特許第6788114号(P6788114)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許67881147H−ピロロ[2、3−d]ピリミジン化合物の結晶形、塩型並びにその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6788114
(24)【登録日】2020年11月2日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】7H−ピロロ[2、3−d]ピリミジン化合物の結晶形、塩型並びにその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 519/00 20060101AFI20201109BHJP
   A61K 31/519 20060101ALN20201109BHJP
   A61P 19/02 20060101ALN20201109BHJP
   A61P 29/00 20060101ALN20201109BHJP
【FI】
   C07D519/00 311
   C07D519/00CSP
   !A61K31/519
   !A61P19/02
   !A61P29/00
【請求項の数】20
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2019-527838(P2019-527838)
(86)(22)【出願日】2017年11月23日
(65)【公表番号】特表2019-535771(P2019-535771A)
(43)【公表日】2019年12月12日
(86)【国際出願番号】CN2017112493
(87)【国際公開番号】WO2018095345
(87)【国際公開日】20180531
【審査請求日】2019年5月23日
(31)【優先権主張番号】201611046683.X
(32)【優先日】2016年11月23日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517255603
【氏名又は名称】无▲錫▼福祈制▲薬▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUXI FORTUNE PHARMACEUTICAL CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110003007
【氏名又は名称】特許業務法人謝国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110002826
【氏名又は名称】特許業務法人雄渾
(72)【発明者】
【氏名】毛魏魏
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼▲顕▼
(72)【発明者】
【氏名】郭▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼学建
(72)【発明者】
【氏名】廖勇▲剛▼
【審査官】 小森 潔
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−516405(JP,A)
【文献】 特表2005−511696(JP,A)
【文献】 特開2012−219099(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/054959(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 519/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末X線回折スペクトルは、回折角2θ=12.38±0.2°、13.34±0.2°、22.09±0.2°において特性ピークを有することを特徴とする化合物1のA結晶形の結晶。
【化1】
【請求項2】
粉末X線回折スペクトルは、回折角2θ=12.38±0.2°、13.34±0.2°、15.85±0.2°、22.09±0.2°、23.71±0.2°、25.38±0.2°、26.21±0.2°、26.81±0.2°において特性ピークを有することを特徴とする請求項1に記載の化合物1のA結晶形の結晶。
【請求項3】
図1に示されるXRPDスペクトルを有することを特徴とする請求項2に記載の化合物1のA結晶形の結晶。
【請求項4】
粉末X線回折スペクトルは、回折角2θ=12.25±0.2°、21.97±0.2°、23.62±0.2°において特性ピークを有することを特徴とする化合物1のB結晶形の結晶。
【化2】
【請求項5】
粉末X線回折スペクトルは、回折角2θ=12.25±0.2°、13.24±0.2°、15.77±0.2°、21.97±0.2°、23.62±0.2°、25.24±0.2°、 26.70±0.2°、37.51±0.2°において特性ピークを有することを特徴とする請求項4に記載の化合物1のB結晶形の結晶。
【請求項6】
図4に示されるXRPDスペクトルを有することを特徴とする請求項5に記載の化合物1のB結晶形の結晶。
【請求項7】
粉末X線回折スペクトルは、回折角2θ=12.40±0.2°、37.65±0.2°において特性ピークを有することを特徴とする化合物1のC結晶形の結晶。
【化3】
【請求項8】
粉末X線回折スペクトルは、回折角2θ=12.40±0.2°、13.37±0.2°、21.51±0.2°、22.14±0.2°、24.87±0.2°、25.40±0.2°、37.65±0.2°においてにおける特性ピークを有することを特徴とする請求項7に記載の化合物1のC結晶形の結晶。
【請求項9】
図7に示されるXRPDスペクトルを有することを特徴とする請求項8に記載の化合物1のC結晶形の結晶。
【請求項10】
粉末X線回折スペクトルは、回折角2θ=12.36±0.2°、37.62±0.2°において特性ピークを有することを特徴とする化合物1のD結晶形の結晶。
【化4】
【請求項11】
粉末X線回折スペクトルは、回折角2θ=12.36±0.2°、24.84±0.2°、37.62±0.2°において特性ピークを有することを特徴とする請求項10に記載の化合物1のD結晶形の結晶。
【請求項12】
図10に示されるXRPDスペクトルを有することを特徴とする請求項11に記載の化合物1のD結晶形の結晶。
【請求項13】
以下の化合物2に示される、化合物1のp−トルエンスルホン酸塩。
【化5】
【化6】
【請求項14】
