特許第6788460号(P6788460)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6788460
(24)【登録日】2020年11月4日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】濾材交換型フィルタ
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/52 20060101AFI20201116BHJP
【FI】
   B01D46/52 A
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-191154(P2016-191154)
(22)【出願日】2016年9月29日
(65)【公開番号】特開2018-51485(P2018-51485A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2019年9月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232760
【氏名又は名称】日本無機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】内木場 あやの
(72)【発明者】
【氏名】北山 治
(72)【発明者】
【氏名】関 和也
(72)【発明者】
【氏名】庭田 修治
【審査官】 青木 太一
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭39−002093(JP,Y1)
【文献】 特開平09−141026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00−46/54
F16B 1/00− 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体中の微粒子を捕集する、プリーツ加工された濾材を有するフィルタパックと、
気体が通過する気流方向に開口された開口部を有し、前記フィルタパックを前記開口部内に保持する枠体と、
前記枠体に保持された前記フィルタパックが前記気流方向のうち第1の側に移動することを規制する規制部材と、を備え、
前記枠体は、前記枠体に保持された前記フィルタパックに対して前記第1の側に、前記気流方向を横切る方向にスリット状に延びる取付孔をさらに有し、
前記規制部材は、一方向に延びる屈曲線に沿って屈曲された形状を有し、前記屈曲線の両側に板状に延在する第1の板状部および第2の板状部を含むとともに、前記第1の板状部は前記枠体の外側に延在し、前記第2の板状部は前記開口部内に延在するよう、前記取付孔に取り付けられ、
前記屈曲線は、前記取付孔が延びる方向と平行に延び、かつ、最も前記第1の側に位置する前記規制部材の端に含まれ
前記規制部材は、前記第2の板状部が前記第1の側から前記第2の側に向かう力を受けることで前記屈曲線の回りに回動するよう取り付けられていることを特徴とする濾材交換型フィルタ。
【請求項2】
気体中の微粒子を捕集する、プリーツ加工された濾材を有するフィルタパックと、
気体が通過する気流方向に開口された開口部を有し、前記フィルタパックを前記開口部内に保持する枠体と、
前記枠体に保持された前記フィルタパックが前記気流方向のうち第1の側に移動することを規制する規制部材と、を備え、
前記枠体は、前記枠体に保持された前記フィルタパックに対して前記第1の側に、前記気流方向を横切る方向にスリット状に延びる取付孔をさらに有し、
前記規制部材は、一方向に延びる屈曲線に沿って屈曲された形状を有し、前記屈曲線の両側に板状に延在する第1の板状部および第2の板状部を含むとともに、前記第1の板状部は前記枠体の外側に延在し、前記第2の板状部は前記開口部内に延在するよう、前記取付孔に取り付けられ、
前記屈曲線は、前記取付孔が延びる方向と平行に延び、かつ、最も前記第1の側に位置する前記規制部材の端に含まれ、
前記屈曲線が延びる方向に沿った、前記第1の板状部および前記第2の板状部の長さは、前記取付孔が延びる方向の前記取付孔の長さより長く、
前記第1の板状部と前記第2の板状部が互いに接続された部分の前記屈曲線に沿った長さは、前記取付孔が延びる方向の前記取付孔の長さより短い、ことを特徴とする濾材交換型フィルタ。
【請求項3】
気体中の微粒子を捕集する、プリーツ加工された濾材を有するフィルタパックと、
気体が通過する気流方向に開口された開口部を有し、前記フィルタパックを前記開口部内に保持する枠体と、
前記枠体に保持された前記フィルタパックが前記気流方向のうち第1の側に移動することを規制する規制部材と、を備え、
前記枠体は、前記枠体に保持された前記フィルタパックに対して前記第1の側に、前記気流方向を横切る方向にスリット状に延びる取付孔をさらに有し、
前記規制部材は、一方向に延びる屈曲線に沿って屈曲された形状を有し、前記屈曲線の両側に板状に延在する第1の板状部および第2の板状部を含むとともに、前記第1の板状部は前記枠体の外側に延在し、前記第2の板状部は前記開口部内に延在するよう、前記取付孔に取り付けられ、
