(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記荷揃え処理によって前記第2格納棚に格納された前記車両は、前記第2格納棚に隣接した後列の第3格納棚へ格納されると同時に、前記入庫車両は、前記第2格納棚へ格納される請求項2に記載の機械式駐車設備。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の荷揃え処理及び入庫処理を示すタイムチャートである。
【
図4】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の荷揃え処理及び入庫処理の第1実施例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の格納棚を示す平面図であり、第1実施例における車両入庫前の状態を示す。
【
図6】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の格納棚を示す平面図であり、第1実施例における荷揃え処理後の状態を示す。
【
図7】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の格納棚を示す平面図であり、第1実施例における入庫処理後の状態を示す。
【
図8】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の荷揃え処理及び入庫処理の第2実施例を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の格納棚を示す平面図であり、第2実施例における車両入庫前の状態を示す。
【
図10】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の格納棚を示す平面図であり、第2実施例における荷揃え処理後の状態を示す。
【
図11】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の格納棚を示す平面図であり、第2実施例における入庫処理後の状態を示す。
【
図12】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の荷揃え処理及び入庫処理の第3実施例を示すフローチャートである。
【
図13】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の格納棚を示す平面図であり、第3実施例における車両入庫前の状態を示す。
【
図14】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の格納棚を示す平面図であり、第3実施例における荷揃え処理後の状態を示す。
【
図15】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の格納棚を示す平面図であり、第3実施例における入庫処理後の状態を示す。
【
図16】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の出庫処理及び荷揃え処理を示すタイムチャートである。
【
図17】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の荷揃え処理の第4実施例を示すフローチャートである。
【
図18】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の格納棚を示す平面図であり、第4実施例における出庫処理前の状態を示す。
【
図19】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の格納棚を示す平面図であり、第4実施例における荷揃え処理後の状態を示す。
【
図20】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の荷揃え処理の第5実施例を示すフローチャートである。
【
図21】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の格納棚を示す平面図であり、第5実施例における出庫処理前の状態を示す。
【
図22】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の格納棚を示す平面図であり、第5実施例における荷揃え処理後の状態を示す。
【