粉末X線回折スペクトルは、回折角2θ=6.21±0.2°、10.92±0.2°、12.78±0.2°において特性ピークを有することを特徴とする化合物2のE結晶形の結晶。
【化7】
【請求項15】
粉末X線回折スペクトルは、回折角2θ=6.21±0.2°、10.92±0.2°、12.34±0.2°、12.78±0.2°、15.16±0.2°、20.2°3±0.2°、22.77±0.2°、23.03±0.2°において特性ピークを有することを特徴とする請求項14に記載の化合物2のE結晶形の結晶。
【請求項16】
図13に示されるXRPDスペクトルを有することを特徴とする請求項15に記載の化合物2のE結晶形の結晶。
【請求項17】
以下の化合物3に示される、化合物1のトリフルオロ酢酸塩。
【化8】
【化9】
【請求項18】
粉末X線回折スペクトルは、回折角2θ=12.89±0.2°、18.79±0.2°、24.70±0.2°において特性ピークを有することを特徴とする化合物3のF結晶形の結晶。
【化10】
【請求項19】
粉末X線回折スペクトルは、回折角2θ=12.89±0.2°、15.28°±0.2°、17.67±0.2°、18.79±0.2°、19.38±0.2°、20.47±0.2°、24.70±0.2°、25.66±0.2°において特性ピークを有することを特徴とする請求項18に記載の化合物3のF結晶形の結晶。
【請求項20】
図16に示されるXRPDスペクトルを有することを特徴とする請求項19に記載の化合物3のF結晶形の結晶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、7H−ピロロ[2、3−d]ピリミジン化合物の結晶形、塩型並びにその製造方法に関し、また、当該結晶形と塩型の、関節炎治療薬の製造における応用にも関する。
【背景技術】
【0002】
JAKは、炎症、自己免疫疾患、増殖性疾患、移植拒否反応、軟骨代謝回転(turnover)障害に関する疾患、先天性軟骨奇形及び/又はIL6の過剰分泌に関する疾患に関与するチロシンキナーゼファミリーに属している。本発明はさらに前記の化合物、前記の化合物を含む医薬組成物の製造方法、並びに本発明化合物を投与することで、炎症、自身免疫疾患、増殖性疾患、移植拒否反応、軟骨代謝回転障害に関する疾患、先天性軟骨奇形及び/又はIL6過剰分泌に関する疾患を予防及び/又は治療する方法も提供する。
【0003】
Janusキナーゼ(JAK)は、膜受容体からSTAT転写因子までサイトカインシグナルを伝達する細胞質チロシンキナーゼである。先行技術では4種類のJAKファミリーメンバーを既に説明した:JAK1、JAK2、JAK3とTYK2。サイトカインとその受容体と結合する時、JAKファミリーメンバーが自己リン酸化及び/又はトランスリン酸化され、その後STATsリン酸化を行い、転写を調節するために細胞核内に移動する。JAK−STAT細胞内シグナル伝達がインターフェロン、多数のインターロイキン及び多種のサイトカインと内分泌因子に適応する、例えばEPO、TPO、GH、OSM、LIF、CNTF、GM−CSFとPRL(Vainchenker W.等(2008))。
【0004】
遺伝モデル及び小分子JAK阻害剤の総合研究では、数種類のJAKsの治療の可能性を明らかにした。マウス及びヒト遺伝学を通じて、JAK3は免疫阻害ターゲットであることを確認した(O’Shea J.等(2004))。JAK3阻害剤が臨床開発に成功に使用され、最初は器官移植拒否反応に用いられた。その後他の免疫炎症性適応症にも用いられた、例えば関節リウマチ(RA)、乾癬及びクローン病(http://clinicaltrials.gov/)。TYK2は免疫炎症性疾患の潜在的ターゲットであることを、ヒト遺伝学及びマウスノックアウト研究で既に確認した(Levy D.とLoomis C.(2007))。JAK1は免疫炎症性疾患分野での新しいターゲットである。サイトカインによる炎症誘発性シグナル伝達を引き起こすために、JAK1と他のJAKsをヘテロ二量体化する。従って、JAK1及び/又は他のJAKを抑制することが、一連の炎症性疾患及びJAKを介したシグナル伝達によって引き起こされる他の疾患にとって治療の利点を有すると予想する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、粉末X線回折スペクトルは回折角2θ=12.38±0.2°、13.34±0.2°、22.09±0.2°において特性ピークを有することを特徴とする化合物1のA結晶形を提供する。
【化1】
【0006】
本発明の実施形態において、前記の化合物1のA結晶形の粉末X線回折スペクトルは、回折角2θ=12.38±0.2°、13.34±0.2°、15.85±0.2°、22.09±0.2°、23.71±0.2°、25.38±0.2°、26.21±0.2°、26.81±0.2°において特性ピークを有する。
【0007】
本発明の実施形態において、前記の化合物1のA結晶形のXRPDスペクトルは図1に示す。
【0008】
本発明の実施形態において、前記の化合物1のA結晶形のXRPDスペクトル解析データは表1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のA結晶形の示差走査熱量曲線は314.89±2℃において吸熱ピークを有する。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のA結晶形のDSCスペクトルは図2に示す。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のA結晶形の熱重量分析曲線は、温度120.00±2℃においての重量損失は0.2516±0.2%。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のA結晶形のTGAスペクトルは図3に示す。
【0014】
