特許第6788185号(P6788185)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6788185
(24)【登録日】2020年11月4日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】電子装置、及び制限部品
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/00 20060101AFI20201116BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20201116BHJP
   G06F 1/18 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   H05K7/00 F
   G06F1/16 312E
   G06F1/18 C
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-184643(P2016-184643)
(22)【出願日】2016年9月21日
(65)【公開番号】特開2018-49952(P2018-49952A)
(43)【公開日】2018年3月29日
【審査請求日】2019年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】特許業務法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塚崎 遥
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 豊
(72)【発明者】
【氏名】松下 真也
【審査官】 原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−234630(JP,A)
【文献】 特開2003−243854(JP,A)
【文献】 特開2013−156525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/00
G06F 1/16
G06F 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第一対向壁部及び第二対向壁部を有する筐体と、
前記筐体内に配線されるケーブルと、
前記第一対向壁部と前記第二対向壁部との間に設けられ、前記第一対向壁部と前記第二対向壁部との接近を制限するとともに、前記ケーブル及び前記第一対向壁部と前記第二対向壁部との間に収容される収容部品を保持する制限部と、を備え、
前記制限部品は、前記収容部品に対する前記第二対向壁部側に配置されるカバー部と前記ケーブルが引っ掛けられる引掛部とを有し、前記カバー部と前記第一対向壁部との間で前記収容部品を保持し、
前記引掛部は、前記カバー部から前記第二対向壁部側へ延出し、前記カバー部に対して前記第二対向壁部を支持する、
子装置。
【請求項2】
前記引掛部は、前記ケーブルを通す溝部を含む、
請求項に記載の電子装置。
【請求項3】
前記引掛部は、前記第一対向壁部と前記第二対向壁部との対向方向を長手方向とした支柱部を含む、
請求項に記載の電子装置。
【請求項4】
前記支柱部は、間隔を空けて複数配置される、
請求項に記載の電子装置。
【請求項5】
互いに対向する第一対向壁部及び第二対向壁部を有する筐体と、前記筐体内に配線されるケーブルと、を備える電子装置に設けられる制限部品であって、
前記第一対向壁部と前記第二対向壁部との間に設けられ、前記第一対向壁部と前記第二対向壁部との接近を制限するとともに、前記ケーブル及び前記第一対向壁部と前記第二対向壁部との間に収容される収容部品を保持
前記収容部品に対する前記第二対向壁部側に配置されるカバー部と前記ケーブルが引っ掛けられる引掛部とを有し、前記カバー部と前記第一対向壁部との間で前記収容部品を保持し、
前記引掛部は、前記カバー部から前記第二対向壁部側へ延出し、前記カバー部に対して前記第二対向壁部を支持する、
制限部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願が開示する技術は、電子装置、及び制限部品に関する。
【背景技術】
【0002】
余長部を有するケーブルを保持するケーブル保持部を備える電子装置がある(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2006−061893号
