(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のモジュールは、複数ステップの化学プロセスのうちの第1のステップを行うように構成され、前記第2のモジュールは、複数ステップの化学プロセスのうちの第2のステップを行うように構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
動作の間、前記第1のモジュールは、前記第1のモジュールの中に輸送される入力流体の少なくとも95%が、前記反応器、前記第1の非反応器分離器、および前記バイパス導管のうちの1つを通して輸送される一方、前記入力流体の5%未満が、前記モジュール内の残りのユニットを通して輸送されるように動作させられる、請求項1−6のいずれかに記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
有効医薬品原料を含む、化学生成物を合成することに関連する、システムおよび方法が、概して、説明される。
【0012】
可搬性、自給式、および/または容易に再構成可能な化学プロセスにおいて化学生成物(例えば、有効医薬品原料(API))を製造するための能力は、概して、見つけられないままである。例えば、化学合成、精製、製剤、および最終包装ステップは、典型的には、大規模な設備および高価な動作を要求する。これらの設備は、概して、製造方法を開発し、化学生成物および原料の合成から完成した化学(例えば、医薬品)生成物の発売まで進めるために長時間を要する。さらに、製造遅延および不足が、多くの場合、大量バッチの化学生成物が品質制御試験に不合格となるときに生じ得る。加えて、化学生成物を製造するために使用される設備は、典型的には、1つの特定の化学生成物の製造のために設計され、概して、付加的化学生成物を製造するために、広範な分解および再組立を要求する。
【0013】
本明細書に説明されるシステムおよび方法のあるものは、従来の化学(例えば、医薬品)製造システムおよび方法に優る1つまたはそれを上回る利点を提供することができる。本明細書に説明されるいくつかの実施形態は、化学生成物を連続プロセスにおいて合成する能力から利益を享受し得る、種々の用途において使用されてもよい。例えば、有効医薬品原料の大部分は、典型的には、離散バッチまたは半バッチプロセスにおいて製剤化される。有効医薬品原料を連続様式で合成する能力は、要求される設備の占有面積の有意な削減ならびに新規合成方法の開発を可能にすることができる。加えて、コンパクトかつ再構成可能製造システムにおける連続フロー合成の使用は、化学生成物(例えば、有効医薬品原料)の高スループットのオンデマンド生産を可能にすることができる。
【0014】
本明細書に説明される実施形態のあるものは、可搬性自給式システムにおける化学生成物(例えば、有効医薬品原料)の合成のためのツールおよび関連技法を提供する。例えば、一式の実施形態では、多重ステップ化学処理が、1つまたはそれを上回る化学生成物の化学合成、精製、製剤、および/または最終包装のために使用されるユニット動作を備える、一連のモジュールを使用して達成されることができる。ある場合には、2つまたはそれを上回る化学生成物の合成が、第1の化学生成物が合成される時間と第2の化学生成物が合成される時間との間で、モジュールおよび/またはユニット動作を接続または切断せずに達成されることができる。すなわち、いくつかの実施形態では、第1の時間周期と第2の時間周期との間で、モジュールまたはユニット動作を流体的に接続または切断する必要なく、第1の化学生成物は、第1の時間周期にわたってシステム内で合成されることができ、第2の化学生成物は、第1の時間周期と重複しない第2の時間周期にシステム内で合成されることができる。
【0015】
加えて、化学生成物(例えば、有効医薬品原料)は、ある場合には、比較的に小占有面積を占有するシステムにおいて、高スループットで合成され得る。いくつかの実施形態では、プロセスは、自動化され、ユーザが、動作を開始し、システム全体を通して、化学生成物の合成を追跡することを可能にする。本明細書に説明されるシステムおよび方法は、電子制御ならびに/または他の自動化システムと結合され、プロセス中断またはシャットダウンの必要なく、動作を可能にし得る。本明細書に説明されるシステムおよび方法は、いくつかの実施形態では、可搬性である。いくつかのそのような実施形態では、可搬性システムは、効果的動作のために、外部電力供給源のみを要求する。
【0016】
本明細書に説明される本発明の合成システムおよび方法のあるものの使用は、典型的大規模バッチシステムに優る1つまたはそれを上回る利点をもたらす。そのような利点の非限定的実施例は、1人のユーザ/オペレータが、システムを動作させ、同一の非中断システム内の異なる場所において複数のユニット動作(例えば、1つまたはそれを上回る反応、1つまたはそれを上回る分離等)を同時に行うための能力を含む。概して、バッチシステムは、各ユニット動作が、物理的かつ時間的に切断されることを要求し、本明細書に説明される合成システムのあるものと比較して、はるかに多くの時間、占有面積、および労働力要件を要求するであろう。加えて、本明細書に説明されるユニット動作のあるものは、化学合成ステップの簡略化を可能にすることができる(例えば、より短い化学処理シーケンスを得るための化学物質を選択する、簡略化された精製ステップをもたらす適切な添加剤および/または溶媒を選択する、ならびに/もしくは不純物を除去する必要なく、化学生成物を形成する)。
【0017】
一式の実施形態では、1つまたはそれを上回る化学生成物を生産することに関連するシステムおよび方法が、説明される。
図1は、1つまたはそれを上回る化学生成物を生産するために使用され得る、一式の実施形態による、システム100の略図を含む。いくつかの実施形態では、本システムは、1つまたはそれを上回るモジュールを備える。モジュールは、少なくとも1つのユニット動作を含有することができる。ユニット動作は、化学プロセスのステップを行うために使用されることができる。いくつかの実施形態では、本システムは、直列に接続される複数のモジュールを備える。例えば、ある実施形態では、本システムは、第1のモジュールと、第1のモジュールに直列に流体的に接続される第2のモジュールとを備える。
図1を参照すると、例えば、システム100は、導管114を介して流体的に直列に接続される、モジュール102と、モジュール104とを備える。いくつかのそのような実施形態では、直列内のモジュールはそれぞれ、多重ステップ化学プロセスの単一ステップを行うために使用されることができる。例えば、
図1を参照すると、モジュール102は、多重ステップ化学合成プロセスにおいて第1のステップを行うために使用されることができ、モジュール104は、多重ステップ化学合成プロセスの第2のステップを行うために使用されることができる。2つのモジュールが
図1に図示されるが、付加的モジュールもまた、使用され得る。いくつかの実施形態では、本システムは、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも10、またはそれを上回るモジュールを備える。
【0018】
モジュール102は、ある実施形態によると、導管110を介して、流体(いくつかの実施形態では、以下に説明されるように、化学反応物、化学生成物、および/または溶媒を備えてもよい)を受容するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、モジュール102は、導管112を介して、随意の付加的流体(いくつかの実施形態では、第2の化学反応物、第2の溶媒等を含有してもよい)を受容するように構成されてもよい。いくつかのそのような実施形態では、モジュール102は、以下により詳細に説明されるように、入力流れ110および112と実質的に異なる化学組成物を有する1つまたはそれを上回る出力流れを生産するプロセスを行うように構成される、ユニット動作を備える。一実施例として、いくつかの実施形態では、モジュール102は、導管110を介して受容された化学反応物が、反応され、化学反応生成物を形成する、反応器を含有する。モジュール102によって生産される出力流れは、導管114を介して、モジュール102から輸送されることができる。いくつかの実施形態では、モジュール104は、導管114を介して、モジュール102によって生産される出力流れを受容するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、モジュール104は、導管116を介して、付加的流体を受容するように構成される。ある場合には、モジュール104は、入力流れ114および116と実質的に異なる化学組成物を有する1つまたはそれを上回る出力流れを生産するプロセスを行うように構成され得る、ユニット動作を含有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、モジュール104は、導管114を介して受容された化学反応物が、反応され、化学反応生成物を形成する、反応器を含有する。別の実施例として、モジュール104は、導管114を介して受容された化学生成物が、少なくとも部分的に、別の成分から分離される、分離器を備え得る。モジュール104によって生産される出力流れは、導管118を介して、モジュール104から輸送されることができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、化学生成物を生産するためのシステムは、流体的に直列に接続される、第1のモジュールと、第2のモジュールとを備える。複数のモジュールを直列に接続することによって、全体的化学合成プロセスの一部として、一連の化学処理ステップを行うことができる。いくつかのそのような実施形態では、第1のモジュールは、化学合成プロセスの第1のステップを行うために使用されることができ、第2のモジュールは、化学合成プロセスの第2のステップを行うために使用されることができる。
【0020】
複数のモジュールを備える、例示的システムが、
図2Aに図式的に図示される。
図2Aの例示的実施形態では、システム200は、導管114によって第2のモジュール104に流体的に直列に接続される、第1のモジュール102を備える。第1のモジュール102は、第1のユニット動作220と、第1のユニット動作に並列に流体的に接続されるに第2のユニット動作222と、第1のユニット動作および第2のユニット動作に並列に流体的に接続されるバイパス導管230とを備える。第2のモジュール104は、第3のユニット動作286と、第3のユニット動作に並列に流体的に接続される第4のユニット動作288と、第3のユニット動作および第4のユニット動作に並列に流体的に接続されるバイパス導管290とを備える。
【0021】
いくつかの実施形態では、ユニット動作および/またはバイパス導管は、1つまたはそれを上回るマニホールドによって流体的に接続される。例えば、
図2Aの例示的実施形態では、第1のユニット動作220、第2のユニット動作222、およびバイパス導管230は、マニホールド210およびマニホールド214によって流体的に接続される。加えて、
図2Aでは、第3のユニット動作286、第4のユニット動作286、およびバイパス導管288は、マニホールド280ならびにマニホールド284を介して、流体的に接続される。
【0022】
いくつかの実施形態では、付加的モジュールもまた、システム内に含まれることができる。ある実施形態では、付加的ユニット動作および/またはバイパス導管はまた、各モジュール内で相互に流体的に接続されることができる。いくつかの実施形態では、システム内の2つまたはそれを上回るモジュール(例えば、第1のモジュールおよび第2のモジュール)は、同じ配列のユニット動作を備える。
【0023】
上記に紹介されたように、モジュールは、並列に流体的に接続される2つまたはそれを上回るユニット動作を備えることができる。例えば、ある場合には、モジュールは、第1のユニット動作と、第1のユニット動作に並列に流体的に接続される第2のユニット動作とを備える。本明細書に説明されるように、ユニット動作は、概して、ユニット動作に入力される流れのうちの少なくとも1つと実質的に異なる化学組成物を有する1つまたはそれを上回る出力流れを生産する機能を行うように構成される、デバイスを指す。概して、出力流れは、出力流れ内の少なくとも1つの流体成分の相対存在量が入力流れ内のその成分の相対存在量と少なくとも5重量%異なる(または、ある場合には、少なくとも10重量%異なるまたは少なくとも25重量%異なる)とき、入力流れと実質的に異なる化学組成物を有する。特定の流体成分の重量%差異は、出力流れ内の流体成分の重量%と入力流れ内の流体成分の重量%との間の差異の絶対値を計算し、計算される絶対値を入力流れ内の流体成分の重量%によって、除算することによって判定されることができる。言い換えると、特定の流体成分の重量%差異は、以下のように計算され得る。
【0025】
式中、Δwは、特定の成分の重量%差異であって、w
oは、出力流れ内の流体成分の重量%であって、w
iは、入力流れ内の流体成分の重量%である。
【0026】
いくつかの実施形態では、2つを上回るユニット動作が、モジュール内で並列に流体的に接続されてもよい。例えば、ある場合には、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも10、またはそれを上回るユニット動作が、モジュール内で並列に流体的に接続されることができる。いくつかのユニット動作は、本明細書に説明されるモジュールのあるものにおいて使用するために好適であり得る。ユニット動作の非限定的実施例は、以下により詳細に説明されるように、反応器および非反応器ユニット動作(例えば、分離器、混合器等)を含む。
【0027】
ある場合には、モジュールは、1つまたはそれを上回るユニット動作に並列に流体的に接続される少なくとも1つのバイパス導管を備えてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、モジュールは、バイパス導管と、第1のユニット動作と、第2のユニット動作とを備え、バイパス導管、第1のユニット動作、および第2のユニット動作はそれぞれ、相互に並列に流体的に接続される。バイパス導管は、任意の好適なタイプの導管(例えば、管、パイプ、チャネル、および同等物)を含むことができる。バイパス導管は、概して、バイパス導管に入力される流れと実質的に類似化学組成物を有する、1つまたはそれを上回る出力流れを生産する。いくつかの実施形態では、バイパス導管は、ユニット動作がモジュールによって行われる必要がない場合、モジュール内のユニット動作をバイパスするために使用されることができる。例えば、行われる化学合成プロセスが4つのみのステップを含み、8つのモジュールが提供される場合、流体は、化学プロセスを行うために必要とされないモジュールのうちの4つのバイパス導管を通して輸送されてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、モジュールは、2つのユニット動作と、バイパス導管とを備える。
図2Bの例示的実施形態に図示されるように、モジュール102は、並列に流体的に接続される2つのユニット動作を備える。例えば、例示的モジュール102は、第1のユニット動作220と、第1のユニット動作220に並列に流体的に接続される第2のユニット動作222とを備える。いくつかの実施形態では、モジュールは、随意に、
図2Cに図示され、以下により詳細に説明されるように、2つを上回るユニット動作を含んでもよい。
図2Bを参照すると、ユニット動作220および222は、それぞれ、導管250および252を介して、入口マニホールド210に、それぞれ、導管260および262を介して、出口マニホールド214に流体的に接続される。モジュール102は、第1のユニット動作220および第2のユニット動作222に並列に流体的に接続されるバイパス導管230を備える。
【0029】
図2Cは、2つを上回るユニット動作が並列に流体的に接続される、モジュールの例示的略図である。
図2Cの例示的実施形態では、モジュール102は、随意の第3のユニット動作224と、随意の第4のユニット動作226とを備え、それぞれ、第1のユニット動作220および第2のユニット動作222に並列に接続される。
図2Cの例示的実施形態におけるモジュール102はまた、第1のユニット動作220および第2のユニット動作222に並列に流体的に接続される(かつ、
図2Bに図示されるように、第3のユニット動作224および第4のユニット動作226に並列に流体的に接続される)、バイパス導管230を備える。ユニット動作224および226は、それぞれ、導管254および256を介して、入口マニホールド210に、それぞれ、導管264および266を介して、出口マニホールド214に流体的に接続される。
【0030】
マニホールドは、本明細書に説明されるように、流体および/または複数の流体が輸送され得る、1つまたはそれを上回るユニット動作を選択するため、一連の事前に接続される導管、チャネル、弁、または同等物を備えてもよい。当業者は、弁が、概して、導管を流体的に接続および/または切断せずに(例えば、導管を開閉することによって)、流体のフローを指向および/または制御する、デバイスを指すことを理解するであろう。弁の非限定的実施例は、機械的弁、ボール弁、逆止弁、バタフライ弁、ピストン弁、空気圧弁、電子弁、および油圧弁を含む。いくつかの実施形態では、弁は、2つまたはそれを上回るポート(例えば、2つのポート弁、3つのポート弁、4つのポート弁等)を備える。
【0031】
ある実施形態では、マニホールドは、複数の出口を備え、複数の出口はそれぞれ、モジュール内の単一ユニット動作または単一バイパス導管に流体的に接続される。いくつかの実施形態では、モジュール内のマニホールドは、流体がモジュール内の単一ユニット動作を通して選択的に輸送されるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、動作の間、モジュールのうちの少なくとも1つ(例えば、少なくとも第1のモジュール)は、モジュールの中に輸送される入力流体の少なくとも約95重量%、少なくとも約99重量%、少なくとも約99.9重量%、または実質的に全てが、第1のユニット動作、第2のユニット動作、およびバイパスのうちの1つのみを通して輸送される(一方、それぞれ、入力流体の約5重量%未満、約1重量%未満、約0.1重量%未満、または実質的に無重量%が、モジュール内の残りの流体経路を通して輸送される)ように動作される。例えば、オペレータは、ある場合には、マニホールド210内の適切な導管および/または弁を選定し、流体をマニホールド220への入口からユニット動作220に輸送することによって、ユニット動作220を選択してもよい。いくつかの実施形態では、オペレータは、流体がバイパス導管230を通して輸送されるように、マニホールド210内の適切な導管および/または弁を選択してもよい。