本発明は、粉末X線回折スペクトルは、回折角2θ=12.25±0.2°、21.97±0.2°、23.62±0.2°において特性ピークを有することを特徴とする化合物1のB結晶形も提供する。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のB結晶形の粉末X線回折スペクトルは、回折角2θ=12.25±0.2°、13.24±0.2°、15.77±0.2°、21.97±0.2°、23.62±0.2°、25.24±0.2°、26.70±0.2°、37.51±0.2°において特性ピークを有する。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のB結晶形のXRPDスペクトルは図4に示す。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のB結晶形のXRPDスペクトル解析データは表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のB結晶形の示差走査熱量曲線は322.33±2℃において吸熱ピークを有する。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のB結晶形のDSCスペクトルは図5に示す。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のB結晶形の熱重量分析曲線は、温度120±2℃においての重量損失は0.6939±0.2%。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のB結晶形のTGAスペクトルは図6に示す。
【0023】
本発明は、粉末X線回折スペクトルは回折角2θ=12.40±0.2°、37.65±0.2°において特性ピークを有することを特徴とする化合物1のC結晶形も提供する。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のC結晶形の粉末X線回折スペクトルは、回折角2θ=12.40±0.2°、13.37±0.2°、21.51±0.2°、22.14±0.2°、24.87±0.2°、25.40±0.2°、37.65±0.2°において特性ピークを有する。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のC結晶形のXRPDスペクトルは図7に示す。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のC結晶形のXRPDスペクトル解析データは表3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のC結晶形の示差走査熱量曲線は326.62±2℃において吸熱ピークを有する。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物2のC結晶形のDSCスペクトルは図8に示す。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物2のC結晶形の熱重量分析曲線は温度120±2℃においての重量損失は0.5564±0.2%。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のC結晶形のTGAスペクトルは図9に示す。
【0032】
本発明は、粉末X線回折スペクトルは、回折角2θ=12.36±0.2°、37.62±0.2°において特性ピークを有することを特徴とする化合物1のD結晶形も提供する。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のD結晶形の粉末X線回折スペクトルは、回折角2θ=12.36±0.2°、24.84±0.2°、37.62±0.2°において特性ピークを有する。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のD結晶形のXRPDスペクトルは図10に示す。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のD結晶形のXRPDスペクトル解析データは表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のD結晶形の示差走査熱量曲線は326.13±2℃において吸熱ピークを有する。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のD結晶形のDSCスペクトルは図11に示す。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のD結晶形の熱重量分析曲線は温度185.13±2℃においての重量損失は0.3076±0.3%。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物1のD結晶形のTGAスペクトルは図12に示す。
【0041】
本発明は化合物1のp−トルエンスルホン酸塩も提供し、化合物2に示す。
【化2】
【0042】
本発明は、粉末X線回折スペクトルは、回折角2θ=6.21±0.2°、 10.92±0.2°、12.78±0.2°において特性ピークを有することを特徴とする化合物2のE結晶形も提供する。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物2のE結晶形の粉末X線回折スペクトルは、回折角2θ=6.21±0.2°、10.92±0.2°、12.34±0.2°、12.78±0.2°、15.16±0.2°、20.23±0.2°、22.77±0.2°、23.03±0.2°において特性ピークを有する。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物2のE結晶形のXRPDスペクトルは図13に示す。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物2のE結晶形のXRPDスペクトル解析データは表5に示す。
【0046】
【表5】
【0047】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物2のE結晶形の示差走査熱量曲線は90.87±2℃、149.18±2℃、207.91±2℃において吸熱ピークを有する。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物2のE結晶形のDSCスペクトルは図14に示す。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物2のE結晶形の熱重量分析曲線は温度64.37±2℃においての重量損失は3.723±0.5%。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物3のE結晶形のTGAスペクトルは図15に示す。
【0051】
本発明は化合物1のp−トリフルオロ酢酸塩も提供し、化合物3に示す。
【化3】
