特許第6788046号(P6788046)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6788046
(24)【登録日】2020年11月2日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】ゲームプログラムおよびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/655 20140101AFI20201109BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20201109BHJP
   A63F 13/87 20140101ALI20201109BHJP
【FI】
   A63F13/655
   A63F13/45
   A63F13/87
【請求項の数】5
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2019-6092(P2019-6092)
(22)【出願日】2019年1月17日
(65)【公開番号】特開2020-114278(P2020-114278A)
(43)【公開日】2020年7月30日
【審査請求日】2019年4月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
【審査官】 古川 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−087349(JP,A)
【文献】 特表2015−533540(JP,A)
【文献】 特開2018−153655(JP,A)
【文献】 特開2004−329914(JP,A)
【文献】 特開2004−329629(JP,A)
【文献】 特表2006−524060(JP,A)
【文献】 特開2006−061418(JP,A)
【文献】 特開2002−126344(JP,A)
【文献】 特開2003−079937(JP,A)
【文献】 特開2003−284868(JP,A)
【文献】 特開2011−056030(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0281511(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0306501(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 − 13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ゲームの進行に必要なゲーム媒体である特定ゲーム媒体の取得指示を行う指示手段と、
前記特定ゲーム媒体の取得指示後に、画像データにおける被写体の特徴点に基づいて前記特徴点に対応する前記ゲーム媒体を認識する認識手段と、
認識された前記ゲーム媒体と前記特定ゲーム媒体とを照合する照合手段と、
認識された前記ゲーム媒体が前記特定ゲーム媒体と一致する場合、認識された前記ゲーム媒体を前記特定ゲーム媒体として、前記ゲームの進行を許可する許可手段と、
ユーザの操作に基づいて前記画像データを選択する選択手段と、
として機能させ
前記特徴点は、前記被写体の形状および色彩を含む
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
前記認識手段は、前記特徴点に基づいて前記被写体の種類を特定し、特定した前記被写体の種類そのものを表す前記ゲーム媒体を認識する
ことを特徴とする請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
コンピュータを、
進行中のゲーム画像を複数のユーザそれぞれがリアルタイムで視聴可能なように前記ゲーム画像を送信し、かつ、前記ユーザ同士が意思疎通可能なように各前記ユーザが入力した情報を送受信し、さらに、各前記ユーザからの前記画像データの受信を可能とする通信手段と、
として更に機能させ、
前記認識手段は、前記通信手段が受信した前記画像データを用いて、前記特徴点に対応する前記ゲーム媒体の認識を行う
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
コンピュータを、
前記通信手段が受信した前記画像データが複数の場合、複数の前記画像データそれぞれに対応する前記ゲーム媒体の中から、前記照合手段が照合に用いる前記ゲーム媒体を、前記ゲームをプレイする前記ユーザが選択したことを受け付ける受付手段、
として更に機能させ、
前記照合手段は、前記受付手段が受け付けた前記ゲーム媒体を前記特定ゲーム媒体と照合する
ことを特徴とする請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載のゲームプログラムを記憶した記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行するコンピュータと、
を備えるゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データに基づいたゲーム媒体を取得してゲームを進行させるゲームプログラムおよびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームには、撮影された被写体の画像データを基に特定のゲーム媒体を取得してゲームを進行させるものがある。前記特定のゲーム媒体は、画像データにおける被写体の特徴点(形状、色彩または模様など)に基づいて認識される。特許文献1には、撮影された被写体の色彩情報に基づいて、特定のゲーム媒体が取得されるというゲームが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−329629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したゲームの中には、ゲームの進行に必要となる特定のゲーム媒体の取得をユーザに指示し、進行中のゲーム空間内に隠された前記特定のゲーム媒体をユーザに探させるものがある。
【0005】
しかしながら、このようなゲームにおいて、ゲーム空間中に前記特定のゲーム媒体が隠されている場所や前記特定のゲーム媒体の種類は予め設定されている。そのため、ユーザはその設定された範囲内でしかゲームをプレイできない。従って、ユーザは何度もプレイしているうちに退屈感を覚える。
【0006】
本発明の目的は、前記特定のゲーム媒体の取得について、ユーザに与える退屈感を抑制し、興趣性に富んだゲームプログラムおよびゲームシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、コンピュータを、
ゲームの進行に必要なゲーム媒体である特定ゲーム媒体の取得指示を行う指示手段と、
