【文献】
Hair Conditioner ,ID 1409174,Mintel GNPD[online],2010年9月,[検索日2020.04.07],URL,https://www.portal.mintel.com
【文献】
Detangling Conditioner Spray ,ID 1620065,Mintel GNPD[online],2011年9月,[検索日2019.07.29],インターネット,URL,https://www.portal.mintel.com
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書は、本発明を具体的に指摘し、明確に請求する「特許請求の範囲」をもって結論とするが、本発明は、以下の記載からよりよく理解されるものと考えられる。
【0010】
本明細書において、「含む」とは、最終結果に影響しない他の工程及び他の成分も加えられる可能性があることを意味する。この用語には、「〜からなる」及び「〜から本質的になる」という用語が含まれる。
【0011】
全ての百分率、部、及び比率は、特に指定されない限り、本発明の組成物の総重量を基準とする。全てのそのような重量は、提示された成分に関する場合、活性成分の濃度に基づき、したがって市販材料に含まれる場合のあるキャリア又は副生成物を包含しない。
【0012】
本明細書において、「混合物」は、複数種の材料の単純な組み合わせと、結果としてそのような組み合わせから生じる場合があるあらゆる化合物と、を包含することを意味する。
【0013】
「分子量」又は「M.Wt.」という用語は、本明細書で使用するとき、特に記述のない限り、重量平均分子量を指す。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定されてもよい。
【0014】
「QS」は、100%とするために十分な量を意味する。
【0015】
ヘアコンディショニング組成物
本発明のヘアコンディショニング組成物は、カチオン性界面活性剤と、高融点脂肪族化合物と、予備形成エマルション及び/又はイオン性有益剤であって、イオン性有益剤が、イオン性染料、その前駆体、及びアニオン性界面活性剤を除いたものである、予備形成エマルション及び/又はイオン性有益剤と、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリン、及びそれらの混合物のうちの少なくとも1つのアルキルエーテル及び/又はアルキルエステルであって、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、及びそれらの混合物の約50〜約300単位を有する、アルキルエーテル及び/又はアルキルエステルと、水性キャリアと、を含む。
【0016】
本発明の組成物は、組成物の安定性及び湿潤コンディショニングを維持しながら、イオン性有益剤及び/又は予備形成エマルションから得られる効果を提供する。
【0017】
上記の特定のアルキルエーテル/エステルは、コンディショニング組成物が予備形成エマルション及び/又はイオン性有益剤を含む場合でも、カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物を含む組成物の安定性及び湿潤コンディショニングを維持すると考えられる。
【0018】
イオン性有益剤
本明細書で有用なイオン性有益剤は、イオン性染料、その前駆体、及びアニオン性界面活性剤を除いたものである。より好ましくは、本明細書で有用なイオン性有益剤は、上記のイオン性染料、その前駆体、アニオン性界面活性剤に加えて、カチオン性界面活性剤以外のいずれのイオン性界面活性剤も除いたものである。
【0019】
本明細書で有用なイオン性有益剤は、例えば、酸及びその塩;EDTA及びEDDSなどのキレート剤;アルカリ及びその塩、例えば、Mg、Zn、K、Na、Caなどのミネラルイオン、OH、HCO
3、及び/又はCO
3対イオンを伴うイオンを含むもの、並びにそれらの混合物である。
【0020】
本明細書で有用なイオン性有益剤は、好ましくは水溶性である。このような水溶性イオン性有益剤は、例えば、サリチル酸、5−クロロサリチル酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、クエン酸、アスコルビン酸、安息香酸、エチレンジアミンジコハク酸(EDDS)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、並びに種々のアミノ酸、例えば、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、グリシン、プロリン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、及びそれらの塩である。それらの中でも、好ましいのは、サリチル酸、エチレンジアミンジコハク酸(EDDS)、5−クロロサリチル酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、クエン酸、アスコルビン酸、安息香酸、いくつかのアミノ酸(グルタミン酸、ヒスチジンなど)である。更に好ましいのは、サリチル酸及びエチレンジアミンジコハク酸(EDDS)である。
【0021】
イオン性有益剤は、約0.1%以上、好ましくは約0.2%以上、より好ましくは約0.5%以上、更により好ましくは約1%以上、かつ約15%以下、好ましくは約10%以下、より好ましくは約8%以下、更に好ましくは約5%以下、更により好ましくは約3%以下の濃度でヘアコンディショニング組成物中に含まれ得る。より高濃度のこのような有益剤は、本発明のアルキルエーテル/エステルを含まない組成物の安定性及び/又は湿潤コンディショニングにより影響を与えやすいことから、アルキルエーテル/エステルを含むと、本発明の効果により明確に気付き得ると考えられる。
【0022】
予備形成エマルション
本明細書で有用な予備形成エマルションは、内部油相及び乳化剤を含むものである。内部油相に使用される油は、いずれの油であってもよく、例えば、シリコーン油;果実、野菜、及び/又は動物から誘導及び/又は精製された油(ランゾリンなど)、例えば、脂肪酸モノグリセリド;鉱油;合成油、例えば、2−ヘキシル−1−デカノール、2−オクチル−1−ドデカノール、トリデシルアルコール;天然油のエステル、例えば、イソステアリン酸イソプロピル、及びイソステアリン酸イソステアリルであってもよい。このような乳化剤は、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び/又はアニオン性界面活性剤であってよく、好ましくはカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及び/又は非イオン性界面活性剤であってよく、より好ましくはカチオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤であってよい。
【0023】
予備形成エマルションは、約5%以上、好ましくは約10%以上、より好ましくは約12%以上、更により好ましくは約15%以上、かつ約60%以下、好ましくは約50%以下、より好ましくは約40%以下、更により好ましくは約30%以下の濃度でヘアコンディショニング組成物中に含まれ得る。より高濃度のこのような予備形成エマルションは、本発明のアルキルエーテル/エステルを含まない組成物の安定性及び/又は湿潤コンディショニングにより影響を与えやすいことから、アルキルエーテル/エステルを含むと、本発明の効果により明確に気付き得ると考えられる。
【0024】
組成物のpH
本発明の組成物のpHは、約1〜約9、好ましくは約2〜約8.5、より好ましくは約3〜約8.5の範囲である。
