(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の送信及び前記第2の送信のうちの少なくとも1つの送信における符号化ビットのシーケンス順を示すシーケンス情報を送信することを更に含む、請求項1に記載の方法。
前記シーケンス情報を送信することは、マルチキャスト制御チャネル(MCCH)、シングルセルマルチキャスト制御チャネル(SC−MCCH)、及びシステム情報のうちの少なくとも1つの中の制御情報として前記シーケンス情報を送信することを含む、請求項2に記載の方法。
前記第2の送受信局が前記第2の送信において前記MTC情報の前記残りの部分を前記ブロードキャストすることは、前記低変調次数を使用して前記MTC情報の前記残りの部分を送信することを含む、請求項1に記載の方法。
前記MTC情報の前記残りの部分を送信することは、前記MTC情報の前記残りの部分を表す情報ビットを含むビット列及び情報が送信されないヌルビットを送信することを含む、請求項5に記載の方法。
前記受信部は、前記第1の送信及び前記第2の送信のうちの少なくとも1つの送信における符号化ビットのシーケンス順を示すシーケンス情報を受信するように更に構成されている、請求項10に記載のMTC装置。
前記シーケンス情報は、マルチキャスト制御チャネル(MCCH)、シングルセルマルチキャスト制御チャネル(SC−MCCH)、及びシステム情報のうちの少なくとも1つの中の制御情報を含む、請求項11に記載のMTC装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上述したように、MTC装置は、MTC装置が他の装置及びサーバと情報を交換する多くの用途にますます使用されている。MTC装置との通信を容易にするネットワークは、MTC装置の特定の要件及び制限に対応しながら、多数のMTC装置に起因して増大したトラフィックを処理しなければならない。1つの重要な懸案事項には、MTC装置の消費電力を最小化することが挙げられる。結果として、MTC装置がデータを送受信する時間を最小化することが有利である。更に、状況によっては、情報が、MTC装置で中断されずに受信されることが重要である。例えば、ファームウェアの更新は、中断してはならない。
【0015】
通信システムは、ネットワーク資源の効率を最大化するために様々な送信技術を採用している。一例として、装置のそれぞれに専用チャネルを確立するのではなく、同時に複数の装置に情報をブロードキャストすることが挙げられる。同じ情報は、いくつかの基地局から複数のサービスエリア内の装置にブロードキャストされてもよい。しかしながら、他の状況では、情報は、単一のサービスエリア内又はセル内でブロードキャストされる。第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)ロングタームエボリューション(LTE)仕様の少なくともいくつかの改訂版に従って動作するシステムでは、このブロードキャストは通常、シングルセルポイントツーマルチポイント(SC−PTM)送信と呼ばれ、マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)を使用して実行される。3GPP仕様に準拠したMBMSのSC−PTM送信の場合、MBMSは、1つのシングルセルマルチキャスト制御チャネル(SC−MCCH)及び1つ以上のシングルセルマルチキャストトラフィックチャネル(複数可)SC−MTCH(複数可)が下りリンク共有チャネル(DL−SCH)にマッピングされる、単一のセルのカバレッジ内で送信される。従来のSC−PTMでは、基地局(eNB)及びコアネットワーク(CN)は、SC−PTM送信をスケジューリングする。詳細には、SC−MCCH及びSC−MTCH送信はそれぞれ、物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)上の論理チャネル固有の無線ネットワーク一時識別子(RNTI)によって示される。SC−MTCHがマッピングされるDL−SCHの受信に使用される一時的移動体グループ識別情報(TMGI)とG−RNTIとの間には1対1のマッピングが存在する。SC−PTMを含むすべての既存のブロードキャストのメカニズムと同様に、ブロードキャストは、セル内のすべてのUE装置に到達することが保証されていない。従来技術では、ブロードキャストマルチキャスト又はシングルセルポイントツーマルチポイント(SC−PTM)送信は、目標数のUE装置がデータパケットを正常に復号することを満たすように設計されている。大抵の場合、ブロードキャスト送信は、セル内のUE装置の95%に対してブロック誤り率が1パーセント未満(BLER<1%)となるように設計されている。
【0016】
より高いロバスト性が(例えば、ダウンロードが成功するためにいかなるデータも落とすことができないファームウェアダウンロードに対して)必要とされ、かつ最悪のチャネル状態情報が(例えば、チャネル状態情報(CSI)フィードバックを用いて)利用可能である場合、1つの実行可能な解決策は、基地局がそれらのチャネル状態を克服するのに十分ロバストにデータを送信することである。しかしながら、これは、ブロードキャストデータが(セル端UEがブロードキャストを受信することに成功することを可能にするために)より低いMCSで送信される必要がある場合、リソースの使用量の増加につながる場合がある。あるいは、より高い出力のブロードキャスト送信が使用されてもよいが、その結果、隣接するeNBへの干渉が増加する。
【0017】
より高いブロードキャストのロバスト性のための他の手法は、データを復号することに成功できなかった受信部からのハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバックの使用に基づく。その後、基地局は、再送信に対してリンクアダプテーションを適用することができる。ただし、いくつかの要因を考慮する必要がある。HARQ再送信又は何らかのタイプのフィードバックがUEから必要とされる場合、MTC装置がフィードバック情報をeNBに送信することが必要になるだろう。これがMTC装置にとって望ましくないのは、MTC UE装置の主な基準として、電力消費の低減が挙げられるためである。しかしながら、他の非MTCアプリケーションとは異なり、一般に、レイテンシは、MTC UEにとって問題ではない。したがって、より高いロバスト性のための解決策は、より高いレイテンシを犠牲にして達成することができると考えられる。