前記特定ゲーム媒体の取得指示後に、画像データにおける被写体の特徴点に基づいて前記特徴点に対応する前記ゲーム媒体を認識する認識手段と、
認識された前記ゲーム媒体と前記特定ゲーム媒体とを照合する照合手段と、
認識された前記ゲーム媒体が前記特定ゲーム媒体と一致する場合、認識された前記ゲーム媒体を前記特定ゲーム媒体として、前記ゲームの進行を許可する許可手段と、
ユーザの操作に基づいて前記画像データを選択する選択手段と、
として機能させ
前記特徴点は、前記被写体の形状および色彩を含む
ことを特徴とするゲームプログラムである。
【0008】
また、第1の発明において、コンピュータを、
前記認識手段は、抽出した前記特徴点に基づいて前記被写体の種類を特定し、特定した前記被写体の種類そのものを表す前記ゲーム媒体を認識する
ことができる。
【0009】
また、第1の発明において、コンピュータを、
進行中のゲーム画像を複数のユーザそれぞれがリアルタイムで視聴可能なように前記ゲーム画像を送信し、かつ、前記ユーザ同士が意思疎通可能なように各前記ユーザが入力した情報を送受信し、さらに、各前記ユーザからの前記画像データの受信を可能とする通信手段と、
として更に機能させ、
前記認識手段は、前記通信手段が受信した前記画像データを用いて、前記特徴点に対応する前記ゲーム媒体の認識を行う
ことができる。
【0010】
また、第1の発明において、コンピュータを、
前記通信手段が受信した前記画像データが複数の場合、複数の前記画像データそれぞれに対応する前記ゲーム媒体の中から、前記照合手段が照合に用いる前記ゲーム媒体を、前記ゲームをプレイする前記ユーザが選択したことを受け付ける受付手段、
として更に機能させ、
前記照合手段は、前記受付手段が受け付けた前記ゲーム媒体を前記特定ゲーム媒体と照合する
ことができる。
【0011】
第2の発明は、
上記第1の発明のゲームプログラムを記憶した記憶部と、前記ゲームプログラムを実行するコンピュータと、を備えるゲームシステムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ゲーム媒体は、被写体の特徴点に基づいて認識される。そして、前記ゲーム媒体とゲームの進行に必要な特定ゲーム媒体とが一致すると判断された場合、ゲームを進行させることができる。そのため、ユーザは、限られたゲーム空間内において前記特定ゲーム媒体を探すのではなく、現実空間にある被写体を前記ゲーム媒体として探すことになる。従って、前記特定ゲーム媒体の取得についてユーザの退屈感は抑えられ、ゲームの興趣性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態のゲームシステムにおけるサーバ装置およびゲーム装置それぞれのハードウェア構成および機能的構成を示すブロック図である。
図2】サーバ装置およびゲーム装置の動作の流れを表すフローチャートである。
図3】第2実施形態のゲームシステムにおけるサーバ装置およびゲーム装置それぞれのハードウェア構成および機能的構成を示すブロック図である。
図4】通信端末のハードウェア構成および機能的構成を示すブロック図である。
図5】サーバ装置、ゲーム装置および通信端末の動作の流れを表すフローチャートである。
図6】第3実施形態のゲームシステムにおけるサーバ装置およびゲーム装置それぞれのハードウェア構成および機能的構成を示すブロック図である。
図7】サーバ装置およびゲーム装置の動作の流れを表すフローチャートである。
図8】脱出ゲームの一例を示すゲーム画像例である。
図9図8のゲームにおいて取得したゲーム媒体を示すゲーム画像例である。
図10図8のゲーム画像中にあるオブジェクトの拡大図である。
図11図10において取得したゲーム媒体を示すゲーム画像例である。
図12】特定ゲーム媒体とその情報とが表示された画像例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1実施形態]
本発明の実施形態に係るサーバ装置2および複数のゲーム装置5を備えたゲームシステム1について、図面を参照して説明する。
【0015】
<ゲームの説明>
図1に示す実施形態のゲームシステム1では、サーバ装置2と複数のゲーム装置5とが、通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されている。
【0016】
本実施形態で説明するゲームは、前記ゲームシステム1にて実行されるオンラインゲームである。前記ゲームでは、ゲーム装置5のユーザは、ゲーム媒体を用いることにより、1または複数のプレイヤキャラクタを仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを敵キャラクタと対戦させたりする。
【0017】
ゲーム媒体とは、ゲームに関する要素を表した電子データである。前記ゲーム媒体には、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、その他不特定の物品(雑具、食物など)および動植物を含む)が含まれる。また、ゲーム媒体には、プレイヤキャラクタやアイテムの特性パラメータ(攻撃力、防御力など)を強化するための素材などが含まれる。
【0018】
前記ゲーム媒体は、画像データにおける被写体の特徴点に基づいて特定される。ゲーム装置5のユーザの操作により撮影された被写体は、画像データとしてゲーム装置5内に保存される。
【0019】
ゲーム装置5のユーザは、自己のゲーム装置5内に保存されている画像データの中から目的の画像データを選択して、該画像データをサーバ装置2へ送信することができる。
【0020】
ここで、特定ゲーム媒体とは、前記ゲームが進行する過程で、ゲームの進行に必要なアイテムとして前記ゲームがユーザに対して取得を要求する特定のゲーム媒体を指す。
【0021】
前記ゲームにおいて、特定ゲーム媒体の取得を要求されたユーザが、ゲーム装置5を操作して、複数のゲーム媒体の中から特定ゲーム媒体ではないかと推測するゲーム媒体を選択したとする。この場合、サーバ装置2は、ゲーム媒体と前記特定ゲーム媒体とを照合する。前記ゲーム媒体と前記特定ゲーム媒体とが一致していると判断された場合、ゲーム進行が許可される。
【0022】
このようなゲームは、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなどのゲーム装置5を用いて実行される。
【0023】
<ゲームシステム1の概要>
図1に示すように、ゲームシステム1は、サーバ装置2および複数のゲーム装置5にて構成される。本実施形態では、ゲームシステム1が、いわゆるネイティブアプリである場合を例示する。
【0024】
サーバ装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、各ゲーム装置5(下記のアカウント情報毎)のゲームデータの管理を行う。
【0025】
