(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記二つの従来例では、接着剤を加熱し、乾燥固化させることで、複数枚の矩形状用紙を、重合状態の矩形状用紙束としていたので、接着剤の乾燥時間が長く、処理時間が長くなるという課題があった。つまり、矩形状用紙(紙)に印刷やコピーをしているので、加熱温度を必要以上に高めることができず、その結果として、接着剤の乾燥時間が長く、処理時間が長くなってしまうのであった。
【0006】
本発明は、上記の実情に鑑みて提案されたものである。すなわち、処理時間の短縮化を図る用紙後処理装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る用紙後処理装置は、コーナーを有する複数枚の用紙を、重ね合わせた重合状態の用紙束として保持する保持手段と、この保持手段によって保持された前記用紙束の少なくとも一つの前記コーナーを形成する第1辺および第2辺に紫外線硬化型接着剤を付着させる接着剤付着手段と、前記第1辺および前記第2辺に付着した前記紫外線硬化型接着剤に紫外線光を照射する紫外線照射手段と、を備えた構成としたものである。
【0008】
本発明に係る用紙後処理装置は、前記紫外線硬化型接着剤が付着した前記第1辺および前記第2辺から離れた前記接着剤付着手段と、前記紫外線照射手段との間に、移動可能な紫外線遮断体が備えられている。
【0009】
本発明に係る用紙後処理装置によれば、前記接着剤付着手段は、前記用紙束の外側に移動させる構成とし、前記紫外線照射手段は、前記接着剤付着手段の軌道の外側に配置されている。
【0010】
本発明に係る用紙後処理装置によれば、前記接着剤付着手段は、前記第1辺に塗布する前記紫外線硬化型接着剤の塗布長さを、前記第2辺に塗布する前記紫外線硬化型接着剤の塗布長さよりも短くする構成としたものである。
【0011】
本発明に係る用紙後処理装置によれば、前記用紙は、前記第1辺が、前記第2辺よりも短い長方形状である。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本発明の用紙後処理装置は、コーナーを有する複数枚の用紙を、重ね合わせた重合状態の用紙束として保持する保持手段と、この保持手段によって保持された前記用紙束の少なくとも一つのコーナーを形成する第1辺および第2辺に紫外線硬化型接着剤を付着させる接着剤付着手段と、前記第1辺および第2辺に付着した紫外線硬化型接着剤に紫外線光を照射する紫外線照射手段とを備えた構成としたものであるので、処理時間の短縮化を図ることができる。
【0013】
すなわち、本発明は、保持手段によって保持された前記用紙束の少なくとも一つのコーナーを形成する第1辺および第2辺に紫外線硬化型接着剤を付着させ、これら第1辺、第2辺に付着させた紫外線硬化型接着剤を紫外線光によって固化させるものであり、紫外線光照射における固化は極めて短時間で行え、その結果として、処理時間の短縮化を図ることができるのである。
【0014】
また、前記用紙束の少なくとも一つのコーナーを形成する第1辺および第2辺に付着させた紫外線硬化型接着剤を固化させるので、前記用紙束をめくりながら内容を確認するときに、このコーナー部分で剥がれることが少なく、極めて利便性の高いものとなる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る用紙後処理装置1を装着した画像形成装置2を示している。
【0017】
図1に示すとおり、画像形成装置2は、現在広く市販されているコピー機といわれるもので、原稿を画像読み取り部3に置いて動作を開始すれば、ストッカー4に収納された矩形状用紙5(
図2参照)に画像、文字などが複写され、用紙後処理装置1を経由し、排出部6に矩形状用紙5が排出される。
つまり、画像形成装置2では、
図2に示すとおり、複写済みの矩形状用紙5をローラ7によって用紙後処理装置1に送り出す。
【0018】
用紙後処理装置1では、ローラ8、9、10によって上記複写済みの矩形状用紙5を排出部6に排出する。また、上記複写済みの矩形状用紙5を複数枚重ねて束ねるときには、ローラ11、12によって上記複写済みの矩形状用紙5を、
図2の右側の保持手段13に送り込み、重ね、複数枚の矩形状用紙5を、重ね合わせた重合状態の矩形状用紙束14として保持する。
【0019】
つまり、この時には、ローラ11が、
図2において二点鎖線で描かれているように下降し、矢印Aのように反時計方向に回転し、上記複写済みの矩形状用紙5を、
