(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されているような監視センタによる入出庫扉の閉操作は、利用者の乗入階からの退出が確実に確認できないため、安全上の問題は生じたままである。そして、監視センタを介して入出庫扉を閉めるため、迅速に入出庫扉の閉め忘れが解消できるとはいえない。また、音声案内は、マンション等の居住環境によっては好ましくない場合があり、音声案内を停止すると次の利用者が機械式駐車装置の状態を認識できない。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、乗入部の扉の閉め忘れが発生しても、扉の閉め忘れを迅速に解消できる、機械式駐車装置の制御装置、機械式駐車装置、及び機械式駐車装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明
の機械式駐車装
置及び機械式駐車装置の制御方法は以下の手段を採用する。
【0009】
本発明の第一態様に係る機械式駐車装置は、車両が乗り入れる乗入部と、前記乗入部へ前記車両が出入りするための扉と、前記扉が目視できる位置に設けられた操作盤と、前記扉の閉め忘れを検知する検知手段と、前記検知手段によって前記扉の閉め忘れが検知された場合に、前記操作盤を介して入力された認証情報に基づいて予め登録されている利用者か否かの認証を行う認証手段と
、前記扉の閉め忘れが検知された場合に、前記扉を閉め忘れた利用者に関する情報を記憶する記憶手段とを備え、前記扉の閉め忘れが検知された場合に、前記扉の開扉操作を行った利用者とは異なる利用者であって、前記認証に成功した利用者による閉扉操作を可能と
し、前記扉を閉め忘れた利用者が入庫操作又は出庫操作を行う場合に、前記操作盤に対して前記扉の閉め忘れを防止するための情報を表示させる。
本発明の第
二態様に係る機械式駐車装置の制御方法は、車両が乗り入れる乗入部と、前記乗入部へ前記車両が出入りするための扉と、前記扉が目視できる位置に設けられた操作盤とを備える機械式駐車装置の制御方法であって、前記扉の閉め忘れを検知する閉め忘れ検知工程と、前記扉の閉め忘れが検知された場合に、前記操作盤を介して入力された認証情報に基づいて予め登録されている利用者か否かの認証を行う認証工程と、
前記扉の閉め忘れが検知された場合に、前記扉を閉め忘れた利用者に関する情報を記憶する記憶工程とを有し、前記扉の閉め忘れが検知された場合に、前記扉の開扉操作を行った利用者とは異なる利用者であって、前記認証に成功した利用者による閉扉操作を可能と
し、前記扉を閉め忘れた利用者が入庫操作又は出庫操作を行う場合に、前記操作盤に対して前記扉の閉め忘れを防止するための情報を表示させる。
【0010】
本発明の参考例としての他の態様に係る機械式駐車装置の制御装置は、車両が載置されるパレットが格納部と乗入部との間で移動し、前記乗入部へ前記車両が出入りするための扉が閉め忘れられた場合に利用者によって該扉の閉操作が可能な機械式駐車装置であって、前記扉の閉め忘れを検知する検知手段と、前記検知手段によって前記扉の閉め忘れが発生した場合に、前記機械式駐車装置に対する操作が利用者によって入力される操作盤に、前記扉の閉操作を促す情報を表示させる表示指示手段と、を備える。
本構成にかかる機械式駐車装置は、車両が載置されるパレットが格納部と乗入部との間で移動する。乗入部へ車両が出入りするための扉の閉操作は、利用者によって行われる。このため、乗入部の扉の閉め忘れが発生する場合がある。また、本構成は、扉が閉め忘れられた場合に利用者によって該扉の閉操作が可能とされている。
【0011】
乗入部の扉の閉め忘れは、検知手段によって検知される。検知手段は、例えば、車両が出庫した後に扉が所定時間閉められない場合等に、扉が閉め忘れられたと検知する。
そして、扉の閉め忘れが検知された場合、表示指示手段によって、扉の閉操作を促す情報が操作盤に表示される。これにより、機械式駐車装置の次の利用者は、乗入部の扉の閉め忘れの発生を目視によって認識し、扉の閉操作を行うことができる。
従って、本構成は、乗入部の扉の閉め忘れが発生しても、扉の閉め忘れを迅速に解消できる。
【0012】
上記
他の態様では、閉め忘れられた前記扉は、予め登録されている前記利用者による閉操作が可能とされることが好ましい。
【0013】
本構成によれば、扉を閉操作する利用者が固定されているため、扉を閉じる際の安全性を高めることができる。
【0014】
上記
他の態様では、前記閉操作を行った前記利用者の車両の出庫が優先して実行されることが好ましい。
【0015】
本構成によれば、車両を出庫させる利用者による扉の閉操作が促進される。
【0016】
上記
他の態様では、前記操作盤が、前記扉に対して遠隔位置に設けられ、前記利用者による出庫予約又は入庫予約が可能とされることが好ましい。