図23】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の荷揃え処理の第6実施例を示すフローチャートである。
【
図24】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の格納棚を示す平面図であり、第6実施例における出庫処理前の状態を示す。
【
図25】本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備の格納棚を示す平面図であり、第6実施例における荷揃え処理後の状態を示す。
【
図26】機械式駐車設備の荷揃え処理及び入庫処理の比較例を示すタイムチャートである。
【
図27】機械式駐車設備の出庫処理及び荷揃え処理の比較例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態に係る機械式駐車設備1は、
図1に示すように、車両の入庫を行う入庫バース2、出庫を行う出庫バース3と、入庫バース2に対応して配置された入庫リフト4と、出庫バース3に対応して配置された出庫リフト5と、車両が格納される棚状に形成された格納棚6と、各格納棚6と入庫リフト4,出庫リフト5との間で走行する台車7などを備える。
【0021】
入庫リフト4及び出庫リフト5は、入庫バース2又は出庫バース3のレベルと格納棚6のレベルの間で昇降を行い、車両を搬送する。格納棚6は、複数の階層に設けられ、各階層において複数配置されている。台車7は、格納棚6が設置された各階層に少なくとも1台設けられ、車両を搬送する。
【0022】
入庫リフト4,出庫リフト5及び台車7にはそれぞれモータ等の駆動機構が備わり、入庫リフト4,出庫リフト5は上下方向に昇降可能とされ、台車7は各格納棚6に沿って水平方向に移動可能とされている。
【0023】
台車7にはスラットコンベア8が設けられ、また、各格納棚6にもスラットコンベア9が設けられている。台車7側にはスラットコンベア8を動作させるモータ等の駆動機構が設けられ、格納棚6側には台車7側の駆動機構に連結する従動機構が設けられている。台車7が所定の格納棚6の位置に移動すると、台車7側の駆動機構と格納棚6側の従動機構が連結され、台車7側の駆動機構の駆動により台車7側のスラットコンベア8と格納棚6側のスラットコンベア9とが同期して駆動し、格納棚6と台車7との間で車両の移載が行われる。
【0024】
なお、入庫バース2,出庫バース3及び入庫リフト4,出庫リフト5にもスラットコンベア2a,3a,4a,5a(搬送機器)が設けられており、これら各スラットコンベア2a,3a,4a,5aにおいてもモータ等の駆動機構によって駆動されるようになっている。
【0025】
入庫バース2,出庫バース3には、格納する車両を認識するためのカードリーダ10(
図2参照)や、車両形状を検出するセンサ(図示せず。)等が設けられている。カードリーダ10に車両の所有者を特定するカード(図示せず。)を認証させることで、車両形状を検出するセンサ等によって、車両が格納される格納棚6の関連付けが行われる。具体的に説明すれば、入庫する際に所有者、又は、管理者がカードを認証させることで、空き状態の格納棚6の中で1つの格納棚6が選択され、この格納棚6に車両が格納されることが記憶される。そして、車両を出庫させる際には、先に記憶された所有者の車両が格納された格納棚6が特定され、車両が出庫バース3に搬送されることになる。
【0026】
なお、各格納棚6には、それぞれの格納棚6を識別するための番地がつけられており、さらに、この番地を有する各格納棚6には、使用を優先させたい優先番号(記号とされる場合も含む。)が割り当てられている。優先番号は、全て異なる番号とは限らず、同一な番号の割り当てによって各格納棚6のグループ化を得ることも可能とされている。また、この優先番号は固定値とされた番地と異なり、変更することも可能な番号である。そして、このような各格納棚6が有する優先番号及び番地に基づいて、入庫する車両が格納される所定の格納棚6が決定されたり、各格納棚6の識別や管理が行われたりしている。
【0027】
実際に車両を入庫バース2から格納棚6へと搬送する作業、及び格納棚6から出庫バース3に搬送する作業は、入庫リフト4,出庫リフト5、台車7、及びスラットコンベア2a,3a,4a,5a,8,9等の搬送機器によって行われている。そして、これら搬送機器の動作は、機械式駐車設備1が備える制御装置によって制御される。
【0028】
