(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6788110
(24)【登録日】2020年11月2日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】マシン型通信(MTC)データおよびモバイルブロードバンドユーザ機器(UE)データのための共通位置依存制御情報の伝送
(51)【国際特許分類】
H04W 72/12 20090101AFI20201109BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20201109BHJP
H04W 4/70 20180101ALI20201109BHJP
【FI】
H04W72/12 130
H04W72/04 136
H04W4/70
H04W72/04 131
H04W72/04 132
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-518980(P2019-518980)
(86)(22)【出願日】2017年10月17日
(65)【公表番号】特表2019-531661(P2019-531661A)
(43)【公表日】2019年10月31日
(86)【国際出願番号】US2017056910
(87)【国際公開番号】WO2018075472
(87)【国際公開日】20180426
【審査請求日】2019年6月7日
(31)【優先権主張番号】62/410,966
(32)【優先日】2016年10月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】キュリーズ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】カルハン アミット
【審査官】
小林 正明
(56)【参考文献】
【文献】
特表2015−522975(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0286918(US,A1)
【文献】
特開2014−123894(JP,A)
【文献】
Fujitsu,Discussion on Control Signaling for MUST Schemes[online], 3GPP TSG-RAN WG1#82b R1-155158,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_82b/Docs/R1-155158.zip>,2015年10月 9日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24−7/26
H04W4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)装置およびマシン型通信(MTC)装置に、送信信号を送信することを含み、
前記送信信号の前記送信は、
物理下りリンクデータチャネルを介して複数のデータ時間・周波数リソースを送信することと、
物理下りリンク制御チャネルを介して複数の制御時間・周波数リソースを送信することと、を含み、
前記複数のデータ時間・周波数リソースは、前記UE装置に関するUEデータを伝達するUEデータ時間・周波数リソースおよび前記MTC装置に関するMTCデータを伝達するMTCデータ時間・周波数リソースを含み、
前記複数の制御時間・周波数リソースは、前記UE装置による前記UEデータおよび前記MTC装置による前記MTCデータの受信に適用される共通位置依存制御情報を含み、
前記物理下りリンク制御チャネルは、
前記UEデータの回収に適用され、前記UEデータ時間・周波数リソースを識別するUE制御情報と、
前記MTCデータの回収に適用され、前記MTCデータの時間・周波数リソースを識別するMTC制御情報と、を含む、方法。
【請求項2】
前記UEデータを伝達する前記UEデータ時間・周波数リソースは、UEデータを伝達するために利用可能なUEデータ時間・周波数リソースの一部であり、前記MTCデータを伝達する前記MTCデータ時間・周波数リソースは、前記利用可能なUEデータ時間・周波数リソースの未使用UEデータ時間・周波数リソースである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記物理下りリンク制御チャネルは、3GPP(The Third Generation Partnership Project) LTE(Long Term Evolution)仕様の少なくとも1つの改訂に従うPDCCH(Physical Downlink Control Channel)である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記物理下りリンクデータチャネルは、3GPP(The