特許 6787906 照明モジュール及び照明モジュールを備える照明装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6787906

(24)【登録日】2020年11月2日

(45)【発行日】2020年11月18日

(54)【発明の名称】照明モジュール及び照明モジュールを備える照明装置

(51)【国際特許分類】

   F21K 9/00 20160101AFI20201109BHJP

   F21K 9/232 20160101ALI20201109BHJP

   F21V 29/503 20150101ALI20201109BHJP

   F21V 29/83 20150101ALI20201109BHJP

   F21Y 103/10 20160101ALN20201109BHJP

   F21Y 107/10 20160101ALN20201109BHJP

   F21Y 107/50 20160101ALN20201109BHJP

   F21Y 107/70 20160101ALN20201109BHJP

   F21Y 115/10 20160101ALN20201109BHJP

   F21Y 115/15 20160101ALN20201109BHJP

   F21Y 115/30 20160101ALN20201109BHJP

【ＦＩ】

   F21K9/00 100

   F21K9/232 100

   F21V29/503

   F21V29/83

   F21Y103:10

   F21Y107:10

   F21Y107:50

   F21Y107:70

   F21Y115:10

   F21Y115:15

   F21Y115:30

【請求項の数】15

【全頁数】16

(21)【出願番号】特願2017-541822(P2017-541822)

(86)(22)【出願日】2016年2月11日

(65)【公表番号】特表2018-505532(P2018-505532A)

(43)【公表日】2018年2月22日

(86)【国際出願番号】EP2016052900

(87)【国際公開番号】WO2016128509

(87)【国際公開日】20160818

【審査請求日】2019年2月1日

(31)【優先権主張番号】15154784.1

(32)【優先日】2015年2月12日

(33)【優先権主張国】EP

(73)【特許権者】

【識別番号】516043960

【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ

【氏名又は名称原語表記】ＳＩＧＮＩＦＹ ＨＯＬＤＩＮＧ Ｂ．Ｖ．

(74)【代理人】

【識別番号】100163821

【弁理士】

【氏名又は名称】柴田 沙希子

(72)【発明者】

【氏名】ウェグ レネ テオドルス

(72)【発明者】

【氏名】ファン ウーデン マルテイン ヨチェム

(72)【発明者】

【氏名】バン ボメル ティエス

【審査官】 野木 新治

(56)【参考文献】

【文献】 米国特許出願公開第２０１４／０３７５２０１（ＵＳ，Ａ１）

【文献】 米国特許出願公開第２０１４／０２６８７７１（ＵＳ，Ａ１）

【文献】 特開２０１３−０６５５２９（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ｆ２１Ｓ ２／００

Ｆ２１Ｋ ９／００

Ｆ２１Ｖ ２９／００

Ｈ０１Ｌ ３３／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

透光性長尺部材内の導光領域を少なくとも部分的に画定する内部表面を有する、前記透光性長尺部材と、
各々が光を発する複数の発光素子であって、前記透光性長尺部材内で、かつ少なくとも１つの発光素子の光軸が照明モジュールの長軸に対して非垂直であるように、前記透光性長尺部材に結合される、前記複数の発光素子とを備える、照明モジュールを有する照明装置において、
前記透光性長尺部材は少なくとも第１の端及び第２の端を有し、前記透光性長尺部材は、前記導光領域を通って前記第１の端及び前記第２の端それぞれを出入りする流体の通過を前記導光領域によって可能にするように構成され、
前記照明装置は、前記照明モジュールを取り囲む透光性エンベロープを更に有し、
前記透光性エンベロープは、前記照明モジュールが配される流体密閉及び閉鎖された空間を規定することを特徴とする照明モジュールを有する照明装置。

【請求項2】

前記透光性長尺部材の少なくとも前記内部表面の少なくとも一部分が、前記長軸に対して非平行であり、少なくともいくつかの発光素子が、前記内部表面の前記少なくとも一部分に結合されるか、又は前記内部表面の前記少なくとも一部分によって支持される、請求項１に記載の照明装置。

【請求項3】

前記内部表面が、少なくとも１つの窪みを含み、前記発光素子のうちの少なくとも１つが前記窪み内に配置される、請求項１又は２に記載の照明装置。

【請求項4】

前記複数の発光素子の少なくともいくつかが、エンクロージャに少なくとも部分的に取り囲まれ、前記エンクロージャが、前記透光性長尺部材の前記内部表面に接続される、請求項１乃至３のいずれか一項に記載の照明装置。

【請求項5】

前記複数の発光素子のうちの少なくとも１つが、前記透光性長尺部材内に埋め込まれるか、又は組み込まれる、請求項１乃至４のいずれか一項に記載の照明装置。

【請求項6】

前記複数の発光素子のうちの少なくとも１つが埋め込まれる前記透光性長尺部材のある領域の材料が、前記透光性長尺部材の隣接する領域の材料の屈折率と異なる屈折率を有する、請求項５に記載の照明装置。

【請求項7】

前記透光性長尺部材の前記内部表面は、前記複数の発光素子が電気的に接続される複数の導電性トラックを含む、請求項１乃至６のいずれか一項に記載の照明装置。

【請求項8】

前記複数の発光素子が、発光素子の少なくとも１つのストリングとして構成される、請求項１乃至７のいずれか一項に記載の照明装置。

【請求項9】

少なくとも２つの発光素子が、前記照明モジュールの前記長軸に対して互いから離間している、請求項１乃至８のいずれか一項に記載の照明装置。

【請求項10】

前記発光素子が前記内部表面に結合される、請求項１乃至９のいずれか一項に記載の照明装置。

【請求項11】

前記透光性長尺部材が、入射する光を散乱させる少なくとも１つの光散乱素子を含む、請求項１乃至１０のいずれか一項に記載の照明装置。

【請求項12】

前記複数の発光素子が結合される担体をさらに備える、請求項１乃至１１のいずれか一項に記載の照明装置。

【請求項13】

前記透光性長尺部材が、さらなる中空の透光性長尺部材の内部表面と他方の前記透光性長尺部材の外部表面との間に空間が存在するように、前記さらなる中空の透光性長尺部材内に配置され、前記複数の発光素子が、前記さらなる中空の透光性長尺部材と前記透光性長尺部材との間の前記空間内に配置される、請求項１乃至１２のいずれか一項に記載の照明装置。

