(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6788026
(24)【登録日】2020年11月2日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】カップリングシステム
(51)【国際特許分類】
B65D 33/00 20060101AFI20201109BHJP
B65D 33/25 20060101ALI20201109BHJP
B65D 33/38 20060101ALI20201109BHJP
B65D 90/00 20060101ALN20201109BHJP
【FI】
B65D33/00 Z
B65D33/25 A
B65D33/38
!B65D90/00 R
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-548271(P2018-548271)
(86)(22)【出願日】2016年11月23日
(65)【公表番号】特表2018-538214(P2018-538214A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(86)【国際出願番号】EP2016001976
(87)【国際公開番号】WO2017092857
(87)【国際公開日】20170608
【審査請求日】2019年2月27日
(31)【優先権主張番号】102015015856.2
(32)【優先日】2015年12月3日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518197719
【氏名又は名称】フレコテック アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】マルティン コッホ
【審査官】
新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2014/106632(WO,A1)
【文献】
特開2006−264780(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0251973(US,A1)
【文献】
実公昭30−009486(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/00 − 33/38
B65D 90/00
A44B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通の移送区間(14)を形成する二つのホース状の区間部分(10、12)の媒体案内接続用のカップリングシステムであって、
二つのカップリング部分(20、22)を有するカップリング要素(16、18)をそれぞれ備え、前記カップリング部分(20,22)は、互いに分離可能で、分離領域(26)において連結要素(24)によって取外し可能に保持されており、他方のカップリング要素(16、18)の対応する連結要素(24)によって移送区間を形成するカップリングシステムにおいて、
前記カップリング部分(20、22)のすべての連結要素(24)は、少なくとも、前記移送区間(14)を形成する前はホース内方に向き、少なくとも、前記移送区間(14)を形成する際に前記カップリング要素(16、18)の間のそれぞれの分離領域(26)は前記移送区間(14)に対して横断方向に配置されていることを特徴とするカップリングシステム。
【請求項2】
カップリング要素(16、18)の互いに分離可能な二つのカップリング部分(20、22)は成形材(40)から作られ、個々の成形材(40)は前記区間部分(10、12)の経路と接続し、これらのカップリング部分(20,22)の他方の成形材の経路と共に前記ホース状の区間部分(10、12)を形成することを特徴とする、請求項1に記載のカップリングシステム。
【請求項3】
個々の前記成形材(40)の前記連結要素(24)は、カップリング要素(16、18)の他方の前記成形材(40)の前記連結要素(24)に対して、一種のさねはぎ接続又は一種のラッチ接続で係合することを特徴とする、請求項1又は2に記載のカップリングシステム。
【請求項4】
個々の前記成形材(40)は、該成形材の輪郭の長手方向で可撓性を有して形成され、横断方向では本質的に安定性を有し、前記個々の成形材(40)の積み重なる部分は、少なくとも前記連結要素(40)の係合領域においては、互いに積み重ねることができないことを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のカップリングシステム。
【請求項5】
