(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6788106
(24)【登録日】2020年11月2日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】電池セルのための電極スタックを製造する方法、及び、電池セル
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20201109BHJP
H01M 4/04 20060101ALI20201109BHJP
H01M 4/139 20100101ALN20201109BHJP
H01M 10/0585 20100101ALN20201109BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M4/04 Z
!H01M4/139
!H01M10/0585
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-516385(P2019-516385)
(86)(22)【出願日】2017年9月15日
(65)【公表番号】特表2019-533285(P2019-533285A)
(43)【公表日】2019年11月14日
(86)【国際出願番号】EP2017073254
(87)【国際公開番号】WO2018059967
(87)【国際公開日】20180405
【審査請求日】2019年5月20日
(31)【優先権主張番号】102016218495.4
(32)【優先日】2016年9月27日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】プロエル,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】クレッチュマー,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ユーステル,トーマス
【審査官】
前田 寛之
(56)【参考文献】
【文献】
特表2005−535480(JP,A)
【文献】
特表2014−519145(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 10/0585
H01M 4/00 − 4/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セル(2)のための電極スタック(10)を製造する方法であって、以下の工程、即ち、
アノード活物質(41)が塗布されたアノード集電体(31)を含む帯状のアノード要素(45)を準備する工程と、
カソード活物質(42)が塗布されたカソード集電体(32)を含む帯状のカソード要素(46)を準備する工程と、
少なくとも1つの帯状のセパレータ要素(16)を準備する工程と、
分割線(S)の周りに、前記カソード活物質(42)に溝(70)を形成する工程と、
前記少なくとも1つのセパレータ要素(16)を間に挟んで、前記アノード要素(45)に前記カソード要素(46)を貼り付けることで、帯状の結合体要素(50)を作製する工程と、
前記分割線(S)で前記結合体要素(50)を切断して、複数の板状の結合体セグメント(52)を形成する工程と、
複数の前記結合体セグメント(52)を積層することで前記電極スタック(10)を作製する工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記アノード要素(45)は、横方向(y)の幅(d1)が、前記カソード要素(46)の横方向(y)の幅(d2)よりも広い、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記分割線(S)及び前記溝(70)は、横方向(y)に延在する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記カソード活物質(42)が、前記カソード集電体(32)の両側に塗布されており、前記溝(70)は、前記両側の前記カソード活物質(42)に形成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
複数の前記溝(70)が、レーザによって前記カソード活物質(42)に形成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
複数の前記溝(70)は、U字状の断面を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
複数の前記溝(70)は、三角形状の断面を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