【特許文献2】特開2012−174942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の電子装置では、余長部を有するケーブルが、ケーブル保持部によって保持される。これにより、ケーブルの位置ずれが抑制される。したがって、電子装置の組み立て性が向上する。
【0005】
しかしながら、電子装置にケーブル保持部が設けられると、電子装置の部品点数が増加する可能性がある。
【0006】
本願が開示する技術は、一つの側面として、電子装置の部品点数の増加を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願が開示する技術では、電子装置は、筐体と、ケーブルと、制限部とを備える。筐体は、互いに対向する第一対向壁部及び第二対向壁部を有する。ケーブルは、筐体内に配線される。制限部は、第一対向壁部と第二対向壁部との間に設けられ、第一対向壁部と第二対向壁部との接近を制限するとともに、ケーブル及び第一対向壁部と第二対向壁部との間に収容される収容部品を保持する。制限部品は、収容部品に対する第二対向壁部側に配置されるカバー部とケーブルが引っ掛けられる引掛部とを有し、カバー部と第一対向壁部との間で収容部品を保持する。引掛部は、カバー部から第二対向壁部側へ延出し、カバー部に対して第二対向壁部を支持する。
【発明の効果】
【0008】
本願が開示する技術によれば、一つの側面として、電子装置の部品点数の増加を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第一実施形態に係る本体装置を備える電子機器を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示される本体装置を分解して示す分解斜視図である。
図3図3は、図2に示されるスピーカホルダをロアカバー側から見た下面図である。
図4図4は、図2に示される本体装置を筐体の厚み方向に沿って切断した断面図である。
図5図5は、図3に示されるスピーカホルダを示す斜視図である。
図6図6は、第一実施形態に係るスピーカホルダの変形例を示す図5に相当する斜視図である。
図7図7は、図6に示されるスピーカホルダを示す図3に相当する下面図である。
図8図8は、第二実施形態に係る本体装置を筐体の厚み方向に沿って切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
先ず、本願が開示する技術の第一実施形態について説明する。
【0011】
(電子機器)
図1に示されるように、本実施形態に電子機器10は、例えば、ノート型パーソナルコンピュータとされる。この電子機器10は、表示装置20及び本体装置30を備える。表示装置20は、本体装置30の一端部(後端部)に回動可能に連結される。
【0012】
表示装置20は、表示器22及び筐体24を有する。表示器22は、例えば、液晶パネル又はタッチパネル等を含む。この表示器22は、筐体24に収容される。筐体24は、表示器22の背面を覆う扁平な箱状に形成される。
【0013】
本体装置30は、筐体32を有する。筐体32は、薄型の箱状に形成される。この筐体32の上面には、キーボード34及びタッチパッド36等が設けられる。なお、各図に示される矢印UPは、本体装置30の高さ方向(厚み方向)の上側を示す。また、本体装置30は、電子装置の一例である。
【0014】
図2に示されるように、筐体32は、アッパカバー40及びロアカバー42を有する。アッパカバー40とロアカバー42とは、筐体32の厚み方向(矢印T方向)に互いに組み合わされた状態で筐体32を形成する。このアッパカバー40は、筐体32の上面を形成する天壁部40Uを有する。また、ロアカバー42は、筐体32の下面(底面)を形成する底壁部42Lを有する。
【0015】
アッパカバー40の天壁部40Uとロアカバー42の底壁部42Lとは、筐体32の厚み方向(矢印T方向)に互いに対向する。なお、アッパカバー40は、第一カバー(第一外装カバー)の一例であり、アッパカバー40の天壁部40Uは、第一対向壁部の一例である。また、ロアカバー42は、第二カバー(第二外装カバー)の一例であり、ロアカバー42の底壁部42Lは、第二対向壁部の一例である。
【0016】
アッパカバー40の天壁部40Uとロアカバー42の底壁部42Lとの間には、ベースフレーム44が配置される。ベースフレーム44は、パネル状に形成される。また、ベースフレーム44は、天壁部40Uと底壁部42Lとの対向方向を厚み方向として配置される。このベースフレーム44は、例えば、図示しないプリント基板を支持する。
【0017】
