特許第6788266号(P6788266)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6788266
(24)【登録日】2020年11月4日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】作物細断装置
(51)【国際特許分類】
   A01F 15/08 20060101AFI20201116BHJP
   A01F 12/40 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   A01F15/08 R
   A01F12/40 302Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-217635(P2016-217635)
(22)【出願日】2016年11月7日
(65)【公開番号】特開2018-74918(P2018-74918A)
(43)【公開日】2018年5月17日
【審査請求日】2019年9月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000132909
【氏名又は名称】株式会社タカキタ
(74)【代理人】
【識別番号】100111349
【弁理士】
【氏名又は名称】久留 徹
(72)【発明者】
【氏名】藤原 康弘
(72)【発明者】
【氏名】田内 努
【審査官】 坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−154745(JP,U)
【文献】 特開2008−142049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01F 15/08 − 15/12
A01F 12/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸に複数の回転刃を有する第一のディスクカッターと、当該第一のディスクカッターの回転軸と平行に配置された回転軸の外周に複数の回転刃を有する第二のディスクカッターとを設けて構成されるディスクカッターと、
前記第一のディスクカッターと第二ディスクカッターを互いに逆方向に回転させる駆動機構と、
を備えてなる作物細断装置において、
前記第一のディスクカッターにおける回転軸に設けられた回転刃を等ピッチにし、前記第二のディスクカッターの回転軸に設けられた端部側の回転刃のピッチを当該第二のディスクカッターの中央部側の回転刃のピッチよりも狭くしたことを特徴とする作物細断装置。
【請求項2】
前記第一のディスクカッターにおける回転軸に設けられた回転刃を等ピッチにするとともに、前記第二のディスクカッターの回転軸に設けられた端部側の回転刃のピッチを、前記第一のディスクカッターのピッチと等じピッチにし、前記第二のディスクカッターの中央部側の回転刃のピッチを、前記端部側の回転刃のピッチよりも広くした請求項1に記載の作物細断装置。
【請求項3】
作物を刈り取って搬送する刈取・搬送部と、
当該刈取・搬送部で搬送された作物を細断する作物細断装置と、
当該作物細断装置で細断された作物からロールベールを成形するロール成形部と、
を備えてなる細断型ホールクロップ収穫機において、
前記作物細断装置を、
回転軸に複数の回転刃を有する第一のディスクカッターと、当該第一のディスクカッターの回転軸と平行に配置された回転軸の外周に複数の回転刃を有する第二のディスクカッターとを設けて構成されるディスクカッターと、
前記第一のディスクカッターと第二ディスクカッターを互いに逆方向に回転させる駆動機構と、を設けて構成し、
前記第一のディスクカッターにおける回転軸に設けられた回転刃を等ピッチにし、前記第二のディスクカッターの回転軸に設けられた端部側の回転刃のピッチを当該第二のディスクカッターの中央部側の回転刃のピッチよりも狭くするように構成したことを特徴とする細断型ホールクロップ収穫機。
【請求項4】
前記第一のディスクカッターにおける回転軸に設けられた回転刃を等ピッチにするとともに、前記第二のディスクカッターの回転軸に設けられた端部側の回転刃のピッチを、前記第一のディスクカッターのピッチと等じピッチにし、前記第二のディスクカッターの中央部側の回転刃のピッチを、前記端部側の回転刃のピッチよりも広くした請求項3に記載の細断型ホールクロップ収穫機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場で収穫された作物を細断する作物細断装置に関するものであり、より詳しくは、切断間口の幅を越える作物を収穫した場合であっても、均一の長さに細断できるようにした作物細断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な細断型ホールクロップ収穫機の構造について、図8を用いて説明する。