カップリング要素(20)の一対の成形材の少なくとも一方の成形材(40)は、その初期状態において、折り返し部(50)として、前記成形材(40)の端部の自由な上面又は側面に沿って前記連結要素(24)を有し、前記折り返し部(50)とこれに対して平行に延びる前記成形材の壁部分(52)との間に溝(54)が形成されていることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載のカップリングシステム。
【請求項6】
前記成形材(40)の溝(54)は、外方に突出する接触部(58)を有し、カップリング要素(16、18)の前記成形材(40)の連結要素(24)が前記接触部(58)に支持されていることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載のカップリングシステム。
【請求項7】
溝を有しない前記成形材(40)は、初期状態において、それぞれの連結要素(24)の領域で、前記成形材(40)の他の壁部分(60)から延びている張出し部を有していることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載のカップリングシステム。
【請求項8】
媒体案内の前記移送区間(14)を形成するために、個々のカップリング要素(16、18)の互いに対をなす前記成形材(40)は、共通の前記分離領域(26)において互いに分離可能であり、それぞれ分離した連結要素(24)は、他方の前記カップリング要素(18、16)の前記成形材の対応する連結要素(24)と協働し、個々のホース状の区間部分(10、12)の隣接する経路が共通の前記移送区間(14)を形成することを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載のカップリングシステム。
【請求項9】
前記移送区間(14)を形成する際に、二つの前記カップリング要素(16、18)のそれぞれの分離領域(26)は、形成される移送方向に対して横断方向に延びている限り、互いに係合した前記連結要素(24)は前記移送区間(14)に対して平行に配置され、反対側に位置する二つの前記カップリング要素(16、18)のそれぞれの前記分離領域(26)に差し込む前記連結要素(24)は、互いに反対方向を向いていることを特徴とする、請求項1〜8の何れか一項に記載のカップリングシステム。
【請求項10】
スライダ(27)を具備する接続装置であって、
スライダ(27)は請求項1〜9の何れか一項に記載のカップリングシステムの個々のカップリング要素(16、18)を受容するために、スライドガイドを備えた若干のチャンバを有しており、前記スライドガイドはカップリング要素(16、18)の対をホース状の区間部分(10、12)と共に分離して、前記カップリングシステムの対応するカップリング要素(18、16)の対と接続して移送区間(14)を形成する接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共通の移送区間を形成する2個のホース状の区間部分の媒体案内接続用のカップリングシステムであって、二つのカップリング部分を有するカップリング要素をそれぞれ有し、二つのカップリング部分は、互いに分離可能で、連結要素によって分離領域において取外し可能に保持され、他方のカップリング要素の対応する連結要素に係合して移送区間を形成するカップリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1により冒頭に記載した種類のカップリングシステムが公知である。このシステムは、第2の容器体に対して第1の容器体の形式でホース状の区間部分の耐環境的な接続を可能にし、その結果として、連結したドッキング位置を得ることができ、貫流方向で共通の移送区間に沿う媒体貫流の耐環境的な案内が、連結部材によって第1の容器体から第2の容器体内への流れを可能にしている。
【0003】
第2の容器体は第1の容器体に向けられて同一の連結部材を有しており、これは開放したドッキング位置を達成するために第1の容器体の連結部材と係合できる。この開放したドッキング位置において容器体の接続された連結部材は、移送区間の貫流方向に沿って移送すべき媒体のバルク材が貫流するためのホース状管路を形成する。その際に互いに対向して配置された成形材は、関連したカップリング要素のカップリング部分の構成部材として容器体を互いの間に包含する。このために成形材は、移送区間の貫流方向に対して横断方向でホース内方に向けられているが、一部ホース外方にも向けられた連結要素を有しており、後者の連結要素は容易に周囲の側から汚れる可能性があり、そのような汚れはカップリング要素を互いに連結する際に意図せずホース内部に持ち込まれ、そのようにして移送区間の内部で移送物が汚染される恐れがあるが、このことは特に製薬用途ではカップリングシステムに対して許容できない。そのうえ公知のカップリングシステムは多数の連結要素が必要とされるため構造が複雑であり、そのため製造は高価なものとなる。