ベースフレーム44には、スピーカ46を保持するスピーカホルダ50が設けられる。スピーカホルダ50は、例えば、樹脂等で形成される。このスピーカホルダ50は、カバー部52と、一対の保持片部54と、複数の支持リブ部56A,56B,56Cとを有する。なお、スピーカ46は、収容部品の一例である。また、スピーカホルダ50は、制限部、及び制限部品の一例である。
【0018】
カバー部52は、板状に形成される。このカバー部52は、天壁部40Uと底壁部42Lとの対向方向を厚み方向として配置される。また、カバー部52は、スピーカ46に対するロアカバー42の底壁部42L側に配置される。このカバー部52によって、スピーカ46がロアカバー42の底壁部42L側から覆われる。なお、カバー部52には、複数の開口53が形成される。
【0019】
一対の保持片部54は、カバー部52からアッパカバー40の天壁部40U側へ延出する。この一対の保持片部54の間に、スピーカ46が収容される。また、一対の保持片部54には、図示しない爪部がそれぞれ形成される。これらの爪部がスピーカ46に係止されることにより、一対の保持片部54によってスピーカ46が保持される。また、一対の保持片部54は、アッパカバー40の天壁部40Uに接触される。
【0020】
スピーカ46は、音声を発生する装置である。このスピーカ46は、円盤状に形成される。また、スピーカ46は、スピーカホルダ50に保持された状態で、アッパカバー40の天壁部40Uに設けられたスピーカ収容部48に収容される。スピーカ収容部48は、スピーカ46を囲むリブ部48Aを有する。このリブ部48Aの内側に、スピーカ46が嵌め込まれる。これにより、アッパカバー40に対して、スピーカ46が位置決められる。なお、スピーカ46の形状又は大きさは、適宜変更可能である。
【0021】
複数の支持リブ部56A,56B,56Cは、カバー部52からロアカバー42の底壁部42L側へ延出する。各支持リブ部56A,56B,56Cは、壁状に形成される。図3に示されるように、複数の支持リブ部56A,56Bは、例えば、筐体32の厚み方向から見て、十字状に交差される。また、支持リブ部56Cは、支持リブ部56Bの両端部に設けられる。これらの支持リブ部56A,56B,56Cは、カバー部52に対してロアカバー42の底壁部42Lを支持する。
【0022】
具体的には、図4に示されるように、例えば、支持リブ部56A,56Bの先端部56A1,56B1は、ロアカバー42の底壁部42Lに接触される。これにより、アッパカバー40の天壁部40Uが、スピーカホルダ50、又はスピーカ46及びスピーカホルダ50を介してロアカバー42の底壁部42Lに支持される。このスピーカホルダ50によって、アッパカバー40の天壁部40Uとロアカバー42の底壁部42Lとの接近が制限される。換言すると、スピーカホルダ50によって、天壁部40Uと底壁部42Lとの間に、所定の間隔Sが保持される。さらに、スピーカホルダ50によって、スピーカ46のロアカバー42の底壁部42L側への移動(位置ずれ)が制限される。
【0023】
ここで、図3に示されるように、本体装置30の筐体32には、ケーブル60が収容される。ケーブル60は、表示装置20と本体装置30とに亘って配線される。このケーブル60の一端部60Eは、本体装置30の筐体32に収容された内蔵ユニット26に、コネクタ28を介して電気的に接続される。一方、ケーブル60の他端部は、例えば、表示装置20に設けられた表示器22又は図示しないアンテナに接続される。なお、ケーブルは、通信ケーブル、電源ケーブル、リード線等であっても良い。
【0024】
ケーブル60は、所定長さの余長部を有する。このケーブル60の余長部により、例えば、ケーブル60の一端部60Eがコネクタ28に接続し易くなる。また、ケーブル60は、スピーカホルダ50に引っ掛けられた状態で筐体32内に配線される。具体的には、図5に示されるように、複数の支持リブ部56A,56B,56Cのうち、一部の支持リブ部56Bには溝部58が形成される。
【0025】
溝部58は、ロアカバー42の底壁部42L(図2参照)側が開口されたU字状に形成される。つまり、溝部58は、ロアカバー42の底壁部42L側に開口58Aを有する。また、溝部58は、支持リブ部56Bを厚み方向に貫通する。また、溝部58の幅(溝幅)は、ケーブル60の直径D(図4参照)よりも広くされる。この溝部58の内部には、開口58Aからケーブル60の一部が挿入可能とされる。つまり、溝部58は、ケーブル60が配線される配線部(配線経路)とされる。なお、支持リブ部56Bは、引掛部の一例である。
【0026】