【請求項14】

前記流体密閉及び閉鎖された空間が熱伝導流体を有する、請求項１乃至１３のいずれか一項に記載の照明装置。

【請求項15】

前記熱伝導流体がヘリウム及び／又は水素を含むガスを含む、請求項１４に記載の照明装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、概して、照明設備及び照明装置の分野に関する。特に、本発明は、透光性長尺部材及び長尺部材内で長尺部材に結合される複数の発光素子を有する照明モジュールに関する。

【背景技術】

【0002】

照明目的の発光ダイオード（ＬＥＤ）の使用は、引き続き注目を集めている。白熱灯、蛍光灯、ネオン管灯などと比べて、ＬＥＤは、より長い運用年数、消費電量の低減、光エネルギーと熱エネルギーとの比率に関連した効率性の増加など、多数の利点を提供する。ＬＥＤベース光源などの固体ベース光源は、白熱光源と比べて異なる光学特性を有する。特に、固体ベース光源は、白熱光源と比べてより指向性の強い配光及びより高い（即ち、よりクールな）色温度を提供する。それ故に、固体ベースの照明装置を、例えば、配光及び／又は色温度に関して、従来の白熱照明装置に似せる又は類似させるための取り組みがなされてきた。ＬＥＤを基にした電球照明装置は、これらのＬＥＤ灯が、多くの場合は、従来の白熱光電球の外観を有するように、かつ慣習的なソケットに取り付けられるように設計される等の理由で、「レトロフィットランプ」と一般に呼ばれ、そこでは発光フィラメント線が１つ又は複数のＬＥＤに置き換えられる。電球内の大気は、概して空気である。しかしながら、ＬＥＤの冷却が、ＬＥＤベースのレトロフィットランプにおいて問題を引き起こす。ＬＥＤの過熱は、寿命の減少、光出力の低下、又はＬＥＤの故障を導く。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0003】

ＬＥＤ電球即ちレトロフィットランプを実現するための１つの照明装置構造において、ＬＥＤは、開口端のある管状担体の外側に取り付けられ、その管状担体は、例えば、ガラス又はセラミック製の電球内に配置される。そのような管状担体は、概して、１つ又は複数の開口端を有する長尺中空構造体と称され、その構造体は、例えば、円筒形、円錐形、円錐台形、漏斗形状などであり、例えば、円形、三角形、矩形断面などの断面を有する。管状担体は、煙突の機能性と類似する機能性を提供して、流体（又はガス）が管状担体を通って流れることを可能にし、それにより、煙突内で発生する対流によって管状担体及びＬＥＤの冷却を促進する（即ち、ＬＥＤによって生成される熱が管状担体内の流体に伝導され、それにより管状担体内及び管状担体を通る流体の対流を生み出す）。そのような煙突構成又は構造は、ＬＥＤから外への熱輸送について比較的高い効率性を提供するが、従来の白熱光電球に類似するＬＥＤ電球即ちレトロフィットランプからの均一な光強度分布を実現することができない。例えば、そのような煙突構成又は構造に基づいたＬＥＤ電球即ちレトロフィットランプは、比較的低い光強度に相当する電球の外部表面上の領域を呈する。そのような『暗』領域は、見ている人が目で確認できるものであり、それは望ましくないことである。そのような煙突構成又は構造に基づいたＬＥＤ電球即ちレトロフィットランプの電球が何らかの理由で壊れたが、依然としてランプ又は照明器具ソケットに接続されている場合、ＬＥＤ電球即ちレトロフィットランプをランプ又は照明器具ソケットから取り外すことは、不便又は危険でさえある。これは、ＬＥＤ電球即ちレトロフィットランプをランプ又は照明器具ソケットから取り外す人が、取り外しの最中に、管状担体の外側の電気接点に触れる可能性があることに起因する。

【0004】

上記を考慮して、本発明の関心は、先に説明されるような煙突構成又は構造を利用したものと比べて、照明モジュール又は照明装置によって発せられる光の強度のより均一な分布を達成することを促進するか、又は可能にする照明モジュール又は照明装置を提供することである。

【0005】

本発明のさらなる関心は、照明モジュール又は照明装置内の発光素子から外への熱輸送について、先に説明されるような煙突構成又は構造のものに匹敵するか、或いはそれよりも高い効率性を達成することを促進するか、又は可能にする照明モジュール又は照明装置を提供することである。

【0006】

本発明のさらなる関心は、壊れた照明モジュール又は照明装置を取り扱うときに使用者の不便性又は危険性のリスクを軽減する、或いは取り除くことすらも促進するか、又は可能にする照明モジュール又は照明装置を提供することである。

【課題を解決するための手段】

【0007】

これらの関心及び他の関心のうちの少なくとも１つに取り組むために、独立請求項に記載の照明モジュールが提供される。好ましい実施形態は、従属請求項によって定義される。

【0008】

第１の態様に従って、透光性長尺部材であって、透光性長尺部材内の導光領域を少なくとも部分的に画定するか、又は境界を定める内部表面を有する透光性長尺部材、を備える照明モジュールが提供される。本照明モジュールは、複数の発光素子を備える。各発光素子は光を発する。複数の発光素子は、透光性長尺部材内で、かつ少なくとも１つの発光素子の光軸が照明モジュールの長軸に対して非垂直であるように、透光性長尺部材に結合される。