【0004】
別の冒頭に記載した種類のカップリングシステムが特許文献2により知られている。この公知のカップリングシステムは、第1の容器体と第2の容器体の耐環境的な接続用に、およびカップリングシステムの開放したドッキング位置で第1の容器体から第2の容器体内へ連結部材を通して共通の移送区間に沿った貫流方向での貫流の耐環境的な案内用に、少なくとも部分的にフレキシブルな容器体構成のための同様に2個の成形材を有する可能な連結部材を形成する。第2の容器体は第1の容器体に向けられて同一の連結部材を有しており、この連結部材は開放したドッキング位置において第1の容器体の連結部材と係合しており、第1の容器体の連結部材と協働して貫流方向に貫流するための貫流管路を構成し、その際に成形材は互いに対向して配置されて、それぞれの容器体を外に向かって連結している。
【0005】
上記の連結部材が分離した状態で、ホース内方に向けられて張り出している旋回可能な連結要素は、同じ連結部材のホース外方に向けられた連結要素と係合して、それぞれの連結部材を閉じており、上記連結部材のドッキングした連結状態でホース内方に向けられて張り出している連結要素は、ホース外方に向けられている相補的な連結部材の連結要素と係合しており、それにより連結部材は互いに媒体検査方式で接続している。
【0006】
この公知の連結部材又はカップリングシステムの解決策においても、カップリング要素のそれぞれのカップリング部分における連結要素はホース外方の周囲に向けられており、そのため汚れが堆積する可能性を与え、その汚れは後の連結状態でホース状移送区間の内部に意図せず到達することがある。上述の張り出した連結要素は連結を作り出すために旋回可能に構成されているので、ここでも製造に手間がかかり、それによって連結のコストが増す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第102009018565(B3)号明細書
【特許文献2】国際公開第2014/106632(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、上記の先行技術から出発して、公知の解決策の利点、即ち少なくとも一方の貫流方向に共通の移送区間を形成して、ホース状又は管路状の容器体若しくは部分区間のための確実に機能する耐環境的なドッキングシステムを提供するという利点を維持しながら、カップリング要素を介して部分システムを連結する際にいかなる場合も汚れが外部から内部へ媒体案内移送区間に到達できないように、且つ、廉価な製造が保証されるようにさらに改善することである。そのような課題は請求項1の特徴をその全体において有するカップリングシステムによって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の特徴部によりカップリング部分のすべての連結要素が少なくとも移送区間を形成する前はホース内方に向いていることにより、万一汚れが周囲から来てもカップリング部分を通して意図せず媒体案内移送区間の内部に到達できず、そのためドッキングするカップリング部分を有するカップリングシステムのどんな状態においても気密で耐環境的な連結が達成されることがいかなる場合も確保されている。
【0010】
さらに本発明により、少なくとも移送区間を形成する際にカップリング要素の間のそれぞれの分離領域がこの移送区間に対して横断方向に配置されている。そのように接続を本来の移送区間に対して横断方向に配置することに基づいて、本発明によるカップリングシステムの解決策は互いに連結される1種類の連結要素だけで足り、全体として連結要素の数は少なく抑えることができ、それが製造コストを下げるのを助ける。そのうえ移送区間を形成する際に好ましくは専用に構想された手で操作可能なスライダを用いて、ほとんど力を加えず非常にスムーズに貫通接続又は連結が生み出され、その結果として組立時間は短くなり、したがって組立コストも同様に下げる助けとなる。
【0011】
本発明によるカップリングシステムの好適な実施形態において、カップリング要素の互いに分離可能な両カップリング部分が成形材から形成されており、各成形材は一方の割当て可能な区間部分の経路と接続されており、この一方のカップリング部分の他方の成形材の経路と共にホース状の区間部分を形成する。そのようなカップリングシステムにより、媒体を案内する任意の管状区間部分が互いに接続されて全移送区間を形成する。ここで、「ホース状」の概念には管路又は同種のもののように閉じた外周壁を有する管接続も問題なく含まれる。それぞれのホース状の区間部分は剛性的な管を形成するか、又は弾性的な可撓な管状に閉じた壁部分を有することもあるフレキシブルな容器体をなす。この方式の接続により再び取り外せるようにしても確実な連結又は連結を達成することができ、媒体がカップリング要素の間の移送区間を相応の圧力で通されても開くことはない。