ここで、ケーブル60の一部が溝部58に挿入されると、支持リブ部56Bによってケーブル60が保持される。また、例えば、湾曲したケーブル60の一部が溝部58に挿入されると、ケーブル60が支持リブ部56Bに引っ掛けられた状態で、当該支持リブ部56Bに保持される。換言すると、ケーブル60は、支持リブ部56Bに巻き掛けられた状態で、当該支持リブ部56Bに保持される。これにより、ケーブル60の位置ずれ、又は浮き上り等が抑制される。
【0027】
次に、第一実施形態の作用について説明する。
【0028】
本実施形態によれば、本体装置30の筐体32内には、ケーブル60が配線される。このケーブル60は、所定長さの余長部を有する。これにより、作業者が本体装置30を組み立てる際に、ケーブル60の一端部60Eをコネクタ28に接続し易くなる。したがって、ケーブル60の配線作業が容易となる。
【0029】
一方、ケーブル60に余長部があると、ケーブル60が位置ずれし、又は浮き上がり易くなる。そして、ケーブル60が位置ずれ等すると、作業者が本体装置30の筐体32を組み立てる際に、位置ずれしたケーブル60がロアカバー42とアッパカバー40との間に挟み込まれ、当該ケーブル60が損傷する可能性がある。若しくは、作業者が本体装置30の筐体32に内蔵部品を収容する際に、位置ずれしたケーブル60が内蔵部品に干渉し、内蔵部品を筐体32に収容し難くなる可能性がある。
【0030】
これに対して本実施形態では、スピーカホルダ50によってケーブル60が保持される。具体的には、スピーカホルダ50の支持リブ部56Bに、溝部58が形成される。この溝部58には、ケーブル60の一部が挿入される。これにより、支持リブ部56Bによってケーブル60が保持される。この結果、ケーブル60の位置ずれ、又は浮き上がりが抑制される。
【0031】
したがって、作業者が本体装置30の筐体32を組み立てる際に、ロアカバー42とアッパカバー40との間にケーブル60が挟み込まれることが抑制される。また、作業者が本体装置30の筐体32に内蔵部品を収容する際に、ケーブル60が内蔵部品に干渉することが抑制される。したがって、本体装置30の組み立て性が向上する。
【0032】
また、スピーカホルダ50は、ロアカバー42の底壁部42Lとアッパカバー40の天壁部40Uとの間に介在し、底壁部42Lと天壁部40Uとの接近を制限する。これにより、本体装置30の筐体32の潰れ等が抑制される。さらに、スピーカホルダ50は、ケーブル60を保持する。つまり、スピーカホルダ50は、ケーブル60を保持する保持機能を兼ね備える。
【0033】
そのため、筐体32内に、ケーブル60を保持するための専用部品が設ける場合と比較して、本実施形態では、本体装置30の部品点数が低減される。したがって、本実施形態では、本体装置30の軽量化及び小型化を図ることができる。また、本実施形態では、本体装置30の組み立て工数を削減することができる。
【0034】
このように本実施形態では、本体装置30の部品点数を低減しつつ、ケーブル60の位置ずれ等を抑制することができる。
【0035】
また、支持リブ部56Bの溝部58は、ロアカバー42の底壁部42L側に開口58A(図5参照)を有する。そのため、開口58Aから溝部58内にケーブル60の一部を挿入し易くなる。したがって、支持リブ部56Bにケーブル60の一部を引っ掛け易くなる。
【0036】
また、スピーカホルダ50は、スピーカ46を保持する。より具体的には、スピーカホルダ50は、一対の保持片部54によってスピーカ46を保持する。また、スピーカホルダ50は、アッパカバー40の天壁部40Uとの間でスピーカ46を保持する。これにより、筐体32に対するスピーカ46の位置ずれが抑制される。
【0037】
さらに、スピーカホルダ50の支持リブ部56A,56B,56Cは、カバー部52からロアカバー42の底壁部42L側へ延出し、カバー部52に対して底壁部42Lを支持する。この支持リブ部56Bによって、スピーカ46のロアカバー42の底壁部42L側への移動が抑制される。また、スピーカホルダ50を介して、アッパカバー40の天壁部40Uがロアカバー42の底壁部42Lに支持される。したがって、アッパカバー40の天壁部40Uの撓み、又は潰れが抑制される。
【0038】
次に、第一実施形態の変形例について説明する。
【0039】
図6に示される変形例では、スピーカホルダ70は、カバー部52と、一対の保持片部54と、複数の支柱部72とを有する。複数の支柱部72は、カバー部52からロアカバー42の底壁部42L(図2参照)側へ延出し、当該底壁部42Lに接触される。また、各支柱部72は、アッパカバー40の天壁部40Uとロアカバー42の底壁部42Lとの対向方向(矢印T方向)を長手方向として配置される。なお、スピーカホルダ70は、制限部、及び制限部品の一例である。