前記屈曲線は、前記取付孔が延びる方向と平行に延び、かつ、最も前記第1の側に位置する前記規制部材の端に含まれ、
前記第2の板状部は、前記屈曲線が延びる方向に沿った方向の両端部のうち、前記第1の板状部に接近した位置にある第1の端部が、前記第1の板状部から遠ざかるに連れて、前記両端部のうちの第2の端部に接近するよう、前記屈曲線に対し傾斜して延びている、ことを特徴とする濾材交換型フィルタ。
【請求項4】
前記取付孔は、前記枠体に保持されたフィルタパックの濾材の折り目が延びる方向と直交する方向に延びている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の濾材交換型フィルタ。
【請求項5】
さらに、前記枠体と当接する前記フィルタパックの端面に設けられ、前記フィルタパックと前記枠体との間に挟持されるシート状の緩衝材を備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の濾材交換型フィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濾材交換型フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
プリーツ加工された濾材を有するフィルタパックを枠体に保持させてなるエアフィルタが知られている。このエアフィルタでは、使用に伴って濾材に捕集された粉塵量が増えると、圧力損失が上昇し、通風に要する電力コストが増大する。圧力損失が所定値に達した場合に、枠体を再利用するために、濾材を交換することのできるエアフィルタ(以降、濾材交換型フィルタという)が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
濾材交換型フィルタとして、気流とは逆方向の風を受けてフィルタパックが枠体から抜けることを防止するために、フィルタパックより上流側の枠体の部分に、複数の押え棒を、気流方向を横切るように開口部に取り付けたものが知られている。押え棒は、例えば、開口部に設けられた孔に差し込まれて取り付けられ、押え棒同士は、互いに間隔をあけて、例えば左右の枠の間に架け渡される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−83713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した濾材交換型フィルタでは、濾材の交換作業において、濾材を枠体から取り除く前に、押え棒を枠体から外す作業を要する。その際に、押え棒を紛失するおそれがある。また、新しい濾材を枠体内に配置した後に、押え棒を取り付ける作業を要するとともに、作業の際に、押え棒を曲げてしまう場合がある。あるいは、支柱の先端で濾材を損傷させてしまう場合がある。このように、押え棒を備えた濾材交換型フィルタでは、濾材交換のための作業数が多く、また、押え棒の取り扱いに注意を要し、面倒なものとなっている。
【0005】
本発明は、気流とは逆方向にフィルタパックが枠体から外れることを防止でき、簡単な作業でフィルタパックを設置できる濾材交換型フィルタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、濾材交換型フィルタであって、
気体が通過する気流方向に開口された開口部を有し、前記フィルタパックを前記開口部内に保持する枠体と、
前記枠体に保持された前記フィルタパックが前記気流方向のうち第1の側に移動することを規制する規制部材と、を備え、
前記枠体は、前記枠体に保持された前記フィルタパックに対して前記第1の側に、前記気流方向を横切る方向にスリット状に延びる取付孔をさらに有し、
前記規制部材は、一方向に延びる屈曲線に沿って屈曲された形状を有し、前記屈曲線の両側に板状に延在する第1の板状部および第2の板状部を含むとともに、前記第1の板状部は前記枠体の外側に延在し、前記第2の板状部は前記開口部内に延在するよう、前記取付孔に取り付けられ、
前記屈曲線は、前記取付孔が延びる方向と平行に延び、かつ、最も前記第1の側に位置する前記規制部材の端に含まれ
前記規制部材は、前記第2の板状部が前記第1の側から前記第2の側に向かう力を受けることで前記屈曲線の回りに回動するよう取り付けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明の別の一態様は、濾材交換型フィルタであって、
気体中の微粒子を捕集する、プリーツ加工された濾材を有するフィルタパックと、
気体が通過する気流方向に開口された開口部を有し、前記フィルタパックを前記開口部内に保持する枠体と、
前記枠体に保持された前記フィルタパックが前記気流方向のうち第1の側に移動することを規制する規制部材と、を備え、
前記枠体は、前記枠体に保持された前記フィルタパックに対して前記第1の側に、前記気流方向を横切る方向にスリット状に延びる取付孔をさらに有し、
