特許第6788341号(P6788341)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6788341
(24)【登録日】2020年11月4日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】車両外装用纎維部品及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 5/26 20060101AFI20201116BHJP
   B32B 7/02 20190101ALI20201116BHJP
   B32B 27/40 20060101ALI20201116BHJP
   B62D 25/20 20060101ALI20201116BHJP
   G10K 11/168 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   B32B5/26
   B32B7/02
   B32B27/40
   B62D25/20 N
   G10K11/168
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-237615(P2015-237615)
(22)【出願日】2015年12月4日
(65)【公開番号】特開2016-210168(P2016-210168A)
(43)【公開日】2016年12月15日
【審査請求日】2018年11月13日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0062940
(32)【優先日】2015年5月6日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA MOTORS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李,東 ウク
(72)【発明者】
【氏名】李,修 南
【審査官】 鶴 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/141418(WO,A1)
【文献】 国際公開第2005/019783(WO,A1)
【文献】 特開2004−359066(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1391915(KR,B1)
【文献】 韓国公開特許第10−2014−0042982(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00 − 43/00
G10K 11/16 − 11/178
B62D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
強化用纎維とバインダー纎維が混合されたウェブ(Web)が積層された多層構造を有し、騷音を吸収する空隙を含む表皮層を製造する表皮層製造段階と、
前記表皮層の内側に位置して騷音を吸収する吸音パッド層を製造する吸音パッド層製造段階と、
前記表皮層と吸音パッド層を附着する接着段階を含み、
前記表皮層製造段階は30〜60μm直径の強化用纎維30〜70重量%とバインダー纎維30〜70重量%を混合してウェブを形成し、前記ウェブを多層構造に積層した後結合するウェブ製造段階を含み、
前記表皮層製造段階は、前記ウェブ製造段階以後、前記ウェブを150〜230℃で40〜100秒間、60〜200kgf/cmの圧力で圧搾するウェブ予熱段階をさらに含み、
前記表皮層製造段階は前記ウェブ予熱段階以後、前記ウェブを0℃超過40℃以下の温度で30〜70秒間、60〜200kgf/cmの圧力で圧搾して車両外装用纎維部品の形状に作るウェブ成型段階をさらに含むことを特徴とする車両外装用纎維部品の製造方法。
【請求項2】
前記表皮層製造段階は前記ウェブ成型段階以後、トリミング金型カッティング(Trimming metallic mold cutting)、ウォータージェットカッティング(Water jet cutting)またはレーザーカッティング(Laser cutting)方式で前記ウェブを整えるウェブトリミング段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の車両外装用纎維部品の製造方法。
【請求項3】
前記吸音パッド層製造段階は40〜80℃で温度が調節される金型の上下部に20〜50μm厚さのフィルムを装着するフィルム準備段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両外装用纎維部品の製造方法。
【請求項4】
前記吸音パッド層製造段階は前記フィルム準備段階以後、前記金型にポリウレタン原液を注入するポリウレタン原液注入段階(以下、PU原液注入段階と略す)をさらに含み、前記ポリウレタン原液はポリオール(Polyol)50〜80重量%、イソシアネート(Isocyanate)15〜45重量%及び触媒1〜10重量%を含むことを特徴とする請求項3に記載の車両外装用纎維部品の製造方法。
【請求項5】