【0040】
図7に示されるように、各支柱部72は、当該支柱部72の長手方向から見て、十字状に形成される。また、複数の支柱部72は、当該支柱部72の長手方向から見て、互いに間隔を空けて配置される。さらに、隣り合う一対の支柱部72の間隔Kは、ケーブル60の直径D(図4参照)よりも広くされる。これにより、隣り合う支柱部72の間にケーブル60の一部が挿入可能とされる。つまり、隣り合う支柱部72の間は、ケーブル60が配線される配線部(配線経路)とされる。なお、支柱部72は、引掛部の一例である。
【0041】
ここで、ケーブル60の一部が、隣り合う一対の支柱部72の間に挿入されると、一対の支柱部72によってケーブル60が保持される。また、例えば、湾曲したケーブル60の一部が、隣り合う一対の支柱部72の間に挿入されると、ケーブル60が支柱部72に引っ掛けられた状態で、一対の支柱部72に保持される。換言すると、ケーブル60は、支柱部72に巻き掛けられた状態で保持される。これにより、ケーブル60の位置ずれ、又は浮き上り等が抑制される。
【0042】
また、本実施形態では、スピーカホルダ70に複数の支柱部72が設けられる。したがって、作業者は、ケーブル60の余長部に応じて、ケーブル60を引っ掛ける支柱部72を適宜選択することができる。したがって、ケーブル60の位置ずれ等を効率的に抑制することができる。
【0043】
また、複数の支柱部72は、カバー部52に対してロアカバー42の底壁部42Lを支持する。これらの支柱部72によって、スピーカ46がロアカバー42の底壁部42L側へ移動(位置ずれ)することが抑制される。また、アッパカバー40の天壁部40Uが、スピーカホルダ70を介してロアカバー42の底壁部42Lに支持される。したがって、アッパカバー40の天壁部40Uの撓み、又は潰れが抑制される。
【0044】
次に、上記第一実施形態では、ケーブル60が支持リブ部56Bに引っ掛けられる。しかし、ケーブル60は、支持リブ部56A,56B,56Cに引っ掛けられても良い。
【0045】
また、上記第一実施形態では、支持リブ部56Bの先端部56B1に、溝部58の開口58Aが形成される。しかし、例えば、支持リブ部56A(図5参照)に溝部が形成される場合、支持リブ部56Aの側端部(矢印T方向に沿った端部)に溝部の開口が形成されても良い。また、支持リブ部56Bには、溝部58に替えて、ケーブル60が貫通される貫通孔が形成されても良い。
【0046】
また、上記第一実施形態では、スピーカ46とロアカバー42の底壁部42Lとの間にスピーカホルダ50が配置される。しかし、スピーカホルダは、アッパカバー40の天壁部40Uとスピーカ46との間に配置されても良い。この場合、ロアカバー42が第一カバーの一例となり、ロアカバー42の底壁部42Lが第一対向壁部の一例となる。また、アッパカバー40が第二カバーの一例となり、アッパカバー40の天壁部40Uが第二対向壁部の一例となる。
【0047】
また、上記第一実施形態では、スピーカ46が収容部品とされる。しかし、収容部品は、スピーカ46に限らず、例えば、冷却ファン、カメラ、アンテナ、バッテリ、電池(コイン型電池等も含む)、又は記録装置等の各種の部品であっても良い。また、制限部品は、スピーカホルダ50に限らず、上記の各種の収容部品を保持するホルダであっても良い。
【0048】
次に、第二実施形態について説明する。なお、第二実施形態において、第一実施形態と同じ構成の部材等には、同符号を付して説明を適宜省略する。
【0049】
図8に示されるように、第二実施形態に係る本体装置30では、アッパカバー40の天壁部40Uにボス部80が設けられる。ボス部80は、筒状(円筒状)に形成される。また、ボス部80の内周面には、雌ネジが形成される。このボス部80は、アッパカバー40の天壁部40Uからロアカバー42の底壁部42L側へ延出する。
【0050】
ボス部80の先端部80Eは、ロアカバー42の底壁部42Lに接触される。このボス部80によって、アッパカバー40の天壁部40Uに対してロアカバー42の底壁部42Lが支持される。換言すると、ボス部80によって、アッパカバー40の天壁部40Uとロアカバー42の底壁部42Lとの接近が制限される。なお、ボス部80は、制限部、及び支柱部の一例である。
【0051】