【0009】

透光性長尺部材は少なくとも第１の端を有する。透光性長尺部材は、導光領域を通って第１の端を出入りする流体の通過を導光領域によって可能にするように構成される。長尺部材は、第２の端をさらに有し、導光領域によって第２の端を出入りする流体の通過を可能にするように構成される。長尺部材は、３つ以上の端を有する可能性があり、導光領域によってそれぞれの端を出入りする流体の通過を可能にするように構成される。本発明の１つ又は複数の実施形態によると、長尺部材は、長尺部材又は導光領域へ出入りする流体の流れ又は通過ができないように、閉口され、かつ密閉され得る。

【0010】

長尺部材内の導光領域によって、長尺部材を通って第１の端及びおそらくは例えば第２の端を出入りする流体の通過を可能にするように構成される長尺部材によって、導光領域を通る、ひいては透光性長尺部材を通る流体（例えば、空気又はヘリウムなどのガス）の循環の流れが促進されるか、又は可能になる。故に、長尺部材は、煙突の機能性と類似する機能性を提供して、長尺部材内に発生する対流によって熱輸送を促進するか、又は可能にする。それにより、長尺部材内で長尺部材に結合される発光素子の比較的高い冷却度合いが達成される。

【0011】

以下にさらに論じられるように、第１の態様に従う照明モジュールは、照明モジュールを少なくとも部分的に取り囲む透光性エンベロープを備える照明装置に含まれる。透光性エンベロープは、流体密閉及び閉鎖された空間を少なくとも部分的に画定し、その中に照明モジュールが配置され、この空間は、熱伝導流体、例えば、空気などのガス又はヘリウム及び／若しくは水素を含むガスを含むか、又はそれで満たされる。例えば、照明装置は、何らかの適切なコネクタ、例えば、エジソン式ねじ込み口金、バヨネット取付具、又は当該技術分野で知られるランプ若しくは照明器具に好適な別の種類の接続によって、ランプ又は照明器具ソケットに接続可能なＬＥＤ電球即ちレトロフィットランプに含まれるか、又はそれを構成する。

【0012】

発光素子が長尺部材内で長尺部材に結合されるため、長尺部材の外側に電気接続又は接点（例えば、プリント回路基板ＰＣＢ上又は内に配置される）を必要としない。したがって、照明装置がランプ又は照明器具ソケットに接続されている間に透光性エンベロープが壊れた場合、使用者は、電気接続又は接点に直接触れるリスクを伴うことなく、長尺部材の適切な取扱いによって、照明装置をランプ又は照明器具ソケットから取り外すことができる。

【0013】

長尺部材内で、かつ少なくとも１つの発光素子の光軸が照明モジュールの長軸に対して非垂直であるように、長尺部材に結合される複数の発光素子によって、例えば、光強度及び／又は輝度に関して、発光における比較的高い均一性を照明モジュールの実質的に周囲全体に提供することが促進されるか、又は可能になる。即ち、照明モジュールから比較的多くの方向に光を発することができる、或いは照明モジュールから実質的に全方向の発光を達成するような照明モジュールを達成することが促進される、又は可能になる。

【0014】

長尺部材の内部表面の選択された形状を達成するような長尺部材の適切な構成によって、少なくとも１つの発光素子の光軸が照明モジュールの長軸に対して非垂直であることが達成される。長尺部材の少なくとも内部表面の少なくとも一部分は、例えば、照明モジュール又は長尺部材の長軸に対して非平行である。例えば、長尺部材の少なくとも内部表面の少なくとも一部分は、少なくとも縦方向に外向き又は内向きに湾曲する。少なくともいくつかの発光素子は、内部表面の少なくとも一部分に結合されるか、及び／又はそれによって支持される。

【0015】

代替的に、又は加えて、長尺部材は、照明モジュールの長軸に対して湾曲するように配置される。

【0016】

一般に、少なくとも１つの発光素子の光軸が照明モジュールの長軸に対して非垂直であることを実現又は実施するために、少なくとも１つの発光素子は、例えば、長尺部材の内部表面に結合され、内部表面は、少なくとも１つの発光素子の光軸が照明モジュールの長軸に対して非垂直であるように、照明モジュールの長軸に関連して配置される。代替的に、又は加えて、少なくとも１つの発光素子は、おそらくは何らかの適切な結合手段を使用して、発光素子からの発光の主な方向（発光素子の光軸を画定する）が照明モジュールの長軸に対して非垂直であるような様式で、長尺部材の内部表面に結合される。

【0017】

上で述べたように、少なくとも１つの発光素子の光軸は、長尺部材又は照明モジュールの長軸に対して非垂直である。光軸が長尺部材又は照明モジュールの長軸に対して非垂直である、即ち、光軸が９０度又はおよそ９０度とは異なる長軸に対する角度にある２つ以上の発光素子が存在する。照明モジュールから比較的多くの方向に光を発することができる照明モジュールを達成することを促進するか、又は可能にするように、光軸が長尺部材又は照明モジュールの長軸に対して非垂直であり、おそらくはそれらの光軸が互いに長軸に対して異なる角度にあるようないくつかの発光素子が存在する。

【0018】

本発明の１つ又は複数の実施形態に従って、複数の発光素子は、少なくとも２つの発光素子の光軸が照明モジュールの長軸に対して異なる角度にあるように、長尺部材内で長尺部材に結合される。

【0019】

例に従って、長尺部材は中空である。例えば、導光領域、又は空洞は、任意の流体又は空気などのガスが長尺部材を通って、又は長尺部材内を通過することを許す開口した空所を含むか、又はそれにより構成される。

【0020】

別の例に従って、導光領域は、流体の導光領域の通過を許すと同時に、例えば、導光領域が延在する方向に沿って、その中への光の伝搬又は伝達を許す１つ又は複数の材料を含むか、又はそれによって構成される。この材料は、透明材料を少なくとも部分的に含んで、光が散乱されることなく材料を通過することを可能にする。この材料は、例えば、多孔質材料、即ち、孔又は空所を含む材料を含む。