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介してサーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。また、ゲーム装置5は、サーバ装置2からアップデート用のゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。
【0026】
なお、ゲーム装置5は、ゲームを進行するにあたり、先ずはサーバ装置2にログインする。各ユーザには、異なるアカウント情報が割り当てられており、アカウント情報には、ユーザ毎の識別情報(ユーザID)およびパスワードが含まれる。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置5から通信ネットワーク6を介してサーバ装置2に送信される。
【0027】
サーバ装置2は、送信されたアカウント情報に基づき、アクセスのあったゲーム装置5に対してユーザ認証を行う。
【0028】
ユーザ認証が完了したゲーム装置5は、サーバ装置2と通信が可能となり、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)がサーバ装置2から送られる。ゲーム装置5は、前記データを受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ61およびスピーカ62に出力しながら、ゲームを進行させる。
【0029】
なお、ゲーム進行状況に関するデータは、ゲーム装置5のログイン時およびゲーム進行の所定のタイミング(アイテム消費、ゲーム課題クリアなどのデータ更新時)において、ゲーム装置5からサーバ装置2に送信される。
【0030】
このように、ゲームシステム1では、所定のタイミングでサーバ装置2とゲーム装置5とが通信ネットワーク6を介して相互に通信を行う。これにより、サーバ装置2とゲーム装置5とで同期を取りながらゲームが進行される。
【0031】
<ハードウェア構成>
以下、サーバ装置2のハードウェア構成、および、ゲーム装置5のハードウェア構成について説明する。
【0032】
<サーバ装置2の構成>
サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0033】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介して各ゲーム装置5と通信可能に接続される。ネットワークインターフェース21を介して、ゲーム装置5へのゲームデータやゲームプログラムなどの送信、およびアカウント情報などのゲーム装置5からの受信が行われる。
【0034】
記憶部22は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。具体的に、記憶部22には、各ユーザを照合するためのアカウント情報、各ユーザのログイン履歴、ゲームプログラム、ゲームデータ、ゲームプログラム以外の各種プログラムなどが格納されている。ゲームデータには、アカウント情報毎のゲーム進行状況に関する情報の他、前記特定ゲーム媒体などが含まれる。
【0035】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、サーバ装置2自身の動作を制御する。
【0036】
<サーバ装置2の制御部23の機能的構成>
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、指示手段232、認識手段233、照合手段234、許可手段235、配信手段236として機能する。
【0037】
情報処理手段231は、ゲームプログラムの配信に必要なデータを、ゲーム装置5との間で送受信する。情報処理手段231が受信する前記データとしては、前記画像データ、ダウンロード要求情報およびアカウント情報が挙げられる。前記ダウンロード要求情報としては、ゲームプログラムのダウンロード要求が挙げられる。
【0038】
情報処理手段231が送信する前記データとしては、ゲームプログラムをゲーム装置5が受信したかを確認するための情報が挙げられる。
【0039】
指示手段232は、ゲームの進行状況に応じた前記特定ゲーム媒体を、前記記憶部22に格納されている複数の前記特定ゲーム媒体の中から選択する。指示手段232は、選択された前記特定ゲーム媒体の取得指示をゲーム装置5へ送信する。
【0040】
認識手段233は、サーバ装置2が受信した画像データにおける被写体の特徴点を抽出する。認識手段233は、前記特徴点に基づいてゲーム媒体を認識する。なお、前記特徴点の情報およびその特徴点に紐付くゲーム媒体は、記憶部22に格納されている。
【0041】
照合手段234は、認識手段233により認識された前記ゲーム媒体と、指示手段232により取得指示された前記特定ゲーム媒体とを照合する。
【0042】
許可手段235は、照合手段234により前記ゲーム媒体と前記特定ゲーム媒体とが一致すると判断された場合、ゲームの進行を許可する。一方、許可手段235は、照合手段234により前記ゲーム媒体と前記特定ゲーム媒体とが不一致である判断されたときは、ゲームの進行を許可しない。
【0043】
配信手段236は、情報処理手段231がゲームプログラムのダウンロード要求情報およびユーザのアカウント情報を受信した後、ゲームプログラムおよび受信したアカウント情報に対応するゲームデータを、ゲーム装置5へ送信する。配信手段236は、指示手段232が選択した前記特定ゲーム媒体の情報をゲーム装置5へ送信する。
【0044】
<ゲーム装置5の構成>
ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62、タッチパッド63およびカメラ64が外部接続または内蔵される。ゲーム装置5は、サーバ装置2から受信したゲームプログラムおよびゲームデータに基づいてゲームを進行させる。
【0045】
ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、画像処理部55、記憶部58および制御部57を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54画像処理部55および記憶部58は、バス59を介して制御部57と電気的に接続されている。
【0046】
ネットワークインターフェース51は、各ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
【0047】
グラフィック処理部52は、制御部57から出力されるゲーム画像情報に従って、プレイヤキャラクタおよびゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式または静止画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61と接続されており、描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
【0048】