【0003】
図8において、符号81は、刈取・搬送部であって、作物の株元を切断して斜め上方に搬送できるようにしたものである。この作物を搬送する場合、機体80の上方部分で作物が機体80の左右方向となるように水平に搬送させるようにしている。また符号82は、作物細断装置であって、互いにオーバーラップするように配置された一対のディスクカッターを回転させることにより、上から落下してきた作物を細断できるようにしたものである。この作物細断装置82で作物を細断する場合、ディスクカッターの回転軸と平行となるように作物を落下させ、ディスクカッターの間に挟み込んで細断させるようにしている。また、符号83は、拡散部であって、回転ディスク上に複数の拡散羽根を起立させておき、その回転ディスクを回転させることによって、上から落下してくる作物を拡散羽根に当てて拡散させるようにしたものである。また、符号85は、ロール成形部であって、拡散部83で拡散された細断片を搬送部84でロール成形室まで搬送し、そこで、タイトバーを円弧状に周回させることによって、細断片を自重で自転させながら円柱状のロールベールを成形するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−142049号公報
【発明の概要】
【0005】
ところで、近年では背丈の高い多収品種が作付けされるようになっているため、最大160cmもの作物を収穫する場合がある。しかしながら、このような背丈の高い作物を、従来の細断型ホールクロップ収穫機で収穫して細断する場合、次のような問題を生ずることがある。
【0006】
すなわち、刈取・搬送部で刈り取られた作物を水平横向きにしてディスクカッターの間に落とし込む場合、切断間口の幅は100cm程度となっているため、その長さを超える60cmの株元や穂先部分は、どうしても折れ曲がってディスクカッターに入り込まざるを得なくなる。
【0007】
しかるに、このように折れ曲がった状態でディスクカッターに入り込むと、斜め方向にディスクカッターに引き込まれてしまい、切断長が長くなってディスクカッターや拡散部の回転軸に巻き付いてしまう場合がある。また、このように切断長が長くなると、ロールベールの梱包密度が下がってしまい、サイレージの品質が悪くなってしまうといった問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、切断間口の幅を超える作物を細断する場合であっても、均一に細断できるようにした作物細断装置を提供することを目的とする。
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
すなわち、本発明は上記課題を解決するために、回転軸に複数の回転刃を有する第一のディスクカッターと、当該第一のディスクカッターの回転軸と平行に配置された回転軸の外周に複数の回転刃を有する第二のディスクカッターとを設けて構成されるディスクカッターと、前記第一のディスクカッターと第二ディスクカッターを互いに逆方向に回転させる駆動機構とを備えてなる作物細断装置において、前記第一のディスクカッターにおける回転軸に設けられた回転刃を等ピッチにし、前記第二のディスクカッターの回転軸に設けられた端部側の回転刃のピッチを当該第二のディスクカッターの中央部側の回転刃のピッチよりも狭くしたものである。
【0010】
このように構成すれば、切断間口の幅を越える作物を細断する場合に、その切断間口で株元側や穂先側が折れ曲がったとしても、ピッチの狭い回転刃でその株元側や穂先側の切断長を短くして切断することができる。また、両側の回転刃のピッチだけを狭くすることにより、全幅のピッチを狭くする場合と比べて、切断トルクを軽減することができ、コストも抑えることができる。
【0011】
また、このような発明において、前記第一のディスクカッターにおける回転軸に設けられた回転刃を等ピッチにするとともに、前記第二のディスクカッターの回転軸に設けられた端部側の回転刃のピッチを、前記第一のディスクカッターのピッチと等じピッチにし、前記第二のディスクカッターの中央部側の回転刃のピッチを、前記端部側の回転刃のピッチよりも広くする。
【0012】