複数の前記溝(70)は、矩形状の断面を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの電極スタック(10)を含む電池セル(2)であって、
前記電極スタック(10)は、積層された複数の板状の結合体セグメント(52)を含み、
それぞれの前記結合体セグメント(52)は、カソードセグメント(56)、セパレータセグメント(17)、及びアノードセグメント(55)を含み、
前記カソードセグメント(56)、前記セパレータセグメント(17)、及び前記アノードセグメント(55)は、この順に積層され互いに結合されており、
前記アノードセグメント(55)は、アノード活物質(41)が塗布されたアノード集電体(31)を含み、
前記カソードセグメント(56)は、カソード活物質(42)が塗布されたカソード集電体(32)を含み、
前記カソードセグメント(56)、前記セパレータセグメント(17)、及び前記アノードセグメント(55)が積層される方向に沿って広がる前記結合体セグメント(52)の側面において、前記カソード活物質(42)の層に相当する領域が溝状に凹んでいる、
電池セル(2)。
【請求項10】
電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、又は家庭用電化製品に利用される、請求項9に記載の電池セル(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状の要素を切断して帯状セグメントを生成し、この帯状セグメントを積層することで、電池セルのための電極スタックを製造する方法に関する。更に、本発明は、本発明に係る方法に従って製造された電極スタックを有する電池セルにも関する。
【背景技術】
【0002】
電気エネルギーは、電池を用いて貯蔵することが可能である。電池は、化学的な反応エネルギーを電気エネルギーに変換することが可能である。ここで、一次電池と二次電池とが区別される。一次電池は1度しか稼働しえないが、蓄電池とも呼ばれる二次電池は再充電が可能である。蓄電池では、特に、所謂リチウムイオン電池セルが利用される。このリチウムイオン電池セルは、特に、高いエネルギー密度と、熱安定性と、非常に少ない自己放電と、によって卓越している。
【0003】
リチウムイオン電池セルは、カソードとも呼ばれる正の電極と、アノードとも呼ばれる負の電極と、を有する。カソード及びアノードは、集電体を1つずつ含み、この集電体に活物質が塗布されている。電池セルの電極はフィルム状に形成されており、アノードとカソードとを分離するセパレータを間に挟んだ状態で積層されて電極スタックとなる。電極は、巻回されて巻回電極体を成していてもよく、又は、他の形態により電極ユニットを形成してもよい。
【0004】
電極ユニットの2つの電極は、端子とも呼ばれる電池セルの極と電気的に接続されている。電極及びセパレータは、通常は液状の電解質によって囲まれている。電池セルは、例えばアルミニウムで製造されたセルハウジングを更に有する。セルハウジングは、通常では角柱形状に、特に直方体形状に形成され、耐圧性を備えて構成される。しかしながら、他のハウジング形状、例えば円柱状も公知であり、又は、柔軟なポーチセル(Pouchzelle)も公知である。
【0005】
新しい電池セルを開発する際の基本的な試みは、セルの電気化学的な有効容量を増やすことである。この有効容量を最大化するための、電極ユニットの最適な構造形態は電極スタックであるということが判明している。なぜならば、電極スタックは、理想的には角柱形状にも、任意の他の幾何学的形状にも製造されうるからである。
【0006】
リチウムイオン電池の場合、電荷移動のために設けられるリチウムの金属化が起きる可能性がある。その場合、金属化したリチウムは、電荷移動のためにはもはや利用可能ではなく、これにより電池セルの容量が下がる。電極スタック内でアノードがカソードよりも突出している場合には、リチウムの金属化が防止され又は少なくとも軽減されうる。
【0007】
国際公開第2015/015274号明細書では、負の電極膜及び正の電極膜を含む電極ユニットを有する電池セルが開示されている。ここでは、負の電極膜の幅は、正の電極膜の幅よりも広い。
【0008】
米国特許出願公開第2011/0039140号明細書は、負の電極及び正の電極を含む電極ユニットを有する電池を開示している。正の電極は集電体を有し、この集電体の両側には活物質が塗布されている。活物質には溝が形成されている。
【0009】
中国実用新案第203932198号明細書では、電極膜を有する電極ユニットを含むリチウムイオン電池が開示されている。上記電極膜の一方が、活物質が塗布された集電体を有する。活物質には、レーザによって溝が形成されている。