図2の右側の保持手段13に送り込み、ここで、ローラ12が
図2の矢印Bのように反時計方向に回転することで、複数枚の矩形状用紙5を、重ね合わせた重合状態の矩形状用紙束14として保持するのである。なお、
図2においてローラ10、11は別々のアーム(図示せず)に保持されているので、これらのローラ10、11は別々の動作をすることができる。
【0020】
また、上下のローラ10のうち、上方のローラ10は
図2の矢印Cのように時計方向に回転し、複写済みの一枚の矩形状用紙5や、重合状態の矩形状用紙束14を排出部6へと排出することができる。
【0021】
本実施形態の用紙後処理装置1は、
図3〜
図5に示すように、上記ローラ11、12で次々に送り込まれ、重ねられた複写済みの矩形状用紙5を重合状態の矩形状用紙束14として保持できる保持手段13と、この保持手段13によって保持された前記矩形状用紙束14の少なくとも一つのコーナーにおける第1辺15(
図9参照)と、この第1辺15と隣接し、第1辺15とともに前記コーナーを形成する第2辺16(
図9参照)に紫外線硬化型接着剤17(
図7参照)を付着させる接着剤付着手段18と、前記第1辺15、第2辺16に付着した紫外線硬化型接着剤17に紫外線光を照射する紫外線照射手段19と、前記矩形状用紙束14を上方から押さえる付勢手段20とを備えている。
【0022】
このうち、接着剤付着手段18は、
図6、
図7に示すように、アーム21の外側に設けた貯留部22を有し、ここに接着剤カートリッジ23から紫外線硬化型接着剤17を自然落下で充填し、この紫外線硬化型接着剤17を、目の小さな(紫外線硬化型接着剤17の通過スピードが遅い)第1吸着部24、目の大きな(紫外線硬化型接着剤17の通過スピードが速い)第2吸着部25を介して上記矩形状用紙束14の第1辺15と、この第1辺15とともに前記コーナーを形成する第2辺16に塗布する。
【0023】
この塗布を行うためにアーム21は、
図3〜
図5に示すモータ26によって駆動される歯車27、28を介して
図3のように、第2吸着部25を、上記矩形状用紙束14の第1辺15と第2辺16に当接させたり、
図4、
図5のように上記矩形状用紙束14の第1辺15と第2辺16から離したりする。
なお、モータ26と歯車27、28間には、それぞれ別の従動歯車(図示せず)が存在しているが、図面の煩雑化を避けるために図示していない。
【0024】
つまり、
図3のように、第2吸着部25を、上記矩形状用紙束14の第1辺15と第2辺16に当接させた状態で、
図9に示す、前記第1辺15、第2辺16に紫外線硬化型接着剤17を付着させ、その後、
図4、
図5のように上記矩形状用紙束14の第1辺15と第2辺16から離し、この状態で、上記矩形状用紙束14の第1辺15と第2辺16に付着させた紫外線硬化型接着剤17を、紫外線照射手段19からの紫外線光によって固化させ、これにより最終的な矩形状用紙束14とする。
【0025】
なお、紫外線照射手段19から紫外線光を照射する場合には、
図4、
図5のように板状の紫外線遮断体29を、上記紫外線照射手段19と、接着剤付着手段18の貯留部22、接着剤カートリッジ23、第2吸着部25との間に移動させ、接着剤付着手段18の紫外線硬化型接着剤17が不用意に固化するのを防止している。
【0026】
また、本実施形態では、前記接着剤付着手段18を、矩形状用紙束14の外側に移動させる構成とし、前記紫外線照射手段19は、接着剤付着手段18の軌道の外側に配置されている。詳説すれば、紫外線照射手段19は、接着剤付着手段18の軌道と上下に交差する方向において、矩形状用紙束14の斜め下方(または斜め上方)に配置されている。この構成によって、紫外線照射手段19を可動させる必要がなく、構造が簡素化できる。
【0027】
また、本実施形態では、
図9から理解されるように、前記接着剤付着手段18は、矩形状用紙束14の第1辺15に塗布する紫外線硬化型接着剤17の塗布長さを、矩形状用紙束14の第2辺16に塗布する紫外線硬化型接着剤17の塗布長さよりも短くする構成とした。
【0028】
すなわち、本実施形態では、前記矩形状用紙5は、第1辺15が、第2辺16よりも短い長方形状(例えば縦長のA4サイズ)としているので、最終的な矩形状用紙束14の左上の部分に、紫外線硬化型接着剤17が塗布され、各ページの確認には、矩形状用紙5の右側を左へと開くようになる。
この場合、第1辺15は上辺となるので、ここの接着寸法が短いということは左側への見開きがしやすく、極めて利便性の高いものとなる。