【0018】
フィードバックが基地局(eNB)に提供されないと仮定すると、eNBがSC−PTM送信をどのように設定するべきかを判定することが必要となる。詳細には、SC−PTM送信の意図されたカバレッジに応じて、基地局(eNB)は、送信に使用される変調・符号化方式(MCS)の設定を判定する必要がある。より高いMCSでは、より多くのトラフィックデータをより短い時間で送信して、MTC UEにスリープの時間及び電力を節約する時間をより多く与えることができるが、その一方で、より低いMCSの設定では、はるかに低いデータレート要件であっても、MTC装置からのより多くの電力消費ですべてのカバレッジエリアにより良好に浸透することが可能になる。
【0019】
従来の技術では、SC−PTM送信は、特定の変調次数でのみ送信され、これは通常、セル内の装置の最大90%をカバーすることとなる。カバレッジの割合を上げるために、より低い変調次数を使用してもよいが、同じデータパケットをより低い変調次数で複数の送信にわたって送信する必要があるので、より高い変調次数でデータパケットを受信することに成功することができる装置は、より長く起動し続ける必要があることとなる。言い換えれば、装置の大部分は、より高い変調次数でパケットを受信することができない少数の装置の利益のために(電力消費に関して)損害を被ることとなる。従来技術の下では、SC−PTMを受信することができない装置は、ユニキャストサービスを介して同じデータパケットを取得するという選択肢を有する。しかしながら、ユニキャストサービスは、HARQフィードバックが想定されるので、より高い電力消費のためにMTC装置にとって好ましくない。更に、MTC装置がユニキャストサービスを受信するために接続モードに移行する必要があり、MTC装置が(電力を節約するために)もともとアイドルモードであった場合、追加の電力が消費されることとなる。MTC装置は、アイドルモードであっても、SC−PTMを受信できることに留意されたい。SC−PTMの主な目的は、ユニキャスト配信を必要とせずに同じコンテンツに興味のある多くの装置に情報をブロードキャストできることであるので、これもまたネットワークリソースの観点から望ましくない。後述するように、これらの懸案事項は、第1の送受信部のより低い信号品質領域内のMTC装置が、より低い変調次数を使用してMTC情報の一部を復元し、第2の送受信局からのMTC情報の残りの部分を復元することを可能にする、第1の送受信局からブロードキャストされたMTC情報に階層化変調を適用することによって対処される。
【0020】
図1は、送受信局102、104のサービスエリア内のMTC装置108、110にMTC情報106を提供する第1の送受信局102及び第2の送受信局104を含む通信システム100のブロック図である。送受信局108、110は、任意のタイプの基地局、アクセスポイント、無線ヘッド、eNodeB、独立型中継局、中継機能を有する基地局又は地理的サービスエリア内で信号を送信することができる他の装置とすることができる。2つの例が以下に議論され、一方の例では、両方の送受信局102、104は、基地局である。別の例では、第1の送受信局102は、eNodeBなどの基地局であり、第2の送受信局104は、中継局である。他のタイプ及び送受信局の組み合わせが使用されてもよい。
【0021】
MTC装置108、110は、マシン型通信(MTC)を採用する装置であり、そうでなければ通信システム100上で動作するユーザ機器(UE)装置である。本明細書における例に関して、議論される原理及び技法は、状況によっては、他のタイプのシステムに適用することができるが、通信システム100は、3GPP通信仕様の少なくとも1つの改訂版に従って動作する。送受信局は、例として、マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)技術を使用してセル内でMTC情報106をブロードキャストする。したがって、ブロードキャスト送信は、SC−PTM送信である。
図1の例に関して、MTC情報106は、第1の送信112において階層化変調を使用して第1の送受信局102からブロードキャストされ、MTC情報の少なくとも一部114は、第2の送信116において第2の送受信局104から送信される。
【0022】
MTC情報106は、MTC装置108、110などの複数のMTC装置を対象としている。
図1の例に関して、多くの状況は、多数のMTC装置を含むことができるが、2つのMTC装置108、110が図示されている。例えば、第1のMTC装置108は、第1の信号品質レベルで第1の送受信局102から送信された信号を受信し、第2のMTC装置110は、第1の信号品質より低い第2の信号品質で第2の送受信局104から送信された信号を受信する。信号品質の差異は、ノイズ、伝搬損失による信号減衰、信号経路の障害及び受信機の品質など、さまざまな条件に起因し得る。例えば、第1のMTC装置108は、第2のMTC装置110よりも第1の送受信局102に近くてもよく、それ故により高い強度で信号を受信することができる。
【0023】
図1の例に関して、第1の送受信局102は、階層化変調を使用してMTC情報106のすべてをブロードキャストし、その結果、MTC情報106のすべては、送信を復調するために高変調次数を使用するMTC装置によって復元することができ、MTC情報のうちの一部は、高変調次数よりも低い低変調次数を使用して、MTC装置によって復元することができる。受信された送信の信号品質が信号品質閾値を上回るとき、高変調次数を使用して、信号を復調することに成功することができる。