【発明の概要】
【0010】
電池セルのための電極スタックを製造する方法が提案される。本方法は、少なくとも、以下の実行される工程を含む。
【0011】
まず、アノード活物質が塗布されたアノード集電体を含む帯状のアノード要素が準備される。同様に、カソード活物質が塗布されたカソード集電体を含む帯状のカソード要素が準備される。更に、少なくとも1つの帯状のセパレータ要素が準備される。
【0012】
アノード要素と、カソード要素と、少なくとも1つのセパレータ要素とは、ここでは、平坦かつ帯状に形成されている。このことは本文脈では、縦方向の上記要素の長さが、縦方向に対して直交する横方向の上記要素の長さよりも遥かに長く、特に、少なくとも10倍長いことを意味している。
【0013】
続いて、分割線の周りに、カソード活物質に溝が形成される。好適には、溝は、分割線が当該溝の中央に存在するようにカソード活物質に形成される。その際に、溝はカソード活物質を好適には完全に貫通し、これにより好適にはカソード集電体まで達している
。
【0014】
この後に、少なくとも1つのセパレータ要素を間に挟んで、アノード要素にカソード要素を貼り付けることで、帯状の結合体要素が作成される。カソード要素と、少なくとも1つのセパレータ要素と、アノード要素とは、好適には互いに結合され、特に成層化される。
【0015】
続いて、以前に溝が形成され
たカソード活物質の分割線で、結合体要素を切断して、板状の結合体セグメントが形成される。この作業は「個別化」とも呼ばれる。
【0016】
カソード要素と、少なくとも1つのセパレータ要素と、アノード要素とは同じ作業工程で一緒に切断されて、板状のセグメントとなる。このように作成された結合体セグメントは、カソードセグメントと、アノードセグメントと、少なくとも1つのセパレータセグメントとを1つずつ含み、カソードセグメントと、アノードセグメントと、少なくとも1つのセパレータセグメントとは、好適には互いに結合されている。
【0017】
結合体セグメントは、カソードセグメント、アノードセグメント、及び、セパレータセグメントと同様に、ここでは平坦かつ板状に形成されている。このことは本文脈では、縦方向の上記セグメントの長さが、横方向の上記セグメントの長さとほぼ同じ長さであり、特に、最小で、横方向の上記セグメントの長さの半分の長さであり、最大で、横方向の上記セグメントの長さの2倍の長さであることを意味している。
【0018】
この後で、以前に生成された結合体セグメントが積層される。十分な数の結合体セグメントを積層することによって、電池セルのための電極スタックが作成される。
【0019】
有利には、アノード要素は、横方向の幅が、カソード要素の横方向の幅よりも広い。これにより、アノード要素は、結合体要素内で、横方向にカソード要素よりも突出している。これにより、アノードセグメントも、結合体セグメント内で、横方向にカソードセグメントよりも突出している。
【0020】
好適には、分割線、及び
、カソード活物質に形成された溝は、横方向に延在しており、従って、縦方向に対して直交している。
【0021】
好適には、カソード活物質が、カソード集電体の両側に塗布されている。上記溝は、好適には両側のカソード活物質に形成されている。同様に、好適には、アノード活物質は、アノード集電体の両側に塗布されている
。
【0022】
本方法の好適な構成によれば、複数の上記溝、好適には全ての溝が、レーザによっ
てカソード活物質に形成される。
【0023】
本発明の有利な実施形態によれば、複数の上記溝、好適には全ての溝が、少なくとも近似的にU字状の断面を有する。
【0024】
本発明の他の有利な実施形態によれば、複数の上記溝、好適には全ての溝が、少なくとも近似的に三角形の断面を有する。
【0025】
本発明の更に別の有利な実施形態によれば、複数の上記溝、好適には全ての溝が、少なくとも近似的に矩形の断面を有する。
【0026】
更に、本発明に係る方法に従って製造された少なくとも1つの電極スタックを含む電池セルが提案される。
【0027】
本発明に係る電極セルは、有利には、電気自動車(EV
:electric vehicle)、ハイブリッド自動車(HEV
:hybrid‐electric vehicle)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV
:plug‐in hybrid electric vehicle)、又は家庭用電化製品で利用される。家庭用電化製品とは、特に、携帯電話、タブレットPC、又はノートブック(Notebook)として理解されたい。
【0028】
本発明に係る方法によって、