【0021】

長尺部材の透光性材料は、透明又は半透明である。長尺部材は、少なくとも１つの透明な部分を含むか、又はそれは、少なくとも１つの半透明な部分を含むか、又はそれは、少なくとも１つの透明な部分及び少なくとも１つの半透明な部分を含む。故に、「透光性」である長尺部材とは、長尺部材の全体又は実質的に全体が透光性であることを必ずしも意味せず、長尺部材のある部分のみが透光性であり、他の部分は透光性でない場合がある。

【0022】

長尺部材内で長尺部材に結合されている複数の発光素子は、各発光素子が、長尺部材内の位置から光を発するように構成又は配置されることを必要とする。

【0023】

複数の発光素子のうちの１つ又は複数或いはすべてが、長尺部材、例えば、長尺部材の内部表面に直接的に結合又は接続される。複数の発光素子のうちの１つ又は複数或いはすべてが、１つ又は複数の中間コンポーネントを介して、長尺部材、例えば、長尺部材の内部表面に間接的に結合又は接続される。複数の発光素子のうちの１つ又はいくつかは、長尺部材に直接的に結合又は接続され、複数の発光素子のうちの１つ又はいくつかは、長尺部材に間接的に結合又は接続される。

【0024】

本発明の１つ又は複数の実施形態に従う例に従って、長尺部材の内部表面は、少なくとも１つの窪み、又は空洞、又は切抜きを含む。窪みは、例えば、溝又は溝様の構造を含む。発光素子のうちの少なくとも１つは、窪み又は空洞又は切抜き内に配置される。

【0025】

別の例に従って、複数の発光素子のうちの少なくともいくつかは、エンクロージャ内に少なくとも部分的に取り囲まれる。エンクロージャは、長尺部材の内部表面に接続される。例えば、エンクロージャは、発光素子の少なくとも１つのストリングを、例えば、いわゆるＬＥＤストリップ及び／又はＬＥＤフィラメントの形態で収容するための透光性管状構造体を備える。

【0026】

さらに別の例に従って、複数の発光素子のうちの少なくとも１つは、長尺部材内に埋め込まれるか、又は組み込まれる。

【0027】

本発明の１つ又は複数の実施形態に従う例に従って、複数の発光素子のうちの少なくとも１つが埋め込まれる長尺部材の領域の材料は、長尺部材の隣接する領域の材料の屈折率とは異なる屈折率を有する。これを別の方式で説明すると、長尺部材が異なる屈折率を有するいくつかの材料を含み、ここでは複数の発光素子のうちの少なくとも１つは、隣接する異なる材料の屈折率とは異なる屈折率を有する材料内に少なくとも部分的に取り囲まれる。例えば、少なくとも１つの発光素子が、シリコンなどの透明材料内に埋め込まれ、シリコン内に埋め込まれた発光素子はガラスなどの別の透明材料に囲まれる。そのような構築によって、発光素子によって発せられる光は、１つの場所では長尺部材内へ結合され、光が長尺部材内へ結合された場所とは（実質的に）異なる別の場所では長尺部材の外へ結合され、それは、例えば、光強度及び／又は輝度に関して、発光における増大した均一性を照明モジュールの実質的に周囲全体に必要とする。

【0028】

本発明の１つ又は複数の実施形態に従って、長尺部材の内部表面は、複数の発光素子が電気的に接続される複数の導電性トラックを含む。そのような導電性トラックは、例えば、印刷によって適用され、原則として、導電性トラックが長尺部材の内部表面に適用される方式に好適な任意の導電性材料を含む。

【0029】

本発明の１つ又は複数の実施形態に従って、長尺部材は、円錐形又は円筒形である。しかしながら、他の形状の長尺部材も可能である。

【0030】

本出願の文脈において、円筒形である長尺部材とは、長尺部材が円筒様である、即ち、円筒の形状又は形態に少なくとも部分的に類似する形状又は形態を有することを意味し、必ずしも完璧又は理想的な円筒の形状をしていない。

【0031】

本出願の文脈において、円錐形である長尺部材とは、長尺部材が円錐様である、即ち、円錐の形状又は形態に少なくとも部分的に類似する形状又は形態を有することを意味し、必ずしも完璧又は理想的な円錐の形状をしていない。

【0032】

長尺部材は、少なくとも１つの光散乱素子上に入射光を散乱させるように構成される少なくとも１つの光散乱素子を備える。例えば、少なくとも１つの光散乱素子は、長尺部材内に埋め込まれるか、又は組み込まれる光散乱粒子を含む。代替的に、又は加えて、少なくとも１つの光散乱素子は、長尺部材の内部及び／又は外部表面上にＡｌ_２Ｏ_３、ＢａＳＯ_４、及び／又はＴｉＯ_２などの材料の層又はコーティングを含み、長尺部材の内部及び／又は外部表面は、粗い構造を有する。

【0033】

別の例に従って、長尺部材又は少なくとも１つの光散乱素子は、加えて、又は代替的に、量子閉じ込め構造体、ランタニド錯体、希土類金属成分、及び蛍光体の群において１つ又は複数の素子より選択される発光材料を含む。

【0034】

１つの例に従って、長尺部材の内部表面は、複数の発光素子を支持するように構成される。別の例に従って、照明モジュールは、複数の発光素子を支持するように構成されるか、又は複数の発光素子が結合される、担体を備える。担体は、長尺部材の内部表面に結合又は接続される場合とされない場合がある。担体は、例えば、少なくとも１つのプリント回路基板（ＰＣＢ）、及び／又は金属薄片を含む。担体は、少なくとも部分的に可撓性である（即ち、担体の少なくとも一部分又は複数の部分が可撓性である）。例えば、担体は、可撓性のＰＣＢ及び／又は可撓性の金属薄片を含む。

【0035】

担体は、使用中に少なくとも１つの発光素子によって生成される熱を、少なくとも１つの発光素子から外へ伝導するように構成される。故に、担体は、熱伝導能力及び／又は機能性を呈するように構成される。