【0024】
この例では、第1の送受信局102からの送信112は、MTC情報106のすべてを含むので、MTC情報106は、第1の送受信局102からの送信112のみの復調に成功することにより復元することができる。しかしながら、送信112からMTC情報の全ビットを復元するために、受信MTC装置は、送信を復調するためにより高い変調次数を適用しなければならない。より低い変調次数を適用して、送信112に含まれるMTC情報の一部118を復元することができる。
【0025】
図1の例に関して、第2のMTC装置110は、より高い変調次数を使用して送信112の復調を可能にする信号品質閾値を下回る信号を第1の送受信局102から受信する。しかしながら、第2のMTC装置110は、低変調次数を適用して、送信112を復調し、MTC情報の一部118を復元する。MTC情報の残りの部分114は、第2の送受信局104から受信される。MTC情報の残りの部分114は、実施及び/又は状況に応じて、低変調次数又は高変調次数で送信してもよい。残りの部分114は、すべてのMTC情報を含む送信の一部として送信されてもよく、又は他のMTC情報を伴わず送信されてもよい。例えば、第2の送受信局104がそのセル内でMTC情報をブロードキャストする基地局である場合、MTC情報は、残りの部分114が低変調次数を使用して復元することができるように階層化変調で送信されてもよい。
【0026】
一般に、より高い変調次数を使用することにより、必要な送信が少なくなり、これにより、同じ情報を受信するためにより低い変調次数でより多数の送信を復調するより処理時間が少なくなる。結果として、典型的には、より高い変調次数を使用することにより、MTC装置は、送信を受信する時間がより少なくなり、節約された時間は、スリープモード又は他の低アクティブ状態に使用されるため、MTC装置の電力消費が低減される。例として、すべての情報が第1の送受信局からの送信において送信されるが、より高い変調次数を使用して、すべての情報を取得するのに必要とされる送信の数が、より低い変調次数を使用して情報を受信するために必要とされる数よりも少ない一部の数の送信にわたって情報が受信される他の技術を使用してもよい。
【0027】
したがって、第1のMTC装置108は、最短の受信時間内にMTC情報106を受信することによって、最小の電力消費で、高変調次数を使用して、第1の送受信局102からの送信112を復調して、MTC情報106を復元する。第2のMTC装置110は、高変調次数を使用して、送信112を復調することができず、低変調次数を使用して、階層化変調送信112を復調して、MTC情報の一部118を受信する。MTC装置110は、第2の送受信局104から送信された信号116を復調することによってMTC情報の残りの部分114を復元する。したがって、第2のMCT装置110は、複数の送受信局102、104からの複数の送信112、116内の情報からすべてのMTC情報を復元する。
【0028】
図2は、第1の送受信部102が第1の基地局202であり、第2の送受信部104が第2の基地局204である例の通信システム100のブロック図である。
図2の例に関して、第1の送受信局102及び第2の送受信局104は、eNB、eNodeB、アクセスポイント又は同様のタスクを実行する他の任意の装置などの基地局である。それぞれの基地局202、204は、2つのエリアが少なくとも部分的に互いに重なり合う地理的サービスエリア内で無線サービスを提供する。第2のMTC装置110は、両方の基地局202、204から信号を受信することができる。
図2の例に関して、MTC情報106のすべては、第1の基地局202からの第1の送信112に含まれ、MTC情報106のすべては、第2の基地局204からの第2の送信116に含まれる。しかしながら、後述するように、MTC情報のビットシーケンスは、2つの送信112、116の間で異なる。それぞれの基地局は、階層化変調を使用してMTC情報106をブロードキャストし、信号品質閾値を上回る送信を受信するMTC装置は、高変調次数を使用して送信を復調してMTC情報106を復元することができる。したがって、第1のMTC装置108は、高変調次数を使用して第1の送信112からMTC情報106のすべてを復元することができる。信号品質閾値を上回る第2の基地局104からの第2の送信116を受信する第3のMTC装置206もまた、第2の送信116を復調するために高変調次数を使用することによってMTC情報106を復元することができる。
図2の例に関して、第2のMTC装置110は、高変調次数を使用して送信112、116のいずれかの復調を可能にするのに十分に高い品質では送信112、116のいずれも受信しない。しかしながら、第2のMTC装置110は、低変調次数を使用して、第1の送信112からMTC情報の一部118を復元し、第2の基地局204からの第2の送信116からMTC情報の残りの部分114を復元することによって、MTC情報106のすべてを復元する。
【0029】
図3は、
図2のシステム100のブロック図であり、2つの基地局は、MTC情報を表す符号化ビットをMTC装置に送信する。それぞれの基地局202、204は、MTC情報106を少なくとも1つの符号化ビットシーケンスに符号化及び順序付けし、符号化ビットシーケンスを階層化変調で変調し、変調されたシーケンスを送信する。例えば、第2の基地局204からの送信116におけるビットシーケンスは、第1の基地局202からの第1の送信112におけるビットシーケンスとは異なる。状況によっては、基地局は、MTC情報106を2つの符号化ビットシーケンスに符号化及び順序付けし、2つのシーケンスを階層化変調で変調し、それぞれの変調シーケンスを第1の送信及び第2の送信として送信する。そのような技術は、本出願と同時に出願され、その全体が参照により本明細書に援用されている、発明の名称が「LAYERED MODULATION FOR MACHINE TYPE COMMUNICATION(MTC)TRANSMISSIONS」であるPCT特許出願第_____、代理人整理番号TUTL 00287 PCにおいて論じられている。