前記吸音パッド層製造段階は前記PU原液注入段階以後、前記金型を閉じて1〜3分間、前記ポリウレタン原液を発泡して前記フィルムで囲まれたPUフォームを製造する発泡段階をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の車両外装用纎維部品の製造方法。
【請求項6】
前記吸音パッド層製造段階は前記発泡段階以後、トリミング金型カッティング(Trimming metallic mold cutting)、ウォータージェットカッティング(Water jet cutting)またはレーザーカッティング(Laser cutting)方式で前記PUフォームを整えるポリウレタン層トリミング段階をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の車両外装用纎維部品の製造方法。
【請求項7】
前記吸音パッド層製造段階は10〜30μm直径の吸音纎維60〜80重量%と接着纎維20〜40重量%を混合してウェブを形成し、前記ウェブを積層した後結合して纎維パッドを製造する纎維パッド製造段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両外装用纎維部品の製造方法。
【請求項8】
前記吸音パッド層製造段階は前記纎維パッド製造段階以後、前記纎維パッドを40〜100秒間、150〜230℃に予熱する纎維パッド予熱段階をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の車両外装用纎維部品の製造方法。
【請求項9】
前記吸音パッド層製造段階は前記纎維パッド予熱段階以後、前記纎維パッドを0℃超過40℃以下の温度で30〜70秒間、60〜200kgf/cmの圧力で圧搾し、前記部品の形状に作る纎維パッド成型段階をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の車両外装用纎維部品の製造方法。
【請求項10】
前記吸音パッド層製造段階はトリミング金型カッティング(Trimming metallic mold cutting)、ウォータージェットカッティング(Water jet cutting)またはレーザーカッティング(Laser cutting)方式で前記纎維パッドを整える纎維パッドトリミング段階をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の車両外装用纎維部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両外装用纎維部品及びその製造方法に係り、より詳しくは、直径30〜60μmの強化用纎維から構成されたウェブを積層した多層構造の表皮層を含んで優れた耐久性を有し、また、表皮層の空隙と吸音パッド層で2回にわたって騷音を吸収する吸音性能が優れて、軽い素材で構成されて車両の軽量化に大きく寄与することができる車両外装用纎維部品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オイルパンカバー(Oil Pan cover)、エンジンアンダーカバー(Engine under cover)、フロアアンダーカバー(Floor under cover)は、車両の下部に装着され、走行時に発生する騷音を吸収し、道路の砂利、水及び汚染物質などが車両へ飛んだり、車両につくことを防ぐための車両外装用部品である。
従来は、スチール(Steel)で車両外装用部品を作った。しかし、最近車両の軽量化に対する要求に応じて、ガラス繊維が補強されたガラス繊維強化プラスチックやガラス繊維複合ボードなどの軽い素材を使うようになった。
しかし、ガラス繊維強化プラスチックは、プラスチック素材の特性上、部品を製造する時、射出または圧出方式を用い、屈曲がある部分の剛性を補強するためにリブを適用するので軽量化に限界があり、また、走行時に発生するエンジン排気騷音、路面騷音などを吸収する能力が不充分であった。
【0003】
韓国公開特許第10−2014−0042982号には、纎維を用いて製造した車両外装用部品が開示されている。纎維を使用して軽い部品を作り、燃費向上を図ったものである。しかし、部品は纎維を混合して作ったレイヤーを単に積層しただけのものであるため、吸音性能に乏しく、車両に適用するには耐久性が不足していた。
また、エンジンアンダーカバーとしてガラス繊維が複合されたボードタイプの吸音材が適用された事例がある。しかし、吸音性能及び耐久性が足りないという限界がある。ガラス繊維を使用した部品の製造には、成型工程で発生するガラス繊維の飛散問題のため、量産ラインの作業環境にも問題点がある。部品として加工された後も締結部位の切断(Trimming)ラインでガラス繊維の飛散を防ぐためにさらにプラスチック射出物を装着しなければならないからである。
したがって、砂利、水及び汚染物質などから車両を保護できる程度の耐久性を有し、吸音性能が優れ、軽い車両外装用纎維部品の開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2014−0042982号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、耐久性及び吸音性能に優れ、軽い車両外装用纎維部品を提供することにある。