【0052】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物3のF結晶形の粉末X線回折スペクトルは、回折角2θ=12.89±0.2°、18.79±0.2°、24.70±0.2°において特性ピークを有する。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物3のF結晶形の粉末X線回折スペクトルは、回折角2θ=12.89±0.2°、15.78±0.2°、17.67±0.2°、18.79±0.2°、19.38±0.2°、20.47±0.2°、24.70±0.2°、25.66±0.2°において特性ピークを有する。
【0054】
【表6】
【0055】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物3のF結晶形のXRPDスペクトルは図16に示す。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物3のF結晶形の示差走査熱量曲線は203.73±2℃において吸熱ピークを有する。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物3のF結晶形のDSCスペクトルは図17に示す。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物3のF結晶形の熱重量分析曲線は温度138.71±2℃においての重量損失は0.9086±0.2%。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態において、前記の化合物3のF結晶形のTGAスペクトルは図18に示す。
【発明の効果】
【0060】
化合物1のA結晶形、B結晶形、C結晶形、D結晶形、化合物2のE結晶形及び化合物3のF結晶形が安定な性質、低い吸湿性、優れた水溶性を持ち、創薬に有望である。
【0061】
定義と説明
【0062】
特に明記のない限り、本文に使われる以下の用語とフリーズが以下の意味を含む。一つ特定のフリーズ又は用語が特別に定義されない場合、未確定又は不明だと思われるべきではなく、普通の意味として理解すべきである。本文中に商品名が出る場合、対応する商品又はその活性成分を示す。
【0063】
本発明の中間体化合物が当業者に周知される多種の合成方法より精製でき、以下に列挙される具体的な実施形態、他の化学合成方法との組み合わせを形成した実施形態、及び当業者に周知される同等の置き換え形態、好ましい実施形態としては、本発明の実施例が挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
本発明の具体的な実施形態の化学反応が、適切な溶媒中で行われた、前記の溶媒が本発明の化学変化及び必要とされる試薬と材料に適応すべきである。本発明の化合物を得るために、時には、当業者が既存の実施形態に基づいて、合成ステップ又は反応の流れを修正又は選択する必要がある。
【0065】
本発明を以下の実施例を通じて具体的に説明する、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
【0066】
本発明で使用する全ての溶媒は市販品であり、さらに精製さず、直接に使用できる。
【0067】
本発明は以下の略語を採用する:DMFがジメチルホルムアミドを示す;MsOHがメタンスルホン酸を示す;EtOHがエタノールを示す;NaOHが水酸化ナトリウムを示す。
【0068】
化合物が手動的又はChemDraw(登録商標)ソフトウェーアにより命名され、市販化合物が供給業者カタログの名称を採用する。
【0069】
本発明の粉末X線回折(X−ray powder diffractometer、XRPD)方法
【0070】
器械モデル:ブルクD8アドバイスX−線回折機
測定方法:約10〜20mgのサンプルをXRPD検測に用いる。
詳細なXRPDのパラメータは以下に示す:
ライトパイプ:Cu、kα、(λ=1.54056Å)
ライトパイプ電圧:40kV、ライトパイプ電流:40mA
発散スリット:0.60mm
検出スリット:10.50mm
散乱防止スリット:7.10mm
走査範囲:4−40deg
ステップ径:0.02deg
スデップサイズ:0.12s
サンプルディスクの回転速度:15rpm
【0071】
本発明の示差走査熱量分析(Differential Scanning Calorimeter、DSC)方法
【0072】
器械モデル:TAQ2000示差走査熱量測定機
測定方法:サンプル(約1mg)をDSCアルミポット内に置いて測定し、50mL/minのN条件下において、10℃/minの速度で加熱し、サンプルを25℃から350℃まで加熱する。
【0073】
本発明の熱重量分析(Thermal Gravimetric Analyzer、TGA)方法
【0074】
器械モデル:TAQ5000IR熱重量分析機
測定方法:サンプル(2〜5mg)をTGAプラチナポット内に置いて測定し、25mL/minのN条件下において、10℃/minの速度で加熱し、サンプルを室温から350℃(又は重量損失が20%になる)まで加熱する。
【図面の簡単な説明】
【0075】
図1】化合物1のA結晶形のCu−Kα線のXRPDスペクトルである;
図2】化合物1のA結晶形のDSCスペクトルである;
図3】化合物1のA結晶形のTGAスペクトルである;
図4】化合物1のB結晶形のCu−Kα線のXRPDスペクトルである;
図5】化合物1のB結晶形のDSCスペクトルである;
図6】化合物1のB結晶形のTGAスペクトルである;
図7】化合物1のC結晶形のCu−Kα線のXRPDスペクトルである;
図8】化合物1のC結晶形のDSCスペクトルである;
図9】化合物1のC結晶形のTGAスペクトルである;
図10】化合物1のD結晶形のCu−Kα線のXRPDスペクトルである;
図11】化合物1のD結晶形のDSCスペクトルである;
図12】化合物1のD結晶形のTGAスペクトルである;
図13】化合物2のE結晶形のCu−Kα線のXRPDスペクトルである;
図14】化合物2のE結晶形のDSCスペクトルである;
図15】化合物2のE結晶形のTGAスペクトルである;
図16】化合物3のF結晶形のCu−Kα線のXRPDスペクトルである;
図17】化合物3のF結晶形のDSCスペクトルである;
図18】化合物3のF結晶形のTGAスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0076】
本発明の内容をよりよく理解するため、以下に本発明を具体な実施例を用いてさらに説明するが、これらの具体な実施形態は本発明の範囲を限定するものではない。
