(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記設定部は、前記オブジェクトが放たれる以前の所定期間において、前記プレイヤがいかなる順序で指定の変更を行っても、前記基準位置と前記軌道種類をその指定の変更の順序に従って再度設定する、請求項1に記載の情報処理装置。
仮想空間内において、プレイヤの指示に基づいて放たれ、前記プレイヤの指定した種類の軌道に基づいて移動するオブジェクトの制御を行う情報処理装置によって実行されるゲームプログラムであって、
前記ゲームプログラムは前記情報処理装置を、
前記オブジェクトが放たれる以前の所定期間において、前記プレイヤによる前記オブジェクトの到達位置を決定するのに用いられる基準位置の指定内容に応じて可変の第1指標と、前記プレイヤによる前記オブジェクトの軌道種類の指定内容に応じて可変の第2指標を共に表示させる処理部と、
前記所定期間において、前記基準位置と、前記軌道種類を、前記プレイヤがいかなる順序で指定しても、その指定された順序に従って設定する設定部と、
前記設定部において設定した前記基準位置と前記軌道種類に基づいて前記オブジェクトの移動処理を行う移動処理部として機能させる、ゲームプログラム。
仮想空間内において、プレイヤの指示に基づいて放たれ、前記プレイヤの指定した種類の軌道に基づいて移動するオブジェクトの制御を行う情報処理装置のゲーム制御方法であって、
(a)前記オブジェクトが放たれる以前の所定期間において、前記プレイヤによる前記オブジェクトの到達位置を決定するのに用いられる基準位置の指定内容に応じて可変の第1指標と、前記プレイヤによる前記オブジェクトの軌道種類の指定内容に応じて可変の第2指標を共に表示させるステップと、
(b)前記所定期間において、前記基準位置と、前記軌道種類を、前記プレイヤがいかなる順序で指定しても、その指定された順序に従って設定するステップと、
(c)前記ステップ(b)において設定した前記基準位置と前記軌道種類に基づいて前記オブジェクトの移動処理を行うステップを含む、ゲーム制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1を参照して、限定しない一例のゲーム装置10はCPU20を含み、CPU20には、RAM22、フラッシュメモリ24、第1通信モジュール26、第2通信モジュール28、入力装置30、表示ドライバ32およびD/A変換器34が接続される。また、表示ドライバ32には、表示装置36が接続され、D/A変換器34には、スピーカ38が接続される。
【0042】
たとえば、この実施例のゲーム装置10は、携帯型の情報処理装置であるが、ゲーム専用機に限定される必要はなく、ゲーム機能を有する携帯端末であってもよい。ゲーム機能を有する携帯端末の典型例は、フィーチャフォンおよびスマートフォンである。
【0043】
CPU20は、ゲーム装置10の全体制御を司る。RAM22は、揮発性記憶媒体であり、CPU20のワークメモリやバッファメモリとして使用される。フラッシュメモリ24は、不揮発性記憶媒体であり、ゲームのようなアプリケーションのプログラムを記憶したり、各種のデータを記憶(セーブ)したりするために使用される。
【0044】
ただし、アプリケーションは、ゲームのアプリケーションに限定される必要は無く、文書作成アプリケーション、電子メールアプリケーション、お絵描きアプリケーション、文字練習用アプリケーション、語学トレーニングアプリケーション、学習アプリケーションなどの様々なアプリケーションも実行可能である。
【0045】
第1通信モジュール26は、たとえばIEEE802.11.b/gの規格に準拠した方式により、無線LANに接続する機能を有する。したがって、たとえば、CPU20は、第1通信モジュール26を用いて、アクセスポイントおよびインターネット(ネットワーク)を介して他の機器(コンピュータや他のゲーム装置10など)との間でデータを送受信する。ただし、第1通信モジュール26を用いて、他の機器との間で直接データを送受信することもできる。
【0046】
第2通信モジュール28は、近距離無線通信を行う機能を有する。具体的には、第2通信モジュール28は、所定の通信方式(たとえば、赤外線方式)により、他の機器(他のゲーム装置など)との間で赤外線信号の送受信を行う機能、および所定の通信プロトコル(たとえば、マルチリンクプロトコル)に従って、同種のゲーム装置との間で無線通信を行う機能を有する。したがって、たとえば、CPU20は、第2通信モジュール28を用いて、同種の他のゲーム装置との間でデータを直接送受信することもできる。ただし、赤外線方式の近距離無線通信に代えて、Bluetooth(登録商標)のような他の無線通信規格に従う近距離無線通信を行うようにしてもよい。
【0047】
入力装置30は、たとえば、ゲーム装置10に設けられる各種の押しボタンないしスイッチであり、ユーザによって、メニュー選択やゲーム操作などの各種の操作に用いられる。ただし、入力装置30としては、タッチパネルなどのポインティングデバイス、マイクおよびカメラなどの入力手段が、押しボタンないしスイッチに代えて、または、押しボタンないしスイッチとともに設けられてもよい。また、タッチパネルは、後述する表示装置36に組み込まれる場合もある。この場合の表示装置36は、タッチパネル一体型表示装置である。
【0048】
表示ドライバ32は、CPU20の指示の下、表示装置36にゲーム画像などの各種画像を表示するために使用される。図示は省略するが、表示ドライバ32は、ビデオRAM(VRAM)を内蔵している。
【0049】
D/A変換器34は、CPU20から与えられる音声データをアナログのゲーム音声に変換し、スピーカ38に出力する。ただし、ゲーム音声は、ゲームのキャラクタないしオブジェクトの擬制音、効果音、音楽(BGM)のようなゲームに必要な音を意味する。
【0050】
なお、
図1に示すゲーム装置10の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。たとえば、第1通信モジュール26または/および第2通信モジュール28は無くてもよい。
【0051】
図2は
図1に示すゲーム装置10でプレイされる野球ゲームにおいて、投手オブジェクト160(
図3参照)に投球させる場合に表示装置36に表示されるゲーム画面100の限定しない一例を示す。ゲーム画面100には、バッターを模したオブジェクト(バッターオブジェクト)102およびキャッチャーを模したオブジェクト(キャッチャーオブジェクト)104が表示される。また、ゲーム画面100には、グラウンド、バッターボックス、キャッチャーズボックス、ホームベースおよびファールラインなどの背景オブジェクト106も表示される。ただし、
図2に示すゲーム画面100では、キャッチャーオブジェクト104の背後に位置する、審判のオブジェクト、バックネットのオブジェクトおよび観客のオブジェクトなどを省略してある。このことは、
図3においても同じである。
【0052】
また、キャッチャーオブジェクト104の前方(前面)には、指標オブジェクト110が表示され、指標オブジェクト110の左右に操作ガイド150が表示される。
【0053】
指標オブジェクト110は、投手オブジェクト160に投球させる場合に投球に関する内容(情報)を設定するとともに、投球を指示し、投球の成否を判断するための指標である。この実施例では、投球に関する内容とは、ボールオブジェクト162(
図3参照)の投げ込み位置(投球コース)および球種である。ただし、投球コースおよび球種を指定する順序は決まっておらず、プレイヤは順序に関係無く投球コースおよび球種を指定することができる。つまり、プレイヤが投球コースおよび球種をいかなる順序で指定しても、その指定した順序に従って投球コースおよび球種が設定される。また、投球前においては(投球指示が有るまでは)、投球コースおよび球種の少なくとも一方の指定を変更することができる。投球コースおよび球種の両方の指定を変更する場合には、プレイヤがいかなる順序で投球コースおよび球種の変更を指定しても、その指定した変更の順序に従って投球コースおよび球種が再度設定される。
【0054】
操作ガイド150は、指標オブジェクト110を移動可能な方向を示す矢印のオブジェクトであり、指標オブジェクト110の左右に表示される。この実施例では、指標オブジェクト110は、操作ガイド150が示すように、左右に移動可能である。ただし、指標オブジェクト110は、上下にも移動可能であってもよい。
【0055】
なお、操作ガイド150は、表示されなくてもよい。または、操作ガイド150は、野球ゲームが開始されてから所定時間(所定回)を経過するまで表示されるようにしてもよい。
【0056】