【0017】
本構成によれば、乗入部の扉が閉められていない状態を、出庫予約又は入庫予約をする利用者が確実に認識可能となる。
【0018】
上記
他の態様では、前記操作盤が、前記利用者が所持し、利用者認証情報を信号化したID信号及び前記扉の閉操作信号を送信することができるリモコン送信機による操作の入力を受け付けることが好ましい。
【0019】
本構成によれば、扉の閉操作をより利用者にとって利便性の高いものにできる。
【0020】
上記
他の態様では、前記扉を閉め忘れた利用者が所有する予め登録された携帯端末装置へ、前記扉の閉め忘れに関する情報を送信することが好ましい。
【0021】
本構成によれば、利用者は自身が扉を閉め忘れたことを認識できる。
【0022】
上記
他の態様では、前記扉を閉め忘れた利用者に関する情報を記憶し、該利用者が前記機械式駐車装置に対する操作を行う場合に、前記操作盤に前記扉の閉め忘れを防止するための情報を表示させることが好ましい。
【0023】
本構成によれば、同じ利用者が扉の閉め忘れを繰り返すことを抑制できる。
【0024】
本発明の
参考例としての他の態様に係る機械式駐車装置は、車両が載置されるパレットを格納する格納部と、前記格納部との間で前記パレットが移動させる乗入部と、前記乗入部へ車両が出入りするための扉と、上記記載の制御装置と、を備える。
【0025】
本発明の
参考例としての他の態様に係る機械式駐車装置の制御方法は、車両が載置されるパレットが格納部と乗入部との間で移動し、前記乗入部へ前記車両が出入りするための扉が閉め忘れられた場合に利用者によって該扉の閉操作が可能な機械式駐車装置の制御方法であって、前記扉の閉め忘れを検知する第1工程と、前記扉の閉め忘れが検知された場合に、機械式駐車装置に対する操作が利用者によって入力される操作盤に、前記扉の閉操作を促す情報を表示させる第2工程と、を含む。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、乗入部の扉の閉め忘れが発生しても、扉の閉め忘れを迅速に解消できる、という優れた効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明に係
る機械式駐車装
置及び機械式駐車装置の制御方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0029】
図1は、機械式駐車場設備100の実施形態を示すエレベータ式の立体駐車場の縦断面図である。なお、本発明に係る制御装置及び制御方法は、以下に述べるエレベータ式の立体駐車場に限らず、複数の駐車スペースに搬送機で駐車車両を入出庫させる機械式駐車場設備100であれば、他の様々な形式のものにも幅広く適用することができる。また、機械式駐車場設備100は、複数の立体駐車場で構成されていてもよい。
【0030】
この立体駐車場とされた機械式駐車装置1は、複数の車両2を収容可能なタワー型の駐車塔3を備えている。駐車塔3の一階部分には車両2を入出庫させる入出庫口4が開設されている。入出庫口4には上下スライド式の入出庫扉4aが設けられている。
【0031】
駐車塔3の地上階は
図2にも示す乗入階7となっており、その床面には車両2の方向を転換させるターンテーブル8が設置されている。ターンテーブル8は、乗入階7の床面に形成された凹状のピット9内に旋回板10と旋回駆動部11が設けられた構成である。
【0032】
駐車塔3の中心部には垂直な昇降通路13が形成されており、この中にリフト14(エレベータ状のパレット搬送機)が上下に昇降可能に設けられている。リフト14は、例えば駐車塔3の上部に設けられた図示しないウインチから下方に延びる4組のワイヤロープ15に四隅を吊持され、上記ウインチが起動することにより昇降通路13内を上下に昇降することができる。
【0033】
一方、昇降通路13の両側には車両格納棚17が設けられている。この車両格納棚17は、昇降通路13を挟むようにして上下に多階層状に設けられており、それぞれの車両格納棚17には車両2を積載するためのパレット18が1枚ずつ収容されている。なお、車両格納棚17の支柱等は図示が省略されている。
【0034】
リフト14と車両格納棚17の床面には、リフト14と車両格納棚17との床面の高さが一致した時に、空荷のパレット18(以下「空パレット」という。)、又は車両2が積載されたパレット18(以下「実パレット」という。)を、リフト14から車両格納棚17に、又は車両格納棚17からリフト14に、スムーズに受け渡すことができる図示しない受渡機構が設けられている。
【0035】