オーディオ処理部53は、制御部57の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。オーディオ処理部53はスピーカ62と接続されており、再生および合成されたゲーム音声は、スピーカ62から出力される。
【0049】
操作部54は、タッチパッド63と接続され、操作入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。例えば、ユーザは、タッチパッド63をタッチすることで、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
【0050】
画像処理部55は、カメラ64と接続され、カメラ64で撮影された被写体の画像データに対し画像処理を施す。
【0051】
制御部57は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置5の動作を制御する。
【0052】
記憶部58は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部58は、サーバ装置2からダウンロードしたゲームプログラムおよびゲームデータを記憶することができる。記憶部58には、他のゲーム装置5に送信するための、自装置5および他のゲーム装置5のアカウント情報なども記憶される。特に、記憶部58には、サーバ装置2から受信した前記特定ゲーム媒体やその情報、および画像処理部55により画像処理が施された画像データも記憶される。
【0053】
<ゲーム装置5の制御部57の機能的構成>
制御部57は、前記ゲームプログラムを実行することにより、通信手段571、ゲーム進行手段572、指示取得手段573、表示制御手段574、選択手段575および報知制御手段576として機能する。
【0054】
通信手段571は、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。通信手段571は、アカウント情報、および、ユーザの操作に基づく新たなゲームデータのダウンロード要求情報を、サーバ装置2に送信する。通信手段571は、ダウンロード要求情報に応じてサーバ装置2から送られてきた新たなゲームデータや、サーバ装置2にて選択された特定ゲーム媒体の情報などを受信する。
【0055】
ゲーム進行手段572は、ゲームデータに含まれるゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを読み出し且つゲームプログラムを実行して、二次元または三次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が表示される。
【0056】
例えば、ゲーム進行手段572は、ゲーム画像上にプレイヤキャラクタを配置させる。ゲーム進行手段572は、ゲームの進行状況の下、ユーザのタッチパッド63の操作の内容を表す操作信号に応じて、前記プレイヤキャラクタを動かす制御を行う。
【0057】
指示取得手段573は、前記タッチパッド63を介してユーザが入力した各種指示を取得する。例えば、ユーザにより前記画像データの送信要求が入力された場合、指示取得手段573は、当該入力に応じて、サーバ装置2に送信するための前記画像データの送信要求を生成する。
【0058】
表示制御手段574は、サーバ装置2の指示手段232により指示された特定ゲーム媒体およびその情報をディスプレイ61上に表示させる。
【0059】
選択手段575は、ユーザの操作に応じて画像データを選択し、通信手段571を介してサーバ装置2へ送信する。
【0060】
報知制御手段576は、サーバ装置2から受信した情報を、ディスプレイ61やスピーカ62を介してユーザに報知させる。例えば、報知制御手段576は、サーバ装置2の許可手段235が前記特定ゲーム媒体と前記ゲーム媒体とを照合した結果を、画像および音の少なくともいずれか1つによりディスプレイ61およびスピーカ62を介してユーザに報知させる。
【0061】
<ゲーム媒体の認識および照合について>
主に、認識手段233によって行われる画像データからのゲーム媒体の認識処理、および照合手段234によって行われる前記ゲーム媒体と特定ゲーム媒体との照合処理について詳述する。
【0062】
いわゆる「脱出ゲーム」と呼ばれるゲームは、ゲーム画像に閉じられた空間が表示され、その空間内に配置されたオブジェクトの中から、該空間から脱出するための必要なアイテムを探して入手するものである。
【0063】
例えば、図8に示すようにプレイ中のゲーム画像には部屋aが表示され、部屋aにはドアa1、本棚a2、金庫a3、テーブルa4および椅子a5のそれぞれを表すオブジェクトが配置されている。この場合、プレイヤキャラクタがドアa1を開けて部屋aから脱出することを、ゲームクリアの目的とする。
【0064】
しかし、ドアa1は鍵がかけられているので、部屋a内にある様々な情報を利用してその鍵の入手を行わなければならない。そのため、ユーザは、部屋a内のオブジェクトa2〜a5に位置する各種のアイテムオブジェクトをタッチパッド63上でタッチして、鍵の入手に必要な情報を順番に入手していく必要がある。
【0065】
例えば、図8および図9に示すように、本棚のオブジェクトa2をタッチすると、ディスプレイ61にゲーム媒体「本」a6が表示されたとする。そして、本a6には、4桁の数字「5873」が記載されている。ユーザはこの4桁の数字「5873」を使用して次の情報を入手することになる。
【0066】
ユーザは、再度図8の画面をディスプレイ61に表示させて、図10にて数字「5873」との関連を示すオブジェクトをタッチしながら探していく。金庫のオブジェクトa3がタッチされると、ディスプレイ61には金庫のオブジェクトa3のダイヤルa7が表示される(図10)。そして、ユーザの操作により前記数字「5873」が順に入力されると、金庫のオブジェクトa3が開いて、プレイヤキャラクタはゲーム媒体「鍵」a8を入手できる(図11)。
【0067】
これにより、プレイヤキャラクタは、鍵a8を使用してドアa1を開け、部屋aから脱出できるというものである。
【0068】
このようなゲームは、「本」や「鍵」といった、ゲームの進行に必要な特定のゲーム媒体を探すという興趣性を有している。
【0069】
ところが、前記特定ゲーム媒体は、ゲーム空間(ゲーム画面)内に隠されている位置や種類が予め設定されているため、ユーザはゲーム空間内でのみしかゲームをプレイすることができない。
【0070】
従って、特定ゲーム媒体の取得方法のバリエーションが乏しくなり、ユーザは何度もプレイしているうちに退屈感を覚える可能性がある。
【0071】
そこで、本実施形態では、ゲームの進行に必要な前記特定ゲーム媒体として、現実世界に実際に存在する被写体を映した画像を利用することとした。
【0072】
具体的には、指示手段232は前記特定ゲーム媒体の取得をユーザに対して要求(指示)する。前記特定ゲーム媒体とその情報は、ゲーム装置5のディスプレイ61に表示される。