制御装置20は、機械式駐車設備1の稼働状態を認識しつつ、機械式駐車設備1の各装置の制御を行う回路構成の全体を指すものである。例えば、入庫する車両を認識した後にどの搬送機器を用いてどの格納棚6に搬送するかを決定し、決定事項に基づいて各装置の動作を指示するとともに、各装置の稼働状態を取り込みながら制御を行っている。
【0029】
機械式駐車設備1に設置された格納棚6には、格納可能な車両のサイズが異なる複数の種類が存在し、中型車(普通車とも呼ばれる。)を格納できる中型棚、大型車(例えば車高が高いハイルーフ型車両等)を格納できる大型棚等がある。また、格納棚6は、前棚と奥棚とからなる複列式で配置される。前棚は、台車7の走行路12側に位置する格納棚6であり、奥棚は、台車7の走行路12から前棚よりも奥側に位置する格納棚6である。
【0030】
制御装置20は、
図2に示すように、少なくとも入庫リフト4,出庫リフト5、台車7、スラットコンベア2a,3a,4a,5a,8,9等の各搬送機器の動作を制御する運転制御部21と、車両の入庫時や移し替え時などに用いる格納棚6を選択する格納棚選択部22と、格納された車両の移し替えの指示を行う荷揃え制御部23等を備える。なお、ここでいう荷とは、車両を指す。
【0031】
制御装置20には、各格納棚6から車両の格納等に関わる稼働状態の情報が入力されるとともに、カードリーダ10や、精算機11等にて得られた入庫や出庫に関わる情報が入力される。また、制御装置20には、入庫リフト4,出庫リフト5、台車7、スラットコンベア8等から稼働状態の情報が入力されると共に、入力された情報に基づく制御用の信号を運転制御部21から入庫リフト4,出庫リフト5等の搬送機器に出力する。
【0032】
各格納棚6には、各格納棚6の識別をなす番地が割り当てられており、さらに、格納する際の優先順位として機能する優先番号が機械式駐車設備1の運用に応じて割り当てられる。この優先番号は、格納棚選択時に適宜考慮されて機能する。
【0033】
カードリーダ10から車両の入庫命令が制御装置20に入力されると、制御装置20ではカードリーダ10、精算機11、さらには、各格納棚6等から入力された各格納棚6の稼動情報が取り込まれて格納棚選択部22に送られる。そして、これと同時に制御装置20では、使用する台車7の選択が行われる。
【0034】
格納棚選択部22には、例えば、選択する格納棚6を機械式駐車場の運用状態に応じて変更可能とする複数の選択モードが用意されており、これら選択モードのいずれかによって先に説明した各格納棚6の稼動情報が処理されて格納棚6の選択が行われる。なお、各選択モードは、カードリーダ10に設けられたタッチパネル10a等にて変更可能とされている。
【0035】
機械式駐車設備1の運用に当たっては、このような格納棚6の選択が必ずしも実行されるものではなく、例えば、大型棚に中型車が格納されることも素早い入庫作業を行う上で必要とされている。一方、このことは格納効率を低下させることにもなるので、荷揃え制御部23では、この問題を適宜解消して運用の最適化を図っている。
【0036】
荷揃え制御部23は、既に格納棚に格納されている車両を、適切な空いている格納棚へ移し替える制御を行う。以下、本実施形態に係る荷揃え処理の各実施例について、入庫処理及び出庫処理に分けて説明する。
【0037】
<入庫処理>
図3に示すように、入庫予約によって入庫処理の対象となる入庫車両の入庫を開始させる入庫開始処理から、台車7が入庫車両を入庫リフト4から受け取るまでの期間において、本実施形態に係る入庫前の荷揃え処理が実施される。
【0038】
荷揃え処理では、まず、台車7は、車両が載置されていない空荷の状態で、荷揃え処理の対象となる車両が載置された格納棚6(第1格納棚)まで移動する。
台車7が格納棚6に到着すると、格納棚6から台車7へ車両が引き渡される。そして、車両を受け取って車両が載置された台車7が、移動先の格納棚6(第2格納棚)まで移動する。
その後、台車7が格納棚6に到着すると、台車7から格納棚6へ車両が引き渡される。その結果、荷揃え処理が完了する。
【0039】
入庫予約によって入庫処理の対象となる入庫車両の入庫を開始させる入庫開始処理後、荷揃え処理と同時に、入庫リフト4が入庫バース2へ移動する。そして、無人確認や安全確認がされた後、入庫バース2から入庫リフト4へ車両が引き渡される。そして、荷揃え処理が完了し、空荷の状態にある台車7が入庫リフト4のある位置へ移動するまでの間に、入庫車両が載置された入庫リフト4も格納棚6のあるフロアまで移動される。なお、入庫リフト4と台車7の到着タイミングは、前後してもよく、入庫車両が載置された入庫リフト4が格納棚6のあるフロアまで移動された後、空荷の状態にある台車7が入庫リフト4のある位置へ到達してもよい。