車両2の入庫時は、まず空パレットが収容されている車両格納棚17から、リフト14によって空パレットが乗入階7に降ろされ、このパレット18に車両2が乗り上げて、そのままパレット18ごとターンテーブル8によって90°方向転回された後、リフト14で昇降通路13を上昇し、車両格納棚17に収容される。
【0036】
また、出庫時は、出庫する車両2が収容されている車両格納棚17の高さまでリフト14が上昇し、パレット18ごと出庫車両がリフト14に引き取られ、そのままパレット18はリフト14によって乗入階7に降ろされ、出庫車両が入出庫口4から出庫する。
【0037】
図2は、乗入階7を示す斜視透視図である。外側から見て、入出庫口4に向かって左側に非常用出入口20があり、入出庫口4の上部に青と赤のランプを備えた入庫管制灯21が設けられている。また、入出庫口4の上部には、入庫又は出庫させる車両2の利用者を特定する情報(以下「利用者番号」という。)を表示する利用者番号表示器60が設けられている。
さらに、入出庫口4に向かって右側に操作盤22が設けられている。
【0038】
操作盤22は、利用者が各自で、利用者認証と、入出庫予約と、入出庫扉4aの開閉操作等を含む機械操作とを行う入力部である。さらに、操作盤22の上方の壁面等に、緑、黄、赤の3色を有する三色灯23が設置されている。
【0039】
乗入階7の内部には、中央部にパレット18が配置されるスペースがあり、入出庫口4の正面の壁には車両2の位置をドライバーが確認するための鏡24と、「前進」、「停車」、「後退」の指示を行う電光式の停車位置指示灯25が設けられている。また、乗入階7の両側面の壁には、車両2の大きさや前後位置を検知するための人感・車両センサ26,27や、非常停止ボタン28等が設けられている。停車位置指示灯25は、人感・車両センサ26,27により検知される車両位置のデータに基づいて、車両2のドライバーに車両位置の指示を行う。
【0040】
さらに、
図1、
図2及び
図8に示すように、乗入階7の内部等に、この機械式駐車装置1の全体の制御を行う立駐制御装置(CPU)30が設置されている。立駐制御装置30は、入出庫口4、ターンテーブル8、リフト14等による一連の入出庫動作(機械操作)を実行する装置である。立駐制御装置30には操作盤22が接続されており、操作盤22と情報を交換しながら入出庫操作を実行する。
【0041】
図3に示すように、操作盤22は、手前側に開口する筐体33と、この筐体33の開口部を覆う開閉可能な蓋34とを備えており、筐体33の内部には、
図4に示すように、例えばタッチパネル式の液晶画面である操作画面35(表示部35aと入力部35bとを備える)と、認証用のトランスポンダリーダー36と、非常停止ボタン37等とが配置されている。操作画面35を使用しない時には、蓋34を閉じることで操作画面35を外部から覆い、内部を保護することができる。
【0042】
また、蓋34には、引き開けるための取手を兼ねるとともに、蓋34を施錠するための施錠部38が設けられている。施錠部38は、蓋34が閉められると同時に施錠されるオートロック形式であるが、立駐制御装置30からの解錠信号を受けると、図示しないソレノイド等の駆動機構によって解錠されるように構成されている。さらに、施錠部38は、蓋34の開閉状態を立駐制御装置30に出力することができる。
【0043】
施錠部38は、そのキーシリンダ38aに、詳細を後述する
図7に示すリモコン送信機50に内蔵された専用の機械式キー56を差し込んで捻ることにより、手動で解錠及び施錠することができる。また、リモコン送信機50を用いれば、立駐制御装置30から解錠司令を出力させて自動解錠させることができる。さらに、蓋34には、施錠部38の解錠時に緑色に点灯し、施錠時に赤色に点灯する施錠灯39と、ディスプレイ画面41(表示部)等が設置されている。また、例えば筐体33の下面にLF送信アンテナ46(リモコン照合信号送信部)と利用者検知部47とが設けられている。
【0044】
LF送信アンテナ46は、LF信号であるリモコン照合信号SDを送信する。このリモコン照合信号SDは、リモコン送信機50に対して認証(ID)を問い合わせる信号であり、この信号の最大到達距離は、操作盤22の直近に居る利用者の位置まで、例えば0.5〜1メートル程度に設定されている。
利用者検知部47は、例えば人感センサであり、利用者や車両2が操作盤22の正面に停止したことを検知し、後述するようにLF送信アンテナ46にリモコン照合信号SDを送信させるトリガー信号を発信する。
【0045】
また、操作盤22にはRF受信アンテナ48が設けられている。このRF受信アンテナ48は、利用者が所持しているリモコン送信機50から発信される各種のリモコン信号SA,SB,SCを受信する。
【0046】
操作盤22のトランスポンダリーダー36は、電磁波EMWを発信しながら、リモコン送信機50が所定の距離以内に接近した時に、リモコン送信機50のトランスポンダから送信される無電源認証信号SEを受信するようになっている。