【0073】
ゲーム装置5のユーザは、前記特定ゲーム媒体が示す対象物(物品や動植物など)を現実世界から探すと、これを被写体としてカメラ64により撮影する。
【0074】
ここで、前記特定ゲーム媒体の情報とは、特定ゲーム媒体が表す対象物(物品や動植物など)が現実社会に実在する物などである場合には、その名称などとする。しかし、特定ゲーム媒体が表す対象物が、実在しないいわば架空の物品や動植物であったり、入手しにくい物品や動植物であったりする場合、特定ゲーム媒体の情報は、それらに関連した情報であることができる。
【0075】
たとえば、図12では、ディスプレイ61に、特定ゲーム媒体としての「木の妖精」a9と、特定ゲーム媒体の情報としての名称「木」a10とが表示されている。つまり、図12では、特定ゲーム媒体の情報である名称「木」a10が、ゲームを進めるのに必要なアイテムの名称を表していることとなる。従って、ユーザは、現実社会に実在する木を被写体として、カメラ64により撮影する。
【0076】
撮影された被写体の画像データは、ゲーム装置5の記憶部58に保存される。ユーザの操作により、選択手段575は、記憶部58に保存されている複数の画像データの中から任意の画像データを選択し、選択した画像データをサーバ装置2へ送信する。
【0077】
認識手段233は、サーバ装置2に送信された前記画像データから、その画像に写し出されている被写体の特徴点を抽出し、抽出した特徴点に対応するゲーム媒体を認識する。
【0078】
たとえば、図12では、認識手段233は、「木」を被写体とする画像データから、木の特徴点を抽出して、その特徴点に基づいて「木の妖精」をゲーム媒体として認識する。
【0079】
なお、前記特徴点は、被写体の形状および色彩以外に、模様やその被写体特有の部分の形状、色彩および模様も含まれる。
【0080】
照合手段234は、認識手段233により認識された前記ゲーム媒体と、指示手段232が指示した前記特定ゲーム媒体とを照合する。照合手段234は、前記照合の結果から前記ゲーム媒体と前記特定ゲーム媒体との一致または不一致を判断する。
【0081】
たとえば、図12では、照合手段234は、認識手段233が認識したゲーム媒体「木の妖精」と、ゲーム媒体「木の妖精」の基となる画像データが送られて来る前に指示手段232がゲーム装置5に指示していた前記特定ゲーム媒体「木の妖精」a9とを照合する。そして、照合手段234は、前記ゲーム媒体と前記特定ゲーム媒体とが一致していると判断する。
【0082】
許可手段235は、照合手段234が行った照合の結果に基づいて、前記ゲーム媒体と前記特定ゲーム媒体が一致していれば、ゲーム装置5にゲームの進行を指示する一方、不一致であれば、再度画像データの送信要求をゲーム装置5に送信する。
【0083】
<サーバ装置2とゲーム装置5とが行う処理の流れについて>
上述したサーバ装置2とゲーム装置5が行う処理の流れについて、図2を用いて説明する。
【0084】
ゲーム進行中に、サーバ装置2の指示手段232は、記憶部22内に格納された複数の特定ゲーム媒体の中からゲームの進行状況に応じた特定ゲーム媒体を選択する。指示手段232は、その特定ゲーム媒体の取得指示を、ゲーム装置5へ送信する(#1)。
【0085】
ゲーム装置5の表示制御手段574は、指示手段232により取得指示された前記特定ゲーム媒体およびその情報をディスプレイ61に表示させる(#2)。
【0086】
ゲーム装置5のユーザは、前記情報に基づいた被写体を探して、該被写体をカメラ64により撮影する(#3)。撮影された画像データは、ゲーム装置5の記憶部58に保存される(#4)。
【0087】
ユーザの操作に応じて、選択手段575は、記憶部58に保存された画像データから、前記特定ゲーム媒体の情報に対応するとユーザが推測する被写体の画像データを選択する(#5)。
【0088】
#5で選択された画像データは、指示取得手段573により送信要求が生成されたのち、サーバ装置2へ送信される(#6)。
【0089】
認識手段233は、サーバ装置2が受信した前記画像データにおける被写体の特徴点を抽出したのち(#7)、その特徴点に基づいてゲーム媒体を認識する(#8)。
【0090】
次いで、照合手段234は、前記認識手段233により認識されたゲーム媒体と、#1でゲーム装置5に送信された(即ち、前記指示手段232により指示された)特定ゲーム媒体とを照合する(#9)。
【0091】
#8で認識手段233により認識されたゲーム媒体と、#1でゲーム装置5に送信された特定ゲーム媒体とが一致すると判断された場合(#10のYES)、許可手段235は、ゲームの進行許可をゲーム装置5へ送信する(#11)。このとき、ゲーム装置5のゲーム進行手段572はゲームの進行を再開させる(#12)。
【0092】
一方、#8で認識手段233により認識されたゲーム媒体と、#1でゲーム装置5に送信された特定ゲーム媒体とが不一致であると判断された場合(#10のNO)、許可手段236は、ゲーム装置5へ画像データの選択指示を送信する。このとき、ゲーム装置5のユーザの操作に応じて、選択手段575は、再度#1の特定ゲーム媒体の情報に対応するとユーザが推測する被写体の画像データを選択し(#5)、サーバ装置2へ送信する(#6)。
【0093】
そのあと、サーバ装置2およびゲーム装置5は、#7以降の工程を繰り返す。
【0094】
以上をまとめると、本実施形態のゲームプログラムは、サーバ装置2の制御部23(コンピュータ)を、ゲームの進行に必要なゲーム媒体である特定ゲーム媒体の取得指示を行う指示手段232と、前記特定ゲーム媒体の取得指示後に、画像データにおける被写体の特徴点に基づいて前記特徴点に対応する前記ゲーム媒体を認識する認識手段233と、認識された前記ゲーム媒体と前記特定ゲーム媒体とを照合する照合手段234と、認識された前記ゲーム媒体が前記特定ゲーム媒体と一致する場合、認識された前記ゲーム媒体を前記特定ゲーム媒体として、前記ゲームの進行を許可する許可手段235と、として機能させることを特徴とするゲームプログラムである。
【0095】
<発明の効果>
本実施形態のゲームプログラムによれば、ゲーム媒体は、認識手段233により画像データにおける被写体の特徴点に基づいて認識される。そして、前記ゲーム媒体と、指示手段232により取得指示された特定ゲーム媒体とが一致すると照合手段234により判断された場合、許可手段235はゲームの進行を許可する。そのため、ユーザは限られたゲーム空間内に存在する前記特定ゲーム媒体ではなく、現実空間内の前記特定ゲーム媒体の情報に基づく被写体を探すことになる。従って、前記特定ゲーム媒体の種類とその取得方法のバラエティが広がり、ユーザの退屈感を抑えられ、ゲームの興趣性は向上する。
【0096】
[第2実施形態]
本実施形態では、前記ゲームをプレイしているユーザのみならず、プレイ中のゲームを通信ネットワーク6を介して視聴する第三者も当該ゲームに参加することができるいわゆる「ゲーム実況」の場合について説明する。