Third Generation Partnership Project) LTE(Long Term Evolution)仕様の少なくとも1つの改訂版に従うPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記物理下りリンク制御チャネルは、3GPP LTE仕様の前記少なくとも1つの改訂に従うEPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記MTCデータ時間・周波数リソースは、前記EPDCCHのEPDCCHサブキャリアの周波数近くに配置される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記MTCデータ時間・周波数リソースは、前記EPDCCHサブキャリアの周波数に隣接して配置される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記MTC制御情報は、前記MTCデータが前記信号送信中に存在することを示すMTCデータ存在インジケータを含み、
前記MTCデータは、前記MTC装置が既知の所定のフォーマットであり、
前記所定のフォーマットは、変調符号化方式(MCS)、前記MTCデータのサイズ、および前記MTCデータの時間・周波数リソースを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記所定のフォーマットは、前記UEデータおよび前記MTCデータの共通の空間リソースをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記共通位置依存制御情報は、多入力多出力(MIMO)パラメータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ユーザ機器(UE)装置およびマシン型通信(MTC)装置に送信信号を送信する送信部を備え、
前記送信信号は、
前記MTC装置に関するMTCデータを伝達するMTCデータ時間・周波数リソースおよび前記UE装置に関するUEデータを伝達するUEデータ時間・周波数リソースを含む複数の時間・周波数リソースを含む物理下りリンクデータチャネルと、
前記UE装置による前記UEデータおよび前記MTC装置による前記MTCデータの受信に適用される共通位置依存制御情報を含む物理下りリンク制御チャネルと、を含み、
前記物理下りリンク制御チャネルは、
前記UEデータの回収に適用され、前記UEデータ時間・周波数リソースを識別するUE制御情報と、
前記MTCデータの回収に適用され、前記MTCデータの時間・周波数リソースを識別するMTC制御情報と、を含む基地局。
【請求項12】
前記UEデータを伝達する前記UEデータ時間・周波数リソースは、前記UEデータを伝達するために利用可能なUEデータ時間・周波数リソースの一部であり、前記MTCデータを伝達する前記MTCデータ時間・周波数リソースは、前記利用可能なUEデータ時間・周波数リソースの未使用のUEデータ時間・周波数リソースである、請求項11に記載の基地局。
【請求項13】
前記物理下りリンクデータチャネルは、3GPP(The Third Generation Partnership Project) LTE(Long Term Evolution)仕様の少なくとも1つの改訂に従うPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)であり、
前記物理下りリンク制御チャネルは、3GPP LTE仕様の前記少なくとも1つの改訂に従うEPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)であり、
前記MTCデータ時間・周波数リソースは、前記EPDCCHのEPDCCHサブキャリアの周波数近くに配置される、請求項12に記載の基地局。
【請求項14】
前記MTCデータ時間・周波数リソースは、前記EPDCCHサブキャリアの周波数に隣接して配置される、請求項13に記載の基地局。
【請求項15】
ユーザ機器(UE)装置およびマシン型通信(MTC)装置に送信信号を送信する送信部を備える基地局装置のプロセッサであって、
前記送信信号は、
前記MTC装置に関するMTCデータを伝達するMTCデータ時間・周波数リソースおよび前記UE装置に関するUEデータを伝達するUEデータ時間・周波数リソースを含む複数の時間・周波数リソースを含む物理下りリンクデータチャネルと、
前記UE装置による前記UEデータおよび前記MTC装置による前記MTCデータの受信に適用される共通位置依存制御情報を含む物理下りリンク制御チャネルと、を含み、
前記物理下りリンク制御チャネルは、
前記UEデータの回収に適用され、前記UEデータ時間・周波数リソースを識別するUE制御情報と、