【0047】
そして、操作盤22は、RF受信アンテナ48によるリモコン信号SAの受信、又はトランスポンダリーダー36による無電源認証信号SEの受信が行われることによってユーザー認証を行うことができる。
【0048】
図5は、出庫予約盤22B(操作盤)を示す斜視図である。出庫予約盤22Bは、利用者による出庫予約を受け付ける操作盤である。出庫予約盤22Bは、
図1に示す機械式駐車装置1(駐車塔3)の入出庫扉4aに対して遠隔位置にある、例えばマンションのロビー等に設けられている。なお、遠隔位置とは、乗入階7の入出庫扉4aが視認できない位置でもある。
【0049】
出庫予約盤22Bには、タッチパネル式のディスプレイ画面41Bと、トランスポンダリーダー36Bと、LF送信アンテナ46Bと、RF受信アンテナ48Bと、利用者検知部47Bとが設けられている。
【0050】
LF送信アンテナ46Bは、利用者が所持するリモコン送信機50に対して認証(ID)を問い合わせるリモコン照合信号SDを送信し、その最大到達距離は、出庫予約盤22Bの直近に居る利用者の位置まで、例えば0.5〜1メートル程度に設定されている。
【0051】
利用者検知部47Bは、例えば人感センサであり、利用者が出庫予約盤22Bの正面に立ったことを検知し、LF送信アンテナ46Bにリモコン照合信号SDを送信させるトリガー信号を発信する。
【0052】
また、出庫予約盤22Bの上方に出庫順番表示機49が設けられている。出庫順番表示機49は、出庫予約盤22Bの表示部としても用いられる。この出庫順番表示機49は、各出庫号機(1号機、2号機…等)における出庫順番を、利用者の登録番号(車両2のナンバープレート番号等)で表示し、出庫が近い順に上から表示するようになっている。そして、出庫が近くなると点滅する等して目立たせるようになっている。出庫順番表示機49の最下段には、出庫号機別に、「到着しました。出庫口にお進み下さい」、「待ち時間○分○○秒」といった案内が表示される。
【0053】
図6は、入庫予約盤22C(操作盤)を示す斜視図である。入庫予約盤22Cは、利用者による入庫予約を受け付ける操作盤である。入庫予約盤22Cは、
図1に示す機械式駐車装置1の入出庫扉4aに対して遠隔位置に設けられた遮断機型の入場ゲート90の位置に設けられている。入場ゲート90は、車両2の走路Rに近接して設けられたアイランド91に設置されており、このアイランド91に、入場ゲート90と共に入庫予約盤22Cが設置されている。
【0054】
入庫予約盤22Cには、操作盤22と同様に、タッチパネル式のディスプレイ画面41Cと、トランスポンダリーダー36Cと、LF送信アンテナ46Cと、RF受信アンテナ48Cとが設けられている。
【0055】
入庫予約盤22Cは、車両2が入場ゲート90の手前で停車した時に、車両2の運転席の真横付近に来るように位置付けられており、ユーザーは車両2の運転席に座ったまま、リモコン送信機50で操作することができる。操作盤22や出庫予約盤22Bと同様に、LF送信アンテナ46Cからは、リモコン送信機50に対して認証(ID)を問い合わせるリモコン照合信号SDが送信されるが、この信号の最大到達距離は、入庫予約盤22Cの直近に居る車両2の内部には到達可能であり、この車両2よりも後から来た車両2には到達不可能な距離、例えば1メートル程度に設定されている。
【0056】
入庫予約盤22Cの正面付近の走路Rにはループコイル状の利用者検知部47Cが埋設されている。この利用者検知部47Cは、入庫予約盤22Cの正面に車両2が接近(停車)したことを検知し、入庫予約盤22CのLF送信アンテナ46Cにリモコン照合信号SDを送信させるトリガー信号を発信する。
【0057】
図7は、リモコン送信機50の斜視図である。
リモコン送信機50には、その本体ケース51の片面に、認証ボタン52と、起動ボタン(呼出ボタン)53と、扉開ボタン54と、送信ランプ55とが設けられるとともに、操作盤22の蓋34の施錠を解錠可能な機械式キー56が付属している。機械式キー56は、例えば本体ケース51の内部に抜き差し可能に内蔵され、図示しないロックボタンを押すことによって本体ケース51から抜き取ることができる。この機械式キー56を操作盤22のキーシリンダ38aに差し込んで捻ることにより、施錠部38の施錠を手動で解錠し、操作盤22の蓋34を開けることができる。
【0058】
操作盤22のRF受信アンテナ48がリモコン送信機50から送信されるリモコン信号SA,SB,SCを受信できる距離(検知範囲)は、例えば10m程度に設定されている。これにより、遠くに居る他の利用者のリモコン信号SA,SB,SCを無用に受信してしまうことが防止されるとともに、入出庫する利用者が車両2に乗車したままでもリモコン信号SA,SB,SCを送信できるようになっている。