【0040】
そして、入庫対象となる入庫車両が、入庫リフト4から台車7へ引き渡される。次に、台車7が、入庫する格納棚6のある位置まで移動し、台車7から前棚へ車両が引き渡される。その結果、入庫処理が完了する。
【0041】
本実施形態に係る入庫前の荷揃え処理を行わない場合、
図26の比較例に示すように、既に入庫処理が実行されて、別の入庫車両が入庫リフト4に存在していない限り、入庫開始処理後、入庫リフト4から台車7へ車両が引き渡されるまで、台車7は、稼働されない待ち状態となる。一方、本実施形態によれば、入庫開始処理後、入庫リフト4から台車7へ引き渡されるまでの間に、荷揃え処理が行われる。その結果、入庫処理や出庫処理を妨げることなく、荷揃え処理を適切なタイミングで実施することができる。
【0042】
入庫前の荷揃え処理の具体的な動作について説明する。
<第1実施例>
図4〜
図7を参照して、大型棚6aの前棚に大型車を入庫する場合において、大型棚6aの前棚に格納されていた中型車を、空き棚となっている中型棚6bの前棚へ移動する荷揃え処理について説明する。
【0043】
まず、大型棚6aの前棚に大型車を入庫する指令が受領されたとき(ステップS11)、複数の大型棚6aの前棚の中から、中型車が格納されている前棚がある否かが確認される(ステップS12)。大型棚6aの前棚に中型車が格納されていない場合は、本実施例に係る荷揃え処理は実行されずに、入庫処理へ移行する。
【0044】
図5に示すように、大型棚6aの前棚に中型車が格納されている場合(
図5中の△)、複数の中型棚6bの前棚の中から、車両が格納されていない空き棚があるか否かが確認される(ステップS13)。前棚に空き棚がない場合は、本実施例に係る荷揃え処理は実行されずに、入庫処理へ移行する。前棚に空き棚がある場合、
図6に示すように、荷揃え処理によって、大型棚6aの前棚に格納されている中型車が、空き棚となっている中型棚6bの前棚に移動されることが決定される。中型棚6bの前棚に空き棚がある場合、前棚に隣接する奥棚も空き棚となっている。
【0045】
また、
図7に示すように、入庫される大型車(
図5中の○)は、荷揃え処理によって移動される中型車が格納されていた大型棚6aに格納されることが決定される。
【0046】
なお、この時点で、既に一つ前の入庫処理が実行されていて、入庫車両が入庫リフト上にあり、かつ入庫車両が別の台車に入庫予定の場合には、荷揃え処理を行うことが望ましい。但し、入庫繁忙時間帯で入庫が連続する場合には、本実施例に係る荷揃え処理は実行されずに、入庫処理へ移行してもよい。
【0047】
上記判断の結果、荷揃え処理が実行されると決定されている場合、台車7は、車両が載置されていない空荷の状態で、荷揃え処理の対象となる中型車が格納された大型棚6aの前棚の位置まで移動する。
台車7が大型棚6aの前棚に到着すると、前棚から台車7へ車両が引き渡される。そして、車両を受け取って車両が載置された台車7が、移動先の中型棚6bの前棚のある位置まで移動する。その後、台車7が前棚に到着すると、台車7から前棚へ車両が引き渡される。その結果、
図6に示すように、荷揃え処理が完了する(ステップS14)。
【0048】
次に、空荷の状態にある台車7が入庫リフト4のある位置へ移動し、入庫車両である大型車が、入庫リフト4から台車7へ引き渡される。次に、台車7が、入庫する大型棚6aの前棚のある位置まで移動し、台車7から前棚へ車両が引き渡される。その結果、
図7に示すように、入庫処理が完了する(ステップS15)。
【0049】
これにより、
図6に示すように、荷揃え処理によって、大型棚6aの前棚に格納されていた中型棚6bが、空き棚となっている中型棚6bの前棚へ移動する。したがって、中型棚6bの前棚に中型車が格納され、隣接する奥棚は空き棚となる。また、
図7に示すように、入庫処理によって、荷揃え処理によって空き棚となっている大型棚6aの前棚に大型車が格納される。
【0050】
<第2実施例>
図8〜
図11を参照して、中型棚6bの前棚に中型車を入庫する場合において、大型棚6aの前棚に格納されていた中型車を、空き棚となっている中型棚6bの前棚へ移動する荷揃え処理について説明する。
【0051】
