとを組み合わせたような機構でもよいし、油圧シリンダやリニアモータ等の直動式の駆動源を用いた機構でもよい。
【0039】
フィルム配置機構18は、さらに、フィルム送出機構24ごと、カバーフィルム110を昇降させるフィルム昇降機構(図示せず)を備えている。フィルム昇降機構は、フィードローラ28の高さを可変できる機構であれば特に限定されない。したがって、フィルム昇降機構としては、例えば、フィードローラ28の回転軸と当接しながら回転するカム部材などを有していてもよい。また、別の形態として、フィルム昇降機構は、フィードローラ28の回転軸と接続されるとともに、モータや油圧シリンダ等の駆動源により垂直方向に移動可能な移動体を有する構成としてもよい。いずれにしても、このフィルム昇降機構により、カバーフィルム110が、基板104および半導体チップ100に対して高さ方向に位置決めされる。
【0040】
制御部20は、上述した実装ヘッド12やフィルム配置機構18、ボンディングステージ14の駆動を制御する。制御部20は、例えば、各種演算を行うCPUと、各種データおよびプログラムを記憶するメモリと、を備えている。制御部20には、各種センサでの検知結果が入力されており、制御部20は、この検知結果に応じて、各部の駆動制御を行う。より具体的には、制御部20は、実装ヘッド12の移動制御や、実装ヘッド12およびボンディングステージ14のヒータの温度制御、吸引機構の駆動制御などを行う。また、制御部20は、カバーフィルム110を適切な位置に配置するべく、フィルム配置機構18の駆動制御も行う。
【0041】
次に、こうした実装装置10による半導体チップ100の実装の流れについて
図3〜
図8を参照して説明する。
図5〜
図8は、実装途中の様子を示す概略平面図であり、
図5、
図6は、仮圧着の様子を、
図7、
図8は、本圧着の様子を示している。半導体チップ100を実装する際には、ボンディングステージ14に基板104が載置される。この基板104の実装区画106には、予め、または、ボンディングステージ14に載置した後に、接着材料108が塗布される。
【0042】
制御部20は、実装ヘッド12を駆動して、基板104の各実装区画106に半導体チップ100を仮圧着させる。具体的には、実装ヘッド12は、図示しないチップ供給源に移動し、その底面で、新たな半導体チップを吸引保持する。続いて、実装ヘッド12は、対応する実装区画106の真上に移動する。その後、実装ヘッド12は、
図3に示すように、基板104に向かって下降し、吸引保持した半導体チップ100を、対応する実装区画106(ひいては接着材料108)の上に押し当てることで、半導体チップ100を仮圧着する。一つの半導体チップ100が仮圧着できれば、実装ヘッド12は、当該半導体チップ100の吸引を解除した上で上昇する。その後、実装ヘッド12は、同様の手順で、全ての半導体チップ100の仮圧着を順次、行っていく。
図5、
図6において、各半導体チップ100に付された数字は、仮圧着の順番を示している。
図5、
図6から明らかなとおり、図示例では、半導体チップ100は、左下隅から仮圧着される。そして、一列ごとに進行方向を反転しながらジグザグ状に、半導体チップ100の仮圧着が行われる。
【0043】
ここで、この仮圧着処理の際、制御部20は、フィルム移動機構30を駆動して、カバーフィルム110を退避位置に移動させる。退避位置とは、半導体チップ100が仮圧着される実装区画106から水平方向に離間した位置である。この退避位置とは、特定の固定位置であってもよいし、仮圧着される実装区画106の変更に伴い、変更される可変位置でもよい。例えば、カバーフィルム110を、基板104の外側まで移動できるのであれば、当該基板104の外側を退避位置としてもよい。カバーフィルム110が基板104の外側に位置していれば、どの実装区画106に仮圧着するとしても、カバーフィルム110は、仮圧着される実装区画106から水平方向に離間することになる。したがって、基板104の外側は、位置不変の退避位置となる。
【0044】
一方、実装装置10のサイズ等の制限により、カバーフィルム110を、基板104の外側まで移動できない場合がある。この場合には、現時点で、仮圧着がされていない実装区画106の真上位置を、退避位置とすればよい。例えば、
図5に示すとおり、基板104の実装区画106を、片側3列(図面下側3列)と、反対側2列(図面上側2列)とに分割し、片側3列に仮圧着を行っている期間中は、反対側2列の真上を退避位置として設定し(
図5参照)、反対側2列に仮圧着を行っている期間中は、片側3列の真上を退避位置として設定してもよい(