【0059】
また、リモコン送信機50は、ユーザーの認証情報を記憶しているトランスポンダを備えている。トランスポンダは、電池の電力を使用することなく、操作盤22のトランスポンダリーダー36から発信される電磁波EMWを受信することにより自ら励磁電力を発生させて起動し、ユーザーの認証情報を無電源認証信号SEに変換して操作盤22に送信するように構成されている。
【0060】
図8に示すように、機械式駐車装置1を利用する利用者には、当該利用者自身の固有の認証情報(ID)を記憶されたリモコン送信機50を貸与され、利用者が機械式駐車装置1を利用する時に携帯することが求められる。このリモコン送信機50は、例えばタグやキーホルダー状に形成され、車両2のキーと一緒に持ち歩いたり、鞄やバック等に入れたりして持ち運ぶものである。リモコン送信機50は、電池(ボタン型電池等)を内蔵されており、この電池から電力を供給されて、後述するように利用者認証や操作盤22の遠隔操作等を行う各種のリモコン信号SA,SB,SCを送信することができる。
【0061】
図9は、機械式駐車場設備100の制御装置の全体概略構成を示すブロック図である。
【0062】
主制御装置70は、機械式駐車場設備100の全体の制御を司る。
主制御装置70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記録媒体等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
【0063】
また、主制御装置70は、機械式駐車装置1を制御する立駐制御装置30と接続され、立駐制御装置30と各種情報の送受信を行う。また、主制御装置70は、機械式駐車場設備100に対する操作が利用者によって入力される操作盤である出庫予約盤22B及び入庫予約盤22Cや、各種情報を表示する出庫順番表示機49とも接続され、これらと各種情報の送受信を行う。さらに、主制御装置70は、外部との情報の送受信のためにインターネット等の外部ネットワーク72とも接続されている。
また、本実施形態では、立駐制御装置30が2基、出庫順番表示機49、出庫予約盤22B、入庫予約盤22Cを各々1台としているが、この数量に限定されるものではない。
【0064】
そして、主制御装置70は、号機決定部74、入出庫指示部76、扉閉忘検知部78、及び表示指示部80を備える。
【0065】
号機決定部74は、出庫予約盤22Bを介して入力された出庫予約、又は入庫予約盤22Cを介して入力された入庫予約等の入出庫操作に基づいて、車両2を入庫させる機械式駐車装置1又は車両2を出庫させる機械式駐車装置1を決定する。
【0066】
入出庫指示部76は、号機決定部74によって決定された機械式駐車装置1へ、パレット18を車両格納棚17から乗入階7へ呼び出す入出庫指示を出力する。
【0067】
扉閉忘検知部78は、乗入階7の入出庫扉4aの閉め忘れを検知する。扉閉忘検知部78は、例えば、車両2が出庫又は入庫したのち、入出庫扉4aが所定時間閉められない場合に、入出庫扉4aが閉め忘れられたと検知する。
以下の説明において、上記所定時間を扉閉忘時間という。扉閉忘時間は、予め定められており、車両2の出庫又は入庫が完了してから例えば1分である。なお、出庫の完了は、人感・車両センサ26,27によって、パレット18に車両2が載置されていない状態が検知されることで判定される。また、入庫の完了は、人感・車両センサ26,27によって、利用者の乗入階7からの退出が検知されることで判定される。
【0068】
表示指示部80は、入力された入出庫操作等に基づいて、利用者が視認する画像表示手段に表示させる情報を生成して出力する。本実施形態に係る画像表示手段は、出庫順番表示機49、出庫予約盤22Bのディスプレイ画面41B、入庫予約盤22Cのディスプレイ画面41C、及び操作盤22のディスプレイ画面41や操作画面35である。
また、表示指示部80は、扉閉忘検知部78によって入出庫扉4aの閉め忘れが検知された場合、操作盤22、入庫予約盤22C、及び出庫予約盤22Bに、入出庫扉4aの閉操作を促す情報を表示させる。
【0069】
また、各機械式駐車装置1が備える操作盤22は、出庫順番繰上部82を備える。
出庫順番繰上部82は、出庫予約の順番を繰り上げる処理を行う。
【0070】
立駐制御装置30は、入出庫指示部76から入力された入出庫指示に基づいて、対応する機械式駐車装置1を動作させる。これに伴い、立駐制御装置30は、機械式駐車装置1に入出庫する利用者を示す利用者番号を利用者番号表示器60に表示させる。
そして、立駐制御装置30は、操作盤22への利用者からのリモコン送信機50等を介した各種入力に応じて入出庫扉4aの開閉等の制御を行う。
【0071】