また、このように左側への見開きが行いやすくても、長辺となる左側辺の上部も紫外線硬化型接着剤17で接着されているので、接着強度は十分に確保され、この見開き動作により、矩形状用紙束14が不用意に外れることはない。
【0029】
さらに、本実施形態では、コーナーに隣接する第1辺15と第2辺16を共に紫外線硬化型接着剤17で接着し、矩形状用紙束14のコーナーの頂部が、両側から紫外線硬化型接着剤17によって固定されるので、悪意を持って矩形状用紙束14を上下(重ねた方向の上下)に分断し、一枚を取り外すことも極めて行いにくいものとなる。
つまり、頂部は紙面積が極めて小さい状態となっているので、上下に分断すれば、必ずこの頂部には分断痕が残り、分断したことが容易に分かるものとなる。
このように、一枚を抜き取ると、そのことがすぐに判明する状態にできることは、例えば、経営上の重要書類の管理においては極めて有用な効果となる。
【0030】
また、前記矩形状用紙束14を上方から押さえる付勢手段20は、
図3〜
図5のように紫外線硬化型接着剤17を塗布する前の矩形状用紙束14において、上記矩形状用紙束14のコーナーの頂部の内方側(隣接する第1辺15と第2辺16の頂部内側)を押さえるようにしているので、この付勢手段20に紫外線硬化型接着剤17が付着することはなく、以後の押さえ動作の動作不良を起こすこともない。
それよりも、このように、上記矩形状用紙束14のコーナーの頂部の内方を上下方向に押さえることで、上記矩形状用紙束14のコーナーの頂部は反対に上下方向に若干開いた状態となり、この頂部に紫外線硬化型接着剤17が浸入しやすくなる。
そして、このように頂部に浸入した紫外線硬化型接着剤17は、両側の紫外線照射手段19から照射される紫外線によって確実に固化され、上記悪意を持った分断を発見するためにも適切な頂部形状となる。
【0031】
図8は、以上の動作を実現するための制御ブロック図を示しており、用紙後処理装置1の制御部30には、画像形成装置2が接続され、画像形成装置2から処理指示(
図10のステップS1)がなされるようになっている。
また、制御部30には、上記接着剤付着手段18を駆動するモータ26、付勢手段20を駆動するソレノイド31、板状の紫外線遮断体29を駆動するモータ32が接続されている。
【0032】
なお、上記ローラ8、9、10、11、12は、別のモータ(図示せず)によって駆動されるようになっており、このような部分は従来からも行われている構成であるので、説明の煩雑化を避けるために、説明は省略し、本実施形態の特徴である紫外線硬化型接着剤17による矩形状用紙束14の作成部分について説明する。
【0033】
先ず、用紙後処理装置1の制御部30は、画像形成装置2から矩形状用紙束14の作成指示があると(
図10のステップS1)、従来と同じようにローラ8、9、11、12を駆動する。
図2のように複写済みの矩形状用紙5が重合状態の矩形状用紙束14として保持手段13に保持させられているので、本実施形態では、先ず、ソレノイド31で付勢手段20を駆動し、矩形状用紙束14のコーナーを
図3のように上方から下方へと抑える(
図10のステップS2)。
【0034】
そして、ソレノイド31の下降状態で押さえ状態が完了したことを確認すると、(
図10のステップS3)、次に、モータ26を駆動し、接着剤付着手段18によって
図3のように上述した塗布動作を実行する(
図10のステップS4)。
【0035】
また、アーム21の位置状態により、塗布完了を検出すると(
図10のステップS5)、接着剤付着手段18を
図5の状態に後退させ、次にモータ32によって紫外線遮断体29を、接着剤付着手段18と紫外線照射手段19間に介在させる(
図10のステップS6)。
【0036】
そして、紫外線遮断体29の位置状態によって紫外線遮断状態が行えていることを検出すると、紫外線照射手段19を起動し、紫外線光照射を実行する(
図10のステップS7、ステップS8)。
【0037】
そして、紫外線照射手段19の起動時間が経過すると、紫外線照射手段19を消灯させ、付勢手段20による付勢を解除し、最後に、紫外線遮断体29を下方に移動させ、この紫外線遮断体29の移動が完了すると動作を停止する(
図10のステップS9からステップS13)。
この
図10には図示していないが、このように紫外線硬化型接着剤17で一体化された矩形状用紙束14は、ローラ10によって排出部6に排出される。
【0038】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。用紙および用紙束は、矩形状に限られず、例えば、正方形や多角形など、コーナーを有するものであれば任意である。