図6参照)。すなわち、この場合、フィルム移動機構30は、片側3列への仮圧着を行っている期間中は、カバーフィルム110を反対側2列の真上に移動させ、片側3列のへの仮圧着が終われば、移動ブロック34をスライド移動させて、カバーフィルム110を、反対側3列の真上に移動させる。いずれにしても、仮圧着処理の期間中、カバーフィルム110を、仮圧着対象の実装区画106から水平方向に離間させることで、カバーフィルム110と実装ヘッド12との干渉が防止され、半導体チップ100が適切に仮圧着できる。
【0045】
全ての半導体チップ100を仮圧着できれば、続いて、制御部20は、実装ヘッド12に本圧着処理を実行させる。具体的には、実装ヘッド12は、仮圧着された半導体チップ100を、順次、基板104に加圧および加熱して本圧着する。
図7、
図8において各半導体チップ100に付された数字は、本圧着の順番を示している。図示例では、本圧着も、仮圧着と同様に、左下隅から開始され、その後、一列ごとに進行方向を反転しながら、ジグザグ状に、進められる。
【0046】
ここで、本圧着処理の際、制御部20は、フィルム移動機構30を駆動して、カバーフィルム110を仲介位置に移動させる。仲介位置とは、本圧着対象の半導体チップ100の真上であって、当該半導体チップ100と実装ヘッド12との間位置である。かかる位置にカバーフィルム110を配することで、本圧着の際、
図4に示すように、カバーフィルム110が、半導体チップ100と実装ヘッド12との間に介在することになる。そして、これにより、這い上がってきた接着材料108の実装ヘッド12への付着や、ヒュームガスの実装ヘッド12への侵入を効果的に防止できる。
【0047】
ここで、本圧着対象の半導体チップ100は、順次、変わっていく。したがって、カバーフィルム110の位置も、本圧着処理の進行状況に応じて、順次、変更しなければならない。ただし、本例では、カバーフィルム110は、一列分(3個)の半導体チップ100(実装区画106)を覆うように掛け渡されている。したがって、フィルム移動機構30は、カバーフィルム110の真下に位置する一列分(3個)の半導体チップ100への本圧着が終了するまでは、カバーフィルム110を移動させず、カバーフィルム110の真下に位置する半導体チップ100全ての本圧着が終了すれば、カバーフィルム110を隣接する次の列の真上に移動させる。
図7、
図8の例によれば、図面上から2列目の半導体チップ100を本圧着する際、フィルム移動機構30は、
図7に示すとおり、カバーフィルム110を、当該2列目の実装区画106の真上に位置させる。また、2列目の半導体チップ100全ての本圧着が終了すれば、フィルム移動機構30は、
図8に示すとおり、カバーフィルム110を図面上から1列目の実装区画106の真上に位置させる。
【0048】
また、このフィルム移動機構30によるカバーフィルム110の水平移動に連動して、フィルム送出機構24は、カバーフィルム110をフィードする。具体的には、フィルム送出機構24は、一列分の半導体チップ100の本圧着が終了すれば、実装区画106一列に対応する距離だけカバーフィルム110をフィードする。
図7の例においては、カバーフィルム110上の位置P1が、実装区画106の列の一端近傍に位置し、カバーフィルム110上の位置P2が、当該列の他端近傍に位置している。この位置P1から位置P2までの距離が、1回のフィード距離である。
【0049】
カバーフィルム110が、図面上からみて、2列目から1列目に移動する際(
図7の状態から
図8の状態に変化する際)、フィルム送出機構24は、
図8に示すように、カバーフィルム110上の位置P2が、実装区画106の列の一端近傍になるように、カバーフィルム110をフィードする。
【0050】
なお、実装ヘッド12で、カバーフィルム110を介して、半導体チップ100を加熱加圧した場合、
図4に示すとおり、カバーフィルム110は、半導体チップ100の上面に密着し、また、這い上がった接着材料108の一部がカバーフィルム110に接触する。このカバーフィルム110が半導体チップ100の上面に密着した状態のままでは、カバーフィルム110を適切にフィードできない。
【0051】
そこで、必要に応じて、フィルム昇降機構により、カバーフィルム110を昇降させてもよい。具体的には、半導体チップ100を本圧着する際には、
図9Aに示すように、カバーフィルム110が半導体チップ100の上面とほぼ同じ高さ位置になるように、フィルム昇降機構でカバーフィルム110を下降させる。また、カバーフィルム110をフィードさせる際には、
図9Bに示すように、カバーフィルム110が半導体チップ100の上面から離間するように、フィルム昇降機構で、カバーフィルム110を上昇させる。
【0052】