まず、中型棚6bの前棚に中型車を入庫する指令が受領されたとき(ステップS21)、複数の中型棚6bの前棚の中から、空き棚となっている前棚がある否かが確認される(ステップS22)。中型棚6bの前棚に空き棚がない場合は、本実施例に係る荷揃え処理は実行されずに、入庫処理へ移行する。
【0052】
次に、
図9に示すように、中型棚6bの前棚に空き棚がある場合、複数の大型棚6aの前棚の中から、中型車が格納されている前棚がある否かが確認される(ステップS23)。大型棚6aの前棚に中型車が格納されていない場合は、本実施例に係る荷揃え処理は実行されずに、入庫処理へ移行する。
図9に示すように、大型棚6aの前棚に中型車が格納されている場合(
図9中の△
1)、
図10に示すように、大型棚6aの前棚に格納されている中型車が、空き棚となっている中型棚6bの前棚に移動されることが決定される。
【0053】
また、中型棚6bの前棚に空き棚がある場合、前棚に隣接する奥棚も空き棚となっている。したがって、荷揃え処理によって前棚に格納された中型車は、隣接する奥棚へ移動可能である。よって、
図11に示すように、入庫される中型車(
図9〜
図11中の△
2)は、荷揃え処理によって中型車が格納された中型棚6bの前棚に格納されることが決定される。
【0054】
なお、この時点で、既に一つ前の入庫処理が実行されていて、入庫車両が入庫リフト上にあり、かつ入庫車両が別の台車に入庫予定の場合には、荷揃え処理を行うことが望ましい。但し、入庫繁忙時間帯で入庫が連続する場合には、本実施例に係る荷揃え処理は実行されずに、入庫処理へ移行してもよい。
【0055】
上記判断の結果、荷揃え処理が実行されると決定されている場合、台車7は、車両が載置されていない空荷の状態で、荷揃え処理の対象となる中型車が格納された大型棚6aの前棚の位置まで移動する。
台車7が大型棚6aの前棚に到着すると、前棚から台車7へ車両が引き渡される。そして、車両を受け取って車両が載置された台車7が、移動先の中型棚6bの前棚のある位置まで移動する。その後、台車7が前棚に到着すると、台車7から前棚へ車両が引き渡される。その結果、
図10に示すように、荷揃え処理が完了する(ステップS24)。
【0056】
次に、空荷の状態にある台車7が入庫リフト4のある位置へ移動し、入庫車両である中型車が、入庫リフト4から台車7へ引き渡される。次に、台車7が、さきほど荷揃え処理によって中型車が格納された前棚のある位置まで移動し、台車7から前棚へ車両が引き渡される。このとき、同時に、前棚に格納されている車両は、隣接する奥棚へ移動される。その結果、
図11に示すように、入庫処理が完了する(ステップS25)。
【0057】
これにより、
図10に示すように、荷揃え処理によって、大型棚6aの前棚に格納されていた中型棚6bが、空き棚となっている中型棚6bの前棚へ移動する。また、入庫処理によって、
図11に示すように、荷揃え処理によって中型車が格納されている前棚に中型車が格納される。このとき、同時に、荷揃え処理によって前棚に格納されていた中型車は、隣接する奥棚へ移動する。したがって、中型棚6bの前棚と奥棚に中型車が格納される。
【0058】
<第3実施例>
図12〜
図15を参照して、大型棚6aの前棚に大型車を入庫する場合において、大型棚6aの前棚に格納されていた大型車を、空き棚となっている大型棚6aの前棚へ移動する荷揃え処理について説明する。
【0059】
まず、大型棚6aの前棚に大型車を入庫する指令が受領されたとき(ステップS31)、複数の大型棚6aの前棚の中から、大型車が格納されている前棚がある否かが確認される(ステップS32)。大型棚6aの前棚に大型車が格納されていない場合は、本実施例に係る荷揃え処理は実行されずに、入庫処理へ移行する。
【0060】
図13に示すように、大型棚6aの前棚に大型車が格納されている場合(
図13中の○
1)、複数の大型棚6aの前棚の中から、入庫リフト4から遠い格納棚6において、車両が格納されていない空き棚があるか否かが確認される(ステップS33)。前棚に空き棚がない場合は、本実施例に係る荷揃え処理は実行されずに、入庫処理へ移行する。前棚に空き棚がある場合、
図14に示すように、荷揃え処理によって、空き棚よりも入庫リフト4に近い大型棚6aの前棚に格納されている大型車(
図13中の○
2)が、空き棚となっている大型棚6aの前棚に移動されることが決定される。大型棚6aの前棚に空き棚がある場合、前棚に隣接する奥棚も空き棚となっている。
【0061】
また、入庫される大型車は、荷揃え処理によって移動される大型車が格納されていた大型棚6aの前棚に格納されることが決定される。
【0062】