有利にはアノードがカソードより突出している電極スタックが生成される。これにより、電極スタック内のリチウムの金属化が好適には防止され又は少なくとも軽減される。
【0029】
更に、結合体セグメントを積層する際に必要な処理時間も、個々の電極セグメントを積層することと比べて有利に短縮される。更に、積層の際の結合体セグメント同士の方向付けは、個別のアノードセグメント、個別のカソードセグメント、及び、個別のセパレータセグメントを積層する際ほど公差に縛られておらず、従ってエラーが起こりにくい。これにより、電極スタックを製造するコストが有利に削減される。溝は、ほぼ任意の断面を有していてもよいが、特定の断面形状が、製造方法に応じて特に有利であると分かっている。溝を形成することによって、活物質が集電体から局所的に除去される。この活物質の除去は、複数のやり方で、例えば機械的に行うことが可能である。しかしながら、活物質の除去は、好適にはレーザを用いても行われ、これにより、電極スタックを製造する処理時間が有利に削減され、これにより、電極スタックを製造するコストが更に削減される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明の実施形態が、図面及び以下の明細書の記載によって詳細に解説される。
【
図2】アノード要素及びカソード要素の概略図を示す。
【
図3a】第1の実施形態に係る、
図2の切断線A−Aに沿ったカソード要素の概略的な断面図を示す。
【
図3b】第2の実施形態に係る、
図2の切断線A−Aに沿ったカソード要素の概略的な断面図を示す。
【
図3c】第3の実施形態に係る、
図2の切断線A−Aに沿ったカソード要素の概略的な断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の実施形態についての以下の記載では、同じ又は類似した構成要素には同じ符号が付され、個別ケースでの上記構成要素の反復説明は省略される。図は、本発明の主題を概略的に示しているにすぎない。
【0032】
図1は、電池セル2の概略図を示している。電池セル2は、角柱形状、ここでは直方体形状に形成されたハウジング3を含む。ハウジング3は、ここでは電導性を有して実現されており、例えばアルミニウムから製造されている。
【0033】
電池セル2は、負の端子11と、正の端子12と、を含む。端子11、12を介して、電池セル2により提供される電圧が取得されうる。更に、端子11、12を介して電池セル2を充電することも可能である。
【0034】
電池セル2のハウジング3の内部には、ここでは電極スタック10として実現された電極ユニットが配置されている。電極スタック10は、2つの電極、即ち、アノード21及びカソード22を有する。アノード21及びカソード22はそれぞれフィルム状に形成されており、セパレータ要素18によって互いに隔てられている。セパレータ要素18は、イオン伝導性を有し、即ちリチウムイオンを透過させる。
【0035】
アノード21は、アノード活物質41と、アノード集電体31と、を含む。アノード集電体31は、電導性を有して実現されており、金属、例えば銅から製造されている。アノード集電体31は、電池セル2の負の端子11と電気的に接続されている。
【0036】
カソード22は、カソード活物質42と、カソード集電体32と、を含む。カソード集電体32は、電導性を有して実現されており、金属、例えばアルミニウムから製造されている。カソード集電体32は、電池セル2の正の端子12と電気的に接続されている。
【0037】
図2は、アノード要素45及びカソード要素46の概略図を示している。アノード要素45及びカソード要素46は、平坦かつ帯状に形成されている。縦方向xにおけるアノード要素45及びカソード要素46の長さは、縦方向xに対して直交する横方向yにおけるアノード要素45及びカソード要素46の長さよりも遥かに長く、特に、少なくとも10倍長い。アノード要素45とカソード要素46とはそれぞれ、ロール状に巻かれている。
【0038】
アノード要素45は、アノード集電体31を含み、このアノード集電体31には、アノード活物質41が塗布されている。アノード活物質41は、アノード集電体31の両側に塗布されている。アノード要素45は、横方向yの幅d1を有する。
【0039】
カソード要素46は、カソード集電体32を含み、このカソード集電体32には、カソード活物質42が塗布されている。カソード活物質42は、カソード集電体32の両側に塗布されている。カソード要素46は、アノード要素45の幅d1よりも狭い横方向yの幅d2を有する。
【0040】
カソード活物質42には、横方向yに延在する溝70が形成されている。ここで、溝70は、カソード活物質42を完全に貫通し、カソード集電体32にまで達している。溝70は、両側のカソード活物質42に形成されている。上記の溝70は、レーザによってカソード活物質42に形成されている。