つまり、本圧着処理においては、1列分の実装区画106に対する本圧着が完了する度に、カバーフィルム110を適切な位置に配置する処理が必要となる。このカバーフィルム110の配置処理は、カバーフィルム110の上昇、カバーフィルム110のフィード、カバーフィルム110の水平移動、カバーフィルム110の下降が含まれる。これらの処理のうち、カバーフィルム110のフィードと水平移動は、並行して行ってもよい。
【0053】
ところで、これまでの説明で明らかなとおり、本明細書に開示の実装装置10では、フィルム配置機構18を、基台16に設けている。また、カバーフィルム110は、複数の実装区画106の上方を同時に覆えるように配置されている。かかる構成とする理由について従来技術と比較して説明する。
【0054】
実装ヘッド12と半導体チップ100との間にカバーフィルム110を介在させる実装装置10は、従来から、いくつか提案されている。
図17は、そうした従来の実装装置10の一例を示す図である。
図17に示すとおり、従来の実装装置10の多くは、カバーフィルム110を実装ヘッド12に設けていた。すなわち、実装ヘッド12に、カバーフィルム110をフィードするためのフィードローラ28を取り付けていた。この場合、高速かつ高精度な移動が要求される実装ヘッド12の重量が増加し、実装ヘッド12を移動させる移動機構の大型化、高コスト化といった問題を招いていた。
【0055】
また、カバーフィルム110を実装ヘッド12に取り付ける構成の場合、カバーフィルム110は、当該実装ヘッド12の底面を常時、覆うことになる。この場合、実装ヘッド12の吸引孔22がカバーフィルム110で覆われるため、当該吸引孔22を介して半導体チップ100を吸引保持できない。そのため、従来の実装装置10では、半導体チップ100の吸引保持の前に、カバーフィルム110のうち吸引孔22に対応する箇所に、針70などを用いて、孔を形成していた。また、カバーフィルム110を実装ヘッド12に取り付ける構成の場合、一つの半導体チップ100への本圧着が終わるたびに、カバーフィルム110をフィードする必要がある。こうした孔開け処理、フィード処理は、時間がかかるため、タクトタイムの増加を招いていた。例えば、1回のボンディング(仮圧着、本圧着)に要する時間と比べて、孔開け処理およびフィード処理に要する時間は、数倍〜10倍ほどかかる。従来の実装装置10では、かかる孔開け処理が発生し、また、フィード処理の回数が多くなるため、半導体装置製造のタクトタイムの増加を招いていた。
【0056】
一方、本明細書で開示する実装装置10は、これまで説明したとおり、フィルム配置機構18を、基台16に設置している。その結果、実装ヘッド12を軽量化でき、比較的、小型かつ安価な移動機構でも、実装ヘッド12を高速かつ高精度に移動させることができる。
【0057】
また、フィルム配置機構18を基台16に設けることで、カバーフィルム110と実装ヘッド12とを分離できる。そのため、カバーフィルム110に孔を開けなくても、実装ヘッド12で半導体チップ100を吸引保持できる。結果として、時間のかかる孔開け処理が不要となり、タクトタイムを大幅に低減できる。また、孔開けのための複雑な機構を無くすことができるため、実装装置10の価格も低減できる。
【0058】
さらに、本例の実装装置10では、本圧着処理時、カバーフィルム110が、複数の半導体チップ100を覆う構成となっている。そのため、カバーフィルム110のフィードの回数を、従来技術に比べて大幅に低減でき、ひいては、タクトタイムを大幅に低減できる。
【0059】
これについて、具体例を挙げて説明する。
図10は、半導体チップ100を、3行5列の配列で実装する場合のタイムチャートの一例を示す図である。
図10において、条件1、条件2は、従来の実装装置10でのタイムチャートを、条件3は、本明細書で開示の実装装置10でのタイムチャートを示している。
図10の例では、1つの半導体チップ100のボンディング(仮圧着または本圧着)に要する時間を1秒、カバーフィルム110の孔開けに要する時間を3秒、カバーフィルム110のフィードに要する時間を2秒としている。また、
図10において、仮圧着は、薄墨、本圧着は、濃墨、孔開けは、斜めハッチング、フィードは、クロスハッチングで図示している。
【0060】
従来の実装装置10で、半導体チップ100を実装する手順としては、大きく二通りが考えられる。一つは、実装ヘッド12で、半導体チップ100を基板104上に搬送・載置した後、仮圧着することなく、即座に本圧着する手順である。
図10の条件1は、この手順におけるタイムチャートを示している。この場合、一つの半導体チップ100を本圧着する度に、カバーフィルム110の孔開け(斜めハッチング)とフィード(クロスハッチング)とを行わなければならない。そのため、実装処理全体の時間が非常に長くなる。