【0036】

透光性長尺部材は、さらなる中空の透光性長尺部材内に、さらなる長尺部材の内部表面と他方の長尺部材の外部表面との間に空間が存在するように、配置され、ここでは複数の発光素子が長尺部材間の空間内に配置される。

【0037】

言い換えると、第１の内側透光性長尺部材、及び第２の外側透光性長尺部材が存在し、ここでは第２の透光性長尺部材は中空であり、第１の透光性長尺部材は第２の透光性長尺部材内に配置される。第１の内側透光性長尺部材と第２の外側透光性長尺部材との間には空間が存在し、複数の発光素子はその空間内に配置される。故に、複数の発光素子は、２つの透光性長尺部材間に『組み込まれる』。

【0038】

さらなる又は第２の長尺部材の透光性材料は、透明若しくは半透明であるか、又は少なくとも１つの透明の部分及び少なくとも１つの半透明の部分を含む。

【0039】

第２の態様に従って、第１の態様に従う照明モジュールを備える照明装置が提供される。本照明装置は、照明モジュールを少なくとも部分的に取り囲む透光性エンベロープを備える。透光性エンベロープは、流体密閉及び閉鎖された空間を少なくとも部分的に画定し、その中に照明モジュールが配置され、この空間は、熱伝導流体、例えば、ヘリウム及び／若しくは水素を含むガスを含むか、又はそれで満たされる。本照明装置は、ランプソケットへの接続のための基部を備える。基部は、任意の好適な種類のコネクタ、例えば、エジソン式ねじ込み口金、バヨネット取付具、又は任意の種類の接続を含むか、又はそれによって構成される。本照明装置は、第１の態様に従う２つ以上の照明モジュールを備える。

【0040】

当該技術分野において知られるように、照明モジュール及び／又は照明装置は、電源からの電気を複数の発光素子を動作又は駆動させるのに好適な電気に変換することができる電気回路を含む。電気回路は、少なくとも交流と直流との間で変換すること、及び電圧を複数の発光素子を動作又は駆動させるのに好適な電圧に変換することができる。

【0041】

先述の言及が、照明モジュールの長軸に対してなされたとき、代替的に、又は加えて、それは照明装置の長軸に対して言及されていることが理解されるものとする。

【0042】

複数の発光素子のうちの少なくとも１つは、例えば、固体発光体を含むか、又はそれによって構成される。固体発光体の例としては、ＬＥＤ、ＯＬＥＤ、及びレーザダイオードが挙げられる。固体発光体は、それらが一般的に比較的安価で、比較的高い光学効率及び比較的長い寿命を有することから、比較的コスト効率の良い光源である。しかしながら、本出願の文脈において、「発光素子」という用語は、例えば、それにわたって電位差を適用すること、又はそれに電流を流すことによって動作されるとき、電磁スペクトルの任意の領域又は領域の組み合わせ、例えば、可視域、赤外域、及び／又は紫外域にある放射線を発することができる実質的にいかなる装置又は素子も意味することを理解されたい。したがって、発光素子は、単色、準単色、多色、又は広域スペクトル放射特性を有することができる。発光素子の例としては、半導体、有機若しくはポリマーＬＥＤ、紫色ＬＥＤ、青色ＬＥＤ、光ポンピング蛍光体被覆されたＬＥＤ、光ポンピングナノ結晶ＬＥＤ、又は当業者により容易に理解されるような任意の他の同様の素子が挙げられる。さらには、発光素子という用語は、本発明の１つ又は複数の実施形態に従って、ハウジング又はパッケージと組み合わせて放射線を発する特定の発光素子（特定の発光素子又は複数の発光素子はハウジング又はパッケージの中に位置決めされる又は配置される）の組み合わせを意味することができる。例えば、発光素子という用語は、ＬＥＤパッケージと称されるハウジング内に配置される裸のＬＥＤダイを包含することができる。

【0043】

複数の発光素子は、例えば、発光素子の少なくとも１つのストリングとして構成される。１つの例に従って、複数の発光素子は、いわゆるＬＥＤストリップ及び／又はＬＥＤフィラメントを含むか、又はそれによって構成され、ここでは複数の発光素子は、基板に取り付けられた裸のＬＥＤダイであり、おそらくはＬＥＤダイを有する基板は蛍光体層を含む。蛍光体層は、基板全体、又は基板の一部、又はＬＥＤダイのみを被覆する。基板は、例えば、金属、ガラス、サファイア、及び／又はセラミックのストリップ又はプレートである。

【0044】

１つ又は複数の実施形態に従って、複数の発光素子のうちの少なくとも２つの発光素子は、照明モジュール又は長尺部材の長軸（の方向）に対して互いから離間している。これを別の方式で説明すると、少なくとも２つの発光素子は、照明モジュール又は長尺部材の長軸に対して、照明モジュール又は長尺部材内の異なる『高さ』に配置される。

【0045】

本発明のさらなる目的及び利点は、実施形態を例示することによって以下に説明される。本発明は、特許請求の範囲に列挙される特徴の可能性のあるすべての組み合わせに関することに留意されたい。本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲及び本明細書内の説明を読むときに明らかになるものとする。当業者は、本発明の異なる特徴が本明細書に記載されるもの以外の実施形態を作るために組み合わされることを認識する。