前記規制部材は、一方向に延びる屈曲線に沿って屈曲された形状を有し、前記屈曲線の両側に板状に延在する第1の板状部および第2の板状部を含むとともに、前記第1の板状部は前記枠体の外側に延在し、前記第2の板状部は前記開口部内に延在するよう、前記取付孔に取り付けられ、
前記屈曲線は、前記取付孔が延びる方向と平行に延び、かつ、最も前記第1の側に位置する前記規制部材の端に含まれ、
前記屈曲線が延びる方向に沿った、前記第1の板状部および前記第2の板状部の長さは、前記取付孔が延びる方向の前記取付孔の長さより長く、
前記第1の板状部と前記第2の板状部が互いに接続された部分の前記屈曲線に沿った長さは、前記取付孔が延びる方向の前記取付孔の長さより短いことを特徴とする
【0008】
本発明の別の一態様は、濾材交換型フィルタであって、
気体中の微粒子を捕集する、プリーツ加工された濾材を有するフィルタパックと、
気体が通過する気流方向に開口された開口部を有し、前記フィルタパックを前記開口部内に保持する枠体と、
前記枠体に保持された前記フィルタパックが前記気流方向のうち第1の側に移動することを規制する規制部材と、を備え、
前記枠体は、前記枠体に保持された前記フィルタパックに対して前記第1の側に、前記気流方向を横切る方向にスリット状に延びる取付孔をさらに有し、
前記規制部材は、一方向に延びる屈曲線に沿って屈曲された形状を有し、前記屈曲線の両側に板状に延在する第1の板状部および第2の板状部を含むとともに、前記第1の板状部は前記枠体の外側に延在し、前記第2の板状部は前記開口部内に延在するよう、前記取付孔に取り付けられ、
前記屈曲線は、前記取付孔が延びる方向と平行に延び、かつ、最も前記第1の側に位置する前記規制部材の端に含まれ、
前記第2の板状部は、前記屈曲線が延びる方向に沿った方向の両端部のうち、前記第1の板状部に接近した位置にある第1の端部が、前記第1の板状部から遠ざかるに連れて、前記両端部のうちの第2の端部に接近するよう、前記屈曲線に対し傾斜して延びていることを特徴とする
【0009】
前記取付孔は、前記枠体に保持されたフィルタパックの濾材の折り目が延びる方向と直交する方向に延びていることが好ましい。
【0010】
前記濾材交換型フィルタは、さらに、前記枠体と当接する前記フィルタパックの端面に設けられ、前記フィルタパックと前記枠体との間に挟持されるシート状の緩衝材を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、気流とは逆方向にフィルタパックが枠体から外れることを防止でき、簡単な作業でフィルタパックを設置できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態の濾材交換型フィルタを示す外観斜視図である。
図2図1のII−II線矢視図である。
図3】規制部材を示す外観斜視図である。
図4】(a)および(b)は、規制部材の変形例を示す図である。
図5】(a)は、フィルタパックが規制部材の上流側にある状態を示す図であり、(b)は、フィルタパックが規制部材に当接した状態を示す図であり、(c)は、フィルタパックが規制部材の下流側にある状態を示す図である。
図6】(a)は、規制状態にある規制部材の変形例を示す図であり、(b)は、規制解除状態にある、(a)の規制部材を示す図である。
図7】(a)は、規制状態にある規制部材の変形例を示す図であり、(b)は、規制解除状態にある、(a)の規制部材を示す図である。
図8】(a)は、規制状態にある規制部材の変形例を示す図であり、(b)は、規制解除状態にある、(a)の規制部材を示す図である。
図9】規制部材の変形例を示す外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施形態の濾材交換型フィルタについて説明する。
【0014】
図1は、本実施形態の濾材交換型フィルタ1を示す外観斜視図である。
濾材交換型フィルタ1は、フィルタパック20と、枠体10と、規制部材30(図2参照)と、を備える。図1において、規制部材30の図示は省略されている。
【0015】
フィルタパック20は、濾材3を有する。
濾材3には、気体中の微粒子を捕集する部材であり、プリーツ加工されている。
濾材3は、例えば、粒径2.5μm以下、濃度が0.3mg/m以下の粉塵の除去に用いられ、計数法による捕集効率が80%以上、圧力損失が79〜493Pa、粉塵保持容量(保塵量)が200〜800g/mのものが用いられる。計数法では、粒径0.3μmの、大気塵、ポリアルファオレフィン(PAO)、シリカのいずれかの粒子が用いられる。粉塵保持容量は、フィルタが所定の最終圧力損失に達するまでに捕集した粉塵量である。
【0016】
濾材3は、例えば、ガラス繊維または樹脂繊維の繊維材料からなる不織布または織布が用いられる。濾材3の具体例として、下記説明する捕集層および補強層(共に図示せず)を備えたものが挙げられる。