プレイヤが投球を指示すると、ゲーム画面100から指標オブジェクト110が非表示され、仮想カメラがズームアウトされ、ゲーム画面100には、バッターオブジェクト102およびキャッチャーオブジェクト104に加えて、投手オブジェクト160が表示される。そして、投手オブジェクト160が、投球動作を開始し、ボールオブジェクト162を投げる(放つ)。
【0057】
図3は、投手オブジェクト160が投球動作を行った後に、ボールオブジェクト162が仮想空間内を移動する場合の或る時点におけるゲーム画面100の他の例である。
【0058】
図3に示すように、投手オブジェクト160がボールオブジェクト162を投げると、後述で詳細に説明するように、投球の成否に応じて決定される軌跡に従って、ボールオブジェクト162は仮想空間内を移動する。
【0059】
図4は
図2に示した指標オブジェクト110の一例を示す図解図である。
図4に示すように、指標オブジェクト110はリング状のオブジェクト(リングオブジェクト)120を含み、リングオブジェクト120は後述する位置指定オブジェクト130およびタイマオブジェクト140の周囲を囲む位置に配置される。
【0060】
リングオブジェクト120上には、投手オブジェクト160が投球可能な球種(持ち球)を示す1つまたは複数のオブジェクト(球種オブジェクト)122が視認可能(選択可能)に表示される。球種オブジェクト122は、投球可能な球種を認識可能な指標として機能する。この実施例では、球種オブジェクト122は、後述する位置指定オブジェクト130およびタイマオブジェクト140の周囲を囲むように、リングオブジェクト120上に配置される。
【0061】
また、リングオブジェクト120上には、投球することを指定(選択)した球種に対応する位置に判定領域(判定オブジェクト)124が表示される。判定領域124は、指定している(選択中の)球種を認識可能な指標として機能する。ただし、この実施例では、球種が指定されると、ボールオブジェクト162の軌道(経路)の種類が決定(設定)される。判定領域124は、リングオブジェクト120上にあり、後述するように、プレイヤによって指定された球種に対応する位置に表示されるため、位置指定オブジェクト130と隣り合った位置に表示される。
【0062】
さらに、リングオブジェクト120上を移動し、ボールオブジェクト162の移動を開始するタイミングを指示するオブジェクト(リリースオブジェクト)126が表示される。ただし、ボールオブジェクト162の移動を開始するタイミングとは、ボールオブジェクト162を投げる動作(投球動作)を開始するタイミングを意味する。リリースオブジェクト126は、リングオブジェクト120上のような所定の経路を移動され、上記の判定領域124とともに、プレイヤが投球動作の開始を指示するタイミングを図るための指標として機能する。
【0063】
また、指標オブジェクト110は、その中心に、投球コースの目標位置を指定するための指標として用いられる位置指定オブジェクト130を含む。ただし、投球コースの目標位置は、ボールオブジェクト162の目標の到達位置であり、ボールオブジェクト162の実際の到達位置を決定するのに用いられる基準位置である。
【0064】
さらに、位置指定オブジェクト130の周囲には、投球動作またはボールオブジェクト162の移動を開始させるまでの所定期間(制限時間)を報知するためのリング状のオブジェクト(タイマオブジェクト)140を含む。タイマオブジェクト140は、制限時間を認識可能な指標として機能する。
【0065】
このように、指標オブジェクト110は、リングオブジェクト120、1つまたは複数の球種オブジェクト122、判定領域(判定オブジェクト)124、リリースオブジェクト126、位置指定オブジェクト130およびタイマオブジェクト140が一つにまとまって構成される。つまり、指標オブジェクト110は、単一のユーザ・グラフィカル・インターフェースである。したがって、位置指定オブジェクト130を用いてボールオブジェクト162の目標位置を指定する場合には、指標オブジェクト110の全体が移動される。つまり、位置指定オブジェクト130の移動に連動して、リングオブジェクト120、球種オブジェクト122、判定領域(判定オブジェクト)124、リリースオブジェクト126およびタイマオブジェクト140が移動される。
【0066】
また、この実施例の指標オブジェクト110は、プレイヤの有効視野に収まる大きさで構成される。ただし、有効視野の中心は、指標オブジェクト110(または位置指定オブジェクト130)の中心に設定される。
【0067】
ここで、有効視野は、瞬時に視線移動し、高性能に情報受容が可能な範囲(水平(左右):±15°、上:8°、下:12°)を意味する。ただし、携帯型のゲーム装置10では、指標オブジェクト110の大きさ(範囲)は、プレイヤが自身の眼との距離を第1所定距離(たとえば、30cm)隔てて当該ゲーム装置10を把持していると仮定した場合に、有効視野に対応する、表示装置36の表示面または表示装置36に表示されるゲーム画面100上の領域ないし範囲に収まる大きさ(範囲)である。また、据置型のゲーム装置10では、指標オブジェクト110の大きさ(範囲)は、プレイヤが自身の眼との距離を第2所定距離(たとえば、2m〜5m)隔てて当該ゲーム装置10に接続されるテレビモニタ(図示せず)が設けられると仮定した場合に、有効視野に対応する、テレビモニタの表示面またはテレビモニタに表示されたゲーム画面100上の領域ないし範囲に収まる大きさ(範囲)である。さらに、アーケードゲームについても同様に、画面とプレイヤの眼の距離で有効視野に対応する画面上の領域ないし範囲が決定され、決定された領域ないし範囲に収まる大きさで指標オブジェクト110が表示される。
【0068】
したがって、プレイヤは、顔(頭部)の向きを変えなくても、指標オブジェクト110に視線を向けるだけで、投球コースの指定、球種の指定および投球指示を行うことができる。
【0069】
上述したように、この実施例では、指標オブジェクト110は、有効視野に収まる大きさで構成されるが、携帯型のゲーム装置10であれば、頭部を動かさなくても視線を移動させるだけで、表示装置36の表示面の全体を見ることができる。このため、指標オブジェクト110を構成する各オブジェクト(120、122、124、126、130、140)は、プレイヤが投球内容の設定を開始してから投球指示するまでの間において、一緒に表示面内(ゲーム画面100)に表示されていれば良いと考えられる。
【0070】
図5(A)に示すように、指標オブジェクト110には、リングオブジェクト120上に最大で6つの球種オブジェクト122(122a、122b、122c、122d、122e、122f)が表示される。この実施例では、球種オブジェクト122は点で示されるが、これは単なる一例であり、他の形状または図形で示されてもよい。
【0071】
図5(B)に示すように、この実施例では、右投げ(右投手)の場合に、球種オブジェクト122aはストレートを示し、球種オブジェクト122bはシュートを示し、球種オブジェクト122cはシンカーを示し、球種オブジェクト122dはフォークを示し、球種オブジェクト122eはカーブを示し、そして、球種オブジェクト122fはスライダーを示す。一方、左投げ(左投手)の場合には、右投手の場合と左右反転し、球種オブジェクト122aはストレートを示し、球種オブジェクト122bはスライダーを示し、球種オブジェクト122cはカーブを示し、球種オブジェクト122dはフォークを示し、球種オブジェクト122eはシンカーを示し、そして、球種オブジェクト122fはシュートを示す。以下、この明細書において同様である。
【0072】
このように、右投手および左投手のそれぞれについて、球種オブジェクト122b−122fは、リングオブジェクト120上において、変化球が曲がる方向に対応する位置に配置される。したがって、プレイヤは球種を直感的に指定することができる。
【0073】
ただし、球種オブジェクト122は、投手オブジェクト160が投球可能な球種(持ち球)についてだけ表示されるため、直球しか投げない投手オブジェクト160が選択されている場合には、球種オブジェクト122aしかリングオブジェクト120上に表示されない。他の実施例としては、すべての投手オブジェクトがすべての球種を投球可能な構成としてもよい。かかる場合には、使用する投手オブジェクト160に拘わらず、
図5に示したように、すべての球種オブジェクト122(122a−122f)が表示される。
【0074】
詳細な説明は省略するが、投手オブジェクト160は複数存在し、プレイヤによって1の投手オブジェクト160が選択される。
【0075】
投手オブジェクト160が投球する毎に、球種はプレイヤの操作に従って指定される。たとえば、ゲーム装置10が備える入力装置30において方向入力ボタン(十字ボタン)を用いることにより、直接的に、所望の球種オブジェクト122a〜122fのいずれかを指定することができる。また、他のボタンないしキーを操作することにより、球種オブジェクト122a〜122fを順次(時計回りまたは反時計回りに)指定することもできる。