このように構成すれば、等ピッチに配置された回転刃を有する既存の第一のディスクカッターをそのまま使用するとともに、端部側のピッチを狭くした第二のディスクカッターを対向させるだけで、背丈の高い作物の株元や穂先側の切断長を短くして切断することができるようになる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、回転軸に複数の回転刃を有する第一のディスクカッターと、当該第一のディスクカッターの回転軸と平行に配置された回転軸の外周に複数の回転刃を有する第二のディスクカッターとを設けて構成されるディスクカッターと、前記第一のディスクカッターと第二ディスクカッターを互いに逆方向に回転させる駆動機構とを備えてなる作物細断装置において、前記第一のディスクカッターにおける回転軸に設けられた回転刃を等ピッチにし、前記第二のディスクカッターの回転軸に設けられた端部側の回転刃のピッチを当該第二のディスクカッターの中央部側の回転刃のピッチよりも狭くしたので、切断間口の幅を越える作物を細断する場合に、その切断間口で株元側や穂先側が折れ曲がったとしても、ピッチの狭い回転刃でその株元側や穂先側の切断長を短くして切断することができる。また、両側の回転刃のピッチだけを狭くすることにより、全幅のピッチを狭くする場合と比べて、切断トルクを軽減することができ、コストも抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施の形態を示す作物細断装置を示す図
図2】本発明の一実施の形態を示す作物細断装置を示す図
図3】同形態における細断型ホールクロップ収穫機を示す側面概略図
図4】同形態における平面概略図
図5】同形態における拡散部を示す図
図6】同形態におけるロール成形部の一部を示す図
図7】同形態における駆動機構を示す図
図8】従来例を示す図
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
この実施の形態における作物細断装置は、収穫された作物を細断してロールベールを成形できるようにしたものであって、図1図2に示すように、切断間口34から投入された作物をディスクカッター31で細断できるようにしたものである。そして、特徴的に、その切断間口34の幅を超える作物が投入された場合であっても、回転軸33bの両端側における回転刃32bのピッチを狭くすることで、折れ曲がった株元側や穂先側の切断長を短くして切断できるようにしたものである。以下、本実施の形態における作物細断装置について詳細に説明する。
【0017】
まず、この作物細断装置3のディスクカッター31は、それぞれの回転軸33a、33bが平行となるように設けられた第一のディスクカッター31aや第二のディスクカッター31bを設けて構成されている。このうち、第一のディスクカッター31aの回転軸33aには、一定のピッチで回転刃32aが取り付けられており、一方、第二のディスクカッター31bの回転軸33bには、両端側のピッチが中央側のピッチよりも狭くするようにして回転刃32bが取り付けられている。具体的には、第一のディスクカッター31aの回転刃32aのピッチを「L」とした場合、第二のディスクカッター31bの端部側の回転刃32bのピッチを「L」とし、中央側の回転刃32bのピッチを「2L」としておく。これにより、切断間口34の左右両壁35よりも長い作物が投入された場合であっても、中央側では、2Lのピッチで作物が切断され、端部側では、ピッチの狭い回転刃32bによって「L/cosθ」のピッチで切断することができるようになる。また、このように両側部分だけのピッチを狭くするこにより、全幅のピッチを狭くする場合に比べて、切断トルクを軽減することができ、コストも抑えることができるというメリットがある。
【0018】
このような左右両端部におけるピッチの狭い領域の長さWについては、好ましくは、回転刃32a、32bが並んでいる長さをWとした場合、左右にW/4〜W/6(好ましくは、W/5)の長さとしておく。
【0019】
これらの回転刃32a、32bの外周部分には、図示しない小さな凹凸が周期的に設けられており、この凹凸を有する回転刃32a、32bを前下方向にオーバーラップさせた状態で互いに内向きに回転させることで、作物を内側に引き込んで細断できるようにしている。
【0020】
これらの回転軸33a、33bは、スプロケットを用いて互いに内向きに回転させるようになっている。この第一のディスクカッター31aと第二のディスクカッター31bを回転させる場合、互いに異なる回転速度で回転させるようにしておく。このようにすれば、回転速度の遅い回転刃で作物を内側に引き込むとともに、回転速度の速い回転刃でその作物を細断することができるというメリットがある。
【0021】
次に、このような作物細断装置3が適用されるホールクロップ収穫機1の全体的構成について説明する。
【0022】
このホールクロップ収穫機1は、図3図4に示すように、圃場の作物を刈り取って搬送する刈取・搬送部2と、その刈り取られた作物を茎と交叉する方向に細断させる作物細断装置3と、この作物細断装置3によって細断された作物を拡散させる拡散部4と、この拡散部4で拡散された作物を搬送する搬送部5と、搬送部5で搬送された作物から円柱状のロールベールを成形するロール成形部6とを備えて構成されている。
【0023】