【0025】
イオン性有益剤がサリチル酸である場合、組成物のpHは、3以上、又はより好ましくは4以上であることが好ましい。このようなpHでは、サリチル酸は、高溶解性になりやすく、本発明のアルキルエーテル/エステルを含まない組成物の安定性により影響を与えやすい。したがって、このようなpHでは、イオン性有益剤がサリチル酸である場合、本発明の効果により明確に気付くことができる。
【0026】
イオン性有益剤がZnCO3である場合、組成物中にNaOHなどのpH調整剤を有することにより、組成物のpHは6.8以上、又はより好ましくは7.2以上であることが好ましい。アルカリ性物質によるこのようなpHは、本発明のアルキルエーテル/エステルを含まない組成物の安定性に影響を与えやすい。したがって、このようなpHでは、本発明の効果により明確に気付くことができる。
【0027】
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及び/又はポリグリセリンのアルキルエーテル/エステル
本発明の組成物は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリン、及びそれらの混合物、好ましくはポリエチレングリコール、ポリグリセリン、及びそれらの混合物、より好ましくはポリエチレングリコールのうちの少なくとも1つの、アルキルエーテル及び/又はアルキルエステル、好ましくはアルキルエーテルを含む。
【0028】
アルキルエーテル/エステルは、組成物が予備形成エマルション及び/又はイオン性有益剤を含む場合でも、カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物を含む組成物の安定性及び湿潤コンディショニングを維持するという観点から、特にカチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物により形成されるゲルマトリックスの安定性及び湿潤コンディショニングを維持するという観点から、約0.2%以上、好ましくは約0.5%以上、より好ましくは約0.8%以上の濃度で組成物中に含まれ得る。アルキルエーテル/エステルは、湿潤コンディショニング、特に濡れた毛髪における展延性、特にカチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物により形成されるゲルマトリックスの湿潤コンディショニングを維持するという観点から、組成物の約10重量%以下、好ましくは約5重量%以下、より好ましくは約4重量%以下、更により好ましくは約3重量%以下の濃度で組成物中に含まれ得る。
【0029】
本発明では、カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物の合計重量に対するアルキルエーテル/エステルの重量比は、好ましくは約2%〜約40%、より好ましくは約3%〜約30%、更により好ましくは約2%〜約20%である。
【0030】
本明細書で有用なアルキルエーテル/エステルは、組成物が予備形成エマルション及び/又はイオン性有益剤を含む場合でも、カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物を含む組成物の安定性及び湿潤コンディショニングを維持するという観点から、特にカチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物により形成されるゲルマトリックスの安定性及び湿潤コンディショニングを維持するという観点から、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、及びそれらの混合物、好ましくはエチレングリコール、ポリグリセリン、及びそれらの混合物、より好ましくはエチレングリコールの約50〜約300単位、好ましくは約75〜約250単位、より好ましくは約100〜約200単位を有するものである。
【0031】
理論に束縛されるものではないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、及びそれらの混合物の単位数がより少ないアルキルエーテル/エステルは、上記の本発明のアルキルエーテル/エステルに比べてより疎水性であり、組成物が予備形成エマルション及び/又はイオン性有益剤を含む場合、コンディショニング組成物の安定性及び/又は湿潤コンディショニングを十分に維持できないと考えられる。
【0032】
好ましくは、本発明で有用なアルキルエーテル/エステルのアルキル基は、約10〜約30個の炭素原子を有するものであり、より好ましくは約14〜約30個の炭素原子を有するものであり、更により好ましくは約16〜約22個の炭素原子を有するものである。また好ましくは、本明細書で有用なアルキルエーテル/エステルのアルキル基は、直鎖(非分岐状)の飽和アルキル基である。
【0033】
カチオン性界面活性剤
本発明の組成物は、カチオン性界面活性剤を含む。本発明の効果をもたらすという観点から、カチオン性界面活性剤は、組成物の約0.1重量%以上、好ましくは約0.5重量%以上、より好ましくは約0.8重量%以上、更により好ましくは約1.0重量%以上、かつ約20重量%以下、好ましくは約10重量%以下、より好ましくは約8.0重量%以下、更により好ましくは約6.0重量%以下の濃度で組成物中に含まれ得る。
【0034】
好ましくは、本発明では、界面活性剤は非水溶性である。本発明では、「非水溶性界面活性剤」とは、界面活性剤が、25℃の水中で、好ましくは0.5g/水100g未満(0.5g/100gは含まない)、より好ましくは0.3g/水100g以下の溶解性を有することを意味する。
【0035】
本明細書で有用なカチオン性界面活性剤は、1つのカチオン性界面活性剤であってもよく、又は2つ以上のカチオン性界面活性剤の混合物であってもよい。好ましくは、カチオン性界面活性剤は、モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩;モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩とジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩との組み合わせ;モノ長鎖アルキルアミン;モノ長鎖アルキルアミンとジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩との組み合わせ;及びモノ長鎖アルキルアミンとモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩との組み合わせから選択される。それらの中でも、BTMAC及びBTMSなどのベヘニルトリメチルアンモニウム塩;ステアルアミドプロピルジメチルアミン(SAPDMA)。
【0036】
モノ長鎖アルキルアミン
本明細書で有用なモノ長鎖アルキルアミンは、好ましくは12〜30個の炭素原子、より好ましくは16〜24個の炭素原子、更により好ましくは18〜22個のアルキル基の、1つの長いアルキル鎖を有するものである。本明細書で有用なモノ長鎖アルキルアミンはまた、モノ長鎖アルキルアミドアミンを含む。第一級、第二級、及び第三級脂肪族アミンが有用である。
【0037】
約12〜約22個の炭素を有するアルキル基を有する第三級アミドアミンが、特に有用である。例示的な第三級アミドアミンとしては、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、ジエチルアミノエチルステアラミドが挙げられる。本発明において有用なアミンは、米国特許第4,275,055号(Nachtigalら)に開示されている。
【0038】