そのような技術は、基地局のサービスエリア内の複数のMTC装置が、高変調次数を使用して単一の送信ですべてのMTC情報を受信すること、又はより低い変調次数を使用して複数の送信にわたってMTC情報を受信することを可能にする。したがって、状況によっては、それぞれの基地局202、204は、MTC情報106を2つの符号化ビットシーケンスに符号化及び順序付けし、2つのシーケンスを階層化変調で変調し、それぞれの変調シーケンスを異なる送信として送信して、情報を2つの送信としてブロードキャストする。上述したように、この例では、それぞれの基地局は、1回の送信を少なくともブロードキャストする。したがって、簡潔かつ単純にするために、それぞれの基地局202、204からの単一の送信を議論した後に、基地局からの複数の送信について以下に議論する。
【0030】
それぞれの基地局は、MTC情報106をいくつかの符号化ビット308、309に符号化するエンコーダ306、307を含む。結果として得られる符号化ビット308、309を使用して、符号化ビットシーケンスを生成する。第1の基地局202内のシーケンサ310は、MTC情報符号化ビット308に基づいて第1の符号化ビットシーケンス312を生成し、第2の基地局204内のシーケンサ311は、MTC情報符号化ビット309に基づいて第2の符号化ビットシーケンス314を生成する。例えば、第1の符号化ビットシーケンス312は、符号化ビットシーケンス308と同じであり、第2の符号化ビットシーケンス314は、4つの符号化ビットのそれぞれの組のそれぞれの最上位2ビット(MSB)が、それぞれの組の最下位ビット(LSB)で置き換えられている符号化ビット308、309である。例えば、符号化ビット308、309が、C
NC
N−1C
N−2C
N−3・・・C
3C
2C
1C
0で表される場合、第1の符号化ビットシーケンス312は同じであり、第2の符号化ビットシーケンス314は、C
N−2C
N−3C
NC
N−1・・・C
1C
0C
3C
2として表される。多数の他の配列決定手法を使用することができる。別の状況では、例えば、第2の符号化ビットシーケンス314は、第1の符号化ビットシーケンス312の逆であってもよい。
【0031】
第1の基地局202内の変調部316は、符号化ビットシーケンス312を受信し、階層化変調を適用して、MTC情報106のすべてを含む変調信号318を生成する。第2の基地局204内の変調部317は、符号化ビットシーケンス314を受信し、階層化変調を適用して、MTC情報106のすべてを含む変調信号320を生成する。例えば、階層化変調は、高変調次数及び低変調次数を含む2つの変調次数を含む。「高」及び「低」という用語は、2つの次数間の変調次数の相対レベルを示すために使用される。したがって、両方とも他の変調次数に対して高くても低くてもよいが、高変調次数は、低変調次数よりも高い次数を有する。好適な変調次数の例としては、4−QAM及び16−QAM変調手法などの異なるコンステレーションサイズを有する直交振幅変調が挙げられる。既知のように、4−QAMは、データが位相−振幅表現の4つの象限のそれぞれにおいて単一のシンボルによって表される直交振幅変調方式である。16−QAMの場合、データは、それぞれの象限における4つの異なるシンボルで表される。結果として、16−QAMにより、4−QAMよりも経時的により多くのデータを送信することが可能であるが、シンボルを識別するために、位相と振幅との間の、4−QAMよりも小さい差を受信部が識別できることが要求される。それぞれの変調次数は、信号を適切に復調し、データを復元するために、受信部において受信信号の最低限必要な信号品質を要求する。したがって、受信部が16−QAM信号を受信するために、受信信号は、最低信号品質閾値を満たす必要がある。平均エネルギーをより低い変調次数で送信される信号と同じに保ちながら、信号がより高い変調次数で送信される場合、より高い変調次数のコンステレーションポイントは、互いにより近く存在する必要がある。結果として、雑音及び干渉レベルが同じままであると仮定すると、受信部がより高い変調次数で信号を正しく復調することはより困難になるだろう。
【0032】
第1の基地局202内の送信部322は、第1の変調信号318を第1の基地局202のサービスエリア内の第1の送信112として送信する。第2の基地局204内の送信部323は、第2の変調信号320を第2の基地局204のサービスエリア内の第2の送信116として送信する。したがって、2つの信号は、それぞれの基地局の対応するセル内でブロードキャストされる。上述したように、MBMS技術を使用して、送信112、116をブロードキャストすることができる。例えば、信号は、3GPP通信仕様の少なくとも1つの改訂版に従うが、本明細書で議論される更なる技術に従って、SC−PTM技術を使用して送信される。状況によっては、2つの送信112、116は、2つの異なるチャネルを介して同時に送信される。しかしながら、
図3の例では、信号は、異なる時間に送信されている。状況によっては、信号は、同じチャネルで同時に送信される。SC−PTMのトラフィックチャネルは、PDSCHで送信され、MBMSのトラフィックチャネルは、MBSFNチャネルを介して送信される。
【0033】