この刈取・搬送部2は、作物の株元を切断して機体10の斜め上方に搬送し、その搬送された作物を中央寄せ部25まで搬送させるように構成されている。この刈取・搬送部2は、図4に示すように、機体10の前方に複数の分草板21を設けており、圃場の作物を分草した後、引き起こし処理を行えるようになっている。この引き起こし処理を行う場合、互いに対向するように設けられた樹脂製の突起22を斜め上後方に向けて周回させ、これによってその突起22で作物の株元から持ち上げて引き起こさせようにしている。この突起22を斜め上方に周回させる場合、その突起22を互いに対向させるように突出させてチェーンを周回させ、一方、その突起22を上から下に周回させる際には、その突起22をチェーンに沿わせるようにする。そして、このような突起22によって引き起こされた作物を、往復動する図示しない刃によって株元を切断する。そして、このように切断された作物を、コンベア23によって斜め上後方に搬送させる。このとき、三角形状をなす爪を有するチェーンで作物の株元部分や中央側を挟み込み、また、穂先部分については、樹脂製突起27とガイドバー24で挟み込んで搬送する。
【0024】
中央寄せ部25は、図4などに示すように、搬送されてきた作物を機体10の幅方向を向くように水平に搬送させ、また、その作物を機体10の中央付近に向けて搬送させる。このように作物を中央付近に搬送させる際、作物の中央付近を金属爪を有するチェーン26で上下方向から挟み込み、また、穂先部分については樹脂製突起28で上方向から搬送させるようにサポートしている。そして、このような金属爪を有するチェーン26や樹脂製突起28の搬送方向を機体10の中央方向に向けることで、作物を機体10の中央付近に搬送させる。
【0025】
作物細断装置3は、図2の如き構成されるものであって、中央寄せ部25から切断間口34に落下してきた作物を細断する。この作物細断装置3で作物を細断する場合、背丈の長い作物が落下してきた場合、株元側や穂先側については、切断間口34の左右両壁35に当たって斜め方向にディスクカッター31に引き込まれる。このとき、中央側のディスクカッター31では、作物をピッチLで細断するとともに、左右両端側で斜め方向に引き込まれた作物については、ピッチの狭いディスクカッター31bの回転刃32bで切断漏れを防止して、細かく切断していくことができるようになる。
【0026】
この作物細断装置3を駆動する駆動機構30は、図7に示すように、機体10の動力源11に基づいて回転するドライブシャフト12と、そのドライブシャフト12からチェーンを介して連結されるスプロケット36a、36bとを備え、このスプロケット36a、36bを回転させることによって、作物細断装置3の回転軸33a、33bを回転させるように構成される。
【0027】
拡散部4は、この作物細断装置3で細断された作物を後述する搬送部5に向けて拡散させるように構成される。この拡散部4は、図5に示すように、左右一対の回転ディスク41と、これらの回転ディスク41上で半径方向に沿って起立する複数の拡散羽根42とを設けて構成されており、この回転ディスク41を互いに逆方向に回転させることで、上から落下してきた作物を拡散羽根42に当てて放射状に拡散させるようにしている。これら左右一対の回転ディスク41を設ける場合、穂先側の回転ディスク41を上側に配置させるとともに、株元側の回転ディスク41については、その下方側に配置させるようにしている。これによって、それぞれの回転ディスク41を回転させた際に、放射状に飛散した作物を互いに衝突させないようにして均一に拡散させるようにしている。
【0028】
この拡散部4を駆動する場合、図7に示すように、動力源11からの回転をドライブシャフト12に伝達させ、そこからチェーンを介して駆動軸45を回転させる。このように駆動軸45が回転すると、図5に示す傘歯車46によって回転ディスク41が回転するようになる。
【0029】
搬送部5は、このように拡散された作物をロール成形室61に向けて搬送する。この搬送部5は、図3に示すように、ロール成形室61側の下方に設けられたボトムローラ51と、進行方向前方側に設けられた第一フリーローラ52と、この第一フリーローラ52の下流側で僅かに高い位置に設けられた第二フリーローラ53とを設けて構成されており、これらのローラの間に無端状のコンベア54を周回させることで、細断片をロール成形室61まで搬送させる。
【0030】