なお、この時点で、既に一つ前の入庫処理が実行されていて、入庫車両が入庫リフト上にあり、かつ入庫車両が別の台車に入庫予定の場合には、荷揃え処理を行うことが望ましい。但し、入庫繁忙時間帯で入庫が連続する場合には、本実施例に係る荷揃え処理は実行されずに、入庫処理へ移行してもよい。
【0063】
上記判断の結果、荷揃え処理が実行されると決定されている場合、台車7は、車両が載置されていない空荷の状態で、荷揃え処理の対象となる大型車が格納された大型棚6aの前棚の位置まで移動する。
台車7が大型棚6aの前棚に到着すると、前棚から台車7へ車両が引き渡される。そして、車両を受け取って車両が載置された台車7が、移動先の大型棚6aの前棚のある位置まで移動する。その後、台車7が前棚に到着すると、台車7から前棚へ大型車が引き渡される。その結果、
図14に示すように、荷揃え処理が完了する(ステップS34)。
【0064】
次に、空荷の状態にある台車7が入庫リフト4のある位置へ移動し、入庫車両である大型車が、入庫リフト4から台車7へ引き渡される。次に、台車7が、入庫する大型棚6aの前棚のある位置まで移動し、台車7から前棚へ車両が引き渡される。その結果、
図15に示すように、入庫処理が完了する(ステップS35)。
【0065】
これにより、
図14に示すように、荷揃え処理によって、入庫リフト4に近い大型棚6aの前棚に格納されていた大型車が、入庫リフト4から遠い位置の空き棚となっている大型棚6aの前棚へ移動する。したがって、大型棚6aの前棚に大型車が格納され、隣接する奥棚は空き棚となる。また、
図15に示すように、入庫処理によって、荷揃え処理によって空き棚となっている大型棚6aの前棚に大型車(
図15中の○
2)が格納される。入庫処理前に、入庫リフト4に近い格納棚6を空き棚とすることで、入庫処理にかかる時間を短縮化することができる。
【0066】
なお、第3実施例では、大型棚6aの前棚に大型車を入庫する場合において、大型棚6aの前棚に格納されていた大型車を、空き棚となっている大型棚6aの前棚へ移動する荷揃え処理について説明したが、中型棚6bの前棚に中型車を入庫する場合において、中型棚6bの前棚に格納されていた中型車を、空き棚となっている中型棚6bの前棚へ移動する場合にも適用可能である。
この場合、第3実施例の大型棚6aを中型棚6bに読み替え、大型車を中型車に読み替える。
【0067】
<出庫処理>
図16に示すように、台車7から出庫リフト5へ車両が引き渡された後、出庫リフト5から出庫バース3へ車両が引き渡されるまでの間、本実施形態に係る出庫後の荷揃え処理が実施される。
【0068】
荷揃え処理では、まず、出庫処理によって台車7から出庫リフト5へ車両が引き渡された後、台車7は、車両が載置されていない空荷の状態で、荷揃え処理の対象となる車両が載置された格納棚6(第1格納棚)まで移動する。
台車7が格納棚6に到着すると、格納棚6から台車7へ車両が引き渡される。そして、車両を受け取って車両が載置された台車7が、移動先の格納棚6(第2格納棚)まで移動する。
その後、台車7が格納棚6に到着すると、台車7から格納棚6へ車両が引き渡される。その結果、荷揃え処理が完了する。
【0069】
本実施形態に係る出庫後の荷揃え処理を行わない場合、
図27に示すように、別の出庫車両が存在し、新たな出庫処理が実行されない限り、台車7から出庫リフト5へ車両が引き渡された後、出庫リフト5から出庫バース3へ車両が引き渡されるまでの間、台車7は、稼働されない待ち状態となる。一方、本実施形態によれば、台車7から出庫リフト5へ車両が引き渡された後、出庫リフト5から出庫バース3へ車両が引き渡されるまでの間に、荷揃え処理が行われる。その結果、入庫処理や出庫処理を妨げることなく、荷揃え処理を適切なタイミングで実施することができる。
【0070】
出庫後の荷揃え処理の具体的な動作について説明する。
<第4実施例>
図17〜
図19を参照して、大型棚6aの前棚から大型車を出庫する場合において、大型棚6aの奥棚に格納されていた中型車を、中型棚6bの前棚へ移動する荷揃え処理について説明する。
【0071】
まず、大型棚6aの前棚から大型車を出庫する指令が受領されたとき(ステップS41)、出庫対象となる大型車が格納された前棚と隣接する奥棚に、中型車が格納されているか否かが確認される(ステップS42)。隣接する奥棚に中型車が格納されていない場合は、本実施例に係る荷揃え処理は実行されない。
【0072】
図18に示すように、大型車(
図18中の○)が格納された前棚と隣接する隣接する奥棚に中型車(