【0061】
別の手順として、本明細書で開示した実装装置10と同様に、全ての半導体チップ100を連続して仮圧着した後に、全ての半導体チップ100を連続して本圧着する手順がある。
図10の条件2は、この手順におけるタイムチャートを示している。この場合、カバーフィルム110の孔開けは、1つ目の半導体チップ100を仮圧着する前に1回行うだけでよいため、一段目の手順に比べて、孔開け(斜めハッチング)に要する合計時間を大幅に低減できる。しかし、この場合であっても、一つの半導体チップ100を本圧着する度に、カバーフィルム110のフィード(クロスハッチング)が必要である。換言すれば、カバーフィルム110のフィードが、半導体チップ100の個数と同じ回数分、必要となる。その結果、実装処理全体の時間を大幅に低減することはできない。
【0062】
一方、本明細書で開示した実装装置10では、これまで説明したとおり、カバーフィルム110の孔開け(斜めハッチング)が、完全に不要となる。また、カバーフィルム110は、複数個(本例では3個)の実装区画106を同時に覆っている。そのため、カバーフィルム110のフィード(クロスハッチング)は、本圧着が3回行われる度に行えば十分である。換言すれば、本例において、カバーフィルム110が同時に覆う実装区画106の個数をNとした場合、カバーフィルム110のフィード回数は、(実装区画106の総数/N)となる。つまり、本例によれば、カバーフィルム110のフィード回数を、従来技術に比べて大幅に低減でき、ひいては、実装処理全体の時間を大幅に低減できる。なお、ここでは、説明を容易にするために、カバーフィルム110で覆う実装区画106の個数N、すなわち、基板104において一列に並ぶ実装区画106の個数Nを3個としている。しかし、実際には、基板104において、一列に並ぶ実装区画106の個数Nは、より多数であることが多い。そして、この個数Nが大きければ大きいほど、フィード回数が低減するため、大型で実装区画106の個数が大きい基板104ほど、タクトタイムの短縮効果が高いことがわかる。
【0063】
なお、これまでの説明は、一例であり、少なくとも、ボンディングステージ14または当該ボンディングステージ14を支える基台16に、必要に応じてカバーフィルム110を適切な位置に配置するフィルム配置機構18を設置するのであれば、その他の構成は、適宜、変更されてもよい。例えば、上述の説明では、カバーフィルム110と半導体チップ100の上面とを接触/離間するために、カバーフィルム110を昇降させるフィルム昇降機構を設けていた。しかし、カバーフィルム110のフィード時に、カバーフィルム110と半導体チップ100の上面とを離間できるのであれば、フィルム昇降機構は、なくてもよい。例えば、カバーフィルム110の弾性を利用して、カバーフィルム110を、半導体チップ100と接触した状態から離間した状態に復帰させる構成としてもよい。具体的には、
図11Bに示すように、カバーフィルム110を、半導体チップ100の上面より離間した高さ位置に掛け渡しておく。そして、本圧着の際は、
図11Aに示すように、実装ヘッド12で押圧されることで、カバーフィルム110が撓んで半導体チップ100の上面に接触する。このとき、カバーフィルム110に十分な弾性(コシ)があり、適度な張力が作用していれば、実装ヘッド12による押圧が解除されると、カバーフィルム110は、弾性復元力により、撓む前の状態、すなわち、半導体チップ100から離間した状態に自動的に戻る。そして、この状態になれば、カバーフィルム110のフィードを行えばよい。かかる構成とすれば、フィードの度に、カバーフィルム110を昇降させる必要がなく、実装処理の制御をより簡易化できる。
【0064】
また、カバーフィルム110の半導体チップ100からの離間をより確実に発生させるために、実装ヘッド12に押圧されることで下方に撓むカバーフィルム110の一部と干渉する干渉部材40を設けてもよい。この干渉部材40は、下方に撓むカバーフィルム110の一部と干渉する一方で、半導体チップ100に向かって下降する実装ヘッド12とは干渉しないことが求められる。したがって、干渉部材40としては、例えば、
図12Aに示すように、実装区画106の配設間隔で、実装ヘッド12の底面よりも大きい矩形孔42が形成された略ハシゴ状部材を用いることができる。かかる干渉部材40を設けた場合、
図12Bに示すとおり、実装ヘッド12に押圧されたカバーフィルム110は、干渉部材40がない場合に比べて、より急勾配で撓むことになり、弾性復元力がより強く働く。その結果、カバーフィルム110が半導体チップ100から、より確実に離間する。なお、
図12A、