また、他の目的地するところは、車両外装用纎維部品を製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の車両外装用纎維部品は、強化用纎維とバインダー纎維が混合されたウェブ(Web)が積層された多層構造を有し、騷音を吸収する空隙を含む表皮層と、表皮層の内側に位置して騷音を吸収する吸音パッド層と、表皮層及び吸音パッド層を附着する接着剤層を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明の実施例において、強化用纎維は直径が30〜60μmで、表皮層は30〜70重量%の強化用纎維と、30〜70重量%のバインダー纎維を含むことがよい。
本発明の実施例において、吸音パッド層は騷音を吸収する多孔性PUフォーム(Polyurethane foam)と、PUフォームを囲んで外部と遮断するフィルムを含むことがよい。
【0008】
本発明の実施例において、フィルムはポリウレタンフィルム(Polyurethane film)またはポリエチレンフィルム(Polyethylene film)で、フィルムの厚さは20〜50μmであることが好ましい。
本発明の実施例において、吸音パッド層は騷音を吸収する空隙を形成する吸音纎維と、吸音纎維を結合する接着纎維を含むことが好ましい。
【0009】
本発明の実施例において、吸音纎維は直径が10〜30μmで、吸音パッド層は60〜80重量%の吸音纎維と20〜40重量%の接着纎維を含むことが好ましい。
本発明の実施例において、接着剤層はホットメルト(Hot−melt)接着剤または合成ゴム接着剤であることがよい。
【0010】
本発明の車両外装用纎維部品の製造方法は、強化用纎維とバインダー纎維が混合されたウェブ(Web)が積層された多層構造を持ち、騷音を吸収する空隙を含む表皮層を製造する表皮層製造段階と、表皮層の内側に位置して騷音を吸収する吸音パッド層を製造する吸音パッド層製造段階と、表皮層と吸音パッド層を附着する接着段階を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の製造方法において、表皮層製造段階は30〜60μm直径の強化用纎維30〜70重量%と、バインダー纎維30〜70重量%とを混合してウェブを形成し、ウェブを多層構造に積層した後結合するウェブ製造段階を含むことが好ましい。
本発明の製造方法において、表皮層製造段階はウェブ製造段階以後、ウェブを150〜230℃で40〜100秒間、60〜200kgf/cm2の圧力で圧搾するウェブ予熱段階をさらに含むことがよい。
本発明の製造方法において、表皮層製造段階はウェブ予熱段階以後、ウェブを0℃超過40℃以下の温度で30〜70秒間、60〜200kgf/cm2の圧力で圧搾して部品の形状に作るウェブ成型段階をさらに含むことがが好ましい。
【0012】
本発明の製造方法において、表皮層製造段階はウェブ成型段階以後、トリミング金型カッティング(Trimming metallic mold cutting)、ウォータージェットカッティング(Water jet cutting)またはレーザーカッティング(Laser cutting)方式でウェブの形を整えるウェブトリミング段階をさらに含むことが好ましい。
本発明の製造方法において、吸音パッド層製造段階は40〜80℃に温度が調節される金型の上下部に20〜50μm厚さのフィルムを装着するフィルム準備段階を含むことがよい。
【0013】
本発明の製造方法において、吸音パッド層製造段階はフィルム準備段階以後、金型にポリウレタン原液を注入するPU原液注入段階をさらに含み、ポリウレタン原液はポリオール(Polyol)50〜80重量%、イソシアネート(Isocyanate)15〜45重量%及び触媒1〜10重量%を含むことが好ましい。
本発明の製造方法において、吸音パッド層製造段階はPU原液注入段階以後、金型を閉じて1〜3分間ポリウレタン原液を発泡し、フィルムで囲まれたPUフォームを製造する発泡段階をさらに含むことが好ましい。
【0014】
本発明の製造方法において、吸音パッド層製造段階は発泡段階以後、トリミング金型カッティング(Trimming metallic mold cutting)、ウォータージェットカッティング(Water jet cutting)またはレーザーカッティング(Laser cutting)方式でPUフォームの形を整えるPU層トリミング段階をさらに含むことが好ましい。
本発明の製造方法において、吸音パッド層製造段階は10〜30μm直径の吸音纎維60〜80重量%と接着纎維20〜40重量%を混合してウェブを形成し、ウェブを積層した後結合して纎維パッドを製造する纎維パッド製造段階を含むことが好ましい。
【0015】
本発明の製造方法において、吸音パッド層製造段階は纎維パッド製造段階以後、纎維パッドを40〜100秒間、150〜230℃で予熱する纎維パッド予熱段階をさらに含むことがよい。