図3の送信を表す直線は、第1及び第3のMTC装置108、206において第2のMTC装置110よりも高品質で信号が受信されていることを示すために、第2のMTC装置110への直線よりも第1のMTC装置108及び第3のMTC装置206への直線が太い直線で示されている。例えば、第1のMTC装置108において受信された送信の信号品質は、第1のMTC装置108が、高変調次数(例えば、16−QAM)で第1の送信112を復調することを可能にするのに十分に高い。例えば、第3のMTC装置206において受信された送信の信号品質は、第3のMTC装置206が、高変調次数で第2の送信116を復調することを可能にするのに十分に高い。第2のMTC装置106において受信された送信の信号品質は、第2のMTC装置110が、高変調次数(例えば、16−QAM)で送信112、116のうちの一方を復調することを可能にするのに十分ではない。しかしながら、信号品質は、第2のMTC装置110が低変調次数(例えば、4−QAM)で送信を復調するのには十分である。その結果、第1のMTC装置108及び第3のMTC装置206は、1つの送信のみに高変調次数を適用することによって、MTC情報106のすべてを復元することができる。しかしながら、第2のMTC装置110は、両方の送信112、116に低変調次数を適用して、MTC情報106を復元する。結果として、第1のMTC装置108及び第3のMTC装置206は、送信を受信する短い時間、アクティブモードとなり、スリープモードがより長くなり、それ故に、電力を節約することとなる。上述したように、この技術は、高変調次数を使用して、MTC情報を受信することによって、一部のMTC装置が電力を節約することが可能になりながら、セル内のより多くのMTC装置がMTC情報を受信することを可能にする。
【0034】
状況によっては、符号化ビットシーケンスは、事前に決定されており、静的である。しかし、他の状況では、送信112、116のうちの1つ以上におけるビットシーケンスは、動的に変化しているか、そうでなければ、MTC装置108、110、206によって知られていない。結果として、基地局202、204のうちの少なくとも一方は、シーケンス(複数可)の順序付けを第2のMTC装置110に提供する。好適な技術の例としては、SC−PTMのためのSC−MCCH及びMBSFNのためのMCCHにおいて提供される制御情報の一部などの制御信号においてシーケンス情報324を送信することを含む。この例では、制御チャネルは、すべてのUE装置が、セルカバレッジエリア全体にわたって情報を取得することができるように、より低い変調次数で送信される。シーケンス情報を送信するための他の好適な手法の例としては、システムブロードキャストメッセージを介して、半静的な様式で情報をブロードキャストすることが挙げられる。
【0035】
上述した手法は、基本成分の変調次数が2
pで表され、変調次数の高度成分が2
rである階層化変調について一般化することができる。一般化に関して、r及びpは整数であり、rはpより大きい。本明細書における例に関して、状況によっては、この制約なしにシステムを実装することができるが、rはまたpの整数倍である。再送信数は、高度変調因子(enhanced modulator)の次数の指数と基本変調の指数の差から1を引いた差に等しい。したがって、2
pが基本変調因子(base modulator)の次数であり、2
rが高度変調因子の次数である場合、再送信数は、(r−p)/pであり、総送信数(n)は、(r−p)/p+1である。例えば、4−QAM及び16−QAMが使用される状況に関して、rは4であり、pは2であり、再送信数は、(4−2)/2=1である。総送信数は、(4−2)/2+1=2に等しい、n=2。別の例では、高度変調因子が64−QAMであり、基本変調因子が4−QAMである場合、r=6及びp=2であり、再送信数は、(6−2)/2=2である。
【0036】
状況によっては、上述したように、一方又は両方の基地局202、204は、MTC情報206を含む複数の階層化送信を送信することができる。例えば、第1の基地局202内のシーケンサ310は、第1の符号化ビットシーケンス312に加えて第2の符号化ビットシーケンス314を生成してもよい。第2の符号化ビットシーケンス314は、階層化変調で変調されて、別の第2の変調信号325を生成する。第2の変調信号325は、第1の基地局202のサービスエリア内で送信部322によって送信される。この例では、第2の変調信号325は、第2の変調信号320と同じ情報及び符号化ビットシーケンスを含む。しかしながら、基地局202、204は、隣接基地局であるため、2つの信号は、干渉を避けるために異なるチャネル内で送信される。信号品質閾値を上回る基地局202からの送信を受信することができない第1の基地局202のサービスエリア内のMTC装置は、低変調次数を使用して両方の送信を復調してそれぞれの送信からのMTC情報の一部を復元することができる。
【0037】
第2の基地局204はまた、信号品質閾値を下回る信号を受信する装置がMTC情報を復元することができるように、複数の階層化変調送信を送信することができる。例えば、第2の基地局204内のシーケンサ311は、第2の符号化ビットシーケンス314に加えて第1の符号化ビットシーケンス312を生成してもよい。第1の符号化ビットシーケンス312は、階層化変調で変調されて、別の第1の変調信号327を生成する。第1の変調信号327は、第2の基地局204のサービスエリア内で送信部323によって送信される。この例では、第2の変調信号327は、第1の変調信号318と同じ情報及び符号化ビットシーケンスを含む。しかしながら、基地局202、204は、隣接基地局であるため、2つの信号は、干渉を避けるために異なるチャネル内で送信される。
【0038】
基地局202、204を参照して記載されたブロックの多様な機能及び動作は、任意の数の装置、回路、電子機器、コード又は要素において実施されてもよい。機能ブロックのうちの2つ以上は、単一の装置に統合されてもよく、任意の単一のブロックにおいて実行されるように記載された機能は、複数の装置にわたって実施されてよい。例えば、エンコーダ306及びシーケンサ310の機能は、状況によっては、単一の信号処理装置328によって実行されてもよい。同様に、エンコーダ307及びシーケンサ311の機能は、状況によっては、単一の信号処理装置329によって実行されてもよい。
【0039】
図4は、第1の送受信局102が基地局402であり、第2の送受信局104が中継局404である例のシステム100のブロック図である。中継局404は、機能が制限された独立型中継局であってもよく、又は中継機能を有する基地局であってもよい。多くの場合、中継局は、限られたバッテリ寿命を有するUEであってもよい。中継局404は、基地局からMTC装置を含む1つ以上のUE装置に信号を転送する機能を少なくとも有する。典型的な状況では、中継局404はまた、UE装置から基地局へ上りリンク信号を転送する。