【0097】
図3に示すように、本実施形態では、通信ネットワーク6を介してサーバ装置2に1以上の通信端末7,7,…7とゲーム装置5とが接続される。本実施形態におけるサーバ装置2の制御部23は、上記第1実施形態で説明したサーバ装置2における制御部23の各種機能に加えて、通信手段237としても機能する。本実施形態におけるゲーム装置5は、上記第1実施形態で説明したゲーム装置5の構成に加えて、音声入力処理部56とマイク65とを有する。これらの相違点以外、上記第1実施形態と同様である。
【0098】
<サーバ装置2の制御部23の機能的構成>
即ち、制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、指示手段232、認識手段233、照合手段234、許可手段235、配信手段236および通信手段237として機能する。
【0099】
通信手段237は、ゲーム装置5の進行中のゲーム画像を複数の第三者がリアルタイムで視聴可能なように、当該ゲーム画像を、通信ネットワーク6を介して通信端末7,7,…7へ送信する。通信手段237は、通信端末7から送信されてきた画像データを受信する。また、通信手段237は通信端末7から受信した画像データをゲーム装置5へ送信する。
【0100】
また、通信手段237は、サーバ装置5のユーザと通信端末7,7,…7のユーザとが意思疎通可能なように、ゲーム装置5と通信端末7,7…7間、および通信端末7,7…7同士で音声データを送受信する。
【0101】
情報処理手段231、指示手段232、認識手段233、照合手段234、許可手段235および配信手段236は、上記第1実施形態と同様である。
【0102】
<ゲーム装置5の構成>
ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62、タッチパッド63、カメラ64およびマイク65が外部接続または内蔵される。
【0103】
ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、画像処理部55、音声入力処理部56、記憶部58および制御部57を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、画像処理部55、音声入力処理部56、および記憶部58は、バス59を介して制御部57と電気的に接続されている。
【0104】
音声入力処理部56は、マイク65と接続され、マイク5から入力された音声を音声データに変換する。
【0105】
ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、画像処理部55、記憶部58および制御部57は上記第1実施形態と同様である。
【0106】
<通信端末7の構成>
通信端末7には、図4に示すように、ディスプレイ81、スピーカ82、タッチパッド83、カメラ84およびマイク85が外部接続または内蔵される。
【0107】
さらに、通信端末7は、ネットワークインターフェース71、グラフィック処理部72、オーディオ処理部73、操作部74、画像処理部75、音声入力処理部76、記憶部78および制御部77を有する。ネットワークインターフェース71、グラフィック処理部72、オーディオ処理部73、操作部74、画像処理部75、音声入力処理部76および記憶部78は、バス79を介して制御部77と電気的に接続されている。
【0108】
ネットワークインターフェース71は、各通信端末7とサーバ装置2、各通信端末7とゲーム装置5、の間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
【0109】
グラフィック処理部72は、ネットワークインターフェース71を介して、サーバ装置2から送信されるゲーム装置5におけるゲーム進行中のゲーム画像をディスプレイ81に表示する。グラフィック処理部72は、例えば液晶型であるディスプレイ81と接続されており、描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ81上に表示される。
【0110】
オーディオ処理部73は、ゲーム装置5のゲーム進行中の音声を再生する。オーディオ処理部73はスピーカ82と接続されており、ゲーム音声は、スピーカ82から出力される。
【0111】
操作部74は、タッチパッド83と接続され、操作入力に関するデータをタッチパッド83との間で送受信する。例えば、ユーザは、タッチパッド83を操作することで、カメラ84のカメラ機能を起動させ、撮影する。
【0112】
画像処理部75は、カメラ84と接続され、カメラ84で撮影された被写体の画像データに対し画像処理を施す。
【0113】
音声入力処理部76は、マイク85と接続され、マイク85から入力された音声を音声データに変換する。
【0114】
制御部77は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置7の動作を制御する。
【0115】
記憶部78には、カメラ84により撮影された被写体の画像データなどが記憶される。
【0116】
<通信端末7の制御部77の機能的構成>
制御部77は、前記ゲームプログラムを実行することにより、通信手段771、選択手段7772として機能する。
【0117】
通信手段771は、ネットワークインターフェース71を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。通信手段771は、アカウント情報、ゲーム装置5における進行中のゲームへの参加要求情報、および記憶部78に記憶されている画像データをサーバ装置2に送信する。通信手段771は、マイク85から入力された音声データをサーバ装置2へ送信する。
【0118】
また、通信手段771は、サーバ装置2から送信されたゲーム装置5における進行中のゲーム画像および音声データを受信する。なお、通信手段7,7,…7同士も、通信ネットワーク6または近距離無線通信装置(図示せず)を用いて、サーバ装置2を介し互いにデータ通信を行うことができる。
【0119】
選択手段772は、通信端末7のユーザの操作に応じて画像データの選択を実行し、通信手段771を介してサーバ装置2へ送信する。
【0120】
<サーバ装置2、ゲーム装置5および通信端末7が行う処理の流れについて>
上述したサーバ装置2、ゲーム装置5および通信端末7が行う処理について、図5を用いて説明する。
【0121】
サーバ装置2は、ゲーム装置5へプレイ中のゲーム画像のアップロード要求を送信する(#101)。このとき、ユーザの操作によりゲーム装置5がサーバ装置2へゲーム画像の表示許可を送信すると(#102)、サーバ装置2は、そのゲーム画像を通信ネットワーク6を介してアップロードする(#103)。通信端末7は、進行中のゲーム画像をディスプレイ81に表示させる(#104)。
【0122】