本発明の製造方法において、吸音パッド層製造段階は纎維パッド予熱段階以後、纎維パッドを0℃超過40℃以下の温度で30〜70秒間、60〜200kgf/cmの圧力で圧搾して部品の形状で作る纎維パッド成型段階をさらに含むことが好ましい。
【0016】
本発明の製造方法において、吸音パッド層製造段階はトリミング金型カッティング(Trimming metallic mold cutting)、ウォータージェットカッティング(Water jet cutting)またはレーザーカッティング(Laser cutting)方式で纎維パッドの形を整える纎維パッドトリミング段階をさらに含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、本発明の車両外装用纎維部品は、表皮層が多層構造に形成されていて耐久性が良く、砂利、水及び汚染物質などから車両を保護することができる。
また、本発明の車両外装用纎維部品は、表皮層の空隙と吸音パッド層によって優れた吸音性能を持つので車両の防音性を改善することができる。
また、本発明は、纎維、ポリウレタンフォームなどの軽い素材を使用するため、軽量化された車両外装用纎維部品を製造することができ、これによって車両の燃費を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施例による車両外装用纎維部品を示した図である。
図2】本発明の他の実施例による車両外装用纎維部品を示した図である。
図3】本発明の一実施例による車両外装用纎維部品の製造方法を示したブロック図である。
図4】本発明の他の実施例による車両外装用纎維部品の製造方法を示したブロック図である。
図5】実施例1で製造したオイルパンカバーの3段W.O.T加速透過騷音の測定結果を示したグラフであり、(a)は全席、(b)は隣接騒音を示した。
図6】実施例1で製造したオイルパンカバーのIDLE N段車外騷音の測定結果を示したグラフであり、(a)は左側、(b)は右側での測定結果を示した。
図7】実施例2で製造したオイルパンカバーの全負荷加速下方騷音の測定結果を示したグラフである。
図8】実施例2で製造したオイルパンカバーのIDLE N段下方騷音の測定結果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施例を通じて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例による車両外装用纎維部品を示した図であり、図2は、本発明の他の実施例による車両外装用纎維部品を示した図である。
【0020】
図1及び図2に示したとおり、本発明による車両外装用纎維部品(以下、「部品」と略す)は強化用纎維11とバインダー纎維13からなった表皮層10と、表皮層10の内側に位置して騷音を吸音する吸音パッド層50、70と、表皮層10と吸音パッド層を結合する接着剤層30を含む。
表皮層10は砂利、水及び汚染物質から車両を保護する構成である。また、表皮層10は、ウェブ15に形成された空隙を含むので騷音を吸収することができる。
表皮層10は強化用纎維11とバインダー纎維13が混合されたウェブ15が積層された多層構造を有する。
【0021】
強化用纎維11は部品の耐久性を強化して車両を保護する。また、強化用纎維11の繊維と繊維が絡み合ってウェブ15を形成するので、強化用纎維11の間に騷音を吸収する空隙が作られる。
強化用纎維11はポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate、PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(Polytrimethylene terephthalate、PTT)、ポリアミド(Polyamide)及びポリフェニレンスルファイド(Polyphenylene Sulfide、PPS)からなったグループから選択された一つ以上の纎維であることが好ましい。
強化用纎維11は直径が30〜60μmである時、部品の耐久性が向上し、また空隙もよく作られて、高い吸音性能を発揮することができる。直径が30μm未満であると耐久性が悪く、車両を保護することができず、60μmを超過すればウェブの空隙が形成されなくなり、騷音を吸収することができない。
【0022】
バインダー纎維13は強化用纎維11を結合してウェブ15の形状を保つことができるようにする。
バインダー纎維13は部品が車両に搭載されるため、180℃以下の温度で接着力が必要である。よって、低融点ポリエチレンテレフタレート(低融点PET)、ポリプロピレン(Polypropylene)及びポリエチレン(Polyethylene)からなったグループから選択された一つ以上の纎維であることが好ましい。
バインダー纎維13は表皮層10に30〜70重量%含まれないと、表皮層10の耐久性と吸音性能を維持することができない。バインダー纎維13が30重量%未満では強化用纎維11を結合することができなくなり、耐久性が落ちることがあり、70重量%以上ではバインダー纎維13が空隙を塞いでしまって表皮層10が騷音を吸収することができなくなる虞がある。
【0023】