【0012】
特に好適には、それぞれの成形材はこの部材の輪郭の長手方向ではフレキシブルに形成されており、これに対して横断方向では、成形材の部分が少なくとも連結要素の係合面の領域で積み重なることが排除されているように自己安定である。そのため特許文献2に従う公知の連結解決策とは異なり、カップリング部分の旋回可能な連結要素の代わりに自己安定な連結要素を使用することが可能である。これらはカップリング部分の後の接続箇所で互いに剛性的な確実に機能する構造を保証し、この領域における連結要素の高い連結力で接続が意図せず解消するのを妨げる。
【0013】
本発明によるカップリングシステムの別の特に好適な実施形態において、各カップリング要素で対をなす成形材の少なくとも一方の成形材はその初期状態において、この成形材の端部の自由な上面又は端面に沿って折り返し部材の形式で連結要素を有しており、この初期状態でこの折り返し部材とこれに対して平行に延びる成形材の壁部分との間に溝が形成されている。上述した溝に基づいて連結要素から成形材のそれ以外の壁部分までの設定可能な間隔が形成され、溝の底は一種の旋回箇所を構成して、これらの成形材が別のカップリング要素の隣接する成形材と係合している場合でも、これらを境界面に沿って広げるのを可能にする。その結果として互いに係合している成形材の領域で移送区間に対する一種の平らな境界壁が連結として生じ、このことが連結状態で移送区間に沿って媒体の円滑な、特に障害のない移送を可能にする。
【0014】
さらにこの関連で特に好適なのは、この成形材の溝は、外方に突出する接触部を有しており、この接触部にカップリング要素の割当て可能な成形材の連結要素が支持されていることである。この支持に基づいて形成すべき接続の外縁領域でも上記セクションを通して力を導入することにより確実な連結を生み出し、それが成形材の相互の付着力を増すのを助ける。
【0015】
この場合、複合カップリングの溝のない割当て可能な成形材はその初期状態においてそれぞれの連結要素の領域でこの成形材のそれ以外の壁部分に対向して張出し部を備えていると特に有利であることが分かった。この張出し部が他方の成形材で溝を形成する折り返し部材と接続することにより、連結の初期状態において互いに係合している連結要素全体がブロック状にずらして配置されているので、これらの連結要素は簡単に互いに接続できるが、再び互いに分離することもできる。
【0016】
本発明によるカップリングシステムの別の特に好適な実施形態において、媒体案内移送区間を形成するために、各カップリング要素の互いに対をなして割り当てられた成形材は、共通分離領域に沿って互いに分離可能であり、それらのそれぞれ露出した連結要素は他方のカップリング要素の成形材対の対応する連結要素と、各ホース状の区間部分の隣接する経路が共通の移送区間を形成するように協働する。
【0017】
この場合、特に好適には、移送区間を形成する際に両カップリング要素のそれぞれの分離領域が形成する移送方向に対して横断方向に延びている限り、互いに係合された連結要素は移送区間に対して平行に配置されており、それぞれの分離領域に貫入する対向カップリング要素の連結要素は反対方向に向いている。
【0018】
連結要素のこの反転した頭部−基部配置に基づき、機械的接続装置、例えば手で操作可能なスライダ又はグライダによって、わずかな連結力で連結を形成し、再び分離することもできる。一時的に移送区間が形成された状態でも、互いに結合されたカップリング要素の個々の連結要素は、いかなる場合もホース内方に向いて、外部の周囲から汚染粒子が来ても侵入面が与えられないように配置されている。これはカップリングシステム及びそれによって移送される媒体の無菌性に寄与する。これに相当するものも先行技術にはない。
【0019】
以下に本発明によるカップリングシステムを図面に示した実施形態に基づいて詳細に説明する。図面は原理図であり、縮尺通りに表現されていない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、いわゆるグライダを使用して2個のホース状の区間部分を1個の共通の移送区間に媒体案内接続するためのカップリングシステムの斜視図である。
【
図2】
図2は、連結されていない状態における、本発明によるカップリングシステムの断面図である。
【
図3】
図3は、中間連結位置における、本発明によるカップリングシステムの断面図である。
【
図4】