【0046】

本発明の例示的実施形態は、添付の図面を参照して以下に説明される。

【図面の簡単な説明】

【0047】

【図1】本発明の実施形態に従う照明装置の概略断面側面図である。

【図2】本発明の実施形態に従う照明モジュールの概略断面側面図である。

【図3】本発明の実施形態に従う照明モジュールの概略断面側面図である。

【図4】本発明の実施形態に従う照明モジュールの概略断面側面図である。

【図5】本発明の実施形態に従う照明モジュールの概略断面側面図である。

【図6】本発明の実施形態に従う照明モジュールの概略断面側面図である。

【図7】本発明の実施形態に従う照明モジュールの概略断面側面図である。

【図8】本発明の実施形態に従う照明モジュールの概略断面上面図である。

【図9】本発明の実施形態に従う照明モジュールの概略断面上面図である。

【図10】本発明の実施形態に従う照明モジュールの概略断面上面図である。

【発明を実施するための形態】

【0048】

すべての図面は概略であり、必ずしも一定の縮尺ではなく、概して本発明の実施形態を解明するために必要な部分のみを示すものであり、他の部分は省略されるか、又は単に提案されるだけである。

【0049】

これより以後、本発明は、本発明の例示的実施形態が示される添付の図面を参照して説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化され、本明細書内で記載される実施形態に限定されると見なされるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が当業者に本発明の範囲を伝えるように例として提供されるものである。

【0050】

図面において、同一の参照番号は、別段の特別な記載のない限り、同じ又は同様の機能を有する同じ又は同様のコンポーネントを表す。

【0051】

図１は、本発明の実施形態に従う照明装置２００の概略断面側面図である。

【0052】

照明装置２００は、照明モジュール１００、及び照明モジュール１００を取り囲む透光性エンベロープ２１０を備える。図１に例証される本発明の実施形態によると、透光性エンベロープ２１０は電球形状をしている。しかしながら、図１に描写される透光性エンベロープ２１０の電球形状は、例に従うものである。他の形状の透光性エンベロープ２１０が可能であり、透光性エンベロープ２１０は、原則としていかなる形状を有してもよい。

【0053】

透光性エンベロープ２１０は、照明モジュール１００が中に配置される閉鎖された空間２２０を少なくとも部分的に画定する。透光性エンベロープ２１０は、空間２２０が流体密閉された空間であるように構成され、その空間は、空気又は熱伝導流体、例えば、ヘリウム及び／若しくは水素を含むガスを含むか、又はそれで満たされる。熱伝導ガス又は流体（例えば、ヘリウム及び／又は水素を含む）は、例えば、特定の酸素含有量と組み合わされる。

【0054】

図１に例証される本発明の実施形態によると、照明装置２００は、ランプ又は照明器具ソケット（図１には示されない）への接続のための基部２３０を備える。基部２３０は、任意の好適な種類の結合器又はコネクタ、例えば、エジソン式ねじ込み口金、バヨネット取付具、又は特定の種類のランプ若しくは照明器具に好適な任意の他の種類の接続を含むか、又はそれによって構成される。

【0055】

照明モジュール１００は、透光性長尺部材１１０を備え、透光性長尺部材１１０は、長尺部材１１０内の導光領域１１４を少なくとも部分的に画定するか、又は境界を定める内部表面１１２を有する。長尺部材１１０は、第１の端１１６及び第２の端１１８を有する。長尺部材１１０は、導光領域１１４を通って第１の端１１６及び第２の端１１８それぞれを出入りする流体の通過を導光領域１１４によって可能にするように構成される。この目的のため、当該例によると、長尺部材１１０は、導光領域１１４又は空洞が、図１に例証されるように、開口した空所を含むか、又はそれによって構成され、それによりいかなる流体又は空気などのガスも長尺部材１１０を通過することを可能にするように、中空である。しかしながら、長尺部材１１０は必ずしも中空である必要はない。別の例によると（図１には示されない）、導光領域１１４は、導光領域１１４を通る流体の通過を可能にすると同時に、導光領域１１４内の光の伝搬又は伝達を可能にする構造体及び／又は１つ若しくは複数の材料を含むか、又はそれによって構成されてもよい。導光領域１１４の１つ又は複数の材料は、透明材料を少なくとも部分的に含んで、光が（実質的に）散乱されることなく材料を通過することを可能にする。

【0056】

長尺部材１１０内の導光領域１１４によって、長尺部材１１０を通って第１の端１１６及び第２の端１１８それぞれを出入りする流体の通過を可能にするように構成される長尺部材１１０によって、導光領域１１４を通る流体（例えば、空気又はヘリウムなどのガス）、ひいては長尺部材１１０を通る流体の循環の流れが促進されるか、或いは更に可能になる。それにより、長尺部材１１０は、煙突の機能性と類似する機能性を提供して、導光領域１１４を通る、ひいては長尺部材１１０を通る連続した流体循環により長尺部材１１０内に発生する対流によって熱輸送を促進するか、又は可能にする。

【0057】

図１に例証される本発明の実施形態に従う長尺部材１１０は、第１の端１１６及び第２の端１１８を有し、その内外に流体の通過が発生するが、長尺部材１１０は、流体の内外への通過が発生する１つのみの端（例えば、第１の端１１６）、若しくは流体の内外への通過が発生する３つ以上の端を有するか、又は長尺部材１１０若しくは導光領域１１４の内外への流体の流れ若しくは通過を許さないように、さらに閉口される（及びおそらくは密閉される）ことを理解されたい。第１の端１１６及び第２の端１１８を有する長尺部材１１０の構成はまた、以下にさらに説明される図２乃至図７に例証される。しかしながら、図２乃至図７のいずれか１つに例証される長尺部材１１０は、代替的に、流体の内外への通過が発生する１つのみの端、若しくは流体の内外への通過が発生する３つ以上の端を有するか、又は閉口される（及びおそらくは密閉される）ことを理解されたい。また、図８乃至図１０のいずれか１つに例証される長尺部材１１０は、流体の内外への通過が発生する１つ又はいくつかの端を含むか、又は閉口される（及びおそらくは密閉される）。

【0058】

図１をさらに参照すると、照明モジュール１００は、図１において参照番号１２０で示される複数の発光素子を備える。各発光素子は、光を発するように構成される。図１に例証される本発明の実施形態によると、複数の発光素子１２０は、一連の発光素子として実施される。発光素子は、例えば、ＬＥＤを含み、複数の発光素子１２０は、例えば、１つ又は複数のＬＥＤストリップ又はＬＥＤフィラメントとして実施される。