【0077】
<実施例1>化合物1の製造
【化4】
ステップ1: 2−クロロ−4−ニトロ−1−オキソ−ピリジン−1−イウム(40.0g、229.2mmol)と(4−メトキシフェニル)メチルアミン(63g、458.4mmol)をEtOH(400mL)に溶解して、得られた溶液を5時間の攪拌還流反応を行った。TLC(PE:EA=2:1)から完全反応と示した。EtOHの体積を半分に濃縮し、氷浴に2〜3時間冷却させて、得られた冷たい混合物を濾過、分離して得られた固体をPE(60mL*3)と氷水(60mL*3)で洗浄した。真空乾燥により、オレンジ色の固体としてN−[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−ニトロ−1−オキソ−ピリジン−1−イウム−2−アミン(2)(38.6g、140.2mmol、収率61.2%)が得られた。MS(ESI)計算値C1313275、測定値276[M+H]
ステップ2: 0℃の条件下において、N−[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−ニトロ−1−オキソ−ピリジン−1−イウム−2−アミン(5.0g、18.16mmol)のCHCl(50mL)にPCl(8.4g、60.8mmol)を滴加した。滴加し終わった後に、反応混合物を25℃まで加熱し、16時間激しく撹拌反応させた。TLC(PE:EA=1:1)から完全反応と示した。反応混合物を濾過、分離して得られた固体をPE(30mL*3)で洗浄し、黄色の固体として得られたN−[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−ニトロ−1−オキソ−ピリジン−2−アミン(3)(4.2g、粗製品)をさらなる純化さず、直接次の反応に用いられた。MS(ESI)計算値C1518259、測定値260[M+H]
ステップ3: 常温の条件下において、N−[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−ニトロ−1−オキソ−ピリジン−2−アミン(4.2g、16.2mmol)のトルエン溶液(10mL)にTFA(5.0mL)を滴加した。その後、混合物を80℃の条件下において2時間撹拌反応させた。TLC(PE:EA=1:1)から完全反応と示した。混合物を減圧条件下において濃縮して、溶媒を除去した。残留物をHO(50mL)で希釈し、固体NaHCOを用いてpHを中性に調整して、水層をEA(50mL*3)で抽出した。混合した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、及び減圧濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、石油エーテル/酢酸エチル=1/0〜1:1)法で純化し、オレンジ色の固体化合物として4−ニトロピリジン−2−アミン(4)(700mg、5.0mmol、収率31.1%)が得られた。MS(ESI)計算値C139、測定値140[M+H]
ステップ4: 常温の条件下において、4−ニトロピリジン−2−アミン(200mg、1.4mmol)のDME(5mL)に3−ブロモ−2−オキソ−プロピオン酸エチル(280mg、1.4mmol)を加えた。得られた混合物を25℃の条件下において1時間撹拌反応させた後、減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物をEtOH(10mL)で溶解して、3時間還流反応させた。TLCから完全反応と示した。反応液を常温まで冷却し、溶媒を減圧濃縮した。飽和NaHCO溶液(25mL)を用いて、残留物をアルキル化して、水層をDCM(15mL*3)で抽出した。混合した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、及び減圧濃縮して、得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EA:PE=10−60%)で純化し、淡黄色の固体化合物として7−ニトロイミダゾ[1、2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(5)(302mg、収率88.9%)が得られた。MS(ESI)計算値C10235、測定値236[M+H]
ステップ5: 常温の条件下において、7−ニトロイミダゾ[1、2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(150mg、637.8mmol)のエタノール(20mL)溶液中に、それぞれHCl(7mg、0.2mmol)とPtO(15mg、0.6mmol)を加え、反応系を真空させNで充填することを三回繰り返した後、H(50psi)で充填し、50℃の条件下において16時間撹拌反応させた。TLC(PE:EA=1:1)から完全反応と示した。反応混合物の体積を半分に濃縮し、濾過、白色の固体化合物として7−アミノ−5、6、7、8−テトラヒドロイミダゾ[1、2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル塩酸塩(6)(120mg、粗製品)が得られた。MS(ESI)計算値C1015209、測定値210[M+H]
ステップ6: 7−アミノ−5、6、7、8−テトラヒドロイミダゾ[1、2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル塩酸塩(100mg、0.4mmol)と4−クロロ−7−(p−トルエンスルホニル)ピロロ[2、3−d]ピリミジン(137mg、0.4mmol)をn−BuOH(5mL)に溶解し、DIEA(158mg、1.2mmol)を加えて、得られた混合物を16時間撹拌回流反応させた。LC−MSから完全反応と示した。反応混合液を減圧濃縮して、得られた残留物をHO(10mL)で希釈し、水層をEA(20mL*3)で抽出した。混合した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、減圧濃縮し、得られた残留物を分取TLC(PE:EA=0:1)で純化して淡黄色の固体化合物として7−[[7−(p−トルエンスルホニル)ピロロ[2、3−d]ピリミジン−4−イル]アミノ]−5、6、7、8−テトラヒドロイミダゾ[1、2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(7)(55mg、0.11mmol、収率28.1%)が得られた。 MS(ESI)計算値C2324S480、測定値481[M+H]