【0076】
図5(A)では省略するが、球種(球種オブジェクト122a〜122f)が指定される度に、指定されている(選択中の)球種オブジェクト122a〜122fの前面に重なるように、判定領域124が表示される。ただし、投球開始時においては、デフォルトでストレートが指定され、判定領域124は、球種オブジェクト122aに重なる位置に表示される。ただし、投球開始時とは、各回において、各バッターオブジェクト
102に対して一球目のボールオブジェクト162を投球する時を意味する。ただし、投球開始時は、各回における最初のバッターオブジェクト
102に対して一球目のボールオブジェクト162を投球する時であってもよい。
【0077】
また、後で詳細に説明するが判定領域124は、ストレートとそれ以外の球種で異なり、また、投手オブジェクト160が得意な(コントロールの良い)球種と不得意な(コントロールの悪い)球種とそれらのいずれでもない球種(コントロールが普通の球種)とで大きさ(範囲)が異なる。
【0078】
リリースオブジェクト126は、上述したように、リングオブジェクト120上を周回するように移動するが、右投手の場合と左投手の場合とで、移動する向きが異なる。この実施例では、右投手の場合には、リリースオブジェクト126はリングオブジェクト120上を反時計回り(CCW)に移動する。一方、左投手の場合には、リリースオブジェクト126はリングオブジェクト120上を時計回り(CW)に移動する。
【0079】
位置指定オブジェクト130は、上述したように、目標の投球コースを指定する。上述したように、目標の投球コースは、ボールオブジェクト162の目標位置である。
プレイヤは、指標オブジェクト110を左右に移動させ、その中心に位置する位置指定オブジェクト130(の中心)をボールオブジェクト162の目標位置に指定する。
【0080】
タイマオブジェクト132は、投球可能な状態になってから制限時間のカウントが開始されると、たとえば、時計の0時(12時)に相当する位置から制限時間のカウントに従って次第に短くされ、制限時間のカウントが終了されたときに、すべて消去される。ただし、投球可能な状態とは、バッターオブジェクト102がバッターボックス内に立っており、投手オブジェクト160がボールオブジェクト162を持っている状態を意味する。
【0081】
たとえば、投手オブジェクト160がボールオブジェクト162を投げる前に、制限時間のカウントを終了すると、制限時間のカウントを終了したことに応じて自動的に投球指示が入力される。
【0082】
プレイヤは、リリースオブジェクト126が判定領域124上に重なったときにリリース(投球)指示を入力するように操作する。リリースオブジェクト126が判定領域124に重なる位置で投球指示が入力された場合には、投球成功と判断される。一方、リリースオブジェクト126が判定領域124に重ならない位置で投球指示が入力された場合には、投球失敗と判断される。
【0083】
たとえば、プレイヤが投球指示を入力すると、これに応じて、リリースオブジェクト126が停止される。このリリースオブジェクト126の位置が判定領域124内に収まっているかどうかで、つまり、判定領域124とリリースオブジェクト126との位置関係に基づいて、投球の成否が判断される。
【0084】
投球成功と判断された場合には、指定した球種に従う軌道で、指定した目標位置に到達するように、ボールオブジェクト162が移動する。また、投球成功と判断された場合には、球速は投手オブジェクト160が持つ能力に応じた速度と同じである。たとえば、球速は、各投手オブジェクト160に対応して、ストレートの球速(第1速度)と、変化球の球速(第2速度)が用意されている。ただし、第1速度は第2速度よりも大きい。また、球種がストレートの場合に、さらに、ナイスピッチングが判断されると、第1速度が所定速度上昇される。
【0085】
一方、投球失敗と判断された場合には、判定領域124とリリースオブジェクト126のずれ量に応じて、実際にボールオブジェクト162が到達する位置(到達位置)が指定した目標位置からずれるように、ボールオブジェクト162が移動される。たとえば、ずれ量が所定の閾値未満であれば、ずれ量に応じてボールオブジェクト162の到達位置が目標位置から左または右に移動される。つまり、ずれ量に応じて、ボールオブジェクト162の目標位置と到達位置との差が設定される。また、ずれ量が所定の閾値以上であれば、暴投になるようにボールオブジェクト162が移動される、または、ど真ん中にボールオブジェクト162が移動される。この実施例では、投球失敗と判断されると、変化球が指定されていても、ボールオブジェクト162の軌道は変化されずにストレートになる。また、投球失敗と判断された場合には、ボールオブジェクト162の移動速度(球速)は、設定された球種に拘わらず、投手オブジェクト160が持つ能力に応じた変化球の場合の球速(第2速度)に設定される。
【0086】
このように、判定領域124とリリースオブジェクト126との位置関係に基づいて、ボールオブジェクト162の実際の到達位置およびボールオブジェクト162の移動速度が設定される。つまり、判定領域124とリリースオブジェクト126との位置関係に基づいて、ボールオブジェクト162の目標位置と実際の到達位置の差が設定されるとともに、指定した球種に応じた球速と実際の球速の差が設定されるとも言える。ただし、ボールオブジェクト162の実際の到達位置(目標位置と実際の到達位置の差)、または、ボールオブジェクト162の移動速度(指定した球種に応じた球速と実際の球速の差)が設定されるようにしてもよい。
【0087】
たとえば、ずれ量は、判定領域124とリリースオブジェクト126の円周上の距離または直線距離である。ただし、ずれ量は、リングオブジェクト120の中心点を中心とする中心角θまたは中心角θを用いた直線距離sinθでもよい。また、所定の閾値は、開発者等が設定する値であり、シミュレーションによって経験的に得られる。
【0088】
上述したように、この実施例では、判定領域124は、球種を指定する場合の指標として機能する。また、判定領域124は、リリースオブジェクト126との位置関係に基づいて、投球指示を入力するタイミングを図る指標の一部としても機能する。つまり、判定領域124は、異なる2つの指標として共通に使用される。
【0089】
なお、この実施例では、判定領域124の大きさを変化させるようにしてあるが、大きさが一種類の判定領域124を用意しておき、球種に応じて、リリースオブジェクト126の移動速度を変化させてもよい。このようにしても、得意な(コントロールの良い)球種、不得意な(コントロールの悪い)球種および普通の球種を表現することができる。
【0090】
また、投手オブジェクト160の体力値が減るに従って、判定領域124の大きさを小さくする、または/および、リリースオブジェクト126の移動速度を大きくするようにしてもよい。このようにすれば、投手オブジェクト160が疲れるに従って、コントロールの精度が低下することを表現することができる。
【0091】
図6(A)は球種がストレートの場合の判定領域124の一例を示す図解図であり、
図6(B)は球種がストレート以外(変化球)の場合の判定領域124の一例を示す図解図である。
【0092】
図6(A)および(B)に示すように、判定領域124は複数種類(この実施例では、3種類)用意されている。この実施例では、判定領域124の大きさが異なる。より具体的には、判定領域124の幅(リングオブジェクト120の周方向における長さ)が異なる。このように、大きさの異なる3種類の判定領域124を用いるのは、投手オブジェクト160毎に、得意な球種、不得意な球種およびどちらでもない(普通の)球種を設定するためである。
【0093】
この実施例では、得意な球種の場合には、大きい判定領域124が設定され、不得意な球種の場合には、小さい判定領域124が設定され、そして、普通の球種の場合には、中くらいの判定領域124が設定される。したがって、判定領域124は、指定された球種に応じて表示される位置が変化されるとともに、得意な球種、不得意な球種および普通の球種に応じて表示される大きさが変化される。つまり、判定領域124は、プレイヤによって指定される球種に応じて可変の指標である。
【0094】