【0059】

複数の発光素子１２０は、長尺部材１１０内で長尺部材１１０に結合される。図１に例証される本発明の実施形態によると、複数の発光素子１２０は、長尺部材１１０内で、例えば、透明シリコン接着剤を使用することによって、長尺部材１１０の内部表面１１２に接続されることによって、長尺部材１１０に結合されるが、これは例に従うものである。先述の説明及び他の図２乃至図１０を参照した以下の説明を考慮すると、長尺部材１１０の内部表面１１２への複数の発光素子１２０の直接接続は、非限定的な例によるものであり、変形形態が可能であることは当業者にとって明白である。さらに、複数の発光素子１２０のうちの１つ若しくは複数或いはすべてが、長尺部材１１０、例えば、長尺部材１１０の内部表面１１２に直接的に結合若しくは接続されるか、又は複数の発光素子１２０のうちの１つ若しくは複数或いはすべてが、１つ若しくは複数の中間コンポーネント（図１には示されない）を介して、長尺部材１１０、例えば、長尺部材１１０の内部表面１１２に間接的に結合若しくは接続されることを理解されたい。さらには、複数の発光素子１２０のうちの１つ又はいくつかは、長尺部材１１０に直接的に結合又は接続され、複数の発光素子１２０のうちの１つ又はいくつかは、長尺部材１１０に間接的に結合又は接続される。

【0060】

複数の発光素子１２０は、少なくとも１つの発光素子の光軸が照明モジュール１００の長軸ＬＡに対して非垂直であるように、長尺部材１１０に結合される。

【0061】

図１に例証される本発明の実施形態によると、照明モジュール１００の長軸ＬＡは、照明装置２００の長軸と一致する。さらに図１に例証される本発明の実施形態によると、長軸ＬＡは、照明モジュール１００及び／又は照明装置２００の回転対称軸である。

【0062】

長尺部材１１０の内部表面１１２の選択された形状を達成するための長尺部材１１０の適切な構成によって、少なくとも１つの発光素子の光軸が照明モジュール１００の長軸ＬＡに対して非垂直であることが達成される。図１に例証される本発明の実施形態によると、長尺部材１１０の内部表面１１２及び外部表面１１３（長尺部材１１０の内部表面１１２に対向する）は、縦方向に（即ち、長軸ＬＡに対して）外向きに湾曲する。複数の発光素子１２０は、長尺部材１１０の内部表面１１２によって支持される。故に、図１に例証される本発明の実施形態によると、内部表面１１２は、少なくとも１つの発光素子の光軸が照明モジュール１００の長軸ＬＡに対して非垂直であるように、照明モジュール１１０の長軸ＬＡに関連して配置される。代替的に、又は加えて、少なくとも１つの発光素子の光軸が照明モジュール１００の長軸ＬＡに対して非垂直であることを実現又は実施するために、少なくとも１つの発光素子は、おそらくは何らかの適切な結合手段を使用して、発光素子からの発光の主な方向（発光素子の光軸を画定する）が照明モジュール１００の長軸ＬＡに対して非垂直であるような様式で、長尺部材１１０の内部表面１１２に結合される。

【0063】

図１（又は他の図２乃至図１０）には示されないが、照明装置２００（又は照明モジュール１００）は、照明装置２００内の照明モジュール１００を支持するための何らかの種類の支持構造体を含む。そのような支持構造体は、例えば、基部２３０に接続される柄のようなものを含み、その柄は、例えば、長軸ＬＡに沿って、第１の端１１６を介して長尺部材１１０内へと延在し、その柄は、長尺部材１１０内で柄から側方に延在し、かつ長尺部材１１０の内部表面１１２に結合されている支持ロッドのようなものを有する。しかしながら、そのような支持構造体は、必要不可欠ではない。例えば、透光性エンベロープ２１０は、その内部表面の一部分が、照明モジュール１００を支持するため、及びおそらくは照明モジュール１００が透光性エンベロープ２１０の内部表面に結合又は接続されることを可能にするために使用されるように構成されるか、又は形作られる。例えば、透光性エンベロープ２１０は、その内部表面が、照明モジュール１００を支持するか、又は照明モジュール１００が結合若しくは接続される突出部を呈するように構成されるか、又は形作られる。

【0064】

当該技術分野において知られるように、照明装置２００は、電源からの電気を、複数の発光素子１２０を動作若しくは駆動させる、及び／又は照明装置２００に含まれる任意の他の電気コンポーネントに電力を供給するのに好適な電気に変換することができる電気回路を含む。図１には示されないそのような電気回路は、少なくとも交流と直流との間で変換すること、及び電圧を複数の発光素子１２０を動作又は駆動させるのに好適な電圧に変換することができる。

【0065】

図２乃至図７は、本発明の実施形態に従う照明モジュール１００の概略断面側面図である。

【0066】

図２乃至図５に例証される照明モジュール１００の長尺部材１１０は、湾曲形状を有し、その結果、長尺部材１１０の内部表面１１２及び外部表面１１３（長尺部材１１０の内部表面１１２に対向する）は、縦方向に（即ち、長軸ＬＡ（図２乃至図５には示されない）に対して）外向きに湾曲するが、これは例に従うものであり、他の形状の長尺部材１１０が可能であることを理解されたい。

【0067】

図２及び図３を参照すると、照明モジュール１００は、複数の発光素子１２０が結合若しくは接続されるか、又は複数の発光素子１２０を支持するように構成される、担体１３０を備える。担体１３０は、例えば、ＰＣＢ及び／又は金属薄片を備え、少なくとも部分的に可撓性である（即ち、担体１３０の少なくとも一部分が可撓性である）。例えば、担体１３０は、可撓性のＰＣＢ及び／又は可撓性の金属薄片を含んで、担体１２０の形状を長尺部材１１０の形状に適合させることを促進又は可能にする。