表皮層10はウェブ15が積層されて形成される多層構造を有する。したがって、薄い単一層構造と比べて耐久性がすぐれる。
また、表皮層10は同じ厚さの単一層構造と比べて吸音性能がすぐれる。ウェブ15は強化用纎維11が絡み合って形成されるものなので、厚く製造すると空隙がまともに形成されないためである。また、薄いウェブを製造して多層に積めば各層のウェブ15に形成された空隙が行き違うように配列されるので、吸音性能をさらに向上させることができる。
接着剤層30は表皮層10と吸音パッド層を結合する構成で、ホットメルト(Hot−melt)接着剤または合成ゴム接着剤を使うことができる。
吸音パッド層は、走行時に車両から発生する騷音を吸収する構成で、一実施例としてはPU(Polyurethane)層50であることができ、他の実施例としては纎維パッド層70であることができる。
PU層50は多孔性のPUフォーム51と、PUフォームを囲んでいるフィルム53を含むことができる。
【0024】
PUフォーム51は、ポリウレタン(Polyurethane)原液を発泡して製造するので多孔性であり、空隙が連通したオープンセル(Open cell)構造を有するので騷音を吸収することができる。
フィルム53はPUフォーム51を囲んで外部から遮断する。これによって、PUフォーム51が水分によって加水分解されることを防止することができる。
フィルム53はポリウレタンフィルムまたはポリエチレンフィルムであることが好ましい。
フィルム53は厚さが20〜50μmであると、PUフォーム51を保護しながらPUフォーム51の吸音性能を低下させない。20μm未満であると、ポリウレタン原液を発泡する時、フィルム53が破れることがあり、50μmを超過するとフィルム53が遮音層として作用し、PUフォーム51の吸音性能を低下させることになる。
【0025】
図2に示したとおり、纎維パッド層70は空隙を含むウェブ15を形成する吸音纎維71と、吸音纎維71を結合する接着纎維73を有する。
吸音纎維71は繊維と繊維が絡み合って空隙を形成し、空隙が騷音を吸収する。
吸音纎維71はポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate、PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(Polytrimethylene terephthalate、PTT)、ポリアミド(Polyamide)及びポリフェニレンスルファイド(Polyphenylene Sulfide、PPS)からなるグループから選択された一つ以上の纎維であることが好ましい。
吸音纎維71は直径が10〜30μmであると作業性がよくなり、空隙が有効に作られ、高い吸音性能を発揮することができる。直径が10μm未満であると、纎維パッド層70を製造する時粉塵が多く生じて作業性が落ち、30μm以上であると空隙が有効に形成されなくなり、吸音性能が低下する。
【0026】
接着纎維73は吸音纎維71を結合して纎維パッド層70の形状を保つようにする。
接着纎維73は低融点ポリエチレンテレフタレート(低融点PET)、ポリプロピレン(Polypropylene)及びポリエチレン(Polyethylene)からなるグループから選択された一つ以上の纎維であることが好ましい。
接着纎維73は纎維パッド層に20〜40重量%で含まれると吸音纎維71を固く結合することができ、纎維パッド層70の吸音性能を維持することができる。接着纎維73が20重量%未満であると吸音纎維71に対する結合力が不足して、纎維パッド層70の形状を維持することができず、粉じんが多く生じて品質が低下することがある。接着纎維73が40重量%以上であると接着纎維73が空隙を塞いで纎維パッド層70が騷音を吸収できなくなる。
纎維パッド層70は吸音纎維71と接着纎維73が混合されて形成されるウェブが積層された多層構造を有することができる。したがって、空隙が行き違うように配置され、吸音性能が向上することができる虞がある。
纎維パッド層70は吸音纎維71と接着纎維73が混合されて形成されるウェブ15が積層された多層構造を有することが好ましい。空隙が幾重にも重なり合うことによって吸音性能を向上させることができる。
こうして作られる部品はオイルパンカバー、エンジンアンダーカバーまたはフロアアンダーカバーである。
【0027】
本発明による部品は、直径が30〜60μmである強化用纎維11から構成されたウェブを積層した多層構造の表皮層10を有することにより優れた耐久性を発揮する。これにより、車両を砂利、水及び汚染物質などから保護することができる。
また、本発明による部品は表皮層10の空隙とPU層50や繊維パッド層70等の吸音パッド層によって2重に騷音を吸収するので吸音性能がすぐれる。このため、車両の防音性が向上する。
また、本発明による部品は纎維、PUフォーム51などの軽い素材で構成されているため、車両の軽量化に大きく寄与することができる。
【0028】