ここで、本実施形態に係る機械式駐車場設備100は、入出庫扉4aの閉め忘れに関する処理(以下「扉閉忘処理」という。)を行う。
扉閉忘処理は、利用者が入出庫後に入出庫扉4aを閉め忘れ、扉閉忘検知部78が閉め忘れを検知すると、表示指示部80が、操作盤22のディスプレイ画面41、出庫予約盤22Bのディスプレイ画面41B、入庫予約盤22Cのディスプレイ画面41C、及び出庫順番表示機49に、入出庫扉4aの閉操作を促す情報を表示させる処理である。
なお、本実施形態に係る機械式駐車装置1は、入出庫扉4aが閉め忘れられた場合に利用者によって入出庫扉4aの閉操作が可能とされている。
【0072】
図10は、扉閉忘処理が行われず、正常に出庫される場合の処理の流れである。
図10では、出庫予約盤22B前での利用者の動作(左端のフロー)、出庫予約盤22Bの動作(左端から2つめのフロー)、出庫順番表示機49の動作(中央のフロー)、操作盤22及び利用者番号表示器60の動作(右端から2つめのフロー)、及び機械式駐車装置1の動作(右端のフロー)毎に示されている。
【0073】
まず、車両2を出庫する利用者が出庫予約盤22Bの前に到着する(S100)。
【0074】
出庫予約盤22Bは、認証を促す表示をディスプレイ画面41Bに表示する(S200)。例えば、ディスプレイ画面41Bには、リモコン送信機50をトランスポンダリーダー36Bに接触させることを促す表示がされる。
【0075】
利用者は、出庫予約盤22Bに対して認証操作を行う(S102)。認証操作は、出庫予約盤22Bのトランスポンダリーダー36Bにリモコン送信機50を接触させ、認証情報を出庫予約盤22Bへ送信することで行ってもよいし、タッチパネルとされているディスプレイ画面41Bに、認証情報を入力することで行ってもよい。
【0076】
出庫予約盤22Bは、認証に成功すると、出庫予約を受け付ける(S202)。なお、ディスプレイ画面41Bには「出庫予約中」の表示がされるとともに、音声案内がされる。
【0077】
出庫予約盤22Bが出庫予約を受け付けると、機械式駐車場設備100の主制御装置70が備える号機決定部74によって、車両2を出庫させる出庫号機が決定される(S500)。認証情報は、車両2が載置されている実パレットと紐付けされているため、認証情報に基づいて出庫号機が決定される。
また、号機決定部74は、出庫号機と共に、受け付けた出庫予約の予約順番(以下「出庫順番」という。)を決定する。
【0078】
決定された出庫号機と出庫順番は、出庫予約盤22Bのディスプレイ画面41Bに表示される(S204)。
【0079】
さらに、決定された出庫号機と出庫順番は、出庫順番表示機49に登録され、表示される(S300)。なお、出庫順番表示機49に表示される出庫順番として、出庫予約の早い順から昇順に利用者番号が表示される。
【0080】
主制御装置70が備える入出庫指示部76が、出庫予約の先頭に対応する出庫号機へ出庫指示を出力する。出庫指示を受け付けた機械式駐車装置1は、実パレットを車両格納棚17から乗入階7へ移動させる出庫起動を行う(S502)。
【0081】
出庫起動が行われる機械式駐車装置1が備える利用者番号表示器60に利用者番号が表示される(S400)。
【0082】
乗入階7に実パレットが到着すると(S504)、入庫管制灯21が赤点滅する(S402)。それと共に、乗入階7に到着した実パレットに対応する出庫予約が、出庫順番の先頭として出庫順番表示機49に表示される(S302)。出庫順番表示機49に自身の出庫予約が先頭に表示された利用者は、入出庫口4へ移動する(S104)。
【0083】
利用者は入出庫口4の前に到着すると、操作盤22に対して認証操作を行う(S404)。認証操作は、リモコン送信機50に対するボタン操作、もしくは操作盤22のトランスポンダリーダー36Bにリモコン送信機50を接触させ、認証情報を操作盤22へ送信することで行ってもよいし、タッチパネルとされているディスプレイ画面41に、認証情報を入力することで行ってもよい。
【0084】
認証に成功すると、機械式駐車装置1は、入出庫扉4aを開ける(S506)。そして、利用者は、乗入階7へ入り、車両2を出庫する(S410)。車両2が出庫されると、車両2を出庫させた利用者が入出庫扉4aのリモコン送信機50を用いて再度認証を行った後に操作盤22で入出庫扉4aの閉操作を行う。これにより、入出庫扉4aは閉まり(S508)、車両2の出庫が完了する。
【0085】
図11は、扉閉忘処理が行われる場合の処理の流れを示す。なお、
図11における
図10と同一のステップについては
図10と同一の符号を付して、その説明を一部又は全部省略する。
【0086】