【0068】

図２に例証されるように、担体１２０は、長尺部材１１０の内部表面１１２に結合又は接続される。

【0069】

図３に例証されるように、複数の発光素子１２０は、長尺部材１１０の内部表面１１２に直接的に接続される。複数の発光素子１２０が結合される担体１３０によって、複数の発光素子１２０への電気接続が実現又は実施される。複数の発光素子１２０は、例えば、透明接着剤、例えば、シリコン接着剤を使用して長尺部材１１０の内部表面１１２に接着される。

【0070】

担体１３０は、使用中に複数の発光素子１２０によって生成される熱を複数の発光素子１２０から外へ伝導するように構成される。故に、担体１３０は、熱伝導能力及び／又は機能性を呈するように構成される。

【0071】

図４を参照すると、長尺部材１１０の内部表面１１２は、複数の発光素子１２０が電気的に接続される複数の導電性トラック１４０を含む。導電性トラック１４０のうちの一部のみが、図４内で参照番号によって示される。導電性トラック１４０は、例えば、印刷によって長尺部材１１０の内部表面１１２に適用される。導電性トラック１４０は、原則として、当該技術分野で知られるような任意の適切な導電性材料を含む。

【0072】

図５を参照すると、長尺部材１１０は、それぞれの光散乱素子１５０上に入射光を散乱させるように構成される光散乱素子１５０を備える。光散乱素子１５０のうちの一部のみが、図５内で参照番号によって示される。例えば、図５に例証される本発明の実施形態によると、光散乱素子１５０は、長尺部材１１０内に埋め込まれるか、又は組み込まれる光散乱粒子を含む。代替的に、又は加えて、光散乱素子１５０は、長尺部材１１０の内部表面１１２及び／又は外部表面１１３上にＡｌ_２Ｏ_３、ＢａＳＯ_４、及び／又はＴｉＯ_２などの材料の層又はコーティングを含む。別の例によれば、長尺部材１１０の内部表面１１２及び／又は外部表面１１３は、粗い構造を有する。

【0073】

図６及び図７は、長尺部材１１０が有する形状のさらなる例を例証する。

【0074】

図６に例証されるように、長尺部材１１０は円錐形である。

【0075】

図７に例証されるように、長尺部材１１０は、ディアボロの形状と類似する形状、例えば、砂時計様、二重円錐形状、又は楕円錐と類似する形状を有する。

【0076】

図８乃至図１０は、本発明の実施形態に従う照明モジュール１００の概略断面上面図である。

【0077】

図８に例証される本発明の実施形態によると、複数の発光素子１２０のうちのすべて又はいくつかは、エンクロージャ１６０内に少なくとも部分的に取り囲まれる。エンクロージャ１６０は、例えば、透明若しくは半透明、又は部分的に透明及び部分的に半透明の管を備える。図８に例証されるように、エンクロージャ１６０は、例えば、透明シリコン接着剤又は当該技術分野で知られるような何らかの他の適切な結合手段を用いることによって、長尺部材１１０の内側表面１１２に接続される。例によると、エンクロージャ１６０は、発光素子の少なくとも１つのストリングを、例えば、いわゆるＬＥＤストリップ及び／又はＬＥＤフィラメントの形態で収容するように構成される透光性管状構造体を備える。

【0078】

図９に例証される本発明の実施形態によると、長尺部材１１０の内部表面１１２は、窪み即ち空洞１７０を含む。発光素子１２０のうちの少なくとも１つは、窪み１７０内に配置される。発光素子１２０は、例えば、透明シリコン接着剤又は当該技術分野で知られるような何らかの他の適切な結合手段を用いることによって、窪み１７０内の長尺部材１１０の内側表面１１２に接続される。

【0079】

図１０に例証される本発明の実施形態によると、透光性長尺部材１１０は、さらなる中空の透光性長尺部材１９０内に、さらなる長尺部材１９０の内部表面１９２と他方の長尺部材１１０の外部表面１１３との間に空間１８０が存在するように配置され、ここでは複数の発光素子１２０は、長尺部材１１０、１９０間の空間１０内に配置される。

【0080】

故に、長尺部材１１０は、第１の内側透光性長尺部材を構成し、長尺部材１９０は、第２の外側透光性長尺部材を構成する。第２の透光性長尺部材１９０は中空であり、第１の透光性長尺部材１１０は、第１の内側透光性長尺部材１１０と第２の外側透光性長尺部材１９０との間に空間１８０が存在するように第２の透光性長尺部材１９０内に配置され、この空間１８０内に、複数の発光素子１２０が配置される。例えば、いわゆるＬＥＤストリップ及び／又はＬＥＤフィラメントの形態にある複数の発光素子１２０は、例えば、２つの透光性長尺部材１１０、１９０の間に『組み込まれる』。

【0081】

結論として、透光性長尺部材を含み、長尺部材内に導光領域を有する照明モジュールが開示される。長尺部材は、導光領域が、長尺部材を通る流体、おそらくはその第１の端及び第２の端の間の流体の通過を許すように構成される。複数の発光素子は、長尺部材内で、かつ少なくとも１つの発光素子の光軸が照明モジュールの長軸に対して非垂直であるように、長尺部材に結合される。

【0082】

本発明は、添付の図面及び先述の説明において例証されてきたが、そのような例証は、例証的又は例示的であり限定的ではないと見なされるものとし、本発明は、開示される実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変形形態は、図面、本開示、添付の特許請求の範囲の探求から、特許請求された発明を実践する当業者により理解及び達成される。添付の特許請求の範囲において、「含む」という言葉は、他の要素又はステップを除外するものではなく、不定冠詞「ａ」又は「ａｎ」は複数を除外するものではない。特定の方策が相互に異なる従属請求項内に列挙されるということだけでは、これらの方策の組み合わせを有利に使用できないということを示さない。請求項内のいかなる参照番号も、範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】