したがって、得意な球種であれば、判定領域124が大きいため、リリースオブジェクト126が判定領域124に重なる位置で停止される可能性が高くされる。つまり、コントロールが良いと言える。一方、不得意な球種であれば、判定領域124が小さいため、リリースオブジェクト126が判定領域124に重なる位置で停止される可能性が低くされる。つまり、コントロールが悪いと言える。普通の球種であれば、判定領域124の大きさは中くらいであるため、リリースオブジェクト126が判定領域124に重なる位置で停止される可能性も中程度にされる。つまり、コントロールの良さは普通である。このように、球種毎の難易度が判定領域124の大きさで設定される。したがって、プレイヤは判定領域124の大きさを見れば、指定されている球種が、使用中の投手オブジェクト160にとって、得意な球種であるか、不得意な球種であるか、普通の球種であるかを容易に判断することができる。
【0095】
また、
図6(A)に示すように、球種がストレートである場合には、判定領域124の内部の一部(中央)に、ナイスピッチングかどうかを判断するための領域(以下、「一部領域」という)124aが設定される。
図6(A)からも分かるように、一部領域124aの大きさは固定であり、判定領域124の大きさに応じて変化されない。ただし、一部領域124aの大きさは、判定領域124の大きさに比例または反比例して変化されてもよい。
【0096】
なお、この実施例では、球種がストレートである場合にのみ、判定領域124内に一部領域124aを設定するようにしてあるが、すべての球種、得意な球種または不得意な球種にだけ一部領域124aを設定するようにしてもよい。または、すべての球種において、一部領域124aを設定しないようにしてもよい。
【0097】
図6(C)は球種がストレートである場合の指標オブジェクト110の一例を示す図解図であり、
図6(D)は球種がシンカー(右投手)である場合の指標オブジェクト110の一例を示す図解図である。
【0098】
図6(C)に示すように、指定されている球種がストレートである場合には、ストレートを示す球種オブジェクト122a上(の前面)に判定領域124が設定(表示)される。
図6(C)に示す例では、中くらいの大きさの判定領域124が表示されるため、使用中の投手オブジェクト160にとっては、ストレートは普通の(コントロールが普通である)球種であることが分かる。
【0099】
また、
図6(D)に示すように、指定されている球種がシンカーである場合には、シンカーを示す球種オブジェクト122cの前面に判定領域124が表示される。
図6(D)に示す例では、小さい判定領域124が表示されるため、使用中の投手オブジェクト160にとっては、シンカーは不得意な(コントロールの悪い)球種であることが分かる。
【0100】
さらに、この実施例では、球種に応じて位置指定オブジェクト130の表示が変化される。位置指定オブジェクト130にはボールの図柄が付されており、球種に応じて図柄が変化される。この実施例では、指定されている球種を実際にピッチャーが投げる場合のボールの握り方に応じたボールの縫い目のパターンが表現された図柄が表示される。ただし、各球種を投げる場合のボールの握り方は、一般的に知られている握り方である。
【0101】
このように、球種に応じたボールの図柄で位置指定オブジェクト130を表示するので、この位置指定オブジェクト130のボールの図柄から指定されている球種を知ることもできる。
【0102】
なお、この実施例で示した指標オブジェクト110は一例であり、限定されるべきでない。
図7−
図9には、指標オブジェクト110の他の例が示される。ただし、他の例の指標オブジェクト110もまた、有効視野に収まる大きさで構成される。
【0103】
たとえば、リングオブジェクト120は、閉曲線の一例である円の形状にしたが楕円であってもよい。また、リングオブジェクト120の形状は、閉曲線に限定される必要は無く、
図7(A)および(B)に示すように、三角形、四角形などの多角形であってもよい。以下、閉曲線の図形および多角形をまとめて「閉じた図形」と呼ぶことにする。円以外の閉じた図形のリングオブジェクト120が用いられる場合であっても、投手オブジェクト160の持ち球についての球種オブジェクト122がリングオブジェクト120上に表示され、指定された球種に対応する球種オブジェクト122が表示される位置に判定領域124が表示され、リリースオブジェクト126がリングオブジェクト120上を移動される。ただし、
図7(A)および(B)では、判定領域124を省略してある。
【0104】
また、球種オブジェクト122は、リングオブジェクト120に重ねて表示してあるが、リングオブジェクト120の内側または外側にずらして表示してもよい。かかる場合であっても、リングオブジェクト120上において、指定された球種に対応する球種オブジェクト122が表示される位置に判定領域124を表示することができる。
図7(C)には、球種オブジェクト122(122a−122f)をリングオブジェクト120の外側にずらして表示した場合の指標オブジェクト110の例が示される。ただし、
図7(C)では判定領域124を省略してある。
【0105】
さらに、上述した指標オブジェクト110では、位置指定オブジェクト130およびタイマオブジェクト140の周囲を囲むようにリングオブジェクト120を配置し、このリングオブジェクト120上に、球種オブジェクト122、判定領域(判定オブジェクト)124およびリリースオブジェクト126を配置するようにしたが、これに限定される必要はない。
【0106】
たとえば、
図8(A)に示すように、位置指定オブジェクト130およびタイマオブジェクト140を囲まずに、それらの近傍に、球種オブジェクト122、判定領域124およびリリースオブジェクト126を表示するようにしてもよい。かかる場合には、球種オブジェクト122a−122fは、それぞれ、判定領域124を設定するための長方形(四角形)で示される。また、帯状(直線状)に並べられた球種オブジェクト122a−122fをまとめて球種指定オブジェクト220と呼ぶことにする。
【0107】
図8(A)に示すように、他の例の指標オブジェクト110では、位置指定オブジェクト130およびタイマオブジェクト140の下方に、横長の球種指定オブジェクト220が配置される。ただし、
図8(A)では、指標オブジェクト110を分かり易く示すために、比較的大きく記載してあるが、上述したように、指標オブジェクト110の大きさは、有効視野に収まる大きさである。たとえば、球種指定オブジェクト220では、球種オブジェクト122a−122fが左から順に並べられる。
【0108】
図示は省略するが、投手オブジェクト160が投球可能な球種(持ち球)については、球種オブジェクト122a−122fは、カラーまたは高い輝度のモノクロで表示される。一方、投手オブジェクト160が投球できない球種については、球種オブジェクト122a−122fは、グレーアウトで表示される。
【0109】
プレイヤが球種を指定すると、指定された球種に対応する球種オブジェクト122a−122f内に、判定領域124が設定(表示)される。このようにしても、判定領域124は、位置指定オブジェクト130と隣り合った位置に表示される。上述したとおり、判定領域124の大きさは、3段階で設定され、
図8(A)に示す例では、球種としてストレートが指定され、普通の大きさの判定領域124が設定される。また、判定領域124内には、投球がナイスピッチングであるかどうかを判断するための一部領域124aが設定される。言い換えると、投球の指示のタイミングが、リリースオブジェクト126が判定領域124の中央またはその近傍を指示するタイミングであるかどうかが判断される。
【0110】
また、
図8(B)は、指定された球種に対応する球種オブジェクト122cに対して、大きい判定領域124が設定された場合について示す。さらに、
図8(C)は、指定された球種に対応する球種オブジェクト122cに対して、小さい判定領域124が設定された場合について示す。ただし、
図8(B)および(C)では、指標オブジェクト110のうちの球種指定オブジェクト220のみを示してある。
【0111】
図8(A)〜(C)に示す例では、大きい判定領域124は、各球種オブジェクト122a〜122fと同じ大きさであり、普通の判定領域124は、各球種オブジェクト122a〜122fの3分の2の幅であり、小さい判定領域124は、各球種オブジェクト122a〜122fの3分の1の幅である。
【0112】
このように、判定領域124の幅を変化させるのは、リリースオブジェクト126を移動させる方向が球種指定オブジェクト220の幅方向に設定してあるからである。たとえば、守備を開始したとき(攻撃側から守備側に交代した当初)においては、球種指定オブジェクト220の左端からリリースオブジェクト126が右方向に移動を開始し、右端まで移動する。プレイヤが投球指示を入力するまでは、または、制限時間を経過するまでは、リリースオブジェクト126は、右端に到達すると、再び左端から右方向に移動を開始する。これが繰り返される。ただし、右端に到達すると、折り返して、右端から左方向に移動を開始し、リリースオブジェクト126が往復するように移動してもよい。