【0041】
溝70は、切断線Sの周りにカソード活物質42に形成されている。ここで、切断線Sは、溝70の中央に存在する。切断線Sも同じように横方向yに延在しており、縦方向xに互いに等間隔に配置されている。
【0042】
図3aは、第1の実施形態に係る、
図2の切断線A−Aに沿ったカソード要素46の概略的な断面図を示している。溝70は、近似的にU字状の断面を有する。溝70の外壁は、まず、カソード集電体32から離れた領域では互いに平行に延在しており、カソード集電体32に近づくにつれて、半円形のアーチ部に移行する。
【0043】
図3bは、第2の実施形態に係る、
図2の切断線A−Aに沿ったカソード要素46の概略的な断面図を示している。溝70は、少なくとも近似的に三角形の断面を有する。溝70の外壁は、カソード集電体32から離れた領域では、互いに比較的大きな間隔が取られており、カソード集電体32に近づくにつれて互いに近づき交差するように傾斜して延びている。
【0044】
図3cは、第3の実施形態に係る、
図2の切断線A−Aに沿ったカソード要素46の概略的な断面図を示している。溝70は、少なくとも近似的に矩形の断面を有する。溝70の外壁は、カソード集電体32から離れた領域では互いに間隔が取られており、互いに平行に及びカソード集電体32に対して直交して、カソード集電体32へと延びている。
【0045】
図4は、
図3aに示した第1の実施形態に係るカソード要素46を含む結合体要素50の概略的な断面図を示している。結合体要素50は、アノード要素45、第1のセパレータ要素16、及び、第2のセパレータ要素16を更に含む。
【0046】
ここでは、カソード要素46は、第1のセパレータ要素16に貼り付けられ、第1のセパレータ要素16と結合されている。第1のセパレータ要素16の、カソード要素46とは反対の側には、アノード要素45が貼り付けられており、第1のセパレータ要素16と結合されている。アノード要素45の、第1のセパレータ要素16とは反対を向いた側には、第2のセパレータ要素16が貼り付けられており、アノード要素45と結合されている。
【0047】
結合体要素50は、ここでは、第1のセパレータ要素16を間に挟んでアノード要素45にカソード要素46を貼り付け、またアノード要素45に第2のセパレータ要素16を貼り付けることで、作成される。その後、結合体要素50は、活物質42に設けられた溝70内の切断線Sで切断される。上記切断線Sで帯状の結合体要素50を切断することによって、板状の結合体セグメント52が作成される。
【0048】
図5は、このような結合体セグメント52の概略的な断面図を示している。このように作成された結合体セグメント52は、カソードセグメント56と、アノードセグメント55と、2つのセパレータセグメント17と、を含む。ここでは、第1のセパレータセグメント17は、アノードセグメント55とカソードセグメント56との間に配置されている。第2のセパレータセグメント17は、アノードセグメント55のうち第1のセパレータセグメント17とは反対側に配置されている。カソードセグメント56、アノードセグメント55、及び、2つのセパレータセグメント17は互いに結合されている。
【0049】
この後、複数のこのような結合体セグメント52が互いに重ねられて積層されて、電極スタック10となる。ここで、複数の結合体セグメント52は、同じ向きで重ねられて積層されている。これにより常に、セパレータセグメント17‐アノードセグメント55‐セパレータセグメント17‐カソードセグメント56‐セパレータセグメント17等の連続が生じる。
【0050】
アノード集電体31からは、アノード21のここでは図示されない接触タブが、結合体セグメント52から突出している。カソード集電体32からは、カソード22のここでは図示されない接触タブが、結合体セグメント52から突出している。アノード21の複数の接触タブが一列に並び、かつ、カソード22の複数の接触タブが一列に並ぶように、複数の結合体セグメント52は、積層される際に配置される。その際に、アノード21の接触タブは、カソード22の接触タブとはずらされて配置される。
【0051】
続いて、アノード21の接触タ
ブ同士が結合されて、電池セル2の負の端子11と電気的に接続される。同様に、続いて、カソード22の接触タ
ブ同士が接触されて、電池セル2の正の端子12と電気的に接続される。接触タブ同士の結合、及び、接触タブと端子11、12との接続は、好適には溶接によって行われる。
【0052】
本発明は、本明細書に記載される実施例、及び実施例で強調される観点には限定されない。むしろ、特許請求の範囲により示される範囲内で、当業者の業の枠組みに収まる複数の変更が可能である。