図18中の△)が格納されている場合、複数の中型棚6bの前棚の中から、車両が格納されていない空き棚があるか否かが確認される(ステップS43)。前棚に空き棚がない場合は、本実施例に係る荷揃え処理は実行されない。前棚に空き棚がある場合、
図19に示すように、出庫対象となる大型車が格納された前棚と隣接する奥棚に格納された中型車が、空き棚となっている中型棚6bの前棚に移動されることが決定される。
【0073】
荷揃え処理が実行される前に、まず、出庫処理が実行される。初めに、台車7が、出庫対象となる大型車(
図18中の○)が格納された前棚の位置まで移動する。そして、出庫対象となる大型車が前棚から台車7へ引き渡される。奥棚に格納された中型車は、出庫対象となる大型車が台車7へ引き渡されると同時に前棚へ移動する。次に、台車7が、出庫リフト5がある位置まで移動し、台車7から出庫リフト5へ大型車が引き渡される。その後、出庫リフト5が出庫バース3のあるフロアまで移動し、出庫リフト5から出庫バース3へ大型車が引き渡される。
【0074】
なお、この時点で、台車に次の出庫車両が存在し、新たな出庫処理が実行される場合は、本実施例に係る荷揃え処理は実行されないとしてもよい。
【0075】
上記判断の結果、荷揃え処理が実行されると決定されている場合、台車7は、出庫リフト5へ出庫対象となる大型車を引き渡した後、さきほど奥棚から前棚へ移動された中型車が格納された大型棚6aの位置まで戻る。そして、中型車が前棚から台車7へ引き渡される。台車7は、予め確認しておいた中型棚6bの前棚がある位置まで移動し、台車7から前棚へ中型車が引き渡される。これにより、
図19に示すように、荷揃え処理が完了する(ステップS44)。
この結果、大型棚6aの奥棚に格納されていた中型車が、空き棚となっている中型棚6bの前棚へ移動される。
【0076】
<第5実施例>
図20〜
図22を参照して、中型棚6bの前棚から中型車を出庫する場合において、大型棚6aの前棚に格納されていた中型車を、出庫処理によって空き棚となる中型棚6bの前棚へ移動する荷揃え処理について説明する。
【0077】
まず、中型棚6bの前棚から中型車を出庫する指令が受領されたとき(ステップS51)、出庫対象となる中型車が格納された前棚と隣接する奥棚に、中型車が格納されているか否かが確認される(ステップS52)。中型車が格納された前棚と隣接する奥棚に中型車が格納されている場合は、出庫処理によって奥棚に格納されている中型車が前棚に移動するため、本実施例に係る荷揃え処理は実行されない。
【0078】
隣接する奥棚に中型車が格納されておらず、奥棚が空き棚である場合、複数の大型棚6aの前棚の中から、中型車が格納されている前棚があるか否かが確認される(ステップS53)。大型棚6aの前棚に中型車が格納されていない場合は、本実施例に係る荷揃え処理は実行されない。一方、
図21に示すように、大型棚6aの前棚に中型車(
図21中の△)が格納されている場合、大型車の前棚に格納された中型車が、
図22に示すように、出庫処理によって空き棚となる中型棚6bの前棚に移動されることが決定される。
【0079】
荷揃え処理が実行される前に、まず、出庫処理が実行される。初めに、台車7が、出庫対象となる中型車(
図21中の○)が格納された前棚の位置まで移動する。そして、出庫対象となる中型車が前棚から台車7へ引き渡される。次に、台車7が、出庫リフト5がある位置まで移動し、台車7から出庫リフト5へ中型車が引き渡される。その後、出庫リフト5が出庫バース3のあるフロアまで移動し、出庫リフト5から出庫バース3へ中型車が引き渡される。
【0080】
なお、この時点で、台車に次の出庫車両が存在し、新たな出庫処理が実行される場合は、本実施例に係る荷揃え処理は実行されないとしてもよい。
【0081】
上記判断の結果、荷揃え処理が実行されると決定されている場合、台車7は、出庫リフト5へ出庫対象となる中型車を引き渡した後、さきほど決定した中型車が格納された大型棚6aの位置へ移動する。そして、中型車が前棚から台車7へ引き渡される。台車7は、さきほど出庫処理によって空き棚となった中型棚6bの前棚がある位置まで移動し、台車7から前棚へ中型車が引き渡される。これにより、
図22に示すように、荷揃え処理が完了する(ステップS54)。
この結果、大型棚6aの前棚に格納されていた中型車が、出庫処理によって空き棚となる中型棚6bの前棚へ移動される。
【0082】
<第6実施例>
図23〜