【0113】
なお、リリースオブジェクト126は、球種指定オブジェクト220(球種オブジェクト122a−122f)の上端に沿って移動するが、下端に沿って移動してもよい。または、リリースオブジェクト126の移動方向と垂直な方向に延びる縦長のリリースオブジェクト126を、球種指定オブジェクト220内をその長手方向に移動されるようにしてもよい。これらのことは、後述する
図9(B)に示す場合についても同様のことが言える。
【0114】
図8(A)に示す例では、横長の球種指定オブジェクト220を位置指定オブジェクト130およびタイマオブジェクト140の下方に配置するようにしてあるが、位置指定オブジェクト130
およびタイマオブジェクト140の上方に配置するようにしてもよい。
【0115】
また、縦長の球種指定オブジェクト220を構成し、位置指定オブジェクト130およびタイマオブジェクト140の横に並べて配置するようにしてもよい。たとえば、
図9(A)に示すように、縦長の球種指定オブジェクト220を、位置指定オブジェクト130およびタイマオブジェクト140の右側に配置するようにしてもよい。
図9(A)に示す例の球種指定オブジェクト220では、縦長の球種オブジェクト122a−122fが上から下に向かう方向に並んで配置される。この場合、リリースオブジェクト126は、球種指定オブジェクト220の上端から下端まで移動する。プレイヤが投球指示を入力するまでは、または、制限時間を経過するまでは、リリースオブジェクト126は、下端に到達すると、再び上端から下方向に移動を開始する。これが繰り返される。ただし、下端に到達すると、折り返して、下端から上方向に移動を開始し、リリースオブジェクト126が往復するように移動してもよい。
【0116】
なお、リリースオブジェクト126は、球種指定オブジェクト220(球種オブジェクト122a−122f)の右端に沿って移動するが、左端に沿って移動してもよい。または、リリースオブジェクト126の移動方向と垂直な方向に延びる横長のリリースオブジェクト126を、球種指定オブジェクト220内をその長手方向に移動されるようにしてもよい。これらのことは、後述する
図9(C)に示す場合についても同様のことが言える。
【0117】
また、球種指定オブジェクト220は、位置指定オブジェクト130およびタイマオブジェクト140の左側に配置するようにしてもよい。たとえば、左打者の場合には、球種指定オブジェクト220を位置指定オブジェクト130およびタイマオブジェクト140の右側に配置し、右打者の場合には、球種指定オブジェクト220を位置指定オブジェクト130およびタイマオブジェクト140の左側に配置するようにしてもよい。
【0118】
さらに、他の例の指標オブジェクト110では、2つの球種指定オブジェクト220aおよび220bに分割し、
図9(B)に示すように、球種指定オブジェクト220aおよび球種
指定オブジェクト
220bを、位置指定オブジェクト130およびタイマオブジェクト140を挟むように上下に配置し、または、
図9(C)に示すように、球種指定オブジェクト220aおよび球種指定オブジェクト220bを、位置指定オブジェクト130およびタイマオブジェクト140を挟むように左右に配置するようにしてもよい。
【0119】
図9(B)および(C)のいずれの場合にも、指定された球種に対応する球種オブジェクト122a−122fに判定領域124が設定される点は、上述した指標オブジェクト110の場合と同じである。判定領域124の大きさは、3種類であり、
図8(A)〜(C)に示した場合と同様である。
【0120】
図9(B)に示すように、球種指定オブジェクト220aおよび球種指定オブジェクト220bが位置指定オブジェクト130およびタイマオブジェクト140を挟むように上下に配置されている場合には、球種指定オブジェクト220aの左端からリリースオブジェクト126が右方向に移動を開始し、右端まで移動する。続いて、球種指定オブジェクト220bの左端からリリースオブジェクト126が右方向に移動を開始し、右端まで移動する。プレイヤが投球指示を入力するまでは、または、制限時間を経過するまでは、リリースオブジェクト126は、球種指定オブジェクト220bの右端に到達すると、再び球種指定オブジェクト220aの左端から右方向に移動を開始する。これが繰り返される。ただし、球種指定オブジェクト220bの右端に到達すると、折り返して、右端から左方向に移動を開始し、さらに、球種指定オブジェクト220bの左端に到達すると、球種指定オブジェクト220aの右端から左方向に移動を開始し、球種指定オブジェクト220aの左端まで到達すると、折り返して、左端から右方向に移動を開始し、リリースオブジェクト126が往復するように移動してもよい。
【0121】
図9(C)においても、リリースオブジェクト126の移動する方向が上下方向である以外は、
図9(B)に示した場合と同様である。
【0122】
ただし、
図9(B)および
図9(C)においては、指定された球種に対応して設定された判定領域124を含む球種指定オブジェクト220aまたは220bに沿ってリリースオブジェクト126を移動させるようにしてもよい。
【0123】
なお、タイマオブジェクト140は、位置指定オブジェクト130の周囲に配置する必要は無く、たとえば、リングオブジェクト120よりも大きいリング状に構成し、判定領域124に重ならないように配置してもよい。
【0124】
また、タイマオブジェクト140は、棒(帯)状に構成し、球種指定オブジェクト220に並行に配置してもよい。
【0125】
図10は
図1に示したゲーム装置10のRAM22のメモリマップ300の一例を示す図解図である。
図10に示すように、RAM22は、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304を含む。プログラム記憶領域302には、この実施例のゲームのアプリケーションプログラムのような情報処理プログラムが記憶され、情報処理プログラムは、メイン処理プログラム302a、画像生成プログラム302b、画像表示プログラム302c、目標位置設定プログラム302d、球種設定プログラム302e、判定領域設定プログラム302f、制限時間カウントプログラム302g、成否判断プログラム302hおよび移動制御プログラム302iなどを含む。
【0126】
メイン処理プログラム302aは、この実施例の野球ゲームのゲーム処理のメインルーチンを処理するためのプログラムである。画像生成プログラム302bは、画像生成用データ304bを用いてゲーム画像(ゲーム画面100など)のデータ(ゲーム画像データ)を生成するためのプログラムである。画像表示プログラム302cは、画像生成プログラム302bに従って生成されたゲーム画像データを表示装置36に出力するためのプログラムである。したがって、ゲーム画像データに対応するゲーム画像が表示装置36に表示される。
【0127】
目標位置設定プログラム302dは、プレイヤによって指定された位置を、ボールオブジェクト162(移動オブジェクト)を到達させる目標位置として設定するためのプログラムである。上述したように、目標位置設定プログラム302dは、プレイヤの操作に従って、指標オブジェクト110を移動させ、指標オブジェクト110を停止させた場合に、位置指定オブジェクト130が指示する位置がボールオブジェクト162の目標位置として設定される。ただし、ボールオブジェクト162の目標位置は、投球指示が入力されるまではその指定を変更することができる。
【0128】
球種設定プログラム302eは、プレイヤによって指定された球種を、投球するボールオブジェクト162の球種として設定するためのプログラムである。つまり、使用する投手オブジェクト160が投球可能な球種のうちから1つの球種が設定される。ただし、投手オブジェクト160が投球可能な球種は後述する持ち球データ304cを参照して知ることができる。また、ボールオブジェクト162の球種は、投球指示が入力されるまではその指定を変更することができる。
【0129】
判定領域設定プログラム302fは、球種設定プログラム302eに従って設定された球種に対応する、リングオブジェクト120上の位置に判定領域124を表示することを決定するとともに、判定領域124の大きさを、当該球種を投げるのが得意か、不得意か、普通かに応じて設定するためのプログラムである。判定領域124の画像データは、画像生成プログラム302bに従って生成され、ゲーム画像データに含まれる。ただし、設定された球種は、設定球種データ304eを参照して知ることができる。また、投手オブジェクト160が設定された球種を投げるのが得意か、不得意か、普通かについての情報は、後述する持ち球データ304cを参照して知ることができる。