捕集層は、樹脂繊維からなる不織布からなる。不織布として、例えば、メルトブロー不織布を用いることができる。メルトブロー不織布は、例えば、溶融樹脂組成物を押し出して微細な樹脂流とし、この樹脂流を高速度の加熱気体と接触させて微細な繊維径の不連続ファイバーとし、このファイバーを多孔性支持体上に集積させることで形成される。メルトブロー不織布の目付は、5〜100g/m、好ましくは10〜80g/mである。ファイバーの径は、0.1〜10μm、好ましくは1〜6μmであり、平均繊維長は、50〜200mm、好ましくは80〜150mmである。
【0017】
メルトブロー不織布の材質には、例えば、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブチレン共重合体、エチレン−オクテン共重合体等のエチレン系共重合体、ポリプロピレンあるいはプロピレン共重合体、ポリブチレン等のポリオレフィン、6−ナイロン、66−ナイロン、6,66共重合ナイロン、610−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン等のポリアミドあるいは共重合ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート共重合体、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、脂肪族系ポリカーボネート、ポリウレタンエラストマー、ポリ塩化ビニルあるいは共重合体、全芳香族ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド等から選ばれた少なくとも1種の重合体である。中でも、メルトブロー成形性に優れ、低コストであり、かつ、メルトブロー不織布の製造中にショットと呼ばれる、繊維状にならないポリマー玉の混入が生じる可能性が極めて低い理由から、ポリプロピレンが好ましい。
【0018】
補強層は、捕集層よりも剛性が高く、通気性が高いシートである。補強層は、変形しやすく、厚みが薄く、軽いものが好ましく用いられる。補強層には、紙、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の合成樹脂からなる織布又は不織布、ネット等を用いることができる。不織布には、例えば、サーマルボンド不織布を用いることができる。捕集層がメルトブロー不織布である場合は、補強層の不織布はサーマルボンド不織布であることが好ましい。サーマルボンド不織布は、公知のものを特に制限されることなく用いることができ、例えば、低融点のフリースを熱ロールの間を通し圧着したものが用いられる。サーマルボンド不織布の材質は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド等が挙げられる。本実施形態では、ポリエステルが用いられる。サーマルボンド不織布は、熱風を当てて圧着させたものであってもよい。
【0019】
補強層は、捕集層の片側又は両側に積層される。捕集層と補強層の積層方法は、特に限定されず、例えば、接着剤を用いて2つの層を貼り合わせる方法や、メルトブロー法以外の製法で製造した補強層の上にメルトブロー法により捕集層を積層することが挙げられる。
【0020】
上記の捕集層および補強層は、エレクトレット処理を行ったものであってもよい。エレクトレット処理は、不織布に対して直流電圧を印加することにより行われる。印加される直流電圧の値は、例えば、電極間距離が8mmである場合、5kV以上の、好ましくは6〜20kVの直流電圧を不織布に印加することにより行われる。
濾材3は、抗菌剤、防カビ剤等を担持させたものであってもよい。
【0021】
濾材3は、プリーツ加工されており、山折り、谷折りが交互に行われることでジグザグ形状の形態を有している。濾材3は、枠体10に保持されて濾材交換型フィルタ1にされたとき、気流方向(X方向)の上流側に、山折りされた複数の山部(図示せず)が配置されるとともに、下流側に、谷折りされた複数の谷部(図示せず)が配置される。なお、上流側から見た場合の山部は、下流側から見ると谷部となる。
【0022】
濾材3の隣接する山部の折り目の間隔(プリーツ間隔)は、例えば1〜10mm、好ましくは2〜7mmである。山部の折り目の間隔は、隣接する谷部の折り目の間隔と等しい。
濾材3のプリーツ数は、フィルタパック20の幅(図1のY方向に沿った長さ)100mmあたり例えば5〜30個である。濾材3は、山部と谷部との間を気流方向に対して傾斜して延在する平面部(図示せず)を有しており、平面部の幅(XY平面において、山部の頂点と谷部の最下点とを結ぶ方向に沿った長さ。折り幅ともいう)は、例えば20〜150mm、好ましくは50〜130mmである。
【0023】
濾材3は、平面部のそれぞれに上流側に突出する、エンボス加工された突起部(図示せず)を有していてもよい。1つの谷部から延在する2つの平面部の突起部同士は、互いに当接する位置に形成される。突起部は、濾材3が畳み込まれたとき、向かい合う突起部同士が接触することで、濾材3のプリーツ間隔を保持し、濾材3のジグザグ形状を保持する。濾材3は、さらに、平面部のそれぞれに、下流側に突出する他の突起部(図示せず)を有していることが好ましい。すなわち、濾材3の表裏両面に突起部が形成されていることが好ましい。1つの山部から延在する2つの平面部の他の突起部同士は、互いに当接する位置に形成される。