【0032】
ある場合には、モジュールは、随意の第2のマニホールドを備え、付加的随意の流体(例えば、以下に説明されるように、1つまたはそれを上回る試薬および/または溶媒を備える)を選択されたユニット動作に添加してもよい。例えば、
図2Dを参照すると、入口マニホールド210は、ある場合には、流体(例えば、第1の化学反応物)を並列に流体的に接続される1つまたはそれを上回るユニット動作に輸送し得る、導管110に流体的に接続される。モジュール102は、導管112を備え、第2の流体(例えば、第2の化学反応物)を入口マニホールド212を介して、並列に流体的に接続される1つまたはそれを上回るユニット動作に輸送してもよい。入口マニホールド210および/または入口マニホールド212は、ユニット動作のうちの1つが化学プロセスのステップを行うように選択的にアクティブ化され得るように構成されてもよい。代替として、入口マニホールド210および/または入口マニホールド212は、流体がバイパス導管を通して輸送され得るように構成されてもよい。例えば、ある場合には、ユーザは、第1の流体がユニット動作220に輸送されるように導管250を選択してもよく、および/または第2の流体もまたユニット動作220に輸送されるように導管240を選択してもよい。いくつかの実施形態では、入口マニホールド210から輸送される流体は、流体をユニット動作に輸送する前に、入口マニホールド212から輸送される流体と混合される(例えば、混合器を用いて)。
【0033】
いくつかの実施形態では、流体を輸送することは、流体を導管、ユニット動作、および/またはバイパス導管を通して圧送すること(例えば、ポンプを介して)を含む。ある場合には、ポンプの使用を伴わずに流体を輸送することが、有利であり得る。例えば、いくつかの実施形態では(例えば、流体が懸濁された固体を含有する場合)、重力を介して流体を輸送することが、有利であり得る。重力を介して流体を輸送することの利点の1つは、導管またはユニット動作内の流体フローを遮断し得る、固体の凝集の防止である。
【0034】
本明細書に説明されるように、いくつかの実施形態では、モジュール内のユニット動作のうちの少なくとも1つは、反応器である。例えば、
図2Bを参照すると、いくつかの実施形態では、ユニット動作220および/またはユニット動作222は、反応器である。
図2Cに戻って参照すると、いくつかの実施形態では、ユニット動作224および/またはユニット動作226は、反応器である。
図2Bに戻って参照すると、いくつかの実施形態では、反応器220は、導管250を介して、化学反応物を備える入力流れを受容し、導管260を介して、化学生成物(例えば、化学生成物、中間体化学生成物、またはAPI)を流出流れに出力するように構成される。ある実施形態では、ここで
図2Dを参照すると、反応器220は、導管250を介して、第1の入力流れを、導管240を介して、第2の入力流れを受容し、導管260を介して、化学生成物を流出流れに出力するように構成される。
【0035】
一般に、反応器は、化学反応を行うように構成される、容器(例えば、タンク、管、コイル、パイプ、または同等物)を備える。反応器は、ある場合には、化学反応物を取り込み(例えば、化学反応物を含有するリザーバに流体的に接続される導管から、別の反応器に流体的に接続される導管から、および/または非反応器ユニット動作に流体的に接続される導管から)、標的化学生成物の中間体を生産する、または標的化学生成物自体を生産するように構成されてもよい。
【0036】
任意の好適なタイプの反応器が、使用されてもよく、限定ではないが、栓流反応器、充填層反応器(例えば、触媒充填層反応器)、継続的に撹拌されるタンク反応器、または任意の他の好適な反応器タイプを含む。例えば、ある実施形態では、反応器は、そのサイズを低減させるようにコイル状であり得る、ステンレス鋼管を備える。いくつかの実施形態では、反応器は、ガラスまたは金属ビーズ、ふるい、および/または樹脂等の種々の材料で充填される。ある実施形態では、反応器は、コイル状であって、(a)熱伝導と、(b)種々の動作温度および圧力下における機械的応力に対する高抵抗とを確実にするために、剛性筐体(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、炭化ケイ素、または他の剛性材料)内に埋設され得る、定義された構造および寸法(例えば、内径)のポリマー管(例えば、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、または他のポリマー材料を備える)を備える。
【0037】
いくつかの実施形態では、反応器は、比較的に小体積を有する。比較的に小体積を伴う反応器の使用は、ある実施形態によると、全体的合成プロセスの可搬性の維持を補助することができる。加えて、予想外にも、小型反応器は、比較的に高反応物スループットを維持しながら使用されることができることが見出されている。ある実施形態によると、システム内の反応器の1つまたはそれを上回るもの(または全て)は、約1リットル未満またはそれに等しい、約100ミリリットル未満またはそれに等しい、約10ミリリットル未満またはそれに等しい、もしくは約5ミリリットルそれ未満またはそれに等しい体積を有する。ある場合には、システム内の反応器の1つまたはそれを上回るもの(または全て)は、微小反応器(例えば、反応器の体積は、1ミリリットル未満である)であってもよい。いくつかの実施形態では、システム内の反応器の1つまたはそれを上回るもの(または全て)は、100マイクロリットル程度、10マイクロリットル程度、またはそれ未満の体積を有する。
【0038】
いくつかの実施形態では、化学反応は、以下に説明されるように、連続様式で生じる。いくつかの実施形態では、化学反応は、反応器全体を通して特定の体積流率で生じてもよい。ある実施形態では、流率は、可変流率である。いくつかの実施形態では、流率は、一定流率である。いくつかの実施形態では、化学反応は、約1×10
−8m
3/時〜約1×10
−4m
3/時の範囲の流率で反応器内で生じる。ある実施形態では、化学反応は、少なくとも約1×10
−8m
3/時、少なくとも約1×10
−7m
3/時、少なくとも約1×10
−6m
3/時、または少なくとも約1×10
−5m
3/時の流率で反応器内で生じる。他の流率もまた、可能性として考えられる。
【0039】
ある場合には、反応器は、高圧で動作されることが有利であり得る。反応器を高圧で動作させることは、反応器を約大気圧で動作させることと比較して、いくつかの利点をもたらす。例えば、ある場合には、反応器を高圧で動作させることは、化学試薬および/または溶媒の沸騰を回避することを可能にすることができ(そうでなければ、大気圧で沸騰され得る)、これは、そうでなければ生じないであろう、化学反応を行うことを可能にすることができる。ある場合には、反応器を高圧で動作させることは、反応器内で行われる化学反応の反応率を増加させることができる。反応器を高圧で動作させることの別の利点は、そうでなければ、システムを詰まらせる、および/または化学生成物の収率を低下させるであろう、障害を起こす試薬および副産物を除去することを含む。例えば、反応器を高圧で動作させることは、生成物の燃焼(例えば、過反応を通して)を防止し得る。ある場合には、例えば、反応器を高圧で動作させることは、副産物の形成を防止または低減させることができ、これは、モジュールおよび/またはユニット動作間の二次精製ステップの必要性を除去することができる。ある場合には、反応器を高圧で動作させることは、流体を水相に維持することを含み(例えば、反応器を動作させるために要求される体積の低減を可能にする)、これは、そうでなければ、システムを詰まらせるであろう、固体の形成を防止し得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、システム内の1つまたはそれを上回る反応器は、約15psi〜約500psiの圧力で動作されることができる。ある実施形態では、反応器は、約15psiを上回るまたはそれに等しい、約50psiを上回るまたはそれに等しい、約100psiを上回るまたはそれに等しい、約150psiを上回るまたはそれに等しい、約200psiを上回るまたはそれに等しい、約250psiを上回るまたはそれに等しい、約300psiを上回るまたはそれに等しい、または約400psiを上回るまたはそれに等しい、圧力で動作される。いくつかの実施形態では、システムは、1つまたはそれを上回るユニット動作に並列に流体的に接続される、背圧調整器(例えば、1つまたはそれを上回るユニット動作内の圧力を調整するため)を備える。
【0041】
ある実施形態では、反応器は、比較的に高温で動作される。ユニット動作を高温で(例えば、約40℃を上回る)動作させることは、ある実施形態によると、いくつかの利点をもたらすことができる。例えば、反応器を高温で動作させることは、反応器内で行われる化学反応率を加速させることができる。ある場合には、ユニット動作を高温で動作させることは、反応器内の固体の形成を阻止または実質的に防止し得る(例えば、ユニット動作を固体の融点を上回る温度で動作させることによって)。いくつかの実施形態では、反応器は、約20℃〜約200℃の範囲の温度で動作される。ある実施形態では、反応器は、約20℃を上回るまたはそれに等しい、約40℃を上回るまたはそれに等しい、約60℃を上回るまたはそれに等しい、約90℃を上回るまたはそれに等しい、約100℃を上回るまたはそれに等しい、約120℃を上回るまたはそれに等しい、約130℃を上回るまたはそれに等しい、約150℃を上回るまたはそれに等しい、もしくは約180℃を上回るまたはそれに等しい、温度で動作される。他の温度範囲もまた、可能性として考えられ得る。
【0042】
ある実施形態では、本明細書に説明されるユニット動作のうちの1つまたはそれを上回るものは、非反応器ユニット動作であることができる。例えば、
図2Aに戻って参照すると、ユニット動作220は、いくつかの実施形態では、非反応器ユニット動作であることができる。再び、
図2Cを参照すると、ユニット動作224は、いくつかの実施形態では、非反応器ユニット動作であることができる。ある実施形態では、非反応器ユニット動作は、1つまたはそれを上回る反応器ユニット動作に並列に流体的に接続される。非反応器ユニット動作は、反応器ではない、任意のタイプのユニット動作であることができる。例えば、いくつかの実施形態では、非反応器ユニット動作は、分離器である。ある実施形態では、非反応器ユニット動作は、混合器である。
【0043】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるユニット動作のあるものは、分離器であることができる。分離器は、少なくとも部分的に、標的化学生成物の中間体および/または標的化学生成物を少なくとも1つの他の成分(すなわち、「除去される成分」)から分離するために使用されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、分離器は、少なくとも部分的に、標的化学生成物または標的化学生成物の中間体を溶媒、反応副産物、および/または不純物から分離するために使用されることができる。分離器は、除去される成分を化学的に反応させずに、少なくとも1つの除去される成分の少なくとも一部を入力流れから除去し、成分の除去される部分を含まない、生成物流れを生産するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、除去される成分は、例えば、吸収性分離器内で観察され得るように、分離器内に保持されることができる。いくつかの実施形態では、除去される成分は、別個の生成物流れにおいて、分離器から輸送されることができる。例えば、ある場合には、分離器は、流体分離器に流入する標的生成物を備える流体流れが、標的化学生成物が豊富な第1の流出流れにおいて、分離器から流出し、除去される成分が、標的化学生成物が乏しい第2の流出流れにおいて分離器から流出するであろうように構成されてもよい。すなわち、第2の流出流れは、供給流れ内に含有されるもの未満の量で標的化学生成物を含有し得る。いくつかの実施形態では、標的化学生成物は、望ましい化学生成物を備える。
【0044】
図2Dを参照すると、モジュール102は、分離器222を備える。分離器222は、導管252を介して、化学反応生成物(例えば、標的化学生成物または標的化学生成物の中間体)を含有し得る、入力流れを受容するように構成されることができる。化学反応生成物は、例えば、分離器222の上流の反応器から発生することができる。分離器222は、少なくとも部分的に、化学反応生成物を入力流れの少なくとも1つの他の成分(例えば、溶媒)から分離するように構成されることができる。分離プロセスは、入力流れ内の化学反応生成物の濃度を上回る濃度で化学反応生成物を含有する、第1の流出流れの生産をもたらすことができる。第1の流出流れは、導管262を介して、マニホールド214に輸送されることができる。分離プロセスはまた、化学反応生成物を全く含有しない、または入力流れ内の化学反応生成物の濃度を下回る濃度で化学反応生成物を含有する、第2の流出流れの生産をもたらすことができる。第2の流出流れは、例えば、導管268を介して、例えば、溶媒、副産物等を収集するように構成される廃棄物収集ユニットに輸送されることができる。いくつかの実施形態では、分離器を通して流体を輸送することは、少なくとも部分的に、化学生成物を化学副産物から分離することをもたらす。例えば、いくつかの実施形態では、
図2Dにおいて導管252を介して輸送される入力流れは、化学反応生成物および副産物を含有する。いくつかのそのような実施形態では、分離器222は、導管262を介して輸送される第1の流出流れが、入力流れ内の化学反応生成物の濃度より高い濃度で化学反応生成物を含有し、導管268を介して輸送される第2の流出流れが、入力流れ内の化学反応副産物の濃度より高い濃度で化学反応副産物を含有するように動作される。いくつかの実施形態では、分離器を通して流体を輸送することは、少なくとも部分的に、化学反応生成物を溶媒から分離することをもたらす。例えば、いくつかの実施形態では、
図2Dにおいて導管252を介して輸送される入力流れは、化学反応生成物および溶媒を含有する。いくつかのそのような実施形態では、分離器222は、導管262を介して輸送される第1の流出流れが、入力流れ内の化学反応生成物の濃度より高い濃度で化学反応生成物を含有し、導管268を介して輸送される第2の流出流れが、入力流れ内の溶媒の濃度より高い濃度で溶媒を含有するように動作される。
【0045】
いくつかの実施形態では、分離器からの第1の流出流れ(例えば、
図2Dにおいて導管262を介して輸送される第1の流出流れ)内に存在する化学生成物と、分離器からの第2の流出流れ(例えば、
図2Dにおいて導管268を介して輸送される第2の流出流れ)内に存在する化学生成物の重量比は、少なくとも約2:1、少なくとも約3:1、少なくとも約5:1、少なくとも約10:1、少なくとも約50:1、少なくとも約100:1、または少なくとも約1000:1である。ある実施形態では、分離器からの第2の流出流れ(例えば、
図2Dにおいて導管268を介して輸送される第2の流出流れ)は、実質的に標的生成物を含まない。
【0046】
種々のタイプの分離器のいずれかが、本明細書に説明されるシステムおよび方法において使用されてもよい。いくつかの実施形態では、分離器は、液−液分離器である。液−液分離器は、第1の液体および第2の液体の混合物を取り込み、混合物に対して第1の液体が豊富な第1の生成物流れと、混合物に対して第2の液体が豊富な第2の生成物流れとを生産するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、液−液分離器は、膜(例えば、膜液−液分離器)を備える。いくつかの実施形態では、分離器は、化学的に耐性のポリマー材料(例えば、ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、PFA、ETFE、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE))と、剛性筐体(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム)と、膜とを備える。膜は、ある実施形態では、半浸透性であってもよい(すなわち、膜は、1つまたはそれを上回る流体の通過を可能にするが、膜を通る第2の流体の通過を除外する)。ある膜ベースの分離器の場合、分離は、例えば、「Fluid Separation」と題されたGuenther et al.の米国特許公開第2007/0144967号と、「Microfluidic Separators for Multiphase Fluid−Flow Based On Membranes」と題されたJensen et al.の米国特許公開第2009/0282978号(それぞれ、あらゆる目的のために、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)とに説明されるように、膜、混合物中の第1の流体、および混合物中の第2の流体間の表面張力に依拠することによって、達成されることができる。いくつかの実施形態では、分離器は、逆浸透膜分離器である。ある実施形態では、液−液分離器は、液−液重力分離器(例えば、沈降液−液分離器)である。ある実施形態では、分離器は、沈殿タンクおよび/または連続遠心分離機を備えることができる。いくつかの実施形態では、分離器は、ダイヤフラムを備える。ある実施形態では、ダイヤフラムは、化学的に耐性のポリマー材料(例えば、ポリエチレン、HDPE、PFA、ETFE、PTFE)を備える。ある場合には、分離器は、自己調整式圧力調整器を備えてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、分離器は、保持カラムである。保持カラムは、保持カラムの中に輸送される供給流れの少なくとも1つの成分を保持するように構成されることができる(例えば、吸着、吸収、または別様に取り込むことによって)。いくつかの実施形態では、保持カラムは、乾燥カラムである。ある実施形態では、保持カラムは、吸着媒体を備える。吸着媒体の非限定的実施例は、炭素ベースの材料(例えば、木炭)を含む。いくつかの実施形態では、炭素ベースの材料は、活性炭を備える。他の吸着媒体もまた、可能性として考えられ、当業者は、供給流れから除去されることが所望される成分に基づいて、好適な吸着媒体を選択可能であろう。