図3は、本発明の一実施例による車両外装用纎維部品の製造方法を示したブロック図である。図3に示したとおり、本発明による部品の製造方法は、強化用纎維11とバインダー纎維13が混合されたウェブ(Web)15が積層された多層構造を有する表皮層10を製造する表皮層製造段階S10と、表皮層の内側に位置して騷音を吸収する吸音パッド層を製造する吸音パッド層製造段階S30と、表皮層10と吸音パッド層を附着する接着段階S50を含む。
表皮層製造段階S10はウェブ製造段階S11、ウェブ予熱段階S13、ウェブ成型段階S15及びウェブトリミング(Trimming)段階S17を含むことができる。
ウェブ製造段階S11は30〜60μm直径の強化用纎維30〜70重量%とバインダー纎維30〜70重量%を混合してウェブを形成し、ウェブを多層構造に積層した後結合する段階である。
【0029】
ウェブ15は強化用纎維11とバインダー纎維13をカードレイヤー(Card layer)工法で混合して作ることができる。また、多層構造はウェブを積層した後、ニードルパンチング(NeedlePunching)工法で結合することができる。但し、これに限定されるのではなく、多層構造のウェブを形成することができれば、如何なる工法も使うことができる。
ウェブ予熱段階S13はウェブ15を熱間プレスに締結された平板金型に挿入した後、150〜230℃で40〜100秒間、60〜200kgf/cmの圧力で圧搾する段階である。ウェブ予熱段階S13はウェブ15を予熱して成型しやすい状態にするための段階である。
ウェブ成型段階S15は予熱したウェブを冷間プレスに締結された成型金型に挿入した後、40℃以下の温度で30〜70秒間、60〜200kgf/cmの圧力で圧搾して部品の形状に作る段階である。
ウェブトリミング段階S17は、成型したウェブ15をトリミング金型カッティング(Trimming metallic mold cutting)、ウォータージェットカッティング(Water jet cutting)またはレーザーカッティング(Laser cutting)方式によりスクラブ(Scrab)などをとり除いて形を整える段階である。
【0030】
図3に示したとおり、吸音パッド層製造段階S30の一実施例は、上述のPU層50を製造する段階であって、フィルム準備段階S31、PU原液注入段階S33、発泡段階S35及びPU層トリミング段階S37からなる。
フィルム準備段階S31は40〜80℃で温度が調節されたポリウレタン発泡金型の上下部面に20〜50μm厚さのフィルムを装着する段階である。フィルムは、ポリウレタンフィルムまたはポリエチレンフィルムを使うことが好ましい。
PU原液注入段階S33は、金型の上下部面に附着されたフィルムの間にポリウレタン原液を吐出する段階である。ポリウレタン原液はポリオール(Polyol)50〜80重量%、イソシアネート(Isocyanate)15〜45重量%及び触媒1〜10重量%を含むことが好ましい。
発泡段階S35はポリウレタン発泡金型の上下部面を隙間なく触れ合うように閉めた後、1〜3分間ポリウレタン原液を発泡させる段階である。これによって、多孔性のPUフォーム51とPUフォームを囲んだフィルム53とからなるPU層50が形成される。
発泡段階S35は、ポリウレタン原液の発泡と金型成形を一段階で行うため、発泡段階以後に別途の成型段階を経らなくてもPU層50を部品の形状に製造することができる。
PU層トリミング段階S37は、PU層50をトリミング金型カッティング(Trimming metallic mold cutting)、ウォータージェットカッティング(Water jet cutting)またはレーザーカッティング(Laser cutting)方式スクラブをとり除いて形を整える段階である。
【0031】
図4は、本発明の他の実施例による車両外装用纎維部品の製造方法を示したブロック図である。図4に示したとおり、吸音パッド層製造段階S30の他の実施例は、上述の纎維パッド層70を製造する段階であって、纎維パッド製造段階S31’、纎維パッド予熱段階S33’、纎維パッド成型段階S35’及び纎維パッドトリミング段階S37’とからなる。
纎維パッド製造段階S31’は、10〜30μm直径の吸音纎維60〜80重量%と接着纎維20〜40重量%を混合してウェブを形成し、ウェブを積層した後結合して纎維パッドを製造する段階である。
ウェブ15は、カードレイヤー(Card layer)工法またはエアレイヤー(Air layer)工法により吸音纎維71と接着纎維73を混合して作ることができる。纎維パッドはウェブ15をオーバーラッピング(Overlapping)またはランダムラッピング(Randomlapping)になるように積層した後、熱い蒸気(Hot−air)を利用した伝熱ボンド(Thermal bonding)工法で結合して製造することができる。
【0032】
纎維パッド予熱段階S33’は、纎維パッドを150〜230℃に設定されたオーブン(Oven)を利用して40〜100秒間予熱する段階である。
纎維パッド成型段階S35’は、予熱した纎維パッドを冷間プレスに締結された成型金型に挿入した後、40℃以下の温度で30〜70秒間、60〜200kgf/cmの圧力で圧搾して部品の形状で作る段階である。