通信端末7,7,…7のユーザの操作に基づき、ゲーム装置5において進行中のゲームに参加する旨のゲーム参加要求がサーバ装置2へ送信されると(#105)、サーバ装置2は参加要求のあった各通信端末7,7,…7のアカウント情報を確認し、確認済みの各通信端末7,7,…7にゲーム参加の許可を送信する(#106)。それを受信した通信装置7,7,…7のユーザは該ゲームに参加可能となり(#107)、通信手段237によりゲーム装置5のユーザと意思疎通可能なように音声を含む入力情報を送受信できる。
【0123】
サーバ装置2の指示手段232は、ゲーム進行中に、記憶部22内に格納された特定ゲーム媒体の中からゲームの進行状況に応じた1以上の特定ゲーム媒体を選択する。そして指示手段232は、特定ゲーム媒体の取得指示をゲーム装置5へ送信する(#108)。
【0124】
ゲーム装置5の表示制御手段574は、前記特定ゲーム媒体をディスプレイ61に表示させる(#109)。このとき、当該ゲームに参加している通信端末7,7,…7のディスプレイ81には、通信手段237によりステップ#104以降継続してリアルタイムにゲーム画像が表示されているので、前記特定ゲーム媒体もディスプレイ81に表示されている。
【0125】
選択手段772は、自端末7,7,…7のユーザの操作により、カメラ84で撮影(#110)された被写体の画像データまたは自端末7に保存されている画像データから、前記特定ゲーム媒体の情報に対応しているとユーザが推測する被写体が写し出された1以上の画像データを選択する(#111)。
【0126】
選択手段772により選択された画像データはサーバ装置2へ送信される(#112)。この画像データは、通信手段237によりゲーム装置5へ送信されたのち(#113)、ゲーム装置5のディスプレイ61に表示される(#114)。
【0127】
一方で、サーバ装置2の認識手段233は、通信手段237が受信した画像データにおける被写体の特徴点を抽出し(#115)、その特徴点に基づいてゲーム媒体を認識する(#116)。
【0128】
照合手段234は、前記認識手段233により認識されたゲーム媒体と、#108で送信済みの(即ち、前記指示手段232により指示された)特定ゲーム媒体との照合を行う(#117)。
【0129】
許可手段235は、照合手段234により前記ゲーム媒体と前記特定ゲーム媒体とが一致している判断された場合(#118のYES)、ゲームの進行許可をゲーム装置5へ送信する(#119)。このとき、ゲーム装置5のゲーム進行手段572はゲームの進行を再開させる(#120)。
【0130】
一方、許可手段235は、照合手段234により前記ゲーム媒体と前記特定ゲーム媒体とが不一致であると判断された場合(#118のNO)、再度#111において、画像データの選択を要求する。そのあと、通信端末7,7,…7、サーバ装置2およびゲーム装置5は、#111以降の工程を繰り返す。
【0131】
以上をまとめると、本実施形態のゲームプログラムは、前記第1実施形態におけるサーバ装置2の制御部23(コンピュータ)に、進行中のゲーム画像を複数のユーザそれぞれがリアルタイムで視聴可能なように前記ゲーム画像を送信し、かつ、前記ユーザ同士が意思疎通可能なように各前記ユーザが入力した情報を送受信し、さらに、各前記ユーザからの前記画像データの受信を可能とする通信手段237と、として更に機能させ、認識手段233は、通信手段237が受信した前記画像データを用いて、前記特徴点に対応する前記ゲーム媒体の認識を行うものである。
【0132】
<発明の効果>
本実施形態のゲームプログラムによれば、通信端末7のユーザは通信ネットワーク6を介してゲーム装置5の進行中のゲーム画像を視聴し、ゲーム装置5のユーザと音声により意思疎通を図ることができる。また、通信端末7のユーザは自端末7に保存されている画像データをサーバ装置2へ送信することができる。そのため、ゲーム装置5のユーザは、複数の通信端末7の第三者と協力しながらゲームを進行させることができる。よって、ゲームの興趣性が向上する。
【0133】
[第3実施形態]
本実施形態では、第2実施形態にて、通信端末7,7,…7のユーザそれぞれから複数の画像データがサーバ装置2に送信された場合を想定する。その上で、本実施形態では、ゲーム装置5のユーザの操作に基づいて、前記複数の画像データそれぞれに対応するゲーム媒体の中から特定ゲーム媒体と一致するか否かの照合に用いるゲーム媒体を選択することが可能な場合について説明する。
【0134】
図6に示すように、本実施形態におけるサーバ装置2の制御部23は、上記第2実施形態で説明したサーバ装置2における制御部23の各種機能に加えて、受付手段238としても機能する。この相違点以外、例えばゲーム装置5の構成などは、上記第2実施形態と同様である。
【0135】
<サーバ装置2の制御部23の機能的構成>
即ち、制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、指示手段232、認識手段233、照合手段234、許可手段235、配信手段236、通信手段237および受付手段238として機能する。
【0136】
受付手段238は、通信端末7,7,…7から通信手段237が受信した複数の画像データそれぞれに対応するゲーム媒体の中から、照合手段234が照合に用いる前記ゲーム媒体を、ゲームをプレイするゲーム装置5のユーザが選択したことを受け付ける。
【0137】
情報処理手段231、指示手段232、認識手段233、照合手段234、許可手段235、配信手段236および通信手段237は、第2実施形態と同様である。
【0138】
<サーバ装置2、ゲーム装置5および通信端末7が行う処理の流れについて>
上述したサーバ装置2、ゲーム装置5および通信端末7が行う処理について、図7を用いて説明する。
【0139】
サーバ装置2によるゲーム装置5へのアップロード要求送信(#201)から、通信端末7からサーバ装置2への画像データの送信(#212)までの工程は、上記第2実施形態の#101〜#112と同様である。
【0140】
サーバ装置2は、各通信端末7,7,…7から画像データを受信する(#213)。
【0141】
認識手段233は、サーバ装置2に送信された前記画像データそれぞれにおける被写体の特徴点を抽出し(#214)、その特徴点に基づいてゲーム媒体を認識する(#215)。
【0142】
一方で、認識されたゲーム媒体は、ゲーム装置5に送信される。表示制御手段574は、前記ゲーム媒体をディスプレイ61上に表示させる(#216)。つまり、図7では、各通信端末7,7,…7から画像データが個々に送信されてくる。サーバ装置2の認識手段233は、各画像データに対応するゲーム媒体を認識するので、ゲーム装置5のディスプレイ61上には、複数のゲーム媒体が表示される。
【0143】
次いで、ゲーム装置5のユーザの操作により、選択手段575は、#209で表示済みの前記特定ゲーム媒体の情報に対応するとユーザが推定するゲーム媒体を、表示された複数のゲーム媒体の中から選択する(#217)。選択されたゲーム媒体は、サーバ装置2に送信される。