【0048】
いくつかの実施形態では、分離器を高圧で(例えば、本明細書のいずれかで説明される高圧のいずれかで)動作させることが、有利であり得る。例えば、分離器を高圧で動作させることは、ある実施形態では、第2の高圧反応器に流入する前に、流体を再加圧する必要なく、分離直後に、第2の高圧反応が続く(例えば、分離された液体を分離器に流体的に接続される反応器に直ちに輸送する)ことを可能にすることができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、混合器は、モジュール内で非反応器ユニット動作として使用される。ある実施形態では、混合器は、1つまたはそれを上回るユニット動作(例えば、1つまたはそれを上回る反応器および/または1つまたはそれを上回る分離器)に並列に流体的に接続される。例えば、
図2Eを参照すると、ユニット動作222は、混合器であってもよい。混合器222は、いくつかの実施形態では、導管252を介して第1の入力流れを、導管242を介して第2の入力流れを受容し、導管262を介して、混合された流出流れを出力するように構成されてもよい。
【0050】
任意の好適なタイプの混合器が、使用されることができる。いくつかの実施形態では、混合器は、2つまたはそれを上回る流体的に接続される導管間に合流点を備える。いくつかの実施形態では、混合器は、加熱されることができる(例えば、以下に説明されるタイプの熱交換器のいずれかを含む熱交換器またはその他を使用して)。流体は、いくつかの実施形態では、静的混合器を使用して混合されることができる。いくつかの実施形態では、混合器は、撹拌棒、インペラ、または同等物を備え、第1の入力流れおよび第2の入力流れの混合を促進する。例えば、ある実施形態では、混合器は、Y合流点、T合流点、矢印頭、および/または交差合流点を備える。いくつかの実施形態では、混合器は、マイクロ混合器および/または内蔵式静的マクロ混合器を備える。混合器は、任意の好適な材料(例えば、PEEK、PTFE、ETFE、ステンレス鋼、ガラス、または任意の他の好適な材料)から構築されてもよい。ある実施形態では、混合器は、ガラスマイクロビーズ(例えば、少なくとも約100μmの平均直径を伴う)で充填されたステンレス鋼管から成る。
【0051】
ある実施形態では、モジュールは、熱交換器を備える。いくつかの実施形態では、熱交換器は、ユニット動作(例えば、反応器および/または1つまたはそれを上回る非反応器ユニット動作)に流体的に接続される(並列または直列に)。概して、熱交換器は、反応器システム内の流体に熱を付与する、および/またはそこから熱を除去するように構成される。任意の好適なタイプの熱交換器が、採用されることができる。いくつかの実施形態では、熱交換器は、熱を第2の流体と交換するように構成される第1の流体を備える(例えば、第1の流体を備える第1の導管と第2の流体を備える第2の導管を接触させることによって)。例えば、ある実施形態では、熱交換器は、二重パイプ熱交換器である。いくつかの実施形態では、熱交換器は、シェルおよび管熱交換器である。ある実施形態では、熱交換器は、プレート熱交換器である。他のタイプの熱交換器もまた、可能性として考えられ、概して、当業者によって公知であろう。ある実施形態では、熱交換器は、加熱器(例えば、電気加熱器、地熱加熱器、太陽加熱器、熱電材料(例えば、ペルチェデバイス)、および同等物)を備える。いくつかの実施形態では、熱交換器は、冷却装置(例えば、冷却液体(例えば、冷媒または溶媒)、熱電材料(例えば、ペルチェデバイス)、および同等物)を備える。いくつかの実施形態では、熱交換器は、熱伝達流体を使用せずに、反応システム内の流体に熱を伝達する、および/またはそこから熱を除去するように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、熱交換器は、ペルチェデバイス、抵抗加熱要素、および同等物を備える。
【0052】
前述のように、本明細書に説明されるシステムのあるものは、化学生成物を生産するために使用されることができる。いくつかの実施形態は、流体(例えば、化学試薬、溶媒、またはそれらの組み合わせ)を流体的に直列に接続される1つまたはそれを上回るモジュールを通して輸送することを含む。いくつかの実施形態は、第1の流体(例えば、化学試薬、溶媒、またはそれらの組み合わせ)を第1のモジュールおよび第1のモジュールに直列に流体的に接続される第2のモジュールを通して輸送し、第1の化学生成物(第2のモジュールから出力される)を形成することを含む。
【0053】
いくつかのそのような実施形態では、流体は、モジュール内のユニット動作を通して輸送され、多重ステップ化学合成のステップを行う。いくつかのそのような実施形態は、モジュールから、モジュールの入口流れを通して輸送される流体を組成的に区別可能な流出流れを生産することを含む。例えば、ある場合には、化学生成物は、モジュール内のユニット動作内で反応を行うことによって、モジュールの流出流れ内に生産されてもよい。いくつかの実施形態では、流出流れは、第1の流体および第2の流体をユニット動作内で混合ならびに/または反応させることによって生産されてもよい。ある場合には、モジュールからの流出流れは、モジュールのユニット動作内において、流体中の第1の成分(例えば、所望の化学生成物)を第2の成分(例えば、溶媒および/または副産物)から分離することによって生産されてもよい。
【0054】
ある実施形態では、モジュールは、反応器を備え、化学生成物(またはその中間体)を化学反応物から生産するように構成される。いくつかのそのような実施形態では、モジュールは、入口を介して、化学反応物を受容し、化学反応物を伴う化学反応を格納し、流出導管を介して、標的化学生成物(またはその中間体)を出力するように構成される。例えば、
図2Aおよび2Bを参照すると、モジュール102は、導管110を介して、化学反応物を含有する入力流れを受容し、流出導管114を介して、標的化学式合物(またはその中間体)を含有する流れを出力するように構成されることができる。
【0055】
任意の好適な化学試薬が、本明細書に説明されるシステムおよび方法において使用されることができる。概して、システム内で採用される試薬のタイプは、生産することを所望する化学生成物に依存するであろう。いくつかの実施形態では、化学反応物は、有効医薬品原料の前駆体であることができる。例えば、塩酸ジフェンヒドラミンを生産することを所望する、いくつかの実施形態では、ジメチルアミノエタノールが、化学試薬として使用されてもよい。そのようなプロセスの1つは、例えば、以下の実施例2に説明される。リドカインを生産することを所望する、ある実施形態では、2,6−キシリジンが、化学試薬として使用されてもよい。そのようなプロセスの1つは、例えば、以下の実施例3に説明される。ジアゼパムを生産することを所望する、いくつかの実施形態では、5−クロロ−2−メチルアミノベンゾフェノンが、化学試薬として使用されてもよい。そのようなプロセスの1つは、例えば、以下の実施例4に説明される。フルオキセチンを生産することを所望する、ある場合には、3−クロロプロピオフェノンが、以下の実施例5に説明されるように、化学試薬として使用されてもよい。当然ながら、他の化学試薬もまた、使用されることができ、限定ではないが、ジメチルアミノエタノール、クロロジフェニルメタン、クロロアセチルクロリド、アンモニア、メチルアミン、ジエチルアミン、3−クロロプロピオフェノン、水素化ジイソブチルアルミニウム、4−フルオロベンゾトリフルオライド、およびブロモアセチルクロリドを含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、第1の化学反応物を備える第1の流体は、第1のモジュールを通して輸送される。第1のモジュールは、化学反応器と、少なくとも第2のユニット動作とを備えることができる。化学反応器および第2のユニット動作は、並列に流体的に接続されることができる。例えば、
図2Aでは、第1のユニット動作220は、反応器を備えることができ、ユニット動作222(第2の反応器または非反応器ユニット動作(例えば、分離器、混合器等)であることができる)に並列に流体的に接続されることができる。いくつかの実施形態では、化学反応物を備える流体は、第1のモジュール内の化学反応器を通して輸送される。いくつかのそのような実施形態では、化学反応物は、第1のモジュールの反応器内で反応され、化学生成物(またはその中間体)を生産する。いくつかの実施形態では、化学生成物は、以下により詳細に説明されるように、有効医薬品原料である。
【0057】
任意の好適なタイプの反応器が、第1のモジュール内で使用されることができ、本明細書のいずれかで説明される化学反応器のいずれかを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、2つまたはそれを上回る反応器が、第1のモジュール内で流体的に接続されることができる。すなわち、いくつかの実施形態では、第1の反応器は、第1のモジュール内の第2の反応器に並列に流体的に接続される。例えば、再び、
図2Aを参照すると、ユニット動作220およびユニット動作222は、ある場合には、それぞれ、第1の反応器および第2の反応器であってもよい。いくつかのそのような実施形態では、第1の反応器は、第1のタイプ(例えば、第1の体積および/または構成を有する)であってもよく、第2の反応器は、第1のタイプと異なる第2のタイプ(例えば、第1の体積および/または構成と異なる第2の体積および/または構成を有する)であってもよい。複数の反応器を単一モジュール内で並列に配列することは、所与の化学生成物生産プロセスのために適切な反応器タイプを選択することを可能にすることができる。
【0059】
ある実施形態では、第1のモジュール内の反応器は、非反応器ユニット動作に並列に流体的に接続される。前述のように、非反応器ユニット動作は、ある場合には、分離器、混合器、または任意の他の好適な非反応器ユニット動作であってもよい。
図2Aを参照すると、例えば、いくつかの実施形態では、ユニット動作222は、分離器であってもよい。いくつかの実施形態では、ユニット動作222は、混合器であってもよい。さらに他の実施形態では、ユニット動作222は、第2の化学反応器であってもよく、混合器および/または分離器等の1つまたはそれを上回る付加的ユニット動作(
図2Aには図示せず)が、ユニット動作220および222に並列に流体的に接続されてもよい。
【0060】
ある実施形態はさらに、第1の流体の少なくとも一部(例えば、第1のモジュールから出力される流体少なくとも一部)を第1のモジュールに直列に流体的に接続される第2のモジュールを通して輸送することを含む。いくつかの実施形態では、第2のモジュールは、分離器と、分離器に並列に流体的に接続される少なくとも1つの付加的ユニット動作とを備える。例えば、
図2Aを参照すると、ユニット動作286は、ユニット動作288に並列に流体的に接続され得る、分離器であることができる。ユニット動作288は、反応器または非反応器ユニット動作(例えば、混合器、付加的分離器等)であることができる。
【0061】
任意の好適なタイプの分離器が、第2のモジュール内で使用されることができ、本明細書のいずれかで説明される分離器のいずれかを含む。
【0062】
ある実施形態では、第1のモジュールから輸送される流体の少なくとも一部は、第2のモジュールの分離器を通して輸送されることができる。例えば、
図2Aを参照すると、第1の流体は、導管110を介して、モジュール102の中に輸送されることができる。モジュール102内では、第1の流体内の反応物は、反応され(例えば、反応器であり得る、ユニット動作220内で)、第1の化学生成物(または化学生成物の前駆体)を生産することができる。化学生成物は、導管114を介して、モジュール102から輸送されることができる。いくつかのそのような実施形態では、導管114内の流体の少なくとも一部は、モジュール104に輸送されることができる。いくつかのそのような実施形態では、導管114内の流体は、モジュール104内の分離器(例えば、分離器であり得る、ユニット動作286)を通して輸送されることができる。
【0063】
いくつかのそのような実施形態では、第2のモジュールの分離器を通して流体を輸送することは、少なくとも部分的に、溶媒を除去することをもたらす。例えば、
図2Aを参照すると、いくつかの実施形態では、導管114は、化学生成物および溶媒を備える。いくつかのそのような実施形態では、第2のモジュール104内のユニット動作286(分離器であり得る)は、少なくとも部分的に、化学生成物を溶媒から分離するために使用されることができる。いくつかのそのような実施形態では、化学生成物の少なくとも一部(または全て)は、導管118を介して、第2のモジュール104から輸送されることができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、流体(例えば、第1の流体および/または第2の流体)を分離器を通して輸送することは、少なくとも部分的に、不純物を除去することを含む。例えば、
図2Aを参照すると、いくつかの実施形態では、導管114は、化学生成物および不純物を備える。いくつかのそのような実施形態では、第2のモジュール104内のユニット動作286(分離器であり得る)は、少なくとも部分的に、化学生成物を不純物から分離するために使用されることができる。いくつかのそのような実施形態では、化学生成物の少なくとも一部(または全て)は、導管118を介して、第2のモジュール104から輸送されることができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、流体を第2のモジュールの分離器を通して輸送することは、少なくとも部分的に、流体を化学生成物および化学副産物に分離することを含む。例えば、
図2Aを参照すると、いくつかの実施形態では、導管114は、化学生成物および化学副産物(例えば、モジュール102のユニット動作220内で行われる反応の間に生産される)を備える。いくつかのそのような実施形態では、第2のモジュール104内のユニット動作286(分離器であり得る)は、少なくとも部分的に、化学生成物を化学副産物から分離するために使用されることができる。いくつかのそのような実施形態では、化学生成物の少なくとも一部(または全て)は、導管118を介して、第2のモジュール104から輸送されることができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、流体(例えば、第1の流体および/または第2の流体)を非反応器ユニット動作を通して輸送することは、加熱および/または冷却することを含む。いくつかの実施形態では、流体を加熱および/または冷却することは、流体を熱交換器を通して輸送することを含む。ある実施形態では、熱交換器は、少なくとも1つの付加的ユニット動作に並列に流体的に接続される。
【0067】
ある実施形態は、少なくとも1つの付加的ユニット動作に並列に流体的に接続される熱交換器内の流体を加熱することを含む。いくつかの実施形態では、流体を熱交換器を通して輸送することは、流体を冷却することを含む。
【0068】
2つのモジュールが、
図2Aに図示されるが、システムは、付加的モジュールを含み、例えば、多重ステップ化学合成の付加的ステップを行うことができる。例えば、反応器を含有する付加的モジュールが、モジュール102および/または104の上流もしくは下流に含まれ、化学合成プロセスの付加的化学反応ステップを行ってもよい。別の実施例として、付加的分離器を含有する付加的モジュールが、モジュール102および/または104の上流もしくは下流に含まれ、付加的分離ステップを行うことができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、システムは、2つまたはそれを上回る化学生成物を生産するように構成される。前述のように、いくつかの実施形態は、第1の流体(例えば、化学試薬、溶媒、またはそれらの組み合わせ)を第1のモジュールおよび第1のモジュールに直列に流体的に接続される第2のモジュールを通して輸送し、第1の化学生成物を形成することを含む。いくつかの実施形態では、第1の化学生成物が形成された後、第2の化学反応物を備える第2の流体は、第1および第2のモジュールを通して輸送され、第2の化学生成物(第2のモジュールから輸送され得る)を形成することができる。
【0070】