【0130】
制限時間カウントプログラム302gは、制限時間をカウントするためのプログラムであり、タイマ304gを制御する。タイマ304gは、投手オブジェクト160がボールオブジェクト162を投げることが可能になると、制限時間のカウントを開始され、CPU20からの問い合わせに応じて、カウント値をCPU20に通知する。また、タイマ304gのカウント値に応じてタイマオブジェクト140の画像データが生成および変化(更新)される。
【0131】
成否判断プログラム302hは、投球(投球の指示)の成否を判断するためのプログラムであり、リリースオブジェクト126が停止された位置が判定領域124内であるかどうかを判断するためのプログラムである。また、球種がストレートである場合には、CPU20は、成否判断プログラム302hに従って、さらに、リリースオブジェクト126が停止された位置が一部領域124a内であるかどうかを判断する。つまり、ナイスピッチングであるかどうかが判断される。
【0132】
移動制御プログラム302iは、成否判断プログラム302hの判断結果に基づいて、投手オブジェクト160が投げたボールオブジェクト162を移動させるためのプログラムである。
【0133】
上述したように、投手オブジェクト160毎に、ストレートの第1速度と変化球の第2速度が予め設定されており、さらに、球種毎の軌道も予め設定されている。投球(投球の指示)が成功であれば、指示された投球コースに、設定された球種に従う軌道および球種に応じた球速(第1速度または第2速度)でボールオブジェクト162は移動される。ただし、球種がストレートであり、ナイスピッチングが判断された場合には、第1速度よりも早い速度でボールオブジェクト162は移動される。また、球種に従う軌道は、持ち球データ304cを参照して取得される。
【0134】
投球(投球の指示)が失敗であれば、ずれ量に応じて、ボールオブジェクト162の移動の態様が異なる。ずれ量が所定の閾値未満であれば、ずれ量に応じてボールオブジェクト162の到達位置が目標位置から左または右に移動される。また、ボールオブジェクト162は、設定された球種が変化球であっても、ストレートの軌道および変化球の球速(第2速度)で移動される。ずれ量が所定の閾値以上であれば、暴投になるようにボールオブジェクト162が移動する、または、ど真ん中に、ストレートの軌道および変化球の球速(第2速度)で移動される。
【0135】
図示は省略するが、プログラム記憶領域302には、他のゲーム装置10と通信するための通信プログラム、ゲームデータ(セーブデータ)をフラッシュメモリ24にセーブ(保存)するためのプログラム、ゲームに必要な音を生成および出力するための音出力プログラムなどの他のプログラムも記憶される。
【0136】
データ記憶領域304には、操作入力データバッファ304aが設けられる。また、データ記憶領域304には、画像生成用データ304b、持ち球データ304c、目標位置データ304d、設定球種データ304eおよび正確性データ304fなどのデータが記憶される。さらに、データ記憶領域304には、タイマ304gが設けられる。
【0137】
操作入力データバッファ304aは、入力装置30からの操作データを一時記憶するための領域である。操作データは、CPU20によって受け付けられると、操作入力データバッファ304aに時系列に従って記憶され、CPU20の処理に使用されると、消去される。
【0138】
画像生成用データ304bは、ゲーム画像データを生成するためのポリゴンデータ、テクスチャデータおよびオブジェクト画像データなどのデータを含む。ただし、オブジェクト画像データは、仮想空間に配置および登場(出現)する各種のオブジェクト(102、104、106、110、120、122、124、126、150、160、162など)ないしキャラクタについての画像データである。
【0139】
持ち球データ304cは、使用することが選択された投手オブジェクト160が投球可能な球種についてのデータであり、投球可能な球種の各々には、得意、不得意、普通の別を示す情報が付加されている。また、持ち球データ304cは、各持ち球についての軌道のデータも含む。さらに、持ち球データ304cは、使用することが選択された投手オブジェクト160が右投げまたは左投げを示す情報(データ)も含む。したがって、持ち球データ304cは、投手オブジェクト160についてのデータとも言える。したがって、投手オブジェクト160が交代すると、持ち球データ304cは交代後の投手オブジェクト160に対応する持ち球データ304cに更新される。
【0140】
目標位置データ304dは、目標位置設定プログラム302dに従って設定された目標位置についての位置データであり、プレイヤの操作に従って指定された指標オブジェクト110に含まれる位置指定オブジェクト130によって指示された位置(3次元座標)についてのデータである。
【0141】
設定球種データ304eは、球種設定プログラム302eに従って設定された球種についてのデータである。正確性データ304fは、成否判断プログラム302hの判断結果についてのデータである。投球に成功したことが判断された場合には、正確性データ304fは、投球に成功したことを示すデータであり、球種がストレートの場合には、さらに、ナイスピッチングであるかどうかについてのデータが含まれる。一方、投球に失敗したことが判断された場合には、正確性データ304fは、投球に失敗したことを示すデータと、判定領域124の位置に対するリリースオブジェクト126の位置のずれ量のデータを含む。
【0142】
タイマ304gは、制限時間(たとえば、10秒)をカウントするためのカウンタであり、CPU20の指示に従ってカウントを開始する。ただい、カウントを開始するときに、タイマ304gはリセットされる。
【0143】
図示は省略するが、データ記憶領域には、他のデータが記憶されたり、ゲーム処理(情報処理)に必要なフラグおよび他のカウンタ(タイマ)が設けられたりする。
【0144】
図11および
図12は
図1に示したCPU20の投球処理のフロー図である。たとえば、この投球処理は、バッターオブジェクト102がバッターボックス内に立っており、投手オブジェクト160がボールオブジェクト162を持つ状態になると開始される。
図11に示すように、CPU20は、投球処理を開始すると、ステップS1で、投手オブジェクト160に応じた指標オブジェクト110を含むゲーム画像を表示する。ここでは、CPU20は、表示ドライバ32を制御して、
図2に示したようなゲーム画面100を表示装置36に表示する。
【0145】
このとき、持ち球データ304cが参照され、右投げまたは左投げの情報、投球可能な球種および各球種についての得意、不得意、普通の情報が取得される。したがって、指標オブジェクト110に含まれるリングオブジェクト120上に表示する球種オブジェクト122が決定され、各球種における判定領域124の大きさが決定される。
【0146】
また、上述したように、投球開始時には、指標オブジェクト110において、判定領域124は球種オブジェクト122aに重なる位置に表示され、リリースオブジェクト126は球種オブジェクト122aに重なる位置であり、判定領域124の前面に表示される。
【0147】
ただし、現在のバッターオブジェクト
102への投球が2球目以降の場合には、指標オブジェクト110において、判定領域124は前回投球した球種に対応する球種オブジェクト122に重なる位置に表示され、リリースオブジェクト126は前回の停止位置に表示される。
【0148】
続くステップS3では、タイマ304gをリセットおよびスタートし、ステップS5で、現在の位置からリリースオブジェクト126の移動を開始する。ただし、リリースオブジェクト126が移動する方向は、投手オブジェクト160が右投げか左投げかに応じて決定される。そして、ステップS7で、投球コースの指定があるかどうかを判断する。ここでは、指標オブジェクト110の移動の指示があるかどうかを判断する。
【0149】
ステップS7で“YES”であれば、つまり、投球コースの指定があれば、ステップS9で、プレイヤの操作に従って指標オブジェクト110を移動させて、ステップS11に進む。ただし、ステップS9では、CPU20は、目標位置データ304dを記憶(更新)する。つまり、目標位置が設定される。一方、ステップS7で“NO”であれば、つまり、投球コースの指定でなければ、ステップS11で、球種の指定があるかどうかを判断する。
【0150】