これらのアミンは、λ−グルタミン酸、乳酸、塩酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、λ−グルタミン酸塩酸塩、マレイン酸、及びこれらの混合物、より好ましくは、λ−グルタミン酸、乳酸、クエン酸などの酸と、約1:0.3〜約1:2、より好ましくは約1:0.4〜約1:1のアミン対酸のモル比で組み合わせて使用される。
【0039】
モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩
本明細書で有用なモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、12〜30個の炭素原子、好ましくは16〜24個の炭素原子、より好ましくはC18〜22アルキル基を有する1つの長いアルキル鎖を有するものである。窒素に結合している残りの基は、1〜約4個の炭素原子のアルキル基、又は約4個以下の炭素原子を有する、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から独立に選択される。
【0040】
本明細書で有用なモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、式(I)を有するものであり、
【0041】
【化1】
(式中、R
75、R
76、R
77、及びR
78のうちの1つは、12〜30個の炭素原子のアルキル基、又は、最大約30個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、R
75、R
76、R
77、及びR
78の残りは、1〜約4個の炭素原子のアルキル基、又は、最大約4個の炭素原子を有するアルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から独立に選択され、X
−は、塩形成アニオン、例えば、ハロゲン(例えば、塩化物、臭化物)ラジカル、酢酸ラジカル、クエン酸ラジカル、乳酸ラジカル、グリコール酸ラジカル、リン酸ラジカル、硝酸ラジカル、スルホン酸ラジカル、硫酸ラジカル、アルキル硫酸ラジカル、及びアルキルスルホン酸ラジカルから選択されるものである)。アルキル基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル及び/又はエステル結合、並びにアミノ基などの他の基を含有し得る。より長鎖のアルキル基、例えば、炭素数が約12個以上のものは、飽和又は不飽和であってもよい。好ましくは、R
75、R
76、R
77、及びR
78のうちの1つは、12〜30個の炭素原子、より好ましくは16〜24個の炭素原子、更により好ましくは18〜22個の炭素原子、なおより好ましくは22個の炭素原子のアルキル基から選択され、R
75、R
76、R
77、及びR
78の残りは、CH
3、C
2H
5、C
2H
4OH、及びこれらの混合物から独立に選択され、Xは、Cl、Br、CH
3OSO
3、C
2H
5OSO
3、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0042】
そのようなモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、及び水素添加タローアルキルトリメチルアンモニウム塩が挙げられる。
【0043】
ジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩
使用されるとき、ジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、レオロジー効果及びコンディショニング効果の安定性という観点から、1:1〜1:5、より好ましくは1:1.2〜1:5、更により好ましくは1:1.5〜1:4の重量比で、好ましくは、モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩及び/又はモノ長鎖アルキルアミン塩と組み合わされる。
【0044】
本明細書で有用なジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、12〜30個の炭素原子、より好ましくは16〜24個の炭素原子、更により好ましくは18〜22個の炭素原子の2つの長いアルキル鎖を有するものである。本明細書で有用なそのようなジ長鎖アルキル第四級化アンモニウム塩は、式(I)を有するものであり、
【0045】
【化2】
式中、R
71、R
72、R
73及びR
74のうちの2つは、12〜30個の炭素原子、好ましくは16〜24個の炭素原子、より好ましくは18〜22個の炭素原子の脂肪族基、又は約30個以下の炭素原子を有する、芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、R
71、R
72、R
73、及びR
74の残りは、1〜約8個の炭素原子、好ましくは1〜3個の炭素原子の脂肪族基、又は、約8個以下の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から独立に選択され、X
−は、ハロゲン化物(例えば、塩化物及び臭化物)、C1〜C4アルキルサルフェート(例えば、メトサルフェート及びエトサルフェート)、及びこれらの混合物からなる群から選択される塩形成アニオンである。脂肪族基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル結合、及びアミノ基などの他の基を含有してよい。より長鎖の脂肪族基、例えば、炭素数が約16個以上のものは、飽和であっても不飽和であってもよい。好ましくは、R
71、R
72、R
73、及びR
74のうちの2つは、12〜30個の炭素原子、好ましくは16〜24個の炭素原子、より好ましくは18〜22個の炭素原子のアルキル基から選択され、R
71、R
72、R
73、及びR
74の残りは、CH
3、C
2H
5、C
2H
4OH、CH
2C
6H
5、及びこれらの混合物からなる群から独立に選択される。
【0046】
このような好ましいジ長鎖アルキルカチオン性界面活性剤としては、例えば、ジアルキル(14〜18)ジメチルアンモニウムクロリド、ジタローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジヒドロ添加タローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、及びジセチルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0047】
高融点脂肪族化合物
本発明の組成物は、高融点脂肪族化合物を含む。高融点脂肪族化合物は、本発明の効果をもたらすという観点から、組成物の約1.0重量%以上、好ましくは約1.5重量%以上、より好ましくは約2.0重量%以上、更に好ましくは約2.5重量%以上、更により好ましくは約3重量%以上、かつ約30重量%以下、好ましくは約15重量%以下、より好ましくは約8.0重量%以下、更に好ましくは約7重量%以下の濃度で組成物中に含まれ得る。
【0048】
本明細書で有用な高融点脂肪族化合物は、エマルション、特にゲルマトリックスの安定性という観点から、25℃以上、好ましくは40℃以上、より好ましくは45℃以上、更により好ましくは50℃以上の融点を有する。好ましくは、このような融点は、より容易な製造及びより容易な乳化という観点から、約90℃以下、より好ましくは約80℃以下、更により好ましくは約70℃以下、一層より好ましくは約65℃以下である。本発明では、高融点脂肪族化合物は、単一化合物として、又は少なくとも2種の高融点脂肪族化合物のブレンド若しくは混合物として、使用することができる。このようなブレンド又は混合物として使用されるとき、上記融点は、ブレンド又は混合物の融点を意味する。