ステップ7: 0℃の条件下において、Nの環境中に、7−[[7−(p−トルエンスルホニル)ピロロ[2、3−d]ピリミジン−4−イル]アミノ] −5、6、7、8−テトラヒドロイミダゾ[1、2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(3.0g、6.2mmol)のTHF(150mL)溶液に、NaH(499mg、12.5mmol)を部分的に加えた。該当温度下で本混合物を1時間の撹拌を続き、MeI(7.1g、50.2mmol)を滴加した。滴加し終わった後、常温に移して、1時間の攪拌を続いた。TLCから完全反応と示した。飽和NHCl(10mL)を加えて急冷させ、後ほど氷水(50mL)で希釈して、水層をDCM/MeOH(3:1、50mL*3)の混合溶媒で抽出した。混合した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、減圧濃縮し、得られた粗製品をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=10:1)で純化し、淡黄色の固体化合物として7−[メチル−[7−(p−トルエンスルホニル)ピロロ[2、3−d]ピリミジン−4−イル]アミノ]−5、6、7、8−テトラヒドロイミダゾ[1、2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(8)(1.5g、収率45%)が得られた。MS(ESI)計算値C2426S494、測定値495[M+H]
ステップ8: エチル7−[メチル−[7−(p−トルエンスルホニル)ピロロ[2、3−d]ピリミジン−4−イル]アミノ]−5、6、7、8−テトラヒドロイミダゾ[1、2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(4.0g、8.1mmol)のTHF(40mL)とHO(8mL)溶液に、LiOH.HO(509mg、12.1mmol)を加え、混合物を20℃の条件下において10時間攪拌した。TLCから反応物を完全に消耗されたことを示した。減圧条件下において反応混合物中のTHFを除去し、残留物を2MのHCl(4mL)を用いてpH=2−3に調整して、白色固体を生成した。その固体を濾過して減圧条件下において濃縮し、得られた7−[メチル−[7−(p−トルエンスルホニル)ピロロ[2、3−d]ピリミジン−4−イル]アミノ]−5、6、7、8−テトラヒドロイミダゾ[1、2−a]ピリジン−2−カルボン酸(9)(3.6g、収率95.4%)が白色の固体である。MS(ESI)計算値C2222S466、測定値467[M+H]
ステップ9: 0℃の条件下において、7−[メチル−[7−(p−トルエンスルホニル)ピロロ[2、3−d]ピリミジン−4−イル]アミノ]−5、6、7、8−テトラヒドロイミダゾ[1、2−a]ピリジン−2−カルボン酸(1.8g、3.9mmol)のDMF(20mL)溶液に、CDI(751mg、4.6mmol)を加え、反応液の温度を25℃まで上昇し、2時間攪拌した後、固体塩化アンモニウム(2.1g、38.6mmol)を加えて、一晩常温反応させた。LC−MSから反応物を完全に消耗されたことを示した。反応混合物を氷水(50mL)に注ぎ、白色固体が析出し、固体を濾過して、水(20mL)で洗浄し、減圧回転乾燥して7−[メチル−[7−(p−トルエンスルホニル)ピロロ[2、3−d]ピリミジン−4−イル]アミノ]−5、6、7、8−テトラヒドロイミダゾ[1、2−a]ピリジン−2−カルボキサミド(10)(2.5g、粗製品)の白色固体として得られ、産物をそのまま次のステップに使用した。MS(ESI)計算値C2223S465、測定値466[M+H]
ステップ10: 7−[メチル−[7−(p−トルエンスルホニル)ピロロ[2、3−d]ピリミジン−4−イル]アミノ]−5、6、7、8−テトラヒドロイミダゾ[1、2−a]ピリジン−2−カルボキサミド(2.5g、5.4mmol)をTHF(20mL)、MeOH(10mL)とHO(6mL)に溶解し、NaOH(429.6mg、10.7mmol)を加えた。混合物を60℃まで加熱し、30分間撹拌した。LC−MSから反応物を完全に消耗されたことを示した。反応混合物を減圧条件下において濃縮し、7−[メチル−[7−ヒドロピロロ[2、3−d]ピリミジン−4−イル]アミノ]−5、6、7、8−テトラヒドロイミダゾール[1、2−a]ピリジン−2−カルボキサミド(11)(2.0g、粗製品)の白色固体として得られ、産物をそのまま次のステップに使用した。MS(ESI)計算値C1517O311、測定値312[M+H]
ステップ11: 0℃の条件下において、7−[メチル−[7−ヒドロピロロ[2、3−d]ピリミジン−4−イル]アミノ]−5、6、7、8−テトラヒドロイミダゾ[1、2−a]ピリジン−2−カルボキサミド(2.0g、6.4mmol)とトリエチルアミン(3.9g、38.5mmol)のTHF(20mL)溶液中にTFAA(4.1g、19.3mmol)を滴加して、滴加し終わった後、反応液を常温下で30分間撹拌した。LC−MSから出発物質を完全に消耗されたことを示した。反応混合物を氷水(20mL)に入れ込み、DCM/MeOH(5:1、100mL*2)で抽出した。混合した有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過した後に、減圧の条件下において濃縮し、残留物として得られた。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=40/1 to 20:1)で純化して、7−[メチル−[7−ヒドロピロロ[2、3−d]ピリミジン−4−イル]アミノ]−5、6、7、8−テトラヒドロイミダゾ[1、2−a]ピリジン−2−ニトリル(12、378mg、 収率19.8%)として得られた。MS(ESI)計算値C1515 293、測定値294[M+H]。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) 11.44−11.71(m、1H)、7.99−8.17(m、2H)、7.11−7.20(m、1H)、6.63(dd、J=1.76、3.26 Hz、1H)、5.33(br.s.、1H)、4.21−4.31 (m、1H)、4、13(dt、J=4.14、12.49 Hz、1H)、3.27(s、3H)、2.91−3.11(m、2H)、2.31−2.44(m、1H)、2.07(d、J=11.54Hz、1H).