【0024】
フィルタパック20は、さらに、間隔保持材5を有することが好ましい。
間隔保持材5は、濾材3のプリーツ間隔を保持する部材である。濾材3が上記突起部を有している場合は、突起部と共にプリーツ間隔を保持する。
間隔保持材5は、図1に示す例において、上流側および下流側において山部が並ぶ方向(図1においてY方向)に沿って延び、山部のそれぞれの頂点と接するように山部に架け渡されている。図1に示す間隔保持材5は、ホットメルト樹脂により形成され、例えば紐状の形態を有している。
間隔保持材は、図1に示す形態のものに限定されず、例えば、上流側および下流側において、山部の頂点から両側の谷部に向かって延びるよう平面部の表面に形成されたものであってもよい。この間隔保持材は、谷部の近傍には形成されず、山部ごとに形成される。この間隔保持材は、濾材3が畳み込まれたときに、間隔保持材が平面部に当接することで、プリーツ間隔を保持する。この間隔保持材もホットメルト樹脂により形成される。
【0025】
フィルタパック20は、濾材3がプリーツ加工されていることで直方体(立方体を含む)形状を有している。
【0026】
枠体10は、気体が通過する気流方向に開口された開口部10b(図2参照)を有し、フィルタパック20を開口部10b内に保持する。図2は、図1のII−II線矢視図である。
枠体10は、例えば、亜鉛鉄板、ステンレス板、樹脂等の枠材を組み合わせて作られる。図1に示す枠体10は、4枚の板状部材を組み合わせて作製される。
【0027】
枠体10の開口部10bは、気流方向と直交する断面(YZ平面と平行な面)において、矩形形状(正方形を含む)をなしている。フィルタパック20の直方体形状のうち、気流方向の両側の端を除いた2つの方向(Y方向およびZ方向)のそれぞれの両側の端が、枠体10の内壁に支持される。この枠体10では、枠体10に保持されたフィルタパック20を気流方向に移動させて、開口部10b内に保持させることができる。
【0028】
枠体10は、さらに、枠体10に保持されたフィルタパック20に対して上流側(第1の側)に、気流方向を横切る方向(Y方向)にスリット状に延びる取付孔10aを有している。図1および図2に示す例において、取付孔10aは、枠体10を構成する4の板状部材のうち、枠体10の上辺をなす板状部材に形成されている。取付孔10aは、板状部材を貫通している。取付孔10aの寸法は、特に制限されないが、例えば、規制部材30の後述する寸法例に対して、縦(X方向長さ)は2〜5mm、横(Y方向長さ)は5〜30mmの矩形形状であることが好ましい。
【0029】
規制部材30は、枠体10に保持されたフィルタパック20が気流方向の上流側に移動することを規制する部材である。
規制部材30は、金属製または樹脂製の部材である。図3に示すように、規制部材30は、直線状に(一方向に)延びる屈曲線31に沿って屈曲された形状(Y方向に見た断面形状がL字状)を有している。図3は、規制部材30を示す外観斜視図である。規制部材30が屈曲する角度は、例えば30〜150度の範囲で選択され、図3に示す規制部材30では90度である。規制部材30が屈曲する角度は、図4(a)に示すように90度未満であってもよく、図4(b)に示すように、90度を超えていてもよいが、フィルタパック20が外れにくくなる観点から、90度未満であることが好ましい。90度未満である場合、フィルタパック20が気流とは逆方向に動いた場合に、第1の板状部32が枠体10に当接し、第2の板状部34が気流とは逆方向に動くことを抑制する。図4(a)および図4(b)は、規制部材30の変形例を示す外観斜視図である。
【0030】
規制部材30は、屈曲線31の両側に板状に延在する第1の板状部32および第2の板状部34を含んでいる。第1の板状部32は枠体10の外側に延在し、第2の板状部34は開口部10b内に延在するよう、規制部材30は取付孔10aに取り付けられる。規制部材30は、取付孔10aに取り付けられた状態で、屈曲線31を回動中心として回動することができる。屈曲線31は、第1の板状部32の延在方向と、第2の板状部34の延在方向とが交差する直線である。
【0031】
屈曲線31は、取付孔10aが延びる方向(Y方向)と平行に延び、かつ、最も上流側に位置する規制部材30の端に含まれる。この屈曲線31の配置は、規制部材30が取付孔10aに取り付けられ、かつ、フィルタパック20が枠体10に保持された状態(例えば図5(c)に示す状態)における配置をいう。このように屈曲線31が配置されていることにより、規制部材30は、図5(a)〜図5(c)に示すように回動する。最も上流側に位置する規制部材30の端として、図5(a)および図5(c)に示す例では、第2の板状部34、および、第1の板状部32と第2の板状部34が互いに接続された部分、を意味し、図5(b)に示す例では、第1の板状部32、および、第1の板状部32と第2の板状部34が互いに接続された部分、が該当する。
【0032】