纎維パッドトリミング段階S37’は、成型した纎維パッドをトリミング金型カッティング(Trimming metallic mold cutting)、ウォータージェットカッティング(Water jet cutting)またはレーザーカッティング(Laser cutting)方式によりスクラブをとり除き、形を整える段階である。
接着段階S50は、表皮層10の内面にホットメルト(Hot−melt)接着剤または合成ゴム接着剤を塗布する接着剤塗布段階S51と、接着剤の塗布面と吸音パッド層の一面を接するようにして、表皮層10と吸音パッド層を結合する吸音パッド層付着段階S53を含む。
【0033】
以下、本発明を実施例を通じてさらに詳しく説明する。しかし、これら実施例は本発明を例示するためのものであるため、本発明の範囲がこれらによって限定されるものではない。
<実験例1>纎維パッド層を含む部品の耐久度及び吸音性能測定
(1)実施例1
(S10)強化用纎維11として直径が39μmであるポリエチレンテレフタレート繊維の50重量%と、バインダー纎維として低融点ポリエチレンテレフタレート繊維の50重量%とを、カードレイヤー工法で混合し、ウェブ15を形成した。ウェブ15を積層した後、ニードルパンチング工法で結合して面密度1400g/mの表皮層を製造した。
表皮層10を200℃の平板金型に挿入して100kgf/cmで60秒間予熱した。予熱した表皮層をオイルパンカバー成型金型に挿入した後、80kgf/cmの圧力で50秒間圧搾し、オイルパンカバーの形状に成型した。オイルパンカバー成型金型の表面温度は30℃以下に調節した。
(S30)吸音纎維71として直径が25μmであるポリエチレンテレフタレート繊維の70重量%と、接着纎維として低融点ポリエチレンテレフタレート繊維の30重量%をカードレイヤー工法で混合してウェブ15を形成した。ウェブ15を積層した後、伝熱ボンド工法で結合し、面密度400g/mの纎維パッドを製造した。
纎維パッドを180℃のオーブンで予熱した。予熱した纎維パッドをオイルパンカバー成型金型に挿入した後、80kgf/cmの圧力で40秒間圧搾し、オイルパンカバーの形状に成型した。オイルパンカバー成型金型の表面温度は30℃以下に調節した。
(S50)表皮層の内面にクロロプレンゴム(ChloropreneRubber)接着剤を塗布した。接着剤の塗布面に纎維パッドを附着してオイルパンカバーを完成した。
【0034】
(2)比較例1
既存に市販されている自動車内臓用纎維素材を使って製造されたオイルパンカバーを使った(詳しい説明は必要ないが、本記載では不足です。市販されている従来のオイルパンカバーを使っていれば、製品名、販売者、製品番号などを追加することが好ましいようです)。
【0035】
(3)耐久性評価
実施例1と比較例1のオイルパンカバーを車両に装着した。オイルパンカバーの耐久性を評価するためにクロスカントリー耐久試験を実施した。その結果は以下の表1のとおりである。
【表1】

表1に示したとおり、比較例1は2,000kmも行かずにオイルパンカバーが押されて毛羽が発生するなどの問題が生じた。一方、実施例1は45,000kmの耐久試験を終えても原形がほとんどそのまま保存された。
したがって、本発明によるオイルパンカバーである実施例1が比較例1に比べて耐久性がはるかに優れていることが判る。
【0036】
(4)吸音性能の評価
実施例1のオイルパンカバーを乗用ディーゼル自動車に装着した時、車両の防音性をどれほど改善できるのか評価した。
加速時に騷音の程度を測定するために3段W.O.T(@DYNAMO)加速透過騷音を測定した。その結果を以下の表2及び図5に示した。
【表2】
表2では、測定値が高くなるほど加速騷音が小さくなることを示す。表2の測定RPM領域で加速騷音の平均値を見ると、実施例1のオイルパンカバーを装着した時の加速騷音が2.5〜2.8%改善されることが分かる。図5に示したとおり、測定RPM領域の中で大部分の領域で、実施例1のオイルパンカバーを装着した時の加速騷音が減ることが分かる。
【0037】
走行時の車外騷音の程度を測定するためにIDLE N段車外騷音を測定した。その結果を以下の表3及び図6に示した。
【表3】
表3では測定値が小さくなるほど車外騷音が小さくなることを示す。表3の測定Hz領域で車外騷音の実效値(RMS)を比較すると、実施例1のオイルパンカバーを装着した時、車外騷音が0.5〜0.9dB(A)減少されることが分かる。図6に示したとおり、測定Hz領域の中で大部分の領域で実施例1のオイルパンカバーを装着した時、車外騷音が減少することが分かる。
【0038】
<実験例2>PU層を含む部品の吸音性能測定
(1)実施例2
(S10)強化用纎維11として直径が39μmであるポリエチレンテレフタレート繊維の50重量%と、バインダー纎維13として低融点ポリエチレンテレフタレート繊維の50重量%をカードレイヤー工法で混合してウェブ15を形成した。ウェブ15を積層した後、ニードルパンチング工法で結合し、面密度1400g/mの表皮層10を製造した。
表皮層10を200℃の平板金型に挿入して100kgf/cmで60秒間予熱した。予熱した表皮層10をオイルパンカバー成型金型に挿入した後、80kgf/cmの圧力で50秒間圧搾し、オイルパンカバーの形状に成型した。オイルパンカバー成型金型の表面温度は30℃以下に調節した。