【0049】
本明細書で有用な高融点脂肪族化合物は、脂肪族アルコール、脂肪酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される。更に、当業者は、二重結合の数及び位置、並びに分枝鎖の長さ及び位置に応じて、ある必要な炭素原子を有する特定の化合物が、上記の本発明において好ましい融点未満の融点を有する可能性があることを理解している。そのような低融点の化合物は、この項に含まれないと意図される。高融点化合物の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary,Fifth Edition,1993、及びCTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,1992に見出される。
【0050】
様々な高融点脂肪族化合物のうち、脂肪族アルコールが好ましくは本発明の組成物において使用される。本明細書で有用な脂肪族アルコールは、約14〜約30個の炭素原子、好ましくは約16〜約22個の炭素原子を有するものである。これらの脂肪族アルコールは飽和しており、直鎖アルコールであっても分岐鎖アルコールであり得る。
【0051】
例えば、好ましい脂肪族アルコールとしては、(約56℃の融点を有する)セチルアルコール、(約58〜59℃の融点を有する)ステアリルアルコール、(約71℃の融点を有する)ベヘニルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。これらの化合物は、上記の融点を有することが知られている。しかしながら、これらは多くの場合、供給されるときにより低い融点を有するが、それはこのような供給される製品は多くの場合、主アルキル鎖がセチル、ステアリル、又はベヘニル基であるアルキル鎖長分布を有する脂肪族アルコールの混合物であるからである。
【0052】
本発明では、より好ましい脂肪族アルコールは、セチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物である。
【0053】
一般的には、混合物において、ステアリルアルコールに対するセチルアルコールの重量比は、好ましくは約1:9〜9:1、より好ましくは約1:4〜約4:1、更により好ましくは約1:2.3〜約1.5:1である。
【0054】
カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物の合計よりも高い濃度を用いる場合、混合物のステアリルアルコールに対するセチルアルコールの重量比は、展延性に対して厚くなりすぎることを避けるような観点から、好ましくは約1:1〜約4:1、より好ましくは約1:1〜約2:1、更により好ましくは約1.2:1〜約2:1である。それはまた、毛髪の傷んだ部分をよりよく調整することができる。
【0055】
水性キャリア
本発明の組成物は水性キャリアを含む。キャリアの濃度及び種類は、他の構成成分との相溶性及び製品の他の所望の特性に従って選択される。
【0056】
本発明において有用なキャリアとしては、水、及び低級アルキルアルコールの水溶液が挙げられる。本明細書で有用な低級アルキルアルコールは、1〜6個の炭素を有する一価アルコールであり、より好ましくは、エタノール及びイソプロパノールである。
【0057】
好ましくは、水性キャリアは、実質的に水である。脱イオン水が使用されるのが好ましい。ミネラルカチオンを含む天然供給源からの水もまた、製品の所望の特性に応じて使用することができる。一般的に、本発明の組成物は、約40%〜約99%、好ましくは約50%〜約95%、より好ましくは約70%〜約90%、より好ましくは約80%〜約90%の水を含む。
【0058】
ゲルマトリックス
好ましくは、本発明において、ゲルマトリックスは、カチオン性界面活性剤、高融点脂肪族化合物、及び水性キャリアにより形成される。ゲルマトリックスは、濡れている毛髪への塗布中の指すべりの良い感触、並びに乾いた毛髪の柔らかさ及びしっとり感などの各種コンディショニング効果をもたらすのに好適である。
【0059】
好ましくは、ゲルマトリックスを形成するとき、カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物は、改善された湿潤コンディショニング効果をもたらすという観点から、高融点脂肪族化合物に対するカチオン性界面活性剤の重量比が、好ましくは約1:1〜約1:10、より好ましくは約1:1.5〜約1:7、更により好ましくは約1:2〜約1:6の範囲となるような濃度で含有される。
【0060】
好ましくは、ゲルマトリックスが形成されるとき、本発明の組成物は、ゲルマトリックスの安定性という観点から、アニオン性界面活性剤を実質的に含まない。本発明では、「アニオン性界面活性剤を実質的に含まない組成物」とは、組成物がアニオン性界面活性剤を含まない、あるいは、組成物がアニオン性界面活性剤を含む場合は、そのようなアニオン性界面活性剤の濃度が非常に低いことを意味する。本発明において、このようなアニオン性界面活性剤の合計濃度は、含まれる場合には、好ましくは組成物の1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、更により好ましくは0.1重量%以下である。最も好ましくは、このようなアニオン性界面活性剤の合計濃度は、組成物の0重量%である。
【0061】
シリコーン化合物
本発明の組成物は、シリコーン化合物を更に含有してよい。シリコーン化合物は、乾燥した毛髪に滑らかさ及び柔らかさをもたらすことができると考えられる。本明細書のシリコーン化合物は、好ましくは組成物の約0.1重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約10重量%、更により好ましくは約1重量%〜約8重量%の濃度で使用され得る。
【0062】
好ましくは、シリコーン化合物は、組成物中で、約−0.01マイクロメートル〜約50マイクロメートルの平均粒径を有する。
【0063】
単一化合物として、少なくとも2つのシリコーン化合物のブレンド若しくは混合物として、又は少なくとも1つのシリコーン化合物及び少なくとも1つの溶媒のブレンド若しくは混合物として、本明細書で有用なシリコーン化合物は、25℃において好ましくは約1〜約2,000,000mPa・s、より好ましくは約100〜約2,000,000mPa・sの粘度を有する。
【0064】
粘度は、Dow Corning Corporateの試験方法CTM0004(1970年7月20日)に記載されているガラスキャピラリー粘度計により測定することができる。好適なシリコーン流体には、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー、アミノ置換シリコーン、四級化シリコーン、及びこれらの混合物が挙げられる。コンディショニング特性を有する他の不揮発性シリコーン化合物も使用することができる。
【0065】
好ましいポリアルキルシロキサンとして、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、及びポリメチルフェニルシロキサンが挙げられる。ジメチコンとしても知られるポリジメチルシロキサンが、特に好ましい。
【0066】