図4は、完全に連結されて両ホース状の区間部分が1個の共通の移送区間に媒体案内接続された状態における、本発明によるカップリングシステムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明によるカップリングシステムは、特に
図4に示されているように、1個の共通の移送区間14を得る目的で、2個のホース状の区間部分10、12を媒体案内接続するために用いる。このカップリングシステムは、2個の互いに分離可能なカップリング部分20、22を備えたカップリング要素16、18をそれぞれ有している。互いに分離可能な両カップリング部分20、22は、連結要素24を有しており、これらは共通分離領域26において取外し可能に保持されている。
【0022】
区間部分10、12は、それぞれプラスチック材料からなるフォイル状のホースによって形成されており、
図2〜
図4にはそれぞれ表側と裏側28、30;32、34の下方領域が断面図で示されている。このような表側と裏側28、30;32、34はそれらの隣接対向する長手方向端面で、接続線36に沿って互いに一体的に接続されており、そのために嵌合領域には凹部が設けられている。特に
図1に示すように、上側のホース状の区間部分10は円形の受容断面部38によって開かれており、これを介して複合ホース10、12は、例えば詳細に図示されない充填機械に接続できる。このようにして
図3及び
図4に示す表現によるカップリングが開放した状態で、充填物又は移送物は受容断面部38と区間部分10を通ってホース状の区間部分12として開いた袋に注入でき、カップリングが再び閉じると(
図2参照)、充填されたホース状袋12は再び閉じて取り去ることができる。このようにして多数のホース状袋を区間部分12として順次充填して連結できる。しかし区間部分12は袋として形成する代りに区間部分10と比較可能に形成されてもよく、従って移送物を共通の移送区間14を通して別の詳細に図示されない機械的受容装置へさらに移送するために用いることができる。この場合、区間部分12はその下側若しくは排出側が、区間部分10の受容側と比較可能に開いている。
【0023】
さらに
図1から見て取れるように、
図2〜
図4に示されたカップリング部分20、22の断面は成形材40から形成されており、これらにフォイル材料からなる割当て可能な区間部分10、12が、それぞれ好ましくは一体的に接続する。特にカップリング部分20、22は押出し成形部材として区間部分10、12と一体的に形成されている。
【0024】
本発明の本質的な特殊性は、特に
図2〜
図4の表現から見て取れるように、先行技術における解決策とは異なり、カップリングシステムの各接続状態において、それゆえ連結されていない状態でも、連結要素24は常に区間部分10、12の内側42に位置しており、従ってこれらは決して周囲に向けられておらず、周囲から汚れが侵入することは確実に排除されている。これによりカップリング部分20、22のすべての連結要素24は少なくとも移送区間14を形成する前に、しかし特に好ましくは
図2〜
図4に示す各連結状態でホース内方に向いている。別の本発明による特殊性は、少なくとも移送区間14を形成する際にそれぞれの分離領域26は
図3に示す表現に従いカップリング要素16、18の間でこの移送区間14に対して実質的に横断方向に配置されている。このようにしてわずかな操作力で、場合によっては手でも簡単に所望の連結を引き起こして
図4に示すカップリング接続を形成できる。しかしこのためにグライダ27を使用することが好ましく、これは例えば特許文献1(独国特許出願公開第102009018565(B3)号明細書)に開示されている。
【0025】
既述したように、各カップリング要素16、18の互いに分離可能な両カップリング部分20、22は成形材40からなり、各成形材40は割当て可能な区間部分10、12の経路と接続されている。経路はこの区間部分10若しくは12のそれぞれの表側と裏側28、30;32、34から形成されている。さらに、
図2〜
図4から見て取れるように、カップリング要素16若しくは18のそれぞれ一方の成形材40はその連結要素24が他方の成形材40の連結要素24と一種のさねはぎ接続又は一種のラッチ接続を形成して互いに接続されている。
【0026】
図2の視線方向で見て上側の区間部分10に対しても、下側の区間部分12に対しても、それぞれのカップリング部分20、22は対応する連結要素24を係合から外すことによって互いに離れ、次に
図2の視線方向で見て上側右のカップリング部分20は下側右のカップリング部分22と接続され、上側左のカップリング部分22はその下にある同様に左の解放されたカップリング部分20と接続されるので、既に説明したように、
図3に示す一種の中間連結としての連結状態が生じ、それぞれの分離領域26は両区間部分10、12の間で垂直に位置合わせされた移送区間14に対して横断方向に延びている。