ステップ12: キラルカラムを用いて、ラセミ化した7−[メチル−[7−ヒドロピロロ[2、3−d]ピリミジン−4−イル]アミノ]−5、6、7、8−テトラヒドロイミダゾ[1、2−a]ピリジン−2−ニトリル(30mg、102.3umol)を分離して、化合物1として得られた、10mg、収率32.8%。
SFC分離条件:
カラム:AD(250mm*30mm、10um)キラルカラム
移動相:A:超臨界CO、B:B:エタノール(0.1%イソプロパノールを含む)、A:B=55:45
流速:80mL/min
カラム温度:38℃
波長:220nm
注入圧:100Bar
ノズル温度:60℃
蒸発温度:20℃
再調整温度:25℃
化合物1:保持時間6.407min; MS(ESI)計算値C1515293、測定値294[M+H]。純度98.8%、e.e.98.9%;[α]20=+78.4°(c=0.6、DMSO)。
MS ESI calcd. For C1515[M+H] 294、 found 294.H NMR(400MHz、DMSO−d) δ ppm 2.02−2.15(m、1H)、 2.39(qd、J=12.42、5.90Hz、1H)、2.92−3.12(m、2H)、3.28(s、3H)、4.05−4.36(m、2H)、5.20−5.45(m、1H)、6.64(dd、J=3.39、1.88Hz、1H)、7.17(dd、J=3.26、2.51Hz、1H)、8.02−8.17(m、2H)、11.69(brs、1H)。
【0078】
<実施例2>化合物3のF結晶形及び化合物1のA結晶形の製造
1gの化合物1を5mLのアセトン及び0.5mLのTFAに加え、加熱還流して、さらに10mLのMTBEを加えた。不溶物を濾過、除去して、得られた溶液を12時間静置た。固体を析出し、濾過して、フィルターケーキをMTBEで洗浄して、乾燥した後、化合物1のトリフルオロ酢酸塩として得られた、即ち、化合物3のF結晶形である。各グラムの化合物3に10mLの水と0.1mLのTFA及び1mLのMeOHを加え、飽和NaHCO溶液を用いて体系をアルカリ性に調整し、この時に析出した白色固体を濾過して、フィルターケーキをHO(5mL*3)で洗浄して無機塩を除去した。真空乾燥して遊離の白色固体が得られた、即ち、化合物1のA結晶形である。
【0079】
<実施例3>化合物1のB結晶形の製造
約20mgの化合物1のA結晶形に20mLのエタノールを加え、超音波可溶化して、遠心した後に、上清をヒュームフードに置いて自然に揮発させた。残留の固体サンプルを真空乾燥オーブン中(30℃)に一晩乾燥させ、化合物1のB結晶形として得られた。
【0080】
<実施例4>化合物1のC結晶形の製造
約20mgの化合物1のA結晶形に20mLのテトラヒドロフランを加え、超音波可溶化して、遠心した後に、上清をヒュームフードに置いて自然に揮発させた。残留の固体サンプルを真空乾燥オーブン中(30℃)に一晩乾燥させ、化合物1のC結晶形として得られた。
【0081】
<実施例5>化合物1のD結晶形の製造
約25mgの化合物1のA結晶形に10mLのエタノール−水(3:1)混合物を徐々に加え、マグネチックスターラーにおいて(50℃)加熱溶解し、熱いうちに高速濾過して、濾液を5℃の冷蔵庫に置いて冷却させた。析出した固体サンプルを真空乾燥オーブン中(30℃)に一晩乾燥させ、化合物1のD結晶形として得られた。
【0082】
<実施例6>化合物2の製造
60mgの化合物1をガラスバイアルに加え、2mLのDMSOを添加し、マグネチックスターラーにおいて加熱して溶解させた(50℃);P−トルエンスルホン酸(化合物1:P−トルエンスルホン酸のモル比が1:1)を徐々に加えながら、現象を観察し、サンプルは溶液状態になり、沈殿が生成しなかった。加熱撹拌1時間後、加熱を終了して、サンプル溶液を自然に冷却させるうちに撹拌を続いた。3時間後、サンプルはまだ溶液の状態であり、酢酸エチルを加え、溶液をロータリーエバポレーターで濃縮した後に凍結乾燥し、化合物2として得られた。
【0083】
<実施例7>化合物2のE結晶形の製造
約40mgの元化合物2に0.4mLのメタノールを加え、懸濁液になった。懸濁液サンプルを恒温イーブンメーター(40℃)に二日間振盪した(遮光)。残留した固体物を遠心分離して、25℃の真空乾燥オーブン中に一晩乾燥して、化合物2のE結晶形として得られた。
【0084】
<試験例1>化合物1のA結晶形が異なる溶媒中の溶解度試験
本溶解度試験は常温の条件下において、手動で段階希釈の方法を採用し、溶解状況を同時に観察して測定した。約2mgの化合物1のA結晶形を異なる液相バイアルに加え、少量の有機溶媒又は溶媒混合物を数回加え(表7)、化合物1のA結晶形の溶解状況を観察した。試験結果は表7に示した。
【0085】
【表7】