前記MTCデータの回収に適用され、前記MTCデータの時間・周波数リソースを識別するMTC制御情報と、を含むプロセッサ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は、2016年10月21日に出願された、発明の名称が「RESOURCE SHARING BETWEEN THE MTC DATA AND THE MBB DATA FOR SINGLE−USER MULTI−DEVICES SCENARIO」である仮出願番号第62/410,966号に対する優先権を主張し、それ全てが本出願の譲受人に譲渡されており、それの全体が参照により本明細書に明示的に援用されている。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般に無線通信に関し、より詳細には、モバイルブロードバンド(MBB)ユーザ機器(UE)装置の近くのMTC装置に信号を送信するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の通信システムでは、各装置がその特定の地理的位置に基づいて固有の制御情報を受信する場合に、基地局はサービスエリア内の複数の装置に信号を送信する。UE装置の地理的位置に依存する制御情報のいくつかの例は、多入力多出力(MIMO)アンテナに関するパラメータを含む。状況によっては、変調符号化方式(MCS)パラメータもまた位置に依存してもよく、一般に、MIMOおよびMCSパラメータはUE装置からのチャネル状態のフィードバックに基づいており、送信の指向性は送信機に対するUEの位置に基づいている。
【0004】
マシン型通信(MTC)は、必ずしも人的交流を必要としない1つ以上のエンティティが関与するデータ通信の形態である。特定の実施態様に応じて、MTC装置は、1つ以上のサーバまたは他の装置と通信してもよい。ネットワークオペレータは、MTCサーバがネットワークオペレータによって制御されているかどうかにかかわらず、MTCサーバへのネットワーク接続を提供する。MTC装置は、通常、マシン型通信用に装備され、公衆移動通信網(PLMN)を介してMTCサーバおよび/または他のMTC装置と通信するユーザ機器(UE)装置である。状況によっては、MTC装置はまた、他のエンティティとの有線または無線接続を介してローカルに通信してもよい。
【0005】
MTC装置は、様々な用途でますます使用されている。一般的な使用分野のいくつかの例には、セキュリティ、追跡、健康、支払い、遠隔診断、計量および家電が含まれる。多くの具体的な用途のいくつかには、監視システム制御、(例えば、建物への)物理的アクセスの制御、フリート管理、注文管理、資産追跡、ナビゲーション、交通情報、道路通行料、販売時点管理、自動販売機、ゲーム機、バイタルサイン監視、Webアクセス遠隔医療ポイント、センサ、照明、ポンプ、バルブ、およびエレベーターの遠隔保守および制御、車両診断、電力、ガス、水道、および暖房の計量、格子制御、デジタルフォトフレーム、カメラ、および電子書籍の管理および制御などが含まれる。
【発明の概要】
【0006】
基地局は、信号送信が制御チャネルおよびデータチャネルを含む場合に、モバイルブロードバンド(MBB)ユーザ機器(UE)装置と、MBB UE装置に近接しているマシン型通信(MTC)装置と、に信号送信を送信する。制御チャネルは、MTC装置とMBB UE装置が同じ位置にあるためにそれらに適用される共通位置依存制御情報を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、基地局が、データチャネルおよび制御チャネルを介して、MBB UE装置およびそのMBB UE装置の近くに位置するMTC装置を対象とする信号送信を送信する通信システムのブロック図である。
【0008】
図2は、MBB UE装置に近接するMTC装置に対する信号送信の一例のブロック図である。
【0009】
図3は、通信システムにおける送信に適した信号送信の一例の図である。
【0010】
図4は、通信システムにおける送信に適した信号送信の一例の図である。
【0011】
図5は、UEデータ、MTCデータ、およびEPDCCHを含む信号送信の一部の図である。
【0012】
図6は、ユーザ機器(UE)装置およびマシン型通信(MTC)装置に信号送信を送信する方法の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ある状況では、MTC装置は、モバイルブロードバンド(MBB)ユーザ機器(UE)装置と同じ場所にある。このような状況は、2つの装置が同じユーザに関連付けられており、同時に使用されている可能性がある場合に発生する可能性がある。例えば、ユーザはスマートフォンで映像を見て、ヘッドセットで関連する音声ストリームを聞いていてもよい。近年、ますます多くのユーザが様々な目的で複数の装置を使用している。例えば、ユーザはスマートフォン、タブレット、スマートウォッチを持ち、各装置は無線接続されている。これらの装置は全て、様々な機能を実行するために、独立してネットワークに接続する。ネットワークに接続されている装置の数が増えると、トラフィック負荷が増加し、これらの装置の管理も増加する。同じユーザによって使用される複数の装置に効率的な無線サービスを提供するために、周波数リソースおよび制御信号の量を減らす必要がある。