ある場合には、システムは、第1の化学生成物を第1の時間周期にわたって、次いで、第2の化学生成物を第2の時間周期にわたって生産するように構成される。ある実施形態では、第1の時間周期は、第2の時間周期に重複しない。いくつかの実施形態では、第1の化学生成物は、第1の時間周期の間、第2の化学生成物を生産せずに、生産されることができる。いくつかの実施形態では、第2の化学生成物は、第2の時間周期の間、第1の化学生成物を生産せずに、生産されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、システムは、第1の化学生成物が第1の時間周期にわたって形成され、その間、第2の化学生成物が形成されず、第2の化学生成物が第2の時間周期にわたって形成され、その間、第1の化学生成物が形成されないように、動作されることができる。いくつかの実施形態では、第3、第4、第5、またはそれを上回る化学生成物が後続時間周期の間に、形成されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、システムは、第1の化学生成物が第1の時間周期にわたって形成される(その間、第2のおよび第3の化学生成物は、形成されない)、第2の化学生成物が第2の時間周期にわたって形成され(その間、第1のおよび第3の化学生成物は、形成されない)、第3の化学生成物が第3の時間周期にわたって形成される(その間、第1および第2の化学生成物は、形成されない)ように、動作されることができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、第1の化学生成物は、第2の化学生成物(および/またはシステムを使用して形成される付加的化学生成物)から組成的に区別可能である。すなわち、第2の化学生成物は、いくつかの実施形態では、第1の化学生成物と異なる化学式を有することができる。いくつかの実施形態では、組成的に区別可能である第1の化学生成物および第2の化学生成物は、流体的に直列に接続される同じモジュールのセットを使用して形成されることができる。ある実施形態では、システムは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つの組成的に区別可能である化学生成物を生産するように構成される。
【0072】
いくつかの実施形態では、システムは、形成ステップ間で、ユニット動作を流体的に接続する、またはユニット動作をシステムから切断することなく、2つまたはそれを上回る(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つの等)組成的に区別可能である生成物を形成するように構成されることができる。例えば、前述のように、いくつかの実施形態は、第1の流体を第1および第2の(および/またはそれを上回る)モジュールを通して輸送し、第1の化学生成物を形成し、第2の流体を第1および第2の(および/またはそれを上回る)モジュールを通して輸送し、第2の化学生成物を形成することを含む。いくつかのそのような実施形態では、付加的ユニット動作は、第1の流体を輸送するステップと第2の流体を輸送するステップとの間で第1および第2のモジュールに新しく流体的に接続されない。あるそのような実施形態では、ユニット動作は、第1の流体を輸送するステップと第2の流体を輸送するステップとの間で、第1および第2のモジュールから流体的に切断されない。すなわち、ある場合には、システムは、第1の化学生成物および第2の化学生成物が、1つまたはそれを上回るユニット動作を追加せずに、かつ1つまたはそれを上回るユニット動作をシステム内のモジュールから除去せずに、生産されることができるように構成される。
【0073】
一非限定的実施例として、実施例2−5は、別個の時間周期にわたる、塩酸ジフェンヒドラミン、リドカイン、ジアゼパム、およびフルオキセチンの生産について説明し、その間、ユニット動作は、合成システムから流体的に切断されず、新しいユニット動作は、合成システムに新しく流体的に接続されない。
【0074】
当業者は、モジュールおよび/またはユニット動作をシステム内の既存のモジュールおよび/またはユニット動作に新しく流体的に接続することが、新しい物理的流体接続を新しく接続されるモジュール/ユニット動作とシステム内の既存のモジュール/ユニット動作との間に確立する(例えば、管、パイプ、または他の導管を使用して)ことを伴うことを理解するであろう。対照的に、モジュールおよび/またはユニット動作を既存のシステムに新しく流体的に接続することは、流体がすでに接続されたユニット動作/モジュールを通して再経路指定されるように、単に、流体弁の位置を切り替えることを伴うものではない。同様に、当業者は、ユニット動作および/またはモジュールを既存のシステムから流体的に切断することが、ユニット動作および/またはモジュールと既存のシステムとの間の物理的流体接続を断絶する(例えば、管、パイプ、または他の導管を除去することによって)ことを伴うことを理解するであろう。対照的に、流体がユニット動作またはモジュールから再経路指定されるように、流体弁の位置を切り替えることは、そのユニット動作またはモジュールを流体的に切断することを構成するものではない。故に、いくつかの実施形態では、流体は、マニホールドに流体的に接続され、モジュール内の1つまたはそれを上回るユニット動作に流体的に接続される適切な導管を選択し、流体が所望のユニット動作を通して輸送されるように経路指定することによって、システム内のユニット動作を接続または切断せずに、システム内の1つまたはそれを上回るユニット動作に輸送される。
【0075】
既存の流体接続を除去する必要なく、かつ新しい流体接続を確立する必要なく、複数の化学生成物を生産する能力は、ある実施形態によると、いくつかの利点を提供することができる。例えば、いくつかの事例では、第1および第2の化学生成物(ある場合には、付加的化学生成物)は、ユニット動作を交換せずに、連続様式で生産されることができる。いくつかの実施形態では、第1の生成物の合成と第2の生成物の合成との間の時間量は、短縮されることができる。
【0076】
化学反応物および/または化学生成物は、任意の好適な形態において、モジュールおよび/またはユニット動作の中に、および/またはそこから輸送されることができる。ある実施形態では、モジュールおよび/またはユニット動作を通して輸送される、化学反応物および/または化学生成物のうちの1つまたはそれを上回るものは、1つまたはそれを上回る溶質の形態にある。ある実施形態では、溶質(例えば、化学反応物および/または化学生成物)は、比較的に高濃度で存在してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、化学反応物および/または化学生成物は、約1Mを上回るまたはそれに等しい濃度で存在してもよい。ある実施形態では、化学反応物および/または化学生成物は、化学反応物および/または化学生成物の飽和限界に近い(例えば、飽和限界の90%以内、95%以内、または99%以内の)量で存在してもよい。当業者によって理解されるであろうように、飽和限界は、概して、溶質が溶液から析出(すなわち、溶質の固相を形成)し始める前の溶質の濃度を指す。希釈溶質が担体流体中に溶解および/または懸濁されるバッチプロセスと比較して、高濃度の溶質を備える流体を使用するいくつかの利点は、生産性および/または処理される材料率を増加させ、廃棄物および副産物の形成(例えば、固体析出物)を低減させることを含む。
【0077】
ある側面では、本明細書に説明される化学生成物(例えば、摂取可能医薬品組成物)の生産のための方法のいずれも、連続プロセスであることができる。いくつかの実施形態では、化学生成物(例えば、摂取可能医薬品組成物)の連続生産のための方法は、化学反応物を備える入力流体を反応器を通して輸送することを含む。ある実施形態では、化学反応物は、反応器内において反応され、化学生成物(例えば、API)を反応器出力流れ内に生産する。ある実施形態では、反応器出力流れは、反応器に直列に流体的に接続される分離器に輸送される。例えば、
図3Aを参照すると、導管110内の化学反応物は、反応器を含有し得る、モジュール102に輸送されることができる。いくつかの実施形態では、導管110からの化学反応物は、モジュール102の反応器内で反応され、化学生成物(例えば、API)を生産することができる。いくつかの実施形態は、化学生成物(例えば、API)の少なくとも一部を反応器出力流れの別の成分(例えば、溶媒等)の少なくとも一部から分離し(例えば、分離器内で)、反応器出力流れより高い濃度の化学生成物を有する分離器出力流れを生産することを含む。例えば、再び、
図3Aを参照すると、モジュール102内の反応器からの出力流れの少なくとも一部は、モジュール104に輸送されることができる。モジュール104は、分離器を含有することができる(例えば、
図2Aに関して説明されるように)。いくつかの実施形態では、流れ114内の化学生成物の少なくとも一部は、モジュール104内の分離器を使用して、流れ114の別の成分から分離され、反応器出力流れ114より高い濃度の化学生成物を含有し得る、出力流れ118を生産することができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、分離器生成物流れは、以下に説明されるように、分離器から製剤システム(例えば、
図3A−3Bにおける製剤システム302参照)に輸送される。いくつかの実施形態では、分離器生成物流れは、化学生成物(例えば、API)を備える。いくつかのそのような実施形態では、化学生成物(例えば、API)は、溶解された塩である。
【0079】
当業者は、連続プロセスと非連続プロセス(例えば、バッチプロセス)との間の差異を理解するであろう。連続プロセスは、概して、前駆体がシステムに流入し、生成物がシステムから流出し、システムが達成するように設計された変換が全て、変換が生じる時間の少なくとも一部の間に生じる、システムを指す。一実施例として、連続反応器システムでは、反応前駆体が反応器に流入し、反応生成物が、反応器内の化学反応が生じている時間の少なくとも一部の間に、反応器から流出する。別の実施例として、連続分離器では、前駆体が分離器に流入し、分離された生成物が、分離器内の分離が生じている時間の少なくとも一部の間に、分離器から流出する。さらに別の実施例として、連続晶析器では、少なくとも部分的非晶析前駆体が晶析器に流入し、晶析生成物が、晶析器内の晶析プロセスが生じている時間の少なくとも一部の間に、晶析器から流出する。
【0080】
2つまたはそれを上回るユニット動作(例えば、反応器、分離器、および同等物)を含む、連続システムは、概して、連続システム内のユニット動作間の輸送が、ユニット動作がその意図される機能(例えば、反応器のための反応、分離器のための分離等)を行っている時間の少なくとも一部の間に、生じるように配列される。2つまたはそれを上回る製剤ユニット(例えば、以下により詳細に説明されるような晶析器および同等物)を含む、連続システムは、概して、連続システム内の製剤ユニット間の輸送が、製剤ユニットがその意図される機能(例えば、晶析器のための晶析等)を行っている時間の少なくとも一部の間に、生じるように配列される。1つまたはそれを上回るユニット動作および1つまたはそれを上回る製剤ユニットを含む、連続システムは、概して、連続システム内のユニット動作および/または製剤ユニット間の輸送が、製剤ユニットがその意図される機能を行っている時間の少なくとも一部の間に、生じるように配列される。例えば、連続反応および分離システムは、例えば、分離器に流体的に接続される反応器を含み得、反応器からの生成物は、反応器内の反応が生じており、分離器内の分離が生じている時間の少なくとも一部の間に、分離器に輸送される。
【0081】
いくつかの実施形態では、化学生成物は、連続システムの構成要素が完成した化学生成物を生産するように動作されている時間の少なくとも一部の間、化学生成物の前駆体が連続システムの中に輸送されており、化学生成物が連続システムから輸送されているときに、化学生成物の前駆体から継続的に生産される。
【0082】
当業者は、連続プロセスの意味を任意のタイプのユニット動作および/またはユニット動作の組み合わせに一般化可能であろう。
【0083】
ある実施形態では、連続プロセス内の各ユニット動作および/または製剤ユニット(例えば、反応器、分離器、晶析器、フィルタ等)は、最終化学生成物が生産されるまで、各ユニット動作および/または製剤ユニットの生成物が、実質的に継続的に、あるユニット動作および/または製剤ユニットから他のユニット動作および/または製剤ユニットに輸送されるように、連続方式で動作される。ある実施形態では、連続プロセス内の各上流ユニット動作および/または上流製剤ユニットによって生産される標的化学生成物の少なくとも一部(例えば、標的化学生成物の少なくとも約50重量%、少なくとも約75重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、または実質的に全て)は、上流ユニット動作および/または上流製剤ユニットから流出後、約12時間、約6時間、約1時間、約30分、約10分、約1分、または約10秒の周期内において、連続プロセス内の対応する下流ユニット動作および/または下流製剤ユニットに輸送される。
【0084】
いくつかの実施形態では、化学生成物は、以下により詳細に論じられるように、有効医薬品原料(API)である。
【0085】
ある実施形態によると、本明細書に説明されるシステムおよび方法のあるものは、摂取可能医薬品組成物を生産するために使用されることができる。摂取可能医薬品組成物は、1つまたはそれを上回る製剤ユニットを含有し得る製剤器を使用して、APIから生産されることができる。
図3Aを参照すると、システム300は、ある実施形態では、1つまたはそれを上回るモジュール(例えば、本明細書のいずれかで説明されるモジュールのいずれか)に直列に流体的に接続される、製剤システム302を備える。概して、製剤器は、摂取可能成分(例えば、賦形剤、結合剤等)をAPIを含有する混合物に添加する、および/またはAPIを含有する混合物内のAPIの位相を変化させるように構成される。いくつかの実施形態では、製剤器は、摂取可能成分(例えば、賦形剤)を添加する。ある実施形態では、製剤器は、有効医薬品原料を非摂取可能形態から摂取可能形態に変換する。
【0086】
再び、
図3Aを参照すると、システム300は、流体的に直列に接続される、モジュール102と、モジュール104と、製剤器302とを備える、例示的システムである。本明細書に説明されるように、いくつかの実施形態では、モジュール102および/またはモジュール104は、ユニット動作を備える。例えば、
図3Aにおけるモジュール102および104は、
図1および/または2Aにおけるモジュール102および104に対応することができる。いくつかの実施形態では、付加的モジュールもまた、存在してもよい。
【0087】
摂取可能医薬品組成物の生産のための方法は、ある場合には、化学反応物が反応器内で反応され、有効医薬品原料を反応器出力流れ内に生産するように、導管110を介して、モジュール102内の反応器を通して入力化学反応物を備える流体を輸送するステップを含んでもよい。ある実施形態では、反応器出力流れは、導管114を介して、モジュール104に輸送される。いくつかの実施形態では、モジュール104は、分離器を備える。ある実施形態では、方法は、反応器出力流れを分離器に輸送するステップと、反応器出力流れ内で有効医薬品原料の少なくとも一部を反応器出力流れの別の成分の少なくとも一部から分離し、分離器生成物流れを生産するステップとを含む。ある実施形態では、分離器生成物流れは、反応器出力流れより高い濃度の有効医薬品原料を有する。ある実施形態では、分離器生成物流れは、導管118を介して、製剤器302に輸送され、そこで、有効医薬品原料は、摂取可能医薬品組成物に変換される。
【0088】
いくつかの実施形態では、製剤器302は、化学生成物(例えば、API)を摂取可能医薬品組成物に変換するように構成される。いくつかの実施形態では、摂取可能医薬品組成物は、導管318を介して、製剤システム302から出力される。製剤器302は、1つまたはそれを上回る随意の製剤ユニット(例えば、析出器、晶析器、溶解ユニット、フィルタ、混合器、および/または乾燥ユニット)を備えてもよい。例えば、ある場合には、製剤器は、析出器を備えてもよい。いくつかの実施形態では、製剤器は、2つまたはそれを上回る析出器(例えば、第1の析出器および第2の析出器)を備える。いくつかの実施形態では、製剤器は、溶解ユニットを備える。ある実施形態では、製剤器は、フィルタを備える。いくつかの実施形態では、製剤器は、乾燥ユニットを備える。ある実施形態では、製剤器は、例えば、APIと薬学的に容認可能な賦形剤を混合するために使用され得る、混合器を備える。他の製剤ユニットもまた、以下に説明されるように、可能性として考えられる。
【0089】
図3Bは、ある実施形態による、例示的製剤器302の略図である。いくつかの実施形態では、製剤器は、流体を析出器に流体的に直列に接続されるモジュールから受容するように構成される、析出器を備える。例えば、
図3Bを参照すると、製剤器302は、随意の析出器304を備えてもよい。析出器は、例えば、析出器の上流に位置付けられる、1つまたはそれを上回るモジュールに流体的に接続されてもよい。例えば、
図3Bに図示されるように、随意の析出器304は、導管320を介して、入力液体を受容するように構成されてもよい。導管320からの入力は、例えば、1つまたはそれを上回る上流モジュールから発生してもよい。例えば、随意の析出器304は、
図2Aに図示されるモジュール102および/または104等、1つまたはそれを上回るモジュールの下流に位置することができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、析出器304は、導管322を介して、第2の流体を受容するように構成されてもよい。ある実施形態では、有効医薬品原料を摂取可能医薬品組成物に変換するステップは、有効医薬品原料を有効医薬品原料および薬学的に容認可能な担体を備える溶液から析出する(例えば、析出器内で)ステップを含む。
【0091】
析出器は、液相からの固相の析出を促進するように構成されることができる。ある実施形態では、析出器は、化学生成物を含有する液体流れからの化学生成物の析出を促進するように構成されることができる。例えば、
図3Bを参照すると、析出器304は、化学生成物(例えば、析出器の上流に位置するモジュール102および/または104等のモジュール内で形成される化学生成物)を含有する液体入力流れを受容することができる。析出器304は、化学生成物が析出器内で析出され、固体化学生成物を形成するように、動作されることができる。
【0092】
ある実施形態では、析出は、核生成を介した固体の形成を備える。核生成は、当業者によって理解される用語であって、概して、固体(例えば、非晶質固体、結晶性固体、または半結晶性固体)の形成の開始を指すために使用される。核生成は、例えば、非常に小さい結晶を形成するために、分子スケールにおける材料(例えば、溶解された前駆体)の組み合わせを伴ってもよい。結晶は、所与の結晶材料のために、多くの多形体、溶媒和物、および水和物を含む、多くの形態で存在してもよいことを理解されたい。
【0093】