図25を参照して、中型棚6bの前棚から中型車を出庫する場合において、隣接し合う前棚と奥棚の両方に中型車が格納されている格納棚6の前棚に格納されていた中型車を、出庫処理によって空き棚となる中型棚6bの前棚へ移動する荷揃え処理について説明する。
【0083】
まず、中型棚6bの前棚から中型車を出庫する指令が受領されたとき(ステップS61)、出庫対象となる中型車が格納された前棚と隣接する奥棚に、中型車が格納されているか否かが確認される(ステップS62)。隣接する奥棚に中型車が格納されている場合は、出庫処理によって奥棚に格納されている中型車が前棚に移動するため、本実施例に係る荷揃え処理は実行されない。
【0084】
隣接する奥棚に中型車が格納されておらず、奥棚が空き棚である場合、複数の中型棚6bのうち隣接し合う前棚と奥棚の両方に中型車が格納されている格納棚6があるか否かが確認される(ステップS63)。隣接し合う前棚と奥棚の両方に中型車が格納されている格納棚6がない場合は、本実施例に係る荷揃え処理は実行されない。一方、
図24に示すように、隣接し合う前棚と奥棚の両方に中型車(
図24中の△
2,△
3)が格納されている格納棚6がある場合、奥棚に格納された中型車が、出庫処理によって空き棚となる中型棚6bの前棚に移動されることが決定される。
【0085】
荷揃え処理が実行される前に、まず、出庫処理が実行される。初めに、台車7が、出庫対象となる中型車(
図24中の△
1)が格納された前棚の位置まで移動する。そして、出庫対象となる中型車が前棚から台車7へ引き渡される。次に、台車7が、出庫リフト5がある位置まで移動し、台車7から出庫リフト5へ中型車が引き渡される。その後、出庫リフト5が出庫バース3のあるフロアまで移動し、出庫リフト5から出庫バース3へ中型車が引き渡される。
【0086】
なお、この時点で、台車に次の出庫車両が存在し、新たな出庫処理が実行される場合は、本実施例に係る荷揃え処理は実行されないとしてもよい。
【0087】
上記判断の結果、荷揃え処理が実行されると決定されている場合、台車7は、出庫リフト5へ出庫対象となる中型車を引き渡した後、さきほど決定した中型車が格納された大型棚6aの位置へ移動する。そして、中型車が前棚から台車7へ引き渡される。台車7は、さきほど出庫処理によって空き棚となった中型棚6bの前棚がある位置まで移動し、台車7から前棚へ中型車が引き渡される。これにより、
図25に示すように、荷揃え処理が完了する(ステップS64)。
【0088】
この結果、隣接し合う前棚と奥棚の両方に中型車が格納されている格納棚6の前棚に格納されていた中型車が、出庫処理によって空き棚となる中型棚6bの前棚へ移動される。これにより、隣接し合う前棚と奥棚の両方に中型車が格納されていた格納棚6のうち奥棚が空き棚となる。また、出庫処理によって空き棚となった中型棚6bの前棚に中型車が格納され、隣接する奥棚は空き棚となる。したがって、奥棚に格納された車両数が減少するため、出庫の際に生じる可能性がある荷繰り処理が削減される。
【0089】
中型棚6bの前棚から中型車を出庫する場合において、隣接し合う前棚と奥棚の両方に中型車が格納されている格納棚6の前棚に格納されていた中型車を、出庫処理によって空き棚となる中型棚6bの前棚へ移動する荷揃え処理について説明したが、大型棚6aの前棚から大型車を出庫する場合において、隣接し合う前棚と奥棚の両方に大型車が格納されている格納棚6の前棚に格納されていた大型車を、出庫処理によって空き棚となる大型棚6aの前棚へ移動する場合にも適用可能である。
この場合には第6実施例の中型棚6bを大型棚6aに読み替え、中型車を大型車に読み替える。
【0090】
以上、本実施形態によれば、入庫開始処理後、入庫リフト4から台車7へ引き渡されるまでの間に、荷揃え処理が行われる。また、台車7から出庫リフト5へ車両が引き渡された後、出庫リフト5から出庫バース3へ車両が引き渡されるまでの間に、荷揃え処理が行われる。その結果、入庫処理や出庫処理を妨げることなく、荷揃え処理を適切なタイミングで実施することができる。
【0091】
さらに、荷揃え処理が実施されることによって、たとえば大型棚6aに格納されている中型車が中型棚6bへ移動するため、大型車の収容可能台数が増加し、格納効率が上昇する。また、前棚に車両を格納し、奥棚を空き棚とする格納棚6の数を増加させることで、奥棚に格納された車両を出庫する際に必要となる荷繰り処理が削減される。またさらに、入庫処理前に、入庫リフト4に近い格納棚6を空き棚とすることで、入庫処理にかかる時間を短縮化することができる。