上記ポリアルキルシロキサンは、例えば、より低い粘度を有するシリコーン化合物との混合物として利用可能である。かかる混合物の粘度は、好ましくは約1,000mPa・s〜約100,000mPa・s、より好ましくは約5,000mPa・s〜約50,000mPa・sである。かかる混合物は、好ましくは(i)25℃において約100,000mPa・s〜約30,000,000mPa・s、好ましくは約100,000mPa・s〜約20,000,000mPa・sの粘度を有する第1のシリコーンと、(ii)25℃において約5mPa・s〜約10,000mPa・s、好ましくは約5mPa・s〜約5,000mPa・sの粘度を有する第2のシリコーンと、を含む。本明細書で有用なかかる混合物としては、例えば、GE Toshibaから入手可能な18,000,000mPa・sの粘度を有するジメチコンと200mPa・sの粘度を有するジメチコンとのブレンド、及びGE Toshibaから入手可能な18,000,000mPa・sの粘度を有するジメチコンとシクロペンタシロキサンとのブレンドが挙げられる。
【0067】
本明細書で有用なシリコーン化合物はまた、シリコーンゴムを含む。「シリコーンゴム」という用語は、本明細書で使用するとき、25℃において1m2/s(1,000,000センチストークス)以上の粘度を有するポリオルガノシロキサン材料を意味する。本明細書に記載されるシリコーンゴムが、上に開示されたシリコーン化合物といくらかの重複を有する場合もあることが認識される。この重複は、これら材料のいずれにおいても限定を意図しない。「シリコーンゴム」は、典型的に、約200,000超、一般的に、約200,000〜約1,000,000の質量分子量を有する。具体的な例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリ(ジメチルシロキサンメチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサンジフェニルシロキサンメチルビニルシロキサン)コポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。シリコーンゴムは、例えば、より低い粘度を有するシリコーン化合物との混合物として入手可能である。本明細書で有用なそのような混合物としては、例えば、Shin−Etsuから入手可能なゴム/シクロメチコンブレンドが挙げられる。
【0068】
本明細書で有用なシリコーン化合物としてはまた、アミノ置換物質が挙げられる。好ましいアミノシリコーンとしては、例えば、一般式(I):
(R
1)
aG
3−a−Si−(−OSiG
2)
n−(−OSiG
b(R
1)
2−b)
m−O−SiG
3−a(R
1)
a
に従うものが挙げられ、式中、Gは、水素、フェニル、ヒドロキシ、又はC
1〜C
8アルキル、好ましくはメチルであり、aは、0、又は1〜3の値を有する整数、好ましくは1であり、bは、0、1、又は2、好ましくは1であり、nは、0〜1,999の数であり、mは、0〜1,999の整数であり、nとmとの合計は、1〜2,000の数であり、a及びmはいずれも0ではなく、R
1は、一般式CqH
2qLに従う一価ラジカルであり、式中、qは、2〜8の値を有する整数であり、Lは、−N(R
2)CH
2−CH
2−N(R
2)
2、−N(R
2)
2、−N(R
2)
3A
−;−N(R
2)CH
2−CH
2−NR
2H
2A
−、の基から選択され、ここで、R
2は、水素、フェニル、ベンジル、又は飽和炭化水素ラジカル、好ましくは約C
1〜約C
20のアルキルラジカルであり、A
−は、ハロゲン化物イオンである。
【0069】
極めて好ましいアミノシリコーンは、式(I)(式中、m=0、a=1、q=3、G=メチルであり、nは、好ましくは約1500〜約1700、より好ましくは約1600であり、Lは、−N(CH
3)
2又は−NH
2、より好ましくは−NH
2である)に対応するものである。別の極めて好ましいアミノシリコーンは、式(I)(式中、m=0、a=1、q=3、G=メチルであり、nは、好ましくは約400〜約600、より好ましくは約500であり、Lは、−N(CH
3)
2又は−NH
2、より好ましくは−NH
2である)に対応するものである。シリコーン鎖の一端又は両端が、窒素含有基によって末端処理されているため、そのような極めて好ましいアミノシリコーンを、末端アミノシリコーンと呼ぶことができる。
【0070】
上述のアミノシリコーンを組成物中に組み込む場合、より低い粘度を有する溶媒と混合することができる。そのような溶媒としては、例えば、極性又は非極性の揮発性又は不揮発性油が挙げられる。そのような油としては、例えば、シリコーン油、炭化水素、及びエステルが挙げられる。このような各種溶媒のうち、好ましいものは、非極性、揮発性炭化水素、揮発性環状シリコーン、不揮発性直鎖シリコーン、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものである。本明細書で有用な不揮発性直鎖シリコーンは、25℃において約1〜約20,000mm2/s(約1〜約20,000センチストークス)、好ましくは約20〜約10,000mm2/s(約20〜約10,000センチストークス)の粘度を有するものである。好ましい溶媒のうち、極めて好ましいのは、アミノシリコーンの粘度を低下させ、そして乾いた毛髪上における摩擦が低減するなどの改善されたヘアコンディショニング効果をもたらすという観点から、非極性で揮発性の炭化水素、特に非極性で揮発性のイソパラフィンである。かかる混合物の粘度は、好ましくは約1,000mPa・s〜約100,000mPa・s、より好ましくは約5,000mPa・s〜約50,000mPa・sである。
【0071】
他の好適なアルキルアミノ置換シリコーン化合物としては、シリコーン主鎖のペンダント基としてアルキルアミノ置換を有するものが挙げられる。極めて好ましいものは、「アモジメチコン」として知られているものである。本明細書で有用な市販のアモジメチコンとしては、例えば、Dow Corningから入手可能なBY16−872が挙げられる。
【0072】
シリコーン化合物は更に、機械的混合によるか、又はエマルション重合による合成段階で、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される界面活性剤を用いて又は用いないで製造されるエマルションの形態で本発明の組成物に組み入れることができる。本明細書で有用な市販のシリコーンエマルションとしては、例えば、Wackerから入手可能なBelsil ADM 8301E、Belsil ADM 6300E、Momentiveから入手可能なSilsoft 253が挙げられる。
【0073】
第四級基を含有するシリコーンポリマー
本明細書で有用なシリコーン化合物には、例えば、末端エステル基を含み、最大100,000mPa・sの粘度及びD単位200超のDブロック長さを有する、第四級基を含有するシリコーンポリマーが含まれる。理論に束縛されるものではないが、この低粘度シリコーンポリマーは、滑らかな感触、摩擦の低減、及びヘアダメージの防止などの改善されたコンディショニング効果をもたらしながら、シリコーンブレンドの必要性を排除する。
【0074】
構造的に、シリコーンポリマーは、1つ以上の第四級アンモニウム基、200個を超えるシロキサン単位を含む少なくとも1つのシリコーンブロック、少なくとも1つのポリアルキレンオキシド構造ユニット、及び少なくとも1つの末端エステル基を含むポリオルガノシロキサン化合物である。1つ以上の実施形態では、シリコーンブロックは、300〜500個のシロキサン単位を含む場合がある。
【0075】
シリコーンポリマーは、組成物の約0.05重量%〜約15重量%、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.15重量%〜約5重量%、更により好ましくは約0.2重量%〜約4重量%の量で存在する。
【0076】
好ましい実施形態では、ポリオルガノシロキサン化合物は、一般式(Ia)及び(Ib)を有する:
M−Y−[−(N
+R
2−T−N
+R
2)−Y−]
m−[−(NR
2−A−E−A’−NR
2)−Y−]
k−M(Ia)
M−Y−[−(N
+R
2−T−N
+R
2)−Y−]
m−[−(N
+R
22−A−E−A’−N
+R
22)−Y−]
k−M(Ib)
(式中、
mは、0超、好ましくは0.01〜100、より好ましくは0.1〜100、更により好ましくは1〜100、具体的には1〜50、より具体的には1〜20、更により具体的には1〜10であり、
kは0であるか、又は平均値0超〜50、又は好ましくは1〜20、又は更により好ましくは1〜10であり、
Mは、以下から選択される末端エステル基を含む末端基を表し、
−OC(O)−Z
−OS(O)
2−Z
−OS(O
2)O−Z
−OP(O)(O−Z)OH、
−OP(O)(O−Z)
2
式中、Zは、最大40個の炭素原子を有する一価の有機残基から選択され、1つ以上のヘテロ原子を任意に含む。
A及びA’はそれぞれ互いに独立して、単結合、又は最大10個の炭素原子及び1つ以上のヘテロ原子を有する二価有機基から選択され、
Eは、一般式:
−[CH
2CH
2O]
q−[CH
2CH(CH
3)O]
r−[CH
2CH(C
2H
5)O]
s−
式中、qは、0〜200であり、rは0〜200であり、sは0〜200であり、q+r+sは1〜600である。
R
2は、水素又はRから選択され、
Rは、最大22個の炭素原子、及び任意に1つ以上のヘテロ原子を有する一価の有機基から選択され、窒素原子における遊離原子価は炭素原子に結合され、
Yは、式:
−K−S−K−及び−A−E−A’−又は−A’−E−A−の基であり、
ここで、
【0077】
【化3】
であり、
式中、R1=C
1〜C
22アルキル、C
1〜C
22フルオロアルキル又はアリールであり、nは、200〜1000であり、ポリオルガノシロキサン化合物中に複数のS基が存在する場合、これらは同一であっても又は異なっていてもよい。
Kは、二価又は三価の直鎖、環状、及び/又は分岐状のC
2〜C
40炭化水素残基であり、これは、−O−、−NH−、三価のN、−NR
1−、−C(O)−、−C(S)−によって任意に中断され、かつ−OHで任意に置換され、R
1は、上のとおりに定義され、
Tは、最大20個の炭素原子及び1つ以上のヘテロ原子を有する二価の有機基から選択される。
【0078】
残基Kは、互いに同一であるか又は異なっていてもよい。−K−S−K−部分中、残基Kは、C−Si−結合を介して残基Sのケイ素原子に結合される。
【0079】
ポリオルガノシロキサン化合物中にはアミン基(−(NR
2−A−E−A’−NR
2)−)が存在する可能性があることに起因し、これらは、有機又は無機酸によるそのようなアミン基のプロトン化によりもたらされる、プロトン化アンモニウム基を有する場合がある。そのような化合物は、ポリオルガノシロキサン化合物の酸付加塩と称されることもある。
【0080】
好ましい実施形態では、第四級アンモニウム基b)と末端エステル基c)のモル比は、100:20未満であり、更により好ましくは100:30未満であり、最も好ましくは100:50未満である。この比は、
13C−NMRによって決定することができる。
【0081】
更なる実施形態では、ポリオルガノシロキサン組成物は、
A)a)少なくとも1つのポリオルガノシロキサン基、b)少なくとも1つの第四級アンモニウム基、c)少なくとも1つの末端エステル基、及びd)少なくとも1つのポリアルキレンオキシド基(上で定義したとおり)を含む、少なくとも1つのポリオルガノシロキサン化合物と、
B)化合物A)とは異なる少なくとも1つの末端エステル基を含む少なくとも1つのポリオルガノシロキサン化合物と、を含む場合がある。
【0082】
成分A)の定義において、本発明のポリオルガノシロキサン化合物の記述を参照することができる。ポリオルガノシロキサン化合物B)は、ポリオルガノシロキサン化合物A)とは異なり、好ましくは、ポリオルガノシロキサン化合物B)は第四級アンモニウム基を含まない。好ましいポリオルガノシロキサン化合物B)は、一官能性有機酸、特にカルボン酸と、ビスエポキシドを含有するポリオルガノシロキサンとの反応から生じる。
【0083】
ポリオルガノシロキサン組成物において、化合物B)に対する化合物A)の重量比は好ましくは90:10未満である。すなわち換言すれば、成分B)の含量は少なくとも10重量%である。化合物A)中のポリオルガノシロキサン組成物の更に好ましい実施形態では、末端エステル基c)に対する第四級アンモニウム基b)のモル比は100:10未満であり、更により好ましくは100:15未満であり、かつ最も好ましくは100:20未満である。
【0084】
シリコーンポリマーは、20℃及び0.1s
−1の剪断速度(プレート−プレートシステム、プレート直径40mm、間隙幅0.5mm)において100,000mPa・s(100Pa・s)未満の粘度を有する。更なる実施形態では、未希釈のシリコーンポリマーの粘度は、500〜100,000mPa・s、又は好ましくは500〜70,000mPa・s、又はより好ましくは500〜50,000mPa・s、又は更により好ましくは500〜20,000mPa・sの範囲であってよい。更なる実施形態では、未希釈のポリマーの粘度は、20℃及び剪断速度0.1s
−1で測定して500〜10,000mPa・s、又は好ましくは500〜5000mPa・sの範囲であってよい。
【0085】
上で列挙したシリコーンポリマーに加え、以下の好ましい組成物が以下に提供される。例えば、次の一般式のポリアルキレンオキシド基Eにおいて、
−[CH
2CH
2O]
q−[CH
2CH(CH
3)O]
r−[CH
2CH(C
2H
5)O]
s−
式中、q、r、及びsは、以下のように定義される場合があり、すなわち
qは0〜200であり、又は好ましくは0〜100、又はより好ましくは0〜50、又は更により好ましくは0〜20であり、
rは0〜200であり、又は好ましくは0〜100、又はより好ましくは0〜50、又は更により好ましくは0〜20であり、
sは0〜200であり、又は好ましくは0〜100、又はより好ましくは0〜50、又は更により好ましくは0〜20であり、
及びq+r+sは1〜600であり、又は好ましくは1〜100、又はより好ましくは1〜50、又は更により好ましくは1〜40である。
【0086】
一般式Sを有するポリオルガノシロキサン構造単位では、
【0087】
【化4】
式中、R
1は、C
1〜C
22アルキル、C
1〜C
22フルオロアルキル又はアリールであり、nは200〜1000であり、又は好ましくは300〜500であり、K(−K−S−K−基中)は、好ましくは二価又は三価の直鎖、環状、又は分岐状C
2〜C
20炭化水残基であり、−O−、−NH−、三価のN、−NR
1−、−C(O)−、−C(S)−により任意に中断され、かつ−OHで任意に置換される。
【0088】
具体的な実施形態では、R
1は、C
1〜C
18アルキル、C
1〜C
18フルオロアルキル及びアリールである。更に、R
1は、好ましくはC
1〜C
18アルキル、C
1〜C
6フルオロアルキル、及びアリールである。更に、R
1は、より好ましくはC
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6フルオロアルキルであり、更により好ましくはC
1〜C
4フルオロアルキル、及びフェニルである。最も好ましくは、R
1は、メチル、エチル、トリフルオロプロピル、及びフェニルである。
【0089】
本明細書で使用するとき、「C
1〜C