【0027】
連結要素24として、両側に突出するT輪郭部44、片側に突出して形成されたラッチフック46及び両側に突出せず平らに延びるガイドバー48を用いることができる。これらは別の連結要素24として対応して形成された溝状の係止凹部に係合する。従って、連結要素24はそれぞれ係合するカップリング部分20又は22の相手部材をなしている。この場合、両カップリング部分20、22の間のそれぞれの分離領域26は、少なくとも1つの接続面によって形成され、その接続面でカップリング部分20又は22の隣接して対向する連結要素24が互いに当接している。
【0028】
さらに
図1から明らかなように、それぞれの成形材40はこの部材の輪郭の長手方向で可撓性を有して形成されており、これに対して横断方向では自己安定であって、それぞれの成形材の部分が、少なくとも特に連結要素24の分離面26の形式による係合面の領域で積み重なることが回避されている。このようにして互いに付属しないカップリング部分16、18が意図せず互いに接続され得ないように確保されている。
【0029】
図2に示された初期状態では、カップリング部分20として形成された成形材40は一種の折り返し部材50を、この成形材の端部の自由な上面又は端面に沿って備えており、この折り返し部材50とこれに対して平行に延びるこの成形材の壁部分52との間には溝54が形成されている。この溝54に意味があるのは、個々のカップリング要素16、18を組み合わせて移送路14を形成する際にこの溝54はジョイント部56を構成する働きをするためである。ジョイント部56は区間部分10、12がこのプロファイル断面の延長が達成されるようにまっすぐになることを可能にし、それによってスムーズに延びる移送区間案内を達成できる(
図4参照)。そのうえ、区間部分10、12が引張応力の下で
図4に示す連結された状態に達する場合、対応する連結要素24を通してカップリング要素16、18内への確実な力の導入が達成される。さらにカップリング部分20の形式によるこの成形材の溝54は、外方に突出した接触部58を有しており、これにここではガイド経路48として形成された、対応するカップリング部分22の形式による割当て可能な成形材40の連結要素24が支持され得る。これによってカップリング要素16、18の係合の確実性が増す。
【0030】
さらにこの構造を有利にしているのは、初期状態でカップリング部分22の形式による溝のない割当て可能な成形材が、それぞれの連結要素の領域でこの成形材40のそれ以外の壁部分に対向して張出し部を有していることである。このように構成することによって、力を加えることなくカップリング部分20、22が互いに係合することが達成され、場合によっては区間部分10、12に作用する引張力が、割当て可能なそれぞれの分離領域26において共同係合する領域で割当て可能な連結要素24の確実に機能する係合を危うくすることはない。
【0031】
媒体案内移送区間14を形成するために、各カップリング要素16、18の互いに対をなして割り当てられた成形材40は、
図2に示す連結されていない状態から出発して共通分離領域26において互いに分離でき、それらのそれぞれ露出した連結要素26は他方のカップリング要素18若しくは16の成形材対40の対応する連結要素24と協働して、各ホース状の区間部分10、12の隣接する経路が互いに共通の移送区間14を形成する。これは
図4の最終連結状態の表現に示されている。
【0032】
図3に示されている事項に従い共通の移送区間14を形成する際に、両カップリング要素16、18のそれぞれの分離領域26は形成する移送方向14に対して横断方向に延びる限り、互いに係合された連結要素24は移送区間14に対して平行に配置されており、それぞれの分離領域26に貫入する、互いに反対側にある二つのカップリング要素の連結要素24は反対方向を向いてそれぞれの分離領域26に貫入する(頭部−基部配置)。
図3に示す水平に延びる接続配置においてカップリングを開閉する際も、手で操作可能なスライダ又はグライダ27の一種の機械的接続(これは自動化して行うこともできる)においても、わずかな操作力しか必要とされず、あらゆる取付状況でカップリングを適切に機能するように形成することを容易にする。
【0033】
本発明は、好ましくは手で操作可能なスライダ又はグライダ27を具備する接続装置も対象とし、スライダ又はグライダ27はカップリングシステムの個々のカップリング要素16、18を受容するために、スライドガイドを備えた若干のチャンバを有しており、このスライドガイドはカップリング要素16、18の対をそれらのホース状の区間部分10、12と共に分離して、カップリングシステムの対応するカップリング要素18、16の対を好ましくは再び取外し可能に接続して移送区間14を形成する。