ある実施形態では、析出器は、晶析器(例えば、析出される固体は、結晶性固体である)である。あるそのような実施形態では、有効医薬品原料を摂取可能医薬品組成物に変換するステップは、有効医薬品原料を有効医薬品原料および薬学的に容認可能な担体を備える溶液から晶析する(例えば、晶析器内で)ステップを含む。例えば、再び、
図3Bを参照すると、随意の析出器304は、晶析器を備えてもよい。いくつかのタイプの晶析器の任意の1つが、使用されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、晶析器は、冷却晶析器を備える。当業者によって理解されるであろうように、冷却晶析器は、概して、固体結晶が流体の冷却に応じて析出するように、流体の温度を低下させることによって動作する。ある場合には、冷却晶析器は、混合器を備える。いくつかの実施形態では、晶析器は、貧溶媒晶析(例えば、貧溶媒剤に接続されるように構成される入口導管)を備える。当業者によって理解されるであろうように、貧溶媒晶析は、概して、流体内の溶質の溶解度を低下させる、1つまたはそれを上回る溶媒の使用を指す。前述の晶析器(例えば、貧溶媒冷却晶析器)の組み合わせもまた、可能性として考えられる。他の晶析方法もまた、使用されてもよく、当技術分野において公知であろう。付加的晶析方法および/または晶析器の非限定的実施例は、反応晶析(例えば、流体の2つまたはそれを上回る成分間の反応が固体結晶の形成もたらす)、溶融晶析(例えば、流体が、同一または異なる温度で晶析を受ける、2つまたはそれを上回る溶質を備える)、蒸発晶析(例えば、温度を変動させ、流体内の溶質の濃度を増加させることによって、固体結晶が形成され得る)、および同等物を含む。いくつかの実施形態では、晶析器は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)晶析器を備える。ある実施形態では、晶析器は、ステンレス鋼晶析器を備える。他の材料もまた、可能性として考えられる。当業者は、晶析器として使用するために適切な材料(例えば、晶析器内に含有される1つまたはそれを上回る溶媒および/または溶液と化学的に互換性のある材料)を選択可能であろう。
【0094】
いくつかの実施形態では、析出器は、タンク等の容器を備える。ある実施形態では、析出器の容器は、約100mL〜約1Lの内部体積を有する。いくつかの実施形態では、析出器の容器は、少なくとも約100mL、少なくとも約250mL、少なくとも約350mL、少なくとも約500mL、または少なくとも約750mLの内部体積を有する。ある実施形態では、析出器は、約1L未満、約750mL未満、約500mL未満、約350mL未満、または約250mL未満の内部体積を有する。
【0095】
ある実施形態では、析出ユニットは、混合器を備える。任意の好適なタイプの混合器が、使用されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、析出器は、析出器内の流体を撹拌するために使用され得る、インペラを備える(例えば、溶質の核生成を助長する)。インペラは、任意の好適なスピードで回転してもよい。例えば、ある場合には、プロペラインペラの回転スピードは、少なくとも約50rpm、少なくとも約120rpm、少なくとも約200rpm、少なくとも約320、または少なくとも約500rpmであってもよい。
【0096】
析出器は、ある場合には、特定の温度で動作するように構成されてもよい。例えば、析出器内の流体の温度は、約0℃〜約100℃の範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、析出器内の流体の温度は、少なくとも約0℃、少なくとも約3℃、少なくとも約5℃、少なくとも約10℃、少なくとも約25℃、または少なくとも約50℃であってもよい。ある実施形態では、析出器内の流体の温度は、約100℃未満、約50℃未満、約25℃未満、約10℃未満、約5℃未満、または約3℃未満であってもよい。いくつかの実施形態では、析出器および/または晶析器を用いた温度は、動作の間、変化される。例えば、温度は、約0.1℃/分を上回るまたはそれに等しい率で変化(例えば、増減)してもよい。
【0097】
いくつかの実施形態では、流体が、特定の流率で析出器に添加されてもよい。ある実施形態では、流体は、約0.1mL/分〜約5mL/分の範囲の流率で析出器に添加される。ある場合には、例えば、析出器に添加される流体は、少なくとも約0.1mL/分、少なくとも約0.3mL/分、少なくとも約0.5mL/分、または少なくとも約2mL/分の流率を有してもよい。ある実施形態では、析出器に添加される流体は、約5mL/分未満またはそれに等しい、約2mL/分未満またはそれに等しい、約0.5mL/分未満またはそれに等しい、約0.3mL/分未満またはそれに等しい流率を有してもよい。
【0098】
ある実施形態では、流体は、所与の時間の量(例えば、バッチ時間)の間、析出器内に留まってもよい。ある場合には、流体は、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約4時間、少なくとも約8時間、または少なくとも約24時間、析出器内に留まってもよい。いくつかの実施形態では、流体は、約24時間未満またはそれに等しい、約8時間未満またはそれに等しい、約4時間未満またはそれに等しい、または約2時間未満またはそれに等しい間、析出器内に留まってもよい。
【0099】
種々の溶媒が、析出器に添加されることができる(例えば、析出器内の溶質の相対飽和を制御するため)。例示的溶媒として、限定ではないが、メタノール、エタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸プロピル、tert−酢酸ブチル、sec−酢酸ブチル、アセトン、イソプロパノール、および/またはこれらの組み合わせが挙げられる。貧溶媒は、ヘプタン、イソプロピルエーテル、酢酸ヘキシル、酢酸イソアミル、酢酸ペンチル、トルエン、4−メチル−2−ペンタノン、イソプロパノール、および/またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0100】
ある実施形態では、製剤器は、フィルタを備える。例えば、
図3Bを参照すると、製剤器302は、随意のフィルタ306を備える。随意のフィルタ306は、導管324を介して、入力液体を受容するように構成されてもよい。導管324からの入力は、例えば、随意の析出器304および/または1つまたはそれを上回る上流モジュールから発生してもよい。例えば、随意のフィルタ306は、随意の析出器304の下流に位置することができる。いくつかの実施形態では、随意のフィルタ306は、
図2Aに図示されるモジュール102および/または104等の1つまたはそれを上回るモジュールの下流に位置することができる。
【0101】
いくつかの実施形態では、フィルタ306は、導管326を介して、第2の流体を受容するように構成されてもよい。ある実施形態では、有効医薬品原料を摂取可能医薬品組成物に変換するステップは、有効医薬品原料を備える溶液を濾過する(例えば、フィルタ内で)ステップを含む。
【0102】
フィルタは、入力流れがフィルタを通して輸送されるにつれて、入力流れ内に含有される1つまたはそれを上回る成分を保持するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、フィルタは、サイズベースの濾過を行ってもよい。例えば、フィルタは、液体およびより小さい固体を通過させながら、あるカットオフサイズを超える断面寸法を有する材料を保持するように構成される、多孔性媒体を含んでもよい。ある実施形態では、フィルタは、保持される成分とフィルタとの間の化学相互作用に基づいて、濾過を行ってもよい。例えば、フィルタに入力される流れは、フィルタ内の媒体と化学的に相互作用する(したがって、フィルタによって保持される)、1つまたはそれを上回る実体を含有し得る一方、入力の残りの成分は、媒体と化学的に相互作用し得ない(したがって、フィルタを通して通過され得る)。
【0103】
ある実施形態では、フィルタは、膜を備える。フィルタ膜の非限定的実施例は、Hastelloy濾過膜、ポリフッ化ビニリデン膜、ポリテトラハイドロフロリド膜を含む、またはその他も、使用され得る。ある実施形態では、膜モジュール内の平均細孔サイズは、約0.1マイクロメートル〜約2マイクロメートルである。当業者は、フィルタにおいて使用するために好適な適切なフィルタを選択可能であろう。
【0104】
ある実施形態では、フィルタは、乾燥器を備える。例えば、フィルタは、PTFE−乾燥器を備えてもよい。いくつかの実施形態では、フィルタは、高密度ポリエチレン(HDPE)乾燥器を備える。他の乾燥器もまた、可能性として考えられ、当業者に公知であろう。
【0105】
いくつかの実施形態では、フィルタは、特定の温度で動作するように構成されてもよい(例えば、溶媒を蒸発させるため)。例えば、フィルタは、約40℃〜約80℃の範囲の温度で動作してもよい。いくつかの実施形態では、フィルタは、少なくとも約40℃、少なくとも約50℃、少なくとも約60℃、または少なくとも約70℃の温度で動作してもよい。
【0106】
ある実施形態では、フィルタは、真空圧力(例えば、大気圧未満の圧力)下で動作してもよい。いくつかの実施形態では、真空圧力は、効果的濾過をもたらすために好適なレベルに維持されることができる。真空圧力が低すぎる場合、母液および/または洗浄剤は、十分に除去されず、真空圧力が高すぎる場合、ウェットケーキは、乾燥しすぎて、後続製剤ユニットに転送することができない。
【0107】
いくつかの実施形態では、化学生成物(例えば、結晶)は、ある時間量の間、フィルタ内に存在してもよい。ある実施形態では、化学生成物は、少なくとも約10分、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、または少なくとも約4時間、フィルタ内に存在してもよい。
【0108】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるフィルタは、連続統合プロセス内で材料を順方向に移動させる際に重要であり得る、薬学上有効原料の純度およびスラリーの固形物負荷の精密な制御のために、超高速濾過手順ならびに複数の洗浄および希釈ステップを可能にするように構成されてもよい。
【0109】
いくつかの実施形態では、システムは、随意の第2の析出器を備える。随意の第2の析出器は、第2の析出器に流体的に直列に接続されるモジュールおよび/または別の製剤ユニットからの流体を受容するように構成されることができる。例えば、
図3Bを参照すると、製剤器302は、随意の第2の析出器308を備えてもよい。随意の析出器304は、1つまたはそれを上回る上流モジュールおよび/または1つまたはそれを上回る付加的製剤ユニット等の1つまたはそれを上回る付加的構成要素に流体的に接続されてもよい。例えば、
図3Bを参照すると、随意の第2の析出器308は、導管330を介して、入力液体を受容するように構成されてもよい。導管328からの入力は、例えば、1つまたはそれを上回る上流モジュールから発生してもよい。いくつかの実施形態では、第2の析出器は、晶析器であってもよい。例えば、第2の析出器は、前述の晶析器のいずれかであってもよい。
【0110】
いくつかの実施形態では、随意の第2の析出器308は、導管330を介して、第2の流体を受容するように構成されてもよい。ある実施形態では、有効医薬品原料を摂取可能医薬品組成物に変換するステップは、有効医薬品原料を有効医薬品原料および薬学的に容認可能な担体を備える溶液から析出する(例えば、第2の析出器内で)ステップを含む。
【0111】
ある実施形態では、製剤器は、随意の第2のフィルタを備える。例えば、
図3Bを参照すると、システム302は、随意の第2のフィルタ310を備える。随意の第2のフィルタ310は、導管332を介して、入力液体を受容するように構成されてもよい。導管332からの入力は、例えば、随意の析出器304および/または1つまたはそれを上回る上流モジュールから発生してもよい。例えば、随意の第2のフィルタ310は、随意の析出器304の下流に位置することができる。いくつかの実施形態では、随意の第2のフィルタ310は、
図2Aに図示されるモジュール102および/または104等の1つまたはそれを上回るモジュールの下流に位置することができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、随意の第2のフィルタ310は、導管334を介して、第2の流体を受容するように構成されてもよい。ある実施形態では、有効医薬品原料を摂取可能医薬品組成物に変換するステップは、有効医薬品原料を備える溶液を濾過する(例えば、第2のフィルタ内で)ステップを含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、製剤器は、溶解ユニットを備える。例えば、
図3Bを参照すると、システム302は、随意の溶解ユニット312を備える。随意の溶解ユニット312は、導管336を介して、入力液体を受容するように構成されてもよい。導管336からの入力は、例えば、随意の析出器304、随意のフィルタ306、随意の第2の析出器308、随意の第2のフィルタ310、および/または1つまたはそれを上回る上流モジュールから発生してもよい。例えば、随意の溶解ユニット312は、第2のフィルタ310の下流に位置することができる。いくつかの実施形態では、随意の溶解ユニット312は、
図2Aに図示されるモジュール102および/または104等の1つまたはそれを上回るモジュールの下流に位置することができる。
【0114】
溶解ユニットは、ある場合には、フィルタに直列に流体的に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、溶解ユニットは、フィルタによって生産される残余分の少なくとも一部を受容するように流体的に接続される。溶解ユニットは、溶解ユニットに供給される溶媒内の溶解物に供給される溶質を溶解するように構成されることができる。ある場合には、溶質は、有効医薬品原料であってもよい。
【0115】
いくつかの実施形態では、有効医薬品原料を摂取可能医薬品組成物に変換するステップは、薬学的に容認可能な担体等の薬学的に容認可能な賦形剤内の有効医薬品原料を溶解する(例えば、溶解ユニット内で)ステップを含む。
【0116】
溶解ユニットは、例えば、フィルタ内に形成される濾過された生成物を希釈し、例えば、濾過された生成物をより流動性にし、したがって、連続製造プロセスにおいて使用するためにより好適にするために使用されることができる。溶解ユニットは、例えば、生成物が希釈され得る(例えば、本明細書に説明されるように、溶媒を使用して)、タンクまたは他の好適なチャンバ等の任意の好適なユニットを含むことができる。溶解ユニットにおいて使用するために好適なユニットの実施例は、例えば、希釈タンクを含む。
【0117】
いくつかの実施形態では、製剤器は、1つまたはそれを上回る付加的製剤ユニットを備える。例えば、
図3Bを参照すると、製剤器302は、付加的随意の製剤ユニット314を備える。随意の製剤ユニット314は、ある実施形態では、導管340を介して、入力液体を受容するように構成される。いくつかのそのような実施形態では、随意の製剤ユニット314は、導管318を介して、摂取可能医薬品組成物を出力するように構成される。
【0118】
いくつかの実施形態では、溶解ユニットから出力される希釈された流れは、付加的随意の製剤ユニットに輸送されることができる(例えば、
図3Bでは、導管340を介して)。付加的随意の製剤ユニットは、有効医薬品原料を含有する上流生成物から摂取可能生成物を形成するために使用されることができる。付加的随意の製剤ユニットは、多様な構成要素を含み、摂取可能医薬品組成物を形成することができる。例えば、
図3Bを参照すると、付加的随意の製剤ユニット314は、錠剤、摂取可能粉末、カプセル、注入可能溶液もしくは懸濁液、または任意の他の好適な形態の摂取可能医薬品組成物を生産するために使用される、押出器または他の粉末取扱システムを含み得る。ある実施形態では、付加的随意の製剤ユニットは、例えば、コーティングされた錠剤および/またはカプセルを生産するためのコーティング器を含むことができる。いくつかの実施形態では、付加的随意の製剤ユニットは、前述のように、混合器である。付加的随意の製剤ユニットによる処理後、摂取可能医薬品組成物(例えば、錠剤、カプセル、注入可能溶液、および/または懸濁液等)は、システムから輸送されることができる。ある実施形態では、付加的随意の製剤ユニット314が、摂取可能医薬品組成物を生産し、導管318を介して、摂取可能医薬品組成物を分注するように構成されてもよい。
【0119】
いくつかの実施形態では、製剤器内の1つまたはそれを上回る製剤ユニットは、付加的流体(例えば、第2の流体)を受容するように構成されてもよい。例えば、
図3Bを参照すると、いくつかの実施形態では、析出器304は、導管322を介して、第2の流体を受容するように構成されてもよい。ある実施形態では、フィルタ306、晶析器308、フィルタ310、溶解ユニット312、および/または付加的製剤ユニット314は、それぞれ、導管326、330、334、338、および/または342を介して、第2の流体を受容するように構成されてもよい。第2の流体は、本明細書に説明されるように、ある場合には、溶媒、賦形剤、および/または結合剤を備えてもよい。いくつかの実施形態では、析出器304、フィルタ306、晶析器308、フィルタ310、溶解ユニット312、および/または付加的製剤ユニット314は、それぞれ、導管326、330、334、338、および/または342を介して、非摂取可能成分を医薬品含有混合物から出力するように構成される。
【0120】
一具体的実施形態では、製剤器302は、流体的に直列に接続される、複数の製剤ユニットを備える。