22アルキル」という用語は、直鎖又は分岐鎖であってもよい、1〜22個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を意味する。メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、ノニル、デシル、ウンデシル、イソプロピル、ネオペンチル、及び1,2,3−トリメチルヘキシル部分が例として機能する。
【0090】
更に、本明細書で使用するとき、「C
1〜C
22フルオロアルキル」という用語は、直鎖又は分岐鎖であってもよく、かつ少なくとも1つのフッ素原子で置換された、1〜22個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素化合物を意味する。モノフルオロメチル(Monofluormethyl)、モノフルオロエチル、1,1,1−トリフルオロエチル(trifluorethyl)、ペルフルオロエチル、1,1,1−トリフルオロプロピル、1,2,2−トリフルオロブチルが好適な例である。
【0091】
更に、「アリール」という用語は、置換されていない、又はOH、F、Cl、CF
3、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6アルコキシ、C
3〜C
7シクロアルキル、C
2〜C
6アルケニル若しくはフェニルで1回又は数回フェニル置換されたものを意味する。アリールは、ナフチルも意味する場合がある。
【0092】
ポリオルガノシロキサンの実施形態については、アンモニウム基に由来する正電荷は、塩化物、臭化物、硫酸水素塩、硫酸塩などの無機アニオン、又は、C
1〜C
30カルボン酸に由来するカルボキシレート、例えば、アセテート、プロピオネート、オクタノエート、特に、C
10〜C
18カルボン酸に由来するカルボキシレート、例えば、デカノエート、ドデカノエート、テトラデカノエート、ヘキサデカノエート、オクタデカノエート、及びオレアート、アルキルポリエーテルカルボキシレート、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスルフェート、アルキルポリエーテルスルフェート、リン酸モノアルキル/アリールエステル及びリン酸ジアルキル/アリールエステル由来のリン酸塩などの有機アニオンにより中和される。ポリオルガノシロキサン化合物の特性を、特に使用する酸の選択に基づいて修正することができる。
【0093】
第四級アンモニウム基は、通常、モノカルボン酸及び二官能性ジハロゲンアルキル化合物の存在下で、第三級ジアミンと、特にジエポキシド(ビスエポキシドと称される場合もある)から選択されるアルキル化剤とを反応させることにより生成される。
【0094】
好ましい実施形態では、ポリオルガノシロキサン化合物は、以下の一般式(Ia)及び(Ib)のものであってもよく、
M−Y−[−(N
+R
2−T−N
+R
2)−Y−]
m−[−(NR
2−A−E−A’−NR
2)−Y−]
k−M(Ia)
M−Y−[−(N
+R
2−T−N
+R
2)−Y−]
m−[−(N
+R
22−A−E−A’−N
+R
22)−Y−]
k−M(Ib)
式中、各基は上で定義したとおりである。しかしながら、反復単位は、統計的配列である(すなわち、ブロック様配列ではない)。
【0095】
更に好ましい一実施形態では、ポリオルガノシロキサン化合物は、一般式(IIa)又は(IIb)のものであってもよく、
M−Y−[−N
+R
2−Y−]
m−[−(NR
2−A−E−A’−NR
2)−Y−]
k−M(IIa)
M−Y−[−N
+R
2−Y−]
m−[−(N
+R
22−A−E−A’−N
+R
22)−Y−]
k−M(IIb)
式中、各基は上で定義したとおりである。また、そのような式中、反復単位は通常、統計的配列である(すなわち、ブロック様配列ではない)。
式中、上で定義したとおり、Mは、
−OC(O)−Z、
−OS(O)
2−Z、
−OS(O
2)O−Z、
−OP(O)(O−Z)OH、
−OP(O)(O−Z)
2であり、
Zは、直鎖、環状、又は分岐状の飽和若しくは不飽和のC
1〜C
20、又は好ましくはC
2〜C
18であり、又は更により好ましくは、1つ以上の−O−若しくは−C(O)−により中断され、かつ−OHで置換されている場合がある炭化水素ラジカルである。具体的な実施形態では、Mは標準的なカルボン酸から生じる−OC(O)−Zであり、特に、例えば、ドデカン酸などのように10個超の炭素原子を有する。
【0096】
更なる実施形態では、ポリオルガノシロキサンを含有する反復基−K−S−K−及びポリアルキレン反復基−A−E−A’−又は−A’−E−A−のモル比は100:1〜1:100であり、又は好ましくは20:1〜1:20、又はより好ましくは10:1〜1:10である。
【0097】
−(N
+R
2−T−N
+R
2)−基中、Rは、1つ以上の−O−、−C(O)−により中断されている可能性があり、かつ−OHにより置換されている可能性がある、一価の直鎖、環状、又は分岐状C
1〜C
20炭化水素ラジカルを表す場合があり、Tは、−O−、−C(O)−により中断されている可能性があり、かつヒドロキシルにより置換されている可能性がある二価の直鎖、環状、又は分岐状C
1〜C
20炭化水素ラジカルを表す場合がある。
【0098】
第四級アンモニウム官能基及びエステル官能基を含む上記のポリオルガノシロキサン化合物はまた、1)第四級アンモニウム官能基を含み、エステル官能基を含まない個々の分子、2)第四級アンモニウム官能基及びエステル官能基を含む分子、並びに3)エステル官能基を含み、第四級アンモニウム官能基を含まない分子も含み得る。構造に限定されはしないものの、第四級アンモニウム官能基及びエステル官能基を含む、上記のポリオルガノシロキサン化合物は、ある特定の平均量及び比の両方の部分を含む分子の混合物として理解される。
【0099】
エステルを得るために様々な一官能性有機酸を使用することができる。例示的な実施形態としては、C
1〜C
30カルボン酸、例えば、C
2、C
3、C
8酸、C
10〜C
18カルボン酸、例えば、C
12、C
14、C
16酸、飽和、不飽和、及びヒドロキシル官能化C
18酸、アルキルポリエーテルカルボン酸、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、アルキル硫酸、アルキルポリエーテル硫酸、リン酸モノアルキル/アリールエステル及びリン酸ジアルキル/エステルが挙げられる。
【0100】
追加成分
本発明の組成物は、他の追加成分を含んでもよく、それは最終製品の所望の特性によって当業者により選択されてもよく、また組成物をより美容的若しくは審美的に許容可能なものにするか、又は付加的な使用による効果を組成物にもたらすために好適なものである。そのような他の追加成分は、一般に、組成物の約0.001重量%〜約10重量%、好ましくは最大約5重量%の濃度で個々に使用される。
【0101】
多種多様な他の追加成分を、本発明の組成物に配合することができる。これには、他のコンディショニング剤(例えば、Hormelから入手可能な商標名「Peptein 2000」の加水分解コラーゲン、Eisaiから入手可能な商標名「Emix−d」のビタミンE、Rocheから入手可能なパンテノール、Rocheから入手可能なパントテニルエチルエーテル、加水分解ケラチン、タンパク質、植物抽出物、及び栄養素など)、防腐剤(例えば、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、及びイミダゾリジニル尿素など)、pH調節剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、リン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなど)、着色剤(例えば、FD&C又はD&C顔料の任意のものなど)、香料、紫外線・赤外線遮断吸収剤(例えばベンゾフェノンなど)、及び抗ふけ剤(例えばジンクピリチオンなど)、非イオン性界面活性剤(例えば、Tween 20として供給されるモノ−9−オクタデカノエートポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)など)、及び緩衝剤(例えばアミノメチルプロパノールなど)が挙げられる。