ステップS11で“YES”であれば、つまり、球種の指定があれば、ステップS13で、リングオブジェクト120上において、指定された球種に対応する球種オブジェクト122の位置の前面に、球種に応じた大きさで判定領域124を表示(移動)して、ステップS15に進む。ただし、ステップS13では、CPU20は、設定球種データ304eを記憶(更新)する。つまり、ボールオブジェクト162の球種が設定される。また、判定領域124の大きさは、上述したように、指定された球種についての得意、不得意、普通の情報に基づいて決定される。一方、ステップS11で“NO”であれば、つまり、球種の指定がなければ、ステップS15で、投球指示があるかどうかを判断する。ここでは、CPU20は、リリースオブジェクト126の移動を停止させる指示が入力されたかどうかを判断する。
【0151】
ステップS15で“YES”であれば、つまり、投球指示があれば、ステップS17で、リリースオブジェクト126を停止させて、
図12に示すステップS25に進む。一方、ステップS15で“NO”であれば、つまり、投球指示がなければ、ステップS19で、制限時間を超えたかどうかを判断する。ここでは、CPU20は、タイマ304gのカウント値が制限時間を超えたかどうかを判断する。ただし、カウント値が制限時間と一致する場合には、制限時間を超えたと判断してもよい。
【0152】
ステップS19で“YES”であれば、つまり、制限時間を超えていれば、ステップS17に進み、自動的に、リリースオブジェクト126を停止する。一方、ステップS19で“NO”であれば、つまり、制限時間を超えていなければ、ステップS21で、タイマオブジェクト140の表示を前回変化させてから所定時間(たとえば、1秒)を経過したかどうかを判断する。ステップS21で“NO”であれば、つまり、タイマオブジェクト140の表示を前回変化させてから所定時間を経過していなければ、ステップS7に戻る。一方、ステップS21で“YES”であれば、つまり、タイマオブジェクト140の表示を前回変化させてから所定時間を経過していれば、ステップS23で、タイマオブジェクト140を変化させてからステップS7に戻る。ステップS23では、所定時間に相当する長さだけタイマオブジェクト140の長さが短くされる。ただし、最初にタイマオブジェクト140の長さを短くする場合には、時計の0時に相当する位置が開始位置に設定される。
【0153】
図12に示すように、ステップS25では、投球の成否を判断する。ここでは、CPU20は、リリースオブジェクト126が判定領域124と重なっているかどうかを判断し、投球(投球の指示)の成否を判断する。ただし、判定領域124に一部領域124aが設定されている場合には、CPU20は、リリースオブジェクト126が一部領域124aと重なるかどうかについても判断する。また、リリースオブジェクト126が判定領域124と重なっていない場合には、CPU20は、判定領域124に対するリリースオブジェクト126のずれ量を算出する。
【0154】
続くステップS27では、ステップS25における判断結果が成功であるかどうかを判断する。ステップS27で“NO”であれば、つまり、ステップS25における判断結果が失敗であれば、ステップS29で、ずれ量に応じて、ボールオブジェクト162の実際の到達位置を設定する。ずれ量が閾値未満であれば、ずれ量に応じて目標位置から左または右に到達位置が移動(決定)される。一方、ずれ量が閾値以上であれば、暴投になる位置またはど真ん中に、到達位置が移動(決定)される。
【0155】
続いて、ステップS31では、ストレートの軌道および変化球の球速(第2速度)でボールオブジェクト162を実際の到達位置に移動させて、投球処理を終了する。ただし、投球処理は、守備側から打撃側に交代されるまで、投手オブジェクト160が投球可能な状態になると、繰り返し実行される。
【0156】
また、ステップS27で“YES”であれば、つまり、ステップS25における判断結果が成功であれば、ステップS33で、設定球種データ304eが示す球種がストレートであるかどうかを判断する。ステップS33で“YES”であれば、つまり、球種がストレートであれば、ステップS35で、ナイスピッチングかどうかを判断する。
【0157】
ステップS35で“NO”であれば、つまり、ナイスピッチングでなければ、ステップS39に進む。一方、ステップS35で“YES”であれば、つまり、ナイスピッチングであれば、ステップS37で、球速を加算し、ステップS39に進む。
【0158】
ステップS39では、目標位置を実際の到達位置に設定し、ステップS41では、球種に応じた軌道および投手オブジェクト160の能力に応じた球速(第1速度または第2速度)でボールオブジェクト162を実際の到達位置に移動させて、投球処理を終了する。ただし、ステップS37で球速を加算する場合には、投手オブジェクト160の能力に応じた球速(第1速度)が、所定速度加算された球速に更新される。
【0159】
この実施例によれば、ボールオブジェクトのような移動オブジェクトの目標位置および軌道を順序に関係無く指標オブジェクトを用いて指定できるので、プレイヤの操作性を向上させることができる。
【0160】
また、この実施例によれば、目標位置を指定する指定オブジェクトの周囲に球種を指定する球種オブジェクトを配置した指標オブジェクトを用いるので、投球コースおよび球種の両方を確認しながら、投球コースの指示および球種の指定の少なくとも一方を行うことができる。
【0161】
さらに、この実施例によれば、目標位置を指定する指定オブジェクトの周囲に投球のタイミングを指示するためのリリースオブジェクトおよび判定領域を配置した指標オブジェクトを用いるので、投球コースおよび投球のタイミングを確認しながら、投球コースの指定および球種の指定の少なくとも一方を行う指示することができる。
【0162】
さらにまた、この実施例によれば、指定オブジェクトの周囲に、球種オブジェクト、リリースオブジェクトおよび判定領域を配置した指標オブジェクトを用いるので、投球コース、球種および投球のタイミングを確認しながら、投球コースの指定、球種の指定および投球の指示の少なくとも1つを行うことができる。
【0163】
よって、この実施例によれば、プレイヤの操作性を向上させることができる。
【0164】
また、この実施例によれば、投球可能な球種も指標オブジェクトのようなグラフィカル・ユーザ・インターフェイスで知ることができるので、投手毎に投球可能な球種を覚える必要が無く、また、投手毎に投球可能な球種を調べる必要もない。
【0165】
さらに、この実施例によれば、球種毎に投球の成否を判定する判定領域の位置が異なるため、投球操作が単調になるのを防止することができる。
【0166】
さらにまた、この実施例では、球種がストレートの場合に、判定領域124内にナイスピッチングを判断するための一部領域124aを設けて、ナイスピッチングであるかどうかを判断するようにしてあるが、このような一部領域124aは球種が変化球である場合にも設けるようにしてもよい。かかる場合には、投球成功と判断され、さらに、ナイスピッチングであることが判断されると、第2速度が所定速度上昇される。ただし、球種が変化球である場合には、第2速度が所定速度上昇されることに代えて、または、第2速度が所定速度上昇されるとともに、ボールオブジェクト162の変化量を大きくするようにしてもよい。かかる場合には、投球成功であるが、ボールオブジェクト162の実際の到達位置は、目標位置からずれる。つまり、判定領域124内においても、一部領域124aとリリースオブジェクト126とのずれ量に応じて、目標位置と実際の到達位置の差が設定される。
【0167】
なお、この実施例では、野球ゲームにおいて、投手オブジェクト160がボールオブジェクト162を投げる(放つ)場合について説明したが、ゲームの種類は限定される必要はない。他の例としては、ボウリングゲーム、サッカーゲーム、ゴルフゲーム、または、テニスゲームにも適用することができる。
【0168】
以下、簡単に説明するが、ボウリングゲームにおいては、上記の野球ゲームと同様に、ボールを投げる(投球する)ことが、ボールオブジェクトを放つことを意味する。また、サッカーゲームにおいては、ボールを蹴ることが、ボールオブジェクトを放つことを意味する。さらに、ゴルフゲームおよびテニスゲームでは、ボールを打撃することが、ボールオブジェクトを放つことを意味する。
【0169】
たとえば、ボウリングゲームの場合には、投球前において、
図13に示すようなゲーム画面400が表示される。以下、ゲーム画面400等について説明するが、野球ゲームで説明したオブジェクトと同じオブジェクトについて同じ名称を用いて説明することにする。
【0170】
このゲーム画面400には、ボウリングのピンを模したピンオブジェクト402が表示されるとともに、ピンオブジェクト402が配置されるレーンのオブジェクト(レーンオブジェクト)などの背景オブジェクト406が表示される。また、ゲーム画面400には、ピンオブジェクト402の前面に、指標オブジェクト410が表示される。さらに、指標オブジェクト410の左右には操作ガイド450が表示される。