図3Bを参照すると、システムは、ある場合には、流体的に直列に接続される、6つの随意の製剤ユニットを備えてもよい。いくつかのそのような実施形態では、システム302は、流体的に直列に接続される、析出器304と、フィルタ306と、晶析器308と、フィルタ310と、溶解ユニット312と、付加的製剤ユニット314とを備える。析出器304、フィルタ306、晶析器308、フィルタ310、溶解ユニット312、および製剤器314は、ある実施形態によると、随意であってもよい。他の実施形態では、製剤器302は、流体的に直列に接続される、1つまたはそれを上回る製剤ユニットのサブセットを備える(例えば、1つの随意の製剤ユニット、2つの随意の製剤ユニット、3つの随意の製剤ユニット、4つの随意の製剤ユニット、または5つの随意の製剤ユニット)。例えば、ある実施形態では、製剤器302は、析出器304と、フィルタ306と、溶解ユニット312とを備える。いくつかの実施形態では、製剤器302は、晶析器308と、フィルタ310と、溶解ユニット312とを備える。いくつかのそのような実施形態では、析出器304は、フィルタ306に直列に流体的に接続されてもよく、いくつかのそのような実施形態では、析出器304およびフィルタ306は、バイパスされ、晶析器308、フィルタ310、および溶解ユニット312が、
図2Aに図示されるモジュール102および/または104等の1つまたはそれを上回るモジュールに流体的に接続される。
【0121】
いくつかの実施形態では、前述のように、モジュールおよび/または製剤ユニットを通して輸送される流体は、溶媒を備える。好適な溶媒の非限定的実施例は、水、無機塩水溶液(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、および酢酸アンモニウム)、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、塩酸、アセトン、水酸化ナトリウム(水溶液)、またはそれらの組み合わせを含む。他の溶媒もまた、可能性として考えられる。当業者は、適切な溶媒を選択可能であろう。
【0122】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるシステムは、筐体内に含有されてもよく、および/または本明細書に説明される方法は、その中で実施されてもよい。当業者によって理解されるであろうように、筐体は、概して、少なくとも部分的に、機器の部品を封入する、フレームを指す。筐体は、任意の好適な材料であることができる。筐体材料の非限定的実施例は、鋼鉄、鉄、アルミニウム、プラスチック(例えば、ポリアクリル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン)、ガラス、および/または木材を含む。いくつかの実施形態では、筐体は、開放される(すなわち、筐体は、筐体の1つまたはそれを上回る側に1つまたはそれを上回る開口部を備える)。ある実施形態では、筐体は、閉鎖される。
【0123】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される合成システムが含有される、筐体は、比較的に小体積を占有する。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に説明される合成システムが含有される、筐体は、システムが機能的形態に組み立てられる間、約100フィート
3未満または約50フィート
3未満の体積を占有する。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される合成システムが含有される、筐体は、システムが機能的形態に組み立てられる間、約10フィート
2未満または約5フィート
2未満の占有面積を占有する。比較的に小体積および/または比較的に小占有面積を伴うシステムの使用は、ある実施形態によると、いくつかの利点を提供することができる。例えば、いくつかの実施形態では、システムのコンパクトな性質は、比較的に可搬性にし、医薬品または他の化学生成物の生産を複数の場所において可能にすることができる。
【0124】
いくつかの実施形態では、筐体は、相互に並列に流体的に接続される少なくとも2つのユニット動作を備える第1のモジュールと、相互に並列に流体的に接続される少なくとも2つのユニット動作を備える第2のモジュールと、製剤器とを備える、機能的形態に組み立てられるシステムを含有し、筐体は、約100フィート
3未満または約50フィート
3未満の体積を占有する。いくつかの実施形態では、筐体は、相互に並列に流体的に接続される少なくとも2つのユニット動作を備える第1のモジュールと、相互に並列に流体的に接続される少なくとも2つのユニット動作を備える第2のモジュールと、製剤器とを備える、機能的形態に組み立てられるシステムを含有し、筐体は、約10フィート
2未満または約5フィート
2未満の占有面積を占有する。いくつかのそのような実施形態では、筐体内の製剤器は、少なくとも1つの溶解ユニットと、少なくとも1つの析出器と、少なくとも1つのフィルタと、少なくとも1つの混合器とを備える。いくつかのそのような実施形態では、筐体内の製剤器は、少なくとも1つの溶解ユニットと、少なくとも2つの析出器と、少なくとも2つのフィルタと、少なくとも1つの混合器とを備える。
【0125】
前述のように、本明細書に説明されるシステムおよび方法のあるものは、有効医薬品原料(「API」)を合成するために使用されることができる。本明細書で使用されるように、用語「有効医薬品原料」(「薬物」とも称される)は、疾患、障害、または他の臨床上認識される状態を治療するために、または予防目的のために、対象に投与され、対象の身体に臨床上有意な影響を及ぼし、疾患、障害、または状態を治療および/または防止する、薬剤を指す。有効医薬品原料は、限定ではないが、United States Pharmacopeia(USP),Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics, 10th Ed., McGraw Hill, 2001、Katzung, B. (ed.)Basic and Clinical Pharmacology, McGraw−Hill/Appleton & Lange, 8th edition(September 21, 2000)、Physician’s Desk Reference(Thomson Publishing)、および/またはThe Merck Manual of Diagnosisand Therapy, 17th ed.(1999)もしくはその出版後の18th ed(2006),Mark H. Beers and Robert Berkow(eds.),Merck Publishing Group、もしくは動物の症例におけるThe Merck Veterinary Manual, 9th ed.,Kahn, C.A.(ed.),Merck Publishing Group,2005に列挙される薬剤を含む。好ましくは、必ずしもではないが、有効医薬品原料は、適切な政府当局または規制当局によってヒトまたは動物において使用するために安全かつ効果的であるとすでに見なされているものである。例えば、ヒト使用のために承認された薬物は、FDAによって21C.F.R.§§330.5、331から361、および440から460下に列挙されており、参照することによって本明細書に組み込まれ、動物使用のための薬物は、FDAによって21C.F.R.§§500から589下に列挙されており、参照することによって本明細書に組み込まれる。全列挙された薬物は、本発明による使用のために容認可能と見なされる。
【0126】
ある実施形態では、有効医薬品原料は、小分子である。例示的有効医薬品原料として、限定ではないが、抗癌剤、抗生物質、抗ウイルス剤、麻酔剤、抗凝血剤、酵素の阻害剤、ステロイド剤、ステロイド系または非ステロイド系抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、免疫抑制剤、抗原、ワクチン、抗体、鼻炎薬、鎮静剤、オピオイド、疼痛緩和剤、鎮痛剤、解熱剤、ホルモン、プロスタグランジン等が挙げられる。
【0127】
本明細書で使用されるように、用語「小分子」は、比較的に低分子量を有する、自然発生または人工的に作成された(例えば、化学合成を介して)分子を指す。典型的には、小分子は、有機化合物である(すなわち、炭素を含有する)。小分子は、複数の炭素−炭素結合、キラル中心、および他の官能基(例えば、アミン、ヒドロキシル、カルボニル、および複素環等)を含有してもよい。ある実施形態では、小分子の分子量は、最大約1,000g/モル、最大約900g/モル、最大約800g/モル、最大約700g/モル、最大約600g/モル、最大約500g/モル、最大約400g/モル、最大約300g/モル、最大約200g/モル、または最大約100g/モルである。ある実施形態では、小分子の分子量は、少なくとも約100g/モル、少なくとも約200g/モル、少なくとも約300g/モル、少なくとも約400g/モル、少なくとも約500g/モル、少なくとも約600g/モル、少なくとも約700g/モル、少なくとも約800g/モル、または少なくとも約900g/モル、または少なくとも約1,000g/モルである。前述の範囲の組み合わせ(例えば、少なくとも約200g/モルおよび最大約500g/モル)もまた、可能性として考えられる。
【0128】
APIの非限定的実施例は、ジフェンヒドラミン、リドカイン、ジアゼパム、フルオキセチン、イブプロフェン、ドキシサイクリン、およびアトロピンを含む。当業者は、本開示を前提として、本明細書に説明される合成方法およびシステムは、他の医薬品有効原料に適用可能であろう。
【0129】
また、前述のように、本明細書に説明されるシステムおよび方法のあるものは、摂取可能医薬品組成物を生産するために使用されることができる。概して、摂取可能医薬品組成物は、有効医薬品原料および薬学的に容認可能な賦形剤を含む、それらの組成物を指す。本明細書で使用されるように、用語「薬学的に容認可能な賦形剤」は、任意のタイプの非毒性かつ不活性の固体、半固体、または液体充填剤、希釈剤、カプセル化材料、もしくは製剤助剤を意味する。薬学的に容認可能な賦形剤としての役割を果たし得る材料のいくつかの非限定的実施例は、ラクトース、グルコース、およびスクロース等の糖類;トウモロコシの澱粉およびジャガイモの澱粉等の澱粉;カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、およびアセチルセルロース等のセルロースおよびその誘導体;粉末トラガント;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバターおよび坐剤蝋等の賦形剤;ピーナッツ油、綿実油等の油;ベニバナ油;ゴマ油;オリーブ油;トウモロコシ油およびダイズ油;プロピレングリコール等のグリコール;エチルオレエートおよびエチルラウレート等のエステル;アガー;Tween80等の洗剤;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム等の緩衝剤;アルギン酸;水(例えば、パイロジェンを含まない水);等張生理食塩水;クエン酸、酢酸塩、リンゲル液;エチルアルコール;およびリン酸緩衝溶液、ならびにラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム等の他の非毒性の互換性のある潤滑剤を含み、かつ着色剤、解除剤、コーティング剤、甘味料、香味料、香料、保存料、および酸化防止剤もまた、製剤者の判断に従って、組成物中に存在することができる。
【0130】
いくつかの実施形態では、摂取可能医薬品組成物は、少なくとも約2.5mg、少なくとも約5.0mg、または少なくとも約20mgの有効医薬品原料/ミリリットルの薬学的に容認可能な担体を備える。いくつかの実施形態では、有効医薬品原料は、薬学的に容認可能な担体中に溶解される。ある実施形態では、有効医薬品原料は、薬学的に容認可能な担体中に懸濁される。ある実施形態では、摂取可能医薬品組成物は、錠剤、丸薬、または液体の形態である。
【0131】
いくつかの実施形態では、システムは、少なくとも約1000用量のAPI/日を生産するように構成される。ある実施形態では、システムは、少なくとも約2000用量/日、少なくとも約4000用量/日、少なくとも約8000用量/日、少なくとも約10000用量/日、または少なくとも約20000用量/日を生産するように構成される。概して、当業者によって理解されるであろうように、用語「用量」は、概して、生物学的応答を刺激するために生物(例えば、人間、動物、植物、昆虫、および/またはバクテリア)に投与される、有効医薬品原料および/または薬物生成物の量を指す。ある実施形態では、システムは、少なくとも約20グラム/日、少なくとも約50グラム/日、少なくとも約100グラム/日、少なくとも約200グラム/日、または少なくとも約400グラム/日の化学生成物(例えば、摂取可能医薬品組成物)を生産するように構成される。
【0132】
ある実施形態では、システムは、比較的に大量の有効医薬品原料を小占有面積内で生産するように構成される。例えば、ある場合には、システムは、少なくとも約5グラムの有効医薬品原料/平方フィート占有面積/日を生産するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、システムは、少なくとも約7g/日/フィート
2、少なくとも約10g/日/フィート
2、少なくとも約20g/日/フィート
2、少なくとも約30g/日/フィート
2、少なくとも約50g/日/フィート
2、少なくとも約60g/日/フィート
2、少なくとも約70g/日/フィート
2、少なくとも約90g/日/フィート
2、少なくとも約100g/日/フィート
2、少なくとも約120g/日/フィート
2、少なくとも約150g/日/フィート
2、または少なくとも約200g/日/フィート
2の有効医薬品原料/日/占有面積を生産するように構成される。ある実施形態では、システムは、少なくとも約1グラムの有効医薬品原料/筐体(例えば、前述のように)の立方フィート/日を生産するように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、システムは、少なくとも約2g/日/フィート
3、少なくとも約3g/日/フィート
3、少なくとも約4g/日/フィート
3、少なくとも約5g/日/フィート
3、少なくとも約7g/日/フィート
3、少なくとも約10g/日/フィート
3、少なくとも約15g/日/フィート
3、少なくとも約20g/日/フィート
3、または少なくとも約25g/日/フィート
3の有効医薬品原料/筐体の体積/日を生産するように構成される。
【0133】
以下の実施例は、本発明のある実施形態を例証するように意図されるが、本発明の全範囲を例示するものではない。
【実施例】
【0134】
(実施例1)
本実施例は、ある実施形態による、種々のユニット動作を含有するモジュールが複数の化学反応を行うように直列に配列されたシステムについて説明する。実施例2−5は、適切なモジュールおよびユニット動作および/またはバイパスの選択を通して、塩酸ジフェンヒドラミン、リドカイン、ジアゼパム、およびフルオキセチンを生産するための
図4Aに図示される例示的システムの使用を実証する。
【0135】
以下により詳細に説明されるように、化学生成物を生産するため、ユニット動作(例えば、反応器または非反応器ユニット動作)またはバイパスが、特定の化学合成プロセスのための所望のシーケンスのユニット動作をもたらすために各モジュール内で選択された。
図4Aを参照すると、システム400は、既存のユニット動作を切断する、および/または新しいユニット動作を化学合成システムに接続するのとは対照的に、単に、1つまたはそれを上回る弁(例えば、マニホールド内)を作動させ、既存の流体接続を再経路指定することによって、ある化学合成プロセス(例えば、塩酸ジフェンヒドラミンを製造するためのプロセス)と別の化学合成プロセス(例えば、リドカインを製造するためのプロセス)との間で切り替え得るように動作されることができる。
【0136】
システム400は、流体的に直列に接続される、5つのモジュール(
図4Aでは、420、440、460、470、および480)を備えていた。システム400はまた、10のリザーバ(
図4Aでは、401、402、403、404、405、406、407、408、409、および410)を備え、これらは、化学合成プロセスを行うために使用される化学試薬および溶媒を保持するように構成された。システム400はまた、流体的に直列に接続される、析出器492と、フィルタ493と、晶析器495と、フィルタ496と、溶解ユニット497と、製剤器499とを備えていた。析出器492は、モジュール480に流体的に直列に接続された。システムは、占有面積0.315m
2および体積0.551m
3を占有した。
図4Bは、例示的システム400の写真である。
【0137】
モジュール420は、それぞれ、導管411、412、および413を介して、流体をリザーバ401、402、および403から受容するように構成された。導管412および413は、マニホールド421に流体的に接続される導管416に継合された。導管411は、導管422に流体的に接続され、随意に、付加的流体をユニット動作423への入力流れに添加した。
【0138】
モジュール420は、マニホールド421およびマニホールド432によって並列に流体的に接続される、10mL反応器423と、5mL反応器426と、30mL反応器429と、バイパス導管431とを備えていた。マニホールド421は、化学合成プロセスの所望のステップを行うために、それぞれ、導管422、導管425、および導管428を介して、反応器423、反応器426、反応器429、および/またはバイパス導管431のうちの1つまたはそれを上回るものを選択するために使用された。導管424、導管427、および導管430は、流体的に接続され、流体(例えば、化学生成物)を、それぞれ、反応器423、反応器426、および反応器429からマニホールド432に出力するように構成された。
【0139】
モジュール440は、導管433を介して、モジュール420に流体的に直列に接続され、1つまたはそれを上回る流体をモジュール420、導管414を介してリザーバ404、および/または導管415を介してリザーバ405から受容するように構成された。導管414および導管415それぞれ、導管445および導管448に流体的に接続された。
【0140】