ここで、図5(a)〜図5(c)を参照して、濾材交換型フィルタ1において、フィルタパック20を枠体10に保持させる作業を説明する。図5(a)は、フィルタパック20が規制部材30の上流側にある状態を示す図である。図5(b)は、フィルタパック20が規制部材30に当接した状態を示す図である。図5(c)は、フィルタパック20が規制部材30の下流側にある状態を示す図である。
フィルタパック20は、枠体10の開口部10b内を、直方体形状を維持したまま、気流方向に平行移動することができる。一方、規制部材30は、図5(a)に示す状態では、第2の板状部34は自重によって鉛直方向に沿って延在するとともに、第1の板状部32は水平方向に沿って延在した姿勢をとる。この状態で、フィルタパック20を、開口部10b内を下流側にスライドさせると、スライドする途中で、フィルタパック20が、第2の板状部34に上流側から当接し、第2の板状部34が下流側に押されることで、規制部材30は、図5(b)に示すように、屈曲線31を回動中心として回動する。これにより、第2の板状部34は、水平方向に延在した状態となり、フィルタパック20は、第2の板状部34の下方を向く面に当接しながらさらに下流側に移動することができる。フィルタパック20が、水平方向に延在した第2の板状部34の下方を通過すると、規制部材30は、先に回動したときとは逆方向に回動して、図5(c)に示す状態(以降、規制状態ともいう)となる。規制状態において、フィルタパック20は、枠体10の下流側の端に設けられたフランジ部10c(図2参照)に当接し下流側に抜け止めされるとともに、第2の板状部34によって上流側に抜け止めされる。フィルタパック20は、希に発生する気流と逆方向(上流側)に向かって流れる気流を受けたときに、フィルタパック20が開口部10b内で上流側にずれて第2の板状部34に当接し、第2の板状部34を押圧しても、第1の板状部32が水平方向に延在し、枠体10に当接しているために、規制部材30はこれ以上回動することができない。このようにして、フィルタパック20は、上流側への移動が規制され、枠体10から外れることが防止される。なお、本明細書において、気流と逆方向とは、枠体10に保持されたフィルタパック20に対して取付孔10aが位置する側(第1の側)、あるいは、枠体10に保持されたフィルタパック20に対して下流側への抜け止めのための手段(図1および図2においてフランジ部10c)が位置する側と反対側、を意味し、図中、矢印Xが指す側と反対側の方向をいう。
【0033】
なお、枠体10に保持されたフィルタパック20は、フィルタパック20の上下面(Z方向の両側の面)もしくは上下左右の周面(Y方向およびZ方向のそれぞれの両側の面)に貼り付けられたウレタンフォーム(緩衝材)で固定される。ここで、緩衝材(図示せず)について説明する。
濾材交換型フィルタ1は、さらに、シート状の緩衝材を備えることが好ましい。
緩衝材は、枠体10と当接するフィルタパック20の端面に設けられ、フィルタパックと枠体との間に挟持されるシート状の部材である。フィルタパック20の端面とは、図1および図2に示す濾材交換型フィルタ1において、直方体形状のフィルタパック20のY方向の両側の面およびZ方向の両側の面、および、フィルタパック20の気流方向の下流側の面のうち外周側の部分(例えば、図1および図2においてフランジ部10cと対向する部分)、をいう。緩衝材は、具体的に、フィルタパック20の端面を被覆するようにフィルタパック20に設けられ、フィルタパック20の気流方向の下流側の端において折り曲げられている。緩衝材の折り曲げ幅(気流方向と直交する方向の長さ)は、3mm〜20mmであることが好ましい。3mmより小さい場合は、フィルタパック20との接着面積が小さくなりすぎ、フィルタパック20と緩衝材との接着強度が低下するおそれがあり、20mmより大きい場合は、フィルタパック20の有効開口面積が小さくなるため圧力損失が上昇するおそれがある。
【0034】
緩衝材は、枠体10とフィルタパック20とが緩衝材を介して当接する際の応力を緩衝できるものであれば特に制限されず、例えば、以下(1)〜(3)に含まれる何れか、或いは、これらの組み合わせの中から選択することができる。
(1)ポリエーテル系のウレタンゴム、ポリエステル系のウレタンゴム、クロロプレンゴム又はEPDM
密度は10〜100kg/mとすることが好ましく、20〜50kg/mとすることが更に好ましい。
なお、緩衝体が発泡体である場合、密度が10kg/mより小さい場合は、発泡体の気泡が多くなりシール性が悪くなるおそれがあり、密度が100kg/mより大きい場合は、硬さが増しすぎシール性が悪くなるおそれがある。
(2)不織布
ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン等の繊維を、ケミカルボンド法、サーマルボンド法又はスパンボンド法により得たものを使用することができる。
(3)ガラス繊維
平均繊維径1μm以下の綿状(短繊維)の原材料を乾式で不織布にしたものを使用できるが、密度30〜230g/mのガラス繊維を乾式で不織布にしたものが好ましい。