【0102】
製品形態
本発明の組成物は、リンスオフ製品又はリーブオン製品の形態であってもよく、これらに制限されないが、クリーム、ゲル、エマルション、ムース、及びスプレーなどの多種多様な製品形態で配合されてもよい。本発明の組成物は、ヘアコンディショナー、特にリンスオフタイプのヘアコンディショナーに特に好適である。
【0103】
本発明の主な特徴
A.本発明は、ヘアコンディショニング組成物であって、
カチオン性界面活性剤と、
高融点脂肪族化合物と、
予備形成エマルション及び/又はイオン性有益剤であって、イオン性有益剤が、イオン性染料、その前駆体、及びアニオン性界面活性剤を除いたものである、予備形成エマルション及び/又はイオン性有益剤と、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリン、及びそれらの混合物のうちの少なくとも1つのアルキルエーテル及び/又はアルキルエステル、好ましくはアルキルエーテルであって、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、及びそれらの混合物の約50〜約300単位を有する、アルキルエーテル及び/又はアルキルエステルと、
水性キャリアと、を含む、ヘアコンディショニング組成物に関する。
B.アルキルエーテル及び/又はアルキルエステルが、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、及びそれらの混合物の約75〜約250単位、好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、及びそれらの混合物の約100〜約200単位を有する、前述の特徴のヘアコンディショニング組成物。
C.アルキルエーテル及び/又はアルキルエステルが、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、及びそれらの混合物のうちの少なくとも1つのアルキルエーテル及び/又はアルキルエステルであり、好ましくはアルキルエーテル及び/又はアルキルエステルが、ポリエチレングリコールのアルキルエーテル及び/又はアルキルエステルである、前述の特徴のいずれかのヘアコンディショニング組成物。
D.アルキルエーテル及び/又はエステルのアルキル基が、約10〜約30個の炭素原子、好ましくは約14〜約30個の炭素原子、より好ましくは約16〜約22個の炭素原子を有する、前述の特徴のいずれかのヘアコンディショニング組成物。
E.アルキルエーテル及び/又はエステルのアルキル基が、直鎖の飽和アルキル基である、前述の特徴のいずれかのヘアコンディショニング組成物。
F.イオン性有益剤が、サリチル酸、EDDS、及びそれらの混合物から選択される、前述の特徴のいずれかのヘアコンディショニング組成物。
G.イオン性有益剤が、約0.1%以上、好ましくは約0.2%以上、より好ましくは約0.5%以上、更により好ましくは約1%以上の濃度でヘアコンディショニング組成物中に含まれる、前述の特徴のいずれかのヘアコンディショニング組成物。
H.予備形成エマルションが、シリコーンエマルションである、前述の特徴のいずれかのヘアコンディショニング組成物。
I.予備形成エマルションが、約5%以上、好ましくは約10%以上、より好ましくは約12%以上、更により好ましくは約15%以上の濃度でヘアコンディショニング組成物中に含まれる、前述の特徴のいずれかのヘアコンディショニング組成物。
【実施例】
【0104】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明及び実証する。これらの実施例は、例示目的のためにのみ提供され、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくそれらの多くの変更が可能であることから、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。適用可能な場合には、成分を、化学名又はCTFA名で特定し、そうでない場合は、以下で定義する。
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】
【表3】
【0108】
【表4】
【0109】
成分の定義
*1シリコーンエマルション:Wacker,Germanyから入手可能なBelsil ADM 8301 E。
【0110】
調製方法
上記の本発明の「実施例1」〜「実施例10」のヘアケア組成物及び比較例としての「比較例i」〜「比較例vii」のヘアケア組成物は、当該技術分野において周知の任意の従来方法によって調製することができる。
【0111】
特性及びコンディショニング効果
上記組成物のいくつかに関しては、以下の方法で特性及びコンディショニング効果を評価する。評価結果はまた、上に示される。
【0112】
「実施例1」〜「実施例10」により開示及び提示した実施形態は、本発明のヘアコンディショニング組成物であって、洗い流す用途に特に有用である。かかる実施形態は多くの利点を有する。例えば、これらの実施形態は、予備形成エマルション及び/又はイオン性有益剤を含みながら、安定性及び湿潤コンディショニングを提供する。
【0113】
安定性
相分離の視覚的調査により、安定性を評価する。
【0114】
きめ
官能試験員の検査により、きめを評価する。5〜7人の官能試験員が、サンプルを以下のように評価した。
「良」のきめは、製品が分配時に盛り上がったまま残り、濡れた毛髪に容易に展延可能であり、毛髪繊維間の間隙に浸透することを意味する。
「流れやすい」きめは、製品が分配時に手の上で同じ形状を保てず、したがって手のひらから流れ出やすいことを意味する。
【0115】
湿潤コンディショニング
官能試験員の検査により、湿潤コンディショニング効果を評価する。5〜7人の官能試験員が、濡れた毛髪1gあたり、上記組成物0.1mLを適用することにより調製されたサンプルを評価した。官能試験員は、毛髪に均一に塗布及び展延できることを1(非常に悪い)〜5(非常に良い)で各サンプルを評価した。官能試験員のデータが集められ、平均され、スコア付けされ、比較された。
【0116】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0117】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願がその優先権又は利益を主張する全ての特許出願又は特許を含む、本願に引用される文献はいずれも、明示的に除外又は別の方法で限定されない限りにおいて、その全体が本明細書に参照により組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、又はそれを単独で若しくは任意の他の参考文献と組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照として組み込まれた文献内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に付与された意味又は定義が優先される。
【0118】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正が、添付の特許請求の範囲に網羅されるものとする。