【0014】
本明細書で説明される技術は、UEデータ内に「パンクチャリング」されたMTCデータを含む信号を送信し、2つの装置の地理的位置に基づいて基地局によって生成される共通地理的依存制御データを含む共通の制御メッセージを送信することによってMTC装置のMBB UE装置への近接性を利用する。2つの装置は、データ信号を首尾よく受信するために、MBB UE装置に適用される地理的依存制御情報をMTC装置に適用することができるほど、互いに十分近い。制御メッセージはまた、各装置がその装置を対象とするデータを
回収することを可能にする装置固有の制御情報を含む。したがって、MBB UE装置およびMTC装置は、同じデータ信号および同じ制御メッセージを受信するが、その装置向けのデータのみを
回収する。その結果、データチャネルを受信する両方の装置に適用される制御情報を送信しながら、両方の装置にデータを送信するために同じ空間通信リソースが使用されるので、通信リソースが効率的に利用される。状況によっては、装置のうちの1つのみからのフィードバック情報が、送信の設定、変調、符号化率、および送信のタイミングパラメータに適用されてもよい。例えば、タイミング調整(TA)に関連するフィードバックは、MBB UEデ装置から基地局で受信されてもよく、基地局から送信を受信するMTCデバイスにとって正確であると仮定されてもよい。
【0015】
図1は、MBB UE装置110と、MBB UE装置110の近くに位置するMTC装置112とを対象とするデータチャネル106および制御チャネル108を介して、信号送信104を送信する基地局102を有する通信システム100のブロック図である。本明細書の例では、基地局100は、eNB、eNodeB、アクセスポイント、または3GPP(The Third Generation Partnership Project) LTE(Long Term Evolution)仕様の少なくとも1つの改訂に従って動作するシステムで同様のタスクを実行する任意の他の装置である。しかしながら、説明される技術は、状況によっては他のタイプのシステムにも適用されてもよい。UE装置およびMTC装置の両方が単一のユーザによって使用されている場合に、UE装置はスマートフォンであってもよく、MTC装置はヘッドセットであってもよい。ヘッドセットはMTC装置なので、スマートフォンよりもはるかに狭い帯域幅で動作し、したがって、より狭い帯域幅で信号を送受信する。
【0016】
制御情報114、116、118は、制御チャネル108を介して制御メッセージ120の複数の時間・周波数通信リソースを使用して送信される。データ122、124は、データがUE装置110に関するUEデータ122およびMTC装置112に関するMTCデータ124を含む場合に、データチャネル106の複数の時間・周波数リソースを使用して送信される。MTCデータ124は、UEデータに利用可能であるが、UEデータの送信には使用されていない時間・周波数リソースブロックの時間・周波数リソースを使用して送信される。
【0017】
制御メッセージ106は、共通地理的位置依存制御情報116と、各装置による適切なデータの受信を容易にする装置固有の制御情報125とを含む。共通地理的位置依存制御情報116は、装置108、110の位置に起因するか、そうでなければそれに依存する制御情報である。共通地理的位置依存制御情報106の例には、MIMO設定のPMI(Precoding Matrix Index)、PMI確認ビット、PDSCHおよびRSの間のパワーオフセット、DM−RSスクランブリングシーケンスインデックス、および位相追跡RSシーケンスインデックスが含まれる。装置固有の制御情報は、関連するUE装置がそのUE装置を対象とするデータを
回収することを可能にする各装置に関する追加の制御情報を含み、データに使用される時間・周波数リソースの識別などの情報を含んでもよい。したがって、MTC固有制御情報114はMTC装置112を対象とし、UE固有制御情報116はMBB UE110装置を対象とし、一方、共通位置依存制御情報118は両方の装置を対象とする。装置固有の制御情報125は、変調符号化方式(MCS)、冗長バージョン(RV)、および新データインジケータ(NDI)を含んでもよい。
【0018】