【0040】
図4の例に関して、基地局402は、MTC情報106を含む階層化変調信号をブロードキャストし、中継局404は、MTC情報の少なくとも一部を第2の送信116で送信し、MTC情報は、第1の送信112で基地局402から受信される。他の例に関して上述したように、第1の送信112を復調するために高変調次数を使用する装置は、MTC情報106のすべてを復元することができる。結果として、信号品質閾値を上回る第1の送信を受信する第1のMTC装置108のようなMTC装置は、高変調次数を使用して、第1の送信を復調し、MTC情報を復元することができる。この例では、中継局404はまた、信号品質閾値を上回る第1の送信112を受信する。したがって、中継局404は、第1の送信112を受信し、MTC情報106のすべてを復元する。
【0041】
しかしながら、第2のMTC装置110は、信号品質閾値を下回る第1の送信112を受信し、低変調次数を使用して第1の送信112を復調することによってMTC情報の一部118を復元する。第2のMTC装置110が第1の送信112を受信するとき、第2のMTC装置は、第1の送信112が信号品質閾値より上回って受信されたか又は下回って受信されたかを中継局404に指示する選択肢を有する。指示は、SNR値の形式であってもよく、又は単に1ビットの指示であってもよく、この指示の必要性は、中継局404又は基地局402によって設定可能であってもよい。第1の送信112が信号品質閾値を上回って受信されたという指示をMTC装置110から中継局404が受信した場合、中継局404は、電力を節約するために、第2の送信114を送信することを控えてもよい。この例では、中継局404は、第2の送信116におけるMTC情報の残りの部分114を第2のMTC装置110に送信し、第2のMTC装置が基地局402から受信した部分118と中継局404から受信した残りの部分114とを組み合わせて、MTC情報106のすべてを復元することを可能にする。
【0042】
いくつかの技術のうちの任意を、第2の送信116の送信のために中継局404が使用することができ、選択された技術は、特定の状況に依拠し得る。中継送信の第1の例では、中継局404は、MTC情報106のすべてを含む階層化変調信号を送信する。信号品質閾値を上回る第2の送信116を受信するMTC装置は、高変調次数を使用して第2の送信を復調することによってMTC情報のすべてを復元することができる。閾値を下回る第2の送信を受信するMTC装置は、低変調次数を使用して、第2の送信信号を復調し、MTC情報の残りの部分114を復元することができる。典型的には、第2の送信におけるビットシーケンスは、第1の送信におけるビットシーケンスとは異なり、例えば、第2の送信におけるシーケンスは、第2の送信を送信するために基地局402によって使用されるシーケンスと同じである。したがって、中継送信の第1の例に関して、第2のMTC装置110は、中継局からMTC情報のすべてを受信するために高変調次数を使用するか、又は第1の送信112において基地局から受信されなかったMTC情報の残りの部分を受信するために低変調次数を使用することができる。
【0043】
第2の中継送信例では、中継局404は、基地局から第2のMTC装置110によって受信されなかったMTC情報の残りの部分114のみを送信する。第2の中継送信例では、中継局404は、残りの部分114をより低い変調次数で送信する。したがって、この状況では、第2のMTC装置110は、第2の送信116に低変調次数を使用して残りの部分114を復元することができる。この状況では、第2の送信116は、MTC情報の残りの部分114のみを含むので、送信116は、MTC情報106のすべてを含む送信よりも短い。
【0044】
第3の中継送信例では、中継局404は、高変調次数を使用して残りの部分114のみを送信する。したがって、この状況での送信は、第2の中継送信例における第2の送信よりも短い。
【0045】
第4の中継送信例では、中継局は、第2の送信を適用するために適切な変調次数を判定し、残りの部分のみを送信する。変調は、高変調次数及び低変調次数から選択されてもよく、又は他の変調次数であってもよい。MTC装置からのチャネル品質のフィードバックに基づいて、中継局は、どれが最良のMCSであるかを判定することができる。別の手法では、アンカー基地局などの基地局は、どのMCSを使用するかを中継局に通知する。アンカー基地局は通常、サービスが提供されているMTC装置のチャネル状態に関する良好なデータを有する。この情報は、中継局へのユニキャスト送信又はSIBメッセージのいずれか一方により配信することができる。装置間(D2D)中継局(ProSeリレー)が実装されている状況では、中継局は、発見手順を使用して、1対1通信のための接続が確立されている間に、MTC装置がどれだけ離れた位置にあるかを判定してもよい。
【0046】
図5は、
図4のシステム100のブロック図であり、基地局402及び中継局404は、MTC情報106を表す符号化ビットをMTC装置108、110に送信する。基地局402及び中継局404はそれぞれ、MTC情報106を少なくとも1つの符号化ビットシーケンスに符号化及び順序付けし、符号化ビットシーケンスを階層化変調で変調し、変調されたシーケンスを送信する。中継局404は、基地局402から第1のビットシーケンス405を受信し、MTC装置110に送信される第2の符号化ビットシーケンス412を生成する。
【0047】
基地局402は、
図5の例に関して、基地局402が符号化ビット308を順序付けして、基地局402が情報を含まない場合にヌルを含むシーケンス405を生成すること以外は、
図2及び