上記(1)〜(3)の中でも、取り扱い性が良いという観点から(1)のゴム系の緩衝材を使用することが好ましい。
【0035】
また、緩衝材の厚さは、1〜10mmであることが好ましい。1mmより薄い場合は、フィルタパック20と枠体10の隙間を十分にシールすることが困難であり、10mmより厚い場合は、開口部10bが正方形状である通常の枠体10に装着するために、濾材3の気流方向の下流側の面の面積を小さくする必要があるからである。
緩衝材は、フィルタパック20に固定される面のうち、Y方向およびZ方向のそれぞれの両側の面を全面にわたって覆うようにすることが好ましい。
また、緩衝材をフィルタパック20に固定するための接着剤としては、通風時に濾材3から剥離しない程度の接着強度を有するものであればよく、例えば、アクリル系、ゴム系の接着剤等を使用することができる。
【0036】
このような緩衝材が設けられていことで、フィルタパック20と枠体10とのシール性が向上する。また、緩衝材が設けられたフィルタパック20が枠体10と接触したときに、緩衝材は柔軟に変形してフィルタパック20から剥がれ難い。また、フィルタパック20の下流側の面において、枠体10と濾材3との間のシール性が確保される。
上記説明した緩衝材として、具体的に、特開2011−83713号公報に記載された緩衝材を用いることができる。また、以降の説明における、フィルタパック20に関する記述は、緩衝材が設けられたフィルタパック20にも適用することができる。
【0037】
以上の濾材交換型フィルタ1において、フィルタパック20を交換する際、所定の圧力損失に達した(寿命が尽きた)フィルタパック20は、規制部材30が取付孔10aに取り付けられたままで、濾材交換型フィルタ1の正面(濾材交換型フィルタ1の上流側)から、例えば手で掴んで上流側に取り出され、廃棄される。その後、枠体10には、新しいフィルタパック20を、上記説明したようにして保持させることができる。このように、濾材交換型フィルタ1によれば、規制部材30を枠体10から取り外す作業が不要であるとともに、取り外した規制部材30を枠体10に取り付ける作業が不要である。また、規制部材30を取り外す必要がないので規制部材30を紛失するおそれがないとともに、規制部材30によってフィルタパック20を損傷させることがない。
以上の濾材交換型フィルタ1によれば、気流と逆方向にフィルタパック20が枠体10から外れることを防止でき、簡単な作業でフィルタパック20を設置することができる。
【0038】
なお、フィルタパック20の下流側への抜け止めのための手段は、上記フランジ部10cに制限されず、従来公知の手段を用いることができる。例えば、棒状の押え板を用いることができる。幅10〜20mm程度の押え板を用いる場合、フィルタパック20より下流側の枠体10の部分に、複数の押え板を、気流方向を横切るように開口部10bに取り付けられる。
【0039】
濾材交換型フィルタ1は、例えば、中性能フィルタあるいはHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタの性能を有している。中性能フィルタは、主として粒径が5μmより小さい粒子に対して中程度の粒子捕集率をもつエアフィルタであって、光散乱光量積算方式(比色法)で50〜95%の捕集効率、あるいは計数法(粒径0.3μm)で5〜90%の捕集効率を有するエアフィルタである。HEPAフィルタは、定格風量で粒径0.3μmの粒子に対して99.97%以上の捕集効率を有し、かつ初期の圧力損失が245Pa以下であるフィルタである。
なお、濾材交換型フィルタ1は、建物の外気取入口付近、あるいはダクトの途中等、に設置された取付枠に取り付けられて使用される。
【0040】
規制部材30は、図3に示すように、屈曲線31が延びる方向に沿った、第1の板状部32の長さL1および第2の板状部34の長さL2は、取付孔10aが延びる方向の取付孔10aの長さL10より長く、かつ、第1の板状部32と第2の板状部34が互いに接続された部分の屈曲線31に沿った長さL3は、取付孔10aが延びる方向の取付孔10aの長さL10より短いことが好ましい。この規制部材30は、第1の板状部32と第2の板状部34が、屈曲線31が延びる方向に互いにオフセットされた形態を有している。このため、規制部材30は、フィルタパック20の交換時にフィルタパック20が接触しても、枠体10から外れ難い。この規制部材30を、取付孔10aに取り付ける際は、屈曲線31を、Y方向およびZ方向に対し傾斜させた状態で、第2の板状部34を、屈曲線が延びる方向に沿った方向の両端部のうち第1の板状部32から離反した方の端部(後述する第2の端部)から取付孔10aに挿入し、屈曲線31を、徐々にY方向と一致させるように規制部材30の姿勢を変化させながら挿入する。なお、第1の板状部32と第2の板状部34が互いに接続された部分は、規制部材30がスムーズに回動するように、長さL1の部分と長さL2の部分との間に、取付孔10aの長さL10より短い部分(介在部)が屈曲線31と直交する方向の僅かな範囲にわたって介在していることが好ましい。規制部材30を一平面上に展開したときの屈曲線31と直交する方向に沿った介在部の長さは、枠体10の板厚を考慮して定められる。なお、介在部は、以降に参照する図6図8に示す規制部材において、図示を省略する。