ステップ410で、車両2の出庫が完了したのち、車両2を出庫した利用者が入出庫扉4aを閉めないまま、扉閉忘時間が経過すると、扉閉忘検知部78によって入出庫扉4aの閉め忘れが検知される(S412)。入出庫扉4aの閉め忘れが検知されると、出庫順番表示機49の出庫順番の先頭は出庫を完了した利用者のままで、入出庫扉4aの閉め忘れが発生していることが表示される(S304)。また、閉め忘れの発生は、操作盤22のディスプレイ画面41、出庫予約盤22Bのディスプレイ画面41B、及び入庫予約盤22Cのディスプレイ画面41Cにも表示される。
これにより、機械式駐車装置1の次の出庫予約を行った利用者(以下「出庫利用者」という。)、又は入庫予約を行った利用者(以下「入庫利用者」という。)は、乗入階7の入出庫扉4aの閉め忘れの発生を目視によって認識し、入出庫扉4aの閉操作を行うことができる。
【0087】
入出庫扉4aの閉め忘れの発生を認識した次の出庫利用者は、入出庫口4への移動を開始する(S106)。
次の出庫利用者は入出庫口4の前に到着すると、操作盤22に対して認証操作を行い、認証に成功すると、乗入階7の安全を確認した後に入出庫扉4aの閉操作を行う(S414)。これにより、入出庫扉4aは閉まることとなる(S508)。
なお、閉め忘れられている入出庫扉4aは、予め登録されている利用者による閉操作のみが可能とされる。予め登録されている利用者とは、機械式駐車場設備100の利用者として認証可能な者である。これにより、出庫順番表示機49等の表示を目視した次の出庫利用者が入出庫扉4aの閉操作をできるため、入出庫扉4aが閉まっていない状態を早期に解消できる。また、入出庫扉4aを閉操作する利用者が固定されているため、入出庫扉4aを閉じる際の安全性が高められる。
【0088】
そして、出庫順番表示機49に表示される出庫順番の先頭が、出庫順番繰上部82によって、次の出庫利用者に繰り上げられる(S306)。
【0089】
図12は、扉閉忘処理が行われる場合であって、2番目以降の出庫利用者が入出庫扉4aを閉める場合の処理の流れを示す。なお、
図12における
図10,11と同一のステップについては
図10,11と同一の符号を付して、その説明を一部又は全部省略する。
【0090】
入出庫扉4aの閉め忘れの発生を認識した2番目以降の出庫利用者は、入出庫口4への移動を開始する(S108)。2番目以降の出庫利用者は、操作盤22に対して認証操作を行い、認証に成功すると、入出庫扉4aの閉操作を行う(S414)。これにより、入出庫扉4aは閉まることとなる(S508)。
【0091】
そして、出庫順番表示機49に表示される出庫順番の先頭が、出庫順番繰上部82によって、入出庫扉4aを閉めた2番目の出庫利用者に繰り上げられる(S308)。
このように、入出庫扉4aの閉操作を行った出庫利用者の出庫が優先して実行されるので、出庫利用者による入出庫扉4aの閉操作が促進される。
【0092】
図13は、扉閉忘処理が行われる場合であって、入庫利用者が入出庫扉4aを閉める場合の処理の流れを示す。なお、
図13における
図10〜12と同一のステップについては
図10〜12と同一の符号を付して、その説明を一部又は全部省略する。
【0093】
入庫予約盤22Cのディスプレイ画面41Cにも、入出庫扉4aの閉め忘れの発生は表示される。そこで、入出庫扉4aの閉め忘れの発生を認識した入庫利用者が、入出庫口4への移動を開始する(S600)。入庫利用者は、操作盤22に対して認証操作を行い、認証に成功すると、入出庫扉4aの閉操作を行う(S414)。これにより、入出庫扉4aは閉まることとなる(S508)。なお、入庫利用者が入出庫扉4aの閉操作を行う場合は、例えば、次の出庫利用者がいない場合である。
これにより、出庫順番表示機49に表示される出庫順番の先頭に表示されている入出庫扉4aの閉め忘れの表示は、解消される(S310)。
【0094】
また、入出庫扉4aの閉め忘れが検知されると、扉閉忘検知部78は、外部ネットワーク72を介して、入出庫扉4aを閉め忘れた利用者が所有する予め登録された携帯端末装置へ、入出庫扉4aの閉め忘れに関する情報(以下「扉閉忘情報」という。)を送信する。これにより、利用者は、自身が入出庫扉4aを閉め忘れたことを認識できる。
より具体的には、扉閉忘情報は、登録された携帯端末装置のメールアドレスに自動送信される。また、扉閉忘情報は、入出庫扉4aを閉め忘れた時間や入出庫口4に戻って入出庫扉4aを閉めることを促す情報である。
【0095】
また、主制御装置70は、入出庫扉4aを閉め忘れた利用者に関する情報(以下「扉閉忘利用者情報」という。)を記憶する。扉閉忘利用者情報は、例えば利用者番号や認証情報である。
そして、扉閉忘利用者情報として記憶された利用者が入出庫操作を行う場合、表示指示部80は、出庫予約盤22B、入庫予約盤22C、又は操作盤22に入出庫扉4aの閉め忘れを防止するための情報を表示させる。なお、表示される情報は、例えば、前回、入出庫扉4aを閉め忘れた日時や閉め忘れた回数、閉め忘れを防止するための特有の画像等である。