ロアカバー42の底壁部42Lには、貫通孔82が形成される。貫通孔82には、ネジ部材84が挿入される。ネジ部材84は、例えば、ビス、又はボルト等とされる。また、ネジ部材84は、貫通孔82を介してボス部80の内部に締め込まれる。このネジ部材84によって、ロアカバー42がアッパカバー40に固定される。
【0052】
ここで、ボス部80は、筐体32内に配線されるケーブル62を保持する。具体的には、ボス部80の周囲には、ケーブル62が配線される。このケーブル62は、所定長さの余長部を有する。また、ケーブル62は、ボス部80に引っ掛けられ、又は巻き掛けられた状態で当該ボス部80に保持される。これにより、ケーブル62の位置ずれ、又は浮き上り等が抑制される。なお、ボス部80は、制限部及び支柱部の一例である。
【0053】
次に、第二実施形態の作用について説明する。
【0054】
図8に示されるように、本実施形態によれば、本体装置30の筐体32内には、ケーブル62が配線される。ケーブル62は、所定長さの余長部を有する。このケーブル62は、ボス部80によって保持される。具体的には、ボス部80には、ケーブル62が引っ掛けられ、又は巻き掛けられる。これにより、ボス部80によってケーブル62が保持される。したがって、ケーブル62の位置ずれ、又は浮き上がりが抑制される。
【0055】
また、ボス部80は、アッパカバー40の天壁部40Uとロアカバー42の底壁部42Lとの間に介在し、天壁部40Uと底壁部42Lとの接近を制限する。これにより、本体装置30の筐体32の潰れ等が抑制される。さらに、ボス部80は、ケーブル62を保持する。つまり、ボス部80は、ケーブル62を保持する保持機能を兼ね備える。
【0056】
そのため、筐体32内にケーブル62を保持するための専用部品が設ける場合と比較して、本実施形態では、本体装置30の部品点数が低減される。したがって、本実施形態では、本体装置30の軽量化及び小型化を図ることができる。また、本実施形態では、本体装置30の組み立て工数を削減することができる。
【0057】
このように本実施形態では、本体装置30の部品点数を低減しつつ、ケーブル62の位置ずれを抑制することができる。
【0058】
また、ロアカバー42の底壁部42Lには、貫通孔82が形成される。この貫通孔82を介してボス部80にネジ部材84が締め込まれる。これにより、ロアカバー42がアッパカバー40に固定される。つまり、ボス部80は、ロアカバー42をアッパカバー40に固定する固定機能を兼ね備える。したがって、本実施形態では、本体装置30の部品点数がさらに低減される。
【0059】
次に、第二実施形態の変形例について説明する。
【0060】
上記第二実施形態では、ボス部80がアッパカバー40の天壁部40Uに設けられる。しかし、ボス部は、ロアカバー42の底壁部42Lに設けられても良い。この場合、ロアカバー42が第一カバーの一例となり、ロアカバー42の底壁部42Lが第一対向壁部の一例となる。また、アッパカバー40が第二カバーの一例となり、アッパカバー40の天壁部40Uが第二対向壁部の一例となる。
【0061】
また、上記第二実施形態のケーブル62は、ボス部80に引っ掛けられ、又は巻き掛けられる。しかし、ケーブル62は、ボス部80に巻き付けられても良い。これと同様に、上記第一実施形態におけるケーブル60は、例えば、支持リブ部56Bに巻き付けられても良い。
【0062】
また、上記第二実施形態のケーブル62は、ロアカバー42の底壁部42Lから延出し、アッパカバー40の天壁部40Uを支持する図示しない支柱部に引っ掛けられ、又は巻き掛けられても良い。この場合、支柱部によって、ケーブル62が保持される。
【0063】
また、上記第二実施形態のケーブル62は、ロアカバー42の底壁部42Lから延出され、アッパカバー40の天壁部40Uを支持する壁状又はリブ状の図示しない引掛部に引っ掛けられ、又は巻き掛けられても良い。この場合、引掛部によって、ケーブル62が保持される。
【0064】
次に、上記第一実施形態及び第二実施形態では、第一対向壁部の一例としてのアッパカバー40の天壁部40Uと、第二対向壁部の一例としてのロアカバー42の底壁部42Lとが筐体32の厚み方向に対向する。しかし、第一対向壁部と第二対向壁部とは、例えば、筐体32の幅方向に対向されても良い。
【0065】
また、上記第一実施形態及び第二実施形態は、本体装置30の筐体32に限らず、例えば、携帯電話又はタブレット端末等の電子装置の筐体にも適宜適用可能である。
【0066】