(S30)30μm厚さのポリウレタンフィルムをポリウレタン発泡金型の上下面に附着した。フィルム53の間にポリオールの70重量部、イソシアネートの27重量部及び触媒の3重量部からなるポリウレタン原液を吐出した。金型の上面を下面に当接するように閉じた後、2分30秒間発泡してポリウレタンフィルムに包まれた150kg/mのPUフォームを製造した。トリミング金型カッティング方式でスクラブをとり除いて吸音パッド層を製造した。
(S50)表皮層10の内面にクロロプレン接着剤を塗布した。接着剤の塗布面に吸音パッド層を附着してオイルパンカバーを完成した。
【0039】
(2)吸音性能評価
実施例2のオイルパンカバーを乗用ディーゼル自動車に装着した時、車両の防音性をどれほど改善できるのかを評価した。
加速時、下方騷音の程度を測定するために全負荷加速下方騷音を測定した。その結果を、以下の表4及び図7に示した。
【表4】
表4に示したとおり、実施例2のオイルパンカバーを装着した時、全負荷加速下方騷音が1.7dB(A)減少することが分かる。図7に示したとおり、測定RPM領域の全領域において実施例2のオイルパンカバーを装着した時、加速時の下方騷音が減少したことが分かる。
【0040】
走行時に車外騷音の程度を測定するために、IDLE N段下方騷音を測定した。その結果を以下の表5及び図8に示した。
【表5】
表5に示したとおり、実施例2のオイルパンカバーを装着した時、車外下方騷音が2.4dB(A)減少されることが分かる。また、図8に示したとおり、測定した周波数(Hz)領域の中で大部分の領域で実施例2のオイルパンカバーを装着した時、車外下方騷音お減少させたことが分かる。
【0041】
<実験例3>強化用纎維の直径による表皮層の耐久性評価
(1)実施例3
強化用繊維11として、直径が39μmであるポリエチレンテレフタレート繊維の70重量%と、バインダー纎維13として低融点ポリエチレンテレフタレート繊維の30重量%を使用し、実施例2と同一の方法で表皮層を製造した。
(2)比較例2
強化用纎維11として直径が25μmであるポリエチレンテレフタレート繊維の70重量%と、バインダー纎維13として低融点ポリエチレンテレフタレート繊維の30重量%を使用し、実施例2と同一の方法で表皮層を製造した。
(3)耐久性評価
実施例3及び比較例2で製造した表皮層10の耐久性をテーバ形摩耗試験機を使用して測定した。。H−18の摩耗輪を使って1,000回の回転を実施し、摩耗試験機の両方に1kgの振り子を使って荷重を付与した。
測定結果を以下の表6に示した。
【表6】
表6に示したとおり、実施例3で製造された表皮層10は纎維消失量が少なく、また肉眼で見ても摩耗が進んでいないことが分かる。一方比較例2の結果から、強化用纎維の直径が30μm未満であると表皮層10の耐久性が悪くなることが確認できる。
【0042】
<実験例4>表皮層による部品の吸音性能評価
(1)実施例4
実施例1と同一の方法及び素材でエンジンアンダーカバーを製造した。
(2)比較例3
2,140g/mのガラス繊維強化プラスチック製品を雰囲気温度200±10℃に維持されたオーブンで180秒間予熱した。表面温度が30℃以下に維持されたエンジンアンダーカバーの成型金型を利用して150kgf/cmの圧力で50秒間冷間圧搾成型して表皮層10を製造した。
これ以降は、実施例1と同一の方法でエンジンアンダーカバーを製造した。
(3)吸音性能評価
実施例4及び比較例3で製造されたエンジンアンダーカバーの吸音率を測定した。吸音率評価試験はAlpha cabinで行った。
吸音率評価試験の懸架を以下の表7に示した。
【表7】
表7に示したとおり、実施例4のエンジンアンダーカバーの吸音係数が比較例3より3〜5倍大きく測定されたことが分かる。以上のことから、本発明による部品は既存製品と比べてはるかに向上された吸音性能を有することが分かる。
【0043】
以上、本発明について詳しく説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、以下の特許請求の範囲によって決まる。
【符号の説明】
【0044】
10:表皮層
11:強化用纎維
13:バインダー纎維
15:ウェブ
30:接着剤層
50:PU層(ポリウレタン層)
51:PUフォーム(ポリウレタンフォーム)
53:フィルム
70:纎維パッド層
71:吸音纎維
73:接着纎維
S10:表皮層製造段階
S11:ウェブ製造段階
S13:ウェブ予熱段階
S15:ウェブ成型段階
S17:ウェブトリミング段階
S30:吸音パッド層製造段階
S31:フィルム準備段階
S33:PU原液注入段階(ポリウレタン原液注入段階)
S35:発泡段階
S37:PU層トリミング段階(ポリウレタン層トリミング段階)
S31’:纎維パッド製造段階
S33’:纎維パッド予熱段階
S35’:纎維パッド成型段階
S37’:纎維パッドトリミング段階
S50:接着段階
S51:接着剤塗布段階
S53:吸音パッド層付着段階
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8