図3の基地局202と同様に動作する。結果として、同じチャネル内での中継局404及び基地局402からの送信は、互いに干渉しないこととなる。例えば、基地局402は、サービスエリア内の階層化変調を使用してブロードキャストされるMTC情報の少なくとも1つのビットシーケンスを生成する。状況によっては、上述したように、基地局402はまた、サービスエリア内のMTC装置が2つの送信からMTC情報を復元するために低変調次数を使用することを可能にしてブロードキャストされる第2のビットシーケンスを生成してもよい。状況によっては、基地局402は、第2のシーケンスを送信するべきか、又は中継局404に第2のシーケンスを送信させるかを判定してもよい。そのような判定は、幾つかの要因に基づいてもよく、典型的には情報を必要とするMTC装置並びにそのエリア内の中継局の利用可能性及び相対位置に依存する。
【0048】
中継局404内の受信部406は、MTC情報106を含む基地局402からの第1の送信112を受信する。復調部408は、MTC情報106の符号化ビット308を復元するために高変調次数を使用した。中継局404内のシーケンサ410は、受信した第1の送信112から復元した符号化ビット308に基づいて第2のビットシーケンス412を生成する。例えば、第2のビットシーケンス412もまた、情報が含まれていないヌルを含む。したがって、
図5の例に関して、第1の符号化ビットシーケンス405は、一般的に、nullnullCNCN−1CN−2・・・nullnullC7C6C5C4nullnullC3C2C1C0として表され、第2の符号化ビットシーケンスは、CNCN−1nullnull・・・nullnullC7C6nullnullnullnullC3C2nullnullnullnullとして表される。第2のビットシーケンス412は、変調部414によって変調されて、送信部418によって第2の送信116として送信される第2の変調信号416を形成する。変調部414は、低変調次数、高変調次数又は別の変調次数を使用して、第2の変調信号416を生成してもよい。例えば、第2の送信116は、MTC情報の残りの部分114のみを含む。しかしながら、状況によっては、中継局404は、階層化変調技術を使用してMTC情報106のすべてを再送信することができる。シーケンスにヌルを含めることに対する代替として、基地局は、ヌルを伴わずシーケンス全体を送信することができ、中継局は、第2の送信を送信する前に基地局が送信を終了するのを待つ。
【0049】
図5の例では、第2のMTC装置110は、低変調次数を使用して基地局402からの第1の送信112からMTC情報の一部118を復元し、低変調次数を使用して中継局404からの第2の送信からMTC情報の残りの部分114を復元する。他の例では、残りの部分は、より高い変調次数で送信されてもよく、第2のMTC装置は、より短い時間で残りの部分を復元することができる。例えば、中継局404は、第2のシーケンスを別の例ではCNCN−1CN−4CN−5nullnull・・・C7C6C3C2nullnullnullnullnullnullnullnullとして送信する。
【0050】
例えば、シーケンス情報324は、MTC装置110に提供される。状況によっては、基地局402は、上記の技法を使用してシーケンス情報324を提供してもよい。他の状況では、中継局は、シーケンス情報の少なくとも一部を提供してもよい。例えば、基地局402は、第1及び第2の送信に関するシーケンス情報を提供してもよい。中継局404は、第2のシーケンスに関する追加の又は更新されたシーケンス情報を提供してもよい。そのような状況は、中継局が送信のための変調次数を動的に決定し、ビットシーケンスを変更する場合に生じ得る。しかしながら、そのような状況では、制御信号のオーバーヘッドが増大する場合がある。
【0051】
図6は、2つの送受信局からMTC情報103をブロードキャストする方法の例のフローチャートである。
図6のステップは、図示されているステップと異なる順序で実行することができ、いくつかのステップは、単一のステップに組み合わされてもよい。追加のステップが実行されてもよく、いくつかのステップが省略されてもよい。
【0052】
ステップ602において、シーケンス情報324は、セル内のMTC装置に送信される。シーケンス情報324は、1回以上の送信におけるビットのシーケンス順を示す。基地局などの第1の送受信部102は、シーケンス情報324を制御情報としてSC−MCCH、MCCH又はシステム情報を介してブロードキャストする。状況によっては、第2の送受信部104は、シーケンス情報324を送信する。
【0053】
ステップ604において、MTC情報を表す符号化ビット308に基づいて、第1の符号化ビットシーケンスが生成される。第1の送受信局102におけるシーケンサは、MTC情報106を表す符号化ビットから第1の符号化ビットシーケンスを生成する。例えば、ビットシーケンスは、すべてのMTC情報を表し、他のシーケンスとは異なる。
【0054】
ステップ606において、MTC情報を表す符号化ビットに基づいて、第2の符号化ビットシーケンスが生成される。第2の送受信局内のシーケンサは、第2の符号化ビットシーケンスを生成する。上述したように、第1のビットシーケンスは、この例に関しては元の符号化ビットシーケンスであり、第2のシーケンスは、シーケンスを形成するビットの組においてMSBをLSBと交換することを含んでもよい。第2のビットシーケンスは、MTC情報ビット106のすべてを含んでもよく、又はMTC装置110によってまだ復元されていない残りの部分のみを含んでもよい。第2の送受信部が中継局である場合、第1の符号化ビットシーケンス及び第2の符号化ビットシーケンスは、ヌルを含む。状況によっては、中継局は、第1のシーケンスが信号閾値を上回って受信されたという指示をMTC装置から受信する。この場合、中継局は、電力を節約するために第2のシーケンスの送信を控えてもよい。
【0055】
ステップ608において、階層化変調を第1のビットシーケンスに適用して、第1の変調信号を生成する。第1の送受信部内の変調部は、第1の符号化ビットシーケンスを変調し、低変調次数を適用することによって一部を復元し、高変調次数を使用して、第1の変調信号を復調することによって、すべてのMTC情報を復元する。