したがって、基地局102は、制御チャネル108を介して制御メッセージ120をUE装置110およびMTC装置112に送信し、データチャネル106を介してUEデータ122およびMTCデータ124を同じ空間リソースを使用してUE装置110およびMTC装置112に送信する。UE装置110は、制御メッセージ120を受信し、UEデータ122を
回収するために、共通位置依存制御情報118およびUE固有制御情報116を適用する。MTC装置112は、制御メッセージ120を受信し、MTCデータ124を
回収するために、共通位置依存制御情報118およびMTC固有制御情報114を適用する。
【0019】
したがって、基地局は、装置の位置に依存する制御情報のうちの少なくともいくつかが同じであるくらい2つの装置が十分に近い場合には、UE装置およびMTC装置に送信信号を送信する。結果として、信号送信は、単一の制御チャネルおよび共有リソース割り当てが2つのデータストリームをMTC装置およびMBB UE装置に配信することを可能にし、この場合、1つのデータストリームはMBB UE装置に近接するMTC装置に配信される。
【0020】
送信信号は、UE装置に関するUEデータを伝達する複数のデータサブキャリアを含む。UEデータに利用可能であるが使用されていないデータサブキャリアの一部は、MTC装置に関するMTCデータを伝達する。送信信号はまた、UE装置およびMTC装置によるデータサブキャリアの受信に適用される地理的位置依存制御情報を伝達する複数の制御サブキャリアを含む。両方の装置に適用される地理的位置依存制御情報に加えて、制御サブキャリアはまた、UEデータサブキャリアからのUEデータおよびMTCデータサブキャリアからのMTCデータの
回収に適用される装置固有の制御情報を伝達する。装置固有の制御情報は、UEデータを伝達する時間・周波数リソースおよびMTCデータを伝達する時間・周波数リソースを識別する。地理的位置依存制御情報は、それらの共通の位置のために両方の装置に適用される制御情報を含み、多入力多出力(MIMO)パラメータおよび送信モードパラメータなどのパラメータを含んでもよい。
【0021】
いくつかの状況では、MTCデータは、MTC装置が既知の所定のフォーマットであってもよい。その結果、MTCデータ層制御情報は、限られた情報形成のみを含んでもよい。一例では、MTCデータ層制御情報は、MTCデータが事前割り当て通信に存在することを示すMTCデータ存在インジケータのみを含む。したがって、MTC制御情報は、MTCデータがあるか否かを示す1ビットのフラグを含んでもよい。所定のフォーマットは、変調符号化方式(MCS)、MTCデータのサイズ、およびMTCデータの時間・周波数リソースを含んでもよい。状況によっては、所定のフォーマットはまた、UEデータおよびMTCデータの共通の空間リソースを含んでもよい。
【0022】
図2は、MBB UE装置110に近接するMTC装置112に対する信号送信200の一例のブロック図である。送信信号200は、互いに近くに位置する2つの装置に情報を送信するために、時間、周波数および空間リソースを共有する。送信信号200は、装置110、112の両方に適用される共通位置依存制御情報118と、送信200内のデータ位置について各装置に関する情報を少なくとも含む装置固有の制御情報125とを伝達するために使用される時間・周波数リソース要素などの制御通信リソース202を含む。信号送信200はまた、UEデータ122およびMTCデータ124を伝達するために使用される時間・周波数リソース要素などのデータ通信リソースを含む。MTCデータ124には、UEデータに利用可能だがUEデータには未使用の通信リソースが使用される。各装置110、112は、その装置を対象とするデータ通信リソース204からデータ122、124を
回収するために、共通位置依存制御情報118および装置固有の制御情報125の装置依存情報114、116を使用する。MTC装置は、空間(または指向性ビームフォーミング)ベクトルおよびMIMOパラメータなどの共通制御情報118が少なくとも類似する、状況によっては同じであるくらい、UE装置に十分に近い。状況によっては、装置は互いに1フィート以内にあってもよく、他の状況では、装置間の距離は2フィート未満である。さらに他の状況では、装置は互いに3フィート未満である。装置間の他の距離はまた、特定のシステム実装およびチャネル状態に応じて、可能であってもよい。
【0023】