図12Bに示した干渉部材40の形状は、一例であり、当然ながら、他の形状でもよい。
【0065】
また、これまでの説明では、カバーフィルム110の幅を、実装区画106一列分の幅としているが、カバーフィルム110の幅は、より大きくてもよい。例えば、
図13に示すように、カバーフィルム110は、実装区画106二列分の幅を有していてもよい。かかる構成とすることで、カバーフィルム110で同時に覆える実装区画106の個数が増加するため、フィード回数をより低減でき、ひいては、タクトタイムをより短縮できる。なお、カバーフィルム110の配置制御を簡易化するためには、フィルム送出機構24は、カバーフィルム110が、二次元アレイ状の実装区画106を、列単位で覆うように、当該カバーフィルム110を掛け渡すことが望ましい。
【0066】
また、これまでの説明では、略矩形の基板104に対する実装のみを例示したが、基板104は、矩形に限らず、他の形状、例えば、円形等でもよい。したがって、本明細書で開示する実装装置10は、略円形のウェーハに半導体チップ100をボンディングするCoW(Chip On Wafer)に適用されてもよい。なお、円形基板104の場合、
図14に示すとおり、カバーフィルム110の水平位置に応じて、当該カバーフィルム110が同時に覆える実装区画106の個数が変化する。この場合、カバーフィルム110の水平位置(同時に覆える実装区画106の個数)に応じて、カバーフィルム110のフィード距離を変化させてもよい。かかる構成とすれば、カバーフィルム110のロスを低減できる。また、別の形態として、カバーフィルム110のフィード距離を、最大値、すなわち、基板104の直径相当に固定してもよい。この場合、使用されることなく、巻き取られるカバーフィルム110が増えるが、カバーフィルム110のフィード制御を単純化できる。
【0067】
また、これまでは、基板104上に、半導体チップ100を、一段ずつ実装する形態のみを例示したが、
図15に示すように、2以上の半導体チップ100を、厚み方向に積層して実装してもよい。すなわち、この場合、1段目の半導体チップ100にとっては、基板104が被実装体であり、2段目の半導体チップ100にとっては、1段目の半導体チップ100が被実装体となる。
【0068】
この場合、仮圧着処理では、まず、複数の半導体チップ100を厚み方向に仮圧着しながら積層した仮積層体120を、各実装区画106に形成する。そして、その後、本圧着処理において、仮積層体120の上面を実装ヘッド12で加熱加圧することで、当該仮積層体120を構成する複数の半導体チップ100を一括で本圧着する。この製造形態においても、仮圧着処理の際には、カバーフィルム110を、退避位置に退避させ、本圧着処理の際には、カバーフィルム110を、本圧着対象の半導体チップ100と実装ヘッド12との間である仲介位置に配置すればよい。
【0069】
また、これまでは、実装ヘッド12が水平方向に移動する構成を例示したが、実装ヘッド12に替えて、ボンディングステージ14が水平方向に移動する構成としてもよい。
図16は、ボンディングステージ14が水平移動する実装装置10の一例を示す図である。この例では、ボンディングステージ14は、第一方向(基板104の長尺方向)への移動と、第二方向(基板104の短手方向)への移動を許容するXYテーブル48を備えている。この場合、制御部20は、仮圧着および本圧着の対象となる実装区画106が、実装ヘッド12の真下に位置するように、XYテーブル48を駆動して、ボンディングステージ14を水平移動させる。そして、実装ヘッド12は、真下に下降することで、実装区画106に半導体チップ100を仮圧着または本圧着する。なお、この場合、実装ヘッド12は、昇降のみ行い、水平移動しないため、当該実装ヘッド12に、新たな半導体チップ100を供給する供給機構50などを設けることが望ましい。また、この場合、フィルム配置機構18は、基板104と連動して水平移動できるように、ボンディングステージ14上に設置されることが望ましい。
【0070】
また、これまでは、実装区画106に、接着材料108を予め塗布する先塗布方式を例示したが、本明細書で開示する実装装置10は、先塗布方式に限らず、接着材料108を介して半導体チップ100を被実装体に実装するのであれば、他のボンディング方式に適用してもよい。例えば、被実装体ではなく、半導体チップ100の裏面にDAF(ダイアタッチフィルム)と呼ばれる接着剤を貼り付けておき、このDAFを加熱硬化させて半導体チップ100を被実装体に実装してもよい。この場合であっても、半導体チップ100と実装ヘッド12との間にカバーフィルム110を介在させることで、ヒュームガスの実装ヘッド12への侵入を効果的に防止できる。