【0171】
図14(A)から良く分かるように、ボウリングゲームにおいては、指標オブジェクト410において、野球のボールの画像に代えて、ボウリングの球を模した画像が表示される。リングオブジェクト420には、複数の球種オブジェクト422が表示される。この実施例では、球種オブジェクト422a、422b、422c、422d、422eが表示される。
図14(B)に示すように、右投げの場合には、球種オブジェクト422aは大きいバックアップボールを示し、球種オブジェクト422bは小さいバックアップボールを示し、球種オブジェクト222cはストレートを示し、球種オブジェクト422dは小さいフックボールを示し、そして、球種オブジェクト422eは大きいフックボールを示す。一方、左投げの場合には、右投げの場合と左右反転し、球種オブジェクト422aは大きいフックボールを示し、球種オブジェクト422bは小さいフックボールを示し、球種オブジェクト422cはストレートを示し、球種オブジェクト422dは小さいバックアップボールを示し、そして、球種オブジェクト422eは大きいバックアップボールを示す。
【0172】
ただし、ここでは、「大きい」は大きく曲がる(曲がり量が多い)ことを意味し、「小さい」は小さく曲がる(曲がり量が少ない)ことを意味する。
【0173】
このボウリングゲームにおいては、投球する前に、投球コースの指定および球種の指定の少なくとも一方が行われる。リリースオブジェクト426がリングオブジェクト420に沿って移動し、判定領域424と重なる位置で投球の指示を入力するようにプレイヤは操作する点は野球ゲームの場合と同じである。
【0174】
投球に成功した場合には、指定した球種に従う軌道で指定した投球コースにボールオブジェクトは転がるが、投球に失敗した場合には、指定した球種に拘わらず、真っ直ぐの軌道で、リリースオブジェクト426と判定領域424のずれ量に応じて、ボールオブジェクトの実際の到達位置はずれる、または、ガタに落ちる。
【0175】
なお、ボウリングゲームの場合にも、球種に応じてボールオブジェクトの移動速度を設定しておき、野球ゲームの場合と同様に、球速を制御するようにしてもよい。
【0176】
また、図示は省略するが、サッカーゲームにおいては、フリーキックまたはPKのときに、実施例に示したような指標オブジェクトがゴールポストおよびキーパーのオブジェクトの前面に表示され、この指標オブジェクトを用いてシュート(パス)する操作を行うことができる。たとえば、球種は、大きいカーブ、小さいカーブ、大きいシュート、小さいシュート、ストレート、無回転、ドライブなどであり、これらの球種を指定可能に球種オブジェクトがリングオブジェクト上に表示される。
【0177】
このサッカーゲームにおいても、シュート(パス)の成否の判断方法およびこの判断結果に応じたボールオブジェクトの移動については、上述の実施例と同様である。たとえば、シュート(パス)に成功した場合には、指定した位置に指定した球種でボールオブジェクトが移動する。一方、シュート(パス)に失敗した場合には、指定した球種に拘わらず、ストレートで指定した目標位置からずれた到達位置にボールオブジェクトが移動する、または、ゴールポストやパスの相手から全くはずれた位置に移動する。
【0178】
なお、サッカーゲームの場合にも、球種に応じてボールオブジェクトの移動速度を設定しておき、野球ゲームの場合と同様に、球速を制御するようにしてもよい。
【0179】
さらに、図示は省略するが、ゴルフゲームにおいては、実施例で示した指標オブジェクトをゴルフクラブに応じた飛距離に基づく着弾点に表示し、この指標オブジェクトを用いてゴルフボールを打撃する操作を用いて行うことができる。たとえば、球種は、ドロー、フック、スライス、フェード、ストレートなどであり、これらの球種を指定可能に球種オブジェクト122がリングオブジェクト上に表示される。
【0180】
このゴルフゲームにおいても、ショットの成否の判断方法およびこの判断結果に応じたボールオブジェクトの移動については、上述の実施例と同様である。たとえば、ショットに成功した場合には、指定した位置に指定した球種でボールオブジェクトが移動する。一方、ショットに失敗した場合には、指定した球種に拘わらず、たとえば、ミスショット(チョロ、テンプラ、シャンク、ダフリなど)になり、ミスショットの内容に応じてボールオブジェクトが移動され、場合によっては、ハザードまたはOB(アウトオブバウンズ)にボールオブジェクトが移動される。
【0181】
なお、ゴルフゲームの場合にも、球種に応じてボールオブジェクトの移動速度を設定しておき、野球ゲームの場合と同様に、球速を制御するようにしてもよい。
【0182】
さらにまた、図示は省略するが、テニスゲームにおいては、打撃(サーブまたはラリー)のときに、実施例に示したような指標オブジェクトが対戦相手のプレイヤの前面に表示され、この指標オブジェクトを用いてボールオブジェクトを打撃する操作を行うことができる。たとえば、球種は、トップスピン、フラット、スライス、ロブ、ドロップショットなどであり、これらの球種を指定可能に球種オブジェクトがリングオブジェクト上に表示される。
【0183】
このテニスゲームにおいても、打撃の成否の判断方法およびこの判断結果に応じたボールオブジェクトの移動については、上述の実施例と同様である。たとえば、打撃に成功した場合には、指定した位置に指定した球種でボールオブジェクトが移動する。一方、打撃に失敗した場合には、指定した球種に拘わらず、真っ直ぐの軌道で指定した目標位置からずれた到達位置にボールオブジェクトが移動する、または、テニスコートから全くはずれた位置に移動する。
【0184】
なお、テニスゲームの場合にも、球種に応じてボールオブジェクトの移動速度を設定しておき、野球ゲームの場合と同様に、球速を制御するようにしてもよい。
【0185】
また、移動オブジェクトはボールオブジェクトに限定される必要はない。たとえば、フライングディスクを模したオブジェクト(ディスクオブジェクト)を投げるような場合にも、同様に指標オブジェクトを用いることもできる。この場合には、球種に代えて、フライングディスクが飛行する軌道を指定する。たとえば、曲がる方向および曲がる大きさの異なる複数の軌道および真っ直ぐの軌道のうちから1つの軌道が指定される。
【0186】
このディスクオブジェクトを用いたゲームにおいても、投げの成否の判断方法およびこの判断結果に応じたディスクオブジェクトの移動については、上述の実施例と同様である。たとえば、投げに成功した場合には、指定した位置に指定した軌道でディスクオブジェクトが移動(飛行)する。一方、投げに失敗した場合には、指定した軌道に拘わらず、真っ直ぐの軌道で指定した目標位置からずれた到達位置にディスクオブジェクトが移動する、または、全く異なる位置にディスクオブジェクトが飛んで行く、或いは、ディスクオブジェクトが直ぐに落下する。
【0187】
なお、ディスクオブジェクトを用いたゲームの場合にも、軌道に応じてディスクオブジェクトの移動速度を設定しておき、野球ゲームの場合と同様に、移動速度を制御するようにしてもよい。
【0188】
また、ディスクオブジェクトを用いたゲームにおいては、ディスクオブジェクトを投げることが、当該オブジェクトを放つことを意味する。
【0189】
また、上述の実施例では、一台のゲーム装置10で野球ゲームをプレイする場合について示したが、これに限定される必要はない。二台のゲーム装置10が野球ゲームを通信対戦するようにしてもよい。この場合には、
図15(A)に示すように、二台のゲーム装置10が直接通信するゲームシステム1が構成される。または、
図15(B)に示すように、二台のゲーム装置10がインターネットまたはLANのようなネットワーク2を介して通信するゲームシステム1が構成される。ただし、二台のゲーム装置が通信可能であり、通信対戦できるのであれば、ゲームシステム1を構成する二台のゲーム装置の種類は同じである必要はない。
【0190】
なお、この実施例では、携帯型のゲーム装置または携帯端末を用いた場合について説明したが、据置型のゲーム装置、デスクトップPCやアーケードゲーム装置のような他の機器を用いることができることは言うまでもない。ただし、据置型のゲーム装置、デスクトップPCやアーケードゲーム装置のような他の機器で対戦プレイを行う場合には、他の機器同士で通信して、対戦相手の投球内容が見えないような状況でプレイするように構成するべきである。また、ノートPC、PDA、タブレットPCなどの他の携帯端末を用いることもできる。
【0191】
また、この実施例で示したゲームの内容、ゲーム装置の構成および具体的数値は単なる例示であり、限定されるべきでなく、実際の製品に応じて適宜変更可能である。
【0192】
さらに、同じ効果(結果)が得られる場合には、フロー図に示した各ステップの順番は適宜変更されてもよい。