【0086】
<試験例2>化合物1のA結晶形が異なる溶媒中の安定性試験
30mgの化合物1のA結晶形を、それぞれ0.2mLの下表に記載した単一又は混合溶媒に加え、40℃の条件下において撹拌して、二日間後に遠心した。全てのサンプル中の固体を回収し、25℃の真空乾燥オーブン中に一晩乾燥して、XRPDを用いてその結晶状態を検測した。結果は表8に示した。
【0087】
【表8】
【0088】
<試験例3>化合物2のE結晶形が高温、高湿及び強光条件下の固体安定性試験
「APIs及び調製物の安定性試験のガイドライン」(中国薬局方2015年版四つの部分の一般原則9001)に基づいて、化合物2のE結晶形が高温(60℃、オープン)、高湿(室温/相対湿度92.5%、オープン)及び強光(5000lx、クローズ)の条件下において固体安定性を考察した。
【0089】
適量の化合物2のE結晶形をガラスサンプルバイアルの底に置き、薄く広げた。高温及び高湿の条件下に放置したサンプルをアルミホイルで封じて、アルミホイルに小さい穴を開けて、サンプルが環境内の空気と十分に接触できることを保障した;強光条件下に放置したサンプルをスレッドキャップで密封した。異なる条件下において放置したサンプルをサンプリングして、5日目、10日目にXRPD検測を行った。検測結果を0日目の初期検測結果と比較して、試験結果は表9に示した:
【0090】
【表9】
【0091】
Jak1、2、Jak3キナーゼ体外活性試験
【0092】
試験材料
【0093】
リコンビナントヒトJAK1、JAK2、JAK3プロテアーゼがLife technologyから購入された。LANCE Ultra ULightTM−JAK−1(Tyr1023)peptideとLANCE Eu−W1024 Anti−phosphotyrosine(PT66)がPerkinElmerから購入された。多重酵素リーダーEnvision(PerkinElmer)を用いてプレートを読み取った。
【0094】
試験方法
【0095】
試験化合物を3倍濃度勾配で希釈して、終濃度が10uMから0.17nMまでの11個の濃度になり、各濃度サンプルが二つのウェルを有する。検測反応中のDMSO含有量が1%であった。
【0096】
JAK1酵素反応
【0097】
2nMのJAK1プロテアーゼ、50nMのLANCE Ultra ULightTM−JAK−1(Tyr1023)peptide、38uMのATP、50mMのHEPES(pH7.5)、10mMのMgCl、1mMのEGTA、2mMのDTT、0.01%のBRIJ−35。検測用プレートがWhite Proxiplate 384−Plus plate(PerkinElmer)、室温反応90分、反応体系が10uL。
【0098】
JAK2酵素反応
【0099】
0.02nMのJAK2プロテアーゼ、50nMのLANCE Ultra ULightTM−JAK−1(Tyr1023)peptide、12uMのATP、50mMのHEPES(pH7.5)、10mMのMgCl、1mMのEGTA、2mMのDTT、0.01%のBRIJ−35。検測用プレートがWhite Proxiplate 384−Plus plate(PerkinElmer)、室温反応60分、反応体系が10uL。
【0100】
JAK3酵素反応
【0101】
0.05nMのJAK2プロテアーゼ、50nMのLANCE Ultra ULightTM−JAK−1(Tyr1023)peptide、4uMのATP、50mMのHEPES(pH7.5)、10mMのMgCl、1mMのEGTA、2mMのDTT、0.01%のBRIJ−35。検測用プレートがWhite Proxiplate 384−Plus plate(PerkinElmer)、室温反応90分、反応体系が10uL。
【0102】
反応検測
【0103】
10uL検測試薬を反応プレートに加え、LANCE Eu−W1024 Anti−phosphotyrosine(PT66)の終濃度が2nM、EDTAの終濃度が10mM、60分室温インキュベートして、Envisionでプレートを読み取った。
【0104】
データ分析
【0105】
以下の公式を用いて、読み取り値を阻害率(%)=(Min−Ratio)/(Max−Min)×100%に計算した。四つのパラメータ曲線フィティングによって(Model 205 in XLFIT5、iDBS)IC50データを測定し、詳細は表9に示した。
【0106】
【表9】
【0107】
化合物1は、JAK1に対して強い阻害活性及びJAK2に対して比較的に弱い阻害活性を有し、これは、化合物1がJAKに対してより良好な選択的阻害を有することを示した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18