以上、本願が開示する技術の一実施形態について説明したが、本願が開示する技術は上記の実施形態に限定されるものでない。また、上記実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本願が開示する技術の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0067】
なお、以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0068】
(付記1)
互いに対向する第一対向壁部及び第二対向壁部を有する筐体と、
前記筐体内に配線されるケーブルと、
前記第一対向壁部と前記第二対向壁部との間に設けられ、前記第一対向壁部と前記第二対向壁部との接近を制限するとともに、前記ケーブルを保持する制限部と、
を備える電子装置。
(付記2)
前記第一対向壁部と前記第二対向壁部との間に収容される収容部品を備え、
前記制限部は、前記収容部品を保持する制限部品とされる、
付記1に記載の電子装置。
(付記3)
前記制限部品は、前記第一対向壁部との間で前記収容部品を保持する、
付記2に記載の電子装置。
(付記4)
前記制限部品は、前記ケーブルが引っ掛けられる引掛部を有する、
付記2又は付記3に記載の電子装置。
(付記5)
前記引掛部は、前記第二対向壁部と前記収容部品との間に設けられ、該収容部品に対する前記第二対向壁部の接近を制限する、
付記4に記載の電子装置。
(付記6)
前記引掛部は、前記ケーブルを通す溝部を含む、
付記4又は付記5に記載の電子装置。
(付記7)
前記溝部は、前記第二対向壁部側に開口を有する、
付記6に記載の電子装置。
(付記8)
前記引掛部は、前記第一対向壁部と前記第二対向壁部との対向方向を長手方向とした支柱部を含む、
付記4又は付記5に記載の電子装置。
(付記9)
前記支柱部は、間隔を空けて複数配置される、
付記8に記載の電子装置。
(付記10)
隣り合う一対の前記支柱部の間に、前記ケーブルが配置される、
付記9に記載の電子装置。
(付記11)
前記制限部品は、前記収容部品に対する前記第二対向壁部側に配置されるカバー部を有し、
前記引掛部は、前記カバー部から前記第二対向壁部側へ延出し、該カバー部に対して前記第二対向壁部を支持する、
を有する、
付記10に記載の電子装置。
(付記12)
前記収容部品は、スピーカを含み、
前記制限部品は、前記スピーカを保持するスピーカホルダとされる、
付記10又は付記11に記載の電子装置。
(付記13)
前記制限部は、前記第一対向壁部から前記第二対向壁部側へ延出し、該第二対向壁部を支持する、
付記1に記載の電子装置。
(付記14)
前記制限部は、前記第一対向壁部と前記第二対向壁部との対向方向を長手方向とした支柱部を有する、
付記13に記載の電子装置。
(付記15)
前記支柱部には、前記第二対向壁部を貫通するネジ部材が締め込まれる、
付記14に記載の電子装置。
(付記16)
前記第二対向壁部は、前記ネジ部材が貫通される貫通孔を有する、
付記15に記載の電子装置。
(付記17)
前記第一対向壁部と前記第二対向壁部とは、前記筐体の厚み方向に互いに対向する、
付記1〜付記16の何れか1つに記載の電子装置。
(付記18)
前記筐体は、該筐体の厚み方向に互いに組み合わされた状態で該筐体を成す第一カバー及び第二カバーを有し、
前記第一カバーは、前記第一対向壁部を有し、
前記第二カバーは、前記第二対向壁部を有する、
付記1〜付記17の何れか1つに記載の電子装置。
(付記19)
互いに対向する第一対向壁部及び第二対向壁部を有する筐体と、前記筐体内に配線されるケーブルと、を備える電子装置に設けられる制限部品であって、
前記第一対向壁部と前記第二対向壁部との間に設けられ、前記第一対向壁部と前記第二対向壁部との接近を制限するとともに、前記ケーブルを保持する、
制限部品。
(付記20)
前記第一対向壁部と前記第二対向壁部との間に収容される収容部品を保持する、
付記19に記載の制限部品。
【符号の説明】
【0069】
30 本体装置(電子装置の一例)
32 筐体
40 アッパカバー(第一カバーの一例)
40U 天壁部(第一対向壁部の一例)
42 ロアカバー(第二カバーの一例)
42L 底壁部(第二対向壁部の一例)
46 スピーカ(収容部品の一例)
50 スピーカホルダ(制限部及び制限部品の一例)
52 カバー部
56B 支持リブ部(引掛部の一例)
58 溝部
58A 開口
60 ケーブル
62 ケーブル
70 スピーカホルダ(制限部及び制限部品の一例)
72 支柱部(引掛部の一例)
80 ボス部(制限部及び支柱部の一例)
82 貫通孔
84 ネジ部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8