モジュール440は、マニホールド441およびマニホールド452によって並列に流体的に接続される、液−液膜分離器443と、10mL反応器446と、30mL反応器449と、バイパス導管451とを備えていた。液−液分離器は、化学的に耐性のポリマー材料(例えば、PFA、ETFE、PTFE)内の湿潤部品と、剛性筐体(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、他の好適な材料)と、半浸透性膜とを備えていた。液−液分離器は、占有面積約0.05フィート
2を有していた。半浸透性膜は、平均細孔サイズ約0.5ミクロンを伴う、PTFE膜であった。分離器はまた、PFA(厚さ約0.002インチ)を備える、自己調整式圧力調整器を備えていた。反応器は、剛性アルミニウム筐体内に内蔵された定義された構造および寸法の内部管状ポリマーコイルを備えていた。マニホールド441は、化学合成プロセスの所望のステップを行うために、それぞれ、導管442、導管445、および導管448を介して、分離器443、反応器446、反応器449、および/またはバイパス導管451のうちの1つまたはそれを上回るものを選択するために使用された。導管444、導管447、および導管450は、流体的に接続され、第1の流体(例えば、化学生成物)を、それぞれ、分離器443、反応器446、および反応器449からマニホールド452に出力するように構成された。導管453は、分離器443に流体的に接続され、第2の流体を分離器443から除去するように構成された。
【0141】
モジュール460は、導管455を介して、モジュール440に流体的に直列に接続され、モジュール440、導管456を介してリザーバ406、および/または導管457を介してリザーバ40から、1つまたはそれを上回る流体を受容するように構成される。
【0142】
モジュール460は、マニホールド461およびマニホールド466によって並列に流体的に接続される、混合器464と、バイパス導管462とを備えていた。マニホールド461は、化学合成プロセスの所望のステップを行うために、導管463を介して混合器464および/またはバイパス導管462のうちの1つまたはそれを上回るものを選択するために使用された。導管456および導管457は、混合器464に流体的に接続された。導管465は、流体的に接続され、流体(例えば、化学生成物)を、混合器464から、導管465を介して、マニホールド466に出力するように構成された。
【0143】
モジュール470は、導管467を介して、モジュール460に流体的に直列に接続され、1つまたはそれを上回る流体を、モジュール460、導管458を介してリザーバ408、および/または導管459を介してリザーバ409から受容するように構成された。導管458および導管459は、導管467に流体的に接続された。
【0144】
モジュール470は、マニホールド471およびマニホールド476によって並列に流体的に接続される、分離器474と、バイパス導管472とを備えていた。マニホールド471は、化学合成プロセスの所望のステップを行うために、導管473を介して分離器474および/またはバイパス導管472のうちの1つまたはそれを上回るものを選択するために使用された。導管475は、流体的に接続され、第1の流体(例えば、化学生成物)を、分離器474から、導管475を介して、マニホールド476に出力するように構成された。導管477は、分離器474に流体的に接続され、第2の流体を分離器474から除去するように構成された。
【0145】
モジュール480は、導管491を介して、モジュール470に流体的に直列に接続され、導管490を介して、1つまたはそれを上回る流体をモジュール470および/またはリザーバ410から受容するように構成された。導管491は、マニホールド476に流体的に接続された導管478と、導管490とに流体的に接続された。
【0146】
モジュール480は、マニホールド481およびマニホールド486によって並列に流体的に接続される、分離器484と、バイパス導管482とを備えていた。マニホールド481は、化学合成プロセスの所望のステップを行うために、導管483を介して分離器484および/またはバイパス導管482のうちの1つまたはそれを上回るものを選択するために使用された。導管485は、流体的に接続され、第1の流体(例えば、化学生成物)を、分離器484から、導管485を介して、マニホールド486に出力するように構成された。導管488は、分離器484に流体的に接続され、第2の流体を分離器484から除去するように構成された。導管487は、マニホールド486に流体的に接続された。析出器492は、導管487を介して、モジュール480に流体的に直列に接続された。析出器492は、最大体積400mLを伴う、HDPE析出器であった。
【0147】
流体は、析出器492から、流体的に直列に接続される、フィルタ493、晶析器495、フィルタ496、溶解ユニット497、および製剤ユニット499に輸送された。最終化学生成物(例えば、摂取可能医薬品組成物)は、導管498から出力された。
【0148】
以下により詳細に説明されるように、適切なリザーバおよびユニット動作が、1つまたはそれを上回る化学生成物を生産するために、システム内で選択された。同一システムは、以下に説明されるように、導管、モジュール、ユニット動作、もしくはリザーバを流体的に接続する、および/または流体的に切断せずに、化学合成毎に使用された。
【0149】
例証目的のために、リドカイン、ジアゼパム、および塩化ジフェンヒドラミンの形成において使用されるモジュールのみ、
図4Aに示される。モジュール420、モジュール440、モジュール460、モジュール470、およびモジュール480、ならびに析出器492、フィルタ493、晶析器495、フィルタ496、溶解ユニット497、および製剤ユニット499は、例証目的のために簡略化されており、図示されないが、1つまたはそれを上回る付加的ユニット動作(例えば、反応器および/または非反応器ユニット動作)、1つまたはそれを上回る付加的導管、および/または1つまたはそれを上回る付加的マニホールドを備えてもよいことに留意されたい。いくつかの実施形態では、導管487は、1つまたはそれを上回る付加的モジュールおよび/または製剤器に流体的に接続された。システム400では、導管487は、析出器492に流体的に接続された。当業者は、1つまたはそれを上回る付加的化学生成物(例えば、API)の合成もまた、本明細書に図示されないが、1つまたはそれを上回る付加的構成要素を伴って、もしくは伴わずに、本システムを用いて行われ得ることを容易に理解するであろう。
【0150】
図4Aを参照すると、表1は、塩酸ジフェンヒドラミン、リドカイン、およびジアゼパムの合成のための各モジュール内で選択されたユニット動作を要約する。
図4Aを参照すると、表2は、塩酸ジフェンヒドラミン、リドカイン、およびジアゼパムの合成のための各リザーバの含有量を要約する。
【0151】
【表1】
【0152】
【表2】
【0153】
(実施例2)
本実施例は、
図4Aに図示され、実施例1に説明される、システム400を使用した、塩酸ジフェンヒドラミンの連続合成および製剤について説明する。ここでは、表1に概略され、以下により詳細に説明されるように、モジュール420は、10mL反応器を使用するために選択され、モジュール440は、バイパス導管451を使用するために選択され、モジュール460は、混合器464を使用するために選択され、モジュール470は、分離器474を使用するために選択され、モジュール480は、バイパス導管482を使用するために選択された。塩酸ジフェンヒドラミンの合成はさらに、
図5に図示される。モジュール、ユニット動作、および/または導管が、塩酸ジフェンヒドラミンと、リドカイン(実施例3)、ジアゼパム(実施例4)、またはフルオキセチン(実施例5)の合成間で、システムに流体的に接続される、および/またはそこから切断されなかったことに留意することは、重要である。すなわち、新しいモジュール、ユニット動作、または導管は、システムに追加されず、モジュール、ユニット動作、または導管は、システムから除去されなかった。本実施例で利用されるいくつかのモジュール、ユニット動作、および/または導管は、簡略化目的のために
図4Aに図示されないが、本明細書に説明される。
【0154】
再び、
図4Aを参照すると、10mL反応器423は、180℃で圧力250psi下、クロロジフェニルメタンと2−ジメチルアミノエタノールを反応させるために選択された。反応は、反応が5時間を上回って完了するバッチプロセス(例えば、類似基質に対してベンゼン中で125℃)と比較して、15分以内に完了したことに留意されたい。過剰な2−ジメチルアミン−エタノールは、第四級アンモニウム塩を反応器423を通して搬送するために使用された。3Mの水性水酸化ナトリウムが、140℃に予加熱され、塩酸を急冷するために、反応器423後、導管456を介して注入された。粗製ジフェンヒドラミンの抽出が、任意の残りの2−ジメチルアミノエタノールを除去するために、ヘキサンおよび水の同時注入によって、背圧調整器(BPR)後に行われた。ジフェンヒドラミンは、次いで、導管467に流体的に接続される、抽出効率を改良するための短充填層カラムを通して通過され(また、
図5も参照)、有機相が、重力動作式液−液分離器474の選択を介して、水性廃棄物から分離された。ヘキサン中の粗製ジフェンヒドラミン(82%収率)が、次いで、活性炭を通して濾過後、さらなる処理および製剤のために、析出器492に運搬された。
【0155】
過剰な2−ジメチルアミノエタノールおよび高温(すなわち、第四級アンモニウム中間体の融点を上回る温度)の組み合わせは、処理された材料を管状反応器内で流動させ続けることを可能にすることに留意されたい。
【0156】
下流プロセスにおける第1のステップは、塩を形成するための塩酸を用いた粗製ジフェンヒドラミン(例えば、粗製遊離塩基溶液)の析出であった。約300mLの粗製遊離塩基溶液が、析出器492の中に圧送され、10℃まで冷却された。ジエチルエーテル中塩酸溶液(0.5M)が、次いで、1:1モル比が得られるまで、200rpmで撹拌しながら、0.5mL/分の率で添加された。酸の添加が完了後、スラリーが、1時間、撹拌された。析出された塩は、Hastelloy濾過膜を伴うHDPEベースの乾燥器を備える、フィルタ493を通して濾過された。濾過された材料は、100mLの冷温ヘキサンを用いて洗浄され、次いで、室温で1時間、真空下で同一ユニット内で乾燥された。乾燥された粗製塩は、次いで、濃度が196.5mg/mLとなるように、60℃でイソプロパノール中に溶解された。高圧における事前に加熱されたイソプロパノールの逆流が、そうでなければ容易に行われなかったであろう、大量のジフェンヒドラミン塩の輸送を可能にした。溶液は、次いで、120rpmで回転するプロペラタイプインペラを装備するHDPE晶析器を備える晶析器495内で晶析された。イソプロパノールからのジフェンヒドラミンの制御された晶析は、溶液が高温時、イソプロパノールが溶媒として作用するが、冷却時、貧溶媒となるために達成された。典型的には、そのような溶液が流動し得ること、および/またはイソプロパノールが良好な貧溶媒としての役割を果たすであろうことは、予期されないであろう。溶液は、1℃/分で最終温度5℃まで冷却された。得られたスラリーは、次いで、乾燥温度70℃で、フィルタ496内で濾過および乾燥された。精製および乾燥された結晶は、次いで、水中で溶解され、濃縮物を溶解タンク497内にもたらした。濃縮物は、次いで、最終投薬量濃度2.5mg/mLまで製剤タンク499内で希釈された。本液体製剤の液体の1用量は、濃度2.5mg/mLで5.0mlである。最終投薬量形態の純度は、HPLCを使用して測定され、USP規格に準拠した。
【0157】
(実施例3)
本実施例は、
図4Aに図示され、実施例1に説明される、システム400を使用した、リドカインの連続合成および製剤について説明する。ここでは、表1に概略され、以下により詳細に説明されるように、モジュール420は、10mL反応器423を使用するために選択され、モジュール440は、30mL反応器449を使用するために選択され、モジュール460は、バイパス導管462を使用するために選択され、モジュール470は、分離器474を使用するために選択され、モジュール480は、バイパス導管482を使用するために選択された。リドカインの合成はさらに、
図6に図示される。
【0158】
リドカインの生産は、
図6にさらに図示されるように、全て1つの連続フローにおける、連続2ステップ合成および1ステップ合成後抽出/分離から成った。合成の第1のステップは、120℃における10mL反応器423内でのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中の2,6−キシリジンとクロロアセチルクロリドの直接アミド化であった。N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中のクロロアセチルクロリドの時間依存分解は、原位置で溶液を形成するための両化学物質の流れを混合することによって回避された。アミド化に応じて、KOHとジエチルアミンの混合物が、前のステップで生成されたHClを急冷し、第三級アミン部分をリドカイン中に形成するために導入された。混合物は、温度130℃(ジエチルアミン(55℃)およびいくつかの他の溶媒(メタノールおよび水)の沸点をはるかに上回る)で30mL反応器449に添加された。反応は、5分以内に完了した(還流トルエン中60分を上回る、または還流ベンゼン中4〜5時間を要求する、バッチ反応と比較して)。
【0159】
MeOHとH
2Oの最適比は、全中間体、副産物、および最終生成物を溶解するために重要であった。2つの反応は、2,6−キシリジンからリドカインへの完全変換(HPLCに従って99%)に到達するために、22.4分を要した。極性溶媒NMPの使用を通した2,6−キシリジンとクロロアセチルクロリドとの間のアミド化は、著しく高濃度で短反応時間を可能にし、典型的には、小占有面積内で予期されないであろう、高生産性をもたらしたことに留意されたい。
【0160】
比較的に純リドカイン溶液を下流動作に送達し、精製を可能な限り単純に保つために、非常に効率的抽出が、設計された。混合された塩化ナトリウムおよびアンモニウム水溶液(2mL/分)およびヘキサン(3mL/分)が、導管459と467の交差合流点を通して流出流れの中に注入された(1.65mL/分)。導管467(また、
図6も参照)に流体的に接続されるホウケイ酸ビーズを伴う充填層カラムの含有は、物質移動を増加させ、ヘキサン中の粗製リドカインが、分離器474内のインライン重力液−液分離に応じて得られた。合成/精製シーケンスは、インライン赤外線分光法を介して、リアルタイムで監視された。定常状態は、60分後に到達され、約90%収率のリドカインが得られ、ヘキサン中0.11M溶液として下流ユニットに送達された(3mL/分)。
【0161】
析出が、320rpmで撹拌されるプロペラインペラを用いて、10℃で析出器492内で行われた。いったん250mLの粗製溶液が、析出ユニットの中に完全に圧送されると、82.5mLのジエチルエーテル中0.5MHClが、流率0.1mL/分で添加された。HClと粗製のモル比は、1.5:1であった。塩酸リドカインが、8時間の保持時間後に得られ、収率約95%および純度93.6%であった。
【0162】
スラリーは、次いで、フィルタ493の中に排出された。母液(ML)が濾過された後、結晶は、MLを濾過しながら、250mLのヘキサンを用いて洗浄された。いったん洗浄液体(WL)が濾過されると、生産されたフィルタケーキは、60分間、50℃におけるフィルタ内で真空下乾燥された。
【0163】
再晶析が、次いで、貧溶媒(例えば、ヘキサン)冷却晶析プロセス(50℃〜5℃の冷却)と5℃で2時間の保持時間を併用して、晶析器495内で行われた。アセトン/イソプロパノール(96:4)の混合物が、溶媒として使用された。ヘキサン(40体積%)が、1℃/分で冷却しながら、50℃で流率2mL/分を用いて添加された。晶析器は、200rpmでプロペラインペラを用いて撹拌された。初期濃度は、34.6mg/mLであった。5℃で2時間の保持時間後、純度97.7%を伴う収率87.6%が、達成された。
【0164】
精製された結晶は、次に、フィルタ496の中に排出された。MLが濾過された後、結晶は、MLを濾過しながら、100mLのヘキサン(晶析器の中に圧送される)を用いて洗浄された。いったんWLが濾過されると、フィルタケーキは、50℃で120分間、フィルタ496内で真空乾燥された。いったん乾燥が終了すると、水中4%カルボキシメチルセルロースナトリウムを備える50mLの予混合された溶液が、結晶を溶解ユニット497内に再懸濁させ、撹拌率200rpmで溶解するために添加された。溶液は、製剤タンク499の中に排出された。
【0165】
濃度は、超音波プローブを採用して検証され、次いで、最終投薬量20mg/mLまで希釈された。
【0166】
(実施例4)
本実施例は、
図4Aに図示され、実施例1に説明される、システム400を使用した、ジアゼパムの連続合成および製剤について説明する。ここでは、表1に概略され、以下により詳細に説明されるように、モジュール420は、10mL反応器423を使用するために選択され、モジュール440は、10mL反応器446を使用するために選択され、モジュール460は、バイパス導管462を使用するために選択され、モジュール470は、分離器474を使用するために選択され、モジュール480は、分離器484を使用するために選択された。ジアゼパムの合成はさらに、
図7に図示される。
【0167】
ジアゼパムの生産のための合成は、
図7にさらに図示されるように、3ステップ連続プロセスを伴った。10mL反応器423および10mL反応器446が、選択され、それぞれ、90℃および130℃で動作された。ブロモアセチルクロリドが、反応器446の詰まりを防止し、故に、ジアゼパムの高出力を確実にし、広範な塩形成を生じさせずに、非常に効率的アミノ化/分子内イミン形成を低水率(MeOH/H
2O=9:1)で可能にするために、クロロアセチルクロリドの代わりに利用された。最適条件下、出発材料の変換は、95%を上回り、ジアゼパムを78%収率で生産した(HPLC)。粗製混合物の分析は、出発5−クロロ−2−(メチルアミン)ベンゾフェノン中間体ハロゲン化物、およびその加水分解付加物、ならびに二量体/三量体を含む、いくつかの副産物を呈した。
【0168】