ロール成形部6は、搬送部5から搬送されてきた細断片を自転させて円柱状のロールベールを成形し、その表面にネット68を巻き付けて圃場に放出させる機能を有する。具体的には、このロール成形部6は、前部チャンバー62fと、この前部チャンバー62fの後上端部に取り付けられた回動部によって開閉可能に設けられた後部チャンバー62bとを設け、これら前部チャンバー62fや後部チャンバー62bで囲まれた内側のロール成形室61でロールベールを成形できるようにしている。これらの各チャンバー62f、62bを構成する左右両側壁には、図6に示すように、鎖64を周回させる複数の鎖歯車63が取り付けられており、また、その周回する鎖64の中心方向内側には、円弧状をなすガイド板65が取り付けられている。このガイド板65は、前部チャンバー62f側に設けられる前部ガイド板65fと、後部チャンバー62b側に設けられる後部ガイド板65bとに分離されており、前部チャンバー62fと後部チャンバー62bとを閉じた場合に、連続したC字状をなすガイド縁65aが成形されるようになっている。このように側壁に設けられたガイド板65のガイド縁65aには、複数のタイトバー66の端部が接触するようになっており、そのタイトバー66の両端部に鎖64を連結させて周回させるようになっている。このタイトバー66は、ガイド縁65aに沿ったC字状に周回し、後部チャンバー62bを開けた際には、前部ガイド板65fと後部ガイド板65bのガイド縁65aに沿って周回する。
【0031】
また、このロール成形部6には、図3に示すように、ロールベールにネット68を巻き付けるネット繰出部69が設けられる。このネット繰出部でネット68を巻き付ける際には、ロールベールが一定の大きさになったことをセンサー(図示せず)で検知した場合、ネットロール67からネット68をモーターで繰り出し、ロール成形室61にそのネット68の先端部分を導いて、ロールベールの成形時と同じ要領でネット68を巻き付けていく。そして、所定回数ネット68を巻き付けた後、そのネット68を切断し、後部チャンバー62bを開放させてロールベールを圃場に放出する。
【0032】
このロール成形部6を駆動させる場合、図7に示すように、動力源11からの回転をドライブシャフト12に伝達させ、そこからチェーンを用いて駆動用の鎖歯車63を回転させる。そして、この鎖歯車63の回転によって、図6に示すように、タイトバー66をガイド縁65aに沿って周回させ、ロールベールを成形できるようにする。
【0033】
このように上記実施の形態によれば、

回転軸33aに複数の回転刃32aを有する第一のディスクカッター31aと、当該第一のディスクカッター31aの回転軸33aと平行に配置された回転軸33bの外周に複数の回転刃32bを有する第二のディスクカッター31bとを設けて構成されるディスクカッター31と、前記第一のディスクカッター31aと第二ディスクカッター31bを互いに逆方向に回転させる駆動機構30とを備えてなる作物細断装置3において、前記第一のディスクカッター31aにおける回転軸33aに設けられた回転刃32aを等ピッチにし、前記第二のディスクカッター31bの回転軸33bに設けられた端部側の回転刃32bのピッチを当該第二のディスクカッター31bの中央部側の回転刃32bのピッチよりも狭くしたので、切断間口34の幅を越える作物を細断する場合に、その切断間口34で株元側や穂先側が折れ曲がったとしても、ピッチの狭い回転刃32bでその株元側や穂先側の切断長を短くして切断することができる。
【0034】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
【0035】
例えば、上記実施の形態における作物細断装置3は、ホールクロップ収穫機1に使用される場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、収穫された作物を細断するだけの構成として使用することもできる。
【0036】
また、上記実施の形態では、回転軸33bの両端側の回転刃32bのピッチを狭くするようにしたが、これに限らず、片方だけの回転刃32bのピッチを狭くすることもできる。
【0037】
さらに、上記実施の形態では、第二のディスクカッター31bの回転軸33bの端部側の回転刃32bのピッチを均一に狭くするようにしたが、これに限らず、端部側に近くなるほどピッチを徐々に狭くしていってもよい。
【0038】
また、上記実施の形態では、第一のディスクカッター31aの回転刃32aを等ピッチで取り付けるようにしたが、第二のディスクカッター31bと同じピッチで回転刃32aを取り付けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1・・・ホールクロップ収穫機
3・・・作物細断装置
30・・・駆動機構
30a・・・左右両側壁
31・・・ディスクカッター
31a・・・第一のディスクカッター
31b・・・第二のディスクカッター
32a、32b・・・回転刃
33a、33b・・・回転軸
34・・・切断間口
35・・・両壁
36a、36b・・・スプロケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8