図3は、通信システム100における送信に適した信号送信300の一例の図である。信号送信300は、物理下りリンク制御チャネル302および物理下りリンクデータチャネル304を含む。後述するように、いくつかの例では、物理下りリンク制御チャネル302は、3GPP通信仕様の少なくとも1つの改訂に準拠するPDCCH(Physical Downlink Control Channel)であり、物理下りリンクデータチャネル304は、3GPP通信仕様の改訂に準拠するPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)である。物理下りリンク制御チャネル302は、制御メッセージを伝達する時間・周波数リソース(通信リソース要素)を含み、したがって、装置固有の制御情報125および共通位置依存制御情報118を含む。物理下りリンクデータチャネル304は、データ122、124を伝達する時間・周波数リソース(通信リソース要素)を含み、したがって、UEデータ122およびMTCデータ124を含む。したがって、物理下りリンク制御チャネル302は制御チャネル108の一例であり、物理下りリンクデータチャネル304はデータチャネル106の一例である。MTCデータ124は、UEデータ122に使用される通信リソース要素のブロック内にある。MTCデータに使用されるリソース要素は、UEデータには使用されない。したがって、MTCデータはUEデータ内に「パンクチャリング」される。この例では、両方の装置は、装置固有の制御情報および共通位置依存制御情報118を
回収するために、物理下りリンク制御チャネル302を受信して復号する。UE装置110は、UEデータ122を
回収するために、UE固有制御情報116および共通位置依存制御情報118を適用する。MTC装置112は、MTCデータ124を
回収するために、MTC固有制御情報114および共通位置依存制御情報118を適用する。
【0024】
図4は、通信システム100における送信に適した信号送信400の一例の図である。信号送信400は、物理下りリンク制御チャネル402および物理下りリンク共有チャネル404を含む。上述のように、いくつかの例では、物理下りリンク制御チャネル302は、3GPP通信仕様の少なくとも1つの改訂に準拠するPDCCH(Physical Downlink Control Channel)であり、物理下りリンクデータチャネル304は、3GPP通信仕様の少なくとも1つの改訂に準拠するPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)である。PDCCH402は、制御情報を伝達する時間・周波数リソース(通信リソース要素)を含む。しかしながら、
図4の例では、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)406が制御メッセージ120を送信するために使用され、したがって、装置固有の制御情報125および共通位置依存制御情報118を含む。PDSCH404は、データ122、124を伝達する時間・周波数リソース(通信リソース要素)を含み、したがって、UEデータ122およびMTCデータ124を含む。したがって、EPDCCH406は制御チャネル108の一例であり、PDSCH404はデータチャネル106の一例である。3GPP通信仕様の少なくとも1つの改訂に従って、EPDCCH406は、UEデータに割り当てられるリソース要素のブロック内のリソース要素を使用する。したがって、この例では、EPDCCHに使用されるリソース要素の部分は、UEデータには使用されない。
【0025】
MTCデータ124は、UEデータ122に使用される通信リソース要素のブロック内にある。MTCデータに使用されるリソース要素は、UEデータには使用されない。したがって、MTCデータはUEデータ内に「パンクチャリング」される。信号送信400は、他のUE装置に関するデータおよび制御を含んでもよい。この例では、第2装置に関するUE2データおよび第3装置に関するUE3データがPDSCH404に含まれる。
【0026】
図5は、UEデータ122、MTCデータ124、およびEPDCCH406を含む信号送信400の一部500の図である。EPDCCH406は、MTC制御情報114、UE制御情報116および共通位置依存制御情報118を含む。両方の装置110、112は、装置固有の制御情報および共通位置依存制御情報118を
回収するために、EPDCCH406を受信して復号する。UE装置110は、UEデータ122を
回収するために、UE固有制御情報116および共通位置依存制御情報118を適用する。MTC装置112は、MTCデータ124を
回収するために、MTC固有制御情報114および共通位置依存制御情報118を適用する。
図4および
図5の例では、MTC装置112は、UE装置110のために通常予約されている帯域幅の一部502のみを受信するために、狭帯域受信機を利用することができる。送信400内のEPDCCH406の近くにMTCデータ124を配置することによって、MTCデータおよびEPDCCH406を伝達するサブキャリアだけがMTC装置112によって受信される必要がある。MTCデータのリソース要素およびEPDCCHのリソース要素は周波数的に互いに近いため、狭い部分502のみが受信される。したがって、この例は、PDCCH全体が受信される必要がある例と比較して、狭帯域受信機を使用するという利点を有する。