【0056】
ステップ610において、第2の送受信部は、第2の符号化ビットシーケンスを変調して第2の変調信号を生成する。状況によっては、MTC情報106のすべてを表す符号化ビットシーケンスを変調するために階層化変調を使うことができる。例えば、両方の送受信局が、重複するサービスエリアを有する基地局である場合、それぞれの基地局は、高変調次数を使用して信号を復調するのに十分な品質で送信を受信することができないMTC装置にサービス提供してもよい。サービング基地局から、階層化変調を用いて複数の送信を受信することによって、MTC装置は、MTC情報106のすべてを復元することができる。他の状況では、送受信局104は、高変調次数のみを使用して、MTC情報の残りの部分114のみを表す符号化ビットシーケンスを変調してもよい。例えば、第2の送受信局104が中継局404である場合、中継局404は、第1の送信からMTC情報のすべてを受信し、MTC情報の残りの部分のみを含む第2のビットシーケンスを生成し、高変調次数によりシーケンスを変調してもよい。これは、送信先のMTC装置110が中継局から信号品質閾値を上回って信号を受信しており、高変調次数を使用することによって受信時間を最小化することができる場合に特に有用であり得る。更に他の状況では、第2の送受信局は、低変調次数又は別の変調次数を適用して、送信先のMTC装置110によって復元されなかったMTC情報の残りの部分のみを表す第2の符号化ビットシーケンスを変調してもよい。これらの技法は、第2の送受信局が中継局であり、MTC装置が中継局から信号品質閾値を上回る信号を受信していない場合に有用であり得る。
【0057】
ステップ612において、第1の送受信局は、MTC情報を第1の送信でブロードキャストする。上述したように、信号は、信号品質閾値を上回る送信を受信するMTC装置が、高変調次数を使用して送信を復調して、送信に含まれるMTC情報のすべてを復元することができるように、階層化変調を使用して変調される。他のMTC装置は、より低い変調次数を適用して、第1の送信を復調することによって、MTC情報の一部を復元することができる。
【0058】
1つのシナリオでは、上述のように、送信は、16−QAM復調を送信に適用することによって、MTC情報がMTC装置によって復元可能であり、送信に4−QAMを適用することによって、別のMTC装置によってMTC情報の一部が復元可能であるように、16−QAM変調及び4−QAM変調を含んでもよい。
【0059】
ステップ614において、第2の送受信局は、第2のMTC装置が第1の送信から復元しなかったMTC情報の残りの部分を送信する。第2の送信は、第2の装置がMTC情報の残りの部分を復元できるように送信される。第1の送信で受信した部分と第2の送信で受信した残りの部分とを組み合わせることにより、MTC装置110は、MTC情報106のすべてを復元する。
【0060】
図7は、MTC装置がMTC情報を受信する方法のフローチャートである。
図7のステップは、図示されているステップと異なる順序で実行することができ、いくつかのステップは、単一のステップに組み合わされてもよい。追加のステップが実行されてもよく、いくつかのステップが省略されてもよい。例えば、方法は、MTC装置108又はMTC装置110などのMTC UE装置によって実行される。
【0061】
ステップ702において、シーケンス情報は、第1の送受信局若しくは第2の送受信局のいずれか一方から、又は両方から受信される。
【0062】
ステップ704において、MTC装置は、第1の送受信局から第1の送信を受信した。
【0063】
ステップ706において、第1の送受信局から受信された第1の送信の信号品質が閾値を上回るか否かが判定される。閾値は、MTC装置が高変調次数を使用して送信を復調することに成功することを可能にする最低限の品質である。閾値は、信号対雑音比(SNR)、信号対雑音プラス干渉比(SNIR)、基準信号受信品質(RSRQ)、基準信号受信電力(RSRP)、又はMTC装置がより高い変調次数を使用できるかどうかを判定することを可能にする他の任意の適切なパラメータであってもよく、又はこれらの任意の組み合わせに基づいてもよい。。
【0064】
信号品質が閾値を上回る場合、方法は、高変調次数(例えば、16−QAM)を使用して第1の送信が復調されるステップ708に続く。MTC装置は、信号品質が閾値を上回る場合に第2の送受信局に通知する選択肢を有する。そうでない場合、方法は、ステップ710に続く。
【0065】
ステップ710において、MTC情報の一部を復元するために、低変調次数を使用して第1の送信が復調される。より低い変調次数を使用する場合、MTC装置は、送信からの符号化ビットのうちのいくつかを取得して、MTC情報を復元する。
【0066】
ステップ712において、MTC装置は、第2の送受信局から第2の送信を受信した。
【0067】
ステップ714において、MTC装置は、第2の送信を復調して、MTC情報の残りの部分を復元する。MTC装置は、シーケンス情報を使用して適切なビットを復元する。
【0068】
ステップ716において、MTC装置は、第1の送信で受信されたMTC情報の部分を第2の送信で受信されたMTC情報の残りの部分と組み合わせて、MTC情報106のすべてを復元した。
【0069】
当業者であれば、これらの教示に照らして、本発明の他の実施形態及び変更形態を容易に実施し得ることは明白である。上記の説明は、例示的なものであり、限定的なものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみ限定されるべきものであり、特許請求の範囲には、上述の詳細及び添付の図面を組み合わせて考慮した場合の、あらゆる実施形態及び変更形態が含まれる。したがって、本発明の範囲は、上記の説明を参照して判定されるのではなく、均等物の全範囲とともに、添付される請求の範囲を参照して判定されるべきである。