【0144】
サーバ装置2の受付手段238は、ゲーム装置5のユーザにより選択された前記ゲーム媒体を受け付ける(#218)。
【0145】
照合手段234は、受付手段238が受け付けたゲーム媒体と、#208で指示手段232がゲーム装置5に指示していた特定ゲーム媒体との照合を行う(#219)。
【0146】
許可手段235は、照合手段234により前記ゲーム媒体と前記特定ゲーム媒体とが一致している判断された場合(#220のYES)、ゲームの進行許可をゲーム装置5へ送信する(#221)。このとき、ゲーム装置5のゲーム進行手段572はゲームの進行を再開させる(#222)。
【0147】
一方、許可手段235は、照合手段234により前記ゲーム媒体と前記特定ゲーム媒体とが不一致であると判断された場合(#220のNO)、ゲーム装置5に、再度ゲーム媒体の選択を要求する。
【0148】
そのあと、#17以降の工程が繰り返される。
【0149】
以上をまとめると、本実施形態のゲームプログラムは、前記第2実施形態において、コンピュータを、前記通信手段237が受信した前記画像データが複数の場合、複数の前記画像データそれぞれに対応する前記ゲーム媒体の中から、前記照合手段234が照合に用いる前記ゲーム媒体を、前記ゲームをプレイする前記ユーザが選択したことを受け付ける受付手段238、として更に機能させ、前記照合手段234は、前記受付手段238が受け付けた前記ゲーム媒体を前記特定ゲーム媒体と照合することができるものである。
【0150】
<発明の効果>
本実施形態におけるゲームプログラムによれば、ゲーム装置5のユーザの操作により、受付手段238は、通信端末7,7,…7から送信される複数の画像データに対応するゲーム媒体から選択手段575により選択された1のゲーム媒体を受け付ける。そのため、ユーザは複数の画像データから特定ゲーム媒体に一致すると判断されるゲーム媒体を選択することできる。従って、ゲーム装置5のユーザは通信端末7のユーザと意思疎通が図ることができる。よって、ゲーム興趣性は向上する。
【0151】
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であって、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0152】
ゲーム装置5の種類は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータに限定されない。例えば、ゲーム装置5は、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、Nintendo DS(登録商標)などの携帯型ゲーム機であってもよい。
【0153】
通信端末7の種類は、撮影機能と通信ネットワーク機能を有している機器であれば特に限定されない。通信端末7は、上記にて例示したゲーム装置5の種類のいずれかであってもよい。
【0154】
前記ゲームは、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、パズルゲームなど、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0155】
前記ゲーム媒体は、プレイヤキャラクタ、アイテム、強化素材などの他、カードやアバタなどを含むことができる。
【0156】
ゲーム装置5の台数は1台であってもよい。また、サーバ装置2は複数台設けられ、協働して同様の処理を行うようにしてもよい。
【0157】
前記第1〜3の実施形態では、認識手段233は、画像データにおける被写体の特徴点に対応するゲーム媒体を認識すると説明した。しかし、認識手段233は、画像データにおける被写体の特徴点に基づいて得られた情報から前記被写体そのものを特定ゲーム媒体として認識することができるとしてもよい。すなわち、認識手段233は、指示手段232により指示された特定ゲーム媒体が「はさみ」であれば、「はさみ」を被写体とする画像データをゲーム媒体として認識するとしてもよい。これにより、現実空間に存在する被写体そのものを前記特定ゲーム媒体とすることができ、ゲームの興趣性が向上する。
【0158】
前記1〜3の実施形態では、画像データはゲーム装置5のカメラ64および通信端末7のカメラ84により撮影された画像データであると説明したが、これに限定されない。他の手段により用意された画像データであってもよい。
【0159】
前記2〜3の実施形態では、画像データは、通信端末7,7,…7から送信される画像データであると説明した。前記画像データは、該画像データ内に通信端末7のユーザを特定するための情報(ID、タグなど)が付与されるものであってもよい。この場合、該画像データがどのユーザの通信端末7,7,…7から送信されたものかを前記ゲーム装置5のユーザは識別することができる。
【0160】
前記2〜3の実施形態では、通信手段237は、サーバ装置5のユーザと通信端末7,7,…7のユーザとが意思疎通可能なように、ゲーム装置5と通信端末7,7…7間、および通信端末7,7…7同士で音声データを送受信すると説明した。しかし、通信手段237は、音声データ以外にも、文字情報やユーザによるタッチパッド63およびタッチパッド83が操作された情報などの前記ユーザの間で意思疎通するための情報を送受信することができる。
【0161】
前記第2実施形態では、照合手段234は、画像データから認定されたゲーム媒体と特定ゲーム媒体とを#117にて照合すると説明した。複数の通信端末7,7,…7から特定ゲーム媒体の情報と一致する画像データをサーバ装置2が受信した場合、照合手段234は、最も早くサーバ装置2へ送信した通信端末7からの画像データを選択してもよい。
【0162】
前記第3実施形態では、#220のNOの場合、ゲーム装置5のユーザは、再度画像データを選択すると説明した。しかし、#220のNOの場合、通信端末7,7,…7がサーバ装置2に新たな画像データを送信してもよい。この場合、ゲーム装置5は、新たに送信されてきた前記画像データに対応するゲーム媒体を、ゲーム媒体の選択肢の1つとして追加することができる。このとき、サーバ装置2が複数の通信端末7,7,…7から特定ゲーム媒体に一致する画像データを受信した場合、ゲーム装置5のユーザは、最も早く送信された画像データに基づくゲーム媒体を選択できるようにしてもよいし、いずれの通信端末7,7,…7から送信された画像データに基づくゲーム媒体を使用するか選択できるようにしてもよい。
【0163】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0164】
2 サーバ装置
232 指示手段
233 認識手段
234 照合手段
235 許可手段
237 通信手段
238 受付手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12