【0027】
図4および
図5の例では、制御メッセージ120は、第1データに対するMCS、第2データに対するMCS、第1データに対するRVおよびNDI、第2データに対するRVおよびNDI、第1データに対するHybrid−HARQパラメータおよび第2データに対するHybrid−HARQパラメータ(第1データおよび第2データに対して同一)、信号内のデータ位置(第1のデータおよび第2のデータに対して同一)、および空間処理に必要なMIMOおよび送信モードパラメータ(第1のデータおよび第2のデータに対して同一)を含む。状況によっては、追加の情報が制御メッセージ120に提供されてもよい。例えば、第1データおよび第2データの間の関係が提供されてもよい。そのような情報は、例えば、一方の装置がユーザに映像を提供し、他方の装置が音声を提供する場合に、各装置におけるデータバッファリングのために映像ストリームのデータブロック番号に一致する音声ストリームのブロック番号を含んでもよい。
【0028】
図6は、ユーザ機器(UE)装置およびマシン型通信(MTC)装置に送信信号を送信する方法の一例のフローチャートである。
図6のステップは、示されているのとは異なる順序で実行することができ、いくつかのステップは単一のステップに組み合わされてもよい。追加のステップが実行されてもよく、いくつかのステップが省略されてもよい。例えば、方法は基地局102によって実行される。
【0029】
ステップ602において、複数のデータ時間・周波数リソースは物理下りリンクデータチャネルを介して送信される。複数の時間・周波数リソースは、UE装置に関するUEデータを伝達するUEデータ時間・周波数リソースおよびMTC装置に関するMTCデータを伝達するMTCデータ時間・周波数リソースを含む。UEデータを伝達するUEデータ時間・周波数リソースは、UEデータを伝達するために利用可能なUEデータ時間・周波数リソースの一部である。MTCデータを伝達するMTCデータ時間・周波数リソースは、利用可能なUEデータ時間・周波数リソースのうちの未使用のUEデータ時間・周波数リソースである。
【0030】
ステップ604において、複数の制御時間・周波数リソースは物理下りリンク制御チャネルを介して送信される。複数の制御時間・周波数リソースは、UE装置によるUEデータおよびMTC装置によるMTCデータの受信に適用される共通位置依存制御情報を含む。物理下りリンク制御チャネルは、UEデータの
回収に適用され、UEデータ時間・周波数リソースを識別するUE制御情報と、MTCデータの
回収に適用され、MTCデータ時間・周波数リソースを識別するMTC制御情報と、を含む。
【0031】
物理下りリンク制御チャネルは、3GPP(The Third Generation Partnership Project) LTE(Long Term Evolution)仕様の少なくとも1つの改訂に従うPDCCH(Physical Downlink Control Channel)であってもよい。物理下りリンクデータチャネルは、3GPP LTE仕様の少なくとも1つの改訂に従うPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)であってもよい。状況によっては、物理下りリンク制御チャネルは、3GPP LTE仕様の少なくとも1つの改訂に従うEPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)である。上述したように、MTCデータ時間・周波数リソースは、EPDCCHサブキャリアに対して周波数において近くに配置することができる。例えば、MTCデータ時間・周波数リソースは、周波数においてEPDCCHサブキャリアに隣接することができる。そのような構成は、MT装置が狭帯域受信機を使用することを可能にする。
【0032】
状況によっては、MTCデータ層制御情報は、MTCデータが信号送信中に存在し、MTCデータはMTCデバイスが既知の所定のフォーマットであることを示すMTCデータ存在インジケータを含む。所定のフォーマットは、変調符号化方式(MCS)、MTCデータのサイズ、およびMTCデータの時間・周波数リソースを含んでもよい。
【0033】
明らかに、本発明の他の実施形態および変形はこれらの教示を考慮して当業者には容易に思い浮かぶであろう。上記の説明は例示的なものであり、限定的なものではない。本発明は、上記の明細書および添付の図面と併せて見たときに、すべてのそのような実施形態および変形形態を含む添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲をその均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。