ジアゼパムは、概して、水中で難溶性であって、さらに、2連続ステップにおけるジアゼパムの合成は、有機溶媒中で難溶性のいくつかの異なる塩を生成することに留意されたい。最適試薬(例えば、ブロモアセチルクロリド)および最適溶媒組み合わせ(例えば、水、NMP、および/またはMeOH)の使用は、システムを詰まらせることなく、1つの連続フローにおいてジアゼパムの生産を可能にした。加えて、反応は、アンモニア(−33℃)およびプロセスにおいて使用されるいくつかの他の溶媒(例えば、メタノールおよび水)の沸点をはるかに上回る130℃で10mL反応器446内で実施された。反応は、5分以内に完了した(類似基質に対してメタノール中24時間を上回って要求されるバッチプロセスと比較して)。
【0169】
後続連続精製設定は、そのうちのいくつかは、ジアゼパム自体と非常に類似特性(例えば、溶解度、pKa等)を有する、全副産物および不純物を効率的に除去するために設計された。精製設定の組み合わせられる3つの連続段階は、抽出および濾過から成った。水性塩化ナトリウム(20重量%)および酢酸エチルを用いた反応混合物の第1の連続の抽出は、ジアゼパムをプロセスにおいて生成された水溶性副産物から分離し、次いで、無水酢酸抽出物が、暗色副産物(例えば、二量体および三量体)を除去するために、導管467に流体的に接続され、活性炭が装填された、カートリッジを通して通過された。本時点で、インラインシリコン赤外線(IR)プローブが、リアルタイム監視のために挿入された。最後に、水性HCl(4M)を用いた連続抽出が、行われ、有機不純物(酢酸エチル中)をジアゼパムの共役酸(水中)から分離した。連続分離は、重力ベースの液−液分離器を使用して実施された。プロセスは、水中塩酸ジアゼパム(0.1M)をもたらし、高度な精製のために、次のモジュールに運搬された。
【0170】
析出は、320rpmで撹拌されるプロペラインペラを用いて、10℃で析出器492内で行われた。いったん250mLの粗製溶液が析出器の中に完全に圧送されると、93mLの28%水性水酸化アンモニウムが、流率0.3mL/分で添加された。全体的保持時間は、24時間であって、収率約95%および純度96.7%であった。析出器からのスラリーは、フィルタ493の中に排出された。母液(ML)が濾過された後、結晶は、MLを濾過しながら、250mLの水(析出器の中に圧送された)を用いて洗浄された。いったん洗浄液体(WL)が濾過されると、得られたフィルタケーキは、50℃で60分間、フィルタ493内で真空乾燥された。再晶析は、2時間の保持時間および溶媒としてのジメチルポリシロキサン(DMSO)を用いて、25℃における貧溶媒(水)晶析を使用して晶析器495内で実施された。水(70体積%)が、流率2mL/分で添加された。晶析器は、200rpmでプロペラインペラを用いて撹拌された。生産された初期濃度は、21.6mg/mLであった。25℃における2時間の保持時間後、ジアゼパムは、93.6%(104.3%純度)で得られた。次に、スラリーは、フィルタ496の中に排出された。MLが濾過された後、結晶は、MLを濾過しながら、100mLの水(晶析器の中に圧送された)を用いて洗浄された。いったんWLが濾過されると、得られたフィルタケーキは、60℃で240分間、フィルタ496内で真空乾燥された。乾燥後、40mLのエタノールが、結晶を溶解ユニット497内に再懸濁させ、撹拌率200rpmで溶解するために添加された。溶液が製剤タンク499の中に排出されると、濃度が、7.83mg/mLであることが超音波を使用して測定され、次いで、オペレータによって、最終用量濃度5.263mg/mLに調節された。オペレータはまた、最終用量濃度1mg/mL(19体積%エタノールを備える)を得るために、濃縮されたジアゼパム/エタノール溶液を水で希釈し得る。
【0171】
(実施例5)
本実施例は、実施例1に説明されるシステムを使用した、フルオキセチンの連続合成および製剤について説明する。以下に説明されるように、反応器、ユニット動作、およびバイパスが、適切な反応ステップを行うためにシステム400(
図8)から選択された。
【0172】
モジュール、ユニット動作、および/または導管が、フルオキセチンと、塩酸ジフェンヒドラミン(実施例2)、リドカイン(実施例3)、またはジアゼパム(実施例4)の合成の間で、システムに流体的に接続される、および/またはそこから切断されなかったことに留意することは、重要である。すなわち、新しいモジュール、ユニット動作、または導管は、システムに追加されず、モジュール、ユニット動作、または導管は、システムから除去されなかった。本実施例で利用されるいくつかのモジュール、ユニット動作、および/または導管は、簡略化目的のために
図4Aに図示されないが、本明細書に説明される。例えば、フルオキセチンの合成および製剤は、流体的に接続されるが、
図4Aに図示されない、4つの反応器、4つの分離器、熱交換器、および分子ふるいを選択することによって、
図4Aに図示されるようなシステム400を利用した。
【0173】
克服すべき重要な課題は、順方向化学互換性のためにインラインで反応を行う能力(加圧された液体/液体抽出、250psi)、抽出の効率、内部流体圧力の精密な制御(膜分離器を用いた液体/液体抽出を可能にするための単一チャンバ多重入口圧力調整器)、固体形成(アルミン酸塩、KOH、KF)の対処、反応溶媒中の水の存在、反応遅延率(最終ステップにおけるトルエンの存在)、および粗製APIを下流処理のために直接輸送可能かつ使用可能な溶液として得ることが含まれた。
【0174】
フルオキセチンの合成の連続フローは、
図8により詳細に図示されるように、5mL渦巻反応器(
図8では反応器I)内で実施された3−クロロプロピオフェノン(トルエン中3M)のDIBAL(トルエン中1M)還元から開始した。3−クロロプロピオフェノンは、飽和に近づいた。還元は、室温で平滑に行われ、0.36mmol/分スケール(96%収率)で10分以内に到達した。
【0175】
アルミニウム塩は、後続アミノ化反応と互換性がなく、したがって、除去を要求した。しかしながら、その急冷(4MHCl水溶液)によって、大量の固体を生成された。超音波変換器は、塩の高速溶解、故に、連続動作を可能にした。2段階インライン抽出および分離シーケンスが、水性廃棄物およびガスをDIBAL分解から除去するために、連続膜液−液分離器(SEPmIおよびII、
図8)を用いて実装された。水性4MHClの第2の流れが、SEPmII前にシステムに注入され、完全急冷を可能にした。中間体アルコールが、分離後、91%収率で得られた。
【0176】
中間体アルコール(主要トルエン流れ中0.75M)が、次いで、反応器III(
図8)に指向され、ここで、水性メチルアミン(11.5M、15等量)と反応した。セグメントフロー状態は、水性液滴からトルエンに向かうメチルアミンの高速移動と、また、アンモニウム塩の溶媒和も可能にした。出発アルコールの変換は、140℃に設定された10mL渦巻反応器内で10分の滞留時間後、93%に到達した(89%収率)。140℃の反応温度は、メチルアミンおよび使用される溶媒(例えば、メタノールおよびトルエン)のうちのいくつかの沸点をはるかに上回る(メチルアミンの臨界点に近い)。反応は、10分以内に完了した。
【0177】
第3の分離ステップは、特に、後続SN
Ar反応に照らした抽出の対比的必要性に起因して困難であった。トルエン中の所望のアミノアルコールの難溶性および反応器出口におけるエマルションの形成は、効率的インライン分離(抽出後33%収率)を阻む一方、SNArは、特に、水溶性極性溶媒の使用に依存し、疎水性溶媒は、反応性を非常に妨害した。したがって、テトラヒドロフラン(THF)が、抽出溶媒として使用された。水性層を塩化ナトリウム(20重量%)でイオン化することによって、THFは、水不溶性となり、芳香族置換を妨害せずに、アミノアルコールを効率的に抽出した(インライン分離後90%)。ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、およびスルホラン等の他の溶媒も調査されたが、いずれも、中間体アミノアルコールの抽出に失敗する、または詰まりを生じさせるかのいずれかであった。
【0178】
抽出は、効率的であったが、THF中のH
2O溶解度は、無視不可能なものであって、水およびカリウムtert−ブトキシドの共存は、KOHの析出および反応器IV内の詰まりにつながった。第7のモジュール内の分子ふるい(MS、4Å、
図8)の選択は、本結果を回避した。
【0179】
反応器IIV(10mL、140℃)のすぐ上流で、アミノアルコールの乾燥および予加熱された流れが、それぞれ、0.25Mおよび0.05MのDMSO中カリウムtert−ブトキシド/18−クラウン−6と、DMSO中4−フルオロベンゾトリフルオライド(0.24M)の連続流れと接触され、粗製フルオキセチンをもたらした。
【0180】
反応器IVのすぐ下流で、水の流れが、BPRの前に注入され、フッ化カリウムおよび他の塩の析出を回避し、BPRの詰まりを防止した。主要流出物が、次いで、tert−ブチルメチルエーテル(TBME)の流れによって抽出され、有機相が、最終重力動作式液−液分離器を介して、水性廃棄物から分離された。TBME中の粗製フルオキセチンが、次いで、さらなる処理および製剤のために、流率4.6mL/分および濃度7.5mg/mLで上流から下流ユニットに運搬された。圧力調整の精密な制御は、重要な考慮事項であった。
【0181】
析出は、320rpmで撹拌されるプロペラインペラを用いて、析出器492内で3℃で行われた。析出器には、粗製溶液が圧送される前に、約50mgのフルオキセチンHClシード結晶が装填された。いったん300mLの粗製溶液が析出器の中に圧送されると、10mLのジエチルエーテル中2MHCl溶液が、流率0.5mL/分で添加された。次いで、60mLのヘキサン(貧溶媒)が、流率0.5mLで添加され、溶液中の塩酸フルオキセチンの溶解度を低下させた。結果として生じるスラリーは、少なくとも8時間、溶液中にとどまらされた。析出された塩は、次いで、Hastelloy濾過膜を伴うHDPEから作製される特別に構築されたフィルタ/乾燥器ユニットを使用して濾過され、フィルタ493内で250mLのヘキサンを用いて洗浄された。いったん洗浄液体(WL)が濾過されると、結果として生じるフィルタケーキは、50℃で60分間、フィルタ493内で真空乾燥された。
【0182】
乾燥された粗製塩は、次いで、50
oCでアセトン中に溶解され、溶液は、120RPMで回転するPTFEプロペラタイプインペラを装備するHDPE晶析器内の晶析器495において晶析された。再晶析が、2段階貧溶媒(ヘキサン)冷却晶析プロセス(50℃〜5℃の冷却)において行われ、5℃で2時間の保持時間を伴った。ヘキサン(37.5%)が、50℃で添加され、1℃/分で冷却された。段階1における濃度は、26.3mg/mLであって、段階2では、21.2mg/mLであった。両段階の平均収率は、74%であって、それぞれ、純度93.0および102.0%を伴った。
【0183】
結果として生じるスラリーは、次いで、フィルタ496内で70℃で濾過および乾燥された。精製および乾燥された結晶は、次いで、水中で溶解され、溶解ユニット497内に濃度4mg/mLをもたらした。そのような製剤を用いる場合、5mLは、1用量、すなわち、20mgの塩酸フルオキセチンを表す。最終投薬量形態の純度は、HPLCを使用して測定され、USP規格に準拠した。
【0184】
(実施例6)
表3は、実施例2−5に説明されるように、ジフェンヒドラミン、リドカイン、ジアゼパム、およびフルオキセチンの合成のために使用されるシステムの投薬量および合成率を要約する。
【0185】
典型的には、リドカインの単一1000グラムバッチ生産は、約500リットルのヘキサンと、少なくとも1000リットルバッチ反応器(例えば、液−液抽出/分離ステップのため)とを要求するであろう。対照的に、本明細書に説明されるシステムは、占有面積約0.551m
3(551リットル)を占有する完全システム内でコンパクトな連続液−液分離器を用いて、1000グラムのリドカインの分離を持続させた。
【0186】
【表3-1】
【0187】
【表3-2】
【0188】
本発明のいくつかの実施形態を本明細書で説明および図示したが、当業者であれば、本明細書で説明される機能を果たし、および/または、結果および/または利点のうちの1つまたはそれを上回るものを得るための種々の他の手段および/または構造を容易に想定し、そのような変形例および/または修正のそれぞれは、本発明の範囲内であると見なされる。より一般的には、当業者であれば、本明細書で説明される全パラメータ、寸法、材料、および構成は、例示的となるように意図されており、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成は、本発明の教示が使用される、1つまたは複数の具体的用途に依存することを、容易に理解するであろう。当業者であれば、日常的にすぎない実験を使用して、本明細書で説明される本発明の具体的実施形態の多くの同等物を認識するか、または確認することができるであろう。したがって、前述の実施形態は、一例のみとして提示され、添付の請求項およびその同等物の範囲内で、具体的に説明および請求される以外の方法で本発明が実践されてもよいことを理解されたい。本発明は、本明細書で説明される、各個別特徴、システム、部品、材料、および/または方法を対象とする。加えて、そのような特徴、システム、部品、材料、および/または方法が相互に矛盾していなければ、2つまたはそれを上回そのような特徴、システム、部品、材料、および/または方法の任意の組み合わせが、本発明の範囲内に含まれる。
本明細書および本請求項で使用されるような、「1つの」という不定冠詞は、明確にそれとは反対に示されない限り、「少なくとも1つの」を意味すると理解されたい。
【0189】
本明細書および本請求項で使用されるような、「および/または」という語句は、そのように結合される要素、すなわち、ある場合では接合的に存在し、他の場合では離接的に存在する要素の「いずれか一方または両方」を意味すると理解されたい。明確にそれとは反対に示されない限り、「および/または」という節によって具体的に識別される要素と関係するか、無関係であるかにかかわらず、それらの具体的に識別される要素以外に、他の要素が随意で存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」の参照は、「〜を備える」等の非制約的な用語と併せて使用されると、一実施形態では、BのないA(随意でB以外の要素を含む)を指し、別の実施形態では、AのないB(随意でA以外の要素を含む)を指し、さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(随意で他の要素を含む)等を指す。
【0190】
本明細書および本請求項で使用されるような、「または」は、上記で定義されるような「および/または」と同じ意味を有すると理解されたい。例えば、一覧中のアイテムを分離するときに、「または」あるいは「および/または」は、包括的であるとして解釈されるものであり、すなわち、少なくとも1つを含むが、多数の要素または要素の一覧のうちの2つまたはそれを上回るものと、随意で、付加的な非記載アイテムも含む。「〜のうちの1つのみ」または「〜のうちの正確に1つ」等、明確にそれとは反対に示される用語のみ、または、請求項で使用されるときに、「〜から成る」が、多数の要素または要素の一覧のうちの正確に1つの包含を指す。一般に、本明細書で使用されるような「または」という用語は、「いずれか一方」、「〜のうちの1つ」、「〜のうちの1つのみ」、または「〜のうちの正確に1つ」等、排他性の用語が先行すると、排他的代替物(すなわち、「一方または他方であるが、両方ではない」)としてのみ解釈されるものである。「本質的に〜から成る」は、請求項で使用されると、特許法の分野で使用されるような、その通常の意味を有するものである。
【0191】
本明細書および本請求項で使用されるような、1つまたはそれを上回る要素の一覧を参照した「少なくとも1つ」という語句は、要素の一覧中の要素のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものから選択される、少なくとも1つの要素を意味するが、要素の一覧内で具体的に記載される、あらゆる要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含むとは限らず、要素の一覧中の要素の任意の組み合わせを除外しないことを理解されたい。この定義はまた、「少なくとも1つ」という語句が指す要素の一覧内で具体的に識別される要素と関係するか、無関係であるかにかかわらず、それらの具体的に識別される要素以外の要素が随意で存在してもよいことも許容する。したがって、非限定的な例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または同等に、「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または同等に、「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、Bが存在しない、随意で2つまたはそれを上回るものを含む、少なくとも1つのA(随意でB以外の要素を含む)を指し、別の実施形態では、Aが存在しない、随意で2つまたはそれを上回るものを含む、少なくとも1つのB(随意でA以外の要素を含む)を指し、さらに別の実施形態では、随意で2つまたはそれを上回るものを含む、少なくとも1つのA、および、随意で2つまたはそれを上回るものを含む、少なくとも1つのB(随意で他の要素を含む)等を指すことができる。
【0192】
請求項ならびに上記の明細書では、「〜を備える」、「〜を含む」、「〜を担持する」、「〜を有する」、「〜を含有する」、「〜を伴う」、「〜を保持する」および同等物等の全移行句は非制約的である、すなわち、「〜を含むがそれらに限定されない」を意味すると理解されたい。「〜から成る」および「本質的に〜から成る」という移行句のみが、United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures, Section 2111.03に規定されているように、それぞれ、制約的または半制約的な移行句となるものである。