これにより、同じ利用者が入出庫扉4aの閉め忘れを繰り返すことを抑制できる。
【0096】
図14,15は、扉閉忘処理において出庫順番表示機49に表示される画像を示した模式図である。なお、
図14,15に示される例では、「1号機」、「2号機」が機械式駐車装置1の号機番号を示し、各図の左端における「1」、「2」、「3」が出庫順番を示し、「115」、「216」、「217」が各出庫順番に対応する利用者番号を示す。
【0097】
図14(A1)〜(A4)は、出庫完了後に入出庫扉4aが正常に閉められる場合に表示される画像を示す。
図14(A1)は、実パレットが乗入階7へ到着されるまでに、表示される画像である。
図14(A1)の例では、利用者番号「115」の実パレットが60秒後に乗入階7へ到着することを示している。
図14(A2)は、実パレットが乗入階7に到着した場合に、表示される画像である。
図14(A3)は、出庫利用者によって認証が行われ、入出庫扉4aが開かれ、1号機から車両2が出庫されている状態を示す。
そして、
図14(A4)は、利用者番号「115」の車両2の出庫が終了し、入出庫扉4aが閉められ、次の利用者番号「216」の出庫起動の準備中であることを示す。準備中とは、車両2が降ろされたパレット18が車両格納棚17へ戻されている状態等である。
【0098】
図14(B1)〜(B5)は、出庫完了後に入出庫扉4aの閉め忘れが発生した場合に表示される画像を示す。なお、
図14(B1)〜(B3)は
図14(A1)〜(A3)と同様である。しかし、車両2を出庫させた出庫利用者が、入出庫扉4aを閉め忘れると、
図14(B4)の例に示されるように、利用者番号は繰り上がらずに、利用者番号「115」のままで「閉忘発生」が表示される。これにより、乗入階7の入出庫扉4aの閉め忘れの発生を、他の出庫利用者に認識させることが可能となる。
そして、利用者番号「216」の出庫利用者によって入出庫扉4aが閉められると、
図14(B5)に示されるように、利用者番号「115 閉忘発生」の表示が解消され、次の利用者番号「216」の出庫起動の準備中であることを示す。
【0099】
図15(C1)〜(C5)は、出庫完了後に入出庫扉4aの閉め忘れが発生した場合に表示される画像を示す。なお、
図15(C1)〜(C4)は
図14(B1)〜(B4)と同様であるが、2番目の出庫予約として、利用者番号「217」が表示されている。
2番目の出庫予約である利用者番号「217」の出庫利用者によって入出庫扉4aが閉められると、
図15(C5)に示されるように、利用者番号「115 閉忘発生」の表示が解消され、2番目の利用者番号「217」が先頭に繰り上がり、利用者番号「217」が出庫起動の準備中であることを示す。
このように、入出庫扉4aの閉操作を行った出庫利用者の出庫が優先して実行されるので、出庫利用者による入出庫扉4aの閉操作が促進される。
【0100】
なお、
図14,15の例では、入出庫扉4aの閉操作を促す情報として、「閉忘発生」が表示されるが、これは一例であり、例えば、「扉閉忘発生 入出庫扉を閉めて下さい」等、より具体的な動作を促す情報が表示されてもよい。
【0101】
なお、「閉忘発生」の表示がされてから、所定時間、例えば1分間は次の出庫利用者のみが入出庫扉4aを閉めることが可能とされ、該所定時間を超えた場合に、2番目以降の出庫利用者が入出庫扉4aを閉めることを可能とされてもよい。出庫利用者が入出庫扉4aの閉操作が可能なことを認識させるために、閉操作が可能な出庫利用者を示す利用者番号が出庫順番表示機49において強調表示されてもよい。
これにより、複数人の出庫利用者が、同時に入出庫扉4aを閉めるために入出庫口4へ移動することを抑制できる。
【0102】
以上説明したように、本実施形態に係る機械式駐車場設備100は、乗入階7へ車両2が出入りするための入出庫扉4aの閉め忘れを検知する扉閉忘検知部78と、入出庫扉4aの閉め忘れが検知された場合、操作盤22、出庫予約盤22B、及び入庫予約盤22Cに、入出庫扉4aの閉め忘れが発生していることを示す情報を表示させる表示指示部80と、を備える。
これにより、機械式駐車装置1の次の利用者は、乗入階7の入出庫扉4aの閉め忘れの発生を目視によって認識できるので、本実施形態に係る機械式駐車場設備100は、乗入階7の入出庫扉4aの閉め忘れが発生しても、入出庫扉4aの閉め忘れを迅速に解消できる。
【0103】
以上、本発明を、上記実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0104】
また、上記実施形態で説明した扉閉忘処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。