【0041】
規制部材30の寸法は、特に制限されないが、例えば、上述した取付孔10aの寸法例に対して、第1の板状部32の長さL1および第2の板状部34の長さL2は、それぞれ、10〜35mmであり、互いに等しくてもよく、異なっていてもよい。第1の板状部32および第2の板状部34の接続部分の長さL3は、5〜20mmである。また、第1の板状部32の幅(図3のX方向に沿った方向の長さ)および第2の板状部34の幅(図3のZ方向に沿った方向の長さ)は、それぞれ、5〜25mmであり、互いに等しくてもよく、異なっていてもよい。第1の板状部32の厚みおよび第2の板状部34の厚みは、それぞれ、0.6〜3.2mmであり、互いに等しくてもよく、異なっていてもよい。なお、第2の板状部34の長さL2は、取付孔10aとフランジ部10cとの気流方向の間隔から、フィルタパック20の気流方向の長さ、および、フィルタパック20の下流側の面に貼り付けられる緩衝材の気流方向の長さの合計を引き算した長さより小さくなるよう定められる。これにより、フィルタパック20が、上述のように規制部材30の下方を気流方向に通過してフランジ部10cに当接したときに、図5(c)に示すように規制状態となることができる。
【0042】
長さL1および長さL2は、図3に示す例において、互いに等しい。長さL2が長さL1より長い場合は、第1の板状部32の重さを、第2の板状部34の重さより重くして、図5(a)または図5(c)に示す状態での規制部材30の姿勢を安定させることができる。
長さL1および長さL2が異なる形態の例として、図6および図7に示す形態が挙げられる。図6(a)および図7(a)は、それぞれ、規制状態にある規制部材30の変形例を示す図であり、図6(b)および図7(b)は、それぞれ、規制状態が解除された状態(以降、規制解除状態ともいう)にある、図6(a)および図7(a)の規制部材30を示す図である。
図6および図7に示す例では、第1の板状部32の長さL1が、第2の板状部34の長さL2より長い。図6に示す例では、さらに、第1の板状部32の長さL1方向の両端が、第2の板状部34の長さL2方向の両端よりも外側に位置するよう、第1の板状部32および第2の板状部34が互いに接続されている。一方、図7に示す例では、長さL1方向に沿った第1の板状部32の片方の端が、長さL2方向に沿った、当該端と同じ側の第2の板状部34の端と、同じ位置にある。
【0043】
また、規制部材30は、枠体10の上辺を含む部分に取り付けられることに制限されず、例えば、枠体10の側辺を含む部分に取り付けて用いることができる。この場合に、例えば、図8に示すように、長さL1を長さL2より長くすることで、第2の板状部34がその重さによって倒れるように規制部材30が傾くことが抑えられる。図8(a)は、規制状態にある規制部材30の変形例を示す図である。図8(b)は、規制解除状態にある、図8(a)の規制部材30を示す図である。
【0044】
また、規制部材30の第2の板状部34は、図9に示すように、屈曲線31が延びる方向に沿った方向の両端部のうち、第1の板状部32に接近した位置にある第1の端部34aが、第1の板状部32から遠ざかるに連れて、両端部のうちの第2の端部34bに接近するよう、屈曲線31およびZ方向に対し傾斜して延びていることが好ましい。図9は、規制部材30の変形例を示す外観斜視図である。この形態の規制部材30によれば、取付孔10aに取り付ける際に取付孔10aを通過する第2の板状部34の最大幅が小さくなるため、取付孔10aの長さL10を短くすることができる。このため、規制部材30が枠体10から外れ難い。
【0045】
取付孔10aは、枠体10に保持されたフィルタパック20の濾材3の折り目が延びる方向(Z方向)と直交する方向(Y方向)に延びていることが好ましい。この形態の取付孔10aによれば、取付孔が折り目が延びる方向と平行な方向に延びている場合と比べて、第2の板状部34に、より多くの濾材3の山部が当接するため、フィルタパック20の上流側への抜け止め効果が向上する。
【0046】
本実施形態では、枠体10に取り付けられる規制部材30の数が1個であっても、フィルタパック20の十分な抜け止め効果が得られるが、1個に制限されず、複数の規制部材30が用いられてもよい。
【0047】
以上、本発明の濾材交換型フィルタについて詳細に説明したが、本発明の濾材交換型フィルタは上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0048】
1 濾材交換型フィルタ
10 枠体
10a 取付孔
10b 開口部
20 フィルタパック
30 規制部材
31 屈曲線
32 第1の板状部
34 第2の板状部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9